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1964-06-25 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十五日(木曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 有田 喜一君 理事 關谷 勝利君    理事 塚原 俊郎君 理事 西村 直己君    理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君       亀岡 高夫君    木村 俊夫君       佐々木義武君    壽原 正一君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       中馬 辰猪君    南條 徳男君       西村 英一君    長谷川 峻君       細田 吉藏君    井岡 大治君       勝澤 芳雄君    島上善五郎君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         運輸事務官         (大臣官房長) 佐藤 光夫君         運輸事務官         (海運局長)  若狹 得治君         運 輸 技 官         (船舶局長)  藤野  淳君         運 輸 技 官         (港湾局長)  比田  正君         海上保安庁次長 有田  毅君  委員外出席者         運輸事務官         (海運局参事         官)      高林 康一君         運輸事務官         (航空局監理部         長)      堀  武夫君         日本国有鉄道参         与         (運転局長)  林  武次君         専  門  員 小西 真一君     ――――――――――――― 六月二十四日  道路運送法の一部を改正する法律案關谷勝利  君外五名提出衆法第五四号) 同月十八日  放出貨物拡張に関する請願外八件(井岡大治  君紹介)(第四三三〇号)  同外八件(井岡大治紹介)(第四三九九号)  東野鉄道株式会社東野線撤去反対に関する請  願(渡辺美智雄紹介)(第四三八一号)  港湾建設労働者退職条件改善等に関する請願  外一件(五島虎雄紹介)(第四四一二号)  道路運送法の一部を改正する法律案反対に関す  る請願島上善五郎紹介)(第四四一三号)  同(山口丈太郎紹介)(第四五九八号) 同月十九日  道路運送法の一部を改正する法律案反対に関す  る請願加藤進紹介)(第四六九七号)  同(神近市子紹介)(第四七六三号)  交通安全対策に関する請願加藤進紹介)  (第四六九八号)  同(川上貫一紹介)(第四六九九号)  同(谷口善太郎紹介)(第四七〇〇号)  同(林百郎君紹介)(第四七〇一号)  東北本線及び高崎線輸送力増強に関する請願  (福永健司紹介)(第四七〇二号) 同月二十二日  九州地域国際観光地及び国際観光ルートの総  合的形成に関する請願池田清志紹介)(第  四九七七号) は本委員会に付託された。 同月二十五日  農林畜水産関係物資港湾荷役作業料金値上げ  抑止に関する請願池田清志紹介)(第三〇  九九号) は委員会の許可を得て取下げられた。     ――――――――――――― 六月二十日  国鉄山陽新幹線早期建設に関する陳情書  (第八一三号)  小鶴線建設促進に関する陳情書  (第八一四号)  新東京国際空港建設促進に関する陳情書  (第八一五号)  国鉄安全輸送確保に関する陳情書  (第八一六号)  国鉄金町駅北口の開設に関する陳情書  (第八一七号)  交通輸送安全確保に関する陳情書  (第八一八号)  野岩線即時着工等に関する陳情書  (第八三九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  海上衝突予防法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一三一号)(参議院送付)  海運航空日本国有鉄道経営及び港湾に関  する件(新潟地震による運輸施設の被害、状況  等)  農林畜水産関係物資港湾荷役作業料金値上げ  抑止に関する請願池田清志紹介)(第三〇  九九号)の取下げの件  請 願 一 相馬港の早期完成に関する請願齋藤邦吉君  外一名紹介)(第八六号) 二 磐越東線輸送強化対策に関する請願齋藤  邦吉君外一名紹介)(第八七号) 三 磐越東西線電化促進に関する請願齋藤  邦吉君外一名紹介)(第八八号) 四 水郡線の準急増発に関する請願齋藤邦吉君  外一名紹介)(第八九号) 五 常磐線全線電化及び複線化に関する請願(  齋藤邦吉君外一名紹介)(第九〇号) 六 熱海海岸モノレール設置反対に関する請願  (福田繁芳紹介)(第二〇八号) 七 国鉄備作線建設に関する請願小枝一雄君紹  介)(第四四三号) 八 同(逢澤寛君紹介)(第四八〇号) 九 海上自衛隊鹿屋航空隊の飛行場を併用する大  型空港開設に関する請願二階堂進紹介)(  第五〇〇号) 一〇 遠洋漁業海難救助態勢改善に関する請願  (濱田幸雄紹介)(第五四九号) 一一 蒲郡港の港域拡張に関する請願福井勇  君紹介)(第五九一号) 一二 国鉄備作線建設に関する請願亀山孝一君  紹介)(第七三一号) 一三 同(和田博雄紹介)(第八三三号) 一四 相馬港の早期完成に関する請願齋藤邦吉  君外一名紹介)(第七三八号) 一五 磐越東線輸送強化対策に関する請願(齋  藤邦吉君外一名紹介)(第七三九号) 一六 磐越東西線電化促進に関する請願(齋  藤邦吉君外一名紹介)(第七四〇号) 一七 常磐線全線電化及び複線化に関する請願  (齋藤邦吉君外一名紹介)(第七四一号) 一八 伊勢湾高潮防波堤開口部計画改善に関す  る請願春日一幸紹介)(第九二六号) 一九 国鉄安全確保に関する請願山崎始男君  紹介)(第九七四号) 二〇 同(和田博雄紹介)(第九七五号) 二一 旧小倉駅に電車駅設置等に関する請願(藏  内修治君紹介)(第一三四三号) 二二 諏訪市中浜大踏切道拡張に関する請願(原  茂君紹介)(第一三四四号)二三 播磨灘における特定水域撤廃に関する請願  (田中武夫紹介)(第一六七四号) 二四 国鉄安全確保に関する請願外二件(田中  織之進君紹介)(第一八九八号) 二五 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法  律案に関する請願池田清志紹介)(第一九  三一号) 二六 交通安全対策に関する請願井岡大治君  紹介)(第一九三四号) 二七 同(久保三郎紹介)(第一九三五号) 二八 同(五島虎雄紹介)(第一九三六号) 二九 同(勝澤芳雄紹介)(第一九七二号) 三〇 同(泊谷裕夫紹介)(第二二三六号) 三一 国鉄安全輸送確保に関する請願羽田武  嗣郎紹介)(第二〇四二号) 三二 同(中澤茂一紹介)(第二〇六四号) 三三 精神薄弱児等通園費割引きに関する請願  (重盛寿治紹介)(第二〇四三号) 三四 国鉄安全輸送確保に関する請願原茂君  紹介)(二五〇〇号) 三五 同(小川平二紹介)(第二六〇二号) 三六 同(唐澤俊樹紹介)(第二六〇三号) 三七 同(増田甲子七君紹介)(第二六〇四号) 三八 鹿屋市に国際航空路開設に関する請願(二  階堂進紹介)(第二五七三号) 三九 国鉄安全輸送確保に関する請願下平正  一君紹介)(第二七九六号) 四〇 伊豆箱根鉄道の熱海駅乗入れに関する請願  (山田彌一紹介)(第二七九七号) 四一 小型船海運業法及び小型船海運組合法の一  部を改正する法律案修正に関する請願(永田  亮一君紹介)(第三〇七四号) 四二 同(伊藤卯四郎紹介)(第三一四二号) 四三 同(關谷勝利紹介)(第三二一四号) 四四 九州地域国際観光地及び国際観光ルート  の総合的形成に関する請願池田清志紹介)  (第三〇九六号) 四五 南九州国際観光ルートに指定に関する請  願(池田清志紹介)(第三〇九七号) 四六 農林畜水産関係物資国鉄貨物運賃公共政策  割引恒久制度化に関する請願池田清志君紹  介)(第三〇九八号) 四七 関東地区一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願小平久雄紹介)(第三一八〇  号) 四八 静岡地区一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願山田彌一紹介)(第三一八一  号) 四九福井南越大野地区一般乗用旅客自動  車運賃改定に関する請願坪川信三紹介)(  第三三六七号) 五〇 定期乗合バス成宗線の存続に関する請願(  岡崎英城紹介)(第三四五四号) 五一 名古屋市の一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願辻寛一紹介)(第三四六〇号) 五二 三河地区一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願辻寛一紹介)(第三四六一号) 五三 尾張地区一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願辻寛一紹介)(第三四六二号) 五四 三重県内一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願田村元紹介)(第三四六三号) 五五 同(木村俊夫紹介)(第三四六四号) 五六 富山県内一般乗用旅客自助車運賃改定に  関する請願佐伯宗義紹介)(第三四六五  号) 五七 福井南越大野地区一般乗用旅客自  動車運賃改定に関する請願植木庚子郎君紹  介)(第三四六六号) 五八 能登地区一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願井村重雄紹介)(第三四六  七号) 五九 交通安全対策に関する請願島上善五郎  君紹介)(第三五〇三号) 六〇 水先法改正に関する請願野間千代三君  紹介)(第三五六一号) 六一 東北本線複線及び電化促進に関する請願  (鈴木善幸紹介)(第三六一六号) 六二 三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する請願(  鈴木善幸紹介)(第三六一七号) 六三 国鉄安全輸送確保に関する請願鈴木善  幸君紹介)(第三六一八号) 六四 飯山線輸送力改善に関する請願吉川久  衛君紹介)(第三七〇五号) 六五 同(倉石忠雄紹介)(第三七〇六号) 六六 同(羽田武嗣郎紹介)(第三七〇七号) 六七 篠ノ井線輸送力改善に関する請願吉川  久衛紹介)(第三七〇八号) 六八 同(倉石忠雄紹介)(第三七〇九号) 六九 同(羽田武嗣郎紹介)(第三七一〇号) 七〇 信越本線の輸送力改善に関する請願吉川  久衛紹介)(第三七一一号) 七一 同(倉石忠雄紹介)(第三七一二号) 七二 同(羽田武嗣郎紹介)(第三七一三号) 七三 同(唐澤俊樹紹介)(第三七六六号) 七四 同(増田甲子七君紹介)(第三八二二号) 七五 同(松平忠久紹介)(第三八二三号) 七六 同(小川平二紹介)(第三九三七号) 七七 同(下平正一紹介)(第三九三八号) 七八 同(中澤茂一紹介)(第三九三九号) 七九 同(原茂紹介)(第三九七六号) 八〇 篠ノ井線輸送力改善に関する請願唐澤  俊樹紹介)(第三七六七号) 八一 同(増田甲子七君紹介)(第三八二〇号) 八二 同(松平忠久紹介)(第三八二一号) 八三 同(小川平二紹介)(第三九三四号) 八四 同(下平正一紹介)(第三九三五号) 八五 同(中澤茂一紹介)(第三九三六号) 八六 同(原茂紹介)(第三九七五号) 八七 飯山線輸送力改善に関する請願唐澤俊  樹君紹介)(第三七六八号) 八八 同(増田甲子七君紹介)(第三八一八号) 八九 同(松平忠久紹介)(第三八一九号) 九〇 同(小川平二紹介)(第三九三一号) 九一 同(下平正一紹介)(第三九三二号) 九二 同(中澤茂一紹介)(第三九三三号) 九三 同(原茂紹介)(第三九七四号) 九四 小樽、余市地区等一般乗用旅客自動車運  賃改定に関する請願壽原正一紹介)(第四  〇一二号) 九五 青森県内一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願壽原正一紹介)(第四〇一三  号) 九六 山形県内一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願壽原正一紹介)(第四〇一四  号) 九七 福島県内一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願壽原正一紹介)(第四〇一五  号) 九八 宮城県内一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願壽原正一紹介)(第四〇一六  号) 九九 小田原、箱根地区等一般乗用旅客自動車  運賃改定に関する請願壽原正一紹介)(第  四〇一七号) 一〇〇 鳥取県内一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇一八  号) 一〇一 和歌山市等の一般乗用旅客自動車運賃改  定に関する請願壽原正一紹介)(第四〇一  九号) 一〇二 滋賀県内一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇二〇  号) 一〇三 岡山県内一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇二一  号) 一〇四 愛媛県内一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇二二  号) 一〇五 香川県内一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇二三  号) 一〇六 徳島市等の一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇二四  号) 一〇七 高知県内一般乗用旅客自動車運賃改定  に関する請願壽原正一紹介)(第四〇二五  号) 一〇八 熊本市の一般乗用旅客自動車運賃改定に  関する請願壽原正一紹介)(第四〇二六  号) 一〇九 小型船海運業法及び小型船海運組合法の  一部を改正する法律案修正に関する請願(堀  川恭平紹介)(第四〇二七号) 一一〇 国鉄安全輸送確保に関する請願松平  忠久紹介)(第四〇六九号) 一一一 鹿児島本線電化及び複線化に関する請  願(池田清志紹介)(第四一〇四号) 一一二 放出貨物拡張に関する請願外九件(井  岡大治紹介)(第四一三三号) 一一三 同外二十三件(井岡大治紹介)(第四  一五一号) 一一四 同外二十九件(井岡大治紹介)(第四  一九二号) 一一五 同外四十二件(井岡大治紹介)(第四  二二二号) 一一六 同外四件(久保田鶴松紹介)(第四二  二三号) 一一七 同外四件(久保田鶴松紹介)(第四二  四八号) 一一八 同外四件(久保田鶴松紹介)(第四二  六一号) 一一九 同外九件(久保田鶴松紹介)(第四二  八二号) 一二〇 同外八件(久保田鶴松紹介)(第四二  八六号) 一二一 農林畜水産関係物資国鉄貨物運賃公共政  策割引恒久制度化に関する請願佐々木秀世  君紹介)(第四一三四号) 一二二 九州地域国際観光地及び国際観光ルー  トの総合的形成に関する請願池田清志君紹  介)(第四二五四号) 一二三 放出貨物拡張に関する請願外八件)(  井岡大治紹介)(第四三三〇号) 一二四 同外八件(井岡大治紹介)(第四三九  九号) 一二五 東野鉄道株式会社東野線撤去反対に関  する請願渡辺美智雄紹介)(第四三八一  号) 一二六 港湾建設労働者退職条件改善等に関す  る請願外一件(五島虎雄紹介)(第四四一二  号) 一二七 道路運送法の一部を改正する法律案反対  に関まる請願島上善五郎紹介)(第四四一  三号) 一二八 同(山口丈太郎紹介)(第四五九八  号) 一二九 同(加藤進紹介)(第四六九七号) 一三二〇 同(神近市子紹介)(第四七六三  号) 一三一 交通安全対策に関する請願加藤進君  紹介)(第四六九八号) 一三二 同(川上貫一紹介)(第四六九九号) 一三三 同(谷口善太郎紹介)(第四七〇〇  号) 一三四 同(林百郎君紹介)(第四七〇一号) 一三五 東北本線及び高崎線輸送力増強に関す  る請願福永健司紹介)(第四七〇二号) 一三六 九州地域国際観光地及び国際観光ルー  トの総合的形成に関する請願池田清志君紹  介)(第四九七七号)      ――――◇―――――
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  農林畜水産関係物資港湾荷役作業料金値上げ抑止に関する請願池田清志紹介文書表番号第三〇九九号の請願につきましては、紹介議員より取り下げ願い提出されておりますので、この際、その取り下げを許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 川野芳滿

