運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-02-28 第46回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十八日(金曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 上村千一郎君    理事 小平 久雄君 理事 阪上安太郎君       岡崎 英城君    金子 一平君       川崎 秀二君    四宮 久吉君       田川 誠一君    地崎宇三郎君       中村 梅吉君    長谷川 峻君       戸叶 里子君    穗積 七郎君  出席政府委員         総理府総務長官 野田 武夫君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房審議室長) 松永  勇君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         運輸事務官         (観光局長)  梶本 保邦君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  金田 知成君         日本国有鉄道常         務理事     河村  勝君         日本国有鉄道管         財部長     瀬崎 芳邦君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 与謝野 秀君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務次長) 村井  順君     ————————————— 本日の会議に付した案件  オリンピック東京大会準備促進に関する件      ————◇—————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  この際、御報告申し上げます。  本委員会では、先般来、委員各位に御案内いたしましたとおり、去る二月四日、十二日、二十六日の三回にわたり、オリンピック主要競技場関連施設関連道路建設工事進捗状況について調査を行ないました。いまだ未調査の個所も若干ございますが、今日まで調査いたしましたところでは、各施設工事は、関係各方面の努力により、おおむね順調な進みぐあいでございました。  なお、調査状況につきましては、各施設工事内容進捗状況等の簡単な報告書をそのつど作成し、委員各位に配付いたしておりますので、それによって御承知おきいただきたいと存じます。      ————◇—————
  3. 島村一郎

    島村委員長 オリンピック東京大会準備促進に関する件、特にオリンピック標章使用規制に関する問題、列車食堂ホテル食堂サービスに関する問題等について調査を行ないます。  本日は、本件調査のため、委員長より、オリンピック東京大会組織委員会事務総長与謝野秀君、同事務次長村井順君の両君に参考人として出席を求めております。  オリンピック標章使用規制に関し、総務長官より発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田総務長官
  4. 野田武夫

    野田政府委員 オリンピック五輪模様使用に関しまして、政府としての意見を申し上げることにいたします。  オリンピック東京大会の開催を控えまして、五輪模様乱用がありますことは、国際信義上好ましくないことでございまして、何らかこれに対する規制措置を講ずる必要は認めております。しかし、これを直ちに法律によって規制することは、いろいろな理由によりまして相当問題があると思っております。  その理由として、簡単に御説明いたしますが、まず、五輪模様使用制限を定めましたところの根拠規定でありますオリンピック憲章は、国際法上の条約ではなく、国としては必ずしも法律をもって規制しなければならない性格ではないと考えております。また、オリンピック大会趣旨、並びにオリンピック憲章、及び日本オリンピック委員会性格からいたしまして、本件法的規制になじみがたいものがあります。また、罰則規定を設けますことは、健全なオリンピック・ムードの盛り上がりをことさらに抑制するというような欠陥がありはしないかということでございます。次いで、五輪模様等使用の現状について見てみますると、すでに何らかの形で既得権を持っておる、すなわち、過去に商標登録しているものもあります、また事実上使用しているものもあります、さらに、日本オリンピック委員会の承認を得てこれを使用しているものもございますこと等を考えまして、その実態を厳密に把握することがきわめて困難な状態でございまして、特にこれら既得権に対しましては、一定猶予期間を設けたあとに制限の対象とするにいたしましても、その類別がきわめて困難であること、また、かりに猶予期間を設けて制限することにいたしましても、一定の補償を必要とするのでありまして、事実上の難点がございます。さらに、既得権を放置したまま今後の使用のみ禁止した場合、既得権との調整をはかることが相当困難であって、法の適正な実行を期しがたい点がございます。次いでまた、現に日本オリンピック委員会において使用承認したもののうちにも、商業的目的使用していると思われるものがあります。これに対しまして罰則規定を適用することは、立法政策上困難と考えております。次いでまた、オリンピックの品位、権威を保持するために、商業目的使用することを禁止し、かつ、これに違反した者に罰則を加えることが、はたして適正であるかどうかという疑問がございます。すなわち、たとえば商標権とか意匠権とか著作権等無体財産権につきまして、法規において罰則をもって保護されている例がありますが、これは無休財産権の侵害が公序良俗、信義公平に反することを考慮したからにほかならず、この場合これらと比べることはどうか、なお検討する必要があるのではないかと考えております。  これらを総合いたしますと、政府といたしましては、日本オリンピック委員会等五輪模様等保護について努力することを期待いたしますとともに、オリンピック国民運動等によりまして、この五輪模様等の正しい使用につきまして国民理解一般協力を得ることによって、いわゆる五輪模様保護をすることが適正ではないか、こういう考え方を持っております。
  5. 島村一郎

    島村委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。阪上安太郎君。
  6. 阪上安太郎

    阪上委員 私は規制しようという考え方を持っておるのでございます。したがって、前会においてああいった質問を申し上げ、ただいま総務長官から政府の方針というものを伺ったのであります。大体考えておられる方向というものはわかってきたのでありますが、結局法的規制はしない、こういう態度でありますか。
  7. 野田武夫

    野田政府委員 法的規制はこの際政府としてはしないという方向に大体各省の意見がまとまっております。
  8. 阪上安太郎

    阪上委員 その理由を伺いますと、第一、オリンピック憲章ではそういった乱用は禁じられておるけれども、これは国際法でも何でもないのだ、こういうような考え方、それから、いろいろなオリンピックマーク使用の現実から見て、どうもそれに対して法的規制を加えるということはなじみがたい点がある。それから、すでに使用されておる既成の事実があるということ、長い間使用されておる事実がある、その他いろいろな理由が出てきておるわけでございますけれども、私は、規制しようということは、禁止しようという意味で申し上げておるのではないのであります。したがって、許していいものもあろうと私は思います。そういった意味規制をやれということを私は言っておるのであります。しかし、それに対しても法的な措置が必要ではなかろうか、こう言っておるのでありますが、その程度規制をやる考え方もない、こういう意味でございますか。
  9. 野田武夫

    野田政府委員 御趣旨はよくわかります。法的措置をやりました場合に、いまのお話の、全部に適用せぬでもいいというような考え方もわかりますが、その区別が、今度実施する場合きわめてむずかしい点がある。一応検討いたしましたが、どの程度でこの法が適用できるが、どの範囲は法の適用以外か、区別がむずかしい、こういうことでございます。
  10. 阪上安太郎

    阪上委員 よくわかりませんが、許可制にすれば、どこが許可するかということがまた問題となってきましょうけれども、かなり規制ができるんじゃないか、いい意味の秩序が保たれるんじゃないか、乱用を阻止することができるんじゃないか、こういうふうに考えるのですよ。その程度のことをやることは非常に困難ですか、どうでしょう。
  11. 野田武夫

    野田政府委員 実際、この五輪模様は、国際信義上からいたしましても、これはなるべく保護すべきであるという立場もよくわかります。そこで、許可制のような一つ考え方も、それは当然考えられますが、もう五輪模様を特に大正年間から使っておる商標なんかもあるのでございます。それから、いまお話しの国際信義上云々という立場から考えました場合に、そのオリンピック憲章精神を阻害するような特別な意思を持ってやっておるものと、善意と申しますか、何も特別考えないでやっておるもの、いろいろ混雑しておるものですから、ことに、いま例として申し上げました日本オリンピック委員会が特に承認した五輪模様使用につきましても、やはり商業用にこれを使っておるようなものもございまして、その間の問題が非常に複雑でございまして、これらを勘案いたしまして、やはりどうも法の規制は避けたい、こう考えております。
  12. 阪上安太郎

