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1964-08-01 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第48号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年八月一日(土曜日)    午前九時三十九分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 有田 喜一君 理事 進藤 一馬君    理事 關谷 勝利君 理事 塚原 俊郎君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       西村 英一君    西村 直己君       長谷川 峻君    細田 吉藏君       増田甲子七君    八木 徹雄君       井岡 大治君    勝澤 芳雄君       島上善五郎君    泊谷 裕夫君       野間千代三君    山口丈太郎君       内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 松浦周太郎君  委員外出席者         運輸事務官         (大臣官房長) 堀  武夫君         運輸事務官         (航空局監理部         長)      町田  直君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 八月一日  委員八木徹雄辞任につき、その補欠として森  清君が議長指名委員に選任された。 同日  委員森清辞任につき、その補欠として八木徹  雄君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件(空港整備等に関する問題)  日米国際航空路線に関する件      ————◇—————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。山口丈太郎君。
  3. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 大臣も忙しいようでありますから、二、三簡単な問題について御質問を申し上げたいと思います。  まず第一に、航空局にお尋ねしますが、いまの大阪国際港空拡張状況をちょっと簡単に御説明願います。
  4. 町田直

    町田説明員 お答え申し上げます。御承知のように大阪国際空港は、昭和三十三年三月米側から返還されるに伴いまして、共用飛行場として共用を開始いたしました。その後三十八年十二月に拡張工事をいたしまして、国際空港として発足することといたしました。拡張状況につきましては、おおよそ百五十六億の予算をもちまして三十三年から四十二年までの十カ年計画によりまして拡張整備事業を進めております。  土地買収につきましては、大体約八〇%ぐらい買収事務が進みました。なお二〇%ぐらい残っている次第でございます。またその他の用地買収あるいは家屋移転等につきましては非常にたくさんの問題がございますので、それらを順次進めていきまして、できるだけこの計画に従いまして昭和四十二年には完成するようにいたしたいと考えております。
  5. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 ただいまの報告によると、土地収用については八〇%終わった。四十二年には大体拡張工事を完了する予定ということでありますが、移転についてはどのくらい進捗しておりますか。
  6. 町田直

    町田説明員 中村部落岩屋部落については、まだ話し合いが続行中でございまして、進展しておりません。その他につきましては大体話し合いがついております。
  7. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 これは中村岩屋のその移転問題が解決しないでは、これは何もできておらぬということになるのですよ。私もこれは前々からやかましく言っておったのですけれども、こういうふうに移転がひまどるというのは、一体どこに原因があるのかということを、まずひとつ解明してもらいたいと思います。
  8. 町田直