    川野委員長 次に、海上衝突予防法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
  5. 肥田次郎

    肥田委員 この法案について、法案の立て方で一、二点質問したいことがあります。それは今度のこの法案趣旨にもありますように、国際海上衝突予防規則を受諾したので、これを実施するための国内法改正だ、こういうことでございます。この面で、一体どういう趣旨でこの程度改正にとどめられたのか、その改正の立て方と申しますか、この点をまず説明をしてもらいたいと思います。
  6. 高林康一

    高林説明員 この現行海上衝突予防法の基礎になっておりますものは、一九四八年の国際海上衝突予防規則でございます。その後の、実際の航法その他の関係を見ておりますと、いろいろ非常に航法上あるいは港湾上の変化がございます。その一番大きい問題といたしましては、船舶が非常に大型化してまいっておるということが第一点でございます。さらにレーダーが、一九四八年当時に比べますと、非常にこれが実用化されておるというようなことで、船舶大型化あるいはレーダーの非常な実用化というようなことによりますところの交通事情変化に応じまして、それぞれ、たとえばレーダー使用については、いたずらにレーダーにたよって事故を起こさないようにというような内容のことを主といたしますところの航法規定を整備するというようなことが一つの点でございます。  第二の点といたしましては、漁船の識別灯火につきましては、従来、一九四八年の衝突予防規則は非常に繁雑になっております。そのためにかえって衝突予防という観点から見ますと問題がございますので、その識別灯火を簡明化させるというようなこと、それらのことを主として考えておるわけでございます。  さらにその後の問題といたしまして、やはりいろいろ船舶航法を実施してまいります関係上、船の大きさその他についていろいろ問題がございますけれども、従来のトン数で区別するというようなことは非常に誤りやすいというような実際の経験というようなことから、そういうようなことを考えておるわけでございます。  さらにまた比較的狭水道等におきましての帆船動力船というような相互の関係ということが、その後ヨーロッパ諸国においても同様に、またわが国においても同様に、帆船動力船あるいは小型船大型船というような関係でいろいろ事故を起こす可能が出てまいっておりますので、それらの点についてやろうというものでございまして、主としてやはり交通事情変化ということに即応するのが大きいねらいになっておる状況でございます。
  7. 肥田次郎

    肥田委員 親切に説明してもらいましたが、実は私の質問の要点も少し簡素に過ぎたかに思うのですけれども、私がお聞きしたいのは、こちらにわれわれがいただいておるところの資料の中で少し判断ができないこと、すなわち海上衝突を予防する国内法改正のその要点として、これだけでいわゆる衝突を予防することができるのかどうか・ということ、それはいわゆる施設の面とその他の面とで、どういう立て方をしておられるのか、実はこういうことを聞いたわけです。簡単でけっこうですから、たとえばこれで衝突予防が万全であるということにはならないでしょうが、これで十分だと考えておられるのか。なおこのほかに処置をしなければならぬ施設上の問題とか何とかいうようなものが残っておるのかどうか、そういうことをあらためて質問いたします。
  8. 高林康一

