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1964-09-29 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第49号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年九月二十九日(火曜日)    午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 有田 喜一君 理事 進藤 一馬君    理事 關谷 勝利君 理事 塚原 俊郎君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       亀岡 高夫君    中馬 辰猪君       西村 直己君    井岡 大治君       勝澤 芳雄君    泊谷 裕夫君       野間千代三君    山口丈太郎君       佐々木良作君    内海  清君  委員外出席者         運輸事務官         (航空局長)  栃内 一彦君         運 輸 技 官         (航空局技術部         長)      大沢 信一君     ————————————— 八月四日  委員山口喜久一郎辞任につき、その補欠とし  て浦野幸男君が議長指名委員に選任された。 九月二十九日  委員浦野幸男辞任につき、その補欠として亀  岡高夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員亀岡高夫君辞任につき、その補欠として浦  野幸男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件(航空管制職員待遇等に関す  る問題)      ————◇—————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  航空に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。野間千代三君。
  3. 野間千代三

    野間委員 最近航空機による輸送というものが非常に多くなってきた。これは航空業が発達をしたことであり、非常にけっこうなことなんでございますけれども航空交通管制本部あるいは大阪羽田等管制要員なり、あるいは管制上の保安施設等について少し伺いたいのです。  ある報告数字によると、三十八年度中に管制違反を行なったというふうに見られる件数がだいぶあがっておるのですが、危険状態になっているというふうに見られるものが三十九件、明らかに管制違反であるもの、あるいはそれと類似をした行為というふうなものが八十一件、それから、管制特別報告をされたものが四十五件というふうな数があるのであります。こういう状態から見てみると、飛行機の離着陸のときに、飛行場周辺その他で、異常接近なりそういう状態が相当あるのじゃないか、そういう心配があるわけです。これは数年前に起こった小牧飛行場事故以来、管制の不備によって起きた事故があるのかどうか、これをひとつ伺いたい。
  4. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいま御指摘のとおり、航空交通量激増の一途をたどっております。これにつきましては、ある意味で申しますと、非常にけっこうなことでございますが、先生のおっしゃいましたように、また別な面でいろいろな危険をはらんでおるという点はまことに遺憾なことでございますが、事実でございます。ただ管制上のミスというものが具体的に起こりましたのは、小牧事故以来は私としては承知しておりません。ただ、あぶないというような、いわゆるニアミスというような状況につきましては、残念ながらときに起こっておるということは、まことに遺憾でございます。幸いにまだいわゆる事故というところまではいっておりません。ただもう少しであぶないというようなことはときどきございます。このいわゆるニアミス事故を防止するために、先般羽田等の非常に混雑しております飛行場周辺におきましては、管制を強化いたしまして、ILSを原則としてという措置をとって事故の防止をはかっております。
  5. 野間千代三

    野間委員 お答えのように交通量が非常に激増しておるのですけれども、幸いにして管制上の事故がない。これはたいへんけっこうなんですが、私のほうの数字で見ましても、いま申しましたように、事故寸前状態というのが相当に多いわけですね。これはつまり管制官の迅速な管制操作によって事故が防がれておるというふうに一応結論づけられるような、そういう意味管制官の努力を多としなければならぬと思うのですが、考えてみて、いま言われたように、たとえば年度別に見ても管制本部において取り扱ってきているところの機数便数、そういうものは三十五年に一日平均三百十八、それが三十八年には四百十八になっておる。このくらいに激増して、しかもこれは大阪あるいは羽田飛行場取り扱い機数を見ても、まあ局長のほうが統計をたくさん持っていらっしゃると思いますが、五年間のうちに東京国際空港における一日あたり離発着数が三・二倍になっておる。三十四年が六十機で、三十九年の八月には二百機近くになっておるというふうに思うのですが、東京でそのくらいにふえておるのじゃないかというふうに思います。一方大阪のほうでも同じような状態で三十四年から三十九年ぐらいの間に、たとえば月間の交通量が約四倍にふえる、それから管制官の一人当たりの扱っている交通量で見ても、やはり三倍ぐらいにふえておるという数字が出てきておる。このくらいに管制官の過重というものが行なわれておると思うのです。  一方そういうふうに業務量がふえておるのでありますけれども、ことしはすぐ目前にオリンピックを控えておるのですが、オリンピックの際には、やはり相当な数がふえるのじゃないかというふうに想定されるのですが、運輸省のほうではオリンピックの時期までにどの程度までふえるというふうに推定をされておるのですか、ちょっと伺いたい。
  6. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいまの御質問管制官の負担が増加するという御指摘はまことにごもっともでございまして、私どもとしましては、この問題を管制官増加ということと、もう一つ管制機械化ということと、この二つによって解決をはかっていきたい、かように考えております。そのためにレーダーを設置する、あるいは長距離レーダー設備する、さらには管制自動化というようなことをいま検討中でございまして、自動化につきましても今度予算要求をいたしておるわけでございますが、管制官ロードを軽減するため、安全な運航を行なうためには管制官の増員という問題も重要でございますが、これによって解決することは、遠い将来を見ますと非常に困難でございます。むしろ機械化ということによってできるだけ管制官ロードを減らしていく。もちろん必要な人員増加要求いたしますけれども人員増加のみにたよるということはむしろ将来禍根を残すのではなかろうか、かように考えております。  それから御質問のございましたオリンピックにおける便数増加でございますが、実はオリンピックにつきましては諸外国からたくさんの選手あるいはお客さんがおいでになるわけでございますが、航空輸送の面から見ますと、それほど大きな便数にはなっておりません。現在のところ、オリンピック期間におきまして外国から来る臨時便は、一日当たり見ますと、少ないときで三便、多いときで四十八離発着ということになっております。四十八離発着というのがいわばピークでございます。四十八離発着ピークでございますが、この四十八離発着というものを羽田の全体の離発着から見ますと、現在国内線定期だけでも一日百五十四の離発着をやっております。これから見ますと、かなり分量ではございますが、全体として見てオリンピックなるがために非常に交通量がふえるというほどにはまいっておらない。現在の羽田の能力からしますと、この程度のものを受け入れることはそれほど困難ではない、かように考えております。特に臨時便でございますので、比較的閑散な時間に臨時便を入れるというようなことによりまして調整いたしますので、それほどオリンピックということによる離発着増加ということは苦にならない。むしろ私は、率直に申しまして、航空輸送そのもの伸びの強さというもの、すなわち明年なり再来年なりあるいはその後におけるトラフィック増加というものの伸び方、これをどう解決するか、これをいかにして羽田で消化するかということのほうに問題があるのではないか、かように考えておる次第でございます。
  7. 野間千代三

