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1963-06-29 第43回国会 参議院 本会議 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年六月二十九日(土曜日)    午前一時九分開議   ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十九号   昭和三十八年六月二十九日    午前一時開議  第一 千九百六十二年の国際小麦   協定の締結について承認を求め   るの件  第二 日本国とアメリカ合衆国と   の間の領事条約締結について   承認を求めるの件  第三 海外移住事業団法案内閣   提出衆議院送付)  第四 近畿圏整備法案内閣提出、   衆議院送付)  第五 金融緊急措置令を廃止する   法律案内閣提出衆議院送付)  第六 公衆電気通信法及び有線電   気通信法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第七 法務省設置法等の一部を改   正する法律案内閣提出、衆議   院送付)  第八 中小企業基本法案内閣提   出、衆議院送付)  第九 中小企業指導法案内閣提   出、衆議院送付)  第一〇 中小企業信用保険法の一   部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第一一 中小企業等協同組合法等   の一部を改正する法律案内閣   提出衆議院送付)  第一二 下請代金支払遅延等防止   法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  第一三 港則法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  第一四 刑事事件における第三者   所有物没収手続に関する応急   措置法案内閣提出、衆議院送   付)   ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程順序を変更し、日程第四   を議題とすることの動議  一、この際職業安定法及び緊急失業   対策法の一部を改正する法律案に   つき社会労働委員長中間報告を   求めることの動議議題とするこ   との動議  一、社会労働委員会において審査中   の職業安定法及び緊急失業対策法   の一部を改正する法律案について   速かに社会労働委員長中間報告   を求めることの動議  一、議長不信任決議案  一、職業安定法及び緊急失業対策法   の一部を改正する法律案中間報   告  一、社会労働委員長から中間報告が   あつた職業安定法及び緊急失業対   策法の一部を改正する法律案は、   七月五日までに社会労働委員会で   審査を了することの動議  一、社会労働委員長から中間報告が   あつた職業安定法及び緊急失業対   策法の一部を改正する法律案は、   議院の会議において直ちに審議す   ることの動議   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。     ————————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  米田勲君から、賛成者を得て、  この際、日程順序を変更し、日程第四を議題とすることの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。  ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば、投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。——まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票を願います。——まだ御投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖いたします。   〔投票箱閉鎖
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。(議場騒然)   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  6. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百四十九票   白色票 四十二票   青色票 百七票  よって本動議は否決せられました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      四十二名       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    大矢  正君       北村  暢君    光村 甚助君       大河原一次君    藤田藤太郎君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       野上  元君    安田 敏雄君       千葉千代世君    永末 英一君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    森 元治郎君       向井 長年君    藤田  進君       亀田 得治君    田畑 金光君       天田 勝正君    米田  勲君       中田 吉雄君    中村 正雄君       松本治一郎君    曾禰  益君     —————————————  反対者青色票氏名      百七名       森 八三一君    渋谷 邦彦君       牛田  寛君    坪山 徳弥君       沢田 一精君    野知 浩之君       二木 謙吾君    大竹平八郎君       鈴木 一弘君    赤間 文三君       増原 恵吉君    鈴木 恭一君       森部 隆輔君    堀本 宜実君       上原 正吉君    小平 芳平君       河野 謙三君    三木與吉郎君       白木義一郎君    野田 俊作君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       石谷 憲男君    植垣弥一郎君       徳永 正利君    井川 伊平君       鹿島 俊雄君    仲原 善一君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       小林 英三君    平井 太郎君       井野 碩哉君    重政 庸徳君       日高 広為君    小西 英雄君       田中 啓一君    野上  進君       温水 三郎君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       剱木 亨弘君    梶原 茂嘉君       小林 武治君    高野 一夫君       吉武 恵市君    高橋  衛君       草葉 隆圓君    石原幹市郎君       小柳 牧衞君    小山邦太郎君       林屋亀次郎君    郡  祐一君       安井  謙君    高橋進太郎君       斎藤  昇君    野本 品吉君       長谷川 仁君    村山 道雄君       田中 清一君    佐野  廣君       後藤 義隆君    林田 正治君       横山 フク君    白井  勇君       村松 久義君    下村  定君       小沢久太郎君    ─────・─────
  7. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 草葉隆圓君外一名から、賛成者を得て、 (発言する者多く、議場騒然)  この際、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案につき、社会労働委員長中間報告を求めることの動議議題とすることの動議提出されました。  よって、この動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  8. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば、投票箱閉鎖いたします。——すみやかに御投票願います。——まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  9. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  10. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百八十二票  白色票 百二票  青色票 八十票  よって、この際、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案につき社会労働委員長中間報告を求めることの動議議題とすることに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百二名       森 八三一君    坪山 徳弥君       沢田 一精君    野知 浩之君       二木 謙吾君    赤間 文三君       増原 恵吉君    鈴木 恭一君       森部 隆輔君    堀本 宜実君       上原 正吉君    古池 信三君       松平 勇雄君    河野 謙三君       三木與吉郎君    野田 俊作君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       石谷 憲男君    植垣弥一郎君       徳永 正利君    井川 伊平君       鹿島 俊雄君    仲原 善一君       中野 文門君    豊田 雅孝君       天坊 裕彦君    竹中 恒夫君       西田 信一君    村上 春藏君       館  哲二君    佐藤 芳男君       青柳 秀夫君    平島 敏夫君       鍋島 直紹君    堀  末治君       藤野 繁雄君    新谷寅三郎君       西郷吉之助君    紅露 みつ君       木内 四郎君    杉原 荒太君       田中 茂穂君    井野 碩哉君       重政 庸徳君    日高 広為君       小西 英雄君    田中 啓一君       野上  進君    温水 三郎君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       剱木 亨弘君    梶原 茂嘉君       小林 武治君    高野 一夫君       吉武 恵市君    高橋  衛君       草葉 隆圓君    石原幹市郎君       小柳 牧衞君    小山邦太郎君       林屋亀次郎君    郡  祐一君       安井  謙君    斎藤  昇君       野本 品吉君    長谷川 仁君       村山 道雄君    田中 清一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       白井  勇君    村松 久義君       下村  定君    小沢久太郎君     —————————————  反対者青色票氏名      八十名       渋谷 邦彦君    牛田  寛君       林   塩君    鈴木 一弘君       市川 房枝君    二宮 文造君       小平 芳平君    白木義一郎君       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    大矢  正君       北村  暢君    伊藤 顕道君       光村 甚助君    大河原一次君       岡  三郎君    大倉 精一君       松澤 兼人君    藤田藤太郎君       中村 順造君    田中  一君       木村禧八郎君    阿部 竹松君       戸叶  武君    久保  等君       岩間 正男君    須藤 五郎君       野坂 參三君    鈴木 市藏君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       高山 恒雄君    野上  元君       安田 敏雄君    千葉千代世君       山本伊三郎君    永末 英一君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    鈴木  壽君       森 元治郎君    田上 松衞君       向井 長年君    永岡 光治君       藤田  進君    亀田 得治君       加瀬  完君    阿具根 登君       近藤 信一君    田畑 金光君       天田 勝正君    米田  勲君       成瀬 幡治君    小酒井義男君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       中村 正雄君    椿  繁夫君       大和 与一君    岡田 宗司君       野溝  勝君    松本治一郎君       千葉  信君    曾禰  益君    ─────・─────
  11. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 中間報告を求めることの動議議題といたします。  中間報告を求めることの動議に対し質疑の通告がございますが、鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、  本動議に対する質疑討論その他の発言時間は、一人十分に制限することの動議提出されました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。  ただいま行なわれております投票は、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば、投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。——まだ御投票なさらない諸君はすみやかに御投票下さい。——まだ御投票なさらない諸君はすみやかに御投票下さい。すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  13. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  14. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百八十六票  白色票 百九票  青色票 七十七票  よって、中間報告を求めることの動議に対する質疑討論その他の発言は、一人十分に制限することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百九名       森 八三一君    坪山 徳弥君       沢田 一精君    野知 浩之君       二木 謙吾君    大竹平八郎君       鳥畠徳次郎君    赤間 文三君       加賀山之雄君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       古池 信三君    松平 勇雄君       河野 謙三君    三木與吉郎君       野田 俊作君    笹森 順造君       中上川アキ君    北口 龍徳君       山崎  斉君    丸茂 重貞君       栗原 祐幸君    熊谷太三郎君       久保 勘一君    川野 三暁君       亀井  光君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       西川甚五郎君    井野 碩哉君       重政 庸徳君    日高 広為君       小西 英雄君    田中 啓一君       野上  進君    温水 三郎君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    迫水 久常君       斎藤  昇君    野本 品吉君       長谷川 仁君    村山 道雄君       田中 清一君    佐野  廣君       後藤 義隆君    林田 正治君       横山 フク君    白井  勇君       村松 久義君    下村  定君       小沢久太郎君     —————————————  反対者青色票氏名      七十七名       渋谷 邦彦君    牛田  寛君       林   塩君    石田 次男君       鈴木 一弘君    市川 房枝君       二宮 文造君    小平 芳平君       白木義一郎君    辻  武寿君       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    大矢  正君       北村  暢君    伊藤 顕道君       光村 甚助君    岡  三郎君       大倉 精一君    松澤 兼人君       藤田藤太郎君    木村禧八郎君       戸叶  武君    久保  等君       岩間 正男君    須藤 五郎君       野坂 參三君    鈴木 市藏君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       高山 恒雄君    野上  元君       安田 敏雄君    千葉千代世君       山本伊三郎君    永末 英一君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    鈴木  壽君       森 元治郎君    田上 松衞君       向井 長年君    永岡 光治君       藤田  進君    亀田 得治君       加瀬  完君    阿具根 登君       近藤 信一君    田畑 金光君       天田 勝正君    米田  勲君       成瀬 幡治君    小酒井義男君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       椿  繁夫君    大和 与一君       岡田 宗司君    野溝  勝君       松本治一郎君    千葉  信君       曾禰  益君    ─────・─────
  15. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて二時間休憩いたします。   午前三時休憩    ————————   午前五時二十一分開議
  16. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  岡田宗司君外一名から、委員会審査省略要求書を付して、  議長不信任決議案提出されました。  お諮りいたします。議長不信任決議案は、発議者要求のとおり、委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 御異議ないと認めます。よって、本案議題といたします。  鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、  本案議事における趣旨説明質疑討論その他の発言時間は、一人十分に制限することの動議提出されました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  18. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。  ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。(拍手、発言する者多く、議場騒然)時間が参りますれば、投票箱閉鎖いたします。——すみやかに御投票願います。——まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——また投票をなさらない方は、すみやかに御投票下さい。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖いたします。   〔投票箱閉鎖
  19. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) これより開票いたします。投票参事計算いたさせます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  20. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 投票漏れはございませんか。    〔「あるじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然、聴取不能〕
  21. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百六十五票  白色票 九十…票  青色票 ……  よって……(議場騒然、聴取不能)  投票漏れはございませんかと申しましたのは取り消します。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      九十六名       坪山 徳弥君    沢田 一精君       野知 浩之君    二木 謙吾君       赤間 文三君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    古池 信三君       松平 勇雄君    三木與吉郎君       野田 俊作君    笹森 順造君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       亀井  光君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       西川甚五郎君    日高 広為君       田中 啓一君    野上  進君       温水 三郎君    岸田 幸雄君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    迫水 久常君       斎藤  昇君    野本 品吉君       長谷川 仁君    村山 道雄君       田中 清一君    佐野  廣君       後藤 義隆君    林田 正治君       横山 フク君    白井  勇君       村松 久義君    小沢久太郎君     —————————————  反対者青色票氏名      六十九名       渋谷 邦彦君    牛田  寛君       林   塩君    石田 次男君       小平 芳平君    白木義一郎君       辻  武寿君    小宮市太郎君       矢山 有作君    野々山一三君       柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君       稲葉 誠一君    吉田忠三郎君       渡辺 勘吉君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    大矢  正君       北村  暢君    伊藤 顕道君       光村 甚助君    大河原一次君       岡  三郎君    大倉 精一君       松澤 兼人君    藤田藤太郎君       中村 順造君    木村禧八郎君       戸叶  武君    久保  等君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       高山 恒雄君    野上  元君       安田 敏雄君    千葉千代世君       山本伊三郎君    永末 英一君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    鈴木  壽君       田上 松衞君    向井 長年君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    近藤 信一君       田畑 金光君    米田  勲君       成瀬 幡治君    中田 吉雄君       小酒井義男君    藤原 道子君       村尾 重雄君    椿  繁夫君       大和 与一君    岡田 宗司君       千葉  信君    羽生 三七君       曾禰  益君    ─────・─────
  22. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) これより発議者の趣旨説明を求めます。岡田宗司君。   〔岡田宗司登壇、拍手〕
  23. 岡田宗司

    岡田宗司君 私は成規の賛成者を得まして、ここに、議長宗雄三君の不信任決議案を提出するものであります。  まず、決議案の本文並びにその理由を朗読いたします。   以上が決議案の本文並びにその理由でございます。(拍手)  私は、この不信任決議案につきまして、さらに、これを提出するに至らなければならなかった理由等につきまして、少しくここに述べたいと存ずるのであります。  議長宗雄三君は、明治二十七年二月山口県岩国市岩国に生まれ、東京工業大学附属工業高等学校電気科を卒業され、大正八年五月渡米、欧米各国の工業界を視察し、大正十年帰朝されたのであります。そして、福島県棚倉電気株式会社、特許権保有株式会社、明電商事株式会社、重宗産業株式会社、株式会社明雄社、明電水晶株式会社等の取締役社長を歴任し、現在は株式会社明電舎取締役社長であり、わが国電気工業界の発展のために尽されたその重鎮の一人でございます。財界においてきわめて重きをなしておる一人であるとも言えるのであります。  また、その政治歴についても、昭和二十一年には、旧貴族院に勅選議員として議席を得られました。次いで、新憲法が発布され参議院が作られますや、昭和二十二年四月全国区から当選をされ、さらにそれより、二十五年、三十一年、三十七年と連続当選されまして、実に戦後十七年の長きにわたって長い政治歴を持っておられるのであります。そうして昭和二十八年五月には参議院副議長に、三十四年四月には第二次岸内閣の運輸大臣に指名されておるのであります。また、同年十月、参議院自由民主党の議員会長となり、三十七年七月の選挙の後、同年八月、議長に当選されておるのであります。  かように、重宗雄三君は、まことにりっぱな政治経歴を持っておるのであります。重宗雄三君は、参議院議員としてのみならず、日本の政界における最も有力なる一員であり、私の最も尊敬する政治家の一人であったのであります。  重宗雄三君が議長になられますや、私は、重宗雄三議長が参議院の議長といたしまして、参議院のあり方というものに新しい道を開かれ、そして参議院が日本の政治の最高の機関の一つとしてりっぱな働きをするように、いろいろと措置をされるものと、ひそかに喜んでおったのでございます。ところが、昨年の末の国会におきまして、石炭関係の四つの法律案提出されました際に、ちょうど今日と同じように、自民党はこの四つの法案の成立を急ぎ、そして多数の力にものを言わせまして中間報告を求め、そしてしゃにむにこれを通そうとしたのであります。この際に重宗議長のとりました措置というものは、私が重宗議長に対しまして持っておりましたところの尊敬期待を裏切ったのでございます。そして、重宗雄三議長は、この参議院の議事をりっぱに進めてそして参議院の権威を重からしむるどころか、前議長と同じように、参議院のあり方につきまして就任早数カ月以内に汚点を残すようなことをされたのであります。このとき以来、私は、重宗雄三議長に対して持っておりましたところの尊敬の念を失わざるを得ないことをまことに残念に存じたのでございます。(拍手)しかしながら、重宗雄三議長は、政治家としてりっぱな経歴を持ち、そして聡明な方でございますので、自分の失策に気づかれまして、今後は、参議院の議事につきましても公平なる立場をもって、そして昨年の暮れの議会において議長が犯されました失策過誤を当然是正されまして、りっぱな議長としての職責を将来に向かって尽くされるものと存じておりました。  しかるに、昨日の本会議におきまして重宗雄三議長のとりました態度というものにつきまして、私はまたもや失望を感じ、このまま議長の職責にとどまっておられますならば、いよいよ参議院の、日本の憲法に定められました政治の最高機関としての機能を麻痺させるのではないか、傷つけるのではないか、これをおそれまして、あえてここに重宗雄三議長の不信任案を提出いたしました。そして院議をもってその退任を求める決意をいたした次第でございます。  重宗議長は、なぜかようなことをされたのでございましょうか。私は、議長というものは現在の日本の政界におきましては非常に重大な職責を持つものであると存ずるのであります。国会法第十九条におきまして、「各議院の議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する。」とございます。憲法に定められました国の最高機関を代表するものでありまして、その地位は、私をして言わしめれば、内閣総理大臣の上にあるものと言わなければなりません。そうして、議長は、この国の最高の政治機関の秩序を保持し、そうして、そこにおいて行なわれますところの諸般の議事を整理するという重要な任務を果たさなければならぬのであります。との議長の三つの重要なる職責のうち、「議事を整理し、」というのは一体どういうことでございましょうか。
  24. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田宗司君、時間が参りました。
  25. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) 議事を整理するというのは、議事を、本会議におきまして事務総長から出されます紙っ切れを、眠そうな声を出しまして読みまして、そうして機械的に議事を進めていくということを意味するのではないのであります。この議事を整理するということは、本院が行ないますところの諸般の議事を円滑に進めまして、そうして国の政治に寄与し、そうしてここにおいて、たとえば、りっぱな法律案をスムーズに作らせることにあると思うのであります。これは民主主義政治の上におきまして最も重要な事柄でありまして、そうして、議長はその心がけをもって常に臨んでいなければならぬのであります。単なる事務総長の紙切れを読み上げる機械であってはならないのであります。この「議事を整理し、」という場合におきましては、たとえば、与野党が衝突をいたしまして議事が混乱をするような事態は往々予想されるのであります。その際に、議長は、あるいは議運の、あるいは議事協議会の、あるいは事務総長の進言、補佐を得まして、円滑に議事を進めるように、ときにはあっせんをし、ときには調停を試み、ときには議長みづからの判断によって事を行なう必要があるのであります。
  26. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田宗司君、時間が超過いたしております。
  27. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) ただ、議長が「議事を整理し、」ということのうちに、あるいは議事協議会の議が合わないときに、議長がみずからの判断をもって議事を進めるということの中に、私は、単に議長職権をもって本会議を開き、そうして、しゃにむに多数党の横暴を許すということが、これが議長のみずからの裁断による議事の進め方であるとは存じないのでございます。かくのごときことは、かえって議事を混乱に陥れ、そうして議事の整理と相反する結果を来たすことになるのでございます。特に、今回の自民党の試みようとする、中間報告を求め、これをしゃにむに押し切ろうといたしますことは、国会法あるいは参議院規則に背反するものであると言わなければなりません。
  28. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田宗司君、簡単に願います。
  29. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) 国会法五十六条の三には、「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」とあります。「委員会の審査中」ということが書いてあるのであります。しかしながら、社労委員会におきまして、はたして審査が行なわれておったでありましょうか。この委員会に議案が付託をされたことをもって審査中であるという、はなはだしいこじつけの解釈が行なわれておりますけれども、これは参議院規則三十九条にある「委員会は、議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」、これと抵触するのであります。
  30. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田宗司君、時間が超過いたしております。降壇願います。
  31. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) 「議案の趣旨について説明を聴いた後」ということは、審査に入るということは、つまり政府の提案趣旨の説明の行なわれましたあと、この審査に入るわけでありまして、すなわち議員の質疑が行なわれて初めて審査に入ったものと言わなければなりません。(拍手)しかるに、何ら審査が、この意味における審査が行なわれないのにかかわりませず、ただ委員会に付議されたから審査されておるのだというがごとき、はなはだ不条理なる解釈をもって中間報告を求めるがごときは、まことに規則に相反する横暴なる措置と言わなければならぬのであります。(拍手)ところが……
  32. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田宗司君、降壇願います。
  33. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) 議長は、それにもかかわりませず、この不条理にして、参議院規則第三十九条に定められたところに相反するのにもかかわりませず、この中間報告を求める動議を簡単に受理いたしまして、そして機械的に議場に諮るような措置を講じたということは、これは国会法第十九条の「議事を整理し」に相反するものと言わなければなりません。議長の職責を尽くさざること、はなはだしきものと言わねばならぬのであります。もしかくのごとき先例が開かれ、そして、これからかくのごときことがしばしば行なわれるに至りましては、議会の機能はこれによりまして傷つけられ、民主主義の根本はくつがえされることになるのであります。  私どもは、ここにおきまして、議長の職責を欠くことはなはだ大なりと認めるのであります。したがって、かくのごとき職責をわきまえないところの議長にいつまでもその職にとどまってもらいますことは、これは私ども日本の議会政治を、いよいよ機能を麻痺させ、そして民主主義の最高の府でなくなすものであると考えなければなりません。われわれは、かような観点からいたしまして、この際直ちに議長をやめていただきまして、他の適任者を議長に選ばなければならないと痛感する次第でございます。私どもは……
  34. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田宗司君、降壇を命じます。    〔岡田宗司君「今日ここに議長の不信任案を提出いたしまして、日本の議会政治のために重宗雄三君の退陣をあえて求める次第でございます。個人として識見にすぐれておりまして、私の尊敬する議長ではございましたけれども、やむを得ず、ここに私は不信任案を提出いたしまして、皆さんの御賛同を求める次第でございます。何とぞ皆様方慎重審議をされまして、すみやかにこの議長不信任案を通過せしめられんことを切にお願いをいたしまして、私の趣旨弁明を終わることといたす次第でございます」と述ぶ。拍手〕
  35. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 質疑の通告がございます。順次発言を許します。加瀬完君。   〔加瀬完君登壇、拍手〕
  36. 加瀬完

