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1963-12-17 第45回国会 参議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年十二月十七日(火曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     三木與吉郎君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            鶴園 哲夫君            山本伊三郎君    委員            源田  実君            林田 正治君            伊藤 顕道君            千葉  信君            鬼木 勝利君            向井 長年君   国務大臣    国 務 大 臣 福田 篤泰君   政府委員    人事院総裁   佐藤 達夫君    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     岡田 勝二君    防衛庁長官官房    長       三輪 良雄君    防衛庁防衛局長 海原  治君    防衛庁人事局長 小幡 久男君    防衛庁参事官  麻生  茂君    防衛施設庁長官 小野  裕君    大蔵省主計局給    与課長     平井 廸郎君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○一般職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○国の防衛に関する調査  (北富士演習場に関する件)  (自衛官の勤務に関する件)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、昨日に引き続きこれより質疑を行ないます。  政府側から、平井大蔵省主計局給与課長が出席されております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それでは準備の関係特別職給与に関して若干基本的な問題を質問したいと思います。  特別職は、御存じのように、人事院勧告外給与の問題ですが、今度の特別職給与引き上げを見ますると、必ずしも人事院勧告内容に沿ったものでない点が相当あるのですが、特別職についての給与考え方はどういうことで給与を設定ざれるか、この点をひとつまず聞いておきたい。
  4. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 特別職給与改定についての基本的方針という御質問でございますが。御承知のように、特別職給与と申しますのは、一つには、政務次官クラスにおきまして一般職事務次官とのバランスというのが問題になるわけでございます。一つには、政務次官のランクにおきまして事務次官との給与バランスが問題になるわけでございますが、御承知のように、今回の人事院勧告におきまして、事務次官給与が、従来のような本俸と管理職手当とを別建てとする給与体系を改めて、特別職給与体系と同じような体系のもとに十六万円とされたわけであります。現在の政務次官給与は十四万円でございまして、その間に逆転を生ずるという問題を生じたわけでございます。したがいまして、この問題を解決するというのが一つの目標になったわけでございます。この場合におきまして、従来の事務次官政務次官の毎月の総給与バランスを考えまして、十六万円の事務次官給与に対して、政務次官給与を十八万円ときめたということといたしたわけでございます。  なお、政務次官につきましては、国会議員歳費との関係もございまして、昭和二十七年以降本年の三月までは、一応国会議員歳費政務次官俸給同額というふうに定められておったわけでございますが、御承知のように、本年四月以来国会議員歳費は十四万円から十八万円に引き上げられたわけでございまして、その後の国会の御質疑の過程におきましても、政務次官俸給議員歳費を下回っているのは制度的に見ておかしいというような御議論もございまして、こういった点をも勘案いたしまして、議員歳費同額の十八万円ということにするのが妥当であろうということを考えたわけでございます。これが今回の特別職給与体系一つの柱でございます。  もう一つは、従来から国会の内部においても議論がございましたわけでございますが、たとえば政府関係機関役員給与総理大臣または国務大臣給与とは、政府関係機関役員のほうが高いというようなことはおかしいのではないかという議論がありまして、こういった点についての検討を加えたわけであります。また、諸外国の事例、あるいは民間の会社役員給与等とのバランスを考えましても、現在の内閣総理大臣国務大臣等クラスはあまりにも低きに失するということが言われているのでございますので、こういった点を勘案いたしまして、今回、総理大臣四十万円、国務大臣三十万円という金額を決定いたしたわけでございます。  以上申し上げました二つの柱を基本にいたしまして、その中間に位する、たとえば官房長官クラスについては二十五万円というような金額を決定いたしました。また政務次官以下のクラスでございます各種委員会委員等俸給月額等につきましても、大体これとバランスをとりながら、かつまた、一般職一等級引き上げ率等も勘案しながら一応の引き上げ率を決定いたしました。以上が現在の改定案基本的な考え方でございます。
  5. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  6. 三木與吉郎

  7. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 給与三法案についての質疑の途中でございますが、この際、国の防衛に関する調査議題とし、本件に関する質疑を行ないたいと存じます。  政府側出席の方は、福田防衛庁長官三輪官房長海原防衛局長小幡人事局長麻生参事官小野防衛施設庁長官でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  8. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それでは、資料を調べながら質問いたしますので、すわったまま失礼いたします。  実はずばり入りますが、北富士演習場の補償問題でございます。特に林雑の問題でございますが、これにつきましては、もうすでに三年有半にわたる問題がありまして、私が取り上げてからも、防衛庁長官江崎、藤枝、志賀、三大臣が実は経過している。これにつきましては、すでに福田防衛庁長官御存じだと思いますが、この前の志賀長官の際に、ちょうど本年の三月でございましたか、とにかく、もうここまで来ているのだから、若干大蔵省のほうには問題があるようであるが私にまかしてくれ、とにかくこの予算審議を上げるまでにこれは解決いたしますということで、実は今日に至っているのですが、その後地元のほうから、国会が始まりまして、その事情を聞きますと、まだこの問題が実は解決しておらないのだ、こういうことで、非常に地元農民の方々は困っているという実情を訴えられてきているのです。われわれ内閣委員といたしましても、すでにもう二年前に実は実地調査もいたしております。こういうことでありますが、しかも、いまだかつて解決のめどがついておらないやに聞いておるのでございますが、新防衛庁長官として、この点について志賀長官からどういう事務引き継ぎされたか、この点ちょっとまずお聞きしたいと思います。
  9. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) この北富士演習場の御質問の問題につきましては、前大臣からも、なるべく早く解決していただきたいという事務引き継ぎを受けております。
  10. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それは、早くしてもらうのはけっこうなんですが、その経緯ですね。現在まで延びておる経緯について、もう志賀長官とお約束してからすでに半年以上になります。その間の経緯について長官は知っておられるのかどうか。そのまま放置してあるのかどうか、この点をひとつお聞きしたいと思うのです。
  11. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 御承知のとおり、すでに昨年の暮れから学術の調査も終わったようであります。ただ、問題がきわめて複雑なようでございまして、地元山梨県知事あるいは関係の市、村当局、さらにまた五つ組合、いろいろな意味調整が非常に困難でございます。また五つ組合一つ裁判の問題も引き起立しております。いろいろと複雑な事情もあるようでございまして、われわれとしましても、地元県知事と数回打ち合わせも継続いたしております。私といたしましては、今御指摘のように、すでに三年も四年も懸案である問題でありますから、この際、方針はもう大体打ち出されておりますから、何とかして一日も早く解決を見出したい、一日も早く関係者合意を急がせまして、筋から申しますならば、政府としては、あるいは防衛庁といたしましては、裁判の結果を待つというようなことも考えられますけれども、問題が問題でありますから、私としては、裁判の結果を待たずして、合意が成立次第、一日も早く賠償支払いを済ましたいという考えでございます。
  12. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 ぼちぼち立ってやったほうが力があると思いますが、長官、それはおそらくまだ十分、何といいますか、その事情を知っておられないと思うのです。普通であればそんな答弁ではもうまっこうから私は異議があるのでありますが、もうそういうことではないですよ。就任されてからまだ日が浅く、この事情については十分庁内から聞いておられないと思うのですが、すでに昨年の十二月には一応妥結に到達しておるのです。調印までしておる。志賀大臣のもとで調印までしておる。それが山梨県選出のいわゆる国会議員大蔵省に詰めかけて、けしからぬということで横やりを入れられたために、防衛庁あとずざりした。志賀大臣もそれを私に——個人的でありますけれども予算委員会池田さんがもう約束したのだから、私はどうしてもあなたじゃだめだから池田総理にこれをただしますと言ったのだけれども、もうここまで来ておるのだから私にまかしてくれ、もう一週間あればこれは解決いたします、こういう言質のために、私は今まで黙っておるのです。その後地方選挙なりあるいは衆議院選挙がありましたので、延び延びになっておりますが、旅から帰って地元の人から聞きますと、まだひとつも前進しておらない。もちろん忍草のほうは訴訟になっております。それも聞きました。しかし、それの該当するのは、何も忍草だけではない。新屋もありましょう。その他の部落もあるのです。行政府としてこういう問題を今までじんぜん延ばす理由がどこにあるかわからないのであります。しかも、池田さんの所信表明では、要するに、農村の非常に所得の格差がひどいので、これをどうかしなくちゃならぬと言っておるが、その前の前ですよ、補償問題はですね。しかも、三十六年度から一回も払っていない。こういう問題を、大蔵省横やり入れたから防衛庁がそれにためらうというような事情が私はどこにあるかと思う。その事情が、私は大蔵大臣にも聞きたいと思いますが、それはそこまでいくのはどうかと思いまして、きょうは所管の防衛庁長官なり施設庁長官に対して、その経過なり、今後の防衛庁としてのこれに対する態度方針をはっきり聞かなければ、もう私はこの問題については防衛庁自体、また施設庁自体に対して私は全く信頼はできないと思う。少なくも一省の長官がそういうことばを——個人的でございますけれども——志賀大臣を私は証人に呼んでもいいと思う、あの人のことですから。私にまかしてくれ、私を信じてくれ、こう言って予算委員会の廊下で私に言ったものですから、それならまかしましょうと言ってまかしてあるのですが、それを、まだいろいろ県のほうの御意見があるとか、あるいはその他の問題があるからまだどうかというようなことでは、前の前の話です。したがって、すでに調印して、その調印を実行しないから訴訟になったと私は理解するのです。その調印をしたという事実を防衛庁誤り調印したのだろうか。誤りなら誤りでまたそれは話を持っていけるのだけれども、少なくとも行政府調印したやつを、それが実行できないで裁判所に持ち込まれということは、行政府としても私はやはり信用の問題もあると思います。この点について、長官どう思われますか。
  13. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 前志賀長官お話なりあるいはお約束につきましては、いま初めてお伺いしたわけですが、私としましては、先ほど申したとおり、いろんな難点はあるけれども、とにかく長い問題でもあるし、一日も早く関係者合意を見て支払いをしたい。私の報告を受けている範囲では、地元県知事の御意見がなかなかむずかしいことを申されておるようであります。また、大蔵省側にも難点があるということもうかがっております。しかし、そういうことをいつまでこだわっておりましても、御指摘のとおり、片づかない。したがって、先ほど申したとおり、裁判所の結果を待たずして、一日も早く合意に達してお支払いするように強く督促をさしておるわけでございます。  なお、細部につきましては、施設庁長官から補足説明をいたさせます。
  14. 小野裕

    政府委員小野裕君) ただいま大臣から申し上げたとおりでございますが、若干補足させていただきます。  昨年の暮れに忍草関係については確かに調印いたしておるのでございます。その他の組合関係のこともございますので、その後にその線に沿いまして山梨県知事並びに地元現地協議会と申しまするか、関係者との間で同じような方向で、方針でまとめることについて同意を得たいということを申し入れました。その関係は、御承知のとおりでございます。そういうようなことで、本年の三月ごろには何とか話が各方面ともついて、お支払いができるのではないかということを前大臣は、また当時の施設庁関係者も、一応期待いたしましてそう申し上げたわけでございます。それが三月のいよいよそういうような支払いの具体的な手続をとろうという時期になりまして、いろいろ問題が出たわけでございます。それはいま先生が御指摘になったようなことが入ったわけでございます。しかし、ぜひ早くお払いしたいということで、本年度に入りましてからも、四月、七月と二回にわたりまして、これは施設庁の私の前任者林長官のときでございますが、現地と強硬な折衝を、特に山梨当局に対して、新しい適正化方針に従って、地元をまとめてくれるようにということを申し入れをし、折衝をしたわけであります。その後、実はまだ成功せずに私あと引き継ぎをしたわけであります。私も十一月に山梨県のほうへ参りまして、いまの懸案を早く片づけたいということで、とことんまでいろいろ意見の交換をいたしまして、何とか解決しようではないかというお話をいたしました。最近、私ども山梨県知事との間で、こういうふうな方法で解決しようではないかという申し入れをしております。それに対しまして山梨県知事は、関係の市、村に対しまして意見の照会をしておりますから、その結果が、山梨県に戻りましたときに、山梨県から私のほうへまた回答があるわけであります。そのいかんによりまして、簡単に片づくか、あるいは非常にまた意見の違いがありますような場合には、私どもとして、あるいは現地山梨県の御意見と違う点がございましても、とにかくお払いしなければならない、その方向で進めなければならないというふうに考えております。ただいまこれは、さようなことを言うと言い過ぎるかもしれませんが、今回こそはぜひ片づけたいという意味におきまして、強力な折衝努力を続けているという段階でございます。
  15. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大体いまの長官答弁は、相当誠意のある答弁だと受け取れます。大体山梨県知事は、私がここでそういうことを言うとどうかと思いますが、ひきょうな態度だと思う。山梨県議会県会議員質問に対して、一切そういうことについては私はもうノータッチ、忍草の補償について私異議を申したことはありませんということを言っている。実は私その資料をいま取り寄せようと思っているのだが、なかなか来ないのですか、それを待っておったのでありますが、あなたのほうで調べてもわかると思う、向こうではそう言っておる。そして防衛庁へ行ったらいろいろすねているようです。きわめてひきょうな態度だと思う。それはそうだと思うのです。県議会県民代表として知事になっているのですから、たとえば一部の県民の利益を、これを阻害することはできないと思う。しかし、裏へ回ると、大蔵省とかあるいは有力な自民党諸君に、あれをやると相当問題があるというようなことを吹聴して、しかも、大蔵省の官僚がそれに乗ってじんぜん日を延ばしている。少くとも行政府が契約をして調印をしたのを、一知事文句を言ったからといって、それが実行できないというのは、一体防衛庁はそれほど権限はないのですか。私はそうでないと思う。私は志賀大臣に明らかに言ったのです。それはおれもそうだ、けしからぬと言って引き受けた人がもうやめてしまった。私はもうこれに対して言いたいことはたくさんあります。私は決して地元代表がどうごうというのではなくして、少くとも国会であれだけはっきりしたものを、しかも行政府が、防衛庁調印したのを、なぜそれが実施できないかという政府部内の組織に対して私は疑問を持っている。施設庁長官としてこの点についてどう思われますか。あなたはいま言われました。向こう知事といろいろ相談をしている。それならば、調印する前にそういうものを解決すべきじゃないですか。われわれ法律はまあしろうとでありますけれども調印してしまってから、知事の、地元意見を聞いて、それがいけなければ調印の実施ができないというのは、一体どういうことなんです。それがため裁判になったのでしょう。内容は別といたしまして、内容異議のあるときに、山梨県知事でも、あるいはだれそれの意見を聞かれてもいいですよ。ここにも参考人を呼んだことがあります。学者調査もさせたし、いろいろやった結論が出て、これでいきましょうと言って防衛庁調印したのじゃないですか。めくら判じゃないですよ。そういうものを一府県の知事文句があるからといって実行できないというような防衛庁であると思わない。施設庁であると思わない。その点はどうですか。
  16. 小野裕

    政府委員小野裕君) 調印いたしました事項については、極力これが実行に当たらなければならぬのは当然でございます。ただ、との問題は、忍草関係が一番、何と申しますか、主要な部分でございますので、最初に御相談をしたわけでございますけれども、全体の問題といたしましては、当時の関係閣僚のお話し合いで、やはりこうした地元の各市町村にまたがる大きな問題であるから、地元の民生問題にもからまるというところから、県知事肝いり役とした現地協議会というものを通して解決しようという御方針があったわけです。そういう意味で、忍草との大体話し合いがつきましたけれども、他の部落、他の組合との関係については、やはりその線に沿うて今の現地協議会でおまとめを願う、こういうふうに考えたわけでございます。そのほうが難航しておる、こういうわけでございまして、まことに残念でございますが、極力誠意並びに最善を尽くしまして、早く解決するように努力いたしたいと考えております。
  17. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 あなたは新しく就任された長官ですから、前の経緯については御存じないかもしれませんが、おそらく聞いておられると思う。いまあなたの言われたようなことは、事前に相当もう二年かかっていろいろこなしてここまで来ておるんですよ。地元北富士演習場対策協議会ということを言われましたけれども、あれをつくったのはだれが指導権をとったのか、県知事でしょう。知事がそういう策動をして何か文句をつけるためにそういう組織をつくってやったのですが、これも今日解散してしまっておりますよ。そんなものは何の力もないんですよ。こういう実情を私は施設庁関係の方は知っておられると思うのですよ。そういう点を私は隠蔽しておられるとは言いません。知りながら、おそらく努力されておることだろうとは思います。一つの政治問題に化した問題でございますから、非常にむずかしい問題ですが、それがためにもう幾多の手数を踏んできたんですよ。学者調査参考人を招聘したり、あるいはまた内閣委員実地調査をいたしまして、本内閣委員としてはもう尽くすだけの手を尽くして、われわれ一方的な立場ではいけない。いまおられる下村委員にも一緒に行っていただいたと思うのですが、野党とか与党とか、そういう関係なくして解決しようじゃないか。その当時は、御存じのように、江崎長官が中に入って、ようやくあの問題をおさめたのです。米軍演習がもう停止されておる。その形の中でこうしましょうということで一応話をほどいて、そうした結果、調印された結果なんですよ。したがって、もうこの間に紆余曲折を経ながら、これでいこうじゃないかということで調印したやつが、またまた山梨県知事横やりによって、しかも大蔵省も動かして、これがまた逆戻りする。こういうことで、私はわれわれが行政府に対していろいろ意見を申し上げておりますが、はたしてここで言ったことを行政府としてどうとっておるのかどうか。いわゆる国会の権威にもかかわると私は思うのです。したがって、私はくどくど申しませんが、努力いたします、努力いたしますと言っても、すでにもう調印しておるんですから、それを執行する以外にない。それをいつやるかということを言ってもらって、私はこれをおさめます。
  18. 小野裕

    政府委員小野裕君) ただいま調印が済んでおりますのは忍草関係でございますが、先ほどお話がございましたように、現在訴訟になっておるわけでございます。しかし、この点については、先ほど大臣から申し上げましたように、裁判の結果待ちと必ずしも考えておりません。お話がつきますならば、それで解決をしたいと考えております。それから、他の市、村並びに組合関係でございますが、現在、先ほど申し上げましたように、私ども気持としては、いままで現地対策協議会というものを表に立て、山梨県知事のごあっせんをお願いするというたてまえで参りましたけれども、いまのような状態になりましたので、最終的と言いますと言い過ぎますけれども、私どもとしましては、ほとんど最終に近い気持でもって山梨県知事に対してこちらの意見、また先方の御意見なり、これを伺っておる段階でございますが、この御回答をいただきました上は、さらにいまお話しのありました大蔵省関係等の困難な問題がございますけれども、至急に調整をいたしまして、なるべく早く片づけたい、このように考えておるわけでございます。
  19. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 あなたの誠意はわかるのですが、どうも私はやり方についてふに落ちないのです。なぜ今に至って知事意見を聞いて、その上によってこの解決方向に進みたいというのか。知事意見を聞くということについては、私は前の段階をあればわかりますよ。今日の段階になって知事意見を聞く必要は私はないと思う。すでに対策協議会も実は解体していると私は聞いているのですが、間違いであればお示し願いたいと思う。この対策協議会というのが何のためにできたかということを私知っているのです、その当時から。それを相手にしていろいろ意見を聞いてやっているということは、問題をじんぜんと延ばす以外に何もなかったと思う。しかも、それをやるということで、それだけの金が要るということで、防衛庁は予定組んでちゃんと調印したのじゃないですか。それを、いまさら山梨県知事意見を聞いて、その意見の上によって事を解決しようと言う。私は忍草問題解決は、それにならってほかの中野あるいはその他も全部それと同じような基準でやられると思うのですが、そういう点について私はどうも解せないのです。なぜ知事にもう一回意見を聞かなくちゃならんのか、この点ひとつ聞いてみたい。
  20. 小野裕