    高林説明員 この衝突予防法は主として海洋といいますか、航路等におきますところの衝突予防法規定でございます。現実の衝突におきましては、統計的に見ますと大体三〇%ないし四〇%は港湾内の衝突あるいは事故その他の問題でございます。それらの点につきましては、港則法改正を昨年実施いたしまして、やっておるわけでございます。さらにまた水先によります事故というようなものもままございます。そういうような点につきましては、今国会におきまして水先法改正をやっていただいたわけでございます。ただこの衝突予防法のみにおきまして、いろいろな問題が片づくというわけではございません。また安全法その他においても今後検討を重ねていかねばならぬ点が多々あるかと存じます。それと同時に、根本的には港湾施設あるいは航路、そういうようなものの改善といいますか、そういう点についてさらに意をそそぐ必要があることは当然でございます。それと並んで主としていろいろ海難を起こしますところの船、たとえば小型鋼船あるいは機帆船というようなものあるいは旅客船というようなものについては、非常に老齢化しておるというようなことのために事故を引き起こしやすいというような点で、船質改善措置というようなものもあわせて進めてまいりたい、このようにいたしまして、施設あるいは法令あるいは企業経営船舶これらのに面ついて多面的にいろいろの方法を重ねてまいりたい、こういうふうに考えております。
  9. 肥田次郎

    肥田委員 全般的な海上衝突予防、こういう面についてはそれぞれの分野があると思うのですが、これはたとえば経費の点、いわゆる予算的な対策、こういうふうな面についてはどういうようにお考えですか。
  10. 高林康一

    高林説明員 予算的な面につきましては、それぞれ港湾施設の問題につきましては、たとえば港湾事業費で処理する、あるいはまた企業船質改善というような措置につきましては、それぞれ内航対策あるいは特定船舶整備公団等予算でもってこれを進めていく。それと同時に衝突予防の進め方、これの法令周知徹底というようなことにつきましては、たとえば海難防止会というようなもので相当、本年はたしか約七千万円程度予算でございますけれども、それらによって法令周知徹底をはかってまいりたいというふうに進めておる次第でございます。
  11. 肥田次郎

    肥田委員 海上保安庁の方は見えておりますか。——この際、海上保安庁関係に属するかどうかということはよくわかりませんが、一つ関連して聞いておきたいことがあります。それは、これから夏になってまいりますと、いまもあまり改良といいますか、特にこれに対する取り締まり法律化ということもあまり聞かないように思うのでお伺いしたのですが、今日もなおモーターボートについては、これはいわゆる取得の届け出と申しますか、そういうものだけで自家用モーターボートというものが運転できるように、そのままになっていますか。
  12. 有田毅

    有田政府委員 モーターボート等につきましては、運航につきましては自由でございまして、取得も自由でございます。ただ地方庁によりまして、地方条例をもちまして航行等についてある程度の規制をしているところもございます。
  13. 肥田次郎

    肥田委員 これは、私もよく知らないのですが、地方によって、いわゆる水上の取り締まり海上保安庁関係とそれからそれぞれの地方の警察との関係、こういうふうに分かれておりますね。それで、これがどちらの所属になるかということはよくわからないのでお伺いするのが一つですが、それは、たとえば、営業用モーターボートでなしに、自家用モーターボートが港の中で、あるいは河川で盛んに飛び回っておる事実もあります。たとえば海水浴場なんかでは、直接そこで取り締まりがあるようですが、それ以外のところ、いろゆる港湾の中とか、しかもそこらで人が遊泳しておる、あるいは手こぎのボートが水上で遊んでおる、こういうふうな場合に、このモーターボートが遠慮会釈なしに飛び回って、そしてそのモーターボートの波の被害を受けてボートが転覆したり、あるいは泳いでいる人がそのために波をかぶったり、こういうことですでに今日まで相当数の人が死んだり何かしているような事実があります。これは衝突予防法にかこつけて言うわけじゃないのですが、こういうものについての取り締まりというものは、海上保安庁ではどのように考えておられるかということが一つ。  それから直接こういうものの免許制度に関して、これは所属は船舶局になりますか、船舶局としてはこれは依然としてこのまま取得届け出だけで放置しておくのか、それ以上の取り締まり規則というものをおつくりになる意思があるのかないのか、この点をひとつお答えいただきたいと思います。
  14. 高林康一

    高林説明員 先に私のほうからお答えさしていただきます。モーターボートにつきましては、現在のところ特にそれを取得するのに制限がないということは、先ほど海上保安庁からの御答弁のとおりです。ただ、いろいろ取り締まりの面につきまして、たとえば航法というような面につきましては、たとえば港湾内におきましては港則法によりますところの雑種船といたしましてこれを扱っておりまして、それらの面についていろいろ港内におけるところの運航についての規制を行なっておる、あるいはまた予防法についても——これは港内につきましては港則法が優先いたしますけれども、その他の場合につきましては予防法においても十分これの対象にしておるということでございます。ただそれの取得その他について、これをどのように規制するかという点につきましては、私どもといたしましては、これは事業あるいはその他の面でこれを規制するということは非常に困難ではないかというふうに考えております。ただ、間々モーターボートが旅客を運んでおるというような事態がございます。そのようなときには、いわゆる海上運送法によりまして旅客運送事業——これは定期航路の場合と不定期の場合がございますけれども、それらによって規制する場合があります。もちろん定員が十三名以上というような場合でございますが、そういうような場合については、海上運送法によるところの規制を行なっておるという状況でございます。さらにこれに伴いまして、当然船舶職員法その他によりまして、それに乗り込みますところの乗り組み員、これについては一定の資格というものを、それぞれ旅客を運びますような場合につきましてはその資格要件を定めておる。そうしてこれらの違反のないように、厳重に今後の行政を指導してまいりたいというふうに考えておる状況でございます。
  15. 有田毅

    有田政府委員 モーターボート等の港内航行に関しましては、ただいま高林参事官より御説明がありましたわけでございます。その他海水浴場等でいま先生の御指摘のとおり、いろいろとモーターボート等が危険な航行をいたすことがございます。これは私どもといたしましては、海難予防という見地から事実上の取り締まりをいたしておる次第でございます。
  16. 肥田次郎

    肥田委員 もう少しお伺いしますが、その取り締まりというものの強化といいますか、取得の問題はこれはさておいて、運航上の取り締まりというものはそのまま、いま結局どうにもならない状態ですか。というのは、私のほうでここ二、三年の資料を集めてみましたら、ずいぶん波をかぶってボートが転覆して死んだ事件もありますし、それからひどいのになるとそのモーターボートにぶち当たって死んだような事件も起きているのです。ですからモーターボートの運転者の取り締まりをどうするか。取得の面については、これを免許制度にするとかどうとかいうことは、まだ今日の状態ではどうかと思いますけれども、運転者の責任の問題について、これはスピードの制限と申しましても、たとえば水上のスピードが二十五キロぐらいで半メートルぐらいな波が起きる、こういうふうにいわれておりますし、そういう面の両面を兼ねたところのいろいろ取り締まり対策と申しますか、これをもっと積極的に考えられる面が必要になってきておるのではないか・こういう意味でお聞きしておるわけなんです。これからそういう軽量ボートというものがどんどんふえてきますし、いまのままでもっと人が死んで、それからあらためて取り締まりを強化しようということじゃ、少し時期がおくれているんじゃないか、こういう気がいたします。で、それらに対する取り締まりの強化という面について、これは当然災害防止、こういう立場からこれらに対してもっと積極的な何か取り締まりのお考えがあるのかないのか、これをお伺いしたいと思うのです。
  17. 高林康一

    高林説明員 先ほど申し上げましたように、旅客船でありますところのモーターボートについては、それぞれ海上運送法によるところの規制というものがございます。また運航従事者の資格については、船舶職員法によるところの制限、それからまた施設面では安全法に基づきますところの小型船舶等安全規則の適用がある。それからまた交通規制につきましては、港則法あるいは衝突予防法等の適用がございます。また湖沼、河川、海水浴場等におきましては、それぞれ必要に応じて地方公共団体が条例によって規制をやっておるという状況ではございますが、ただ、いま先生が御指摘になりましたように、非常に過大な速力を出し、そして波によるところの被害が非常に大きい。あるいはまた所定の航法を十分守っていないというような場合がございます。ひどい場合におきましては、混雑する遊泳者の中に高速力で進入したというような事例もございます。こういうような点につきましては、海上保安庁を中心にいたしまして、法令の順守、それらの点についていろいろ指導を実施しておる状況でございます。ただ、やはり今後とも自家用あるいは営業用のボートが増加することが相当考えられますので、これらの面については、操縦者の資格というようなものをどういうふうに考えるか、これについては現在船舶職員法によりまして小型船舶操縦士の免許適用があるものが大部分でございますが、これらについていろいろ検討を進めておるわけでございます。さらにまた湖沼におきますところの問題、あるいは海水浴場の問題につきましては、各海運局から地方公共団体と、府県といろいろ連絡をいたしまして、それらの件について航法の徹底というようなことを進めておる状況でございます。
  18. 川野芳滿

