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1963-03-20 第43回国会 参議院 逓信委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月二十日(水曜日)    午後二時二十分開会   ―――――――――――――   委員の異動  三月二十日   辞任      補欠選任    白木義一郎君  北條 雋八君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     伊藤 顕道君    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            松平 勇雄君            光村 甚助君    委員            郡  祐一君            白井  勇君            新谷寅三郎君            最上 英子君            谷村 貞治君            鈴木  強君            野上  元君            横川 正市君            北條 雋八君            須藤 五郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 小沢久太郎君   政府委員    郵政政務次官  保岡 武久君    郵政大臣官房長 武田  功君    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       倉沢 岩雄君   参考人    日本放送協会会    長       阿部眞之助君    日本放送協会専    務理事     前田 義徳君    日本放送協会専    務理事     田辺 義敏君    日本放送協会専    務理事     小野 吉郎君    日本放送協会理    事       赤城 正武君    日本放送協会主    計部長     志賀 正信君    日本放送協会経    営第一部長   野村 秀夫君    日本放送協会教    育局長     長浜 道夫君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基  づき、国会承認を求めるの件(内  閣提出、衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会承認を求めるの件を議題とし、前回に引き続き、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 鈴木強

    鈴木強君 きょうは、長浜教育局長においでいただきましたが、最初に、教育放送番組の拡充をはかる方針NHKはとっておられますが、三十八年度における番組編成教育放送基本方針というものをひとつ示していただきたいと思います。
  4. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) お答えいたします。  三十八年度教育番組の基本的な編成方針を申し上げます。  第一が、広く国民社会道徳の高揚をはかる、これが第一でございます。第二が、教育機会均等をはかるため、勤労青少年を対象とした通信教育番組組織的かつ体系的に行なう。三番目は、科学技術の振興と科学知識普及をはかる。四番目は、最近の活発な世界経済の動き並びに貿易の自由化の進展に伴い産業経済番組充実をはかる。第五番目が、国際的視野を広め、国際理解に役立つ番組を拡充強化する。六番目が、子供向け番組においては、特に公徳心と情操を高めるとともに、国際理解に役立つ内容充実をはかる。最後に七番目でございますが、地域社会の新しい姿やすぐれた地方文化を紹介するためNHKネットワークを十分に活用した地方発全国中継番組を強化する、この七つでございます。
  5. 鈴木強

    鈴木強君 私は、あなたが、どの記者だかわかりませんが、会見をされたときに、番組編成方針について、今あなたが言われたような方針は、すべて人つくりということを重点に置いて推進していくんだ、こういうふうに言われたらしいのですが、人つくりというのは、一体どういうことを言っておられるんですか。池田さんが言っておられるような人つくりということでございますか。
  6. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) 番組の全部にわたりましてそういうふうに私申し上げたことはございませんが、私、二年間海外勤務をいたして参りまして、昨年八月に帰って参ったのでございますが、久しぶりに祖国の日本に帰りまして感じました一番大きなことは、おとなもそうではありますが、特に青少年子供の行儀が悪いということを痛感いたしまして、よその国に比べましてこの点が一番日本で残念な点だということを強く感じたものでございますから、今までNHKでは、御承知のとおりに、いろいろな知識聴視者の方に送るということに対しては広範囲な努力をして参ったのでございますが、青少年のしつけといったような点には、やや欠ける点があったのではないかと理解いたしまして、今後番組の中で、この点も、知識普及とあわせて青少年のしつけの問題をもう一回NHKとしても根本的に考えて、新しい社会の、新しい青少年のしつけといったものを番組の中に生かしていきたい、こういうふうに考えたわけでございます。
  7. 鈴木強

    鈴木強君 それは、具体的にラジオテレビ等を通じておやりになると思うのですが、具体的にはどういうことになりますか。人つくりといっても、ちょっと抽象的ですからね。
  8. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) 私ども教育局番組では、特に、たとえば、社会道徳の時間というものを設けるつもりはございません。子供向け番組であるとか、あるいは青少年向け番組の中で、新しい民主社会社会道徳はどうあるべきかといった点をいろいろ考えまして、それを青少年や小さい子供たちにわかりやすく伝えていきたい、特に社会道徳の時間というものは設けないで、随時青少年あるいは子供向け番組の中でそういった問題を取り上げていきたい、そういうふうに考えております。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 今度、NHK通信高等学校が始まるのですけれども、そのテキストは、私、まだお宅のほうの準備ができないそうですから拝見しておりませんが、このテキストの中に、あなたの今お考えになっているような思想は入っておるのでございますか。
  10. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) 通信高等学校につきましては、御承知のように、学習指導要領に準拠しなければなりませんので、私の個人的な見解が入るわけではございません。学習指導要領教科別の項目に準拠いたしまして、NHK通信教育番組は作られております。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、このテキストをどう使って通信教育をやるかということについては、その担当する先生とか、番組全体の中で、教育する中で、先生のアイデアとか、そういうものを加味して今あなたの言われたような点もやっていこう、こういうふうに考えておるのでございますか。
  12. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) 御承知のように、通信高等学校におきましては、教科書学習書を使用いたします。教科書は、非常に要約された形でなされておりますので、一般通信高校生教科書だけでは理解しにくい点がございます。それを補うために、学習書というものが別にございます。この教科書学習書に準拠してNHK通信教育講座は行なわれますし、私の先ほど申し上げました青少年のしつけの問題というものは別でございます。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 これは、あなたの分野に属するかどうかわかりませんが、今NHKがやろうとしている通信高等学校のことでございますが、これは、前にも委員会でも論議されて、いよいよスタートすることになっておりますが、本来、こういう仕事は国がやるべきが原則なんです、建前は。要するに、教育機会均等とか、それから国の施設によって、できるだけ国の文部省関係でおやりになるのが筋だと思うのです。しかし、いろんな特性からして、協会がこういう仕事を協力して学校にやらせようということできまっているのですから、それはいいのですが、アメリカのほうを回って来られたのですか、あなた。
  14. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) 私はヨーロッパのフランスにおりました。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 それで、私は直接向こうに行って聞いてきたことではないですけれども、たとえば、アメリカあたりでは、教育放送を具体的に教員がわりに使ったり、それからこの教育放送というものを利用している学校が四百以上も高等学校であるそうです。中学校の場合は八百以上もあるそうです。ということで、かなり利用されているようですが、こういう問題に対して、政府が直接三千二百万ドルの援助を五年間にやっておるという話を私は聞いておるのです。三千二百万ドルというと、大体百十五億になると思うのですが、まあ、さっき申し上げたような、教育そのものを国が責任を持ってやっていくという思想に基づいて、このテレビラジオでやっておられる教育放送に対して援助をしていると思うのですが、私はそういう考え方日本の場合もとっていいのではないかと思うのです。その点は、どういくかわかりませんけれども、あなたのお考えはどうでございましょうか。
  16. 長浜道夫

    参考人長浜道夫君) 今お話のございましたとおり、現在の日本では、物質的な援助は、この通信高校につきまして政府のほうからいただく考えは私ども持っておりません。国柄あるいはその国の放送事業の形態によって、それぞれ国によって方針が違うのではなかろうかと考えております。現在の日本におきましてNHKが公共的な使命を持っております範囲におきましては、私の考えでは、国家からの援助をいただかなくて、NHKが当然の業務として、通信高校あるいは通信高校向け番組を設けるべきではないか、こういうふうに考えております。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 これは会長にちょっとお尋ねしますが、長浜さんは、教育局長立場で今お話があったと思うのですが、私は、本来教育ということは国が責任を持ってやるべきものだと思うのですよ。現在そう言いながら、きのうも予算委員会で質問してみますと、義務教育を受けられない児童の数が七十五万人もいるそうです、日本には。東京のどこか墨田のほうで、篤志家先生があって、夜間の中学校を開いて、千人ぐらいの子供たちを教えているそうなんです。このように、まあ日本教育というのは、一面非常に高度であるし、世界各国に比してすぐれていると、こう言っておりますけれども、反面このような層があるわけです。ですから、私は、こういうことを聞いてみた場合に、今定時制全国の生徒が大体四十万と、こう言っておりました、文部大臣は。きのうの予算では。私は、これは少し少ないと思うのですが、いずれにしても、そういう層に対して、国が、義務教育の場合は積極的に中学校までは勉強できるように、あらゆる角度から援助してくれるのが当然でしょうし、国民全体としての教育レベルを上げていくために、高等学校教育にしても、大学の教育にしても、できるだけ文部省所轄の中でやっていくのが本旨だと思うのです。協会は、当然公共放送としての目的をもって、この通信教育をやっていくのだということは、私はちょっと違うと思うのですが、この点はどう考えますか。
  18. 阿部眞之助

    参考人阿部眞之助君) 国のほうででございますね、通信教育をおやりになるという、そういう意向がある場合には、これは、私どもは何とも言うことはないのでございますが、しかしながら、現状において、広域通信教育という、そういう放送が開設されたその現状において、この広域通信教育をなし得る、そういう実体を持っているのは、NHKよりほかないのだろうと考えます。全国的に網を持っておって、全国的にある程度漏れなく電波を通ずる、そうして、それによって通信教育をなし得る、そういう機関というものは、現在のところはないだろうと私は考えております。そうなると、その役目をNHKが引き受けるということは、NHKとしては当然の仕事だろうと、こう私ども考えておることなんでありまして、もしも国のほうで、ひとつおれのほうがやろうじゃないかというような御相談でもありましたら、そのときはまたそのときのことで、われわれは考えなければならないと思いますが、現在のところでは、国の補助を仰がなくても、NHK自体でやり得るという、そういう考え方でこの計画を立てておる次第でございます。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 この問題のとらえ方がちょっと違うと思うのですが、私の言っているのは、国民に対する教育ということですね。こういうことは、やはり国が責任をもってやるべきであるし、その国の責任の分担は文部省であろう、こう私は聞いているわけです。したがって、そういう中で具体的に実施をして参りますが、現実にこの線から漏れる人たちも出てくるわけです。それに対して、通信教育一つの方法でございましょう。そういったいろいろな角度、それぞれの角度からやられているのでございましょうが。私は、今会長が言われましたテレビネットワークを通じて全国至るところにやりやすいと――NHKがやる場合にですね。そのNHKが、学校法人ですか、学校法人日本通信教育高等学校というものを作ったことも、私は、協会の存立する性格とややこの問題は性格を異にするだろう。したがって、協会独自の立場に立って、実際には援助し指導するのだろうけれども法人格においては明らかに違っているではないですか。ですから、私はそういうことからいって、もっとこのことより以上にNHKに課せられた使命はあろうと思うのです。何か、当然にこういう通信教育をやらなければならない責務協会にあるのだということは、私はちょっと解しがたい。ですから、そういう性格のもし相違がなかったならば、あえて協会システム一つとしておやりになればいい。何も、通信教育学校法人を作って、それに援助するという経過をとらなくてもいいでしょう。この点はどうですか。
  20. 阿部眞之助

