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河野国務大臣 私は、先般の
内閣改造によりまして、
オリンピックの仕事を担当するようにということに相なっております。たいへんご
あいさつがおくれて恐縮でございますけれども……。
御
承知のように、今回の
オリンピックにつきましては、
皆さまの格別の御
協力によりまして、
一般の
準備、
施設等につきましては、私もできるだけ十分に
指導、監督をいたしておりますが、おおむねと申しますか、正確に申せば、御
承知のように、
環状七号線と
国鉄中央線の路線の切りかえ、この
工事が、大体は済んでおりますけれども、まだ全部済んでいないという
個所が一カ所、しかもこれはもちろん今月のうちには全部
予定どおりに完了するということになっておりますものが
施設関係においては一番おくれておるということで、他のものは
予定どおり全部完了しておると御報告申し上げて差しつかえないと思います、という
程度に進捗いたしております。しかもこれらの
施設は、一々現地において調べてみますのに、私の知る限りにおきましては、いまだかつてこれだけ行き届いたりっぱな
競技施設はこれまで世界のどこにも見られなかったという
程度のものが
準備されることができた、これはひとえに
皆さま方の御
指導、御
協力のたまものであると深く感謝いたす次第でございます。
こういうふうにして、
準備関係におきましては、直接の
施設においてはまず欠けるところがない。
あとはこれをいかに運営していくかということ、それから
環境をどういうふうに
整備するかということが一つの問題だと思うのでございます。これらは
最大限に
注意深く
努力をするということで、これで万全だというわけには実は御
承知のようにいきかねる問題でございまして、きめこまかく気づいたところを
指導して、よりよいものにして
選手を迎え、
競技に万全を期する、さらに
外客に対し十分に
日本の真価を認識していただくということにいたしたいと思うのでございます。これとても、いずれそれぞれの
関係者の
諸君から御報告申し上げることと考えますが、私といたしましては、これらの
関係諸君にお集まりいただいて最終的な
打ち合わせも実は済ましております。そして、
注意する点はできるだけ
注意いたしております。
ただ、この機会に特に御了解を得ておきたいと思いますことは、
隅田川の問題でございます。この
隅田川の
浄化につきましては、かねて私
雑談大臣当時に、
オリンピックまでにはある
程度の
めどをつけたいということで
努力を続けてまいりましたが、その後
東京都の水の問題が起こりまして、そのために先月の二十五日に
東京都のほうに
通水をいたしました。そのために、
東京都に一部の水を入れると、
隅田川の水を
浄化するためにその水がどうなるかということを一ころ憂慮いたしましたが、幸いにしてその後
相当量の雨量がありましたので、
東京都としてはまず
水道の問題は一応ある
程度までいっておる。これは
皆さん御
承知のとおりであります。それで、
オリンピックを控えての
水道の問題はどうなるかということになりますと、これは
新聞でも御
承知いただいておると思いますが、その
期間中
オリンピック関係のところにつきましては一切の制限をいたさぬということに
水道局のほうと
打ち合わせをしておりますから、
オリンピック関係の水の問題はもう一切解消いたしましたが、それと関連いたしまして、
隅田川に水をどういうふうに流すかという問題でございます。これは今朝の
新聞にも一部見られることでございますが、多少の思い違いの報道もあるようでございますが、こまかな数字も持っておりますけれども、一々申し上げることもどうかと思いますが、大体現在の
状態におきましては、
相当量の水を日々
荒川から新河岸川のほうに取り入れてまいりまして、そしてそこから水を流すということにいたす
予定でございます。しかし、その水が、さらに日照りでも続きましてだんだんに減ってまいりますと、
東京の
水道の水が優先いたしまして、
隅田川へ流す水が量が減りますから、
予定どおりの効果をあげることはできなくなるかもしれませんけれども、いまのところでは、当初
予定いたしました
程度の水を
隅田川に実は今朝から送っておるわけであります。今朝から
相当量の水を
隅田川浄化のために入れておりますから、それである
程度今日までの
隅田川とは違った水になってくる。前のように魚が泳いで十分死なない
程度の水にするには、もう少し水量が必要のようでございます。しかし、これは雨がどの
程度に降るか、どの
程度の流水が取り入れられるかということになるのでございまして、まだ万全を期して完全なものになるというわけにはまいりませんけれども、今後引き続き
ごみを十分取り除ける、下水の流人をある
程度押えるということと兼ねて、いま申し上げましたように
荒川の水を
予定どおりこれに流し込むということになりますれば、かつての
隅田川のように、魚が住んでも死なない
程度の水になるということは決して不可能のことじゃないということの
計画を持っておるのでございます。これがもしもう少し早くできまして、
オリンピックまでにある
程度きれいな水になることができれば一番けっこうだと思うのでございますけれども、いま申し上げたような次第で、当初から
相当きれいな
隅田川にするということは不可能であるという点でございます。
その他、これも至急に
皆さんの御
感触等も承り、
委員長さん等から御意見も承ってやったらいいだろうと思いますことは、現在
都内を
交通しておられます――
交通取り締まりの中に、
道路は一体右を歩くのか、左を歩くのかということが混乱しております。戦後、
右側通行だといって
右側通行を非常に奨励いたしましたけれども、それがまた今日では右を歩く人もあるし、左を歩く人もある。必ず右を歩かなければいかぬということにも相なっておりません。こういう問題もこの際はっきり、右を歩けとか、左を歩いていただきたいということをきめてそして
指導することは、
オリンピック、ことに人の混乱するときに一番必要じゃなかろうか。そういう点も早急に
決定して、
交通取り締まりの面からひとつ
指導するようにいたしたい。
その他、この種のことがまだいろいろ残っておる問題がございます。しかし、それらにつきましても各
方面の御
注意を承りまして、
最大限にひとつりっぱなものにしてやっていくようにいたしたい。ただ問題は、
開会前に
小金さんからも
お話がありましたように、予測しないような事態があるんじゃなかろうかということも実はいろいろ勘ぐって、ああいう場合どうだ、こういう場合どうだというようなことも研究いたさぬわけではございません。しかし、これらにつきましては、まず私といたしましては、あくまでも
オリンピックの
組織委員会を
中心にして、
組織委員会において問題の
決定を見ていただく、
処理していただく、その
決定に対して
政府は
協力をするということにして、
決定が二途に分れるというようなことのないように、あくまでも
組織委員会に自主的に
指事的立場をとっていただくということでやってまいるのが一番いいんじゃないかというふうに考えております。おおむね、
オリンピックの行事でございますから、あくまでも
オリンピック精神にのっとってすべての問題を
処理する、それに対し
政府は
協力するという態度でいきたいと考えておるのでございます。
いろいろ御
注意を承ることもあろうと思いますが、どうぞよろしく御
指導いただくことを
お願いいたしまして、ご
あいさつといたしたいと思います。