    川野委員長 私語が多くて速記がとりにくいそうでございますから、御静粛にお願い申し上げます。
  19. 肥田次郎

    肥田委員 それならば、ひとつ簡単にお答えいただきたいと思うのですが、そういう問題について予測されるいろいろと人命の損失、障害というような問題が起きますから、それらについて、たとえばこの自家用モーターボートの運転の免許制度というものをあらためて立てるとか、あるいは地方警察まかせばかりじゃなしに、海上保安庁のほうとして直接取り締まり対策を講じるとか、こういう面について具体的なことを考えておられますか。これは海上保安庁と両方からお聞かせ願いたいと思います。
  20. 高林康一

    高林説明員 いまの運転免許といいますか、船舶操縦士、乗り組み員の資格等につきましては、今後さらにそれを強化するように検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  21. 有田毅

    有田政府委員 モーターボートでございますとか、先般のヨットの事件にかんがみまして、ああいう事件の起こりました際には、海難救助という意味で海上保安庁といたしましては全力をあげて出動をいたすわけでございます。これらの事件行かんがみまして、こういったプレジュアボートの運航につきまして何らかの規制をする必要があるんではないかということは考えておりますが、具体的に、さらに進んでというところまではまだ現在のところ考えておりません。
  22. 肥田次郎

    肥田委員 先ほどお伺いした中でいろいろとそれぞれ一応取り締まる法律規制というものがあるようです。ところが、実際にはこれがまだ適用されておらない、こういう状態であろうと思いますので、それらについては善処をされるように、特に海水浴場、あるいはモーターボートが非常に多くなってくる現状からして考えておいていただきたいと思います。  それから、本論に入りますが、私がここで特に取り上げたい問題は、国際海上衝突予防規則という、いわゆる海上事故防止という基本的な問題を審議するにあたって、さらにいろいろな広範囲な衝突予防、こういうことを対象に議論をすべきだと思うのです。ところが、いろいろと時間が制限がありまして、これから私が質疑する時間もないようでありますから、結論的に申し上げますと、そういう立場で、いわゆる広範な海上衝突というものの対策というものを施設の面で、あるいは人的な面で、こういうような面で特に急がれるということが必要だろうと思うわけです。ただ・国際海上衝突予防規則というものを受諾したために、当面こういう面にのみ予防対策を立てる、こういうことだけでは不十分だと思いますので、特にあらためてまた次年度予算という問題も出てまいりまするから、その点をひとつ十分考慮に入れられて、予算措置も十分に立てられながら、全面的な海上衝突の防止ということに努力をされたい、こういうことを要望して私の質問を終わります。
  23. 川野芳滿

    川野委員長 内海清君。
  24. 内海清

    ○内海(清)委員 今回の改正は、国際海上衝突予防規則改正に伴いまして、これに対応して行なわれるものでありまして、この改正は当然だと思うのでありますが、それにつきまして二、三ちょっとお伺いしてみたいと思うのであります。  時間がございませんからごく簡単に質問したいと思いますが、この海難の問題で、その原因にはいろいろあると思います。多くのものがございますが、それらについて一々詳細に質疑をする時間を持ちません。それの中で、特に運航上の問題に関連して海難が相当起きているように思いますが、海難の中で、運航上の原因によって海難がどの程度起きているか、これをひとつお聞きいたしたいと思います。
  25. 高林康一

    高林説明員 運航上の原因によりますものは、機船につきましては大体六〇%程度が運航上の誤りであります。それから機帆船につきましては、大体五四%というのが運航上の原因によるものでございます。
  26. 内海清

    ○内海(清)委員 ただいま承りますと、運航上の原因によるものが非常に大きなパーセンテージを占めているようであります。その他の問題ももちろんなおざりにできぬのでありますが、ところが、この運航上の問題につきましては、今回の、いろいろ形象物を掲げますとか、あるいは灯火の表示、あるいは霧中信号の改正の問題、あるいは視界の制限時におきまするレーダーの使用による航法の特則を設けるというようなことでは、なかなか海難は避け得ないと思うのです。特に運航上の原因を除去するためには、船員の教育の問題がございましょう。さらにまた、特に漁船でありますけれども、船主関係に要請しなければならぬ問題も多いと思うのであります。  この船員の問題でありますが、船員の問題につきましては、今日までいろいろ海技試験が行なわれてきているわけでありますが、これらの問題、さらにまた船員の技術教育の問題などにつきまして、従来のままでいいかどうか。特に最近中小型の船、さらに狭水道、あるいは沿岸等において非常に海難が多いという事実からかんがみまして、これらの問題はここで一応再検討する時期ではないかと思う。  時間がございませんからついでに申しますが、さらに船主関係につきましては、特に漁船関係として、あるいは油の積み過ぎであるとか、あるいはまた漁獲物の積み過ぎであるとか、あるいはまたことに行楽の時期になりますと、定員以上に人を積む、いわゆる人の積み過ぎであるとか・こういういろいろな多くの原因があると思う。これは先ほど申しましたように、今回のこの改正によってのみではなかなか防ぎ得ない問題である。これらをあわせて十分やらなければ・ただ単に今回の改正によってそういう衝突の予防その他海難が防ぎ得るとはなかなか考えられない。そういう問題につきまして今後どういうふうなお考えがあるか、それをひとつお伺いいたしたいと思う。
  27. 高林康一

    高林説明員 やはり根本的には、そういうような運航上の誤りということをなくするようにいたしますために、そういうような法令周知徹底、ことに漁船なんかにつきましても企業あるいは船員ともにそういうような点についていろいろ周知徹底をはかる必要があることは御指摘のとおりでございます。この点につきましては、衝突予防法につきましては一年の期間がございますので、その間に各漁業組合等にお願いしていろいろ周知徹底をはかりたい、かように考えておりますとともに、また船員に対しましても講習会を利用する等のいろいろなやり方を進めていきたいと考えております。具体的には、海難防止協会につきまして、これらの点につきましていろいろ周知徹底あるいは解説スライド等の措置をやっておるわけでありまして、本年度の予算といたしましても約五百万円をそれに充てておるわけでございます。ただ先ほど御指摘のございましたように、それが完全に行き渡りますためには今後さらにもう一段の努力を必要とするということは私どもも痛感しておる次第でございますので、それらの点について海難防止協会等の強化等についても今後努力を重ねていきたいというふうに考えております。それと同時に、衝突予防法あるいは港則法のみならず、全般的に企業経営基盤なりあるいはまた船員の再教育なり、それらの面についても、やはり全面的な海難防止対策というものを確立して進めていきたい。それらの点について部分的には今国会あるいは先国会におきましても、水先法あるいは港則法等の改正をやっていったわけでございますけれども、今後とも所要の法令の検討、それと同時に必要な予算の確保をやっていきたいというふうに考えております。
  28. 内海清

    ○内海(清)委員 特にいま私の申し上げました船員教育の問題につきまして、先ほど申しましたような再検討する時期ではないか、単に従来やりきたったことをそのままやって、はたしてその効果が十分あるかないかという問題、さらにまた漁船関係にいたしましても油の積み過ぎであるとか・あるいは漁獲物の積み過ぎであるとか、あるいは旅客船にしても行楽時における人の積み過ぎ等というものは従来もやかましくいわれてきた。それが今日なお、かような御承知のような状況にあるのであります。これらについてはここに抜本的な考え方、施策が必要なのではなかろうか、こういうふうに考える。それにつきましてもう少し具体的なお考えがあるのか、ひとつお知らせ願いたい。
  29. 高林康一

    高林説明員 概括的には先ほど申しましたとおりでございますけれども、今後の安全対策の面におきましては、たとえば満載喫水線というものが小型船の場合においてはどうあるべきかということの調査研究をはかりたい、あるいはまた微粉鉱の積みつけなんかについても、それぞれ検査を強化してまいりたいということを考えておりますと同時に、船員関係につきましては、やはり船員労働安全衛生に関しますところの教育訓練の強化をはかってまいりたいと考えております。本年度大体六百七十万円程度予算でそれらの点について進めていきたい。また安全衛生について災害防止ということを積極的に進めてまいりたいと考えております。また昨年度より船員保険特別会計の中で労災対策といたしまして予算を計上しておりますけれども、労働災害の基礎調査に着手いたしまして災害防止の一助といたしたいというふうに考えておりまして、百六十万円ばかりの予算を計上しておるわけでございます。また各船主団体をもって労働災害防止協会というようなものの設立もいろいろ検討を進めてまいりたいと考えておる状況でございます。
  30. 内海清

