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1964-11-06 第46回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年十一月六日(金曜日)    午前十時二十三分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 上村千一郎君    理事 小金 義照君 理事 重盛 寿治君    理事 中嶋 英夫君 理事 永井勝次郎君       川崎 秀二君    四宮 久吉君       田中 榮一君    地崎宇三郎君       長谷川 峻君    福井  勇君       板川 正吾君    柳田 秀一君       佐々木良作君  委員外出席者         総理府総務長官 臼井 莊一君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  金田 智成君         文部事務官         (大臣官房参事         官)      石川 二郎君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         参  考  人         (東京都知事) 東 龍太郎君         参  考  人         (東京オリン         ピック準備局         長)      関  晴香君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会会長)   安川五郎君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 与謝野 秀君         参  考  人         (東京オリン         ピック資金財団         理事長)    靱   勉君         参  考  人         (日本体育協会         会長)     石井光次郎君         参  考  人         (日本体育協会         前東京オリン         ピック選手強化         対策本部長)  大島 鎌吉君     ————————————— 十一月六日  委員穗積七郎辞任につき、その補欠として柳  田秀一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員柳田秀一辞任につき、その補欠として穗  積七郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  オリンピック競技施設等維持運営等に関す  る件  委員会報告書に関する件      ————◇—————
  2. 島村一郎

  3. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————
  4. 島村一郎

    島村委員長 オリンピック東京大会は、先月二十四日無事終了いたしました。関係各位にはたいへん御苦労さまでございました。  この際、参考人から、それぞれのお立場において、東京大会に対する御所感または今後の諸対策等について御発言をお願いいたします。東参考人
  5. 東龍太郎

    東参考人 オリンピック東京大会は、すでに御案内のように、滞りなく終了いたしました。  この大会に対する内外の反響、あるいはまた、これに対する批判等、まことに大成功であったということでございます。御同慶にたえない次第でございます。ひとえに国民的な支持を得ましたということが、この大会成功の最大の根拠であろうと思いますが、今日に至りますまで、国会政府その他関係方面から与えられました力強い御援助、御指導、また御鞭撻に対しても、私どもは深く感謝をいたさなければならないと存じます。  東京都といたしましては、この大会準備のために、大会成功に尊きますに必要であると思われました準備をできる限り完成いたしたいと努力をいたしてまいりましたが、これまた幸いに都民の協力を十分に得ることができまして、おかげで、各般の準備、特に大きな建設事業等予定どおり完成をいたしました。大会運営に寄与できたと存ずるのでございますが、このオリンピック大会は、特にその準備事業は、東京都といたしましては都政のきわめて大きな重要な部分であるという認識のもとに進んでまいりました。幸いにそれが成功いたしましたので、今後の都政の上に、特に東京都の都市改造と申しますか、その上にこのとうとい経験を生かして今後に進んでまいりたい。ことばを変えて申しますれば、比較的短い時間の間に相当大きな都市改造的な建設事業をなし遂げることができたのでございますから、今後におきましても、今回オリンピックに対して私どもが払いましたと同じような努力を払い、また各方面からの御支援を得ますれば、東京都の都市改造必ずしも困難でないというふうに考えておりますので、この経験を生かしまして今後の都政の上に格段の努力を続けてまいりたいという決意でおります。どうか今後におきましても皆さま方方面からの御協力、御支援をお願い申し上げる次第でございます。  東京都といたしましては、この東京大会を招請いたしました一種の主人役といたしましての重い責任を果たし得た、この点につきまして、重ねて皆さま方お礼を申し上げたいのでございます。(拍手
  6. 島村一郎

  7. 安川第五郎

    安川参考人 御承知のとおり、東京オリンピック大会は、皆さんから非常な賛辞を受ける程度に、まずまず成功と申して差しつかえない程度の好成績をあげて終了することができましたことは、まことに御同慶にたえないところであります。  私が昨年二月初句就任当時、皆さん方に初めてごあいさつを申し上げましたときは、全く自信とては毛頭ありませんでした。はなはだふがいないごあいさつを申し上げざるを得なかったのであります。ただ、そのときに申し上げましたのは、はなはだ不適任であることを自覚はしますが、お引き受けした以上、私のあらん限りの力と熱誠努力は惜しまないつもりでありますということをお約束申し上げました。私としては、これに対しては私の全力をあげて、これの運営全力を注いだつもりであります。幸いにしてこういう結果を得たということは、これは私から一つことばで申し述べますならば、一億国民の総力が自然の間に期せずして一丸となって、何とかしてこのオリンピック大会成功裏に終始しなければならぬという熱誠がこもってこの結果を来たしたものと私は考えております。しからば、その国民一丸となった団結のこの熱誠というものはどういうところから生まれてきたか、これは各方面から少なからぬ御支援をいただいて、それがおのずから国民全体の奮起を促したものと断ずるよりほかないのであります。その間において政府当局東京都並びに資金財団その他、国民のこのオリンピックに対する熱意を奮起するためにいろいろの団体が結成されまして、それが有効に働きかけられたことが、かくのごとき結果を来たしたものと私は推測をいたしておる次第であります。ことに組織委員会に関する財政的御援助につきましては、政府当局東京都、資金財団、これらが十分な御援助を与えていただいたので、組織委員会も何ら財政的に不安なしに思う存分の準備対策を講ずることができました点に対しまして、本日この席におきまして、もっぱら政府当局を御鞭撻くださいましたこの衆議院特別委員会各位に対し、深甚の感謝をささげる次第であります。  ただ、一言私からおわびを申し上げなければならぬのは、それにもかかわらず、いろいろ御注文がありました点を、いろいろの観点からして十分皆さんの御期待に沿うことができなかった点が多々あるかと考えます。この点についてはここにあらためておわびを申し上げ、また、くれぐれもこれまでの格別な御援助に対しまして御礼を申し述べて、私のごあいさつにかえさしていただきます。(拍手
  8. 島村一郎

  9. 石井光次郎

    石井参考人 まずもって、皆さん方にこの長い間の協力その他御指導をいただきましたことに対しまして厚く御礼を申し上げます。  オリンピック成功は、いま安川参考人から申し上げましたように、国民こぞっていつの間にかほとんどだれも漏れなくと言っていいくらい熱心にこの問題を取り上げて応援していただきましたその結果でございますが、その火つけ役というような立場において絶えずいろいろな方面において声を上げていただきました皆さん方お力がこれのもとになっておるということを考えまして、感謝にたえないのであります。この機会に厚く御礼を申し上げます。  仕事がいよいよ始まりまして、オリンピック開催日が近づくにつれまして、私どものやる仕事といえば選手強化という点でございます。この選手強化のいろいろな問題につきましては、後ほど大島参考人から申し上げると思いますが、私どもはどうやって日本で開会されるオリンピックにおいて恥ずかしくない成績をあげ、そうしてそのりっぱな成績をあげたことによって日本青少年に強い刺激を与え、そうして日本青少年の将来というものに大きな希望と自信とを持つというような方向に持っていきたいということが——金メダルの数もさることながら、そういう先を考えておったのでございますが、幸いにいたしまして、私どもが大体予定いたしておりました、金メダル十五くらいをとりたい——この前ローマでは十三の金メダルをとり、その前のメルボルンでも十三の金メダルをとっておる。いままでは少ないけれども、少なくとも第三位になるためには十五くらいとりたいというようなことを、いろいろな点から調べて、そういう点も間違いがないようだというので、あちらこちらでわれわれは、十五くらいは少なくもとると言っておりましたが、幸いにいたしまして十六の金メダルをとり、そうして第三位に予定どおり入ることができました。これも皆さん方の御鞭撻により、そして選手諸君が懸命の努力をしたという結果でございます。  私はこれから先が大事なときだと思うのでございます。オリンピックというのは、目的でなくて、これからスタートにつくときだということを私はずっと言い通してまいりました。私ども仕事はこれからだと思うておるわけでございます。それにつきましては、皆さん方も、この委員会はどうなるか知りませんが、一体となって、どうかいままで以上に私どもを御支援、御鞭撻いただきまして、そうして日本の若人をりっぱにつくり上げる、この仕事、これはやがて国づくりであり、人づくりのりっぱな目標に向かって走るということでございます。どうか皆さん方の一そうの御支援をお願い申し上げまして、いままで長い間ほんとう物心両面とも親身になってお力になっていただきました皆さん方に、この機会を拝借いたしまして厚く御礼を申し上げる次第であります。(拍手
  10. 島村一郎

