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1964-04-07 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月七日(火曜日)    午前十時十九分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 有田 喜一君 理事 關谷 勝利君    理事 塚原 俊郎君 理事 山田 彌一君    理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君    理事 矢尾喜三郎君       木村 俊夫君    佐々木義武君       進藤 一馬君    壽原 正一君       高橋清一郎君    中馬 辰猪君       南條 徳男君    西村 英一君       長谷川 峻君    細田 吉藏君       増田甲子七君    井岡 大治君       勝澤 芳雄君    島上善五郎君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  田邉 國男君         運輸事務官         (海運局長)  若狹 得治君         運輸事務官         (観光局長)  梶本 保邦君  委員外出席者         外務事務官   堤  功一君         通商産業事務官         (企業局産業立         地部長)    馬郡  厳君         運輸事務官         (海運局参事         官)      高林 康一君         運輸事務官         (船員局労政課         長)      藤井堯四郎君         運 輸 技 官         (船員局教育課         長)      木内 文治君         郵 政 技 官         (電波監理局無         線通信部長)  藤木  栄君         郵政事務官         (電波監理局無         線通信部航空海         上課長)    三枝  豊君         日本電信電話公         社総務理事   佐々木卓夫君         日本電信電話公         社営業局長   千代  健君         日本電信電話公         社施設局長   橋本 一郎君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置に関する件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を  改正する法律案内閣提出第一一六号)  旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案内閣  提出第一二〇号)(参議院送付)  国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案  (内閣提出弟一二六号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。  すなわち、観光に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員の員数並ひに小委員及び小委員長選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ふ者あり〕
  4. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長から辞任の申し出かありました場合には、委員長においてこれを伏することとし、また、委員の異動、小委員及び小委員長辞任等によって欠員か生しました際、小委員及び小委員長補欠選任についても、委員長においてこれを指名することに柳一任願いたいと存します。郷異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ふ者あり〕
  5. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、ただいま設置いたしました小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じた場合には、参考人人選、小委員会の日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ふ者あり〕
  6. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  7. 川野芳滿

    川野委員長 次に、小型船海運業法及び小型船海連組合伝の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告かありますので、これを許します。久保三郎君。
  8. 久保三郎

    久保委員 船腹量策定について、もう一度確認をしておきたいのてあります。一つ船種別船腹量策定するわけてすか、その船種別についてあらためてお伺いするのは、いわゆる鋼船木船の別、あるいは貨物船、タノカーの別、いろいろあると思うのですが、こういう種別てこれを策定するのてすか
  9. 若狹得治

    ○若狹政府委員 現在のところ、貨物船及び油送船、それから鋼船木船という種別によって船腹量策定いたしたいと思っております。
  10. 久保三郎

    久保委員 先般もお尋ねをしたわけてすか木船の問題であります。木船は、絶対の船腹量はあまり多くなっていかない、大体こういう傾向にある。これは鋼船への切りかえというか、そういう方向一つにはあると思うのです。この間も申し上げたように、木船てなくてはならぬし、木船のほうか有利たという面も実はあるわけてあります。そういうことになりますと、船腹量策定にあたっても、木船実態を十分考えて、さらに木船そのもの代替建造、こういうものも将来にわたってやはり新しい施策を講ずるへきた、かように考えているわけなんてありますか、その辺はとういうふうに考えていますか
  11. 若狹得治

    ○若狹政府委員 いまお話しのとおりでございまして、やはり木船でないとどうしても適当な輸送かできない。たとえば港湾の事情あるいは積み荷の量の問題というようないろいろな関係て、どうしても木船にたよらさるを得ないというものか相当あることは事実てあります。ただ傾向としては、鋼船に転換していくという傾向てございますので、われわれといたしましては、木船を今日の数量以上にさらに増加するということは適当てはないと考えますけれども、先日も申し上げましたように、現在木船の六〇数%はすでに法定の耐用命数を出過しているような現状てございますので、この代替建造ということをはからないということでは、航海の安全も期待し得ないという状態でございますので、できるだけこれを代替建造方針によって新しいものに変えていくという方式を、われわれとしてはできるだけの措置を晒しまして、進めてまいりたいと思うのでございます。
  12. 久保三郎

    久保委員 いまのお話のようでありますから、絶対量をきめるというのは、内航舟運実態からいきまして、これは言うならば最後手段たと思うのです。これ以外に方法かあれば、いままでの法律によって、いわゆる調整規程なり、あるいは団体協約なり、あるいは標準運賃、そういうことで実は安定ができたはすであります。実はその安定かてきないのは、この間申し上げたように、組織強化かできないという面があるし、単に組織強化といってもなかなかこれは言うべくして行ないがたいという実態がある。そこで最後手段として、船腹過剰というか、過剰ぎみであるという観点から船腹量策定するのでありますから、それは内航の海運一つをとればそういう方法も万やむを得ないと思うのであります。しかし、他産業というか、関連産業であるところの、特に中小型というか、小型造船所実態からまいりますれば、最近運輸省の施策としても、先般も中小型造船合理化臨時措置法というものをさらに延長したのであります。この延長したゆえんのものは、いわゆる特に小型造船所におけるところの合理化あるいは近代化を進めてその生産性を高めようというのがねらいであります。それでありますから、船腹量を内航海運だけにしぼって狭い範囲でものごとをきめるという場合には、どうしても直ちに当たりが来るのはいま申し上げた小型造船所だと思う。小型造船界においてもこの問題については重大な関心を持っておるのは当然だと思うのです。しかしこれは全般的にバランスのとれた政策として実行する必要がある。内航海運オンリーというだけでも、これは日本全体の産業というか、経済の立場からいえば、必ずしも良策ではない。というならば、やはり造船工業界というものの実態、特に小造船所実態等をも勘案してやらねばならぬ。でありますから、船腹量策定に当たっては、十分この造船事情特に小造船所の実情、こういうものに多大の影響を与えないように、先ほど申し上げたように木造船なり何なりのいわゆる代替建造も促進する新たな政策が必要だ、こういうふうになるわけであります。くれぐれも申し上げておきますが、造船事情等をも十分勘案して策定すべきだと思うが、その用意はございますか
  13. 若狹得治

    ○若狹政府委員 われわれの内航対策というものは、老朽船を一掃いたしまして近代的な経済船をつくってまいりたいということを考えておりますので、その主体というものはスクラップ・ビルドになるわけであります。しかも内航の輸送需要というものは年々急激に増加してくるという状態でありますので、中小造船業者事業量が減るというようなことは毛頭考えておらないわけであります。  それから木造船所につきましては、従来大体年間一万トンないし二万トン程度の船腹量の絶対的増加というものは当然あったわけであります。これを今後どういうふうに見ていくかという問題はあるわけでありますが、一方で近代的な経済船をつくろうというものに転化していくものも相当数あるのでありますけれども先ほど申し上げましたように、全面的なスクラップ・ビルド政策というものをとっております関係上、木造船につきましてもできるだけ老朽船につきましてはこれを代替建造していただくというようなことを考えておりますので、たとえ最高限度量というものが決定されるような状態を想定いたしましても、これによって造船所事業量が減るということは考えておらないわけであります。財政資金を投入いたしまして新造船をこれからやっていこうということでありますので、スクラップ・ビルドの義務づけという問題は船主側事情として起こってまいりますけれども造船所事業量が減るということは全然われわれとしては考えられないと考えておるわけであります。当然造船所事情というものを考えながらやはり内航対策というものを進めていかなければならぬというふうに考えております。
  14. 久保三郎

    久保委員 そこで特に小型造船所をそういう船腹策定の場所にメンバーとして入れて、十分その意見を調整しながらきめることがまず考えられると思うのでありますが、そういう考えはございますか
  15. 若狹得治

    ○若狹政府委員 われわれ、現在、海運造船合理化審議会で内航対策部会というものをつくりまして、その中で今後の問題を処理してまいりたいと考えております。木造船所の代表の方にもそういうものに参加してもらいまして、十分御意見を拝聴した上で問題を処理してまいりたいと考えております。
  16. 久保三郎

    久保委員 いまのお話だと、ずいぶん考えているようだが、大体専門部会等には入れて、十分その意見を参酌すべきだと思いますが、具体的にはそういう方向に向いていますか
  17. 若狹得治

    ○若狹政府委員 現在そういう方向人選を進めておるはずでございますので、近く御趣旨のとおりの人選をいたしまして、内航対策部会を発足させたいと思います。
  18. 久保三郎

    久保委員 そのメンバーを入れて、適切なものをつくるということでありますから、くれぐれもそういう不安のないように、合理的に前向きで解決するように要望しておきます。  次に、小型船海難の問題でありますが、従来、小型船海難は非常に多い。時間の都合上、別に説明は要らぬと思うので、海上保安庁は呼んでおりませんが、海難の多い原因は、いわゆる操船の未熟ということがあると思うのです。もう一つは、船舶安全法の改正をこの委員会で通過させる際に、かかる船には適当な乾舷を設けろということを附帯決議として言っておいたわけです。ところが、これが必ずしも守られていないというところに、いわゆる過積みの問題が出てくる。二つの問題があるのですね。そこで内航船舶における乗り組み員、船員資格の問題でありますが、これは新聞などで見ますると、必ずしも適格な資格を備えた者ばかりではない。あるいは法にきめられた者だけではない。そのための海難事故相当多い。これは内航の今日におけるいわゆる経営実態を如実にあらわしたものだと思うのであります。だからといって、安全の問題を度外視して、かかる運航をさせるべきではないと思うのです。ついては、この船員資格の問題について、どういうふうに船員局では見ておられますか
  19. 藤井堯四郎

    藤井説明員 ただいま御質問の資格の点でございますが、御指摘のように、確かに現在小型船には法律で定めた資格を有しない者が乗っているというような、まことに遺憾な事態も間々あるようでございます。その点につきましては、私たちといたしましても、地方海運局を通じまして、業者に警告なり指導なりを続けてまいっております。また、こういうような事態が起こります根本は、やはり職員の不足というような問題もあるかと思いますので、職業紹介にさらに力を入れて、広域的に融通をはかって、その充足をはかるとか、あるいは臨時試験をふやして、そのための予算も本年度はお認めいただきましたような状況でございますが、さらに根本的には、この試験あるいは免状制度というようなもの、この根本的な問題についても検討しなければいかぬのじゃないかというような点も考えております。こういうような点につきましては、運輸大臣諮問機関海技審議会というのが設けられておりまして、目下そこに諮問いたしまして、内航船船員の養成の問題を再教育でいくか、あるいは新人教育でいくか、これには職員の問題もありますし、部員の問題もありますが、こういうような問題を含めまして、いま御検討をお願いしておりますので、御検討の結果、御答申をいただきましたならば、こういう制度につきまして何らかの措置をとりたい、こういうふうに考えております。
  20. 久保三郎

