運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1963-11-30 第44回国会 参議院 決算委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年十一月三十日(土曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   委員異動  十月二十九日   辞任      補欠選任    渋谷 邦彦君  原島 宏治君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     横川 正市君    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君            山崎  斉君            横山 フク君            相澤 重明君            大森 創造君    委員            沢田 一精君            田中 精一君            野知 浩之君            二木 謙吾君            加藤シヅエ君            杉山善太郎君            鈴木  壽君            二宮 文造君            原島 宏治君            奥 むめお君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    防衛施設庁長官 小野  裕君    大蔵政務次官  齋藤 邦吉君    農林省農地局長 丹羽雅次郎君    運輸省港湾局長 比田  正君    建設政務次官  鴨田 宗一君    建設省都市局長 鶴海良一郎君    自治省税務局長 細郷 道一君   参考人    東京首都整備    局長      山田 正男君    東京首都整備    局建築指導部長 池原真三郎君    東京首都整備    局都市公害部長 山畑 禄郎君    東京経済局農    林部長     石井 孝義君   —————————————   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○国家財政の経理及び国有財産の管理  に関する調査  (日立コンクリート工場建設に関  する件)  (横浜市における接収施設早期解  除に関する件)   —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動につき報告をいたします。  昨二十九日、渋谷邦彦君が委員を辞任され、その補欠として原島宏治君が委員に選任されました。  以上であります。   —————————————
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、日立コンクリート工場建設に関する件につき調査を進めます。  この際、おはかりをいたします。本調査のため、本日、参考人として、東京首都整備局長山田正男君、東京建築指導部長池原真三郎君、東京都市公害部長山畑禄郎君及び経済局農林部長石井孝義君を招致し、意見聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横川正市

    委員長横川正市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、これより調査を進めます。  建設政務次官に、最初に私のほうからお尋ねをいたします。  この案件が相当長期にわたって審査をされておりますので、前の松澤雄藏政務次官当時の答弁速記録承知をされておるのじゃないかと思うのですけれども案件審査の中で、建設省として行政上指導すべき幾多の問題があるので、すみやかにこの調査をして、その調査の結果については当委員会報告をされるように、最終的な会議の結果としてはなっておるわけなんです。おかわりになっておられるわけですけれども、担当の事務当局もおられることでありますから、この際ひとつ最初発言をしていただきたいと思います。
  6. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) ただいまの委員長のお言葉でございますけれども、本問題につきましては、松澤政務次官から引き継ぎまして、私といたしましても、これが何とか具体的な措置を講じたいと実は念願しておりましたところ、現在に至っておりまして、いまだにまだ委員会報告のできないことを非常に遺憾に思っております。幸い本日この会議が開催されましたので、皆さま方の御意見を拝聴いたしまして、善処いたしたいと考えておる次第でございます。  以上でございます。
  7. 横川正市

    委員長横川正市君) そういう答弁ですと、ちょっと私の質問があなたのほうの不備から食い違いを来たすのですが、それは、十月一日付をもって、問題になっております和田堀地区風致地区解除案件というのが公示をされて、実際上風致地区解除手続建設省でとられているわけですね。それは風致地区が存続されておった当時の前政務次官答弁であって、風致地区解除をされたのは、あなたのほうの事務手続でやられたわけですから、当然これは、この間の経過というのは十分承知して、風致地区解除ということが行なわれたと思うのですが、これは建設大臣のいわゆる諮問事項になっておって、委員会はその諮問を受けて、風致地区解除回答を出した。それが十月一日に公示をされている。こういう事実行為をあなたのほうで行なっておるのに、前回私のほうからの質問に対して答弁された松澤さんの速記録を読んでいただけばわかりますが、善処した上で調査をし、すみやかに委員会報告をしようということになっておるわけです。その間五カ月くらい国会ブランクがありますから、この国会ブランクがあったことが理由になれば理由になりますけれども、今回開かれているのは、前回委員会から長期であったとはいっても、やはりそのてんまつを私のほうでは報告をしていただかなければならぬと私は思うのですが、これは事務当局どうですか。
  8. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) お手元に和田堀地区図面をお配りいたしましたが、これによりまして、当該地区におきます風致地区なりあるいは用途地域変更経過につきまして御説明申し上げたいと思います。  この図面のスケールが小さくて見にくいと思うのでございますが、この図面四角でかこんであります区域が問題になっております場所周辺部で、この四角でかこんであります中に、赤線で筋を引っぱってございますが、その筋を引っぱってあります西の部分、これが昭和八年に定められました風致地区でございます。その後、昭和二十五年になりまして、斜めに線が引っぱってある部分と、それからまだらになっております部分及び道路が交差しておりますところを薄い色で塗りつぶしてありますが、これが準工業地域指定になったわけであります。ことしになりまして、この地域なり、あるいは地域制度なり、あるいは風致地区区域を若干変更いたしたわけでありますが、その変更内容について申し上げますと、実は風致地区と準工業地区がダブって指定されておるという状況になっておりまして、行政上くっつき合いのところが出てきておったわけであります。こういう点を改善いたしますと同時に、その後の都市発展状況等も勘案いたしまして、実は東京全域におきまする風致地区検討を前々から進めておったわけでございますが、この際修正をいたしたわけでございます。修正いたしました結果、どうなったかと申し上げますと、この四角にかこんであります左のほうに点を打った区域がございます。これは緑地地域でございます。赤線境界緑地地域境界に合わせまして変更いたしたのであります。したがいまして、準工業地域風致地区の重なりはなくなったという結果になっております。したがって、この地域におきまして、昭和二十五年に定めました準工業地域の一部につきまして、あるいは住居、あるいは商業変更してほしいという要望が非常に地元に強うございまして、これは東京都といたしまして、そういう申し出もございましたので、昭和二十五年の際に定めました準工業地域のうち、一部を住居、一部を商業変更したわけでございます。その図面のまだらになっております部分住居地域変更になりました。それから、先ほど申しました十字路の薄い色に塗りつぶしてありますところを商業地域変更いたしたわけでございます。これが七月に都の都市計画審議会に付議されまして、ことしの十月一日に公示になった次第でございます。  以上が経過報告でございます。
  9. 横川正市

    委員長横川正市君) 政務次官、今の都市局長答弁が、用途地域変更をされたいきさつですね、いわゆる事務的な手続上の説明なわけなんです。この事務的手続が行なわれる前に、松澤政務次官答弁というのは、それまでの議会審議の結果から、たとえば、「法に最大に忠実に仕えて守っていくのが原則でありまして、議会がどういうふうな立場で、どういうふうなお話がございましたにいたしましても、また当然陳情請願という立場において考えられたにいたしましても、執行部面としては、あくまでもその法に基づいて純正なものとして取り扱わなければならない、かように解釈されるのが私至当であろう、かように思います。」、こういうふうに言って、さらに、「十分に調査をいたしたい、かように考えております。なお、主観的な面等に対しましては、これはおのおのの持つ問題でありまするから、これに対しましては、今後の行政指導という立場において、極力法に基づいた意味においての部面行政指導に当たっていきたい。なお調査の最終的な面に対する回答早目にいたしたい、かように思います。」という答弁になっておるわけです。これにはいまの都市局長の事務的な面での用途変更手続がとられたという以前の問題があるわけですが、その以前の問題と、用途目的変更手続と、それからその結果について、私は建設当局としては当然議会にまとまった報告をすべきじゃないかと思うんです。なぜならば、用途目的変更されていない時点ならば、あなたの言うように、まだ検討中でございますということは言えるかもわかりませんけれども用途目的変更されておる現段階では、当然あなたのほうでまとまった意見というのを用意しておくのが私は至当じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
  10. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 委員長のただいまの御発言、ごもっともと思います。
  11. 横川正市

    委員長横川正市君) 私の意見が当然だということになれば、建設省として、いわゆるこの三年間これは問題があった地域ですから、三年間いろいろと問題になったやつは、これは私は東京都の議会速記録も全部読んでおりますし、当然これは建設当局も読んでおるわけです。それから、都市局でもいきさつについては十分御承知なはずです。しかも、この委員会では、今回で三回目ですから、前二回詳細にわたって審議がされた。そういう審議の結果、あなたのほうでは用途目的変更したわけですから、そうすると、当然それまでのいきさつから、なぜこの地域用途変更をしたか、こういう意味報告は私はあってしかるべきじゃないかと思うんです。それがないとすれば、あなたのほうでは、委員会審議をされた内容というものは全然無視をして、一方的に結果だけを合法化するための手続をとったと、こういうように私どもは思うんですけれども、これは、もし政務次官答弁できなければ、都市局長から——いままでのいきさつですね、もう一回私のほうからずっと説明しましょうか。それをする必要は私はないと思うんですがね、もう何回もやっていることですから。それをひとつ、建設省としては、用途目的変更をなぜしたかということを、はっきりこの機会に委員会報告をしてもらいたいと思います。
  12. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 用途地域変更内容につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますが、この準工業地域指定されてあった地区につきまして、一部を住居、一部を商業に変えました理由について申し上げます。  これは準工業地域指定されておりまして、この地域に約二十ばかり工場のようなものあるいは倉庫のようなものが入っておりますが、それを除いて考えますと、今度はそういった工業的なものによって占められておらない地域が相当あったわけでございます。この日立の問題が起こりまして、地元のほうでは準工業地域でなくしてほしいという要望もあったように承っておりますが、全域につきまして準工業地域からはずすということは、すでに二十件ばかりのそういった工業的施設が入っておりますので、これはできなかったわけでございます。そこで、内容につきまして検討いたしました結果、周囲の住宅街発展とか、そういう面から、図面でお示ししましたように、一部住居地域にしたわけでございます。それから道路の交差点、これは現実に、この図面で示してありますように、太い道路があるわけでございますが、これは将来の計画でございますが、このポストにつきましては、交通の要所ではありますので、将来商業地域として発展することが期待できますので、これを商業地域変更いたしたわけでございます。
  13. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記とめて。   〔速記中止
  14. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記始めて。
  15. 相澤重明