  11. 靱勉

    靱参考人 資金財団からお礼を申し上げたいと思います。  資金財団は三十五年度から出発いたしまして、会計年度としてはちょうど五会計年度にわたるわけでございますが、実際におきまして、あと来年三月までに全部清算もすっかり完了いたしまして、満四年と三カ月で終わる予定になっているわけでございますが、すでに御案内のように、当初におきましては三十六億程度、それの中には、例のIOC総会等記念会館も含めて考えられておったわけでございますが、その後、記念会館日本体育協会お力で別途おつくりになる、主として大会準備並びにそれに要する経費、並びに選手強化費というものを調達しまして組織委員会並びに日本体育協会にお配りする、こういう使命でございましたが、その後、御案内のように、日本武道館のほうにも若干の資金をお配りするというような形に附則をもって御付行為の変更がなされましたので、だんだんと金額が壊しまして、全会計年度を通じましておおよそ五十億の資金を要するということで予算も組まれておった次第でございます。その後十月三十一日までにだんだんと決算的に資金会計に入ってまいりましたが、それが予定をかなり上回りまして、十月三十一日現在で五十七億五千万円という金額に達しております。若干十一月以後まだ未整理の分がありますので、これをもう少し上回るかと思いますが、予算の五十億に対しましてただいま申したような金額に達したわけでございます。このうち組織委員会には二十八億円余りをお配りする、それから日本体育協会に対しましては十一億四千万円余、それから日本武道館に対しまして二億八千万円というような形に相なっておるわけでございます。したがいまして、残余財産というものが出てくることは明瞭でございます。  そこで、こういう多額資金が調達できましたものとしてはおもにどういうものであったかと申しますと、第一に大きかったのは、実は政府並びに国会におきまして特別の立法をやっていただきまして、これによりますところのものが、御案内のように、郵便切手あるいは電電公社電話番号簿の広告、それから専売、国鉄の御協力ということで総計二十一億九千七百万円、約二十二億というものがそういうところから入っております。なお、この私ども資金財団ができます期間におきまして改正になりました公営競技規定におきましても、スポーツの振興というものが入っておりましたので、その規定によりましてなお公営競技から入りました資金は十五億四千四百万円、こういうものが入っております。これは主として政府国会の、特にまた本委員会におきまして特別に御支援いただきました結果でございまして、この機会に厚く御礼を申し上げる次第でございます。  なお、億以上の資金を調達できました対象を申し上げますと、銀行はじめ全国金融機関の御協力によりまして、オリンピックのために割り増し金付定期預金という特別なものをつくりましたが、これで約五億八千七百万円、それから会社個人団体等寄付として四億七千万円となっておりますが、これはいろいろな内容がありまして、法人としては百九十六、個人としては五百六という方々からの御器付で、この中には、非常に金額としては小さいけれども毎月毎月御寄付を願ったものもありますし、また非常に大きく会社から御寄付をいただいたものもありますし、あるいはたとえば全国の未亡人の方々が三千万円という寄付をされたというような、いろいろな内容を持っておりますが、これが四億七千八百万円ということに相なっております。それから地方の自治体でお出しになっております宝くじからの御協力が三億六千万円余り、それから純粋の寄付国民全般寄付でございますが、財団直接でいたしました十円募金、これが二億八千万円余りということになっておりますし、それからゴルファーの方々からちょうだいしましたのが一億八百万円ということで、一億を突破しております。その他いろいろこまかいものがありますが、億単位以下のものは省略させていただきますけれども、このように、ある意味におきましてほとんど全国民の御協力によりまして、十月現在におきまして七億余り、もう少しこれはふえるわけでございますが、そのような結果に相なったわけであります。この国会を通じまして、議員皆さま、各機関方々に対しましても深く感謝の意を表したいと存ずる次第でございます。  財団といたしましては目下これの整理の段階で、非常に急いで現在整理をいたしておりまして、大体十二月中には解散いたしまして、清算の統一的な機関がありますので、三十九年度中に完全に一切を整理できるような体制にいたしたいと思っております。特にこういう寄付、御協力くださいました方々に対しましては、私ども詳細な記録をつくりまして、個人的にわかる方には全部記録記念として差し上げるようにいたしたいということを考えておりますが、財団はあくまでそういう方々の御協力をただ取り次ぎする機関と申しますか、あるいは、財団は主として事業計画してそれによって資金を調達するということに相なっておるので、そういう企画をしたということで、財団自身としては特別なあれはないわけでございます。一にこれに御協力くださいまして多額資金を御寄付くださいました皆さま方、これに対しましておこたえできますのは、先ほど三人の参考人方々のお話がありましたように、また一般国民の御批判がありますように、大会が非常に成功した、資金財団大会成功させるためにその準備並びに実行の計画それから開催国としてふさわしい競技成績を得るための競技技術の向上のため、これらが二大目的でありましたので、それをおかげさまで所期の目的をそれぞれの機関で十分お果たしくださいましたということが、私ども資金財団としまして、多くの方々に接しまして資金をお願いした方面に対しまして、これが一番のわれわれの恩返しになる、こういうふうに感じておるわけであります。各方面お力に対しまして深く感謝申し上げる次第であります。(拍手
  12. 島村一郎

  13. 大島鎌吉

    大島参考人 オリンピック大会成績の面では、先ほど石井会長が申されましたとおり、一応予想あるいは目的といたしておりますところの線へ到達いたしました。これにつきましては、オリンピック東京大会準備促進特別委員会皆さま方、特にこの会議の席上われわれを鞭撻していただき、あるいは支援していただいたりいたしましたと同時に、先ほどから話がありましたとおりに、国民皆さま方の非常に大きな物心両面支援があったことはもちろんでございますが、実質的にあるいは本質的にこれをながめますときに、私たちスポーツ界の者、きわめて小さい社会でございますが、この社会におります者が、日本人の、あるいは日本青年の現在持っておりますそのポテンシャルと申しますか、可能性がどの程度開発できるものであるかどうか、かつてやったことのないこの試みをひとつやってみょうではないか、可能性を追求しようではないか、その結論を、世界じゅうからやってまいりますところのいわゆる世界の強豪とぶつけてみて評価をしてみようじゃないかという考え方に立っておったことは、いつかのこの委員会に申し上げたとおりでございます。私たちは今度の大会で、すべてスポーツ界努力をしたわけでございますが、その結果があのように証明されたと思うのでございます。したがいまして、私たち競技の場においてこれがかなりの影響力を持つであろうということを期待いたしておるのでございます。  私たちのやりましたことは、とにかくその小さな社会におきまして、われわれの良心の声を聞きながらベストを尽すということだけをやったわけでございまして、たいしたことはやっていないのでございますが、過分のおほめのことばをいただきまして、まことに恐縮に思っておるわけでございます。しかしながら、全体から申し上げますならば、五カ年計画というのはまるでインスタント計画でございます。本質的にわれわれが持っておりますところ子供たちの成長の過程に関連させましてこれを開発していくというようなことは、これはスポーツ世界だけで行なわれることじゃなくて、教育並びに政治の世界で行なわれることは言うまでもないわけでございます。しかし、インスタントでもある程度やれるんだという確信を持ち得たことをたいへんに喜んでおるわけでございます。と同時に、今回の成績というのは、一応、日本人、われわれの持っておりまする青年の力がすぐれたものであるという一つの確証を得たと思うのでございます。しかし、これが実証を得るには、四年後のメキシコオリンピック大会でもう一度十六の金メダルあるいはそれ以上の金メダルをとらなければならないのではなかろうか、かように考えるのでございます。東京大会では、なるほど、各方面の非常なる御協力の中に、しかも地の利を得まして、十六の金メダルをとったのでございます。しかし、メキシコ大会で同じ十六をとるということは、これは大事業であろう、かように考えるのであります。しかしながら、われわれが持っておりますところ青年並びに少年の能力というもの、力というもの、これが何であるかを実証するのがこの次のオリンピック大会であろうと思うのでございます。そういうような意味におきまして、私たちは私たちなりに、来たる十一月の二十六日、七日、それぞれの競技団体全部が集まりまして、現場の者が集まりまして、今回の成績に対するところ反省を行ない、メキシコ大会に対するところ対策を打ち立てる考えで目下準備を進めておるわけでございます。今回はほんとうに端的に、弁解ない態度で虚心たんかいに反省をしてみたいと思うのでございます。  私たちのやりましたことはたいしたことではございませんし、ああもやらなければならぬ、こうもやらなければならぬ、こうもやったらよかったであろうと思うようなことは、いまから反省して、あるのでございますが、今度のメキシコ大会に対しては、過去五年間の経験などにもかんがみまして、比較的間違いのない方法をもって青少年能力の開発に努力をしたい、かように考えておるわけでございます。このことは、先ほど石井会長もお述べになりましたとおりに、青少年の問題と関連を持つことは当然であるわけでございます。これは、私、体育協会に直接関係はございませんが、体育協会が今後本気でこれに取り組む必要があるのではなかろうか、かように考えておるのでございます。  いずれにいたしましても、われわれのささやかなる努力が各方面から非常におほめのことばをいただきまして、恐縮に存じておるのでございますが、問題はこれからである、かように考えております。同時に、従来からたいへん御指導、御鞭撻いただきましたが、立て直るであろうところの新しい体育協会に対しましては、ひとつさらに一そう御指導、御鞭撻をいただきたい、かように存じておるのでございます。  ほんとうにどうもありがとうございました。(拍手
  14. 島村一郎