    参考人阿部眞之助君) この学校法人を作った意味は、先ほど私が申し上げたとおり、広域的に通信教育をやるという、そういう組織機関を持っているのは、NHK以外には、今のところ、ないのではないか。そうすると、その仕事NHKが引き受けるということは、NHKとすれば、広く言えば、国の文化向上という大きな目的一つになるわけであります。その文化向上ということは教育ということも含まれていることなんで、その一端をになうということは、NHKとしては当然の責務であると、私はかように考えております。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、これはあなた方はそういう見解でおやりになっているし、私たちは、多少、協会がおやりになることについて本質的にこれをいけないと言っているわけではないのです。ただ、教育ということの性格からして、この協会がそこまで全責任をもって当然の協会責務であるというように自覚しておやりになるよりも、もっと私は協会使命としてやらなければならない点がたくさんあるだろうと思います。あれもこれもと手を拡げて、今日協会収入というものが比較的順調に進んでおります。ですから、その段階においては、私はいいと思うのですけれども、やはり聴視者からの収入によってまかなう協会の今日の姿からして、あまり当然だ当然だといって手を伸ばしていって、一体最後にどうなるかということを、財政の面からも私は多少心配するのです。ですから、そういう意味において、国自体が、ある程度こういう教育問題について協会とタイ・アップして、そういうシステムにおいてやることが一番適切であるということならば、もう少し私は相協力し合う必要があるのではないか。これは将来の展望として私は考えているのです。  ですから、今直ちにアメリカのように、政府から補助金をもらって、その金でやらなければならぬということもないでしょうけれども、そういう一つの構想ということは考えられるのではないか。私はこう思うのです。ですから、その点は、いずれ新しく学校が開設されて、具体的に示された実績の中で、われわれはまた批判もし、また意見を述べることにしますが、私は、そういう意味において、協会の今後の事業運営について、ある程度配慮をしておく必要があると思いまして、こういう意見を出したわけでありますから、そういうふうにひとつ理解をしていただきたいと思います。
  22. 阿部眞之助

    参考人阿部眞之助君) 御趣旨はよくわかりました。御趣旨十分注意をして今後運営に当たって参りたいと思います。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 それから監理局長にちょっと伺いますけれどもFMの問題はなかなかむずかしい問題なのですが、ごく最近放送技術基準というものが結論が出そうですが、情報によると、電波技術審議会が二十八日に総会を開いて、郵政大臣答申をするというところまできているようですが、これは間違いないですか。
  24. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) 郵政省の中に、郵政大臣諮問機関としまして電波技術審議会というのがございまして、ここに今、先生がおっしゃいましたFM放送技術基準という問題について諮問をいたしているわけでございます。それで、実はこの二十八日の日に本年度総会予定されているわけでありまして、そこにどういう答申が出るかというお尋ねだと思うのですが、われわれが予想いたしておりますのは、FM放送の中でも、いわゆるモノラルといいますか、ステレオでない、モノラルFM放送技術基準、これが答申として完結する、こういうふうに予想いたしております。ただ、御承知のように、FM放送技術基準ということになりますと、ステレオ放送技術基準の問題がございまして、これにつきましては、まだ最終的な結論にまで時間的な関係で到達いたしておりませんので、中間報告、こういう格好になると、そういうふうに予想いたしております。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 この答申が第一段階としてなされた場合、一番問題のステレオ方式をどうするかということがきまらなければ、これだけ出ても問題の一歩前進にはならぬというふうに理解をしているのですが、一歩前進になるというふうに理解しているのですか。
  26. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) モノラルにつきましては、これは完結するわけでございますから、そういう意味では前進でございますが、ステレオの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ結論というまでにはいきませんので、この結論を見ることが、FM放送免許方針といいますか、実施というものに踏み切る場合に必要じゃないか、こういうふうに考えているわけであります。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 これはまだ答申がなされておりませんから、多少この場で聞くのは無理な点もあろうかと思いますから、またあらためて申し上げますが、私たちは一面、きょうこの協会予算を通そうとしているわけであります。したがって、十七の、協会計画しておりますFMの建設につきましても、この問題とかなり密接な関係がありますから、そういう意味で多少触れたわけでありますが、ひとつさらに技術基準結論を急ぎ、免許方針等も決定していただいて、できるだけ早く出していただくように、特に重ねてお願いしておきます。  それから協会のほうにお尋ねしますが、収入の面で、最初お出しになっております第二次六カ年計画の中に、受信契約者甲予想人員が千五百十九万人というふうになっておりますが、乙は三百五万人ですか、ところが、ことしの予算編成基礎にしております甲乙については、甲が千三百十九万、それから乙のほうは予定よりもふえまして四百二十万、こういうふうになっておりますが、第二次六カ年計画をお作りになった当時の情勢から見て、これがどういう理由で契約者の数が変わってきたのか、この点ひとつ伺いたいと思います。約二百万違っていますね。
  28. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 昨年策定いたしました長期計画の策定時の段階におきましては、将来に対する契約甲並びに契約乙推移は、当初の計画のごとく推定をいたしたわけであります。それで実施をいたして見ますと、現実には、受信料体系合理化に伴いまして、契約の獲得並びに料金の収納の面が非常に著しい向上を見ております。そのような面がある点と、また一つには、一般における生活の態様と申しますか、特に収入面生活水準向上、あるいはラジオテレビ生活に結びついたこと、これに対する国民の方々の考え方、これが非常な関心を寄せられるというようなこともあったと思いますが、計画の歩みの途中におきまして、すでに今日の段階までに、当初予定をいたしましたものよりも、契約甲方面増加の率が非常に高まって参ったのであります。それと関連をいたしまして、契約乙関係につきましては、当初の予想よりも件数はさらに下回るというようなことに相なっているわけでございますが、そういうような関係から見まして、今の現実の時期に照らし合わせて三十八年度予想いたしますと、昨年の、一年前における予想では、年度当初の数といたしまして、千三百九十四万になるであろうと、こう見ておりましたが、現実には千三百十九万くらいになりそうです。と申しますことは、三十七年度予算におきまして、契約甲の新規の増加分を二百三十万と予算予定をいたしておりました。大体かなりテレビ普及をいたしておりますので、いろんな情勢を勘案いたしましても、どうせそのくらいのところに落ち着くのではないか、このように見ておったわけでございますが、先ほど申し上げましたいろんな条件が重なり合いまして、現実増加予算で見積りました二百三十万件よりも、七十万件ばかり上回りそうだというような情勢になってきました。そういうようなことから、三十七年度中には現実に三百万件の増加、これは確実に見られそうでございます。そういうような事情を織り込みまして、三十八年度当初の数が百十五万ふえたというような状況でございます。  それに関連をいたしまして、将来の一応昭和四十二年度までの件数推移を、昨年もずっと見渡したわけでございますが、おそらく今のような状況では、その普及の度合いその他を考えまして、六カ年間の総計では、このくらいふえるであろうと見ました。それは多少の異同はあると思いますが、およそ大勢では、そう大した影響はなくても、時期的に計画の初めの予測より増加分があるというように見ているわけでございます。  そういうような状況から、三十八年度中にふえますものにつきましても、当初の計画関係とは、約十万よけい見ております。三十八年度中における増加分が百九十万と見ておったわけでございますが、現実にはもう十万くらいいきそうでございますので、三十八年度中の増加分は二百万と見ております。そういうことで、三十八年度末におきましては、契約甲方面については、当初千三百九十四万くらいと増加予定をいたしておりましたが、三十八年度末におきまして大体千五百十九万、これくらいの件数になる、こう今見通してこの予算収入基礎にとっておるわけでございます。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 東京オリンピックの問題につきまして、特に報道関係は、NHKオリンピック組織委員会代理としてお仕事をされるようになっているわけですね、代理をして。
  30. 前田義徳

    参考人前田義徳君) そのとおりでございます。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、憲章第四十九条によって、放送料というものは、これはIOCからくるのかIOCからくるのか知りませんが、いずれにしても、組織委員会のほうからもらえる分が出てくるわけですね。その交渉はどうなっておりますか。
  32. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 外国の先例に見ますと、この前のローマオリンピック大会では、イタリア国内組織委員会イタリア放送協会に委嘱いたしまして、その放送に要する費用は、イタリア国内組織委員会からイタリア放送協会に還元されたという例がございます。私どもといたしましても、そういうような例がわが国においてもとられることを期待しているわけでございますが、これは御承知かと思いますが、オリンピック憲章の四十九条によりまして、世界各国日本をも含めて、オリンピック放送をするものに対しては、テレビに関する限り、国際オリンピック組織委員会が、国内オリンピック組織委員会を通じて放送権料を取ることになっておりまして、これとの関連で、この放送がどうなるかということになるわけでございます。現在の実情から勘案いたしますと、現在のオリンピック国内組織委員会予算の組み方の内容、あるいは国との関係、その他を考えまして、建前としてはローマ方式を希望しておりますが、もしその点で多少のそごが来たされる場合には、NHKが直接諸外国との関係において、これを処理いたしたいという考え方を持っております。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 そのことについては、組織委員会のほうは大体了承されていますか。もしローマ方式がない場合に、直接外国から来る報道機関との間でやりたいという、そういうあなたの言われた考え方については、相談してあるのですか。
  34. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 私がただいま御説明申し上げました二つの方式とも相談を続けております。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 それから、協会放送のための専用線として使っているのがあると思いますが、そういう一年間の専用線の使用料というのは、どの程度になっておりますか。この予算ではどうなっていますか。
  36. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 三十八年度予算におきまして、ラジオテレビを通じまして三十四億円となっております。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 この専用線使用料金については、何かこの委員会で聞きましたところ、電話のほうは四月から約四割値下げをするということを、電電公社、郵政省考えているようですが、協会としては、この専用料については相談にあずかりましたか。それから電話の一般に使っている専用料と同じように、協会の場合も割り引きになるのでございますか、引き下げになるのですか。
  38. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 私どものほうといたしましては、テレビラジオの中継用の専用線につきましては、現在の電電公社との契約状況において、三十四億を組んでおりますが、将来の値下げの関係につきましては、まだ何ら話は伺っておりません。ただ、むしろ一部につきましては多少値上げをしてほしい、こういうような話もありまして、この点も今話し合い中で、解決には至っておらない次第でございます。値下げの関係については、まだ何らそのような話を承っておりません。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 これは政務次官、他の電話専用線ですね、電信専用線もあるのですけれども協会テレビラジオ放送のために使っておる専用線状況はとうなっておるか。――監理官は……。
  40. 保岡武久