    ○内海(清)委員 ただいまのお話によりますと、いろいろ各面にわたってお考えであるようでありますけれども、その予算面その他を見ましても、これで十分とはなかなかいい得ないだろう、こう思うのであります。したがって今後この海難をなくする意味におきまして、それらの問題について強力に推進していただきたい、こう考えますので、これを強く要望しておきたいと思います。  次は、海難をなくするということにつきましては、やはり海難防止の思想を普及していかなければならぬ。特に事業者に対する海上の安全思想の普及、こういう面もきわめて重要なことだと思うのであります。これらに対しましては従来どういうふうな施策が行なわれておるか、これをひとつお伺いいたします。
  31. 高林康一

    高林説明員 一応現在までやっておりますのは、海難防止協会を中心にいたしまして、本年度千七百万円ばかりの予算をもちまして、重点的にはまず海難防止思想の啓蒙普及をはかりますためには、海難防止講習会というものを今後本年度の予算で充実していきたいと考えております。また小型船あるいは漁船の基地となっております主要港に訪船指導員を常置いたしまして、関係法令の厳守等の運航上の注意事項の周知徹底をはかるということを中心に本年度は進めていきたいと考えております。
  32. 内海清

    ○内海(清)委員 海難防止につきまして、特に海難防止協会というものがございますね。これの運営はどういうふうになっておるか、ちょっとお伺いいたします。
  33. 高林康一

    高林説明員 海難防止協会は社団法人でございます。本年度の予算といたしましては約六千万円を計上いたしまして、主として、先ほど申しましたような海難防止のための法令その他の啓蒙宣伝あるいはスライドというようなことをいろいろ進めておる状況でございます。
  34. 内海清

    ○内海(清)委員 海難防止協会の六千万円というこの資金でありますが、これは国の出資になっておりますか。
  35. 高林康一

    高林説明員 船舶振興会と申します。これも法人でございますけれども、ここから出ておる金でございます。
  36. 内海清

    ○内海(清)委員 海難防止の思想の普及その他海難一般に対しますいろいろな動きをいたしておりますこの海難防止協会等につきましても、これは船舶振興会の出資である、したがって、これに対しては国からの出資というものはないわけである。その他の海難防止に関する先ほど来言われました予算を見ましても、国の責任としてやる部面がきわめて薄いと私は思います。少なくとも人命にかかわり、国の財産にかかわるこれらの海難を防止しようとするにあたりましては、もっと国の責任において十分なる施策が行なわれなければならぬのじゃないか、私はかように考えるのであります。これにつきましては、ひとつ大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  37. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 あなたの御趣旨のように国がぜひやりたいと思っておるのでありますが、目下の財政状態その他で国がさように多額の金を出し得ないことを遺憾に思っております。本質的にはあなたのおっしゃるとおりやりたいと思っております。
  38. 内海清

    ○内海(清)委員 国の財政上なかなか困難だというのでありますけれども、これらに要しますものは今後運輸当局において思い切って出しましても、この金額はそう大した他の面に影響を与えるような額ではないと思う。少なくとも、もっと国の責任におきましてこれらを十分推進していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。  時間がありませんから急ぎますが、そこで今回のこの法の改正でありますが、これにつきましてきわめて重要なことは、本法の改正趣旨がもし当事者に徹底を欠くようなことがありますならば、これこそ大きな海上事故を起こすのではなかろうかということを実は私は心配いたすのであります。そこでこれらの改正の影響を受けますところの業務の従事者といいますか、担当者といいますか、これに教育、PRが最も大事なことじゃないか。もしこれが教育、PRが不十分であるならば、こういうふうな全面的な改正によって、むしろ危険を増大することがあるのじゃないか。基本的にはそれらの業務担当者というものに対する教育、PRが最も重要なことだと私考えるのであります。これについては具体的にどういうふうなお考えであるか、お伺いいたしたい。
  39. 高林康一

    高林説明員 この法令の徹底ということにつきましては、先ほど申しましたような基本的な考え方に基づきまして、この法律の施行までの一年間という国際会議できまっておりますところの猶予期間がございますので、その期間におきまして、各漁業組合あるいはまた各船員というようなところに対しまして、海難防止協会等を中心にいたしまして、パンフレットの作成、その他あるいは講師の派遣というようなことをもってこの法令周知徹底をはかりたいというふうに考えております。
  40. 内海清

    ○内海(清)委員 これらの業務の担当者というものは、これはやはり船に乗っており、あるいは漁業に従事しておるのであって、この教育、PRということは私はきわめて困難な問題だと思う。それを徹底さすためには、よほど当局として具体的な詳細な案がなければこれはでき得ないのじゃないか、こういうふうに考えるのです。その点を一番私心配いたしますが、その点につきましていま一つ御答弁いただきたい。
  41. 高林康一

    高林説明員 御指摘のように船舶に乗り込んでおりますところの人たちに対する周知徹底ということは非常に困難な点もございますので、私どもといたしましては訪船指導員というようなものを主要港に置きたいと考えております。現在の予算におきましては、制約されまして、十人ばかりでございますけれども、これらの訪船指導員を置きまして、そしてこの衝突予防法その他の法令の講習といいますか、いろいろの説明をやっていきたい、そしてさらにこれらの訪船指導員というものを今後拡充強化してまいりたいと考えておる次第でございます。
  42. 内海清

    ○内海(清)委員 今後これが実施されますには一年の猶予期間がございますので、ただいまお話しのような指導員等を設けて、これが教育、PRの徹底を期そうということでございます。この点私はひとつ当局の責任におきまして十分これが徹底するような方策を講じていただきたい。もしこれを欠きますならば、むしろ改正によって思わざる事態が発生するのではないか、こういうことを心配いたしますので、その点を強く要望いたしたいと思います。  これで終わります。
  43. 川野芳滿

    川野委員長 他に御質疑はございませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 川野芳滿

    川野委員長 御質疑もないようですから、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  45. 川野芳滿

    川野委員長 これより本案に対する討論に入るのでありまするが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  海上衝突予防法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  46. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  48. 川野芳滿

    川野委員長 次に、本日の請願日程全部を議題として審査を行ないます。  これらの各請願につきましては、委員各位ともすでに文書表でその内容は御承知のとおりと存じます。  これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認めます。  これより採決いたします。  本日の請願日程中、第一ないし第五、第七ないし第二四、第二六ないし第四〇、第四四ないし第五九、第六一ないし第一〇八、第一一〇ないし第一二五及び第一二一ないし第一三六の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  52. 川野芳滿

    川野委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。すなわち、  日本国有鉄道整備緊急措置法案  踏切道の改良促進及び踏切保安員の配置等に関する法律案  道路運送法の一部を改正する法律案  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  日本国有鉄道経営に関する件  港湾に関する件  海上保安に関する件  観光に関する件  気象に関する件 を、閉会中も引き続き審査を行ないたいと存じますので、その旨議長に申し出たいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、これらの閉会中審査事件が本委員会に付託されました場合、委員を現地に派遣して実情を調査する必要があります場合には、その委員派遣承認申請に関する件の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、閉会中審査事件が付託されました場合には、現在本委員会に設置されております日本国有鉄道事故防止対策に関する小委員会航空に関する小委員会及び観光に関する小委員会を閉会中もなおこれを存置し、その審議を行ないたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長から辞任の申し出がありました場合には、委員長においてこれを決することとし、また委員の異動、小委員及び小委員長の辞任等によって欠員が生じた際、小委員及び小委員長の補欠選についても、委員長においてこれを指名することに御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、閉会中の委員会及び小委員会において緊急やむを得ず参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、その参考人招致に関する件の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  58. 川野芳滿

    川野委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は七十七件で、お手元に配付いたしてあるとおりでございます。  右、念のため御報告いたします。      ————◇—————
  59. 川野芳滿

    川野委員長 次に、海運に関する件、航空に関する件及び港湾に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。高橋清一郎君。
  60. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 今回の新潟地震につきましては、自衛隊をはじめといたしまして、各方面から非常な支援を得たのであります。関東大震災の震度よりもやや弱い程度の、きわめて強力なものでありましたが、その影響するところきわめて甚大であろうと想像しておったのであります。にもかかわりませず、死者にいたしまして二十名前後という程度のものに終わりました。ただこの間、現地をごらんいただきました方はよく御承知おき願っておると思うのでありますが、公共施設の被害はきわめて顕著なものがございました。できるならば運輸大臣からも早々と現地を御視察願いたいというふうに考えておったのでありますけれども、御都合がございましてお出ましを賜わることができませんでしたが、明日港湾局長がこれから参りますということをお聞きいたしまして、まあまあと思うておるのでありまするけれども、いずれにいたしましても、今回特に政府の強力な支援を得まして、その復興のきざしの一日も早くもとの状態に——むしろより以上の姿を見出したいと念願申し上げる次第でございます。  関連いたしまして、逐次項目別に御質問申し上げてみたいと思うのでありますが、まず港湾関係でございます。港湾の被害状況について、この際でございますのである程度詳細に御説明願いたいと思うのであります。
  61. 比田正