    島村委員長 この際、委員から発言を求められておりますので、これを許します。田中榮一君。
  15. 田中榮一

    田中(榮)委員 当委員会も、昭和三十六年九月に発足いたしましてちょうど満三年に相なりまして、この九日に臨時国会が開かれますが、この臨時国会が開会されるまで続きまして、八日に正式に解散されるそうでございまして、いよいよこれが最後の委員会でございますが、この機会発言をさしていただきたいと思います。  今回のオリンピック大会につきましては、もうすでに各方面からの声もございまするし、大成功のうちに完了いたしましたことは、ひとえに関係各位の非常な御努力と過去四年間にわたる綿密周到なる準備というものが功を奏しまして、このようなりっぱな成功をおさめましたこと、これはひとえに各位の御努力と苦心の結晶のしからしむるものだと、われわれ議員ほんとうに心から感謝をいたしておる次第でございます。  今回のオリンピックというものは、日本戦争に負けまして、経済的に財政的に文化的に、あらゆる方面日本が復興した姿を世界民族に示して、そして日本がいわゆる戦争を好む民族でない、あくまで平和を愛好する民族である、しかも今日のこの経済の繁栄を来たしたのは、全く世界各国協力のしからしむるところであるということを世界に示した意味において、私は、日本立場世界に示し、日本に対する信頼感世界に深めたものと確信をいたします。この意味におきましても、私は、今回の金メダルの数のいかんにかかわらず、オリンピックというものは日本としましては大成功の収穫をおさめたものと確信をいたしておるのでございます。  そこで、これは質問ということよりも、むしろ要望になると思うのでありますが、わが国の競技の中で、柔道でございまするが、これは今回の東京オリンピックに初めて正式種目として参加を許されたのでございます。ところが、残念ながら、柔道種目メキシコ大会におきましては廃止されるということが大体IOCにおいてはさまっておるということでございまするが、われわれ日本国民としましては、日本のお家芸である、しかも日本の伝統的な柔道が、せっかく世界オリンピックのひのき舞台に脚光を浴びた瞬間に、次のメキシコ大会においてこれが姿を没するということは、まことに残念なことでございます。今回のオリンピックに来朝せられましたヨーロッパの柔道連盟の会長のボネモリ氏、それからヨーロッパの役員であるエルテル氏、それからまた、IOCの事務総長のジョナフ氏等に先般会見いたしましていろいろ実情を聞いたのでございます。その際に、これらの人々の言うことには、すでに一応は廃止ということになっておるが、必ずしも復活の見込みのないことはない、それは明年の十月スペインのマドリッドにおいてIOCの総会が開催される予定である、われわれはこの総会において強くこの復活を要望する必要があるであろう、ついては、この柔道正式種目に加えるためには、どうしても現在のオリンピック競技種目に関する規定の改正をせねばならないと思う、したがって、この規定の改正ということが非常に困難ではないかと思う、要するに、この総会において規定の改正を審議することになるであろうが、明年十月のマドリッドにおけるIOCの総会というものが、柔道なり、あるいは女子バレー等の復活の一応の山となるであろう、こういうことでございます。つきましては、現在、世界柔道連盟の会長は、日本の詩道館の館長がなさっておるのであります。ヨーロッパの国の人々は、当然会長日本がやるべきである、どうしてもこのお家芸を持っている日本柔道を生んだ日本が先達になってこの復活に中心となって働いてもらわなくてはこの復活は非常にむずかしいのである、どうか日本皆さん方もそういう気持ちでひとつこの際日本方々が先頭に立ってこの柔道の復活に協力してもらいたい、こういうようなお話であったのでございまするが、この点につきまして、東都知事に、むしろIOC委員としてお尋ねいたしたいのでございますが、この柔道の復活というものははたして可能であるかどうか、その点につきまして、IOC委員としてのお見通しその他につきましてお聞かせを願いたいと思うのであります。
  16. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの田中委員の御質問でございますが、これはIOC委員としての立場でお答えを申し上げたいと存じます。  いまお話のとおり、柔道は次回のメキシコ大会競技種目のうちには含まれておりません。これはメキシコ大会競技種目を十八種目にしぼりまして、現在認められております二十一種目の中からどういう十八種目を選ぶかというその選択の際に、遺憾ながら柔道はその選に漏れましたので、現在の決定に基づきますと、メキシコでは競技がないことになっております。ただしかし、これに対しましては、国際柔道連盟が非常に強い遺憾の意を表しております。その理由は、初めて東京大会オリンピック種目としてやられる競技、したがって、まだ一度もオリンピック競技としてだれも見たこともないし、またこれを運営したこともない、その段階において、もうその次には柔道種目からはずすというようなことでは、この柔道というスポーツの今後の発展、特に国際的な発展に対して致命的な影響がある、こういうことを考えないでIOCが決定したということはまことに早計であるというふうな、抗議を含めた陳情も出ております。そこで、先般東京大会に先んじて開かれましたIOC理事会並びに総会におきましても、この国際柔道連盟から出ております陳情を取り上げまして、それについての意見の発表もございました。その結果は、陳情の趣旨はまことにごもっともである、したがって、その中にもあるように、今回東京における柔道競技というものの実績等をよく見て、そうしてこの柔道の問題をあらためてマドリッドの総会で取り上げることにしようではないかということでございました。いまお話のございました理事会は、マドリッド以前に、おそらく六月ごろにローザンヌで開かれると思いますが、もちろん、そこで取り上げませんとマドリッド総会でも議題とならぬおそれがありますから、理事会で取り上げてもらうように私も努力いたします。あいにく、私は今回の大会が終わりますまでの理事でございまして、理事を退任いたしましたので、来年の理事会には出るわけに参りませんが、しかし嘉納会長とも十分緊密な連絡をとりまして、理事会においてこれをマドリッドでいかに処理するか、メキシコにおいて柔道が正式の種目に取り上げられます道は、いまお話のございましたように、十八種目に決定をいたしましたその種目制限を何らかの形で緩和させるかということでございます。これは開催いたしますメキシコがぜひやりたいのだという強い意思を持つことがまず第一であると存じます。この点につきましても、メキシコ委員とはすでに緊密な連絡をとっておりまして、メキシコとしては柔道種目に加えることに何ら異存はないということを申しております。したがって、女子バレーボールの問題よりは多少困難かとは思いますが、しかし、私は望みなきにあらずと申し上げたいのでございます。しかも今回の東京大会柔道競技は、あの武道館というりっぱな施設も幸いいたしましたが、相当多数のIOC委員その他外国の関係者があれを見ておりまして、強い印象を受けておりますし、いいインプレッションを得ておりますので、支持をする向きが相当多くなったのではなかろうかと思いますので、マドリッド総会において、何らかの形で柔道の復活と申しますか、柔道競技種目として取り上げられますように、私どもできる限りの努力をいたす覚悟でございます。
  17. 田中榮一

    田中(榮)委員 今回の東京オリンピック柔道種目で参加した国が、私は、数ははっきり申し上げかねるのでありますが、たぶん二十七九国かと覚えておりますが、そのほかに、先般アフリカの代表の方がお見えになりまして、現在アフリカにおいても十四カ国の国が柔道連盟をそれぞれつくって柔道の振興にいそしんでおる、将来アフリカとしてもぜひともひとつ世界柔道連盟に参加してオリンピックに参加したい、かような強い希望を持っておるのであります。そういたしますと、もしアフリカ十四カ国がこれに加盟するといたしますれば、少なくとも四十カ国以上の国が柔道国として参加するような、相当な柔道熱が各国に盛んになっておるような状況でございます。それから国内の柔道人口から申しますと、正確な数字はわかりませんが、一方において、あるいは七十万といい、あるいは八十万といわれております。かように国内の柔道人口の数から申しましても、おそらく武道の中では柔道人口というものが一番多いのではないかと考えておりますが、こうした点を十分ひとつお考えくださいまして、一応は主催国のメキシコに対しましても十分に働きかけることは肝心でありますが、やはり何と申しましても国際柔道連盟が中心になってIOCに呼びかけるということが肝心でございますので、東委員はおやめになったのでありますが、どうかひとつ今後ともさような意味におきまして側面からもぜひとも復活方について御協力をわずらわしたいと考えております。  それから次にお尋ねいたしたいのでありますが、オリンピック競技の中で、ウェート・リフティングあり、柔道あり、バレーあり、競技がたくさんございます。それの中におきましても、オリンピックというものはギリシアのアテネにおいて発展したその歴史の過程から見ましても、やはり陸上競技というものがあくまで中心であり、これに水泳というような最も大衆性のある競技というものが中心でなくてはならぬかと考えております。しかも、この陸上競技なり水泳というものは、もう日本のみならず、世界各国において国民の間に普及されております。日本も、国民の体位向上であるとか、またスポーツ振興の意味におきまして、この陸上競技と水泳というものはずいぶんいままで訓練もされておったのでございます。かつては陸の王者、水の王者日本世界に君臨した時代もあったのでありますが、いまや日本は、一葉散って天下の秋を知るというような、まことに寂蓼な時代でございます。私は今日のこの成績を見て決して失望はいたしておりません。これは日本が弱くなったのではない。世界が目ざめて強くなったのだ、かように考えております。世界の国々の指導者がオリンピックを目ざして精進をし努力をしてそうして今日の水準に達したものと考えております。むしろ相手の進歩のほうが日本の進歩よりも一歩先んじたというふうに私は考えられるのでございます。アメリカの水泳の監督のキッパス氏が、実は自分はアメリカの十二、三歳の少年少女を目標にして来たるべきメキシコ大会においてアメリカの水泳の黄金時代をつくろうという計画で訓練をやったんだ、それが何と四年早くできてしまった、東京大会にこの黄金の花が咲き誇ってしまった、これではとてもいまの十六、七歳のあの選手メキシコではもう使えなくなる、あとがつかえているんだ、こういうようなことを言っておられたそうでございますが、やはり今後の水泳にしても陸上競技にいたしましても、どの競技でもそうでありましょうが、大学生あるいは高等学校の生徒というものを中心というよりも、むしろ、小学校の生徒、十二、三歳の生徒を中心にして、それから中学校、高等学校大学校というように、大学生が出るというのはもうオールドボーイである、少なくとも中等学校の三年生か高等学校の一、二年生くらいが出る程度選手をこれから養成するというところに心がけていかないと将来私はオリンピック競技というものはいつもひけをとるのではないかというように考えられるのであります。  そこで、本日のスポーツ新聞に、水泳の高石会長が、文部省が小学校、中学校の対外競技を次官通達で禁止しているのは、これはひとつ解除してほしいということも言っておられたのでございますが、これも一つの方法であるかも存じませんが、これと同時に、もっと根本的な対策が必要ではないかと私は考えております。単に次官通達を解除しただけでは不十分でありまして、あるいは施設の面であるとか、コーチを養成するとか、あるいはもっと選手に対する一つ指導の要領といいますか、心がまえといいますか、そうしたものの目標の掲げ方、そうした根本的な一つの改善策が必要ではないかと考えております。  それからまた、最近の競技の方法では、何々大学の水泳部であるとか何々大学の陸上競技であるとか、一つの小さなかたまり、学校の部のかたまりが中心になって、それがやがて固まって一つの今日のオリンピック選手群をつくっておりますが、私は、学校の部というものはそれでよろしい、早稲田大学、慶応大学、法政大学、部というものは部として大いに活躍してもらう、それと同時に、その部以上の大きな一つのクラブ組織であるとか、そうしたものをつくって、そうしてその上にりっぱなコーチを置いて、そうして学校とか、そういうものの壁を取っ払ってしまう、そうしてりっぱなコーチのもとにあくまでオリンピックの水準を目ざして平素訓練し、平素これをけいこしていくということが必要なことではないかと考えておりますが、こうしたことにつきまして体育協会石井会長はどういうお考えでいらっしゃいますか、ひとつ御意見を承りたいと思うのであります。
  18. 石井光次郎

