運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1963-12-17 第45回国会 衆議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年十二月十七日(火曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員   委員長 山中 貞則君   理事 臼井 莊一君 理事 原田  憲君   理事 藤井 勝志君 理事 坊  秀男君   理事 吉田 重延君 理事 有鳥 輝武君   理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君      天野 公義君    伊東 正義君      岩動 道行君    大泉 寛三君      奥野 誠亮君    押谷 富三君      木村 剛輔君    木村武千代君      小山 省二君    砂田 重民君      福田 繁芳君    渡辺美智雄君      岡  良一君    佐藤觀次郎君      武藤 山治君    春日 一幸君      竹本 孫一君  出席政府委員      大蔵政務次官 纐纈 彌三君      国税庁長官 木村 秀弘君  委員外出席者      大蔵事務官大臣官房日本専売公社監理官) 遠藤  胖君      大蔵事務官主税局税制第二課長) 川村博大郎君      大蔵事務官国税庁間税部長) 半田  剛君      農林技官食糧庁業務第一部長) 田中  勉君      日本専売公社総裁 阪田 泰二君      日本専売公社生産部長 黒田  実君      専門員 抜井 光三君     ――――――――――――― 十二月十四日  委員砂田重民辞任につき、その補欠として重政誠之君が議長指名委員に選任された。 同日  委員重政誠之辞任につき、その補欠として砂田重民君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月十四日  減税税制民主化等に関する請願中澤茂一紹介)(第七九号)  同(山本幸一紹介)(第八〇号)  音楽演劇舞踊映画等文化的催しものに対する入場税撤廃等に関する請願押谷富三郎紹介)(第八一号)  同外八件(肥田次郎紹介)(第一一八号)  同外一件(阪上安太郎紹介)(第一一九号)  同(西尾末廣君紹介)(第二二七号)  同外三件(西村榮一紹介)(第二二八号)  たばこ販売手数料引き上げに関する請願大久保武雄紹介)(第二二二号)  同(砂原格紹介)(第二二三号)  同(森山欽司紹介)(第二二四号)  税務職員待遇改善に関する請願田口誠治紹介)(第二二五号)  労音労演に対する不当課税取消し及び調査中止に関する請願安井吉典紹介)(第二二六号) 同月十六日  所得税法改正に関する請願加藤進紹介)(第三一六号)  所得税法改正に関する請願加藤進紹介)(第三八三号)  同(川上貫一紹介)(第三八四号)  同(志賀義雄紹介)(第三八五号)  同(谷口善太郎紹介)(第三八六号)  同(林百郎君紹介)(第三八七号)  非現業共済組合掛金率引き下げ等に関する請願谷口善太郎紹介)(第三一七号)  輸入生鮮果実類簡易通関制度適用に関する請願井谷正吉紹介)(第三一八号)  同(田川誠一紹介)(第三七九号)  税務職員待遇改善に関する請願佐藤觀次郎紹介)(第三一九号)  同(戸叶里子紹介)(第三二〇号)  同外一件(永井勝次郎紹介)(第三二一号)  医療法人課税是正に関する請願西尾末廣君紹介)(第三八〇号)  労音労演に対する不当課税取消し及び調査中止に関する請願加藤進紹介)(第三八一号)  同(川上貫一紹介)(第三八二号)  音楽演劇舞踊映画等文化的催しものに対する入場税撤廃等に関する請願外一件(加藤進紹介)(第三八八号)  同(志賀義雄紹介)(第三八九号)  同(林百郎君紹介)(第三九〇号)  減税税制民主化等に関する請願加藤進紹介)(第三九一号)  同(川上貫一紹介)(第三九二号)  同(志賀義雄紹介)(第三九三号)  同(谷口善太郎紹介)(第三九四号)  同(林百郎君紹介)(第三九五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月十四日  土地造成資金日本開発銀行融資対象に関する陳情書(第一七一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出席要求に関する件  税制に関する件  金融に関する件  専売事業に関する件  請願   一 戦時召集日本赤十字社救護看護婦国家公務員共済組合法等適用に関する請願小川半次紹介)(第二号)   二 再就職公務員に対する国家公務員等退職手当法特例制定に関する請願二宮武夫紹介)(第四号)   三 外地引揚公務員に対する国家公務員等退職手当法改正に関する請願二宮武夫紹介)(第五号)   四 たばこ販売手数料引き上げに関する請願八田貞義紹介)(第六号)   五 同(田中榮一紹介)(第二〇号)   六 同(濱田幸雄紹介)(第二一号)   七 医療法人課税是正に関する請願毛利松平紹介)(第七号)   八 労音労演に対する不当課税取消し及び調査中止に関する請願外一件(松井誠紹介)(第八号)   九 輸入生鮮果実類簡易通関制度適用促進に関する請願金子一平紹介)(第一九号)   一〇 同(湯山勇紹介)(第六五号)   一一 音楽演劇舞踊映画等文化的催しものに対する入場税撤廃等に関する請願勝間田清一紹介)(第三三号)   一二 同(平岡忠次郎紹介)(第三四号)   一三 同(野原覺紹介)(第三五号)   一四 同外二件(井岡大治紹介)(第六六号)   一五 同(久保田鶴松紹介)(第六七号)   一六 同(島上善五郎紹介)(第六八号)   一七 減税税制民主化等に関する請願中澤茂一紹介)(第七九号)   一八 同(山本幸一紹介)(第八〇号)   一九 音楽演劇舞踊映画等文化的催しものに対する入場税撤廃等に関する請願押谷富三紹介)(第八一号)   二〇 同外八件(肥田次郎紹介)(第一一八号)   二一 同外一件(阪上安太郎紹介)(第一一九号)   二二 同(西尾末廣君紹介)(第二二七号)   二三 同外三件(西村榮一紹介)(第二二八号)   二四 たばこ販売手数料引き上げに関する請願大久保武雄紹介)(第二二二号)   二五 同(砂原格紹介)(第二二三号)   二六 同(森山欽司紹介)(第二二四号)   二七 税務職員待遇改善に関する請願田口誠治紹介)(第二二五号)   二八 労音労演に対する不当課税取消し及び調査中止に関する請願安井吉典紹介)(第二二六号)   二九 所得税法改正に関する請願加藤進紹介)(第三一六号)   三〇 同(加藤進紹介)(第三八三号)   三一 同(川上貫一紹介)(第三八四号)   三二 同(志賀義雄紹介)(第三八五号)   三三 同(谷口善太郎紹介)(第三八六号)   三四 同(林百郎君紹介)(第三八七号)   三五 非現業共済組合掛金率引き下げ等に関する請願谷口善太郎紹介)(第三一七号)   三六 輸入生鮮果実類簡易通関制度適用に関する請願井谷正吉紹介)(第三一八号)   三七 同(田川誠一紹介)(第三七九号)   三八 税務職員待遇改善に関する請願佐藤觀次郎紹介)(第三一九号)   三九 同(戸叶里子紹介)(第三二〇号)   四〇 同外一件(永井勝次郎紹介)(第三二一号)   四一 医療法人課税是正に関する請願西尾末廣君紹介)(第三八〇号)   四二 労音労演に対する不当課税取消し及び調査中止に関する請願加藤進紹介)(第三八一号)   四三 同(川上貫一紹介)(第三八二号)   四四 音楽演劇舞踊映画等文化的催しものに対する入場税撤廃等に関する請願外一件(加藤進紹介)(第三八八号)   四五 同(志賀義雄紹介)(第三八九号)   四六 同(林百郎君紹介)(第三九〇号)   四七 減税税制民主化等に関する請願加藤進紹介)(第三九一号)   四八 同(川上貫一紹介)(第三九二号)   四九 同(志賀義雄紹介)(第三九三号)   五〇 同(谷口善太郎紹介)(第三九四号)   五一 同(林百郎君紹介)(第三九五号)      ――――◇―――――
  2. 山中貞則

    山中委員長 これより会議を開きます。  原田憲君より、中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件について発言を求められております。これを許します。原田憲君。
  3. 原田憲

    原田委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件について御説明をいたしたいと思います。  まず、案文を朗読いたします。     中小企業に対する年末金融及び徴税に関する決議案   一、最近年末金融は特に逼迫する恐れがあるので、政府は、先に決定をみた中小企業に対する年末金融措置効果を充分ならしめるため、財政資金及び民間資金を通じて、中小企業に対する金融疎通格段努力を傾倒すべきである。   二、最近中小企業の不渡、倒産が増加する等中小企業経営は、困難の度を増しているので、徴税当局は年末の税務行政の執行に当つては、昭和三十八年十一月三十日付の国税庁長官通達趣旨徹底に努め納税者の立場を充分配慮すべきである。  趣旨について説明を申し上げます。  政府は、毎年年末金融については、中小企業向け金融対策を行なっておるのでございますが、本年度もすでに十月に政府機関において四百億円、買いオペで二百五十億円、合計六百五十億円の政府関係金融並びに民間を通じまして全国銀行関係で三千億、相互銀行関係で一千六百八億、信用金庫関係で二千億、合計六千六百八億、国民金融公庫が六百十五億、中小公庫が四百三十五億、商工中金が四百二十二億、合計千四百七十二億、総額におきまして八千八十億に及ぶところの年末金融対策を講じておるのでございますけれども、しかしながら引き締め機運も醸成されてまいりまして、特に中小企業の年末金融状況を見ておりますと、ややもするとその金融疎通がうまくいかないという点もあらわれておるようでございます。これにつきましては、十分さき決定を見ておりますところ中小企業に対するところの年末金融措置効果がありますように、政府当局として、もう年末、あと十三日でございますけれども格段努力を傾倒すべきであるというのが、年末金融に対するところ決議趣旨でございます。  なお徴税にあたっては、十二月の今日から年始にかけて、日本国民の習性としまして、一年の総決算、それから年の初めということになって、商売に熱中しておるときでございますので、特にこの点については、政治を行なう者は配慮すべきであると存じます。この点におきましては、さきにすでに十一月三十日付の国税庁長官通達が出ておりまして、本委員会におきましてもその点明らかになっておりますことは、われわれとしてはまことに当を得たものと考えておりますが、なお一そうこの趣旨末端まで徹底させて、国民が十分によき年を迎え得られるように、政治の道を徴税関係で十分にあらわしてもらいたい、これが決議趣旨でございます。  簡単でございますが、以上をもちまして趣旨説明を終わらしていただきます。
  4. 山中貞則

    山中委員長 ただいま原田君より中小企業に対する年末金融及び徴税に関する件について、本委員会において決議をされたいとの動議提出されました。  本動議について議事を進めます。  討論の申し出があります。これを許します。堀昌雄君。
  5. 堀昌雄

    堀委員 ただいま提案者説明もありましたが、最近全体として金融は引き締まり状況を加えておりまして、コールもだんだんと高くなって、現在公定歩合が昨年に比べれば二厘も低いにもかかわらず、年越しコールは昨年を上回ろうという情勢にあるわけであります。このことは特に企業形態として金融その他に十分な力を持たない中小企業には大きな影響を与えることが予想されるわけでありまして、その点については、特に政府関係機関において、民間のこれらの金融の補完をなすべきであるというふうな考え方に基づいて、現在行なわれておるものもありますけれども、さらに情勢に応じては提案にありますような財政資金によってこれらの中小企業金融の結果として倒産その他のような困難な状態におちいることのないような措置を講ずべきであると考えるわけであります。  さらに徴税上の問題につきましては年末に済度がきて、そこで決済をする傾向が非常に強い日本の現在の条件の中で、金融引き締めその他で経営が非常に困難になっておるところへ、さらに徴税の追い打ちがかけられるというようなことであるならば、零細中小企業にとりましては非常に困難な問題が生ずるおそれがありますので、われわれは、ただいま提案者が申しましたような国税庁通達末端税務署職員まで通じて、これらのきわめて困難なこの年末、年越し状態にかんがみて、不測の事態の生ずることのないような配慮を政府が当然行なうべきであると考えるのでございます。  以上の点に基づきまして、本提案が賛成可決されんことを望む次第でございます。
  6. 山中貞則

    山中委員長 これにて討論は終局いたしました。  おはかりいたします。原田憲提出動議のごとく決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 山中貞則

    山中委員長 御異議なしと認めます。よって、原田提出動議のごとく決しました。  なお本決議は、大蔵大臣あて参考送付いたしますから、御了承を願います。  ただいまの決議に対し、政府より発言を求められております。これを許します。纐纈大蔵政務次官
  8. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 政府といたしましても、ただいまの決議趣旨に沿いまして善処いたします。      ————◇—————
  9. 山中貞則

    山中委員長 次に、専売事業に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。武藤山治君。
  10. 武藤山治

