○
三木(喜)
委員 この点について私も
英国の
ロンドン大学の教授に、
英国もかなり頭脳の
海外流出があるのでどういうぐあいに
考えておるかという話をしましたところが、
英国も非常に困る問題だ、しかしながらこれについては個人の
考えもあるから無理なとめ方もできないけれども、本人の愛国心といいますか、国を愛するという
考え方にやはりたよらなければならない、こういう
言い方をしておりました。やはり国を愛するような
考え方を持たせるということになるならば、
政府においてもしかるべき施策をしてやらなかったら、そこによることができないのですから、この点については十分今後
考えてもらわなければならないと私は思うのです。
第二の点は、この前の
報告にも申し上げましたが、
科学アタッシェの方々にたいへんに
お世話になった、私はこのことが非常に重要だと思うのです。しかし、
科学アタッシェの
努力あるいはいろいろな
報告というものが
科学技術庁に生かされていく、こういう形態がとられておるのでなかったら、これらの人の
努力というものが無になるのではないか、このように私は思うのです。いまのシステムの中では、
外務省へ
報告をして、
外務省の
出先というようなかっこうになっておると思うのです。
科学アタッシェのほうでは、こういうよい情報を得、こういうことも
科学技術庁のほうから指示を受けたいと思っても、一々
外務省を回っていかなければならぬ、これでは非常にまどろっこしいということを
出先の
アタッシェが言っております。何とかそういうことを当
委員会としても
考えてもらって、ほんとうに
科学の
アタッシェを出している、そういう
役割りを十分果たせるように、
科学技術庁とも直結するという
方法をとってもらうほうがいいのではないだろうか、私はこういうように思ったわけです。
それから、同じ
科学アタッシェの問題ですけれども、
科学技術庁ではどういうぐあいに
考えておられるのか知りませんけれども、私は現地へやってもらって、特に
ウイーンでああいう
会議がたびたび持たれておるにもかかわりませず、
ウイーンではたった
川嶋アタッシェ一人だけで、きりきり舞いをしているわけです。一方フランスではやっぱり
OECD関係その他外交上の問題がたくさんありまして、これもきりきり舞いしておる。そこで
ヨーロッパ各地の、私が行かしてもらったときには
川嶋さんだけに
お世話になったわけですけれども、イギリスからもこういう
会議があったら応援に来る、そういう道を開いてもらって、有無相通ずるというか、
相互扶助という
考え方でやってもらうか、それともたいへんに人手の足らぬところは人員をふやしてもらわなければならぬ。今後どんどんと
海外に出ていって、こうした
科学的な
交流が行なわれるとするならば、この陣容では非常に不備である、少ない、こういうように思ったのです。これについては、
科学技術庁でも
相当決意を持って今度の
予算要求をしてもらわなければなりませんし、
前田委員長並びに当
科学技術振興対策特別委員会ではかなり強くこの問題を主張してもらわなければならぬ、こういうように思います。それが第二の
問題点です。
それから第三の
問題点は、
議会人科学者会議において
結論として十カ条あげられました。
科学担当の大臣を置かなければならぬとか、あるいは
予算をどうだというような十カ条をあげられましたけれども、その五カ条までは
日本としては、十分に形はできておるわけです。しかしながら、そのうちの六、七、八、九、十というような
項目については、これは後ほど
文書によって
報告さしてもらいますが、いまだ十分でないと思います。そういう点はやはり
科学技術特別委員会でしっかりと方針をきめてやってもらうということ。
それから、今後こうした
ウイーンのような
会議は、そのとき勝負で出ていくか出ていかぬかをきめるのか、あるいは今後それについては行くということを決定を願うのか、そういう
長期の
見通しに立って、きょう
会議が終わるのですから、そういう点もひとつきめておいていただいたらどうだろうか、こういうように思います。私はこの前御
報告いたしましたように、ぜひこの
会議には今後行っていただく、そうしてそれには
科学技術庁もそれに対するところの
援助計画といいますか、
一緒についていくとか、あるいは
出先でそれを援助するところの方策を立てるとかいうような
長期見通しを立てて、そうしてここで決定してもらったらどうか、こういうように思うのです。
以上、私は、一
青年科学者の問題と、
科学アタッシェの非常な活躍から
考えついて
感じた点、こうした国際的な
会議に
日本としてどう対処するか、この三つの問題について提起したのですが、時間がございませんので、私の
考えなり提案をしたいというようなことは一切省略いたしまして、それについて
委員長の
善処方、
科学技術庁の
善処方をお願いして、私の
報告を終わりたいと思います。