    町田説明員 いろいろと原因はございますけれども、たとえば一カ所の村がばらばらに移転しないで全部そろって移転したいというような希望もございます。そのためにはまとまった土地を手当てしなければなりません。そういうようないろいろな理由がございまして、まだ解決していないところがあるわけであります。
  9. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 意見あとで述べるとしまして、そこで、家屋移転土地収用はもとよりでありますけれども、それだけでは済まないので、その周辺のたとえば工場においては煙突の切り捨てであるとか、あるいはまた工場立体計画高層建築物の制限によって不可能になる。それによって生じる損害というものはばく大にのぼっておる。これらもやはり同時に話を進めないと、その拡張工事は完成しない。  そこで、これは運輸大省にお伺いしますが、いままでは財界の集まりである社団法人伊丹空港協会、こういうものが主体になって土地収用買収交渉その他基礎になるものを全部やっておった。それでようやく土地収用等については、いまお聞きのとおり八〇%程度進捗率を示すに至った。ところが家屋移転、これは主として岩屋じゃないかと思うのですが、集団移転希望する、そのためにこれはいろいろしたところが、今度伊丹空港協会のほうではとにかくこれは中央でやるべきだ、直接交渉運輸省直轄で話をしてくれ、私のほうにも松谷化学等おもなる被害工場があるようでございますけれども、たいへんな損害を受けて五億に近い補償だ。ただ単に煙突を切り離すだけでなく、いわゆる工場合理化のための立体工事ができない、高層建築物ができない。ただ煙突を短くするだけでなく、それではボイラー圧力が下がってしまって、特殊化学でありますから、したがってその用をなさない。それで工場拡張計画というものが全然進まない、他に移転しなければならない、これでは工場が成り立たない、これは経営者だけでなく従業員、社内一致した全社あげての要望なんです。ところがこれは中央交渉であるから、したがって協会としてはこれ以上タッチはできない。しかもこれは空港協会の重要な構成メンバーの中にある人なんです。どうしても伊丹の空港拡張ということは時代の要請であるから、したがって、われわれはこれまで協会の一員としても協力してきた。ところが、あにはからんや、こういうような状況になるとは、最初から予測もしていなかった。ところがこういうことになると、せっかく空港拡張のために協力をしてきて、そうして自存の道を失うというようなことでは、これは一体どうなりますか、深刻な訴えがあった。そこで私は運輸大臣にお伺いしますが、従来どおりこれは帰属をはっきりしてもらいたい。空港協会にすべてのことをやらせるのか、それとも運輸省のそういうあらゆる補償方針についてはこれは運輸省でやるのか、この点、運輸大臣方針をひとつ明示してもらいたいと思います。
  10. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 山口委員の御質問に対する大阪国際空港整備拡張に伴う煙突補償問題と申しますか、工場関係の問題と申しますか、これに対しましては、大阪国際空港整備拡張に伴い、近隣所在の四工場があるそうでありますが、その煙突航空機の離着陸支障を来たすために、航空法規定によりまして損失補償をして除去する必要があると存じます。これに対しまして、具体的な補償方法補償金額等については、目下関係者との間に折衝中であります。折衝はなかなか困難をきわめておりますが、今後早急にその解決をはかるよう最善の努力をする考えであります。
  11. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 きわめて明快に御答弁をいただきましたからけっこうでありますが、しかしこの四工場のうち、ただ煙突を短くするということだけではおさまりのつかないのが化学工場です。それでいま言ったように工場存立にかかわる重大な問題になってきた、こう言っておるのです。そこで他に移転するなり適当の土地を設けてそうしてやるとすれば、これはばく大な金がかかる。だからといって、今日、あそこで平面的に工場を広げるということはできない。工場の性質上、これはどうしても立体建築にして工場をやらなきゃならない。その計画が全部できない状態になっておる。いわんや煙突を縮めるというだけでなくて、それによってボイラー圧力が非常に下がってくる。したがってそれに見合うボイラー新設をしなければならぬ。そのためには二億数千万円のばく大な金がかかる。これを何とか見ていただかなければ工場存立にかかわる問題である。こう言っておる。しかもこれは農林省の指定工場です。そういうわけですから、これは私は見るにしのびないと思うのです。いま運輸大臣の明快なおことばがあったが、これは事務当局としてもやはり運輸省直轄として、今後補償その他移転等についても直接交渉をして解決をするおつもりがあるかどうか、ここでひとつはっきりしてもらうとともに、当局からも大臣言明に対してもう少し具体的に補足して明快な答弁をいただきたい。
  12. 町田直

    町田説明員 伊丹空港協会は元来大体土地買収家屋移転ということを中心にしてやってまいっております。その他の補償につきましては前から航空局が自身で大体やっておったわけであります。そこで、ただいま山口先生の御質問にございましたように、この問題は従前も大体そうでございますが、今後とも航空局が直接やるという方針でまいりたいと存じます。  それからもう一つの問題でございますが、ただ煙突を切るというだけでございませんで、これに伴いまして生ずる損害につきましても、当然補償の趣旨に従いまして考えていきたいというふうに存じております。ただ、この煙突の問題につきましては、空港整備上の初めての例でございまして、その影響する範囲も非常にむずかしいので、阪大等学術経験者に頼みまして、どういう方法をとりましたらば煙突を切ることによる損害を最も最小限度にとめることができるか、そして切らなかったと同じような効果ができるかという幾つかの方法を依頼いたしております。したがいまして、そういう方法を現在までも関係者にいろいろと提示いたしまして御相談してまいったのでございますけれども、今後ともそういう方法で、最も両方にとりまして適切であるという方法で処理していきたいと考えております。
  13. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 そこで私はお尋ねしますが、どうも聞くところによると、ただ事務的に煙突を切る補償だけだ。あとのそういう工場圧力低下による機能低下等については一切かまっておらぬ。こういうことでは私はいけないと思うのです。ですから、それはいろいろとこういう問題が起きますと、それに付随してさらに輪をかけたようなことが各地で行なわれることも私は承知しております。しかし、今日この地区については、あれだけ熾烈な私どもの反対の中で、やはり現実的には今日大阪空港拡張しなければならないということで、私は地元にも、ほんとう言えばたいへんな犠牲を払ってもいろいろと話して協力してきたつもりです。あの周辺の人はきわめてまじめです。そんなふっかけたりするようなこことをする人はおりません。そこで、私ばそういう正直な人が、そういう膨大な、一つ工場で五億からの金がかかるというなら、これはたいへんですよ。ですから単なる事務的に、いや煙突を短くしたらいいんだ、多少機能が損われるような金について補償すればいいんだ、そんなものと違いますよ。運輸大臣、どうお考えになります。そういった場合に、これは御無理でありましょうけれども、ひとつそういうようなボイラー新設あるいはその工場立体拡張ができないというような場合には、これは将来の問題でありますから別といたしましても、少なくとも今日この工場の死命を制する重要な問題でありますから、これにでき得る限りの——ただ煙突を切ってその分の補償をするというだけではなくて、そういう施設について改良を加えなければならない向きについては事情の許す限り補償する、してやるというお考えがあるかないか、ひとつ大臣からお答えを願いたいと思います。
  14. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 これはだいぶ科学技術関係する問題も含んでいるようでありますから、科学技術の方面とも十分検討した上でなければわからないと思いますが、こうい公共事業であるといえども私企業を全然犠牲にして公共事業が発達するなんということは、私はいけないと思うのです。でありますから、私企業損失補償航空法規定によって損失補償する規定がありますから、その規定に準拠して私企業影響のない程度において航空事業は発達すべきである、かように考えます。
  15. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 大臣お忙しいようですから……。
  16. 川野芳滿

