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鈴木国立国会図書館長 いま、お手元に概算の数字だけのものを配付いたしましたが、
昭和三十九年度の
予算概算要求について、ただその考え方についてだけ御
説明申し上げます。
昭和三十六年秋に新庁舎に移転以来いたしましましてから、
国会並びに行政、司法の各部門及び全国民に対しまして、積極的に
図書館活動を行なってまいりましたが、
昭和三十九年度におきましては、さらに近代的
図書館活動を推し進めてまいりたいと考えております。したがいまして、
昭和三十九年度の
予算概算要求の編成にあたりましても、この見地から十分に検討を加えて積算いたしたのであります。
以下、その概要につきまして御
説明申し上げまして、御
審議願いたいと考えております。
まず、
昭和三十九年度の概算要求の総額は、十二億八千三百二十三万六千円でありまして、前年度
予算に比しまして、四億二千七百四十六万四千円の増額に相なっております。
以下、重点項目別にその概要を御
説明申し上げます。
第一は、
国会の国政
審議に対する立法調査奉仕の充実強化に必要な経費でありますが、この総額は一千六百九十一万円でありまして、前年度
予算に比しまして、四百七十七万二千円の増加と相なっております。その
内容といたしましては、図書資料購入費、印刷費の増額を計上いたしますとともに、
職員を外国に派遣して、議会
図書館における立法調査
活動を研究させ、立法調査業務の改善に資したいと考えております。このほか、業務の拡充に対応させるため十名の増員を要求いたしております。
第二は、
国会並びに行政、司法の各部門及び全国民に対して、近代的な
図書館サービスを提供するために必要とする経費でございますが、そのおもなものは、まず、
図書館資料の整備充実に要する経費でありまして、一億八千八百九十万三千円を計上いたしております。これは前年度
予算に比し、三千九百八十八万七千円の増加となっております。そのおもな
内容は、納入出版物の代償金の増額をはじめ、外国法令、議会資料、諸外国の図書、雑誌類、近代日本政治資料、
科学技術関係資料等の充実に要する経費でございます。
次に、複写サービスを近代化し、資料複製の要求を当館において迅速に行なうための経費といたしまして、一千二百九十万円の増加を要求いたしております。このほか、印刷カードの普及とか、各種目録類の刊行、従来アメリカ
科学技術財団からの寄贈金により作成しておりました英語版雑誌記事索引の業務の自立、
図書館業務の近代化に必要な機械検索の研究のための外国出張等に要する経費を要求いたしております。
第三は、
職員の
待遇改善に関する経費でありますが、当館の特殊な勤務体制を考慮いたしまして、超過勤務手当八百七十五万一千円、
国会特別手当九百八十一万七千円、賄雑費二百四十七万八千円の増額を要求いたしております。以上の諸経費とともに、業務の充実整備に要する人員といたしまして、新たに二十八名を要求しており、さきに申し上げました立法調査奉仕の充実に要する十名を合わせまして、合計三十八名の増員を新規に要求いたしております。
次は、営繕工事費
関係の要求についてでありますが、第二期工事の一部として、書庫増築に要する経費の初年度分といたしまして、二億二千七百五十六万六千円を計上し、また、
館長公邸の新営費を要求しております。
以上が、
予算概算要求の概要でございます。
このほか、
国立国会図書館の
予算とは直接の
関係はございませんが、
国立国会図書館の組織の一部であります行政、司法の各部門の支部
図書館の
予算の増額につきましても、格段の御配慮をお願いいたしたいと考えております。
以上、まことに簡単でございますが、
昭和三十九年度
予算概算要求の概要につきまして、御
説明申し上げました。
何とぞ、よろしくお願いいたしたいと思います。