    加瀬完君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案をされました重宗議長不信任案について、若干の質疑を試みるものでございます。  提案者も御提示になりましたが、国会法第十九条によれば、「各議院の議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、……、議院を代表する。」と規定されております。ただいまの不信任の御提案は、時間の制約がきびしいためか、必ずしもこれらに触れての説明が十分ではございません。前条に照らしまして、特に次の点において議長として不適格である理由をさらに十分に御説明を願いたいのでございます。  質問の第一点は、重宗議長不信任の理由は、院の秩序を保持できないということであるのか、この点であります。そこで、提案者に詳しく伺いたいのでありますが、議長における院の秩序の保持のうち、重要点の一つは、国会法第五十五条による、「議長は、議事日程を定め、予めこれを議院に報告する。」とありますとおり、あらかじめ報告された議事日程を忠実に進行するよう努力を傾けることが大切であり、かつ議長の職責であると思いますが、この責任を果たしておらないということでございますか、この点をまず伺います。  次に、「常任委員会は、……付託された案件を審査する。」と、これまた国会法に明記をされておりますが、数日来の社会労働委員会は、当然、付託案件は、先着上程の順に審査をさるべきであるにもかかわらず、現在審査中のものをそのままにして、特殊な法案を、委員会の話し合いを待たず、一会派の党略的立場で先行させるがごときは、国会法がきめる委員長の委員会の議事整理の権限、秩序保持の義務をも全く抹殺することでありまして、このようなことがたびたび繰り返されますことは、委員会審議重視の新国会法の無視じゅうりんともなるのであります。(拍手)重宗雄三氏は、このような事態に無理押しをする会派の長老でもあり、かつ、院の秩序保持の責任者である議長でもあります。普通ならば調停あっせんの労をまずとるべきでありますのに、何ら解決の手段を講ぜられぬということは、議長として、はなはだしく適正を欠くということでありますのか。これらにつきまして、さらにただいまの御説明に加えて詳細に承りたいのでございます。  質問の第二点は、「議長は、……議院を代表する。」とありますが、この代表制をはなはだしく欠くという点を問題にはしておりませんかどうかということでございます。議長は議院を代表しているのでありまして、自由民主党の代表ではございません。ましてや、何会派の代弁者であってはならないはずであります。しかるに、累次の中間報告、徹夜国会は、はたして議院の意思でございましょうか。最後は多数派の横暴が、かりに通されるといたしましても、議長は、当然、院の秩序のためにも、参議院の名誉のためにも、院の代表者といたしまして、国民に立法府の良識を示すべきでありましょう。重宗議長はこの責任を果たしておられますか、この点の説明をさらに伺いたいのであります。  次に、議長の党籍の問題であります。院の代表者であるからには、公平であり、公正であり、見識を持たなければならないはずであります。昨今のごとく、会派、派閥の抗争激烈な議会の中におきまして、一党、一派をおくめんもなくさらけ出して、はたして公正が期し得られるのでありましょうか。公平な運営が期待できるのでございましょうか。もし一党一派に偏しておりましても差しつかえない、こういう態度をお持ちであるならば、重宗雄三議長の議会人としての見識を私どもは疑わざるを得ないのでございます。この点、議長の党籍、さらに、議長としてはいかにあるべきかの考え方、態度の点等、不信任の重要要件とはならなかったのかを伺います。  質問の第三点は、中間報告の取り扱いの問題であります。国会法四十一条は、「常任委員会は……その部門に属する議案、請願等を審査する。」しかも、同法第四十七条は、常任委員会は、「会期中に限り、付託された案件を審査する。」、こうございます。しかも、中間報告は、委員会の審査中の案件について可能なはずであります。ここに問題があります。その一つは、常任委員長が審査を要求しておるにもかかわらず、審査をさせずに、中間報告という形で取り上げた点であります。国会法第四十一条の違反といわれても仕方がないのではございませんが。その二つは、常任委員会は、会期中は付託案件を審議する権利があるはずであります。会期を余すこと週日にいたしまして委員会審議をとめることは、国会運営の正常化とは逆でございます。その三は、中間報告は委員会の審査中の案件でなければなりません。提案者も御指摘のとおり、失対法は、提案理由の説明はありましたけれども、審議には入っておりません。明らかに今回の場合は国会法五十六条の三には該当いたしません。このように、国会法を無視するといいますか、国会法を読みとれないといいますか、こういう点に重宗議長の不信任の理由はなかったのか、さらに御説明をいただきたいのでございます。  質問の第四点は、法案審議の内容であります。われわれが法案を議決いたしますならば、案は直ちに法となりまして効力を生じ、国民のすべてに大きな義務を課し、時によりましては権利に制約を与えることは、各位御承知のとおりであります。したがいまして、国会の責任、議員の義務は、十二分に法案の内容に審議を尽くすことでございます。議長は、ずさんな審議にこそ指導助言を加うべきでありまして、法案審議を未熟のうちに本会議に移す等は、断じてとるべき方法ではございません。しかも、このたびの社会労働委員会の委員長の招集に与党が参加しないのであります。委員長は審議を拒否しておるわけではございません。不信任理由の内容には、これらの点、すなわち、議長の審議軽視がとがめられておりますかどうか、さらに詳しく御説明を承ります。(拍手)   〔岡田宗司登壇、拍手〕
  37. 岡田宗司

    岡田宗司君 ただいまの加瀬完君の御質問に対しましてお答えをいたします。  議長があらかじめ議事日程を議院に知らせまして、そうしてそれに従って事を運んでいくということは、当然の職責であろうと思うのでございます。そして、あるいは議運、あるいは議事協議会等におきまして、十分に各会派から出ておりますそれらの人々が話し合いをし、そして円満に議事を行なうことが、またこれは大切なことであろと思うのであります。議長はそのために努力をしなければならないものと思うのであります。しかるにもかかわりませず、今日かようなことが起こり、突如としてこの本会議中間報告を求めてくる議が動議として提出されまして、そうしてそのために異常なる議事が行なわれるということは、まことに遺憾のことである、これは議長みずからの職責を尽くすことに十分でなかったといわなければならぬのでございます。で、議長といたしましては、私はただこの議長席に着いて、事務総長の出しました紙を読み上げて議事の整理をはかるだけが、議長の任務だとは思いません。特に混乱をすることが予見されます場合には、やはりそれぞれの会派の代表の意見を聞き、そしてまた、議長はあっせんを試みるならばあっせんをいたしまして、そうして成規の通常の手続によって議事を進めるように心がけるのが、第一の任務だと思うのであります。したがって、議長も、私は、ときにはこの本会議議長席以外のところに、あるいは公的の場所でなく、場合によれば私的なる話し合い等もなさるべきものと思うのであります。それが議事を円満に進行させるに役立つならば、それを行なわれることが至当であろうと思うのであります。それでこそ議長は、絵にかいた議長でなく、ロボットの議長でなく、生きた議長になるものと存ずるのであります。  次に、常任委員会につきましてでございますが、常任委員会はやはりいろいろ議案が付託されております。そしてその議案は、通常私は、順序に従いまして、つまり付託されました順に従いまして、これを審議していくのが、通常のやり方であろうと思うのであります。もちろん例外もございましょう。その例外はよほど緊急な場合のことであり、そして、これは委員会における各委員の合意あるいは理事の合意によりまして、そしてそれを先に回すというような場合には、これは早くからかかっておりましたものを差しおきまして、緊急に先に審議をするということもよかろうと思うのでありますけれども、それを、何ら明確なる理由もなく、ある会派の理事が多数を背景にいたしまして、横車的に自分たちが早く通そうとする議案の先議をしいるというがごときことは、これは委員会の秩序を乱すことになるのであります。そして、かくのごときことが行なわれて、それを議長が何ら報告も受けず、あるいはそれらが議場の混乱を来たす源になることを知りながら、その自己の会派の、自己の属する会派の方面において、そういう無理押しが押されることに対して、何らかの措置を講じないということは、やはり議長といたしましては、その職責に欠けるところがあるのではないかと、こういうふうに思います。議長は調停あっせんをすべき場合もあるのでありまして、もちろん年がら年じゅう調停あっせんをする必要もないでございましょうけれども、混乱が予想されるという、これが院の秩序を乱すような原因になるというような場合におきましては、みずから進んで調停あっせんをすべきではないかと思うのでございます。  次に、議長は、議院を代表するもので、会派を代表するものではないじゃないか、こういう御質問がございましたが、全くそのとおりでございます。議長はなるほどここで選挙され、満場一致で選挙されないで、ある多数会派とそれに同調する者の投票によりましてここに議長として選ばれましても、それは決してその会派の議長ではないのであります。議院の議長でございます。したがって、議院全体を代表するものであり、その議事を規則に従って公平に進めていく、これが任務であろうと思うのであります。ところが、その場合に、私どもが前から、議長、副議長は党籍を離脱することをしばしば要求して参りました。そのことは、議長が議院を代表するという場合に、ある会派に所属しておるよりも、むしろその会派を、議長の間、去りまして、そうしていかなる会派にも属さない立場にあることが、もっとよく議院を代表し、そしてまた、そのほうが議事の公平を期する上に役に立つ。つまり、会派の議決あるいは会派の動向に拘束されない立場にあることのほうが、議長としての職責を果たすことができると考えるからでございます。しかしながら、現実の問題といたしまして、なかなか議長は党籍を離脱いたしません。しかし、議長の心得といたしましては、よしんば党籍を離脱しなくても、議院の代表でございますから、したがって、会派の立場を離れ、会派の立場に拘束されないという心がまえをもって臨み、そういうふうに行動することが、議長としてりっぱな態度であろうと思うのであります。ところが、重宗議長は、どうも今回のことを見ますというと、自民党が中間報告を求めた、しかも、前例のない、委員会において何ら審査中でない法案につきまして中間報告を求めてきておるにもかかわりませず、これについて何らあっせんをすることもしない、また、この自民党の行ないます横車に対しまして、自分の属している会派であるから、本来ならばそういうことをたしなめて、かような院の秩序を乱り、そうして国会法や参議院規則をじゅうりんするようなことをさせないように努むべきにかかわりませず、これを許すということは、結局、議長が、一会派の横車に押され、それに従っていることを証明するものでございまして、私は、これは議院を代表するという点に欠けるところがあると、こう考えるものでございます。  それからなお、中間報告の取り扱い方でございますが、先ほどから、私も申し上げましたし、加瀬君からも御指摘がありましたように、委員会で審査中とは申せないのでございます。委員会におきまして政府が提案理由を説明したから審査中であるというがごときは、こじつけもはなはだしいものと言わなければなりません。私は、もしこういう解釈がそのまま通るといたしますならば、また、ことに法律とか規則というものは、これは国民の信頼を得ることができないことになるのではないかと、こういうふうに考えるのであります。参議院規則三十九条に、「委員会は、議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」と書いてある。議案が付託されたということだけで、それだけでもって審査中であるというならば、「議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」——「後」というようなことはないはずであります。それから「審査に入る。」なんてことはないはずなんです。ところが、「説明を聴いた後、審査に入る。」
  38. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 岡田君、時間が参りました。
  39. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) こう書いてありますから、私どもは、今回の社会労働委員会においては、いまだ審査中であるとは申せないと思うのであります。その審査中でもないものを、審査中の法案として中間報告を求めるがごときは、この規則に反するものと言わなければなりません。その規則に反するものを議長が黙って取り上げて、そしてそれの横車を押し通すがごときことは、議長は一体、参議院規則を研究しておられるのか、しておられないのか、まことに疑わしいと思うのであります。私は、事務総長が補佐をしておる以上、知らないはずはないと思う。知らないといたしましたら、議長としての職責は勤まらぬ。知っていてやるとすれば、それこそ、なおさら悪いと言わなければならぬのであります。それが、ここに不信任案を提出したゆえんでございます。  こういうふうなことで、私どもは議長の不信任案を提出せざるを得なかったわけでございまして、以上、加瀬君の質問に対しましてお答えする次第でございます。(拍手)   —————————————
  40. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 小酒井義男君。   〔小酒井義男登壇、拍手〕
  41. 小酒井義男

    小酒井義男君 私は、ただいま議題となっております重宗議長不信任動議につきまして、提案者に若干の質問をいたしたいと思います。  重宗議長は、議長に就任されるまで、自由民主党の議員会長を勤めておられまして、まれにみる識見と統率力を持った指導者であったと思っておりました。かつて政防法なる悪法が国会に提案をされまして、院内外の反対の中で衆議院を通過し、本院に送付されました際にも、その処理を一歩誤りますなれば、民主政治の上に大きな汚点を残すことになったのであります。幸いにも、わが党の千葉会長との交渉を通じて、二回にわたってこれを継続審議とし、最後は、これが廃案となったのでありますが、この際、重宗議長のとられました態度は、非常に困難な周囲の情勢であるにもかかわらず、これを継続審議とすることにして、参議院が真に良識の府たるにふさわしい結果を見ることができたことは、皆さんの御記憶に新しいところであります。提案者も、当時を回顧されますならば、おそらく同感であろうと思います。党にあって議員会長という立場で、これだけの良識をもって参議院の権威を守ることに忠実であった重宗議長が、その後、議長の要職につかれることは当然であり、私は心から喜んでこれを歓迎をした一人であります。ところが、議員会長という立場でなく、議長としてさらに参議院全体の運営を公平に扱わなければならない立場になられて、今回のごとき、委員会においていまだ質問を行なわないうちにこれの中間報告をさせるというような扱いをされることについては、私は、従来の重宗議長を知っております上において、非常に不可解なものを感ずるのであります。提案者はそういう点について、いろいろ不信任動議をお出しになる上において、御研究になったと思うのでありますが、いかなる御感想をお持ちになっておるのか承りたいと思います。  次に、提案者にお尋ねをいたしたいことは、今回、本案件が社会労働委員会に上程をされましてからの委員会の経過の内容についてであります。私の調べたところによりますと、社会労働委員会委員長の手元に、去る二十七日の夕方、自由民主党の社会労働委員である徳永竹中高野丸茂山本鹿島俊雄横山亀井、加藤、紅露、以上の十委員の連名によって、二十八日午前十時から委員会を開催するようにという成規の要求が届いておるのであります。鈴木委員長はこれを受け入れて、二十八日の十時より委員長理事打合会を開くべく公報に掲載し、定刻に打ち合わせを行なう室で自由民主党の理事の出席を待っておったそうであります。ところが、自由民主党の理事諸君が姿を見せず、約二十分経過したころになって使いの者が来て、暫時開会を待つようにという連絡があり、そのまま委員長理事打合会は流会になったということであります。これが事実といたしますなれば、非常に先例のないことがやられたと言わざるを得ません。しかも、一回も質疑を行なうことなくして今回中間報告動議を出されてきたのでありますが、これらの委員会の中における経過について提案者はお調べになっておりますかどうか。私の申し上げておることが事実であるかどうかという点について、御回答が願いたいのであります。  次にお尋ねをいたしたいことは、当院におきましても、過去数回にわたって本会議中間報告を求めるの動議提出されておるのでありますが、私の記憶によりますると、今回のごとき方法をもって中間報告を求めてきたことはなかったと記憶をしております。提案者はこれらの点について、今までそういうことがあったかなかったかということと、参議院の開設以来、中間報告が求められた案件は、今までに何回ぐらいあったかどうかということについてお調べになっておれば承りたいと思います。  私は、自分の想像によりますると、重宗議長が今回のような行為をとられる一つの大きな原因は、提案者も言っておられますように、やはり議長の党籍離脱が問題であろうと思います。院の運営を公平に行なうべき議長が、一党の党籍を持つことは、これは機関の決定に拘束されることになることは必然であります。そうであっては公平な議事の運営を進めることはできないというふうに私は考えておるのでありますが、この機会に、さらに議長、副議長の党籍離脱を要求するべきであると私は考えますが、提案者はどのようにお考えになっておるか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。  最後にお尋ねをいたしたいことは、衆議院におきましても数日来議事の混乱を来たしておるのでありますが、その中において、清瀬議長は、内閣委員会の報告をされましたところの五つの法律案の中で、三件は委員会における審議不十分なりとして、これの差し戻しをやられたことは御承知のとおりであります。この衆議院の清瀬議長のとられた態度と、参議院においていまだ一回も質問を行なわないまま中間報告を求めようとする参議院議長のとられようとしておる態度との間には、非常に大きな相違があるように私は思います。参議院は、衆議院以上に慎重であらなければなりません。私どもは、それこそが参議院の任務であるというふうに考えておるものでありますが、この点について、提案者はどのようなお考えをお持ちになっておるか、率直な御意見をお聞かせ願いたいと思います。  以上をもって私の質問を終わります。(拍手)   〔岡田宗司登壇、拍手〕
  42. 岡田宗司

