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政府委員(
島田喜仁君) どうも非常に答弁しにくい御質問でございまして、恐縮でございますが、ここにおられる
先生方も御年配の
方々でございまして、非常に申し上げにくいのでございますが、やはり世の中の進歩というものは、私は、おしかりを受けるかもしれませんが、若い世代が担っていくべきものと思います。そういう
意味で、今の若い年令層においては、御承知のように、メートル法を学校の教育時代からやっておるのでありまして、むしろ私な
ども、どちらかといえば尺貫法で教育されたほうでございますが、過渡的にはどうしても、そういう混乱と申しますか、
整備されていない状況があらゆる面においてあると思います。したがって、この
整備は、だんだん時代がたつに従いまして、若い世代になるときには、そういうことになりますが、過渡的には、できるだけそういう混乱を防ぐ、言いかえれば、これを極端に強制することが実はなかなか長い間の慣習、教育でもってできませんので、この
法律も、実は取引上の場合と、それからもう一つは
計量単位を証明する場合に、実は
法律でこれを
規制するということになっておるわけでございます。したがいまして、
家庭内で尺貫法を使っているとか、あるいはたとえば自衛隊内部でヤード・ポンド法を使っているというような場合には、本法の実は対象外でございまして、その面まで
法律で
規制をするということにはなっておりませんが、根本は、ただいま
先生のおっしゃるように、そういう
家庭の面、あるいは生産の面においても、そこからメートル法を使っていかなければ、実はすっきりしたメートル法の実施ということは困難でございます。率直に申しまして、実はこの前この
委員会で豊田
先生から板ガラスの問題について御意見がございましたが、それも実はこのメートル法の施行のむずかしさに基因するわけでございまして、今メートル法がある程度
普及をいたしまして、メートル法以外の
計量を使ってはいかぬ部門を実はしぼっておりますが、率直に申しますと、これはかりに、メーカーと
販売業者との
関係を申し上げますと、やはりメーカー自体が実はこのメートル法に移行しておるわけではございませんので、このメートル法をメーカーがあれしましても、取引をする場合にメートル法に切りかえて換算をしているというのが実は今の実態ではないか。しかし、それをやりませんと、やはりメートル法は全然実施ができませんので、逐次、期間をかけまして、生産の
関係あるいは需要部門の
関係を含めまして、メートル法に移行する。それは、先ほど申し上げましたように、ある程度時間がかかり、それを使う世代の人たちが日本の大
部分の人口になるということを
考えませんと完全にはなかなか実施ができない。ここに私はメートル法の実施のむずかしさがあると、こういうふうに思います。
この前豊田
先生からの御意見がございました点につきまして、ちょっと回答さしていただきたいと思います。ちょうど私の今お答えをした点に関連をいたしますので。
実は、板ガラスの
計量について、小売業者とメーカーとの
関係で、小売業者はメートル法をやらされておる。ところが、板ガラスのメーカーはメートル法をやっていないじゃないか、施行していないじゃないか。小売業者から、これはおかしいではないかという意見が出たわけでございます。その
意味で、簡単にお答えをいたしたいのですが、板ガラスの
計量は従来フィートを基礎として行なわれておったわけでございますが、
昭和三十四年からメートル法に切りかえるために、板ガラス協会が中心になって準備を進めて参りまして、
関係方面の協力を得て、一応メートル法に切りかえを行なったわけでございます。この場合、規格自体を変更することは、国際的にも、また国内の建築規格というような多方面の
関係がございまして、困難でありましたために、インチ数値のメートルへの換算によって行なわれておるわけでございます。その結果、現在では、板ガラスの厚さは整数値のミリメートル、大きさはインチからの換算によるミリメートルではかられておりまして、また取引のほうは、卸売の場合には箱
単位——一箱幾らという箱
単位でございます。小売の場合には枚数
単位でございまして、これがセンチメートル平方の
基準になっております。で、
計量単位のメートル法統一の精神からすると、さらにこれを進めまして、大きさはメートルかけるメートル、一箱は平方メートル、小売の
単位も平方メートルとすることが一番いいわけでございますけれ
ども、これは板ガラスは、御承知のように、需要先が非常に大きくございまして、建築
関係でございますので、これを、先ほど申し上げましたように、直ちに、メートルにするということが実は困難でございまして、これらにつきましては研究中でございますが、その
方向には努力をいたしますが、板ガラスだけではなくて、先ほど申し上げますように、メーカーが直ちにメートルにするということには実はなっておりません。ただ、売る場合には、できるだけそれをすぐ換算をいたしまして、そうして売っていくということになっておりまして、これはその業種業種によりまして多少またその弊害が残っているところもございますが、そのうちで一つ問題になりましたのは板ガラスでございます。そのほかのものにつきましては、大体においてその不便さというものがなくなりまして、もしそういう不便がある場合には、この例外として、先ほど申し上げました特例にするのでございますが、大体取引の
関係においては、要するに割合に円滑にいくように実はなってきておるのが率直に言って実態でございます。そこで、特に問題になります板ガラスは、今申し上げました、需要範囲が非常に大きいものですから、そこから根本的に直して参りませんと問題が解決しないので、取引は一応そういう形で切りかえる。換算をすることになっておりますけれ
ども、今申し上げましたような実態でございますので、私
どもできるだけそういう
方向で努力をいたしたいと思っておりますので、この点は御了承をお願いしたいと思います。