    野間委員 いま局長の言われた羽田飛行場定期便が百五十四、これは国内線だけですか、国際も入れてですか。
  8. 栃内一彦

    栃内説明員 国内定期につきまして一日当たり百五十四離発着、それから国際定期につきましては、これは日によって違います。すなわち一週間のうち、いろいろな違いがございますが、一番少ないので三十四離発着、多いので四十九離発着ということになっております。これが定期便でございます。したがって、定期便だけで多くて大体二百離発着より少し多い程度というふうになっております。そのうち今度の臨時便としまして少ないときで一日三離発着、一番多いときで四十八離発着ということになっております。先ほど申しましたのは、この外国臨時便の四十八離発着というようなピーク数字にしましても、将来のいわゆる国内定期なり国際定期伸びということを考えますと、むしろその消化のほうが問題であろう、かように申し上げたわけでございます。
  9. 野間千代三

    野間委員 いま局長が言われるように、たとえば例を羽田にとると、定期便が二百少し多いくらいの離発着ということですね。これ以外に臨時もあるでしょう。オリンピック以外の不定期のやつはないのですか。
  10. 栃内一彦

    栃内説明員 不定期につきましては、これはまことに不定期でありまして、これはもう非常にあれしておりますので、新聞社飛行機が出たり入ったりというようなことで、それほど大きな数ではないと思います。ここへ残念ながら数字を持っておりませんが……。
  11. 野間千代三

    野間委員 大体いままでの実績で見ると、いま言ったような不定期が五十から八十ぐらいあるのじゃないかと見ておるのですが、そうなりますと、大体定期不定期羽田で三百近い離発着が行なわれる。それにいま言われた四十発着ぐらいのオリンピック便数が実際にはふえると思うのです。そうすると、そういうことを想定をしておいて航空管制要員なりあるいはすべての設備要員を現在までに準備をしておったのかどうか。そういうことを想定しながらやっておったのかどうかが一つ。  それからもう一つは、局長さんが要員増も重要だけれども機械化あるいは自動化あるいはレーダー等の、つまり設備によって強化をする、これはもうけっこうです。けっこうなんだけれども、たとえば大阪のような場合には現在までにほとんど変わってないと思う。羽田飛行場の場合にも一回ああいうふうにりっぱにされましたけれども、それ以降どの程度までやられたか。私の見たところではそう変わってないのじゃないかというふうに思いますけれども、あるいはいまの自動化の場合でも、何か管制本部設備はする予定はあるそうですけれども、現在のところまだやはり鉛筆と紙でやっておるという状態ですね。そうなってみると、一方では要員はそうふえてない、一方当然やらなければならぬ補充をする自動化なりレーダーなりというものは、局長が言われるようなぐあいにはいってないのじゃないかと私は思うのですけれども、その二点についてどういうふうになっておりますか。
  12. 栃内一彦

    栃内説明員 羽田レーダーは、先般この春に完成いたしました。それから、現在箱根の山に長距離レーダー設備中でございまして、これが間もなく運用を開始することになります。そうしますと、従来羽田においても非常に貧弱な米軍から借りたGCAというものにたよっておったというのが、国産の優秀なレーダーでもって装備される。また箱根に日本で初めての長距離レーダーがつくというようなことによりまして、明年あたりからはこのレーダーによる管制というものが一応形をなす、かように考えられます。これによりまして、管制官が従来耳でもって無線を聞きながら管制をしておったというのが、目でもってレーダーを見ながら、耳で無線を聞きながら、両方によって管制を行なうということによりまして管制能率あるいは安全性あるいは管制官の耳だけにたよるという神経の消耗というものが救われるというふうに考えられます。  それからまた、管制自動化につきましては、すでに調査費予算はついております。明年から本格的な予算要求をやる、こういうことで鋭意準備中でございますが、御指摘のように、私は基本的には設備近代化によって管制の安全と能率化をはかるということが基本線とは考えておりますけれども、やはり最終的には人間判断というものが重要な要素を占めますので、私は人事管理の面においてもこれをおろそかにしてはならない、両々相まって管制の万全を期し、また職員が安心して仕事ができるというふうに持っていくべきであるというふうに考えます。  オリンピックにつきましては、現在羽田地方空港から応援の人を出すということで派遣要員を求めて、そして羽田オリンピックにおける——これは先ほどから申しますように、非常に大きなトラフィック激増ということではございませんが、いずれにしましてもかなり分量がふえますので、これに対応するために応援者地方から持ってくる、こういうことによって対処したい、かように考えております。
  13. 野間千代三

    野間委員 局長の答弁では、私どもが予想しているオリンピック時の航空安全について非常に危険じゃないかという心配があるんです。たとえば羽田の場合、確かにレーダーが設置をされています。ただ私もあのレーダーを見たのでありますけれどもレーダーというものはやはり限界がありますね。鮮明、不鮮明とかいうので、どうしても局長の言うように人間判断をする部分が非常に多いのです。ですから、むしろレーダーについている管制官まで疲労度が加わってくるくらいの設備だろうと思います。これはレーダー関係でそうならざるを得ないのでしょうけれども、そういうふうに設備は多少ふえているに違いないけれども、やはり基本的に、これほど激増をしている航空管制の体制としては、局長の言われる自動化設備等についてももっとすみやかにやっておかなければならぬじゃないか。いまオリンピックを迎えて調査費を求める、要求をしよう、こういうかっこうです。これでは設備をされないままにオリンピックを迎える、こういう結果になると思う。レーダーは確かについたに違いないが、このレーダーはいまの状態での管制上必要であって、それに設備すると思うのです。ですからこれは当然オリンピックに備えてのものではないと思う。そうなってくると、オリンピックに対する対策としては、新しい機械化というものは行なわれないで、いま言われたただ単に地方からの応援を求めるということに尽きるんじゃないか、これだけはひとつ言えるんじゃないかと思います。そうすると、どの程度要員地方から来て、そうしてその応援を出した地方のほうの飛行場はどうなるのか。やはり定期便ですから、地方のほうも定期便を減らすことはできないと思うのです。そうすると、地方のほうも問題が起きてくるんじゃないか。特に地方のほうでは羽田ほどの設備もない、もっぱら人間操作にたよられている。これが地方実態だろうと思う。地方のほうの実態として、東京のほうが完全になるほどは地方から持ってこれない。そうすると、東京のほうもそう完全でない、しかも地方のほうも非常に危険な状態になりはしないかというように思うのです。地方からの要員の支援の数と、それから地方に対する対策はどうするかという点についてお答え願いたい。
  14. 栃内一彦

