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1963-02-26 第43回国会 参議院 商工委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年二月二十六日(火曜日)    午後一時三十三分開会     ―――――――――――――   委員異動  二月二十五日   辞任      補欠選任    阿部 竹松君  野上  元君     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     赤間 文三君    理事            岸田 幸雄君            武藤 常介君            近藤 信一君            向井 長年君    委員            上原 正吉君            小林 英二君            豊田 雅孝君            久保  等君            椿  繁夫君            松澤 兼人君            二宮 文造君            奥 むめお君    発議者     向井 長年君   衆議院議員    発議者     永井勝太郎君   国務大臣     通商産業大臣 福田  一君       自治大臣 篠田 弘作君   政府委員    通商産業政務次    官       上林 忠次君    通商産業省重工    業局長     島田 喜仁君    通商産業省繊維    局長      磯野 太郎君    通商産業省公益    事業局長    塚本 敏夫君    自治省税務局長 柴田  護君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○中小企業基本法案内閣送付予備  審査) ○中小企業振興資金等助成法の一部を  改正する法律案内閣送付予備審  査) ○中小企業近代化促進法案内閣送付  予備審査) ○中小企業指導法案内閣送付予備  審査) ○中小企業投資育成株式会社法案(内  閣送付、予備審査) ○中小企業信用保険法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査) ○中小企業基本法案衆議院送付、予  備審査) ○中小企業組織法案衆議院送付、予  備審査) ○中小企業基本法案向井長年君発  議) ○産業貿易及び経済計画等に関する調  査  (産業税制に関する件)  (繊維問題に関する件) ○プラント類輸出促進臨時措置法の一  部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ―――――――――――――
  2. 赤間文三

    委員長赤間文三君) ただいまから、商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ協議事項について報告をいたします。  中小企業基本法案ほか八法案提案理由説明を聴取をし、産業税制に関する件及び繊維問題に関する件の質疑を行ない、プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案補足説明を聞いた後に、もし時間があれば質疑を行なう、こういうことになりましたので御了承を願います。     ―――――――――――――
  3. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 次に、委員異動について御報告をいたします。  昨日、阿部竹松君が辞任をせられ、その補欠として野上元君が選任をせられました。     ―――――――――――――
  4. 赤間文三

  5. 福田一

    国務大臣福田一君) 中小企業基本法案につきまして、提案理由及びその概要をご説明申上げます。  わが国中小企業鉱工業生産拡大商品流通円滑化海外市場の開拓、雇用機会増大等国民経済のあらゆる領域にわたってその発展に寄与するとともに、国民生活の安定に貢献して参りましたことは、すでに国民の一人一人が高くこれを評価しているところであります。  しかるに、最近に至りまして、生産性等の著しい企業間格差中小企業経営の安定と、その従事者生活水準向上にとって大きな制約要因となりつつあります上に、技術革新進展生活様式変化等による需給構造変化労働力の供給の不足とは、中小企業存立基盤を大きく変化させようとしているのであります。  わが国中小企業をこのような状態に放置いたしますときは、その事業経営の安定をそこない、ひいては国民経済の健全な成長発展をも達成し得なくなるものと深く憂慮いたしておる次第であります。  このような事態に対処して、特に小規模企業従事者に対し適切な配慮を加えつつ、中小企業成長発展をはかるため、その経済的社会的制約による不利を補正し、中小企業者自主的努力を助長して、生産性向上し、取引条件改善するよう格段の努力をいたさねばならないと考える次第でありますが、このことは中小企業経済的社会的使命にこたえるゆえんのものであるとともに、わが国経済の均衡ある成長を達成しようとする国民のすべてに課された責務でもあると確く信ずるものであります。  