    久保委員 資格の問題、教育の問題についてはいま御答弁がありましたが、問題としてはかなり深刻な問題だとわれわれは考えております。  そこでもう一つお伺いしたいのは、その労働条件の問題で、かなり優秀な船員が内航から離れていくということは、いわゆる船員全体の需給関係からいって、陸に就職することは多いが、海には就職したがらないという問題があると思います。この労働条件についてはどうお考えすか
  21. 藤井堯四郎

    藤井説明員 内航の労働問題につきまして、内航の中でも比較的大きな船、これは外航の同じくらいの大きな船と似たり寄ったりの労働条件で、まあまあいいところにあるのじゃないかと思います。  問題は、それよりも小さな弱小船主のもとにいる船員労働条件でございますが、これは同じ内航でも、いまの相当大きいほうの部類よりも相当悪い労働条件になっております。そういう点につきましては、労使間でもいろいろ交渉を続けておるわけでございますが、また役所のほらといたしましては、船員労務官を通じまして、労働条件改善についてもいろいろ腐心しておりまして、特に賃金の問題もございますけれども、なおその前に有給休暇とか休日の問題、食料の問題、こういうような点につきまして船員法でそういう規定のある船と格段の差がございますので、そういう点の改善についても労務官指導によって改善をはかるという方向で進んでおります。
  22. 久保三郎

    久保委員 これはあとでいいのですが、内航の、いま弱小とおっしゃいましたが、この弱小のほうですが、大きい船のほうは、あなたのおっしゃるとおり、そう見劣りする労働条件ではない、労働組合組織もがっちりしているが、それ以外の中小というか、弱小というか、そういうものの実態は全く劣悪ではなかろうかと思います。これは内航海運経営からきている問題も一つでありますが、そういう劣悪の労働条件の上に成り立っている内航をそのままでこれから振興させようといっても、なかなか無理だと思う。ついてはその弱小といわれるような内航船員労働条件について、ひとつ資料を取りまとめて後刻出していただきたいと思います。  そこでもう一つは、船舶局の方は来ておりますか——それでは船舶局関係はきょうは呼んでなかったから、しかたがありませんから、後刻やりましよう。  次に、郵政省並び電電公社にお伺いするのでありますが、内航無線の問題は、ここ四、五年間非常に問題化しているわけであります。ついては藤木部長に、現在どういうふうなことになっているか、それを御説明願いたい。
  23. 藤木栄

    藤木説明員 内航無線につきましては、数年前より、いわゆる二メガ帯あるいは超短波の百五十メガ帯という周波数を使いまして、こちらとしましては、要求があれば、許可してきたわけでございますけれども、その後その要望が増すにつれまして、周波数電波事情がだんだん逼迫してきたわけでございます。一方二メガ帯の電波と申しますのは、あまり質もよくなく、いま申しましたような周波数も足りないというようなところから、最近になりまして百五十メガ帯の電波を使いまして、これは相当電波に余裕がございまして、十分な数があるわけでございますけれども、それを使いまして、電電公社がこれを一元的に運用し、かつ全国的な規模で建設いたしまして、日本近海をカバーする、そして内航無線に十分役に立つようにという計画を立てまして、現在その計画に沿うて進行中でございます。
  24. 久保三郎

    久保委員 現在ある、許しておく内航の二メガ帯の海岸局というか、そういうものの扱いはどういうふうに考えておられますか
  25. 藤木栄

    藤木説明員 二メガ帯につきましては現在十二の海岸局がございまして、そこで二メガ帯を使った船舶通信をやっておるわけでございますけれども、いま申し上げました電電公社の超短波によります、いわゆる沿岸無線が完成いたしました暁におきまして、その運用状態その他を検討いたしました上で、二メガ帯をどうするかということはきめたいと思っております。
  26. 久保三郎

    久保委員 あなたのお話は非常に静かなのでよく聞き取れない場合がありまして、たいへん失礼ですが、もっといばって答弁してください。  そこで、この二メガ帯か百五十メガ帯かということは、たびたびこの委員会でも論争というか質問しているのであります。いままでのやり方については、利用者から非常に不信の念を持って迎えられていることが一つであります。最初にはおたくのほうから電電公社の副総裁に、おまえのほうでやらぬかといった場合に、一年ぐらいたってから返事が来て、断わってきたということであります。ところが、内航無線を利用するのはいわゆる小型船でありますが、これがやむを得ず自分で開拓したと言っているのです。開拓したかどうかは別にして、二メガ帯でやっているところが、今度はそれを二メガ帯でなくて百五十にして電電公社にやらせるという。電電公社はどういう意味か知らないが、当時の回答文を読んでみると、大体、どうもどのくらい利用者があるのかわからぬ、まあ言うならば収益が上がるか上がらぬかわからぬ、そういうことには手をつけたくないから、しばらくごめんくださいという回答をしているのですね。そこで、そういう回答があれば、いままで免許を受けた者は、われわれ自身でやるほかないということで今日までやってきた。そういうことについては何ら配慮がないのでありますか。最近何か小委員会のようなものを設けて、結論みた  いなものをお出しになっているようですが、これは何ですか
  27. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。いまのお話の小委員会と申しますのはよくわかりませんが、私どもとしましては特に小委員会を設けているわけではございませんけれども電電公社とは絶えず連絡をとりながら、いま申し上げました百五十メガ帯の完成計画の遂行に十分連絡をとって進めているわけでございます。  なお、二メガ帯につきましては、先ほども申し上げましたように、この二メガ帯の電波は世界的に見まして非常に数が少ないわけでございます。先ほども申し上げましたように、現在六波の周波数を使いまして、十二の海岸局がこれを運用しているわけでございますけれども、夜になりますと、二メガ帯というのは相当遠くまで飛びます関係上、混信をするというようなこともございますし、いま申しましたような、今後小型船舶からの要望がだんだん高まってまいりますと、これ以上電波を出すわけにまいらないわけでございます。したがいまして、この百五十メガ帯という新しい周波数帯を開拓いたしまして、全国的なカバレージをもって通信をやってもらおうというように考えてまいったわけでございます。
  28. 久保三郎

    久保委員 その小委員会というのは、超短波無線電波に関する小委員会というのを三月九日にやっているが、これは電電公社すか、おたくですか、どっちですか
  29. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。  そのことはたぶん自民党政調会通信部会の中にできた小委員会であろうかと存じます。
  30. 久保三郎

    久保委員 政府公社のほうではないのですね。これから申し入れか何かあったのですか
  31. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。その委員会から刷りものがまいりまして、それに沿うてやるようにというお話はございました。
  32. 久保三郎

    久保委員 その小委員会結論は、いま藤木部長がおっしゃるような方針に沿っているわけですね。そうすると、これはうまく調子を合わせたかっこうなんですが、自民党の中のことでありますからとやかく言いませんけれども、この場合に、既存のところの、二メガ帯をつくっているいわゆる内航無線についてはどう扱うかというのです。これはどう扱うかはぼやけていますが、どう扱うつもりですか
  33. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。二メガ帯につきましては、いまの小委員会結論にもはっきりはいたしておりませんが、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、これ以上周波数帯を増すわけにはまいらないわけでございますし、電電公社の百五十メガ帯がカバーすれば、その時期を待ちまして、そのときになりましてその二メガ帯をどうするかということを十分検討いたしたいと思います。現在のところ、二メガ帯の免許有効期間昭和四十一年の十一月かと覚えておりますけれども、その時期になりますれば、電電公社沿岸無線電話相当完成すると思いますので、そのときの状況をよく検討した上で決定いたしたいと考えおります。
  34. 久保三郎

    久保委員 四十一年の十一月と切ったのは、電電公社のいわゆる整備計画に合わせて許可したのですか、どうなんですか
  35. 藤木栄

    藤木説明員 四十一年の十一月と申し上げましたのは、現在の二メガ帯の免許有効期限最終日でございます。
  36. 久保三郎

    久保委員 その期限を切ったのはどういう理由ですか、しろうとだからわからないのです。
  37. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。どうも説明が足りなくて申しわけこざいませんけれども、現在電波法によりまして、無線局はすべて五年間有効期限がございます。したがいまして、その五年間の最後が四十一年の十一月でございます。
  38. 久保三郎

    久保委員 こういう免許をする場合には、将来は考えないで、とにかく五年という電波法のあれがあるから五年で切ってあるのだ、あとはわからぬ、こういうことですか
  39. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。もちろんわからないということではございませんで、現在の電波法規定上、五年ごとに——放送局は三年てございますけれども、、五年ことに免許を切りまして、その五年の末におきまして、いま申し上げましたような周波数事情その他の事情を勘案して、それを再免許するか、あるいはそれでやめるかということを再検討するための免許有効期限というのがあるわけでございます。
  40. 久保三郎

    久保委員 ほかの電波で五年の期限が切れたからあとはやめた、許可しないというのがございましたか。
  41. 藤木栄

    藤木説明員 いままでいろいろ無線局があるわけでございますけれども、私の覚えております限りにおきましては、こちらから切ったという例はないと思います。免許人のほうで免許を辞退してきた例はございます。
  42. 久保三郎

    久保委員 大体免許をする場合には、五年間に不当であるとか重大な支障があれば、これは取り消すというか、再免許はしないというので五年、しかも電波のことは、将来にわたっても開発の途上にあるというか、まだまだ開発ができるのですから、私はそういう関係があって五年にしたのだろうと思うのでありますが、専門家じゃありませんからわかりません。少なくとも免許をするにあたっては、先ほど申し上げましたように、いわゆる郵政省から、電波監理局長か知らぬが、電電公社に、おまえのところでどうしてやらぬかということをいって、一年近くもたってから、長くなったけれども返事としてはお断わり、こういうことが来たのですね。だから、そういう計画からいけば、そういうことがあれば、免許された者は、自分の都合からいけば、当然これは永久に大体支障なく使えるものだという前提でそれぞれ設備なり何かしたと思うのです。これは海岸局が十二あるそうでありますが、十二の問題についても、将来にわたって不安定だというならば、これはなかなか容易でないと思うのです。これに対して安定させることが今日ただいまのあなたのほうの行政の方針じゃなかろうかと思うのです。  電電公社にお聞きしますが、今度は何で海岸局を整備するような気持ちになったのか。これで海難を防げると思っておやりになったのですか、いかがですか
  43. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 お答えします。電電公社では、今回の百五十メガの問題が起こる前、いまから数年前だと思いますが、ハーバー・サービスとわれわれのほうで呼んでおるのでございますが、大体港湾内を主体とした公衆通信サービスを開始いたしております。それで、東京・横浜であるとか、大阪・神戸、それから北九州・瀬戸内がずっと引き続いて公衆通信ができることになっております。そういうことは数年前からやっておるわけでございます。今回百五十メガ帯に周波数が変わるわけでございますが、沿岸等の船舶等に対する公衆通信サービスを提供するということは今回初めてやるわけではないのでございます。
  44. 久保三郎

