○津島壽一君
大蔵大臣に簡単な
質問をしてお考えを聞きたいのですが、簡単ですけれども、事柄は非常に重要だと私には思われるのです。それは明治三十二年の第一回四分利が満期になってどうするかという問題は大きい問題だったと思うのです。それがこの公債の発行されたロンドンで発行の見通しがついたということは、私は非常にいいことだと思うのです。五分利貨債の現金償還をやった際から、私は、どうしてもヨーロッパ市場に
日本政府が往年の信用を確保して、こういったような市場が再開されるという道を開かなければならぬ、こういう気持であったのですが、今日その実現の機会を得たということについては、私は非常に敬意を表するものです。
そこで、この公債は三十三年目でございます、英国で発行するということは。この第一回の英国発行というものは非常に世界から関心を持たれて、注目の的になっておる。これがうまくいくかどうかは、ほかのヨーロッパ諸国、また
米国に対しても相当大きな反響と刺激を与えるものだ。こういう観点から、この
法案が通って、いよいよ
交渉にあたっては、私は最善を尽くしていただきたいという希望と同時に、私の言わんとするところ、また
質問する点は、ここに書いてありますが、いよいよこれがきまれば、市中銀行団と、引き受け団と書いてありますが、発行
条件その他の具体的の
交渉をするという予定であるということなんですね。そこでまっ先に一番大事なことは、引き受け団をどうするかという問題であろうと思うのです。
条件はその引き受け団と
交渉する問題である。
過去におけるいろいろな事情を申し上げることは別として、明治三十二年以来、及び最後の国債以来、英国では二十数回外債を発行いたしております。それに当ったいわゆる引き受け団といいますかは、相当強固のものであり、また
日本との友情というか、非常な協力的な態度を持して、これは申し上げるまでもないことであるが、やってきたものです。今回三十三年目に、戦後初めてロンドン市場で
日本の公債、国債を発行していこうというのにあたって、最前に考慮すべきことは、これらの銀行団の組織にあたっての、これは世間から見、世界市場から見、ことに
日本の歴代の内閣が方針としてきたことを十分に御研究下すって、誤りのないようにしていただきたい。要すれば、伝統なり過去の政策、この国債、が明治三十二年に発行されて以来のことをひとつ十分御研究になって、誤りのないようにしていただきたい。今日まで私ども現実にぶつかったこともございまするが、非常に莫大な公債の準備に最も強力なるシンジケートを作ったわけです。それは御承知のとおりであります。これは震災外債のごとき恐慌の場合において起こったところであります。民間の小さい社債のごときはそういった法はございません。したがいまして、今回の公債は、金額においては借りかえですからわずかなものでありますが、将来の事態を考えると、私はどうしても強力なものをまず作り上げて、そうしてこれと友情的な雰囲気のもとに発行
条件、発行について具体的の折衝をしていただきたいと、こう思うのです。これは今の段階で
大蔵大臣から、これはこことこことやるのですなんていうことを聞こうというやぼを言っておるのじゃないのです、これは微妙な問題ですから。しかし、大体の、
大蔵大臣としてはこういう考え方であるということは、私はここで言っていただいたほうが、世界市場は安心するだろうし、われわれもその意見に同調共鳴するものなのです。これは
質問でありますけれども、希望を含んでおりますが、もし何らかの形で、抽象的でもいいですから、お答えできれば、ここにひとつお答えを願いたい、こういう次第であります。