    阪上委員 JOCから出されておる資料の中に、昨年の六月にローザンヌでIOC理事会が開催された際に、IOC事務局長より、この会議出席した東さんに対して、海外に輸出された日本製ラバーシューズについて、これの商標乱用、ラベルが指摘されたという事実があるようでございます。したがって、当面この東京大会で、みやげものその他に、粗悪なものにああいったマークをつけてやることについて非常に私は警戒しておるわけなんです。あるいはまた、コマーシャルのプログラムの中に、もうずいぶんこれはどうかと思うような、オリンピックを利用したようなものがあるというようなこともありますし、その他、最近各所で広告が出されまして、オリンピックマークを悪用したというか、乱用したものが、かなりりっぱな広告があちこちに出ておるような例もございます。悪意か善意かの判断がなかなかむずかしいので、こういう点が出てくると思うのでありますけれども、私は、ただ単に東京大会だけのためにこういった乱用防止法律を設けろというのではなくして、やはりこれは未来永久に、国際信義のたてまえから、ああいう乱用を防止していかなければいけないというふうに私は思うのであります。そこで、そういう意味に立つならば、東京大会に間に合わすということがまず第一だと思いますけれども、間に合わなくても、こういった乱用防止法律をつくる、規制をすることがやはり必要だ、私はこういうように思うのであります。  そこで伺いますけれども外国立法例で、ずいぶん立法しておるところがあるのではありませんか。かなりあると私は思うのであります。そういった国では、先ほどおっしゃったような国情が違うから問題が起こらないのだということになるのでありましょうか、少しそういった点でお調べになったことがありましたならば、お教えいただきたい。
  13. 野田武夫

    野田政府委員 お話のとおり、今度の東京大会に間に合うとか間に合わぬとかいうことも、われわれは国をあげて今度の東京大会準備をいたしておりますから、いいことならばどんどん間に合うようにやりたいということは考えておりますが、いまお話のとおり、オリンピックというものは何も東京大会のみに限って考えなくていい、したがって、恒久的な措置を考えたらいいということは、もちろんでございます。また一面、いま五輪模模保護につきまして法律を制定しておる国は、ギリシア、オーストリア、ノルウェー、ポルトガル、その他の国もあることは存じておりますが、これはその国々の、何と申しますか、そのときの情勢また考え方というもので独自の見解でやっておられますが、いま私が申し上げましたのは、東京オリンピック大会に備えて、日本が直ちにオリンピック憲章意思に沿うて特別に法の規制をやるというようなことが、諸般の事情を勘案いたしまして、いまのところ、どうも法の規制はなじみがたい、好ましくない、できればけっこうですが、非常にむずかしいということで、私ども政府といたしましては、一応この際法の規制を避けたい、そうしてオリンピック国民運動その他によって——やはりオリンピック憲章は尊重しなければなりませんから、国民理解を得てぜひひとつ協力してもらって、できるだけオリンピック五輪模様保護に当たりたい、こういう考え方を持っております。
  14. 阪上安太郎

    阪上委員 いま言われましたように、米国あたりでも法的な規制をしておる。フィリピンもやっておりますね。その他ノルウェーもやっておりますし、ハンガリーもやっておる。そういうように、十九カ国くらいはやはり法的な規制をしておる、こういうことだと思うのであります。別に外国のまねをする必要はありませんけれども、わが国でもそういった規制ができるんじゃないか、私は決して不可能なものではないというように考えております。しかし、政府のほうでそういうお考えでありますならば、慎重を要する面も私は十二分にわかりますので、一応了解いたしますが、しからば、理解協力国民の中に求めていくという方法で何とか当座はしのいでいくということだと思うのであります。そこで、この問題はこのままで放棄しないで、さらに検討を進めていただく、こういうことにして、さて、当面東京大会に対処して、理解協力をどう求めていくか、何か具体的な、かなり的確な効果のあがるような案がありますか。
  15. 野田武夫

    野田政府委員 法の規制を避けて、それならこれにかわって何か的確な方法があるかという御質問でございますが、実はなかなか的確な方法というものはむずかしいのでございます。しかし、これはできるだけわれわれはやはりオリンピック憲章精神に沿うて五輪マーク保護に当たらなければならぬ。現在では日本オリンピック委員会を中心として各般のこれに対する施策を考えておりますが、私どもといたしましても、政府全体がやはりこの問題に当たらなければならぬ。特にオリンピック国民運動を動員しよう。現に体協あたりでは監視員というものを委嘱されまして、地方地方に相当活発に使用者側に対する協力を求めておるようでございまして、これは私、一々は存じませんが、やはり直接参りましていろいろ御相談いたしまして、またわれわれの真意を伝え、国際信義を訴えますと、良心的にこれに御協力願っている節も相当あると聞いておりますが、私は、きのうも、内輪の話でございますが、事務当局を呼びまして、もう少し活発にやろうじゃないか、もう少し国民運動のやり方として、マスコミなんかとも御相談するとか、いろいろなできるだけの方法を持ち寄ろうじゃないかというて、実は役所で打ち合わせをやったような実情でございます。これらの点につきまして、私はなるべく早く、総理府総理府としてのできるだけの力を動員いたしましてこれに当たりたいという考え方を持っております。
  16. 阪上安太郎

    阪上委員 まあそういう方法でできるだけひとつPRしていただいて、そして業者、団体等にもお話し願えば、わからぬことはないと私は思うのであります。協力を求める意味においても、通達等をお出しになったって差しつかえないのじゃないか、そうしてやはりもう少し積極的に働きかけていただきたい。マスコミあたりにもひとつ援助を願うというようなことでやっていただきたいと思うのです。繰り返して言いますけれども、これは東京大会だけのことじゃございません。さらに、立法等についても、当面考えられない、困難だと思いますが、さらに検討していただいて、一応研究を進めていただきたい。総務長官も忙しいそうですから、この辺で総務長官に対する質問は終わります。  それから次に、国鉄当局列車食堂、それからホテル等におけるところの食事の問題、ことに献立値段等の問題についてひとつ質問したいと思います。  最初に、列車食堂についてお伺いいたします。  どうも最近列車食堂状態を見ますと、非常にサービスが悪い、それから食事献立内容が非常に貧弱である、それから、一口に言いますと、一応ていさいは整えておるけれども、きわめてけちくさい献立である、こういうふうな点が目立つわけなのであります。いろいろな階層の方々が利用されるので、ああいった場所における献立等の作成は非常にむずかしいだろうと思います。思いますけれども、いずれをとってみましても、あれほどひどい食事はないんじゃないか、かように私は考えるわけであります。そこで、当局は一体どういう監督をしておるか、どんな指導をしておるのか、これをまず伺いたいと思います。
  17. 河村勝

    河村説明員 列車食堂監督につきましては、これはやはり一般の駅や何かの食堂と同様に、構内営業ということになっておりまして、本社におきましては本社管財部で所管をいたしております。地方におきましては、大きいところは鉄道局管財部、その他のところは営業部におきまして、旅客関係の仕事をやっておりますところでこれの監督指導をやっておるわけでございます。随時局員その他が列車に乗りまして、その内容をときどき監査いたしまして、それによって指導しているわけでございますが、先ほど先生のお話のごとく、列車乗客というものはあらゆる階層の人が全部含まれておりまして、その要求される質におきましても、値段におきましても、まことに多種多様でございまして、全部の方に満足していただくような食べものを提供するということは、ああいう狭い設備で、しかも走っておる中でございますので、なかなか容易なことではございませんで、結局その中で平均点のところをねらって供食する以外に方法がないのでございます。非常に粗末であるというお話でございますが、現在最高七百五十円までのものを提供することを許可しておるのでございますが、七百五十円のものの主体となる肉類の値上がりは現在たいへんなものでございまして、昭和三十七年対三十九年で見ますと、牛のヒレ肉などにつきましては四〇%近くの値上がりをしております。そのほか、豚などでも三〇%以上値上がりしている。二年間に三〇%ないし四〇%程度値上がりをしている。一方、人件費につきましても、賃金が毎年上がっておりまして、したがいまして、値段をこれ以上大きく上げればもっと良質のものを提供することが可能でございますけれども、やはり乗客全体の平均的な希望ということを考えますと、これ以上大きく上げることも無理であろうかと思いますので、この辺の見当のところでなお改善するように努力してまいりたい、かように考えております。
  18. 阪上安太郎