    石井参考人 これから先の運動をどうやってりっぱにしていくか、特に水泳、陸上各運動どれもりっぱに伸びていかなければなりませんが、その中でも特にオリンピックの発達経路から見て陸上が大事で、それから順次いろいろなものにりっぱな成績をあげていくということを考えて、いまの成績を振り返りますと、まことに残念千万な成績であったということでございます。全体といたしましては、さっき私が申し上げましたように、このくらいの成績は得るであろうと言っておったところに到達し、それ以上の成績を得まして、これはみな国民ほんとうの声援の力だと思うくらいでございますが、何とかして陸上に、何とかして海国日本といわれます日本の水泳にいい成績をということは、私どもはもちろんのこと、皆さん方も非常に御熱心に声援をし、いろいろ指導もしていただいたのでございましたが、結果はあのとおりでございます。まこと残念千万でございます。しかし、ただ残念がっておってはしかたないのでありますから、これをどうやってこの次に備えていくか、日本人はもうあれっきりで、もう伸びることはできないのだ、ほかのほうも伸びていく、それを追い越して伸びていくということはたいへんな仕事であるが、それだけのことはもう日本人はできるかできぬかという問題から考えなくちゃならぬと思うのでありますが、いままでのところでは、この訓練の方法、それからさっきちょっとお話が出ました制度の上にも至らないものがあると私は思う。日本全体の青少年をみごとに育てていく、ただスポーツマンとしてでなく、人間としての青少年をりっぱに育てていくために、スポーツに力を入れることが正しいということでございましたならば、いろいろなものを直すものはたくさんあるように私ども思うのでございます。体育協会内に委員会を設けまして、その委員会において、どうやってこれから先の問題をやっていくか、さっき大島君が選手反省会をやるということを言っておりましたが、これは選手強化団長として大いにやっていただくことけっこうでございますが、体育協会といたしまして全体の国民の問題を考えます場合には、相当いろいろ直さなくちゃならない、そうしてみんなの訓練をやっていくという、両方と申しまするか、三つも四つもいろんな問題を考えて、そしてこれは私どもだけではできない問題もありまするし、あるいは役所のお世話、皆さん方の御支援と、それから財界等の御援助というようなことと、ありとあらゆるものを総合して、必ずこの次はりっぱな青年の運動層の厚い、そしてそれは健康なからだばかりでなく、健全な思想を持ったりっぱな青少年を送り出すことができるようにという考えで、実は特別の委員会を設けて、いま研究というか、その相談を始めているということで、ずっと前から準備にかかっておるわけでございます。オリンピックも昨日選手の解団をやりましたので、あと始末はいろいろありまするが、あと始末はあと始末といたしまして、前進ずるにはどうしたらいいかということについてこれからうんと力を向けていくつもりでございますから、特に皆さん方はそういう方面においてはどしどしといろんなことをお教え願いたいと思うわけであります。  いまお話のありました柔道のこの次の加盟問題につきましても、この一つをとっても、IOCが入れるとか入れぬということをきめるには、その前にそれだけの資格ありやという問題が私はあるだろうと思う。ただ簡単に、この間は日本だからやった、今度はやめる、そんななまやさしいものじゃないと私は思っております。はたしていまの世界柔道連盟の規約等がそのままでいいのか、日本をその対象にしておるという世界各国の柔道家の考えはそれでけっこうでございますが、それにははたしていまのままでいいのか、いろんな問題を私どもは考えなくちゃならぬものがあるだろうと思う。IOC理事会の前に柔道家としては柔道問題を特に考えなくちゃならぬ。日本の武道としての柔道、それから国際スポーツとしての柔道柔道にもまたそこに考え方の分かれ目もあるわけでございます。  これらの問題等を考えますと、他にもたくさんの問題がありますが、これは一々取り上げましてできるだけの努力をするつもりでございますから、どうか皆さん方お力添えをお願い申し上げます。
  19. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいま石井体育会長からいろいろ御説明がありまして、了承いたしました。  なお体育関係方々には、オリンピックが済んでやれやれと思ったあとで、私はたいへん御苦労であろうと思うのでありますが、四年後と申しましても、四年というものはまたたく間に来るのであります。したがいまして、どうか四年後のメキシコ大会に対する対策はひとついまのうちに早急に立てていただきまして、今後のメキシコ大会におきましても今回同様に有終の美を全うするような成果をあげるように御努力をお願いいたしたいと思うのであります。  そこで、今回のオリンピック全体でございますが、少なくとも国会議員というものは、政党政派を超越いたしまして、スポーツ振興、オリンピック対策に対しましては今日まで協力申し上げてまいったのでございます。国会におきまして政策的に各党が激烈なる闘争はいたしておりました。しかしながら、事いやしくもスポーツあるいはオリンピックに関しましては、各党は全く一体となってこれに協力をしてまいったような状況でございます。私は、この気分といいますか、この体制というものはおそらく今後もくずれまいと考えております。したがいまして、メキシコ大会に対する備えに対する国会側の協力体制と申しますか、そうしたものは特別の委員会を設ける必要がありやなしや、これはひとつ委員長等の最高の御判断を願いたいと思うのでありますが、どこかの委員会でやはりメキシコ対策に対する特定の事項につきましてお取り上げになって、専門に十分ひとつ御協力願えるものと考えておりますが、こうした点につきましては委員長におかれましても十分に御勘案願いまして、あとのことはあとのことでひとつ十分御考慮のほどをお願い申し上げたいと考えております。  それからもう一つは、できた施設の問題でございます。今回のオリンピックにおきまして、各競技種目を完全に遂行するために、各競技場として世界に誇るりっぱな施設、殿堂ができたわけであります。一例を申し上げますと、日本武道館におきましても、二十二億の巨費を投じまして世界に誇る武道の殿堂ができたのでございますが、これを今後どうして維持経営していくかということが、これは非常に関係者が頭を痛めておるわけでございます。オリンピックの行事のあと各種団体がそれぞれあの武道館を使っております。あるいは三菱会社の総連合の武道大会であるとか、警察の武道大会であるとか、あるいは総評からも全国の剣道大会を開くからというのでいろいろと御利用願っておるのでございます。御利用願うことは非常にうれしいのでありますが、しかし、正規のこれが使用料を取るといたしますと相当な多額の金になりまして、はたしてそれらの多額の金を出して利用できるかどうかという問題もございます。それから、ことに日本武道館に関しましては、財団法人組織で経営いたしておりますので、おそらく四十年度の公租公課は一億になんなんとするのではないかと考えております。はたして一億の公租公課が支払えるかどうかという問題もございますので、こうしたことにつきましては、今後この維持経営につきまして文部省におかれましても十分に御考慮願いたい。それからまた、これを一般の国民の体位向上、スポーツ振興のためにどのように活用されていくかということは、まだ十分対策等もできていないと思いますが、これらの点につきまして、文部省側といたしまして、今後どういうふうに利用されていくか、維持管理されていくか、まあ大体のところでけっこうでございますが、われわれもできるだけ御協力申し上げたいと思うのでありますが、それらの点につきまして、構想だけでもけっこうでございます。ここで話せる程度でけっこうでありまするが、お話し願えればありがたいと思うのであります。
  20. 前田充明

    ○前田説明員 オリンピック施設が非常に多くできまして、文部者の関係といたしましても方々にできましたものでございますから、これはどうやって利用していくかという御質問でございますが、文部省の、国でやりました関係につきましては、これは主として屋内総合競技場並びにバスケット競技場、これがまあ一番代表的なものでございますが、これにつきましては、ただいま使用料等につきましては、大体の案はできておりますが、まだ決定をいたしておりません。そこで、方針という点で申し上げますが、収入を全然なしということはないわけでございまして、収入はもちろん見込みますが、その収入と支出との差し引き額は国から補助する、そういう仕組みで予算を要求いたしております。大体まあ半分近く国から補助をいたします。したがいまして、必要な支出といいますか、支出の額の半分ぐらいがいわゆる収入で、国から半分ぐらいということの現状になっております。そういたしますから、実際の必要なそれにかかる費用よりはもちろん安く一般に貸す、こういう考え方になるわけでございます。  それからもう一つ、利用者の問題でございますが、これはいわゆる選手だけの利用ということでなしに、一般に公開をいたしたい、たとえば水泳場でございますれば、水泳プールとして一般の人を入れる、そういう考え方で進めております。陸上競技場においても同じでございます。  それから武道館のお話がございましたが、武道館等、これは補助金を国から出しました団体でございますが、まあこれらの問題については今後大いに検討しなければならないのでございますが、文部省といたしましては、やはり補助金を要求いたしまして、そうしてもちろん収入もある程度見込んでいただいて、補助金をそれにプラスするということで要求をいたす、そういうような考え方でいま進んでおる次第でございます。
  21. 島村一郎

  22. 柳田秀一

    柳田委員 私は、明日議院運営委員会が開かれますが、そのときに、オリンピック特別委員会はおそらく次の臨時国会からは、これは準備促進ですから、発展的自然解消といいますか、そういうことになると思うのであります。それで、きょう各党の方には非常にスポーツに御熱心な方もおられるのですが、問題はまだ残っているわけですね。たとえば、札幌に誘致したいという冬季オリンピックの問題、あるいは学生オリンピックともいうべきユニバシアードを日本に開きたいという問題そういうような意味からすると、東京オリンピックというような目標から見ると少し規模は小さいにしても、国会関係として、いわゆる縁の下の力持ち的に御援助申し上げるような機関が恒久的にあってもよいのじゃないか、そういうことを考えますので、きょうは各党の方も来ておられますから、これは最初にそういうことをひとつ御検討願いたい。  同時に、この東京大会清算が終わりましたならば組織委員会は解散します。靱さんも来ておられますが、おそらく資金財団も解散されるだろうと思うのであります。ところが、選手強化は絶えずやらなければならぬ。いま大島団長は、インスタントでもある程度の力はついたと言われた。ところが、メキシコ大会と言われますが、メキシコ大会、さらにその後の七二年の大会、さらに七六年の大会というように、インスタントでなしに、コンスタントにやはり選手強化はやらなければならぬ。選手強化の実は上がったと思うのです。特にレスリングにしても体操にしても、バレー、ボクシング、これは非常に上がった。あるいはバスケット、サッカー、ホッケー、フェンシング等も非常に上がっておる。上がらなかったのは陸上と水泳とボート、はっきり言ってこの三つ。そのほかのものは上がっておると私は思う。これだけ上がっておるということは、やはりやりようによってはまだまだ伸びるわけです。われわれいま国民の間には体格に関するコンプレックスがかなり出ておると思う。こんなものは私はそう問題にする必要はないと思う。日本人の体格もどんどん伸びる。現に、ふるわなかったところの水泳を見ましても、そう体格が劣っておるとは思わない。やはりこれは選手強化一つの方法であると思う。きょうでしたか新聞に、三段飛びの優勝者が、日本の三段飛びの将来が非常に暗いような見通しに対して、彼は彼なりに、日本人で十分やれるじゃないかということを言っておるのですが、私は非常に参考になったと思う。そういう意味において、選手強化というものはやはり続けていく必要があると思う。一人や二人の選手強化を続けるのではなしに、選手強化を続けるということが、日本国民全体の選手を選ぶもとの底辺の層の厚さを養成することだと思う。層の厚さがなければ選手は出てこないのですから、層の厚さを養成すること、そういう意味においては何らかの機関が私は必要だと思う。体育協会長さんもここにお見えになっておりますが、いまと同じ組織はできぬにしても、やはり政府からも資金は流れる、先ほどもおっしゃったように財界からも資金は流れる、あるいはそうじゃなしに、また別途の機関からひとつそういうような流れ出る機関があってもいいのじゃないか、そうなってくると、この国会の特別委員会、こういうもの、また、これと同じような形ではないにしても、何らかそういう意味において援助する機関国会に設けることも断然私は考えていいのじゃないかと思う。同時に、選手強化のような機関も、私は、資金財団とは別個の形においてこれは恒久的に考えていいのじゃないか、こういう点もひとつお考え願いたいのですが、特に選手強化の点でそういうような何らかの機関というものをどういうふうに体協では受けとめておられるか。これは私は今後やはりそういうものは必要だと思うのですが、協会長さんのお考えを聞いておきたい。
  23. 石井光次郎