    相澤重明君 いまの都市局長答弁では事務的な話がなされているのだけれども農林省関係者がおると思うのですが、農林省は一体どういう相談を受けているのか、これは答弁できないか。
  16. 丹羽雅次郎

    説明員丹羽雅次郎君) 農林省立場からお答え申し上げます。  前回のこの本委員会におきましても、本日の議題でございます日立コン工場建設につきまして、農地転用許可にからみましての扱いにつきまして御質問があったわけでございます。このときも申し上げましたとおり、農地法許可は、本来は、優良な農地を維持しまして、生産力を維持するという立場での許可でございますが、ほかの行政にもできるだけ御協力をするという立場で、各省といろいろお約束をいたしておりますので、そういう立場からこの地区を見ますと、準工業地帯及び風致地区指定が重なっている。したがって、その関係がはっきりされるまでは転用にあたって大事をとったらどうか。面積が小さいために都知事の権限に相なっておりますが、農林省としては一応そういう注意を都知事にいたしておったわけでございます。それで、この土地を準工業地帯にするのか、風致地区として続けるべきか、これは農林行政の所管の外でございます。それぞれの御判断が統一されることを農林省としては期待をいたしております。その結果がこのようにきまったものを承知をいたしているわけでございまして、地区利用方法についての御相談は、農林省としては、受けておりませんし、また受ける考えもございません。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 ちょっとおかしいじゃないか。少なくとも本院で、決算委員会で指摘をされているものについては、いま君が言うとおり、農林省意見というものを関係省に出すのは当然なことなんだね。それは少なくとも、主務大臣都市計画法第三条に基づいて決定をする場合には、関係大臣のやはり意見も聞かなければこれはいかぬのだ。それを事務的にやったかどうかということは、さっきの十月一日に準工業地区として風致地区を解除している。こういう相談を一体だれがやったか。それは都市局長の言うことは事務的なことでございますが、大臣はいつそれを相談したか、主務大臣としてはいっそういうことを関係者に話をしたか、その日を明らかにしないというと、一体国会でもって審議されているものを何やっているかということになる。これは政務次官も、新しいからわからぬということじゃこれは済まない。国会意思というものを一体あなた方どう考えているのか。そういうことは、前次官新任次官まで引き継ぎをしてしかるべきだ。国会でもってわれわれがこういう討議をしているものを、まるきり知らないという答弁があるか、そんなこと。第一、都市局長政務次官にどういう報告をしておるか、あるいは大臣にどういうふうに報告をして認可を得たのか、その手続関係を、関係省とそれから主務大臣がそういうことをきめられたということと、いつやったかその日程を明らかにしてほしい。
  18. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 関係大臣との協議という手続は、実は都市計画法では定められておりませんで、従来からも用途地域変更等につきましては、関係大臣との協議は行なっておりません。これは特に用途地域につきましては、地元市町村からの申し出によってやるというふうに建築基準法に定められておりまして、地元市町村では、まあ総合行政体でございますから、農林行政その他の行政との調整をはかっておると思いますが、建設省段階におきましては各省大臣との協議手続は進められておらない。それから変更でございますが、これは前局長時代変更の告示が行なわれたわけでございますが、当時、私が承知しておる範囲では、前都市局長建設大臣に直接会いましてこの経緯を説明いたしまして、大臣の了承を得たというふうに聞いております。それから現政務次官にどういう説明をしたかというお話でございますが、これは二回にわたりましてこの事案経過等につきまして説明をいたしております。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 それは、政務次官、おかしいじゃないか。さっきの委員会質問に対する答弁について、この事案については皆さんの意見も聞きながらという話もさっきしておったけれども、実際に局長議会で、こういうふうな事態になっておるとか、東京都の審議会でこういうものが出ておるとか、いろんな経過というものは話があったと思うのだよ。しかも、実はこのことについては、私から建設大臣に、少なくとも国会審議をしておって、国会が終わったんだから、終わったあと、しかも委員長外国旅行をしておるから、私から建設大臣にその話をするから、それまで待て、しかも事務次官だけではそんなことは取り扱えないんだから、国会というものがある以上は、そういう関係者意思までお互いに話し合ってやるべきだということを言っておったわけです。それにもかかわらず、十月一日に、九月のうちに私がそういう申し入れをしておいたところ、なかなか私と河野建設大臣とがうまく日程が合わなかった。お互いに忙しかったものだから会わなかった。会わなかったけれども、少なくともそういうことについては慎重な配慮をしておったわけだ。それが、この前の委員会を開いたときには、十月一日にそういうふうにもう手続がとられるということ自体が——大臣旅行をしており、それで委員長もいない、その間に私からそういう点を建設省に言っておるにもかかわらず、そういうことをだれがやったのか。河野大臣がここへ来て説明がつくかといっても、つかないと思うんだ、僕は。そんなものは、局長がそういうふうな手続をとったという話をしたり、小さい問題だから手続をしたらいいんだろうぐらいの調子じゃないのかな、これは。私は、九月に委員長外国旅行をするときに、委員長の留守にそういうことがあってはいかぬ、それから、建設大臣もなかなか日程が忙しいから、お互いに話をしないと、議会意思を無視されてはいかぬ、こういう話をしておいた。それにもかかわらず、院の意思というものを無視してそれで、しかも関係者についても、これは農地にしろ——その農地局長の話はあとにしても、いずれにしても関係者がその問題になったものを小さいと言って片づけるやつがあるか、そんなことをやったら許さぬよ。だから、そういう点について関係者相談をしたという事実を明らかにしなければだめじゃないか、そういう点どうなの。だから、局長から次官は二回ほど説明を受けたら、次官は一体そういうときにどういうふうに考えたか。議会で取り上げておるものを、しかも閉会中にそういうことをやってはいけない。これは議会意思なんだよ。十分納得をしてもらって、私どもとしては、地元民なり東京都なりの意思を尊重するということは、これはお互いに話をすればできることだ、五日や十日間というものを急いで何になる、そういうことを私から強く本委員会で言っておったわけだ。それを、関係者の話を十分聞かないで、しかも院の意思というものを無視されて、一方的に行政が進められるということになったら、とんでもないことだ。次官はその内容報告を受けたというのだから、あなたはどういうふうに報告を受けたか。
  20. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) ただいまの相澤委員の御質問でございますけれども、先ほど私委員長に対しましてお答え申し上げましたのは、この経過につきましての本日のこの委員会においての御意見も十分私といたしましてはお聞きをしたい、こういうことを申し上げたのでありまして、事務的な手続の問題について申し上げたのではございませんことを御了承願いたいと思います。  また、ただいま相澤委員の御質問の趣旨につきましては、私といたしましても、先ほど局長の言われましたとおり、二回にわたりましてこの問題を実は聴取をいたしました。この問題が、先ほどもおしかりのとおり、国会意思を無視するような結果になるということは、これはたいへんな話である。もちろんこれは、こういう結果を招いた上においては、本委員会において、私といたしましても、重々皆さま方に御宥免を願いまして、今後こういうことのないように善処いたしたいと、こういう実は考え方で本日出席をしておる次第でございます。経過を一々委員皆さま方からお聞きをしておりますると、私の今までの知らなかったことも浮びかけてまいりまして、ほんとうにどうも、私といたしましては、本日の委員会が私のためにも相なるのじゃないか、こう考えます次第でございます。  以上でございます。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、政務次官、私が前回、十七日に、本院の決算委員会で、こういうことをひとつやってもらいたいということを述べておりましたね。これについて、このあと委員長質問が終わったら、私が申し上げたことについて答弁をしなければいかぬと思う。そういうことについて、いま委員長質問中だったけれども、どうも関係者の連絡が十分でないように伺えたから、私も質問をしたのだけれども、いまの政務次官お話で、十分院意思を尊重される気持ちがわかりましたから、委員長質問を続けてもらって、そのあとでこれに対する政府の考えを明かにしてもらう。委員長どうぞ。
  22. 横川正市

    委員長横川正市君) 概略どういういきさつでこの委員会でのきょうの審議になったかをわかってもらうために、関係の方々に私のほうから質問をいたしますから、建設当局もよくこれは聞いておいていただきたいと思う。  まず、東京都の農林部長石井さんにお伺いいたしますけれども、こういう事実があったかどうか。「昭和三十五年十二月十七日、杉並農業委員会は、忘年会の催しの名の下に、委員十七名、事務局長日立コン工場社員一名計十九名観光バスに乗車、途中鶴見工場日立コンKK)見学、同工場にて飲食、公害状況聴取後、同バスにて伊東温泉に招待を受け、一泊、翌日帰京」したことが判明しておるけれども、こういう事実は、あなたのほうで調査の結果どういうふうになっておりますか。
  23. 石井孝義