このような考えのもとに、ここに中小企業の進むべき新たな道を明らかにし、中小企業に関する政策目標を示すため、本法案提出いたしました次第であります。  次に本法案内容につきまして、その概要を御説明いたします。  先ず前文におきましては、以上に申し述べましたような趣旨を明らかにいたし、次いで第一章総則におきまして、第一に、中小企業に関する国の政策目標は、国民経済成長発展に即応し、中小企業経済的社会的制約による不利を補正するとともに、中小企業者の自立的な努力を助長して、中小企業成長発展をはかり、あわせてその従事者地位向上に資することと規定しております。  これは、中小企業成長発展国民経済と遊離して考えることは非現実的であり、国民経済もまた均衡成長を果たすことなく高度成長を達成することはできないとの観点に立って、国民経済成長発展方向に即しつつ、生産性等企業間格差が是正されるように中小企業生産性取引条件向上することを目途して、中小企業成長発展をはかって参ることが必要と考えたがためであります。  第二に、本法案対象とする中小企業者の範囲を、製造業等にあっては、おおむね資本金五千万円以下または従業員数三百人以下、商業サービス業にあっては同じく一千万円以下または五十人以下とし、具体的には諸般施策が最も効率的に運用されるよう施策ごとに弾力的に定めるべきであるといたしております。  第三に、第一に述べました目標を達成するため、国は、ひとり産業政策の分野のみならず、その政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないこととしておりますが、その際、重点的にとりあぐべき方向づけとして設備近代化以下八項目を明らかにいたすとともに、地方公共団体もこれに準じて施策を講ずるように、また中小企業者以外のものもこれらの施策実施について協力するよう要請しております。  これは、中小企業成長発展をはかることが全国民経済的課題であることにかんがみ、国は、その産業経済財政金融科学技術社会労働等諸般政策を通じ、また国民は一致協力して問題の解決に当たるべきであると考えたがためであります。  第四に、政府に対しまして、施策実施に必要な法制上、財政上の措置をとるべきこと、中小企業実態を明らかにするための調査実施すべきこと並びに中小企業の動向及び施策に関し、国会年次報告提出すべきことを義務づけております。  以上が第一軍の主たる内容でありますが、第二章から第六章までにおきましては、第一章で方向づけられました必要な施策につきまして、その方針をそれぞれ明らかにいたすこととしております。  第二章におきましては、主として中小企業体質改善に関する施策につきまして、その方針を明らかにすることといたしております。  第一に、中小企業設備近代化技術向上経営管理合理化のため、積極的に施策推進することといたしております。  第二に、中小企業の諸問題は、根本的には企業規模が過小であることから生じていることにかんがみ これを抜本的に改善いたし、生産性取引条件が最も向上するように基盤整備するため、中小企業構造高度化の方策として、企業規模適正化事業共同化事業転換円滑化及び小売商業における経常形態近代化のための施策方針を宣明いたしております。  すなわち、その一といたしまして、企業規模適正化をはかるため、経常規模拡大企業合併共同出資会社設立等円滑化するよう必要な施策を講ずるとともに、政府に対しこれに関する指標を作成すべきことを義務づけ、その二として、事業共同化のための組織整備工場店舗等集団化その他の助成を行ない、中小企業者体質改善するにあたり、協同してこれを効率的に推進できるように必要な施策を講ずべきことといたしております。このほか、特に流通機構合理化の趨勢に中小冊業者が対処し得るように必要な配慮をなすべきこと及び中小小売商経世形態近代化のため必要な施策を講ずべきことといたしております。なお、需給構造変化等に即応して中小企業者自己の発意により他の業種転換しようとする場合には、これを助成するため必要な施策を講ずべきことといたしております。  第三に、中小企業における労働関係適正化従業員の福祉の向上をはかるため必要な施策を講ずるとともに、最近における求人難に対処すべく、職業訓練職業紹介事業充実等により労働力確保のために必要な施策を講ずべきことを規定いたしております。  第三章事業活動の不利の補正におきましては、中小企業事業活動面における環境の整備をはかって、その不利を補正し、もって体質改善推進に資するという趣旨に出で、そのための施策方針を明らかにいたしております。  第一に、中小企業の過度の競争を防止するとともに、下請取引適正化するため下請代金支払遅延防止等及び下請関係近代化施策を講ずることとしております。  第二に、中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業事業活動機会を適正に確保するため必要な施策を講ずるよう規定いたしております。  これは、最近における需給構造等変化に伴う大企業等の進出に対し、これに起因する社会的経済的摩擦を回避し、中小企業経営の安定が阻害されることのないよう措置することが必要であると考えたがためであります。  