    岡田宗司君 ただいまの小酒井君の五点にわたる質問に対してお答えをいたします。  重宗雄三君が、自民党の議員会長といたしまして、政防法案が参議院に送付されましたときにとりました態度というものは、私どもも、まことに見上げたものである、非常に感心をしておったのであります。これが、私が重宗君に対しまして、りっぱな政治家として尊敬をする理由の一つでもあったのでございます。この重宗雄三君の政治家としてのりっぱな識見と態度というものが、重宗君を自民党においても重からしめ、そうして、自民党の会長あるいは運輸大臣、また、さらには参議院議長にせしめたものであると思うのであります。しかるに、昨年の暮れにおける石炭法案の上程の際にとられました態度、あるいは今回の場合を考えてみまして、どうしてかように変わられたのか、まことに私には理解ができないのでございます。本人の頭の中に入るわけにはいきませんので、どうも私は、どうしてそういうような変化が起こったのか、これをつまびらかにすることはできません。決して、お年のせいで、もうろくしたためだとは考えたくないのであります。また、自民党からの圧力でそうされたということになりまするというと、これは政防法のときに重宗議長がとりました態度とまことに違うので、はたして自民党の圧力が重宗議長をそうさしたのかどうか、これもどうも私は疑わしいと思うのであります。重宗議長は硬骨漢として聞こえた方でありまして、もし、そういうふうに露骨に、こうしてくれ、ああしてくれという圧力がかかってきたら、あるいは反発されたのではないかと思うのであります。昨今大へん気候が狂っております。そのために、人間というものは、どうも頭に影響を受けやすいのでありまして、こういうような事態があるいは影響を与えたんじゃないかとも考えられるのでありますけれども、それも、どうも私といたしましては、感想を申し上げれば少し失礼に当たると思うので、そうも考えたくないのでございます。そういたしますというと、結局私には、なぜ政防法案の際にとられました重宗議長の態度が今日かように変わられたかということを、不敏にいたしましてこれを分析することができない。これは、政治的分析に待つべきか、精神分析によるべきか、これさえも私にはわからないのでございまして、遺憾ながらこの点につきましては、小酒井君の質問に明確な御答弁をなし得ないことを、まことに残念に存ずるものでございます。  第二の御質問でございますが、今回の社労委員会の運営等につきましてでありますが、失対法等が衆議院を通過いたしまして参議院に送付され、そして社会労働委員会に付託をされました。政府側の提案趣旨の説明が行なわれたのであります。その後、これを先議せよという自民党側の主張と、それから、従来かかっておりました法律案等の審議を行なえというようなことで、いろいろと、もめておりましたことは私も承知しておりましたが、二十七日に、自民党の社労委員の方々が連署いたしまして、二十八日午前十時に委員会の開催を申し入れたということは、これは、文書にもはっきりと残されておりますとおり、明らかな事実でございます。そうして委員長は、その要求に基づきまして、二十八日午前十時に社労委の理事会を開き、十時半から社労委員会を開催するということを公報にもちゃんと載せているのであります。でありますから、委員長が理事会を十時に招集し、そうして自民党の要求ですから、自民党の社労委の理事の方々が現われることは当然のこととして、お待ちをしておったわけであります。それが、おいでにならない。そうして、ついに理事会も開かれず、委員会も開かれないことになったということは、一体、自民党の社労委の方々が何を考え、また、理事の方々が何を考えておるのか、どうも私どもには解しかねる面が多いのでございます。少なくとも委員会の運営は、単に社労委員長だけではなくて、やはりこの委員会の理事が議事の進行等につきまして委員長と相談をして取りきめをするということが、これはあたりまえのことであります。みずから理事会を開くこと、委員会を開くことを要求して、そうしてそれを捨てている。しかも、過半数を握っておる多数党の議員——過半数の議員を擁し、そして社労委におきましても過半数の委員を持ち、そうして理事会においても多数の理事を持っておる会派が、こういうような態度であるということは、これは委員会の運営ということをお考えになっておらぬか、まじめに考えておらないのか、あるいは、ためにするところがあって、かような態度をおとりになったのか、いずれかと存ずるのでありますが、社労委の理事の方々——自民党の理事の方々の従来のやり方を見ておりますれば、決して頭が狂っておるとか、あるいは急に頭が変になったとかいうふうには考えられないのであります。してみれば、どうしても何かためにするところがあって、かような態度をおとりになったと、つまり審議をすることに何かしら、この法案を審議をしていたらば、どうもこの法案が七月六日までの国会の会期中に上がらない、そこで審議に入ったらかえって自分たちの無理押しがきかなくなると、こういうようなことから、つまり多数を握りながら、委員会の審議も、本会議の審議も、これを十分に行なって通すという自信がないところから、あるいは何か策略を考えて、こういうことをされたのじゃないかと思うのでありまして、そうだといたしますならば、まことにだらしのない話であると同時に、議院の運営ということ、これを傷つけること、はなはだしいものと言わなければならぬと思うのであります。もしこのことから、委員会が——委員会はまあ開かれませんでしたが、中間報告が行なわれるようになり、そうして議事が混乱をするといたしますならば、その種をまいたものは——自民党の社労委の委員なり理事が、かようなことを一昨日やったということも、そうして、きのう出てこなかったということも、その一つの原因だろうと思うのでございます。まことに遺憾なことと言わなければなりませんと同時に、かような無責任な態度をとられましたことについては、十分に反省をしてもらわなければならないと存ずるのであります。  次に、参議院において過去何回中間報告が行なわれたかということの御質問でございましたが、私も長い間、参議院におりまして、何回かそういう場面に遭遇をしておりますが、この不信任案を提出する際に、その過去の事例につきましてまで調べることを怠りまして、今正確なお答えができないことをまことに残念に存じます。そこで過去、いかなる議案について中間報告が行なわれたかということにつきましては、これは議長のお許しを得まして、事務総長あるいは他の方に調べていただきましたものを報告さしていただきたいと存じます。ただ私の記憶におきましては、委員会におきまして何ら質疑を行なわれず、また審査中でない議案について中間報告が行なわれたことはないと、こういうふうに存じます。この点は明らかなことでございまして、自民党は今回全く悪い先例を開こうとしておるのでありまして、もしかようなことが先例になりまして、これからも行なわれるといたしますならば、それこそ院の機能はこれは傷つけられることはなはだしいものがある。そうして民主主義政治の一つの大きな柱である議会の運営ということが、またこれによって大きく傷つけられるだろうと存ずるのであります。  さらに、小酒井議員は……過日衆議院におきまして内閣委員会が五法案をしゃにむに無理な方法で通過をさせまして、本会議に付託させた、これもたいへんな問題になりましたが、その後、清瀬議長は、その委員会におきまして何ら質疑の行なわれません国民祝日等に関する議案その他二案を差し戻したのでございますが、これは当然なことであり、また、清瀬議長のとりました処置は、私はりっぱなことだと思うのであります。清瀬議長は、衆議院におきまして往々横暴の非難を受けております。また、従来その措置も私ども感心しないものが多かったのでございますけれども、今回清瀬議長が、内閣委員会がああいう無理な方法で、何ら質疑の行なわれませんでした、つまり、審議の行なわれませんでした法案が本会議に回されましたのを差し戻したということは、やはり清瀬議長がちゃんと国会法なり衆議院規則というものを守って、それを、あまりじゅうりんするようなことをしたのでは、やはり今後の運営に差しつかえがある、こう考えられたからであろうと思うのであります。これを今回の……。
  43. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 時間が参りました。
  44. 岡田宗司

    岡田宗司君(続) 重宗議長のとりました態度と比べますならば、まことに遺憾であると言わなければなりません。もし、重宗議長が、かような動議が、中間報告動議がなされましても、おそらくそれがなされるまでのいきさつはいろいろとお聞きなっていると思うのであります。つんぼさじきに置かれておったとは思わないのであります。そういたしますならば、その動議を取り上げるか、取り上げないかについて、政治的な判断をされることがしかるべきであった。そのためには、あの動議草葉隆圓君外から成規の手続をもって出されたといたしましても、まず休憩をいたしまして、そうしてこの中間報告を求むる動議の処置を適切にはかる、それがとるべき手段でなかったかと思うのでございますが、遺憾ながらそういう態度をとられなかったことは、先ほどから申し上げますように、議長といたしましての職責に欠けるところが大きい。これがやはり私どもが不信任案を提出したゆえんでございます。  以上、お答えを申し上げます。(拍手)    ————————
  45. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 鍋島直紹君外一名から、成規の賛成者を得て、  質疑終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  46. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票を願います。——すみやかに御投票願います。ただいま行なわれております投票は……(議場騒然制限いたします。……投票箱閉鎖いたします。——まだ投票されない諸君は、すみやかに御投票下さい。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  47. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  48. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百七十八票  白色票 百十四票  青色票 六十四票  よって質疑は終局することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百十四名       渋谷 邦彦君    牛田  寛君       坪山 徳弥君    沢田 一精君       石田 次男君    野知 浩之君       二木 謙吾君    鈴木 一弘君       鳥畠徳次郎君    赤間 文三君       加賀山之雄君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       古池 信三君    松平 勇雄君       二宮 文造君    小平 芳平君       三木與吉郎君    白木義一郎君       辻  武寿君    野田 俊作君       太田 正孝君    笹森 順造君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       石谷 憲男君    植垣弥一郎君       徳永 正利君    井川 伊平君       鹿島 俊雄君    仲原 善一君       中野 文門君    豊田 雅孝君       天坊 裕彦君    竹中 恒夫君       西田 信一君    村上 春藏君       山本 利壽君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       植竹 春彦君    黒川 武雄君       西川甚五郎君    日高 広為君       小西 英雄君    田中 啓一君       野上  進君    温水 三郎君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    迫水 久常君       斎藤  昇君    野本 品吉君       長谷川 仁君    村山 道雄君       田中 清一君    佐野  廣君       後藤 義隆君    林田 正治君       横山 フク君    白井  勇君       村松 久義君    下村  定君     —————————————  反対者青色票氏名      六十四名       林   塩君    河野 謙三君       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    北村  暢君       伊藤 顕道君    光村 甚助君       大河原一次君    岡  三郎君       大倉 精一君    松澤 兼人君       藤田藤太郎君    中村 順造君       木村禧八郎君    戸叶  武君       久保  等君    岩間 正男君       須藤 五郎君    野坂 參三君       鈴木 市藏君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       杉山善太郎君    高山 恒雄君       野上  元君    安田 敏雄君       千葉千代世君    山本伊三郎君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    田上 松衞君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    近藤 信一君       田畑 金光君    米田  勲君       成瀬 幡治君    中田 吉雄君       小酒井義男君    佐多 忠隆君       藤原 道子君    椿  繁夫君       大和 与一君    岡田 宗司君       千葉  信君    羽生 三七君    ─────・─────
  49. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。近藤信一君。   〔近藤信一登壇、拍手〕
  50. 近藤信一

    近藤信一君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました本院議長宗雄三君の不信任決議案に賛成討論をするものであります。  先ほど提案者も述べておられましたように、私は、重宗議長は尊敬する人の一人でもあるわけであります。この私が尊敬しているこの議長の不信任に賛成せねばならぬという私の立場は、まことに私は残念なことだと思うのであります。私がなぜ重宗議長を尊敬しているかというと、これは重宗議長は、昭和二十二年以来今日まで四回にわたって参議院議員として選ばれて参りました。さらに、重宗議長は多くの会社の重役をやっておられまするが、なかんずく明電舎の取締役社長をしておられます。この明電舎は、御承知のように、全国各地に工場がございまして、私どもの愛知県におきましても二つの工場があります。西尾市と西枇杷島のこの二カ所に明電舎の工場がございまして、そうして、ここの従業員諸君が労働組合を作っておりますので、私は常にその労働組合に行きまして、いろいろと重宗議長の話を聞くわけであります。昨年の参議院の選挙の際にも、この明電舎の労働組合の諸君が、やはり社長が立候補したからということで、まことに毎日一生懸命にこの参議院選挙の運動をやっておったのです。私は、従業員からも非常に慕われて、そうしてこの選挙をやられた重宗議長は、従業員としても非常に慕っている。いわゆる社長に対しまして非常な親しみをもって接しているようでもあります。このように私は聞いている。私どもが明電舎の労働組合によく行って話を聞きますることは、うちの社長は、われわれの要求は常に聞いてくれるし、まあ仏さんのような人だということを聞いているわけなんです。重宗議長の顔をつらつら見てみますると、やはり、なるほど仏のような顔をしているなと私は感ずるわけなんです。この重宗議長に対しまして不信任の賛成をせなければならぬことは、私には非常に残念だと思うのであります。特に、私が昭和二十八年初めて参議院に出て参りましたときに、そのときには本院の副議長に選任されたのであります。その当時にも、いろいろと国会が紛糾したことがあるのであります。いわゆる自治警察の廃止等で非常に国会が紛糾いたしました。私どもは副議長のところに毎日陳情に行ったのであります。副議長としては、私どもが国会の紛糾を、参議院では紛糾しないように、何とか正常化してやっていくようにということで、いろいろ副議長のもとに陳情に行った、そのときに、やはり副議長は、私どもの意見がもっともだというふうなことをしばしば言われたのであります。非常に私は、重宗議長は常識をもってものを判断されてこられたことも、諸君の御承知のとおりだと思うのです。  さらに、先ほど同僚小酒井議員が質問されましたように、昨年と一昨年と、あの政防法によりまして、本院において混乱したときにも、あのときにはやはり自民党の参議院議員団の会長をしておられました。私ども社会党は千葉会長でございまして、そのもとに私は副会長として、国会正常化のためにしばしば重宗議長といろいろと協議をいたして、国会正常化のために努力をするということで、ほんとうにあのときには私ども頭の下がるような重宗議長の国会正常化への努力でありました。幸いにいたしまして、あの政防法であれだけ混乱したのが正常化されまして、そうして今日まで国会の運営については、本院としてはまことに輝ける運営がなされてきたと私は信じております。ところが、そういう非常に国会正常化のためには熱意を持って努力されてこられました重宗議長が、昨年はからずも本院の議長に選任された。そのときに、私ども社会党といたしましては、野党四派が相談いたしまして、議長の党籍離脱ということを申し入れたわけであります。これは自民党のほうに申し入れをいたしました。さらに、議長が予定されておりました重宗議長にも、個人的にもこれを話をしたこともあるのです。そのとき、やはり重宗議長は、皆さんのお気持はよくわかる、自分としても実際は議長は党籍を離脱せなければならぬと思うと、こう言っておられたのです。この党籍離脱ということは、衆議院においても、これもはっきりと党籍離脱で今日清瀬議長があるわけです。私どもが何ゆえに党籍離脱を議長がせなければならぬか、私どもは、国会が紛糾した場合に、やはり議長は党派にとらわれずに院の運営に間違いのない判断を下さなければならぬ、こういう立場の議長でございまするから、やはりこれは党籍を離脱して、そうして党からの圧力というものを排除をしていかなければならぬと判断しておるのであります。ところが、不幸にいたしまして、この野党四派が申し入れました党籍離脱は実現できなかったんであります。そのまま、党籍を持ったまま、議長、副議長の就任ということに相なって今日まで参りました。私どもは、今日まで、重宗議長の本院運営の努力に対しましては非常に敬意を持っておったのであります。ところが、今回の失対法の問題に対しましては、まことに遺憾なことでございまするが、国会正常化を最も強く主張しておられました、また努力してこられましたところの議長が、みずから国会が紛糾するような措置をとられたことは、まことに私は遺憾だと思うのです。すなわち、失対法が衆議院で通過いたしまして本院に回ってきてわずか五日間、この五日間一回の審議もされていないものを、議長職権によってこの本会議中間報告をさせるというふうな無謀な措置をとられたことは、私はまことに遺憾だと思うのであります。こういうことでは、幾ら個人的にも尊敬している議長といえども、国会の運営からいきましても、こういう議長では、私は、不信任に対しまして残念ながら賛成をせなければならぬということでございます。私どもは、重宗議長が今日まで本院に尽くされました努力は多とするものでございますけれども、今私が申し上げましたように、いたずらに本院の混乱を招くがごとき措置をとられたこの点と、本院に一大汚点を残すがごとき措置をとられたこの議長に対しましては、この不信任案に対するところの賛成をいたさなければならぬということは、まことに遺憾とする次第であります。いろいろと申し上げたいこともございまするが、私は、心臓が非常に弱いものでございまするから、これだけ述べるにも精一ぱいでございます。  以上をもちまして、私は議長不信任案に対する討論を終わるわけであります。(拍手)   —————————————
  51. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 伊藤顕道君。   〔伊藤顕道登壇、拍手〕
  52. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私は、ただいま岡田議員の提案せられました重宗参議院議長不信任決議案に対しまして、賛成討論をいたしたいと存じます。  今さらここで私が申し上げるまでもなく、議長は、院の代表者として、また、院の正常な運営と秩序を保持する、こういう大事な使命を持っておることは言うまでもございません。そこで、何ものにも屈することなく、また、断じて一党一派に偏することもなく、確信とそして勇気を持ってその責務を完遂すべきであるということは、きわめて明白でございます。  さて、今回の第四十三回国会末におきまする衆議院における自民党の多数暴挙は、まことに目に余るものがあるわけでございます。たとえば社会労働委員会における失対法案の取り扱い、あるいはまた内閣委員会における五法案、すなわち金鵄勲章一時金の法案、あるいは国民の祝祭日法案、あるいは防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正案、建設省設置法あるいは農林省設置法の改正案、こういう五法案につきましても、あるいは審議打ち切り、あるいは全く審議に入っていない法案について、これを本会議において中間報告を求むるの動議提出する、こういう、まことにあきれ果てた措置を講じているわけであります。このような衆議院における混乱が、ついに私どもの参議院の段階にまで入って参りましたことは、まことに遺憾のきわみであり、迷惑しごくなことと言わなければなりません。  今申し上げたような衆議院自民党の多数暴挙にあたかも相呼応するがごとく、参議院の自民党、またこれに相応じて、特に社会労働委員会の自民党議員は、社会労働委員長の成規の開会の通告にも応ずることなく、しかもあきれ果てたことに、一名といえども良知良識なくしてこれに応じなかったにもかかわらず、本会議において突如こういう非合法な、全然審議していない今申し上げたような法案について、たとえば失対法の中間報告を求むる動議提出したごときは、国会法あるいは参議院規則、慣例、こういうものを無視したものであって、みずから国会の正常化を踏みにじる暴挙と言わなければならないのでございます。(拍手)  さらにまた、私どもが日ごろ信頼して参りました重宗議長が、この自民党の圧力に屈しまして、委員会において全然審議に入っていない法案の中間報告を求むるの動議を取り上げましたことは、返す返すも遺憾とするところでございます。独断専行の誉れも高い衆議院の清瀬議長でさえも、内閣委員会で全然審議に入っていなかった五つのうちの三つの法案、国民の祝祭日法案、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正案、そして農林省設置法の一部改正案、この三法案については、良識に戻って、これを内閣委員会に差し戻しの措置を講じたわけであります。重宗議長はこのことをよく直視され、よくわきまえられて、この際、失対法案を社会労働委員会に差し戻して、慎重審議するという、この軌道に乗せるべき措置を講ずべきであったわけであります。かような自民党の、国会法、参議院規則、慣例を踏みにじった暴挙を、もしこのまま許すといたしたならば、この参議院の権威は全く地に落ち、将来に、はかり知れない悔いを残すであろうことを、私どもは心深く憂うるものであります。(拍手)かような観点から、ここに自民党の猛省を促すとともに、重宗雄三君の勇断を望むこと切なるものがあるわけであります。  重宗雄主君は、明治二十七年二月、山口県は岩国で生まれました。東京工業大学附属工業高等学校の卒業、卒業後は欧米各国を視察されました。係の技術者として明電舎の社長となられたわけであります。昭和二十二年には全国より参議院議員に当選され、昭和二十八年参議院副議長となられ、三十四年には運輸大臣を歴任され、同十月参議院自民党議員会長、昨年八月六日、特に選ばれて参議院議長に当選されました。人物といい、また識見といい、力量といい、まことに申し分のない名議長として、院の正常なる運営と秩序保持のために、誠実もって努力してきたことに対して、私どもは深く敬意を表して参りました。このように信頼して参りました参議院の名議長宗雄三君が、自民党の圧力に屈して、自民党のお家芸である多数をたのむ中間報告を求める動議を認める、かような挙に出でましたことは、きわめて遺憾とするところであります。事ここに至った根本的な原因は、重宗雄三君が、昨年八月六日議長就任に際しまして、党籍を離脱しなかった、ここに根本的な原因があると言わなければなりません。また、さらに加えて申し上げるならば、野党第一党である社会党に副議長の席を与えなかった、こういうところに根本原因があると言わなければなりません。重ねて申し上げますが、議長は院の代表者として、院の正常なる運営をはかり、秩序保持のために全責任を持つべきであります。言うまでもございません。重宗雄三君、あなたが昨年八月六日、光栄ある参議院議長就任に際しまして、自民党の圧力に屈することなく、党籍を離脱されますとともに、議長を助けて運営の力となります副議長の席に、先ほども申し上げた野党第一党である社会党にその席を与えましたならば、今日のこの混乱は全く未然に防ぎ得たであろうことを確信するものであります。重宗雄三君、あなたの議長就任に際しまして、私どもは、自民党の党籍を離脱すべきである、こういうことについて、誠意をもってこれを要請申し上げたわけであります。幸い重宗雄三君も、全く社会党の皆さんと同感であると、同様の見解を披瀝されたわけでございます。ところが、まことに物わかりの悪い自民党がこれを許さなかったので、実現しなかったわけでございます。この参議院の正副議長がもしも党籍を離脱しておったならば、そうして議長を助ける副議長の席に、日ごろ公平厳正を旨とする社会党議員をして立てておいたならば、副議長は社会党から出ておりましたならば、与野党のこのような激突の際には、その抗争のワク外にあって話し合いの場を必ず持たせ、与野党の歩み寄りによってこれが円滑に解決したのであろうことを確信するものでございます。  ここに、私が日ごろ信頼してやまなかった重宗議長不信任決議に対し賛成討論をせざるを得ないのは、きわめて遺憾とするところでございますが、しかし、災いを転じて仕合わせにするという言葉もございます。この混乱を契機として、今後正副議長は必ず党籍を離脱する。そして副議長には、野党第一党である公平厳正な社会党から選ぶ。こういうこととともに、多数暴挙を繰り返して参りました……
  53. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 伊藤君、時間が参りました。
  54. 伊藤顕道