    政府委員(保岡武久君) ちょっとこちらではわかりません。監理官こちらに来ておりませんから、調べまして……。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 小野さん、協会のほうでは、現行の専用線使用料についてはどうなんですか。大体適正だと思っておるのですか。
  42. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) この問題につきましては、電電公社との間にいろいろコストその他の関係で打ち合わせておりますので、現在のそれが妥当を欠くものとは私ども考えておりません。今のような値下げの関係については何ら聞いておりませんし、おそらくその辺についての配慮がなされるかどうか、非常に疑問に思います。ただ、カラー・テレビ関係については、これの普及促進等の関係につきまして、むしろ現在の単価よりも値上げをしてほしいというような要望がございまして、これについてはただいま協議中でございます。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 次に、基地周辺のテレビの映像というのが、飛行機が通ると非常にくずれてしまって見にくくなるのですが、これはひとつ何とかできないものでしょうか。料金でも割り引きしてくれれば一番いいのだが、それができないとすれば、映像は崩壊されないような対策はないものだろうか、こういうことをみんな言っておるのですが、これに対しては、どういう御見解をお持ちでございましょうか。
  44. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 基地周辺の雑音あるいは映像の乱れ等の関係につきましては、特に厚木基地並びに小牧基地につきまして、いろいろ在来の経過がございます。衆参両院におきましても、決算委員会あるいは予算委員会等におきまして、所管の大臣あるいは総理大臣に御質問もあったようなこともございます。前の臨時国会で、そのような面につきまして、いろいろ質疑があったわけでございますが、私ども並びに郵政省において調査をいたしました結果につきましては、郵政省の御調査と私どもと調査しました結果につきましては、その障害の度合いはやや似ております。現地で申しておられるのは、そういうものではなく、非常に大きな障害があると言われておる。結局、いろいろの質疑の過程におきまして、その基礎になりますそのような障害の度合いに意見の相違があったのでは、これは結論を出すにしても、まとまるはずがない、したがって、これについては郵政省も御参加願い、NHKはもちろん、基地関係関係を処理しております関係の省庁も加わられ、現地のそういう陳情をしておられる向きも加わり、また現地の行政機関であります市町村当局も入って、合同でまず基礎的に障害の度合いの意見の一致をみることが大事だということで、共同調査を実は昨年の秋実施をしたわけであります。この共同調査をいたしました結果によりますと、従来NHK並びに郵政省で調査をいたしました障害の度合いと大差はございません。  かような状況から判断をいたしまして、免除基準を適用して、表面これを減免する筋合いにはならないと考えておりますが、では何か解決方法があるかという問題でございますが、これにつきまして、いろいろ技術的な解決方法は現段階においてはございません。送信側においては完全なるサービスが行き届いておりますから、たまたまジェット機の上降につれて雑音が大きい、あるいは画面がゆれるわけでございますので、そういった面からいって、他に、ジェット機ばかりでなしに、電車線の騒音でございますとか、工場関係の周辺における工場の騒音とか、これらの面もございますし、その他電気関係から参ります音響並びに映像に対する障害等例が多くあるわけでございますので、まつ正面から減免をする筋合いはない、これは特に非常な、ほとんどラジオも用をなさない、テレビもほとんどあっても用をなさない、こういうような状態の障害であるとしますれば、一歩さかのぼって契約の解消にもいくのじゃないか、こういう問題はあろうかと思いますが、私どもは、現在の共同調査の結果からみましても、そのような対象にはならない、こう考えておりますので、正式な減免の対象にはなり得ない、しかし何らかやはりそのような面で措置があればいたしたい、こうは考えておりますが、技術的解決の方法は、現段階では、いろいろ知恵をしぼりましてもございません。したがって、これをどう処理するかにつきましては、現地の方々も、まあある程度満足せられて完全に料金を払っていただけるような措置をただいま考究をいたしておるような段階でございます。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 経過はわかりましたが、やはり具体的に映像のズレというのはあるのですから、なおひとつ技術的な研究も進めていただいて、できるだけ支障のないように御配意いただきたいと思います。  それからこれは番組のことですけれども、ボクシングとかプロレスリングとか、あれはどうしてNHKはやらないのですか。
  46. 前田義徳

    参考人前田義徳君) ボクシングにつきましては、年間最高の試合がありますときには、一応これを放送するという原則を立てておりまして、昨年末からでも二回ばかり放送いたしております。プロレスリングにつきましては、この放送をしないという実は建前をとっておるわけでございます。私どもの側から申しますと、プロレスは、御承知のようにひとつの演出効果をねらった、ほんとうの試合ではございません。画面に現れるところはきわめて凄惨なものもございますので、その辺を勘案しているわけでございますが、同時に、現在の日本のプロレス界の実情は、ある局とタイ・アップして、その局以外には出さないという方針もとられておりますので、この両面から、私どもといたしましては、プロレスは当分放送いたさないという考え方を持っているわけでございます。
  47. 光村甚助

    ○光村甚助君 関連。  私は、NHKのこのテレビのことについて前にもお尋ねしたことがあるのですよ。しかし、さっきから長浜さんのお話を聞いてみても、私はどうも納得できないのは、いかにもNHK国民教育してやるんだという思い上がった考えが私はあるのじゃないかと思います。それは、話が飛びますけれども、今のお話でも、プロレスはやらないのだといっても、これはたくさんの人が見ているのですよ。私は前にも申し上げたことがある。私は、NHKの確かに愛好者といったらおかしいが、ほとんどたいがい見ています。晩ひまだから、テレビを比べて見ますが、NHKのは実際上たいていおもしろくないですよ、晩のテレビでも。何というのですか、晩の七時十五分からやる、あれは「バス通り」、ああいうのは、たくさんあるかもしれませんが、ほとんど少ない。その反面、プロレスとかボクシングとかというのは、非常に聴視率が多いということは、これはもう世論のあれですよ。だから、NHKは一方的に思い上がって、おれのほうは一番いいのだという、そういう考えを捨てて、まあ教育される面はけっこうですが、少なくとも、やはり国民が期待するような、やはりテレビをやってもらいたいということを――これは私、げすかもしれませんよ、あなた方から見れば。しかし、世の中というのはそんなものじゃないので、青少年の行儀の悪いのを教育されるのもけっこうですが、やはりもう少しプロボクシングなんていうのは私は出してもらったほうがいいのじゃないか。野球も。そうしないと取り残されますよ。おれのほうはでっかいのだ、外国にも比がない、でかいのだといって思い上がっておられると、いまにとんでもないことになりますよ。私の言い方は、言葉が悪いかもしれませんが、NHKもその点は大いに私は反省してもらいたいと思います。ひとつ付け加えて関連質問ですから申し上げておきます。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、あるネットワークとしか、どうしても契約せぬということになると、これはどうしようもないことですから、私はやむを得ないと思いますけれども、やはり光村委員のおっしゃったように、実際にこのプロレスというのを見ている人たちは、相当私はあると思うのです。どうしてNHK放送しないのだろうかなということをよく聞かれるのです。ですから、言われることはよくわかりますけれども、やはり大多数の人たちがやってほしいという希望があるならば、やはりその希望に応ずるように努力せられることも当然だと思いますけれども、これはひとつ今後の問題ですから、御検討いただきたいと思います。  それからもう一つテレビのナイター中継ですが、NHK放送連合というのは入っておられるでしょう。
  49. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 放送連合には入っております。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、放送連合で、三月の七日の日に民放側からの要請があって、臨時編成局長会議というのを開いているわけです。その際に、民放側から、テレビによるナイター放送の中継については、放送時間の開始を統一してもらいたいと、こういう意見が出されておるようです。すでに、ナイターの放送開始時間を大体八時ということに在京四社ではきめておるそうですが、NHKの場合には七時三十分から放送するものですから、そこで意見が対立をしておる。こういう事実があるのですが、これは、放送連合に入っておる一員であるとするならば、どうしてよく話をして、およそそのスタートする時間を統一するというようなことをやらなかったのでございましょうか。また、そういう必要がない、協会独自としてやるのだということであれば、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
  51. 前田義徳

    参考人前田義徳君) この問題につきましては、最近の放送連合における話し合いの実情は詳しく報告を受けておりませんが、従来からの経緯はただいま先生のおっしゃるとおりでございます。これは、ナイターばかりではございませんので、相撲についても同じような問題が出ておりまして、相撲については大体話し合いがつきまして、放送時刻を合わせるということになっておりますが、ナイターにつきましては、まだまとまらない部分があるということでございます。  と申しますのは、相撲の場合は、御承知のように、昼間始まりますので、これについては、大局から、民放の経営に関する問題でございますので、できるだけ御協力を申し上げたいという建前をとっており、ナイターについても、根本的な考え方は同様でございますが、私ども番組編成方針、特にまあ七時から八時までの間をどう処理するか、ことにそのいろいろなケースを考えまして、今回は、その商業放送との関係で、放送日を移すという方向でただいまのところは考究中でございます。おそらく四月から、私どもといたしましては、商業放送の経営のあり方を勘案しながら、放送日を商業放送と変えていくという方針をただいまのところはとりたい、こう考えております。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 放送連合という組織を作られて、その中でお互いに譲り合える点は譲り合う。しかし、公共放送使命を果たしていくという立場に立っておられますから、まあひとつ連合の中で、民放の皆さんともよく意見調整をしていただけませんか。幸いに、あなたのほうでも、どうしてもだめだといっているわけではないのですから、その辺は歩み寄る余地がなきにしもあらずと私は判断しておりますので、できるだけ民放側にも協調できるような方向で、ひとつぜひ努力をしていただきたい、こうお願いしておきます。  それから、これは三月五日の日の午後十時から放送されました「ニュースの焦点」という時間に、公労協とILOというテーマのもとに解説をやられておりますが、その中で、公労協が専従をしているのは当局から給料をもらって組合運動をやっているのだ――こういう報道をした由であります。これに対して、非常に良識ある諸君から、NHKのこの権威ある放送に対して不審の念が出ておりますが、この事実は認めますか。
  53. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 私ただいま手元に資料がございませんが、さっそく調べまして、御趣旨に沿うように、間違いの点、その他について善処いたしたいと思います。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 参考のためになお申し上げておきますが、翌三月六日のこの時間に、「ニュースの焦点」というタイトルが映って、そのあと、きのうのこの時間に、官公労の在籍専従の給与は当局が支払っていると申し上げましたが、これは組合から支払われていると訂正いたします一こういう一瞬の解説が入って、当日のニュースの解説に入っておる。私も、直接その日は見ておりませんでしたから、この目でヴィヴィッドに確かめることはできませんでしたが、これは間違いない、こう言っておりました。したがって、訂正をされましても、それを聞き得なかった人たちは、三月五日の放送を聞いた方はそのように理解をして、その面から――今、ILOの批准の問題、在籍専従の問題等については、ILO会議で非常に問題になっているわけですから、不必要な誤解を私は招くことになると思う。ことで協会が認めるには、まだ根拠がないようですから、資料が足りないようですから、私はいずれ次の機会に、この協会の解説に対する意見は、きょうは留保しておきますが、ひとつお取り調べをいただきたいと思います。  それから、まだテレビがなかなか完全に見られないものですから、地方に行きますと、共同アンテナを立てて、-どうにかその場をしのいでいるようなところもありますけれども、この予算の中で、大体協会から補助をされる額ですね。それから何カ所ぐらいを考えておられるか。これはもう簡単でいいですから、小野参考人から教えて下さい。
  55. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 三十八年度予算中におきましては、六億二百九十万円ばかりの予算が入っております。助成をいたします施設の数は、九百施設を予定いたしております。この中の世帯が約七万戸と推定いたしております。   ―――――――――――――
  56. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、白木義一郎君が委員を辞任されまして、その補欠として北條雋八君が選任せられました。   ―――――――――――――
  57. 鈴木強