    武藤委員 総裁に少しくたばこ専売についての御質問をしてみたいと思いますが、公社は本年九月ごろですか、長期合理化五カ年計画というものを策定したようでありますが、この長期合理化五カ年計画のねらいは何であるか、大きな柱ともいうべき点をお示しを願いたい。
  11. 阪田泰二

    阪田説明員 専売公社長期計画というものをつくりまして、たばこ専売事業の将来の見通しを立てて、計画的にこれからの公社業務を運営していく、こういう趣旨でやっておるわけでありまして、本年の九月でございますか、立てましたと申しますのは、実は昨年、一昨年あたりから五カ年計画というものをやっておるわけでありますが、毎年その計画を最近の状況なり見通しなりに応じて改定していくということでやっておりますので、ことしはそういった趣旨で九月に本年度から五カ年間の計画というものを改めてといいますか、改定してつくり直したのであります。計画の骨子となっておりますのは、結局製造たばこ消費というか、販売といいますか、こういうものがこれからの経済情勢あるいは専売事業方針によりましてどの程度伸びていくか、そういう点が何といいましても一番基本になるわけであります。     〔委員長退席臼井委員長代理着席〕  そういうことによりまして、将来の製造たばこの需要の見通しを立てまして、それに応じまするように製造工場の設備とか、機械その他の体制も立てていき、工場合理化近代化をはかっていくという面、それからさらにそれに応じて原料である葉たばこその他の面につきましても、増反、増産といったような手当てをいたしまして、計画的にそういう諸般のことをやっていこう、こういうことが基本になっておるわけでございます。
  12. 武藤山治

    武藤委員 その合理化五カ年計画によると、たばこ専売益金というものはどんなぐあいに上昇カーブをたどっていくか、金額金額があったら、その見通し金額を示していただきたい。
  13. 阪田泰二

    阪田説明員 益金金額というお尋ねでございますが、大体事業五カ年計画におきましては、たばこ販売額伸び、あるいは製造数量、あるいはたばこ原料生産高、そういったものにつきまして数字的に計算して事業の全体を出しておるわけでございます。そういったように事業計画というような形になっておりますので、収支の見通しといいますか、益金見通しといったようなものを出すことは直接には目的としておらないわけでございます。したがいまして、たとえば物価でありますとか労賃とか、こういったものは将来変動する可能性のあるものでありますが、そういう労賃水準でありますとか物価水準でありますとかいった式のものは特に考慮に入れませんで、もっぱら事業計画といったような形での計画が立っておるわけでございます。結果といたしまして、かりに計算してみますれば、この程度益金が一応出るといったような計算はできると思いますが、そういった意味で特に益金が何年度には幾ら出るといったようなことは計画としては計算いたしておらないわけでございます。
  14. 武藤山治

    武藤委員 そうしますと、最終年度昭和四十三年度に四千百七十四億円の益金を出すという計画は全然なされていないのですか。
  15. 阪田泰二

    阪田説明員 その数字はただいまちょっと的確に記憶しておりませんが、先ほども申し上げましたように、計画としてでなく、一応現在のままの価格水準労賃水準その他の条件で推移すると考えました場合に、結果としてどの程度益金が出るかという計算をいたしたことがございまして、あるいはそのほうにそういった金額が出ておったことがあるかと思いますが、はっきり記憶いたしておりません。ただ申し上げておきますが、計画全体としてはそういったように事業計画になっておりますが、もちろん専売事業というものは益金をあげる、財政に寄与するということが一つの使命でもありますので、事業計画を立てますにあたりましては、やはり現状程度財政に対する貢献を引き続きやっていけるように事業をやっていこうということが基本になっておるわけでございます。額はあまり的確でありませんが、その程度のものが——これは中央財政地方財政、両方になると思いますが、出るということが大体その基本にはあるわけでございます。
  16. 武藤山治

    武藤委員 私どもの聞くところによると、四十三年に四千百七十四億円の収益見込みを一応立てておる。そうなると現在の約二倍程度収益高になってくる。かりにそれだけ収益がふえてくるという事業計画だということになれば、当然収納価格農民葉たばこ価格というものもそれに対応して何らかの計算をしておると思うのです。そういう点で、これだけの収益をあげるためには農民に還元される収納代金はどのくらいになるかということが私の聞きたい点なんですが、その葉たばこ価格の推移はどのように考えておるか、この計画にマッチしてどういう形をたどるのか、そこいらを生産部長どうですか。
  17. 黒田実

    黒田説明員 いまの製品販売計画に対応いたしまして製造計画がございまして、それに対応して葉たばこ原料生産計画があるわけでございます。将来数量的にまた銘柄的に製品がどうなるか、それに対応して原料種類別にどの程度生産すればいいかという計画は持っておるわけでございますが、将来の物価とか労賃とかいうものの変動が予測できませんので、私ども葉たばこ価格水準がどういうふうになっていくというようなきちんとした計画は立て得られませんので、現在そういう計画は持っていないわけでございます。
  18. 武藤山治

    武藤委員 そうすると、労賃とか物価とかいうものを全然勘案しないで、現在の消費伸びでずっと推移したとして計算すれば収益はこうふえていく、大体こういう事業計画ですか。物価とか労賃というものは全く計算に見ていないのですか。ただ事業伸びだけを見た計算が、先ほど話した四千百七十四億円程度収益に五カ年間であがっていくのですか。
  19. 阪田泰二

    阪田説明員 最初に申し上げましたとおりに、五カ年計画を立てます際に基本となるのは、やはり製造たばこ販売量伸びであると思います。大体これからは年率で七%くらい伸びるといったような見込みをいたしておるわけでございますが、そういう伸びに伴いまして、またその内容としてどういう銘柄、原料としてどういう種類葉たばこが必要かという内訳もあるわけですが、そういったような事業伸びを見ておるわけでございます。それに応じて葉たばこ生産もやっていく、反別もふやしていくということでありまして、益金を幾ら出すということが基本になり、それに対して葉たばこをどれくらいの価格で買っていくということが出てくるといった性質の計画では全然ございませんので、御了承願いたいと思います。
  20. 武藤山治

    武藤委員 そうしてみると、この事業計画というものは、それほどはっきりとした、これからの見通しをこの計画に基づいて労賃物価を勘案していくというものでなくて、ただ一つ目安程度に考えられるものですか。この事業計画あとでひとつ委員長のほうから要求して、お見せいただきたいと思いますので、詳しい中身についてはその資料に基づいていろいろまた質問をしたいと思います。  次に移りますが、十六日に公社は三十九年度産の葉たばこ収納価格を公示いたしたわけでありますが、本年の審議会議論をされたおもな問題点と申しますか、審議会の経過をひとつ簡単に、大体ことしの審議会の特徴はこういうものが中心に議論された、そういう点を報告願いたいと思います。
  21. 黒田実

    黒田説明員 来年度予示価格諮問のためのたばこ耕作審議会を十二、十三の二日間の予定で開催いたしたわけでございますが、一日延長されて十四日の早朝に答申が出た、こういうことになっております。今回公社が来年度予示価格につきまして諮問しました算定の方式でございますが、これは従前どおり生産費基本とする方式を用いまして諮問したわけでございます。これにつきましては、過去において耕作審議会建議等がございまして、現在葉たばこ価格基本問題につきましては、別途臨時葉たばこ調査会というものが持たれて、そこで調査をしているというような経緯もございますので、今回はそういう調査会の結論がまだ出ていないという段階でございますので、従来の方式を踏襲することが適当と判断されまして、何ら変わった要素を加えず、従来どおり計算をやったわけでございます。  それに対しまして、審議会の中におきましては、そういう方式をとることについては一応全員の御了承をいただいたわけでございますが、ただ、この方式中身につきまして、若干生産者団体側から変わったやり方が示されたわけでございます。大きな点は四点ほどありまして、労賃あり方とか、それから過去の、その年次におきまして生産費を補償するための水準を出すための係数があるわけでございますが、こういう係数算出あり方、あるいは地代の見方とが、こういう問題につきまして、生産者代表側から公社見方と変わった見方が提示されたわけでございますが、これは学識者生産者委員を入れました委員懇談会におきましていろいろ議論がありました結果、一応公社原案のほうがいいのじゃないかということで、公社原案どおりということになったわけでございます。そういうことで、形式につきましては大体公社諮問書どおりが一応適当である、こういう判断になったわけでございます。  そのほかの審議会の論点といたしまして、特にこれは生産者委員側からの御主張でございますが、一応この算式を用いまして算出されましたいわゆる算出費に対しまして、公社は、いろいろな状況を加味しまして、若干の修正を行なっているわけでございます。そういう修正しましたことにつきましてのいろいろな反対の御意見等生産者委員から若干あったのでございます。こういうことが、今回の審議会の中で主張されましたいろいろな経緯でございます。
  22. 武藤山治

    武藤委員 生産者側代表が大体大きな四つばかりの点で公社諮問案にいろいろ意見を述べたというのですが、たとえば労賃の問題については、どんな意見を述べたのですか。
  23. 黒田実

    黒田説明員 現在の方式は、過去三年の生産費を償う一つ価格水準を出しまして、それを最近の物価労賃の変動にスライドして、現在の予示価格を出す、こういう方式になっております。それでは、その労賃の変動を何で見るかという点につきまして、農林省調べの全国の労賃調査と、それから公社たばこ産地につきまして調べました公社調べ労賃と、二つあるわけでございます。昨年の十二月の審議会までは、公社は農林省調べの労賃を使いまして、それにスライドさせまして、価格算出していたわけでございます。これが、昨年の十二月の審議会におきまして、公社のそういうやり方よりも、むしろたばこ産地の労賃をとった公社調べの労賃の変動を使うことのほうが適切ではないか、こういう審議会の御意見によりまして、やり方を変えまして、昨年の十二 月から、公社調べのたばこ産地労賃の変動率を使うことになったわけでございます。本年も、昨年そういうような御意見がございましたので、公社としましては、初めから公社調べの全国たばこ産地の労賃のアップ率によりまして算定をしたわけでございますが、生産者側は、もう一回もとに返って、農林省調べの労賃を使うべきではないか、こういう御主張があったわけでございます。
  24. 武藤山治

    武藤委員 農林省調べの資料に基づくと、最終的に今度の決定額よりもどのくらい率はアップになりますか。そういう試算はしていませんか。
  25. 黒田実

    黒田説明員 数字がわかっておりますので、試算はできるわけでございますが、およそ一%近いアップになると思います。
  26. 武藤山治

    武藤委員 それから、全国のたばこ共闘会議から、最近運賃が、ガソリン税の引き上げによってたいへんかさんできた、そういう運賃計算ども大幅に見てもらわぬと困るという申し入れをしたのですが、そういう問題については審議会ではどんな検討をしましたか。
  27. 黒田実

    黒田説明員 現在の方式におきましては、要するに生産費を物財費と労働費とに分けまして、労働費のほうは、いまの農業労賃の変動にスライドさせる、それから、物財費のほうは農業経営パリティ指数によりましてスライドさせる、こういうことになっておりますので、いまおっしゃいましたようなものを直接使うわけではございません。
  28. 武藤山治

    武藤委員 審議会の中でどうも耕作組合代表の意見というものが、専門家でないために、非常に弱い、公社側が出席をしておりますから、やはり何といっても公社原案でかなり強く押し通されてしまう、そういう傾向があるのじゃないかと思うのです。したがって、生産者のほうの組合から要求された意見と いうものをもっと十分取り入れられるようなシステムに変えないと、審議会というものが実際は公社の御用機関になっておって、大体公社の言いなりになってしまうのじゃないかと私は思うのです。そういう点、あなたたちは審議会に出席しておって、生産者の主張というものにもっと率直に耳を傾けてやるような態度というものはとれないものですか。それはどんな感じを持っていますか。
  29. 黒田実

    黒田説明員 私どもそういうように公社が出席しているので非常に主張が曲げられるとか、そういうことはないと思います。耕作者団体の御主張になった点は、私ども入らずに、学識委員生産者委員との間で非常に慎重に検討されるわけでございます。ただそういうものに対しますところ公社の主張なら主張というものにつきましての説明は、もちろん十分にいたしますけれども、最終的にどういう内容がよいのかという点につきましては、これは委員さん同士の協議によりまして御決定願っているわけでございます。したがいまして、公社がそれに干渉して非常に事が曲がるとか、そういうことは全然ございません。
  30. 武藤山治