    久保委員 それじゃ郵政省から要請というか、照会があったとき断わったのはどういう理由ですか
  45. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 あの当時の資料をいま調べておりますので、ちょっとお待ちください。
  46. 久保三郎

    久保委員 ぼくが読み上げますよ、写しがありますから。これは三十四年九月八日に電波監理局長からおたくの副総裁あてに「小型船舶に対する中短波無線電話による公衆通信業務の開始について」という照会があり、この回答が三十五年五月三十円副総裁の横田さんから電波監理局長に寄せられておる。「小型船舶に対する中短波無線電話による公衆通信業務の開始について」回答ということで出ておりますが、これは短いですから読んで差し上げましょう。記憶を呼び起こしてください。   公衆無線通信の運営につきまして、平素格別のご指導とご支援を賜わり厚くお礼申し上げます。   さて、先般ご来照のありました首題事項につきましては、ご要望の趣旨にそうよういろいろ検討をかさねてまいりましたが、本件は通信量の予測等について不確定の要素が多く、当初の利用船舶量は必らすしも多いとは考えられないので、取扱量が多い等のために委託業務によってはまかない得ない個所を除いては、電波および設備の効率的利用をはかる見地から、現段階においては当公社が新たに中短波無線電話設備を行なうことよりも、既にこの種の設備をもった海上保安庁海岸局にこの業務を委託することが適当かと思われますので、この点についてこ了解をいただくとともに 云々と言って断わってきた。どうもあまり多くないし、ぼくのほうでやるよりは海上保安庁にやらせたらいいじゃないかということなんです。なぜこのように変更したか。
  47. 藤木栄

    藤木説明員 百五十メガに踏み切った理由をちょっと御説明申し上げますと、三十六、七年ころから、先ほども申し上げましたように、中短波で拡充するというには波が足りないわけでございますので、中短波より十分波がある百五十メガ帯を使いまして沿岸線をやろうということで、実は郵政省だけではございませんで、電電公社、運輸省、日本船主協会といったところと協議をいたしまして、その百五十メガ帯をやろうということにしたわけでございます。
  48. 久保三郎

    久保委員 電電公社のほうからの答弁を求めているのですが、いま読んだ文章です。間違いありませんよ。だから、どうして最近やるように考えてきたかということを聞いているのです。簡単でしょう。大体通信量が多くなって、これなら採算ベースに乗ると思ってやろうというのか。単刀直入に聞いている。それならそれでいいのですよ。ただし郵政省からの藤木さん、あなた、二メガ帯では夜間になると長距離まで到達して混信が多いということなのですが、これは長距離がみそなんです。短距離じゃ困るというのですね。遭難からいつても、取引からいつても、運航状態からいつても、百五十メガ帯では困ると言つているのじゃありませんか。それは御承知でしょう。それをみんな百五十に切りかえるといっても無理じゃないかと私は思うのです。だから百五十を電電公社でおやりになるというなら、大体いつこれは全部整備するのです。海岸局の整備の計画はどういうふうになりますか
  49. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 新しい構想に基づきます百五十メガの海岸局の整備でございますが、これは昨年三十八年度から手をつけておるのでございまして、三十八年度に、大体地域といたしましては東京以西北九州に及ぶ太平洋側の陸上局の約十五局でございますが、この基地局の整備をおおむね完了いたします。引き続き東部太平洋岸の東京から北のほうでございますね、そういう方面あるいは日本海方面、大体本州ずっと連続いたしまして公衆通信サービスのできるような基地局の整備を考えておりますので、三十九年度以降引き続きまして陸上局の整備をやる予定でおります。
  50. 久保三郎

    久保委員 ちょっと聞き漏らしたが、何年までに計画は完了するのですか
  51. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 一応三十八年度に、先ほど申し上げましたように十五局完成いたしております。それから三十九年度に同じく十五局、これは違う十五局でございますが、整備いたしまして、四十年度に残った九局、全部で三十九局の陸上局を整備することになつております。
  52. 久保三郎

    久保委員 それは大体もら採算ベースに乗るかっこうですか。そういうふうに整備された暁は大体そういうふうに予想されておりますか
  53. 千代健

    千代説明員 お答えいたします。現在は相当高い料金を港湾でやっておりますが、こういったことでは多数の航行船舶に普及することは非常に困難でございます。そういった点を勘案しましていま低料金に切りかえようということに努力いたしております。この採算の問題はここ十年ないし十五年、当分のうち黒字になるということはあり得ないような状態で、いろいろ努力してやっていきたいと思いますけれども、なおその期間ぐらいは赤字でやって、大体四千隻ぐらいの船がこれを常時利用していただくと採算がとれるような状態になってくる、こういうことでございます。現在は約二百隻でございますので、まだまだほど遠いわけであります。
  54. 久保三郎

    久保委員 そこで、さっきのお尋ねでありますが、おまえのところで中短波はやらぬかといわれたときにお断わりしたわけですね。そのときには、いうなれば船は少ない。いまの御答弁では、二百隻ぐらいでもやってみようという。料金の問題も、あなたがいま言われたが、いまの料金はなるほど高いです、これを安くしようという努力をしている。安くすればけっこうです。が、前の回答とだいぶ違う。経営方針がお変わりになったと考えてよろしゅうございますか、いわゆる電電公社も、公益性というものをいまになって初めて考えてきた、こういうふうに思ってよろしいですか
  55. 千代健

    千代説明員 現在もこのサービスは赤字でございまして、これによってうんとかせいでどこかに使おうといった考え方はございませんで、当然のことでございますが、私どもこれは相当な赤字を覚悟でやっておるサービスでございます。  それから先ほど二メガの問題でお話がございましたが、二メガの問題は、さきに電波監理局のほうからお答えになっておりますように、周波数というものは非常に少ない、割り当ての波が少ないということで、需要に対してはなかなか周波数が足りなくてやっていけないという点が一つ。それから百五十メガを使います場合には、通信の品質というものが良好になりますので、その点から公社としては二メガをとるよりも百五十メガを採用したほうがよりよろしいだろう、多くの船に御利用いただける、こういう点を考えまして、百五十メガというものを採用することにいたしました。
  56. 久保三郎

    久保委員 電波監理局にお尋ねしますが、大体電電公社お話もわかりました。別にいやみを言うつもりはありませんが、そういうことを今後言っちゃいかぬということを言いたいのです。一ぺん断わってあとからやりましょう、それじゃ国民が迷惑なんであります。こういうことをやるということは一貫性がない。監督官庁である電波監理局もどうかしている。しかもこれは自民党の小委員会結論を出したそうであるが、小委員会に入らない自民党の皆さんで、運輸に関係している人々は、実際いってこういう結論には承服できませんぞ。なれ合いで結論を出したのではないか、何か思惑があるのではないか、うわさでわからぬが、そういうことを言われるようになっては行政は終わりです。だからもっとすっきりした結論をお立てになることが必要だと思うのです。二メガ帯でやらせておくならそのままちゃんと存続させるというような方針でも立てるのかどうか、その点はどうなんです。
  57. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、無線局はあらゆる無線局が、さっき申し上げましたように五年間の有効期間がございまして、その有効期間の末におきまして、「電波の公平且つ能率的な利用」という電波法の精神をもとにいたしまして、その点を再検討いたしまして再免許をするというふうにやっております。したがいまして、現在の二メガの海岸局ももちろん免許有効期間までは十分にいまの百五十メガと共用でパラレルに運用されるということになるかと存じます。したがいまして、私どもといたしましては、電波法有効期間があるわけでございますので、その期限の先までいまの段階におきまして許可するという立場にはないわけでございます。
  58. 久保三郎

    久保委員 十分尊重して、百五十メガ帯と共用ということも考えている、こういうことですね。ただしその場合も、不当な圧迫をしてやるようなことはどうも困るということだけは申し上げておきたい。電電公社にも言いにくいことを少し言いましたが、われわれは一ぺん断わったものを、いまになってどういう風の吹きまわしか知らぬが、やること自体に、電電公社経営方針に一貫性がないのではないかと言いたいのですよ。内航がどうのこうのというよりは、実際は今後もあることですから、そういう点について理事さんからひとつ、どういうお考えすか、きっちりお話しいただきたいと思うのです。
  59. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 実は私もちょっと前のいきさつをいま調べてみたのでございますが、前に郵政省電波監理局からお話がございましたときには、二メガでやらないかというお話のような状態でございました。それで二メガということを前提にいたしますと、波の数が十分でないという、いろいろな通話の品質等の問題から電電公社が一般公衆通信としてやるには適当でないというような考慮があって、先ほど先生のお読みいただいたような回答になったという経緯のようでございます。
  60. 久保三郎

    久保委員 なるほど二メガでやらないかといった場合は周波数の問題もある。電波法の問題、設備の問題、こういうことをおっしゃっています。そこで一番強調しているのは、それでは数が少ないだろうということです。もちろん公共企業体でありますから、むやみやたらに設備投資をするわけにもまいりませんからちゅうちょしたと思うのです。しかしここで二メガ帯の問題について電波監理局にも言っておきたいのですが、これを百五十メガ帯に置きかえるというのは少し暴論だと思うのです。あなたのほうから出した書類が二メガ帯でやらないかということを電電公社に言ったら、電電公社は、おれのほうはごめんだと言っている。二メガ帯は周波数が足りないから今度は百五十に全部切りかえるのだ、こういうことをやられると、内航海運は、あなたも御存じだと思うのですが、あまり経営はよくありません。いま法案を審議中ですが、この経営をどうしたらいいかという、最後のぎりぎりの結着の法案です。あっちこっち造船あたりから来るから、いままでお聞きのとおりの質問をしているわけです。そこへもってきて設備の改良、これはみなそうだということになっては、内航は敗れ去るほかはない。先ほど申し上げたようにあなたの答弁で一応了解しておきますが、十分このことは今後注意していただきたい。  それからもう一つ運輸大臣に申し上げますが、運輸大臣はこういうこまかいことはあまり御存じないかもしれませんが、これは大事なんです。電波の問題というと電波監理局なり郵政省の問題でありますが、いま申し上げたように、長い間内航が二メガ帯で設備をしてやってきた、ところが最近では切りかえろというようなお話も与党の中にもあるそうだ。電電公社なりあるいは電波監理局にもそういうことがあると、安心して内航無線をやっていられないのです。これはあなたも近い機会にきちっと態度を打ち出すべきだと思うのです。どうですか
  61. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 技術上の問題でありますから、私はよくわかりませんが、最善を尽くすように事務当局に命じます。
  62. 關谷勝利

