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木村禧八郎君 時間がまいったようでございますから、最後に締めくくりに、いままでずっと
質疑してまいりました、それに対する
答弁をお聞きしまして、最後に御
質問したいのですが、来
年度の
予算編成の
前提とし、また来
年度の
経済運営の
基本方針として
国際収支にまず
重点を置く、第二には
物価安定
——国際収支については、
経済企画庁長官もかなり積極的な政策努力をしてもかなり赤字が生ずるであろうという
お話でした。それから、
国際収支の
均衡に
重点を置くとすれば、
物価をかなり下げなければならぬわけですね
——消費者物価、あるいは最近では
卸売り物価も上がりつつあります、はね返ってきておりますから。すると、
物価をかなり低く押えれば、三十九
年度予算編成にあたって
自然増収が十分に期待できないのではないかというおそれもあるのです。そこで、かなり
成長率は高くしなければならなくなるでしょう。そうすると、輸入がふえて、
国際収支が赤字になる危険がある。そこで、
政府の腹はどういうところにあるか。
国際収支はかなり赤字になっても、外貨保有高がかなり減っても、万一の場合はIMF等からスタンド・バイ・クレジット等を借りれば借りられるのですから、借りてそうしてしのいでいく。ですから、来
年度は、
総理も
国際収支の短期的赤字に驚いたのではいけないということを言っておるのです。しかし、それが三億ドル、四億ドルの赤字になり、しかも
国際収支の赤字の
内容を見ますると、貿易外収支において赤字がどんどんふえておるのであって、かなりこれは恒常的な赤字であります。そう短期にこれは解決するものではないのです。しかも、いままでボローイング政策、借金政策をやってきまして、その元利収いも非常にふえてきておりますよね。そこで私は、
国際収支の赤字をおそれるなと
総理が言っておりますけれども、私はもっとこの点については慎重に
考えなければならぬと思いますが、しかし
総理はあまり赤字をおそれないようでございますから、来年はかなり
国際収支の赤字を覚悟して、そして
成長率もかなり高めにして、
物価もあまり積極的に下げることをしない
——四大銀行あたりの、あるいはまた経団連あたりの
見通しでは大体五・五%か六%ぐらい、三菱銀行は七%ぐらい見ておりますよね、
消費者物価。ですから、三%ぐらいに抑えるったって、あるいは四%あたりですね、それはそういう意図であるということは発表しますけれども、真剣に
物価対策は講じられないのではないか。そして、
国際収支のかなり大幅な赤字を覚悟して、そうしてこの困難な
状態を
昭和四十年に持ち越す、そういう態度で臨むのではないかと思うのです。そうなると、危機はただ次に持ち越されただけであって、一そうその矛盾は大きくなる可能性がある、こういうふうに思うのでありますが、この点について最後に御
質問いたしますが、
総理大臣の御所見を伺いたい。
われわれはそういうふうに判断しておる。それは決して私はいいことではないと思うんですよ。われわれは、
成長率はあまり落としてはいけない。しかし
物価は下げなければならない。そうすると矛盾の集積が
国際収支にくる。
国際収支を前向きに打開するためにはどうしたらいいか。いままでの自主性のないやり方ではだめですよ。OECDに参加する
——OECDに参加する条件として非常な大きな譲歩を要求されておるではありませんか。たとえば、貿易外取引についての海運の問題ですよ。海運の問題は大きな譲歩を要求されているでしょう。資本取引の自由化についても、日米通商航海条約との関係もあって、これは重大ですよ。今後OECDに参加して大国の仲間入りをするのだからいいのだというような安易な態度では、これは許されない。OECDに参加する条件として、資本取引、貿易外取引についての自由化を要求されておるのですから、そうしてOECDに参加すれば、また低開発国に対する
経済援助というものを要求されてくるのです。アメリカの軍事援助、
経済援助の肩がわりを要求されてくるわけですよ。非常に事態は楽観を許さないと思うのですよ。したがって、そういう点について、危機をただ次に持ち越すというような、そういうような形で来
年度の
予算を編成し、来
年度の
経済を
運営したのでは、これは私は間違いではないかと思うのです。最後の締めくくりの
質問といたしまして、
総理の御所見を伺います。