    鈴木強君 それから沖縄の放送局の再開については、よくいきさつもわかりましたし、われわれもぜひその再開ができるように願うものですが、ただ、マイクロの優先使用については、聞くところによりますと、一回線しかテレビ用のはないそうであります。したがって、現に民放が、今向こうに二局ありますので、それとの関連で、協会を優先させると民放が落ちてしまうというようなことになりまして、民放側から見ると、非常に不満な点があると思うのです。しかし、われわれは、NHK性格からしまして、これを優先的に使用すべきであるという気持は持つのですけれども、片やまた、民放との関係がありますので、この点については、まあここで手っとり早い話は、もっと公社と話し合いをし、向こうと話し合って、二回線なり三回線なりふやしてもらうことが先決ですが、それができないとなると、時間を変えてカバーするとか、何らかの方法においてこの点は克服する必要があると思うのです。で、私はちょっと協会に聞いておきたいのは、こういう放送局の再開をお出しになるからには、ある程度、向こうにおける敷地ですね。まあ昔あったのですから、その跡がどうなっておるかわかりませんけれども、そういうようなことに対する下調べ程度はやっておられるのですか。
  58. 前田義徳

    参考人前田義徳君) その点につきましては、昨年より下調べをいたしております。また、関係当局に対しまして、そういう問題とも関連いたしまして、戦前私どもの職員であった者の実態も調査する目的をもって、人事関係者を一度現地に送りたいという手続をとっている最中でございます。同時に、NHKは沖縄に通信局を持っておりますので、その通信局を通じて実情をさらに調査を継続中でございます。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、外務省当局あるいは総理府当局とも、比較的理解をしていただきまして、案外うまくすべり出すのじゃないかという気もするのですね。ですから、ひとつ態勢だけはこれに並行して万全にしていただいておったほうがいいんじゃないか、こう思うのですけれども、この点はぜひ御配慮をしていただきたい、こう思います。  それから私、たくさんございますけれども、ほかに同僚の質問もあるようですから、少し質問をしぼりますが、県別放送実施については、第二次六カ年計画の中にも計画が出ておりますが、具体的に必要な地域における置局について、三十八年度予算ではどうなっておるのですか。幾つ県別放送の置局を考えておるのですか。
  60. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) 五局でございます。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 それはどこでございましょうか。
  62. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  東京周辺では、茨城県、栃木県、群馬県でございます。名古屋の周辺で岐阜県と三重県でございます。以上合計五カ所でございます。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 これは、電波監理局長、周波数の割当はどうなんですか。
  64. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) 御承知のように、中波は、今外国混信その他で非常にその波の需給関係が困難になっておりますが、まあNHKが県別放送実施するということになりますと、そういう波の面も十分考えなければなりませんし、それから将来のFM放送等の問題もありますので、今その問題につきましては鋭意検討中でございます。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 これもまあ検討中なんだが、一体五局の置局を計画し、具体的にNHKはやろうとしているわけですね。これは、私のところにも、前橋放送局のラジオ放送再開に対する陳情を受けておりますが、これはおそらく伊藤委員長ほか皆さんにも来ておると思うのですけれども、この内容を見ると、やはり、たとえばテレビを見ようにも見られない地域が群馬県にはあります。その世帯はおよそ八万戸もあり、ラジオに依存するほか方法もないものもいる状態ですと、こういうふうに書いてありまして、特にNHKの三十八年度予算を見ると、前橋は置局の中に入れていただけるということを聞いて非常に喜んでおる、したがって、NHK全国あまねく電波を行き渡らせると同時に、その放送内容も、地域の実情に合ったローカル・サービスを公平に行なうという意欲から出たものだと思って喜びにたえない、ぜひ事情を賢察して、一日も早く県民の要望に沿うようにしてもらいたい――こういう強い要望が群馬県全県の市長会とか町村会長から来ているのですね。だから、これはFMの十七とも同じような問題になってしまっているのですが、検討中といっても、大体いつごろまで待てば見通しがつくのですか。大臣どうですか。
  66. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) その問題につきましても、結局、われわれの意見書に書きましたように、まあおおむねは妥当であるという、「おおむねは」というところには、FMの問題とか、地域県域放送の問題、そういう問題がありまして書いたわけでありまして、できるだけ早くひとつ解決したいとは思いますけれども電波の周波数や何かの関係上、いろいろな問題がございますので、そういう点をひとつ勘案してきめたいと思います。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 どうも電波の割当になると、一つも進まないのですね。もうしびれを切らしちゃって、一体どうしてくれるのだといって郵政大臣のところに来ますよ、あれが。だから、やっぱり具体的に、できないならできないで、どういうところがどういうわけだということをはっきり示していただいて、やはり郵政当局の立場理解してもらう点があれば理解してもらわないと、検討中でありますということだけで、方々で切望しておる人たちに答えてみても、これ納得いかぬのですね。ですから、これはひとつ、いい機会ですよ、国会とか何かを通じて国民に訴えるには。これこれこういう理由でだめです、周波数の割当についてはこういうわけです――その他理由が今あるように言われましたけれども、その他の理由はこういうことです。ということをひとつ明らかにしてやったらどうですか。
  68. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) きょうここで、鈴木先生の御質問に対しまして、こうだということは申し上げかねますが、先ほど申し上げましたように、なるべく早く解決したいと、そういうふうに思います。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 それからもう一つ。これは、オリンピック関係も少し詳しく聞きたかったのですが、それは省略いたします。  最後に、メーザーの開発について少し伺っておきたいのですが、協会が今メーザーの開発に手がけておるようですけれども、どの程度のものをやっておりますか。この前もちょっとお尋ねしたのですけれども、ひとつ系統的にきょう承りたいと思うので、お聞かせいただきたいと思うのです。
  70. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  ただいまメーザーの研究についてとおっしゃったわけでございますが、実は、私どもの研究所のほうで手がけておりますのは光メーザーでございます。いわゆる、これは非常に専門的になりますが、メーザーと光メーザーとは若干異にするものであります。現在やっておりますのは光メーザーでございます。これは、三十七年度から私どもの研究所のテーマとして取り上げて研究をやっておりますが、宝石のルビーに光を当てますと、それから独得のまた光が出まして、それがいろいろな意味で、将来、いろいろな通信と申しますか、放送関係に利用できるのではないかということで、現在、東京大学の理学部と共同いたしまして、その基礎的な問題、あるいはこれの通信方面における将来の可能性等につきまして、いろいろ研究をやっております。  それから光メーザーの簡単な動作を申し上げますと、ルビーの宝石に別な光源から光を与えますと、それから小さな点を光源といたします光が出ます。それは、わかりやすく申し上げますために、電波――現在通信に使っております、周波数の高い、波長の短いウエーブ、つまりマイクロ・ウエーブと比較して申し上げますと、現在マイクロ・ウエーブで使っておりますのは、御承知のように、一番高い周波数で大体一万メガサイクルぐらいでございますが、この光メーザーから出ます光を周波数に直しますと、これは五億メガサイクルぐらいの高い周波数になります。光のほうの分野から申しますと、大体赤外線と、それから普通の赤の光線との間の光が出るわけでございます。それが非常に出ます。光メーザーによって出ます。そういう光は、電波と申しますか、そういうものは、普通の光と違いまして、非常に光源が小さい点から出ます関係で、非常に集中的に平行光源としてその光が出ます関係で、大きなパラボラで電波を集めて一方向に強く出すということをしませんでも、広がりませんで、非常に一つの方向にまとまった光が出ていく。しかも、それがいろいろ、変調とか、あるいは発振とか、そういった電波と同じような機能を持たせ得る、そういうことで、現在それらについての研究をやっておるわけでございます。現在のところは、まだ波として連続してそれが出るような段階には至っておりませんので、昔の火花式の通信でやっておりましたような一種の減衰振動と申しますか、そういった断続的なものが出るようになっておりますが、将来の目標としては、それを連続した電波のような形にいたしまして、それが持っておりますいろいろなすぐれた性能を生かして、将来の通信、あるいは放送方面の利用に役立たせたい。さよう考えております。  非常に説明が不十分でございますが、もし御質問ございましたら、具体的な点につきまして、なお御説明申し上げたいと思います。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 これは、防衛庁方面で研究をしているものとは性格が違うと思うのですけれども、その点はどうなんですか。
  72. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  この研究は、当初、アメリカでそういうような研究が始まったわけでございますが、あまりそれにおくれませんで日本におきましては、NHKの技術研究所と、先ほど申し上げました東大の理学部との共同でやっておりますのが現在中心でございまして、ほかに、日本でも、私の知っております限りでは、電気通信研究所ではこの研究をやっていないそうでございます。防衛庁におきましても、この研究は直接はやっていないそうであります。その他、メーカーが、あと若干フォローしてこの研究に近いものを始めかかっているというふうに聞いておりまして、防衛庁がこれに類似の研究をやっておるかどうか存じませんが、これと同じ研究はやっておらないようでございます。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 あなたが先ほど言われた、光メーザーとメーザーとは違っておる――その相違をひとつ聞きたい。
  74. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) 普通メーザーと言われておりますのは、前からあったものでございまして、いわゆるマイクロ・ウエーブを利用して、それに若干そういう宝石の持っておりまする性能を加えまして、マイクロ・ウエーブを土台にしていろいろ通信をやろうというものであります。今度の光メーザーのほうは、マイクロ・ウエーブでなくて、それよりももっとはるかに周波数の高い、先ほど申し上げましたような光の分野に属するようなところで、そういうふうなものをしたい。機能は似ておりますが、使う電波と申しますか、周波数が非常に違うかと思います。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 協会が昨年からこの開発にかかったのですが、たまたま昨年の三月二十六日に、アメリカの陸軍省から、研究開発の部門を担当する諸君が日本に来られております。その際、協会は、これらの諸君とお会いになったんでしょうか。
  76. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) 私は、そのことを詳細存じておりません。なお調べて御返答申し上げたいと思います。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 これは、会長、お会いになったことはないのですか。
  78. 阿部眞之助

    参考人阿部眞之助君) 私も存じておりませんが、なお調べてお答え申し上げます。
  79. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、田辺さんは、三十七年の十一月十五日に日米赤外線・遠赤外線技術協定というものが結ばれたのでありますが、この内容については御存じないですか。
  80. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) 承知いたしておりません。
  81. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、私あまり質問をする勇気がなくなったのですが、問題は、光メーザーの場合、その研究によって人体に何か障害を与えるとか、衝撃を与えるとか、そういう危険性の伴うものではないのでございましょうか。
  82. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) 人体に障害を与えるかどうかと申しますと、これは、若干話が脱線するかもしれませんですが、かつてマイクロ・ウエーブ領域の周波数の電波を使いまして、それをいろいろ兵器の一部などに使ったような研究が行なわれたようなことを聞いておりますが、それに使いました電波と申しますものは、現在のマイクロ・ウエーブと同じような波長の電波だったのではないかと私想像しております。したがいまして、この光メーザーを使いますものが直接人体に影響するとは考えられません。もしこれが人体に影響を与えるとすれば、現在のいろいろテレビあるいは電話の伝送に使っておりますマイクロ・ウエーブについても同じようなことが言われるべきであると思います。これについては、何ら問題がございませんので、光メーザーの研究あるいは光メーザーから出ますいろいろな光そのものが人体に影響を与えるということは、今のところ、私どもとしては考えられないと思います。
  83. 鈴木強