    伊藤顕道君(続) 自民党は、深く反省されて、中間報告などという、まことに卑劣なこの挙を今後一切断念いたしますとともに、院の正常なる運営に自民党の皆さんも協力されんことを心から願うとともに、さらにまた、今後の皆さんの良知良識ある参議院の運営をさらに発展させるよう心から望みまして、重宗参議院議長不信任案に対する私の賛成討論を終わりたいと存じます。(拍手)    ————————
  55. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 鍋島直紹君外一名から、成規の賛成者を得て、討論終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  56. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) すみやかに御投票を願います。——すみやかに御投票を願います。——すみやかに御投票を願います。  ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。——まだ投票をなさらない諸君はすみやかに御投票下さい。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  57. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  58. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百七十八票  白色票 百十四票  青色票 六十四票  よって討論は終局することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百十四名       牛田  寛君    坪山 徳弥君       沢田 一精君    石田 次男君       野知 浩之君    二木 謙吾君       大竹平八郎君    鈴木 一弘君       赤間 文三君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       古池 信三君    松平 勇雄君       二宮 文造君    河野 謙三君       三木與吉郎君    白木義一郎君       辻  武寿君    野田 俊作君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       石谷 憲男君    植垣弥一郎君       徳永 正利君    井川 伊平君       鹿島 俊雄君    仲原 善一君       中野 文門君    豊田 雅孝君       天坊 裕彦君    竹中 恒夫君       西田 信一君    村上 春藏君       山本 利壽君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       植竹 春彦君    黒川 武雄君       西川甚五郎君    日高 広為君       小西 英雄君    田中 啓一君       野上  進君    温水 三郎君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    津島 壽一君       迫水 久常君    斎藤  昇君       野本 品吉君    長谷川 仁君       村山 道雄君    田中 清一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       前田 久吉君    白井  勇君       村松 久義君    下村  定君     —————————————  反対者青色票氏名      六十四名       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    豊瀬 禎一君       鶴園 哲夫君    武内 五郎君       柴谷  要君    小柳  勇君       大矢  正君    北村  暢君       伊藤 顕道君    光村 甚助君       大河原一次君    岡  三郎君       大倉 精一君    松澤 兼人君       藤田藤太郎君    中村 順造君       木村禧八郎君    戸叶  武君       久保  等君    岩間 正男君       須藤 五郎君    野坂 參三君       鈴木 市藏君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       杉山善太郎君    高山 恒雄君       野上  元君    安田 敏雄君       千葉千代世君    山本伊三郎君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    田上 松衞君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    近藤 信一君       田畑 金光君    米田  勲君       成瀬 幡治君    中田 吉雄君       小酒井義男君    佐多 忠隆君       藤原 道子君    中村 正雄君       村尾 重雄君    椿  繁夫君       大和 与一君    岡田 宗司君       千葉  信君    曾禰  益君    ─────・─────
  59. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) これより本案採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  60. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  61. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  62. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百八十五票  白色票 七十五票  青色票 百十票  よって本案は否決せられました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      七十五名       牛田  寛君    石田 次男君       鈴木 一弘君    二宮 文造君       白木義一郎君    辻  武寿君       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    大矢  正君       北村  暢君    伊藤 顕道君       光村 甚助君    大河原一次君       岡  三郎君    大倉 精一君       松澤 兼人君    藤田藤太郎君       中村 順造君    木村禧八郎君       戸叶  武君    久保  等君       岩間 正男君    須藤 五郎君       野坂 參三君    鈴木 市藏君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       高山 恒雄君    野上  元君       安田 敏雄君    千葉千代世君       山本伊三郎君    横川 正市君       鈴木  強君    相澤 重明君       鈴木  壽君    森 元治郎君       田上 松衞君    向井 長年君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    近藤 信一君       田畑 金光君    天田 勝正君       米田  勲君    成瀬 幡治君       中田 吉雄君    小酒井義男君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       中村 正雄君    村尾 重雄君       椿  繁夫君    大和 与一君       岡田 宗司君    千葉  信君       曾禰  益君     —————————————  反対者青色票氏名      百十名       坪山 徳弥君    沢田 一精君       野知 浩之君    二木 謙吾君       大竹平八郎君    鳥畠徳次郎君       赤間 文三君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       古池 信三君    松平 勇雄君       河野 謙三君    三木與吉郎君       野田 俊作君    笹森 順造君       中上川アキ君    北口 龍徳君       山崎  斉君    丸茂 重貞君       栗原 祐幸君    熊谷太三郎君       久保 勘一君    川野 三暁君       亀井  光君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       植竹 春彦君    平井 太郎君       黒川 武雄君    西川甚五郎君       日高 広為君    小西 英雄君       田中 啓一君    野上  進君       温水 三郎君    木島 義夫君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    津島 壽一君       迫水 久常君    斎藤  昇君       野本 品吉君    長谷川 仁君       村山 道雄君    田中 清一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       前田 久吉君    白井  勇君       村松 久義君    下村  定君    ─────・─────
  63. 重政庸徳

    ○副議長重政庸徳君) 午後一時まで休憩いたします。   午前九時九分休憩    ————————   午後一時三十三分開議
  64. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案についてすみやかに社会労働委員長中間報告を求めることの動議議題といたします。  これより順次質疑を許します。藤田進君。   〔藤田進君登壇、拍手〕
  65. 藤田進

    藤田進君 私は、草葉隆圓君から提出されておりますいわゆる失対関係法中間報告に対しまして、以下十三点をただしたいと思います。提出者におかれましては、メモでもとって、答弁に漏れのないようにまずお願いをしておきたいと思います。  その第一点であります。与野党、特に自社両党の間に、あるいは非公式に、あるいは公式に、二十八日ぎりぎりまで、与党において中間報告の措置をとるということがかなり明確になってきたために、折衝を持った。その際には、どの機関の責任者も、自民党においては中間報告をするというようなことは考えていない、きめていない、この一本で通されて参りました。これほど重要、かつ世論の動向から見ても、皆さん御承知のように、当該法の適用を受ける家族を含めれば百万の人たちを初め、重大な問題になっているものが、党機関の決定になっていないにかかわらず、突如として草葉隆圓君からここに提出をされているのでありますが、それがほんとうに今の段階においても、党——自民党としてはきめていない、草葉隆圓君が賛成者を得てこれを提案したのだと、こう見るのは、これは私は実体的に見て、賛成者の顔ぶれ、その数から見ても、適当でないと思うのであります。私は、顧みれば十年ちょうど前、草葉隆圓君が議運の委員長をしておられるときに、社会党出身の理事をいたしまして、私は、草葉君がそれほど、策に倒れ、あるいは策を弄するような人であるというふうな印象は持っていなかった。しかし、突如としてここに草葉隆圓君の提案があったということについては、私は何といっても割り切れないものを持っているわけであります。この点について、草葉隆圓君は、党とあなたの——提出者との関係を明確にしてもらいたいと思うのであります。  第二点は、昨日というか、きょうというか、外へ出てみれば明るいということで、きょうが何日やらさっぱりわからないような、こういう状態なんだが、それにしても、この提出に関連して、当然しかじかかくかくの事情があり、必要性があり、国民のためにもぜひという信念のもとに出された以上、この演壇に立って堂々と趣旨の説明をなされてしかるべきものだと思います。なぜそれができないのか、まことに残念であります。なるほど、国会の運営については、多種多様であります。この種問題については、特に野党その他要求がない場合、お互いが了解した場合においては、過去趣旨の説明はしないまま議事を進めて参っております。しかし、少なくとも野党からその要求がある以上、堂々と説明さるべきであったと思うのであります。五分や十分の時間の倹約といったようなところに焦点を持たれるべきではない、私はこのように考えているものであります。  第三の点は、国会法第五十六条の三に基づいて提出されていると私は思います。これには、さい然とした、委員会と本会議との関係におきましても、その筋の通った論拠、必要性あるいは緊急性がなくてはならない。国会法第五十六条の三のこの権利が乱用されたことは、これはあの条章の精神に反すると私は思う。社会労働委員会における失対関係法の審議状況がどんなだろうか、一ぺん本会議で聞いてみようか、そんな軽率なことであってはならないと思う。したがって、草葉隆圓君におかれても、この必要性、緊急性については、十分納得させ得るものをお持ちになっていなきゃならないし、持っているものと私は思うが、ここでこの御答弁をいただきたい。  第四の点であります。常に私ども申し上げるように、お互いに思想信条は違う。したがって会派も違う。しかし、第二院の参議院といたしまして——衆議院が、遺憾ながら今回これまた委員会においては、自由民主党出身の委員が、その適法なる会議の運営をしないで、何かささやいたか、ささやかないか、わからないのに、内閣委員会のごときは五本の法律が上がったと称する。何ら問題もなかったのに、負傷したといって病院に入っているというような、まことに、いやしくも国民の代表である立場、そういう立場からこれを見るならば、資格なしと言わなきゃならぬ。これとまた同じようなことが、少なくとも本会議に限定されたとは言いながら、参議院において行なわれるということは、与党、野党、あるいは各会派の問題ではなくて、国民がこの参議院に、国会に持っているその期待を裏切るものだと私は思う。しかし、後ほどただします問題との関連においても、どうして二十八日の日に、こうした重要な案件についていきなり中間報告を求めて来て、ここから戦端を開くことになったのか。社会労働委員会における理事会、本委員会等の模様は、それぞれ私は出身の委員から聞いております。委員長からも聞いております。問題はいろいろあったけれども、むしろ野党各派ではなくて、与党に問題があった。このような論点からいたしましても、ぜひとも、提案者草葉隆圓君には、この第二院のあり方としてそれでいいんだと信じて御提出であるのかどうか、この際ただしておきたいと思います。  第五点は、なるほど、新聞その他言論機関は、種々な角度からこの国会のあり方について大きなスペースをさいて批判を加えております。何といっても、議会は、特に最近における議会分野というものは、両院を通じて絶対多数の自由民主党であることは、これはもう否定できない。いやいや、実際はそうじゃないのだ。自由民主党の看板はかけてあるけれども、あれは何個かの内容を持った連合体である。政権のたらい回しがその辺から行なわれ、派閥がどうだ、政党の近代化等々、御努力になっていることは私も見受けるのでありますけれども、しかし、絶対多数政党を持つ日本の両院というこの現実を見るときに、多数である与党とされては、雅量を持った議会運営を、委員会運営を、きめのこまかい対策を立てて臨まれることが、これが国民に奉仕する道であるし、したがって、円満な国会の運営ということに帰着すると私は信じて疑いません。しかし、近時多数の数に、その多数というその数に、あまりに信頼というか、力を持たれて、委員会といわず、本会議といわず、円満であるべきものが、大きな一石を投じたことによって万波を呼ぶというのが、これが私がここに立ちます前、いろいろと近世日本議会史のいろいろ調査の結果からも出ている、特に近時この点がおびただしい顕著な特徴なのであります。この点について、提案者を通じて、私は多数与党の議会運営は基本的にどうあるべきか、どう考えているか、ただしたいのであります。  第六点は、全体の会期と審議、特に今問題になっている失対関係法との問題であります。御承知のように、本院も衆議院も、憲法に定める百五十日の会期では、地方選挙等の関連もあり、相当多数残された法案の審議は困難だということで、いろいろ折衝を持たれました結果、四十五日間の延長ということになり、全会一致をもってこれを議決いたしました。このもとにおける、限られた通常国会において、再び三たびの会期延長ができないということを知り、絶対多数を両院に持ち、それぞれその運営の機能を持たれている中で、このように、あと、なるほど本日からいえば八日ある。しかし、四十五日間延長という全体の中で、なぜもっと、両院を通じてイニシアをとってこられた与党、自民党として、衆参両院の審議日程等について考慮を払わなかったのであろうか。衆議院の横暴が、同じ自由民主党の中においてもまかり通って、だんだんと良識の府、第二院のこの参議院の審議というものはその日程においても狭められてきている。なぜ当初の段階から、長期見通し、計画のもとに、審議日程というものを両院を通じてお立てにならなかったのであろうか、このように私は思うのであります。
  66. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 藤田君、時間が……
  67. 藤田進

    藤田進君(続) この点について、将来もあり得ることでありますがゆえに、ぜひお尋ねをいたしたいと思います。  あとわずか残されておりますので、第七点でございますが、さて、問題の本体であります。ここは、私は法案の内容を審議する段階ではないと思います。いずれ社会労働委員会において、会期末まで、皆さんの御良識があるならば差し戻されて審議せられることと思うから、内容には入りません。しかし、簡単に……これは数の力によってでも、この国会で、四十三国会で成立させなければならぬ、こういうふうに思われてはならぬと思う。
  68. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
  69. 藤田進

    藤田進君(続) 草葉隆圓君御自身も、私の記憶では僧籍にあられたと思うのです。百万になる家族を含むこの法の適用を受ける人たちというものは、私が申し上げるまでもありません、その就労日数において、またその収入において、問題になりませんのであります。私は過般予算委員会において池田総理にもただした。なるほどこれで生活するということはたいへんだと、うなずいていた。しかし、金のほうはあまり出さなかった。つまり、草葉さんならばわかるでしょう。私はよくわからないが……
  70. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
  71. 藤田進

    藤田進君(続) いわゆる餓鬼道の道に追い込み、焦熱地獄であり、等活地獄の状態にしておいて、そうしてこのように高年令者も多い、また雇用の安定もない、社会保障もない、このような状態において、この法律の改正というものを押し切るということについては、問題があろうかと思います。いな、明らかに、ある。したがって、提案者のこの冷たい議事進行に対する提案について、法案取り扱いの方法について、私はどのように、現在の社会経済、特に失業対策関係について御信念なり方針をお持ちであるか、お伺いをいたしたいと思います。
  72. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 簡単に願います。
  73. 藤田進

    藤田進君(続) あと六つ残っておりますが、これだけの問題でありますから、簡単と言われましても、そう簡易には参りません。かえって時間がかかるから……。これだけ言わなければならないだけ……
  74. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間を超過しております。簡単に願います。
  75. 藤田進

    藤田進君(続) 第八点を、では簡単に申し上げます。本法案の審議日数は、衆議院段階では約四カ月と少し持っていたのであります、先ほど質問いたしましたのと関連しまして……。ところが本院では、本付託になって、日曜を含めて五日間。しかし、まだあと会期は十二日間あった、こういう状態について、先ほど申し上げましたとおり社会労働委員会において、このような五日間しかない。一度も委員会も開かれない。その理由は、与党の理事が理事会に出て開かせないような方向に、非常に無興な提案をされたということにあったようであります。この点についてはどのようにお考えであるか、お聞かせをいただきたい。
  76. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しましたから発言を禁じます。(「やれやれ」と呼ぶ者あり)時間が超過をしております。    〔藤田進君「じゃ項目だけ言うておきましょう。草葉さんは頭のいい人だからわかるでしょう」と述ぶ〕
  77. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 発言を禁じます。(拍手)藤田君に降壇を命じます。    〔藤田進君 「やれと言うし、やるなと言うし、じゃ議長の言うことを聞くか」と述ぶ〕
  78. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 藤田君に降壇を命じます。(発言する者多し)  安田敏雄君。——間違いました。取り消します。草葉隆圓君。   〔草葉隆圓登壇、拍手〕
  79. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 ただいまの藤田進君からの御質問に対しましてお答えを申し上げたいと思います。  藤田君は、先ほど御発言の中にありましたように、ともに議院運営委員会その他におきまして、国会の運営に、ともどもに従来からお世話になって参ったのでありまして、私自身たいへん尊敬をいたしておる次第でございます。ことにただいまの御質問は、まことに真剣な御質問でありました。  第一点の、二十八日の折衝では、与野党の間には、中間報告は考えていないと言うておったのではないか、それを突如として君の名前で提案したことは、まことに不可解である、という意味の御質問であったと存じます。しかしこれは、二十八日の夕刻、午後五時後の両党間の折衝等の状態から考えまして、わが自由民主党の緊急役員会において、やむを得ず中間報告動議提出せざるを得ないということに決定いたした次第でございます。  第二は、その趣旨説明を何ゆえにしないかという意味の御質問であったと存じまするが、私は、動議に対しては、趣旨説明はいたすべきものではないと考えております。さようなことをいたすことは、むしろ悪例を残すことであると考えます。したがいまして、従来中間報告は、わが本院におきまして八回なされておりまするが、この慣例は今までずっと守られて参りました。  第三の点は、国会法第五十六条の三は、委員会と本会議との関係において、むしろ権利を乱用してはならないことであるから、この点に対してはいかように考えるかということでございます。これは、御案内のように、国会法の第五十六条の三には、「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」ということがあるのでありまして、この問題につきましては、すでに御案内のように、昭和三十三年七月三日の議院運営委員会におきまして、あるいはまた、さらに、昭和三十三年の参議院の法制局の「国会に対する見解」の資料の中において、はっきりと明示をしている点でありますから、今さら私がここで申し上げる必要もないと存じます。  第四の、各会派の問題だけではなくて、国民の深く関心を持っているところであるから、今後の国会の運営のあり方についてはどう思うか。——まことに私は、藤田君の御信念と同様な考え方を持っていると存じます。参議院は、従来から、次の第五の質問にもお述べになりましたように、多数与党である、多数党の自由民主党は、大きな雅量をもって国会の運営に当たるべきではないかという御意見でありました。ごもっともであります。したがって、私どもは、少なくとも参議院におきまして、従来とも国会の正常化のためには、与野党一つになって国会の運営には当たるべきものとして、委員長の配分等も十分御相談申し上げている次第であります。  第六は、会期とこの失対法との関係についてお話があり、第七は、さきに申し上げた、数で押し切るという考え方、また第八の、衆議院においては四カ月もあったのに、本院ではわずか五日である。今後の両院の運営のあり方についてどう思うかという意味の御発言でございます。これも、藤田君と同様に私どもも考えております。参議院の今後のあり方につきましては、国民の期待に沿うように、十分に審議をなすべきものと考えている次第であります。(拍手、発言する者多し)
  80. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 安田敏雄君。   (「答弁漏れだ」と呼ぶ者あり)  草葉隆圓君に答弁の補足を求めます。   〔草葉隆圓登壇、拍手〕
  81. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 藤田君の御質問の中で、第七項の、百万に余る失対関係の御家族の問題が切々として迫っているが、これに対する失業対策についての根本方針はどう考えるかという意味の御発言でございました。これは、実は社会保障制度審議会が先般総合調整に関する答申を政府にいたしました。その答申に基づいて、わが自由民主党は、今後最も大きい事業であるとして、誠意その目的の達成のために努力をし、その一端としてこの改正案を出した次第であります。(拍手)   —————————————
  82. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 安田敏雄君。   〔安田敏雄登壇、拍手〕
  83. 安田敏雄

    安田敏雄君 私は、藤田進議員に続きまして、ただいま議題となっております職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案に対して中間報告を求めるの件に対しまして、提案者である草葉隆圓氏に対しまして、若干の質問をいたしたいと思います。  今回の動議は、前代未聞である、あるいはまた、横車を押したんだという、こういう批判を受けているのであります。縦車を押すならば、これは車はスムーズに動きますけれども、横車を動かすために、これはどうしても動かない。そこには抵抗があるということは、これはだれしも認めるところであります。特に私は、戦前のころ、あの藤森成吉氏の書いた、「何が彼女をそうさせたか」ということを思い出しましたが、あまりに横暴をふるいますというと、そこに必ず抵抗が出てくる。特に少数な者が抵抗するということは、これはきわめて理の当然でありますし、また、科学性もあるわけであります。  そこで、私は、今回の草葉氏が提案いたしました動議に対しましては、議運の委員会におきまして、公政連も、民社党も、また第二院クラブも、すべてこの動議は横車を押すものであるからよろしくないといって各派が反対したことは、あなたも御承知のとおりと思うのであります。いや、自民党の国会対策委員会におきましても、よくそのことは了知しているものと私は信ずるのであります。しかも、この法案の私は内容に触れるものではありませんが、この法案は、池田内閣の所得倍増計画の中で、経済の最も底の中にその日暮らしをしているところのこの失対労務者の人たちに大きな脅威を与え、また、国民的な視野から考えましても、この底辺にあえぐ人たちの立場からするならば、重大な問題であるといわなければならないのであります。  あなたはお寺の僧正か上人さんか知りませんけれども、スコップやセメントのにおいを知らない。ですから、こういう人たちの生活の苦しみがわからないのであります。ですから、かかる暴挙をあえてするということに通ずると私は思うのでありまして、そこで、あなたも国会対策委員長の経歴もあるし、名古屋におきましては名僧の誉れも商いのであります。悟りも十分私は抱いておるのだと確信する次第でありますけれども、こういう底辺にあえぐ人たちの心情をもう少しく考えてみたならば、この動議はまさに撤回すべきであると思いますけれども、その点の御意思をお伺いしたいと思うのであります。  次にお伺いいたしたいのは、衆議院におきましては、金鵄勲章に対する恩給法案外四案件を、内閣委員会でこれまた暴挙によって可決いたしました。しかしながら、清瀬議長は、良心をもって、ついにこれを差し戻したのであります。こういうことを考えましたときには、先例があるわけでございますから、議長に言われなくても、自民党参議院の中におきましては、これをみずから行なっていくという、まあ中間報告などは取りやめて、委員会で審議すべきだと、こういうことをしなければ、良識を発揮したとは言えないのであります。この点を考えていただきまして、この動議は撤回すべきであると私は思いますけれども、以上につきまして、提案者のお気持をお伺いしたいと思います。  次に、先ほど藤田議員の答弁に際しまして、国会法の第五十六条の三をあなたはお読みになりましたから、私もまた読みましょう。「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」とあります。「前項の中間報告があった案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け」、これが第一点ですよ、「又は議院の会議において審議することができる。」と、こう書いてありますけれども、この中で、「特に緊急を要する」と認めているその内容についてお伺いしたいと思うのであります。とともに、「特に必要がある」という点は、具体的にいかなることかということを、明らかにしてもらいたいと思うのであります。しかも、こういう第五十六条の三に規定する問題として関連して考えるならば、当然これは委員会に期限をつけるということが、まずもって私は優先されなければならないと思うのであります。しかも会期は、二十八日から起算するならば、これは当然まだ九日間、日曜を含めて、あったわけでございますから、委員会に付託いたしましても、委員会で審議いたしましても、当然それは議了するものと見通しがつくと思うのであります。そういう、いわば時間的な余裕があるにもかかわらず、これを無視して、あえてこのような中間報告動議をなすとしたことは、これは暴挙と言われても、いささかも私は抗弁ができないと思うのでありますが、問題の「特に必要がある」というときと、「緊急を要する」というこの点につきまして、具本的にひとつ考え方を明らかにしてほしいと思うのであります。  次に、社会労働委員会にかかっておりますところの法案は、失業保険法改正法案が、三月の二十日に予備付託になりまして、六月の七日に、いわば正式に委員会に付託になりました。労働災害防止法案は、二月の二十二日に予備付託になりまして、五月の二十三日に正式に付託になったのであります。今回の職業安定法及び緊急失業対策法の一部改正法案よりも、前者は十六日前、後者は一カ月前にこれが付託されておるのであります。したがいますというと、もし必要があってこれが中間報告を求めるとするならば、この三件なぜ一緒にしないのかと、こういう疑点も出てくるわけです。しかも、慣例によって先議すべきものをいささかも審議しないで、この二十三日に、衆議院をあのような混乱の中で上がって参りましたところの本法案につきまして、これのみを固執いたしまして、委員長に要求して、これだけを取り上げてやる、こういうようなことは、どうしてもこれは正常な議会運営といたしましては、私は納得できないのでありまして、これのみをなぜ取り上げなければならなかったかという、この理由を明らかにしてもらいたいと思うのであります。  次にお伺いする点は、社会労働委員会におきましては、二十七日に自民党は、出先の理事をして、成規の手続によって、明二十八日には、十時より理事会、十時半より社会労働委員会を開いてほしいということを、鈴木委員長に申し入れたのであります。鈴木委員長は、この自民党のたっての要望を受けまして、そして二十八日の日に定刻に理事会を招集いたしましたところが、要求したほうの、しかも多数であるところの自民党の諸君が委員会に出席しなかったということは、これはまたどうしても納得ができないのであります。皆さんの政党は多数ですよ、国会では。しかも、みずから要求している。それを突然に拒否するということに至りましては、これは三才の童子が考えましても理屈に合わないのであります。この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのであります。私は鈴木委員長と同郷であります。鈴木委員長は、あの温泉で有名な下部町に住んでおりますけれども、近郷近在の評判はきわめてよろしい。社会党の中におきましてもまれに見る人格者だと信じているのであります。この委員長に対しまして、皆さんが要求しておきながら、この委員長をほっぽらかして、しょい投げをくれるというようなことに至りましては、私はまさに言語道断であると言わなければならないと思うのであります。
  84. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 安田君、時間が参りました。
  85. 安田敏雄

