運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-02-06 第46回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年一月二十四日(金曜日)委員長の指 名で、次の通り小委員及び小委員長を選任した。  科学技術の基本問題に関する小委員       内田 常雄君    菅野和太郎君       佐々木義武君    寺島隆太郎君       中曽根康弘君    西村 英一君       福井  勇君    前田 正男君       岡  良一君    岡本 隆一君       田中 武夫君    原   茂君       山内  広君    鈴木  一君  科学技術の基本問題に関する小委員長                 前田 正男君  原子力政策に関する小委員       菅野和太郎君    佐々木義武君       中曽根康弘君    西村 英一君       福井  勇君    細田 吉藏君       前田 正男君    渡辺美智雄君       岡  良一君    河野  正君       久保 三郎君    原   茂君       山内  広君    鈴木  一君  原子力政策に関する小委員長                 中曽根康弘君 ————————————————————— 昭和三十九年二月六日(木曜日)    午後一時四十五分開議  出席委員    委員長 前田 正男君    理事 菅野和太郎君 理事 佐々木義武君    理事 西村 英一君 理事 福井  勇君    理事 岡  良一君 理事 原   茂君    理事 山内  広君      小宮山重四郎君    坂田 英一君       保科善四郎君    細田 吉藏君       渡辺美智雄君    久保 三郎君       楯 兼次郎君    三木 喜夫君       鈴木  一君  出席国務大臣         国 務 大 臣 佐藤 榮作君  出席政府委員         科学技術政務次         官       鹿島 俊雄君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   江上 龍彦君         総理府事務官         (科学技術庁長         官房会計課長) 木戸 四夫君         総理府技官         (科学技術庁計         画局長)    村田  浩君         総理府技官         (科学技術庁研         究調整局長)  芥川 輝武君         総理府事務官         (科学技術庁振         興局長)    杠  文吉君         総理府事務官         (科学技術庁原         子力局長)   島村 武久君         総理府技官         (科学技術庁資         源局長)    橘  恭一君     ————————————— 一月三十日  委員岡本隆一君辞任につき、その補欠として三  木喜夫君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  科学技術振興基本施策及び昭和三十九年度科  学技術庁関係予算に関する説明聴取      ————◇—————
  2. 前田正男

    前田委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  まず、佐藤国務大臣より、科学技術振興のための昭和三十九年度における基本的施策について、その所信を承ることにいたします。佐藤国務大臣