    鈴木強君 旧米軍が使っておりましたレーダー・サイト、これが全国に何カ所かあるのですが、このレーダー・サイトに使っておる電波というものは、田辺さんは身体に障害はないというふうに御判断なさっておるのですか。通常電電公社の今使っておるようなマイクロウエーブ、この程度のものであれば、これはあなたのおっしゃるとおりだと思いますが、レーダー・サイトに使っている強力な電波になりますと、これはどうなりますか。
  84. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) レーダーにつきましては、私もあまりよく内容を技術的に存じませんのですが、レーダーに使っておりますのは、マイクロウエーブよりももっと波長の長い電波が多いと思われますので、そういう電波に  つきましては、私どもは常識ではあまり影響がないような気がいたしますが、専門のほうでございませんので、また、レーダーそのもののいろいろな規模なり、機械の大きさなどよく存じませんので、非常にはっきりした的確なお答えはいたしかねるわけでございますが、さよう存じております。
  85. 鈴木強

    鈴木強君 これは具体的に設問しませんからお答えができないかと思いますが、しかし実際には、今、日本にある米軍使用のレーダー・サイトの中にも、二百メートル以内には入っちゃいかぬ、人体に障害が起きるという事実があるのですよ。これは、米国のほうでも常時だいぶ気を配って、立ち入り禁止をしておりましたが、それを引き継いで日本が接収をしてやっておりますが、だから、これは周波数によって違うわけですけれども、やはり今論ぜられておるレーダー・サイトについては相当に危険が伴う。これは、すでに昭和十三年ごろから、旧海軍が中心になって、日本では相当な開発研究をした。ネズミが七匹ころりと死んでしまうところまで研究が進んだ。ところが、大東亜戦争でパーになってしまったのですが、要するに、殺人光線的なレーダーという毛のが相当進んでおったことは事実です。  ですから、私は、協会で開発しようとする光メーザーというものが、大きな電波を使っておやりになるものかどうかよくわかりません。だから抽象的な質問になりますけれども、やはりこの光メーザーの研究についても、国民はそういう点から非常に危惧を持っておるわけです。現にアメリカでもこれは毎日新聞の切り抜きを私ここに持っておるのですけれども、三十七年三月二十六日の記事ですが、「周波数三千メガサイクルまでのマイクロウエーブや超短波は、人体にとくによく吸収される。熱に変われば体温が急に上昇して代謝が増し、体のあちこちで酸素不足が起こってくる。神経系に障害を与えたり、体をつくっているタン。ハク質の分子を壊してしまったりするともいう。」――こういうふうに、やはり相当にもうすでに実験研究をした結果具体的なデータまで出ておるわけですから、やはり光メーザーというものは絶対に間違いないものだ、そういう研究を続けていっても――そういう大保証をやはり国民の前に明らかにしておく必要があると思うのですね。  ですから、私は、平和産業としてのメーザーの開発について反対をするものではないのです。現に、いろいろな分野で、接着剤に使っておったり、そういうメーザーの開発は進んでおるようですよ。だから、これを電波関係に使おうと協会がしておるのでしょうけれども、よってきたる原理は同じ原理になると思うのです。私もしろうとですから、よくわかりませんけれども、そういう点ひとつ、技術者として仕事をする場合に、やはり国民に対して、納得できるような安心感を与える必要があると思うのです。そういう点を私はお聞きしたがったわけなんです。
  86. 田辺義敏

    参考人(田辺義敏君) 御意見は十分拝聴しました。なお重ねて申し上げておきますが、私どもは、現在研究しておりますもの、ないしは将来の目標としておりますものは、私ども現在の知識におきまして判断いたしますと、その扱いますエネルギーから考えましても、そういうふうな危険は全く伴わないものだと信じております。それを申しつけ加えさしていただきます。
  87. 光村甚助

    ○光村甚助君 臨時放送調査会というのができておるはずですが、これは今まで何回ぐらい会議を開きましたか。
  88. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) はっきりした回数は覚えておりませんが、八回ぐらいだと記憶いたしております。
  89. 光村甚助

    ○光村甚助君 どういうことをこれは審議しているのですか。
  90. 武田功

    政府委員(武田功君) 最初は、郵政省、それからNHK、民放、こういう順序で、現在までの放送行政の実態とか、あるいはNHK及び民放各社の放送の現況、これの事情聴取でございまして、今年に入りまして、今月の調査会から、まず民放から始まりまして、民放、それからこの次はNHKの順番でございまして、それぞれ各社の要望事項をよく聞こう。なお、その間、先月末から今月にかけまして、各委員の方々が、地方に事情調査に出張されまして、地方の状況も見てこられた。こういうことで、最後郵政省から将来に対するいろいろな要望事項その他を聞いた上で、今後の委員会の進め方をもう一回検討する、こういう段階でございます。
  91. 光村甚助

    ○光村甚助君 私の言うのは、結論的に、この委員会はどういうことを審議して、どういうことをしようというのか、ということを聞いているのです。
  92. 武田功

    政府委員(武田功君) 郵政大臣から諮問が出ております諮問事項は、放送関係につきまして根本的に検討していただきたい、各方面にわたって専門的に御検討願いたい、こういう諮問が出ておりますので、委員会とされても、放送問題はあらゆる角度から検討されることと思います。
  93. 光村甚助

    ○光村甚助君 だから、こういうあらゆる審議会というものを作って、一つもそれがプラスになっていると私は思わないんですよ。八回も開いて、まだNHKはお聞きになっていないそうですが、民放は大体どういう意見を持っておりますか。簡単でけっこうです。
  94. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) あとで資料で詳細は御報告させていただきますが、NHKと民放とのあり方はどうしたらいいか、あるいは従来の免許の程度であるとか、基準、こういったものをもう少し法律によって明確にする必要がある、まあ特にその中で、今までのいわば施設免許的なものを事業免許に切りかえたらどうかとか、あるいは免許の有効期間というものについて、もう一回考え直す必要がある、あるいはまた、今、郵政省が制定しておりますチャンネル・プランというものの性格というものをもっとはっきりさせる必要がある、あるいはNHKの受信料というものの性格というものを、もっとすっきりさせるべきじゃないか――そういったような、今まで放送界におきまして、多年にわたって問題にされておった根本的な問題をこの際解決したいということで出発したわけですし、その線に沿って今審議が進められております。
  95. 光村甚助

    ○光村甚助君 大臣にお聞きしますが、あちこちでテレビが見えないからという陳情をたくさん受けているわけですが、第二次チャンネルの修正はいつごろおやりになるんですか。または目下研究中ですか。
  96. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) あれもなるべく早くやりたいと思っている次第でございます。
  97. 光村甚助

    ○光村甚助君 それじゃ、そういうことなら、NHK、民放、どの辺に波を出すということも、まだここでは言えないわけですね。
  98. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) 大体の考え方としましては、今まで第一次プラン、第二次プランによりまして、八五%のカバレージということが達成されることができるようになっておりまして、あと、さらに八%難視地域を解消しようということで、現在全国的に約二百カ所のプランを作ろうということで、作業を進めておるわけでございます。
  99. 光村甚助

    ○光村甚助君 この通常国会中に出しますか。
  100. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 通常国会中には出せる見込みでございます。
  101. 光村甚助

    ○光村甚助君 もう一つ、先ほどNHK関連質問で申し上げて、たいへん言葉の足らない点もあったので、今お聞きしておるんですが、私たちは、公共事業だから、常からNHKを支持しておる、支持を惜しまないわけですが、最近、とかくNHKは、だれに聞いてもあまり評判がよくない。私は、一月二十五日号の週刊朝日を見ても、これを全面的に私は信用するとは言いませんが、相当これは深刻に、官僚的だということを書いてある。こういうのを一々取り上げて質問しようとは思っておりません。それぞれの番組の編成について、この委員会で同僚の鈴木委員から、参考人を呼んで一ぺん聞こうじゃないかというお話も出たんですけれどもNHKとしても、自民党さん、与党としても、なるべく早く、四月一日からの予算だから早くあげてくれということで、参考人に聞かなかったんですが、大体テレビ放送、こういう点について、どういう人が番組の編成に当たっているんですか。
  102. 前田義徳

    参考人前田義徳君) お答え申し上げます。お答え申し上げる点は二点あるかと思います。  第一に、蛇足かもしれませんが、NHKは、放送法に基づくところによりまして、定期的に全国の聴視率調査を行なっておりますが、この調査によりますと、大体全国的にNHK番組が歓迎されていると私どもは解釈いたしております。もちろん、地区によって、NHK番組が第一位になる場合もあり、そうでない場合もございますが、全国平均して見ますと、一般放送事業者の分をも含めて、二十番組のうち、大体七種類から九種類くらいまではNHKが最高位のランクに入っているという結果を私どもは報告を受けております。  第二に、どういうものが番組の製作並びに編成に当たっているかという御質問かと考えますが、NHKが現在出しております番組は、大体五つの波――と申しますのは、テレビにおいては二つの波、ラジオ、中波標準放送において二つの波、海外放送において短波、FM実験放送もあるわけでございますが、これは、それぞれ御検討いただいております番組編成方針に従いまして、各種類の番組が調和ある編成を目標といたしまして、その土台に立って、個々の番組については、いずれもNHKの専門家が、必要に応じて部外の意見を聞き、あるいは専門委員会を作っていただいて、それらの方々とも、製作すべき番組内容を検討いたしますとともに、さらに、ローカル番組につきましては、放送法に基づく地方番組審議委員会の御意見を伺い、さらに、全国放送につきましては、中央番組審議委員会諮問いたしまして、それぞれ御批評をいただき、それによって、大体私どもといたしましては、一応の世論を伺い、そのほか、昨年度は年間約二百回に達しましたが、全国各地の聴視者との懇談会を続けまして、番組についての具体的な御意見を承り、それを総合的に集約いたしまして、毎年新年度から新しい番組の編成と製作を行なって今日に至っております。
  103. 光村甚助

