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政府委員(
平賀健太君) ただいまのコップに水が一ぱい入っておって、一滴でも水を入れるとこぼれるのではないかというお話でございまして、これは全く
仰せのとおりだと私も思うのでございますが、先ほ
ども申し上げましたように、現在の登記所の
事務室というものが、全般的に申しまして非常に狭いところが多いわけでございます。書庫もまた非常に狭隘を告げている。そこへ常時税務署から来られまして帳簿を広げられては、こちらの
事務の障害にもなるわけでございます。そういう点から考え、また、国全体の財政と申しますか、行政
事務の効率的な
処理と申しますか、そういう見地から見まして、税務署の職員が一々出張しまして登記所に行って
調査をするよりも、登記所のほうにおきまして登記をするつど所要事項を書き抜きまして税務署に通知をするということのほうが、より合理的であるということになりますれば、われわれとしては、協力をするのが筋ではなかろうかと思うのでございます。
仰せのとおり、なるほどたとえそう大きな
事務量を占めないとはいえ、登記所にとってはこれは
かなりの負担になるわけでありますから、その負担軽減の方法、あるいは予算的な裏づけにつきましては、私
どもとしましてはあらゆる努力をいたしたいと考えているわけでございます。現に、本年度からは、通知書の様式なんかにも、現場の
意見も十分に取り入れまして、合理的な様式をとりたいということで、つい先ごろ国税庁との間でもその点について話し合いをしたような次第でございます。
それから予算の点につきましては、国税庁からの申し出に基づきまして、先ほど申し上げましたように、国税庁につきました予算の執行委任ということで話を進めているわけでございますが、私
どもとしましては、あくまでこれは協力ということなのであって、千二百万円ほどの予算のために喜んでこれを引き受けるという筋合いのものではございません。あくまで協力でございまして、三十八年度におきましても、はたしてそれだけで私
どものほうの需要が満たされるかどうか、これは疑問でございます。まず、本年度一応そういうことで予算を執行いたしまして、その上で三十九年度以降のことはまた考えたいというふうに私
どもとしては考えている次第でございます。
それから登記
事務の
処理が全国の登記所を通じてどういうふうになっているかということでございますが、私
どもの知っております範囲におきましては、全国の登記所の大多数は、その日の午前中に登記の申請が出ますれば、普通の事件でございますと、午後には登記が済む、おそくとも翌日までには済むというのが大半の
状況ではなかろうかと思うのでございます。しかし、東京でございますとか、
大阪でございますとか、その他五大都市の登記所、特に都市周辺の郊外地の登記所におきましては、都市の異常な発展に伴いまして、登記事件が殺到しているところが少なくないわけでございます。そういうところにおきましては、ややともすれば登記がおくれがちであることは
仰せのとおりでございます。
なお、登記所の現状を申し上げますと、
地方法務局の本局まで入れまして登記所の数は約二千足らずということになるわけでございますが、この二千足らずの登記所のうち、半数前後を職員がたった一人あるいは二人という実に小規模の登記所が占めているわけでございます。そういうところも、特殊の登記事件が出ますと非常に繁忙をきわめることがあるわけでございますが、概していいますと、それほど登記所が繁忙をきわめているわけではございませんので、そういうところでは大体即日
処理の原則が行なわれているというふうに私
どもは考えております。