    武藤委員 総裁にちょっと伺いますが、耕作組合の大会で一四%アップしてほしいという大会決定をして陳情をしたのは、総裁、御記憶にありますか。
  31. 阪田泰二

    阪田説明員 たばこ耕作組合中央会のほうから、そういう決議をされてお話があったことは存じております。
  32. 武藤山治

    武藤委員 一四%の耕作組合からの要求というものはどうして実現できないのか、その実現できない障害は何ですか。
  33. 阪田泰二

    阪田説明員 先ほど生産部長から、このたばこ耕作審議会におきまして論点になりました事項について御説明申し上げたわけでございますが、その論点——労賃の問題、あるいは地代の問題、それからベータ係数といっておりますが、生産費を引き直します場合の係数の問題、いろいろそういう点につきまして耕作組合のほうでも研究をしまして、向こうの案によりまして計算し直しますと一四%引き上げという数字になるわけであります。その数字あるいはそういう論点につきまして、審議会で先ほど申し上げました経過によりまして、主として学識経験委員と耕作代表の委員との間で、懇談的にいろいろと検討がされました結果、耕作者側の委員も、耕作者委員側のただいまの案、これに対して公社原案のほうが適当であるということに了承せられたものというふうに、懇談会の経過は承っております。そういったような経過で審議会からも、計算収納価格の算定の方針、方法としては公社原案のほうが適当である、こういう御意見をいただいたわけであります。
  34. 武藤山治

    武藤委員 そうすると組合のほうの一四%アップというものは、さっきの生産部長の申した大きな見解の違いの三点、特に労賃の問題で一%くらい変化がある。あと二つの項目では、どの程度のアップの変動がありますか。もし耕作組合の主張によった場合、過去の生産費計算係数の問題、それから地代のとり方の問題、これがどのくらいずつ変化がありますか。
  35. 黒田実

    黒田説明員 今回中央会の出されました方式によりますと、いまの生産費の調整係数で大体四%弱程度と思います。それから地代で一%弱、こういうような差がございます。
  36. 武藤山治

    武藤委員 その際には耕作組合のほうでは、過般建議事項になっておる生産費及び所得補償方式について公社側に追及は全くなかったのですか。その点はどうですか。
  37. 黒田実

    黒田説明員 この問題につきましては、先ほども申し上げましたように、耕作審議会全員の御意見としまして、公社葉たばこ調査会というようなものを設置して、そこで検討したほうがいいのだ、こういうような御意見になりまして、その趣旨を受けてそのままそういう調査会を設置して現在審議中でございます。そういうようないきさつもございますので、特にその結論が出ないうちに現在直ちに御主張なさるような方式をとれというような御主張はございませんでした。
  38. 武藤山治

    武藤委員 参考までに伺っておきますが、審議委員の十一名の氏名と職業を、この議事録にとどめたいので、発表願いたいと思います。
  39. 黒田実

    黒田説明員 学識委員が六名でございます。申し上げますと、上子委員、読売新聞社の論説委員でございます。川野委員、東京大学教授、清井委員、農林漁業金融公庫総裁、桑原委員、京都大学教授、舟山委員中小企業金融公庫総裁、村山委員、国際商事社長、以上でございます。それから生産者代表の委員を申し上げますと、秋岡委員、岡山県たばこ耕作組合連合会会長、岡村委員、石川県たばこ耕作組合連合会会長、河井委員、全国たばこ耕作組合中央会会長、小屋迫委員、熊本県たばこ耕作組合連合会会長、宗像委員、福島県三春たばこ耕作組合長、以上でございます。
  40. 武藤山治

    武藤委員 審議会の構成メンバーを見ても、中立委員どもあまり地域の耕作農民のほんとうの姿というものの反映ができないような職業の人が多いですね。だから、いまの山間地におけるたばこ耕作というものがどういう苦労と農民の生活実態であるかというようなことも、ほんとうに実感として受けとめられない委員が多い。したがって耕作組合の代表がおっても、これらの学識委員公社意見というものにとても反論はできないというのが、いまの審議会の構成だと思うのです。非常に弱い能力しかない。したがって私は、公社がほんとうに農民に思いやりのある態度をとらなければ、いま耕作者と他産業との収入の格差を解消するなどと政府は鳴りもの入りで宣伝をしても、なかなかたばこ耕作者のふところぐあいはよくならぬ。したがって私は、この審議会というものの構成を検討して、もっと中立性というものが強く打ち出せる審議会に改める必要があるような気がする。そういう問題について、総裁はいまの審議会の構成で適当だ、これは全然手をつける必要はない、こういうような考えでおるか、そこらの見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  41. 阪田泰二

    阪田説明員 このたばこ耕作審議会の構成委員の問題でございますが、御承知のように非常に特異な構成になっておりまして、普通の審議会でありますと、大体対立する両方のサイドと中立委員という三者構成になっておるのが普通であると思います。たばこ耕作審議会の場合におきましては、生産者の方、あるいは中立委員に当たります学識経験委員、こういうものがあるわけでございますが、消費者側といいますか、需要者側の委員が出ていないわけでございまして、そういった意味では普通一般の委員会と非常に違った構成であると思 います。そういう意味におきまして、お説のような、中立委員が弱いといいますか、公正な立場で判断する立場の構成になってない、あるいは耕作者に不利な構成であるというふうには私どもは考えていないのでして、耕作者代表しか出ていないわけでありますから、生産者側の立場がむしろ強い審議会ではないかというふうに私どもとしては考えております。また、耕作者代表の委員の方もいずれも長年耕作にも従事されまするし、耕作関係のいろいろな部面で公職にもついておられた方でありまして、こういったことを私が申し上げるのは失礼ですけれども、みなりっぱな方だと私も思っておりますし、ことに背後に全国の耕作組合員というものを持っておられるわけでございますから、そういう方の発言が耕作者の利益を守るのに十分でないというふうには私どもは考えていないわけであります。
  42. 武藤山治

    武藤委員 米価などの他の委員会を見ますると、ほとんど国会代表なども入っているわけですね。あるいは純粋の消費者代表というような形で消費者団体などからも入れるとか、そういうような構成をもう少し直したほうがいいのじゃないかと思うのです。国会代表など大きな政党から一人ずつあるいは二人ずつ入れる、そういうようなことに対しては、かえって障害になりますか、どうでしょう。
  43. 阪田泰二

    阪田説明員 先ほども申し上げましたように、私の個人的な考え方になると思いますが、耕作審議会としては現在の構成で適当であるし、十分であるというふうに思っておるわけであります。それ以上の点になりますと、多少立法問題というようなことになりますので、私どものほうから申し上げますよりも、むしろ政府といいますか、監督官庁のほうから申し上げたほうが適切であろうと思います。
  44. 武藤山治

    武藤委員 審議会の日常の仕事、庶務分担というものは、公社の内部の部局でやるわけでしょう。したがって、公社がひとつことしはこの方法でいこうということで腹をきめれば、それに右へならえされていくという傾向はいなめないと思うのです。だから、そういうような点をもっと中立的なものに直していく努力、もし法律に不備があればそういう点は直していく、そういう努力をやはりすべきじゃなかろうかと思うのです。総裁の立場からすれば、法律に触れるような、それを直すような審議会の構成というものには、今の段階では意見を述べられないという立場かもしれませんけれども、どうも私たちがほかの委員会と比較してみると、公社の権力というものが非常に強い。したがって、農民収納価格にしても、あるいは作付にしても、検査にしても、収納にしても、たばこ専売法を読んでみると、まさに公社の一方的な命令権、指示権というものが強くて、再鑑定をするにしても、負けた場合にはお前らの負担だぞと、まことに威圧的なんですね。こういうような法律に基づいておるから、私は公社というものが少し農民に対する思いやりが薄くなるのではないだろうか、したがって、専売法自体の文体の命令形からまず手直しをする必要があろうと思うのです。阪田さんが総裁のときに、ひとつこの専売法の抜本的な改正をこの辺で踏み切るべきじゃないだろうか、かように考えるのですが、あなたはどんな見解を持っておられますか。
  45. 阪田泰二

    阪田説明員 専売制度、専売法の基本に関する問題でありますと、私どもは法規のもとに専売事業経営をやっておるわけでありますので、私どものほうから申し上げるのはあまり適切でないと思いますが、ただいまお話しの、非常に公社が一方的に強権をもって命令するような規定が多いといいますか、そういう形であるというふうにおとりになっておるようであります。これは現在の専売法等の規定を見ますと、やはり旧来の専売法の規定を踏襲しておる。ことに用語等におきまして、専売公社になりましても昔の規定のことば等が残っておりまして、たとえばたばこの耕作の許可でありますとか、官庁が許可をするような形になっておるので、そういうふうに表面的には聞こえるわけでありますが、実際問題といたしましては、いわばこれは契約関係といいますか、公社と耕作者と相対的に対等な立場に立ってたばこ栽培の特約を結ぶ、こういったような実態であると思います。公社が一方的に命令するといいましても、やはり耕作者が満足せられるような価格で収納するということでなければ、初めから葉たばこをつくっていただけないわけでありますから、実際問題としてはそういう権力支配の関係ということでなく、お互いに納得して、たばこをつくっていだだく、公社もそれを収納していく、こういったような形になっておるのだと思います。またそういった実態に合うように、私ども専売の仕事、ことに耕作関係の仕事はやっていかなければならないものと考えておりますので、必ずしも制度の条文などを変えていく必要は現状においては感じられていないのじゃないかというのが私の考えでございます。
  46. 武藤山治

    武藤委員 実態が契約関係で行なわれているのだ、ああいう威圧的な法文そのものは農民ところまでおりてないのだ、それは確かにそうですね。だから、実態がそういう関係だとすれば、法律のほうが表現が少し古過ぎるのですから、これは少し実態に合うように直すのも一つの仕事じゃないかと思うのです。私はあれを読んでみて、どの文章を読んでみても不愉快に感ずる。農民を徳川時代の百姓のような取り扱いをしている表現ですね。やはりぼくはいまの時代には沿わぬような気がするので、これは直すべきだと思う。もちろん法律を直す、法律をつくる、ぶちこわす力は政治の力ですから、これはやはり政党が改正案を出す以外にないと思いますが、一応われわれもそういう方向で今後検討してみるつもりですけれども、ひとつ公社としても実態に沿うような文章に改める努力を今後してもらいたい。その点についてはどうですか。あなたの決意のほどをちょっと聞かせてもらいたい。
  47. 阪田泰二

    阪田説明員 立法問題でありますと、監督官庁である大蔵省なりあるいはむしろ国会方面の御意見を伺ったほうが適当であると思います。私としては先ほど来申し上げたようなことでありまして、現行制度におきましても、実態は権力関係でもないのでありまするから、そうでないように実態に即して運営いたすということで、現状で十分ではないかと考えております。
  48. 武藤山治

    武藤委員 それは法律制定をめぐる権力の問題になるので、あなたのほうに答弁を求めてもこれ以上は無理ですから、一応ここでやめます。  次に、この十二月にきめた収納価格は来年産のたばこですが、その間にやはり経済変動あるいは算定基準の変動があった場合には、従前どおり五%という基準で、五%より上回った場合には価格改定をやる、五%以下の場合には改定はしない、こういう基本線は従来どおりの態度で進むつもりですか。それとも新たに審議会でそういうことを決定していないから、前の決定は一年一年限りで切れてしまうものであるから、本年は本年限りで別な考え方ですか。そこらはどうですか。
  49. 阪田泰二

    阪田説明員 従来どおり算定してみた結果、五%以上の変動がある場合には改定をする、こういう方針で進むつもりでございます。なお、その点につきましては、たばこ耕作審議会の席上におきましても応答がございまして、審議会のほうにおきましても、そういう方針でいくのだということを認めておられます。
  50. 武藤山治

    武藤委員 次に、生産費及び所得補償方式をめぐってですが、二年も前に建議という形で公社に一応審議会から出されておるのに、さっぱり公社は誠意を持ってこれが実現に努力をしていない、こうきめつけられても、弁解のしようのないほど時日が経過しておるわけですね。二年前に一応建議されたのですから、当然来年度収納価格生産費及び所得補償方式計算されるものなりと農民は期待をしておると思う。われわれも実はそう期待しておった。特に阪田さんは非常に誠意のある総裁だということを聞いておったので、これがことしは実現するだろうと思ったら、また従来どおりの算定方式で出してしまう。これは公社としても怠慢じゃなかろうかと思うのですが、総裁はその責任をどのように感じておられますか。
  51. 阪田泰二

    阪田説明員 所得補償方式に関する検討の経過は御承知のとおりのようなことでありまして、一昨年末にたばこ耕作審議会のほうから、これは農政全般に関連のあるしかるべき審議会で検討してもらったほうがいいだろうという建議があったわけです。その後この問題につきまして、農政審議会のほうにお願いしておったわけでありますが、いろいろ向こうの御都合もありまして、なかなか進捗しないということで、本年の六月には専売公社として、別途臨時葉たばこ調査会という審議会をつくりまして、そこでただいま審議していただいているという段階でございます。そういう審議はたいへんおそくなっておるわけでありますが、しかしこの葉たばこ収納価格の算定方式としてどういうやり方が一番適切であるかという問題は、もちろん非常に問題であるし、また重要な問題でもございます。私どもとしましては、現行方式が現状としては一番妥当であると考えてやっておりますが、これがいつまでも絶対に正しい方法であるとまでも考えておりません。基本的な検討はやりたい、また至急に進めたいと思っておりますが、そういった重大な問題でありますので、軽々にやるべき問題でもないと思います。せっかくただいま葉たばこ調査会委員の方々に非常に御熱心に研究をしておっていただきますので、公社としてもこれに御協力申し上げまして、公社としても勉強いたしておる、こういう段階になっているわけでございます。重要な問題でありますることは私どもとしても十分認識いたしておりますが、それだけに慎重に検討したいと考えておるわけでございます。
  52. 武藤山治