  3. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 現代は科学革命時代であり、技術革新時代であるといわれております。まことに今日ほど一国における科学技術発達のいかんが、その国の政治、経済、社会、文化の各方面にわたって重大な影響を与え、ひいてはその国の国力の消長を左右する時代はいまだかってなかったと申しても過言ではないのであります。最近における科学技術発達の速度から見ますると、今日の十年は過去の百年にも匹敵するといわなければなりません。  近年におけるわが国経済の目ざましい成長は、世界各国の驚異の的となっているところでありますが、このことはわが国における科学技術の進歩に負うところがきわめて大であったことは申すまでもありません。しかしながら、従来の科学技術発達は、主としてわが国民が外国科学技術を積極的に受け入れ、これをよく消化したことによることもまたいなみ得ない事実であります。  いまやわが国経済は本格的な開放経済体制を迎え、国際競争のきびしい風にさらされようとしております。このときにあたり、政府といたしましては、科学技術伸長の上に近来とみに重要性を加えてきた政府の役割を十分自覚し、覚悟を新たにして科学技術振興に力を尽くすことはもとより、従来のごとき単なる外国技術への依存体制からすみやかに脱却して、独創的科学技術開発に向かって格段の努力を傾注しなければならぬことを痛感する次第であります。  このような観点に立って、昭和三十九年度におきましては、特に次の諸施策を実施してまいる所存であります。  まず第一に、科学技術に関する行政機構整備強化につきましては、現在臨時行政調査会中心として鋭意検討が進められておりますが、さしあたり、科学技術会議について、その科学技術に関する最高審議機関としての機能をさらに発揮させるため、同会議が常時調査、審議し得るよう所要の改正を行なうことといたしております。  また、国立試験研究機関につきましては、先般行なわれた科学技術会議諮問第三号「国立試験研究機関刷新充実するための方策について」に対する答申の線に沿ってその刷新充実をはかる所存であり、特に研究機関研究学園都市への集中移転、すなわち、研究団地建設については、これを強力に推進し、研究機関が恵まれた環境のもとで相互に緊密な連携をはかりつつ、研究を効率的に実施し得るよういたしたいと考えております。  なお、国立試験研究機関における人づくり推進するとともに、研究公務員処遇改善についても格段の努力を傾注する所存であります。  第三に、国産技術開発につきましては、国立試験研究機関の一そうの活用をはかるとともに、試験研究用機械設備特別償却制度改善等、税制上の優遇措置拡充することにより、産業界における研究投資積極化をはかりたいと考えております。さらに、新技術開発事業団日本科学技術情報センター及び理化学研究所強化をはかることはもとより、発明実施化助成地方発明センター設置助成科学技術者の顕彰の強化等一連措置を実施するとともに、国民全般に対する科学技術思想普及啓発につきましても、中央地方を通じて一そう推進いたす考えであります。  なお、当庁付属航空宇宙技術研究所及び金属材料技術研究所におきましても、その整備拡充をはかり、国産技術開発研究を進めてまいる所存であります。  第三に、宇宙開発につきましては、数年来各般の施策を講じて、その推進努力してまいりましたが、最近における先進諸国宇宙開発の急速な進展に対処して、今後、わが国においても、宇宙開発を国の重要施策一つとして、積極的な促進につとめることが必要であると考えます。  このため、昨年から内閣総理大臣諮問を受けて審議検討を続けておりました宇宙開発審議会が、このほどわが国における今後の宇宙開発重点目標とこれを達成するための具体方策について結論を得ましたので、今後はこの答申の線に沿い、その具体化を進めてまいる方針であります。この方針に沿って、さしあたり、昭和三十九年度におきましては、航空宇宙技術研究所におけるロケッ卜部門拡充強化するとともに、新たに当庁付属機関として、宇宙利用を総合的かつ効率的に推進するため、宇宙開発推進本部を新設し、ロケット及び人工衛星試作、打ち上げ等の開発を行なわせる所存であります。  第四に、原子力平和利用につきましては、最近、原子エネルギー利用経済性が、近い将来において他のエネルギー源に匹敵し得る見通しが強まったため、各国ともこれが本格的推進に乗り出している情勢にあります。  わが国におきましても、世界の大勢におくれをとらぬよう、原子力研究開発利用を強力に推進すべきであると考えます。このため、昭和三十九年度におきましては、昭和三十八年度から発足した日本原子力船開発事業団強化をはかり、原子力第一船の基本設計船体発注等その開発促進するとともに、さらに原子力利用の重要な柱であります原子力発電につきましては、将来におけるわが国エネルギー需給に占める役割りを考慮し、昭和四十五年ごろまでに約百万キロワットの発電開発すべく、所要の諸施策についてその具体化をはかる考えであります。  