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1963-12-18 第45回国会 参議院 本会議 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年十二月十八日(水曜日)    午前十時三十九分開議   ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第七号   昭和三十八年十二月十八日    午前十時開議  第一 農業共済保険特別会計の歳   入不足をうめるための一般会計か   らの繰入金に関する法律案内閣   提出衆議院送付)  第二 砂糖消費税法の一部を改正す    る法律案内閣提出衆議院送付)  第三 生活環境施設整備緊急措置法    案(内閣提出衆議院送付)  第四 昭和三十八年度分地方交付    税の単位費用特例に関する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第五 義務教育学校教科用図書    の無償措置に関する法律案内閣   提出衆議院送付)  第六 公立義務教育学校学級編   制及び教職員定数標準に関する   法律及び市町村立学校職員給与負   担法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  第七 高知地方法務局吾川出張所存   置に関する請願  第八 天然ガス資源開発五箇年計画    の推進に関する請願  第九 未開発地域経済開発促進に関   する請願  第一〇 国立小諸療養所医療業務   監査並びに医局改善強化に関する   請願  第一一 国立療養所給食費純材料   費引上げに関する請願  第一二 国立療養所入所料二割引   制廃止等反対に関する請願  第一三 国立療養所暖房設備完備   に関する請願  第一四 失業対策事業従事者の希望   退職者に対する一時金支給並びに   賃金引き上げに関する請願(二件)  第一五 じん肺法等改正に関する請   願  第一六 結核による重度身体障害者   の福祉対策に関する請願  第一七 結核対策充実に関する請   願(三件)  第一八 結核療養生活保障並びに   社会保障施策充実強化に関する   請願  第一九 三害(か、はえ、ねずみ)追   放に関する請願  第二〇 社会福祉関係予算確保に関   する請願(八件)  第二一 業務外せき髄損傷患者援護   に関する請願  第二二 身体障害者福祉に関する請   願  第二三 市町村社会福祉協議会に福   祉活動普及員設置に関する請願  第二四 陸中海岸国立公園地域を拡   張し三陸沿岸一帯追加指定に関   する請願  第二五 原子力関係災害救助法成立   促進に関する請願  第二六 新潟県塩沢町大字中地内一   級国道十七号舗装工事施行に関す   る請願  第二七 一級国道四十五号線等の整   備促進に関する請願  第二八 バナナボートバナナ輸送   専引船)の建造を政府計画造船   に繰入れ促進に関する請願(三件)  第二九 三陸沿岸縦貫鉄道早期完   遂に関する請願  第三〇 漁業に関する海難救助改善   の請願  第三一 漁業災害補償制度早期確   血に関する請願(四件)  第三二 漁業災害補償法早期成立   に関する請願  第三三 農林年金農林漁業団体職   員共済組合法改正に関する請願  第三四 国有林解放に関する請願  第三五 乳価安定対策確立に関する   請願  第三六 漁港の整備促進等に関する   請願  第三七 バナナ加工室防災措置に   関する請願  第三八 バナナ室防災措置に関す   る請願実施促進に関する請願  第三九 大衆に関する料理飲食等消   費税減免に関する請願  第四〇 固定資産評価改定適正化   に関する請願  第四一 引揚者の在外私有財産補償   に関する請願(二件)  第四二 租税特別措置法施行令に基   づく固定資産耐用年数等に関す   る省令別表第二の「設備の種類」に   関する請願  第四三 輸入生鮮果実類簡易通関   制度適用に関する請願(二件)  第四四 学童の栄養改善に関する請   願  第四五 国内産牛乳による学校給食   制度法制化に関する請願  第四六 公立学校建物施設基準の   改善等に関する請願(二件)  第四七 国内産牛乳による学校給食   制度法制化等に関する請願  第四八 産業教育実習施設設備の   整備に関する請願   ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、新議員の紹介  一、日本銀行政策委員会委員任命   に関する件  一、日程第一 農業共済保険特別   会計歳入不足をうめるための一   般会計からの繰入金に関する法律   案  一、日程第二 砂糖消費税法の一部   を改正する法律案  一、日程第三 生活環境施設整備緊   急措置法案  一、日程第四 昭和三十八年度分の   地方交付税単位費用特例に関   する法律案  一、日程第五 義務教育学校の教   科用図書無償措置に関する法律   案  一、日程第六 公立義務教育学校   の学級編制及び教職員定数標準   に関する法律及び市町村立学校職   員給与負担法の一部を改正する法   律案  一、日程第七の請願  一、日程第八及び第九の請願  一、日程第十乃至第二十四の請願  一、日程第二十五の請願  一、日程第二十六及び第二十七の請   願  一、日程第二十八乃至第三十の請願  一、日程第三十一乃至第三十六の請   願  一、日程第三十七乃至第四十の請願  一、日程第四十一乃至第四十三の請   願  一、日程第四十四乃至第四十八の請   願  一、昭和三十八年度一般会計補正予   算(第2号)  一、昭和三十八年度特別会計補正予   算(特第2号)  一、昭和三十八年度政府関係機関補   正予算(機第2号)  一、一般職職員給与に関する法   律の一部を改正する法律案  一、特別職職員給与に関する法   律の一部を改正する法律案  一、防衛庁職員給与法の一部を改正   する法律案  一、裁判官の報酬等に関する法律の   一部を改正する法律案  一、検察官の俸給等に関する法律の   一部を改正する法律案  一、恩給、年金等受給者処遇改善   に関する請願外三十六件の請願  一、三井三池炭じん爆発事故責任   追求及び人命保全に関する請願  一、国会議員の歳費、旅費及び手当   等に関する法律等の一部を改正す   る法律案  一、国会職員法の一部を改正する法   律案  一、委員会審査を閉会中も継続す   るの件   —————————————
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。     ————————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第四番、地方選出議員、京都府選出植木光教君。   〔植木光教起立拍手〕   —————————————
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 議長は、本院規則第三十条により、植木光教君を法務委員に指名いたします。    ————————
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  日本銀行政策委員会委員任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  内閣から、日本銀行法第十三条ノ四第三項の規定により、大久保太三郎君を日本銀政対策委員会委員任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  本件に同意することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同意することに決しました。    ————————
  8. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第一、農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案。  日程第二、砂糖消費税法の一部を改正する法律案。(いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長新谷寅三郎君。   〔新谷寅三郎登壇拍手
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ただいま議題となりました二法律案について、委員会における審査経過及び結果を御報告いたします。  まず、農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について申し上げます。  本年の四月から六月にかけての長雨等により、麦の被害が異常に発生したため、農業共済保険特別会計農業勘定の再保険金支払いが増加し、多額の財源不足を生ずることが見込まれますので、本案は、その不足を埋めるため、昭和三十八年度において、一般会計から八十八億一千万円を限り、この特別会計農業勘定繰り入れができることにしようとするものであります。なお、この繰り入れ金については、後日、農業勘定に決算上の剰余が生じた場合に、再保険金支払い基金勘定繰り入れるべき金額を控除した残余から、一般会計に繰り戻すことにいたしております。  委員会におきましては、「池田首相農業等革命的施策を講ずると言っているが、農家の所得を補償するため農業災害補償制度について具体的な改善策があるか」。「果樹等成長農産物制度対象とすることについての検討はいかになされているか」。「損害の査定等を見ても、通常の保険の観念では律し得ない制度であり、基本的に再検討すべきではないか」。「農家が申告する被害額さえ明確にされず、一般会計からの繰り入れ額を決定するのは不合理ではないか」等の諸点について質疑がなされましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近の国際糖価高騰に伴い、国内糖価も相当な値上がりを示しております実情にかんがみまして、これが消費者の家計に及ぼす影響をできるだけ緩和する見地から、精製糖について一キログラム当たり五円、黒糖及び再製糖についてそれぞれ四円引き下げ、その他の砂糖類についてもこれに準じて砂糖消費税の税率の引き下げを行なおうとするものであります。  委員会におきましては、「わが国の糖価が諸外国に比して一番高くなっている原因は、税負担の過重のためであるから、今後全廃の方向に努力すべきではないか」。「昨年来の著しい高騰にもかかわらず、わずか五円程度の引き下げでは、物価を抑制する実効が見られないのではないか」。「第四十三回国会には、関税、砂糖消費税をあわせて引き下げる案を提出したのに、今国会では砂糖消費税だけの引き下げ措置を講じている理由、また甘味資源特別措置法案等がおくれて提出されるに至った理由は何か」等について質疑がなされましたが、その詳細につきましては、会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して柴谷委員より反対公明会を代表して渋谷委員より賛成民主社会党を代表して天田委員より反対、第二院クラブの大竹委員より賛成日本共産党を代表して須藤委員より反対意見がそれぞれ述べられました。  かく討論を終わり、採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  11. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これにより採決をいたします。  まず、農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。    ————————
  13. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  14. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————————
  15. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第三、生活環境施設整備緊急措置法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長鈴木強君。   —————————————   〔審査報告書は都合により追録に掲載〕   〔鈴木強君君登壇拍手
  16. 鈴木強