    阪上委員 原因が池田さんの所得倍増からくる物価値上がりにあるような言い方をされておるのですが、私はそういう意味で聞いておるのじゃないのですよ。実際食堂を利用しておりまして、献立は全部一定でしょう。これは私献立表を見ましたけれども、帝国ホテルにしましても、日本食堂にしても都ホテルにしても、みな同じものをやっておる。それから料理を食べてみて、ていさいは一応整っておるけれども、これらの三食堂についても甲乙が必ずあるのです。食べてみればわかるのですよ。それから、けちくさいことが一つだ。コーヒーなんか持ってくると、あれはできるだけ小さなカップを選択しているようです。そして中に入っているのは、三分の二入っているかどうかわからない。ひどいものですよ。あんな間抜けたサービスをやっているのは諸外国には私はないと思う。それからオートミールなんか持ってきても、牛乳に入っているのか、オートミールの中に牛乳がちょっぴり入っているのか、わからない。あれじゃ食えない。しかも、冷たい牛乳を持ってくる。あれは何スタイルというのですか。私は、あんなスタイルは、諸外国を歩いてみたけれども、あまり食ったことはない。それから、コーヒーなんかもおかわりできないでしょう。まあがぶがぶ飲む人もないだろうけれども、紅茶を持ってきたって、おかわりがない。ポットで持ってこない。あんなことでもって国際級だなんと考えていること自体が私は間違っていると思う。トマトジュースだってそうです。最近は、トマトジュースは、朝食なんかのときには、たいてい大きなグラスで一ぱい飲まなければ気が済まない。ところが、あのグラスを見ると、日本で一番小さなグラスに盛っておる。ああいうけちくさい考え方が私は気に食わない。七百五十円のビフテキを食ってみても、このメニューを見ますと、野菜の何とかかんとかといろいろ書いてある。一きれずつそれはついてはいる。ニンジンが一きれにジャガイモが一きれ。ああいうようなサービスをもって、国際級サービスと考えているところにおかしいところがある。大体、別のさらでたっぷり持ってきて、その中から自分の好きなだけとれるようなかっこうというものが全然出てないじゃないですか。私はこの間、日は忘れましたが、ある列車食堂で、アメリカ人だったと思いますが、ある外人さんと一緒食事をしておりましたところが、いわゆるフライドエッグ、あれを持ってきた。長い間かかって、なかなか持ってこないでやきもきしているうちに出てきた。出てきたものは、あれはフライドエッグじゃないですよ。もうかんかちになっちゃっている。半熟程度のものが一番理想とされておるのでしょうが、あれなんか、半熟もくそもないのですよ。そこで、その外人をずっと見ておったら、怒って突き返しちゃった。ああいうようなサービスをやっておって——何も外人のために特にやれと私は言いませんよ。言いませんけれども、あんなものは私は国際級食事じゃないと思う。それからテーブルマナーが全然わかっていない。場合によってはナプキンも持ってこないこともあります。水なんか、何回言ったって、注意しなければ、持ってくる者はいないのだ。お客の顔を見て給仕頭がいつでも要求に応じられるような行動を命ずることができるような態勢を全然整えていない。考えてみれば、忙しいのですよ。あれくらいのわずかな人の数でもってやれるとは私は思っていない。値段関係もあるとおっしゃるけれども、大体市中で食べることを思えば、この程度のことはこのくらいの値段ではやれるのじゃないですか。ブドウ酒を飲みたいという外人がおった。ブドウ酒を注文したら、ことばのわからない関係もあったでしょう、何か小さなこのくらいのグラスですね、昔よくあんなのでやっておりましたが、あれに赤玉ポートワインを一ぱいついで持ってきた。それから、ウイスキーを飲む場合を見ておりましても、やはりあのウイスキーグラスと称するやつに入れて持ってくる。びんと一緒に持っていってやれば好きなだけ飲むじゃないかと、私は見て感じておったのですが、こんな苦情を言い出すと限りがありませんけれども、いま少しやはりサービスをやらぬと、あれは国際級食堂にはならぬと私は思います。アラカルトのほうはいいでしょう。しかし、一応ああいうコースをきめたターブルドートの場合において、あんな貧弱なものを出しておるということはおかしい。貧富の差じゃない、利用する階層の問題じゃないと思う。ああいった定食を食う人は、定食を食うだけの能力を持っておると私は思う。  そこで私は伺いますが、いまの列車食堂というのは、軒並みに経営状態はどうなっておるのですか。
  19. 河村勝

    河村説明員 いろいろ指導をいたしましても行き届かないところがございまして、いろいろ御批判を受けることがございまして、たいへん申しわけないと思いますが、外国列車食堂定食の場合には、大体二時間くらいかけて一回転で、ゆっくり食事ができるようになっております。その乗客も少ないし、そういう余裕のあることをやっておりましても非難は受けないで済むわけでございますけれども日本食堂の場合には、昼飯でも、最低四回転はしませんとお客の需要に応じ切れないので、そういう意味国情が全然違いますので、ああいうような二時間ゆっくりかけて、サービスもよくし、内容もよくするというのは、私は日本のいまの現状においては無理じゃないかと思っておりますけれども、それなりに今後改善していかなければならぬということは十分承知いたしております。  各会社の経営内容は、非常にもうかっているというわけではございませんけれども、ともかく収支はペイして若干の余裕はあるという程度でございます。
  20. 阪上安太郎