    武藤委員 総裁はいまの方法が適当だと言っておるのですが、いまは対立しておるわけですね。農民生産費及び所得補償方式を要求しておる。自民党のたばこ部会でもおそらく生産費及び所得補償方式を主張しておると思う。そういうように耕作者自体は生産費及び所得補償方式にしてくれと言っておる。公社はいや、従来どおりの算定方式が適当だ、こう言って対立しておるわけですね。その場合に何が適当かという基準が問題ですよ。あなたたちの頭の中で考える適当だという基準は、収益を減らしてはたいへんだ、専売益金が少なくなっちゃたいへんだということを基準に適当、不適当を論じておるのか、あるいは農民の収入が多過ぎては、ほかの農産物、畜産物と比較してべらぼうに高くなり過ぎてしまう、だから適当でないといった一つの判断があるのか、そのいま総裁の言った適当ということの意味が非常に重要だと思うのです。一体何を基準に今の算定方式が適当だとおっしゃるのか、それをひとつお聞かせ願いたい。
  53. 阪田泰二

    阪田説明員 葉たばこの現在の収納価格の算定方式、これにはいろいろ御承知のような経過がございまして、毎年検討が続けられてきたのであります。現状におきましてはこういうところへ落ちついておるわけでございますが、そういう意味で理想的な決定的な算定方式というものはこれからも検討しなければなりませんが、現状としては毎年学識経験者の方々に御検討願いまして、そのときの実態に応じた価格算定方式というようなことで検討が重ねられました方式でありまして、現状ではやはりこれが最高のものではないかというふうに考えておる、こういう趣旨で申し上げておるわけであります。ただいまいろいろと専売公社収益が減るから所得補償方式がいかぬのかといったような話がございましたが、そういったような観点ではものは考えておりません。やはり耕作者に適正な収益を与える、耕作者に喜んでたばこをつくっていただくというような価格を考えていかなければ葉たばこ生産は確保されないわけでありますから、公社収益が減るという問題は、もちろん収益に影響があると思いますが、その観点から葉たばこ価格をきめていくべきものではないと思います。  なおお示しのありましたほかの農産物価格とのバランス、葉たばこよりも収益性といいますか、バランスからいって高いと思われるようなもの、安いと思われるもの、いろいろあると思いますが、そういったようなバランスの問題は、これは現行の算定方式では計算的には考慮に入れられておりませんが、やはり考慮に値する問題であろうと思っております。現状におきましてはこういうものは要素に入っておりません。  なお、お示しのありましたように、現在の算定方式の二つの方式があって、それが対立しておるのだといったようなお話でありましたが、将来の価格算定方式を考えるにあたりましては、そういう二つの要素なりあるいは二つの方式の対立ということだけでなくて、もっといろいろな要素を考えていく必要があるのではないか、ことに葉たばこは、生産者のほうから申しますれば、生産費をかけてこれだけのものができたのでありますから、ただいまのような議論が出てくるだろうと思います。  しかし葉たばこと申しますのは、たばこ製造の原料に使用するわけでありますから、生産費が幾らかかった、あるいは生産者の収益が幾らであるかという問題とは別途に、専売公社たばこの製造の原料として使用しましてどういう価値があるか、いい葉であるか悪い葉であるか、そういう観点からの検討も、ものの性質上、当然なされなければならないと思われますし、なおまた、昨今いろいろ国際貿易の自由化といったような方向に日本経済全体として向かっておるわけであります。葉たばこというものは、これは性質上、世界的な商品でありまして、世界各国いずれも葉たばこを輸出し、また輸入しておる。アメリカのような国でも、最大の葉たばこ生産国でありますが、たばこを輸出すると同時に輸入もしておる、こういったたちの商品であります。国際価格の動向といったようなものも十分に考えてまいらなければならないのじゃないかといったようなことも、将来の問題としては、当然考えに入ってくると思います。いろいろ、そういったような非常に重大な問題の観点が含まっておりますので、検討といいましても、なかなかむずかしくもありますし、慎重を要する。これからの農業の動向も当然でありますが、経済の全体の動向も見定めて、適切な方式を考えていかなければならぬと思っておるのでございます。
  54. 武藤山治

    武藤委員 そうすると、たばこが完全に自由化されてしまった場合を想定して、外国葉が非常に安い、そうなった場合には、日本農民葉たばこ価格というものも、公社は国際水準にがくんとダウンさせなければならぬというつもりで現在の事業計画を立てておるのですか。それとも、米だって、外国よりも高い米を農民から買い上げて、しかも消費者には安い米を売っているという、農民保護ということも考え、消費者保護ということも考えて国はやっておるわけですね。今度は、たばこは国際商品だからといって、外国の安い葉たばこが入ってくると、日本農民もみなそれに右へならえするのだ、こういうことに将来なりますか。あなたの見通しはどうですか。
  55. 阪田泰二

    阪田説明員 葉たばこ価格水準が国際水準と比較してどうなるか、またその場合にどういうことになってくるかという問題でありますが、この問題につきましては、最近では、日本葉たばこ価格水準は大体世界の葉たばこ水準と同等程度、いろいろ品質、種類、使用効果等が違いますから、一がいに言いにくいのですが、概して言えば、大体世界の水準に近いところにきておるのじゃないかというふうに、私ども見ております。  ところが、最近の世界の葉たばこ価格の騰貴の傾向というものは、日本ほど強くありません。ですから、現在のような経過をそのままたどりますと、日本葉たばこ価格が世界水準に比べて非常に高くなるという事態が起こる心配があると思います。その問題に対する考え方といたしまして、これは御承知のように、葉たばこ栽培の合理化といいますか、省力、近代化といいますか、耕作方法、処理方法の改良によりまして、そういった国際競争に負けないようなコストで葉たばこ生産されるというふうに、ぜひ持っていかなければならぬのじゃないか。現在、葉たばこはほとんど九割近くまでは国内産の葉でまかなっておるわけであります。外国の葉は製造たばこに味をつける、かおりをつける、いろいろブレンドします必要上、一割ぐらい入れておりますが、原則的には国内産の葉でまかなっております。将来ともそういった体制でいけるようにしたいということで公社としては計画を立てておるわけであります。
  56. 臼井莊一

    臼井委員長代理 関連質問の申し出があります。これを許します。岩動道行君。
  57. 岩動道行

    岩動委員 私がお伺いいたしたいのは、今回の収納価格決定にあたりまして、耕作審議会でいろいろ御検討があったわけでありますが、まず公社の諮問になられました価格につきましては、平均して八・一二%の引き上げということになって、結論は九・〇三%ということになっております。これらにつきましては、いろいろ御審議の結果でありますので、私はここであえて申し上げることもございませんが、ただこの九・〇三%が、各種類の別に、九%でありあるいは一〇・九%であり、あるいはまた絞りについては三・〇%、さらにまたバーレー種については二・九%というふうに、いろいろな値上げ率になっておるわけでございます。  そこで私はまず伺いたいのは、たとえばバーレー種については何ゆえに二・九%か。これは生産費補償方式をとられて理論的には一六・八%という値上げ率になってくるわけでありますが、これが諮問案におきましても二・九%、また答申におきましても二・九%というふうに、非常に大きな差があるわけでございますが、これらの決定に当たりましての理由をひとつ伺いたいと思うわけであります。
  58. 阪田泰二

    阪田説明員 この収納価格決定あるいは算定の方針といたしまして、生産費を補償するという方針でまいっておりますことは先ほど来御説明申し上げたとおりでありますが、生産費を補償すると申しましても、結局個々の葉の種類によりまして、それぞれ段階のある価格をつけなければならないわけであります。全体として生産費を補償するということが算定方針の基本になっております。したがいまして、種類別にあるいは等級別に価格をきめます場合には、その種類の葉につきましての需給の事情、使用価値、あるいはバーレーにつきましては特に輸出の事情がございますが、そういったような要素を考慮に入れてそれぞれ調整をして、種類別、等級別の価格をきめる、こういうことになっておるわけであります。  お尋ねのバーレーあるいは絞り等につきましては、一応その分だけで生産費の算定をいたしますともう少し高くなるわけでありますが、これらの葉の需給の事情、特にバーレーにつきましては最近相当価格引き上げを毎年やってまいりましたわけでありますが、このバーレーの葉はほとんど大部分が輸出に回るわけであります。その結果輸出が非常にむずかしくなってきておりまして、現状におきましても、バーレー中の高級の葉につきましては、ほとんど輸出ができないといったような状態になっております。これ以上価格引き上げますと結局輸出ができない、したがって耕作する必要がない、葉たばこをつくる必要がないという段階までまいるわけであります。一方におきまして、このバーレー葉は、現在の価格水準のもとにおきましても耕作希望は非常に多いわけであります。もっとつくりたいという御希望の方が非常に多いということでありますが、輸出事情あるいは現在の国内消費事情の面から見まして、この程度生産量にとどめておるわけでありますが、価格引き上げますと、結局輸出なり需要の減によりまして、生産としてはもっと減らさなければならないといった非常にまずい事態になるおそれがあります。現状といたしましては、この程度価格で十分でもあり、適切であろう、こういったような観点からバーレーの価格はきまっておるわけであります。
  59. 岩動道行

    岩動委員 平均して九・〇三%ということで、これはけっこうでございますが、その耕作者というものはいろいろな種類をまとめてそれぞれをつくっておりまして、一人の耕作者が、在来種もバーレー種もあるいは絞りもというふうに、まぜて耕作いたしてないのが現状であろうと思うわけであります。したがいまして、平均したもので価格引き上げるということは、しかもその中で案文をするということは非常に実情にそぐわない。バーレー種をつくっておる者はバーレー種だけでございます。したがいまして、平均した値段が出たところで、ほかのほうにその値上げ率を回していくということはいささか不合理なきめ方ではないかという感じがいたすわけでございます。  なおまたバーレー種につきましては輸出がほとんどであるというふうに御説明がございましたが、これは大体どれくらいの割合で輸出向けと内需になっておるのか、その点もお教えいただきたいと思うわけであります。
  60. 黒田実

    黒田説明員 バーレーの輸出の割合でございますが、毎年若干ずつ違うわけでございますけれども、ここ三、四年間の平均を見ますと、全生産量の大体六〇%強というものが輸出に回っております。
  61. 岩動道行

    岩動委員 約六割が輸出向けになっておるといたしましても、四割は内需でまかなう。そういたしますと、四割の生産については、国内で消費されるその他の大部分の葉たばこと同じような扱いをされなければならないのではないか。輸出をするために、特にバーレー種だけは全体として非常に低い価格に押えられているという印象がきわめて強いわけでございます。このような点について、今後公社といたしましてはどのように措置をされてまいりますか。大体耕作面積の許可は公社がおきめになるわけであります。したがいまして、あまりつくってもらいたくない、あるいはやめてもらいたいということでありますならば、耕作面積を許可する方面におきまして、生産面においてこれを調整して、価格の面において調整するということは、いささか方角としては違うのではないかという印象もするわけでございますが、この辺についての御意見を承りたいと思うわけであります。
  62. 阪田泰二

    阪田説明員 先ほどから御説明申し上げておりますように、生産費補償方式というものは価格算定の方式でありまして、これによって価格計算して、いわゆる理論値というものを出すわけでありますが、全体としてそういう生産費をまかなうような額をきめるということでありまして、内需につきましては、先ほど実情に合わないというお話がございましたが、むしろ実情に合うようにきめることが適当ではないかということから、こういうような価格決定がなされておるわけであります。現実問題といたしまして、ただいま、公社が耕作面積をきめるのであるから、耕作希望者がたくさんあっても、適当に公社の必要とする面積だけをきめればいいんじゃないか、こういったようなお話がございましたが、ただいま御指摘ありましたような黄色種の関係——黄色種のほうは在来とも多少理論よりも高くきめておるわけでございますが、そういう価格のもとにおきましても、公社が必要とする栽培反別がなかなか確保しにくい、こういう実情になっております。一方から申しますると、バーレーあるいは絞り等は公社が必要とする面積以上の希望が非情にたくさんございまして、それをお断わりするのに非常に骨が折れているといったような状態になっております。そういったような実態、そういう背景のもとにおきまして、どうしてそういうことになるかと申しますれば、やはり需給事情とかその土地の競争作物との関連とか、いろいろ基本になる実態があると思います。そういう実態に合うように価格をきめていく。全体としては生産費を補償するようになっておりませんと、葉たばこ生産確保をすることもできないと思いますが、その中におきましても、実態に合った価格をきめていく、こういうことに当然すべきものであろうと私どもは考えております。
  63. 岩動道行