    石井参考人 いま柳田委員からお尋ねの点でございますが、私どもはさっき申し上げましたような心持ちでこれからの青少年スポーツをうんと奨励し、そうしてスポーツをやる青少年の層を厚くしていく、これが大事だ、それには、いまおっしゃったように、資金の必要もあれば、これに伴いまするまたいろいろな御援助も必要なわけでございます。まずそれをどういうふうにやっていくか。われわれのところだけでやれる、安心しておりなさい、私はまだそういうはっきりしたことを言える状態ではないと思う。かりに私どもがいまの倍の力を出してうんとやりましても、なおかつ皆さん方お力を受けなくては私はもっとよくはならぬと思うのであります。どんどんたくさんの人が力を入れれば入れるほどこれはよくなる問題だと私は思うのでございますから、さっき申しましたわれわれの中の委員会で、どういうふうにやっていったらいいかというまず原案をこしらえて、いろいろな方面ともあるいは御相談を申し上げたいと思います。
  24. 柳田秀一

    柳田委員 私が言ったのは、資金財団というものはやがて解散する、それで、端的に申せば、資金財団にかわるべき何らかの組織というか機関のようなものがあって、絶えずそこから選手強化のカロリーが供給されるようなことを考える必要があるんじゃないかということを言っておるのですが、体協のほうでは何か原案がございますか。オリンピックが済んだのですから、資金財団組織委員会もなくなる、そういうことに対しては体協のほうではいまから相談なさるのですか、すでに相談できておりますか。
  25. 石井光次郎

    石井参考人 資金財団は解散いたしますが、いままでもずっと、よその国に向かって選手を送る、たとえば外国のオリンピックあるいは東洋のオリンピックというような場合に出す金等は、そのとき力を入れるのでございまするが、体育協会内に資金部門があるのでございます。そしてこれは、太田垣さんがなくなりましたから、いま小林中君が委員長でやっております。これで金を集めてもらっております。だから、一応のことはやれるのです。しかし、それよりももっと力を入れろという問題だとすると、いろいろなものを研究しなくてはならない、こう思います。
  26. 柳田秀一

    柳田委員 それは体協の中にそういうものがありますけれども、それでは政府の金が入りにくいですね。入らないですね。体協としては政府から補助金は出ておりますけれども、体協の部門の中へは政府の金は入りませんね。資金財団なら政府の金は入るでしょう。資金財団では直接入りませんか。
  27. 靱勉

    靱参考人 資金財団には政府から入りません。ただ、先ほど申しましたように、今回は特別立法を文教委員会なりオリンピック委員会でやっていただきました結果、非常に大きな比率で資金が調達できましたことは、先ほど、まだおいでにならぬ前に御報告申し上げました。
  28. 柳田秀一

    柳田委員 私の尋ねたのは、政府からの金も、それから財界からの金も、あるいは一般の浄財、そういうようなものが一つに集まってくるような機関をひとつコンスタントにつくっておく必要があるんじゃないかということを言ったのですが、それに対しての石井さんのお考えはどうですか、こういうわけです。体協そのものに政府から補助金がいくことも、体協の中にそういう部門があるということも知っている。そうでなしに、政府からも一般財界からもそういうふうに金が入ってプールできるようなところから絶えずカロリーが競技団体に出るような仕組みをこの際考えておく必要があるんじゃないかと思います。
  29. 石井光次郎

    石井参考人 体協の資金部門というものは、民間から金を集めるものでございますが、政府からも御援助をいただいて、そういうものをどんぶりにして一本に入れて、そうしていまのようなことをやっておるわけなんです。だから、現に政府からも皆さんの御協賛を得て援助を受けておるし、それから民間からの寄付——どものほうは、体育協会はいままでは金を持たない、ようやく今度お茶の水の会館を売りましたので金が少し残りましたから、それの利子であすこの掃除や何かの建物の維持をしていこうという程度のものでございまして、何もかもあなたまかせでございますから、皆さん方お力を借りなければ何もできない。今後はそれをどうしても予算を立てて——まず支出のほうの予算をあらかた立ててみますると、いままでのようなことでは、ほんとう選手強化青少年の教育なんて、演説はしても、実際上は何も出てこないということになるのでございますから、そのほうをどういうふうにしたらいいかということで、あなたのおっしゃっておる心持ちと大体同じような心持ちだと思うので、それぞれこれから研究していきたいと思います。
  30. 柳田秀一

    柳田委員 これくらいにしておきますが、体協のほうにもようやく私なり自民党の川崎君なんかが骨折って補助金を出したのは知っているのです。それは体協の運営費としてで、選手強化費としては出していない。そういう意味で、新しい選手強化費として政府からも恒久的に出したほうがいいのじゃないか。それには、体協に出すのか、そうではなしに、別途に機関をつくって、そこに財界からのものも入れるとか、選手強化という一本の目的のために恒久的に資金を出すような機関をつくったほうがいいのじゃないかということを私は言っている。  それからもう一つ、総務長官が来ておられるからお尋ねします。  文部省が体育行政をつかさどっておるのですが、今日文部省だけで体育行政をつかさどっておるというのでは、選手層は薄くなると思うのです。今度のオリンピックを見て、日本選手一つの欠陥といいますか、大島さんも痛感しておられると思いますが、一つには、選手の年令の低いほうの層において欠陥がある。それには文部省がガンをなしておる。蒔石君も言っておるように、文部次官通達というものを出して県外対抗試合を禁止されておるということは——今度の水泳の成績が悪かったから、それから、ほかのアメリカ各国のティーンエージャーの成績がよかったから、このことが出てきたのじゃないのです。文部次官通達というものが非常にガンをなしておるということは、三年も四年も前から出ておる。文部省のほうもその声を聞いて、特に水泳に関する限りは次官通達をゆるめられたでしょう。そういうように、ティーンエージャーというか、いわゆる文部省が監督されるような学校教育としての文部省所管のスポーツ振興という面においても日本選手層は欠陥があったと同時に、今度は社会人になってからの日本選手層の欠陥というものが出ておると思う。これは水泳なんか別ですが、ほかの競技を見ると、非常に出ておる。ところが、この前文部省にスポーツ振興法をつくらしたところが、まるで学生生徒のことしか書いていない。スポーツというものは職場においてもやっておるということを、文部省は自分の所管外なものだから、考えていない。あのとき立案の過程において私も文部省に行ったが、いま職場におけるスポーツというものは非常なものです。そうなってくると、職場におけるスポーツは労働者が担当することになるのです。それから厚生省も管轄することになる。文部省ばかりにまかしておってはできないのです。選手層の薄さというものは、下の層においても薄いし、上の層においても薄い。だから、政府のほうにおいても、スポーツ振興というものを単に文部省だけにまかしておくことはできない。文部省にも厚生省にも労働省にも関係してくるわけです。そこで、特に総務長官はスポーツマンですから、そういうスポーツ振興ということに関して政府はもう少し本腰を入れる必要があるのじゃないか、そういう意味において、やはり政府のほうでも大いに検討していただきたいのです。たとえば、今度パラリンピックというのを開きます。そうすると、それに出る日本選手はみな療養所の選手ですが、外国の選手は、職場復帰した選手です。それだけ違うのです。日本は、厚生省は一生懸命やっておるけれども、案外労働者は冷淡なんです。本来なら厚生省と労働省と一緒になってやってもいいのです。そこから見ても、選手層の薄さというものは、パラリンピックを引くわけではありませんが、全般的にそういう結果が出ておると思う。日本の役所のセクショナリズムというものはスポーツ振興にも災いしておると思う。それはやはり総理府のほうで調整を願いたい。これは意見だけ述べておきます。  そこで、文部次官通達というのは一体どういうことですか、ちょっと体育局長のほうから御説明願いたい。水泳のほうは解除になったのですが、いつ通達を出したのですか。
  31. 前田充明

    ○前田説明員 文部省の次官通達でございますが、現在のものは、三十六年の六月十日付で「学徒の対外運動競技について」という通達を出しまして、相当長いものですから、基準の点を特に申し上げてみたいと思いますが、中学校の場合、これは一般的な問題として「中学校の対外競技は、都府県内で行なうこととするが、隣接県にまたがる小範囲の競技会は、当該県の教育委員会の責任において開催される限りさしつかえない。この場合、経費面での負担が増大しないよう配慮するものとする。」「高等学校の対外競技は、都道府県内で行なうことを主とし、地方的および全国大会の開催は、各競技種目についてそれぞれ年一同程度にとどめる。」それからさらに、国際大会等で中学校の問題がございますので申し上げますが、「国際的競技会、全日本選手大会全国中学生選抜水泳大会等への参加」その一は「中学校生徒の個人競技については、特にすぐれた者を国際的競技会または全日本選手大会もしくはこれに準ずる大会に参加させることができる。なお、水泳競技については、その特殊性にかんがみ、一定の水準に達した者を選抜して開催される全国中学生選抜水泳大会に参加させることはさしつかえない。」それから二「中学校生徒または高等学校生徒を、国際的競技会または全日本選手大会もしくはこれに準ずる大会に参加させようとする場合は下記による。」……
  32. 柳田秀一

    柳田委員 小学生はどうでございますか。
  33. 前田充明

    ○前田説明員 小学校の場合は、「小学校では対外競技は行なわないものとするが、親ぼくを目的とする隣接学校間の連合運動会は行なってもさしつかえない。」こういうことでございます。
  34. 柳田秀一