    ○關谷委員 ちょっと関連して——簡単に、電電公社電波監理局にお尋ねをして、また要望もしておきたいと思います。  民間の海岸無線局、内航海無線局ができたというのは、電電公社がやらないから、必要に迫られてやったことなんです。本来なら電電公社というものは、こういうふうな海難の防止とかあるいは海難救助というふうな面につきましては率先して協力するのが公団とか公社というものの性格なんです。それをやらないで、しかたがないから民間のものがやったのだ。ことに今度やっております超短波のものは、これは通信距離が五十キロだという、いままで民間でやっておりまするのは百五十キロ届くのです。このほうが便利なんです。そうしてこれだけでいままでの海難防止ができておるのです。その必要に迫られてやった、しかも公益性のあるべき公社がやらない、しかたがないのでやったものを、これが期限が切れてから公社のわれわれのほうでやるのだからおまえはやめろ、そんな血も涙もないような行政や公社のやり方があっていいものかどうか、私はこれをはっきりお尋ねをしておきたいと思います。
  63. 藤木栄

    藤木説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、二メガ帯をやめろということは、私ども何も申し上げているわけではございませんで、先ほど免許の登記が切れましたおりにおきまして、公社の進捗状況を勘案いたしまして処置したいというふうに考えておるわけでございまして、決していますぐにやめろというようなことを申し上げておるわけではございません。
  64. 關谷勝利

    ○關谷委員 それなら、その際に民間でいま経営しておるものが引き続いてやりたいという希望がある場合には、これは続いてやらせますか。この点をはっきりしておきませんと、そのときどきの状況で、電電公社等の都合で、これをやらすかやらさないかわからぬのだというふうなことは、これはあるべきじゃないと思います。ことにあなたは四十一年の十一月と言っておられますが、四十年の三月三十一日に切れる局があるはずであります。よく御調査を願いたいと思いますが、その際にどういうふうにせられますか
  65. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。四十一年の十一月のほかに四十年の三月に切れるのも二局ばかりございます。しかし先ほど申し上げましたように、電電公社の進捗状況をよく検討いたしまして、その上でそのほうが一般の現在やっておられる方にもよければそれでよろしいわけでございますけれども、まだその状態にまでまいっておらないわけでございますので、いまのところはっきりと存続させるとかさせないとかいうことを申し上げる段階ではないわけでございます。その点御了承を願いたいと思います。
  66. 關谷勝利

    ○關谷委員 はっきりいたしませんが、四十年三月三十一日に切れるということになりますと、もうあと一年しかないのですよ。その一年先の見通しさえつかないという状態すか。ことにまた一年先のことなら、民間のものがみんなこれで海難防止もできておるのだということで、これでけっこうなんだという希望があった場合に、希望があっても、それでもこれはやはり引き続いてやらすことは期限が切れたら許さないのか、そういうことをするのですか、どうですか。ここらをはっきりしないから、先ほどから久保委員がしきりに言っておられるのですが、あなたはのらりくらりと、ことに小さい声でぼそぼそと言うので一向わかりませんから、はっきりわかるように御答弁を願いたい。
  67. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。いまの四十年の三月に切れる二局につきましては、これは先ほど申し上げましたほかのものが四十一年の十一月に切れるわけでありますから、それと歩調を合わせて、いまのところはおそらく再延長できるかと思っております。ただ現在申請も出てまいっておらないわけでありまして、はっきりと確約ができるわけではございませんけれども、そのときにはできるだけそのように善処していきたいと思っております。
  68. 關谷勝利

    ○關谷委員 免許再延長も出ていないということでありますが、再延長は必ず出るのです。出すと言っておるのです。ことに、このほうが便利だから、しかも安いので、海難防止ができておるのだからということで、みんな希望しておるのですから、そういうものはそのとおり引き続いてやっていただきたいと思います。それと四十一年の十一月に期限が切れた際に全部一律に考えるというのでありますが、すべて運輸省あたりにおきましてやりますことは、国または公団、公社等が同じ業務をやりました場合に、鉄道あたりでも並行いたしました場合には、いままでやっておったものに対して損失補償をやるのですよ。そういうふうなことになっておりますが、そういう場合には電電公社あたりは、郵政省では、そういうふうなことに対しても何らやっておりませんか。
  69. 藤木栄

    藤木説明員 お答え申し上げます。損失補償の問題につきましては、免許有効期間の間におきまして、たとえば周波数を変えるというような場合は国で補償いたしますけれども、再免許の場合はいたしておりません。
  70. 關谷勝利

    ○關谷委員 もちろん法律ではそういうことになっている。その法律自体が私は無理だと思いますが、そういうものを許可するのに、あなたのほうでかってに期限を切っておいて、人に設備をさしておいて、あとは自分のほうがこれでやるのだということになりますと、そのものに対しては期限が来たのだから何もしないというのではずいぶん郵政省というところは冷ややかなところですね。もう少しあたたかみのある政治をやられたらどうですか。あまりにも冷ややかなという気がいたしませんか。
  71. 藤木栄

    藤木説明員 まことに申しわけない次第でございますけれども先ほども申し上げましたように、現在あらゆる無線局というものが電波を使っているのでございますが、電波というものは非常に限られておるわけでありまして、これを最も有効にかつ能率的に公平に使うというのが電波法の精神でございますので、われわれといたしましては、電波法の精神にのっとりまして、先ほど申し上げました五年間という有効期間のたびごとにそれを再チェックいたしまして、最も優先する無線局に割り当てを行なうという精神でやっておるわけで、こちらといたしましては、貴重な電波をできるだけ有効かつ公平に使いたいというわけでございまして、ほかに何も他意はないわけであります。
  72. 關谷勝利

    ○關谷委員 これで私の質問なり要望を打ち切りたいと思いますが、とにかくいままでより拡張していこう、それ以上の周波数を分けてくれというのではないので、いまありますものでやっていこうということに対しましては、これでみずから満足しておるのです。先ほど久保委員が言いましたように、内航海運というものは気息えんえんとしております。倒産してもう見るに見られないというようなことから、初めて政治の手を伸ばして、今度内航二法案をつくって救済していこうということになっておりますので、銭金かまいませんならあなた方の言うとおりでけっこうですが、郵政省や電電公社のように内航海運はそれほど金持ちではない。みな難儀をやってようやくやっておるものが、高い料金を払えといっても、どうにも払えるものではない。特にこれは部長のところではどういうように考えておるか知りませんが、級以下のところに行きますと、これは百五十キロまで通信ができるのだ、そしてこれが非常にいいのだ、そういう下のほうではこれでいいのだという議論が圧倒的だそうです。それが上のほうのあなたのところくらいからぼけてくるらしいのですが、上のほうに行くほど何やら変えなければならぬのだということで、そこら辺に政治の手が伸び過ぎておるのではないか、政治の圧力が加わっておるのではないかということがしきりにうわさされておるような状態でありますので、内航の状態を知らないような高い料金を払ってもかまわないという前提に立つなら別ですが、いまの内航の状態からいって、どうしてもいま従来あります内航海無線局というものがなければならぬのですから、これを存続するようにお考えを願いたいということを要望しておいて、私の質問を打ち切ります。
  73. 久保三郎

    久保委員 最後運輸大臣にお尋ねしますが、いままで申し上げたように、内航対策の基本線としてはこの法案が大体私はぎりぎり結着の法案だと思う。ついてはこの法案だけで完全でないことは言うまでもありません。言うならば、前提になるのは何といっても内航海運組織率が高まり、全体の船が組織の中に入らなければ何をやってもこれは完全なものではないと思う。ついては内航海運の組合の組織を高めるのには尋常一様の手段ではできない。それにはしかるべき財政援助も必要だし、前向きの代替建造問題も含まれるでしょう、そうい政策を次に早急に打ち出さないと、単に船腹量をきめて、投網にかけてそこで規制していくというならば、残念ながら官僚統制のそしりを免れないこともあると思う。そういう点を考えて、前向きで組織率を高めるというくふうをこれからやるお考えがあるかどうか、これを一つお伺いしたい。  それからもう一つは、先ほど来申し上げたように、内航海運対策としてはこれはやむを得ない措置だと思いますけれども、他産業に与える影響もまた考えねばならない。特に小さい造船所の問題あるいはそこに働く労働者の問題、こういうものもあるわけでありますから、これについても十分な配慮をしてもらわなければいかぬ、かように思うわけです。この点はどうか。  さらにもう一つ申し上げたいのは、いわゆる海難船員との関係であります。あるいは船舶の構造の問題でありますが、先ほど来申し上げたように、内航海運経営実態からいいますれば、必ずしも労働条件はいいとは考えられない。そういうところに良質の船員がなかなか集まらぬという実態もございますので、これは教育の面とあわせて、経営の健全化についてやはり特段の施策考えてもらわなければいかぬ。特に先ほど船員局に申し上げるのを忘れましたが、船員学校の拡充強化というものをもう少し考えるべきだと思うのです。全体的に船員のほうはなり手がないということで、船員学校というか、そういう養成機関が、ともすればどうも縮小されるような傾向にある。これはたいへん憂慮すべき事態である。でありますから、これに対してはやはり前向きで問題をとらえていただきたい、かように考えるわけです。こういう点について御所見を最後に承りたい、かように思います。
  74. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 私どもはこの法案をもって内航対策すべてが円満に解決したとは考えておりません。今後とも内航海運懇談会の意見を聞き、さらにでき得る限り、いま久保委員がお述べになったようなことについて努力をいたしまして、内航海運の健全な発達に寄与いたしたいとかたく決意いたしておる次第でございます。
  75. 川野芳滿

    川野委員長 内海清君。
  76. 内海清

    ○内海(清)委員 前回に引き続きまして若干の御質問をする次第でありますが、今度の法改正によりまして、内航の適正船腹量運輸大臣において決定して、そうしてこれが次年度の適正船腹量との関係で、次年度をオーバーするような、あるいは次年度に近づこうとするような状態の場合に、最高限度の船腹量を設定する、その場合には登録拒否をすることがあるということになっておるわけです。  そこで、これに関連して一つだけお伺いしておきたいと思いますのは、登録拒否を行なう期間ですね、これは二条の三の一項の期間になるのかどうなるのか、この点をひとつ……。
  77. 高林康一

    ○高林説明員 最高限度が設定されます場合におきまして登録拒否をやるわけでございます。したがいまして、最高限度の設定期間は、二条の三にありますように、一年以内の期間でございます。したがって、その最高限度の設定されております一年以内の期間において登録の拒否ということがあるわけでございます。
  78. 内海清

    ○内海(清)委員 そうすると、登録の拒否の期間というものは大体一年、こういうことに承知してよろしゅうございますね。
  79. 高林康一

    ○高林説明員 そのとおりでございます。
  80. 内海清

    ○内海(清)委員 それから次に、先ほどもちょっと質問があったようでありますけれども、この点ひとつ重ねてお尋ねしたいと思いますのは、海難が内航海運で非常に頻発しておるということであります。したがって、これによりまして貴重な人命がむだにされておる、こういうことでありますが、その原因の一つに、先ほどお話がありましたような船員の運航の誤りといいますか資格あるいはその教育の問題になってくると思うのであります。これが相当部分含んでおるということは、統計上からも出ておる。ところが外航海運の場合は、船員の養成についても相当な機関が設けられておるわけでありますけれども、内航海運ではこれはほとんど皆無にひとしいと言っても差しつかえないと思うのであります。国としてやっておるものにつきましてはほとんど皆無にひとしい、こう思うのであります。したがって、今後内航海運関係船員の養成あるいは技術の向上というふうな面でどういうふうにお考えになっておるか、この点を重ねてお尋ねしたい。
  81. 藤井堯四郎