    参考人石井孝義君) ただいまの件をお答えいたします。  さような風聞を実は私ども聞いたわけでございますので、この農業委員会の適正な運営等につきまして平素気を配っておるわけでございますので、直ちに杉並農業委員会を呼びまして、また現地に参りまして、いろいろ調査をしたわけでございます。いま委員長の御発言のとおり、確かに日立コンクリート横浜工場は視察したわけでございます。この前後をいささか率直に申し上げますると、申請書を受理いたしましたのは三十五年の十一月十八日でございます。その際、実は農業委員会といたしましても、審理をいたしまして、その結果、一応どこか生コンクリート工場を見て慎重を期したい、こういうことであったわけでございます。これに先立ちまして、この生コンクリート工場のための農地転用許可申請書が出ない前に——これは十一月五日でございますが、ひとつ例年どおり農業委員会としても忘年会をやりたい、こういうことがすでに取りきめられておったわけでございます。忘年会場所伊東の五三荘というところでやりたい、これは何か特約の非常に安い旅館のような話でございました。それがきめられておりましたので、十一月五日にその場所と日時はすでに決定になっておったわけでございます。たまたま十六、七人で参ったわけでございますが、その際、日立の生コンクリート横浜工場を見まして、そこで実際工場を操業してもらい、その際の騒音なりあるいは粉じん等の状況をよく見た。あまり公害上そう心配することはないというようなことでございました。で、一行は、汽車に乗って参りますので、もう汽車の時間がないから、汽車弁でひとつわれわれは行くからと、こういうことでございましたけれども、会社側では、それならまあほんのわずかな時間だからといって、どっか簡単な料理屋でどんぶりめしだけをいただいた——これは会社の接待でございます。もちろん、その時間の関係上、飲酒等の時間はない、こういうことでございます。一応私どもで調べたことを率直に申し上げれば、以上のとおりでございます。
  24. 横川正市

    委員長横川正市君) これは現地の調査の事実上明らかになったのですが、三十六年の二月の八日に、日立の生コンクリート会社が、方南北町会に対して、あいさつとして清酒二升、現金一万円、これを届けて、農業委員会、それから建設についての許可、そういったものが進められておるので、今後工場の建築その他について協力をしてもらいたいという、そういう趣旨のあいさつ回りが行なわれている。これは現品は会社に返したと言っておりますが、返されたというのが一件。それからさらに会社側は、居住者四十名に金品を贈り、都の許可があったからというのであいさつ回りをし、そのあいさつ回りの際に、領収書捺印と称して地元民の署名をとり、その署名が日立コンクリート工場建設に賛成署名と後にすりかわっているという事実が、これが明らかにされておる。さらにこの問題を推進したのは、地元の区議で農業委員をやっております鈴木某という男ですけれども、この区会議員で農業委員が、農業委員として現地の視察に参加をし、それが土地その他のあっせんをしております。こういう事実があるということをまず根底にして、この問題の発生が地元に起こってきた。これは三年前であります。この三年前にこの問題が起こってきて、初めて地元民が一体何ができるのかと調査をした結果、あすこに生コンクリート工場ができる、こういうことになりました。今度はその生コンクリート工揚の用地の選定ですね。選定の第一は、東京都の総務首都整備委員会速記録によって明らかにされているところによりますと、もと明治大学のそばにありました工場が、地元民の反対にあって転地を必要とされた。その転地を必要とするときの交渉の中心であったのが都議会議員の——現職ですね、現在も当選をしておるわけです、現職の都議会議員、名前は出口という人、この人がこういうふうに速記録ではっきり言っております。「ずっと私が忘れたころに、この請願の紹介議員になってくれ、こういってきたわけです。ちょっと見たところこの請願なので、これはまずいなというと、そのときに今の都の理事者の方々がここならよいといった、こうおっしゃるんです。それじゃいいでしょうということで請願に署名したのですけれども、それで私としても今さらあそこに対してだめだというふうなこともいえない状態で——ともかく引っ越してもらったのですから。引っ越してもらった先が今の杉並の最も反対者の多いところなんです。前にあったところは、ただ明治大学の周辺が困るというだけであって……。そういうふうな一つのあれがありますので、私があまりここで強くどうこうということもいえない立場にあります」、こういうふうに都議会議員の手を経て明治大学のそばから……。まず和田堀風致地区指定があった。この和田堀風致地区と準工業地域二重指定の問題が判明したのは、これはずっとあとです。準工業地域ということだけが最初にわかっておって、風致地区の二重指定だということは審議の過程で判明した。ところが、審議の過程で判明する前後の都議会の理事者の答弁というものは非常にあいまいになってきました。そのあいまいさは二つある。一つは、その風致地区でも準工業地域の場合には日立コンクリートのような工場建築できるという考え方が一つ。それからもう一つは、風致地区にそういう工場を持ってきたのは非常に遺憾である、そういうことが事前にわからなかったのは非常に当事者としては遺憾であるという意思表示が一つ。これが並行線になって、この都議会での審議というものが行なわれております。そこで、一体この二重指定地域に、この地域が生コンクリート工場として適地だと言った理事者は一体だれかということを調べてみましたところが、これは東京都の理事者間ではだれが言ったのあわからない。しかし、だれが言ったかわからないだろうけれども、出口という議員と生コンクリートの当事者に聞けばわかるはずです。実際にはそれが不明のままになっている、審議の過程では。そういうふうにして進められている過程で、東京都の考え方は、あすこは風致地区としてはもうすでに存続の意味がなくなった地域だ、こういうふうに解釈をする解釈が出てきました。その理由づけとしては、準工業地域指定をしたときにこの風致地域を解除すべきであったのが、行政上のミスであった、こういうふうに答弁が変わってきている。こういう変わり方をこの委員会でいろいろ審議した結果、松澤政務次官は、法律がある限りその法律にのっとってやるべきだということと、もう一つは、これは建設大臣意思として、風致地区は存続の方向でこれから進めていくのだという、この二つが食い違ったままに現在になっているわけです。その食い違いをたださないで、今度は風致地区の解除という問題が出てきた、それがいままでの概略のいきさつなんです。本来これは風致地区だ。二重指定のミスであれ、何であれ、わかったときには、日立の生コンクリート工場の建築請願を取り消すべきであったのを、建築許可をそれからあとに与えておる。たしか去年の十一月二十六日に許可を与えておる。こういうふうに行政上のミスというのが次から次に重なって、地域の住民の立場というものは、いわゆる行政の権力でずっと押し込められてしまって、いまもう最終段階を迎えているのがこの委員会です。こういういきさつをまず私のほうから明らかにいたしたわけでありますけれども、そこで私がふに落ちかねるのは、どうして風致地区を解除したのか、問題がこういうふうに紛糾している時期に。それからもう一つは、周辺が、御案内のように、居住地区地域変更がされ、緑地帯の地域も明確である。その谷間の中に準工業単独指定に今度は切りかえられた地域があるわけでありますけれども、これは一体都の行政建設省風致地区存続の考え方とどういうふうにマッチしておったのか。私は、これは非難に悪い言い方をすれば、日立コンクリート工場の請願が行なわれ、その裏にはいろいろの問題があって、どうにも抜き差しならなくなって、それを合法化するために風致地区の解除という形に持ってきたのだと、こういうふうに見られる節があるわけです。  まず第一に聞きたいのはいきさつと、第二は、こういういきさつがあったものに対して、建設省としてはこのまま認可しますか、そこをひとつはっきりしていただきたい。
  25. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 風致地区指定変更の問題でございますが、これにつきましては、すでに数年前から、都の風致地区に限りませず、いろいろな施設の再検討を進めておるわけであります。それで、たとえば公園緑地というふうなものにつきましては、一応再検討を終わりまして、数年前に変更をいたしております。それから街路網につきましては、ただいま検討を進めて、ほぼ大詰めに近づいてきております。風致地区検討は、これはおくれておりましたが、今年の春過ぎに一応の結論を得た、こういう段取りになっております。特に風致地区につきましては、昭和八年という戦前の指定でございまして、戦時中、あるいは戦後の混乱、あるいはその後の東京都の人口の増大というふうな事情の変化を来たしておりますので、それらを勘案いたしまして再検討を進めておったわけであります。  この地区につきましては、ただいま委員長から御指摘がありましたように、準工業地域と、それから風致地区が重なっておったわけでございます。御案内のように、風致地区は、都の規程によりますというと、住居地域に建ってならぬものは風致地区に建ててはならないということに本則は相なっております。したがって、準工業地域風致地区とがダブっておるということは明らかに矛盾でございまして、こういう矛盾の状態をこのまま維持するということは行政といたしまして適当でない、こういうふうに考えた次第でございます。  なお、この地区以外でも、そういう地域がダブっておることもあったように聞いておりますが、そういうものもこの際修正すべきであるということで、最近の風致地区変更を行なったわけでございます。特にこの地区につきましては、日立生コンの工場につきましては、もうすでに都知事から、先ほど申し上げました風致地区規程の三条のただし書きによって、建築の許可が出ておるわけでございます。したがいまして、これにつきまして、風致地区変更になったという所におきましても、実際上建築をしてよろしいという状態に変更を及ぼすわけではない、そういうことも検討いたしました上に、この風致地区変更を行なったわけでございます。
  26. 横川正市

    委員長横川正市君) 建築の許可をするというたてまえではないということで風致地区の解除を行なったというわけですか。
  27. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 問題の地域につきましては、準工業地域風致地区が重なっておったわけでございます。風致地区指定は、昭和八年、戦前の古い時代でございまして、その後の事情の変化、土地利用の変化を勘案しまして、昭和二十五年に準工業地域指定された、こういう状況になっております。したがいまして、本来ならば——先ほどミスであったというお話がありましたが、本来ならば、風致地区を準工業地域指定する際に変更すべきであった地域であるというふうに判断いたしております。
  28. 横川正市

