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穗積委員 外務大臣、われわれの所論というものは大体わかっておるはずです。私のいまの発言から見ても、私が
李ラインを認めて、その上で
漁船の
拿捕だけやめろという、そういう無礼な曲解というものがありますか。認められざるこの不当なラインなんですよ。そうであるなら、話がきまらぬ時期においてもこれはあり得べからざる線ですから、そこにおける一切の
向こう側の行為というものは
不法行為であり、不当行為なのです。そんなことはわかり切っています。あなたは、季ラインというものがある以上は、
向こうが主張しておる以上は、
拿捕事件というものはやむを得ない、こう言っているじゃないですか。認めないという立場で
日本が立っておるなら、認めるか認めないかは今後の問題でしょう。認めていないのですから、これは
日本側から見ればないのですよ。それを根拠にして、しかも、われわれ、
安藤委員長代理を先頭にして、与野党とも、いまの
鯨岡君も御同行いたしまして、そしてつぶさに現地の
状況を見ております。これは何も
李ラインではない、
李ラインに接近するものは片っぱしから攻撃を加えておる。ですから、私は
外務省に——臼井長官が見えたので、もう時間がはなはだなくて残念ですが、もし
あとで時間があれば続いてお尋ねすることにして、そこで、第一に私は提案をして
外務大臣の御意見を伺いたいのだが、大体が、現地の
漁民ですら、それからさらに広範の
国民ですら、こういうような不当なゆすりかたりのような強盗のような
態度を継続しながら
日韓会談を一体なぜやらなければならないのか、
日韓会談を友好的な精神でやるなら、こういう行為はあり得べからざるものであるし、また、こういう行為を一方においてとるならば、
日韓会談はこれは中断をすべきである、これは私は常識であり公正な意見であると思うのです。したがって、
外務省の弱腰のために、
海上保安庁の諸君も非常な苦労をしておる、不当な苦労をしておるのです。これは、あなたは腹の中では弱腰でないことを念願しながら、
アメリカの圧力に屈して、よう強いことが言えない、こういうことでしょう。先月からこの月にかけて、
アメリカの非常にあせった
日韓会談でっち上げ、その前哨としての
経済援助の促進、これにあなたは全く屈しておる。だから、こういう不当な行為が行なわれても、それに遺憾の意を表する程度で、行動にあらわれない。だからなめられる。だから、
鯨岡委員が指摘したように、
向こうはもっと新鋭の
警備船を強化してこれを
拿捕しようとしておるわけです。攻撃を加えようとしておるわけです。だから、この際は、
外務省は、そういう行為、そういう
態度が改まるまで
日韓会談はやらない、
経済援助の
交渉もやらない、一度中断することが外交的な手段としては私は相手に反省を求める唯一の効果的な方法であると思うのです。
感情に走ったり過激なことを一方的に言うのではありません。これが
国民全体の常識であり要望であると私は思うのです。そういうお
考えはありませんか。