    鈴木強君 ただいま議題となりました生活環境施設整備緊急措置法案について、社会労働委員会における審議経過と結果を報告いたします。  本法律案は、第四十三国会において当院が可決して衆議院に送付した同名の法律案同一内容のものであります。  本法律案の要旨は、第一に、下水道施設下水終末処理場し尿処理施設及びごみ処理施設整備事業について、それぞれ五カ年計画を策定すること、  第二に、建設大臣及び厚生大臣は、それぞれの主管事業について、昭和三十八年度以降五カ年間の実施目標事業量を定めた計画案をつくり、閣議の決定を求めること、  第三に、国及び地方公共団体は、これが実施に必要な措置を講じ、施設整備につとめること等であります。  委員会においては、小林厚生大臣及び建設自治大蔵関係政府委員に対して熱心な質疑が行なわれましたが、清掃事業改善について厚生当局から、「近く清掃法改正を提案することとし、その際、清掃事業施設市町村固有事務であることを明らかにしてその責任を明確にする。また、従来の請負制度を漸次直轄に改めるよう指導する」との答弁があり、東京都における清掃事業の特別区移譲問題については自治当局から、「実施について種々困難な問題もあるので、委員会における御発言趣旨に沿うよう、厚生自治両省で十分検討したい」との答弁があり、また、清掃施設に対する国庫補助については大蔵当局から、「事業重要性にかんがみ、計画達成のため必要な措置をとるよう努力する」との答弁がありましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、委員会は、全会一致をもって徳永委員提案にかかる次の附帯決議を行ないました。    生活環境施設整備緊急措置法案    に対する附帯決議  一、政府は速かに本法に基き五ケ年計画を樹立しその内容を公表すること、なお計画対象は、出来る限り広範囲とすること。  二、生活環境を抜本的に改善するため、清掃法下水道法等について、すみやかに所要の改正をおこなうとともに、総合的な公害対策の樹立につとめること。  三、政府は、自治体に対して、自治体責任をもって清掃事業の適切なる実施を期するよう行政指導すること。  四、施設整備にあたっては、住民に負担をかけないようにっとめること。  五、清掃事業に関する地方交付税算定基礎実情に見合ってすみやかに合理化するようつとめること。  六、政府は、悪条件にある清掃事業職員待遇改善のため特別の配慮を行なうこと。  七、生活環境施設設置にあたっては、とくに農漁業に悪影響をあたえないよう配慮すること。  右に対して、小林厚生大臣から、決議趣旨を尊重して善処する旨の発言がありました。  以上報告いたします。(拍手
  17. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  18. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————————
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第四、昭和三十八年度分地方交付税単位費用特例に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。地方行政委員長竹中恒夫君。   〔竹中恒夫登壇拍手
  20. 竹中恒夫

    竹中恒夫君 ただいま議題となりました昭和三十八年度分地方交付税単位費用特例に関する法律案について、地方行政委員会における審査経過と結果を御報告いたします。  本法案は、人事院の勧告に基づき、本年十月一日から実施国家公務員給与改定に準じ、地方公務員給与改定を行なうため必要な経費を、昭和三十八年度分普通交付税につき、基準財政需要額に算入するため、その基礎となる単位費用について、本年度分特例を定めようとするものであります。  これにより、本年八月に決定された昭和三十八年度分普通交付税の額は概算交付額とみなすものとすることであります。  本委員会におきましては、十二月十二日、金子自治政務次官から提案理由説明を聞いた後、政府当局との間に質疑応答を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいと存じます。  十二月十七日、質疑を終局し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案は、多数をもって、原案どおり可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  21. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————————
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第五、義務教育学校教科用国書無償措置に関する法律案。  日程第六、公立義務教育学校学級編制及び教職員定数標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案。  (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。文教委員長中野文門君。   〔中野文門登壇拍手
  25. 中野文門