また、これと関連いたしまして中小企業製品と競合する物品の輸入により中小企業に重大な影響を与えるおそれがある場合には、緊急に輸入調整等措置も講じ得るよう規定いたしております。  第三に、中小企業製品輸出振興国等からの受注機会確保その他需要の増進をはかるため必要な施策を講ずべきこととしておるのであります。  第四章におきましては、小規模企業者について、特にその経営改善発達とその従事者生活の安定につき必要な考慮を払うよう規定いたしております。  これは、数多くの小規模企業者に対しては、一般の中小企業政策に加えて、諸般施策が円滑に実施されるように特に手厚い施策を講ずる必要があるからであります。  第五章におきましては、中小企業体質改善し、経営の安定をはかるため、中小企業に対し、資金融通を適正円滑化し、企業資本充実促進することがきわめて重要な政策手段であることにかんがみ、このための必要な施策を講ずるよう規定いたしております。  次に、第六章におきましては、行政機関整備行政運営改善に努めるよう規定いたすとともに、中小企業者事業共同化事業活動自主的調整等によりその成長発展地位向上をはかるため組織化推進することが特に必要であることにかんがみ、中小企業者組織化推進その他中小企業に関する団体整備につき必要な施策を講ずることといたしております。  最後に、第七章におきましては、中小企業政策に関する重要事項調査審議せしめるため、総理府に、中小企業政策審議会設置することといたし、その組織等について必要な規定を定めております。  中小企業基本法案概要は以上のとおりでありますが、ここに示された施策方向に従い今後にわたって施策拡充に努め、これを積極的に推進して参る所存であります。なお、三十八年度につきましては、予算案に本法案趣旨をすでに取り入れておりますが、また関係法律案につきましては当面措置すべきものについてすみやかに提案いたすこととしております。  何とぞ慎重御審議の上、本法案に御賛同下さいますようお願い申し上げます。  中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  政府におきましては、わが国経済において、中小企業が占める地位重要性にかんがみまして、従来より、各般にわたる中小企業対策実施して、その指導育成に腐心してきたところであります。  このたび、中小企業基本法を制定し、中小企業の進むべき道を明らかにするとともに、関連施策拡充強化をはかることとしておりますが、その一つとして、従来から行なわれております中小企業近代化に必要な資金貸付事業を行なう都道府県に対する国の助成内容を一そう拡充することとし、新たに中小企業高度化資金貸付制度を設けて、中小企業者が行なう事業共同化等を強力に助成する必要があると考えまして、この法律案提出することとした次第であります。  次に、本改正法案内容につきまして、その概略を申し上げます。  第一は、中小企業高度化資金貸付制度を創設することに伴い、目的及び題名を改めることとしたものであります。  第二は、中小企業基本法趣旨にあわせて中小企業者範則を引き上げることとしたことであります。  第三は、新たに中小企業高度化資金貸付制度を設け、中小企業等協同組合等共同施設工場団地商業団地中小企業者合併共同出資により設立された法人施設中小商業者の協業によるスーパー・マーケット等助成対象とすることとし、これに伴い中小企業等協同組合等共同施設工場団地に対する国の助成方法を従来の都道府県への補助金交付制度から本制度に改めるものであります。  なお、都道府県からの中小企業者に対する貸付については、おおむね従来と異なるところはございません。  また、中小企業高度化資金貸付制度の円滑な運用をはかるため、別途、中小企業高度化資金融通特別会計法案提案することとしております。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――  次に中小企業近代化促進法案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  わが国中小企業は、国民経済のあらゆる領域にわたってきわめて重要な地位を占めており、わが国経済発展に多大の貢献をしてきたことは申すまでもないところでありまして、政府におきましても、中小企業成長発展をはかるため、従来より各般にわたる施策実施して、その指導育成に努めて参ったのであります。  しかしながら、貿易自由化技術革新進展等昨今の経済情勢の推移をみますとき、わが国経済が、今後一そう健全な発展を遂げるためには、大企業中小企業との生産性等格差を是正することが緊要な課題となるのでありまして、この課題にこたえるためには、中小企業関係施策を一そう拡充強化することが必要とされるのであります。  したがって、このたび、中小企業基本法を制定し、中小企業の進むべき道を明らかにいたしますとともに、その関連施策の重要な一環として、経済政策上特に中小企業の早急な近代化を必要とする業種につきまして、業種ごと近代化計画を策定し、その実施のための強力な助成措置を講ずるため、この法律案提出することとした次第であります。  次に、法律案内容につきまして、その概略を申し上げます。  