    柳田委員 こういうところに文部省が要らぬ世話をするから選手の層が薄くなる。そういうことは自治的にまかせておけばいい。そんなことをやっても何にもならぬ。これは、お役人がそういうことをやって、スポーツを振興しているのか、じゃましているのか、さっぱりわからない。実際、今日のスポーツ大会は真剣にお考え願いたいと思います。  そこで私は、先ほど言ったように、この特別委員会は今度の臨時国会から廃止されるかもしれないけれども、もう一ぺん申しますと、オリンピックの札幌の冬季大会、それから学生のオリンピックのあの大会、さらに今度は次のメキシコオリンピック大会を控えている、そのときには、やはり国民の代表である国会というものは、何らかの形において、やはりそういうようなお役に立ち得るような形において、国会機関としても、これは各党で、当然あとでまた理事会をお開きになると思いますが、お考え願いたい。  それからもう一つは、いま言いました資金源ですけれども資金源は、ようやくにして政府から体育協会に補助金が出た。体育協会に出ておるわけで、選手強化というひもつきで出ておるとは私は理解しておらない。だから、そこへ政府からも流れる、財界からも流れる、あるいはまた、一般の何らかの浄財が流れるというような機関も考えられていいのではないか。この点はひとつ体協のほうでぜひともお考え願って、また、われわれも、及ばずながら、お役に立つような点は幾らでも犬馬の労をとりたいと思います。  もう一つは、田中さんが言われましたように、競技場のあとの維持なんです。なるほど、りっぱな競技場をつくった。ところが、あとの維持運営はたいへんだ。東知事も来ておられますが、駒沢に実にりっぱなものをおつくりになったが、このあとの維持で東京都はなかなかの御負担だと思う。それから、国もやはりあれだけのりっぱなものをおつくりになって、維持が非常にむずかしい。そこで、体育局長は、これに対して、収入と支出、そしてその足らぬ分を補助だと言っておりますけれども、この前、国立競技場のこれの評議員会をやったときに、こういう原案が出ておる。これは文部省から出してこられたのか、国立競技場から出してこられたのか、さらに、大蔵省から圧力をかけて出してきたのか知らぬが、国立競技場においては、ゴルフの練習をさしてそこで収入をあげる、それから国立の屋内水泳場は、冬季はスケートを一日三千人入れてそして収入を見る。これは私はどちらも反対をした。元来、屋内水泳場をつくったということは、それは冬でも泳げるということなんです。先般私は長谷川君と一緒にモスクワに行ったが、そこでは屋外でも大きなプールをつくっている。屋外でつくればずいぶん金も要るが、せっかく屋内プールをつくったのだから、冬も泳げるようにしなければ何にもならぬ。冬はスケートだといいますが、スケートなら日光に行けばやれます。屋内のプールは日本では少ないのですから、せっかく屋内のプールをつくったならば、冬もやったらいい。それを、氷を張って一日三千人入れて収入を見る、そういうみみっちい根性では、スポーツ振興はだめなんです。屋内水泳場はさらにもう一つ下にあって、これは温水プールにせられる予定だそうですか、今度オリンピックをやったところはなかなか広過ぎて保温もできないといわれますけれども、少々の金をかけたって私はいいと思うのです。そういうところ、独立採算制をとるのか、少しでも収入をあげようというのですか、やり方があまりにもこそくだと思う。そういうのは、もともと、これくらいのところは少々赤字になったところで、国内の全般的なスポーツ振興のために赤字は国がカバーすべきだということで国会に申してごらんなさい。国会はみな賛成しますよ。大蔵省の役人に頼む、そういう安易な道を選ぶ、そういうことは間違いだと思う。これは体育局長どうですか、屋内の水泳場は、屋内だからこそ冬ももっと使えるようにできぬのですか、あれでスケートをやらせる必要がありますか。
  35. 前田充明

    ○前田説明員 屋内総合競技場の問題でございますが、相当こまかいことを御存じでございまして、私がこまかく言う必要はないのでございますが、屋内総合競技場のやろうとする現在の計画を一応申し上げます。  屋内総合競技場にはプールが二つございます。一つのほうは一般には知られておらないのでございますが、これは六コースございまして、五十メートル、要するに二コース大きさが違うだけでございます。これは練習プールとして大会のときの練習に使ったわけでございます。これは天井がここの天井くらいの程度ところで、幅が小さいものですから、わりあいに——スタンドはもちろんございません。まわりに幾ぶん余地があるというような状況のものでございますが、これは冬に使う予定をいたしております。  それから大きいほうの、いわゆるこの前オリンピックをやったところでございますが、これはいまのお話でも十分御承知なんでございますが、あそこの空気の体積は非常に膨大なものでございます。延べ二万平米の大きさでございますので、これはただ水をあたためるだけではプールにして使用ができないのだそうでございます。まわりが冷たいために中にスモッグができてしまってほとんど利用に供し得ないし、それが水滴になりまして非常に悪影響を及ぼすというような問題がございますので、全体をあたためなければいけないわけでございます。したがって、プールに入るためには、あれだけの膨大な体積の狂気を全部あたためなければいかぬ。もともと、普通のかっこうにしないで、つり橋式の屋根にしたというのも、体積を減らすのが一つの要因でもございましたのですが、こういうふうにいたしましてもなおばく大な体積であります。そういう関係で、冬になりますと幾ら何でも温泉プールにすることは困難であろう、こういういままでの結論なのでございます。そこで、冬に、そういうことになれば、何らか使わなければ、ただほうっておいたのではしようがないから、できるだけ使おう、こういうことで、設計の当初から、冬はスケート場にする。スケート場が一般にもございますが、東京都内では非常に多く使われておるのでございます。したがって、これをスケート場にして利用すれば、そういうような、あたためるという問題はなくなるわけで、経費の点も楽になる、そういうわけでスケート場にする。したがって、あそこの競技場においては、冬においてはスケートとプールと両方使うようにする。夏は——夏と申しましても真夏だけではございませんで、いまの技術的に使える範囲においてはできるだけプールとして使うということは、この間も国立競技場の役員会において私も主張いたしたのでございますが、そういうふうで、できるだけ多くの人に使わせるということを考えたわけでございます。  なお、先ほど国立競技場をゴルフに使う問題が出たというお話がございました。この問題につきましても、決して私のほうで別に立案したわけではございませんでしたが、これも私は必ずしも否定をするのはどうかというような考えは持っておりますが、皆さんのそういう御見解でありましたので、一応予算からは削りましたが、真冬になりますと、あそこの競技場はとうてい陸上には使用に耐えないのでございます。したがいまして、真冬に一体どうやってあれだけの広さのものを何かに使うかということになりますと、非常にむずかしい問題になってまいります。また、翌年の手入れという問題がございます。翌年の手入れは、冬の間に霜柱が立ちますと、それをぐちゃぐちゃにしてしまえば、これはたいへん来年の経費がかかりますから、できるだけそういうことなく、できるだけの人に使わせるということを考えますと、ゴルフでボールを打つだけならば、わりあい被害が少なくて、とにかくゴルフでも何百人、何千人の人が使うのでありますから、せめて一人も使わぬよりはいいじゃないかというような考え方で立案をいたしたものでございまして、決してゴルフ族にやってもらおうというようなつもりで立案したものではございませんので、その辺はひとつあしからず御了解をお願いしたいと思います。
  36. 島村一郎

    島村委員長 長谷川峻君。
  37. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 簡単に御質問申し上げます。  せんだって私ソ連に行っておりまして、一行から離れて、実はソ連の体育協会の組織が日本ではわからない、できれば聞いてこいというお話もありましたので、協会に参りましてだんだん話を聞いてみますと、ソ連のスポーツ人口は、小中学校を除いて五千万人です。それだけ層が厚いのです。それから体育協会予算が一億六千万ルーブル。いまここで計算しますと、六百四十億円です。その体育協会というものは、ソ連全体のスポーツ行政をあずかっておるのです。いま柳田君の話がありましたように、パラリンピック一つ見ても、労働省と厚生省、あるいは一般のスポーツを見ても、文部省、あるいは選手強化の面をみても、体協の中の一部門というふうなことになりますと、私は、今度のオリンピックを通じて、やはりすばらしい青年、すばらしい体格の持ち主、健全な精神の持ち主というものが、これはスポーツによるということがだれでも御理解がいったと思うのです。ここにおいてぜひ私がお願いしたいことは、やはりどこの国に行っても、体育関係ならば体育協会というものはどこでも知っております。そうした一つの権威にこの際なるべきではなかろうか。そこで立案されたものが、ときに総務長官にお願いをして調整をしてもらうとか、あるいはまた、文部省の体育局にいろいろ国会関係に働きかけてもらうとか、そういう総合的なところ体育協会の役目があるのではなかろうか。私は、せっかく今度成功したオリンピック機会にいたしまして、そういうふうな構想をもってお進みいただきますことが、次のメキシコ大会、あるいはその次の大会等々にあるいは劣勢であるところの陸上、水上のああいうところを押し上げるためにも必要じゃなかろうか、こういうことのためにも、石井参考人の御決意のほどをひとつここでお伺いしたいと思うのです。
  38. 石井光次郎