    政府委員小野裕君) この問題の解決につきまして、これはいま先生お話しでございますけれども、私どもといたしましても、知事のあっせんと申しますか、県の肝いりと申しますか、こういう形で解決することは好都合であるという意味において、従来から知事の協力をお願いしておったわけであります。何と申しましても、これは補償の問題でございますが、補償ばかりでなく、一般の地元民生の問題もございまして、そういうようなことについては県知事としても非常な関心を持ち、また一つの的確な御判断もあろう、こういうことから、知事が中に入ってまとめていただくという方向でいままで折衝してまいったわけであります。それがいまお話しのように、知事が中に入っている現地の協議会というものも、いまでは有名無実になっている。お話しのとおりだろうと思うのでございます。しかしながら、いままでいろいろごあっせん、御協力をお願いしてまいりました知事のお立場、またその御意見、これにつきましては、私どもははっきりとこの際もう一度伺い直す、こちらの考えもお伝えするという手続はとるべきであると私は考えます。そういう意味で、先ほどことばが過ぎると申し上げましたが、いま最終的というようなことばを申し上げたのは、この際はっきりお互いの考えなり処理についての御相談なり、一応まとまるかまとまらないかは別といたしまして、そういう行きがかりから考えましても、また今後のことを考えましても、一応はっきりさせておきたい、こういうことでございます。したがいまして、どういう御回答が得られますか、それはわかりませんけれども、いずれにいたしましても、その回答いかんとは別に、本問題の解決ということを考えなければならない、こういうふうに思っております。
  21. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 防衛庁長官向こうへ行かれる時間ですから、もう一問だけこれについて希望的質問をしたいと思うのですが、新施設庁長官の立場なり言われることはよくわかります。理解できます。しかし、初めからずっと私これを取り扱ってきた者としますと、長官はかわっておられますから、あなたに言うのも無理であると思います。思うけれども地元のいわゆる農民の方々、また私の立場からすれば、実はあきたらない、実際は。しかし、これ以上言ったところで、いま言われたように、近いときに早急にこれを解決するのだというおことばがありましたので、防衛長官も聞いておられましたから、これ以上申しませんが、これがまた変な方面に発展することになれば、私はもうこの問題について地元の諸君がどういう行動をとられても、責任は皆さん方にあるということをはっきりここで確認してもらいたい。それはそうでしょう。三十六年度から全部の補償は停止されている。しかも、北富士の農村の実情を見ましても、ああいう、何と申しますか、石炭岩のところで農業を営んでおられるものですから、きわめて困窮した部落です。近ごろ農民の努力によってだんだんと改良されてきておりますけれども、したがって、補償金というものはあの人らの生活に非常に大きいウエートを持っていると見ていい。それがすでに三年間も支払いされておらない。それが訴訟をされておるからいいものだということは思っておらないということはわかります。訴訟というものと、それからわれわれが国会で政治問題として取り扱っておる問題とは別問題です。訴訟をしているからそれで問題は終わりだというわけにはいかない。しかも、訴訟したという原因は、あまり待っても待っても、調印しても、まだ実行しないというので、せっぱ詰まって相当訴訟費用をかけて訴訟されたと思うのですが、こういう点をひとつ十分考えられて、私は期限を切ることはきらいなんです。これは行政府としての都合もあるでしょうが、しかし、いま言われたその誠意が、少なくとも私はほんの近いときにこれが実現するものだと思うのです。その上で私はこの問題についての防衛庁の出方を見たいと思うのですが、しかし、私はここで演説をして、私がそれで得々とする意味で言っておるのじゃないんですよ。地元の人々のこの切実な問題を防衛庁解決するんだというほんとうの意欲があれば、たとえ知事がどう言おうとも、一国会議員がどう言おうとも——国会議員でも、正当な国会の機関の場で、委員会なりその他の場で言われるのならば、私は了解いたします。これはこうだからこんなことをやったら困るということを、正々堂々と国会の機関の中で言われるならば私は納得するんです。それが防衛庁大蔵省に出て行って、自分のいわゆる圧力で、せっかく防衛庁一つ方向調印したものまでつぶしてしまう、これが日本の政治の実情ですか。それならそれでわれわれは考えるんです。国会の論議の中で反対、賛成はありますよ。幾らあってもいいんです。しかし、少なくとも行政府として一たん国民との間に契約をしたならば、一国会議員が言おうとも、大蔵省がそれを阻止する力があるか。私は大蔵大臣がおらぬから、これは大蔵大臣に聞きませんけれども、そういう点、福田防衛庁長官は新しく就任されたんでありますが、私のことばが足らぬかもしれぬが、私の考えていることを、私の言わんとすることを理解されたと思いますから、この点早急に解決の努力をされたいと思うんですが、福田防衛庁長官に最後の御答弁を願います。
  22. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 山本委員の言われるとおり、十分私も理解できるのでございまして、いろいろな難点あるいは抵抗は予想されますが、幸い大詰めに来たような感じがいたします。したがって、いろいろこまかい手続でありますとか、あるいは反対ないしは抵抗がございましても、最終解決をしよう、至急やるということをはっきりここで再度繰り返してお約束申し上げます。
  23. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 防衛庁はこれで終わりです。
  24. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  25. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけてください。   —————————————
  26. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 きのうお尋ねいたしておりました点で、まだ不明な点がございますので、その点からひとつ人事局長にお尋ねしたいと思いますが、高田製作所に発注された。そこはそれでいいですが、それ以前に高田製作所と何らかの取引があったか。従来どういう関係が結ばれておったか、その点が不明でしたが。
  27. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 製作所との関係につきましては、現在までの調査によりますと、昭和三十六年以降、本件を含めまして四件の契約をしております。第一回は昭和三十六年の十二月一日、約十五万円、これは地球儀でございます。それから、その次は三十七年の一月二十六日、これも十五万円でありまして、これも地球儀であります。それから三十七年三月二日、これは二十九万八千円の契約になっておりまして、これは五十万分の一の立体図であります。最後は本件でございまして、昨日申し上げましたとおり五十六万円でございます。
  28. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 それでは大体それはわかりましたが、相当それまでに取引があっておった。そういうことになるというと、もう少し私は、防衛庁の皆さんは内容を初めて取り組んだわけじゃないのだから、よくおわかりになっておったはずだと思うのですが、全然二佐にまかせ切りで、ほかの方は全然タッチされなかったということですね。そう解釈していいわけですね。
  29. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) この方が契約の担当者でございますが、契約金額が五十六万でございますので、随意契約になっております関係上、統合方面の主任官に一応契約を結ぶ前に相談はしております。ただし、それまでに三回の契約がございましたが、事故がありませず、一応順調に契約も終わっておりますので、検査官はそういうことは疑念を持たずに許可をしております。
  30. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 それでお尋ねしたいのですがね。五十六万二千何がしという金を払われた場合に、昨日お尋ねしたように、支払ったのはいつで、その支払いの責任者はだれであったか、内容をよく調査したか、めくら判を押してその金を払ったか、事情をよく知っておられておったか、その辺のところのその金の支出に対して、もう少し明瞭にお尋ねして、私は御回答を願いたいと思うのですが、どうもきのうからその点があいまいです。
  31. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 金を支払いましたときは、昭和三十七年の九月二十八日でございます。支払いますまでには、まず納入品の検査が必要でございます。これにつきましては、本件の事案の対象になっております大隊長が、相当責任を負った態度で、検査官も特に副隊長を任命しておりまして、そういう半命令的に検査も済ましたことにしておりまして、結局、担当官としましては、検査も済んだという前提でやっておりますので、契約担当官は、支払いのほうにつきましては、そういう責任はないものと考えております。検査を、そういうふうに架空の検査をやっておるという状況であります。
  32. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 大隊長とか、あるいは他のものが検査をしてだいじょうぶだ、これはりっぱだ、よくできたということで金を払った。その払う場合に、その支払い責任者はそれで結局納得したわけなんですね。その間のところをもう少し支払い責任者は私は責任を持ってもらいたいと思うのですがね。
  33. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 通常この隊では、納品の際の検査は文官であります技官がやっております。ところが、本件につきましては、昨日来申しましたような経緯によりまして、大隊長が特に副隊長に検査官になってもらって、つまり、情を知ってそういう検査をやらした。出納官のほうにはそういう成規の手続は一応検査官が別に任命されておりますので、検査に合格したものにつきましては金を払うということは、出納官としては責任が一応ないわけでございますから、これはやはり大隊長に責任があると思います。
  34. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 出納官に責任がない。金の支払いをした場合に、出納官に責任がない。それは業務担当、仕事の担当者は大隊長であるかもしれませんけれども、金を支出するということは、これは出納官の責任だと思う。その点のところの見解が私はどうも納得いかないのですがね。
  35. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 契約で、何日までに幾らの品物を納めなければならぬという契約をするわけですが、その品物が参りまして、検査官が納品の検査をして合格をすれば、出納官としては金を払っていいという規程であります。その検査の仕方にいま申しましたように、通常は検査官でない者を任命しておるという点が問題であります。
  36. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 そこで、普通民間の場合には、技官が検査をする。そういう場合に特別な検査官をかってに任命し、だれが任命したか知らぬけれども、かってなことを言って、そして出納官はそのまま金を払った。そういうことに対して、いつも防衛庁あたりはそんなことをやっておるのですか。そのときそのときのでたらめで、出たとこ勝負みたいな、何も一貫した支払いのあれはないと私には思われるのですがね。
  37. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 決して通常はそういうでたらめなことをしておりません。常から検査官というものは特定しておりまして、しかるべき責任者がやっておるのでありますが、本件は大隊長がこの問題に深入りをしておりまして、特別にそういう原則をやらずに特定の人間を検査官に任命するようにした。そこに問題があるということを申し上げておるのであります。
  38. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 そういう特定な検査官を設けたということ自体に対して、防衛庁ではだまっておったかということです。そういうことを公然と行なわれるか、黙認できることか、許されることかということを私はお尋ねしておるのです。
  39. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 検査官の任命権はその人事をやる隊長が持っておりまして、その点は隊長を信頼してまかしております。現在のところでは、各部隊とも相当信頼性のある専門家を検査官にしておるのでありますから、これらの事態は決して起こり得ないのでありますが、本件は、大隊長がそういう深入りをし過ぎたということから、特に例外的にそういう措置をしたように残念ながらなるのではなかろうかと思っております。
  40. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 どうもあなたとお話をしておると、答弁を聞くと、この小泉二佐は、大隊長は特別な何か上司の信頼でもあったのか。何かその間情実関係でもあったんですか。小泉二佐のやることは全部黙認しておる。
  41. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) この件につきましては、一々幕僚長の許可は経ないで大隊長を経るようになっておりますので、その人事は特別幕僚長には関係はございません。
  42. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 どうも私はその点がはっきり納得がいかないのです。一大隊長に全部まかせ切って、しかも、その大隊長はかってなことをやって、原則としては、民間との契約は、その検査にあたっては技官がやるのだ。契約を結ぶ場合には、出納官も私はそれに立ち会ったと思うけれども、金を支払う場合には、全部大隊長にまかせ切りだ。そしてめくら判で支出する。そこのところが、私はどうしても納得がいかないが、どうも防衛庁関係の金銭の支払いということに対しては、少し乱れておるような気配があるのじゃないですか。人事局長、どういうふうに考えられますか。これはあなた正しいと思っていますか。
  43. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 本件につきましては、正しいと思っておりません。しかし、このほかの部隊におきましては、正当にやっておることは間違いありませんが、本件につきましては、大隊長がこの地図の作製につきまして、会社との縁がありましたものですから、おそらく検査官につきましても、そういう人選をしたのではないかというふうに考えられまして、本件に関する限りは、私は正しい措置とは考えておりません。
  44. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 本件については、支払い方法その他について正しくないと人事局長は認めておられますので、大体やや私の考えに近づいたと思うが、これはまた後日の問題とします。  次に、昨日まだはっきりしない点ですが、無断で欠勤した。大体どのくらい欠勤したのか。それに対して上司はどういう処置をとったか。あるいは訓戒をざれたか。あるいは今日こういう事件が起こって初めてわかったことか。ぼんやりしておったのか。その点がまだはっきりしてない。  官房長がお見えになったから、官房長でもけっこうです。
  45. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 欠勤につきましては、調べましたが、本件に関しましては、大体土曜日から日曜日にかけまして、公務が終わったあと、主としてこれはJACの関係でございますが、東京に出てまいりまして会議をやっておりますので、直接欠勤をしたというような例は、本件に関してはございません。ただ、出張等につきまして、高松あるいは大阪方面へ一週間ないし二、三日の旅行をしております。これは自主的に独立大隊長がそういうことをする場合には、上司に報告をするというかっこうになっておりますのに、そういう報告は受けておりません。したがって、本事件が起こりましてから、初めてそういう出張も知ったようなわけであります。
  46. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 それでやや全貌が明らかになってきましたが、管外出張をしたことは、この事件が発生して初めてわかった。そういうことになりますと、防衛庁あたりは、管外出張なんかもかってにやっておって、そしてだれもわからない。そういうことだと解釈していいですか。
  47. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 原則としまして、たとえば幕僚長にすぐ直近の方面総監等が任地を離れる場合は、あらかじめ一週間前に全部予定表を出すことになっております。独立大隊長もそれに準じて出すことになっておりますが、本件は本人が届けておりませんので、あとになって判明したわけであります。
  48. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 それは昨日もお聞きしました。方面総監とか師団長なんかが管外出張をする場合には、正式に届けを出していく。ところが、大隊長あたりが、独立大隊長なんかが行く場合には、電話でも口頭でも届けをしなければならんと、そこまでわかっている。ところが、それをしていない。ですから、防衛庁全体のことを私はいまお尋ねしているのです。大隊長クラスの連中はかってに管外出張なんかをしておっても、あなた方は御存じないでいるのかということをお尋ねしているのです。ないとは言われないでしょう、事実あったのだから。
  49. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 一番多い大隊長は普通師団長に属しておりますが、これはその師団長なりの許可を得て出張しております。今申し上げますのは、独立大隊といったように師団長、方面総監等の系統じゃない。つまり長官直轄部隊の数少ない大隊長の問題でございます。大多数の大隊長は当然師団長の許可をもらってやっております。
  50. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 あなたの答弁せられるのは、どうも私のお尋ねしていることとずれているのじゃないですか。あなたは原則論をおっしゃっている。原則論にこれは沿っていないから、他の一般の防衛庁のそういう独立大隊長みたいな連中は、かってに管外出張しているのをあなた方は御存じないのじゃないか。ほかにもたくさんありはしないかということをお尋ねしている。もう少しはっきり答弁してください。
  51. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 長官の直轄大隊には、今言ったそのような独立の大隊長、それから学校長等がございますが、このほうは全部事前に、一週間前に幕僚監部のほうに予定が参っています。したがいまして、このような例は例外であります。
  52. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 ほかにはないとおっしゃるわけですね。そうなら、それをはっきり言ってくれればいい。どうも答弁がはずれてしまう。これはあったらたいへんだと思います。ないとおっしゃるから、私はさように承知しておきます。しかし、これはいろいろ私は調査すればわかることです。こういうことが公然と許されておるということになったら、これはたいへんなことです。あなたがないと答弁せられるのは、当然だと思います。  ところが、これは官房長にお尋ねしたいのだが、一年以上もこういう二佐がかってなことをやっていて、職権乱用であり、綱紀紊乱もはなはだしいのに、だれ一人として防衛庁の上司の者が気がつかない。防衛庁関係はそういう綱紀紊乱といいますか、弛緩した今日の状態ですか、官房長にお尋ねしたい。
  53. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) 本件につきましては、申すまでもなく、きわめてまれな例であり、遺憾きわまる例でありますので、本件の例につきましては、私どもまことに申しわけないことに存じておるのでございます。先ほどから申しておりますように、この部隊は非常に数の少ない長官直轄部隊でございまして、通常の大隊は、先ほど申し上げましたように、方面総監、師団長あるいは連隊長という系統に属するものでございまして、その程度の地位の、いわば階級の低いものが独立をして存在をしておりますのはきわめてまれな例であるわけであります。そこで、昨日もお答えいたしましたように、この当該部隊につきまして、関係のある者はだれかと申しますと、陸上幕僚長の部下であります施設課長であるわけであります。したがって、その施設課長の目が十分届いておりましたならば、長期間こういうことが目に触れずに、気がつかないでおったとということはなかったということを私どもは残念に思うのでございます。ただ、いままで申し上げますように、まれなる独立部隊、縦の系列がきわめて普通のかっこうと違うものでございますから、そういうところに目が届かない。いわば監督上の盲点があるのじゃなかろうかということで、特にこの問題を契機にいたしまして、長官直轄部隊、そういう系統の部隊に特にこれから監督の目を強めていきたいということを各幕僚長とも考えておるのでございます。
  54. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 なかなかあなたは非を認められてすなおに答弁されたが、こういう事件はまれな事件とおっしゃるけれども、まれな事件だから、私はなおさら注意しておかなければいかぬと思う。いつもありふれたことなら、これはあるいはそうだということもまた一面考えられるけれども、そういうまれな特殊な存在、そういう独立部隊というようなものですから、あなたのおっしゃるように、私は特に注意をしていただきたいと思うのですね。そういうでたらめな者を信用されて、あなた方が任に置いておかれたということ自体が、私はこれは上司のやはり怠慢だと思うのです。それは大体あなたの御答弁で私一応了承いたしました。  その次にお尋ねしたいのは、小泉二佐は三十五年の八月から本年の八月までというのだから、相当長いのですが、三カ年ぐらいだと思うのだな。宮本という紙屋から二十四回にわたって供応を受けておる、こういう事実がありますか。
  55. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) お申しのような事実がございます。
  56. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 二十四回も供応を受けておる。そして何がしかの金を受け取っておる、あまつさえ。しかも、三カ年もそういう乱脈、乱業が続いておる。それをだれ一人として知らない。これは実にうかつ千万と言うか、職務怠慢と言うか、それより以上私は言う言葉がないと思うのだが、官房長どうお考えですか。
  57. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) たびたびの御指摘でありまして、同じことをお答えするわけでございますが、まことにうかつであったと私も考えて、今後こういうことがないように、それぞれ職にあります者は部下の監督に目を光らせるということが必要であるかと存ずるのであります。
  58. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 そんなに言われるとちょっと私も言われぬようになってしまうのだ、勝負が早くついてしまうから。しかしながら、一回、二回ならばともかくとして、二十数回。しかも、三カ年間もこういう乱業を続けておる。しかも、それが独立の大隊長だ。全然あなた方がお気づきにない。陸幕長もよほど私はうかつ千万だと思う。あるいは施設課長あたりも。人事局長もそういうことを全然お耳になされなかったのですか。
  59. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 私も八月新任されまして、一カ月外遊しておりました。その間その問題をつまびらかにしなかったもので、まことに恐縮でございます。