第一は、事業活動相当部分中小企業者によって行なわれており、かつ、国の経済政策上特に急速に近代化をはからなければならない業種を政令で指定いたしまして、指定業種ごとに、その業種に属する中小企業について近代化計画を策定することであります。  すなわち、指定業種ごと実態調査を行ない、その結果に基づいて中小企業実態に即した中小企業近代化計画を策定することとし、この近代化計画には、目標年度における製品の品質、生産費適正生産規模等近代化目標を設けるほか、必要に応じ設備近代化経営管理合理化等目標を達成するために必要な事項を定めるものといたしました。  さらに、計画を定めたときは、その要旨を公表して中小企業者またはその団体等に対し周知徹底をはかるとともに、必要な指導を行なうこととしております。  第二は、中小企業者等に対して勧告ができることとしたことであります。  これは、近代化計画の円滑な実施のため必要があるときは、中小企業構造高度化競争正常化及び取引関係改善に関して主務大臣中小企業者関連事業者等に対して勧告ができるものとし、計画の円滑な達成を確保しようとするものであります。  第三は、近代化計画を円滑に実施するため必要な助成措置を講ずることとしたことであります。  すなわち、指定事業を営む中小企業者に対しては、近代化のために必要な資金について、政府資金確保またはその融通あっせんに努めるものとするほか、税制上も固定資産についての特別償却及び合併共同出資による新会社設立等の場合の課税の特例を認めることとし、近代化促進助成することとしております。  第四は、需給構造変化等経済事情変化に即応して事業転換を行なう中小企業者に対し、適切な指導を行なうほか、資金融通あっせん従事者の就職のため必要な援助を行なうこととするものであります。  以上のほか、中小企業近代化審議会を設けて、法の運用の慎重を期するとともに、所要規定整備を行なうこととしております。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――  次に、中小企業指導法案につきまして、その提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  わが国中小企業は、大企業に比し、経常管理及び技術の面でも著しい立をくれを示してをりまして、これが大企業との格差の解消を困難ならしめるおもな原因の一つとなっております。  これに対し、国をよび地方公共団体におきましては、従来より密接な協力のもとに、中小企業者対象として、企業診断を中心とする経営指導試験研究を合わせた技術指導とを実施して参ったのでありまして、その効果もきわめて大なるものがあったと思われます。  しかし、最近にをける内外の経済情勢変化や、経営管理技法をよび科学技術の著しい進歩を考え合わせますと、従来の中小企業指導事業をさらに一そう強化しますとともに、新たに人つくり対策一環として、中小企業経営者及び従業者に対し、経営管理及び技術に関する研修実施いたしますことが、現下の急務であると考えられるのであります。  ところで、このような諸般の施薬を計画的かつ効率的に推進いたしますためには、国が法律に基づいて計画及び基準を定めますとともに、必要に応じて地方公共団体に対する補助及び助言を行なうことにより、中小企業指導事業を調整し、助成していくことが適当であると考えられるのであります。  また、中小企業指導事業充実をはかりますためには、優秀な指導担当員を数多く確保する必要があります。このため、昨年、財団法人日本中小企業指導センターが設立され、国庫補助を受けて現在指導担当者養成及び研修等事業を開始しておりますが、もともと同センター事業は、公共的性格がきわめて強いのでありまして、いわば国の機能を代行しているともいえます。したがって、この際、同センターに対する指導監督及び助成をさらに強化するため、国庫出資を行ないまして、特別の法律に基づきますところの、いわゆる特殊法人とするのが適当であると考えられます。  このような諸見地より、本国会提出いたします中小企業基本法案関連法規一つとして、この法律案提出いたしましたが、その内容は、次のとおりであります。  第一は、国において中小企業指導事業に関する計画及び基準を作成し、必要に応じて地方公共団体に対する補助及び助言を行なうことであります。なお、計画及び基準を定めるにあたりましては、学識経験者の方々の御意見も取り入れたものとするため、別に本国会提出いたします中小企業近代化促進法案設置が予定されておりますところの中小企業近代化審議会意見を聞くことといたしております。  第二は、日本中小企業指導センター組織業務及び運営に関する事項であります。同センターは、役員として理事長理事及び監事を置くこととし、通商産業大臣がその監督を行なうことといたしております。同センターのおもな業務は、先ほど申し上げました指導担当者養成及び研修のほか、役員または職員を派遣して、地方公共団体中小企業指導事業実施に協力させること、及び中小企業経営管理または技術に関する調査研究を行なうこと等であります。  