    岩動委員 ただいまの御説明でございますが、このバーレー種につきましても、公社のほうとしては、耕作については当初はかなり奨励してきておられる。また一定の実務計画、輸出の見通し等もつけて、耕作面積を増反することをやってきておられるわけでありますが、それが価格の問題になってきますと、きわめて抑制的な方向に向かっている。これらの点につきましては、今後は耕作者に対する指導を十分に、将来の見通しのもとにやっていただきたい、かように思うわけでございます。なおまたさらに輸出価格の点から、輸出ができないからというので、国内のバーレー種の耕作者が犠牲的な価格でがまんをしなければいけないというような実情になりますことは、きわめて問題が多いわけでございます。これらの点についても、今後公社としても十分御検討をいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
  64. 武藤山治

    武藤委員 ただいまの質問も、これから質問しようと思った項目の中にあるわけですが、理論値で第一在来種は一七・九%を——一応理論値としては出てくる。それを九%、さらにバーレーにおいても、一六・八を二・九%しか上げない。これでは、農民相互間でこの数字を話し合うと、公社はいかにも農民を——いいかげんな手かげんで価格をきめていく、まことにけしからぬという憤慨を買いますよ。私はいまの質問と同様、やはり価格を下げなければならない、あるいは減反をしなければならぬという場合には、負担は農民全体の、どの種類の耕作者にもプールした形で負担さすべきであって、バーレーをつくる者だけがこの率が悪いというかぶせ方は、やはり好ましくないと思うのですね。こういう点はもう少し農民の立場から考えて、相互間における損得という感情が起こらぬようなアップの仕方を検討しなければならぬと思う。こういう点は本年の調整の仕方——需要供給というものを参酌し過ぎて、しかも一種類だけにその負担がかかり過ぎた、こういう欠陥があると思う。こういう点は今後十分改めるように、私は公社に強く要望しておきたいのです。確かにこうい う方法でやることが、独立採算あるいはその種類別の採算性というようなものを考えた場合には、手っとり早い計算の方法かもしれないけれども農民の立場から見たらこれはがまんできないことですよ。たとえば、輸出の競争に勝てないからお前たちが犠牲になるんだ、これでは公社の指導方針としてあまりにも公平を欠くと思う。これは妥当じゃありませんよ。こういう点は今後ひとつ改めてもらいたい。  あと二分ぐらいで持ち時間になりますので、はしょって一、二質問をしておきたいのでありますが、全国から上京してくる農民意見を聞くと、災害補償というものがたばこ耕作の場合には、農民から見た場合に不満である、補償額がわずかであるという声をいつも聞かされるのでありますが、現在の施行規則第七条を読んでみると、大体七割以下の被害の場合には、平年度収納代金の十分の七から当該年度の収入金額を引いてその半分というのですから、たとえば四割被害だったという場合を想定をして一年間十万円半年度の収入があった。 その場合に幾らもらえるかという計算をしてみると、一反歩、十アール当たり一万円しかもらえない。この七条の計算でいくと四割被害の場合ですよ。たとえば平均十分の八だから八万円でしょう、マイナス六万円しか収入がなかったとしますね、そうすると八万円マイナス六万円は二万円、それの二分の一ですから一万円しかもらえない。一反十万円、平年度収納代金の場合ですよ。そういう計算で間違いですか。これはどういう計算になりますか。
  65. 黒田実

    黒田説明員 平年度十万円あったわけでございますね。ことし反収六万円ですと、八万円から六万円を引いた二分の一でございますから、一万円足して七万、こういうことになります。
  66. 武藤山治

    武藤委員 だから実際にはいまの例でいくと四万円減収になった、その場合一万円しか補てんされない。三万円はまるまる損をしっぱなしですね。この補償の額というのはどうでしょうか、これではどうも少ないような気がするのです。いまの専売法で押しつけ的に、指示的に、命令的にたばこをつくってもらって、しかも災害があった場合には、いまの六万円しか収入がなかった場合には一万円しかプラスがない。四万円損をして一万円しか補てんがない。それではいまの法律の精神から見るとちょっと少ないような気がするのです。それから三割に達しない場合の補償というものはどうなるのですか。
  67. 黒田実

    黒田説明員 三割に達しない場合は、これは全然そういうような補償はいたしません。これはあえてたばこだけではなしに、一般の農産物におきましても災害というものは三割以上というところで線を引いておりますので、それと大体同じだと思います。
  68. 武藤山治

    武藤委員 たばことほかの農畜産物とは比較にならないですよ。たばこの場合は公社が作付の指示が立ち入り検査から、もう途中でいろいろな指示をし、公社の言うとおりにつくらせているわけですね。したがって、需要供給の変動によって急に損をしたりあるいは風水害や何かで損をしたりという場合も、他の牛乳やイチゴや米などと比較にならないような強い公社との契約関係があるわけですから、それだけに災害補償というものは、私はほかの農畜産物とは違った立場で検討しなければいかぬと思うのです。これでは来年度一一%の増反計画公社が幾ら押し進めようとしたって、なかなか農民のほうから言わせれば、もう少し災害のときに思い切って補償してもらわぬことにはあほらしいという気持ちを持ちますよ。こういう点で災害補償法の関係公社として相当抜本的に検討する必要があるのじゃないだろうか。いまの契約栽培という立場から見て、こういう点をひとつ十分検討してもらうということを強く要望しておきます。  堀先生が次の会議に出席するためにだいぶ時間を急いでおりますので、資料要求をしておきますが、一つは補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に該当する補助金、公社が現在この法律に適用させて出しておる補助金にはどんなものがあるか、名称と金額を一覧表にしてもらいたい。二は、公社が香料とか、いろいろなものを会社から納品をさせておると思うのです。民間あるいは法人から買っておる。一会社から一千万円以上納品を受けておる会社名、金額、これが全部随意契約であるかどうか、その契約の形式についてもしるしてもらいたい。第三番目は、乾燥室の建設費補助金でありますが、明年度の交付基準、さらに交付予算額、これが一一%増反計画とどういう関連の上で交付額を算定しているか、これもあわせて資料にしてもらいたい。それから災害補償の場合、本年全国から災害補償の要求があった、交付申請のあった金額、それを充当できた実際の支払い額、これの一覧表をこの次の委員会までに——あした無理でしょうから、次の通常国会に入ったらできるだけ早い機会に資料提出を要求いたします。  以上で堀さんのほうにバトンを渡したいと思います。
  69. 臼井莊一

    臼井委員長代理 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  70. 臼井莊一

    臼井委員長代理 速記を始めて。      ————◇—————
  71. 臼井莊一

    臼井委員長代理 税制に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。
  72. 堀昌雄

    堀委員 本日は二点ばかりお伺いをいたしますが、第一点は、最近新聞その他で報道されておりますところ原料米を一〇%まで使用することのできるリキュールの製造取り扱いに関する問題であります。第二点は、本年度の清酒生産方針及びその生産方針の裏づけとなる米穀割り当ての問題であります。  最初に、まず第一点のほうからお伺いをいたしますが、米を原料としたリキュールの取り扱いが変更されるやに聞いておりますけれども、この問題の経過について国税庁長官からお答えいただきたいと思います。
  73. 半田剛

    ○半田説明員 ただいまの米を原料とするリキュールについての経過をお答え申し上げます。  米を原料とするリキュールにつきましては、かねてから合成清酒の業界で、御承知のとおり清酒は非常に売れ行き不振なものですから、米を原料としたリキュールをつくらせてもらいたいという切なる陳情があったわけであります。それでただいまの税法では、米を原料とするリキュールというものは酒税法上可能なわけであります。去年の税法の改正によりまして、米を一〇%あるいはそれ以上使いましてもリキュールとしての範疇に入るわけであります。そこで国税庁あるいは大蔵省といたしましては、この不振の打開といたしまして、米を原料として、あくまでリキュールとして宣伝方法その他につきまして慎重を期し、何か打開策はないかということで慎重に考えたわけでございます。しかしながら、その後いろいろ検討の結果、いたずらに清酒業界を混乱させるのもいかがかと存じまして、道は開きますけれども、目下のところリキュールの免許を持っている者に、清酒なり合成清酒に識別し得るリキュールで米を一〇%使うというものにいかなるものができるかということを試作して検討中でございます。これが簡単なる経過でございます。
  74. 堀昌雄

    堀委員 いまのお答えの中だけで伺っておきますけれども、道は開くけれどもということですね。道を開くというのはどういうことですか。
  75. 半田剛

    ○半田説明員 道は開くというのを具体的に申し上げますと、製造免許の取り扱い方針でございます。こまかくなって恐縮でございますが、私たち国税庁といたしまして、ことしの九月二十八日長官通達をもって、製造免許等の取り扱い要領の制定をいたしたわけでございます。実は前の免許方針の改定でございます、その場合、いま問題のリキュールは、定義として「その他のリキュール」というところに入れてございます。それでこれにつきましては具体的にどうなっているかと申しますと、同じ免許方針の中で「その他のリキュールは、申請に基づき個々にその内容を検討のうえ付与の可否を決定する。」個々に検討となっております。しこうしてこの問題は非常に重要でもありますし、デリケートでもありますので、それをさらに受けまして、「次に掲げるものは、国税庁長官に上申のうえ」となっておりまして、一局あるいは一署で扱うことなく、国税庁長官に上申して私たちが検討することになっております。その際におきましては、先ほどお話ししましたとおり、清酒、合成酒と識別できるもの、米を一〇%使ったもので、しかも新しい分野と申しますか、合成酒のリキュールとしてのマーケットがあるかどうかということで、組合として試作しようじゃないかということで、免許を持っておるものが試作しているという段階でございます。これが道を開くという意味でございます。
  76. 堀昌雄

    堀委員 実は、私どももややうっかりしておりまして、前回の酒税法改正の中に、私は率直に言うと、少し国税庁はわれわれをペテンにかけようとしたのじゃないかという、悪い言い方ですが、いまそういう感じがする部分があるのです。私は実はこの問題は数日前に初めて聞いたのです。選挙中であったからこういう各種の新聞も見るひまがなかったのですが、米を使ったリキュールの問題がある、こういうわけです。われわれのリキュールの概念というのは、非常に糖度の甘い酒であるということ、これは世界的通念です。大体二十度以上ぐらいにこれまではなっていたと思うのですが、これまでの改正前におけるリキュールの概念というものは、私は世界的な概念として通用するものであったと思う。だからその話を聞いたときに、一体リキュールをつくるのに米を使ってつくったって、そんなものを飲めるはずがないじゃないかという話をしたところが、いや先生、実はこの前の法律改正でちゃんとエキス分が二度以上ということに変更されておりますという。考えてみると、現在の清酒及び合成酒はいずれもエキス分が二度以上です。そうすると、私はこの問題についてはいろいろいやみを言いたいことが多いわけです。なぜかというと、合成酒に関する米の使用率を法制化をした経緯いうのはあなた方も御存じだと思いますけれども、この問題については私どもの党が当委員会に法律の改正案を提案をいたしました。その提案をした経緯の中で、翌年度において政府側において処理をするからという話し合いがついたので、われわれはその提案を撤回をいたしました。そうして、昨年度、三十七年度政府案として酒税法改正提案されたという経緯があるわけですから、この問題の経緯については、私どもは非常に重大な関心を持っておる一人なんです。そこでそのときにこのリキュールというようなものを、今日のようなことをおそらく予測をして、予測をしないという言い方もあるかもしれませんが、スピリッツというのは二度以下とした。二度以下というのは二度以上全部かぶせたというのかもしれませんが、世界的な通念として二十一度以上だということになっておるものを、その中間に何らかのものを加えずして、いきなりスピリッツの次はリキュールとして全部包含さしたということは、私はいま振りかえってみると、処理のしかたの中で必ずしも明朗でないものを感じているわけですが、この点についてはフェアに感じられないということが一点。もう一つは、ちょいちょい私は皆さんのところに出向いていろいろな論議をしているのですから、こういう問題がありますよというぐらいは一応お話があってしかるべきでなかったかという気がするのですが、きょうまで何もお話がないから、私もあなた方と何もお話がないものとして、ぶっつけ本番で論議をしようという決心をしたのです。  そこでお伺いをいたしたいのは、いまのあなたのお話の中でちょっとわかりましたこのリキュールの概念というのを拡大的に解釈をすれば、リキュールというワクの中には合成酒も清酒もリキュールとして認められ得るようなふうに私は理解をするのですが、リキュールが清酒や合成清酒と明瞭に区別されている点というのは新しい法律でどこですか。
  77. 半田剛