なお、動力炉国産化技術確立をはかるため、国産動力炉材料試験炉開発を強力に推進し、さらに、使用済み燃料の再処理施設建設を進めてまいる所存であります。  また、日本原子力研究所内にアイソトープセンターを新設し、アイソトープ総合的利用推進をはかりたいと考えております。  第五に、防災科学技術環境科学技術等重要総合研究推進でありますが、当庁においては、昭和三十九年度において特別研究促進調整費を大幅に増額し、一そう積極的な推進をはかる所存であります。特に、防災科学技術及び環境科学技術につきましては、わが国地理的特殊条件により、豪雪、台風集中豪雨等自然災害はあとを断たず、また大都市への人口集中工場過密化に伴う大気汚染水質汚濁騒音等公審の発生も増大してきております。かかる状況にかんがみ、これら災害を防止軽減するために、当庁においても総合的な立場からこれらの研究推進してまいりましたが、今後とも防災及び環境科学技術の強力な振興をはかり、これに対処する所存であります。特に、昨年度当庁付属機関として発足した国立防災科学技術センターについては、昭和三十九年度において、雪害防止研究を行なう雪害実験所を新設するとともに、沿岸防災の一環として波浪観測塔設置する等、機構及び施設の大幅な強化拡充をはかる所存であります。また、その他の重要総合研究につきましても、海洋科学技術の分野で潜水調査船開発研究、建造を進める等、一そうの充実をはかる所存であります。  第六に、最近の急激な資源利用構造変動に対処するために、必要な諸調査の一そうの拡充を行なうとともに、今後は国際的視野に立って資源総合的利用を強力にはかってまいりたいと考えております。  最後に、科学技術に関する国際協力につきましては、宇宙開発原子力利用等今日の科学技術研究は、今や国際的規模において行なわれるべき時代となっていることは申すまでもないところであります。特に、わが国経済協力開発機構への加盟が目前に迫っている今日、科学技術に関する国際協力がますますその重要性を増しつつあ、ることを痛感する次第であります。したがいまして、今後一そう、科学技術者国際交流推進国際的共同研究及び国際会議への積極的参加科学技術情報交換促進等により、国際協力の実をあげるよう努力いたす所存であります。  また、科学技術基本法制定の問題に関しましては、その柱となる長期計画について、現在、科学技術会議検討を進めておりますので、その結論を待って、具体化をはかりたいと考えております。  以上、当面考えております施策の大綱を申し述べましたが、わが国科学技術振興重要性にかんがみ、微力ながらもあらゆる努力をいたす所存であります。  委員各位の御支援御協力を切にお願いしてやまない次第であります。
  4. 前田正男

    前田委員長 以上で大臣所信表明は終わりました。  引き続き、江上官房長より、昭和三十九年度科学技術庁関係予算説明を聴取することといたします。江上官房長
  5. 江上龍彦

    江上政府委員 昭和三十九年度科学技術庁予算について御説明申し上げます。  昭和三十九年度科学技術庁予算要求額は、歳出予算額百六十九億二千二百万円、国庫債務負担行為額九十九億五百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳出予算額で二十一億六千三百万円、国庫債務負担行為額で五十億四千二百万円の増額となっております。これを増加比率で申し上げますと、歳出予算額は対前年度比一四・七%増となっております。これは三十八年度の対前年度比一五・九%増と比べますと若干減少しておりますが、三十九年度一般会計歳出予算額の対前年度比一四・二%増を上回っております。当庁予算は三十四年度以降常に一般会計伸長率を下回っておりましたが、三十九年度予算においてこれを上回ることになりましたので、相当の伸長を見たわけであります。  次に、予算要求額中おもなる経費についてその大略を御説明いたします。  第一に、科学技術に関する行政機構整備強化につきましては、一億六千五百万円を計上いたしました。  まず、科学技術総合的振興体制確立及び振興施策実施円滑化をはかるため、科学技術会議が常時調査、審議し得るよう科学技術会議設置法を改正してその機能を一そう充実することとし、このため専門委員増強及び会議運営に必要な経費増額をはかりました。  