    中野文門君 ただいま議題となりました二法案につきまして、文教委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、義務教育学校教科用図書無償措置に関する法律案について申し上げます。  この法案は、さきに制定を見た義務教育学校教科用図書無償に関する法律において確立された方針に基づき、無償措置実施に必要な基本的事項規定するとともに、その円滑な実施に資するため、教科書採択及び発行制度整備し、もって義務教育充実をはかることを目的とするものであります。  しこうして、その内容は、  一、国が、毎年度採択された義務教育学校教科用図書発行者から購入し、学校設置者無償で給付し、校長を通じて児童生徒給与すること。  二、都道府県教科用図書選定審議会を置くこと。  三、都道府県教育委員会は、教科用図書採択地区を設定し、市町村教育委員会に対し、採択事務について適切な指導助言または援助を与えること。  四、義務教育学校教科用図書は、政令で定める期間、毎年度同一のものを採択すること。  五、文部大臣は、教科用図書発行者を一定の基準によって指定すること。六、この法律は公布の日から施行し、採択に関する規定は、小学校において使用する教科用図書については昭和三十九年三月三十一日、中学校において使用する教科用図書については昭和四十年三月三十一日までの間は適用しないこと、等を骨子とするものであります。  衆議院におきましては、教科用図書選定採択地区の範囲及び採択方法教科書発行者に対する文部大臣権限等について修正の上、参議院に送付してまいったのであります。  当委員会におきましては、昨日、政府当局より提案理由を聴取し、次いで長谷川峻衆議院議員より修正点についての趣旨説明を聴取いたしました後、質疑に入り、都道府県教育委員会の任務としての指導助言または援助についての質問がなされました。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して豊瀬委員より反対意見公明会を代表して柏原委員より賛成意見、自由民主党を代表して吉江委員より賛成意見がそれぞれ開陳されました。これらの質疑並びに討論の詳細は、会議録により御承知願いたいと存じます。  続いて採決の結果、本法律案は多数をもって衆議院送付原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、公立義務教育学校学級編制及び教職員定数標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案について申し上げます。  御承知のとおり、重要な義務教育を振興するために定められているこれらの法律制度は、今日ようやく、すし詰め学級の解消いうと成果をもたらしました。しかしながら、教育効果を一そう高めるためには、さらに新たな前進が必要であり、特に、先般改定されました義務教育学校の新教育課程の適切な運用にあたっては、専科教員等増員充実が非常に大切であります。また、今後数年間にわたって、児童生徒が急激に減少する時期を迎えますので、現行標準のままで推移すれば、教職員定数の大幅な減少を来たし、人事行政にも重大な支障を生ずるおそれがあります。よって、ここに新たな目標のもとに、計画的に学級編制教職員定数標準改善するために、本法律案提出されたのであります。  次に、法律案内容の主要点を御説明いたしますと、  まず第一には、学級編制について、現行学級五十人を四十五人にするとともに、小規模学校特殊教育学校等についても、それぞれ適切な標準を定めております。  第二には、教員定数に関する算定標準について、教育内容充実のために必要な専科教員等増員できるよう改善を加えております。  第三には、従来、不足に悩んできた養護教諭事務職員増員をはかっております。  第四は、経過措置についてであります。本法律案実施昭和三十九年度からとなっておりますが、まず、学級編制標準については、五年後の昭和四十三年度末までに一学級四十五人となるよう、その間の必要な経過措置政令で定めることといたしております。また、教職員定数標準についても、同様の措置によって、五年間に漸次改善をはかることとしておりますが、児童生徒数減少傾向が著しい府県並びに現に定数を上回る教職員を擁している府県については、特別の配慮をすることといたしております。  第五には、事務職員充実と関連して、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正して、県費負担事務職員の資格の制限を緩和しております。  なお、衆議院において、政府提出原案にありました文部大臣都道府県に対してなし得る「勧告」を、「指導又は助言」と修正いたしております。  委員会におきましては、昨日、文部大臣提案理由説明を聞いた後、長谷川峻衆議院議員より、衆議院における三党共同提案にかかる修正点説明を求めました。  かく質疑討論もなく、直ちに採決いたしましたところ、本法案全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次いで、各派共同提案にかかる附帯決議案委員長より提出し、これまた全会一致をもって可決いたしました。  決議内容は、「四十五人を適当とする定数標準法改正に伴う国庫負担金制度については政府改正法趣旨に従い運用すべきである。」というものであります。これに対し、文部大臣より、本標準法並び附帯決議趣旨に沿って努力する旨の発言がありました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、義務教育学校教科用図書無償措置に関する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  27. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————————
  28. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、公立義務教育学校学級編制及び教職員定数標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  29. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————————
  30. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第七の請願議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。法務委員長中山福藏君。  〔中山福藏君登壇拍手
  31. 中山福藏

    ○中山福藏君 高知地方法務局吾川出張所存置に関する請願は、法務委員会において審査の結果、願意おおむね妥当なものと認め、採択すべきものと決しました。この段御報告申し上げます。(拍手
  32. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  33. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本請願全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ————————   〔議長退席、副議長着席〕
  34. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第八及び第九の請願を一括して議題とするととに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。商工委員長前田久吉君。   〔前田久吉君登壇拍手
  36. 前田久吉

    ○前田久吉君 ただいま議題となりました二件の請願について、商工委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本委員会におきましては、付託された請願について慎重に審査した結果、天然ガス資源開発五箇年計画の推進に関する請願及び未開発地域経済開発促進に関する請願、以上二件の請願は、願意いずれも妥当なるものと認め、採択し、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  37. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  38. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ————————
  39. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第十より第二十四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長鈴木強君。   〔鈴木強登壇拍手
  41. 鈴木強

    鈴木強君 ただいま議題となりました二十五件の請願は、社会労働委員会において審査の結果、いずれも願意妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  42. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  43. 重政庸徳

    ○麟議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ————————
  44. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第二十五の請願議題といたします。まず、委員長報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長向井長年君。   〔向井長年君登壇拍手
  45. 向井長年

    ○向井長年君 ただいま議題になりました請願について、科学技術振興対策特別委員会における審査経過とその結果を御報告いたします。  本委員会におきましては、付託された原子力関係災害救助法成立促進に関する請願について慎重に審査した結果、願意おおむね妥当なるものと認め、採択し、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  46. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  47. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって本請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ————————
  48. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第二十六及び第二十七の請願を一括し一議題することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。建設委員長北村暢君。   〔北村暢君登壇拍手
  50. 北村暢

    ○北村暢君 ただいま議題となりました新潟県塩沢町大字中地一級国道十七号線舗装工事施行に関する請願外一件につきまして、建設委員会における審査の結果を御報告いたします。  右の請願は、いずれも道路の整備に関するものでありまして、願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  51. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  52. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ————————
  53. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第二十八より第三十までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。運輸委員長米田正文君。   〔米田正文君登壇拍手
  55. 米田正文

    ○米田正文君 ただいま上程になりました日程第二十八から第三十までの五件の請願につき、運輸委員会におきまして審査の結果、いずれもおおむね願意妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  56. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  57. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ————————
  58. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第三十一より第三十六までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長青田源太郎君。   〔青田源太郎君登壇拍手
  60. 青田源太郎