    ○半田説明員 ただいまの御質問でございますが、酒税法第三条第十一号にリキュール類の定義がございます。「「リキュール類」とは、酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの(第三号から第九号までに掲げる酒類が発ぽう性を有するものを除く。)という。」ということになっております。
  78. 堀昌雄

    堀委員 要するに三号で清酒で四号が合成清酒ですね。そうするといまのリキュールの定義というものははっきりと合成酒ではないということですね。それじゃいまあなた方が考えられた米を一〇%以上使用するリキュールというのは、この法律の解釈の上から見て合成酒とどこが違うのですか。法律上の合成酒の定義をあなたのほうで言って下さい。
  79. 半田剛

    ○半田説明員 合成酒のほうは三条の四号にございます。「「合成清酒」とは、アルコール、しょうちゅう又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するものをいう。」となっております。もちろんここには「百分の五をこえないものに限る。」という、さっきの堀先生のお話しのことがございます。
  80. 堀昌雄

    堀委員 そうするとあなた方がいま考えている一〇%の米を使用するリキュールというものと合成酒との違いは、法律的な表現でいうとどうなりますか。合成清酒はここに書いてあるように「アルコール、しょうちゅう又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類」ですね。今度の分は何ですか。この原料とこれと同じになるんじゃないですか。リキュールの定義は「酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類」こうなっているわけだから、原料ではどうですか。これは区別がつきますか。合成清酒の原料とリキュールの原料とどうやって区別がつきますか。この区別を明らかにしていただきたい。
  81. 半田剛

    ○半田説明員 リキュールの定義は、これは現在の酒税法でそういうふうになっているわけですが、具体的に言いますと、先ほど先生が言われましたエキス分が二度以上で、酒類と糖類その他の物品を原料としたもので、清酒、合成清酒等に該当しないものとなっております。そこで酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類と混合して製造した酒類と申しておりますので、原料そのものにおいては区別はつきません。
  82. 堀昌雄

    堀委員 原料では全然区別がつかない、製造過程で区別が何かつきますか。
  83. 半田剛

    ○半田説明員 それは通達がございまして、一部は私いま朗読したわけですが、その十一号に規定する「酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類」をいうものである。したがって、酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類であっても、その製造方法が発酵または蒸留にかかるもの、発酵または蒸留したものというのはリキュールに該当しないものである、混合というところが違う点であります。
  84. 堀昌雄

    堀委員 合成清酒は、そうすると発酵と混合とですか。合成清酒というのはいまのあなたの言う混合だけのほうじゃないのですか。どうなっていますか、合成清酒の製造過程というものの法的な解釈は。
  85. 半田剛

    ○半田説明員 合成清酒は香味液を用いまして、それにアルコールを加えて発酵したものでありますので、リキュールとは違うと思います。
  86. 堀昌雄

    堀委員 香味液を加えて、アルコールを加えて発酵させますか。
  87. 半田剛

    ○半田説明員 その辺デリケートでございますけれども、リキュールのほうは酒類になってからそれからほかの物品を入れる、こういうふうな解釈になっております。
  88. 堀昌雄

    堀委員 どうもちょっとそこら答弁があいまいですね。酒になってからというか、その酒というのは、そうするとリキュールの原料の中にリキュール用酒というか何かそんなものがあるんですか。それと糖類と混合するのですか。あなたはいま酒類——酒という表現はこれは複雑ですから、酒という表現はおそらく何らかの発酵過程によってつくられてきたアルコール分を含んだ液体ということじゃないのですか。それが酒なんでしょう。だからそこへくるまでには当然何だってそれは発酵過程なくして酒類ができやしないのですよ。ただいまあなたが言われたように香味料とアルコール類を加えて、その後に発酵させるかどうかということはこれは問題があるわけですからね。あなたが合成清酒のほうで香味料とアルコール類を加えて、そして発酵させると言われたのは、私は合成清酒というのはそういうものだとは大体理解していないですがね。
  89. 半田剛

    ○半田説明員 ただいまの補足いたします。リキュールの定義につきまして、先ほど読みあげましたとおり通達があるのですが、酒類と糖類その他の物品を混合して、これは技術的なことで恐縮ですけれども、酒類として一たん検定を受けて、それから糖類その他のものを混合して製造する。これが税法でいうリキュールだ、こういうような解釈になっております。
  90. 堀昌雄

    堀委員 そうすると酒類として検定を受るということになると、このいまの用語の定義の第三条のどれか一つに該当するということですか。合成清酒というものになったものとそれから糖類と混合する、あるいはここに掲げるウイスキーだとかなんとかあるでしょう。こことそういうものになってから、その酒という一つの規格がきまって税法上の一つの対象になったものと糖類とを混合するものがリキュールということですね。いまの検定を受けたというのはどういうことですか、検定の内容というのは。
  91. 半田剛

    ○半田説明員 いまの酒類として検定を受けるというのは通常の場合、ものに——つまり「その他の雑酒」ということがほとんどであります。「その他の雑酒」として、酒類としての検定を受けるということは……。
  92. 堀昌雄

    堀委員 ますますわからぬですね。「その他の雑酒」という項目は法律の第三条の中のどこかにあります。
  93. 半田剛

    ○半田説明員 酒税法の三条の十二号に「「雑酒」とは」と……。
  94. 堀昌雄

    堀委員 「雑酒」でしょう「その他の雑酒」ではないでしょう。「雑酒」とは、ここに書いてあるように清酒、合成酒以外の酒類をいうというので、それは雑酒ですよ「その他の雑酒」というものはないでしょう。
  95. 半田剛

    ○半田説明員 それについてはまた別に条文がありまして、四条に品目がございまして、「雑酒」とは「発ぽう酒」と「その他の雑酒」と、「発ぽう酒以外の雑酒」という意味でございます。
  96. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、そのリキュールの原酒に使う雑酒という中には、どういうものがあるのですか。個々のきめ方の中には、ただ「発ぽう酒以外の雑酒」となっておるだけで、具体的には何も規定はないのですね。ここの法律の中には、それではどういうものを——私はちょっとわからないのだけれど、ここまでいろいろ名前をつけてきた以外に雑酒というものがあるとしたら、それはどういうものになるのですか。
  97. 半田剛

    ○半田説明員 私どもは「その他の雑酒」だけが原料というのではなくて、それ以外の原料の場合もあり得る、こういう説明でございます。
  98. 堀昌雄

    堀委員 じゃさっきと違うですね。さっきあなたは、検定を受けた酒類というのは何かと聞いたら、検定を受けた酒類というのは、三条に規定するもののすべてを含むのだろうと言ったら、あなたは「その他の雑酒」だけですとこう言った。「その他の雑酒」とはどういうものですかと言ったら、またもとへ戻ってきた、一体どちらのほうが正しいのですか。もっと権威のある答弁をしてください。
  99. 半田剛

    ○半田説明員 私の申しましたのは、「その他の雑酒」がおもなものでありますけれど、たとえば税法の施行規則の二十二条八号なんか見てもわかりますように、「その他の雑酒」以外でも、「清酒、合成酒、みりん又は果実酒を原料の一部としてリキュール類を製造しようとする場合」、その他いろいろございます。
  100. 堀昌雄

    堀委員 それでは私が初めから言ったとおりじゃないですか。三条に規定されたのは、検定された酒類というのは全部入るのでしょうと言ったら、あなたは違うと言ったじゃないですか。そのとおりならそれでいいです。そうなると一体合成酒との違いということが、私がさっき言ったように問題になるので、もう一ぺん合成酒の規格を確認しますが、合成酒とは、アルコール、しょうちゅう又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するものとあるわけですから、そこで主としたものは、アルコールまたはしょうちゅうと香味液とぶどう糖でつくられておると思いますが、これをまぜてから発酵させるのですか。さっきあなた発酵させると言われたけれど……。
  101. 半田剛

    ○半田説明員 先ほどの説明をちょっと補足させていただきます。  そのあとで発酵ということはありません。香味液の段階で発酵しております。そのあとの段階で発酵というのは間違いであります。
  102. 堀昌雄

    堀委員 そうしますと、要するに発酵しておるのは香味液で、その香味液というものとアルコールまたはしょうちゅうとを混合し、そこにブドウ糖等を添加するというのが合成酒ですね。それからリキュールのほうもアルコールまたはしょうちゅう、清酒でも合成酒でも、そういうものと糖類とを混合してできたのがリキュールですね。決定的なリキュールと合成酒の違いというのは一体どこですか。いまのあれなら、同じように、できた酒類を混合しておるのです。そうでしょう。混合した点において相違ないでしょう。合成酒とリキュールはどこが違うのですか。
  103. 川村博大郎

    ○川村説明員 合成清酒は、先生御指摘のとおり、「しょうちゅう又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するもの」ということでございます。リキュールにつきましては、第三条の十一号で「酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの」、その前にスピリッツで三号から前号まで、要するにいままでいろいろ清酒とかみりんとか、その他いろんな定義を述べておりますが、それ以外のものでエキス分二度未満のものはスピリッツである。したがってエキス分が二度をこえたものはリキュールだ。十号以前に掲げておりまする酒、これに該当しないものはエキス分によってスピリッツないしはリキュールになる、これが酒税法の考え方でございます。そこで、合成酒とリキュールの違いがどうなるかということでございますが、合成清酒につきましては、清酒との違いは、香味と性状が清酒に類似しておる限りは、あと原料として使う米の割合だけで清酒と合成清酒は分かれるというのが理屈だろうと思います。ただ、これは清酒業界あるいは合成清酒業界、いろいろ先生御承知の問題がございまして、昨年の改正で合成清酒につきまして、米の使用率を法定いたしました際に、この第三条の合成清酒の定義の中に加えております。したがいまして、法律形式上から申し上げますと、清酒と合成清酒との間に実は穴があいております。理論上からいいますと、したがってその穴は自動的にリキュールになるという酒税法の考え方になります。理屈はまさにそのとおりでございますけれども、問題はどういう形で米入りリキュールの免許を与えるか、そういう事実上の問題と関連いたしますので、現状でも別段問題はないのではないかと考えておる次第でございます。
  104. 堀昌雄

    堀委員 どうもそこが非常に問題で、あなたはさっき言ったけれども、私は三十七年のこの改正は、率直にいってぺてんにかけられたと思うのです。それはなぜかというとアルコール度二度以上の線を区切ったということは、清酒と合成酒とリキュールというものをずらっと一つの線に並べまして、並んだ中でなるほど清酒と合成酒の間にははっきりした区別がある。ところが、リキュールは場合によっては清酒も合成酒も包括したような理論形態になり得る条件が出てきたのです。あなた方はこの間たしかいろいろな通達の中で、これは国税庁のほうかもわかりませんが、要するに清酒にブドウ糖を添加してよろしという問題の提起をしましたね。その添加のしかたはいろいろ議論があったから、その後取り扱いがどうなったか知りませんが、清酒に対してブドウ糖の添加というのを認めようといういろいろな問題提起があったと私は記憶しておる。それはありませんでしたか。
  105. 半田剛

    ○半田説明員 これは私が参りましてから存じません。前にあったかどうか、いま調べます。
  106. 堀昌雄

    堀委員 あなたのときではありません。かなり前のことですが、要するに、清酒の製造方法の最終段階でブドウ糖を加えてよろしいという問題提起があった。ところが、それについては反対があって、いまやっているかやっていないかよくわかりませんが、そういう問題提起があったわけです。そうなると、そういう問題提起があったということは、リキュールの定義からいうと、酒類と糖類その他の物品でエキス度二度以上ですから、その酒類という中には、清酒も入るわけですね。あなたのお話しのように、各項目に含まれるわけです。清酒に糖分を加えて、そうして二度以上のものになっておれば、リキュールともいえるのですよ、裏返して言えば。こういう法律解釈が生じてくる可能性が私は出てきていると思う。いまのリキュールのあり方については、合成酒についても、このリキュールの解釈に立てば、合成酒ともいえるけれども、リキュールともいえるという問題がここに出てきていると思う。この法律改正は、そういう意味では、一体あなた方が酒類に区分をして税を取るという考え方をこの税法改正の中で明らかに混乱さしている。そう思いますけれども、どうですか。
  107. 川村博大郎

    ○川村説明員 リキュールの定義だけを読みますと、まさに先生のおっしゃるような疑問も生ずるのでございますけれども、ただ先ほど申し上げましたように、スピリッツとリキュールの定義のしかたは、それまでずっと特掲しておりましたものを除いて、それ以外のものをスピリッツとリキュールに分けるというたてまえになっております。従いまして、たとえばお話しの清酒ないしは合成清酒の場合でございますと、清酒の定義にずばりと当てはまるものはまず清酒であるかどうかが判定される。それから合成も同じでございます。したがいまして、清酒ないし合成清酒であるものがリキュールになるということはないと考えております。
  108. 堀昌雄