    阪上委員 いま言われたような、日本の輸送力の点から、たいへん人口も多いし、乗客も多いということで問題があると思います。そうすれば、例の特急で利用しているような食堂も、二つくらいつけたって差しつかえないのじゃないかと私は思う。そういうような配慮もやはり当然すべきだと思います。それから、ビュッフェ、軽食党についても少し考えなければ、ああいう内容では私はいかぬと思います。実にもう貧弱な献立しか持っていないです。同時に、いま言われたようなことが理由であるとするならば、カフェテリアというのですか、ああいった形の経営方式を考え出したらいいのじゃないですか。そうすれば、いかなる階層の人にもその好みに応じて食事を供することができるし、そうなってくると、サービス的にも一定サービス、セルフサービスになってくるから、私は簡単じゃないかと思うのです。そういった人件費その他の節約からくる分をやはり食事内容の充実に向けていくこともできるのじゃないか。あれだけ忙しい、そして大ゆれにゆれて、ビールだってろくすっぽつぐことができないような悪い輪転器材の中で、ああいったかしこまったいわゆるワンコースの食事をしていること自体が、どっちかと言うと合わないですよ。日本のそういう特殊性があるならば、思い切って経営方式を変えていったらいいじゃないか。それなら十分に満足するようなものを与えることができるのじゃないか。ところが、千編一律、いつまでたったって同じことをやっている。あれじゃもう国鉄の列車食堂というのはみんないやがっちゃう。最近は、しかたなく弁当食うようになって買っても、あるいはみやげものの販売等を見ておりましても、ろくすっぽみやげものといったような内容を持ったものでないものが固定的に売りつけられている。何とかの梅干しあめなんて、これはきまっている。ネコもしゃくしも梅干しあめを買わなければしようがない。神戸の牛肉のみそづけというものもどうしても買わなければならない。名古屋の守口づけ、もうきまっている。もう少し何か目を喜ばすような、ほんとうのサービスがやはりあってしかるべきだと思う。  それから国鉄のサービスの中でも、食堂と関連してですけれども、あの中のアナウンスなんか聞いていると、実に食堂関係のアナウンスばかりだ。大阪から東京までの間の特急つばめ、あの中で一体食堂関係のアナウンスが何回行なわれていますか。何分おきに行なわれているか。あんなものは雑音ですよ。そういうことも考えてもらいたい。それから水なんか飲みたいと思ったって、飲む場所がないでしょう。あの冷却用の水飲み装置がありますけれども、たいていこわれているほうが多い。それからまた、じゅうたんなんか見ておりましても、あんなものはじゅうたんじゃないですよ。どろたんだ。すっかりどろだらけになってしまっておる。最近では、清掃しましょうなんということをやかましく言ってやっておりますが、オリンピックに備えて、車内を美しくしましょう運動が行なわれておりますけれども、肝心かなめの、国鉄としてやらなければならぬ部門が非常にお粗末です。  こんなことを考えてまいりますと、あんなものでもって、もし外人客がどっと日本に入ってきたときにどんな感じを受けるだろうかという不安が私はあるわけなんです。オリンピックのときだけやれというのじゃなくて、これを機会にして改善してそして将来に備えていくという考え方に立ついいチャンスじゃないかと思いますので、もっと列車食堂なんかに対する監督を強化してもらいたい。  それから従業員のサービスが悪いということは定評がありますけれども、これらに対しても——あれは激務であって、一つ列車でもって四人でしょう。ひまなときは何かみやげものを売りに歩いている。一番忙しいときでも四人しかいないじゃないですか。どうしてこなせるのですか。こういった面につきましても相当な指導監督をしなければいけないんじゃないかと思います。  とにかく、もう少し経営の内容といいますか、食事の提供のやり方を変える必要があるということです。いま言ったようなもろもろの点について改善を加えていく必要があるんじゃないか、こういうように思うわけなんです。  それから同時に、最近、オリンピックを契機として料理飲食等消費税の問題が出ておりますが、列車内の食堂のあれは、ほとんど脱税をすることができないような状態になっております。非常に厳格だと思うのです。しかしながら、五百一円以上については一割でありますから、ビール等一本飲めばかなりなものになってくる。ああいったものについて何か考え方はないのですか。ただ単に外人客のホテルにおけるところの料理飲食等消費税を軽減するというようなことばかりじゃなくて、国鉄自体として何か考えておられる向きが、あるいは希望があるんじゃないかと思うのですが、そんな点はございませんか。こういった点についてひとつお答えを願いたい。
  21. 河村勝

    河村説明員 供食の形態について、マンネリズムで、いつまでも同じようなことをやっているというおしかりでございますが、確かに外国におけるようなゆっくりしたサービスができないからには、それはそれなりに改善の方法を考えなければならぬことは事実でございます。十月から動き出します東海道新幹線の列車は、現在のところビュッフェを二両だけつけて、食堂はなしにすることにいたしておりますから、これも先生から先ほどカフェテリア式をとったらどうかというお話がございましたが、確かにそれも一つのおもしろいアイデアであるというふうに考えます。二両をビュッフェにして、二両をカフェテリアにするというようなことをわれわれとしましても考えてまいりたいと思います。  税金のことは、これはわれわれとしては一般法律に縛られておりますので、いまのところ何ともならぬわけでございますけれども、あの列車食堂というのは、人の使い方にしましても、一般人件費に比べて、宿泊その他もございましてよけい金もかかりますし、設備といたしましてもやはり金がかかって、そのわりに回転率が非常に少ないというようなことで、なかなか経営としてはむずかしいので、列車食堂のようなものにつきまして特に料理飲食税が軽減されるというようなことがありますれば、非常にありがたいと考えております。
  22. 阪上安太郎

    阪上委員 次にホテル関係、私よくわかりませんが、列車食堂内容を見ておって非常に不安に感ずるのです。日本における観光ホテル等食事サービス等の点についても、はたして国際水準にいっているのかどうかというような感じがするのでありますが、どなたかおいでになりましたら——あれで十分にやっていけるかっこうですか。
  23. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 ホテル、それから旅館、レストラン、この三つにつきましては、ホテルについてはホテル協会、レストランについてはレストラン協会、旅館については、数多くある旅館の中での一流のものだけで組織いたしております国際観光旅館連盟、こういうふうな協会がございますが、その協会を通じて、運輸省としましては、ただいまのところ、接遇の向上という問題について平素指導をいたしておる状況でございます。
  24. 阪上安太郎

    阪上委員 食堂のほうはうまくいっていますか。
  25. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 食堂の問題でいま私どもが一番重点的に業界を指導いたしております問題は、先ほど来問題になっております、量がはたして特に外人等に十分であるかどうかという問題もございますが、いわゆる料理のメニュー化と申しますか、こういうことを一つの項目に掲げております。それは、ホテル等における洋食の場合におきましては、御承知のとおり、たとえばフルコースが出ましても、何から始まって何に終わるということが一応お客さんにわかる。しかし、日本料理の場合には、この次に何が出てくるのやら全然見当がつかない。食べ終わって初めて、これが全部であったのかというふうなことであっては、やはり接遇上欠くるところがあるのじゃないかということで、特に日本料理のメニュー化、しかも料金を明細にはっきり書けというふうなことを中心に、特にオリンピックを控えてただいま指導をいたしております。  それから、全般的に観光業界あげて一つの大きな運動といたしておりますのは、ノーチップ運動の展開でございまして、これは二年前、三十七年の五月一日に運輸省から依命通達で観光関係の業界に出しまして、ノーチップ運動というものを強力に展開いたしておる次第でございます。私どもは、日本に来ればノーチップである、これを一つの大きな観光の魅力にしたい、また、これでこそ観光日本としての一つの大きな宣伝になるのではないかというふうな気持ちでただいまいたしておる次第でございますが、これにつきましては諸外国でもかなり反響を呼びまして非常にいい成果をあげておる、さように信じております。特にオリンピックのホテル、旅館等の予約の受付を一昨年の十二月一日から世界各地で開始いたしております。その開始いたしました予約の受付の際に、日本では全部ノーチップであるということを、世界各国にその料金表と同時に送っております。これは英語とフランス語とスペイン語でいたしておりますので、そういう面におきましてもかなり徹底をしておるのではないかと私ども信じております。  それからもう一つ、一番困ります問題は、先ほど最後に先生がお触れになりました料理飲食等消費税の問題、これは五百円から三千円までが一割、それをこしました場合は一割五分ということになっておるのでありますけれども、いま一番私どもが接遇上困る、非常に切実な問題として身にしみております問題は、このサービス料の問題でございます。本来の飲食の料金にサービス料が一割かかる。一割かかりましたものに料飲税がかかってまいります。これがどうも外人には理解しにくいらしゅうございまして、この問題がいま非常にホテルなりレストランでいざこざを起こしております。いざこざを起こしておりますからといって、運輸省としては手をこまねいておるわけにもまいりませんので、簡単に英語で書きまして、こういうふうなことになっているということをいたしておりますけれども、全国のレストランというレストランに全部語学のできる人があるわけでもございませんので、非常に不愉快な印象を与えておるということを心配いたしております。  それからもう一つは、三千円というものを境目にいたしまして一割と一割五分の税率の差が出てまいります。そういたしますと、ジュース一ぱい飲んだためにとたんに三千円を超過する場合があるわけなんです。そういたしますと税率のほうでは一割から一割五分になる。ジュースそのものの価格はかりに五十円でありましても、結果としては、百五十円になったり二百円になったりするということで、まことに日本という国は摩訶不思議な国であるというふうな印象を与えておりますので、こういった点をオリンピックまでにはぜひすっきりした形にしてもらって、金をいただくものは気持ちよくいただくというふうな方向に持っていくべきではないかというふうに運輸省としては考えておる次第でございます。
  26. 阪上安太郎