  60. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 これは私何もあなた方にやかましく言うのじゃないけれども、あまりにもうかつ千万ですね。こういう事件が起こったということに対しては、これはもうどうせ起こったことなんですからしかたがありませんけれども、将来こういうことのないように、あなた方もよほど反省をしてもらわなければならぬと私は思うのですけれどもね。大体こういう全貌がわかったのは、全部事件発生後あなた方は承知なさったのですか。日ごろいささかもこういう気配をお感じにならなかったのですか。この点をもう一度伺っておきます。
  61. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 実はこの事件を知りましたのは、十月ごろ初めて知ったわけでございます。それまで事件の全貌は全然わからなかったわけであります。
  62. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 なかなかあなた方実にゆうゆう閑々たるものですな、こういう国家忽忙のときに。  じゃ、その次お尋ねしますが、小泉二佐が三十四年ごろから——これはまた一年さかのぼっておるのだが、本年に至るまで、大隊の記念行事などにあたって、あるいはほかのもろもろの行事もあるやもしれませんが、約七十数万円の寄付金を無許可で受け取った。そうして、それらの金でもって記念行事に使用した。こういう話がありますが、その点事実であるかどうか。
  63. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 事実でございます。
  64. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 これはいよいよでたらめですね。その寄付金を許可もなく七十数万円取って、しかも、防衛庁の公の記念行事にそれを使用する。そういうことになれば、これは公の帳簿に繰り入れてあると私は思う。そういう責任者はだれですか。
  65. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) お話がありましたとおりに、全然成規の手続をとっておりませんので、本人が貯金をしたり、手に持っておったりしまして、そのつど出しておったように見受けられます。したがいまして、公式の帳簿には載っておりません。
  66. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 これは私はたいへんな問題だと思うが、そうしますと、自衛隊の——防衛庁でもいいですが——行事として、民間からかってに寄付金を取って、そうして上司はだれも知らない。かってに金を集めてきて、そうしていろいろな行事をあなた方はやっておられる。自衛隊の行事は、あれは民間からの寄付金で——それは強要かあるいは喜んで出したのかそれは知りませんけれども、要するに、自衛隊の行事は業者なんかと互いに組んで、かってに寄付金を集めてくる。そうして、それでどんどん仕事をやっていく。上司の者はだれも知らない。予算も組んでない。そういうことになるというと、防衛庁の予算はこれは私は全部削減していいと思うのだ、なるべくひとつ民間から寄付をどんどん取ってもらって。そういう乱脈なやり方をやっておるのですか、これはたいへんな問題ですよ。
  67. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 本件につきましてだけそういう例外がありましたので、寄付につきましては当然限度がありまして、進んである程度の寄付を受ける場合には、すべて長官の許可を受けるようになっております。ただ、本件は小泉二佐が自分の計らいで、そういう手続を経ずにやった点が問題になっておるわけでございます。この点につきましては、われわれといたしましては、まことに申しわけなく思っております。
  68. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 当然でしょうよ。上司の許可を得て、そうしてはっきりと公帳簿に載せる。これはまた寄付をいただくべきか、受くべきか受くべきでないか、その性質も考え、どういう取引のもとにこの寄付が来たのか、強要したのじゃないか、あるいは情実関係があるのじゃないか、当然でしょう、それを考えるのは。それを、この件だけこういうことをしたとおっしゃるが、私はそれはどうもはなはだ疑っちゃ相済みませんけれども、官房長お見えになっておるが、防衛庁長官が来たらその点はっきりしたいと思う。この件だけと簡単におっしゃるが、この件だけこういうことがありましたであなた方済むと思っておりますか。防衛庁の記念行事、もろもろの行事はすべてこういうことででたらめにやっておるのだとわれわれ解釈したってしようがないでしょう。官房長はっきりひとつ答弁してくださいよ。
  69. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) 一つの問題は、防衛庁のいろいろ記念行事等が寄付でまかなわれるのが原則であるかというお尋ねに対しましては、これはそうではないのでございます。記念行事と申しましても、それぞれいろいろございますが、たとえば十一月一日の防衛庁記念日には各地の駐とん地で、それぞれ付近の方もお招きをいたしまして、部隊のいろいろなものをごらんに入れる、あるいはそこで音楽会を催す、あるいは武道の会を催す等の、場合によりますと、その付近の住民の方方の希望者も入りまして、運動会をやるとか、いろいろなことがあるわけでございます。そういう部隊としてやります公式の行事につきましては、もちろんそれぞれ十分でございませんけれども、予算によってまかなわれるのでございます。ただ、その際に、たとえば参加をする者が、ぜひみんなの賞品の一部にしてくれとか、あるいはあとで一緒に汁粉でも食べるときに使ってくれということでお持ちくださる寄付があるやに聞いておるのでございます。そういう際にも、御指摘のように、業者その他にも弊害がございますので、そういうものは長官の許可を受けて、そして受けたものはこれは正規の帳簿で——もちろん予算とは違いまするけれども——正規の帳簿で受け払いをするように指導をいたしておるのでございます。ただ、この部隊におきましては、先ほど来再々申しますように、独立の大隊でございまして、その大隊の記念行事等につきましてどういう内容の催しがあったか私はつまびらかにいたしませんけれども、それが多くの部分が寄付によってまかなわれる、あるいはおそらくあとでみんな飲食に使うという部分も相当あったのかと思いますけれども、そういうことで寄付が費消ざれたように思うのであります。その点は人事局長申しますように、きわめてこれは遺憾なことでございまして、こういうことが他の部隊にもあるのではないかということでございまするけれども、私の知る限りでは、他の部隊では正規に受け入れてやっておると思うのでございます。したがって、この部隊のこの事例が一般のようにお考えいただきますことは、私どもとして残念に思います。その点はひとつ御了解をいただきたいと思うのでございます。  なお、こういう例が他にもあっては相ならないわけでございますので、今回の事態の反省に加えまして、なおこの点も指導いたしておるところでございます。
  70. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 大体あなたのお話しのとおりでなければならぬと私も思うのです。そんな乱脈ないいかげんなことをやってもらっちゃはなはだ迷惑する。因る。ところがですよ、この行事をやった場合に、いまあなたのお話しのように、寄付でいろいろなことをやったろうと思うと、あなたは思うとおっしゃっておるんだが、官房長官なんかは、こういう行事がある場合は一体どういうことをしてやるんだと、行事内容はどういう内容だと、あるいは予算はどういうふうにしてやっているんだと、金はどこから来たんだと、それはどういう金かというようなことをあなた方気をつけられるのですか、官房長は。大体、官房長なんていうのは何するのですか、それじゃあ。官房長ひとつ答弁してください。あなた何でも思う、思うとおっしゃっている。
  71. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) なお、行事の詳細等については、人事局長のほうからお答えがあると思います。私は直接の所管でございませんので、詳細にお答えができませんが、官房長といたしましては、各局に関係いたしますことでも、直接次官とともに大臣の補佐をいたします立場にございますので、それは所管が違うから知らないとは申せない立場でございます。いまのような問題につきましても、私自身としても非常に反省をいたしておるわけでございます。力の及びます限り、今後もそういう点については、私自身としても努力してまいりたいと思うわけでございます。
  72. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 私もそうだと思うんです。官房長というのは、防衛庁長官のほんとうの補佐役で、防衛庁全体を総括的にあなたが目を配って、大番頭として大臣誤りのないようにする、そういう重大な職責にありながら、独立の大隊だからまかせておって自分は知らなかった、こういうことに使ったんだろう、だろう、だろうというような、そういうことじゃ私は官房長ははなはだよろしくないと思う。将来もあるんですから、もう少しはっきりしてもらいたいと思うんですよ。人事局長も、こういうことはほかにはない、これだけだとおっしゃっている。自信のある答弁でまことにけっこうですけれども、しかし、私はやはりいろいろ聞いてみますと、どうも自衛隊にそういうことがあっちゃなりませんけれども、寄付なんかをやはり民間なんかに多少強要されるような向きがないでもないらしいですよ。これはちらちら私は耳にはさんだことであります。単なるそれが風説であり、うわさであればけっこうである。むしろ私はそうあるべきであると願っている。もう少しそういう点は、これだけでほかはありませんからなんというようなことは、それはあなた方一応はそうおっしゃるだろうが、慎重に大所高所からよく目を配ってもらいたいと思うんですね。最も国民に親しまれ、国民の自衛隊ですからね。民衆を離れた、国民を離れた自衛隊というものはありませんよ。それはもう釈迦に説法で、あなた方がそうおっしゃっているんだから。  それではお尋ねしますが、記念行事の責任者は大隊長ですね。小泉大隊長が責任者ですね。
  73. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) そうであります。
  74. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 それでは、記念行事に招待されたのはどういう方を招待されたか。何回やられたか。そうして招待したその招待状は、だれの名前において招待状を出されたか。防衛庁長官の名前で出されたか。官房長の名前で出されたか。独立大隊長の名前で出ざれたか。それをはっきりしてもらいたいんですよ。
  75. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 創立記念日の回数は前後五回持っております。ただ、招待先は現在手元に詳しくはございませんが、招待者の名前は独立大隊長であると思っております。おそらく招待先は地元の有力者、あるいは地元の協力者、学校等、そういった関係の、通常ほかでやっておるものと大差ないと思っております。大体この大隊は測量大隊でありますので、測量関係の方を招待したのではないかと考えております。
  76. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 じゃ、責任者は大隊長だから、大隊長の名前において招待状が出された。内閣委員のわれわれに招待が来た記憶がありませんね。内閣委員なんか問題にしないわけですな。
  77. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) 全国に各地の駐とん地がございまして、それぞれ記念行事には関係の方は招待いたしますが、これは立川にあります独立大隊の小さな部隊でございまして、内閣委員の諸先生に御招待をいたすということは、むしろ御遠慮申し上げておるのではなかろうかと思うのでございます。
  78. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 なかなかうまい答弁をされる。遠慮するのはこちらが遠慮するので、そちらが遠慮してもらわぬでもいいんですがね。こちらが忙しいですから御遠慮申し上げよう、御迷惑かけるというので。われわれはあくまでもあなた方の敵ではないんだから、味方で、協力しているんだから、絶対の協力者なんだから、内閣委員は。それに案内も出ていない。そうして寄付金でも集めていいかげんなことを自分たちでやってしまって、どうも不純ですね、こういう行事のやり方は。そういう不純な寄付金でやったということは、施設課長も幕僚長も今日まで知らなかったわけですね。
  79. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) こういう金額とかそういうものについては、おそらく事件がはっきりするまでは知らなかったと思います。
  80. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 わからなかった。私は、もうお話を聞けば聞くほど、不可解で全然わからないのです。自衛隊のそういう独立隊とかなんとかおっしゃっておるけれども、何が何やらだれもわからないうちにやみからやみに、しかも行事が行なわれている。だれも知らない。その間の事情を知っておった者は小泉二佐一人ですか。ほかにだれか知っておった者があるのですか、大隊内に。
  81. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 警務隊で調査したところによりますと、小泉二佐がみずから金を集めておるということを小泉君は言っております。おそらく副隊長以下は詳しくは知らなかったと思います。
  82. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 官房長にお尋ねしますが、こういう事件を引き起こして、ただ小泉二佐のみを懲戒免にあなた方がしたから、これでもうよろしいというようなお考えですか。
  83. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) これも昨日お答えをいたしましたが、小泉二佐のやりましたことが明らかになりまして、これに関係する監督者の責任、あるいはこのことに関しまして未完成のものを受け取ったところの検収した者の責任、あるいはまた部隊の隊力を使って公式でない仕事をさせましたわけでございますから、そういうことをした人間の責任をそれぞれいま慎重に調査をいたしておるところでございまして、昨日もお答えいたしましたように、事情に応じまして、今後懲戒処分、訓戒処分等が行なわれるものと考えておるのでございます。
  84. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 ずいぶんのんきなことですね。この委員会でこう問題になったから、急にあなた方うろたえておるような気配がするが、こういうことはもっと早く事の真相を明らかにして、処理すべきは処理する、処置すべきは処置する、訓戒をすべき者は訓戒をすると、はっきり始末をつけて、きれいさっぱりとしてもらいたいと思うのですね。  その次に、それではお尋ねしますが、この事件に関して自衛隊全般に対してはこういうことは一切ないという人事局長また官房長のお話ですから、私もそれはあっちゃならぬと思うが、何か陸海空の全自衛隊に対して、綱紀粛正という意味においての通達か通牒かお出しになりましたか。陸幕長は通牒を出すのが非常に好きだから、すぐ出すと思う。
  85. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 長官の御指示によりまして、「服務規律の厳正保持について」という綱紀粛正の通達をことしの十二月の十三日に出してあります。
  86. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 十二月の十三日ですね。この事件があなた方の耳に入ったのは何日ですか。
  87. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 十三日と申しましたのは、十日でございますので、修正いたします。この事件が耳に入ったのは、先ほど申しましたように、十月の終わりごろに第一報が入ったのでございますが、事件の輪郭がほぼ固まりましたのは十二月に入ってからだと思っております。したがいまして、十二月十日にそういう通達を出したのであります。
  88. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 十月の終わりごろうすうすそういうあれがわかって、そうして一カ月もかかってようやく十二月に入ってわかった。ずいぶんあなた方の調査もゆっくりしていますな。そんなことはもうすぐわかるはずですがね。  それでは十二月の十日に出された通牒ですがね、その内容を発表してもらいたい。長ければあとで印刷していただきたいと思います。
  89. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 要点を申しますと、自衛隊の綱紀粛正につきましては、過日の幹部会議でも訓示した。今回そういう事件があったので、この際一そう綱紀を引き締めるよう。ごく一部のものにこういう事件がありましても、自衛隊全体の信頼を失うということになりますので、特にこの点を強く注意しております。
  90. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 簡単だな。通り一ぺんの通牒ですね。
  91. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) なお、少し補足いたしますと、「隊員の執務については、自衛隊法、その他の関係法令を遵守させることはもとより、服務に関する基準又は心得等についても十分周知徹底させるよう配慮すること。」。それから、「隊員の日常の行動及び勤務については、特に出勤、出張、休暇、外出等についてその管理の厳正を期し、また公私の別を明らかにするよう指導監督すること。」。それから、「隊員の職務上利害関係のある業者等との応接に際しては、疑惑を招くおそれのある行為等のないよう特に慎重を期するよう留意すること。」と相なっております。
  92. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 あて名はだれにあてて出されたのですか。
  93. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) 長官から出されましたものは、実は長官がこの前日でございましたか——九日でございましたでしょう——統幕議長、各幕僚長、付属機関の長を呼ばれて口頭で強く指示をなさいました。これを受けまして、翌日その指示を文書にまとめて、事務次官名で、いま申し上げましたような統幕議長、陸海空の幕僚長、それから付属機関、防衛施設庁長官というようなものにあてております。内局に対しましては官房長あてでございまして、官房長からそれぞれ、先ほどお答えがございました十三日付と申しますのは、私から念のためそれを局長にあてた日付でございます。
  94. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 いずれ私はそのうちその通牒も見せていただきたいと思いますが、いままであなた方は、会計検査はむろんのことですがね、各自衛隊の不正とかあるいは汚職、涜職というようなことがあるのじゃないかということを予想してやられた一と言っては、これは私言い過ぎかと思いますが、そういう隊の規律あるいは綱紀の問題に対して調査されたことがありますか。
  95. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) ただいまの規律につきましては、各隊に監察業務を遂行する機関がございまして、毎年年度計画をつくりまして、大体各種の部隊をその年度に入れまして、全部一緒に回ることはできませんが、年度ごとに数年に一回は中央の目が届くような監査をやっております。また方面総監では、それぞれその所轄に置いてしかるべく監査をやっております。
  96. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 そうすると、小泉二佐のは独立隊だから、その監査から漏れたというわけですね。監査はやらなかったというわけですね。
  97. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 先ほど申しましたように、直轄部隊といいましても、陸上の監察隊が数年に一ぺん監察業務をやっております。したがいまして、方面隊につきましても昨年の暮れ監査に行っております。
  98. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 そうすると、結局監察官が監察はしたけれども、そういう不正も何も見出すことはできなかった。通り一ぺんの監察であって、たいした権威のない、いいかげんな監察であったと、こういうことも考えられますね。
  99. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 本件につきましては、昨日も申しましたとおり、会社側がまだ十分完成していない分を隊によって完成をいたしましたものですから、完成品を見て帰っておりますので、その場所には疑念がなかったという監察のようであります。
  100. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 だから、そのときに監察官が監察したという場合に、この地図は実は途中で向こうの会社の主人がなくなったから、あとはこちらの隊でつくったという事情調査しなかったのですか。
  101. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) その当時はその事情が判明しておりませんものですから、そういう目では見ておりません。
  102. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 大きなそこにミスがある。私はいろいろもっとお尋ねしたいことがありますけれども、大体この程度で結びたいと思いますが、独立隊、独立隊ということを盛んにあなた方はおっしゃって、まれに見る事件だというようなことをおっしゃるが、そういう独立隊なんというようなものこそ、私は十分直轄責任者が監督すべきだと思うのですが、そのところの仕組みは一体どういうふうになっているのですか。何でもかんでも、会計でも独立採算みたいに全部まかしっ切りですか。行事についても、官房長も知らない、陸幕長も知らない。人事管理の面においては人事局長も知らない。全部だれも知らない。したがって、大隊長がかって気ままに、行事をやろうが、そういう地図を作製しようが、全部自分自体がかってなことを気ままに自由奔放に何年間もいいかげんなことをやって、記念行事にしてもでたらめやって、それを結局だれも黙って黙認している。これが独立隊だ。そういうものですか。
  103. 小幡久男

    政府委員小幡久男君) 独立隊につきましては、いろいろ御指摘の点が若干ないとは申しませんが、組織上は、予算で申しますと、大体陸幕で業務の予算をつくりますと、その予算の示達を行ないます。これはお前のところの独立隊はいくら年に予算のワクがあるか、しかしながら、個々の物件の購入につきましては、契約につきましては、たとえば五十万円以上ですと、その地区の東部方面の会計隊長の承認を得るというふうになっております。行事とかその他のものは、大体独立隊長の権限でできます。しかしながら、先ほど官房長が申しましたように、測量の大隊長と直属機関でございます施設課長、この辺との監督関係が、先生が御指摘になったように、非常に事こまかになっておりませんから、その点は十分本事件にかんがみまして、われわれも特に独立隊につきましては、幕僚監部の担当部課によりまして、今後さらに一そう綿密に監督規程をつくって、今後このような事件がないようにしていきたいと思っております。