    堀委員 おかしいですね。さっき間税部長はこう答えたんですよ。リキュールの定義というものは酒類と糖類その他の物品を加えるものだ、その酒類とは一体何かと言ったら、酒類というのは、その他の雑酒だ、こう言っている。その他の雑酒だけかと言ったら、そうではなくて、第三条に掲げる酒類すべてを含みます、こういうことになってきた。第三条に掲げる酒類を全部含むならば、その酒類に糖類を加えて二度以上になったら、当然これはリキュールになるじゃないですか、加えたものについては。清酒だけならば清酒ですね。しかし清酒に糖類を加えたらリキュールになるじゃないですか。その法律解釈は、合成酒に糖類を加えたらリキュールになるじゃないですか。この法律解釈ではなりませんか。ならないという反対証言というか、反対的なチェックする部分は一体どこにあるのですか。
  109. 川村博大郎

    ○川村説明員 第三条第十一号のリキュールの定義の中には「酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの」でございますが、カッコ書きで「第三号から第九号までに掲げる酒類」は除いてございます。
  110. 堀昌雄

    堀委員 それは当然ですよ。それは清酒そのものじゃないんだから。いいですか、合成酒そのものをいったら、リキュールの判定でなく、第三号、第四号があるから、別です。しかしその清酒に糖類を加えたもの、合成酒に糖類を加えたら、清酒や合成酒じゃないでしょう。今度は、清酒に糖類を加えたものはリキュールで、合成酒に糖類を加えたものはリキュールになるじゃないですか。この法律解釈というものは、前段の酒類の定義のところに問題があるんですよ。酒類と糖類とある、この酒類というほうはきめてきているんだから。
  111. 川村博大郎

    ○川村説明員 先生のおっしゃるようなことになると思います。でき上がりました酒類に糖類を加えるということでありますれば、それはいずれも第三条に特掲している酒の定義には当てはまりませんから、そこでリキュールないしはスピリッツになる。エキス分の判定によりましては、リキュールになるということはそうなると思います。そういうことで税率負担を害されないように——害されないようにと申しますか、酒税の確保が乱されないように、そういうことについては承認事項で規定してございます。
  112. 堀昌雄

    堀委員 酒税法基本通達第五十条、その十五で「規則第二十二条第八号に規定する製造者がリキュール類と清酒、合成清酒、みりん又は果実酒との製造免許を有する製造場において免許を受けて製造した清酒、合成清酒、みりん又は果実酒を原料の一部としてリキュール類を製造する場合の承認は、原則として与えないことに取り扱うものとする」こうなっておりますね。そうするとこれはずっと生きてくるということになると、あなたのさっき言った国税庁で判断するというのは、これは御破算ということになるのでしょうね、これはどうなんですか、原則として与えない。
  113. 半田剛

    ○半田説明員 いま堀先生の言われた施行規則二十二条八号でございますが「リキュール類の製造免許と清酒、合成清酒、みりん又は果実酒の製造免許とを受けている製造場において清酒、合成清酒、みりん又は果実酒を原料の一部としてリキュール類を製造しようとする場合」これは両方の免許を受けている場合に清酒を原料の一部としてつくって、それを原料の一部としてリキュール類を製造しようとする場合とございまして、初めから米を原料とするリキュール類をつくる場合には第二十条、この承認はあてはまらないという解釈でございます。
  114. 堀昌雄

    堀委員 そうすると最初から米を使用してリキュールをつくるということになると、その酒類というのはこれは何ができるのですか、それじゃ原料の酒類となるというのは何ですか、米を一〇%以上使用してつくる酒類というのは何ですか、それじゃ。
  115. 半田剛

    ○半田説明員 それはリキュールになると思います。
  116. 堀昌雄

    堀委員 ちょっと、リキュールをつくるその酒類のもとがリキュールということはおかしいじゃないですか。リキュールとは酒類と糖類その他の物品を原料としてつくるのでしょう。その原料になる酒類というのは、あなたはいま一〇%以内の米を使ってつくったものだと言っている。リキュールというのが先に出てくるはずがないでしょう。リキュールをつくる原料難だから。リキュール以外の何ものでもなければそんなものは初めからリキュール、それではリキュールは何からつくるかということになるのじゃないですか。
  117. 半田剛

    ○半田説明員 それは清酒の場合もあるし、その他の場合もあります。
  118. 堀昌雄

    堀委員 そうしたらまたさっきの清酒だったらこれはだめだということになるでしょう、あなたさっき清酒と両方やっておるときにはだめなんだと言ったじゃないですか、全然ロジックが通っていないじゃないですかここへきたら。どこでチェックするのですか、それじゃ。  その問題はそこまでにして、私がさっき言った、要するに清酒に糖類を加えることはリキュールだ、合成酒に糖類を加えるのもリキュール、それをチェックするのは一体どこでチェックするのか、チェックする法律はありますか、この中で。
  119. 半田剛

    ○半田説明員 チェックというのはどういう意味かわかりませんけれども、実質上のチェックというのは米を原料とした場合は米の割り当てがございますね。それによって、従来そういう希望は昔ありませんでしたけれども、この割り当てをしないということをチェックする以外に実質上のチェックはありません。
  120. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、現在の法律では、合成酒に糖類を加えてリキュールにして売れますね。米をチェックするのは合成酒にしたり清酒にしたりするときの前ですから、それは清酒をつくるといって米をもらって、できた清酒に糖類を添加したら、それじゃリキュールができるじゃないですか。
  121. 半田剛

    ○半田説明員 リキュールの免許を現在受けている者について、米の割り当てでもって希望割り当てを拒否する、そういうこと以外だったら、堀先生のおっしゃるとおり、法律上はできることになります。
  122. 堀昌雄

    堀委員 それではいいですか。そうなったら税法というのはどうなるのです。清酒と同じものをつくって、それにちょっとだけ糖度をふやして、そしてリキュールですと言って売って税率は下がるじゃないですか。清酒だったら八万幾らでしょう。それがリキュールにちょっと砂糖を加えて売ったら六万幾らにできるわけですね。いいですか、できるかどうか、それだけでいいです。イエスかノーだけでいいです。
  123. 半田剛

    ○半田説明員 それは現在の税法でできることになっております。
  124. 堀昌雄

    堀委員 これはきわめて重大な問題ですね。一体日本の税法というのは何のためにあるのか、清酒として売れば八万幾らの税金を取って、それにいまのリキュール免許者が砂糖をちょっと添加して売ったら、六万円の税金を取る、これは重大な答弁ですよ。ともかく私はここで一ぺんやめます。こんな酒税法を改正しなかったら、日本の酒税法はめちゃくちゃですからね。一応私はここで保留いたしまして、明日大蔵大臣の出席を求めて、自後の質問の継続をいたします。  それで二段目のほうです。食糧庁出ておられますね。——次に米の割り当ての問題についてちょっとお伺いをいたします。本年度の清酒の生産石数の割り当ては大体幾らということにきまったのでございましょうか。
  125. 木村秀弘

    木村政府委員 七百七万石を最高限度といたしまして、なおその範囲で若干希望をしない向きがありますので、現在の予想では大体清酒の高にして六百九十六万石くらいになるかと思います。
  126. 堀昌雄

    堀委員 合成酒に対して本年度米を割り当てられる額は、大体今度は米の額で幾らですか。石数で言っていただいた方がわかりやすいから、石数で言ってください。
  127. 半田剛

    ○半田説明員 約三万四千石でございます。
  128. 堀昌雄

    堀委員 ただいまお答えの清酒の大体実際に割り当てられるであろう六百九十五万石、精製石数に見合う清酒原料としての米の石数は、一体幾らですか。
  129. 半田剛

    ○半田説明員 約二百九十五万石でございます。
  130. 堀昌雄

    堀委員 そうすると両方合わせますと二百九十八万四千石あれば、大体いまお答えになった六百九十五万石精製石数と合成酒に割り当てられる分が、あとここにみりんや何かあるのかもしれませんが、要するに食糧庁で要求される額というのは、あとみりんや何かを含めないとわかりませんが、米としては一体幾らになりますか。
  131. 半田剛

    ○半田説明員 ただいまの御質問は、実際問題としてどのくらい全部であるかというわけですね。
  132. 堀昌雄

    堀委員 違う、違う。六百九十五万石の米に見合い、いまのみりんに見合いです。
  133. 半田剛

    ○半田説明員 先ほどの数字を一部直さなければならないかもしれませんけれども、いろんなものを全部入れまして約三百四万五千石でございます。
  134. 堀昌雄

    堀委員 それが現在国税庁が指導をして、各製造業者に対して本年度割り当てて生産をしてもらおうということに必要な原料米の総ワクである、こういう解釈をしているわけですね。
  135. 半田剛

    ○半田説明員 さようでございます。
  136. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、ただいまの三百四万五千石というものは本年度において順調に製造業者に渡る見通しかどうか、お伺いします。
  137. 半田剛

    ○半田説明員 順調に渡るように鋭意食糧庁と折衝しております。
  138. 堀昌雄

    堀委員 まあそれは当然割り当てたんだから鋭意折衝しておられるでしょうが、食糧庁側にちょっとお伺いいたしますけれども、昨年度、三十七BYで当初国税庁から食糧庁に要望のあった割り当て石数というのは幾らであったでございましょう。
  139. 田中勉

    田中説明員 昨年度は清酒それから合成清酒、みりん、リキュール、こういうものを全部ひっくるめまして二百四十五万石ということになっております。三十七BYでございます。
  140. 堀昌雄

    堀委員 それは最終的にきまったあれだと思いますが、昨年はいろんな経緯がありまして、先ほどお話のあったように、当初七百七万石という割り当てをしたけれども、六百九十五万石というかっこうになって、ことしはそれより減っているわけですね。昨年はそういうかっこうで実は減った部分があるわけなんですが、当初は一体幾らくらい話が行われておったのか、御記憶ありませんか。
  141. 田中勉

    田中説明員 当初計画を立てますときには、予算編成の時期でございますので、十二月ころだったと思います。まあ一応二百四十五万石で需給計画を組んでおったわけでございますが、その際、実行問題として、非公式に、はっきりした形ではございませんが、私の記憶に残っておりますのは、二百七十万石くらいはあり得るかもしれぬということで、食糧庁においてそういう腹がまえをつくっておいていただきたいというようなことが、主計局の段階におきましてもそういう話を私は聞いておりました。
  142. 堀昌雄

    堀委員 そこで本年度でありますが、ただいま国税庁側は大体三百四万五千石必要だ、鋭意あなたのほうと折衝中だということですが、現状で食糧庁側として可能な範囲、今後努力されるんでしょうが、いろいろとわかりませんが、今日現在の現状というのは大体どの程度可能であるという御判断かお伺いしたい。
  143. 田中勉

    田中説明員 三十八BYになりまして、国税庁のほうから私ども当初にお聞きいたしましたのは、先ほど先生もお話しございましたように、清酒は七百万石それからそれに見合う原料米は二百九十六万七千石、その他合成清酒その他を入れまして、全部で三百九万一千石という御要望を受けておったことは事実でございます。こういうお話を承りましたのが十月ごろでございましたので、私のほうといたしましても、ことしの計画には一応二百四十五万ということを組んでおったわけでございます。そこで大幅にこの需給計画の改定をしなければならぬという事態に追い込まれるわけでございますので、昨年は御案内のように八千六百七十万石という史上最高の生産をあげた年でありますが、ことしは植えつけ当初からやや不作でございまして、夏場にまいりまして相当挽回いたしましたものの、最近の情勢から推察いたしますと平年作は越えると思いますけれども、やはり昨年を相当下回るというような情勢に相なってきておるわけです。そこで当初計画として組んでおりました二百四十五万石に対して、約三百九万石の御要望でございましたので、六十万石余の増石要請をいただいたわけでございます。これは需給の面からいいましても相当大きな問題でございますので、その当時国税庁のほうに私どものほうが一応ご返事申し上げた点は、まあ絶対数量の三百九万石についていろいろ国税庁として酒税の問題、増石の問題、酒造業者との問題等について、大体見当をつけていただいた数字だとは思いますけれども、なおこの絶対額の数量について御検討の余地はないでしょうかというようなことをまず第一点に御要望申し上げた。それから、かりに大幅にこれを検討する余地がないといたしました場合におきまして、この原料米の充足をことしの米に全部たよられるということになりますと、やはり需給計画上大きな問題もございますので、増ワクの問題について、大部分をことしの米にきめることはよろしいといたしましても、なおたとえばいま外国等から内地米に準ずるような米も輸入している現状でもございますし、また同時に私どもも主食の需給操作の中におきましては、先生も御案内だと思いますけれども、非常に米の出回りが毎年早まってきておりますので、あるいは一部は来年の新米等によって充当することについてご検討をいただき得ませんでしょうかというようなことで、国税庁のほうに御返事を申し上げ、まあいずれにしても仕込み時期もあるので、早く最終的に決定いたさなければならぬという現状でもございますので、私のほうといたしましても、できるだけ歩み寄りはいたしたいと思っておりますが、なおその辺のところ国税庁のほうでももう少し御検討いただいた銭とつき合わして、そうして最終的な結論を得たい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
  144. 堀昌雄