    阪上委員 逆にこっちがしかられているようです。  そこで、この食事状態なんですけれども、べらぼうな金を出せば、いまの日本の観光ホテルでは何でも食えますよ。しかし、通常の食事をする場合における食事内容を私は言っているわけなんです。これについても、私は、ホテルの食事がどうなっておるか、あまり聞きませんけれども、たいていあまり感心しないという感じが実はするわけなんです。量が不足している、バラエティーに富んでいないというようなこと、ワンコースを見ましても、魚だって一種類に限られてしまっているというような点が多々あると思うのであります。われわれは、かつて飛行機がなかった時代に、ずいぶん諸外国へも歩き回ったほうでありますけれども日本の船で旅行するということは、豪華ではないけれども、もう実に食事が至れり尽くせりであるということで、たいへん外客を日本の船で運んだという記憶がございます。最近は国際航空で飛んでいくわけなんでありますけれども、この面の食事は、日本航空等では私は国際水準を越えているのじゃないかというくらいの感じはいたします。けれども、はたして、わが国におけるホテルの食事サービスがああいった程度並みにいっているという感じはしないのです。あの洋食というのはどこのスタイルなんですか。日本で洋食洋食というのは、フランス料理なんですか。
  27. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 どうもただいまの御質問に明確にお答えできないのは非常に残念でございますけれども、特にメニューなんかの場合には、フランス風の何とか、イギリス風の何とかというふうに書いてある場合がございますが、そういうふうに特別にどこの国のスタイルということが書いてない場合は、大体やはり私はヨーロッパ式のものではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
  28. 阪上安太郎

    阪上委員 これはさっきの食堂の話なんかとからんでいるのですが、いまシナ料理が世界的に非常にポピュラーになっている。これは御存じだと思います。たいへん人気を呼んでおります。日本でも、てんぷらとか、すきやきなんというものは非常に人気を呼んでおります。この間もニューヨークに行ったら、何か「スキヤキ小うた」というのがはやっておって、「上を向いて歩こう」という歌なんかずいぶんはやっておったのですが、やはりそういったバラエティーを持たしていくことも必要ではないかと私は考えるのです。それからバイキング料理がいま出ている。これはどこでも大体やっているように思います。ただ私は料理で非常に不愉快に思うのですが、たとえばアイスクリームを注文すると、アイスクリームが一種類しか出てこない。あちらでは、アイスクリームなんか注文しましても、ピーチメルバであるとか、いろいろな種類のものが用意されているということなんです。あんな点でも日本は非常にけちくさいではないかと思うのです。ほかにもいろいろそういう例がありますが、ホテルのことはよくわかりませんので、十分指導してもらいたい、かように思います。  それからついでに伺っておきますが、ノーチップ制、これはもう全国に相当徹底しておると思いますが、さらに徹底させていただきたい、こういうふうに思います。  それからガイドですが、あれは国家試験を受けた者を知事が認可する、こういうことになっておるのですが、これはやみガイドがあるように私は思うのです。見ておりますと、あまりよくないような人がときどき見受けられるのです。  それから、ホテルの話が出ましたが、オリンピックを目途としての予約でございます。予約を募集されておりますが、何か買い占めとか、そういったような状態が出ておりませんでしょうか、それに対してはどういう取り締まりをしておられるか、伺っておきたいと思います。
  29. 梶本保邦

    ○梶本政府委員 オリンピックを控えまして運輸省の一つの大きな課題は、宿泊対策の問題でございます。これには、まず、一体何人観光客が日本を訪れるのかということから始めたわけでございますが、運輸省だけの単なる算定では権威もございませんので、幸い総理府にございます観光政策審議会におはかりをし、関係各省の幹事会でいろいろデータを出し合った結果、御承知の一日最高三万人程度というふうな結論が出まして、そしてそれに基づいての対策を立てておる次第でございます。しかし、その三万人を全部ホテルで受け入れようというふうなことは、これは非常に無謀なことでございますし、かつまた日本国情に合いません。したがいまして、ホテルでどのくらいお引き受けするか、日本旅館でどのくらいお引き受けするか、あるいはユースホステルでどのくらいお引き受けするか、あるいは民泊、一般の民間の御家庭に宿泊していただく、あるいは船で来るいわゆる船中泊がどのくらいというふうなことで、いろいろ関係各省とやって一応の結論が出たわけでありますけれども、ただいまのところでは、ホテルが一万二千八百人、旅館が三千五百人、ユースホステルが一千人、その合計で一万七千三百人、それから船中泊なり民泊なりというふうなことで一万二千七百人、合計三万人、こういうふうな一応のめどで対策を立てております。したがいまして、ホテルの一万二千八百人を受け入れるためにはもうどのくらいホテルをつくらなければならないかということで、いろいろ関係方面と折衝いたしました結果、大体ホテルにつきましては、オリンピックまでにはただいまの進捗模様では間に合います。そういう段階になっております。旅館のほうも大体間に合う。それからユースホステルも、三十八年度に千人を受け入れるだけの予算がつきましたので、この点もわれわれとしては喜んでおる次第でございます。したがって、開発銀行のほうの融資としましては、三十八年度六十億、ホテル、旅館等についての融資が行なわれるということで、きょう現在では五十億余り融資されておりまして、残りの十億が年度内に出る、こういうふうな段階になっております。  それで、まず、先ほど申し上げましたように、一昨年の十二月一日から予約の開始をした、その十二月一日に予約を開始する直前の十一月二十八日に、運輸省はホテル協会と国際観光旅館連盟に依頼の通達を出しております。これはホテルにつきましては、基準客室の九割を外人観光客に開放していただきたい、旅館については、基準客室の七割を外人観光客に開放してもらいたい、こういう、通達と申しますか、お願いをしたわけでございます。ホテル、旅館とも気持ちよくそれに応じてもらいまして、それで予約を受け付けたわけです。最近になりまして、ことしに入ってからでございますけれども、どうも報道関係あるいはオリンピック役員関係等でそれぞれの当てておられました宿泊のほうの準備がまだ必ずしも十分にいかないので、ホテルのほうでさらにそれだけを優先確保してくれないか、こういう問題がことしになってから出てまいったわけでございます。幸い目下建設中のホテルがございますので、このホテルに対しまして国から財政投融資のお世話もしていることだから、何とかオリンピックの予約について優先的にお願いしたいということで、関係各省から御要望のありました八百六十名につきましてさらに優先確保の手配をこの二月十六日にいたしました。その優先確保八百六十名いたしました残りのものは、明後日、三月一日から一般の予約を受け付けるというふうな手配をただいまいたしております。これで大体ホテルにつきましては私どもは何とかなるのではないだろうかというふうに考えております。  それからこの予約の中で、買い占めでございますけれども、こういう問題が絶対にないとは、私は残念ながら言えないのでございまして、これにつきましては、そのようなあっせん業者が買い占めたりするようなことがあってはならないぞということは、運輸省としましては再三関係方面に通達も出して、そのつど警告をむしろ発しておる次第でございます。現在の状況を申し上げますと、オリンピックが十五日、その前後の一日を取りまして十七日というものを全体の部屋数に掛けまして、いわば延べ部屋数というものを出しまして、その延べ部屋数に対してどのくらい予約が来ておるかと申しますと、九二・二%、九割をこえる予約率になっております。ただ、この予約率の中に、何のたれそれという具体的の氏名の判明しておるものと、氏名は判明しないけれども、とにかく予約を受け付けておいてくれというのとがあるわけでございます。具体的の氏名の判明いたしておりますものが六割五分ございます。あとは、具体的の氏名は判明していないけれども、あっせん業者等からとにかく予約を受け付けたというのもございます。それから、御承知の、予約制度というものとオリンピックの入場券をリンク制にしたわけでございまして、予約の証明書の出た方に対して入場券を発売するということを外人観光客についてとっておる次第でございまして、その予約の証明書を出しましたものが四割六分ございます。ですから、大体半分近くの数字がその証明書を出して、そうして入場券のほうへそれを求めるべく流れていっておる、このようにただいまのところ考えておる次第でございますが、ただ、オリンピックというものがいわば非常に人気があるものでございますから、先生の御指摘のように、絶対に買い占めがないかと言われますと、残念ながら、観光局長といたしましても、ないとはお答えできないような状況でございますけれども、機会あるごとに観光業界に対してはこの問題について強く警告を発して、そういうふうなことのないようにいたしておる次第でございます。
  30. 阪上安太郎