    ○青田源太郎君 ただいま議題となりました請願九件は、委員会において審査の結果、いずれも願意妥当と認め、全会一致をもって、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  右、御報告いたします。(拍手
  61. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  62. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ─────・─────
  63. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第三十七より第四十までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。     [「異議なし」と叫ぶ者あり]
  64. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。地方行政委員長竹中恒夫君   [竹中恒夫登壇拍手
  65. 竹中恒夫

    竹中恒夫君 ただいま議題となりました請願第六三号外三件、委員会におきまして、いずれも顧意おおむね妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定した次第であります。  以上、御報告いたします。(拍手
  66. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。    [賛成者起立
  67. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。     ─────・─────
  68. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第四十一より第四十三までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    [「異議なし」と叫ぶ者あり]
  69. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長新谷寅三郎君。    [新谷寅三郎登壇拍手
  70. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ただいま議題となりました大蔵委員会付託の請願につきまして、審査の結果を御報告いたします。  請願第一六号外四件は、いずれもその顧意おおむね妥当なものと認め、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします、(拍手
  71. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。    [賛成者起立
  72. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。     ─────・─────
  73. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 日程第四十四より第四十八までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    [「異議なし」と叫ぶ者あり]
  74. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。文教委員長中野文門君。    [中野文門登壇拍手
  75. 中野文門

    中野文門君 ただいま議題となりました学童の栄養改善に関する請願外五件は、文教委員会における審査の結果、いずれも顧意おおむね妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  76. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。     [賛成者起立
  77. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。  これにて休憩いたします。    午前十一時二十二分休憩    ─────・─────    午後五時七分開議
  78. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  参事に報告させます。   [参事朗読]  本日委員長から左の報告書が提出された。   昭和三十八年度一般会計補正予算(第2号)、昭和三十八年度特別会計補正予算(特第2号)及び昭和三十八年度政府関係機関補予算(機第2号)可決報告書   一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書   特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書   防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案可決報告書   裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書   検察官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書   石炭対策特別委員会請願審査報告書第一号   内閣委員会請願審査報告書第一号    ─────・─────
  79. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  昭和三十八年度一般会計補正予算(第2号)、  昭和三十八年度特別会計補正予算(特第2号)、    昭和三十八年度政府関係機関補予算(機第2号)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。     [「異議なし」と叫ぶ者あり]
  80. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。予算委員長太田正孝君。    〔太田正孝君登壇拍手
  81. 太田正孝