    藤井説明員 内航船員教育の問題でございますが、御指摘のようになかなか十分なことはやっておりませんので、ただいまやっておりますのは、海技大学校で特殊科というものを設けまして、そこで乙種船長、それから乙種一等航海士、乙種一等機関士、この免状を取るための再教育をやっておりますことと、それから海員学校のうち三校ばかりで乙二の免状の教育をやっております。それも部員からの再教育でやっております。そのほかに、直接国の金ではございませんけれども、例のモーターボートのほうの船舶振興会のほうから九百万円の補助金を出しまして、これによりまして全国の内航船員の再教育によって免状を取らせる講習会をやっておりますが、それに補助金を出しております。そのほかに、運輸省関係ではございませんが、水産庁関係からも補助金が若干出ておるのがございます。こういうふうにやっておりますが、御指摘のように、まだまだこれは不十分なところがあるかと思いますので、その点につきましては先ほどもちょっと申し上げましたけれども海技審議会でございますね、そこで内航船員養成分科会とい書のをつくりまして、そこでこの内航船員の養成なりあるいは再教育なりをどうやったらいいか、これは職員も部員も含めまして、また再教育、それから新人教育というようなものも含めまして、いま御審議をお願いしているところでございます。この御答申を早急にいただきました上で、何らかの対策を講じたい、こういうふうに考えております。
  82. 内海清

    ○内海(清)委員 この内航海運船員の養成はきわめて不十分であるということであります。特にモーターボート関係の補助金あるいは水産庁関係などでいろいろ補助金などが出まして、民間でもっていろいろこういう機関を設けて再教育をして資格を与えようというふうなことがあるようであります。それらにつきまして、最近何か運輸省関係でそういう制度について特別な統合かあるいは整理かというふうな問題があるように聞いておりますが、その点いかがですか
  83. 藤井堯四郎

    藤井説明員 全国で講習会をたくさんやっておるわけでございます。ところが中には必ずしもりっぱな講師によるしっかりした講習会をやっておるところばかりでもございませんで、ときには営利を目的とするようなものもなくもないわけでございます。海難の問題もいろいろ職員あるいは船員の技術の問題が関係する場合もございますので、試験を単にやるというだけでなしに、その試験の前提となります講習会をもう少し強化整備する必要があるのじゃないか、こういうふうな意見が出てまいります。そのために、全国で行なわれております講習会、こういうものを何らか公益的な法人の形で統合したらどうか、こういうような考え方が出たわけでございます。しかしそう申しましてもすでにりっぱにやっておられる講習会もたくさんございます。そういうところはもうそういうところにおまかせして、そうでない小さなところで一本になったらいいということをお望みのところ、そういうようなところは、この協会——船舶職員養成協会、そういう仮称で呼んでおりますけれども、そういうところにまとめまして講習会を整備強化したい、こういうふうに考えております。
  84. 内海清

    ○内海(清)委員 従来講習会をやって、そうして統一して免許を与えよう、この制度が行なわれてきている。もちろんこれに対しては運輸省のほうでいろいろ指導してまいられる。今日そういうものが十分整わぬ場合に民間においてそういうふうなものをやって、そうしてこの船員教育をやっていく、こういうその功績もまた私は相当あると思うのです。もちろんそれをやっておられます中には、いまお話しのようなあるいは営利主義のものもあるかもわかりません。しかし私の承るところによりますと、これがかなり運輸省からの強力な指導によって、養成協会でございますか、そういうふうなものにこれを整理統一しようというような強い動きがあるように聞いております。これに対してはもちろんそういうよくないものがあることは、今日までの運輸省の指導の私は不足であると思う。もちろんできるだけそういうふうなものも計画的な、外航海運船員の養成に役立つものでなければならぬことはよくわかりますけれども、それを今日やっておるそれらの人々の意思を無視したような形でいまこれが強く進められるということではいけない。これは十分話し合いの上で、そうして納得の上で進められるべきではないかと思うのであります。私どもの耳に入っておるものでは多少遺憾なものがあるのじゃないか、かように考えますが、この点いかがですか
  85. 藤井堯四郎

    藤井説明員 ただいまの御意見のとおり、私たちといたしましては強制的にどうこうするというつもりはございません。十分話し合って、そうして協会の趣旨に賛成して一緒になろうという人は一緒になっていただく、そういう方針で進んでおります。
  86. 内海清

    ○内海(清)委員 現在その話し合いはどの程度に進んでおりますか
  87. 藤井堯四郎

    藤井説明員 これは地方によって区々でございます。相当話し合いは進みまして、協会のほうにまとまろうというふうにいっておられるところも相当ございますし、それからそうでなくて、いままでどおり自分のところは独自でいくとおっしゃっている、そういうところはそのまま従来どおりやっていただくという方針でやっておりますし、なおお話し合いを続けているところもございます。
  88. 内海清

    ○内海(清)委員 この問題はきわめて緊要な問題だと思いますので、これが進められていく上につきましては、十分今日までこれに貢献してきた人の意見も参酌して、万遺憾ないようにしむけていただきたい。  同時に内航海運船員の養成ということは、今回内航海運の基盤を強化して振興をはかろうというときに最も重要なことである。したがって、国といたしましても、この内航海運船員養成につきましては今後十分な配慮をされまして、これらに対しまする特別な機関の設定とかその他の措置をとられたいと思うのであります。これに対しましてはひとつ運輸大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  89. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 内航海運の海員養成の重要性はお説のとおりでございます。私もよく強調いたしまして御趣旨に沿うように努力してまいりたいと思います。
  90. 内海清

    ○内海(清)委員 けさほど大体御質問があったようですが、木船の問題につきましては、実は私、特定船舶整備公団の一部改正の中でいろいろお伺いいたしました。今回のこの場合は内航海運の実情、合理化近代化という面から考え、あるいは資金の面から考え、さらに今日の内航海運状況等から考えて大体鋼船重点主義にいかざるを得ないという御意見でございます。しかし木船に対しましても今後特殊な地域におけるいわゆる航路、港湾あるいはその他の要請によっては木船の部面におきましてもこれはおろそかにできぬ、将来この点については考えたいということでございますが、さらに中小型鋼船造船合理化臨時措置法の場合にもこれに関連して中小造船所の問題で質問いたしたのでありますが、今日木船業というものが、非常に船腹過剰になっておるという話もあるわけでありますけれども、事実上私どもに入った資料によりますと、それほど船腹過剰ではないのではないか、木船の場合はこういう感じもするのですが、この面についてお伺いしたいと思います。
  91. 高林康一

    ○高林説明員 小型船特に木船につきましては、全体といたしましては私ども船腹過剰になっておるように思います。ただ、事実問題といたしましては、稼働率を下げておりますが、そう係船というような事態はないかと思います。かしながらこれからの問題につきましては、やはり一応私どもが稼働率を考えていきました場合には、かなり過剰の状態が生じているのではなかろうかと推定しているわけでございます。将来といたしましては、全体的な総体的な比重というものは、木船につきましては低下していくかと思いますが、先ほど先生の御指摘にもございましたように、地域あるいは港湾事情等によりまして、やはり木船に対するところの需要というものはかなり多いものではないかと考えております。
  92. 内海清

    ○内海(清)委員 木船の需要はかなり多いし、しかも船腹過剰はそれほどないということであります。ところがこの内航海運の船体構成を見ますと、木船の中では老朽船と低性能船、それから木船、こういうふうなことになりましょうか、今日の木船の中ではほとんど六、七割のものは耐用年数が過ぎたものが多いのではないか、こういう状態だと思うのです。しかるに今度の法案は、内航海運合理化近代化というようなことが最もそのねらいであります。それによって立て直しをしようという問題も起きたと思いますけれども、そういう耐用年数を経過したものが七割もあるような木船をこのままに見送ることが、はたして今日の実情からいいますと、内航海運要求される率の上からいいますならば、安全、高速と低運賃ということがその必要条件なんです。こういう面から考えて、はたしてこの木船をこのままに置くことが、今回のこの法改正の内航海運の振興ということにマッチするかどうか、こういう点が考えられるわけです。この点どういうふうにお考えになりますか
  93. 若狹得治

    ○若狹政府委員 木船の過剰状態というのは、結局運炭機帆船が非常に過剰になっておるという状態でございますので、それがやはり単に瀬戸内だけじゃなしに、各方面の木船経営相当の圧迫の材料となっておるというふうにわれわれ見ておるわけでございます。それ以外にいま御指摘のように港湾の事情あるいは積み荷の事情等で、どうしても木船でなければやれないというものがあることは確かでございます。しかもそれが相当老朽の船によって経営が行なわれておるという状態でございますので、われわれといたしましては、木船のために特にこれを増強するという対策は、運輸省としてとるということは現在の状態では困難でございますけれども代替建造につきましてはこれをできるだけ促進いたしますように、今後あらゆる努力を続けてまいりたいと考えております。
  94. 内海清

    ○内海(清)委員 運炭機帆船の場合は、これはまた石炭専用船その他のS・B関係でさらに消化できると思う。ところが今度の法改正で、木船というものが、せっかくこういう改正ができたけれども、その恩典にあずかることができないという状態であります。この点につきましては、さっき申しましたような今日の木船の七割近くは老朽船であるという実情から見ても、きわめて私は重要なことだと思います。したがって、この点につきましては、今後十分ひとつこれに対する方策を考えてもらいたい。前回私が質問いたしましたことにつきましても、できるだけこの点はひとつ考慮しようということでございます。これを期待いたしたいと思いますけれども、これは私もやはり焦眉の問題であると思うのであります。特に木船業者というのは、いわゆる一ぱい船主がきわめて多いのであります。これがこのままに推移されるならば、いわゆる社会問題も起こしかねない、こういう状況に相なると思うので、この点をひとつ強く要請しておきたいと思いまするし、さらにこの問題に関連しまして、中小造船の問題、これはこの前の中小型鋼船造船合理化臨時措置法のおりに私強く要望しておきましたが、中小造船につきましても、これは内航海運育成の上から申しましても、十分ひとつ今後お考えいただきたいと思うのであります。  それから大臣もお急ぎのようでありますが、私大臣にこの法案については実はまだお尋ねいたしておりません。若干お尋ねいたしたいと思うのでありますが、内航海運要求される技術の面では、さっき申しました安全、高速と低コストによる輸送だと思う。ところが内航海運全体から見ましたときに、今日船腹過剰といわれていることは何に原因するか、こういう点から見ましたときに、確かに一つは今日産業構造がよほど変わってまいった。したがって、各産業の要請するのに適したところの船が少ないということ、これが一つの大きい原因だと思います。ところがこの問題を考えてみますると、船腹全体は過剰であるけれども、適船は不足しておる、ここに一つ大きな矛盾があると思う。これをこの内航海運のこの法によって今後解明し、解決していこうという大きいねらいがあると思いますけれども、これを打開しますためには、船舶の代替、改造、これが急速に行なわれなければならぬと思うのでありますこの点につきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  95. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 御趣旨のようにその問題はたいへん重要な問題でございますが、私どもといたしましては、代替建造に対する資金を豊富にするということについて今後努力いたしまして、それによりまして内海委員の御指摘のような点が順次改善せられるのではないか、かように考えております。
  96. 内海清