    栃内説明員 オリンピックトラフィック増加、これはもちろんかなりなものでございますが、先ほどから申しますように、オリンピックそのものによる増加というものは、数量的に申しましても、激増というよりも、かなりふえているという程度に私は認識しております。しかしこれにはやはり対策をとらなければならないというので、地方から十三人の応援者を求める。しかし地方から求めると申しましても、特定の地方からまとめて応援者をということでなくて、業務の繁閑を見まして、地方の実情に合うように一名程度の者をさいてもらうということでもって、地方の機能が麻痺しない、ある程度何とかやっていけるというような限度において地方からの応援を求める、かような方法をとっておるわけでございます。
  15. 野間千代三

    野間委員 局長オリンピックのためにふえてくるのは最高で四十八便だ、大体は三十便くらいである、したがってたいしたことはない、まあかなりの数だ、こう表現されているのです。かなりの数ということなんですが、確かに数字から見れば激増ではないかもしれない。しかし実際に現在ですでに臨時定期を入れて三百に近い便をやっておるわけですね。それをやっておるところに加わってきて四十八便なんだから、加わってくる四十八は、数としてはかなりという程度に表現してもいいかもしれないが、実際に管制する管制要員にとってみれば、現在の数ですでに相当過重になっておりますし、そして局長指摘をする設備自動化とかそういうものが行なわれていないので、やはり人間判断が主として行なわれている。したがって管制官の精神的、肉体的な労働過重から見れば、四十八便というのは決してかなり数程度のものではないというふうに思うのです。それは管制官から見れば激増だ、そう見るべきではないか。したがってオリンピックによって管制官が受ける激務というものは相当なものになりはしないかというように思うのです。これはまたあとで答えてもらうことにして、ひとつ聞きたいのですが、管制要員に、これはやはり官庁ですから予算定員がありますね。管制本部予算定員の三十五年あたりから三十九年あたりまでの資料を持っておりますか。持っておればそれと、それから実際に現在いる人員ですね、これをお知らせ願いたいと思います。
  16. 栃内一彦

    栃内説明員 現在手元に持っております資料は、三十九年度の定員でございますが、これは毎年の定員でそういうことが行なわれておるようでございますが、九月までと十月以降と分かれておりまして、九月までの定員で百七十五名、十月以降百八十五名、こういうことになっております。現在員は百五十五名でございます。したがって欠員としまして十月以降三十名、現在は二十名ということになります。現在この定員欠員補充は、現在訓練中の者が訓練が済みますとこの欠員補充に回る、こういうことになっておるわけでございます。
  17. 野間千代三

    野間委員 三十九年の数はわかりましたが、三十五年から三十八年までの予算定員と実際の人員とを比較をすると、いま局長答えられた三十九年度の定員実員との差ぐらいが常にずっとこの四年間差としてあらわれているんですね。そうすると、この定員というものの考え方ですけれども、つまり、その年次の設備状態想定をする便数、そういうものとの関係で出されていると思いますから、私は、この定員で完全に管制要員が足りているのかどうかということについては、なお検討の余地があるように思います。思いますけれども、一応予算定員というものを信用してみることにしましても、毎年いま答えられたような数字欠員になっておる。これはこの分だけ、つまり現在の管制要員労働が過重になっているわけですね。したがって、たとえば休暇とかいうものはとれないでありましょうし、あるいは雑務がふえたり、あるいは便所へ行くための交代や食事のための交代もしにくいということになっておるのじゃないかと思うのです。四年も五年もこういう状態で、常に管制要員欠員のまま、しかもその欠員の数が五名や十名でなくて、常に三十名から五十名くらいまでの欠員で毎年きている。こういう状態は私は異常だと思うのです。こういう状態の中で、先ほど指摘したように管制違反が行なわれるような状態があったり、異常接近があったのじゃないかと思われたようなことがあったということがあるのです。したがって、管制に従っておられる方がいかに労働されておるかということがこれだけでも明瞭なんですが、定員実員とを合わせることは、この四年間全くなされなかったというふうに見ていいと思うのですけれども、たとえば三十八年の十月に実際に置かなければならなかった実行定員と言われている、予算定員よりも少ない実行定員にまでも達していない。例を申し上げると、三十八年では百五十九人の予算定員実行定員が百四十一人だ、ところが実際には百三十一人しかいない。これを十月に一応実行定員の百四十一人まで補充しましょうというふうに、管制本部のほうでは職員の方に回答されたそうだけれども、それも実施をされていないというふうに報告されておるのであります。そういう状態はどうしてそうなったのかということと、それに対する措置、それに対して職員がそれだけ過重されておるのだが、それをどういうふうに措置をされたのか、それと三十九年の現在、しかもたびたび申して悪いのですが、オリンピックを迎えようとしている現在においてもなお五十人の欠員がある。五十人現在欠員があるということに対してどういうふうに対処をしていこうとされているのか。
  18. 栃内一彦

    栃内説明員 現在九月末としましては二十名の欠員、十月になりますと予算技術的に十名ふえますので、三十名の欠員になるということを申し上げたわけでございますが、この欠員がなぜ起こるかという点は根本的な問題が一つあると思いますが、いわば訓練中の者も定員の中でやっておるというところに根本的問題があるのではないか、かように考えております。したがって、たとえば羽田におきましては、形式的には過員になっております。と申しますのは、羽田訓練をいたします。したがってこの訓練要員というものが形式的には羽田では過員になっておりますが、これは決して羽田に余裕があるということでなくて、欠員の分が結局訓練中であるというところに問題がある、かように思っております。
  19. 野間千代三