  104. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 私もそう思います。それはある程度の独立隊長というものに対して権限は与えられておると思うのですけれども、しかし、それは幕僚長あるいは施設課長のもとにおいて、その範疇内において独立を認めてあるのであって、かって気ままなことをやって、全部独立隊長の裁量で一から十までやっていいんだ、そういうものじゃないと思う。もし、そういうものであるとするならば、それはとんでもない間違いだ。ですから、先ほどからお話を聞いていると、直接は施設課長とそれから陸幕長というお話ですが、これは施設課長や陸幕長が非常にうかつだと思う。もう少し、あなたのおっしゃるように、綿密に指導監督をすべきだと思う。何も、封建的に命令でどうだこうだというのじゃない。指導、監督、補導、助言、それはことばは幾通りでもあると思いますけれどもね、そういう点において私はいささか怠慢であったと思う。最後にもう一つ官房長からそういう点についてあなたの御意見を承りたい。
  105. 三輪良雄

    政府委員(三輪良雄君) 独立と申しますのは、軍隊における命令系統にないという意味でございますけれども、しかし、陸の部隊でございますし、また、陸幕長が長官の旨を受けて指導し、その直接の仕事といたしまして関係の深いのは施設課長でございます。その意味で、先ほど来おっしゃいますように、そこに指導、助言と申しますか、そういう目がもっと行き届いておるべきであったと思うのでございまして、先ほど申しましたように、いわゆるそういう陸上の独立部隊が盲点になりますし、今後は各幕僚監部におきましても特に力を入れて指導していきたいと思っております。私もそれが当然のことだと考えております。
  106. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 いずれにいたしましても、本事件に対して私はなはだ遺憾に思うのですが、先ほどから申しましたように、一度起こったことをどうだこうだと言ってもしかたないですから、今後将来こういうことのないように、いま官房長の御答弁のとおり、おのおの所属の責任ある長の人は、防衛庁長官はむろんのことですが、幕僚長、施設課長、官房長あるいは人事管理部面においては人事局長は、もう少しよく全般に目を行き届かしていただいて、再びこういうことを起こさないように、他の自衛隊全般にこういうことはありませんとあなた方がおっしゃったことに対しては、私はまことにうれしく思う。そうなければならぬと思う。そういうことが絶対今後起こらないように、厳重に指導、監督、助言をしていただきたい。重ねて私はこれを要望しておきます。なお、どうも私の納得のいかない点も多々あるようですけれども、これより以上あなた方をどうこう責めたってしかたがないから、またおりに触れてお尋ねしましょうし、一応この件に関しては私の要望をつけて、そうしてこれで質問を終わります。たいへん御苦労でございました。
  107. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——御発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。  給与三法案の質疑は午後に行なうこととし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十分休憩    ————・————    午後一時五十三分開会
  108. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) それでは、これより内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引続き、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、これより質疑を行ないます。  政府側から佐藤人事院総裁瀧本給与局長、岡田公務員制度調査室長が出席いたしております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  109. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 きのうに引き続きましてお尋ねをいたしたいわけですが、それは、きのう人事院の標準生計費をもとにいたしまして種々伺ったわけです。ついででございますので、行政職俸給表の口につきまして、改善の方向が、今回の勧告においても、はなはだしく不足をいたしておるというふうに思っておりますので、お尋ねをいたしたいと思います。行政職の俸給表の(二)の問題につきましては、この委員会におきまして私も何回となく質問をいたし、また善処方を要望いたしてまいったところでありますが、私は重ねまして、抜本的にこの行政職俸給表の口について御検討をいただきたい、こういうふうに思うわけであります。それは、人事院の標準生計費と、それから行(二)の人たちの年齢別の平均給与額、この二つを比較いたしてみます場合、行(二)の俸給表というのは、まことるにむざんしごくな俸給表である、こういうふうに思うからであります。人事院の標準生計費によりますと、二人世帯は二万四千二百六十円かかることになっております。行政職俸給表(二)の年齢別の給与平均額、これを見ますというと、二万四千二百六十円になるには四十四から四十五にならなければならない。でありますから、夫婦になって、とにかく四十四か四十五にならなければ、人事院の言う二人世帯の生計費に達しない。子供が一人できますと、三人世帯になるわけですが、三人世帯の場合の人事院の標準生計費は三万二千六百円であります。ところが、行政職の(二)の人たちは、一番給与額が高くなるところが五十四から五十五で、その際二万七千円であります。そういたしますと、行(二)の人たちは子供を持ってはならないという俸給表になっておるのではないか、子供はともかくとして、妻をもらった場合は、四十五までとにかくやっと二人世帯の金額になるが、子供を持った場合には、これは三万二千円かかるという人事院の標準生計費に対しまして、最高俸に達する五十五歳というところが二万七千円、なお五千円ほど足りない。そういたしますと、行政職(二)というのは、これは子供が持てない。三人家族にはなれない。こういう俸給表になっておるのではないかと思うのであります。ですから、私は十五ある俸給表の中で、極端に低いのがこの行(二)であるわけですが、行(二)の悪さのほどは、いま私が申し上げたような数字になっております。ですから、こういうものを出されたのでは、こういう俸給表では困にのではないか。困るだけじゃなくて、これはむざんしごくな俸給表です。そういう点について人事院はどういうふうに考えておられるのか、これを抜本的に改正する考え方があるのかどうか、これをひとつ総裁に伺いたいと思います。総裁は、まあ総裁になられてからまだ十分な御検討が済んでいないかと思います。私も給与専門にやりまして、ちょうど五年、ようやくこういうところまで目が届くようになりました。これは弁明の余地なしと私は思う。御答弁をいただきます。
  110. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) これは給与問題としては最も根本的な点に触れるものと思います。一切のほかの、あるいはその他一般の条件を排除いたしまして、そうして白紙の上にわれわれが理想的な公務員の給与体系を描き上げていくということでありますというと、いまお示しのような点をそのまま取り入れて案をつくり上げることもこれは可能であると思います。また、いずれはそういう時期が来てほしいと私は念願いたします。したがいまして、その現実については非常に大きな同情の気持を持っておりますけれども、一方において、これはもう鶴園委員にはあらためて申し上げるまでもないことでありますけれども、現在の給与勧告の根本のたてまえというものは、別に理想的な給与体系をつくり上げて日本の賃金を推進していこうというようなことではございませんので、非常にじみちなたてまえで、昨日も御指摘がありましたけれども、私どもといたしましては、民間給与との比較というものは大きな一つの要素として、それとにらみ合わせながら操作をしていくのがまずじみちな手がたい方法であろう。また、公務員の給与としても、多少職務と責任の違う点もございますから、そういう点もそこに織り込んで案をつくっていくのがやむを得ない行き方ではないか。やむを得ないと同時に、それが一つの手がたい行き方としてやはり正しいという意味もあるのじゃないかというようなことから、ただいま御批判になりましたような、こういう形のものにならざるを得ないということ、これが大前提でございます。しかし、いかにも気の毒であるという気持は、これは常に私ども持ち続けておるのであります。何とかしていまのような条件の範囲内において御満足に近い方向へ持っていきたいという努力を重ねてまいっております。別に大きな声を上げてここで自慢をするに値しません。ただいまの御指摘のような御批判はありますけれども、今回の勧告においても、できる限りのその点の配慮をしてまいったつもりでございますし、また、今後もそういう配慮を続けてまいりたい、そういうふうに考えております。
  111. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 人事院のペースで考えますと、いまお話しのようなものも出てくるかと思いますが、しかしながら、私はそういう人事院の従来の行き方からやはり新味を出していただかなければいけないと思う。人事院が創設されて十五年、最初のうちは少しばかり人気がよかったのですが、十年前から、まきに谷間に追い込まれてしまって、四、五年前からまた少しばかりすなおな形になってまいっておりますが、もっと根本的にこういう問題を検討する必要があるのではないか。この行政職俸給表の(一)から三割も下がったところに行政職俸給表の口というものはきめられてある。行政職俸給表の(一)すら、先ほど私がここでるる申し上げたとおり。それから三割も低いものでは、これは何ぼ言われましても、行政職俸給表の口の人は、夫婦になったら四十五まで待たなければ子供は絶対に持てないという俸給表、そういう俸給表を堂々と使うということは、人事院としてはこれは根本的に反省する必要があると私は思います。民間給与がどうこうというお話でありますから、その民間給与の問題につきましては後ほどすぐに入りまして、いかに民間給与との関係人事院がインチキをしておられるか。私はあえてインチキと言う。インチキをしておられるかという点を激しく攻撃したいと思います。ですが、いま当面といたしましては、行(二)の問題について、確かに総裁がおっしゃるように、人事院のペースに立ちながらいままで三年くらいの間種々努力をしてこられましたその点は、これは勧告を見れば私どもも了解つくところであります。しかし、そういう努力をしてこられましたけれども、その努力の上に行政職俸給表の人たちは大部分が乗れないのであります。なぜ乗れないかといいますと、一つは今日の俸給表ができる前、昭和三十二年までの間に一般職俸給表の中に入っておったのですが、その場合に頭を打ったり、あるいは昇給停止になった人たちは、大部分は行政職俸給表の口の人たちだったのです。それが、今日俸給表は幾らかよくなりましたけれども、あのときに大部分の行政職俸給表の人たちは頭を打った。長年にわたって頭を打ったからして、その俸給表に乗り得ない。これが一つ。もう一つは、行政職俸給表の(二)というのは、公務員の中でも最も異動の激しい職種であります。行(一)と違いまして、あるいはその他の俸給表と非常に違いまして、民間から来る人たちが非常に多いわけでありますから、民歴の官歴への換算に大きな欠陥がある。そういう意味で、せっかく三年くらい前から種々人事院としましても努力をしてこられましたけれども、その努力をされた俸給表の上に乗っからない。こういう点が私はあると思う。ですから、そういう問題を含めて、いま申しました人事院の標準生計費、この標準生計費は、日本にあるいまの生計費の中で最も貧しい生計費だと私は思っております。池田さんは盛んに国民のエンゲル係数が三九になったと言うけれども、この人事院の標準生計費は実に四三、五人家族になりますと四五という生計費、そういう相当でたらめといいますか、相当問題のある低い標準生計費に比べてみて、こういう実情にあるということは、これは人事院は人道的にも反省しなければならないと私は思います。ですから、従来のペースでどうだこうだということでなくて、やはり抜本的に考える、検討してみる、検討する、こういうやはり姿勢が必要じゃないかと私は思います。総裁の御答弁を求めます。
  112. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) ただいま人道問題であるというような、非常に胸を打つようなおことばも含めての御発言でございまするが、先ほど申しましたような立場から、それは人事院の立場を固執していると言われればそれきりでありましょうが、問題の根本は、やはり先ほど申し上げたようなところにあるのじゃなかろうか。人道問題ということになると、やはり日本全体の勤労大衆についての問題ということも根本になってくるのじゃないか、そういう気持ちがいたしております。
  113. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いずれにいたしましても、問題は、私が指摘いたしましたとおりであります。したがって、こういう問題についてすみやかにひとつ善処を要望いたします。おそらく来年の勧告の一つの大きな焦点は、この行政職俸給表の口にあると私は思っております。その意味で善処方を要望しておきます。これはここで引き下がるには私少しばかり下がりにくいわけですが、そういうことに対して、総裁、はっきり検討なさいますですか。
  114. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 従来どおり、あるいはできるだけ従来以上に温情を持って問題の処置に当たりたいと思っております。
  115. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 温情ということばは少しばかりおかしい。これは人事院が今日の状態に持ってきたのですから、責任の問題です。  次に、行政職俸給表の口を問題にしましたが、少し時間をさきまして、行政職俸給表の(一)についてちょっとばかり質問をしておきたいと思います。それは、行政職俸給表の(一)というのは、十五の俸給表の中の基礎になっておりまして、基準俸給表になっておりますが、そのために行政職俸給表の(一)というのは踏み台にされまして、年々踏み台にされてしまって、いまや行政職俸給表の(一)というのは、十五の俸給表の中の谷底に落ちているのです。何か行政職俸給表の(一)に乗って、その上にぽこぽこ別の俸給表を適当に出してしまった。あっちから圧力がかかる、こっちから圧力がかかるといって、ぽこぽこ出してしまった。そして三年、五年たって、今日になってみると、行政職俸給表(一)というのは、今や踏み台にされて谷底に追い込まれている。こういう実情になっているのではないかと思うのです。その例として若干お尋ねをしたいと思います。この税務職俸給表と行政職俸給表の(一)、これと比べてみますると、ことしの、三十八年の一月の人事院の公務員の給与実態調査、この資料に基づいて質問をいたすわけですが、これは一般職、行政職俸給表の(一)の現在の平均俸給額、これは暫定手当も扶養手当も入れない俸給額、その俸給額は二万五千何がし、税務職俸給表は二万九千六百円何がし、四千四百円の差がある。四千四百円の差があるのですから、私はこれを見ますとちょっとこれはでっか過ぎるなと思った。四千四百円、率でいいますと一七・五%高い、行政職(一)よりも税務職のほうはですね。税務職の一等級というのは、御承知のとおりに、行政職の三等級を二つに割って一等と二等はできておるのですから、税務職の場合には行(一)の一等、二等というのはいないわけです。高給の人はいない。そんな大きな高給の人はいない。一等、二等はいない。ところが、それにもかかわらず、どうも四千四百円というのはでか過ぎる。制度的に税務職の俸給表が行政職俸給表よりも八%高いということは私も承知しております。八%高くなっておる。しかしながら、一七%とはちょっとこれはひどすぎやしないか。一七・五%、ひど過ぎやしないか。これも学歴構成、平均年齢、経験年数等見なければいけませんので、これを調べてみましたところが、学歴はこれはほとんど同じと言っていいです。ただ、行政職俸給表の(一)のほうが大学出が多い。そのかわり、税務職の場合は高校出が多い。それらを相殺しますというと、ほぼ学歴が同じと言っていい。平均年齢は両方とも三十五歳経験年数は両方とも十五年、ちょうど同じ。ですから、学歴、経験年数、平均年齢、差はないと言っていい。にかかわらず、四千四百円の大きな格差がある。もっとも八%も高くつくってありますから、それを引いてみても、なお一〇%近く高い。こういう数字が出ているのですね。念のために、今日の俸給表が出たときの直後の三十三年一月の行政職俸給表の(一)と税務職との差を見てみますというと、三十三年の一月には四百円の差であります。四百円、税務職俸給表のほうが高い。ところが、五年たった今日四千四百円の差がついている。これは一体どういうところに原因があるのか。それだけでありません。今回御承知のとおり、税務職の三等級と四等級のところには大きなプラスをつけた。一人当たり六百円というプラスをつけた、三等級と四等級のところに。六百円という数字は大きいですよ。今度の公務員の俸給表の上がり方は、一人当たり千九百円の上がり方です。その中で六百円をこの三等級と四等級に足しておる。そうしますと、四千四百円の格差というものは、さらに大きくなっておる。これは五千円を突破するだろうと私は思う。どういうわけでこういうことになるのか。私は何も税務職の俸給が高いとか、こういうことを言っておるのではありません。行政職(一)の俸給表ができて、あっちこっち圧力が加わるものだから、あっち出したり、こっち出したりしておるうちに、行政職俸給表は踏み台になって、いつの間にか谷底に追い込まれてこんな形になっておるのじゃないかと私は思う。研究職の場合を取り上げてみましても、同じであります。研究職と行(一)とは三十三年当時はほぼ同じであります。ところが、今日一割の差がついておる。こういうことになった理由を聞きたいです、行(一)の人たちにかわって。四千四百円の差をつけたというのはどういう意味なんですか、その理由を聞きたい。
  116. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) われわれが俸給表を作成いたします場合に、行政職俸給表(一)というものがまあ基準的なものになるということは、お示しのとおりでございます。行政職員、国家公務員の四十六万のうち、二十二、三万程度が行(一)適用の職員になりますが、非常に大切な俸給表であります。そこでわれわれ常々考えますことは、いろいろな理由がある場合には、俸給表の改善ということがわりあい理由づけができるものですから、改善するのがやさしいということでございます。しかしながら、行(一)の諸君が、それではたとえば非常に危険な仕事をしておるとか、あるいは不快な仕事をしておるという特定の理由は、比較的捕捉が困難な実情でありまするけれども、それにもかかわらず、行(一)の諸君というものが非常に大切な職員であり、またそこを重視しなければならぬということは、常々われわれ考えておるところであります。そういう配慮は常々いたしております。今後もそういうことは十分考えていかなければならぬと思っております。御指摘のとおりであります。  ところで、税務職員俸給表というものは、これは税務というものが非常に困難な仕事をしており、また国税徴収という行政の根本的な部分を受け持っておるというような意味から、これはお示しのとおりの数字の差というものが設けられておるわけであります。ところが、ただいまお示しの数字は、行(六)職員の総平均の数字と、それから税務職員の総平均の数字というようなことでお示しになったのでありまするけれども、そういう比較の方法もないとは申しません。しかしながら、実際に比較する場合には、大体同一条件にあるものが行(一)の場合と税務の場合とどういうふうになっておるかというような比較のほうが、より適切であろうというように思うわけであります。ところで、税務の場合は、終戦後ある時期に、非常に大量の職員が採用されて、そしてほとんど新陳代謝がないというような実情がございます。これがことばをかえて言えば、たとえば昭和三十二年当時におきましては、税務の平均年齢は三十一・七才であった。それが三十八年の四月には三十五・七才、こういうようになっておるという平均年齢の話でありますが、そういう実情がございます。ところが、行(一)のほうにも、もし新陳代謝が税務と同じような状態であったならばそういう状況があるであろうということは想像できるのでありまするけれども、たとえば、その後において非常勤職員の定員内繰り入れと、これは行(一)よりも行(二)のほうが多いのでありまするけれども、行(一)にも相当あるわけであります。そういうことがあったり、まあそのほか新陳代謝の関係があったりいたしまして、三十二年七月当時行政職(一)の平均年齢は三十五・二才であった。それが三十八年四月には三十五・七才である。こういう状況で、〇・五才上がっておりまするけれども、税務のほうの四才上がりと比べますと、これはたいへんな違いになる。俸給表というものが、申し上げるまでもなく、現在昇給間差というものがきまっておりまして、標準的な普通の状態といいますか、成績良好の普通の勤務をいたしておりまする場合には昇給をいたすわけであります。そういう点からいたしまして、現在の俸給表の平均金額というものが、平均年齢あるいは年齢差というものと相当の関係があるということは言えるのじゃなかろうかというように思っております。  なお、先ほど私が申し上げましたように、ある一定条件で入ってまいりました者が税務の俸給表でずっと勤務いたします場合に、行政職の俸給表で勤務いたします場合とを比較いたしてみますと、ここ数年の俸給表の改定というものが、俸給号俸の金額自体を上げるというやり方をやってきたわけです。ただし、号俸と号俸との間差額を広げていくということはあまりやらなかった。そこで、そういうことでは昇給率も落ちてまいりまするしというようなことから、昨年の勧告においていわゆる間引きというのをやったんでありますが、あの間引きも、実はそれほど大きな効果をあげることはできなかった——何ほどかの効果はありますけれども——あげることはできなかった。その結果、行(一)と税務の水準差というものが縮まってくるというような傾向が次第に出てまいったんであります。そういう点を考慮いたしまして、今回の俸給表改定におきましては、税務職俸給表の改善につきまして、そういう点も考慮してやった。こういう次第でございます。御指摘の根本問題であります行政職をいためてはいけないというお話は、もとより同感でございまして、われわれもそのつもりでやってまいっておるのでありまするが、今後もそのようにやってまいりたいと思っております。
