○
栃内説明員 私は実は
オリンピックのときの
羽田の受け入れ体制につきまして、一年ばかり前からいろいろ考えております。
羽田の施設が
オリンピックの
臨時便にたえ得ないという見通しがついたならば、できるだけ早く
米軍なり自衛隊に折衝をして、
外国から来る
臨時便をそちらのほうへ吸収してもらうという
措置をとらなければならぬ。このことは
オリンピックが間近に迫ってから
米軍なり自衛隊に折衝することは相手に対しても非常に迷惑でございます。したがって、実は一年ぐらい前から絶えず考えておりました。半年くらい前になりまして、
外国からの
臨時便がどのくらい来るかという
想定が各
外国航空会社からの非公式な
報告によって大体の数がつかめてまいりました。次第にその数が具体的になってまいりまして、私が昨年のいまごろ考えていたほど
外国からの
臨時便は来ないということがこの春
あたりはっきりわかりました。多少そのころの
数字よりふえても、
羽田の受け入れ能力で十分である、まず
心配なのは滑走路よりむしろ
飛行機停留用のスポットであるというふうに考えます。したがって
外国からの
臨時便の許可が出ます場合には、その
飛行機がいつ来てどこのスポットを使うか、そしていつ立つかという点を具体的に
あたりまして、これの受け入れが可能であるというふうな計画を立てたわけでございます。またこれが受け入れられないようであるならば、時間を調節せざるを得ない、あるいは
羽田に滞留しないでどこか、たとえば本国の
飛行場に帰ってもらうというようなことも考えなければならないというふうにずっと考えてまいりましたが、大体におきまして
羽田で受け入れ得るという自信がつきましたので、むしろせっかく
羽田の
国際空港を
オリンピックの目標のもとに各般の施設をしましたので、軍用
飛行場あるいは自衛隊
飛行場に
外国航空機に行ってもらうよりも、
羽田で全部を迎え入れることのほうがいいのではないかということで、
米軍なり自衛隊との折衝は全くいたしておりません。これは世話にならぬでもできるし、また軍用
飛行場に世話になることは本意でないというような
意味合いからも、できるだけ民間機は民間
国際空港へ受け入れたい。またこれができるということでやっておるわけでございます。したがって、現在
米軍なり自衛隊に折衝する意図は全然持っておりません。
それから空域の問題でございますが、御
指摘のように、
東京から西にかけまして
米軍のジェット・ルートがございます。これにつきましては、先般
米軍と折衝の結果、一万数千フィートの上空に
一つの民間ジェット機のいわばトンネルのようなものをつくったわけでございます。もちろん民間機全体としましては、この西側のいわゆる壁というものは障害になっておるわけでございます。ただ
先ほど申しましたように、
外国からの
臨時便が少ないときは一日にたった三便しか来ないというような日もあり、多いときで、きわめてわずかの日に四十数回来るという場合に、
羽田の
国際空港付近の空域が非常に混雑するというような場合には、
米軍と話をする、あるいは自衛隊と話をして、西側を開放してもらうということも必要でありましょうし、また必要であるならば、
米軍、自衛隊といえ
ども、こういう
国際的行事に協力するために若干の日数
訓練を休むということもあるいは受け入れてくれると思います。しかし、この点は
オリンピックの開会中の初めのうちには
ピークは参らないわけでございまして、私
どもの
想定しております
ピークというのは、
オリンピックが済んで、選手なりその他の方が帰るときにくるわけでございます。そのときの具体的な
便数がどういうふうになるかということ、これをまたいろいろ調整いたしまして、一日のうちの
ピークをできるだけ平均いたしまして、空中の混雑を避けるというようなことを考えまして、やはり
米軍なり自衛隊の協力を求めたほうが適当であろうという
判断がつきましたならば協力を求めることにやぶさかではないわけでございます。いままだ非常に具体的な飛行計画もできておりませんし、十月の末におそらく
ピークが起こるということでございまして、まだ一カ月間の余裕がございます。またその時期が迫ってくればさらに具体的なデータもわかってまいります。それによって折衝するということはあるいは必要かとも思います。この点は非常に技術的な問題が前提でございますので、この点を
検討した上、必要があれば折衝する、こういうふうに答弁さしていただきたいと思います。