次に、科学技術に関する調査機能強化するため、計画局調査課を新設することとし、科学技術に関する内外の動向調査のほか新たに科学技術行政に必要な基礎的な問題の調査及び試験研究機関集中移転に伴う調査を行なうため必要な経費を計上いたしました。  試験研究機関等人づくり推進につきましては、研究公務員等の国内における各種研修に必要な経費を計上するとともに、海外留学につきましても、滞在費の大幅な増額をはかって、留学生の待遇の改善及び研究能率向上に資することといたしました。  第二に、国産技術開発促進につきましては、八億九千六百万円及び国庫債務負担行為額四億三千二百万円を計上いたしました。  まず新技術開発事業団につきましては、引き続き新技術開発を実施するため必要な経費として五億三千万円の政府出資金及び国庫債務負担行為額八千百万円を計上いたしました。  次に、発明実施化助成及び地方発明センター設置助成につきましては、従来どおり実施するとともに、国民創意くふう意欲の向上に資するため、職場にあって創意くふうによめ技術改善向上に貢献した者の表彰について、その規模を拡大して実施することといたしました。  なお、日本科学技術情報センターにつきましては、情報活動を一そう強化充実するための経費及び新技術開発事業団との合同ビル建設するための経費を合わせて三億七百万円の政府出資金及び補助金並びに国庫債務負担行為額三億五千百万円を計上いたしました。  第三に、宇宙開発推進につきましては、六億二千六百万円及び国庫債務負担行為額九千五百万円を計上いたしました。  まず、宇宙利用を総合的かつ効率的に推進するため、当庁宇宙開発推進本部を新設することとし、ロケット及び人工衛星開発に必要な設計試作、打ち上げ等の業務を行なうため必要な経費として、三億円を計上いたしました。また、航空宇宙技術研究所におきましても、ロケット研究部中心とする、ロケット燃焼試験飛しょう体の風洞試験等基礎的な試験研究に必要な施設整備をはかることとし、これがために必要な経費として三億二千百万円及び国庫債務負担行為額九千五百万円を計上いたしました。  第四に、原子力に関する研究開発利用推進につきましては、九十三億九千四百万円及び国庫債務負担行為額八十四億七千八百万円を計上いたしました。そのうち、まず日本原子力船開発事業団につきましては、原子力第一船を発注できるよう国庫債務負担行為額三十六億円を計上いたしますとともに、発注契約手付金研究開発費等事業団第二年目の事業遂行に必要な経費として三億二千百万円の政府出資金を計上いたしました。  次に、日本原子力研究所につきましては、六十億五千六百万円の政府出資金及び国庫債務負担行為額四十三億三千四百万円を計上いたしました。この経費には、第一に、本部及び東海研究所既定業務高崎研究所整備国産動力炉高速増殖炉及びプルトニウム燃料開発研究使用済み燃料の再処理施設研究及び整備等を引き続き実施するため必要な諸経費五十四億七百万円及び国庫債務負担行為額五億二百万円、第二に、国産化技術確立するため、原子炉用材料及び燃料照射試験を行なうに必要な材料試験炉建設のための経費三十九年度二億円及び国庫債務負担行為額三十七億九千百万円、第三に、アイソトープの生産、技術者養成訓練廃棄物処理等業務を行なうことを目途とし、わが国アイソトープ利用推進中心的機関として日本原子力研究所内に設置することといたしましたアイソトープセンターに必要な経費三十九年度二億九百万円及び国庫債務負担行為額四千百万円、第四に、前述の材料試験炉アイソトープセンター等建設用地として、茨城県大洗地区に、三十八年度の十万坪に加えて、新たに三十万坪の用地を確保するための経費二億四千万円が含まれております。  また、原子燃料公社につきましては、二十億一千九百万円の政府出資金及び国庫債務負担行為額四億四千四百万円を計上いたしました。この経費は、核燃料物資の探鉱を従前に引き続き実施するに必要な経費のほか、三十八年度から建設を開始いたしました山元精錬試験施設の完成に必要な経費一億七千四百万円、使用済み燃料処理工場詳細設計に必要な経費九千七百万円及び国庫債務負担行為額四億四千四百万円並びにプルトニウム燃料開発研究関係施設整備に必要な経費五億四千七百万円が含まれております。  なお、その他民間機関等で実施する原子力平和利用研究に対する補助金及び委託費国立試験研究機関等原子力関係試験研究費並びに放射能安全対策上必要な調査研究費を前年度とほぼ同額計上いたしました。  