    委員長横川正市君) それはいきさつを、あなたのほうで、いま私が簡単に言ったから、そういうふうに言うけれども、準工業地域指定の請願をしたのは、実はこれは中野区へ請願をしているようですね。杉並区では、その請願について全然知らないうちに二重にかぶさってきたという事実があって、これはミスといえばミスかわからないけれども地域意見を聞いてこの変更をしたというものじゃないんです、その当時の事実を調べてみると。だから、私はいろいろそういう故事来歴をここでただしてみてもしかたがないけれども、問題は、一体ここの段階まできて、先ほど政務次官は、意見を聞いてさらに善処しますということを言っているけれども、一体どういう善処をしようとされるのか、これは問題でしょう。  それからもう一つは、あなたのほうで事務手続きに何年もかかってやったわけなんだから、何年もかかってやったということは、現在議会でこのくらい問題になって審議をしているということを考慮に入れたか入れないかは、さっきの相澤君の意見じゃないけれども、きわめて無視をされたというかっこうになっちゃっている、結果的には。しかし、あなたのほうの説明は、ここに工場を認可するということではありませんと言っているけれども工場認可というものはもう出ているわけです、事実問題として。そうなると、いま事実上法的な一つの立場に立って地域の住民のいわゆる反対意思というものを守っていくというものは何かといったら、法的には何もないというわけですよ。あといわゆる、何といいますか、行政官の温情とか何とか、そういった変なものが残っておって、最後にはしゃにむに地域住民は泣き寝入りさせられるという結果になるんですよ。その審議の過程で、東京都の行政官はこういう説明をしていますね。二重指定地域に見合った工場を建てますと言っている。一体二重指定地域に見合った工場というものが建てられますか、実際の問題として。私は建てられないと思っている。だから、今度解除の問題につながってきている。そういうふうに、どんどんどんどん地域の住民の意思というものを無視されていっているというこの段階を、政治の立場でどう善処していこうとするのか。政務次官、あなた建設大臣の代理でありますから、政治を行なう立場に立てば、どういうふうに守っていきますか。法律的には全く無防備の地帯になって、地域住民の権利はすっかり剥奪されているという時期に立って、どういうふうに解決しようとしているか、政治的には。これはひとつ責任ある答弁をお願いしたい。
  29. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) ただいま委員長の言われましたとおり、重大な問題でございまして、実は、私といたしましても、先ほど委員長さんの御質問に対します私の答弁のところに、ただいまのお話の影があるわけでございまして、それは風致地区と準工業地域とダブることは非常に矛盾をしていることは、重々私どもわかりまして、政治的に善処をするということは、今後こういうことのないように、ほんとうに計画的に細密な態度でやっていきたい、こういうことを申し上げた次第でございます。
  30. 横川正市

    委員長横川正市君) 本件の問題はどういうふうに処理しますか。本件はしかたがないということで済まされないでしょう。
  31. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) 実は、東京都知事に対しまして、この問題の起こりました当時、昭和三十七年十月六日付をもちまして日立コンクリート株式会社の代表から一筆書面をとっておりまして、それを都市局長のほうから読み上げさせまして、こういう実は処置もとっているということも御了承願いたいと思います。
  32. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) ただいま政務次官からお話のありました書面の要旨を申し上げます。  これは、日立コンクリート株式会社の社長から都知事に対して提出いたしております書類でございまして、それによりますと、「本件に関しましては、さきに昭和三十七年九月十八日付で工場設置上遵守すべき事項について誓約書を差入れましたが、新たに下記事項をも追加の上遵守することを誓約いたします。」——この「九月十八日付で工場設置上遵守すべき事項」と申しますのは、公害防止条例に基づきまして差し入れた誓約書でございます。そのほかに、次のことを誓約しますというのが入っております。この次のことと申しますのは、「工場建設にあたっては、騒音、粉塵、振動各防除設備に万全を期するは勿論、その他の事柄についても出来得る限り地元側と懇談の上善処し、円満解決に努力する。」、そういう趣旨の書面を提出いたしております。
  33. 相澤重明

    相澤重明君 いまの文章を聞いておったけれども、よくわからないのだけれども、結局、地元民とよく話し合って円満に解決する、こういうしまいのほうの文章だったね。そうすると、話し合いがきまらなければ、これはそれまでは一応現状で置くというふうに理解をしていいわけだね。つまり、現状を進めていくということについては、地域住民の意向というものを十分話し合いの上できめていく、話し合いがきまらなければいけないという誓約書になっているということに理解をしていいですか。
  34. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) この文書につきましては、あいまいな点があろうかと思いますが、都のほうでこの書類を受けているわけでございまして、都のほうの行政力、政治的な力というものがあり得るわけでございますので、都のほうの仲立ちといいますか、都のほうでも円満解決に努力していただけるものというふうに期待いたしておりますし、われわれも、本件の重要性にかんがみまして、都としてもそういう努力をすべきであるというふうに考えております。
  35. 横川正市

    委員長横川正市君) いまの問題、ひとつ政務次官からはっきりとお答えいただきたいのは、それでもおそらく委員各位は納得しない点があろうと思う。それは、私が何回も指摘しているように、一回の間違いをそのとき直せばいいのに、それに上積み上積みに間違いを重ねてきて今日を迎えた、その根本精神は何かというと、工場を認可するという立場が変わっていないということです。地域住民の反対の意思というものは無視をされて、いままでの、ずうっと今日まで迎えた経過というものは、工場を認可するという立場でいろいろ多くのことばを費やしているということに尽きるわけなんですね。一体政務次官として、この現状をどういうふうに把握して、どう結論づけることが一番妥当だとお考えになりますか。
  36. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) ただいま東京都知事に対する工場側のまあ条件と申しましょうか、誓約書が入っておるわけでございまして、この誓約書を忠実に実行させるという線で地元住民が納得がいけば、私といたしましては、今回に限りまして、やはり皆さま方の御承認を得たいと考えておる次第でございます。
  37. 横川正市

    委員長横川正市君) これは、東京都の整備局長——おりませんね、整備局長にかわってだれか答弁できる方いますか。
  38. 山畑禄郎

    参考人山畑禄郎君) 都市公害部長です。  ただいまの地元との協議の問題についてお答えしたいと思います。地元とそれから企業者との協議事項につきましては、私どもといたしましては、円満に十分な協議をすることを望んでおりますし、また、そういうことを期待しておる次第でございます。
  39. 横川正市

    委員長横川正市君) そうすると山畑さん、これは、工場側は工場を建てたいということで一〇〇%要求をし、地元民は工場を建ててもらったら困るということで一〇〇%反対をする場合は、都はどういうふうに解決をするのですか。
  40. 山畑禄郎

    参考人山畑禄郎君) 御承知のとおり、工場認可につきましては、工場によりまして、建築基準法によりまして用途制限がきまっております。その用途制限に抵触しない工場につきましては建築基準法が先行いたします。その適法の工場については、工場の公害除去という問題に重点をおきまして、条例によりまして認可をしております。したがって、この工場は適法でございますので、工場認可をした次第でございます。
  41. 横川正市

    委員長横川正市君) 円満解決をさせる方法というのは、どういうふうにするのですか。
  42. 山畑禄郎

    参考人山畑禄郎君) この地元と企業者との協議でございますが、これは、両者にとりまして、協議することが権利であり、義務である、私どもはかように考えておりますので、十分な協議をすることを望んでおる次第でございます。
  43. 横川正市

    委員長横川正市君) これは、あなたのほうは事務屋さんだから、それ以上の答弁ができないけれども、現状は結論を待っておるわけです。いまあなたの言うように、基準法その他によって適法な工場だから建てることはやむを得ない、しかし、公害関係だけは結論が出るまで、ということになれば、結果的には、これは地元民の意思に反して建てられるということになりますね、そうじゃないですか。
  44. 山畑禄郎

    参考人山畑禄郎君) ただいま申し上げましたとおり、工場認可につきましては、これは適法でございますから認可をしたのでございますが、ただいま御指摘の協議事項につきましては、何回も申し上げますが、十分な地元との協議をしまして、その協議の結果円満に解決するならばたいへんけっこうでございますし、同時に、そういうことを私どもは期待しておる次第でございます。
  45. 横川正市

    委員長横川正市君) 政務次官、問題の焦点はやはりあなたのほうにありますよ。風致地底を解除したということは、工場認可が適法だということになってきたわけですね。一体これはどういうふうに始末をつけますか。——工場認可が適法だということではないでしょう、事実上、いままでの結果から見ると。これをどうとってみても。これは建設省東京都との関係ではどういうふうに始末をつけますか。
  46. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 建築基準法上すでに去年の十一月に工場は建ててよろしいという状態になったわけでございます。したがいまして、その上に立ってものを考えていかなければならないと思っております。そういう関係から、あとは、日立のほうから入っておる誓約書にもありますように、地元との関係で円満に解決つけていくということが残された方法であろうというふうに考えておる次第でございまして……。
  47. 横川正市

    委員長横川正市君) 議会意思はそこになかったのですよ。議会意思は、風致地域とそれから準工業二重指定地域に生コンクリートのような工場が建つことは、これは適法じゃないという考え方だったのです、満場一致で。
  48. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) これは、都の知事が、規程の三条ただし書きによって、一応どういう理由があったにしろ、ただし書きを適用しまして認めた事実があるわけでございます。
  49. 横川正市

    委員長横川正市君) 間違いは間違いとして正さなきゃならないでしょう。あなたのほうは行政上の指導的な立場に立っているので、都が行なった間違いを認めて、それを適法にするというばかな話がありますか。なぜ間違いを正さないのですか。
  50. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) その点につきましては、この風致地区行政自体を都知事に委任しておりますので、やはり都知事の良識ある判断というものを一応尊重してかからなきゃならぬというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
  51. 横川正市