    川野委員長 ちょっと相談しますが、大臣に対して泊谷さんが五分ばか質問があるそうです。
  17. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 ちょっと待ってください。  そこで事務当局にお伺いしますが、いままでこれらの工場のこうむるべき損害について調査をされたことがあるのですか。あるとすれば、その数字を把握せられておるはずですけれども、それは把握されておるのですか、どうですか。
  18. 町田直

    町田説明員 先ほども御説明いたしましたように、この煙突の切除の問題は非常に新しいケースでございまして、したがいましてこれに対する補償のやり方につきまして幾通りかの方法考えられるわけでございます。そこで相当長い期間をかけまして各大学等に依頼いたしまして方法考えていただいて、それについて検討しているわけでございます。したがいまして、それが実際に損害をこうむります会社の受け入れるところになるかならないかによりまして変わってまいります。そういう折衝過程でございますので、まだ具体的にどれだけの損害になるか、その数字を計算してはおりません。
  19. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それは何を根拠に折衝しておるのかわからないじゃないですか。やはりもっと親切に、工場の中に立ち入ってまで向こうの説明を聞いて、そしてこれだけの煙突を切除すればボイラー圧力はどういうふうになる、それは工場機能にどれだけの影響を及ぼすか、そういうことはあなた方はもっと親切に調べて、そして協力者なんですから、協力者ばかを見させるようなことはすべきじゃないですよ。どうも事務当局考え方としては、ただ煙突をちょん切ったらそれでいいんだ、そういうことを基本に置いて考えておられるようですけれども、そういうことはだめです。そんなことではいけませんよ。まして将来、これがいけなんだら、四十二年度では完成しませんよ。その他公害問題あり、いろいろ問題がある。くどいようでございますけれども、私はこれについてはずいぶん協力をしてきたつもりだ。けれども、この上工場の立ち行かぬような状態にあるものまで協力しなければいかぬなんということは、それは大臣言明されるように、公共事業であるけれども、そういうものをつぶしてやることはできない。そうしてもう少しあたたかくやってもらわなければ困る。どうですか、そういうお考えに立って処理ができないのですか。  それから、これからの折衝の当事者をこの際明確にしていただきたい。空港協会折衝の衝に当たるのか、それとも運輸省がこれから移転についてもあるいはこういう補償問題についても直接当たられるのか。この点を明快にしてもらいたい。それでないと現地は混乱している。どうですか。
  20. 町田直

    町田説明員 先ほどお答えいたしましたのは具体的の金額の計算についてでございますけれども、実際は決して山口先生のおっしゃるようなことではございませんで、絶えず非常に密接に連絡し、折衝をいたしましてやっておるわけでございます。なお、業界、事業者のほうからは具体的にどれだけの金額がかかるのだという意見書なりあるいは文書が提出されたケースが何度もございますので、これにつきまして、それぞれ私のほうの意見を申し上げ、または両者集まって検討するということにいたしてやっておる次第でございます。  なお、最後に申されましたどこがやるかという問題につきましては先ほどもお答えいたしましたように、航空局がみずから直接やるということにいたしております。
  21. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 これで終わりますけれども、お聞きのとおりのような状態です。そこで、松谷化学だけでも五億六千八百万円以上の損害。ですから、これは大臣、よく聞いておいていただいて事務当局を督励して、そうしてこういう正直者ばかを見せたり、文字どおり、あなたの言明どおり公共事業私企業を立ちいかないようなことにすることのないように、極力大臣政治手腕解決していただきたい。これを希望して終わります。
  22. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 先刻申し上げましたように、善処いたします。
  23. 川野芳滿