第五に、重要総合研究進推につきましては、六億四百万円及び国庫債務負担行為額六千六百万円を計上いたしました。  まず、防災科学技術推進につきましては、昨年発足いたしました国立防災科学技術センター活動態勢整備強化するため、機構及び施設拡充強化することとし、大幅な経費増額をはかりました。すなわち、研究部増設研究費増額雪害実験のための支所の設置台風高潮研究のための波浪観測塔建設等に必要な経費として一億四千三百万円及び国庫債務負担行為額六千六百万円を計上いたしました。  また、人工降雨試験研究助成につきましては、従前に引き続き実施するほか、雪害地すべり等省庁所管にかかる試験研究総合的推進については、昨年度同様特別研究促進調整費の中から支出することにいたしております。  なお、防災科学技術以外の総合研究のうち、水質汚濁、水の高度利用凍結乾燥研究については、従前どおり実施することといたしておりますが、大気汚染騒音振動人間科学等研究に対しては、特別研究促進調整費より支出することにいたしました。したがって、特別研究促進調整費は、単に予見しがたい事態に備えて使用するばかりでなく、その適用範囲を拡大することとし、その経費も四億円と大幅に増額いたしました。  海洋科学技術推進につきましては、三ヵ年計画海洋潜水調査船を建造することとし、三十九年度は船体及び動力機構等試作試験船体基本要目に関する調査研究に必要な経費として二千万円を計上いたしました。  第六に、資源総合的利用方策推進につきましては、昨年度に引き続き、生活環境体系的改善のための調査エネルギー構造変動繊維加工構造変動等、最近の急激な資源利用構造変動に対処するための諸調査等を実施するとともに、資源総合的利用方策実証的調査として、新たにクロレラ利用による、し尿処理について委託調査を実施することにいたしました。  第七に、国際交流促進につきましては、日米科学委員会経済協力開発機構関係等国際的活動に積極的に参加協力するため必要な経費を計上いたしましたほか、科学技術者間際交流東南アジア地域に対する技術協力国際的科学技術関係会議への参加等国際交流に関する諸事業に必要な経費を計上いたしました。  最後所管研究機関整備充実について申し上げますと、航空宇宙技術研究所につきましては、二十億四千七百万円及び国庫債務負担行為額一億八千五百万円を計上いたしました。これは第二次五ヵ年計画の第三年目の整備に必要な経費として、ロケット関係、垂直及び短距離着陸機関係、超、遷音速機関係研究設備整備等を行なうに必要な経費を重点的に計上したものであります。  金属材料技術研究所につきましては、七億八千三百万円を計上いたしました。これは所要研究施設整備するとともに、クリープ試験等を行なう部門として、材料試験所を四ヵ年計画整備することといたし、その初年度に必要な経費であります。  放射線医学総合研究所につきましては、五億二千五百万円及び国庫債務負担行為額二千四百万円を計上いたしました。これは環境衛生研究部門強化充実と、養成訓練関係設備整備をはかるため必要な経費を重点的に計上したものであります。  理化学研究所につきましては、十四億七千万円の政府出資金及び国庫債務負担行為額六億五千六百万円を計上いたしました。これは、三十七年度より整備を始めましたサイクロトロン及び研究棟建設等埼玉朝霞地区への移転工事促進するに必要な経費のほか、一般経常研究につきましては、研究室増設基本設備増強等研究事業強化充実するに必要な経費であります。  以上昭和三十九年度の科学技術庁予算のうち重要項目についてその大略を御説明いたしましたが、このほか、原子力損害賠償補償契約に関する法律の施行に必要な国の契約限度額を、一般会計予算総則において八十八億円と定めることにいたしております。     —————————————
  6. 前田正男

    前田委員長 岡良一君より発言を求められております。これを許します。岡良一
  7. 岡良一