    野間委員 定員の中に訓練中の者があるというのは、そもそも根本的におかしいのじゃないですか。やはり実際に管制要員として必要なんだという数をはじいて、それだけは実員としていなければならぬですよ。その実員の方が年齢なり勤続なりあるいはいろいろな事情で消耗されていく、退職されていく。それに対して予備として訓練をすることが訓練ではないかと思うのです。ですから、訓練中の者を定員の中に入れるということがそもそもおかしいのじゃないですか。したがって、私の質問をしているのに、訓練中の者が定員の中に入るからと答えるのは、これは答えにならぬ。現在欠員になっておる者をどういうふうに補充しようとしているのか。それは定員以外に訓練中の者があるからそれで補充するのだという答えならわかりますよ。そうじゃないのです。それはどうしようとしているのですか。
  20. 栃内一彦

    栃内説明員 これは一つの原因は補充が思うようにいかないということがあるわけでございます。したがいまして訓練ずれがどうしても起こってくるという問題があると思います。これは管制官訓練には相当な期間を要しますので、その間のずれというものがこういうきわめて不都合な現象を起こしている、かように思っております。
  21. 野間千代三

    野間委員 それは局長、そういう答えではいま実際に苦労されて管制されている管制要員の問題の答えにならぬですよ。いま一例をとってみると、管制官が一人でもって七周波くらいも受け持っておるのですね。私も行って見たのですけれども、一人の管制官がいろいろな周波数の電波を聞いてそれに答えておるわけですから、あれを頭の中で選別するのにたいへんだろうと思う。どの飛行機がどこにおる、それから待機させるなら待機させる、そういうことを頭の中で描いていて、周波数答え、また発信しておるわけですね。ですからあれを見ると、いまの七周波を受け持っておるのは、少なくとも四人くらいで受け持ってちょうどいいのではないかというくらいに見えると思うのです。これは局長さんのほうが専門家ですから御承知と思います。そこでこれはひとつ局長に聞きたいのですが、いままで要員をはじく場合、一人の人に受発信の周波数をどの程度に持たそうとされておったのですか。
  22. 栃内一彦

    栃内説明員 非常に専門的なことでございますので、私が全部お答えできるかどうか疑問でございますが、羽田のボイスにおいては一人五周波ということでやっておるということであります。
  23. 野間千代三

    野間委員 私は五周波でも相当問題があると思うのです。せめて一番いい状態としては二周波くらいを持って受発信するというのがいいのではないかと思いますけれども、たとえばいまの五周波としても、本部の管制官の例で言うと、一々数字をあげませんけれども、超短波、極超短波を含めますと九周波を持っておりますね。九周波を持って操作しておる。これはまさに局長の言うようなことでやっても人間の能力をこえているのではないかというふうに思うのです。それで管制官疲労度実態というものを調査してもらった結果、身体的な疲労度あるいは精神的な疲労度を比較してみると、全産業の労働者のそういう疲労度に対して、航空管制官は日勤の方で大体二・五倍から三倍くらい疲労度を感じておるわけです。これが夜勤者になりますと三倍から三・五倍くらいの負担過重になる。そういう自覚症状があらわれてくる。これは自覚症状なんだからかってに言っているのだろうと言えばそれまでですけれども、やはり全産業の人も自覚症状として肉体的、精神的な疲労度調査をしてもらった数から言っているのですから、そういう意味では自分かってな答えだというふうに見えることはできないのです。したがって全産業の平均から見て、日勤の方で二・五倍、少なく見積もっても二・五倍、夜勤者に至っては三倍から三倍半くらいの負担過重になっている。これがいまの管制官実態です。そういうふうになっているにもかかわらず要員のほうの措置は一向にふえてこない。したがって、これはたしか久保先生かどなたか、前の国会か何かで指摘をして、給与の改定か何かが少し行なわれたということが報告されておりますけれども、これはもはやこういう状態ではもっと抜本的に航空管制補充措置をすべきではないかというふうに思います。これは局長は、相当長期にもかかりますし、補充し切れないというふうに言っておられるが、これは当然相当長期にわたって訓練をする必要のある仕事なんです。そういう期間をちゃんととって、将来の見通しをつけて補充訓練をするというふうにきちっと計画を立てれば、できないことはないのではないかというふうに私は思います。もしそれがたとえば航空管制官の訓練を受ける希望者がないとかということであるとすれば、あるいは減るほうが多いとかということなどがあるとすれば、これは、いま私が例にあげた、航空管制官の肉体的精神的労働過重があまりひど過ぎるというところにも結局原因があるのですね。ですから、そういう条件をちゃんと改善をする措置をしながら航空管制官の補充計画を立てるというふうにすべきだ、これは私から申し上げるまでもない、常識的なことじゃないかと思うのです。そういう点について、正確に、運輸省として、航空管制官の実態はそういう実態であるから、これこれの期間が必要である、したがってこれこれの年次でもって、とにかく当面補充のために全力を尽していきたいということの計画くらいはつくってあってしかるべきじゃないかというふうに思うのですが、いまの局長のお答えでは、補充し切れないだろう、期間がかかり過ぎるんだ、あるいは定員の中に訓練所が入っているんだというようなことでは、私はこれは答えにならぬと思うのです。もう一回お答え願います。
  24. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいま御指摘のように、管制官労働が激しいということ、また待遇改善につきましては若干のことはできたわけでございますが、十分ではないという点、こういう点は私も率直に認めるわけでございます。今後待遇改善ということはやはり絶えず見ていかなければならないという点は同感でございます。  それから養成方法につきましても、いまの待遇問題と関連のある問題でございまして、これは御指摘のとおりでございます。養成機関というものを今度どうするかということで、養成機関につきましては、明年度の予算要求要求してございます。  最後に、定員の問題につきましては、従来からも、この定員につきましては大蔵省と常に論争しておったところでございますが、今後におきましても、従来よりさらに強く定員要求をいたしたい、かように考えております。
  25. 野間千代三