    安田敏雄君(続) そこで、私は、この鈴木委員長に対しまして、社会労働委員会の委員長といたしましてのこれらの経過の中におけるところの一身上のひとつ弁明を求めたいと思うのであります。  次に、私も議運の一員でございますけれども、議運その他の経過を見て参りますというと、議運の中においては、中間報告動議を出すということはあり得ないといいながら、念を確かめるというと、これがどうだかわからないというような、きわめてあいまいな議院運営委員長のお答えであったのであります。しかしながら、皆さん、私はそこで議運の委員長にお尋ねするわけでございますが、平常時におきましては、これはだれでも議運の委員長は務まります。
  86. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 安田君、時間が超過しております。
  87. 安田敏雄

    安田敏雄君(続) しかし、問題が出たときに、これを議長とともに、いかに調整し、いかにこれをまるめ上げてよいものにしていくかという、こういう円滑な運営をはかるのが、あなたに課せられた職責であるにもかかわらず、これを正式な議題ともせず、これをそのままに緊急動議という形で出すということにつきましては、まさにあなたは混乱時における収拾能力の責を果たしておらないと思いますが、この点につきまして、議運委員長の御答弁を求めたいと思うのであります。  次に、さらに私ども社会党の議員総会におきまして、国会対策委員長の久保先生の報告におきましては、やはり国会対策の自社両党の折衝の中におきましては、全然緊急動議を出すということは話の中になかった、しかし、念を押しますというと、何だかあやふやであったというような、こういう報告がありましたがら、その点を再確認するために、久保委員長のひとつ考え方を明らかにしてほしい。
  88. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 簡単に願います。
  89. 安田敏雄

    安田敏雄君(続) 同時に、自民党の国会対策委員長の方に対しましても、この点、どういう折衝の過程があったかということを、私は明らかにしていただきたいと思うのであります。
  90. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 簡単に願います。
  91. 安田敏雄

    安田敏雄君(続) なお、先ほどの藤田議員の質問に対しまして、私は少しく了解に苦しむ点がありますので、その一点だけを申し上げて、私の質疑を打ち切りたいと思うのであります。あなたは藤田さんの第四項の答弁の中におきまして、国会運営のいわば中におきましては、与野党とも一致して云々の書を申しましたが、問題は、多数派が人数を頼みに押し切るということは、これは少しも与野党一致の姿にはならないのであります。少数派の正しい意見をいれて、それを多数派ががまんして、その中で調整していくという、こういう考え方がなければならないはずでありますけれども、今回の場合におきましては、皆さんのほうでですよ、委員会の要求をしておきながら、それをボイコットして社労の委員長を苦境に陥れて、それで、はたして与野党一致だなんという、そういうことが言えたものかどうかと思うときには、私は全く情けなく思うのであります。こういう点につきまして、はたしてあなたの答弁が正しかったかどうかということを、ひとつ草葉さんのほうからお答え願いたいと思うのであります。
  92. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しました。
  93. 安田敏雄

    安田敏雄君(続) 以上申し上げまして、私の質疑を打ち切りたいと思うのであります。(拍手)   〔草葉隆圓登壇、拍手〕
  94. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 安田先生の御熱心な御質問に対しまして、御答弁を申し上げたいと思います。  今回の中間報告動議は、前代未聞であり、横車を押すととは、はなはだしいものであるのではないか、したがって、多分これは草葉個人の考えじゃなしに党に強制されてやったのである。だから、この際撤回する意思はないかどうかという意味であったと承知をいたします。実は私ども決して前代未聞の横車を押したという意向は毛頭持っておらないのであります。忠実に国会運営を念慮いたしましていたしておるのであります。ことにわが自由民主党は、名前が示しますように、われわれ党員は一人ずつ自由であり、民主主義に徹しておるつもりであります。したがいまして、他より何ら強制を受けることはなし、わが自由民主党は一人々々全部自由に、熱烈な国家を憂うる同士の集合でございます。どうぞこの点、御安心をいただきたい。  第二の問題は、したがって撤回する意思はございません。  第三の問題において、鈴木委員長が社労の委員長を熱心におやりになっておる、その点に対しましては、私、心から敬意を表しておる次第であります。まことにわれわれ鈴木社労の委員長の御努力に対しまして、衷心より敬意を表します。それなるがゆえにこそ、一そうこれは中間報告をお願いするほうがいいと思います。  第四の問題は、緊急の内容と必要についての御質問でございましたが、いわゆる中間報告は、審査中の案件について特に必要があるときは中間報告を求めることができるのであります。その中間報告を院議で審査をするか、委員会に期限をつけて出すかは、その次の問題でございます。どうぞこの点は、したがって緊急という意味はさように私は考えておりまするから、御了承をいただきたいのでございます。さらに、国会運営については十分お互いに各党調整をして、多数で決して押し切るべきものではないのではないか。これは全く同感でございます。したがいまして、わが自由民主党は十分各派各党と協力をして、参議院の運営よろしきを得たいと考えておりまするから、今後ともよろしくお願いを申し上げます。(拍手、「緊急性の答弁がない」「緊急性と必要性を具体的に述べろと言ったのだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  95. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 草葉隆圓君から答弁の補足を求められました。   〔草葉隆圓登壇、拍手〕
  96. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 中間報告が、「特に必要があるときは、中間報告を求める」ということはわかった。わかったが、「緊急を要する」ときは、さらにこれを院議に付するなり、期限を付して委員会に返すという、その「緊急」というのはどういうことかということを、御質問がありましたが、この「緊急」というのは、中間報告は必要であるということを御決定になって、その判断の上に、政治的判断に立って院が御決定になるのであります。したがって、私が決定するのではありません。院議によって緊急性ありと決定しておやりになるのであります。  第二の問題は、二十八日はいろいろなことがあったが、そのことについて、お前は少しも触れなんだではないかという意味でございます。このことを伺いたいために、中間報告を求めておるのであります。  以上であります。(拍手、発言する者多し)
  97. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 草葉陸圓君。   〔草葉隆圓登壇、拍手〕
  98. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 「特に必要があるときは」という「特に必要」というのは、もう少しはっきりする必要がありやしないかという意味のことでございまするから、御答弁を申し上げたいと存じまするが、「特に必要がある」ということは、政治的な判断の土から、この際、特に必要であると判断するのであります。
  99. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 本院規則第百八条によって、議員の質疑は、委員長、少数意見の報告者、発議者または提出者以外にはできないことになっております。よって、本動議提出者以外の者に対する質疑は許されません。    ————————
  100. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 鍋島直紹君外一名から、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  101. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票を願います。ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票籍を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。まだ御投票なさらない方はすみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票願います。——まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  102. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  103. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百八十九票  白色票 百二十四票  青色票 六十五票  よって質疑は終局することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百二十四名       森 八三一君    牛田  寛君       坪山 徳弥君    沢田 一精君       鬼木 勝利君    石田 次男君       野知 浩之君    二木 謙吾君       大竹平八郎君    中尾 辰義君       鳥畠徳次郎君    赤間 文三君       加賀山之雄君    浅井  亨君       北條 雋八君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    高瀬荘太郎君       上原 正吉君    古池 信三君       松平 勇雄君    最上 英子君       二宮 文造君    小平 芳平君       岩沢 忠恭君    岡崎 真一君       三木與吉郎君    村上 義一君       佐藤 尚武君    白木義一郎君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       天埜 良吉君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    山下 春江君       山本 利壽君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       小林 英三君    大野木秀次郎君       寺尾  豊君    植竹 春彦君       黒川 武雄君    井野 碩哉君       日高 広為君    上林 忠次君       田中 啓一君    野上  進君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       剱木 亨弘君    梶原 茂嘉君       小林 武治君    高野 一夫君       吉武 恵市君    高橋  衛君       草葉 隆圓君    小柳 牧衞君       杉浦 武雄君    小山邦太郎君       林屋亀次郎君    郡  祐一君       安井  謙君    高橋進太郎君       青木 一男君    迫水 久常君       長谷川 仁君    村山 道雄君       田中 清一君    佐野  廣君       後藤 義隆君    林田 正治君       横山 フク君    村松 久義君       宮澤 喜一君    下村  定君     —————————————  反対者青色票氏名      六十五名       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    大矢  正君       北村  暢君    伊藤 顕道君       光村 甚助君    大河原一次君       岡  三郎君    大倉 精一君       松澤 兼人君    藤田藤太郎君       中村 順造君    田中  一君       加藤シヅエ君    木村禧八郎君       阿部 竹松君    戸叶  武君       久保  等君    岩間 正男君       須藤 五郎君    鈴木 市藏君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       高山 恒雄君    野上  元君       安田 敏雄君    千葉千代世君       山本伊三郎君    横川 正市君       鈴木  強君    相澤 重明君       鈴木  壽君    森 元治郎君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    田畑 金光君       米田  勲君    成瀬 幡治君       中田 吉雄君    小酒井義男君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       椿  繁夫君    大和 与一君       岡田 宗司君    野溝  勝君       羽生 三七君    ————————
  104. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。永岡光治君。   〔永岡光治登壇、拍手〕
  105. 永岡光治

    永岡光治君 私は、ただいま議題となりました職業安定法の一部改正法案並びに緊急失業対策法案の一部改正法案、この二案に対しまして、緊急にこれが本会議中間報告をされることに対しまして、反対の意を表明いたし、以下数点にわたりまして、その理由を申し述べたいと思うのであります。  ただいま提案者である草葉隆圓君に対しまして、わが党の同僚議員であります藤田君及び安田君から、なぜ中間報告を求めなければならないのか、この点について、時間の制限上十分な意を表明することができませんでしたけれども、若干の問題について質問をいたしましたが、聞けば聞くほど中間報告を求める必要はない、このように私は判断せざるを得なくなったのであります。  まず、との二法案の重要性については、すでに皆さんも御案内のとおりと思うのであります。いずれこれは、委員会におきまして慎重審議されることを期待をいたしておりますが、池田内閣がとって参りました高度成長政策、この失敗、産業政策の失敗、さらに、地域格差による地方の経済のアンバランス、こういうものからいたしまして、いよいよ今日見るような失業のみじめな状況を来たしたのであります。かてて加えまして、今期来の新聞によりますと、すでに今年六カ月閥だけで六%以上の物価の値上がりをしているという、こういう経済の失敗を来たしているのでありまして、これらの状態のもとに、今登録されている失業者が三十五万、家族を含めて百万といわれるこれらの諸君の生活をどう保障していくのか、これらの諸君にどういう仕事を与えていくのかという、大きな問題があるわけであります。そういう大きな問題を控えているにもかかわらず、この法案の一、二を見ますると、職業訓練を行なって、そうして職場配置を行なう。職業訓練はいいのだけれども、受け入れる職場がないのです。職場がないという、こういう根本的な問題を、もっともっと私どもは、真剣に考えていかなければならぬと思うのであります。しかも、この法案の内容を見ますと、訓練をいたしまして、一応訓練を経た者はある職場につけますが、その職場の選択はもとより許されませんし、その職場に適合しないということでその職場を去るということになると、再び失業事業には就労できないということになっておりまするし、また、現在登録されているそれらの失業者も、勝手に職安所長の指示によって、本人の意思を度外視してどこへでも回されるという、こういう状態にもなりまするし、高年令と称せられている失業者につきましては、今日の賃金よりダウンをいたしまして、社会保障といいますか、生活保護の基準と見合わして賃金をきめる、安い賃金ということになるのでありまして、こういう点から考えますと、多くの問題点があるわけであります。この本院において、政府が提案をいたしましたそのときの所管大臣の提案理由の説明にも、慎重審議ということを使われておるのであります。こういう重要な法案を、なぜ緊急に本会議中間報告を求めなければならないのか、私は非常な疑問を覚えるものでもります。  そこで草葉君から、藤田君の質問に対しまして、あるいは安田君の質問に対しまして、答弁をされておりましたが、中間報告を求めることのできる国会法の五十六条の三の規定、この中の必要性と、いわゆる緊急性、この問題について答弁をされておりましたが、私どもには一向にその具体的な理由がわからないのであります。「特に必要」とは政治的に判断したのだという草葉君の答弁でありますが、往々にして自分たちの言うことが筋が通らないが、自分の思うことを横暴に、無理やりに通そうというときに使われるのが、政治的な判断であったわけであります。しかも、この緊急性という問題からいたしましても、私はよくわからないのであります。すなわち、国会の会期は七月六日まであるわけであります。七月六日まであるわけであります。しかも、この委員会において、鈴木委員長は、自民党側の理事の要求によりまして、二十八日に委員会を開いてくれというので、その委員会を開くように段取りをして公報に掲載をして、そうして委員会を開こうとして待っておるのでありまするけれども、一向に出てきていない、何回も辞を低うして連絡したそうでありますけれども、これまた出てきていない。それほど緊急であるならば、なぜ委員会に出て審議をしていただけないのでありましょうか。私たち国民の立場から考えてみましても、きわめて奇異に感ずるものであります。こういう事態になっておりますので、私は、この中間報告を本会議に求めるということについては、納得がいきかねるのであります。  さらにまた、藤田君からの質問——もう少し、絶対多数を持っておる自民党は、寛容の精神をもって国会の正常化に努力をしていただいてはどうか、こういう意味の質問をいたしましたが、その答弁は、そういう気持がありますから委員長も社会党さんにあげておるのだ、こういう、言葉じりをおそらくつかまえたと思うのでありますが、だとするならば、なぜ副議長をよこさないのでありましょうか。なぜ、そこまで考えるなら副議長をよこさないのでありましょうか。私は、それよりも、鈴木委員長が皆さんの要請に応じまして委員会を開いて審議を始めるという、そのことに、なぜ協力をしてくれないのでありましょうか。皆さんが真剣にこのことを考えるならば、そうして皆さんが寛容である限りにおいては、どうしてもこのことを私ども主張せざるを得ないのでありまして、そういう点からも理解に苦しむのであります。しかも、また、昨日来の議運の話し合いをいろいろ聞いておりますと、中間報告を求めるということはきめていないんだ、こういうような話でありました。ところが、 いきなりに、これまた、だまし討ちであります。こういうことでは、ほんとうの国会の正常化はならぬのであります。私は、委員長の割り振りとか副議長の割り振りもさることながら、国会の運営というものをもう少し、多数は多数なりに、おおらかな気持で、筋を通して考えてもらう必要があるのではないだろうか、このように考えているわけであります。  さらにまた、私が、一番ここで、本院の本質的な問題にこの中間報告の問題が触れるわけでありますが、旧憲法下における第一読会−第三読会等の手続をやめまして、この民主憲法下におきましては委員会制度をとっているわけであります。これは、皆さん御案内のとおりであります。その委員会中心主義をボイコットする、しかも、絶対多数——あなた方は与党である、その政府が出している法律案をボイコットする。そうして委員会では、議長審査をしたと言っておりますけれども、提案の理由にすぎないのであります。何ら、一言の質疑も行なっていない。その委員会をボイコットする。これは、本委員会の——委員会制度を根本的に破壊する皆さんの暴挙と言わなければならぬと思うのであります。(拍手)こういう観点から考えましても、この中間報告に対する皆さん方の態度には、私どもどうしても理解することができないのであります。  しかも、先ほど来も多くの議員の諸君から、本議場を通じて皆さんに訴えられておりましたけれども、衆議院では内閣委員会におきまして、御案内のとおり、五つの法案が強行採決をされましたけれども、そのうちの祝祭日法案を中心とする二法案は、一言の質疑も行なっていないというので、参議院の議長よりは——表現は適当でありませんけれども——程度が違うと言われている衆議院の議長ですら、との三つの法案は委員会に差し戻しをしなければならぬ、こういうことになっているのでありますから、その良識の府とみずからもって任じておいでになるわが参議院、これが一言も質疑を行なっていないこの法案を中間報告を求めるということは、どうしても私は理解に苦しむのであります。
  106. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 永岡君、時間が参りました。
  107. 永岡光治

    永岡光治君(続) 国民が参議院に寄せておりますこの負託、良識の府としてのこの負託に私はこたえていただきたいと思うのであります。この法案の持つ重要性、そうして今、衆議院も参議院も、今日見るようなお互いに考えなければならぬ事態に立ち至っているこの事態を、今、自民党の皆さんはより一そうこれを激化し、悪化する方向に持っていこうといたしております。十分これは心して考えるべき問題だと思うのであります。  私は以上のような意味から、この中間報告——本院において中間報告を求める草葉隆圓君外一名の提案されているこの動議に対しまして、どうしても私はこれに対して許すことはできない、断固反対をし、今からでもおそくないのでありますから、賢明なる良識の府と任じている自民党の議員の皆さんにも、私の主張に御回調いただきたいことを特に訴えまして、反対の意を表明するものであります。(拍手)   —————————————
  108. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 豊瀬禎一君。   〔豊瀬禎一登壇、拍手〕
  109. 豊瀬禎一