    岡委員 ただいまの御所信あるいは要求予算の御説明は、いずれまたあらためて後日皆さんでなされることと思いますが、資料を若干この際御提出を求めておきたいと思います。  最初の二つは、前々国会で御提出を求めておったのでございますが、まだ未提出のものが二件ございます。  一つは、原子力潜水艦安全性に関して、統一見解でその安全性を取りつけるということをお約束になったので、停泊基準の問題ですが、サバンナ号にしても、停泊地から少なくとも二マイル前後の半径内における人口は二十四時間以内に全部待避すべきだというかなりシビアな基準アメリカ原子力委員会が出しておるようでありますが、さらに潜水艦燃料は非常に高濃縮のウランでもあり、またサバンナ号のようなダブルコンテナーも持っておらないので、この停泊基準をさらに補正しなければならぬと思うが、その場合原子力委員会はどういう基準を設定する用意があるのかということが一つ。  もう一つは、ウォームアップの場合に、アメリカ艦船局の排出する水のいわば放射能基準の大体三万倍近い濃い放射能濃度の水を潜水艦の場合は排出することになっておりますが、一体原子力委員会はこの問題にどういう対処をせられるのか、御方針を承りたいということ。  いま一つは、当時海洋専門家の学者のグループがいろいろお集まりになっての結論一つとして、イオン交換樹脂放棄した場合、十キュリーばかりのおそるべき高濃度放射能を持ったものが海洋に捨てられるわけでありますが、その場合、日本のようにお魚を常食としておる場合、しかもサバとかイワシとかサンマとかアジとか、およそ回遊する魚でございますが、したがって、特定な漁場に放棄をしなくても、近海に放棄をされれば、これがさらに魚の中で濃縮されてくるというような事情も考えられるので、この安全対策について原子力委員会の態度は具体的にどういうものか。また、そういう点についてアメリカ側に御照会になった結論があったら、それをお聞かせを願いたいのが第二でございます。  それから、さらに、今度国会が始まりましてからの本会議予算委員会の質疑応答を見ておりまして、私ども委員会としても傍観視できないような御発言がございましたので、この点をあらためてひとつ御調査の結果を御報告願いたい。それは、中共が一年以内に原爆実験をし得るというふうな御発言が先般予算委員会でございましたが、一体どういう資料に基づいてそういう御判断をされたのか、この点でございます。これも、もし一衣帯水にある隣国で原爆実験があるということになりますと、これは防衛的な観点のみならず、原子力委員会としても傍観視し得ない問題でもございましょうと思いますので、その判断の根拠をひとつぜひお願いしたい。  それからもう一つは、やはり本会議のときに論戦の中に主張されたことでございますが、いわゆる核魚雷と申しますか、サブロックとか申すような、そういうものをいわゆるノーチラス型の原子力潜水艦も装備されるのだということがいわれておりましたが、これはアメリカ側の公式な発表としては、いつどういう機会に、どこが発表したものであるのか、この点です。  それから、前々回の委員会でいろいろ決議をいたしました。この決議がどの程度に実行されておるか。いまの予算の御説明だけでは少しわかりかねましたので、たとえばスモッグ対策についてどういうふうに特別研究調整費が使われておるか、あるいはガン対策についてどういうふうに使われておるか。こういう点を具体的に資料として御提出願いたいと思う。  できたらこの次の委員会までに御提出をお願いいたしまして、一応終わります。
  8. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 いま資料をいろいろ要求されましたが、科学技術庁としてわかる範囲のものを提供することをいたしましょう。
  9. 前田正男

  10. 久保三郎

    久保委員 資料要求。本委員会にはしばらくぶりで入ってきたので、中断しておりましたが、ごく常識的な資料をさしあたりお願いいたします。  まず、原燃の事業報告。みなそういうものでいいです。それから防災科学技術センター、次には航空宇宙技術研究所金属材料技術研究所、放射線医学総合研究所、理化学研究所、以上の事業報告を提出願いたい。  なお、それから、最近科学技術庁中心にして科学技術振興対策というか、そううい計画書が前のはいただいておりますが、そういうものが最近出ておりますれば提出願いたい、かように思います。
  11. 前田正男

    前田委員長 ただいま岡良一君、久保三郎君より要求のありました資料につきましては、早急に提出するよう委員長においても取り計らうようにいたします。  ほかに御発言がないようですから、本日はこの程度とし、次会は来たる二月十二日、水曜日、午後一時理事会、一時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時十八分散会