    堀委員 問題はやはり一面的には税の確保の問題が一つ、当然予算上税収見積もりにかかってくる問題としてあります。もう一つは、昨年以来非常に酒類が高くなりまして、特におけ売り価格が二百円をこえるというような異常な事態を昨年は生じたわけでございますから、そこで私も皆さんのほうに御要望をして、まあ私としては大体満足な生産石数の割り当てをしていただいたと思っておったわけです。ところが今度は、食糧庁から承るように、そういうふうにかなり無理があったにもかかわらず生産を指導したところが、今度は米の問題でやや不安な問題が生じた。そこでいまの食糧庁のお話の中で、国内産米はやはり飯米を優先するのは当然だと思いますから、飯米を優先をして、そしてワクの中でそれの操作ができないときにはやはり輸入米にたよらざるを得ないだろうと私も思います。ただ問題は、最後にお触れになった、部分的には来年度の早場米を充てることができないかどうか、こういう問題がありますが、いま四季醸造という問題がだんだん出てきておるわけですが、まあ四季醸造がうまくいくならば、あるいは多少早づくりも可能という問題も出てくるかもしれません。米の問題というのは、要するに三十八BYの米は昭和四十年の春のキャリー・オーバーの状態との関係で出てくるわけでありますから、そこの間の調整が多少早場米等の処理でできないこともないと考えられるわけですが、ただ問題は、その辺に非常に比重がかかってくると、当然おけ売り価格が高騰するという問題が裏側に生じてくるおそれが十分にあると思うのです。そこで国税庁のほうでは、いまのようなお答えの上に立って、少なくとも来年度早場米をこの三百四万五千石の中に考慮するような考え方があるのか。要するに、輸入米と本年産米とによって三百四万五千石は充足をするのだということが明らかになりますならば、あとは輸入米の時期の問題になるだけで、私はそういう問題を経緯としてのおけ売り価格の高騰というようなものは防げるのではないか、こう判断をしますから、国税庁側としては、三百四万五千石については、国内産米の不足分については輸入米をもって本年度の酒類の生産時期に供給可能なような取り計らいをするということかどうかをちょっと伺いたいと思います。
  145. 木村秀弘

    木村政府委員 せっかく食糧庁のほうでも現在われわれの意をくんでいろいろ御研究いただいておりますが、私たちの考えとしては、この三百四万五千石は、来年の産米ではなくて、ただいま堀委員がおっしゃったように、今年の産米と、それから足らないところはできるだけ比率を落としたところで準内地米でもって何とかめんどうを見ていただきたいという線で交渉いたしております。
  146. 堀昌雄

    堀委員 その交渉はひとつ努力していただきたいのですが、もし内地産米が必ずしも十分でない場合、要するに外国からも米を輸入するという場合、今日のこの時点で年末までに大体内地産米は幾ら出します、あとどうしてもこれだけ足りないから輸入米を充てます、こう話が十二月にきまったとしたって、事務的に米が入ってくる——早く入ってくればいいのですが、最終は一体どこで大体三百四万五千石の供給が可能になる輸入米が業者へ渡る最終的な時点というのはいつごろになりますか、その量にもよるでしょうけれども
  147. 半田剛

    ○半田説明員 結局、食糧庁に対することだと思いますけれども、私たちとしては堀先生が言われたとおり、なるべく早目に全体の数量を確保し、早くつくっていただきたいというような要望を持っておりますので、おそくとも一月末くらいまでと考えております。
  148. 田中勉

    田中説明員 酒をつくる時期の問題がございますので、いたずらに内地米に準ずるものを輸入して、春先とか夏ごろに持ってきてさあどうだといっても、これは現実にそぐわないわけであります。そこで今後の輸入の見通しの問題でございますけれども、私のほうとしたしましても、これから輸入をして、たとえば一月というようなことに期限がつきますと、輸入という問題、そう簡単にまいらぬと思います。そこで私どものほうは、いま手持ちをいたしております準内地米というのが実はあるわけでございますので、これは台湾米が主力にな っている準内地米でございますが、こういうものをいまの酒造時期の一月末ということについて、あるいはこれを御使用いただけないものだろうかというようなことも考えておるわけでございます。二月、三月でもよろしいんだということになりますれば、これはまた海外の手当の時期の可能性もあるかと思いますけれども、いろいろその辺も私のほうは現物の手当問題で十分国税庁のお立場もよく考えながら、あるものを速急にあれする、今後輸入して、なかなか不確定なものをあまり当て込むというようなこともいかがなものだろう、こういうぐあいに考えております。
  149. 堀昌雄

    堀委員 大体わかりました。現在準内地米のストックも少しあるようなお話ですから……。いや、私が心配したのは、これから輸入するなんということでは、実はちょっと技術的な問題を含めて間に合わないのではないかという不安がありましたから、そういうところで、要するにあと問題は、操作といいますか、配分といいますか、そういうものをどうするかということによって、大体一月末までに国税庁側の要望の三百四万五千石が業者のほうに渡るということになるような努力をひとつ国税庁側と食糧庁側でよく御相談をいただいて、せっかく国税庁が多少の抵抗があった中で増産に踏み切ってもらっておる現在でありますので、私どももできるだけそれが増産をされることによって不当に酒が高くならないような措置をやはり国税庁側としても十分配慮していただきたいし、また食糧庁側といたしましても、その点について、ひとつ十分な配慮をお願いをいたしたいと思います。 以上で終わります。
  150. 臼井莊一

  151. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 国税庁長官にお尋ねをしたい点がございます。それは相続税における田畑の評価額の算出は何を根拠としてやるかということなんです。お答えをいただきたい。
  152. 木村秀弘

    木村政府委員 相続税における土地の評価は、大体時価の七掛け程度を基準といたしております。
  153. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 実は首都圏整備関係からきまして、旧東京都の地区とか、あるいは武蔵野市、三鷹市等が五百名以上の従業員を雇う工場ができなくなった関係で、郊外に全部工場が新しく施設を設けます。そういうことから土地が求められるわけです。そうしますと、その周辺の地価が十倍とか二十倍に高騰しております。そういうことから相続税の問題が微妙にからまってきておるのです。具体的に申しますと、たとえば川越周辺あたりの農村地帯におきまして、そうした工場施設のブームと申しましょうか、そういうことで、譲渡しますと相当高くなります。それと関連しまして相続税が純農村地帯において過当に課せられておるではないかということを私どもは心配しています。たとえば、おやじが死亡しまして、二ヘクタール、二町歩くらいの相続をする人がおりますと、相続税が、いま時価の七割というようなことになりますと、売ることを予見されているなら別問題として、実際には営農によって食っていくのですから、そういう人たちはとても払い切れぬわけですね。二百万円の金を払えというようなことが往々にして出るわけです、二町歩くらい相続した場合でも。それは当然譲渡取得とすればそれだけ上がってくるだろうというようなふうに国税庁のほうは考えておるかもしれぬですけれども、現実の問題として、百姓して食っていくというときに、二百万円もいきなり相続税を取られるということになりますと、とほうにくれている事例がたくさんあります。田畑の相続の場合に、時価に近い七割によるということが一応尺度になっていること自体に問題があると思います。どうお考えでしょう。
  154. 木村秀弘

    木村政府委員 純農村あるいは純然たる都市の土地でございますと、それほどの矛盾はございませんが、ただいま御指摘になりました都市周辺の農地につきましては、これを純粋な農地として評価するということになりますと、あまりにも実情にそぐわない。といってこれを純粋な宅地として評価することにつきましても問題がございます。したがって純粋の宅地と農地との中間的なところをとって、大体、ただいま申し上げました時価の七割程度というところを押さえておるわけでございます。都市周辺につきましては、ただいま御指摘のような問題はあるかと思います。
  155. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 足して二で割るというようなお話ですが、実際に二町歩の田畑を相続しまして、なお子供が農業を営んでいくというときに、とてもそれは支払えないという実情は長官もお察し願えると思うのです。とても払えないものを要請されてもできないんだといって、そのまま日を送って、しようがないからということで一つの進展も見てないというケースもあるのです。これは別段反税運動でも何でもなしに、実際に払えないんですね。たとえば最近大根の値段が都市では相当高いらしいですけれども、三反歩つくった大根が一万円にしか売れない。それだというと、運賃等をかけてなお損するよりは、そのままほかしちゃって、飼料にしちゃったほうがいいんだというような、そういう場合が往々あるのです。そういう点で、おやじが死んで相続をしたために、いま言った評価から、売ればそうなるでしょうけれども、売るわけじゃないのですから、私の意見を申し述べれば、やはり相続しまして人の名前が変わるわけですから、そうするとやはり登録税でいいんじゃないかと思うのです。そうして相続しますれば、登録税なら固定資産税評価の、土地においては三倍、家屋においては二倍だったと思うのです。それでいいんじゃないですか。それから売買があとで行なわれるときに、譲渡所得税がかかるのですから、別段相続の場合に何とはなしに現在の時価というものを大もとに置いてそれの何割なんて基準をとっておること自体が間違いじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
  156. 木村秀弘

    木村政府委員 非常にむずかしい問題でございますが、一般に相続税の際にとっておる課税評準を純農地かあるいは純宅地か、あるいはその中間にある土地かということで変えるということには相当問題がございます。たとえば都市周辺の農地でもって、適当な時期がきたならば、それを宅地として売却したいというようなものと、純粋に相続人の代においてもそれを農地として耕作をしたいという場合とのけじめと申しますか、区別がはっきりわかりませんので、やはり課税評準としてはいま言ったような全国一律的な標準にいたさないと不公平も起きるということで、現在まではただいま申し上げたような標準で課税をいたしております。
  157. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 いま長官、現在までというまくらことばがあるから、私、その点もう一回検討し直していただきたいと思うのです。要するに、譲渡されることを予見して云々ということは意味がないんです。そのときは譲渡所得税は別個の時価によって算定され、かかるのですから、相続税はやはり名義が変わるだけですから、それは登録税なら登録税をもってやはり基準とすべきだと私は考えるのですが、どうでしょうか。譲渡が行われるときに譲渡所得税がわかりますから、それでいいじゃないですか。だからいままでの指令それ自身がやはり間違っていたといえばあれですけれども、穏当じゃなかった、妥当を欠いておったのじゃないかと思いますが、現実にそういうことに直面しますと、その人たちは相続税を払うためにやはり一町歩とか、五反歩とかを売らなければならぬ。売れればいままでの農家経営ができないのですから、そういうような現実にあるのですから、その点をひとつ御検討し直していただきたいと思うのです。私は相続によって名義がおやじから子に変わるとか、そういうことになるのですから、やはり登録税を基準にしていいのじゃないかと思います。譲渡所得税はまだ権利の上に限っておりまして、あと国税庁が取り得るチャンスはあるのですから、譲渡されたときにそれをすればいいので、現実に財産を相続して営農していくという上において決定的な打撃を与える、そういう道をふさぐということの実情をよくお考え合わせ願いたいと思うのです。きょう結論が出なくてもけっこうですから、それをもう一回御検討願った上で、またいずれかの機会にお話を承りたいと思いますが、ひとつよろしく御検討を願いたいと思います。      ————◇—————
  158. 臼井莊一

    臼井委員長代理 本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  本会期中付託になりました請願は五十一件でありまして、その取り扱いにつきましては先刻理事会において協議いたしたのでありますが、この際、紹介議員の説明等を省略し、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 臼井莊一

    臼井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  おはかりいたします。  本日の請願日程中、日程第一ないし第七、第二四ないし第二六、第二九ないし第三五及び第四一の各請願につきましては、おおむねその趣旨が妥当と思われますので、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  160. 臼井莊一

    臼井委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 臼井莊一

    臼井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、土地造成資金日本開発銀行融資対象に関する陳情書が一件参考送付されておりますので、念のため御報告いたします。      ————◇—————
  162. 臼井莊一

    臼井委員長代理 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  金融に関する件について、日本銀行総裁山際正道君に、明十八日参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 臼井莊一

    臼井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は、明十八日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時十七分散会      ————◇—————     〔参照〕  請願に関する報告書     〔別冊附録に掲載〕