    野間委員 私に言わしていただければ、たびたび申して恐縮ですが、一応とにかく現在の管制官実態からすると激増と思われるようなオリンピックを迎えている。したがって、今日の時限くらいまでに明確にそれに対する要員上の措置あるいは機械化、そういうものが行なわれていて、そうしてもしそれについて多少不足な部分については地方から要員を求めるなりあるいは給与上の措置をしてオリンピックを乗り切るなり、そういうふうなことであってしかるべきじゃないかというふうに思うのですけれども、あと数日でございますから、できるだけそれに近づけるようになお努力をしていただいて、基本的な問題として、いま局長答えられた航空管制要員の待遇の改善について、それから養成の計画について、それから定員増加についてという三点の基本の問題について、運輸省として最大の努力をしたいというお答えですから、それをそう確認してよろしいですね。そういうふうに理解してよろしいですね。
  26. 栃内一彦

    栃内説明員 待遇改善につきましては、先般の改善で十分だというふうに私としても考えておりません。今後絶えず待遇改善は、管制官のみならず、航空関係の特殊な専門の技術者につきましては特別に待遇改善を要求していきたい、かように考えます。  それから定員につきましては、これは毎年予算のときに努力しておるわけでございますが、今後もさらに努力を続けていきたい、かように考えております。
  27. 野間千代三

    野間委員 それでは管制要員の問題については一応そのお答えで、そういう措置がすみやかに行なわれるように要望申し上げておいて、一応終わります。  次に飛行場の安全の問題ですが、防災の施設あるいは人員の配置についてどういうふうにやっておられるのか。東京大阪の例についてちょっとお答え願いたいと思います。
  28. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいま御質問のありました防災という問題は、おそらく消防の問題ではないか、かように理解をいたしますが、現在東京大阪はある程度設備、ある程度要員はおりますが、これにつきましても決して十分なものではございません。おかげさまで消防車あるいはその他の車両につきましては、不十分と申せば不十分かもしれませんが、一応の整備を見ておるわけでございますが、これに配置されます人員については、十分な予算定員がとれていないというような状況でございます。
  29. 野間千代三

    野間委員 前の四十六通常国会の当委員会で、久保先生が航空事故が起きたときに指摘をされたことがあったと思いますが、たとえばいま局長さんが言われたことばの印象では、消防車等については一応整備をされておる。それに対する要員配置は必ずしも十分でないということなんですけれども、たとえば大阪の例をとってみると、消防車が二台ある。そうしてそれはそれぞれ五人ずつ、その消防車の機能からすると当然必要だというふうなことになっている。ところが実際にはその二台の消防車に対して、現在人員は四人しかいない。そうすると航空事故が別に期待するわけではないのですが、不幸にしてあった場合に、せっかく消防車は二台あるのだが、一台もようやくしか動けない。一台動くのにも一名足りないというような状態ですね。それから救急車が一台ありますけれども、この救急車を操作する要員として、最低少なくとも定員上では二名必要なんだというふうになっておるのだが、実際にはいない、これはゼロだということですね。これは実際の現地からの報告ですから、私がかってに捏造した数字ではございません。そうするとこれはどういうことなんですか。たとえば事故があった場合に、飛行機の消火も満足にできない。それから当然あらわれてくるけが人その他に対しても何らの処置もできない、そういうことになるのですか。それで大阪飛行場は防災設備、防災人員が多少足りない程度なんだということでよろしいのですかね。羽田の場合も、これは久保先生から前に質問があったので、たくさん申しませんけれども、大型車が六台、普通の車が三台ある。ところが三十名程度必要なんだが、実際には日勤で常勤できるのは、交代勤務等で十名しかいない。大型車の消防車を動かすのに十一名必要なんだけれども、常勤をしているのは交代関係で三名か四名しか常勤ができない。そうなってくると、せっかくの大型車もほとんどが動けないという状態ですね。現在までにそれぞれの飛行場で、先ほど管制官の努力、その他の方々の努力によって大きな事故がなかったからこれは済んでいるのかもしれません。だからというわけではないと思うのですけれども、こういう大阪東京のような交通量のきわめてひんぱんな飛行場の防災の体制というのは、こういうことで放置しておいて、交通事故というのは常に起きたあとでたいへんな問題になるのですが、やっぱり起きたあとで問題になる、起きなければ人間補充されないのかということです。これはいままでのほとんどの交通事故の結果が、起きたあとで問題になって、要員が足らなかったとか何がどうしたとかいうことを言っているのですが、航空事故というのは、これはもう私が申すまでもなく、ほかの交通事故とは違って、まさに人命が直ちになくなるというぐらいのものですね。そういうことに対して、飛行場の防災あるいは救護の施設に対する要員の配置というものが実際にはこうなっておるのですが、運輸省としてはこれをどういうふうにお考えになっているのか、これについてお尋ねしたいと思います。
  30. 栃内一彦

    栃内説明員 御指摘の点、人員が足りないということは私も率直に認めるわけでございまして、万一の場合を想像いたしますと非常に遺憾なことだと存じます。現在といたしましては、与えられた定員のほか、できるだけ応援者の援助を待って消火をするという以外方法がないのが偽らざる現状でございます。したがって、これをそのまま放置しておくべきではないというのは当然でございまして、消防関係定員増加は毎年要求しておるわけでございまして、明年もまた要求するわけでございますが、遺憾ながらいま先生のおっしゃいましたように、現在までのところ、すべての人の努力によって大きな飛行機の災害事故というものがないのは非常に幸いでございますけれども、なかなかこれらの定員要求につきましては査定が非常にきびしゅうございまして、要求人員は常に削られておる。こういう状況で、私どもの努力の足りない点は非常に遺憾である、かように考えておるのですが、明年度の予算でもなお増員を要求しまして、いまも先生のおっしゃいましたような主張をさらに強く私どもから予算当局に申し述べたい、かように考えております。
  31. 野間千代三