  117. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 先ほど局長は、少し私の言っておることを誤解しておるのじゃないかと思うのです。それは、私は、税務職俸給表の経験年数と、行政職俸給表(一)の経験年数は同じだ、平均年齢も同じだ、こう言っておる。平均年齢は行(一)の場合は三十五・四才、税務職の場合は三十五・五才で同じだ。差はない。学歴も差はないと言っていい。むしろ行(一)のほうは学歴のほうはいい。結論として平均年齢は同じだ。経験年数は同じだ。学歴は同じだ。八%の水準差が向こうは高いということはわかりますよ。わかりますが、しかしながら、一七%も高いというのは、これは理解がつかない。これはいま瀧本さんは、行(一)のほうは定員化された人も幾らかいるとおっしゃった。それがそもそも問題なんです。税務職の場合には、そういう人たちはゼロに近かった。行政職にはそういう人が相当おった。それはまず処遇のしかたが異なっておったからそういうことになる。一方はがっちり定員、一方のほうは相当の定員外職員がおった。これはそもそも間違いですよ。ですから、私はこの一七・五%という差があるという点について指摘をいたしておきますが、重ねて、私は税務職俸給表がいいということを言っておるのではない。行政職(一)の俸給表がいつも踏み台にされて、なお三年、五年たっているうちに完全に下積みになっているのじゃないか。十五の俸給表の中で一番低いのは何か。それは行政職俸給表の(二)です。その次に低いのは行政職俸給表の(一)です。しかも、その低さがひど過ぎる。均衡をとっておる。均衡をとっておるというふうにおっしゃって、額を上げるときには均衡均衡とおっしゃるけれども、あちこち、あちこち積み重ねているうちに、五年たった結果は見ておられない。そういうことでは、給与人事院にあずけるというのは、いささか心配をする。その点を、私がいま申し上げましたように、行(一)を踏み台にして、そうして行(一)の上にみんな足すものだから、行(一)のほうがいつの間にか谷底におっこってしまっておる。行(一)俸給表は二十三万いるんですよ。各省にいるのはほとんど行政職ですよ。その人がいま公務員の中で谷底になっている。こういうような俸給表をつくってもらっちゃ困る。こういう点の注意を喚起しておきたいと思います。  次に、人事院の得意の官民比較を論じます。人事院はきのうから総裁初め官民比較で官民比較でとおっしゃる。したがって、私もその官民比較について人事院に攻撃をいたします。何といっても、私はこれは承知できない。官民比較は私は前の通常国会、ことしの三月、この人事院の官民比較につきまして非常に大きな問題点があるという点を指摘をいたしました。それは勧告の資料を見てみましても明らかなように、七等級、八等級のところは少しこんがらかっておりますから、わかりいいところを取り上げてみますと、五等級であります。六等級取り上げてもいいんですが、五等級を取り上げますが、この五等級というのは、本省におけるところの係長、人事院が民間の五等級と称するグループと公務員の五等級を比較するわけですが、その場合に、民間の一段低いところと比較をしておるという点を私は三月に主張した。それは、公務員の場合の五等級というのは、これは本省における係長だ。ところが民間の五等級というグループ、それは五百人以上の企業の上級係員、五百人以下の企業の係長、これと比較しておる。これは明らかに一段階低いものと比較をしておる。本省の係長であります。ですから、五百人以上の係長と比較しなさい。五百人以下の企業と比較するならば、これは五等級というのは、地方へ出ますとこれは課長になるところだ。ですから、課長代理というものがありますからして、五百人以下の企業、五十人、百人という企業がありますから、そういうところの課長代理くらいなものと比較しなさい。いずれにいたしましても、一段階低いのがわかる、今の比較のしかたでは。それを私は主張してきた。ところが、今回も依然としてやっぱり前回と同じような比較。そこで、私は民間の五等級というグループを詳細に検討させました。事詳細に検討させましたところが、これは明らかに誤りである。人事院のやり方が誤りである。なぜならば、民間の五等級の平均年齢何歳だというふうにお考えになりますか。三十五歳です。民間の五等級と言って人事院が引っぱって出てくるグループ、この平均年齢は三十五歳。公務員の五等級の平均年齢は四十四・二歳です。実に十歳の差がある。これは民間の低いところと比較しておる。実際に差があったら——今日の日本の賃金は年功序列賃金とよくいわれる——これだけ実際の差があったら、べらぼうなものです。これはどういう立場からいっても、私は人事院は弁解の余地がないと思います、実際に差があったのでは。それは六等級で比較して申し上げてもいい。さらに四等級を比較して申し上げてもいいのですが、ここでは四等級をひとつ申し上げておきます。四等級というのは、本省の班長並びに課長補佐であります。で、民間の四等級と称するグループ、人事院が引っぱってくるこのグループ、これは五百人以上の班長並びに課長補佐ではなくて、実に係長だ。そして五百人以下の企業の課長。これは四等というのはこれはブロック機関の課長ですよ。県単位の機関になりますとこれは部長、公務員の場合はですね。これも、これは一段階低いものと比較している。そこで、これも内容を詳細に検討させまして、平均年齢を出してみた。そうすると、民間の四等級と人事院が称するブロック、これの平均年齢は三十九歳、公務員の四等級の平均年齢は四十八歳。これも十歳くらいの差がある。十歳の差があったらどうにもならないですよ、これは。これは六等級でも同じようなことが言えるわけですが、人事院はどういうふうにこれを弁解されるのか。その弁解をお聞きしたい。
  118. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 官民の比較の態様につきましてただいまの御質問でございまするが、公務と民間とは多少まあ、同一の仕事をやっておるわけでございません。しかしながら、大体似たような仕事をやっておるものをとらえまして比較するというのが現在のたてまえでございます。そこで問題は、公務におきましては、一応本省段階で申しますると、課長のもとに課長補佐という段階がございます。その下に係長という段階があり、場合によりましたら、さらにその下に主任的なものがおる場合もあります。それから係員、こういう一般的な機構の形になっておりますが、ところが、民間ではどういうふうになっておるかと申しますると、これは千差万別でございまするが、おおむね課長課長代理というものがある場合がございます。しかし、公務の場合に、本省段階で、課長補佐というのが一つの課に大体四、五人程度おるというような状況になっておりますが、民間の場合の課長代理あるいは課の次長というようなものは、われわれが調べてみましたところ、課長の全体の数に比べて約三分の一程度ぐらいしかいないということであります。したがいまして、これは一つの公務における課長補佐の段階というふうに見るということはどうも少し無理があるのじゃなかろうか。で、いわば民間におきましては、課長のもとに係長がおる、それから係員、こういう段階になっておるということが一般的な状況と言えるのではなかろうか、このように考えておるのであります。そこで、かねてこの民間の課の次長あるいは副課長というようなものをどういうふうに取り扱うのが妥当であろうか、これはもう御指摘がございましたように、われわれとしても問題としております。しかしながら、本年の勧告におきましては、やはりこれを公務の課長補佐段階であるというふうに認定するということは、どうも現在の段階において無理があるのじゃなかろうかというようなことから、大体課長補佐に相当いたしますところを、ただいま御指摘のように五百人以上、この五百人以上というのも、われわれが調査の便宜上きめておるのであります。実は業態によってこれは多少の違いがあるかもしれませんけれども、短時日に調査をやりまする関係等もございまして、五百人以上ということと五百人未満というところで、職務の責任及びその職務内容というものに違いがあるというふうに一応考えまして、四等級公務の課長補佐と対応するところは、先ほど御指摘のように、五百人以上の係長それから五百人未満の課長、こういうものと対応するという実情でございます。まあそこをそういうふうにやっておりまするので、したがいまして、五等級のところも同様な関係におきまして官民の比較をいたすということになっているのでございます。ただいま御指摘のように、わが国の現在の民間におきまする給与というものが、年齢と非常に密着した関係がある、御指摘のとおりだと思います。しかし、われわれのほうは職務の段階が上と下ということはございまするけれども、いずれの等級におきましても、相当広い俸給の幅というものをつくっておりまして、五等級におりましても、年々昇給をしていくという状況があるわけでございます。全体的に申すとそういうことでございまするが、御指摘の点等も十分考慮いたしまして、たとえば一つの等級におきまする昇給金額が多少金額の落ちてまいる、ある相当高位号俸になりますと、そういう場所があるのでありまするけれども、そういうところをなるべく延ばすというような措置をとる。あるいは本年の官民比較の対応におきましては、特に六等級、七等級辺につきまして、慎重に検討いたしました結果、従来六等級で入れておりました五百人未満、これは年齢で申しますると三十六歳以上というようなところになりまするが、そういう従来六等級で対比いたしておったものを七等級に対応させるというような方途を講じまして、全体的に漸進的に進んでいる、こういう状況であります。
  119. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は人事院は、いま説明聞きましたけれども、それではさっぱり説明にならない、そういうものは。いままでそういうことでやってこられたから、弁解じみたお話であろうと思うのですが、しかし、いまお話しになったような課長代理とか、副課長、そういう者と四等級を比較するのは、いまの段階ではどうだというふうにおっしゃる。しかし、公務というものと民間との差というものを考えてもらわなければ困る。人事院のいまの行政のやり方を見ていますと、わりあいと簡単なように思うのですが、人事院の立場から各省のものを見てもらっちゃ困る。各省がそれぞれ多方面の仕事をやっているから、課長の下に幾人かのそういう班長みたいなものを置かなければならないのです。非常に多岐にわたっていますよ。民間は何かその意味では集中的な簡単な仕事かもしれない、公務に比べると。その意味で、そういうものを課長代理とか、副課長というものが、課長の半分か、その程度しかいないということは言えるかもしれない。しかし、公務の場合は、いま現実に見てごらんなさい。多方面にわたっているから、課長一人だけでは手が及ばない。だから、課長補佐というものが何人か要る。それを認めなければいけない。それを否定しようとする。結論は、いま申し上げたように、十歳も下の者と比較をする。それは官民較差、これが人事院給与決定の何か鬼に金棒みたいなことをおっしゃるけれども、十歳下の者と比較したのじゃ、これは比較にならないのですよ。言語を絶するものです、これは十歳も下の者と比べたら。そういうものは私は許せない。だから、公務員が同級生や先輩と大体比べてみて、民間につとめている先輩や同輩と比べてみて、一万円も八千円も低いということを年中言っているのじゃないですか。これをそういうふうに直せば、一万円や八千円は上がるのです。私はきのう生計費、人事院の標準生計費を引っぱり出して、七千円から一万円低いということを言った。あの生計費よりも公務員の給与は七千円も一万円も低いんですぞと言った。官民比較を見ても同じじゃないですか。十歳も下の者と比較をして、それで官民比較完ぺきでございますなんて、どこにそういう科学的な比較がありますか。いささかの努力をされておられることは、いまの給与局長の言われるとおり。しかしながら、そういうちょっぴりちょっぴりした比較あるいは是正では直らないです、これだけの大きな差があっては。私が、わりあいとよくなっております三等級、二等級を比べてみると、この二等級というのは、私は二元論と言うのですが、二等級は、官民比較すれば五百人以上の企業だけ比較する。そこの支店長とか部長とかと比較をする。これは例として非常にとりいいんですが、二等級というのは比べてみますと、民間の場合は約二十万調査しているのです。公務員の場合は二十三万です、行(一)というのは。そこで民間は二十万というのをグレードに割って、二等級から八等級まで、公務員の場合は二十三万をグレードで割っている。それで二等級と比較する。ところが、民間の場合は、二十万の中で二等級と称する、人事院の引っぱってくる数は八千人もいるんですよ。公務員の場合は二十三万の中で二等級といったら八百人ぐらいです。一けた違うのです。それは要するに、幅を広げてとってくればそういうことになる。だから、二等級もかわいそうだと思う、それについては。一方は八千人おるんですよ。こっちは八百人です、行政職俸給表の(一)の場合は。一けた違う。そこで、これは不思議だと思って、今度はその内容を詳細に調べさせたところが、これがまた奇々怪々たるものです。二等級と称するやつを調べたところが、三十歳以下の二等級というのが相当いるんです、民間の場合。公務員の場合三十歳以下の二等級といったらお笑いですよ。そういうものを二等級だと言って引っぱってくるからでたらめに二等級というものが多くなる。ですから、これは私は公務の実情というものをもう少しはっきり見てもらう。自分のところだけから類推しないで、人事院という行政組織から類推しないで、もう少し通産省なり、大蔵省なり、農林省という具体的な省における公務というものをはっきり見てもらう。そして公務員と民間との比較というものを正しく行なってもらいたい、十歳下の者と比較しないで。これはべらぼうです。急速にこの点のひとつ是正方を要望したい。人事院がとらの子のようにしている官民比較というのはでたらめである。どこに正しいという根拠がありますか。めちゃくちゃですよ。十歳も下なんてめちゃくちゃと言わざるを得ない。学歴も調べてみました。五等級の公務員の学歴、民間の五等級と言われる者の学歴、これも詳細調べました。そういう立場から見てみると、こんなべらぼうなことをやる理由はどこにもない。これは人事院は責任重大ですよ。すみやかにこういう問題について根本的な検討を加えられるように総裁にひとつ要望いたします。総裁は去年なられたのですか、ですから、まだそこまで及ばないかもしれない。しかし、私は先ほど申し上げたように、五年やってそこまで目が届いてきた。これが是正されると、いまの人事院の勧告体制というのは九〇%ぐらいガラスの中に入ります。これを是正しない限り、これはほとんどやみくもです、いまの勧告のやり方は。ですから、その点を総裁、すみやかにひとつ根本的に検討されるように要望いたします。総裁いかがですか。
  120. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) お答えいたします。  非常に新米扱いをきれて光栄の至りでございますけれども、私は、新米は新米なりに取り柄があると思います。これは何でも白紙でいろいろな御批判を受け入れる素質がそこにあるというところにおいて、私は非常に自負心を持っているわけであります。去年も御指摘のような問題についても相当この席で御批判ございました。これは骨髄に徹しているわけです。したがいまして、今回の勧告にあたりましても、これまで微力ではありますけれども、そういう点の反省は加えながら事に臨んだつもりでございます。したがって、いまちょっとおことばにもありましたけれども、多少の改善はお認めいただいている、こう思います。しかし、重ねて御批判がございました。われわれは決してそういう御批判を聞き流しているわけではございません。したがいまして、今後におきましてもさらに検討を続けて、反省すべき点は反省する。その心がまえは持っております。この勧告がでたらめでむちゃくちゃだということであるとは、私は絶対に考えておりません。
  121. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、きのうから標準生計費と俸給表との関係で説明をした。標準生計費から七千円も一万円も下回っている。そう言いましたら、いや私のほうは官民比較でやっているというお話だ。したがって、今官民比較で申し上げた。十歳も下の者と比較して、どこに科学性があって、でたらめじゃないとおっしゃるのですか。  念のために申し上げておきますが、私は七等級は計算しなかったのですが、六等級を計算しますと、民間の場合は六等級というのが三十歳、公務員の場合は三十九歳で、九歳の差があります。五等級は民間は三十五歳、公務員は四十四・二歳、四等級は先ほど申し上げた民間三十九歳、公務員の場合は四十八・一歳、三等級は民間四十三歳、公務員の場合五十・四歳、こういう数字になっている。ですから、いまの公務員の賃金でも民間の賃金でも、年功序列であるということは御承知のとおりです。十歳も年齢が違ったらこれは給与はうんと違います。そういう十歳も違ったところと比べて、それがむちゃくちゃじゃないとおっしゃるのですか。
  122. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいま等級別に官民で年齢の違いがあるというような御指摘でございますが、これは十分御承知いただいていることと思いますが、われわれのほうは、いわゆるラスパイレス方式というもので官民比較ということをやっているのであります。そこでは同一年齢あるいは同一年齢グループの者を比較してやるという方式をとっておりますので、全体的におっしゃればそういう年齢の差はありますけれども、この官民比較の較差を出してまいりますときには、ただいま申し上げましたような方式でやっておって、そういう年齢の違いということはこれは排除されている。また学歴構成におきましても、種々御調査になったようでありますけれども、われわれのほうがやりますときには、やはり学歴構成の違いというもののために出てくる差というものは排除する方式、このラスパイレス方式というものでやっているということを申し上げます。  ただいまいろいろ御指摘ございました点等については、総裁が申し上げたとおりでございますが、われわれとても現在やっていることが完全無欠だというわけには参りません。したがいまして、御意見等も伺いまして、今後ますます勉強してまいりたいというふうに考えます。
  123. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 ラスパイレスという話が出ました。出てくるだろうと思っていた。そんなインチキなことを言うからいかん。ライパイレスと言えば何か科学的な気持ちでいるからいかんのです。たとえば五等級の公務員は四十五歳、民間は三十五歳、十歳違うのです。年齢を合わしたと言うが、それは特殊なやつしか出てこない。正常なやつは出てこないのです。うんとおくれているから、そんなものしか出てこない。また四十歳以上こしたような民間の人、そんな者はいないです。四十四歳こしたような者は五等級というのはいない。見てごらんなさい、詳細に。いずれにしても、私はこの問題については人事院に重大な反省を求めて、すみやかなる機会にこの是正を要望いたします。これを改めない以上、いつまでもこれは出てきます。これを解決しない以上、公務員のいまの非常に低い給与というのは解決できないです。以上私今の問題については終わります。  次に、期末手当についてお伺いします。この期末手当については、公務員が自分の給料が低いということを非常に考えておると同時に、期末手当が非常に低いと、これですよ、公務員の一番言っておるのは。期末手当が低過ぎるということです。そこで、この期末手当については、私はこの国会で幾度か批判をいたしました、人事院のやり方について。その批判は二点あったのであります。一つは、民間の期末手当の出し方がずさんである。これはずさんであるということは後ほど申し上げます。工員を半数、職員を半数とる。それでそれを平均してこれが民間の期末手当だと言われる。公務員の九七%はこれは職員、そういう比較のしかたはおかしい。公務員が職員であるならば、民間の場合も職員と比較しなさい。給与は、本俸は職員職員とを比較するようになってきた。期末手当だけはまだそういうことをやらない。それはおかしい。給与を考える上におけるところの二元論だということを主張してきました。これが一点です。もう一つは、期末手当の調査のしかたがずさんきわまる。どういう調査をしておられますか。これは非常に重要な問題であるのだから、もっと本俸を調べると同じような調査をしなさい。そうして、この比較をよくしなさい。その二つを私は主張してきた。第一点は、今回の勧告にあたって取り入れられたようでありますが、職員が八割、工員が二割となっております。この割合はともかくとして、従来の五割、五割というところからいきますと、職員は八割とって、工員は二割とられたということは、期末手当についての最も大きな批判点の一つが受け入れられたと私は思っております。第二の批判点、これが大きいわけであります。何か人事院は帳簿を見て期末手当の最後のやつを拾ってきて総人員で割っちゃって、これが期末手当でございと、こう出しておるのではありませんか。ですから、本俸の場合においては、個人個人の調査をやられるのですから、期末手当についても個人個人の調査をやりなさい。〇・一とか〇・五くらいの違いじゃないのです。今日いまや三・五月分になろうとしておるのですから。しかも、期末手当については、公務員は非常に不満を持っておる。自分のむすこのほうが期末手当が多いということが一ぱいあるのです。額じゃありません。月分がです。おやじは三・五月分だけれどもむすこは四・五月分だということが、どこにもありますよ。娘だってそうだということで、おやじがときどき娘に頭を下げなければならぬ。そういうことをときどき聞くのであります。そういうことですから、期末当当の出し方が悪い。民間期末手当とはこのことでございと言って出てくるやり方が悪いと私は思うのであります。で、局長の答弁をひとつ求めます。
  124. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 現在、民間におきましていわゆるボーナスというものは、これは団体交渉等によりましてきめるという場合もございますけれども、まだまだ経営者が一方的にきめるというような場合も多いのであります。われわれが事業場に参りまして、こういうボーナス関係につきまして詳細な調査をするということは非常にむずかしい状況なんでございます。給与のほうにつきましては、これは労働基準法できめておりまするところから、いろいろな賃金台帳というものが整備されておりまして、われわれの調査に非常に便利があるわけでございますが、ボーナス関係につきましては、なかなか協力が要請しにくいというような面が従来あり、現在もあるわけであります。そこで、われわれはこれを捕捉いたしまするのに、事業場で支払いました全賞与といいますか、ボーナスの支払い総額というものを調べまして、そうしてその支給を受けました人員を調べる。御指摘のとおりの方法でやっております。この方法は、御指摘のように最善の方法ではないということは、よく存じております。しかしながら、現在の状況におきまして個別に調べていくということについては、非常に抵抗が多い。やむを得ずこういう方法でやらざるを得ないということであります。ざらに個別に調べてまいりますると、いろいろな問題が出てまいるだろうというように思います。たとえば、職務の段階によりまして支給の月分が違ってくるというようなことは、民間では一般にあることでございまして、そういうことは現在われわれの調査では調べられていない。したがって、ボーナス関係につきましては、民間で支給される理由と、公務におきまする勤勉手当が大体それに当たるものではありまするけれども、本俸とはよほどそこに、いわゆる民間のボーナスと公務の期末、勤勉手当との間には、違いの程度も大きいということがございまするし、いろいろの問題がありまして、現在はこういう調査の方法をやっております。しかし、期末、勤勉手当合わせて一カ月分、それ以内というようなときにはあまり問題はございませんけれども、御指摘のように、今回の法案が通りますると、期末、勤勉合わせて三・九カ月分、これは非常に本俸に比べまして比重が増してまいったわけでありまするが、今後この現在やっておるような調査方法でいいかどうか、これは今後の問題として十分検討しなければならぬと思いますけれども、現在の状況におきましては、先ほど申し上げましたような調査上の抵抗というものが非常に大きいために、われわれは短時日にこの問題を調査する必要もあり、したがいまして、いまのような方法をやっておる次第でございます。
  125. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 その問題を解決しなければ、期末手当の問題は私は解決しないと思う。抵抗があるというのは、それは四、五年前はあったかもしれないが、今日抵抗があるというふうに私は聞いていない。何かお役所に見せる帳簿を見て、ああこれが期末手当でございますか。これを支給を受けた総人員で割ってというようなことで期末手当を調べられたんじゃたまったもんじゃない。給与は、そうじゃなくて、個々人について調べるわけでしょう。ところが、期末手当だけについては、見せられた帳簿を見て、これでござるかというわけで総人員で割っちゃって、これが期末手当でございなんて、そんなずさんな調査をやって公務員が納得しすまか。てんで話にならない。それは多少の抵抗はあるかもしれない。しかしながら、これは人事院給与をあずかっているんですよ。いきさかの抵抗があろうとも、それは頭を下げて、お役人ですからなかなか下げにくい頭かもしらぬけれども、三つでも四つでも下げて、公務員の期末手当の問題なんですから、個人調査をやりなさい。そんなずさんな調査でやられたんじゃかなわないです。そうすれば期末手当というのは相当変わりますよ。だから、期末手当の調査のしかたについて、まず根本的に検討を加えるということ、それから、それを材料にしての計算のしかたについて、先ほど私が申し上げたようなことをやるということ、それを要望します、それが最も科学的なんですから。最も科学的じゃない、まあまあ科学的です。人事院がやっているのはずさんきわまりない。幾らか今度の勧告で第一の批判点は善処したんですから、もう一つのほうが大きいわけですから、それをひとつ根本的に検討をしてもらいたいと思うのです。いかがでございましょうか、総裁からひとつ。