    比田政府委員 それでは新潟港の被害について御報告申し上げます。  御承知のとおり、新潟港は大きな船が三十ぱいもつけまして、四百六十五万トンも扱っておった大きな港でございます。岸壁の延長は四千二百メートルございますが、これがほとんど大なり小なり破壊しておりまして、健全なところはほとんどございません。  それから小型船舶の物揚げ場が千七百メートル、これも小破、大破合わせまして、ほとんど全延長が被害をこうむっております。それから信濃川筋の護岸、これは延長約七千メートルございますが、通船用の両岸千七百メートルは、これはごく最近に高潮対策、地盤沈下対策でできたものでありまして、非常にじょうぶにできておったものか、これは全然被害がございません。その他の点は御承知のとおり相当な崩壊をいたしております。  海岸護岸につきましては、五千八百メートルの延長がございますが、その中で東側の二カ所、延長にいたしまして約五十メートルが決壊をいたしております。また西側のほうでは西突堤の基部一カ所、約百五十メートル近くが沈下いたしておりますが、その他は大きな被害はございません。したがいまして海から高潮が入るということはほとんどございません。  それから導流堤千八百メートル、これは古い川と港のほうと境しておるところの川の中の堤防でございますが、千八百メートルが全面的に沈下しております。決壊したところはございません。  それから防波堤は、西防波堤千六百メートル、東防波堤三百五十メートル、このほうは若干沈下いたしましたが、目下のところたいした被害はないようでございます。  なお、西防波堤はプラス三メートル七十、東防波堤はプラス三メートル五十、川筋はプラス二メートル十、これに加えまして沈下を見まして二メートル七十、東海岸は五メートル十、西海岸は三メートル九十五という高さに計画いたしまして、大部分が高潮対策かできておりましたために、これはこわれましたけれども、津波の被害はそのために非常に低かったというように見ております。  そこで今後の問題でございますが、今朝までに判明いたしました被害額を申し上げますと、その後逐次ふえております。と申しますのは、臨港地帯のほうはなかなか近寄れなかったのですが、この二、三日ようやく海岸線を詳細に調べられるような状況に立ち至りましたので、その後の被害が増大いたしまして、さきに各方面から発表されたものよりもふえております。総額といたしましては、二百十九億というのが被害総額でございます。これをもう少し分けてみますと、公共事業として処理いたすべきものと見られますのが約百五十六億ございます。その中で国が直轄事業としてみずから復旧しなければならないと思われますのが、岸壁等の構造でございます。これが四十九億七千万円、それから県に補助をいたしまして県の事業としていたしたいと考えますものが五十億七千三百万円という形でございまして、この内訳を港湾と海岸に分けますと一港湾関係のほうが合わせまして九十三億二百万円、海岸のほうは七億四千二百万円と、このほうは比較的少のうございます。それから問題になっておりますのは、港湾施設の中でも民間の施設がございます。特に臨港埠頭のごときは二十四億八千二百万円という被害がただいま手元にまいっておりますけれども、これをいかに処理いたしますか。民間事業として融資だけでやるのか、あるいは立ち直れないというならば会社のほうは岸壁線は公共用に寄付してもよろしいというような考えも県知事まで申し出ていると聞いております。これらにつきまして、いかが処置いたしますかはただいま検討中でございます。それから県営の上屋が八億八千万円ほどの被害がございます。それから全般的に地盤かさ上げを要するというものが二十一億九千八百万円という額でございます。これらを合計いたしますと、先ほど申しました百五十六億四百万円という数字になるわけでございます。そのほかに民間の企業といたしまして上屋の被害が相当ございます。これが七億七千八百万円、倉庫の被害、荷物の被害を除きます建物の被害が三十五億四百万円、荷役機械の被害が一億二千万円、それから民間で持っております埠頭が四億六百万円、野積み場、はしけその他の施設が六億一千八百万円、これらを合計いたしまして五十四億二千六百万円というものが融資によって解決すべき事業になっております。そのほかに国の持っております公用財産、役所の建物とか工事用の施設等が八億五千万円の被害がございます。  以上、通算いたしますと冒頭に申し上げました二百十八億八千万円という総額になります。  これらの対策といたしましては、県だけではとうてい短期に復旧ができませんので、先ほど申しましたように、国も半ば受け持って、むずかしい工事は国のほうで直轄でいたしたい。その他は補助工事として県のほうでいたしたいというふうに分けたわけでございますが、岸壁のほうと防波堤の関係を大体見てやりたい、川筋のほうの海岸の護岸というようなものは全部県のほうでやっていただくというふうに仕分けをいたしております。  それから復旧をいたします期間でございますけれども、相当な量にのぼりますので、まずさしあたり応急措置をいたしまして、ただいま御案内のように応急措置は刻々と進めておるわけでございます。これにつきましてはいろいろの報道で御承知と思われますので割愛いたしますが、さしあたり残りました施設を多少手を入れてでもすぐ使うようにしていきたい。したがいまして、使えるものはそのまま使っていきたい。この場所は、中央埠頭二バースないし三バース、それから山の下の埠頭で二バース、そのほかに県の水産物揚げ場というのがございますが、漁獲物を取り扱うところでございますが、木造桟橋を応急復旧して、この三カ所でさしあたりの荷物を運ぶ。  それから災害の問題でございますが、月末から来月の月初めにかけて、災害の査定をいたしたいというふうに考えております。現地にすでに準備のために人も詰めておりますので、早急に取り運ぶと思いますが、災害額がただいま申し上げた被害額の中からどの程度復旧すべきかという問題がございますが、ほとんどこれの大部分は対象になるわけでございます。額がきまりましたならば、その一部は予備金をもちまして本年度やりたい、その量は大体半分ぐらいは本年度にやったらどうか。あとの半分は来年度やるというふうにいたしたいと考えております。と申しますのは、岸壁の場合には、若干復旧すれば使える部分が多少はございます。それからすぐ直るような場所もございますので、とりあえず役に立ちますものから仕事を進めていって、二年間で復旧したい。それから護岸とか海岸の堤防につきましては、一年間で一メートル以上に上げまして、絶対に危険のないようにはいたしますけれども、これは応急の処置でございますので、それを補強いたしましたり、さらに絶対に安全になるためにはもう少し上げなければいかぬところもあると思いますので、そういった増強の措置は二年後にいたしたい、かように考えまして、ただいま対策並びに事業費を精細はじきまして、大蔵省ともすでに事務的の交渉を開始しておる次第でございます。
  62. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 そうしますと復旧の見通しは、あと二年程度、時期的に見ればそのようなお考えであるということでしょうか。
  63. 比田正

    比田政府委員 重要な施設に対しましてはさようやりたい。ただこわれましたところでも、当然災害として直してもらう権利はあるのですけれども、いますぐ急いでやらなくてもいいというところも場所によってはあるかもしれません。そういうような点を考えまして、新潟港で昨年でも四百六十五万トン扱っているのですから、それを扱えるようにするための処置といたしましては、大体二年間で終了いたしたいと考えております。
  64. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 それにいたしましても、応急措置で使用する面が一部にはあると思うのでありますが、現地を見ましてまっ先に目をつけなければならぬ面は、工事をするにいたしましても、相当多数の船舶が横たわっております。転覆、沈船がどの程度か知りませんが、ただ油と泥のうず巻いておりまする港の中に白い腹を見せております。これは完全に転覆した船でありますが、あるいは四十五度に傾いておりまして、半身を海中に沈めました船等々があるのであります。そうした場合に、応急措置で使用するにいたしましても、この船舶の制限というようなことが考えられるのでありますが、この点についてどうお考えでございますか。
  65. 比田正

    比田政府委員 ただいま御指摘になりました座礁しまして海難を受けた船舶は、おおむね小型船でございます。大きいのは御承知のとおり沖に退避しまして、いわゆる本船には異常はなかったのでございます。したがいまして、はしけとか機帆船とかごく小型の船につきましては、比較的取り除く仕事は簡単な仕事でございますので、復旧工事の中にぜひ取り入れたい。ただこれは持ち主を明らかにいたしませんと、かってに処分できない問題がございます。そういったような手続も同時に行ないまして、残骸の整理はいたしたいというふうに考えております。
  66. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 いまの問題に関連しておりますので、船舶局長でございますか、いま申しましたように沈船等々がございますが、この引き揚げあるいは完全にこうした状態をもとに返すということについての時期、それからその御熱意をどの程度お持ちであるか、お聞きしたいのであります。
  67. 藤野淳