    委員長横川正市君) そういうのは、あなたのほうが指導というものを間違ったことになるでしょう。
  52. 相澤重明

    相澤重明君 これは、局長答弁はその域を出ないと思うけれども、先日は、自治省から、マンモス東京都政についてどうすればいいかということについてもいろいろ意見が出ているでしょう。それを、ただ、都道府県知事に権限があるものについて、権限があるからということで無条件というわけには、それはいかぬわけで、都道府県知事だからといって無条件というわけにはいかない。やはり、国の行政指導というものがあるわけです。それが、いまみんなが心配をしていることじゃないか。そういう面で、先ほども話の出ておるように、二重指定自体が問題になっておったのであるから、こういう点については、やはり適法化するということも政府としては一つの面ではあると思う、面ではあるけれども地域住民の意思というものは全く行政上に反映をされないということは、これは許さるべきことではないわけです。ですから、昨年の十一月に建築許可を与えておるから、それで今度は風致地区を解除して適法化すということは、私はやっぱり本末転倒していると思う。そういうことについて、われわれ決算委員全部が現地調査をしたり、あるいは意見を出して、この問題については非常な関心を持っておる。事の小さいとか大きいとかいう問題ではない。国の行政というものは一体どこにあるのか、こういうところを本委員会で各委員から指摘をされておる。こういう点については、これは部市局長答弁だけでは、本委員会委員としては納得しませんよ。だから、それは納得できないということになってしまうから、少なくとも、政務次官だから、大臣とよく相談をして、やはりこの問題については、先ほども誓約書もあるということですが、とにかく十分慎重に審議をして、それで、そういうことを議会からあまり文句言われないようにやるだけの努力をしなきゃいかぬと思います。ですから、地域住民の意見を尊重して、そしてまた、政府の行政指導が適切に行なわれるようにしなければ、これはもうこの問題は幾らたっても残ってしまう。  今後の問題は、先ほど私が申し上げましたように、そういう問題についてはどうするかということが出ておるのだから、それはそれとして、本件については、少なくとも、地域住民のそういう問題を建設省として、建設省はこうありたいという意見というものを出しておる以上は、それに東京都が合うような答弁ができるような時期まで、私はやはり推移を見守ってやる必要があると思う。建設省もそういうふうにしなければいかぬと思う。そういうことで、きょうの委員会では最終結論にならぬと思うんです。だから、最終結論にはならぬけれども、そういうような行政上の指導というものは、私どもとしては、やはり委員会として重大な関心を持たざるを得ないと思う。その結果また報告してもらうことになると思うんです。きょうは、委員長が先ほどお話しになっておるように、どうするかといったところで、政務次官だけでこれは確かにきめられない問題だと思う。思うけれども、少なくとも、そういう院の意思というものを十分尊重されて、そして関係者がよく相談をして、その結果についてまた報告してもらう、こういうように私はしてもらいたいと思う。そうでないと、ただ局長の言われておるように、建築基準法に基づきまして工場を建てるのは適法でございます、というようなことを言ったって、だれが納得しますか。そういうことでなく、もっとやはり政治的な感覚を持たないと、これはもうこの委員会が、満場一致、それは政府のやっておることはけしからぬ、こうなってしまう。だから、そういう点については、私も含みのあることばを申し上げておるのだから、十分よく相談して、後刻委員会報告するという考えでいってもらいたいと思うが、政務次官、どうですか。
  53. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) ただいまの相澤委員のお説ごもっともでございまして、やはり、まだ東京都といたしましても、日立の生コン工場の設置せられまする地元住民との円満解決も完全にできておらないようでありまして、その面につきましても、私たちもまだ調査が不十分であるのじゃないかと、こう考えますので、後日にひとつお譲りを願いたいと思います。
  54. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、本件についてはこの程度でとどめておきます。  私からも強く要望しておきますが、小さい問題でありましても、私は、地域住民の立場というものが守られるということでなければ、本件の円満解決というものはあり得ないと思いますので、この点で、建設省東京都との間に十分協議をして、次期委員会では、質問に対して完全なお答えができるように、また、委員各位が納得するように協議をされるように要望いたしまして、善処方をお願いいたしたいと思います。  それでは、本件については、この程度にとどめて、次回に譲りたいと思います。   —————————————
  55. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、横浜市における接収施設早期解除に関する件について調査を進めます。  相澤委員より発言を求められておりますので、これを許します。相澤君。
  56. 相澤重明

    相澤重明君 私は、前回、十月の十七日の日に、私の希望だけ申し上げて、本日は答弁をしてもらう、その答弁の中で私が若干御質疑をするということで、横浜議会意見書というものが出されておるが、これを参考に申し上げておくから、よく関係省検討をして本日答弁を願うということになっておるので、さきに私の申し上げたことについて答弁をしてもらいたい。
  57. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまの相澤先生の御要求につきましてお答えをいたしますが、その前に一言お許しをいただきます。  私、先般、防衛施設庁長官を命ぜられましたものでございます。微力でございますけれども、全力をあげまして努力いたしたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。  お尋ねの、横浜市内にあります各種の接収施設、接収地区の解除促進についての問題でございますが、横浜議会から私どものほうへは、十月に横浜市内の接収解除促進に関する意見書というものの御提出がございました。よく拝見いたしました。この問題につきましては、かねてから横浜市当局からもいろいろお申し入れがございまして、市当局とはもちろん、また、米軍あるいはその他関係各省庁ともいろいろ協議を重ねてきた事柄でございます。ただ、非常に困難な問題でございまして、まだ解決の見通しはついていないのでございます。その状況を申し上げますならば、横浜市内における接収というものが、戦後非常に大きなものがあったわけでございますが、逐次解除、返還せられまして、今日も相当残っておりますが、かつてと比べますならば、大幅に縮小されておると思います。さらに、残っておりますものの中から、住宅地区をはじめ数件につきまして解除方を申し入れてきているわけでございます。その御要望の御趣旨といいますか、内容といいますか、ごもっともであるということも考えます。と同時に、また、現在のそういう提供施設がどのように使われておるかということにつきまして、私ども、いろいろと調査検討もいたしておるのでありますが、現在の米軍の使用の目的あるいは使用の状況というものについては、おおむね必要のものが必要なほうに使われておるというふうに判断をいたしております。こういうようなことから、米軍側と内折衝をいたしましても、米軍としてはいま返すわけにはいかない、私どもも無条件で返せということは言えないというように考えておるわけであります。いろいろ話を詰めてまいりますると、ほとんどすべてのものは、米軍としては他に適当な代替施設が提供されるならば現在のところは移ってもよろしい、このような見解に立っておるわけであります。結局、地元の御要望をいれ、また米軍に対する提供ということの必要性を考えましたときに、これらの大きな、また多くの施設を他へ移すという問題が出てくるわけであります。そうなりますると、これを移す先の用地の問題あるいは膨大な資金についての負担関係、その他いろいろむずかしい問題がございまして、現在の段階におきましては、あるいは比較的簡単に片づく小さい問題もないわけではございませんけれども、大部分の問題は、いまなお横浜市当局、米軍関係者、また関係各庁との間でいろいろ協議検討を続けておる、こういう段階にございます。  個々の施設につきましてどういう状況かどいうお尋ねでございますれば、あらためて申し上げますが、現在のこの問題の概要は以上のとおりでございます。御報告申し上げます。
  58. 相澤重明

    相澤重明君 今の長官のお話でございますが、私はやっぱり政府に接収解除の問題についての熱意が足りないのじゃないかと思う。それは、終戦後、横浜市ならば横浜市は復興建設会議というものを設けて、接収解除の促進に当たってまいったわけでありますが、そのときに、政府としても、講和後における接収地の処理問題に対する要望書というものについては、十分善処することを約束しておるわけです。それで、関係者協議をして、できるだけ早く処理をするということになっておったのに、現実にそれが進んでおらない。まず第一点はここに私は問題があると思う。  それで、一体、政府がこの接収解除の問題について進めることについて関係者との協議をすることになっておるのに、いままでそういうことが比較的政府の部内だけにおいて私は取り扱われてきたのじゃないか、そういう感を深くするわけです。そういう点について、これから具体的に、まあ私はいま横浜市の問題を取り上げて言っておるのだけれども、全国の中でも基地を提供しておるところはたくさんあるわけですね。そういう問題について、やはり関係者協議をする、そうして、先ほどのお話のように、代替地ができるならば米軍としても必ずしもこだわってはいないということになっているにもかかわらず、そういうことが進められていないというところに今回の問題がやっぱり私は出てきたと思う。こういう点を今後どうするか。つまり、関係者とそういう点をまず第一に基本的に協議を進めて、そうして日米合同委員会にも反映をさせるようにしていくのかどうか、政府の考え方を聞いている。ただ政府の中だけで、自分だけでひとりよがりのことをやっても何にもならぬわけですね。そういう点については、防衛施設庁としてはどうするのか、そのことをまず先に聞いておきたい。
  59. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまお話しの点はごもっともでございます。私どもとしましても、従来特に一番の責任官庁でありまする横浜市のほうとは常に接触、折衝は続けてきたわけでございます。ただ、実際問題といたしまして、なかなかむずかしい問題でございますることと、また見通しがはっきりしないというような点から、横浜市当局におかれましても、必ずしもすべての問題について明確なる一つの見通しと申しまするか、計画と申しまするか、こういうものが立っていないような部分もあろうかと思うのであります。そういうようなことがございまして、私どもいろいろお話し合いをしておりますけれども、具体的には、たとえば、道路の用地をさいてほしいというようなお話ははっきりしておるのでありますが、大きな千五百戸の住宅を移すか移さないか、あるいは十万坪の倉庫用地をどうするかというようなことになりますると、横浜市当局としてもいい知恵がないようであります。私どもとしては、御相談はしながら、何とか解決の道はないかという努力はしているのでありますけれども、結局、帰するところは、やはり代替地あるいはその予算措置、資金の負担というような問題について、まだいずれも、特に横浜市におかれましても、いろいろ御研究中のようであります。私ども、話が進展しない状況にあるわけであります。しかしながら、今後ともこまかい問題について、具体的な問題についてよくお話し合いを進めてまいりたいと考えております。
  60. 相澤重明