  126. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 根本のデータの確実なところをつかまえろということは、もうまさにそのとおりでございます。われわれもその趣旨であらゆる努力をしてまいっておりますけれども、しかし、なお努力の余地があるかないか、これはわれわれとしてはさらに努力をひとつ続けてみようという覚悟を新たにして、さらに努力をしようという心がまえでおります。
  127. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この問題は、毎国会論議する問題であります。しかしながら、今回批判の一点がああいうふうな形で実現をいたしましたので、続いて私は最も問題点である先ほど申し上げた点について、科学的という人事院のことですから、これはぜひ数段科学的になるわけですから、検討されて、改めていかれるように要望いたしておきます。だいぶ財源が要りますよ。人事院の勧告の歴史を詳細に私検討いたしました。人事院の勧告の十五年の歴史を詳細に検討いたしますと、人事院の勧告の歴史の半面は、いかに受け入れやすい、政府がのみやすい勧告をするかということに苦悩惨たんしたという歴史であります。私も十五年の歴史を見て、確かにそうだとうなずく一人であります。しかし、そればかりじゃ困ります。ですから、やはりある程度、一歩でも、二歩でも、科学的な方向へ前進してもらうように要望いたしておきます。  次に、住宅手当ですが、この住宅手当はまたもやゼロという回答、三十五年に私住宅手当の問題について必要性を強調いたしました。しからばということで民間の実態調査をやったところが、これまたゼロということになったわけです。さらにことしの三月に住宅手当の問題について主張いたしました。また調査をされました。それで結論はまたゼロ、そういうことになったわけです。二回もゼロにされたのじゃ、これは容易ならぬことでありますから、詳細に住宅手当の問題について調査をさせました。私が調査したわけじゃない。ですから、あるいは間違いの点があるかもしれない。どうも人事院は住宅手当を出さないような方向で努力して調査している。こういうことではいけない。行政官ですから、そういう点があるかもしれませんが、新しい行政官庁ですから、人事院というのは一つの独立した行政機関ですから、もう少し科学的に調査してもらわなければ困る。こういう調査のしかたではお話にならない。一体住宅手当が必要であるということを強調した理由というものをはっきりしてもらわなければ困る。五十人、百人の給与のことでありますと、これは地方機関もないところがたくさんあると思うのです。そういうところでどうこうと私は言っておるのじゃない。官庁はこれはたいへんな機構でありますから、しかも、転勤が非常にここ十年来たいへんなものになっておるわけです。それから、また一つ大きな問題が出ておるわけです。だから、事業所もないような、出張所もないようなところを調査されたのじゃかなわない。もう一つは、同じ俸給表を受けておるのだけれども、官舎を支給されておる者と国設宿舎を支給されておる者との区別をどうするのか、これも主張したのです。だから、焦点は明らかなんです、住宅手当の主張の根拠は。そういう立場から調査してもらわなければお話にならないですよ。ですから、社宅なり、そういうところを持っておるところもある。そういうところは残った人たちにどういう措置をしておるのか。あるいは、ある程度広く出張所等を持って、あるいは支所等を持っておるところ、そういう転勤をきわめて必要にするところ、そういうところにおける住宅についての配慮はどうなっておるのか。こういう観点から調べてもらわなければお話にならない。しかも、住宅手当と称するものだけを調査されたようです。私の見たところでは、それだけではなくて、別居手当という形で支給しておるところもあるし、あるいは地方に行く場合に、住宅がないということになれば、特殊な調整号俸をつける。官庁でいえば、調整号俸的なものをつけるところもある。そういう出すような形で、出すという気持ちをもって調査してもらわなければ、やみくもに調査していたのじゃこれは話にならないと私は思うのです。しかしながら、この住宅手当については人事院も真剣に論議されたようでございますが、そうして大蔵大臣にも直接御要望なさったというふうに聞いております。しかしながら、国設宿舎というのは一年に六千五百戸ぐらいしかできない。これでは百年かかってもどうにもならないわけです。ですから、これは住宅手当について、いま私が申し上げたような点から考えていただかなければならない。私はそういう点から主張したのです。本来、社宅とか住宅とかというのができましたのは、御承知のとおりであります。主として三等級あるいはそこに近い人たちの転勤が多くなってきた。ところが、大体官庁というのは都会に多いですから、そうしますと、住宅の点が非常に困難で転勤が非常にむずかしいということから、住宅、官舎あるいは公営住宅というような制度ができたわけであります。ところが、これはここ十年ぐらいの間に事情が一変しております。いま七等級、六等級、五等級あたりの人の異動が一番行なわれている。ですから、そういう意味で住宅手当については再検討を要望したいのですが、今度も勧告にあたって非常に真剣に慎重に御論議なさったようでございますが、ゼロとは出ているが、これで打ち切りになったとは考えておりません。したがって、人事院においては引き続きこの問題については検討されることと思いますが、どうですか。
  128. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) われわれの誠意及び努力の存するところをお察しいただいたことはたいへんにうれしく思います。まさにおっしゃるとおりであります。この問題は軽々に扱えない深刻な問題だとわれわれは痛感しているのであります。その意味で実は住宅手当のこの調査、不備とはおっしゃいますが、とにかくこの調査をやったということでございます。しかし、これがいまおことばがありましたように、勧告に盛られなかったということは、イコール、ゼロ回答かというと、私どもとしてはゼロ回答という意味がわかりませんが、いわゆる狭い意味のゼロ回答というのじゃなくて、結論が出なかったということで御了解願いたい。これは根本的に考えてみますというと、御指摘の国設宿舎との関連も相当あります。これはこれでいまお話の出ましたように、大蔵大臣にももちろん話しましたし、池田総理にもそのことを勧告の完全実施を要望するときに強く要望しておいたわけであります。そのときの反響によれば、今度の来年度の予算には大幅に増設予算が出るのじゃないかと私は期待いたしているのであります。片一方においては、努力をいたしていきますが、この手当としての問題は別に考えなければならぬ。ただ、根本にさかのぼってまいりますと、これは率直に問題点をことで申し上げて、むしろお教えを願ったほうがいいと思いますから正直に申しますが、たとえば、通勤手当の関係ということからも、これだけ別に切り離して結論が出せないのじゃないか、こういうような問題がいろいろ関連した上で考えていかなければ、根本問題の解決にはならないのじゃないかということも、いろいろせんさくしておりますと出てまいりまして、あれやこれや結論が出なかった。しかし、いま申しましたような趣旨で、いろいろ道はございますが、どの道によるかは別として、何とかこれを解決の、解消の方向に持っていきたいと、こういう気持ちを持っております。
  129. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これはここ七、八年非常に公務員の状況も変わっておりますから、ですから、十分ひとつ御賢察いただいて、この住宅手当はいろいろいまおっしゃいました交通手当の問題、あるいは自宅を持っている者との関係もありましょうし、いろいろな問題があると思いますが、しかしながら、やはりいまお話しのように、解決方向にいくことに今後とも努力をお願いしたいと思います。これは公務員の場合は、御承知のように、民間と違いますのは、民間がどこかの地帯に工場をつくって、できるだけその近辺の労働力でまかなっていこうというようなものと違いまして、御承知のとおり、公務員は国民全体に開放してございますから、どこからでも採らなきゃならぬ。試験に通った者は採るということになっているわけです。遠いからお前はだめだというわけにはいかないだろうと思うのです、成績がよければ採るわけですから。どこからでもこれは募集されるようになっているわけですから。最近、私もよく聞くのですが、初級職の試験を通った十八歳の高校出の女の人を採用するとき、いろいろ言うものですから、結論は何かというと、住宅がありますかと聞く。ないと言うと、さっさと帰ってしまう。こういう実情になっているんじゃないですか。しようがないから埼玉の奥地あたり、神奈川の奥地あたりから初級職を採らなきゃならないし、何とか山の中から出てくる者には、ちょっと不便なところでもいいからこまかいところに押し込んで、何とかかんとか不自由な思いをさんざんさせている。これが実情でございましょう。東京都あたりから初級職が来っこないですよ。本省に来ないですよ。人事院はどうか知りませんが、来ないです。第一、聞くと、給与が低いということ、もう一つは住宅が何もないということ。だれが来ますか。来ませんよ。ですから、いまやむを得ないから、各省庁とも最も必要な初級職の試験を通った者は地方で採っているでしょう。地方で採るから県庁所在地じゃ採れない。ですから、山奥のほうから試験に通った者を採ってきて、三、四年あたためて、これを本省に持ってくるのです。そうしなきゃ集まらなくなってきているんです。だから、私はその意味で、あるいは転勤の問題を考えましても、相当広範囲なものですよ。一昨年の名簿とことしの名簿を比べてみると、全然と言ってはおかしいけれども、相当な変わり方ですね。たいへんな異動ですよ。そういう若い連中というのは、社宅も何もないですよ、国設宿舎も何も。それでこの生計費を見ますと、二人世帯、三人世帯、それぞれ生計費がはじいてある。三千円なり四千円なり、生計費がはじいてある。住宅費がはじいてある。そういうものを自分で払っている者と、社宅をもらっている者、官宅をもらっている者、それからデラックスな四部屋もあるところで千五、六百円しか払っていない者と、たいへんな違いです、同じ俸給をもらって。そういう差別観というものは、これは国家公務員法の根本精神からいってもおかしいと思うのです。何といってもおかしい、これは。ですから、重ねましてひとつ人事院のすみやかな善処方への努力を要望いたしておきます。  それから次に、これはあまり盛りだくさんにやりますと時間もかかりますしいたしますので、省略をいたしていきますが、ひとつ伺いたいのは、初任給の調整手当ですか、初任給調整手当ですね、これの実情を伺いたいのです。局長、ひとつ実情というのはどういう仕組みになっているか、三年になったらひっぺがすんでしょう。二千五百円くれて、三年になったらひっぺがしてしまう。それから、千円もらったら、二年たったらひっぺがすんですか。
  130. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) まあひっぺがすということばはあまりよくないのでありますが、要するに、初任給調整手当というものは、いわば枝の俸給表というようにお考えになってもいいのではなかろうかというように思うのです。現在の俸給体系では、たとえば七等級、これは八等級から昇進をしていくことになるわけですが、そこで七等級初号、二号というのは、ずっと八等級から調整をしていってなるという場合と、それから、たとえば上級職を採用する場合に、七等級初号あるいは二号ということに初めからなる場合があるわけです。ところで、現在の民間におきまする労務需給関係というものは、最近の一般情勢に即応いたしまして、学卒者の初任給というものが非常な高騰を示している。それに引きずられまして、現実に会社に引き続き勤務いたしておりまする者の給与も上がっておりまするけれども、その間にやはり違いがあるというようなことで、その民間のそういう一般的情勢に対応いたしますために、初任給を少し持ち上げた形で、そうして二、三年後に在職者が昇給をしていったところと同じようになるようにということが、思想の根本でございます。したがいまして、まあひっぺがすというよりも、その間におきまする昇給金額より多少低目の金額に落としてまいります。まあいわばその間は昇給が在職者よりも多少低目でずっと昇給をしていく、こういう形になっておるというのが現在の初任給の調整でございます。しかし、これはあくまでも変則的なものであることは否定できない。現在の異常な労務需給関係に対応いたしてやむなくつくっておる制度でございまするので、こういう制度は、労務需給の関係が安定いたしました後におきましては、こういうものはやめてしまうということが適当であろう、このように考えております。
  131. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは時間の関係もありますから簡単に申し上げますが、これは上級職の人たちについては理工系関係は二千五百円、それ以外は千円ですか。それで、一方のほうは三年たつとひっぺがすわけですね。それから、一方のほうは二年たつとひっぺがすのですか。そうして、この連中が何と言っているかというと、ごまかすにもほどがあると、こう言っている。最初は、こういうものをくれるからいいと思って入ってみたところが、昇給するのですね。そうすると、昇給するけれどもひっぺがす分だけ上がらない。三年間毎年毎年ひっぺがしていくわけでしょう、八百円ぐらいずつ。そうすると、昇給金額からちょぴっと二百円ぐらいしか一年に昇給しない。結局、昇給するその金額からひっぺがすわけですから、ちょっぴりしか昇給しない。だから、三年間で何のことはないというのです。だんだん、せっかくオーバーを着せてくれたと思ったら、だんだん薄い物にしてしまって、三年たったらひっぺがしてしまうというのですね。ひどい話じゃないか、ごまかしているじゃないか、こういう意見があります。私もっともだと思うのです。というのは、その前に入った者はオーバーは着てないんですから、最初入った者だけオーバーを着ているけれども、だんだんオーバーをはずしてしまって、冬空にだんだん合いオーバーにしてしまって、最後にひっぺがすというのです。そういうやり方は国の政策としてはまことに私は遺憾だと思うのです。これはやっぱり初任給にはっきり入れるべきじゃないですか。銭はかかりますが、そんなこと考えておったんじゃ、そんなみみっちい話をしておったら、公務員になりたての諸君に対して、最初から侮辱したということになりますよ。これは一体何だと言って、支度金みたいなものじゃないかと、こう言っておりますよ。受け取ったものは支度金みたいなものじゃないか。三年たつとなくなっちゃう。そこで私は、何で上級職だけにそういうものをつけるんだろうと思って、それから中級職、初級職を調べて、これは私が調べたんじゃないので若干もしも間違いがあると困るのですが、一応私は間違いないものと思っておりますけれども、初級職と中級職を調べてみたんです。そうしたら、需給関係なりそういうものから考えてみると、全然同じです。同じというより、むしろ初級職のほうが非常に困っておられるのじゃないですか。たとえば受験率、受験をしておる者、それからあと手紙も何もよこさない。無応答。試験を受けて合格しっぱなし。どこに行ったか知らぬような者、それが半数くらいおる。上級職でも、中級職でも、初級職でも、半数ぐらいおるそうです。公務員になりたくない。ただ試験を受けただけ。試験料が非常に安いから、百円か二百円でしょう。腕だめしに非常にいいものですから試験を受ける。受けてみたけれども、半数は公務員になる気がない。採用してあと残っておる者ですね、残った数字が出ておるでしょう。三十七年度に合格した者、残った者の数字を見てみますと、むしろ上級職の甲、乙というのがたくさん残っておるのですね、残存数は。そして中級職、初級職というのは、うんと少ない。ちょっぴりしか残っていない、残存数というのは、それから見ると。それから、各省に電話をかけて聞いてみると、初級職、中級職の採用状況はどうかと聞いてみると、本省じゃ中級職、初級職は採用できないと言っている。中級職を地方で採用して、二、三年たったら本省に連れてくる。そういうことからいきますと、これはどうも上級職だけにこういうようなものをつくったのもおかしい。それから、これはやっぱり本俸に入れてやらないとまずい。二、三年たって支度金みたいなものをやっておいて、オーバーを最初着せて、三年たったらひっぺがしても、二、三年のうちに何となく役人をやめたくなくなるだろうというような、われわれの弱点を人事院は利用しておるのじゃないか、こういう言い方すら行なわれているのですよ。だから、公務員になりたての人たちは、非常に新鮮な頭と新鮮な気持ちを持って入ってくるのですから、それに対して、ひっぺがすようなものはやめたほうがいい。私がやめろと言うのは、この中に入れなさい、初任給の中に。初級職も中級職も上級職も入れなさい、そうしますと、幾らか金が若干要りますね、少しばかり。そうして、上のほうも少しばかり号俸をいじらなければならない。それくらいのことはしていいですよ。いかがでございましょうか。
  132. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほども申し上げましたように、現在の民間におきまする労務需給の関係というものが、学校卒業者のところで非常に逼迫しておるという状況でございます。その関係で、そういうところの初任給が非常に上がっておる。民間で言う初任給というのは、いわゆる本俸だけでない、いろいろなものを加えた額のことを言っているようであります。いわゆる基準内給与から超過勤務手当を差し引いたものを言っているようでありますが、それが非常に上がっておる。それに引きずられまして、在職者の給与も上がっておるということは事実でございます。しかし、その間に、現在の状況におきましては、やはり開きがある。そういう一般的状況に対応いたしまするために、われわれのほうでは、初任給調整手当というものをつけておる。これは先ほども申し上げましたように、労務需給が落ちついてまいりましたならば、こういうものはやはり変則的なものでございまするので、これは御指摘のように、本俸に入れるのが適当である、このように将来の問題としては考えております。また、上級職でも、なかんずく科学技術系統のところで二千五百円というのをつけておるのでありまするが、これはやはり本俸である初任給、その数字とのにらみ合わせという問題もございまして、現在は上級職だけつけておりまするけれども、初級職等につきましては、きのう来いろいろ御指摘がございましたけれども、われわれのほうといたしましては、民間で調べました初任給額よりも、むしろ標準生計費で千円ばかり持ち上げておるというような関係もございまして、てこへ特に初任給調整手当をつける必要がないという判断、現在必要なのは、上級職、なかんずく科学技術系統の職員を採用いたしまする際に必要であるというので、そこにつけておるということでございます。したがいまして、職員の一部に御指摘のような批判もあろうかと思いますけれども、現在の状況においてはやむを得ない。これは変則的な措置である。将来労務需給の関係が正常化いたします場合におきましては、これはまあ本俸に入れるのが当然である。その日の早いことをむしろ祈る気持でございます。
  133. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 人事院は、いま局長がおっしゃるような話は、五、六年前の話ですよ。あるいは四、五年前と言ってもいいかもしれません。政府の科学技術振興十カ年計画とか、あるいは労働力の不足状況等については、十カ年計画が出ておるでしょうが、ますますこれからきつくなるのですよ。安定したらなんといったら、何年あとになるかわからぬですよ。安定なんかしっこないですよ。ますますこれからきつくなるのですよ。何か私は人事院というのは、少しばかり役所にしては、ちょっとおくれておるのですね。それは三十四、五年ごろの情勢からいえば、瀧本さんのおっしゃったような話は通用するけれども、今日の私どもの知識では、そういうものは通用しないのですよ。上級職だけが逼迫しておるのじゃないのですよ。特に逼迫しておるのは高等学校でしょうが、その証拠には、今度一番新しい人事院月報の一番最後に載っておるのですよ。三十七年度試験を受けた者で初級職、中級職、上級職、その中で採用で残っておる者は幾らあるかというと、上級職は二〇%が残っておるじゃありませんか。手紙を出しても返答もこないのは三分の一、まだ二〇%残っておるのですよ。中級職は四%しか残っていない。初級職はわずかに七%しか残っていないのですよ。ぎりぎりの採用をしているじゃないですか。採用して残った者はこれだけしか残っていない。上級職はうんと残っておる。去年のやつを見るとそのとおりです。だから、四、五年前の話をされてはかなわないですよ。ですから、よくそういう点も御検討をなさって、新しい状況と、これは人事院給与局というものと任用局というものは連絡はないのですよ。総裁のところでは統一されておるのではないのですか。詳細に出ておりますよ。私は過去十年間のやつを調べて、採用状況のところを見て、そして計算さした。五、六年前は、いま局長のおっしゃったような話です。いまは違ってきておるのですよ。ですから、これは任用局と給与局とが連絡をもう少し密にして、給与は任用の裏返しみたいなものです。だから、連絡を密にして、いかなる状況になっておるのか、そういう方面の分析もされた上で考えられないと、四、五年前の情勢で私に話をされては失敬千万ですよ。だから初任給手当について、私の申し上げたように、善処方を要望しておきます。こういう妙なものをつくられてはかなわぬのですよ。  それから次に、今度は問題の次官の一官一給与という制度ですね。妙なものをつくりましたですね。これはたいへんな問題なんですが、事務次官を何がゆえにこういうような一官一給与というような制度にされたのか。このたてまえから見ますというと、次官というのは、まあこれによって六万円上がる、二五%上がるということに焦点があって、そして問題の本質を忘れておるんじゃないかと私は思うのです。これはまた給与けしか考えていない給与局の考え方である。人事院考え方ではないと私は思う。ですが、それだけ言ってはどうも上つらの話ですから、この一官一給与制度にざれたのは、そして官職手当も支給しない、扶養手当も支給しない、勤勉手当も支給しないということになるのですが、そうなると、これは特別職給与と全く同じことになるのですね。だから、一官一給与制度は特別職給与と同じだと言っていいですか、どうなんですか。そうだったらこれは特別職にしなさいよ。特別職にして自由任用制度にしなさい。次官を頂点にして一般職というものは組織されておるのですよ。違ったものをつくっていいのですか。次官が頂点ですよ。次官を頂点にして一般職はでき上がっておる。この次官をこういうような給与体系にしていいですか。これは給与のほうから考えてもこういうことになる。