    野間委員 局長心配をされて努力をしたいということなんで、こっちのほうはどうにもならないのだけれども、しかし実際に、たとえばこれはそうあってはならないのですけれども事故があった場合に、これは防災要員の方がどんなに努力しようとしたって、一台しか動けないものは二台動かない、それは事実ですね。しかし飛行場事故というのは、これはここに設備されてある防災の設備のすべてを動員してようやく何とかなるのじゃないかというぐらいの大きな事故です。そうなってくると、不幸にしてあった場合には、いまの状態では全く防災の措置がなかったと同じぐらいの結果になると思うのです。これは私も直接消防の方に聞いたんだけれども、いまのような状態で、もし飛行機が墜落をして、あるいは事故があって火災が起きた場合に、一台だけしか動かないでやったのでは、これはいかに科学の力であろうとも、その科学の力も実際には発揮ができない、せっかく科学の薬品によって消火作業をしたのだけれども、その薬品が一台では実際の効果が出てこないというふうに言っておられました。これは事実そうだろうと思います。そうなってくると、もしそういう事故が起きた場合に、いま申しましたような結果になった場合に、だれが責任を負わされるのか。だれが追及をされるのか。しかもこれでは結局は現地でもって、かつてどこでしたか、消防士の方が二十名も消火作業のために死んでしまった、殉職をされるということまでしなければならないということですね。そういうことが想定できますよ。消火をされる方は何とかして少ない設備を動員してでも消さなければならぬという任務に邁進されますから、そういう責任感からだけでも、身を挺しても防災というか、消火につとめようということになると思うのです。そうなってくると、結局消火につとめようとしている防災要員の方にまで災害が及ぶという悲惨な事故が起きないとは限らないというふうに思います。それは大蔵省の方が罰せられるのではございません。結局は現地の責任者なり実際に防災に当たっている方が、被害を受けながら責任を負うという結果になるのです。これはただ単に毎年要求したのだけれどもどうにもならない、努力をしますでは、これは済まないと思うのです。これは運輸省の責任として、何としてでも早急のうちに要員補充する必要があるというふうに私は思います。これも釈迦に説法のようですけれども、いまのような実態に対して局長としてはどういうふうに考えておるのか、もう一回お答え願いたい。
  32. 栃内一彦

    栃内説明員 仰せられますところ、そういう不幸な事態が起こらないことを私は念願しておるわけでございますけれども、万一不幸な事態が起こりました場合には、私といたしましても非常に遺憾な事態が発生するのではないかという点を憂慮しております。したがいまして、何年要求しても予算がつかぬからということであきらめるというようなことは絶対にすべきではない、あくまで重要な人命の保護に関する増員というものは要求し続ける、また獲得するという心がまえでまいりたい、かように考えます。
  33. 野間千代三

    野間委員 お答えはお答えとして、努力をされるというのですから、一応そういうふうに理解をします。  それでは当局のほうでは防災設備に対して、それに見合う要員を査定をして定員をつけて、それによって大蔵省に対して要求をされるのだと思いますね。そうなるわけですね。そうすると、それに対して大蔵省のほうで別の尺度で査定をし直して、いまのような不足のこういう数字になってきているのだろうと思うのです。そうすると大蔵省のほうの査定のしかた、査定の基準というものはどういうことになっておるのですか。それは当局のほうでも理解をされて、あるいは大蔵省が言っていることをもっともだと思われて現状になっているのか、あるいは大蔵省のほうの査定のしかたにどういう無理があるのか、そういう点についてお答えをいただきたいと思います。
  34. 栃内一彦

    栃内説明員 この予算定員要求と査定の問題につきましては、一般的に申しまして、要求官庁としては絶えず不満なわけでございます。しかし不満であるということですべて納得ずくでもって予算定員の査定のことは行なわれておらないというのが現実でございまして、結局最終的には大蔵省の手持ちの定員がないということで、話はわかるけれども定員がないのだということで、ないそでは振れぬというところがあらゆる予算定員の査定の最終段階の結論でございまして、十分な積算の根拠を持って、こういうわけだからこれだけの人がこういう仕事の性質に必要であるという詳細なデータに基づきまして、数字的な積み重ねによって予算定員要求するわけでございますけれども、それについて最終段階におきまして、たとえば運輸省については何人、あるいは航空局については何人というようなことで、最終的にはこれ以上出ないというようなことでございますので、決して予算査定についてその内容を私どもが吟味しまして、なるほどりっぱな査定であるということで承服するということはないわけでございます。この点につきまして大蔵省の査定態度というものが私は必ずしも合理的ではない、かように考えております。
  35. 野間千代三

    野間委員 局長の考えとして、大蔵省のやり方が正当と思えないというふうなお答えですから、それはそれであらためて別の機会に大蔵省のほうの問題としてしたいと思います。  問題は定員がないからだということらしいのだけれども、たとえば増務なりあるいは助勤なり、そういう関係定員がない、定員に足りない分を補充ができるという作業あるいは仕事、そういうものの場合にはある程度それはやむを得ないと思いますけれども、いま私が指摘したように、日常はあってはならないことであるけれども、起きてきた場合には、それは人命の著しい損傷になるというような仕事の問題についてまでそういうことをふえんするのは、これは定員に対する考え方として、あるいは要員を査定するときの考え方として、非常に政治上問題があるというふうに思います。しかしこれは局長ばかり追及してもいたしかたありませんので、とにかく運輸省としてはいま申しましたような実態になってくるので、防災要員補充について、なお一そうの御努力をいただきたいというふうに思います。  委員長のほうからあとで航空委員会があるということなので、多少まだあるのでありますが、要員問題でもなお通信管制官の問題などもございます。通信の回線数やあるいは取り扱い数量が、たとえば回線数についてみれば二倍半、取り扱い通信数についてみれば一・五倍とかいうふうに非常にふえた実態もありますししますので、通信管制官であるとか、あるいは管制上の各種の設備等を保守している技術の職員、あるいは航務職員というふうに、航空関係の多くの職場についてなおたくさんの要員上の問題があるので、それについてもいろいろ申し上げたいことがあったのですけれども、大体が傾向としてはいままで申しました管制要員あるいは防災の要員と類似しておりますので、質問としては省略をしますが、航空業務に携わっているすべての職員について、なお一そうの要員の充足と労働条件の緩和、あるいは作業条件の緩和、あるいは労働条件の充足について、当局として十分な措置をされるように、ひとつお願いをしておきたいと思います。  それから急ぎますが、そういう関係でいま申しましたような基本的な問題が解決をされないままに激増をされると見られる——局長さんはかなりの数と言っておられますが、かなりの数にしても、増務になってくる。業務量の増になる。オリンピックを迎えるわけですけれども、こういう関係からくると、一つの問題として夜間飛行、夜間を使うということになりはしないかというふうに思いますが、それが一点。  それからふなれな操縦士による飛行機の離着陸が行なわれることがありはしないかというふうに思われますけれども、それは今度は管制官のほうで非常なその分の労力になると思いますが、そういうことに対する措置はどういうふうに行なわれているのか。  第三番目に、指摘をされましたように、特別にオリンピック用として要員補充される分は地方から来る方たちだけになるわけなので、当然現在の方々に対して超勤というようなことが相当多く起きやしないかというふうに思いますが、超勤の関係などは、えて官庁というところは人員に頭割りをして、それがそれで実績より少なくとも、それで済んでしまうということで行なわれやすいのだけれども、少なくとも、これ自体問題でありますけれども管制要員その他の方たちの超勤の体制等について十分な措置が行なわれているのかどうか。その三つの点についてお答えをいただきたいと思います。
  36. 栃内一彦