    相澤重明君 長官は、きょう初めて出てきての答弁だから、若干本委員会における私の長い間の池田総理とのやりとりの経過を知らぬから、そういう答弁をしているのだけれども地元横浜市がいい知恵がないなんというようなことはない。あるのです。現に、政府もその計画を持っているじゃないですか。運輸省の港湾局長、瑞穂地帯におけるところの埋め立て計画というものは、運輸省は立てておったか、立てておらなかったか。
  61. 比田正

    説明員比田正君) 瑞穂地帯と申しますと、ただいま米軍が接収いたしております地帯でございますが、その裏側を埋め立ていたしますれば岸壁ができるという余地はございます。しかしながら、いろいろ港湾の管理者でありますところの横浜市当局とも従来から相談いたしましたけれども、このピアそのものが非常に旧式なものでございまして、現在のように陸上交通と密接に連結するためには、その連絡路がほとんどふさがれているわけでございます。したがいまして、いま米軍が使っております程度のバースを海上に持つことによって、うしろの鉄道との連絡、あるいは道路の連絡がかろうじてなされているという状態でございまして、ここを埋め立てまして拡張いたしましても、現在のような陸上交通のひんぱんなときには役に立たないということでありますので、従来は、古くから瑞穂地帯の裏側の埋め立て計画がございましたけれども、そこに岩壁をつくりますことは、ただいまの状況ではあまり実効はあがらないという状態になりまして、他の地点に拡張したほうがよろしいだろうというのが、ただいまの市並びに運輸省の共通の見解でございます。
  62. 相澤重明

    相澤重明君 これは、港湾局長はすでに四万八千坪の埋め立てをしていることは知っているのですね。その第二次計画を、その隣に十万坪ぐらい埋め立てをすれば、先ほど長官が言うように、散在をしている問題についてはこれは解決するのだ、いまの鉄道やあるいは道路や、あるいは交通の問題を考えても、そんなむずかしい話じゃないわけです。神奈川区というのは、横浜市の中でも中心地なんです。幾らでもそこに散在しているものを集めれば集まるのです。そういう計画を運輸省は持っておったのです。持っておったのを、ただ、予算がないか、画計がずさんであったのかどうかしらぬが、いまの港湾局長の話では、どうも交通上なかなか不便だから他に適当なところを見つけたいという意見のようだが、私なんか横浜にいるんだから一番よくわかる。だから、長官の言う適当ないい知恵がないとか、あるいはいい場所がないということではなくて、政府自身が、いままでもう四万八千坪の埋め立てをやって、その隣に十万坪の埋め立てをすれば、小さいものは全部集結することはできる、そういう計画をいままで立てておったのじゃないか。それはどういうことなんですか。運輸省としては、大蔵省から予算が出ないということなのか、それとも、運輸省自体がこの計画をいわゆる変えなければならぬという理由は、単に交通上の問題だけなのか、その点をひとつ聞いておきたい。
  63. 比田正

    説明員比田正君) ただいまの問題でございますけれども横浜港は、接収されました当時におきましては、三十バース終戦直後は接収されたのでございますが、その後逐次返還されまして、ただいまは八バースだけでございます。その八バースがどこにございますかといいますと、ただいま御指摘の瑞穂の中に七バース、それから新港岸壁と称するところに一バースでございます。したがいまして、私どもとしましては、いま申し上げたような状態にありますから、瑞穂だけに固まってもらいたい、したがいまして、新港のほうは返してもらいたいと思っておるのでございます。したがいまして、この交渉を続けている最中でございます。横浜港内は狭うございまして、ただいま申し上げたように、将来拡張の余地がございます。現にいろいろ拡張計画もやっております。新山下の岸壁も十バースございまして、いま着工しておりますけれども、これらは駐留軍に使ってもらうような場所でございませんから、日本側がフルに使いますと、むしろ八バースを減らしまして七バースにして、一バースだけセンター・ピヤーに飛び離れておるところは返してもらうという考えでただいま交渉をずっと続けておるわけであります。したがいまして、瑞穂に新しい土地を日本の金でつくって、それで新港のほうに移っていただこうというふうには考えておりません。
  64. 相澤重明

    相澤重明君 これは、新港だけの問題ではなくて、私から前回横浜議会意見書の中に書かれておることを読み上げて、そうしてこれこれのこういう具体的な問題について政府としてはどうするか、こういう点を時間があるから十分討議をして次回に報告しろと、こういうふうに言っておるわけです。ですから、いまの計画について変更をしたというならば、他にそれだけのものを収容できるやはり規模を持つものを考えていかなければならぬわけです。それでなければ、幾ら先ほど長官が言ったところで、一生懸命やりますと言ったところで、具体的には何ら進展しないでしょう。だから、他に適当なものを政府が考えておるのかどうか、その点はどうなんですか。
  65. 比田正

    説明員比田正君) 横浜港内におきましては、ただいま防衛施設庁長官から御説明がありましたように、まだ米軍はかなり使っております。したがいまして、これを全部取り除くことはできませんので、いま申し上げましたように、瑞穂だけでがまんできないかということでございまして、その他の分、これからできる余地はございますけれども、これは、金はかかりますけれども、たいへんいい場所なんでございます。したがいまして、日本の外国貿易とか国内貿易の横浜港本来の目的に使いたいと思いまして、そういう計画は持ち合わせてございます。また、それを推進いたしておりますけれども、駐留軍のほうにお使いいただく分に対しましては、増設を考え、また移設することはございません。これから移設しようという場所はわれわれが使いたいところでございます。横浜港内で論ずるならば、いまの瑞穂町を使っていただくのが、片すみに偏しておりますけれども、日本側としては都合がいいという工合に考えております。
  66. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、長官どうですか。いま、港湾局長が言うように、やはり一カ所に、できるだけ散在をしておるものを集めるということについては異論がないと思うのですね。そこで、日本側でもいわゆる外資をできるだけ多く獲得するということも、これは日本の産業上非常に大事なことであって、横浜港の主体的な条件は、貿易関係に使うということについては異議がないと思う。そこで、いまの港湾局長の言うように、できるだけ瑞穂地帯に私は集結するように地元横浜市と協議をして、そうして進めてもらいたい。ただ、そこで問題になるのは、このことは決してなまやさしい仕事じゃないから、相当なやはり決意を必要とすると思うのです。米軍側にやはりそのことを率直に言わなければ、なかなかこれは了解されないと思うのです。そこで、日米合同委員会の中にそういう問題について出す意思があるかないか、こういう点、やはり大事なことだから長官に聞いておきたいのだが、長官どうですか。
  67. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまお話しのように、米軍施設がなるべく集中、集約されて、ある地点に集まるということはお互いに都合のいいことであります。ただ問題は、これははなはだ私申しにくいのでございますが、米軍としては、代替施設が提供されるならば移ろうという気はあるわけでありますが、私どものほうでその代替施設を整備して提供するだけの準備が実はなかなかできないわけでございます。これは御承知のとおりでございまして、予算の問題になるわけでありますが、そういうような点から、したいと思いながらなかなか思うようにいっていない、何か方法はないかということで苦慮をしておる、こういう事情でございます。
  68. 相澤重明

    相澤重明君 こういう事情だといって、その事情だけではちっとも進展しないというのですよ。それを日米合同委員会の中に持ち出して、日本側はこう考える、したがってその代替地をつくることは考える、というのは、日本側ではどのくらいの予算規模でこういうことをやっていけばできると思うということが確信がつかなければ、これはできないわけですね、話は。そういう問題について、少なくとも終戦後から、先ほど冒頭に申し上げましたように、政府自体が接収解除の問題は進めておるにもかかわらず、いまだにできないということは、やはりそういう基本的な考え方が欠けておるからだと私は思うのです。  そこで、今までのことを言ってもしようがないから、これから一日も早く要望にこたえて解決のできるようにするには、これから横浜市とあなたが率直に相談をして、そうして政府の中では、大蔵省なり、あるいは運輸省なり、自治省なり、建設省なり、関係省とやはりそういう点をしぼっていかなかなければならない。そうでなければ、私は仕事は進まないと思うのです。そういう点について、長官は、新年度の予算というものもいまもう組んでおるのですから、いよいよ通常国会にわれわれに提案してくるのだから、その中で、こういう問題について具体的に作業を進めていくお考えなのか、それとも、やはりむずかしい、むずかしい、と、大きいことだからなかなかどうもいかぬ、というようなことなのか、その決意のほどを聞いておきたい。その決意がなければ、いくら質問してみたところで、やれといったところで、できるものではない。長官はどう考えますか。
  69. 小野裕

    説明員(小野裕君) まあ、私いたずらに強がりと申しますか、あるいは楽観的なことを申し上げるというわけにもまいりません。ほんとのことを申し上げますと、まあ片づく問題もあろうかと思いますが、なかなか片づかない問題もあると考えております。しかし、そのままでいいものではないのでございまして、今後、関係各省はもちろんであります、また地元の御協力と申しますか、御配慮と申しますか、こうしたことについても、こまかくもう少し話をいたしまして、できるものから片づけてまいりたい、このように考えております。
  70. 相澤重明

    相澤重明君 のらくら談議になっても話にならないから……。とにかく、やるということについては、意思が、私どもこの全員が出席しておって、長官もやりたいという気持についてはわかった。やりたいということは、具体的にやらなければ、やりたいということにならない。そこで、そういう点について横浜市と相談をするというふうに私は理解をする。そういうことで、横浜市も、接収解除委員会というのが、どういうものをつくるのかしらぬけれども、そういうものをつくって、やはり積極的に進めていかなければ、私はやりたいという意思にはならぬと思うのです。そういうものをやっていくというお考えがありますか。
  71. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまのところでは、委員会というような形のものは考えておりませんけれども横浜市におけるこの種の仕事の担当責任者との間で常時連絡をとっております。会合なり、協議なりは続けております。この形は今後も一そう強力に続けてまいりたいと考えております。
  72. 相澤重明