    豊瀬禎一君 私は日本社会党を代表いたしまして、草葉隆圓君の動議に対し反対討論を行ないます。  先ほど草葉君は同僚議員の質問に答えまして、「必要があるとき」というのは政治的な判断であると答弁をされました。法律の解釈が政治的な判断を一般の解釈とするならば、そのときによって、そのつど変更が行なわれる危険性を持ち、特に、多数を持っている政党がこのような判断を下すということはきわめて危険であることを、まず冒頭に指摘しておきたいのであります。さらに草葉君は、自由民主党は個々人の全く自由な分子の寄り集まりであって、組織政党ではないかのごとき答弁を行ないましたが、私はいまだ不敏ながら、自由民主党がいつ解散したかを熟知いたしておりません。これはきわめて重大な問題でありますので、後ほど論及をいたしたいと思います。  中間報告は、国会法に示すとおり、「必要があるとき」と定めております。草葉君も御承知のとおり、わが国の法律の中には、「必要があるとき」と「必要と認められるとき」の二つの用語を使い分けております。「必要と認められるとき」という場合には、多数の判断にまかせられてみたり、ときには個人の恣意独断に陥る危険性を持っております。しかしながら、「必要があるとき」という場合には、特にその理由が客観性合理性を強く要求されているのは、御承知のとおりであります。すなわち、与野党あらゆる会派がこれを眺めてみて、まあ何ら理由なく審議がサボタージュされているとか、あるいは審議に入った後に、一日も早く通過をさせるような緊急事態の発生と、何ぴとも、いかなる政党政派を超越しても、客観性、合理性を持つときに、初めて、「必要があるとき」と判断されることは、本改正を行なう際に、自由民主党の小沢委員が強く指摘しているところであります。アメリカにおきましてもこの委員会のディスチャージ制がとられておりますが、アメリカにおける場合は、少なくとも法案が審議開始されて以来三十日を経過しないと本会議にこれを取り上げることができない定めになり、同時に、百四十五人の多数の賛成を必要とする。しかも、特に自由民主党の皆さんに訴えたいのは、そのような措置が行なわれて本会議で審議する際にも、十分の討論時間とか、質問者の数を限定するというような、きわめて非民主的な行ないではなくして、十分の討論時間と審議日数を加え、委員会にかわる本会議の機能を発揮することを、条件といたしているのでございます。草葉君の答弁を聞いておりますと、全くこのような委員会主義を無視して、与党多数がみずから国会法、参議院規則をじゅうりんするがごとき答弁をなさったことは、院のためにもきわめて残念に思う次第であります。(拍手)  同僚議員からたびたび指摘されたところでありますが、「審査中の案件」という語は、国会法におきましては、この五十六条にのみ表われております。その他の場合は、議案とか案件という用語によって表現されております。このことは、参議院規則第三十九条と相まって、付託をされたということと審査をしているということは異なり、特に中間報告を求める場合に審査中の案件というのは、質疑討論採決等、一連の委員会活動が開始されたことを強く要求していることは、本改正を行なわれる際に、院において討議されたところであります。このことを承知している草葉議員が、全くこれに目をおおい、本院におきまして牽強付会の答弁をいたしたことは、きわめて議会のためにも残念なところでございます。  しかも、永岡議員が指摘いたしましたとおり、委員長に報告を求めておられますが、審議が行なわれていない現段階におきましては、委員長は、もし報告するものがありとするならば、自民党の要求によって委員会を開会いたしましたけれども、自民党は何びとも出席せず、審議が行なわれませんでした、という報告が行なわれる以外の何ものでもないということは、提案者の草葉君が十分御承知のとおりであります。  本院において委員会の質疑が行なわれていない現段階におきまして、本院において取り扱うということは、草葉君の提案は、実質、今回の場合は、委員会審査の省略と同質でありまして、中間報告に名をかりた委員会審査省略の提案とみなして差しつかえないのであります。もしそれを行なうとしても、先ほどアメリカの場合を申し上げましたように、この本会議場において政府に質問をし、相互に討論を行ない、十分の考慮から審議日数をかすという用意があるならば、百歩を譲ってまだいささかの良心ありと断ぜられますけれども、全くそのことなく、十分間の討論質疑を行なってこれをやらせようとする草葉君の提案は、まことに議会を無視し、非民主主義以外の何ものでもないと思うのであります。  私は、この際に簡単に、最後に自由民主党の皆さんに強く訴えたい一点がございます。おそらく皆さんは、憲法によるところの「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、」というこの解釈を、多数を持っている自民党が持っているかのごとき偏見を持っておられるでしょう。失対法等の法案は、特に自由労組の諸君が今後の生活と直結する重要な問題として強く反対をしていることは、御承知のとおりであります。また、わが日本社会党が反対をしていることも、皆さん御承知のとおりであります。このように、一国会の中で日本社会党が全力をあげて反対している法案は、ごくわずかであります。このような法案に対しましては、質疑打ち切りとか採決強行の措置を行なうことなく、十分審議をして、議を尽くさないならば、これを撤回して次の国会に提出をする。それでも片付かなければ、十分に国民の意見を聞きながら再度提案をしていく。このことが行なわれて初めて、多数の民主主義擁護という実体が現われてくるのではないでしょうか。この寛容の精神なくして、多数は民主主義であるということをもって押し切られるならば、きわめて危険な、ファシズムと相通ずるものと私は強く指摘いたしたいのでございます。草葉君自身もわが党議員の質問に対して答えられたとおり、その必要性につきましても、緊急性につきましても、各派が一致して妥当性を見出すような答弁は何ものもございません。議会主義を守る良心が自由民主党にあるならば、草葉君が言ったごとく、自民党の提案でなく草葉個人の提案であるならば、自民党の国会対策は早急に態度を決定して、草葉君を説得して、これを撤回することが、自由民主党が議会主義を守り、国会法を尊重し、参議院規則を守ることを、身をもって表わすことになると断言すべきでありましよう。どうか組織政党であることを理解しない一草葉君の提案を、自由民主党が組織政党本来の姿に立ち返って、これを早急に撤回されるよう強く要求をいたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)    ————————
  110. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 鍋島直紹君外一名から、成規の賛成者を得て、  討論終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  111. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。  ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。——すみやかに御投票願います。——まだ投票なさらない諸君はすみやかに御投票願います。——まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票下さい。——まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  112. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  113. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百八十九票  白色票 百二十二票  青色票 六十七票  よって討論は終局することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百二十二名       森 八三一君    坪山 徳弥君       沢田 一精君    鬼木 勝利君       石田 次男君    野知 浩之君       二木 謙吾君    中尾 辰義君       鳥畠徳次郎君    赤間 文三君       北條 雋八君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       松平 勇雄君    最上 英子君       小林 篤一君    二宮 文造君       小平 芳平君    岩沢 忠恭君       岡崎 真一君    河野 謙三君       三木與吉郎君    村上 義一君       佐藤 尚武君    白木義一郎君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       天埜 良吉君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    鈴木 万平君       西田 信一君    村上 春藏君       山下 春江君    山本 利壽君       館  哲二君    佐藤 芳男君       青柳 秀夫君    平島 敏夫君       鍋島 直紹君    堀  末治君       藤野 繁雄君    新谷寅三郎君       西郷吉之助君    紅露 みつ君       木内 四郎君    杉原 荒太君       田中 茂穂君    小林 英三君       大野木秀次郎君    植竹 春彦君       平井 太郎君    黒川 武雄君       西川甚五郎君    日高 広為君       上林 忠次君    田中 啓一君       野上  進君    岸田 幸雄君       山本  杉君    川上 為治君       米田 正文君    谷口 慶吉君       北畠 教真君    金丸 冨夫君       櫻井 志郎君    松野 孝一君       柴田  栄君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       岡村文四郎君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    青木 一男君       木村篤太郎君    津島 壽一君       迫水 久常君    長谷川 仁君       村山 道雄君    田中 清一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       白井  勇君    村松 久義君       宮澤 喜一君    下村  定君     —————————————  反対者青色票氏名      六十七名       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    豊瀬 禎一君       鶴園 哲夫君    武内 五郎君       柴谷  要君    小柳  勇君       大矢  正君    北村  暢君       光村 甚助君    大河原一次君       岡  三郎君    大倉 精一君       松澤 兼人君    藤田藤太郎君       中村 順造君    田中  一君       加藤シヅエ君    木村禧八郎君       戸叶  武君    久保  等君       岩間 正男君    須藤 五郎君       鈴木 市藏君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       杉山善太郎君    高山 恒雄君       野上  元君    千葉千代世君       山本伊三郎君    横川 正市君       鈴木  強君    相澤 重明君       鈴木  壽君    森 元治郎君       田上 松衞君    向井 長年君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    近藤 信一君       田畑 金光君    米田  勲君       成瀬 幡治君    中田 吉雄君       小酒井義男君    佐多 忠隆君       藤原 道子君    中村 正雄君       村尾 重雄君    椿  繁夫君       大和 与一君    岡田 宗司君       羽生 三七君    赤松 常子君       曾禰  益君      ——————————
  114. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより、草葉隆圓君外一名提出中間報告を求めることの動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  115. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。まだ投票をなさらない諸君はすみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票願います。まだ投票なさらない諸君はすみやかに御投票下さい。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  116. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  117. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百九十四票  白色票 百二十二票  青色票 七十二票  よって、社会労働委員会において審査中の職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案についてすみやかに社会労働委員長中間報告を求めることに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百二十二名       森 八三一君    坪山 徳弥君       沢田 一精君    野知 浩之君       二木 謙吾君    鳥畠徳次郎君       赤間 文三君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       古池 信三君    松平 勇雄君       最上 英子君    小林 篤一君       岩沢 忠恭君    岡崎 真一君       河野 謙三君    三木與吉郎君       村上 義一君    佐藤 尚武君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       天埜 良吉君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    鈴木 万平君       西田 信一君    村上 春藏君       山下 春江君    山本 利壽君       館  哲二君    佐藤 芳男君       青柳 秀夫君    平島 敏夫君       鍋島 直紹君    堀  末治君       藤野 繁雄君    新谷寅三郎君       西郷吉之助君    紅露 みつ君       木内 四郎君    杉原 荒太君       田中 茂穂君    小林 英三君       大野木秀次郎君    植竹 春彦君       平井 太郎君    黒川 武雄君       西川甚五郎君    重政 庸徳君       日高 広為君    上林 忠次君       田中 啓一君    野上  進君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    青木 一男君       木村篤太郎君    津島 壽一君       迫水 久常君    長谷川 仁君       村山 道雄君    田中 清一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       前田 久吉君    白井  勇君       村松 久義君    宮澤 喜一君       下村  定君    小沢久太郎君     —————————————  反対者青色票氏名      七十二名       鬼木 勝利君    石田 次男君       中尾 辰義君    北條 雋八君       市川 房枝君    二宮 文造君       小平 芳平君    白木義一郎君       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    豊瀬 禎一君       鶴園 哲夫君    武内 五郎君       柴谷  要君    小柳  勇君       大矢  正君    北村  暢君       伊藤 顕道君    光村 甚助君       大河原一次君    岡  三郎君       大倉 精一君    松澤 兼人君       藤田藤太郎君    中村 順造君       田中  一君    加藤シヅエ君       阿部 竹松君    戸叶  武君       久保  等君    岩間 正男君       須藤 五郎君    鈴木 市藏君       小林  武君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       高山 恒雄君    野上  元君       安田 敏雄君    千葉千代世君       山本伊三郎君    横川 正市君       鈴木  強君    相澤 重明君       鈴木  壽君    森 元治郎君       田上 松衞君    向井 長年君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    田畑 金光君       米田  勲君    中田 吉雄君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       中村 正雄君    村尾 重雄君       椿  繁夫君    大和 与一君       赤松 常子君    曾禰  益君    ─────・─────
  118. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 午後七時まで休憩いたします。    午後四時三十八分休憩    ————————    午後七時十一分開議
  119. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  これより、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案について、社会労働委員長中間報告を求めます。社会労働委員長鈴木強君。   〔鈴木強君登壇、拍手〕
  120. 鈴木強

    鈴木強君 私は、ただいま議題となりました「職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律審」について、院議に基づき、社会労働委員会における審議の経過を中間報告せんとするものでございます。  本法律案が、内閣から当院へ予備審査のため送付されましたのは去る二月十三日でありますが、社会労働委員会に予備審査のため付託されましたのは、実に約三カ月後の五月七日であります。また、衆議院送付案が本委員会に付託されるに至りましたのは、わずかに六日前の六月二十三日であります。  委員会におきましては、自民党側理事の申し入れもありましたので、協議の結果、六月二十五日大橋労働大臣から提案理由の説明を聞きました。私といたしましては、さきに付託されました諸法案とともに、順次鋭意審議を進めんとしておりましたのに、突如として本法律案の審議について中間報告を求められるに至りましたが、率直に申し上げまして、ただいまも申し述べましたように、本法律案は、委員会におきましては提案理由の説明を聞いただけで、全く審議を行なっておりませんので、中間報告をせよと言うのは、全くむちゃな話でありまして、(拍手)どのような報告をしてよいのか戸惑うとともに、はなはだ遺憾に存じます。しかしながら、私は私見をはさまず、ありのままをここに報告することにいたします。  まず、本法律案の概要を申し上げます。本法律案は、政府側の説明によりますと、わが国の雇用失業情勢が、産業経済の発展に伴って相当に変化し、また、失業対策事業の就労者が一般の職場へはなかなか転出しがたく、固定化、老齢化の傾向にあること等にかんがみ、中高年令失業者等に対し、職業訓練、職業指導等を行なって、その就職を促進するとともに、これらの措置によっても、なお就職し得ない失業者等を、失業対策事業に就労せしめるため、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正しようとするものであります。  本法律案の要旨は、  まず、職業安定法の一部を改正して、  第一に、中高年令または就職困難な失業者に対し、労働大臣が定める計画に従って、就職促進指導官による職業指導、職業紹介、公共職業訓練、職場適応訓練等の就職促進措置を行なうこと。  第二に、国または都道府県は、右の措置を受けている失業者で失業保険の給付を受けていない者に対し、就職指導手当または訓練手当を支給すること。  次に、緊急失業対策法の一部を改正して、  第一に、失業対策事業は、失業者の技能、体力等を考慮し、これにふさわしい事業の種目を選ぶこととし、労働大臣が事業の種目、規模等を定めるにあたっては、あらかじめ地方公共団体の長の意見を聞くこと。また、失業対策事業を失業者就労事業及び高齢失業者等就労事業の二種類とすること。  第二に、失業者就労事業に公共職業安定所が紹介する失業者は、原則として、職業安定法による就職促進措置を受けてもなお就職できないものとし、現在失業対策事業に就労している君は、経過措置により引き続き失業者就労事業に紹介すること。  第三に、失業者就労事業の失業者に対する賃金は、労働大臣が失業対策事業賃金審議会の意見を聞いて定めるものとし、現行のいわゆる低率賃金方式を改めて、同一地域の類似の作業に従事する労働者の賃金を考慮し、地域別に作業内容に応じて定めること。また、夏期または年末に臨時に支払われる賃金について特別の定めをすること。  第四に、失業者就労事業の事業主体は、事業の適正な運営をはかるため、労働大臣が定める基準に従い、運営管理規定を定めること。  第五に、高年令またはこれに類する体力の失業者に就業の機会を与えるため、国または地方公共団体等は高齢失業者等就労事業を実施するものとし、その事業種目の選定、運営等については、高年令者等の特性を十分考慮し、賃金についても特別の配慮を行なうこと。等であります。  本法律案は、衆議院において施行期日の一部を修正されました。すなわち、附則第一条中、「職業安定法第二十六条の改正規定、この法律による改正後の緊急失業対策法第三章の二の規定及び附則第三条の規定」の施行期日「昭和三十八年四月一日」を「公布の日」に修正せられたのであります。  次に、本法律案の審議に関する社会労働委員会並びに同委員長及び理事打合会の経過について申し上げます。  六月二十四日午前及び午後の二回にわたって、委員長及び理事打合会を開きました。衆議院送付の本法律案が当委員会に付託されました翌日であります。当委員会は、毎週火曜日に厚生関係、同じく木曜日に労働関係の審議を行なうことを通例とする申し合わせでありますが、自民党側の高野徳永両理事から、「二十五日火曜日の委員会は厚生関係を審議する日であるが、これをやめて、労働関係の審議を行なうこと。すでに本審査のため付託されております内閣提出の労働災害の防止に関する法律案、失業保険法の一部を改正する法律案並びに議員発議の労働関係六法律案に先んじて、本法律案を審議することとしたい。また、今後会期末まで火曜日及び木曜日のほか連日委員会を開くことといたしたい」との申し出がありましたが、社会党側の阿具根藤田両理事から、「火曜日に厚生関係を審議する通例を特に変える理由を了解しがたい。今後通例の委員会開会日について検討することは考慮してもよいが、連日委員会を開くことには賛成できない」との意見が述べられ、調整ができませんでしたので、一たん休憩いたしました。再開後、自民党側の理事から、「二十五日の委員会では、厚生、労働両省関係の審議を行なうこととしたい」との申し出がありましたが、社会党側の理事と意見が一致するに至らなかったのであります。  なお、同日、自民党側の理事である高野徳永の両委員から、「二十五日午前十時開会の社会労働委員会において、本法律案議題とされるように」との申し入れがなされました。翌六月二十五日、委員会の開会前に委員長及び理事打合会を二回にわたり開きましたが、自民党側の理事から、「本日の委員会において、公報掲載の案件に追加して本法律案の審議を行なうことといたしたい」との申し出があり、社会党側の理事から「本法律案について十分な審議を約束するならば、本日、本法律案の提案理由の説明を聞いても差しつかえはないが、確約できるか。また、明水曜日及び明後木曜日に委員会を開いて、労働関係法案を順次審議し、木曜日の委員会散会後に今後の審議日程について打ち合わせをしたい」との答えがありました。一たん休憩後、再び打ち合せを行ないましたが、依然として双方の主張が強く、なかなか意見が一致しなかったのであります。しかしながら、委員長として誠心誠意双方の意見の調整に努力いたしました結果、同日開会の委員会において老人福祉法案について質疑を行なった後、大橋労働大臣から本法律案について提案理由の説明を聴取することにいたしました。このことは先ほど私が申し上げましたとおりでございます。  なお、同日自民党側の理事である高野徳永両委員から、「明六月二十六日午前十時から社会労働委員会を開会し、本法律案審査されんことを」との申し入れがなされました。  次いで、六月二十六日午後、二回にわたり委員長及び理事打合会を開きましたが、自民党側理事から、「明二十七日の委員会においては本法律案のみを審議し、今後、連日委員会を開き、三十日は日曜日であるが、委員会を開いて、本法律案に対する質疑を打ち切り、討論採決を行なって、七月一日開会見込みの本会議に上程できるようにいたしたい」との申し出があり、これに対して社会党側の理事から、「委員会の開会日数を増加して審議を促進することには同意してもよいが、本法律案採決日を六月三十日に予定することには反対である」との反論があり、休憩後も双方の意見が一致するに至らなかったのであります。なお、自民党側の理事である高野徳永両委員から、「本日すみやかに社会労働委員会を開会し、本法律案議題として審議されるように」との申し入れがなされましたが、右のような委員長及び理事打合会の経過にかんがみ、このような状況において委員会を開きましても円満な審議の促進を望みがたく、また、委員長及び理事打合会の閉会が午後四時四十九分になりましたので、委員会は開けなかったのであります。  次いで、二十七日、委員会開会前に委員長及び理事打合会を二回にわたり開きましたところが、自民党側の理事から、「今後、連日委員会を開いて本法律案のみを審議することといたしたい」との申し出があり、これに対し、社会党側の理事から、「本法律案より前に当委員会に付託されている労働関係の諸法案、すなわち内閣提出の労働災害の防止に関する法律案、失業保険法の一部を改正する法律案を順次審議すべきであって、本法律案のみを優先的に審議することには同意できない」との反論があり、休憩後も双方の意見が一致するに至らず、すでに時間は午後七時四十五分にもなりましたので、ついに委員会を開会するに至らなかったのであります。その際、自民党所属の高野徳永紅露竹中丸茂山本鹿島横山亀井、加藤各委員の連署をもって、本法律案審査するため、六月二十八日午前十時から委員会を開会するよう、参議院規則第三十八条策二項により委員会開会要求書が委員長あてに提出されましたので、私は各興奮に諮り、昨二十八日午前十時から委員長及び理事打合会、同十時三十分から委員会の開会の手続をとり、委員会の会議に付する案件として、「労働災害の防止に関する法律案(閣法第百十二号)(衆議院送付)、失業保険法の一部を改正する法律案(閣法第百十七号)(衆議院送付)、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案(閣法第八十九号)(衆議院送付)並びに労働情勢に関する調査」を定め、公報に掲載いたしました。  昨二十八日は、午前十時より委員長及び理事打合会を招集いたしましたが、定刻を過ぎても自民党側の理事の出席がなく、午前十時三十分過ぎになって、自民党側より暫時開会延期方の連絡がもたらされましたので、御家庭の御都合もおありのことと考え、この要請をいれてお待ちすることにいたしました。ところが、同日午後六時半に至り、なお自民党側の理事の出席がなく、正規の委員長、理事打合会並びに社会労働委員会を開会することができなかったのであります。委員長といたしましては、やむなく午後七時過ぎ、自民、社会面党側の理事を初め、社労委員になっていただいております公明会の小平委員、民主社会党の村尾委員、第二院クラブの林委員にも御出席を願って、懇談会を開き、二十八日の経過について御説明を申し上げました。その席上、自民党を除く各委員から、期せずして、本日自民党は中間報告を行なうのではないかという風説が飛んでいるが、そのようなことがあってはならないとの意見の開陳がなされました。  なお、この懇談会に先だち、私は参議院の役員として、重宗議長に面会を求め、午後四時四十五分から十五分間、社会労働委員会の経過について説明を申し上げるとともに、議長の善処をお願いいたしました。  以上、委員長及び理事打合会を中心にして経過を申し上げましたが、同じようなことを繰り返しておりましたので、おわかりにくかったかとも思います。  結論的に申し上げますと、六月二十三日に衆議院送付の本法律案が当委員会に付託されましたときには、すでに労働関係の法律案としては、内閣提出の労働災害の防止に関する法律案、失業保険法の一部を改正する法律案、並びに議員発議による六法律案、すなわち、労働基準法の一部を改正する法律案、じん肺法の一部を改正する法律案、炭鉱労働者遺族補償特例法案、最低賃金法の一部を改正する法律案、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律を廃止する法律案、中高年齢者雇用促進法案、これらが本審査のため当委員会に付託されておったのであります。  このような中で、自民党側理事は、議員発議の六法律案はもちろん、先に付託された内閣提出の労働災害の防止に関する法律案、失業保険法の一部を改正する法律案をそのままにしておいて、まっ先に、あとから送られて参りました本法律案のみを審議をすべしという意見でございました。しかも、連日委員会を開き、六月三十日の委員会で本法律案討論採決を行ない、七月一日の本会議に上程することを終始主張して、一歩も譲らなかったのであります。これに対して社会党側理事は、「労働関係では、すでに内閣提出の二法律案と議員発議の六法律案が本法律案より前に当委員会に本審査のために付託されているのでありますから、委員会に付託された順序に従い、少なくとも労災、失保、失対の順に審議を行なうこと、会期は七月六日まであるのであるから、この間において衆議院同様参考人の意見聴取等も考えて審議の日程を作るべきであって、六月三十日に議了しようというがごときむちゃな言い分には反対せざるを得ない」と、終始主張して譲らなかったのであります。このように両党の意見が全く平行線をたどったため、委員長としては、委員会を開会しても、とうてい円満な委員会の運営は期しがたいと考え、委員会の開会はできなかったのであります。特に二十八日の委員会は、成規の手続を経た自民党委員の要求であるにもかかわらず、自民党理事の委員長理事打合会への御出席がないために、委員長及び理事打合会を初め社会労働委員会の開会ができなかったのであります。  かくのごとく、社会労働委員会におきましては、職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案につきましては、提案理由の説明を聞いたのみで、一回の質疑も行なっていないことを重ねて申し上げまして、報告を終わります。(拍手)
  121. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) ただいまの中間報告に対し、質疑の通告がございますが、鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、中間報告に対する質疑その他の発言は一人十分に制限することの動議提出されました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  122. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。  ただいま行なわれております投票は、今後……(「何を言っているのだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)……制限いたします。(発言する者多く、議場騒然)……投票箱閉鎖いたします。……(発言する者多く、議場騒然——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  123. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) ……投票参事計算させます。……開鎖を命じます。(発言する者多く、議場騒然)   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  124. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。(発言する者多く、議場騒然)  投票総数 ………  ……… 百十二票  青色票 十九票   〔拍手、発言する者多し〕    ─────・─────
  125. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この本会議は、きわめて重要な案件を取り扱っておりますので、議長としても十分慎重に会議を進めるよう努力いたします。  これより順次質疑を許します。(発言する者多し)亀田君、御登壇願います。(発言する者多し)   〔亀田得治登壇、拍手〕
  126. 亀田得治