    栃内説明員 三つの御質問につきまして順次お答えいたします。  第一の夜間の問題でございますが、先ほど申しましたように、オリンピックそのもの臨時フライトというものは一番少ないので一日三便、ピークで四十八便ということで、このピークというのはきわめて短期間でございます。このピークの消化につきましても、現在御承知のように国際線につきましては昼間は比較的すいております。したがってこのすいた時間をできるだけ利用して、一日のうちで極端な時間的なピークがないように調整をする。これで大体できるだけカバーをいたします。そうして夜間まではみ出すということはできるだけ避けるようにいたしたいと考えております。ただどうしても昼間でさばけない、あるいは昼間におきまして極端なピークをつくることが空港全体の運営上ふぐあいである、無理が起こるという場合には、どうしても夜間を使わなければならない、かようになるわけでございます。夜間につきましても、なるべく深夜というようなもの、あるいは払暁というようなものはできるだけ避けたい、かように考えております。この点は空港周辺での騒音の問題等もございますので、そちらのほうからいってもできるだけ避けたい、かように考えておりますが、ただきわめて短時間のピーク期間におきまして、例外的に、場合によっては使わざるを得ない。しかしその場合にはきわめて例外的に使うわけでございますので、頻度はごくわずかであるというように考えられますので、全体として見ます場合には、全体のバランスがとれたようなやり方をしていきたい。極端な無理が特定のところにかからないというような配慮を十分やっていきたいというように考えております。したがいまして、原則として深夜というようなときに離着陸することはできるだけ避けていきたい、かように考えております。  それから第二の御質問のふなれという点は、日本に飛んでくることの経験がいままでなかった。パイロットが日本に飛んでくるということに基づくものと想像いたしますが、そういう日本に初めてという。パイロットもおそらくかなり飛んでくると思います。それらにつきましてはICAO加盟国につきましては一応問題はないわけでございます。もちろん個々具体的に個人的にいろいろな問題があるかとも思いますが、ICAO加盟国以外につきましては、こちらから誘導員を乗せるというようなことによってできるだけ混乱がないというふうに持っていきたい、かように考えております。ただやはり懸念はされるわけでございまして、初めて日本に来た、初めて羽田に来たという場合に多少まごつく、そのパイロットのまごつきということが管制官に対してある種の負担をかけるということはおそらく避け得られないことではないかというふうに考えておりますが、こういう特別のパイロットというものは、いま申しました全体の数から見ればそれほど多くはない、かように考えております。しかしいずれにしましてもある程度の負担をかけるということは認めざるを得ない、かように考えております。  それから地方からの応援につきましては、先ほど申しましたようにできるだけ、これも全国的に見まして極端な負担が特定のところにかからないようにいろいろくふうをしまして、応援要員を求めております。しかし、いずれにしましても、これに伴っての超過勤務という問題は理論的に必ず起こるという問題でございます。したがいまして、全般的に超過勤務手当をこの際できるだけ支給をして、職場の仕事が円滑にいくように考えるような配慮をしたいと考えております。
  37. 野間千代三

    野間委員 大体わかりました。いま言われたようなことでひとつ万全を期していただきたいと思います。  あと一、二点で終わりにしますが、もう一つは、主として東京空港に入ると思いますけれども、その場合に、御承知のように、立川、横田、あの米軍の基地を線にして西側のほうからは入れないという状態にあるわけですね。したがって、そういう米軍あるいは自衛隊等で練習とか演習を少なくともオリンピック期間中は全面的に停止をするなり、できればそれが一番いいと思うのですが、あるいは部分的に停止をするなり、そういう折衝をして、西側からも東京空港に入ってこれるというふうに軍用の空港オリンピック期間中開放をしてもらうことにしたらどうか。横田なりの広い飛行場を民間航空オリンピック期間中使うというようなことはできないものかどうか。これはどうなんでしょう。
  38. 栃内一彦