    ○太田正孝君 ただいま議長から報告を求められました予算委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、予算案の中身を申します。次に、委員の質疑の大要を申します。終わりに討論採決に及びたいと存じます。    今回提出されました補正予算は、公務員給与改善等につきまして、一般会計において、歳入歳出とも一千二百四十一億八千万円の追加を行なうものであります。その歳出のおもなるものは五つあります。  第一は、公務員給与改善に二百六十一億余万円を計上しています。これは人事院の勧告に伴う国家公務員等の給与の引き上げを行なうこととし、その実施期日を本年十月一日としております。  第二は、食糧管理特別会計へ二百五十億円を繰り入れ、三十八年産米の政府買い入れ価格の引き上げによる食管勘定の損失を補うこととしています。  第三は、農業共済保険特別会計へ百六億余万円を繰り入れまして、本年春からの、しとしとと降り続いた長雨による麦の著しい減収に伴う再保険金支払い財源の不足等に充てようとしています。  第四は、災害復旧事業につきまして、三百十五億余万円を計上し、本年の災害のみならず、過年災につきましても、復旧工事の進捗をはかることとしております。  第五は、以上の歳出補正予算の財源として、租税及び印紙収入の自然増収を繰り入れました関係から、所得税、法人税、酒税の増収を計上したことに伴いまして、その二八・九%、三百八億余万円を地方交付税交付金の増加分として計上しているのであります。  以上申し上げました補正の結果、三十八年度一般会計予算総額は、歳入歳出ともに二兆九千七百四十一億九千万円となります。いわば三兆円に手の届く数字であります。今後の補正予算がない限りにおきましては、これが昭和三十九年度予算基準となる関係になっております。  次に、特別会計の補正予算は、一般会計予算の補正及び公務員給与改善に関連いたしまして、交付税及び譲与税配付金ほか八つの特別会計の補正を行なっています。  政府関係機関補予算におきましては、日本国有鉄道において、東海道幹線増設費に不足を生ずることになりますので、鉄道債券の発行等による資金四百四十三億二千万円を追加するとともに、債務負担行為百九十九億を追加して工事の進捗をはかることにしております。また、日本電信電話公社につきましては、道路整備事業等に伴う支障移転工事が増加いたしましたため、電信電話債券の発行等による資金九十億円を追加したものであります。  さらに、財政投融資につきましても、地方公共団体に対し、災害復旧事業費の追加に伴う資金需要の増加に充てるため地方債十五億円、日本国有鉄道に対し三百三十億円、及び日本電信電話公社に対し五十億円の資金を追加することとしております。  これらの補正三案は、去る十二月十四日衆議院において可決の上、本院に送られたものであります。  予算委員会におきましては、十二月十一日、田中大蔵大臣から提案理由説明を聴取いたしまして、十二月十六日から池田内閣総理大臣並びに関係各大臣に対して本案質疑を行ないました。  本特別国会衆議院の解散等のあとを受けまして、しかも、昭和三十九年度予算編成との間にはさまっておりました関係で、予算審議に重要な立場にありましたので、しかも、政府としては、歳出予算編成の途中であり、歳入に重大関係のある税制調査会の答申が出ておりませんような立場にありますので、いずれの質疑もこれらの点を考えられてのことであり、その答弁もまた、かくのごときものであったことを、御了承願いたいと思います。  質疑のおもなるものについては、これから順を追って申し上げますから、お聞き取りを願いたいと思います。  質疑は、まず来年度経済の運営、予算編成の基本方針についてであります。いわく「日本経済の現状は、消費者物価の上昇、国際収支の赤字をかかえながら、開放経済への移行を行なわねばならないという、相当むずかしい段階に差しかかっている。明年度経済運営の基本方針として、成長か、物価安定か、国際均衡の回復か、政府はそのいずれに重点を置こうとするつもりであるか。明年度予算編成も間近に迫っているが、租税等の自然増収をどう見ているか」との質疑がありました。これに対し、池田内閣総理大臣、田中大蔵大臣より、「所得倍増計画は、大体十年以内に達成し得る見込みがついたので、成長率はほどほどにして、国内の健全な発展を目ざし、国際収支の均衡をはかっていきたい。明年度経済成長率などは、まだ固まっていないが、本年度の実質成長率をこえることはなく、六・五%ないし七・二%ぐらいと考えており、物価は三ないし四%の上昇に押さえたい。そうすると、自然増収は六千五百億円から六千七、八百億円になる見込みで、財政面から経済を刺激しない健全均衡方針で予算編成に当たる考えである」との答弁がございました。  質疑はかさねて、「成長率を六ないし七%、物価を三ないし四%に押さえるという前提では、政府の自然増収の見積もりは高過ぎるのではなかろうか。政府は、予算のつじつまを合わせるため、もっと高い成長率を想定するのではないか。それとも、減税を削るとか、外為インベントリーの取りくずしのような方法で財源をつくり出そうと考えているのではないか。総選挙の公約の平年度二千二百億円の減税を政府はあくまでくずさぬか。政府は、揮発油税、軽油引取税の引き上げをはじめ、特別措置の延長等による増収を見込んでいるが、国民が総選挙で期待したのは、純粋なる負担の軽減として二千億円ということである。また、国際収支の慢性的赤字化は重大である。この赤字の大半は対米関係から発生したのであり、政府は、対米赤字改善に、もっと自主的、積極的に努力する必要がある。米国ド、ル防衛政策を甘く見て、真剣に対処しなかったことは、池田内閣総理大臣の全く見込み違いであった。明年度の国際収支については、諸般の対策を講じても、総合収支で二億ドルの赤字と見るのが民間筋の大体一致するところであるが、成長政策にこだわる政府は、結局、国際収支、物価対策のいずれも解決し得ずに、問題を昭和四十年度に押しやることになると思うがどうか」との質疑であります。これに対し、総理大臣、大蔵大臣、経済企画庁長官から答弁がありました。いわく、「明年度の自然増収額は、本年度の税収が相当よいところへ来ているので、成長率を上げなくとも六千五百億円以上の期待は無理ではない。外為特例会計の取りくずしのような特別財源に依存することは好ましくないと考えている。減税規模は、公約どおり平年度二千二百億円以上のものを必ず実施する。ガソリン税等の引き上げをやるかどうかはまだきまっていないが、これは目的税であり、減税の規模とは別個に考えてもよいと思う。国際収支の改善については、貿易面ではHEC諸国など工業国貿易の発展をはかり、また、海運の強化をはかるとか、最大の努力を払う所存である。明年度の総合収支が赤字となることは免れないが、問題は、鉱工業生産水準がだんだん上がってきて、最近、対前年比一六%といったやや異常な高さになったところにある。これもすでに金融政策の面で鎮静措置を講じておるので、そう神経質になることはない」というのであります。  物価問題につきましては、多数の委員より質疑がございました。すなわち、いわく、「政府は物価問題懇談会の答申を尊重するのか。政府は物価対策に熱意を欠き、物価上昇率目標として、示すだけで、現実がその比率をこえても、自由経済だからしかたがないと、責任を民間に負わせようとしてきた。物価が年間六—八%も続騰することを放置するのは、国民生活に損害を与え、経済発展にも有害であるとは思わないか」などの質疑でございます。これに対して、宮澤経済企画庁長官より、「従来消費者物価の上昇は、成長過程の摩擦として短期的現象だと認識し、物価対策がやや徹底を欠いていた点は認める。年間六ないし七%と金利を上回るほど物価の連騰することは、経済の発展を妨げ、国民生活の向上に害があると考えるので、物価問題懇談会の答申の主旨を尊重し、物価上昇の抑制には真剣に努力する」旨の答弁がありました。  次に、地方税減税問題に関する質疑がありました。すなわち、「住民税の本文方式統一に伴う地方財源補てんをどうするのか。国が地方の個別事情を一々考慮してきめる臨時補給金制度では、地方自治を拘束するおそれがあり、補給金をやめて地方交付税率を引き上げる意思はないか。また、固定資産の評価がえによって現実に固定資産税の増徴とならないか」との質疑でありました。これに対しまして、自治大臣より、「地方税減税の方法は、税制調査会の答申を待ってきめることになるが、かりに住民税を本文方式に統一することとすれば、初年度二百四十億円、平年度約三百億円の減収となる。この減収額のある程度を国が期間を限り補てんしようというのであるから、恒久的な地方交付税でまかなうべきものではない。したがって、交付税率の引き上げは考えていない。固定資産税については、自然増収的部分を除き、総額としては増徴とならぬよう措置する」との答弁がございました。  なお、災害復旧事業費についての質疑は、いわく、「三十八年度災害の公共土木災害は、査定額及び復旧完了の時期はいつになる見込みか。一段と促進することはできないか。また、治水十カ年計画の改定は考えていないか」などの質疑がありました。これに対しまして建設大臣から、「昭和三十八年の公共土木災害は、査定は完了していないが、直轄、補助合わせて大体六百七十五億円であり、復旧率は、本年度三〇%、四カ年で復旧することになっている。復旧率は従来より早くなっている。また、治水十カ年計画については、法律改正が通れば改定する考えである」という答弁であります。  農業問題につきましては、成長経済下の革新的近代化政策をめぐるもので、数多くの質問がございましたが、農業共済保険特別会計への繰り入れにつきまして、「長雨による被害の額、農家に支払った共済金の額はどのくらいか。農業共済について現在の不満を解決するためにどのような方法を考えているか」などの質疑がございました。これに対しまして、農林大臣から、「長雨による被害額は約九百八十六億円で、うち、麦の分は五百四十四億円であり、農家に支払った保険金の額は、本年産麦で総額百六十億円になっている。長雨以外の分も含めて、麦の補てん割合は二〇%であるが、共済制度については、三十九年度から補てん割合を六割に引き上げるととを考えている。掛金も少なくし、小農は除くことも考えている」という答弁でございました。  食管特別会計への繰り入れにつきましての質疑は、「赤字補てんについて何か別な方法を考えられないのか。消費者米価を上げることを考えてはいないか」という質疑でありました。これに対し農林大臣から、「食管特別会計は、生産者と消費者と両方の立場を考えてできているが、赤字が毎年ふえる点についてはどうかといわれているので、もっと両者の関係を密着させる方法があろうかと考えて、慎重に検討している」という答弁でございました。  野党各派から問題とされました公務員給与につきましての質疑は、次のごとくであります。政府は、人事院勧告を尊重すると言っておきながら、実施の時期をずらしている。なぜ五月一日から実施できないのか。また、給与の引き上げ率も物価の上昇率より低い。物価の事情は考慮されているのかなどであります。これに対しましては、総理大臣、大蔵大臣、労働大臣及び人事院総裁から、こう答えられました。「実施の時期を十月一日からにしたいのは、国民経済に影響する点を考え、かつ、五月から実施すれば、特別会計地方公務員の分をも合わせ一千億円をこす負担となるので、財政上の事情を考え、そのようにしたのである。人事行政、労働行政の立場から考えれば遺憾であるが、日本経済の現状からやむを得ない」という答弁でございました。  このほか、日韓交渉の問題、公明選挙推進の問題、所得倍増計画のアフター・ケア、中小企業、農業等、低生産部門の近代化の問題、農地制度、農業補償制度改正、国有林開放の問題、道路整備計画改定の問題、国鉄、炭鉱両事故対策の問題、年末を控えて重大化した郵政、国鉄の労働紛争等々、わが国の当面しております内外の重要政策につきまして、広範にわたる数多くの質疑がございました。それらの詳細は会議録により御承知を願いたいと思います。  かく質疑を終了し、討論に入りました。日本社会党を代表して大倉委員が反対、自由民主党を代表して平島委員が賛成公明会を代表して鈴木一弘委員が反対民主社会党を代表して高山委員が反対、共産党を代表して鈴木市藏委員が反対の旨、それぞれ意見を表明されました。  次いで、討論を終局し、採決に入りました。その結果は、昭和三十八年度補正予算三案は多数をもって可決すべきものと決定いたしたのでございます。  以上御報告申し上げます。(拍手
  82. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 三案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。大倉精一君。   〔大倉精一君登壇拍手