    ○藤野政府委員 災害船舶の修理、復旧等につきましては、災害状況が明確になり次第着手いたしたいと思っております。  なお災害地域の造修能力が災害によりまして極度に低下しておりますし、また主管工場でございます新潟鉄工所は、造船工場並びに造機工場が冠水によりまして相当な被害をこうむっておりますので、また内燃機工場等につきましては、冠水を受けました工作機械等は、水が引きましても使用困難であるという判定もなされておるわけでございますので、最も心配をいたしておりますのは、現地の被害船舶の修理能力が非常に低下しておる、その復旧に相当時間がかかるのじゃなかろうかという点が最も憂慮される点でございますので、近傍の能力を動員いたし、いろいろな助力によりまして修理、復旧がすみやかに進行いたしますように極力督励をいたしたい、かように考えております。
  68. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 これからお尋ね申し上げるのは基本的な問題であろうと思うのでありますけれども、港湾局長に特にお尋ねし、その見通し等々について御意見を拝聴したいと思うのであります。今後の港湾でありますが、特に新潟市の場合にはデルタ地帯でございます。河口のこうしたデルタ地帯にございます港湾対策についての見通しをお聞かせ願いたい。
  69. 比田正

    比田政府委員 新潟のように川のところ、また地盤が下がったところに港ができている例は他にもございます。たとえば東京の江東地区でもそうでございますし、尼崎はもうほとんど三、四メートル食い込んでいる。大阪もさようでございます。こういうものをあわせまして、私どもは地盤沈下の対策を進めてまいりましたが、今後の地盤対策に対しては力を注いでまいりたいと考えます。ただ新潟につきましては、幸いガスをとるための揚水がほとんどとまりまして、ただいま申し上げました他の地区に比べまして、著しく沈下の度合いは緩漫な沈下になりましたので、これからある程度余裕を持って仕上げの堤防をつくっておけば将来とも安全かと思います。また地盤が非常に悪いように世上に報告されておりますけれども、私ども専門的に考えてみますと、港湾の工事の面から考えて、地盤がそれほど悪いとは考えません。われわれが地盤が一番悪いと思いますのは粘土のところで、やはり大阪、尼崎が非常に悪いのでございます。それらに比べますと、砂の層が非常に厚いものですから、地盤がそういうふうに決定的に悪いのだというふうには考えられません。いろいろそういった学者等の議論が出ておりますので、確かに地震の現象は、厚い砂の層が動きますと、砂が非常にルーズになりまして沈下を起こすことはあるのですが、これにはおのずから対策があると思います。そこで私どもは、今度の新潟の地震が大体関東地震をちょっと下回った程度の地震であったということにかんがみまして、従来関東地区でとりました諸工事に使った耐震的な計数を使いまして、東京、横浜、京浜並みのものをつくっていきたいと考えております。ただこれが絶対に安全かということにつきましては、確信を持ってお答えすることはできません。なぜかならば、相当いま建築のほうでも議論されておりますように、まだ解明されない技術的、科学的の問題が残っております。絶対的ではございませんが、関東地震くらいに耐え得るものをぜひつくっていきたいと考えております。ただ工事が非常におそくなったり、あるいはそういうことをするのとしないのとでは非常に工費の差があるところがものによってはあります。五倍も六倍もかかるということだったら、そこのところは若干こわれてもまた直せばいいというようなことを考えることも、常識的にはありますが、全体を通じましては、大体関東地震のとき以後におきますところの京浜地区措置と同じような考え方を耐震的にはいたしたいというふうに考えております。
  70. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 港湾局当局並びに関係者の非常な御尽力によりまして、新潟は新産業都市に指定を受けておるわけであります。ところがこの地震ということに関連しまして、地元といたしましても新たな心配を持ち始めておるのであります。したがいまして、新工業港の施工が進んでいるわけでありますが、この問題について、今回の災害から見ました場合、この新工業港ということに関連し、設計あるいはその他の変更を認めるというような場面があるかないか。その変更の必要を認める、あるいは今後どうあらねばならないかということについての見通し等々についてお聞かせを願いたい。
  71. 比田正

    比田政府委員 新産都市に指定をされまして、港湾設備におきましては新しく東のほうに新港をつくることになっておるわけです。この地帯は主として工場地帯である。工業港であるということがおもなねらいでございます。もちろん商港も若干それに加わりますけれども、そういったねらいでございます。  そこで、今回の地震によりましていろいろ起きた災害のデータを調べておりますと、御承知のとおり、市内でも砂層の厚い高台ではほとんど被害はなかったという結果が出ております。したがいまして、今度の新しい新港地帯、新産都市の地帯につきまして、全面的にこれが非常に心配でどうにもならないということは私どもは考えておりません。それぞれの目的がございます。たとえば、タンクならば広々としたところになるべくつくったほうがよいでございましょうし、重い構造の工場なら地盤のいいところを選んでつくればいい。またそれに応じまして基礎工事をすればいいというふうに考えております。一例を申し上げますと、御案内かと思いますが、東北電力の火力発電所がございます。これは付属しております冷却用の水路とかパイプ、これは全部こわれました、これは地表にあるからです。しかし非常に地層を掘り下げました重い本体のほうは微動だにいたしておりません。タンクのほうも安全だという報告が出てまいっております。これらから見ますと、適当な措置をいたせば、そんなに心配することはないんだというのが、むしろ私どもの常識でございます。したがいまして、今回の地震がございましたので、新産都市の港湾計画、工業港の計画について大きな変更を加えようとは思っておりません。また世上に心配されるような事態も、注意をすれば発生することは避けられると存じております。またいろいろの設計の構造物等につきましては、今度のような地震がございましたら、それは念には念を入れた設計をする必要がありますが、総括的には問題がほとんどないというのが私どもの考え方でございます。
  72. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 この問題はきわめて重大でもございますし、関心事といたしまして、地元といたしましても、きわめて今後の動向、どうなるだろうということについては心配しておる問題でもございますので、この際運輸大臣から、港湾局長の言われたとおりじゃわいと言われればそれまででございますけれども、御意見を拝聴したいと思います。
  73. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 その問題につきましては、先だっての閣議におきましていろいろ議論がございましたが、私どもといたしましては、従来、新潟港において四百六十万トンばかりを三十八年には陸揚げしておるのですから、それはそれで応急に復旧して、その荷物の陸揚げ発送等につきましては、従来の新潟港をなるべく早く、ただいま港湾局長が申しましたような方法でやってまいりたい。新産都市、新工業都市につきましては、それと並行して、まるきり用途といいますか、使用の形態が違う問題でございますから、現在の時点におきましては従来の計画を変更しないというように私どもは了承いたしまして、その方針で港湾局その他とも話し合っております。
  74. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 港湾関係につきまして最後でありますが、工業港の花形でございます石油コンビナートは御存じのように港のかなめでございます。これらの保安監督でありますが、これは通産省でございましょうけれども、今回の昭和石油の災害は港湾行政の大きな支障になったものと思うのであります。この経験からいたしまして、保安監督につきましては通産省と横の連絡が必要と考えるわけでございまするが、最後でございますのでこの点について御意見をお聞かせ願いたいと思うのであります。
  75. 比田正

    比田政府委員 港湾関係につきましては御指摘のとおり通産省の所管でございますけれども、港の地帯のいろいろなレイアウト、配置計画というようなものは私どもの所管でございますから、それと切り離しては議論ができないはずでございます。したがいまして、私どものほうは、レイアウトの面から見ました立場からいろいろ通産省に御意見を申し述べたいと思います。要するにあまりごみごみとやるのが一番いけないのじゃないかということで、適当な土地の広さがあればいいというふうに考えまして、その点を力説いたしたいと存じます。
  76. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次に空港関係に移りますが、新潟空港の被害状況、復旧の見通し、その時期、あわせて被害額と今後の対策、このことについてお聞かせ願いたい。
  77. 堀武夫