    栃内説明員 私は実はオリンピックのときの羽田の受け入れ体制につきまして、一年ばかり前からいろいろ考えております。羽田の施設がオリンピック臨時便にたえ得ないという見通しがついたならば、できるだけ早く米軍なり自衛隊に折衝をして、外国から来る臨時便をそちらのほうへ吸収してもらうという措置をとらなければならぬ。このことはオリンピックが間近に迫ってから米軍なり自衛隊に折衝することは相手に対しても非常に迷惑でございます。したがって、実は一年ぐらい前から絶えず考えておりました。半年くらい前になりまして、外国からの臨時便がどのくらい来るかという想定が各外国航空会社からの非公式な報告によって大体の数がつかめてまいりました。次第にその数が具体的になってまいりまして、私が昨年のいまごろ考えていたほど外国からの臨時便は来ないということがこの春あたりはっきりわかりました。多少そのころの数字よりふえても、羽田の受け入れ能力で十分である、まず心配なのは滑走路よりむしろ飛行機停留用のスポットであるというふうに考えます。したがって外国からの臨時便の許可が出ます場合には、その飛行機がいつ来てどこのスポットを使うか、そしていつ立つかという点を具体的にあたりまして、これの受け入れが可能であるというふうな計画を立てたわけでございます。またこれが受け入れられないようであるならば、時間を調節せざるを得ない、あるいは羽田に滞留しないでどこか、たとえば本国の飛行場に帰ってもらうというようなことも考えなければならないというふうにずっと考えてまいりましたが、大体におきまして羽田で受け入れ得るという自信がつきましたので、むしろせっかく羽田国際空港オリンピックの目標のもとに各般の施設をしましたので、軍用飛行場あるいは自衛隊飛行場外国航空機に行ってもらうよりも、羽田で全部を迎え入れることのほうがいいのではないかということで、米軍なり自衛隊との折衝は全くいたしておりません。これは世話にならぬでもできるし、また軍用飛行場に世話になることは本意でないというような意味合いからも、できるだけ民間機は民間国際空港へ受け入れたい。またこれができるということでやっておるわけでございます。したがって、現在米軍なり自衛隊に折衝する意図は全然持っておりません。  それから空域の問題でございますが、御指摘のように、東京から西にかけまして米軍のジェット・ルートがございます。これにつきましては、先般米軍と折衝の結果、一万数千フィートの上空に一つの民間ジェット機のいわばトンネルのようなものをつくったわけでございます。もちろん民間機全体としましては、この西側のいわゆる壁というものは障害になっておるわけでございます。ただ先ほど申しましたように、外国からの臨時便が少ないときは一日にたった三便しか来ないというような日もあり、多いときで、きわめてわずかの日に四十数回来るという場合に、羽田国際空港付近の空域が非常に混雑するというような場合には、米軍と話をする、あるいは自衛隊と話をして、西側を開放してもらうということも必要でありましょうし、また必要であるならば、米軍、自衛隊といえども、こういう国際的行事に協力するために若干の日数訓練を休むということもあるいは受け入れてくれると思います。しかし、この点はオリンピックの開会中の初めのうちにはピークは参らないわけでございまして、私ども想定しておりますピークというのは、オリンピックが済んで、選手なりその他の方が帰るときにくるわけでございます。そのときの具体的な便数がどういうふうになるかということ、これをまたいろいろ調整いたしまして、一日のうちのピークをできるだけ平均いたしまして、空中の混雑を避けるというようなことを考えまして、やはり米軍なり自衛隊の協力を求めたほうが適当であろうという判断がつきましたならば協力を求めることにやぶさかではないわけでございます。いままだ非常に具体的な飛行計画もできておりませんし、十月の末におそらくピークが起こるということでございまして、まだ一カ月間の余裕がございます。またその時期が迫ってくればさらに具体的なデータもわかってまいります。それによって折衝するということはあるいは必要かとも思います。この点は非常に技術的な問題が前提でございますので、この点を検討した上、必要があれば折衝する、こういうふうに答弁さしていただきたいと思います。
  39. 野間千代三

    野間委員 大体わかりましたが、航空管制官が安全に管制ができるという一時間当たり機数、これは大体どのくらいなんですか。
  40. 大沢信一

    ○大沢説明員 ただいまの御質問、ちょっとはっきりわからないのですが、航空管制官が勤務いたします場所は管制本部と……
  41. 野間千代三

    野間委員 管制本部のほうの一人当たりです。
  42. 大沢信一

    ○大沢説明員 それはやっぱりいまのレーダーとか施設によって変わってくるんじゃないかと思います。
  43. 野間千代三

    野間委員 質問が徹底しなくて悪いのですが、いまの管制本部の施設で、管制官一人当たり一時間にどのくらいの離着陸が安全なのかということは大体わかるのじゃないですか。どのくらいの管制がいまの能力の限界じゃないかということはあり得るんじゃないですか。
  44. 大沢信一

    ○大沢説明員 管制本部管制官としまして、離着陸の回数といいますと、羽田のタワーの管制官が離着陸の管制をしておりますので、管制本部管制官は離着陸は扱わないのです。  それで少し先生の御質問とピントがはずれるかもしれないのですが、羽田で御承知のようにたとえば新しい国際空港をつくらなければならぬということになりました動機は、羽田の発着回数が多くなって、とてもさばき切れなくなるだろう、それは一体どのくらいになるときだろうということを想定したわけでございます。そのときにはいまのレーダーその他がもちろん完全な機能を発揮いたしまして、理想的な状態を考えたわけでございますが、一時間当たり離着陸合計で最大四十回ということを考えております。それが昭和四十五年ごろにはオーバーするのじゃないか、しかしそれは理想の状態でございまして、現在の状態で多少内輪に見まして二十回前後と見ておけば、そう無理はないのじゃないかと思います。
  45. 野間千代三

    野間委員 ちょっと勘違いをしました。航空管制本部なりあるいは飛行場なり、それぞれの分野でもって管制官管制をされますけれども、その管制官の方々がそれぞれの設備の内容でやはりその安全を見た場合の能力に限界があるんじゃないかとちょっとしろうと考えに思うんです。なぜかというと、そういう限度が私は現在の状態では、航空管制本部の場合の管制官あるいは飛行場の場合でも、羽田レーダーはつくられたにしても、さっきいろいろな例で申しましたように、相当限度を越えているのではないか、安全上の限度を越えて管制の努力をしているのではないかというふうに思っているんです。そういうところへ持ってきて激増をするわけですから、一そう管制官の負担が多くなる。そういうことは管制官だけに非常に過重な負担になってくるので、私どものほうでは補充すべきだと思うのですけれども、それが行なわれていないので、したがって、オリンピック時における危険度といいますか、危険の度合いというものはもっといまより強くなってくるのが当然ですから強くなってくる。したがって、それをできるだけ緩和をするために西側の壁といわれているものを開放してもらって、あるいはいま局長の言われる外国の使っている軍の空港を開放してもらわないで、東京国際空港で十分に迎えたいという気持ちは私もわかりますけれども、しかし危険を越えてまでそうする必要はないのではないか。したがってある程度の安全度を見て、横田を借りるなり何かをしたほうがいいのではないかとぼくは思ったので、そういう意味でお尋ねをしたのです。  時間が来たので終わりますけれども、いま局長答えられましたように、相当混雑が予想される。特にオリンピックが終わって帰るころに相当混雑が予想される場合には、各般の対策を使って措置をして、安全を確保していきたいというお答えが趣旨だろうと思いますが、そういうふうにされまして、オリンピックを通じてぜひ航空上の事故が起きないように一そうの御努力をいただきたいというふうに思います。  最後に、いろいろな事例を申し上げましたけれども航空上の各種の要員対策なり施設の対策なりについてお答えがありましたように、十分に御努力をされることを御期待申し上げます。できればすみやかにそういう実績があらわれてくる方向をとっていただけるようにお願いしたいと思います。  以上で終わります。
  46. 川野芳滿

    川野委員長 次会は来たる十月二日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会