    ○光村甚助君 もちろん、あなたはNHKの専務理事だからね、世論が支持していると思わなければやれないでしょう。さっきもお話が出ましたように、プロレスなんというのは、あれは画面だけのあれで、世論に受けてないというお話ですが、このプロレスの点は、幸いにしてあなたも私も同意見だ。あんなものは私は見ようとは思わないが、しかしボクシングとか野球とかいうものは、あなた方が考えているよりみんな見たがっているのですよ。相撲もそうですが、外国映画もだいぶ少ない。晩の番組で、たいがい私は、ずっと、どっちもこっちも見ているのですが、外国映画なんて、ほとんどNHKはほかのあれと比べて、少ないです。それからニュースのあり方だって、最近第六チャンネルというのですか、新しい機軸を出してやっているようですが、相撲の問題を例にとっても、確かにNHKはいい点もあります。画面にスポンサーが入らないからね。そうして解説だって、若乃花とか神風さんとか、玉の海さんと、非常にりっぱな解説で、非常にいい点もあるということは私も認めている。しかし、認めている反面、小沢問題なんかどうですか。小沢問題を国会で質問するといったら、ああいうものを国会で取り上げられると、若僧がのぼせ上がって困るからと。それもそうだなと思って、僕らのほうではやめたのです。ところがどうですか。世論は小沢を支持したじゃないですか。そうして日比谷で激励会なんかやって、NHKの面目は私はまるつぶれだったと思う。ところが、その経過報告にも来られない。この間の須藤さんの質問だって、どうですか。私は質問の内容は賛成しませんが、須藤さんに対する答弁なんか、どうですか。私にあんな答弁したら承知しない。  そういう、あらゆる面であなた方、支持されている支持されていると言われるけれども、少なくとも、もう少しこれは民主的にならなくちゃならぬ。週刊朝日なんかをもう一度読み直してごらんなさい。どういうひどいことを書いているか。あまり大きくなり過ぎて、すっかり官僚的だ――しかし、私はそういうことを言っているのじゃなくて、公共放送NHKに支持を惜しまないけれども、人間もそうだが、大きくなって順調なときにある程度反省しなければ、国民から見放されます。そういう点で、NHKの出しているのは全部いいんだという考え方じゃなくて、さっき鈴木委員からも言われたように、ある程度外国映画も取り上げるんだ、ボクシングも取り上げるんだ、そういうことにならなければ、おれたち教育してやるんだと、そういう官僚的なことじゃ、われわれは今後支持もできないと思うのですが、そういう点で、ひとつ反省してくれなんておこがましいことを言いませんが、相当やはり、そういう面でも考えていただきたいということを一言付言しておきます。  以上で私の質問を終わります。
  104. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、この前の質問で、ちょっと聞き落としたことがありますので、一、二点聞いておきたいと思いますが、三十六年度の決算による出演料が二十三億ということはわかっているのですが、三十八年度は、出演料にどれだけの予算を組んでいらっしゃるか。
  105. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) ラジオ番組製作関係で三十六億三千余万円を組んでおります。テレビジョンの番組製作には六十五億であります。
  106. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 三十六年度で私が出演料について尋ねたときに、三十六年度の出演料は二十三億だった。内訳はわかっておりますけれども、その内訳は、出演料が十八億で、著作権料が八千六百万円、それから作品委嘱料が三億円余り、それで二十三億になるのだということを聞いているのですが、三十八年度は大体どういう予算を立てていらっしゃるか、聞きたいのです。
  107. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 四十九億を組んでおります。
  108. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 全額で四十九億……内訳はわかりますか。
  109. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 概略の内訳でございますが、出演関係の経費が四十億でございます。作品の委嘱関係に八億一千万、著作権料が九千二百万円、以上でございます。
  110. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そうすると、十八億の出演料が四十億になるから、今年度は三十六年度よりも出演料がずっとよくなるというふうに理解していいんですか、どうですか。
  111. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 相対的には多少よくなって参ると考えますけれども、これは主として時間増に伴う番組増加との関連が土台になっていると考えます。
  112. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私がこの質問をしたことが、外に、芸術家の間に伝わったわけですね。名前は言えませんけれども、名前を言うと放送局にいじめられるから名前は言わないでくれということで、方々から電話なり手紙で言って参りまして、何とかひとつわれわれの出演料の値上げを実現するように努力してもらえないか、こういう話が方々から来るわけであります。  そこで、私は皆さんに聞いておきたいのですが、この間示された基準料金ですね。ところが、質問の中にも申しましたように、あの基準料金の最低線以下の出演者も現にあるわけです。これは、私の友人がそれで出演しているのだから、はっきりしているわけです。だから、皆さんはうそを言っているとしか僕には理解できない。はなはだ不明朗なものがたくさんあるのです。ですから、この問題は、私はまだ解決したのじゃなしに、もっともっと私は機会を見てやらなければならぬ問題だと思っておりますが、あの基準は固く守っていくということが確約できるのですか。そうして、今年度はあの基準以上に出演料金を上げるというふうな方針をあなたたちのほうでお持ちなのかどうか、そういう点を伺っておきたいのです。
  113. 前田義徳

    参考人前田義徳君) あの基準は、三十六年度と三十七年度中に新年度の基準についての検討をいたしまして、あの基準については、各出演者団体等ともかなり話し合いまして、経営等も勘案いたしましてあの基準をきめたわけでございますが、現在実施中のものは、したがって、三十七年度予算編成にあたって、そういう経過を経て決定した私どもの基準でございますが、三十八年度につきましてはただいまのところ基準変更ということは考えておりません。ただ、個々の団体もしくは個人に対する出演料のあの基準の中での取り扱いについては、関係各局がそれぞれ話し合いをしている場合もあり、また話し合いのついた部分もあると了解いたしております。
  114. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それでは、今年度予算内においては、昨年度よりも出演料なり作品料などは絶対値上げをしないと、する意思は毛頭ないと、こういうふうに了解していいですか。
  115. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 私が申し上げましたのは、基準の変更はございませんが、基準に基づくランクの変更は事実問題としてあり得ると考えます。
  116. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ランクの変更は、だれの認定でランクを変更するのですか。
  117. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 認定ということは、いろいろ委員会どもございますが、同時に、それは一応の私ども考えておりますランクでございますので、それと関連して、出演者団体等と話し合いをして、実際上できるだけ御希望に沿えるような解決をいたしたいと、こういう考え方で今まで運営して参っております。
  118. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 まあこの問題、あらためてまたいつかやることにしまして、この問題はこれでやめますが、私の希望としては、とにかく、何回も申し上げましたように、今芸術家は実際恵まれていないのですね。ですから、放送局として、やはりもう少し、出演料なり作曲料なり、作品料などももっと値段を上げて、芸術家を尊重するという立場に立つのが当然だと思うのです。だから、そういう方向に皆さんが努力されることを私はこの際要請をしておきたいと思うのです。そういうように努力していただきたいと思います。  それから、先ほど光村さんが、小沢君の問題にちょっと触れられました。私も、この小沢君の問題について一度やりたいと思っていたのですが、まだ時期が適当でないというふうに考えまして、先ほど光村さんが、小沢君はたいへん世論の支持を受けているじゃないかという意見がちょっと出ましたから、私ちょっと触れておきたいのですが、私は必ずしも光村さんと同じ意見を持っていないのです。あの問題には、なかなかそう簡単でない、非常に複雑な問題を含んでおると思うのです。ここで私は、あなたたちとこの問題についてこれ以上きょうはやろうと思いませんし、光村さんと意見を戦わそうとも思っていませんが、これはあらためて後日ある時期が来たら明らかにしておく必要のある問題だと、私はこういうふうに思っておるのです。きょうはこれで終わります。
  119. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 時間がありませんので、一点だけお伺いしたいと思いますが、まず、NHKにお伺いしたいのですが、受信契約放送法第三十二条によって規定されておりますが、これに基づいて、NHKとしては契約に関する基準その他があるわけでございますか。
  120. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 放送法第三十二条は、非常に簡単な規定でございます。三項に分かれておりまして、第一項は契約の義務を課しております。第二項は、そのような契約の義務を課されて、所定の予算承認を受けました料金を払わなければならない向きに対しまして、料金の免除または減額をいたします場合につきましては、これは郵政大臣のあらかじめ認可を受けた基準に基づてやらなければならないということでございます。したがって、これの関係につきましては――もう一項ございますが、放送法規定だけではまだ実際に契約現実処理並びにその他の条項の関係が明確でございませんで、別途そのようなものを作る必要がございます。そのことを放送法第三十二条第三項が規定しておりまして、契約の条項については郵政大臣の認可を得て定める、これを変更するときも同様だと、こういう規定になっておりまして、その該当の条項によりまして、別途郵政大臣の認可を得ました「受信規約」という内規を持っております。
  121. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 その中で、自動車関係はどういうふうになっておりますか。
  122. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) それは、一応自動車につきましては、自動車に固定をしまして定着したものでございますが、これに設置してありますものにつきましては、別に料金を納めなければならないことになっております。契約の対象になっております土台は、大体は世帯が単位でございまして、各世帯ごとに、テレビにつきましても、またラジオにつきましても、何台ありましてもこれは一つだけの契約ということになるわけでございますから、別に自動車を持っておられて、その自動車に取りつけた、設置したラジオ受信機の場合は、これに対しては別にもう一つ契約をしなければならない、こういうようになっております。
  123. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 その自動車の種類は、どんな種類でも、たとえば乗合自動車であろうと、営業用であろうと、自家用であろうと同じで、それを備え付けておれば、自動車の種類いかんにかかわらず、徴収することになっているのですか。
  124. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) そういうことでございます。
  125. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 そこで、私調べた資料が少し古いのでありますが、昭和三十七年の九月の運輸省の旅客課で調べたそれら種類の台数が、合計七十二万六千九百五十七台あるわけでありまして、このうちラジオを備えつけてあるのが、大体九〇%ぐらいがそれに該当する数字だろうという運輸省からの報告でございまして、一方このNHKラジオの自動車契約数は、これは昭和三十七年十二月末の調査でございますが、契約件数が約十五万台ということになっております。まあ少し月日がずれますけれども契約されていない台数のほうが多くなっている。この七十二万の九〇%といいますと、大体六十万台ぐらいになるわけですけれども、そのうち十五万台引くと、五十万台というものが未契約になっておるわけです。これは。パーセンテージにすると、大体二割三分ぐらい契約されて、あとの七割七分、これが未契約になっているというふうなわけでございますが、これはどういう関係でこういったような数字になっておりますか。
  126. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 運輸省でお調べになりましたので、大体自動車の台数につきましてはおよそ間違いはないと思います。ただ、ラジオNHKの-契約の対象になりますラジオを設置しておるかどうか、こういう問題になりますと、多分に推定が入っておるようであります。私どもといたしましても、こういった移動体につきまして個個に厳密に当たることは、非常に事務上正確かつ百パーセントにも信用し得るものがなかなか困難であります。したがいまして、運輸省関係がこの自動車関係の登録その他を管理をやっておりますので、常に緊密な連絡をとりまして、登録台数が幾らあるか、これだけではわからないわけであります。その登録台数の中でほんとうにNHKの受信契約の対象になるものがどれだけあるかということを、いろいろ御協力を得て把握しようと、常に努力をいたしておりますが、運輸省ではそこまでの資料を持っておられないようであります。ただ、ラジオがあるということは、携帯のラジオを持っているとか、これはおそらく大部分のあれはあると思うのでございまして、しかし、そういう携帯用のラジオは、世帯でもうすでに契約をいただいておりますので、別個に自動車関係ラジオ契約対象として取るわけに参らぬわけであります。そういうような面から申しますと、ただいま、三十七年十二月末現在における、これも運輸省で調べましたものでございますが、資料がございますが、自動車の全体の登録台数が全国で二百六十四万台ばかりあります。このうちで乗用車、乗り合いのバス、こういうようなものに限って参りますと、登録を現実にいたしておりますものが八十一万五千、このうちで受信契約現実NHK契約をいたして料金をいただいておりますものが、先ほど御指摘のとおり、十五万でございます。しかし、この八十一万のバス並びに乗用車の登録台数の中で、私どもNHKの受信料を徴収することのできるものとして推定をいたしております台数は、これは自動車に取りつけた固定したものでございますが、およそ二十四万台と推定をいたしております。これも厳密に一々当たったわけではございませんし、また、こういうような関係を一々区別をして、現実NHKの受信契約の対象になるものとそうでないものに分けて運輸省は資料を持っておられませんので、運輸省も、大体はいろいろな自動車関係ラジオがある、そのラジオがあるのは、固定したもののほかに、そのあとに持ち込んで聞いておられる、それも推計の中に入っておろうかと思います。私どもは、受信契約の面から申しまして、固定の設置せられたもので対象になり得るものとしておよそ二十四万を推定をいたしておるわけでございますが、そのようにいたしますと、まだこれも遺憾ながら一〇〇%ということになっておりませんが、七〇%弱の契約をいただいておる、三〇%ばかりのものがまだ未契約ということにはなって借ります。
  127. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 NHKのほうの調査と私のほうの調査が狂っているようでございますが、私のほうの調べたのでは、今小野さんがおっしゃった備えつけてあるラジオが、大体乗合バス、貸切バス、営業用乗用車、自家用バス、自家用乗用車総数のうちの九〇%が備えつけてあるやつだということで私は数字をはじき出したわけなのでありますが、御承知のとおり、これは年々自動車はふえておりまして、最近ラジオ放送なんかでも、八〇万台を突破して、月々大体一万台くらいずつふえていくというような趨勢にあるわけで、私は公平に受信料を、法なりあるいは規則にのっとって徴収するという観点から立って、ことに自動車を持っている方なんというものは、受信料が払えないような方ではないので、月五十円の受信料を、わかれば喜んで払ってくれる階級に属している方じゃないかと思うのです。私はやはりいろいろ、自動車を持っていてこの受信料金を払ってない方に聞いてみると、そういったものを払わなくちゃいけないのかどうかということを知らない人が多いように思うのですが、そういった点に関して、周知徹底させる方策は今までやっておられたのですか。
  128. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) これにつきましては、私どものなし得る限りの周知をいたしておるつもりでございます。まだその点につきましては、何しろ多数の受信者の方でございますので、いろいろ周知をいたしましても、なかなか徹底をしないのは、自余の周知活動でも同様でございます。いろいろその周辺の問題等もございますが、番組等を通じましても、この辺に関する周知はかなり努力はいたしておるつもりでございます。問題はやはり、一応運輸省の自動車を登録をせられる場合に、固定してつけNHKの対象になるものと、そうでないもの、これを御連絡をいただけないものか、こういう努力はしょっちゅういたしておるのでございますが、なかないそこまでのあれは登録の対象にならない、こういうような実情であるようでございますし、また運輸省としても、なかなか煩にたえない問題かもわかりません。そういうことで、そういう方法によってなかなか把握する手段も今日まで得られないというような状況で、結局NHKが一台々々見て、ありそうだ、これはどうというような判断を下して、努力はいたしておるわけであります。今後なお、周知面におきましてももちろんでございますが、現実契約の獲得の面につきましても、いろいろと努力を重ねて参らなければならないものと思っております。
  129. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 私は、今の小野さんのお話では、努力をしておられるというようなお話でございますが、私の感じたところでは、事自動車に関しては、あまり努力をしておられないのじゃないかというふうに考えるわけです。で、この予算の規模を拝見いたしましても、放送受信契約の乙というものはだんだん減少していくような傾向にあるわけです。こういったものを見のがすというのはどうかと思うわけで、何とかしてやはりこういうものは早く積極的に調査して、今までと違った、運輸省のみにたよっているというような方法でなく、もちろんそれだけでないと思いますけれども、もう少し積極的にこれを取るというような考え方でいっていただきたいと思うわけであります。そこで、この予算の中の契約の乙が、年度当初においては大体四百二十万の契約者がありますが、このうち自動車の契約者はどのくらい見ておられるわけですか。それから同時に、年度末の自動車の契約者はどのくらいにふえているのか。
  130. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 年度末における実態はまだ把握しておりません。
  131. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 予想は。
  132. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 予想、これはなかなか、登録の現実については運輸省から調べておるわけでございますので、一定のそのような時期を切りまして把握いたしたいと思いますが、受信料の額を一体三十八年度は自動車関係について幾らに見ておるかというお説でございますが、努力はいろいろいたすといたしまして、これに対して申告の義務を課し得る今日段階ではございません。いろいろ努力を積極的にいたしたいと思いますが、現実に現在十五万は獲得をいたしております。そういうような関係も、多少のこの関係増加は見込んでいると言える――常識的に申しますと。でございますが、不安定のそういった財源を見込みまして、事実それができないようなことでは、非常に予算上の措置もどうかと思いますので、一応十五万台をベースとして取っていきたい。それ以上のまだ取る余地があるわけでございます。当然契約してもらわなければならぬものが、現実に私どものの推定をもってしてもあるわけでございます。いわんや、先生のお手持ちの運輸省推定によれば、九〇%は固定しているのだということになりますと、現在の実情とNHKのやっております実情は、まだまだ努力をしなければならないような現状に見受けられますので、この辺は、あとう限りの努力をいたしまして収入を得ていく、そうなれば三十八年度中における形としては増収の形になると思いますが、大体そのような措置をいたしておるわけであります。
  133. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 今の十五万台というお話は、これは三十七年の十二月末で十五万台で、三十八年の十二月末ではやはり同じ十五万台となるのですか。全然この数字は変わらない、増加はないのですか。
  134. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 先ほども申し上げましたように、これに対しては、あるいはふえるのは当然だと思います。思いますが、努力をいたしまして、金額にしてもそれは大きな金額ではありませんが、これは収入としては確保をはかっていく。件数としては、これだけ必ず取れるという土台のもとに支出の財源になります収入としてはっきり予定しているということは、ただいま差し控えておる次第であります。
  135. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 今のは、自動車のほうは推定だからこの予算のところにも表わせないというお話ですが、ほかの財源もやはり推定でおやりになっていらっしゃるのじゃないですか。その確実度が違うから、自動車のほうは載せないというふうな御説明なんですか。
  136. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 大体お説のとおりかと思います。他の関係につきましても、やはりこれからの事態でございますので、いろいろの資料のもとに一定の推計を下して、最後収入の見積もりをいたしております。
  137. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 それでは、先ほど申しましたように、自動車がどんどんふえてくる傾向にございますから、私はこの契約というものはあまりゆるがせにできないのじゃないかというふうに考えておりますので、NHKにおかれましては、積極的にこの契約の乙を、自動車に関しての契約を積極的に取り結んでいただくようにお願いしたいと思う。ことに、最近はぼつぼつテレビも自動車につけるようになって参りましたし、またそのほかホテル、旅館に対する料金の問題もあると思いますから、そういった点に関しまして、十分に法なり規則に合うように、不公平のないようにひとつお取り計らい願いたいと思います。
  138. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 御指摘の点は、ごもっともでございます。そのような運用を常にやっていかなければならない事柄ばかりでございますので、あとう限りの努力をいたして参りたいと思います。
  139. 光村甚助