    相澤重明君 これは、施設庁が単に連絡をするだけでは意味ないのです。そうでしょう。政府が終戦後に特に接収解除の問題について内閣で相談したことは意味ないです。連絡ということでなくて、そういうものをどんどん協議をして、具体的に進めていく、そうでなければ、当委員会に対する答弁にならぬよ。いままでの歴代の施設庁長官なり、あるいは防衛庁長官が本院で言っていることには、あなたのいまの答弁のような形にはならぬ。私はまさかそういうことではないと思う。いままでの歴代長官なり防衛庁長官なりの意思をあなたも継いでやっていくことだし、特に今日の時点になれば、接収というものも一日も早く解除してもらうというのが本旨であると思うのですよ。そういう意味で具体的に、私は単に連絡というだけではなくて、やはり関係者と仮称接収解除委員会というのかどうかしらぬが、とにかく名目のいかんにかかわらず、実効のあがるように私は進めてもらいたいと思う。そういうことを、これは従来であればこの騒音、いわゆる爆音対策等の問題は、内閣でも官房副長官が担当しておった、そういうような問題もあるので、とにかく接収解除の問題については、あなたが中心になって進めていかなければだれもやるものはない、各省それぞれ持っているのだから。そういう点であなたが中心になってその関係市や県とやはり具体的に作業を進めていく、こういうお答えをもらわけなれば、やるなんということには私はならぬと思う。そういう点はどうなんですか。連絡だけのものなのか、それとも具体的にそういうことを進めるという考えなのか。
  73. 小野裕

    説明員(小野裕君) 政府部内におきましては、ただいまお話がありましたように、官房副長官、内閣審議室、この面におきまして、ときおりといいますか、常時こうした連絡をとりながら解決策を相談はいたしております。それから市当局との関係も、先ほど申し上げたとおりでありますが、たとえば一、二の問題につきましては、一つの例をとりますならば、道路の拡張にあたって、提供施設の一部を削ってくれないかというようなお話もございます。こうした点については、ほぼまとめるところまでまいっております。それから、あるいは区画整理のために返還を要求しておられるものに国有地、しかも国有の建物のままで提供してあるような部分もございます。その相当の部分をどいてくれというお話もあります。国有地で、しかも国有の施設が、建物が建っておるものを、そっくりお前のほうでどけということはどうかということを市のほうといろいろお話をいたしまして、市のほうで、それじゃ、その引っ越しの予算を少し見ようかというようなお話まで実は進んでまいりました。ただ、いま市がお考えのそれだけのわずかの予算では片づかないので、まだいろいろ御相談をしておるというようなケースもあります。そういうように一つ一つのケースについて、やや具体的にお話し合いを進めておるということは、いま申し上げておるような状況でございます。
  74. 相澤重明

    相澤重明君 それでは具体的にひとつ聞いておこう。三十九年度に、いま政府は、こういう接収解除予算としてどのくらいあなたのほうでは要望したのですか。三十九年度の中にどのくらい要望しておるか。考え方でいい、実際作業が進んでいるのだから。
  75. 小野裕

    説明員(小野裕君) 私ども明年度の予算といたしまして、いま概算要求いたしております。いまお尋ねのような趣旨の予算は、横浜につきましては、横浜の住宅地区のリロケーション、移転という問題があります。その問題についての調査ということにつきまして、二千数百万円の予算要求をいたしております。
  76. 相澤重明

    相澤重明君 いませっかく話が出たから、この本牧等の住宅地の解除の予算が、調査費という形なんですね、いまのあなたのお話だと。これはすでに施設庁の中には、住宅専門部会というものを持っているでしょう。いままで持っておって作業を進めることになっておるのでしょう。それがいまだに調査費なんていう段階ですか。これじゃ少しも実際に移転させるなんということにはならぬでしょう。これは、私はまだいまわれわれが国会で予算を提出をしてもらっているわけじゃありませんから、私もとやかく言いませんが、むしろ私は住宅専門部会というものが政府の中にあるんだから、それでもうすでに調査はできておるはずなんであるから、具体的に予算をつけるということにならなければ、私は住宅の移転なんというものはできるものじゃないと思う。そういう点については、少し考えが違うんじゃないか。住宅専門部会というものは持っていないのかいるのか、どうなんですか。
  77. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまの住宅移転についての専門委員会というようなものはまだできておりません。ただ実際には、一つの研究といいますか、調査班といいますか、作業班といいますか、そういう形で施設特別委員会の命を受けまして、そうした問題についての調査をするという機構はございます。この点は日米合同でやっておるわけでありますが、まだ十分な進行を見ておりません。
  78. 相澤重明

    相澤重明君 これはあとでそれでは速記録を調べて、私のほうからまた質問をするけれども、これはすでにいままでの何回もの本決算委員会で取り上げた中で、そういう専門部会を持つということになっておる。それを持っていないということは、やっぱり防衛庁なり施設庁は実際に作業をおろそかにしておるということになるわけですね。これはいずれあと決算委員会の議事録の中で出てくるが、それをやっていないことに対しては、事務当局のそれは実際に責任の問題ですよ。だからこそ、いまごろになってから、この二千八百万の調査費をつけるんだなんというようなことで、何が進むことになるか。これはしかし、いまかりに私がここでおこってみたって仕方がないが、いままでの何回もの委員会で、そういうふうなことは進められることになって、少なくともことしの四月以降は、そういう具体的ないわゆる住宅専門部会において、どこの地域をどうするということは進めることになっておるんだ。そういうふうなことをいままでやってないなんというのは、全くもうけしからぬ話だ、それは。ですから、そういう点については早急に、これは長官、新しくあなたも赴任した以上は、やはりこういうことを積極的に進めていくのがあなたの仕事なんだから、これはひとつ私は厳重にあなたに申し上げておきます。やってもらいたいと思う。そこでたとえば、本年当初において、本牧地帯の住宅の解除について計画性を持って発表されておるわけですね。そういうことはまだないのか。それは長官は聞いていないのか、皆目見当がついていないのか。
  79. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまのお尋ねの中で専門の部会とか委員会とか、そういうのをやっておらぬのはけしからぬというお話がございましたが、そういう形のものではございませんが、先ほど申し上げましたように、ワーキング・グループと言っておりますが、作業班というような形で、これは施設特別委員会の膝下において、いろいろ調査研究をしておる、こういうことはあるのでございまして、それは先ほど申し上げたとおりでございます。  なお、これからの移転計画等について、計画的に進めていくようななにがあったというお話がございましたが、この点につきましては、そういうようなグループの中で、現在あります、かりに千五百戸なら千五百戸をどういうふうに移すことが可能かというようなことで、机上のいろいろ検討はある程度進んでおるわけであります。これは何と申しますか、まだ机上の問題でございまして、現実にさらにこれを具体化するとなれば、いろいろ設計の問題からまた予算の問題、いろいろ出てくるわけであります。そうした問題については、まだ進行していない、こう申し上げたわけでございます。
  80. 相澤重明

    相澤重明君 そのいまのような答弁では、私のいままで何回もやったことが、全く新長官には十分反映をしていないということで、まことに遺憾です。そういうことでこれからひとつ積極的に、いま申し上げたようなことを進めてもらいたい。それが一つ。  それから具体的な本牧等の住宅地の解除の問題であるとか、あるいは富岡地区の埋め立て計画との関連をした国と地方自治との関係、あるいはまた、ミルクプラントとか、いろいろな冷蔵庫の移転等の問題も、さきに私がもう書類を提出してありますから、そういうことについて、きょうはほんとうは具体的に説明を求めたかったのでありますが、今のような形でこれはできないわけですね。そこで、書類をもってあとでいま少し具体的にどうするかということを相談をして、そして当委員会のほうへ提出をしてもらいたい。  それからその次には、日米合同委員会で、すでにこういう問題については、先ほども長官の答弁がありましたように、いろいろ相談はしているわけですよ、これは実際に。だから日米合同委員会相談をしておることを、できれば日本側の主張について、アメリカ側がどういう点に難色があるのか、あるいはまた合意に達したのか、そういう点についても経過報告を、次の機会に文書で報告してもらいたい。  それから建設省がおりますから、自治省それから小野長官と一緒に答弁してもらいたいのは、一級国道の十五号線というのがある。これについてのいわゆる拡幅等が行なわれておるわけでありますが、これらの予算的な問題はどうするのか。単に地方自治体に何でも金をかけて君のほうでひとつどけてくれ、あと道路を作るのはおれのほうだけでやるというのであっては、私はいけないと思う、国道に関する限り。で、十五号線について、具体的にどういうふうに横浜市と折衝をして、それで予算の裏づけをしてやったのか。きょう答弁ができなかったら、これも文書であと報告してもらいたい。答弁できたらひとつ答弁してもらいたい。
  81. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 道路の拡幅の問題でございますが、これは横浜市では、お手元に資料をお配りしてございますように、接収解除地の区画整理事業を行なっております。この接収解除地の区画整理に取り上げておりますのは四十七万坪、そのうちに接収解除地が二十四万坪見込まれておったのであります。それを岡野地区、関外地区、東神奈川地区と三つの地区に分けまして区画整理をやることにいたしまして、この区画整理によって動いておるわけであります。ここの中で、岡野地区、関外地区については区画整理がしてありますが、東神奈川地区につきましては、先ほどお話のあったミルクプラントであるとか、あるいは雑図書を入れる倉庫であるとか、そういうものは接収が解除にならないで今日に至っておりますので、区画整理事業がおくれておるわけであります。この区画整理事業は来年度には完成したいということで、ミルクプラントなり倉庫の取り扱いにつきましては、市あるいは防衛施設庁等と相談いたしておるわけでありますが、区画整理事業でこの建物を動かして道をあけるということでありますれば、これは区画整理事業の施行者から費用を出さなければならないということになるわけであります。これにつきましては、国は区画整理法の定めるところによりまして、二分の一の負担金を横浜市に交付いたしておるような次第でございます。
  82. 相澤重明