    亀田得治君 先ほど鈴木社労委員長から報告があったわけでありますが、私は、あれが国会法第五十六条の三の中間報告と認めるわけにはいかないと思うのであります。すなわち、本件は、いまだ同条にいう「審査」に至らなかった経過の事実的な報告を聞いたにすぎないと思うのであります。(拍手)私は、この事実経過というものがいかに不当なものであるかということをさらに明確にしたいと思って、そういう立場で質疑をしてみたいと思うのでありますが、これはあとから問題にもなろうかと思いますから、そのような立場で質疑をしていくことを議長においてまず御了承を願いたいと思うのであります。(拍手)私の今の立場は認めていただけるわけですね。
  127. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 質疑を進めて下さい。
  128. 亀田得治

    亀田得治君(続) 私の立場を認めていただけるわけですね。(「進行々々」「こんな悪例を作ったら、今後委員会の運営は一つもやれぬよ」「議長休憩休憩」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  それでは質疑を始めたいと思いますが、先ほど私が申し上げましたように、私といたしましては、いわゆる国会法五十六条の三の中間報告があったと認めるわけにはいかないわけであります。ただし、この点は先ほどの委員長の詳細な経過報告によって相当明らかになったわけでありますが、しかし、そのことをより一そう明確にすることは、本件が最終的に処理される場合に、やはり中間報告がなかったんだという一そうの強い立証になっていくだろうと思いますので、そういう立場で事実経過をより一そう明らかにしたいと思うわけであります。ただすべき点は非常にたくさんあるわけですが、重要な点にしぼってお尋ねをしたいと思います。なお、今朝来、たくさんの同僚議員の方々が本件に触れて質問をされておりますので、できるだけ重複等も避けていきたいと思います。  そこで、まず第一の点は、自民党は、この社労委員会におきまして、職安法及び緊急失対法の一部改正の優先審議一本調子と、こういう態度が臨んでいたことは、先ほどの委員長報告によって明らかでありますが、私は、さらに三点につきまして、これを分析して、なぜ自民党はそのような態度をとってきたのかということを、委員長から明らかにしてほしいと思うのであります。もちろんこれは先方の立場をお聞きするわけですから、委員長として十分わからぬ点もあるかもしれませんが、可能な限りひとつ御意見をお聞かせ願いたいと思うのであります。  その第一点は、順序につきましてであります。先ほどの報告にありましたように、社労委員会には、議員提案六件を別にいたしまして、政府提出のものが三件かかっているわけであります。第一が労働災害の防止関係、第二が失業保険法の一部改正、第三が本件の職安及び失対の一部改正であります。で、この中で、この三件が参議院に送付されて参りました順序、これは私が今申し上げた順序で来ているはずであります。その日時関係等を、より詳細にお聞きしたいことと、さらに私の聞くところでは、その第一の労働災害の防止に関する法律案、この件についてはすでに三回も社労委員会が開かれて審議をされている。また建設委員会との連合審査等もされて審議が相当進んでいるわけであります。で、普通ならば、そこまでいっておれば、一番先に送付されてきた案件でありまするし、かたがた審議もほとんど連合審査まで済んでいる。そうすれば、当然その案件から処理をしていく。これが普通の常識であろうと思うのであります。それをしも自民党が順序を逆にして、最後の本件というものをその前に持っていく、これははなはだもってけしからぬ態度であると思うのでありますが、なぜそこまで審議が進んでいる、しかもこれは政府提出案なんだ、自民党楽なんだ。みずから出したものが審議が熟しているのに、それをすら片づけることをもしないで、この失対法優先主義一本調子、かくのごとき、かたくなな態度はどこから出てくるのか。この点につきまして相当御説明もありましたが、委員長の御見解も、もう少し明らかにしてもらいたいのであります。  それから第二点は、内容の点からお尋ねをいたします。といいますのは、第一の労働災害の防止に関する法律案は、御承知のように、労働災害の防止については今日いろいろな制度がございますが、しかし、それにもかかわらず、災害の件数というものは年々ふえていっておるわけであります。それに対しまして、まあこの法案ではきわめて不十分なものではありますが、若干でもその労働災害の防止についての施策をやろう、こういう中身を持っているわけでありますから、労働者にとりましては重要な法案であるといわなければならないと思うのであります。さらに第二番目に参りました失業保険法の一部改正、これも中身はいろいろあるわけでありますが、一番失業者の皆さんがこの法案について注目をいたしておりますのは、保険金の最高並びに最低の日額をそれぞれ七百円から八百六十円、百二十円のものを百八十円に引き上げる、その他のことが規定されているわけであります。これも失業をされて気の毒な立場に追い込められる労働者の方にとりましては、さしあたってこれこそ緊急に必要な法案ではなかろうかと思うのであります。こういう内容から見ましても、何ゆえに、しかも、この二つの法案は、先ほど申し上げたように、政府、自民党みずからが立案して出しているものなんであります。それをどうして失対法優先ということでこの先に持ってこなければならないのか。こういう態度というものは、政府、自民党みずからが、労働者のためといって提案いたしました労働災害の防止並びに失業保険法の一部改正に対する熱意のほどというものを、私たち疑わざるを得ないと思うのであります。私は、そういう誤解を受けるようなことまでして、なおかつ、失対法優先一本やり、こういう態度をとられたことにつきまして、今申し上げたような側面から委員長の御見解を承りたいと思います。  それから第三は、この三案につきましては、各種の反響が労働者の皆さんの中に起きていることは御承知のとおりであります。第一の労働災害、第二の失業保険法につきましては、早くこれを制定してくれいという促進の陳情、請願等が来ております。これはどの程度来ているのか、委員長にお伺いをいたしたい。ところが、その反面、自民党がこれは優先審議しようとしている失対法に対しましては、たくさんの反対陳情が労働者みずから来ているわけであります。一体この陳情なり請願というものがどの程度委員長の手元にまで来ているのか、その辺のところを明らかにしていただきたいとともに、私は、労働者のための立法を問題にしているときに、労働者自身が希望するものをあと回しにして、反対するものをことさらに先に持っていく、かくのごとき態度は、はなはだ不可解といわなければいけないのであります。(拍手)こういう点についての委員長の率直な御見解をつけ加えてお伺いいたします。  それから次に、私は、自民党が二十八日の社労委員会をボイコットした問題についてただします。ただし、この点についての事実関係は、先ほどの委員長報告により相当明らかにもなり、たくさんの同僚の方々の御指摘、追及等もすでに済んでおりますから、重複はやめまして、特に二点だけを、この際、公の記録の中に明らかにしてもらいたいと思います。  その第一は、自民党が今月の二十七日に、鈴木委員長に対しまして、明日の社労委員会の開会を文書で要求して参りましたことは、御承知のとおりでありますが、この文書を、全文を委員長から朗読していただきまして、記録に明らかにしてもらいたいと思うのであります。  それから第二は、二十八日の午後七時ごろ、委員長は、先ほどの報告によりますと、自民党がどうしても開会に応じないので、しかし、自民党以外の会派の方々には非常なお待たせをして、迷惑をかけても相済まぬ、こういうことから、委員長の取り計らいで、午後七時ごろ、懇談会を持たれたようであります。その際における自民党以外の方々の御意見につきましては、若干先ほどお触れになりましたが、一体、その席上に出て参りました自民党の理事は、このような事態に対してどのような弁明をしていたのかということを、明確にしてもらいたいのであります。以上二点を、ボイコットの問題についてお願いをいたします。  ともかく、多数党である自民党がみずから委員会をボイコットしたということは、まことに私、遺憾に思うのであります。私からちょうちょうするまでもなく、民主主義は多数決原理でありますが、しかし、決してそれは多数横暴を許すものではなく、少数意見の尊重も当然そのうらはらとなっており、両者の調和の中に民主主義が育つものと考えます。(拍手)したがいまして、たとえば、多数党が多数を頼んで行き過ぎた議事進行をはかるような場合には、少数党が、法規、慣例等によりまして、各種の動議等を用いまして、そうして引き延ばし等をすることが許されるのは、この両者の調和ということを考えているからであろうと思うのであります。しかし、いずれにいたしましても、この場合、多数党、少数党いずれにしても、委員会、議場という土俵の中の行動として行なわれているわけでありますが、ところが、今回の二十八日自民党の諸君がおやりになった委員会のボイコットというものは、その土俵そのものをこわしてしまうところの破壊的な行動と断定していいと思うのであります。(拍手)こういうことをすれば、他党の自民党の意に沿わぬ委員長等があった場合、自民党の意思一つによって委員長は浮き上がってしまうのであります。私は、このようなことが今後絶対にないようにするためにも、この二十八日の社労委のボイコットという問題を、国会議員全員で、もっと真剣に考えていきたいと思うのであります。  私は、時間がありませんから、簡単に、イギリス労働党のモリソン氏の「政府と議会」という書物の中から、その一節を引用させていただきたいと思います。「多く政策問題で政府は反対党に対して抵抗し、反対党は政府と闘う。これは自然であり、正しいことだ。それは議会運営にいのちと熱とを与え、また望むらくは国民を教育する。正しく選ばれた多数は支配するが、反対党もまた権利と義務とを持っている。反対党もその政見を議会に提出するためにその支持者によって選ばれたのである。議会制民主主義の精神に従うならば、政府は反対党の議論と提案を聞いて考慮しなければならない。なぜなら、多数党による政府という意味は、多数が恣意的に行動してよいということではない。もしも政府が、その価値ある内容を考慮せずに、反対党の修正案や政策上の見解は間違っている、したがって頭からそれを拒否してもかまわぬというような態度をとるならば、それはたえがたいことであるのみならず、愚かなことである。」、こう書いているわけであります。民主主義議会政治の発達した国として、イギリスは少なくとも自民党の皆さんには一つの大きなイメージでなかろうかと思います。そこの重要な政治家が、今私が申し上げたようなことを書いているわけでありますが、どうか私は、今回自民党がやりました委員会のボイコット、引き続いて行なわれている中間報告の問題、——中間報告とは認めませんが……
  129. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
  130. 亀田得治

    亀田得治君(続) ないものを中間報告として押し切っていこうという態度、これはまさしく、今引用いたしましたところの、愚かな行動であると言わなければならないと思うのであります。(拍手)
  131. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
  132. 亀田得治

    亀田得治君(続) 時間が超過しておりますので、最後に、簡単に委員長にさらにお伺いをいたします。  その第一点は、委員長は、今回の中間報告に関連して、国会法第五十六条の三の「委員会の審査中の案件」ということの意味をどのように解釈をしているのか、委員長としての見解を、この際明確に公にしてもらいたいと思います。それが明らかになれば、私が最初申し上げたように、これは中間報告ではないのだということが、さらにはっきりすると思います。  さらにもう一点は、委員長は、したがって、本件を、今後本会議がどのように取り扱うことを御希望なさっておられるか。これも、重大な問題になっている本件といたしましては、委員長の見解というものは、議員全体がおそらく公平に尊重することであろうと思いますので、率直にお聞きをしたいと思います。
  133. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
  134. 亀田得治

    亀田得治君(続) 以上申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔鈴木強君登壇、拍手〕
  135. 鈴木強

    鈴木強君 亀田議員の御質問にお答えいたします。  第一点は、労災、失保、職安、失対、このそれぞれの法案は、いつ社労委員会に付議されたかと、こういう御質問でございます。  御質問の中にもありましたように、労災のほうは二月二十二日に社労委員会に予備付託されました。五月二十三日に衆議院から送付されまして木付託になりまして、説明は、すでに三月の七日に受けております。で、五月の三十日と六月の六日、六月の十三日、三回ほど質疑を行なっております。さらにその間、六月四日に建設委員会との連合審査を行なっております。それから失業保険法、いわゆる失保のほうは、三月の二十日に予備付託されまして、衆議院からの送付を待って、六月の七日に本付託になっております。これは六月十三日に本法案に対する趣旨説明を行ないまして、まだ質疑はやっておりません。職業安定法及び緊急失対法のほうは、さっき申し上げましたように、五月七日予備付託、六月二十三日に本付託、六月二十五日に趣旨説明を聞いている。こういうのでありますから、順序は、労災、失保、職業安定法、失対法ですね、そういうことになります。で、これをどういうふうに取り扱うかということでございますが、これは御承知のとおり、各委員会における議案の審査順序等につきましては、別に参議院規則、国会法等に特別な定めはないのでございます。ただ、それぞれ慣例等によりましてやっておりますので、委員会において御協議をいただいて、どの案件をどうするかということは御相談の上きまるものだと私は思います。その際、お話のように、この法案は三つともそれぞれたいへん重要な法案だと私は思います。労災にいたしましても、内容的にはもちろん不十分なところがございますが、これまた大事な法案でございますし、特に失業保険法につきましては、これはどうしても緊急に成立をしてやらなければならない問題だと委員長は考えておりました。したがって、私も、実は御承知のとおり、十四日に委員長に就任したばかりでありまして、前の加瀬委員長のあとを引き継いで、いろいろ御指導もいただいておりましたが、何せ失対が入りまして、その前に生活環境施設整備緊急措置法案というのを一本、私が委員長になりましてから六月二十四日にこれは議了をして、当院先議でありますから、衆議院のほうに送付をいたしておりますが、そんな関係もありまして、この法案が参りました際に、できるならば、他にまだ労働関係として議員提案の六つの法案もございますから、それらをどういうふうに審議するかということについて両党の理事の皆さん方にも十分御協議いただき、ぜひ意見の一致したところで円満に委員会の運営をはかりたいと私は考えておったのでありますが、二十三日にこの失対法が参りますと、先に申し上げましたように、自由民主党からはどうしてもこれを先議してもらいたいという強い御意見がございまするし、社会党のほうでは、ここに付議された法案は大体同じような内容であるから、順序によってひとつ審議をしてもらいたい、こういうことで、実はどういうふうにやるかということについてなかなか意見をお聞きする機会もなく、三、四日間経過してしまったというのが実情でございます。  それから法案の内容でございますが、今も私からも申し上げましたように、それぞれたいへん大事な法案でありますから、今申し上げたことで御了解がいただけることと思います。  それから労災、失保、失対、これらの問題について委員長の手元に請願その他いろいろと陳情があるだろうが、どんなようかというお話でございます。ちょうど今現在、請願は委員会に大体十四万近く参っております。それから電報は、私が就任いたしましてからでも約一万通きております。それから、はがきによる陳情は、ちょうど私の頭の近くくらいまでおそらく積み重ねたらなるのではないか。そのほかに私は、各社労委員会の皆さんのところにもそれぞれ参っているのではないかと思います、特に失対の問題についてであります。で、労災、失保のほうにつきましては、電報その他参っておりますが、失対ほどではないことは、これは事実でございます。ですから、各委員の皆さん方のところにも相当の数が参っておりますが、そういうものは私は全然抜きにして、委員長のところに参りました、社会労働委員長鈴木強というあて名になって参りましたのはその程度ございます。  それから二十七日の文書の内容でございますが、写しがございますから、朗読をせよということですから、朗読をいたします。  こういう内容でございます。  それから二十八日の先ほど御報告いたしました懇談会で、自民党の理事の方は出てきたのか、そうしてどういうことを言ったかということですが、私は、この委員会はもちろん規則上どうということではございませんが、便宜的に各委員会でも懇談会的なものを持っていると思います。当日は理事会が開会できませんで、七時過ぎになりましたから、各会派から理事が出ていただきますと非常に委員長もやりいいのでございますが、今、社会労働委員会は自由民主党二名、社会党二名、合計四名と私とでやっておりますので、理事を送っていただかない会派の方々には、たいへん失礼をする場合があるのであります。しかし、私はできるだけみずから足を運びまして、各皆さんにも御了解をいただいておりましたが、しかし、たいへん大事な状況にきたという判断をいたしましたから、あえてそういう措置をとりまして、懇談会という形でおいでいただくようにして、何のこれは拘束力も何もないわけでありますけれども、お集まりいただいたわけであります。その際、自由民主党のほうから一人おいでになりましたが、何も言わずに帰っていかれた、こういうわけであります。  この懇談会でどういう意見があったかということでありますが、私は率直に言って、二十八日の朝からの経過を——その前のは御了承いただいておりますから——特に二十八日自民党から要求がありました開会についてのことだけを御報告いたしました、私のほうから。そして、何かこの際御意見等ありましたら、別に拘束する会でも何でもありませんので、御意見等承ったらということを言ったのですけれども、別にこれといって発言を求めてやったわけではございませんが、さきに申し上げましたように、まあ中間報告というようなうわさも耳に入っておったようでありまして、そういうことはどうも参議院の権威にかけてもまずいことじゃないか、そういうことはやめなければならぬというような気持が多分にこれはあったと、こういうような気持であったわけであります。これは、自由民主党の方はそうでなかったことはもちろんでございます。  それから国会法五十六条の三の「審査中の案件」ということでございますが、これは私も実はいろいろと法文の解釈その他について勉強もしていました。なるほどこの五十六条の三にいうところの「委員会の審査中の案件について」ということについては、一体、「審査中」というのは、どういう状態を「審査中」というのであろうか、こういうことでございます。そこで、これを受けて、この「審査中」という解釈を規定した規則が、私は参議院規則の三十九条ではないかと思うのであります。その第三十九条には、「委員会は、議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」こういうふうにございます。したがって、「審査中」という解釈は、私は、参議院規則の三十九条から申しますと、「説明を聴いた後、審査に入る。」というのでありますから、これをそのまますなおに理解すれば、説明を聞いて審査に入るというのでありますから、説明を聞いた段階が審査であるかどうかということは、おのずからはっきりすると思うのであります。したがって、この点については、私もこの社労委員会において実際に、さきに申し上げましたように、これはもう委員長は、自分の意見、私見というものを報告の中には入れないのだ、こういうことを十分私は国会法上から知っております。したがって、すなおに私は、さき申し上げましたように、とにかく六月二十五日に大橋労働大臣からこの法案の提案の趣旨を聞きました。その後一回の質疑もしておりません。こういうことを私は申し上げたわけでありますから、解釈上は、はっきりしていると思うのであります。その質疑をしたことがないということが審査というふうにもし解釈するとするならば、そうなると思います、私は。ただ、国会法上の「審査中」という解釈につきましては、法制局にもいろいろ伺いました。三十国会の前例等についても伺いました。そういうわけで、いろいろと、この解釈については、法制局は法制局としてのお考えが、統一解釈があると思いますが、私も実は委員長としての重責についてみますと、ほんとうにこの解釈は、今とられている、「審査中」という中に説明を聴取することによって入るのだという解釈、これは私は、議事を運営する場合、三十九条の参議院規則からいうと、非常に困る規定だと思うのです。ですから、すでに三十国会、三十三年にそういう前例があったとするならば、われわれはもっと早くこれらの法律解釈についてはっきりするべきではないかと私は思うのであります。ですから私は、法学者でもありませんから、これ以上法律解釈について明確に申し上げることはできませんが、これは、あくまでも私個人の考え方としてひとつお聞きいただきたいと思います。  それから最後に、この本会議場において、この中間報告を求める動議に対して一体どうするのかということは、いわゆるこの本会議場で直ちに審査をすることと、期限を付して社労委員会に差し戻すと、こういうのと、どっちを君は望むのだということだと思います。もちろん私は、委員長として、報告の中にも最初に申しておきましたが、あくまでも委員会において慎重審議を尽くし、結論を得て、本会議報告するというのが、私は日本の議会における審査の方法だと思うのであります。(拍手)したがって、そういう原則からいたしますと、良識ある皆さんの御賛同によって委員会に差し戻していただき、われわれは、委員会の名において慎重に審議を尽くしてみたいと、かように率直に考えていることを申し上げまして終わります。(拍手)    ─────────────
  136. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 小柳勇君。   〔小柳勇君登壇、拍手〕
  137. 小柳勇