    ○堀説明員 新潟の空港の被害状況を申し上げますと、まず第一に滑走路の関係でございますが、新潟は、地方空港としては珍しく滑走路が二本ございます。A滑走路というのとB滑走路というのがございますが、A滑走路というのはコンクリート舗装の滑走路でございます。これは非常に被害がはなはだしゅうございまして、全然使用ができないというように考えますが、B滑走路というのはアスファルト舗装でありまして、千二百メートルのものでございますが、これはちょうどまん中の辺の約六百メートルが多少大きくうねってはおりますけれども、小型機の発着は可能であるという状況になっております。  それからターミナルビル、エプロンでございますが、この地帯は約一メートル沈下をしておりまして浸水いたしておりますので、ターミナルビルの一階は使いものにならないというふうになっております。  次は航空保安施設、通信施設等の関係でございますが、ビーコンは電源がやられましたが、予備電源によりまして十七日の十四時から運用を開始いたしております。  それからコントロールタワーの対空通信でございますが、これは被害がございませんでした。  それから基地通信、これはテレタイプでございますが、電電公社の回線が不通になりましたので一時ストップをいたしました。  それからTACAN、これは被害がございませんでした。  それから管制通信は、電電公社の回線が不通のためにしばらく不通になりました。  それから飛行場の照明施設。これは地下ケーブルが相当個所において切断をされましたのが一時使用不能になりました。  こういうような被害でございましたが、その後の復旧状況でございますが、滑走路の復旧をどういうふうにするか。A滑走路の早急の復旧はきわめて困難という判断のもとに、A滑走路の復旧は一応あと回しということで、六百メートルは使用可能であるB滑走路の応急復旧ということに全精力をあげることに方針を確定いたしまして、次の日から直ちに工事にかかって、本日夕方にはそれを九百メートル使用可能の状態にできる見込みが立っております。九百メートル復旧いたしますと、ヘロン・クラスの飛行機が使用可能となる予定でございます。なお、B滑走路は、全部復旧いたしますと千二百メートル使用ができるわけでございますので、東京−新潟のフレンドシップの運航が可能になる予定でございますが、ここまで復旧をするのにはあと若干時日がかかりまして、おそくとも来月、七月十日ごろまでにはB滑走路は全面的に使えるという状況になる見込みであります。  それからターミナルビル、エプロンの一メートル沈下、浸水については、水はけはいま鋭意やっておりますが、排水口を復旧すれば、そしていま排水ポンプを十二台これに投入いたしまして排水につとめておりますが、だんだん水は引くものと思いますけれどもターミナルビルは一メートル沈下いたしておりますので、これを将来持ち上げることが可能であるかどうか。場合によっては、新しく別なところにビルを建てる必要があるのではないかというふうなことをいま検討をいたしております。  それから、先ほど申しました基地通信、電電公社の回線が一時不通のために途絶をしておりましたが、これも二十二日十四時五十分から平常の運用を開始いたしております。それから管制通信も電電公社の回線不通のため一時とまりましたが、二十一日十六時から正常な運用に回復いたしております。  それから飛行場の照明施設、これも応急復旧を終わりまして、二十二日には運用できる状態に回復いたしております。  被害総額は五億というふうにわれわれは積算をいたしておりまして、さしあたってこの応急復旧に必要な予備費の、要求の折衝をいたしておる段階でございます。  なお、航空会社の飛行機の運航はいつから始まるかということでございますが、本日十二時ごろに羽田に待機いたしておりました全日空のへロンがテスト・フライトのために飛び立っておるはずでございます。テスト・フライトをやりまして、東京−太子−新潟というふうに航空ルートがあるわけでございますが、この間の航空路の状況をヘロンによって視察するとともに、着陸がどのように支障があるかないかというようなことを検討することになっております。その結果、定期便を開始してもいいということになりますれば、明日よりヘロンの東京−新潟間の定期便の運航を開始することになると思います。国内航空は新潟を中心にしまして秋田、富山、佐渡というふうに運航をする路線を持っておるわけでございますが、国内航空のほうは昨日営業部長ほか関係者が現地調査におもむいておりまして、その結果がよければ二十九日よりヘロンによってこれらの路線を開始する予定でございます。国内航空のヘロンは現に新潟空港に待機をいたしております。  以上のとおりでございます。
  78. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 時間もありませんので、これから御答弁を賜わりますが、場合によってはこまかくなくても、おおよその御答弁でもけっこうでありますから、お答えいただきたいと思います。  次は国鉄関係であります。新潟支社管内の被害状況と被害額について、簡単に御説明願いたいと思います。
  79. 林武次

    ○林説明員 国鉄運転局長でございます。新潟管内の被害個所は、最初に他の局まで入れまして、全部で十九線区、百十四区間の被害を受けました。現在大部分開通いたしておりまして、現在残っておりますのが三線区で九区間だけ残っております。被害総額は土木、建築、電気、車両、機械全部含めまして約百十億でございます。
  80. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 きのうからホームを使用されたと聞いておりますけれども、使用不能となりました新潟、白山両駅、それから落下いたしました新潟駅の陸橋、こうしたものの復旧の見通しを、この際でございますのでお聞きいたしたいと思います。
  81. 林武次

    ○林説明員 昨日二十四日から新潟構内の線路が一部使用可能になりまして、昨日から急行、準急等約十一往復、それからローカル列車を二十七往復、計三十八往復が新潟の構内へ入っております。いまお話がございました跨線橋は笹口の跨線橋だと思いますが、あれは、私のほうで全部解体をいたしまして、その取り片づけが二十二日に済んだと思いますが、それで新潟構内まで列車が入れるようになったわけでございます。  それからもう一つお話のございました越後線関係の関屋−白山でございますが、これは白山の駅が非常に大きな被害を受けておりまして、私のほうの旅客の輸送事情から申し上げますと、何とかして早期に白山まで越後線の列車を入れたいというふうに考えておりますが、いまのところでは、非常に大きな被害を受けている関係と、それから関屋−白山間の築堤が非常に大きな崩壊をいたしておりまして、その土砂を運搬いたしますのが、長岡方面から参りまして万代橋を通る関係で、思うようにまいりませんので、いまのところでは大体七月の中旬までに白山まで入れたいと思っております。  それから白山−新潟につきましては、信濃川の橋梁が、ピアが傾いておりまして、これについては復旧はいまのところちょっと不明でございます。  以上でございます。
  82. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 運転局長さんにお尋ね申し上げますのはちょっと筋違いであるかもしれませんが、理事会あるいは幹部会合にしょっちゅう出ておいでになると思いますから、推算されております範囲内でもけっこうでありますが、国鉄予算関係でございます。今回の損害は膨大な額にのぼっておりますが、これに対する財政対策というものを伺いたい。これはあなたに申し上げるのはいかがかと思うので、場合によっては運輸大臣、いかがでございましょうか。
  83. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 応急の費用につきましては災害対策費を使い、それからさらにより多額の金が応急に鉄道関係に必要であるという場合には、政府の予備金を使用してまいりたい。そうして、被害状況その他を見まして、適当な機会に補正予算を組んでまいる、かような取り扱いを政府ではすでに決定いたしております。
  84. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 最後でありますが、公務員の綱紀についてお伺いしたいと思います。  被災地のどさくさにまぎれまして、新潟海運局の職員が役所の船を使いまして盗みを働いたことが新聞紙に報ぜられているのでありますが、新潟地方の被災者を救おうと全国の各地で運動が起きておりまするさなかに、このあくどさには国民ひとしくあきれ返っていることであろうと思われる。復興に懸命な公務員のつらよごしでもあろうと思うのでありますが、この悪徳漢を出しました海運局の綱紀にゆるみがあるわけであります。今後の綱紀のあり方につきまして、この際でございますので当局のお考えを承りたい。
  85. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 私どもは、公務員がかようなることをいたそうとは夢にも思っておりませんでした。私は就任以来、運輸省関係の職員に対しまして、一番大事なことは綱紀問題、すなわち贈収賄その他のことがないように——どろぼうということについては、そういうようなことがないことを前提としておりますからして、訓示はしませんでしたが、綱紀問題は私の最も力を入れております問題であるにもかかわりませず、今回の不祥事が起こったことはまことに遺憾であります。直ちに事務当局をして、また一昨日は事務次官を派遣いたしまして、その場でその綱紀を粛正する意味をもちまして、二名の公務員に対しましては懲戒解職の発令をいたしました。自後さようなことのないように十分注意をいたしてまいった次第でございます。事件の概要等はほぼ新聞等で御承知でございますから、ここにあらためて申しませんが、まことに遺憾千万でございまして、これはもう何とも弁解のしょうがありません。
  86. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 終わります。
  87. 川野芳滿

  88. 久保三郎

    久保委員 私はいまの問題で、質問があって答弁がありましたから一応いいのでありますが、きのう事務次官が行って、二人は懲戒免ということにしたそうでありますが、そのほかにいま棚橋委員からもあったように、綱紀というのは、単にどろぼうしたのはもちろんでありますが、その組織、指揮、命令というか、監督というか、そういうものはやはり正すべきところは正して、天下にこれをはっきり見せるのが筋だと思うのです。あえて運輸大臣の責任まではどうかと思いますが、海運局長もおられますが、いま高橋委員から非常におとなしい語調でいろいろお話があったのでありまして、たいへん遠慮されておるのでありますが、現地における感情というか、国民的感情からいけば、普通の場合でも公船をもって職務執行中にどろぼうしたということは、とうていだれでも許そうという筋合いのものではないのであります。これはもちろんであります。そのほかにみんなが困っておるときに治安維持なり、あるいはそれぞれの職務を通して災害地の救援なり復興に努力を、先べんをつけてやらなければならぬ者が、こういうことをやったということは、これは事は非常に重大だと思うのです。もちろんその犯罪行為に対しては、それぞれ適切な機関が適切に指弾すると思うのでありますが、まず二人の懲戒免はいいとしても、それの直接的な指揮監督をしておる者に対してやはりえりを正させる必要があると思うのですけれども、それはどういうことになっておりますか。
  89. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 私は、その事件が起こりましたので、さっそく綱紀の粛正につきまして全国の職員に対しまして次官名の通知を出しまして、この綱紀の粛正に努力するよう指示をいたして、やっております。また直接の新潟海運局長の責任につきましても、事務次官が参りまして、事情その他を聴取いたしまして、今後適当な処置をとるように目下検討中でございます。
  90. 川野芳滿

    川野委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十四分散会