  24. 泊谷裕夫

    泊谷委員 お忙しいようですから、端的に……。  大臣就任と同時に、せっかくの機会を得て北海道をお回りになって、いろいろとお話があったと思いますが、北海道で一番重要な問題になっています千歳空港丘珠の問題で、現地から数多い陳情があったと思うのですが、千歳丘珠は、いま格上げとしましても所管防衛庁になっています。御承知のとおり千歳丘珠はその他空港になっているわけでありますが、これを整備強化するということになりますと、運輸省所管に付さなければならぬと思うのでありますが、これについて大臣のお考えをひとつ明らかにしてほしいと思います。
  25. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 ただいま泊谷委員の御質問丘珠飛行場千歳との関係の問題につきましては、民間航空専門用として、滑走路誘導路等を整備することについては、現在丘珠飛行場北海道内における民間航空の基地として重要な役割りを果たしております。将来はさらにこの重要性が大きくなるものと予想されております。したがって、当飛行場所管等につきましては、将来適当な時期に関係省庁と協議の上、合理的に最終解決をはかりたいと考えておりますが、それまでは暫定的に防衛庁管理のまま運輸省空港整備費をもって当飛行場を整備することにしていきたいと考えている次第であります。
  26. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それではただいまの事情はわかりました。  次の問題ですが、大臣がよく御承知のとおり、北海道空港としては、秋田、三沢など総じて北部関係が霧の関係十分就航率を高めることができない、大阪周辺なり九州は天候の支障が少ないのでありますけれども……そこで問題になりますのは北海道の場合、観光のポイントにいたしましても産業開発ポイントにしても、いま着工されております旭川空港というものは重要になってくると思いますし、これから放射状に延びます釧路、函館、稚内、こう結んでみますと、釧路空港の場合、特に最近の資料では就航率が五〇%出るか出ないかという事情にあります。稚内のほうは七〇%程度でありますけれども、これは先ほども指摘しましたが、霧の影響により就航ができないという実態にあるわけであります。さてこういう段階の中で、計器による飛行機誘導なり地上管制進入方式をとるという、言ってみれば計器設備をしたほうがよいのか、抜本的に空港そのもの移転することによって霧からのがれることができるのか、ここらについて思い切った調査をする必要がある段階に来たのではないか。私の希望としては、大臣にこの際、釧路女満別稚内を含めて抜本的に——現在の飛行場そのままで計器設備による離着陸が完全にできるか、それとも釧路空港の場合のように新しい別な地域を求めることも含めて、事務当局にしかるべく予算措置をとられて抜本的な調査を試みられる気持ちがあるかどうか、これを明らかにしてほしいと思うのです。
  27. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 北海道飛行場の問題につきましては、いま仰せになりましたように、稚内は縦一本の滑走路でありますから、風の方向によってはおりることができない。どうしてもやはり斜めの線をもう一本つくる必要があると思います。それからまた釧路の問題に対しましては、日本のロンドンといわれるほど霧の深いところでありますから、これに対する離着陸安全装置をつける必要があるのではないかとしろうと的に考えますが、きょうは監理部長が来ておりますから、その専門的なことはひとつ監理部長に答えていただきたいと思います。旭川飛行場につきましては四十年度をもって北海道開発費の中でこれを完成したい、そういう予定でおるのであります。その他女満別の問題につきましても、これはやはり拡大していきたい、かように考えております。
  28. 堀武夫

    堀説明員 釧路につきましては、非常に霧の深いところでありますのと、山のふもとでありまして高いところにあるわけであります。その点で非常に就航率が悪いのであります。盲目着陸装置と申しましても、やはりある一定の視界がなければ、光全にしまいまで機械だけでやるということは非常に危険でございます。現在のILSの性能から見ましても、相当霧が深い場合はやはりクローズするということになっております。それと釧路は山が大きくあるわけであります。そういう困難な条件がありますので、ILSをつけることによってどれくらいいまの就航率が高められるか、効果があるかどうかということを十分調査の上その措置をいたしたい、こういうふうに思います。
  29. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それで官房長釧路の問題については、私は、計器設備をするということよりも、実態としては、やはり大楽毛飛行場阿寒寄りにずらすなり、あるいは釧路の先に施設するほうが、実質上採算ベースとしてもよいのではないかという気持ちもしますので、そういうのを含めて、大臣先ほど、抜本的な調査を願う、こういうことに意見を申し上げたのです。その考え方については、採用していただけるかどうか、明らかにしてほしいと思います。
  30. 堀武夫