  83. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました昭和三十八年度補正予算案に対し、反対討論を行なうものであります。  まず冒頭に、本予算案に対する政府の態度について言いたします。  本予算案は、本年十月分臨時国会に対し政府提出した昭和三十八年度補正予算各一号と、内容においてほとんど同一のものであります。臨時国会においては、政府は、国会に対し、特に緊急の措置を要するものとして、すみやかなる成立を要請したのであります。当時、わが党は、長雨による農業災害対策、あるいは民間給与に比して著しく低く押えられている公務員諸君給与改定等、重大案件を緊急に措置をしなければならないという必要にかんがみまして、政府の要請にこたえ、すみやかに審議に入り成立すべしという、野党としては異例ともいわれるところの協力の態度を決定し、政府与党に対しまして特に強く申し入れをしたのであります。しかるに、政府は、国会に対しすみやかなる成立を要請しておきながら、すでに異常なる物価事情が物語っておるごとく、内閣の一枚看板である経済政策の失敗を野党から追及されることを回避するため、突如として衆議院解散を強行したのであります。かくのごとき態度は、党利党略による解散権の乱用というべきでありまして、ただにわが党の協力申し入れをじゅうりんしたばかりでなく、さらに、一日も早き成立を待ち望んでおりました公務員諸君や災害地の住民諸君に対し、深刻なる失望と国会不信の念を与えたのであります。(拍手政府与党の国会正常化を口にする資格はどこにありやと言わなければならないのであります。政治権力を握る政府として、立法府に対するかかる不謹慎きわまる態度は、民主政治のために断じて許すことができない不信行為であり、この際、国民諸君とともに厳重に政府与党の反省を求めるものであります。  反対の第二の理由は、本予算案の性格についてであります。  さきにも一言したごとく、物価の異常なる値上がりは、まさに罪悪であり、経済政策の破綻を立証するものでありまするが、池田内閣は、いささかも反省の色を示さないばかりか、かえってますます傲慢不遜とも見られる態度をもって国民に臨んでいるのであります。すなわち、いたずらに数字を羅列して真実をごまかそうとしているのでありまするが、昨日の予算委員会において、総理は欠席されて残念でありましたが、わが党の稲葉委員の質問に対しまして、経済閣僚である宮澤経企長官は、初めてその誤りと矛盾の一端を明らかにされたのであります。池田内閣の誇る三年間における倍増政策の実体はかくのごとくで、かつてわが河上委員長がいみじくも指摘しておりましたとおりに、いわゆる所得倍増ではなく、物価と格差と不安の倍増でありまするが、この政策をほめているのは、池田内閣総理大臣たった一人だけでありまして、総理の言をもってすれば、外国人もほめているようでありまするが、遺憾ながら、わが国においては、世をあげて非難を集中しているのであります。ことに、池田さんの党内においてさえ、藤山愛一郎氏や佐藤榮作氏のいわゆる実力者もまた批判をし、反省を求めていることは、周知の事実であります。さらに、総選挙に公約いたしましたところの公共料金の値上げの抑制に対しましても、選挙後の今日において、公然となしくずしに値上げをしようとしていることは、本国会における総理の発言をもって明らかなところであります。まさに選挙民を愚弄するもはなはだしいものと言わなければならぬと思うのであります。(拍手)  かかる性格によって裏づけされている本予算案に対しましては、国民の名において、断固として反対しなければならぬのであります。  反対の第三の理由は、国家公務員給与改定内容についてであります。  本年八月に人事院勧告が発表されましたが、わが社会党は、この勧告を批判する態度を明らかにしたのであります。すなわち、人事院の調査が実態を正確に把握していないことが第一点であり、第二点は、民間給与に対し勧告の水準が低いこと、第三点としましては、勧告時期がおそきに失していることを指摘しているのであります。しかるに、政府提出した給与改定案は、さらに一そう勧告案を下回り、五月実施勧告を一方的に十月の実施といたしているのであります。先般の衆議院予算委員会において、給与担当大臣である大橋労働大臣は、国家公務員法のいう「人事院勧告を尊重すべし」という趣旨規定は、ただ給与改定内容のみでなく、当然実施時期をも尊重さるべきものであるという趣旨答弁をしているのであります。加うるに、公務員諸君が最も関心を持っている格差是正についても、わずかに一千四百円より配慮されていないのであります。政府は、ただに法の精神をじゅうりんしているばかりではなく、罷業権を剥奪されている公務員諸君を遇するに、一片の愛情すら持ち合わせていないのであります。愛情なき政治のまかり通るところ、断じて人つくりも国づくりもないことを、総理は銘記すべきであると存ずるのであります。(拍手)  反対の第四の理由は、政府の人命軽視の態度であります。  池田内閣の列車ならぬ経済政策の暴走によりまして、いまや、国民の生命は、生産第一主義、企業採算第一主義の犠牲にさらされるに至っているのであります。ききの国鉄三河島事故から今回の鶴見事故に至るまで、さらに続く数回にわたる連続する事故、一方、くしくも時を同じくして発生いたしました三池三川坑の大惨事、続いて起こったところの糖炭坑の爆発、との現実は、一切の弁解の余地のない、悲しむべき、憎むべき人災であることは、疑う余地のないところであります。国民ひとしく恐怖し、憤激を禁じ得ないこれら世紀の大惨劇に対しまして、だれ一人として責任をとる者がないというのは、一体どうしたことでありましよう。いかに、もっともらしい言辞をもって責任をあいまいにしようとしましても、だれがどんな責任をとるべきかは国民大衆がよく知っております。  本補正予算におきましても、国鉄新幹線工事費の穴埋めとして四百四十三億円を計上いたしておりまするが、あえて言うならば、新幹線の予算ほど不可解なものはないと思うのであります。当初約二千億円の計画予算が二回も手直しをすることになり、さらに最終完成までには約二倍、実質四千億近くに膨張することは必至でありましょう。何千億という巨額の予算が二倍も見込みが違うということ自体、まさに異常なる事実と言わなければならぬのであります。当初のどんぶり勘定的予算、国鉄の機構運営の重大なる欠陥、関東軍といわれた新幹線総局によるずさんなる経理、果ては、総局長以下の汚職の続発等、国民感情としては、理屈抜きにいたしまして、何としても納得のできない穴埋め予算であるといわなければならぬのであります。しかも、新幹線工事のために現実に修繕費が大幅に犠牲になり、さらに総裁が言う企業的精神を発揮するのあまり、国鉄本来の使命である公共性の影が極端に薄くなり、もうかる急行列車をふやすが、大衆のための普通列車や通勤列車が犠牲になり、利潤追求のために民間分野にまで手を伸ばす等、あまりにも企業性に過ぎる国鉄の現状が、あらゆる禍根の本源になっていることは、疑いもない事実であると存ずるのであります。この際、国鉄のあり方は、人命尊重を重視して、抜本的に再検討さるべきと存ずるのでありまするが、政府は事故防止の本源をあえて正そうとしない態度は、まことにもって不可解といわなければなりません。  また、三池三川坑の空前の惨事に対しましても、政府は石炭鉱業合理化事業団から整備資金をわずかに十億円を繰り上げ融資してきたのみで、その後の保安対策あるいは遺族補償対策、さらには罹災者補償対策につきましては、何ら人間らしい手当てをしていないのであります。政府は現在の石炭合理化計画に再検討を加え、人命を大切にすることを基調とする抜本的な対策をすみやかに立てることを、強く要望するものであります。  以上反対理由を申し述べて、討論を終わるものであります。(拍手)   —————————————
  84. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 高山恒雄君。   〔高山恒雄君登壇拍手
  85. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私は、民主社会党を代表して、政府提出昭和三十八年度予算補正三案に対して、反対の態度を明らかにいたします。  今回の政府案は、すでに総選挙前の臨時国会提出されて流産となり、あらためて本国会提出されたものでありまして、補正内容の大半は既定経費の不足分の補てんであります。すなわち、食管会計への繰り入れ農業共済保険への繰り入れ、さらに、災害復旧事業費の追加、また、国鉄と電電公社の工事費の不足額の追加等であります。わが党は、これらについては財政法第二十九条の規定に見合うものとして承認をいたします。私どもは、食管会計のあり方、東海道新幹線の竣工期や今後の所要経費の見込みについて多くの論点を持っておりますが、これらについては、いずれも明年早々の通常国会における審議にゆだねることにしたいと思います。しかしながら、政府案について、いかんとも承認しがたい点が二つあります。その第一点は公務員の給与改定、その第二点は財政融資計画の追加として中小企業向け融資を落としている点であります。この双方とも、こう申し上げただけで、政府は、私が述べようとするところが、すでにおわかりだろうと思います。それほどわかり切った補正措置政府案は実施していないのであります。  すなわち、第一点として、公務員給与改定について、政府は、人事院の勧告を尊重したと言いながら、実施期を五月一日でなく十月一日に繰り下げることによって、勧告の実質を少しも尊重していないのであります。勧告は、民間給与との水準の格差、及び四月一日現在における過去一年間の消費者物価の値上がりと生計費の値上がりに基づいて六・七%のべースアップ、このほかに、通勤手当あるいは期末・勤勉手当の増額を指示しております。ここに示された民間給与との格差、物価と生計費の上昇が、四月一日現在をもって全く固定しており、くぎづけになっているならば、財源上の理由によって実施期間を十月一日に繰り下げても、勧告の実質を必ずしも尊重しなかったとはいえないかもしれません。しかしながら、四月一日より十月一日までの六カ月間に、毎月勤労統計で見るように、民間給与水準は上昇しています。消費者物価も上昇しております。したがって、十月一日にさかのぼって六・七%の比率のべースアップを行なうというその比率は、人事院勧告の示した比率とは、すでに意味が違っています。すなわち、名目上は六・七%でも、実質はすでにそれ以下になっているのであります。私は、このようなごまかしが、人事院勧告の尊重というベールをかぶって横行することは、ゆゆしき問題であると思うのであります。これこそ、政治と行政の民主化のとりでとしてわが国民がかちえた民主的制度を、政府が骨抜きにすることであって、私ども民社党は、これを断じて容認することはできません。しかも、五月一日にさかのぼって、九月までの半年間の所要経費は、一般会計分で約二百二十億円でありますが、この金額は、本年度の租税自然増収をもって優にまかない得るものであることは、政府がよく承知しているはずであります。  第二点として、政府は、政府関係機関予算の補正として、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金の三機関に対する財政融資を行なっておりません。政府は年末融資として短期資金の放出を、三機関に対する貸し付けと市中金融機関に対する買いオペという形で行なっております。これは中小企業の年末資金の需要増という季節的な現象に対する例年の手当てであって、別に政策金融ではありません。私が申し上げたいのは、池田首相の総選挙中の公約にあったとおり、中小企業政策の革命的な前進は目下の急務なのです。それは、所得倍増計画のアフター・ケアということを離れて、明年上期は明らかに金融の引き締めの時期であり、その期間は明年度一ぱい中小企業に対して継続しそうな気配が濃厚になってきている現在、中小企業政策の第一弾は、まず低利な長期資金の供給から始めるべきが当然であって、補正予算の編成のときこそ、これを実施すべき絶好の機会だからであります。政府が意図されている年末六百五十億円の短期融資は、おそらく明春の金融引き締めが最も強化される時期に引き揚げとなるでありましょう。私は、最近の郵便貯金の増加にかんがみて、三機関に対して合計千五百億円程度の資金運用部資金を融資する余裕はあるはずだと考えます。  すでに十六日には、自民党の明年度予算編成大綱が発表され、今週中には政府のそれも発表されましょう。私は、現在の派閥的均衡の上に乗る池田内閣としては、経済刺激を避ける予算編成と称しながら、実は各方面の圧力に迎合した総花式無性格予算が編成されるおそれが強いのであります。そこには、社会保障、また文教も若干の予算増額は計上されるかもしれません。しかしながら、この補正予算の公務員給与改定のように、勧告尊重という名前の勧告軽視と同様な予算編成、すなわち、偽善が横行することを私は最もおそれるのであります。先日の総理の所信表明が実質よりも形容詞のほうがにぎやかであったことと同様なことが、予算編成で行なわれては、全く国民が迷惑をするのであります。  私は、強く政府に警告を加え、私の反対討論を終わります。(拍手
  86. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  87. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。(拍手)    ————————
  88. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、  特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。内閣委員長三木與吉郎君。   〔三木與吉郎君登壇拍手
  90. 三木與吉郎