    阪上委員 大体様子がわかりました。たいへんよくやっていただいておるようです。ユースホステルのほうには問題はそれほどないと思いますが、これなどの食事なんかにつきましてもやはり考えていただかないと、だいぶ落ちるのではないかという感じがいたしますから。それから日本旅館の利用、これらにつきましても、サービス面で非常に注意をしていただきたい。同時に、こういった中から好ましいからざる問題がよく起こってくるのであります。これは一体だれが監督するかということになると、私はたいへんだと思いますが、いわゆる婦人関係の問題がたくさん起こるのでございまして、われわれとしては日ごろ一番頭を痛めておる問題なんであります。そういった関係等につきましてもひとつよく教育をしてもらわないといけないのではないかと思います。そういうことが欠けておりますと、たいへん不評判なものをもって、また認識不足で日本というものを真実知らないで、実にだらしのない国だというようなことでもってやられてしまう傾向もありますので、そういった面における教育というものも十分にやっていただきたい。外人から見るとみないいところのように見たりする向きがありますから、よほどよく注意をしておいてもらわなければならないと思います。そういうこともあわせて今後ともひとつ指導していただきたい、かように存じます。  ホテル関係は大体この程度にいたしまして、次に組織委員会のほうへちょっとお伺いします。  選手村の献立はいただいております。大体これはきまったのだろうと思いますが、そしていずれもカフェテリア方式でもって提供する、これはこれで当然だと思います。このメニューを見ましても、私は何回も経験がございますけれども、これだけ献立をすれば非常にいいと思うのであります。量につきましてはここに別段ありませんけれども、カロリーは出ておりますし、いいのでありますが、これ以外に選手村では食事を与えるような場所は全然ないわけなんでございますか。
  31. 与謝野秀

    与謝野参考人 お答えいたします。  選手村の中には大きな食堂が二カ所と女子の食堂が一カ所でございます。その他には飲食店に類するものはないのでございます。
  32. 阪上安太郎

    阪上委員 むずかしい問題でありますけれども、簡単なカフェーというようなものはつくらないのですか。
  33. 与謝野秀

    与謝野参考人 コーヒー店その他清涼飲料を飲める場所はまた用意いたします。
  34. 阪上安太郎

    阪上委員 私、計画をよく読んでいないのですけれども、ここには各国別のいろいろなものが出てきております。これは特別の食堂で、二カ所つくったら、どっかの一つ食堂でこれは提供するのだと思いますが、このスイス、オランダ風あるいはポルトガル風と、いろんな各国の代表的な献立が取り上げられておりますが、これはこの基本のメニューとはまた違うのでございますか。
  35. 村井順

    村井参考人 先ほど事務総長から御説明いたしました男子の食堂二カ所ございますが、その二カ所の食堂をさらに十二のグループに分けるわけでございます。その中の一カ所だけは、インターナショナル・グループと申しまして、どこの連中が来ても口に合うような献立を二、三種類考えております。また時間にしましても、朝六時から夜二十四時まで、とにかくオープン的に使えます。あとの十一のグループにつきましては、常に準備するものと各国別の特別の食事を取りまぜまして特別なメニューを、ここはヨーロッパ風とか、ここは東南アジア風とかいうような食堂が、グループ、グループで十一できるわけであります。献立は、外国別につきましては約百種類を用意しております。この百種類の中から毎日毎日選びまして適当な献立を二、三種類ずつ出そう、こういうことで、どこのグループに行けばヨーロッパの連中は口に合う、どこのグループの食堂に行けば東南アジアの人は口に合うとか、こういうような準備をいたしております。
  36. 阪上安太郎

    阪上委員 そうしますと、食堂の中で、このテーブルは日本のテーブルだとか、これは米国のテーブルだとか、そういうものは設けないわけなんですね。それで各国の代表的なものを出す、グループをちゃんとつくっておって、そこへだれが行ってもいいわけなんですか。
  37. 村井順

    村井参考人 だれが行ってもかまわないわけでございますが、大体アメリカ人の好むグループはこちらのほうだというのでかたまることになりますが、ほかの国の人が入ってはならぬということにはなりません。
  38. 阪上安太郎

    阪上委員 この献立の中に各国の代表的なものが出ているが、シナ料理がありませんね。私はさっきからシナ料理ばかり言っているが……。
  39. 村井順

    村井参考人 私もこれを読みまして、シナ料理が入っておりませんが、シナ料理は十分入ることになると思います。昨年秋のスポーツ大会におきましてもシナ料理は皆さんたいへん好評でございまして、十分入れたいと考えております。
  40. 阪上安太郎

    阪上委員 もう終わりますが、これと関連しまして、劇場はオリンピックのヴィレジの中にあるのでございますか。
  41. 村井順

    村井参考人 現在も、ワシントン・ハイツといたしまして、八百人から九百人くらい収容できる劇場がございますので、それを補修いたしまして気持ちのよい劇場に改造いたしまして、毎晩何かの催しものをしたい、さように考えております。
  42. 島村一郎

    島村委員長 続いて、オリンピック入場券、招待者等の問題について質疑の通告がありますので、これを許します。川崎秀二君。
  43. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 ぴしぴしと聞いて、そして簡単にします。  オリンピック大会の聖火リレーの最終ランナーはいつごろまでにきめますか。
  44. 与謝野秀

    与謝野参考人 聖火リレーの最終ランナーにつきましては、最後までこの名を伏せておくという例と、無名の新人を起用する例とがございますが、実は組織委員会の中の競技小委員会に昨日私が、そろそろ皆さまのお考えを、まず根本的に、たとえば有名人がいいか、無名がいいか、若い人がいいか、金メダルをとった人がいいかというようなことから考えていただいて、いろいろ御意見を伺いたいということを提起しておいたのでございますが、いずれ皆さんの意見も出てまいりましょうが、まだ相当時間はかりていいのではないかと思うのであります。場合によって水泳の選手にその人選が当たった場合には、三カ月なり半年なり練習してもらわなければ走れないのではないかというような声もありますので、それをにらみ合わせてきめていきたい、こう思っております。
  45. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 いつもの大会の例では、あれは最後は事務総長の権限ですか。
  46. 与謝野秀