    石井参考人 さっきから申し上げましたように、私どもは、このオリンピック機会に、日本青少年に対するスポーツの振興と申しますか、スポーツ層の厚くなることに向かってどうやったらいいか、そうしてその中からりっぱな選手を選び出すという考えを、近く委員会を設けて相談をいたそうというようなことを考えておるわけでございます。いまのお話の点で、私ども、この次メキシコに出かけていってそうして今度以上の成績を縛るというような気持ちで訓練をしていくのには一体どれだけの金が要るだろうかということで、ラフに予算を出してみたのでございますが、それはとてもいままでのようなわずかばかりのお金ではどうすることもできません。いまでも私どものほうの財務委員会——さっき申しましたが、財務委員会で財界から集めていただく金は、この資金財団のほうからいただいたものも合わせて、選手強化に使った金は、五年間になるわけでございますが、その間に約二十億、そのくらいな金でございます。非常に大きかったようでございますが、そのくらいであったのでございまして、これから先やるのに、来年はない、しかし予算はこれだけほしいというラフな予算を出しましても、文部省あたりではびっくりしたのじゃないかというくらいな数字が計上されておるわけでございます。まだ正式に相談はいたしておりませんから、ここで数字を申し上げかねますが、いずれにいたしましても、各方面からの力をあわせて、いまおっしゃったように、ソ連のスポーツ人口五千万、これは実にうらやましいことでございますが、私どもは、青少年は小さいときからこれを育て上げていかなくちゃだめだというので、日本少年団というものを体育協会の五十年紀念事業として数年前に設けておるわけでございますが、オリンピックに追われて、これの拡張というような方面には力が入らなかった。ようやく今度、旗を上げるとか、あるいは聖火のうしろについて走るとかいうようなことで、子供たちにも非常に熱が出てきたというようなことで、昨年の暮れごろ四万くらいの少年団が、いま十一、二万になったというような状態でございまして、これがドイツの少年団の二百万というようなことに日本も少なくもこの四、五年のうちにはなって、そうしてそれが土台となって日本青少年の運動人口がふえる、そうして人間的にもりっぱなものができ、いい選手も出す、それをまた目標にして次の時代の青少年のからだをりっぱにしていくというような夢を描いて、それを近く皆にどういうような方向にということで相談をしようと思っております。これは私どものほうだけでできることではないことは、先ほど申し上げたとおりでございます。そういう案ができましたら、皆さん方にひとつ御相談申し上げまして大いに力になっていただきたい、こういうふうに思っております。
  39. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 開会式のとき私はちょうどユーゴにおりまして、テレビで開会式の模様を見たのですが、その後どこの国を歩いてみましても、今度の東京オリンピックに対する評価の最大なるものは、日本人の組織力です。オルガニゼーションがうまいということなんですね。一方、私は、いまの日本では見るスポーツが盛んで、いま石井体育協会会長の言われたように、スポーツ人口そのものは、よその国から見ると少ない。ドイツの二行万あるいはソ連の五千万、あるいはアメリカの子供たちが六つ七つから水泳をやりているというふうなたくましさというものがない。それを盛り上げていく全体的な機構なり組織というもの、考え方というものは、やはり体協が中心になって——ベテランがたくさんおり、各部会があることですから、私は、そういうところで積極的にお立ていただくことが一つの契機じゃなかろうか、それが将来への前通じゃなかろうかというふうに考えます。国会の中でも、スポーツ振興法という法律を前につくったりいたしましていろいろやっている。これはオリンピックが終わったとたんに皆さん方の各委員会も消えていくでしょう。しかし、それだけじゃいかぬので、こうした国会の内部のスポーツ振興法などもオリンピック目当てであったが、その次の問題に取り組むように、いろいろな施設の面もありますが、やはり中心になることは計画は体協にお立ていただくことが一番いいんじゃないか、それを内閣において、あるいは文部省において、あるいは各役所においてかれこれ調整をやっていく、これは一つの総合的なスポーツ行政がこのオリンピック機会にできれば、さらにさらに将来大きな推進になるんじゃなかろうかと私は思いますので、あらためて私は、体協のベテランの皆さん方の中でこれを機会にそういうふうな要請なり考え方というものを具体的にしていただく、それをまた何かのときに懇談会などを通じてわれわれにお教えいただく、それに私たちはそれぞれの部門において応分の御協力を申し上げていく、これが青少年対策にもなるだろうし、せっかく上げた日の丸で、清新、明朗、健康ということが全部にわかった機会に盛り上げていく国民運動のいいチャンスじゃないだろうかと思うのでありまして、東さんもいままでいろいろ国際オリンピック関係委員どもされておりましたし、ひとつそれぞれの方々の御決意のほどをお伺いしたいと思います。
  40. 東龍太郎

    東参考人 ただいま日本青少年、特にスポーツを通じての青少年育成の基本的な構想にまでつながるような御意見並びに御質問でございますが、私もかつては日本体育協会会長もいたしておりました。日本体育協会目的とするところは、その本質は、いまおっしゃいましたように、スポーツの振興、すなわち、スポーツ人口を多くし、スポーツ層を厚くする、常に言われますように、高い山は大きな山ろくを持たなければならぬ、大きなすそ野を持たなければ商い峰はできない、野中の一本杉のようなものは、幾ら高くても大した意味がないというようなことで、そういうようなことを心がけて実は日本体育協会は戦後に国体などをつくったのでございます。しかしながら、同時に、体育協会オリンピックに対して非常に大きな関心を持ち責任を持っておりますが、そのような体育協会ほんとう目的が十分にいままでに達し得られたとは思っておりません。幸いにして、今回のオリンピック東京大会を契機といたしまして、スポーツというものに対する国民的な関心あるいは認識、理解というものも相当変わったと思います。したがって、この機会に、オリンピック東京大会を単なる一つ成功だとかなんとかということで終わらしめないで、これをいい種として、いまおっしゃいましたような大きな青少年対策というところにまで広げてまいることは、これは当然やらなければならぬことだと思います。現在私は国際オリンピック委員とかなんとかいうことでスポーツ関係しておりますが、本質的にはやはり日本体育協会の人間でございますので、そういう点につきましては、今後におきましても体育協会の中の一役員として、いま石井会長の言われましたようなことにも十分私も参画さしていただいて、十分な努力を続けてまいりたい、さように考えております。
  41. 島村一郎

    島村委員長 総理府総務長官より発言を求められておりますので、この際これを許します。臼井総務長官。
  42. 臼井莊一

    ○臼井説明員 この機会政府側から一言ごあいさつ申し上げたいと思います。  オリンピック東京大会が空前の成績をおさめて終了できましたことは、国民の期待に沿って活躍せられた日本選手団の努力と、また、運営の衝に当たられた関係各位の労苦のたまものと存ずる次第でございます。しかし、それをささえる大きな基盤は、開催都市であります東京都はもちろんのこと、日本全国皆さんの一致協力支援があったればこそでございます。特に国会関係方面におかれては、つとに国民の意のあるところに沿われて、オリンピック東京大会成功に導くため準備の促進をはかられて、事あるごとに政府東京都、オリンピック組織委員会日本体育協会オリンピック資金財団等の関係者を指導誘掖せられたことが、この大会成功の大きな一つの底力となったことと信じます。ここに心からお礼を申し上げる次第でございます。  昨日をもって代々木選手村も閉村いたしました。日本選手団も解団せられ、諸般の体制は一応終わったのであります。これからは思いを新たにして次のメキシコ大会に備えての努力が開始せられることとなるのでございましょうが、私は今大会をしのぐ大きな成果を期待して関係者の一段の御奮闘をお祈りしてやまない次第でございます。  政府といたしましては、今大会のために昭和三十四年度にさかのぼって準備事業を推進してまいりました。ここに投入いたしました財政規模は約一兆円三十億ドルでありますが、競技施設、競技運営関係施設、それから道路、宿泊施設、輸送施設等の物的施設の整備はもちろんのこと、交通輸送の改善、運営資金の調達、選手の技術強化国民の理解と協力の促進等々、広範の範囲にわたりまして側面的の協力をしてまいったのでありますが現在関係各省庁におきましても、その実績を顧みましてその結果の取りまとめを急いでおるのでございます。機会をあらためて御報告申し上げたいと存じます。  今大会を契機として発揚せられました国民全般協力態勢、これは物的、精神的の両面においてでありますが、これを大会後にありましても継承していきたいものと考えます。特に青少年の間に広く行き渡ってまいりましたスポーツヘの愛好心と実践意欲、これを正しく助長しなければならないのであります。そうしてオリンピック国民運動等を通して発揚されました国際理解、公衆道徳、交通道徳、商業遺徳、国土美化等の実践活動を国民の日常生活にしっかりと根をはやしてはぐくんでいきたいものと考える次第でございます。  今大会の残しました数々の教訓を正しく評価し、これを積極的にそしゃく消化し、次の国家民族の成長飛躍のためのかてとしなければならないのであります。いまや内外の諸情勢が急テンポで変転し、国民として安閑を許さない状態にありますが、大会を終えまして気をゆるめることなく、新たな覚悟を持って新しい課題に対決してまいりたいと存じます。今後ともよろしく御鞭撻のほどをお願いいたしまして、ごあいさつにかえます。(拍手)      ————◇—————
  43. 島村一郎

    島村委員長 田中榮一君より発言を求められておりますので、この際これを許します。田中榮一君。
  44. 田中榮一

    田中(榮)委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、今後のオリンピック競技施設等維持運営等について御提案申し上げたいと存じます。  まず案文を朗読いたします。    オリンピック競技施設等維持運営等に関する件(案)   史上空前の盛況といわれた東京オリンピック大会は、関係当局ならびに国民諸君協力を待て、好評のうちに終幕したのであるが、多額の費用を投じて建設されたオリンピック競技施設等維持運営等にあたり、政府ならびに関係当局は、今後、国民特に青少年の体位の向上とスポーツ振興のため大いに活用されるよう充分検討を加え、国民の期待に応えるよう適切な対策を樹立すること。   右要望する。  以上、本委員会の決議として委員長においておはかりを願います。
  45. 島村一郎

    島村委員長 ただいまの田中君の御提案に関し、重盛君、佐々木君よりそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。重盛君。
  46. 重盛壽治