    ○内海(清)委員 今回の法案で、代替につきましてはS・Bその他によってこれはかなり配慮されると思いますけれども、改造の面については十分配慮されていない。その面につきましてはどういうふうにお考えになりますか
  97. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 その問題につきましても、私どもといたしましては、その代替建造の資金のあっせん方については、いま大蔵省と十分折衝いたしまして、御希望に沿うように努力いたしたいと考えております。
  98. 内海清

    ○内海(清)委員 代替建造でなしに、改造の面を特にお願いしたいと思っておりますが……。
  99. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 もちろん改造も含んでおります。
  100. 内海清

    ○内海(清)委員 そこで、この二つの部門が十分行なわれて、代替、改造が行なわれていきませんと、今後あるいはさらに船腹過剰に拍車をかけるようなことにならないか。また老朽船代替建造によって、立ちおくれた部門の近代化がおくれるのではないかというような心配も私はあるわけです。これらにつきましては全般的に十分配慮されて、これを進めていただかなければならぬ。さらにまたどうしても近代化に対応できない部門につきましては、これは社会政策的な配慮も必要であると思う。たとえば筑豊炭田の石炭輸送の面を見ますと、これは零細な機帆船主が、石炭合理化以来、出炭量の減少と、それから鋼船の進出ということに圧迫されて、生活上窮地に追いやられておるような例に対しまして代替建造の強力な援助がないものか。これに対しては社会的な配慮が必要で、こういう多角的な対策が急がれなければならぬと思う。ただ今日資金に制約された面において、この内航海運の問題のみを進めるのでなしに、もっと社会政策的な面も考慮されなければならぬと思うのです。これにつきましての大臣の御所見をお伺いしたい。
  101. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 そういうようなごく小さな企業につきましては、なるべく共同してやるようにして、その共同したものに対しまして諸種の施策を講ずるようにいたしておるつもりでございます。
  102. 内海清

    ○内海(清)委員 いわゆる組合法の改正などによってそういうことをお考えと思いますが、これは生き残れるものはいいのです。生き残れないものが出てくるのではないかということです。この面はどうお考えすか
  103. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 それはたいへんむずかしい問題でございまして、私どももそういう生き残ることのできないよううなものをなくするように努力いたしておるつもりでございます。
  104. 内海清

    ○内海(清)委員 もちろん努力していただかなければなりませんが、私、先般も申しましたように、石炭につきましては、石炭山のS・Bというものによって、これの転業資金あるいはその他いろいろの配慮が行われ、あるいは労務者の転業につきましても、国の非常な施策が行なわれてきたのであります。それにも匹敵するような、特に石炭の合理化によって非常に窮状に追い込まれておるような運炭船の船主でありますとか、その他内航に関するものにつきましては、何ら配慮が行なわれていない、こういう実情に立ちまして、いま一度お尋ねしたい。
  105. 若狹得治

    ○若狹政府委員 たとえば石炭を運んでおります運炭機帆船の措置につきましては、炭鉱の閉鎖の場合等々と見合いまして、何回も御説明申し上げておりますように、内航海運は今後輸送の需要というものは急激にふえてまいるわけでございます。しかも現実的には、今日ただいまの状態では非常な過剰状態でございます。したがいまして、われわれとしては近代化方向というものと、老朽船の一掃ということをまず行ないます前提といたしまして、最高限度量を設定してこの過剰状態を一掃することを考えなければならぬ、その過程におきまして、運炭機帆船の問題等につきましては、新しい輸送需要に対抗し得るような船舶を建造し得るように、われわれとしてはあらゆる協力をするということが、国家経済の現状から見ましても、内航海運の現状から見ましても、適当ではないかというように考えておるわけでございます。したがいまして、石炭の対策としてとられました整理の資金の問題であるとか、あるいは労務者の処置の問題であるとかいうような方向をとらないで、石炭輸送近代化に対応するような船舶をそういう事業者につくらせるということ、あるいはさらに他の物資輸送に従事し得るような新しい近代的な船をつくらせるという方向にわれわれが協力することのほうが、より適切な方策ではないかという考え方に立って、今日までこの法律及び公団の財政資金の問題を考えておるわけでございます。
  106. 内海清

    ○内海(清)委員 いろいろお考えのようでございますけれども、現状においてはそれらのお考えのことが実際の問題として十分効果があらわれていないというのが現状であると思います。したがいまして、今後この法案ができますと同時に、これらの社会的成策につきましても弾力にこれを進めていただきたい、このことを強く要望いたしておきたいと思うのであります。  大臣もお急ぎのようでありますから、もうやめますが、いずれにいたしましても、内航海運強化策というものは、これはもうこの法案が成立いたしましても決して安定的なものではないと私は考えるのであります。やはりこれは近代化への前進的施策が中心になっていかなければならない、法改正もこの精神に立脚して行なわれていかなければならぬと思うのであります。このためには、資金面におきましても今後十分なる獲得ができまして、抜本的な政策がとられなければならぬと思う。同時に、このことによりまして、木船船主をはじめとして、中小のいわゆる一ぱい船主、これらがこの影響を受けて生活に困ることがないように、社会問題を起こさない方向に思いをいたしてこの法を実施していただかなければならぬと思います。このことを強く要望して、時間がないようでありますから、質問を打ち切りたいと思います。
  107. 川野芳滿

    川野委員長 本案に対しましては、他に質疑はございませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 川野芳滿

    川野委員長 他にないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。     —————————————
  109. 川野芳滿

    川野委員長 この際、關谷勝利君外二名提出の本案に対する修正案が委員長の手元に提出されております。     —————————————    小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案に対する修正案   小型船海運業法及び小型船町運組合法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第一条のうち、節二十三条の改正に関する部分の次に次のように加える。   第二十五条の次に次の二条を加える。  (自家用船舶)  第二十五条の二 内航海運業の用に供する船舶以外の船舶であって総トン数二十トン以上のものを内航運送の用に供しようとする者は、あらかじめ、運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。届出をした事項を変更しようとするときも同様とする。  2 前項の届出をした者は、当該届出に係る船舶を内航運送の用に供しないこととなったときは、その日から三十日以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。  第二十五条の三 運輸大臣は、第二条の三第一項の規定による船腹量の最高限度が設定されている期間内に前条第一項の届出があった場合において、当該届出に係る船舶が内航運送の用に供されることにより、内航海運業の健全な発達が阻害され、内航運送の円滑な運営に著しい支障が生ずるおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該期間内の一定期間当該届出に係る船舶を内航運送の用に供しないように求めることができる。   第一条のうち、第三十三条節二号の改正に関する部分中「第三十三条第二号を次のように改める。」を『第三十三条第一号中「又は第二十一条」を「若しくは第二十一条」に、「の規定による届出」を「又は第二十五条の二の規定による届出」に改め、同条第二号を次のように改める。』に改める。   附則第四条第五項中「附則第八条第一項」を「附則第九条第一項」に改める。   附則第七条第二項中「次条第一項」を「附則第九条第一項」に改める。   附則第二十一条を附則第二十二条とし、附則第九条から附則第二十条までを一条ずつ繰り下げる。   附則第八条第一項中「前条第一項」を「第七条第一項」に改め、同条を附則第九条とする。   附則第七条の次に次の一条を加える。  第八条 この法律の施行の際現に内航海運業の用に供する船舶以外の船舶であって総トン数二十トン以上のものを内航運送の用に供している者は、この法律の施行の日から三十日以内に、運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。  2 新法第二十五条の二第一項後段及び第二項の規定は、前項の規定により届出をした者に準用する。  3 第一項の規定又は前項において準用する新法第二十五条の二第一項後段若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三万円以下の過料に処する。     —————————————
  110. 川野芳滿

    川野委員長 まず、本修正案について、提出者より趣旨説明を求めます。關谷勝利君。
  111. 關谷勝利

    ○關谷委員 三党の共同提案にかかりますところの修正案を提出いたします。  まず、朗読をいたします。    小型船海運業法及び小型航海運組合法の一部を改正する法律案に対する修正案    小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第一条のうち、第二十三条の改正に関する部分の次に次のように加える。   第二十五条の次に次の二条を加える。  (自家用船舶)  第二十五条の二 内航海運業の用に供する船舶以外の船舶であって総トン数二十トン以上のものを内航運送の用に供しようとする者は、あらかじめ、運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。届出をした事項を変更しようとするときも同様とする。  2 前項の届出をした者は、当該届出に係る船舶を内航運送の用に供しないこととなったときは、その口から三十日以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。  第二十五条の三 運輸大臣は、節二条の三第一項の規定による船腹量一の最南限度が設定されている期間内に前条第一項の届出があった場合において、当該届出に係る船舶が内航運送の用に供されることにより、内航海運業の健全な発達が阻害され、内航運送の円滑な運営に著しい支障が生ずるおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該川間内の一定期間当該届出に係る船舶を内航運送の用に供しないように求めることができる。   第一条のうち、第三十三条第二号の改正に関する部分中「第三十三条第二号を次のように改める。」を『第三十三条第一号中「又は第二十一条」を「若しくは第二十一条」に、「の規定による届出」を「又は第二十五条の二の規定による届出」に改め、同条第二号を次のように改  める。』に改める。   附則第四条第五項中「附則第八条第一項」を「附則第九条第一項」に改める。   附則第七条第二項中「次条第一項」を「附則第九条第一項」に改める。   附則第二十一条を附則第二十二条 とし、附則第九条から附則第二十条までを一条ずつ繰り下げる。   附則第八条第一項中「前条第一項」を「第七条第一項」に改め、同条を附則第九条とする。   附則第七条の次に次の一条を加える。  第八条 この法律の施行の際現に内航海運業の用に供する船舶以外の船舶であって総トン数二十トン以上のものを内航運送の用に供している者は、この法律の施行の日から三十日以内に、運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。  2 新法第二十五条の二第一項後段及び第二項の規定は、前項の規定により届出をした者に準用する。  3 第一項の規定又は前項において準用する新法第二十五条の二第一項後段若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三万円以下の過料に処する。以上であります。  これは、小型船海運業法及び小型船揖運組合法がいま審議をせられておるのでありまするが、自家用船舶を含まないことにはその効果を十分あげることができないので、自家用船にも適用するという理由でこの修正案を提出する次第であります。
  112. 川野芳滿