    与謝野参考人 外国の大会の例は存じませんが、組織委員会で私の前の事務総長の時代に、最後の決定は事務総長にまかせようという一応の決議があるのでありますが、私どもといたしましては、皆さんの御意見を伺って、その上で最も多数の人の意見に従いたい、こう考えております。
  47. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 いろんなとっぴな案があって、昔だとおそれ多いということでしょうけれども、皇太子殿下に馬に乗って入ってもらうというようなとっぴなことを言う人もあります。これは非常にとんでもない案ですけれども、朝日の天声人語子が、明治、大正、昭和と分けて、各年代におけるスポーツの先達——昭和は先達はないだろうけれども、明治時代で金栗さんなら金栗さん、昭和なら織田幹雄君というような者を、競技場を入って三つに分けて——ことに今度のオリンピック大会の階段は二百何段かあるそうで、年寄りではとても登れないだろうから、三つに分けたらというようなおもしろい構想も出ていました。しかし、最終ランナーは、事務総長は、原則として大会の会場へ入ってきて聖火台まで登るのは一人と考えて進めておるのですか。
  48. 与謝野秀

    与謝野参考人 まだ進めているわけではないのでありまして、それにお答えできないのでありますが、昨日皆さんの意見を伺った空気でも、朝日の天声人語の話も出ておりましたが、それはちょっとというように、みんなが首をひねっておられたように感じました。
  49. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 それは因るというような……。
  50. 与謝野秀

    与謝野参考人 やはり一人というのが大勢ではないでしょうか。
  51. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 有力候補に古橋広之進君の名前が出ておるので、たとえば水泳選手という場合に、上まで登るのには、古橋君は最近は非常に肥満しておるので、トレーニングの必要があるのではないかというような話が出てきたのではないかと私は想像もしておるのですが、無名の選手でも、青年を鼓舞するという意味では、最近メルボルンのオリンピックの大会に最後のランナーをつとめた者が、無名の選手で、高等学校の千五百メートルの優勝者だったというのですが、ゆうべテレビを見ておると、これがアメリカのインドア競技に行って、三マイル競争で室内世界新記録をつくった。だから、そういう意味では非常に激励の意味にもなるのですね。私はそれにしろとは言わぬけれども、そういうことも相当勘案されてしかるべきだと思います。最終ランナーの前に著名な選手を走らすのも一つの考えではないか、こういう点も参考にしてもらったらということで、そういうような意見はどうですか。
  52. 与謝野秀

    与謝野参考人 御意見は十分拝聴いたします。
  53. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 第二は、特別招待者の問題であります。ローマ大会では特別招待者というものが相当ありましたか。たとえば、いま日本で問題になっておるのは、世界からこの東京の祭典にぜひ招こうというので、東京大会招致に功労のあったような人、そういうことも話題にのぼっておるそうですが、ローマ大会の前例はどうだったのでしょうか。
  54. 与謝野秀

    与謝野参考人 東京大会にも、前大会のときの組織委員会の会長、事務総長、また次の大会、つまりメキシコの組織委員会の会長あるいは事務総長というような方は、当然招待することになっておりまして、ローマでもそういう例はあったと思うのでありますが、それ以外の、功労のあった人の招待者の数というものは非常に限られていたということを聞いております。
  55. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 この問題は予算にも関係をするので、予算委員会の第二分科会で佐藤担当大臣と文部大臣にお話をしておいたのです。しかし、専門家でもございませんので、答えは当然得られなかったわけですが、予算的にはどのようになっていますか。五、六人呼べば千万円という金がかかるわけですが、一応計算されておりますか。私、別に追及しているわけではないのです。
  56. 与謝野秀

    与謝野参考人 先般、川崎さんもごらんになっておると思いますが、スポーツ新聞に、JOCのほうで、東京大会に功労のあった人を招こうではないか、そういう話があったということが出ておりましたが、その後JOCのほうとこの問題を研究してリストをつくって組織委員会のほうに持ってくるというお話がありましたが、われわれはまだどういう人を呼んでくれという希望は聞いておらないのであります。JOCでまだ練っているのだろうと思います。しかし、JOCばかりでなく、OOCとしても、こういう人を呼んだならばという人があったら、われわれのほうでもイニシアチブをとって呼ぶことも適当ではないかと考えておるのでありまして、先般私がインスブルックに参りましたときに、ちょうどことしはIOCの創立七十周年で、その式典も東京であるものでありますから、クーベルタン男爵の娘さんがローザンヌに住んでおるので、そういう人を呼ぶのもどうだろうというので、事務局に非公式に聞きましたら、いや、あれは病気で、とても旅行できる状態にないのだから、それはだめだろう、こういうことでした。また、その新聞にございますように、JOCは、前の会長のエドストローム氏がスエーデンでまだ存命中である、こういう方は、過去において非常に日本に同情的で協力してくださった方だからという説もあるようでありますが、これも九十歳をこしていて、呼ぶといっても、結局来られないことを見越して呼ぶというようなかっこうになるだろうと思うのでありまして、まだそういった方を呼ぶということもきまっておりません。また、招待と申しましても、こちらからまるがかえで航空賃から何からすっかり持って招待するのと、お金なんか問題でない、ただ、招かれるなら行って、こちらで功労者として適当な待遇を受ければそれで満足するという招待者もあろうかと思いますが、予算の面で、そう多額の金をこれに支出してやるわけにはいかないようであります。ある程度の数ならば、そういうことも見越して用意できるかと思います。
  57. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 JOCあたりの意見では、たとえばロスアンゼルスにいる和田さんだとか、その他の者も呼べ、あるいはマッカーサー元帥を呼べ、たいへん奇抜な意見も出るのですけれども、これはぜひ衆議院における特別委員会で出た意見として、また多少スポーツのことを知っておる者の意見としてお考え願いたいのですが、これと並行して、オリンピック功労賞というものも大体出すことになりそうな形勢になったのですから、和田さんとかその他の人はそういうことで表彰して、東京大会の招致に相当長年月力を尽くしてくれた外国人、あるいはアマチュア・スポーツの経歴も豊かで、選手の鏡となり得るような者という意味で、エドストローム氏は旅行困難だろうけれども、残っておるスポーツ関係の世界的大リーダーとしては、東京大会招致に非常な力があった、一九四〇年のときにベルギーの故ラツール伯とともに国際陸連を代表して努力してくれた人ですから、これは非常な功労者だと私は思います。それから、これはとっぴな案でなしに、現存する世界の最高のスポーツマンとして、フィンランドのヌルミ選手は、九つの金メダルもとったし、ヘルシンキ大会の聖火リレーの最終走者であり、かつ私は非常に意義があると思うのは、彼は百歳を目ざして摂生しているということです。オリンピックの選手はたいがい短命なんです。その後生活に乱れがきた人もあるだろうし、若いときにエネルギーを爆発させ過ぎたというような点もあるのに、とにかく世界不滅のランナーとして銅像まで立っておる。これはヘルシンキにいる小島大使にこの間私個人的に手紙を出してみたら、東京にはぜひ行ってみたいという希望もあるようです。ですから、そういう意味で、観点を世界的スポーツマンの鏡、東京大会招致に直接役立った組織的なリーダーという点にしぼって少人数を呼ぶことのほうがいいように思うのです。あまり多いことになると、やはりこれは国の経費にも関係することですから、ぜひ慎重に事務総長としては扱っていただきたい、かように要望を申し上げておきます。  それから大島君や織田氏などの計画していることで、これはかなり興味のあることですが、金メダルをとった選手を集めたり、あるいは入賞した選手の有名選手を集めて、第一回の入賞者懇親会、オリンピックの昔の友を招こうという計画があるようですが、これはやるとしても民間ベースのことであると思いますけれども、そういうふうに承知してよいでしょうね。たとえば、やるにしても、それに対する補助金あるいは助成金というものは当然出すべき性質のものではない。奨励はすべきであるが……。
  58. 与謝野秀