    ○三木與吉郎君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律について申し上げます。  本法律案は、本年八月十日の人事院勧告に基づき、一般職国家公務員給与について、第一に、全俸給表の全等級を通じ、俸給月額を現行の俸給月額より平均六・七%増額すること。第二に、事務次官等の給与は特号俸を設け、一官一給与の体系とすること。第三に、通勤手当の支給限度額を九百円に引き上げること。第四に、十二月に支給する期末手当、三月に支給する勤勉手当の額をそれぞれ〇・一月分増加すること等の改正を行なおうとするものであります。  次に、特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、一般職職員給与に関する法律の一部改正に伴い、それぞれ特別職職員及び防衛庁の職員給与について所要の改正を行なおうとするものであります。   —————————————  内閣委員会におきましては、人事院の民間給与調査における官民の職種別対応関係、今回の給与改定における上下の較差、標準生計費と俸給表との関係、物価の上昇と給与改定率との関係、事務次官等の給与を一官一給与制とした理由と、これが現行入等級制の給与体系に及ぼす影響、行政職俸給表(二)の改善問題、行政職俸給表(一)と他の俸給表との均衡、通勤、扶養、暫定、住宅、初任給調整、寒冷地等の諸手当の今後の措置に関する人事院の所見、特別職給与改定基準等のほか、特に、最近、給与改定実施時期が、人事院勧告と異なり十月一日となっているという点について、熱心な質疑応答が重ねられましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して鶴園委員より、一般職給与引き上げ率が低過ぎること及び人事院勧告実施時期が本年も守られていないこと等の理由により、三法律案反対する旨、自由民主党を代表して石原委員より、人事院に対する要望を述べて三法律案賛成する旨、公明会を代表して鬼木委員より、給与の引き上げが物価の上昇に見合わないこと、実施時期がおくれていること等の理由をあげて、三法律案反対する旨、民主社会党を代表して向井委員より、給与改定内容に不備があること及び実施時期について人事院勧告が尊重されていないこと等の理由により、三法律案反対する旨、それぞれ発言がなされました。  討論を終わり、三法律案について順次採決いたしましたところ、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます、(拍手
  91. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  92. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。    ————————
  93. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、  検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。法務委員長中山福藏君。   〔中山福藏君登壇拍手
  95. 中山福藏