    川野委員長 ただいまの修正案について、質疑はございませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 川野芳滿

    川野委員長 質疑なしと認めます。     —————————————
  114. 川野芳滿

    川野委員長 それでは、これより、本案並びに關谷勝利君外二名提出の修正案を一括して討論に付したいと存じまするが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決することといたします。  小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、關谷勝利君外二名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  115. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決せられました修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  116. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よって、修正部分を除いた原案は可決せられました。  したがって、小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案は、修正議決すべきものと決しました。     —————————————
  117. 川野芳滿

    川野委員長 この際、久保三郎君より発言を求められておりますので、これを許します。久保三郎君。
  118. 久保三郎

    久保委員 私は、三党共同提案による本法案に対する附帯決議案を提案したいと思うのです。  まず案文を朗読します。     小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に際し、左記事項につき特段の措置を講ずべきである。       記  一、内航船舶の適正船腹量を設定する場合には、海陸輸送調整、船舶稼動状況、港湾事情造船事情等をも勘案してこれを定めること。  二、(イ)内航船舶近代化に要する資金について財政資金の確保に努めること。    (ロ)内航船腹量の最高限度が設定される場合には、内航船舶特に小型船の老朽化の現状にかんがみ、船舶の安全確保の見地から、これが代替建造を促進ずるものとし、これがため中小型船造船所、特に木船造船所の現状にてらし、所要の資金のあつせんに努めること。  三、海運組合の組織強化について強力な行政指導を行なうこと。 以上であります。  この内容については特段に御説明は要しないかと思いますが、いままでの質問の中で出てまいりましたとおりであります。政府においても十分考えていただきたいということをつけ加えておきます。
  119. 川野芳滿

    川野委員長 ただいまの久保三郎君の動議のごとく、本案に対して附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  120. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。綾部運輸大臣
  121. 綾部健太郎

    ○綾部国務大臣 ただいま御採決をいただきました小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案につきましては、修正の趣旨を十分尊重いたしまして、運用いたしていきたいと存じます。  また、ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分体しまして、今後とも内航海運強化に万全の措置を講じ、努力を続けていく所存であります。     —————————————
  122. 川野芳滿

    川野委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  124. 川野芳滿

    川野委員長 次に、旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案及び国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。細田吉藏君。
  125. 細田吉藏

    ○細田委員 私は観光につきまして、ただいま議題となっております二つの法案についていろいろお尋ねしたい点がありますが、本日は時間もだいぶたっておりますので、産業観光という問題に限定をして、運輸、通産、外務、その他の政府当局にお尋ねいたしたいと思います。  よく観光の対象として、日本はいつまでも富士山と芸者ガールではない、こう言われるわけでございますが、観光の対象といたしまして、日本の持っております産業を見てもらうということは、今日私は非常に重要になってまいっておると思います。申し上げるまでもなく、開放経済第一年を迎えておるわけであります。国際収支の問題は、日本経済にとって最も大切な問題でございます。観光収入をあげることも国際収支、いわゆる貿易外収支の改善のために大きな項目でございますが、これをあわせて産業観光がうまくいけば、観光収入の増加だけではなく、輸出の振興にも資し得る。こういう形になりますならば、まさしく一挙両得であり、今日大いにこの問題を政府当局が積極的に取り上げらるべき性格のものではないか、かように考えるわけでございます。  そこで、この問題の重要性につきましては、御答弁をいただくまでもなく、政府においてもお考えになっておると思うわけでございまするが、今日までの状況を見ますると、ずいぶん前からいろいろ言われておりますにもかかわらず、この方面の宣伝なり、いろいろの受け入れ体制なりというような点については、必ずしも十分なものがないように私は思うわけでございます。観光基本法に基づきまして、昭和三十八年度の観光白書ともいうべき「観光状況等に関する年次報告」なるものが本国会に提出されておるのでありますが、これを拝見いたしますと、産業観光について半ページばかり実は書いてあるのであります。これは一々読み上げることもございません。六〇ページから六ページに産業、文化、家庭生活の紹介というようなことで、一括してホーム。ビジットとして同じような章にあるだけでございます。ホーム・ビジットのほうがよけい書いてあるようなかっこうでございます。長いだけが重要視しているとかなんとかいうような意味ではありませんけれども、この中に書いてあるのを見ますると、たとえば公共団体別の受け入れ施設数と利用客数とが書いてございますけれども、その中で大きなものは、どうも受け入れ施設だけの数は書いてあるけれども、利用客の数は不明であって、わかっているものもみな省くということでございます。どこの資料をおとりになったかよくわからなのですが、この程度ではいけないのじゃないか。もっと大いにこれは運輸省の観光局なり通産省なり外務省が一緒になって促進していただく必要があるのではないかと思います。最初に観光局のほうから産業観光に対するこれまでの指導また現状、そういうものについてお答えいただきたいと思います。
  126. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 ただいま御指摘の産業観光の重要性につきましては論を待たないところでございますので、省略さしていただきます。  この産業観光、テクニカル・ツーリズムということばが日本に入ってまいりましたのは数年前のことでございますが、みながその重要性に気がついて一おりながら、なぜ盛んにならなかったかと申しますと、やはり受け入れる側にいたしましても、外人がやってくれば、工場に洋式の便所の一つもつくらなければならない、まただれか通訳のできる人も置いておかなければならないし、また時ならぬときに見学に来られても工場としても迷惑だし、それでもまだ数多くおいでになるならばけっこうでございますけれども、当初はそれほど御希望の方がなかったというふうなことで、なかなか緒につかなかったわけでございますが、最近では大阪では大阪市、名古屋では名古屋商工会議所、神奈川県では神奈川県観光協会、京都は京都市、神戸は神戸市というのが、おのおの協力工場のリストを作成されまして、希望者に工場の見学が便利なように仕向けておられます。三十七年の十二月十七日に、御承知の有楽町に総合観光案内所を当時の日本観光協会が設置したわけでございます。そのときに、外人観光客向けの産業観光対象一覧表という、こういった表をつくりまして、協力の工場をお願いいたしましたところ、二百二十六社がお申し出があったわけでございます。今日では国際観光振興会と名前が変わりましたが、その振興会がこのリストを中心においでになった観光客に対して御案内を申し上げている、こういう実情でございます。しかし、それだけでは決して足りませんので、最近でははとバス、それから交通公社がこの産業観光を中心としたコースを設定をしておられます。たとえば、東京から箱根、静岡、名古屋、賢島、京都、それだけを回って歩く、その途中に日立であるとか日産あるいはキリンビールの工場を見るとか、ノリタケチャイナに寄るとか、あるいは雪印の工場を見るとかいうふうなことで、その工場を見つつ、また日本の風景もめでるというふうなことで、産業観光コースを設定しておりますが、これが非常に評判がよろしゅうございます。それでもっと大々的にオリンピックを契機にやらなければいけないのではないかということで、実は最近四大証券会社に働きかけまして、そちらの協力によって産業観光を軌道に乗せよう、こういう動きが出てまいっております。  それにも増して一番大きな原動力になりましたのは自由化の問題でございます。いままではうるさい、めんどうくさいと言っておりました工場が、自由化を控えて、やはり積極的に協力しなければいけない、こういう気持ちになられたということが、産業観光を軌道に乗せる一つの大きな原動力になった、かように考えておる次第でございます。運輸省としましては、今後ともこの問題に大いに力を入れていきたい、かように考えております。  先生も御承知のとおりでございますが、たとえばフランスで香水の工場を見に行きますと、必ず工場を見終わったときに香水を並べてそれを直ちに見学者に売る、こういう方法をとっている。日本ではそういったところまでまだ発展しておりません。現に免税になります物品の指定販売個所と申しますか、これにつきましては、国税局のほうで御指定にならなければ免税になった物品は販売できないわけでございます。こういった問題を少し掘り下げて、その工場でも即売できるという体制をとったほうが、より産業観光の目的を達するのではないかというふうに考えておる次第でございます。もちろんその流通機構を乱すとか、問屋に対してどうも圧迫をするようになるとかいうふうな議論もあることはあるのですけれども、問屋を圧迫し、流通機構を乱すほど売れればまことにけっこうなことでございまして、むしろ工場を見終わったとたんに写真機なり何なり、そういったものが即売できる、しかも免税で即売できるというふうなシステムを、将来運輸省としましては関係官庁にお願いをいたしまして広めていきたい、かように考えております。
  127. 細田吉藏

    ○細田委員 御答弁をいただきますと、非常に強力にやりたいということのようでございますが、同じく観光基本法に基づく「三十九年度において講じょうとする観光に関する政策」という薄い冊子のほうを見ますと、これは各省からずいぶん網羅的にいろいろお出しになっておりまして、どこかに何か字句の一つも出ているかと思って拝見をしましたが、実は全然出ておりません。これはあるいはごく最近非常に問題が大きくなったというふうなことかもしれませんけれども、いま御答弁になったような強力な施策をおとりいただくことが、あるなしはあまりいろいろ責めたりいたしませんけれども、必要ではなかろうかと思うわけであります。そこでこの問題は実は運輸省観光局だけの問題ではないので、外務省はまた在外公館等を大いに活用してこの方面の宣伝等もやっていただかなければならぬと思いますが、特に通産省との関係が深いと思うのでありまして、通産省のほうとしてはこういう問題について、新しい問題でございますから、あまり確たるものをお持ちになっておらないかもしれませんけれども、今後の問題としてどういうふうにお考えになっておりますか、お聞かせいただきたいと思います。
  128. 馬郡厳

    ○馬郡説明員 ただいま先生からお話がございましたように、日本産業というものは、私たちの感じから申しますと、中にはいろいろでこぼこがございますが、日本産業水準としては世界的にも相当高度な段階にきているものも十分あろうと思いますが、ただ過去のイメージにとらわれまして、日本の品物がいわゆる安かろう、悪かろうというような風評が立っております。これを解消いたしますために、私どもといたしましても、従来からジェトロ等を通じまして、海外諸国の報道関係機関を日本に呼んでわが国産業の実情を見学させるというような方法もとっておるわけでございます。何ぶんこうしたことはなるべく数多くの人に日本産業実態を見ていただくということで一番解消されることではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  ただいま先生からお話のございましたように、産業観光につきましては、私どもの第一の目標といたしております輸出振興という観点から申しましても、大いに先生の御趣旨に従って進めてまいりたいというふうに思います。工場側としましては、ただいま運輸省からのお話がございましたとおり、いろいろやっかいな点もございますし、また企業の機密の漏洩というような問題もございますが、そういう支障のあるような問題はできるだけ避けてでも、できるだけ前向きの姿勢で工場側を指導してまいりたいというふうに考えております。
  129. 細田吉藏