    与謝野参考人 先ほどの御要望はよく承りました。  ただいまのお話は、実は私はまだ聞いておらないくらいでありますから、当然、組織委員会などが補助するというような計画もないと思います。今日まで存じません。ただ、朝日新聞社が、いままで金メダルをとった選手を全部集められるとか、そういうことはいろいろありましたが、それ以外の計画は聞いておりません。
  59. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 非常にけっこうな企てで、心あたたまることではあると思うけれども、予算的措置としては慎重にやっていただきたい。  それから入場券の問題で、国内的には非常に公正な方法をとっておられることはけっこうなことだと思っておりますけれども、いま私は多少異なことを承るのは、海外へ出した入場券、海外のツーリスト・ビューローから日本の商社が買い上げてこちらへ逆送しておる。東京の発売は非常にスムーズにいって、明治神宮外苑で売り出せば、前の晩からすわり込む者が多い、そこへもってきて、商社がアルバイト学生を使ってなにしている、これもずいぶん目に余るようなことがあったのですが、これと、海外から何ぽかでも向こうのツーリスト・ビューローにあるものを買ってこっちへ逆送するということになると、これは大手の会社の招待客に相当なパーセンテージを、オリンピック見物もいいところを取られてしまうということになって、国内の諸階層に与える影響というものは非常に悪いものがあると思うのですが、そういうことに対してどう対処されておるか。
  60. 与謝野秀

    与謝野参考人 ただいまのような事態がありましたならば、非常に遺憾なことであります。御承知のように、海外の入場券は、各国のオリンピック・コミッティに頼みまして、一国一カ所のエージェントを指定してもらいまして、そこから発売しているわけでございますが、こちらとしましては、日本人の買い占めのような事態が起こらないように厳重に再三注意しているのでありまして、私どもも、日本ではなかなか入場券が手に入りがたいから、外国で買ったほうが楽だというようなことを商社の人が考えているというような程度まではうわさを聞いたことがあるのでありますが、その後日本の商社が外国で買い占めたという例はまだ聞いておらないのでありますし、そういうことのないように措置いたしております。ただ、日本の中で、商社が学生のアルバイトを使ったというようなお話もございましたが、実はわれわれとしては、くろうとのダフ屋を締め出すためにいろいろの手段を講じたのでありますが、これを買って商社に売りつければ少しアルバイト料が出ると考えた学生が相当いたようでありまして、しかも一銭も使わずに、並んで整理券をもらえば、それを会社へ持っていって買ってもらえばいいのだ——ところが、それが、当てがはずれまして、約四万枚という無効の切符が出てしまって、学生はそれだけアルバイトしながら、ついに一銭にもならずに、その分を再度売り出したというようなことが先般あったわけでございまして、そのほうもそれほど悪らつなことはなかったように考えております。
  61. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 たいへんうがった話を伺い、公正に対処されておる点について敬意を表します。入場券の問題はうるさいですから、ぜひ公正に、海外の分もうまく、しかも最終的には入場券が売りさばけるということで、事務総長の手腕の見せどころですから、しっかりやっていただきたいと思うのです。  それから、各国のエントリーは、きのうあたりまででどのくらいになっておりますか。
  62. 与謝野秀

    与謝野参考人 正式のエントリーは大会直前なものですから、正式な数はわからないのでありますが、各国のオリンピック・コミッティヘ、大体何人くらいよこされる予定か知らしてくれという回章を回してあるのであります。それに対して回答をよこしたのが三十何カ国だったかと思いますが、これがわれわれのこれだけ来るだろうという予想よりちょっと数は下回っておるようなところでございますが、大体においてわれわれの予想どおりの選手が世界じゅうから集まる、こう思っておりますが、まだエントリーの正式なものはきていないのであります。
  63. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 金田君、自分が副会長しておって聞くのはおかしいのですが、青少年キャンプに対する誤解が相当あるようでありますから、あなたから明らかにしてもらいたいのだが、昨年あたりは、共産圏は招かないというようなことで、一般にも非常に誤解があるようですが、われわれは、できるだけ共産圏にも呼びかけて、国交のある共産圏は呼ぼう、そしてオリンピック大会一つの意義を加えようという計画で進めておるわけです。たぶん実行委員会のほうの結論もそうなったと思うのですが、この際、はっきりと共産圏を呼ぶのだということを言明してもらいたい。
  64. 金田知成

    ○金田説明員 かねてより、いわゆる青少年キャンプの招請国と申しますか、招請いたします相手国の範囲等につきまして、政府のほうといたしましても、またキャンプ関係の組織委員会等におきましても議論がなされておりまして、いま先生のおっしゃいましたような意見も相当強く要望されておりました。したがいまして、いずれ近く招請国の範囲がはっきりするかと思いますけれども、ただいまのところ、実行委員会等でも議論があったということだけでございまして、その範囲を明確に申し上げる段階ではございません。また、これは政府が大体どの範囲を招致するかということと、組織委員会がどういうところに招請状を出すかという問題と若干問題が違いますので、以上により、申し上げかねるわけであります。
  65. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 共産圏も招こうという意見のはうが強くなっておると考えていいですか。
  66. 金田知成

    ○金田説明員 さようでございます。
  67. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 それから最後に一問だけ伺いますが、組織委員会の中にもいろんな人がおられるようで、大会の開会式の口に、選手入場の前にアトラクションをやろう——国体あたりで、静岡県の茶切節とか、ああいうものが成功したものですから。これはとんでもないことで、私は開会式は絶対いかぬと思う。オリンピック組織委員会が最近そういう意見にまとまられたことはけっこうです。閉会式はアジア大会では大成功したのですが、私はオリンピック大会の閉会式は開会式ほどじゃないと思う。なぜならば、ヨーロッパの選手は、負けてしまえば早く帰るし、勝った者もそう長くおらぬというような関係で、閉会式のウエートはアジア大会とは違うと思う。アジア大会では、東京が珍しいので、ずいぶん見物に残っておったのです。したがって、閉会式があまりさびしくならないようにするためには、閉会式と同時に、日本の情緒豊かな踊りとか民謡とかいうものを聞かすのも一つのなごやかな閉会式になり得ると思うのでありますが、そういう意見が組織委員会の中では強いですか。
  68. 与謝野秀

    与謝野参考人 開会式につきましてはアトラクションは行なわれないということが、組織委員会の小委員会できまったわけでありまして、まだ組織委員会会議にはかかっておりませんが、大勢はそういうことになっております。閉会式は、いま川崎さんがおっしゃったように、少し日本の情緒を出してもよいのじゃないかという意見が強かったのでありますが、何ぶんにも、閉会式の日には午後まで馬術の大障害の最後のあれがありまして、それから閉会式までの間にその馬術の用具を片づけてどのくらいの時間的余裕があるか、その他まだ検討を要するところがあるのですが、できるだけやるということで検討しようということにいまのところなっております。おそらく閉会式はそういう催しが行なわれるようなことになるのじゃないかと思われます。
  69. 川崎秀二

    ○川崎(秀)委員 開会式が昼間の行事ですから、したがって閉会式は、馬術のあれが終わっても、夜間にかかっても、お別れだから夜のほうが相当気分が乗る。イタリアのときもそうだったように聞いておりますが、ぜひそういうふうにお願いしたい。  これをもって私の質問を終わります。
  70. 島村一郎

    島村委員長 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時五分散会