    ○中山福藏君 ただいま議題となりました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議経過並びに結果を一括御報告申し上げます。  右の二法案は、人事院勧告趣旨にかんがみ、すでに提出されている一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、並びに特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案の、それぞれの例に準じて、裁判官の報酬及び検察官の俸給等を増加改善しようとするものであります。  委員会は、十二月十二日提案理由説明を聴取した後、十二月十八日質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に御発言もなく、直ちに一括採決いたしましたところ、多数をもって原案どおり可決いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  96. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  97. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は、可決せられました。    ————————
  98. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、内閣委員長報告にかかわる恩給、年給等受給者の処遇改善に関する請願外三十六件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。内閣委員長三木興吉郎君。   〔三木與吉郎君登壇拍手
  100. 三木與吉郎

    ○三木與吉郎君 ただいま議題となりました恩給、共済関係の請願三十二件、行政、組織関係の請願一件、防衛関係の請願四件、以上合計三十七件の請願は、いずれも願意妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  101. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  102. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。    ─────・─────
  103. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、石炭対策特別委員長報告にかかる三井三池炭じん爆発事故責任追求及び人命保全に関する請願議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。石炭対策特別委員長岸田幸雄君。   〔岸田幸雄君登壇拍手
  105. 岸田幸雄

    ○岸田幸雄君 ただいま議題になりました請願について、石炭対策特別委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本委員会におきましては、付託された、三井三池炭じん爆発事故責任追求及び人命保全に関する請願について慎重審査の結果、願意おおむね妥当なものと認め、採択し、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  106. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  107. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。  暫時休憩いたします。    午後六時七分休憩    ————————    午後六時三十四分開議
  108. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  参事に報告させます。
  109. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案、  国会職員法の一部を改正する法律案、  (いずれも衆議院提出)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。議院運営委員長田中茂穂君。   〔田中茂穂君登壇拍手
  111. 田中茂穂

    ○田中茂穂君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案外一案につきまして、議院運営委員会における審査経過並びに結果について郷報告を申し上げます。  まず、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず第一に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部改正でありますが、議員が受ける「通信費」を「通信交通費」に改めるとともに、現行月額「五万円」を「十万円」に改訂し、また、国会議員の期末手当の支給に関し特例を設けようとするものであります。すなわち、任期満了または衆議院の解散の場合には、それぞれその日までの在職期間に応じた割合で計算した期末手当を受けることとし、選挙の結果再選された議員で期末手当支給日に在職する者は、選挙前の議員の任期に引き続き在職したものとみなし、さきに任期満了または衆議院の解散の際に受けた期末手当との差額を受けられることといたしております。また、期末手当支給日前十四日以内に議員の任期が満限に達し、あるいは衆議院の解散があった場合には、その日をもって期末手当支給日に在職したものとみなして期末手当を受けられるよう規定するほか、これに関連する必要な調整規定を設けております。  第二に、国会閉会中、委員会審査を行なう場合の委員の審査雑費に関する法律の一部改正でありますが、これは審査雑費の月額現行四万五千円を六万円に改めようとするものであります。  第三に、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部改正でありますが、まず、秘書の給料月額三万五千九百円を三万八千五百円に、一万八千百三十円を一万九千六百三十円に、それぞれ増額することとし、期末手当に関しては議員と同様の趣旨特例を設けるとともに、勤勉手当の支給額についても、政府職員と同様の増額をしようとするものであります。  なお、この法律は公布の日から施行し、昭和三十八年十月一日から適用することになっております。   —————————————  次に、国会職員法の一部を改正する法律案について申し上げます。  国立国会図書館の専門調査員は、その任用のための資格及び職務の内容が、事務局の常任委員会調査室長である専門員とほぼ同様であり、両者に別段の相違は認められませんので、この際、図書館の専門調査員の身分を、常任委員会の専門員と同様に、国会職員中の一般職から特別職にしようとするものでありまして、専門員等の例にならい、国会職員法中、「異動」、「分限及び保障」及び「懲戒」に関する諸規定の適用から除外することにいたしております。  なお、この法律昭和三十九年一月一日から施行することになっております。  議院運営委員会におきましては、審査の結果、両案とも全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  112. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  113. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————————
  114. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、委員会審査を閉会中も継続するの件を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  農林水産委員長から、甘味資源特別措置法案及び沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案(いずれも予備審査)について、継続審査の要求書が提出されております。  委員長要求のとおり決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって本件委員長要求のとおり決しました。  これにて散会いたします。    午後六時四十一分散会    ————————