  134. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 根本問題に触れてのお尋ねでありますが、第一に、それなら特別職にすればいいじゃないかということでありますが、これはこの官職の本質そのものがとうてい特別職であってはならないので、前回の大学の学長の認証官、それから給与関係の特別立法の際にも申し上げたとおり、大学の学長も同様でございますけれども、こういう事務次官というがごとき、純粋に事務で、かつ公務員として中立公正の立場において仕事をすべき、いわゆる政治色のない職員については、これは特別職に移すということは、これは根本の問題であります。われわれとしては、そういうことはあり得べからざることである、あくまでもこれは一般職にとどめておかないと、日本の公務員体制というものは根本からくずれてしまいはしないかというほどまでに強く考えておりますので、その点ははっきり申し上げておきます。  それから、その次に、給与の問題になる。そこで、いまの任用の問題は解決したと私は思いますが、給与の問題としてこれを特別扱いにすることはどうかという第二の問題、これは事務次官については、これは学長についても同様でございますけれども、その官職の職務、責任というものははっきりしておる。事務次官という官名がこれほどはっきりしておる。このはっきりしたポジションに対してどういう給与がふさわしいかということは、特定して本来考え得ることであります。ということから煮詰めてまいりますと、いま言ったような管理職手当、あるいは扶養手当、そんなものをパーセンテージか何かでぶっつけるべきものでなしに、もうそのものずばりで、この官職に対する給与はどんなものが適当かということをつかまえて一向差しつかえないという立場から、いまの法案に出ておりますような、いわゆる一官職一給与という形をつくり上げたわけであります。ひいては前回問題になりましたような、大学の学長、その他についても同じようなことが考えられたものですから、こういう扱いを今度初めて設けました、こういうわけであります。
  135. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それが私はおかしいと言うのですよ。一般職というのは、先ほど申し上げたように、次官を頂点にしてでき上がっている。それが一番頭のほうを一般職俸給表とは違う制度をつくっている。違う制度をつくったということは、どういうことです。違いますよ。扶養手当はない。それから一等級のそれ以外のもの、あるいは二等級のものと全然違いますよ。管理職手当も出ないでしょう。それから勤勉手当も出ないでしょう。どこが給与の上で特別職と違いますか。同じでしょう、給与の上では。特別職と違わないですよ。給与としては違いないです。給与考え方としては特別職と全く同じじゃありませんか。なぜそれを一般職の象徴である次官というものをそういうふうにしなければならぬか。上げるなら上げたらよろしい。私は理解つかないですよ。これは同じ教育職の七大学あるいは東大、京大も、この学長の一官一給制度も同じ。もしいま総裁のようなお話でいきますと、これは初任給もそうしたらどうですか。初任給もきまっていますよ。法律でぴしっときまっている。初任給もそうしたらどうですか。扶養手当を除いて、勤勉手当もちゃんと除いたらどうですか。できないでしょう、そういうことは。私は、特別職と全く同じ給与にしたということは理解つかないですね。油の中に水を入れたよりも、白の中に赤を点じたようなものです。それがしかも頂点におるんですから、給与を上げるなら上げたらいいじゃないですか。指定号俸なら指定号俸いままでとっていたのですから、指定号俸をつくって十六万円程度になり得るようにしたらいいですよ。何も特別職と全く同じ給与考え方を出す必要はどこにもない。それなら特別職と同じですよ。給与考え方が弱いですよ。文部省がああいうものを出したものだから、文部省側のあの出し方は、一般職のもののああいう出し方は、人事院に対して非礼きわまりない態度です。その文部省の出した考え方に完全に引きずられている。そうして自分のところの体系をくずしてしまっている。これはどうも人事院どういうお気持ちですか。私はいまの総裁の御答弁では全く理解がつかない。
  136. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 給与の専門家としておわかりになっておってお尋ねになるので、非常にお答えのしかたがつらいのでございますが、大学の学長のときにさんざんここでやられまして——やられましたという表現は適切でございませんが、人事院態度について御批判を受けたわけであります。それとこれとは一応切り離してお考えを願いたいと思う。しかし、大学の学長についても、あのこと自体、すなわち学長という地位を切り離して、それにそのものずばりの適当な給与額というものを割りつけるという行き方は、私は間違っていなかったと思います。特別職給与の形と同じになりやしないか。これはまさに形においては同じであると申し上げてよいと思います。特別職にももちろんいろいろありますから、完全には同じとは言い得ませんけれども、たとえば政務次官というものをつかまえてみますれば、あるいは官房副長官というようなものをつかまえてみれば、やはりそれは同じ形になっておる。しかし、それはそれで一つのやはり理想といいますか、理念が入っておると思うわけであります。これを合理的に給与というものを考えていきます以上においては、それほどはっきりしているものは、はっきりした給与をきめるということが、これはむしろ合理性からいえば正しい行き方ではないか。したがって、いま御指摘のような初任者の辺とか、ずっとそれ以外の広い分野については、そういうことが当てはまらない分野のほうが多いのですから、それまでここでやろうとはゆめ考えておりませんが、そういうものを、はっきりしているものをとらえてはっきりやることがどこが悪いだろうか、むしろ私どもはそういうふうに考えております。
  137. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは伺いますが、号俸を指定してある官職というのがありますね。たとえば法制局次長は一等級の四だと指定してある。宮内庁の次長は一等級の四だ。あるいはそのほか大蔵省の何とか参事官というものは指定してある。外局長官は指定をしてありますが、ではなぜこれを次官と同じようにしないのです。するのですか、これからするのですか。
  138. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) お答え申し上げます。ただいま総裁がお答えになりましたように、次官というものは、一般職職員の中では最高の職務と責任のある官職でございまして、こういう官職につきまして、職務と責任の面から割り切った形において一つ給与を定めるということは、これは先ほど総裁がおっしゃったように、当然理のあることであるというふうに思います。ところで、現在の一等級というものにつきましては、これはただいま御指摘のありましたように、たとえば外局長官であれば一等級二号俸指定というものが人事院に委任されてやっております。ところで、従来一等級というものの給与金額というものは、昨日もお話が出ておりましたが、直接官民比較で求めた数値ではないというような関係があって、二等級以下につきましては、官民比較でつかんでおりますけれども一等級ではそういうことはない。むしろこれは二等級とのバランス、あるいはそういう上位の官職になってまいりますと、特別職の官職あたりともやはりバランスというようなことも考えなければならぬということで給与がきまっている。ところが、従来一等級のところをごらん願いますれば、これはあまり金額において二等級に比べてそれほど高くないのであります。したがいまして、二等級でありますれば、これは良好の通常の勤務をいたしておりまする場合は、昇給制度がある。一等級には、現在の給与法にごらん願いますように、昇給制度がないということで、いわゆる指定制度ということになっておるのでございます。ところが、指定してそのままの形にして置いておきますると、これは二等級におる者が金額が高くなる、年数の経過に応じまして。というようなことがございまするので、この一等級の指定がえということをやって、二等級以下との均衡をはかっておるわけでありまするが、たまたま在職年数等が長い方等につきましては、この指定号俸がかりに初号であっても、現在在職しておられまする方がいろいろ勤務年数の関係で号数が違っておる。非常に分布の広いものになっておるというような関係もございます。したがいまして、現在一挙に、たとえば外局の長官までやるということは、事実上非常に無理があるというような関係、これはことに大学の学長についてそういうことが非常に多いのであります。無理があるというような関係、今回はその無理のないところで、行政職の最高でありまする事務次官だけについてやる、こういう経緯でございます。
  139. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 なかなか事務的な話ですね。それでは、来年は一等級の指定号俸になっている人たちは、すべてこういう給与体系になるのですか。したいと思っておられますか。
  140. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それはまだ全然白紙の状態でございまして、考えようによっては、非常に職務と責任の高い官職につきましては、これはまあ公務員法で言っておりまするように、職務と責任に基づいてきめるということに重点を置きまして、そういう体系になるということは、これは考え方としてはあると思います。しかし、これを来年やるかどうかというようなことになってまいりますと、現在の状況では白紙である、こういうことでございます。
  141. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまもせいせいという勢いが強いですね。せいせいという、やれやれという、おれらもそれでは上げてくれという勢いがたいへん強いですね。上げたらいいじゃないですか、こういうやり方でない方法で。私は今の総裁の答弁なり、それから瀧本局長の答弁では、どうも納得いかないのです。こういう体系にしたことは、これで十年たったら、公務員を全部こういう方向に持っていくつもりですか。
  142. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) そんなことはとても不可能であろうと考えております。それがいいとして試みたにしても、なかなか不可能であります。
  143. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃやめたらいい。
  144. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 全然筋の立たないことなら、それじゃやめたほうがよろしい一と思いますけれども、ただいま、少なくともここに御提案申し上げてわれわれの勧告に盛り込んでおる事務次官等につきましては、少しもこれはおかしなことではない。むしろ合理性という面からいって支持せられてよろしいものではないかというふうに考えます。
  145. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 職務給というものについて、ただ一点だけ次官について実現したということですか。
  146. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) この形をもって職務給の一つの形であると見られることは、これは見られ得ることだと思います。職務給とするということをねらいにしておるのじゃない。この形を職務給と見ることもあろう、こういうことです。
  147. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 あいまいな言い方ですね。国家公務員法には、そういうあいまいな書き方はしていない。ですから、人事院が苦心さんたんされてこういう一官一級職という制度をつくられたら、これは職務給でございます。この職務給、これをはっきり職務給としてここで出したものでございます。こういうふうにとれば、これは十年の間に公務員全体がそういう形になると見なければならない。頂点の次官をそうするのですから、全部そうすると見なければならない。
  148. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 鶴園委員は、標準生計費ということについてもいろいろきわきて精密な、正確な御批判を下されるような方でいらっしゃるわけですが、私どもとしても、公務員法にない職務給ということばは、特に御遠慮申し上げたという形で職務と責任の度合いに応じてということはございます。それに含まれる、こういうわけです。
  149. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは重要な問題でありますから、私は慎重にひとつお聞きしたいし、また答弁をいただきたいわけですけれども、いまいろいろ経緯を聞きましたが、この次官をこういう形にしたということは、これは国家公務員法で言うところの職務給、職務と責任というような形をこれから人事院が描く一つの姿として出したというふうにとっていいのですか。
  150. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) これから描くか描かないかということは、これは給与局長が答えたとおりでありまして、そこまでは考えておりませんが、職務と責任ということばからいってつかまえやすいものといえば、これは事務次官等が一番つかまえやすい。
  151. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どこでもつかまえてもいい。
  152. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) いや、なかなかそうは簡単に参らない。
  153. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どこでもつかまえられます。ただ人事院がだらしないからつかまえられないだけの話ですよ。
  154. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) これはやはり先ほどから鶴園委員が御指摘のように、現在民間の給与体系におきましては、年功序列的なものが非常に多いわけであります。これはもう事実を否定するわけには参らないと思います。一般的にいろいろなそのことに関しまして問題がございます。たとえば年功序列はやめてしまったほうがいいというようないろいろな議論がございますけれども、現実にある実態というものを否定することはできないというように考えるわけです。そこで、公務員の給与というものが、公務員法におきますれば、職務と責任ということが非常に強調はしておりますけれども、多少の余地は残してあります。強調してありますが、それでは、年功序列はいわゆる職務と責任に基づく体系とは考えられないから、否定したほうがよろしいという観点だってあるかもしれません。しかしながら、現実問題としては、そういうことはなかなかできるものではない。やはり一般民間の情勢というものを反映せざるを得ぬという状況でございまするので、次官をしたから、全部これを職務給でやってしまうのだというようなことは、とても言えたものではないというように、われわれは見通しとしては考えるわけであります。今後におきましてどうなるかわかりませんけれども、少なくも公務員の非常に大多数が固まっておりまするところを、直ちにいわゆる職務給的にやる。職務給的色彩がないとは申しませんけれども、やはり昇給していき、その状況に応じて民間とバランスをとって給与をきめるという現在の体系を改めてしまうということは、ここ当分はほとんど不可能なことではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
  155. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、ちょっと焦点の置きどころが少し違うのじゃないかと思うのですけれどもね。それは人事院としては次官のところを上げたい、あるいは七大学長の問題も出ているから、そこを上げなければいかぬ。そこを上げるというと、続いてイモづる式になってしまうと、イモづる式にですね、ことばは悪いですが、わかりよく言えばイモづる式になってしまうのだね。だから、ここ当分は切っておかなければならぬ。その切るには、一官一給与制度というような、従来公務員の給与体系の中で全然考えられなかった、また異質なものを持ち込んだと、こういうふうに考えていいのじゃないでしょうか。さっきの職務給の点は、きょうは一応ここでは省きますが、その問題は論議の余地はあるけれども、いまの総裁なり局長のお話を聞いている限りにおいては、これをはずして考えて、いま私が言ったようなことではないでしょうか。上げたいのだけれども、ここを上げるというと、イモづる式に上がってしまう。しかし、ここ当分は区切りをつけておかなければいけないと、そのためには、こういう従来の公務員の中ではなかった異質なものを持ち込んだと、こういうことになるのじゃないでしょうか。
  156. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) いや、そういう意味はもう全然考えておりませんので、ただ純真に、いまの少なくとも各省事務次官などについては、そのものずばりでつかまえ得るのじゃないか、それだけのことでございます。
  157. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そういうお話なら、どこでもつかまえられるじゃないですかと言うのですよ。それは次長の問題だってそうでしょう。一等級になっておる人だってすべてつかまえられる。二等級だってつかまえられますよ。そうじゃありませんか。二等級の人員というのは少ないのですから、八百人しかいないのですから。一等級は六十何人でしょう。それはいずれも次官と同じようにつかまえられる。いま総裁のお話ですと、総裁の主張からいいますと、これはすべてつかまえられますよ。二等級までつかまえられる。三等級までつかまえられるものもある。つかまえられないということはないですよ。
  158. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) つかまえられないものが全然ないということには、これはならないと思います。たとえば外局の長官というようなものは、きわめてつかまえやすいのじゃないかという問題がございます。それらの点につきましては、同じ原理が働き得るものかどうか、これはこれから検討いたします。しかし、いまお話しのように、二等級、三等級だとかいうようなところまで一体つかまえられるものかどうか。私は今日の情勢では、とてもこれはつかまえられないと思います。
  159. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうですか。どうも私は次官のところを一官一給与というような、こういう従来の一般職の公務員になかった異質なものを持ち込まれたという点については、理解できないですね。いまいろいろなお話をあっちこっち聞きましたけれども、理解できない。人事院の言うことで私が理解できないことはあまりないのですけれども、これだけは理解つかないですね。悪い点はすぐわかるけれども、この点はどうも理解がつかないですね。そんな複雑な問題なんでしょうか。総裁のおことばによりますと、つかまえられるというのですから、つかまえられるものだったら、一等級はすべてつかまえられる。これは昇給制度もないのですから、ある程度指定号俸になっておりますから、ぴしゃっとしておりますよ。これは局長だってつかまえられますよ。本省の局長というのは、それこそ少ないのですからね。ぴしっとつかまえられる。何か私は次官だって、いろいろ次官ありますからね、各省でいえば次官、それぞれ違っていますよ。職務と責任が同じとかいうことは言えないですよ、次官を見れば。同じとは言えないですよ。違いますよ。その意味では、これはつかまえられないですよ。そういう意味で言うならつかまえられない。私の言う意味で言えば、これは外局長官だって局長だってつかまえられる。ですから、私は次官について一官一給与制度にされたという意味がわからないですね。何でこんな特別職と全く同じ給与体系に異質なものを一般職の中に持ち込んだのか。給与を上げるということなら、上げたらいいじゃないですか。上のほうに特号俸みたいなものをつくって上げたらいい。わからぬね。どこからこういう案が出たんですか。そういうことを聞きたいですね。人事院の考えにはなかったんじゃないですか。人事院考え方にこういうのがあるのかしら。どうも私はこれは理解つかない。
  160. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) それはどこから出たかというお話ですが、まああるいは前回の大学の学長の問題あたりがヒントになったとこれはお察しになってのことじゃないかと思いますけれども、ヒントにならなかったとは申し上げられません、現実にそういうことがあったのですから。それは潜在的なヒントになったかどうか知りませんが、しかし、たてまえはいまたびたび申し上げましたように、つかまえられるものはつかまえていこう。たとえば局長のように幅が相当設けられております。しかし、その幅をそのまま当面は維持していかなければならないというものはたくさんあるわけです。そういうものは手をつけるつもりはないということ、それにとどまるわけです。
  161. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 あまりこれで時間をとってもたいへんですから、これはまたあしたも審議をするようでありますから、その際にまたこの点について……。これは容易ならぬことですよ。容易に私は承服できない。容易じゃない。絶対に承服できない。何でこんなことをされたのかわからない。  そこで次に伺いますが、こういうふうに次官のところがまあ特別職との関連もあってというふうにさっき瀧本さんでしたか答弁されましたが、特別職が上がると、それとの関連で上げたということに内容は上がったのですね、二五%。そうしますと、外局長官なり一等級にしたって非常に格差が大きくなりますね。非常に格差が大きくなったのですが、それから二等級との格差も非常についたわけですが、それについてはどう処理されるつもりですか。
  162. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) これはやはり給与バランス問題がございまするので、従前の関係から非常に隔離した関係に置いておくということは、これは非常にできがたいと思いますので、最小限度の補正、是正ということはせざるを得ないと思います。
  163. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、その場合に一官一給与制度というものはとらないけれども、できるだけひとつ是正をしたいと、こういうことでしょうね、さっきの答弁は。
  164. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) まあ、次官が一官一給与でありますから、現在のところでは、初任の——初任と言いますか、最初の指定号俸というものがきまってありましても、その後年数が長い人は俸給金額も上がっておるという現実でございますけれども、その幅を今後は狭めていく、やはり純一官一給与という形に近いものにしたいと、こう思います。
  165. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 ちょっとそこのところはめんどうですが、つまりこの次官と同じような給与体系にするということですか。
  166. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それは、先ほども申し上げましたように、今後どうなりますか、これはまた今後の検討問題となりまするけれども、現在の状況におきましても、次官が一官一給与ということになるのでありまするから、従来のように一等級の、まあ非常に長期の在職者について俸給金額がずっと幅広く上がっていくというようなことを多少押え目にいたしまして、そしてある幅の中に押えていくようにしたいと考えております。
  167. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それから、二等級との格差はどういうふうになるのですか。これは本省の局長というのは、いま暫定で一等級の人がおりますね。これは局長が暫定で一等級というのはおかしな話なんですが、暫定定数で一等級というのがおりますね。そういう人たちは今度は正式の定数のものになりますか、暫定ではなくて。