    堀説明員 そういうことも含めて調査をいたしたいと考えております。
  31. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは、大臣に、就任早々でありますから、きょうお尋ねするのは適切ではないかと思うのでありますが、国内航空は御承知のとおり北日本、日東、富士の三社合併しましたもので、前の綾部運輸大臣も、主要幹線乗り入れを含め、新機種導入など、意欲的な再建計画を明らかにされておるのですけれども統合会社だからやむを得ないといえばそれまででありますが、私の感ずるところでは、社長一名、専務重役常任監査を含めて、膨大な管理群をかかえております。しょせん、経理事情のよくない会社というものは何を宝にするかというと、そこに働いておる従業員に、新しい機種導入なり新路線なり、前途に希望を持たせて精一ぱいがんばらせるというようなことが必要だと思うのです。国の思い切った施策といっても限界がありましょう。そういうときに、この国内航空首脳部陳容は過大にすぎないかという印象を強く持つのでありますが、適当な機会に正常な、あるべき姿に戻してはどうかと思うのでございますが、そういう指導をなさるお考えがあるかどうか、これを明らかにしてほしいと思います。
  32. 堀武夫

    堀説明員 国内航空株式会社は、ごく最近に発足したばかりの三社の合併体でございますので、さしあたってスタートする場合はいろいろ内部的な事情とか、いろいろ問題があると思うのです。それでいまの陣容は過大かどうか。この会社は前途非常にきびしいいばらの道を切り開いていかなければならぬ。当然合理化ということも非常に大きな問題として取り上げなければならぬだろうと思います。その一つ方法としてそういう役員を減らすというようなことも今後会社として検討するように、これは当然政府としても指導していかなければならぬと思っております。
  33. 泊谷裕夫

    泊谷委員 ただいまの問題ですが、企業の問題でありますから、とやかく私どもの立場で言うのは適切でないということを承知しながらも、現地の働いておる仲間の姿を見ますと、ペンチ一つでも自分たちのわずかな給与の中から出して、やはり北海道を飛んでおります飛行機をおれらが世話しておる、こういう気持ちに燃えておるのですね。そういうときに専務重役そして常任監査役というものばかり十何人も、非稼働員がごそっとおるということは、私は好ましくないと思うのです。経営の困難な会社が統合した、その会社はすべて国会なり政府に向かってただ助成だけを求める、そういう体制では日本航空事業というものは先行きやはり変型的な姿をたどるのではないか、この際ある程度会社会社らしいきびしい態度をとって、労使一体となって前向きの姿勢をとってもらうことが私は必要だと思うので、たいへん困難は予想されますけれども、適切な時期に大臣としての御指導を特にお願いしておきたいと思います。
  34. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 仰せのとおり企業は人であります。でありますから企業経営の問題に対しましては、十分監督をいたしまして、現在行き詰まっておる北日本のごとき会社については特にひとつ協力して、これを成功させるように導いていきたいと思っております。     —————————————
  35. 川野芳滿

    川野委員長 この際西村直已君外二名から日米国際航空路線に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。西村直巳君。
  36. 西村直己

    西村(直)委員 私は自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、日米国際航空路線に関し、次の決議をいたされんことを望みます。  案文を朗読いたします。    日米国際航空路線に関する件  日本航空のニューヨーク経由世界一局線を実現することは全国民的要望である。然るに現行の日米航空協定はこれを阻んでおり、反面米国側に対しては、一方的に広範な東京経由以遠権を認めている。  かかる不平等協定をこれ以上続けることは、国民的に到底容認できないところである。  よって政府は、現在交渉中の日米航空協定の改訂に当たっては、強い決意を以って、あらゆる手段をつくし、その不平等を是正し、国民の宿願を達成するよう強く要望する。  以上であります。  何とぞ御賛成のほどをお願い申し上げます。(拍手)
  37. 川野芳滿

    川野委員長 ただいま西村直巳君の動議のごとく、日米国際航空路線に関する件を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  この際、運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。松浦運輸大臣
  39. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 ただいまは、日米航空協定改定に対する決議文を決議していただいたのでございますが、この御趣旨にのっとって、われわれは勇気百倍いたしまして、皆さんの決議は全国民から盛り上がったものでございますから、これを代表して、その趣旨を貫徹すべき努力をお誓いいたします。(拍手)
  40. 川野芳滿

    川野委員長 本件の参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は来たる九月二十九日火曜日及び十月二日金曜日に開会する予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時十六分散会