    ○細田委員 本年の三月二日の日本経済新聞に「産業観光いよいよ実現」「一流企業ズラリ」「10コースに分けて」というような記事が出ておるのでございます。トップで五段抜きで出ておるわけでございます。日本交通公社を中心に四大証券、観光局、商工会議所、日本観光協会、いままでの観光協会ですが、今度の振興会、こういうところが一緒になってひとつ大いにやろう、こういうことになっておるようでございまして、たいへんけっこうだと思っておるわけでございますが、これはいまいろいろなお話があって問題があると思うわけです。その後政府の側としては、いま前向きというおことばがありましたが、これの積極的な助成といろいろ隘路の打開といったような点につきまして、具体的に御相談その他をなさっておるのでありましょうか、どうでしょうか。観光局長からひとつ……。
  130. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 ただいま先生から新聞紙を例にとってお話をいただきましたが、私のほうにもその切り抜きがあるわけでございます。昨年の秋ごろから積極的に乗り出さなければいけないというので、交通公社指導したわけでございます。時あたかも交通公社の改組問題のあったときでございますが、新しく株式会社として発足する以上は、何か一つ新天地を開いてもらいたいということで、この産業観光の問題と取っ組んでいただいたわけでございます。それで金融系列のほうからいくか、証券系列のほうから協力体制を整えるかということも、一つの問題だったのでございますけれども、この新聞にありますように、四大証券を中心に協力体制を整えるという結論になりまして、ただいまそのコースを選定しております。一つの専門的な写真機なら写真機だけを、もうキャノンからヤシカからニコンからずっと写真機の工場だけを見て回るといういわゆる専門コースと、それから写真機も見ればテレビも見る、あるいはそのほかの電気製品も見るというふうに、日本産業をいわばあっちも見、こっちも見して、広く見るというふうなコース、この二つに分けて考えております。それで一週間で見るコース、二週間で見るコース、三週間で見るコース、こういったことで日本産業を見て回るというふうなことをただいま検討をいたしております。そして、これにつきましては見学を受ける工場のほうから、どうせ見てもらえばそれについてお客さんも関心を持つだろうし、あるいはまた将来製品の販路拡張にもなるだろうからというので何がしかの協力費を出してもらう、それに対して交通公社のほうもまた基金的なものを出して、そして全部でそういうコースを考えていこうじゃないかという段階にただいま来ておるわけでございまして、この問題はもう少しすれば日の目を見て現実に動き出すと私ども考えておる次第でございます。
  131. 細田吉藏

    ○細田委員 これはきょうでなくてもいいんですが、いまあなたのお示しになりました趣旨は私も承知しておるのですが、産業観光のいわゆる宣伝資料、外人向けの宣伝資料ですか、これは会社がおつくりになっている場合もあると思いますし、商工会議所がおつくりになっている場合もあると思いますし、いろいろあると思いますが、これから観光二法の審議が始まりますから、どういうものがいままでにできておるか、これはジェトロや何かの通産省のほうにもあるいは相当あるんじゃないかと思いますが、どの程度までこの方面が進んでおるかの参考にいたしたいと思いますので、次会とまでは言いませんが、なるべく早く一度、みんなに配るのでなくて、まとめてお見せいただきたい、かように思っておりますので、お願いを申し上げておきます。通産省のほうも御一緒になってお願いをいたしたいと思います。  なお、外務省は在外公館を通して最近いろいろおやりになっておるわけですが、まだこの方面のものはないのかもしれませんけれども、外務省のほうでもそういうものがございますれば、一応観光局あたりが世話役になってまとめて、どの程度まで来ておるのか、こういうことをお見せいただきたい。さらに今後どういうふうな御計画かというようなものについても、ぜひ次の機会までおそろえをいただきたい、かように思うわけでございます。  それから外務省の方がお見えになっておりますので、一言外務省の方に申し上げたいのですが、先ほど来申し上げておることで、あまり異論のある話ではないが、在外公館がいわゆる観光振興会とかあるいはジェトロ、そういうところとも御一緒になって、やはり一つの大きな宣伝力を持っておられますので、大蔵省やいろいろのものもありましょうけれども、特に三省が御協力になって、この方面の御努力をいただきたいと思いますが、外務省の方はいかがでございましょうか。
  132. 堤功一

    ○堤説明員 先生の御発言の御趣旨はまことにごもっともと存じます。現にこの方面の協力体制は、私どもから見まして、十分行き届いていると思いますが、今後さらに一そう近代日本の紹介という点で協力体制を進めたいと思っております。
  133. 細田吉藏

    ○細田委員 もう一つだけついでにお願いしておきたいのですが、先ほどフランスの話が出ましたが、外国のこういう方面の資料、あるいはないかもしれませんが、あればあわせてひとつ、あと外国の実績があればこれもひとつ、まあ探してみていただきたい。観光局はずいぶんいろいろ資料を持っていらっしゃると思いますから、次会までにこれをお調べいただいて、あればお願い申し上げたいと思います。これは通産、外務にもお願いを申し上げておきます。この方面の外国の資料がございますれば、みんなに配ってもらう必要はありませんから、こういうものがあるということをしかるべき次の機会か次の次の機会におそろえをいただきたい。いずれにいたしましても事はだれもが異議のある話ではございません。この問題につきましては最初に申し上げたように観光白書にも本年の政策にもあまり出ておらぬというような問題でありまして、しかも一石二鳥あるいは一石数鳥というような、いま最も取り上げなければならぬ問題でございますので、この上とも政府がほんとうにこの問題に強力に御指導をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  134. 久保三郎

    久保委員 関連して——産業観光で細田委員からお話がありました。われわれもずっと前に申し上げたと思うのですが、いまのお話では通産省のほうも前向きでというお話であります。さしあたり先ほど観光局長お話では、いろいろ観光コースについてもあるいは宣伝文書についてもそれぞれ考えておられるようでございますが、要はできたものをどういうふうにして持っていくかということであります。ジェトロなどのそういうものを通じてやることも一つ方法だと思うしもう一つは、よくわかりませんけれども、そういう宣伝文書を向こうの国に入れる場合に、外務省のルートを通じていけばより簡便に入るし、前向きに何か施策として考えてやってみるというなら助成の方法としてもいろいろな形がありますが、外務省のルートを通してこれをやれば的確にうまくいくし、あるいはそういう援助にもかたがたなろうかと思います。外務省の方もおいででありますが、そういう方法について何か考えておられるか、いかがでしょうか。
  135. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 実はなお資料等を探してみますけれども、きょうとりあえず持ってまいりましたのはこういった種類でございまして、現にアメリカが日本でアメリカの産業観光の宣伝をしております。これは前々申し上げておりますが、アメリカのUSTS、つまりアメリカの観光局が日本観光局の直営出張所を持っておるわけであります。日本の国際観光振興会の在外事務所に当たるわけでありますけれども、そこで日本語で書いた「アメリカの新産業の世界」というのを無料で東京で配布一して、そして日本人がアメリカに行ったときに、何州ではこういった産業が盛んであるから、この工場へ行けばこういったものが見られるというのが、五十州にわたって簡単に紹介が行なわれている。ここまでアメリカ自体ですら宣伝をやっておりますので、特に日本なんかおちおちしておられないという気持ちで私ども一ぱいでございます。それでまだこの程度の——りっぱなパンフレットと申しますか、冊子にはなっておりませんのですけれども、この程度のものを配っておるわけでございます。正直に申し上げますと、まだほんとうの意味における産業観光としては日本はようやくスタートについたといったほうが正直な表現じゃないかと思います。そういう意味で従来は外務省のルートを通じてというところまではいっていなかったのが実情でございます。ただ、日本へいらっしゃいませという宣伝、観光客誘致のパンフレット類は、事務所のあるところは事務所、ないところは在外公館が百幾つございますから、そのルートを通してはいたしておりましたけれども産業観光の宣伝。パンフレットはまだ外務省のルートを通してという段階にまでは残念ながらいっていなかったというのが実情でございますので、今後は御指摘のとおり、そういったルートを十分に使わしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
  136. 久保三郎

    久保委員 それからもう一つは、専門的に産業観光するという方も多くなると思うのですが、その場合にやはり日本の風物とかね合わせて、日本の現代というか、そういうものも見ると思う。これは私の選挙区ではありませんが、栃木県に益子というところがございます。益子焼きというのは、そのほうではかなり海外でも限られた範囲では評価されているそうでありますが、実はそういうかま場を見せると同時に、そういう芸術的な作品、これは一般的な普通の作品ではなくて、芸術的作品だと思うのですが、そういうものも、たとえばあの近くには日光なり何なりがございますから、こういうものとからみ合わせて育成していくという方法をとらぬと、陶芸に趣味のある人、その専門家だけの分野で終わったのでは、実はうまくないと思うのです。そういう意味で、やはり多角的な方向を見せてほしい。いわゆる日本の古さというか、さびというか、そういうものと、現代日本というものをやはり対照的に見せるような観光コースをいつの場合でも忘れてはならぬと思うのです。ある新聞記事でありますが、これは観光局長の責任でもあろうかと思うのでありますが、日刊紙に、一月くらい前かそれ以上前か知りませんが、出ております。あるあっせん業に頼んで、いわゆる観光コースということで見て回った外国人がおりまして、それが書いております。どうもお寺とかお宮とか、そういうほこりっぽいところだけ回ってきて、実はくだびれたという結論ですね。これなどもくふうのしようによっては、もっと日本の古さというか、日本の落ちつきというか、そういうものを見せるコースがあるはずだと思うのです。この意味で観光も基本法ができて、施策についての報告がありましたが、さっき細田委員からも御指摘があったように、概括的に言えばどうも新味がない。富士山、芸者、桜、こういうようなことがどうしてもつきまとう。だから、これから脱却することが日本観光を正しく評価してもらう方法だと私は思う。そういう意味で、やはり産業観光もあるべき姿だと思う。ただ銭をもうければいいんだということでなくて、日本の姿を見てもらうという前提がやはり必要だと思うのです。先ほどお話があったように、そこでカメラが売れればいいということは、これは副次的なものであって、決して本筋ではないと私は思うのです。日本の現代はこれほどの水準になっておる。編みがさをかぶって人力車を引いているのではないということ、しかしその歴史的な背景はまだたくさんどこにも残っているという両面を見せることが、基本法からいけばまず前提でしょう。そして副次的に観光として国際収支の改善ということなんですから、そういう面もぜひ勘案して、国際観光というか、観光コースは設定したらどうか、こういうふうに思っております。もちろんこんなことはおわかりでありましょうが、実際はなかなかうまくいっていない。  そこで要望しておきますが、きょうは通産省と外務省がおいでですから、いま細田委員からありましたように、産業観光はいろいろむずかしい面もたくさんあります。ありますが、これはやはり関係省で連絡をとりながら、先ほど御答弁になったように、もう少し前向きでコースをきめてほしい、こういうふうに私は要望しておきます。先ほど申し上げた外務省のルートを通して、できたものはどんどん送ってやることも、そういう面での振興の一つの策だと思うのです。ぜひ御勘案をいただきたい、こういうように思います。以上です。
  137. 川野芳滿

    川野委員長 次会は来たる十日金曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会