  168. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 各省におきます局長、これは大まかに現在は二等級ということで押えておりますけれども、やはり各省の局の仕事を見ます場合に、重要局というものがあるわけでございます。そういう少数の局につきましては、これはやはり職務と責任ということを見まして、大まかに二等級段階になりましょうけれども、さらに少数のものにつきましては、標準一等級ということにいたしました。
  169. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ今度の三十九年度の等級別定数によりまして明年度の特別定数、そういう人たちは暫定ではなくて定数となるわけですか。
  170. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) そのようにいたしたいと考えております。
  171. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それから、課長はどうですか。いま課長は官房では三課長、あるいは各局外局とか課局におけるその他の課長というのは、暫定で二等級になっていますね。その暫定の二等級というものは、今度は正式の二等級になりますか。
  172. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 課長につきましても、本省課長につきましても、重要課長につきまして従来暫定で出しておりましたもののうちから、標準的に二等級にいたすということになろうと思います。
  173. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうなりますと、人事院規則の九の八の等級別標準職務表、これまた標準とありますが、標準職務表、これは改正するわけですか。
  174. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) その問題は、当然いずれ検討しなければならぬというふうに考えておりまするが、あすこにありますものは、標準的な課長あるいは局長の職務二等級なり三等級なり、あるいは二等級、三等級、それ以下の職務なりの標準的なものを示してあるわけでありますが、しかし、それに比較してみまして、職務と責任が重いというものがありますれば、これは場合によったら標準職務表というもので見てまいるというふうにわれわれ一応考えております。しかし、この点は十分検討いたしたい。
  175. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、お尋ねいたしますが、局長は標準職務表では二等級だ。しかしながら、どうも給与が思うように上がらぬというようなところから、暫定一等級をつくった。それから、本省の課長というのは、これは標準職務表では三等級である。しかしながら、三等級におったのじゃ月給を上げにくいから、これもひとつ月給を上げるためには、二等級の暫定というものを、暫定定数で二等の課長を置いた。それが今度はうそから出たまことで本物になる。本物になる方向に行くわけですね。
  176. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 従来からも、御答弁を先ほど申し上げましたように、局長を押えますときには、大体職務と責任の程度で押えておるわけでありますけれども、その中で、特に重要局長というものにつきましては、これはやはり職務と責任の観点から見まして、一つ上の等級に見るということが適当ではないか。これは人事院指令に基づいておるわけでありますが、その人事院指令によりまして、暫定的に上の等級にするということをいたしておるのでございますが、今回も同様の趣旨で、職務と責任の観点から上位等級にすることが適当であるという場合に、これは最小限上下のバランスを考えまして標準定数でいたした、こういうことになっております。
  177. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、この八等級制というのは、三等級より上については完全にくずれるということになりますね。いままでは暫定でしたから、われわれも暫定だから、本人限りのものだから、本人が死んだり、いなくなれば、それっきりになってしまうということですが、今度はその課長は二等の正式の課長になる、暫定でなくて。局長も正式に一等の局長にまでいく、暫定ではなくですね。そうしますと、八等級制については、三等以上についてはこれはくずれたと、おめでたいですよ。おめでたい話だけれども、くずれてしまう。こういうことになりませんですか。
  178. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) われわれは、等級制度がくずれたというふうには思っておらないのでございます。現在の等級制度で、やはりより目をこまかくして見てまいります場合に、以上のような措置をやるということは、決して等級制度をくずしたものではない、このように思います。
  179. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは瀧本さん、そうは聞えませんね。いままでどういう重要局長であろうとも、あるいはどういう重要課長であろうとも、課長の標準表というのは二等級、三等級であった。局長は二等級だったということから暫定として置いたわけです。本人限りのものとして。今度それが正式なものになるでしょう。そうすると、局長というのは、二等にもおれば一等にもおるということになるでしょう、正式に。課長は三等にもおれば二等にもおるということになれば、標準表を変えてもらわなければならない。人事院の九の八の等級別標準職務表というものを変えてもらわなければならない。その点でどうすか。
  180. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほども申しましたように、まあ局長といえども、省庁におきまして、非常に重要な局長というものはおるわけです。現におるわけでありますから、そういうものが、上の等級になるということで、直ちに等級制度がくずれるというようには考えていないのでございまするけれども、先ほども申しましたように、まず、現在の標準職務表の範囲で当然やられることではないかと思っておりますけれども、御指摘のような点もございますので、この点は慎重に検討いたしておる次第でございます。
  181. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 もう少し具体的に聞きますが、これは明年度、等級別定数では、たとえば一省の中に八局あった、その中の何人の局長が正式に一等になるのですか。
  182. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) これは省庁によりましていろいろ違いがございまするが、おおむね非常に少ない数を標準の一等級にいたす予定でございます。
  183. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 入局あった。八人の局長がおった。その中の三人が一等級の局長になった。八人しかいないのに三人、それを正式にしたということになれば……ですから重要局長もおられるということも承知もしますし、現に働いておられる局長もおられることも承知しております。しかし、それはいままでさしあたって暫定ということで処理しておったけれども、今度はそれを暫定でなくて、本式なものになるということになりますと、局長は二等級だという、その形というものはくずれる。それじゃ伺いますけれども、あの四等、五等、六等はどうなさいますか。
  184. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 従来この等級別定数の改定ということをまあ毎年のようにやっております。等級別定数の改定ということをどうしてやるのか、等級別定数というのは、責任と職務の段階できまっておりまして、ただ組織の、変更があった場合、等級別定数を変える必要はないという議論もあり得ると思うけれども、御承知のように、毎年等級別定数の改定をやっております。そこで今度はやはり人事管理と申しますか、そういう観点からの要請というようなこともふんまえてこの等級別定数の改定をやっておるのでありますが、そういう標準定数における改定ということは、五等級以下におきまして、非常にいわば相対的な話でございますけれども、大幅にやっておるわけであります。したがいまして、まあ四等級以下と申したほうがよろしいかと思いますが、そういうところにおきましては標準定数の改定、五等級以下四等級のところは暫定を出しておりますが、四等級以下あるいは五等級以下と言ったほうがよろしいかと思います。標準定数で相対的には大幅な改定をやっておるということで、暫定というものを四等級以上につきまして現在やっておる。これはいつかもお話申し上げたことがあるかもしれませんけれども、われわれがこの定数改定をやりますのはあくまでも予算の範囲内においての話であります。標準定数というのは、いわゆるそういう定数に基づいて人件費予算というものが計上されてくることになるわけであります。まあ暫定というのは人件費予算の余裕の中で処理するという問題でございます。何しろ五等級以下につきましては圧倒的多数でございますので、これを暫定という処理にいたしませんで、標準定数の改定ということでやっておりますので、四等級以上につきましては若干暫定ということもいたしまして、上下間のバランスを見ていくというやり方をいたしておるわけでございます。
  185. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、そういうことを聞いておるのではなくて、四等級の人で、いわゆる班長ですね、あるいは課長補佐でもいいですが、四等級の筆頭班長、課長補佐、それは暫定の三等になっておりますね、それが今度は暫定ではなくして正式の三等になるのですか。
  186. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今回の措置は、従来四等級であります方を正式に三等級にいたすというところまではいたしておりません。いたさない予定でございます。ただ暫定という形では従来よりも四等級、いわゆる課長補佐、あるいは専門官というようなところにつきましては、従来よりも十分考慮をしていきたい、こういうつもりであります。
  187. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは五等級ですね、本省の五等級の係長と古参係長というのは暫定の四等になっているものもありますね。これもいまお話のように、正式のものにはならないわけですね、正式の定数にはならない。そうしますと、三等以上についてはいままでは暫定で二等の課長がおり、暫定で一等の局長がおったのですが、それらのものが今度は正式の二等になり正式の一等になる、四等以下はそうではない、従来のままだと、こういうことになりますがね。ここら辺はいいかげんなものだと思いますが、いずれにいたしましても、これは八等級制というものは、先ほど言いましだ次官も含めて三等以上は崩壊してしまったという結論だと思うのです。これは大きいですよ、八人の局長の中で三人もなったというのは、これは正式のものになれば、それじゃ、なっていって、二等におる局長もおり一等におる局長もおるということにはっきりなる、そうすると等級制というのは何ですか。
  188. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほども申し上げましたように、各省庁におかれまして、大体局長の職務権限を同程度に押えておるわけでありますけれども、ざらにその中の重要な職務を付与されておる局の局長というものは、これはいわゆる職務と責任の観点から、一つ上の等級と見ていいのではないかというような観点から、そういうことを今後やってまいりたいというように思っておりますけれども、それで直ちに等級制度がくずれたという考え方ではございません。これはあくまで職務と責任に基づいてやっておるという工合にわれわれは考えております。ただ、現在の標準職務表の書き方でございますが、それが適当に読めるかどうかということにつきましては、それがどうかという、おっしゃる点につきましては、現在慎重に検討しております。先ほどおっしゃるように、これで読めるという解釈もあり得るようにも思いますけれども、さらにその点を慎重に検討してみたいと思います。
  189. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、八等級制というものを基礎に置いてその職務と責任というものを考えておったのですが、これは逆であって、職務と責任が先であって、八等級制というのはつけたりだと、局長のお話を聞いておりますと。ですから考え方の基準が違うのですね。八等級制というものの上に立って職務並びに責任というものを考えておるのだけれども、局長はそうじゃなくて、責任と仕事、それが基礎であって、八等級制なんというのはたいしたことじゃないのだ、こういうふうにとれますね。
  190. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) そうではないのでございまして、おおむね鶴園委員がおっしゃると同様でございます。従来でも、暫定で上位の等級に上がるというときには、やはりその人がついておりまする——その人個人でありまするが、その人がついておりまする職務と責任が上位等級にするにふさわしいという判断をいたしました場合に暫定で上げていたわけであります。それを今回は——二等級の局長にいたしましても、標準的には局長というものは二等級であります。そういう意味におきまして、御指摘のように、等級制というものは職務と責任の段階である、大まかに原則的にそうであるということはこれは申し上げるまでもないところでございますが、さらにその中のある特定の者について見ました場合に、さらに上位の等級として確定してもよろしいのではなかろうかというものを上位にいたしまして上位等級にするということでございまするので、おっしゃっている趣旨と逆とは考えておらない。むしろそれをさらにきめこまかく考えていった。特にこれは上位の限られた職種について考えていく、こういうことでございます。
  191. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは私と変わらないんなら、それは崩壊ですよ。私はいま私の考え方で崩壊とこう言っておるのです。くずれたとこう言っておるのです。くずれるのはけっこうですよ。けっこうですけれども、くずれたとこう見なければならぬ。ただその場合に、四等、五等、六等というようなところが、やっぱり係長でも四等の正式の係長というものがおってもらわなければ困る。それから班長でも、正式の三等の班長というものがおらなければ困る。それは公務員法でいう平等の原則に著しく反しますよ。その点はすみやかに検討してそういうふうになさるおつもりですか。
  192. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほど次官の問題が出まして、次官のところはこれはもう非常に職務と責任が明確であるという意味において、これを特号俸にするということを申し上げたのですが、局長でも外局長官でも使えるじゃないかというお話が出たわけでございます。それは相対的な問題でございまして、現在次官のところは一番はっきりしている。外局長官あたりもはっきりしていると言えば言えますけれども、それを順次ずらしまして、局長なり課長なり班長になってまいりますと、やはりそういう面が多少ずつ薄れてまいるということは現在の状況下において認められるところであります。そこで比較的はっきりしておりまする者につきまして上位の者についてそうやる。しかし、下位の等級につきましてやはり暫定ということで上げていくというケースもございまするし、また、もう標準定数そのものでこの五等級以下については改善をはかっておるという面もございまするので、これは上下のバランスを失していると、このようには考えていないのであります。
  193. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そういう意味なら局長おかしいですよ。私がさっきから言っているのは、いままで暫定でおった者がいるのだ、四等でも五等でも。そういう者はだから係長でも正式の四等の係長ができるのか。それから班長でも、正式の三等の係長があるのかと言ったら、それはないとおっしゃるから、上だけがいて下がいないのはおかしいのではないか。それでは八等級制を混乱させるもとじゃないか。根本的に混乱させますよ。  これは等級制の問題については、明日もう一ぺんやりましょう。これは承知できぬですよ。こんないいかげんな話では承知できない。だから明日もう一ぺん詳細にこれはやりましょう。以上できょうはだいぶ時間が過ぎましたから終わります。
  194. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をとめて。   〔速記中止
  195. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけて。
  196. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 人事院総裁にひとつ承っておきたいのですが、総裁からたびたび勧告が出るわけです。それで鶴園委員はじめ各委員からいろいろ詳しく論じられましたけれども、勧告の実施に関していつもさかのぼって五月から実施するということをやってきておるわけですね。ところが、これは予算の編成の関係やら補正予算の関係いろいろなことからなかなかそれを政府としても実行し得ない。今日まですでに何回も——三回か、四回、いつも勧告と違ったようなことをやっておる。私どもは、人事院が存在する以上、人事院の勧告を尊重してその線に沿うて給与問題に対処していかなければならぬということはわれわれも同様に考えております。そこで、何か勧告を受け入れられるような——もうすでに四回も実験を経てきておるのであるから、そういう形で勧告を出してもら、えないかどうか。勧告の実施の時期その他について何か研究されたことがあるのか。あるいはそういうことは非常に困難であって、勧告する以上はやはり四月の調査だから五月になるのか、そういう点についての総裁の所見を一ぺん伺っておきたい。
  197. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) いまのお尋ねは各方面からたびたびそういう声を聞くのでございますが、まず最初に、人事院の立場として申し上げておきたいのは、いまの勧告の時期がああいう時期だから必然的に十月実施にならざるを得ないというようなものではない。これはそういう前提を置かしていただきたいと思います。そこでしかし、何か他にもっと円滑に事の運ぶような方法はないかということで、これはずっと検討に検討を続けてまいりました。一切洗いざらい申し上げますと、来年度の予算ということをめどにして、それだけを考えるならば、もう前向きの勧告にしてしまう。すなわち実地調査はしますけれども、その調査を基礎にして将来の予測をそこに加えて勧告をするということになれば、四月以降はこうなるという勧告はできるはずなんです。ただそうなると予測というものが加わる。われわれ人事院の立場としてはもう自殺的な結果になるのじゃないか。そういう考え方からいたしまして予測を加えると水かけ論になってしまう。どなたからつつかれてもてこでもだいじょうぶだというようなところまでの勧告には当然なり得ない。勧告の合理性、基礎の確実性ということからどうであろうかということで、またこれは民間給与を今度はリードするような働きを持つようになっては、これはわれわれ理論的にも考えるべきことではありませんけれども、先行きの公務員給与を見越して勧告するということは、民間の先行きの賃金問題に実際上相当影響を及ぼすのじゃないかということを——これはつけたりの考え方でございますけれども、そういうこともあれこれ考えまして、前向きの予測を加えての勧告は、これはわれわれとしては好ましいとはとうてい思われない。そうすると、いままでのように、やっぱり実際の調査をやって、その調査に基づいた手がたいところで勧告を申し上げるということになりますというと、どうしてもここにさかのぼるという問題がつきまとわざるを得ない。しかし、いまの四月調査で八月勧告というのは、あまりに間が隔たり過ぎやしないかという問題が、もう一つわれわれ反省すべき問題、これは真剣に考えてきたわけで、現に考えておりますけれども、これも規格を落として、いままで六千数百の事業所、二十八万人を対象としての民間給与調査という、その規格を落とせば幾らでも、落とせばそれはできないことありませんけれども、この規格を落としたのでは、この勧告の信頼性、まあ合理性に対する権威というようなものが、これはそれだけ減ってしまうということで、まあその調査の方法について、調べる人間をふやしていただく、あるいは機械力を極力駆使するとかというようなことを考えますが、しかし、何ぶんにもそれには限界がございますので現在人事院の地方事務所で、現在大体平均一事務所二十人くらいの陣容で、これは全国に八カ所ございます。これが事業所を当たっておる。もちろんそれでは不可能でありますから、各都道府県の人事委員会にほとんどおんぶした。御協力を願った形でやっておる。また集計をするにしても、統計局あたりにお願いしなければ、とても高度な集計はできない。これはあちら様の御都合もあるだろうというような、実際上の問題があれこれございます。調査の集計期間をどの程度に短縮し得るかということにつきましても、半分にできますとか、あるいは一カ月短縮できますということは、いままでの検討の結果ではどうもできないという事情がございます。さらに調査の月と勧告の時期とをもっとずらすという考え方もあります。たとえば九月の調査にして、勧告をそれだけあとにずらすという問題もございますけれども、それにしても、やはりさかのぼり方の問題が解消されない限り同じことだ、また考えてみますと、現在の勧告の八月の時期というものも、理屈から申しますと、ちょうど来年度の予算について、財政法上各省が予定経費の要求書を出すのが八月三十一日になっておるのではないかということ、かりに臨時国会をすぐそのあとに開いていただきますれば、さかのぼり方もわりあい少なくなる、もちろん財源等の面もわりあい何とかなるのではないか、これは専門家ではございませんから、一方的な観測でございますけれども、そういう面もあって、これが絶対的に不合理な時期であるという証拠もまた出てこない、洗いざらい申し上げますと、率直に言ってそういうことなんで、なかなかどうも現状を変えるということは、いまのところめどがつかないと申し上げてよろしいのではないかと思うのですけれども、率直に申し上げてそういうことなんです。
  198. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 どうも実施の時期の問題について、いつも御論議されて、いかにも政府人事院の勧告を尊重してないようにとられている。それから、われわれ与党の者は、こういう問題についてはあまり熱がないようにとられてしまう、私ども遺憾なんです。これはやはり人事院がある以上は、人事院勧告というものは最も尊重して、それに忠実に沿うようにしなければいけないと私ども思うのです。  そこで、いまお尋ねしたわけですが、この問題は人事院としても、人事院政府相談するということはおかしなことになるかもしれませんが、何か将来、こういう期間がないように、そうしなければ、やはり人事院というものもせっかく勧告を出した、それがあまり尊重されないということになると、人事院の存在に対していろいろ批判をするということになりますから、そういうもう一段大きな見地に立ってこういうものを、御検討を私は願いたいと思うのですが、そういう希望を申し述べまして、私の質問を終わります。
  199. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記とめて。   〔速記中止
  200. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記つけて。  他に御発言もなければ、三案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめて、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十人分散会    ————・————