    ○重盛委員 私は、オリンピック競技施設等維持運営等に関する今後の問題の件に対して、一言賛成の意を表したいと思います。  その前に、オリンピックが長い間の関係者の皆さんの御努力成功裏に終わった。なるほど私も成功裏に終わったと考えております。同時に、非常に長い間、言わぬでもいい憎まれ口をきいてまいりましたが、オリンピックがよりよく進行することのために発言をさしていただいたつもりであります。ただ最終的に若干の問題が残った。特に新興国の関係、あるいは北朝鮮、インドネシア等がわざわざ来たのに中途で帰ったということは、必ずしも成功だというようには考えておりません。しかし、こういう諸君も、帰りぎわに、われわれは参加はできなかったけれども日本のあらゆる関係者が非常な努力をしてくれたことには心から感謝をすると言って帰って、まあ開催国である甘木には傷つけまいという心がまえが見られたものと私は考えます。オリンピックを見ておる一人一人が感じたことでありましょうが、ときには米国が一等になりソ連が二等になり、あるいはソ連が一等になり米国が二等になっても、楽しく明るく握手をしている姿を見るならば、なるほどオリンピックというものは国際的な平和の象徴である、よいことを日本でやってくれたと、国民一人一人が喜んでおると私は考える。もっと大きな意味は、ほんとう国民が一体になってやればやり得るんだ、私は、オリンピックばかりではなく、日本の政治の上にも大きな教訓を与えたのではないかと思う。これは自民党の諸君にはおこられるかもしれぬが、日常の政治の中でも、全く党を離れて国の将来をどうやるかということで握手したら、あるいはもっといい日本の姿ができておったんじゃないかというふうに私は考えるくらい非常に明るい姿が出されて、今後の政治全体の上にも参考になるのではなかろうかというように私は考えております。  いま施設の面でいろいろあったし、それから長谷川君や柳田君等から特に今後の問題についても意見を出されましたから、私は実はいろいろ申し上げたいと存じておりましたが、重複を避けます。ただ、そういう中で、選手の層を厚くせよということが言われましたが、今度の日紡貝塚の姿を見ましても、学生中心というか、これから育てていくということも大切でありますが、中には非常によい層がある。いわゆる勤労階級、働く人たちの中にりっぱな選手層があるということが考えられるのではないか、そういう意味で十分ひとつこういう点も御留意願いたい。  と同時に、問題は、今後この施設をどう運営し、どのように動かしていくかということが大切な問題になってくるのではなかろうか。その点では何といっても——いまソ連の話も出たし、米国でもそうでありますが、その他の国でも、国自体が国民の体位向上ということと関連してスポーツ精神を涵養する、スポーツ精神涵養自体が明るい日本の姿をつくっていくのだということで、もっといわゆる予算面の措置を講ずるということが大切な問題になろうかと思います。特にせっかくつくった施設の維持費につきましては、いろいろお話がありましたから、そのこまかい点には触れませんけれども、国家がかなり踏み切ってやっていく、それをオリンピック関係をしたみんながまた一緒になって守っていくということでなければ、オリンピックはやったけれども、あとはみじめな姿になったというものができ上がってはならぬのであります。東京都もかなり苦心をされておると思いまするが、政府と一体になってこの問題の解決にぜひ当たってもらいたい。  同時に、この際東さんに一点だけお聞きをしておきたいと思いますのは、いわゆる選手村は今後どういう方向づけをするというお考えを持っておるか。選手村はNHKにかなりとられましたけれども、あそこを一般住宅あるいは森林公園にしよう、との問題はその後どのようにしていこうというお考えがあるのか、ただ一言だけこれをお聞きしておきたいと思います。  全般的に今後の施設の運営に関しましては、いま申しますように、ただ文部省だけが使っていくというようなことでなくて、労働省、特に厚生省、あの気の毒な人たちの運動会にも使えるというように、幅広く利用をしてもらいますように特に付言をいたしまして、私はこの案に賛成をいたしたいと思います。
  47. 東龍太郎

    東参考人 代々木選手村につきましては、現在公園地域になっております部分、すなわち、選手村の中の鉄筋コンクリートの建物がありますあの地域以外、これは東京都が国から受け継ぎまして森林公園にするという既定の方針になっておりますが、その方針どおり進んでまいりたいと存じます。ただいまその森林公園の設計等につきましては、広く意見を徴したいというので公に募集もいたしておりますので、近いうちに具体的な計画を示しまして、森林公園にいたしますための予算的措置等も講じたい、さように考えております。
  48. 島村一郎

  49. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 私は先ほど田中君の提案に心から賛意を表します。同時に、今度のオリンピックに際しまして関係皆さん方の御努力、格別、組織委員会の事務局を中心としていろいろ御苦労された皆さんに私は心から敬意を表したいと思いますが、この決議案に関連しまして私は二つだけ関係皆さんに要望を申し上げておきたいと思います。  皆さんからいろいろお話のあったことで尽きておりますけれども、第一の問題は、私はきのうの総理官邸のあの会合に出まして感じたのは、あのはなやかなオリンピックを頂点に盛り上げた選手団の諸君が、これからおのおのどうしていくだろうかということに対して、言うなれば一抹の不安じみたものを感じました。外国の場合には、われわれの知っている範囲では、わりにはなやかにその後の生活も不安なしにいけるような気がいたしますが、日本のこれまでのスポーツマンの、あの時点を中心にぐっと盛り上げてきた連中は、何かこのあとにきょとんとして妙な不安がつき底とうことがままあった感じがするわけであります。体育協会皆さん方に私は格別にお願いをいたしまして、先ほどスポーツマンの層を厚くしようというお話がありましたが、厚くするそのリーダーシップを選手の連中に持たせるような形で、今後陰に陽にいろいろな形でこのオリンピックをここまで持ち上げてきた選手団の人々に対しまして体育協会方々があたたかい導きをされ、今後の日本国民スポーツ精神といいますか、スポーツに対する関心をこの選手団を中心に広げられるようにひとつ格段の御配意をお願い申し上げたい。  それから第二点は、この決議と直接関係する競技の施設運営の点ですけれども先ほど柳田委員等からも痛烈なお話がありましたが、私もこれは率直に、何とかこの設備の運営についてはもう少し根本的な考え方が必要じゃあるまいかと思う。体育局長さん、済みませんが、あなた全然知らぬ顔をして、総合国立競技場のほうでも、それから屋内のほうでも、どこでも、ともかくりっぱな設備ができたが、ちょっと見たいがと、一般の人の感じで電話をかける段取りをしてごらんなさい。見に行けはせぬ。どこへ電話をかけていったらいいのか、おれは知らぬからあっちへかけてくれと、次から次へ十くらい電話を回されます。そのことはそのままこの設備の運営ほんとうの責任者がないということを意味すると思うのです。あの駒沢の公園になっている設備に対しましては、何とかという、所長さんを卒業したみたいな、定年を過ぎた年配の人がおりまして、一、二回行っていろいろな話を聞きまして、あの人が設備に対して非常に愛著、愛情を持っていろいろなことに対処されることに対して私は敬意を表しました。しかし、その一方に、今度は国立のほうは、数回行ってみたり聞いてみたりするけれどもほんとうの責任者がおらぬ。局長に電話をかけるのは悪いと思って課長さんにかける、課長さんもいろいろな仕事の合い間合い間、それからその補佐も同じような話で、どこへ行っても何も責任者がおらぬ。これは日本の官僚行政の端的なあらわれだと思うのですけれども、数十億をかけてできた設備に対しまして、本省におる、机に向かっておる、そうして二年か三年でぐるぐるかわってしまうような連中が形式的な権限を持って振り回しておったのでは、この施設のほんとう運営はできないと私は思います。そこの所長なり何なり安定した地位をこしらえてやって、それに相当な責任を持たせて、同時に、その人に最も必要なことは常識です。官僚的な形式論ではなしに、常識をうんと持ち得るような状態の人を選んで、安住してそこに対して非常に強い権限も振えるような一つの責任体制をこの設備運営に対してぜひ設けてほしい。あなた、水泳場を見ようと思って、行ってごらんなさい。私はさっきの話をしようと思ったら、柳田君のほうから言うて、局長さんの話で、なるほど練習のプールがあるという話があって、それならそれでもいいことだと思いましたけれども、そのことを習おうと思っても、だれがほんとうの責任者か、何が何だかちっともわからぬ。そのことを見ようと思っても、ちゃんと見る状態にならぬのです。見るという場合には、だれでも、ピンからキリまで、入ろうと思う者は一切だれでも入れる状態にするか、見れぬと言ったら、だれも絶対に入れぬようにするか、形式的な運用しかできない、これでは、こういう設備運営というものはなかなか困難だと思います。したがって、せっかく金をかけてつくった設備でありますから、この使用の計画を立てるのにはいろいろな人が関係していいと思いますけれども、設備自身を管理運用するに対しましては、はっきりした責任体制をひとつつくられるように心からお瀬いして賛意を表したいと思います。
  50. 島村一郎

    島村委員長 ただいまの田中君御提案のオリンピック競技施設等維持運営等に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、ただいまの決議の関係機関への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  ただいまの御決議に関し、総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。臼井総務長官。
  53. 臼井莊一

    ○臼井説明員 ただいまの御決議に対しましては、政府といたしましては、関係各省庁の間に十分連絡をとりまして、御決議の趣旨に十分沿ったように検討いたしたいと考えております。(拍手)      ————◇—————
  54. 島村一郎

    島村委員長 他に御発言がないようでありますから次に移ります。  先ほど理事会において御協議願いましたとおり、本委員会の簡約な調査経過に関する報告書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、ただいま決定いたしました報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————
  57. 島村一郎

    島村委員長 この際一言ごあいさつを申し上げます。  日本国民はもとより、世界各国からも非常な関心をもって迎えられたオリンピック東京大会は、先月二十四日無事終了いたしました。  本大会は、参加国九十四カ国、参加選手七千人という、史上空前の大規模なものでありましたが、またそれに使用されました諸施設につきましても、実に近代建築の粋をこらした各競技場の施設、電子工学等最新の科学による機械設備、また大会並びに選手村などの円滑な運営等、世界各国絶讃のうちにその幕を閉じることができましたことは、皆様とともに御同慶にたえぬところでございます。  顧みますれば、五年前、第十八回大会東京に決定された当時、国内でもその開催を危ぶむ声すらありましたが、それだけに、その衝に当たられました関係各位におかれましては、並々ならぬ御苦労があったことと存じます。今大会がかかる成功をおさめるにつきましては、特に大会準備及び運営の衝に直接当たられた組織委員会、主催都市としての重責を負われた東京都、また資金財団日本体育協会等、各関係機関の長期間にわたる御努力と、政府をはじめ全国民をあげての御協力のたまものと、深く感謝いたしておるところでございます。  さらに、大会運営支援された自衛隊員、マラソンコース等における交通規制、競技場内外の大群集の整理に対する警察官並びに消防庁職員等の献身的な御活躍によりましてこの大成功をおさめたことは、忘れることのできないものがございます。  なお、大会終了後の今後に残された問題として、委員の御発言にもありましたごとく、国民の体位向上、青少年スポーツ振興対策に関する問題や、多額の費用を投じて建設された各競技場施設の維持運営の問題等、いろいろあるかと存じますが、これらにつきましては、ただいまの御決議の趣旨にのっとり、今後関係機関において十分御検討の上、国民の期待にこたえるよう、適切な対策の樹立を特に要望するところでありまして、どうか有終の美をおさめ、新しい飛躍に備えて関係者の一段の努力を切望してやみません。  最後に、昭和三十六年九月、第三十九回国会において本委員会が設置され、自来満三カ年間もの長期にわたり、本委員会設置の趣旨に沿い、超党派的に御協力いただきました委員各位の御努力に対し、哀心より敬意を払うとともに、不肖私が委員長として今日まで大過なくその任務を全うし得ましたのも、ひとえに委員各位の御懇情のたまものと、つつしんで感謝の意を表する次第であります。  なお、この間不断の御協力をいただきましたプレス関係各位に対しましても、この機会に厚くお礼を申し上げます。  簡単でございますが、一言ごあいさつといたします。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会