    小柳勇君 私も日本社会党を代表して、ただいま報告されました鈴木社労委員長の報告に対しまして質問をいたさんとするものでございます。  委員長の報告にもありましたように、法案の内容については、全然審議されておりませんので、審議の期間中におけるもろもろの現象など、委員長が接触されたところを重点的に質問をいたしまして、この法案がさらに本院において慎重審議されることを期待いたす次第であります。  質問に入ります前に、社会党で労働問題のベテランである鈴木社労委員長が、との二法案をいかに慎重審議するかに苦心された状況がよくわかりました。その御苦労に対しまして、深く心から敬意を表し、感謝をいたす次第であります。それに引きかえまして、国会に例のない無謀な横車でこの重要法案を強行突破しようとする自民党の考えに対しまして、心からいきどおりを感ずる次第であります。すでに委員長も御承知のとおり、この失対二法案が衆議院に上程されまして以来、数カ月にわたりまして、連日連夜、数万の日雇い労働者の諸君が、全国各地から、この法案に反対すべく請願陳情に来ているのであります。その人たちは、着のみ着のままで、北海道から、九州から参りまして、各議員にすがるようにして請願いたしているところであります。今まで農民の皆さんも見えました。農業基本法のと寺も、米価の決定のときも、たくさん参られたのであります。また、中小企業基本法の問題につきましても、中小企業の皆さんがたくさん見えますが、そのような請願や陳情の方に比べまして、量におきましても質におきましても、格段の相違があります。このような熱烈な請願陳情行動が一体どうしてできるであろうか。一口にいいまして、大きく二つの原因があると思います。その一つは、今日、日雇い労働者の皆さんが大きな組織を持っている。組織のおかげで、はるばる東京まで参りまして、着のみ着のままではあるが、請願して帰れる、とれが第一の原因であろうと思います。第二は、あの人たちの生活が非常に苦しい、いわゆる底辺の労働者と言われており、生活が逼迫しておりますから、やらざるを得ない、自分の将来を考えましてやらざるを得ない。その熱情があのような請願行動となったものと考えます。  まず、第一について考えてみますと、あの人たちを今個々ばらばらにしておきましたならば、あれだけの陳情はできない。全日自労という組織は二十二万人、その人たちは初めは地下たび一足から要求した、そうして労働条件を少しずりよくして参った。長い間に賃金や手当を少しずつよくして参った。ところが、その賃金や手当の交渉がけしからぬといって、迷惑がっている役所があります。一体、おじいさん、おばあさんの一人々々が役所に行って交渉ができましょうか。交渉しなければ一体だれが賃金をよくするか、生活条件をよくするか。また、失対は組織の力をもってさぼるから、との組織を何とかしなければならぬ。なまけるから失対法を改正しなければならぬという意見があります。一体、日雇い賃金は幾らでしょうか。人事院総裁による昭和三十七年度の標準生計費は成年男子一人で一万九百六十円であります。ところが、日雇い労働者の皆さんは三・二人家族で平均月に九千三百五十円であります。なまけることを責める前に、賃金を引き上げて栄養失調の人をなくするということが、政治の要諦ではないかと考えるのであります。政府が守ってやるべき人たちを、全日自労の組織がこれを守っている。その組織を何とかしなければならぬということが、もしこの失対法改正の中にあるならば、私どもは断固としてこれを許すことができません。全日自労の支持政党は革新政党であります。この二法案を改正することによって、自民党に、その選挙基盤を何とかしなければならぬという、そういう野心があるならば、これも許すことができない。大衆は賢明であります。だれがほんとうに自分を守ってくれているかということを、自分のはだで感じて、本能的に体得しているものであります。自民党と政府が、言葉で言っているように、ほんとうにあの人たちを守っているならば、現在までの失対法でも感謝しているでありましょう。また、この失対二法の改正につきましては、双手をあげて自民党と政府の皆さんにお礼に参るのが、私は当然であろうと思う。ところが現在は実情が違う。現在、政府、自民党に対しまして、あの人たちは鬼かジャか、そういうふうに言っている。政府と自民党をのろう膏薬は、全国津々浦々に満ち満ちている。先日もある自民党の人が、あの人たちがジャンパーの中に雑誌を一冊入れておったら、武器を持っているので身の危険を感ずると言って漏らしたことがある。国会議員であり、政府であるものが、自分が守らなければならぬ人たちが雑誌を入れておくことに脅威を感ずるような政治が一体ありましょうか。  第二は、あの人たちの生活がそれだけ逼迫しているということを申し上げましたが、これから一体どうなるかという生活の不安がある。  まず第一点は、今度の改正によりますと、失業者は自分で希望しても失対に入れられない、そういう心配をしております。労働者は首を切られますと失業保険がありますが、失業保険がない労働者もいます。もし失対に入る道がなければ、あの人たちは死にもの狂いで戦うほかございません。そのほこ先は政府はもちろんでありますが、首を切った資本家のほうにも向けられ、再就職するまで失業中の生活保障を頑強に要求して戦うことになります。  第二点は、失対に入れなくても訓練を行ない、もし就職できなければ手当を出すからよいではないかという意見があります。また、この失対二法の改正の中にそういわれております。訓練の種目は十数種ありますけれども、ほんとうに役立つのは一体どれだけございましょう。また、この訓練を終えたあとで高い賃金を出して本工として雇うでありましょうか。そのことを心配しているのであります。一日二百六十円で、失対賃金や生活保護以下の水準の手当を受けよ、これだけでがまんしろというものが法律の中にある、これもがまんできないと心配しているのです。  第三点として、今度の失対二法の改正についての考え方の基本的な誤りがある。雇用審議会が昭和三十四年に完全雇用の答申をしていますが、そういうものを先にやって、初めて失対法の改正をすべきではないか。  第四点は、未解放部落の問題でありますが、これらの地域では青年層でも一般の雇用から締め出され、生活の手段としては失対が唯一のもので、しかもこれに入ることにさえ一年も二年も順番を待たなければならぬ現状であります。こういうのが生活不安の大きな原因であります。  第五点として最後に申し上げたいのは、もしこの改正で失対がつぶれると、やっと一万円近くになりました失対貸金の水準が再びこわれまして、その基礎を失って、失業者の生活はさらにみじめなものになることを心配いたしているのであります。このことは当然全労働者の問題でありますから、今陳情に参っておりますのは全日自労の諸君だけではございません。総評も中立労連の人たちも、いわゆる労働者といわれる人が一緒になって請願陳情行動をいたしているのであります。  そこで委員長に対して質問いたしますのは、  第一は、今度の法律改正は、失業者の就職促進をはかり、失対事業を根本的に改正するものであるといわれておりますが、その当事者である日雇い労働者の諸君は一体これをどう考えているか。ただいま亀田委員の質問のときに、請願書が山ほど届いたと言われておりますが、私どものところにもたくさん改正反対の請願が参っております。委員長のところにもいろいろ具体的な問題があると思いまするが、その中で一部でよいから具体的なものをここで御披露願いたいと思うのであります。  第二点の質問は、前に述べましたように五つの問題点で失対の人たちが一生懸命に今この改正反対の運動をいたしておりますが、これらの問題はどれも必要でありますが、特に第三点の雇用審議会の答申が重要であります。そこで雇用審議会の答申の中で、たとえば最低償金制の確立、臨時工や社外工をたくさん使って低賃金で労働強化をしいておる現状の打破、社会保障制度の拡充など、答申の中にありますが、委員長の手元に雇用審議会の答申があると思います。重要な点を若干でよいから、一、二でよいからお聞かせ願いまして、これらの解決が失対問題解決の先決条件であるということを明らかにしてもらいたいのであります。  ここで質問を終わりますが、重ねて申し上げます。失対問題はこの二法を強行通過することによって前進するものではなく、きょうここから、もし強行突破されましたならば、きょうここからさらに新たな混乱と紛糾を生じ、財界ですら心配している失業問題の尖鋭化が、生存権を奪われたと考えている失業者、日雇労働者の死にもの狂いの戦いとなって現われるでありましょう。それは現在の政府と自民党への不信であり、池田内閣打倒ののろしとなることを宣明いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔鈴木強君登壇、拍手〕
  138. 鈴木強

    鈴木強君 小柳議員の御質問にお答えいたします。  第一点は、先ほど陳情が来ているというのだが、その中から一つ二つ披露しろという御質問だと思います。たまたま私、せっかく各方面から、涙の出るようなその陳情が来ておりますから、全部私は抜粋して閉じておりますから、その中の一つを披露させていただきます。  「毎日暑い日が続いております。皆様御苦労さまでございます。私は星崎アイと申します。ことし七十二歳で、むすこが一人おりますけれども、脳をわずらい十余年入院いたしております。そのために失対に十三年も働かせていただいております。このたび打ち切りになった日には、生きていかれません。どうか職安法失対打ち切り改正に反対して下さいませ。心からお願いいたします。」こういうことが一つ。  もう一つ。前文は略しますが、「不治を宣告された病気の主人、義務教育を受ける子供をかかえて、毎日がんばっていますが、失対打ち切りの話を聞くたびに、夜もろくに眠れない気持で、ときには人生の悲哀を感じることさえあります。高校全入が叫ばれているときですが、私方にも来年中学をおりる子供がいますが、高校入学をあきらめさせねばならないかと思うと、親として済まない気もします。失対打ち切りのこと、くれぐれもよろしくお願いいたします。」こういうような内容が多うございます。  それで、私はちょっとよけいなことになるかもしれませんが、やはりこの方々は、こういうふうにたいへん打ち切りを心配されております。したがって、この法律の中で、一体これがどうなるかということを、私は国会を通じまして明らかにしてやっていただいて、この人たちに安心していただけるような道はないかということを実は考えておったのであります。それと関連して、第二の質問、すなわち雇用審議会の答申でございますが、これは、昭和三十一年十一月二十五日、雇用審議会の会長有沢広巳さんから、当時の労働大臣石田博英さんにあてて、諮問に対する答申が出ておりまして、これはこういうのであります。「政策の目標とすべき完全雇用の状態並びにこれを目標としてとるべき雇用及び失業に関する施策の大綱について貴会の意見を求める。」というのが諮問の内容であります。詳しいことは時間の関係で省略さしていただいて、ただいま御指摘のこの問題との関係で、社会保障制度とか、あるいは最低賃金制の確立とか、そういうものを労働対策として一面考える必要があるのではないか、こういうことでございます。私は意見は差し控えますが、そこのところを読めということですから、この答申の中の二の「直接的諸対策」というところに、「労働対策」、そのうち「最低賃金制の確立」、「最低労働基準の確保」、「労働時間の短縮」、「雇用形態の改善」、それから7に「社会保障の充実」という項がございますが、ここに、「すべての雇用者に、平等に社会保険の適用がなされなければならない。また、社会的需要の生ずる可能性に乏しい労働力については、低い条件での就業を余儀なくされることのない程度に、年金制度その他の社会保障が充実されていなければならない。」、こう述べているのでございます。  終わります。(拍手)
  139. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 鍋島直紹君外一名から、成規の賛成者を得て、  質疑終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  140. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。——すみやかに御投票願います。ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。——まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  141. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  142. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百九十七票  白色票 百三十一票  青色票 六十六票  よって質疑は終局することに決しました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百三十一名       森 八三一君    牛田  寛君       坪山 徳弥君    沢田 一精君       林   塩君    鬼木 勝利君       石田 次男君    野知 浩之君       二木 謙吾君    中尾 辰義君       鳥畠徳次郎君    赤間 文三君       加賀山之雄君    浅井  亨君       北條 雋八君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    奥 むめお君       上原 正吉君    古池 信三君       松平 勇雄君    市川 房枝君       二宮 文造君    小平 芳平君       岡崎 真一君    河野 謙三君       三木與吉郎君    村上 義一君       佐藤 尚武君    白木義一郎君       野田 俊作君    太田 正孝君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       天埜 良吉君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    山下 春江君       山本 利壽君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       寺尾  豊君    植竹 春彦君       黒川 武雄君    西川甚五郎君       重政 庸徳君    日高 広為君       田中 啓一君    野上  進君       温水 三郎君    木島 義夫君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    高野 一夫君       吉武 恵市君    高橋  衛君       草葉 隆圓君    石原幹市郎君       小柳 牧衞君    小山邦太郎君       林屋亀次郎君    郡  祐一君       安井  謙君    高橋進太郎君       青木 一男君    木村篤太郎君       津島 壽一君    迫水 久常君       斎藤  昇君    長谷川 仁君       村山 道雄君    田中 清一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       前田 久吉君    白井  勇君       村松 久義君    宮澤 喜一君       下村  定君     —————————————  反対者青色票氏名      六十六名       小宮市太郎君    矢山 有作君       野々山一三君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    大森 創造君       豊瀬 禎一君    鶴園 哲夫君       武内 五郎君    柴谷  要君       小柳  勇君    北村  暢君       伊藤 顕道君    光村 甚助君       大河原一次君    岡  三郎君       大倉 精一君    松澤 兼人君       藤田藤太郎君    中村 順造君       加藤シヅエ君    木村禧八郎君       阿部 竹松君    戸叶  武君       久保  等君    岩間 正男君       須藤 五郎君    野坂 參三君       鈴木 市藏君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       杉山善太郎君    高山 恒雄君       野上  元君    安田 敏雄君       千葉千代世君    山本伊三郎君       横川 正市君    鈴木  強君       相澤 重明君    鈴木  壽君       森 元治郎君    田上 松衞君       永岡 光治君    藤田  進君       亀田 得治君    加瀬  完君       阿具根 登君    近藤 信一君       田畑 金光君    天田 勝正君       米田  勲君    成瀬 幡治君       中田 吉雄君    小酒井義男君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       椿  繁夫君    大和 与一君       羽生 三七君    曾禰  益君    ————————
  143. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 米田勲君から、賛成者を得て、  社会労働委員長から中間報告があった職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案は、七月五日までに社会労働委員会審査を了することの動議提出されました。  また、鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、  社会労働委員長から中間報告があった職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案は、議院の会議において直ちに審議することの動議提出されました。  三十分間休憩いたします。    午後十時二十二分休憩    ————————    午後十時五十八分開議
  144. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  米田勲提出の「職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案は七月五日までに社会労働委員会審査を了することの動議」及び鍋島直紹君外一名提出の「職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案は議院の会議において直ちに審議することの動議」を議題といたします。  両動議に対し討論の通告がございますが、鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、  両動議に対する討論時間は一人十分に制限することの動議提出されました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。  表決記名投票をもって行ないます。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  145. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) すみやかに御投票を願います。——すみやかに御投票願います。——ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。——すみやかに御投票願います。まだ御投票なさらない諸君は、すみやかに御投票下さい。すみやかに御投票を願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖
  146. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  147. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数 百九十三票  白色票  百三十票  青色票  六十三票  よって、委員会の審査に期限を付することの動議及び議院の会議において審議することの動議に対する討論時間は、一人十分に制限することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百三十名       森 八三一君    牛田  寛君       坪山 徳弥君    沢田 一精君       鬼木 勝利君    石田 次男君       野知 浩之君    二木 謙吾君       鈴木 一弘君    中尾 辰義君       鳥畠徳次郎君    赤間 文三君       加賀山之雄君    浅井  亨君       北條 雋八君    増原 恵吉君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    上原 正吉君       古池 信三君    松平 勇雄君       市川 房枝君    二宮 文造君       小平 芳平君    河野 謙三君       三木與吉郎君    村上 義一君       佐藤 尚武君    白木義一郎君       辻  武寿君    野田 俊作君       笹森 順造君    中上川アキ君       北口 龍徳君    山崎  斉君       丸茂 重貞君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       川野 三暁君    亀井  光君       天埜 良吉君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    徳永 正利君       井川 伊平君    鹿島 俊雄君       仲原 善一君    中野 文門君       豊田 雅孝君    天坊 裕彦君       竹中 恒夫君    西田 信一君       村上 春藏君    山下 春江君       山本 利壽君    館  哲二君       佐藤 芳男君    青柳 秀夫君       平島 敏夫君    鍋島 直紹君       堀  末治君    藤野 繁雄君       新谷寅三郎君    西郷吉之助君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       寺尾  豊君    植竹 春彦君       平井 太郎君    黒川 武雄君       西川甚五郎君    井野 碩哉君       重政 庸徳君    日高 広為君       田中 啓一君    野上  進君       温水 三郎君    木島 義夫君       岸田 幸雄君    山本  杉君       川上 為治君    米田 正文君       谷口 慶吉君    北畠 教真君       金丸 冨夫君    櫻井 志郎君       松野 孝一君    柴田  栄君       大谷藤之助君    江藤  智君       稲浦 鹿藏君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    岡村文四郎君       加藤 武徳君    剱木 亨弘君       梶原 茂嘉君    小林 武治君       高野 一夫君    吉武 恵市君       高橋  衛君    草葉 隆圓君       石原幹市郎君    小柳 牧衞君       小山邦太郎君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       高橋進太郎君    青木 一男君       木村篤太郎君    津島 壽一君       迫水 久常君    斎藤  昇君       長谷川 仁君    村山 道雄君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       白井  勇君    村松 久義君       宮澤 喜一君    下村  定君     —————————————  反対者青色票氏名      六十三名       林   塩君    小宮市太郎君       矢山 有作君    野々山一三君       柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君       稲葉 誠一君    吉田忠三郎君       渡辺 勘吉君    林  虎雄君       大森 創造君    豊瀬 禎一君       鶴園 哲夫君    武内 五郎君       柴谷  要君    小柳  勇君       大矢  正君    北村  暢君       伊藤 顕道君    光村 甚助君       大河原一次君    岡  三郎君       大倉 精一君    松澤 兼人君       藤田藤太郎君    中村 順造君       加藤シヅエ君    木村禧八郎君       阿部 竹松君    戸叶  武君       久保  等君    岩間 正男君       須藤 五郎君    野坂 參三君       鈴木 市藏君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       杉山善太郎君    高山 恒雄君       野上  元君    千葉千代世君       山本伊三郎君    横川 正市君       鈴木  強君    相澤 重明君       鈴木  壽君    向井 長年君       永岡 光治君    藤田  進君       加瀬  完君    阿具根 登君       近藤 信一君    米田  勲君       成瀬 幡治君    小酒井義男君       佐多 忠隆君    藤原 道子君       中村 正雄君    椿  繁夫君       大和 与一君    岡田 宗司君       羽生 三七君    ─────・─────
  148. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 本日はこれにて延会いたします。  次会は明日午前零時十分より開会いたします。  これにて散会いたします。    午後十一時三十九分散会    ————————