    相澤重明君 私はやはりそこに問題があると思うのですね、区画整理事業としてやらせるのだから、国は二分の一だけで、あと地元でやれ、こういうことをいっておるわけでありますが、国道というものの考え方が、私は、あまりにも一方的に区画整理事業というものに押しつけられていくことになる。だから国道というものの意味がなくなってしまうと私は思う。そればかりでなくて、いままでも長い間接収されておるのだから、地方にすれば、どれだけ多くの損害を与えているかわからないわけですね、国道について政府がやるのなら、政府自身が金を持つのがほんとうの私は行き方じゃないかと思う。それを区画整理事業でやらせるんだからということで、そういう理屈をつけても、私はそれではちっとも地方自治体を育てることにはならないと思うのですね。ですから、もっと国道というものに対する建設省考えというものをはっきりして、いままで接収されておるそういう自治体に積極的に私はやはり国の予算というものは出してやるよろにしなければいけないと思うのですよ。それでなければ、何も県道であろうと市道であろうといいわけですね。特に一番重要な一級国道をつくっておきながら、国道を拡幅したいけれども、その中に接収の建物があるから、それをどけるのは区画整理事業でやりなさい、これは地方自治体が負担するのだ、そういうことはいけないのですね。そういう点はどうなんですか。
  83. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 地方自治体単独で拡幅するには、法律の定めるところによりまして、四分の三を国が負担して、四分の一は地元負担ということでやっております。ただ区画整理の区域内におきましては、国道もありますし、それから地方道も入っておるわけであります。そういうものも込みにいたしまして、全部につきまして二分の一を国が負担をしておる。国道の部分とその他の部分と分けて計算するということは、区画整理事業の性質上できませんから、込みにして、全体にして負担をしておるということでございます。
  84. 相澤重明

    相澤重明君 そういうことは込みにしなくていいんだよ。込みにするから予算というものを削ることになってしまう。国道という定義でいくんです。そういう定義でひとつやるように、これは河野建設大臣にそういう連絡をとっていま一回検討してもらいたい。  それから、この間も国鉄の鶴見事故がありましたね。あの鶴見事故の遠因がどうなっておるかということはいま探求して、きょうも実は運輸委員会をやっておるわけです。ところが、同じ時間に決算委員会が開かれてしまったから私はこちらに来てしまったわけです。国道の反町の青木橋の所が、ガス管の猛烈な燥発によって、そして国鉄の貨車輸送というものが実際に何日もとまってしまったわけですよ。そのために、今度は貨車を通すために輸送力を早く増強しなければならぬという若干私はダイヤ上の無理もあったと思う。だから、これは私ども運輸委員の者も先日、選挙中にもかかわらず、現地を調査をしたわけです。そういう点についても、国道というものはいかに大事であるかということは、やはりだれしもがみな考えていることなんですね。そうすると、いま言った地方道も入っておるから込みにしちゃってなんということを言わないで、やはり国道というものを考えて私はこれは進めるべきではないだろうかと、こう思うのです。その点は、すでに進んでおるからなかなか困難だということは答弁したいだろうけれども、私はそういうことはあまり気にする必要はないと思う。国道の定義でいくならこれはできるはずですから、そういうことでやってもらいたい。しかし、私がここでどうこうといろことでなくて、行政者であるあなた方が地方自治体と相談をして、できるだけのそういうことをしなければ、接収解除を一方においては進めると言ってもそれはできないことだ。金がない。今度国道を拡幅するといっても、国の予算をできるだけ切り詰めてしまって、それを込みにして地方に多く負担しろといっても、これは少し考え方が違うんじゃないかと思うのですが、こういう点については、政務次官答弁のほうがいいと思うのですが、政務次官、どうですか。
  85. 鴨田宗一

    説明員鴨田宗一君) 全国的な問題もございますので、ひとつよく考慮して、また法律を検討いたしたいと思います。
  86. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、そういうことを十分考慮してもらうということでよく折衝をして下さい。  それから、時間の関係でできるだけはしょっていきますが、私は大蔵省の関係者にちょっと聞いておきたいのですが、こういう接収解除をした場合の予算のつけ方というものが非常に問題だと思うのですがね。たとえば代々木のワシントン・ハイツの移転についても、相当な国費を投入しておりますね。したがって、やり方によっては、十分に地域住民あるいは地方自治体の人にも御協力をいただけると私は思うのですよ。来年のオリンピックを前にして、ワシントン・ハイツについては、非常に精力的に大蔵省自体も施設庁に協力しておるわけですね。そういう点について、大蔵省としてはいまの接収解除の問題について予算的に積極的に進めていく考えがあるのかどうか。これはやっぱり大事なところだからひとつ政務次官のほうから聞いておきたいと思う。
  87. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 解除の問題につきましては、私ども十分なる熱意を持ってありますので、予算編成に際しましては、十分考究してまいりたいと思っております。
  88. 相澤重明

    相澤重明君 それからいま一つは、基地を提供しておるところに基地交付金がありますね。ことしは幾ら全国に交付したんですか。基地交付金は総額は幾ら。
  89. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 今年度におきましては、十二億、総額でのぼっております。
  90. 相澤重明

    相澤重明君 これは、昨年予算編成のときに、私どもが全国の基地を持っておる地方自治体の都道府県知事あるいは市長、こういう人たちと実は合同会議を持ったわけです。その合同会議を持ったときに、少なくとも十四億なくてはいけないと、大蔵省も実は最初はそれでいいといっていた。ところが、予算編成の過程で、前の年が十億だったからことしは二億ぐらいふやしてという、どんぶり勘定なんです。十億の前は六億であった。こういうような全国からの要求に基づいて年々ふやしてきたんだけれども、それがなかなか要求どおりいかないということで、昨年は十二億になった。いまの交付しておるのは、ことしは幾らかやっぱりふやすというお考えを持っておるのかどうか、三十九年度では。それから基地交付金の査定ですね、基準。これは一体どういうふうにしておるのか、そういう点についてひとつ御答弁いただきたいと思う。
  91. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 交付金につきましては、御承知のように、固定資産税の見返り財源といったふうな意味ではないのでありまして、米軍がおったことに伴う財政需要というものをにらみ合わせて考究するということでございまして、来年度どの程度になるかということにつきましては、近く予算編成も現実に始まりますので、その際に米軍がおることに伴う財政需要はどういうふうに変わっていくか、そういうことと十分見合いながら慎重に検討してまいりたい、かように考えておる次第であります。
  92. 相澤重明

    相澤重明君 大蔵省でそういうふうに慎重にといったととろで、これはやはり固定資産税に見合うという問題について、私はやっぱり地方自治体としてはなかなか大きな問題だと思うんですよ。接収が解除されておればそれだけその土地は効果的に利用できるんですからね。ですから、そういう問題でやはり全国の基地を持っておる、そういう自治体の意見というものは十分尊重して、大蔵省はやっぱり予算を組まなきゃいけないと思うんです。ですから、その点はまた私どもも資料がもうできておりますから、いずれ政府と交渉しますけれども、そういう点についてひとつきょうはお帰りになったら田中大蔵大臣によく相談してもらいたい。  そこで、自治省は一体そういう都道府県を持っておるんですが、自治省はどういうふうにお考えになっていますか。
  93. 細郷道一

    説明員細郷道一君) 基地所在の市町村につきましては、すでにお話の出ておりますように、広大な地域が基地となって使用されているといったことに伴います税の減収、またはその特殊な財政需要といったことから、私どもといたしましても、これに対して何らかの措置が要るというふうに考えまして、昭和三十二年以来、最初は五億、次いで十億、そして十二億というふうに漸次増額をしてまいったのでございますが、なお、これら市町村の実態にかんがみまして、私どもといたしまして、明年度におきましては、総額十五億円に増額すべきではなかろうかというようなことで、ただいま大蔵省とせっかく交渉しているような段階でございます。
  94. 相澤重明

    相澤重明君 それから最後に一つ、横浜の上瀬谷の電波障害の問題というのは、内閣でもだいぶ議論をしたり、取り上げたところですが、その後上瀬谷の電波問題については、具体的な解決ができているのかおらないのか、それはどういうふうになっているのか、経過をひとつ説明してもらいたい。私の質問は、これで一応きょうは終わります。
  95. 小野裕

    説明員(小野裕君) ただいまお尋ねの上瀬谷の制限地区と申しまするか、電波障害を防止するための指定区域でございますが、これについては、地元といろいろお話し合いをいたしまして、大部分の方には御了承をいただき、その旨一種の不作為義務の特別の御契約を終わっております。一部の方、およそ一割程度かと思います、一割程度の方については、実はそういう御了承をいただけませんので、いまいろいろ御説得、お話し合いを続けている、こういう状況でございます。
  96. 相澤重明

    相澤重明君 それから第一ゾーン、第二ゾーン、第三ゾーンとあります。そういう問題について、一昨年以来、急激に昨年にこれは解決したことなのですが、まだいまの御答弁では解決しておらないところもある、こういうのでありますから、どういう点がまだ未解決なのか、解決したのはどういうふうに支払をしているのか、こういう点について文書で報告してもらいたい。  以上をもってきょうは、時間の関係で一応終了したいと思いますが、各政府関係者がきょう出席しておりますから、この基地問題というのは非常に大きな問題ですから、政府としてすみやかに関係省がよく打ち合わせて、次の特別国会なり、通常国会の中で十分その意に沿えるようにひとつ努力していただきたい、こういうことを要望して、私の質問は終わります。
  97. 横川正市

    委員長横川正市君) 他に御発言ございませんか。——ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十八分散会