    ○光村甚助君 通信学園のことをお聞きいたしますが、中学卒業生が入って、今度試験をして高校卒業の免状をくれるのですか。
  140. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 入学に関しましては、書類選考でございます。所定の課程をこれは四年間で終えることになっておるのですが、四年間たって所定の課程を終えますと、学校法人NHK学園が経営しておりますNHK学園から卒業証書をもらうことになるわけでございます。
  141. 光村甚助

    ○光村甚助君 それは町にある高校の卒業者と同じ資格なんですか。
  142. 前田義徳

    参考人前田義徳君) さようでございます。
  143. 光村甚助

    ○光村甚助君 そうすると、一年に一回か二回試験をされるのですか。それと、試験の場所はどこなんですか。
  144. 前田義徳

    参考人前田義徳君) これは文部省規定に基づきまして試験をいたします。同時に、試験のほかに、実地指導もいたします。そのためにNHK学園が通信高等学校を設立したわけでございますが、同時に、従来の制度で各府県に一ないし二通信高等学校がございます。各府県におきましては、大体この通信高等学校の御協力を得られることになっておりますので、そこで実地指導並びに試験を行ないたい、このように考えております。
  145. 光村甚助

    ○光村甚助君 各府県でおやりになるので、大体わかりましたが、旅費とか宿泊費はやはり学生の負担なんでしょうね。
  146. 前田義徳

    参考人前田義徳君) そのとおりでございます。
  147. 光村甚助

    ○光村甚助君 これは要望ですが、学校へ行けない人を教育してやろうというのですから、やはりその都会に、県庁所在地ぐらいに何日か来て泊まって、相当やはり費用がかかるのじゃないですかね。何か泊めてやる施設なんというものはないのでしょうか。
  148. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 東京におきましては寄宿舎を学校の付属として持つことになりますが、各府県の旧方式に基づく通信高等学校では、全部を詳細に熟知しておりませんけれども、大体ないところが多いのじゃないかと考えております。この点につきましては、この四月から始まります実際運用上の結果を勘案しながら、もしこの御審議を通じていただいた御注意の範囲内でそのことが処理できるならば、非常に長期の年限を必要とするかと考えますが、そのような措置も講じて参りたい、その際はあらためて御審議いただきたい、このように考えております。
  149. 野上元

    ○野上元君 二、三質問をしたいと思いますが、先ほど松平さんからラジオ契約に関する問題について御質問があったのですが、これはやはり相当大きな問題だと思うのです。NHKとしても、ラジオのほうの伸びというものをあまり多く見積もってはおられない。しかし、現在の段階においては、テレビがあるからNHKもそういう方針がとれると思うのですね。しかし、テレビも同じような状態になった場合には、これは非常に大きな問題だと私は実は考えているわけなんです。そこで、実は最近テレビ・メーカーを視察したのですが、小さなポータブルのトランジスター・テレビが相当多量に生産され、かつ販売されつつあるようです。したがって、あまり遠くない将来において現在の大型のテレビにこれがとってかわるというような状態が来ないとも限らない。御承知のように、日本の小さな住宅には大型のテレビは向いておらないと思うのです。私はやはり、これはだんだんだんだん小型化してくるのじゃないかというふうに実は考えております。しかし、今日の段階においては、まだトランジスター・ラジオのコストが非常に高いわけですね。したがって、購買力も、あまり需要もそのほうへ向いてこないと思うのですが、将来は必ずそっちのほうへ向いてくるということになると、これまたアンテナが要らないような状態になる。そういう点について、NHKはどういうふうに考えておられるか。さらにまた、テレビの各メーカーが生産しておる数、それから製品としての在庫数、それから商店にストックされておる数、こういう数と、今日NHK契約されておる数、どういう関係にあるか、簡単でけっこうですからお答え願います。
  150. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 御指摘の点は、私どもも同様に考えておりまして、料金面が非常に低料金でありますから、これをおろそかにするわけにはいかないと思います。ひいてはテレビとの関係における料金負担の公正をも考えますと、契約対象としてはできるだけ百パーセントこれを獲得すると同時に、その収納につきましても努めていきたいということは、同様に考えております。現在のところでは、契約テレビのほうを包括いたしまして、この関係にはラジオ料金も入っております。そういう面でいきますと、いわゆるラジオ契約と称する契約乙の面、これだけがラジオの料金ではございません。契約の甲と乙を合わせましたものがラジオの料金をもらっておる対象でございますから、その点から申しますと、今日、御指摘のように、ずいぶん高くなっております。そのような算定を予算上見積もりまする場合に、一応メーカーとして生産を計画しておられる数、それに対して、これが庫出しになる数、その中で輸出向けに外国へ出て参りますもの、逆に外国から輸入として入ってきますもの、このようないろいろな数字を現在持ってきておりませんので、御説明申し上げられないことは残念でございますが、そのようなこともあり、また在庫で庫出しになっておりますもの、店頭にまだ消費者の手に渡たらないで残っておりますもの、こういうもののデータはございます。そういうものを引きましたものが生産に回わるわけでございまして、これには、現在時において持っておりますその数に、そういうものをいろいろ加減をしなければなりません。それと同時に、テレビラジオにつきましての平均一世帯当たりで何台持っておるか、こういう推定――二台持っておる世帯はどのくらい、三台持っておる世帯はなんぼというようなデータも、いろいろ調査をいたしまして作っております。そういうことで計算をいたしまして、このくらいは入るというような見込みを立てております。そのうちまた、在来のラジオのみの契約から、甲に――テレビを持たれるようになるのでありまして、ラジオ・オンリーの契約としては消滅をいたしますが、甲の契約に移動するものがございます。このような計算を精密にいたしまして、来年度中における件数が幾ら、こういうふうに出しておるわけでありますが、お説のとおりに、かなり生産の台数が多うございます。その面から見ますと、いかにも契約のこの件数が少ないのであります。甲、乙合わせてもまだ少ないのではないか、こういう御疑念は当然と思います。ただ、野上先生も触れられましたように、ラジオに対する一つの聴取の対象が非常に変わりつつあるのであります。トランジスターの小型のもので便利なものができてきまして、部屋に固定したようなラジオを持たなくなりつつあります。漸次移動用のものになり、しかもこれはテレビ普及につれまして、大体各家庭でも、一人一台のわけには参りませんが、相当に一世帯当たりの所有数は多くなりつつあります。そうしてみますと、極端に言えば、国民が全部一台ずつのラジオを持つ時代というようなことも考えられますので、そのような趨勢をも考えまして、問題の重要性にかんがみて、できるだけ契約の対象たり得るものはすべてこれを契約していく、このような考えを持っておるのであります。
  151. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  153. 鈴木強

    鈴木強君 私は、日本社会党を代表しで、ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会承認を求めるの件に対し、以下申し上げる附帯決議と三つの希望意見を付しまして、賛成をいたすものであります。    附帯決議(案)   政府並びに日本放送協会当局は、左に掲げる事項の実施につとむべきである。  一、難視聴地域の解消対策を積極的に推進すること。  一、教育テレビ放送網の拡充並びに教育放送番組の強化をはかること。  一、経営の合理化、能率の向上をはかることによって、従業員の待遇改善につとめること。  右決議する。  この附帯決議につきましては、あえて説明を加える必要はないと存じますが、特に最後の従業員の待遇改善につきましては、私は事業は人であるということを絶えず申しておるのでありますが、やはり協会使命を完全に達成するためには、そこに働く職員諸君が自信を持ってその業務に邁進することにあると思います。それには、まずその裏づけになる待遇の改善ということは当然であろうと思いますから、今、協会の待遇は、同類の新聞報道関係に比べましても中ないし中ちょっと上というところにありますので、私は、あえてこの附帯決議をもって、今後経営の合理化と能率の向上の上から、ひとつせめて一般の新聞報道関係並みまで職員の待遇ができますように、強く希望するものであります。  それから次に、希望意見の第一は、FM放送の開発、普及についてでございます。NHKは、FM放送の開発、普及のために、今年度十七のFM放送局ら建設を行なうことを計画されておりますが、これにつきましては、質疑の中で明らかになりましたように、目下郵政省において、FM放送の全面本実施のために、技術基準免許方針等の準備を進められておりますが、わが国におきましては、VHF帯の実験放送は、昭和三十二年十二月四日に初めて電波を発射して以来、ここに五年半を経ております。この間における実験の結果は、FMがAM放送に比して音質の点で比較できないほどの良音を送出できること、雑音も入りにくく、混信の少ないこと、昼夜の感度の差がほとんどなく安定した放送のできることを立証されているのでありますから、郵政省当局は、これらの結論を十分勘案されまして、早急に技術基準免許方針を御決定になられ、この中に計画をされております十七のFM放送協会計画どおり実施できますように、格段の御配慮をお願いしたいのであります。  その二つ目は、オリンピック東京大会についてでありますが、オリンピック東京大会の放送の完璧を期するために、NHKが着々と準備を進められておりますことは、私ども十分承知いたしましたが、しかし、万一この大会において、その報道の一部においてそごを来たすようなことがあったといたしましたら、わが国のこの面における信を世界に失墜することになりますので、万全の上にも万全を期せられ、全世界の目と耳が東京に集中をされることに思いをいたされまして、万遺漏なきよう格別の御配意をいただきますよう、私は強くこの際申し上げておきたいと思います。  三番目は、経営のあり方について、私はこの際幹部各位に一言苦言を申し上げておきたいと思います。NHK放送法の立法精神に基づき年ごとに拡充発展の一途をたどっていることは、御同慶にたえません。しかしながら、昨今民放の発展も目ざましくなりまして、これとの関係で、特に協会が聴視料を取って運営をいたしております等の関係から、協会に対する批判も私はきびしくなっていると思うのであります。委員会の審議を通じて、協会の業務は、ラジオ第一、第二、テレビの総合、教育、カラーテレビFM放送、国際放送教育通信高校開設等、これが助成、年末助け合い運動、海外特別番組の編成等々、広範多岐にわたっておりまして、下手をすると大男総身に知恵が回りかね、こういったことわざがありますようなことになるのではないかと、私は一面心配をしておるものであります。NHK公共放送の上にあぐらをかいているのではないか、こういう町の声も一部に聞かれるのであります。現在のところ、協会の経営は、収入の面において、非常にテレビ普及が目ざましいものがありますから、伸びておりまして、比較的良好に経営ができるのでありますが、この状態がいつまで続くかということは保証の限りではなく、今でも料金は取らないでやれないのかとか、あるいはもっと安くならないのか、こういう声を私は聞くのでありまして、もし少しでも心がゆるむということになりますならば、そういう面からの協会に対する批判というものは、また経営の面における問題点は、私は幾多出てくると信ずるのであります。したがって、甘いお考え方は持っておらないことを私はかたく信ずるのでありますが、そういうことのないように、ひとつ幹部各位の一そうの研さんと、それからより姿勢を正しくしていただきまして、将来にわたる展望と見通しを的確に把握され、しっかりした基本方針を作られて、全員一致事業発展のために邁進せられるように期待をいたしまして、討論を終わります。
  154. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、この承認案件に承認を与えることに賛意を表しますとともに、鈴木委員提案の附帯決議にも賛成をいたします。  ただ、この機会に、本案の審議に関連いたしまして付言したいと思いますことは、郵政当局及びNHKはもっと真剣に放送法規定及び法の精神を順守する必要があるということであります。法律をいたずらに拡張解釈をしたり、また、形式的に法文の字句に抵触しないからといって、その場その場を糊塗するような態度で法律を解釈、運用しようといたしますると、勢い政策の基本が混迷して参るのであります。NHKは、申すまでもなく、法律によって設立、運営せられております公共的な特殊法人でありまして、その組織目的、業務、財政等、すべて法律の規定によりまして保護、監督せられ、規律せられているものでありますから、法律の規定の範囲内においてのみ活動し得るものであることを忘れてはならないと思います。その業務の内容が、多数の国民の要望するところであるとか、社会福祉の増進に役立つものであるとかいうことは、おのずからそれは別問題であります。この点に関しまして、私は郵政当局及びNHK当局に対しまして注意を喚起いたしますとともに、われわれも今後、このような問題に対しまして、郵政当局及びNHK当局の処し方に非常な関心を持って注視していることを付言いたしておきます。
  155. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表しまして、日本放送協会三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画に対し承認を与える件につきまして、反対をするものであります。あわせて、社会党から提案されました附帯決議にも、反対をいたします。  その反対の理由は、放送法の第一条に規定されておる放送の不偏不党の原則に反しておるという問題、NHK学園の通信高校設立の問題、受信料値上げ問題、ワシントン・ハイツの問題などでありますが、この反対意見は、衆議院におきまして、わが党の谷口委員が詳しく述べておりますので、私がここで述べることを省略いたします。  ただ、私が特にここで申し上げておきたいことは、質疑の中でも皆さんも御了承願えたことと思いますが、三十六年度剰余金が五十一億六千四百万円もあったにもかかわらず、これを設備投資のほうにのみ投じて、その出演の芸術家たちに対する待遇がはなはだ私はお粗末であったと思うわけです。これは、はなはだ遺憾なことだと思いまして、昔からNHKは薄謝協会だという汚名をちょうだいしておるわけでありますが、こういうことは決して自慢にならないことでありまして、NHKたるものがこういうことをいつまでも言われておっては、はなはだ私は遺憾だと思うのです。そこで、私は質疑の中で、こういう芸術家に対する待遇が非常に不当ではないかということを申し上げたわけでありますが、それに対しまするNHKの答弁は、はなはだ私は不遜だと思うのです。何らそれに対する反省をしていないし、先ほども聞きました、三十八年度はひとつ基準を上げて、もう少し優遇するようにしたらどうだと言ったら、基準を上げる意思は毛頭ないというような答弁であります。大体、これだけの額の剰余金が出るならば、この剰余金は、先ほど申しましたように、設備だけに投じるのでなく、料金の値下げにこれを使わなければならぬ、それから従業員の待遇改善にもこれを使うのが当然ではないかと思うのです。今鈴木委員が要求した資料を私も拝見しましたが、NHKの従業員の給与と新聞社の給与を比べますと、一万一千円ほど給与に差があるわけです。同じような報道機関関係しておる従業員でありながら、一万円以上の差があるということは、これは私は考え直さなければならぬ問題だと思います。だから、剰余金があるならば、受信料を値下げし、従業員を優遇し、そしてこの利潤を生む最も土台になっておりますところの作者や出演者に対してこれを優遇するというところに考えをいたしてもらわないと私はいけないと思います。どうかNHK当局の諸君がそういうような考え考えを訂正されて、日本文化の発展のために寄与されることを私は心から要請したいと思います。  以上申し述べましたような建前から、私は今回のこの承認を求める件に対しまして反対をせざるを得ないのであります。
  156. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 他に御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  157. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会承認を求めるの件を問題に供します。  本件を原案どおり承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  158. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 多数でございます。よって、本件は多数をもって、原案どおり承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認め、よってさよう決定いたしました。  次に、討論中に述べられました鈴木強君提出の附帯決議案を議題といたします。  鈴木強君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  160. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 多数と認めます。よって、鈴木強君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、小沢郵政大臣並びに阿部日本放送協会会長より、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。小沢郵政大臣
  161. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会承認を求める昭和三十八年度日本放送協会の収支予算等につきまして、御承認いただき、まことにありがとうございました。  なお、附帯決議につきましては、放送に関する問題を処理していきます場合の貴重な指針として、誤りなきを期していきたいと考えている次第でございます。
  162. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 阿部NHK会長
  163. 阿部眞之助

    参考人阿部眞之助君) 連日にわたる御熱心な御審議によりまして、NHKの三十八年度予算案が、圧倒的な多数で承認されましたということは、まことに喜びにたえません。  なお、附帯決議に対しましては、かねがね私ども考えておりましたところと全く同じことなんであります。この決議を取り入れて、さらに一そう努力いたしまして、この決議の実現に努めて参りたい、かように存じます。どうもありがとうございました。
  164. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十一分散会