その他事秘所設置、名称の使用制限業務方法書の認可、借入金等に関し、通常の特殊法人に関する法律と同種の規定をいたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上御賛同下さいますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――  中小企業投資育成株式会社法案につきまして、提出理由及びその概要を御説明申し上げます。  わが国廃業構造高度化をはかり、産業国際競争力強化促進する上において、中小企業の果たす役割が重大であることは申すまでもないところでありまして、中小企業経営の安定と近代化促進することが急務と考えられる次第であります。このためには、中小企業自己資本充実して適正な資本構成の維持に努めることが何よりもまず要請されるところであります。しかしながら、現在の中小企業にありましては、自己資本充実に必要な増資機会がきわめて乏しい状況にあることにかんがみ、この法律案は、このような中小企業に対し投資等事業を行なう中小企業投資育成株式会社を設立し、これに対し中小企業金融公庫出資を行なう等所要助成措置を講ずるとともに、必要な監督を行なおうとするものであります。  次に、この法律案内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、中小企業投資育成株式会社は、中小企業自己資本充実促進し、その健全な成長発展をはかるため、中小企業に対する投資等事業を行なうことを目的とし、その事業は、産業構造高度化または産業国際競争力強化促進に寄与する業種に属する中小企業が発行する増資新株の引き受け及び投資先中小企業経営上または技術上の指導を行なうことといたしました。  第二に、東京、名古屋及び大阪の三地点にそれぞれ中小企業投資育成株式会社を設立することとし、その事業性格上、各地の中小企業に密着した業務運営に資することといたしました。  第三に、会社に対する助成措置といたしましては、まず、中小企業金融公庫が総額で六億円かつ各会社発行済み株式総数の三分の一を限度として、会社の発行する優先株式を引き受けることといたしました。これは、会社事業性格上、その発足後当分の間は、純然たる私企業的運営をもってしては資金調達及び収支見込みの画面において少なからぬ困難が予想されるためであります。なお、会社が右の優先株式について配当をする場合には、会社の経理上これを損金扱いとするよう税法上の特別措置を講ずることといたしました。さらに、会社に対する助成措置といたしまして、中小企業金融公庫からの貸し付けの道を開き、会社事業に必要な長期資金確保し得るよう配慮した次第であります。  第四に、会社の適正な事業運営を期するために、役員選任事業計画、定款等については、通商産業大臣の認可を通じて国が監督を行なうことといたしました。  以上、この法律案提出理由及びその概要を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。  ただいま提案になりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案提案理由及びその概要をご説明申し上げます。  中小企業金融の円滑化をはかるため、政府といたしましては、かねてより、政府関係中小企業金融機関の拡充をはかるとともに、中小企業者の信用補完の重要性にかんがみ、全国各地の信用保証協会が行なう保証業務に関連して、中小企業信用保険公庫に信用保険に関する業務を行なわせてきている次第であります。  中小企業信用保険公庫が行なう信用保険業務対象となる中小企業者の範囲につきましては、今日まで、製造業者等にあっては資本の額一千万円以下または従業員数三百人以下、商業者等にあっては資本の額一千万円以下または従業員数三十人以下等として取り扱って参っておりますが、最近における経済の進展にかんがみ、また、先に提案いたしました中小企業基本法案趣旨に照らし、この法律におきましても、新事態に即応して中小企業者の定義を改定する必要が生じてきたと考える次第であります。  また、産業構造高度化または産業国際競争力強化促進するためには、中小企業近代化を早急に実現することが必要と認められるところでありまして、信用保険制度の面におきましても、設備近代化等を特に要請される中小企業者について設備近代化等に必要な資金の借り入れの円滑化に資するため、新たな種別の保険制度を創設し、信用保険制度の一そうの拡充強化をはかろうとするものであります。  かような趣旨に従いまして、まず中小企業者の定義につきましては、製造業者等にあっては資本の額が五千万円以下または従業員数三百人以下のもの、商業者等にあっては資本の額が一千万円以下または従業員数五十人以下のものとすることに改め、この法律対象となる中小企業者団体の場合にもこれに準じて所要の改正をしようとするものであります。  次に、新たに創設される保険制度は、特に設備近代化等が緊急に要請されている業種に属する中小企業者について、その設備近代化等に必要な資金の借り入れに伴う保証に関し、一人につき三千万円(中小企業者団体にあっては、五千万円)を限度とする保険契約を中小企業信用保険公庫と信用保証協会との間に締結することができるように改正し、設備近代化促進に資せしめようとするものであります。  以上が、この法律案提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――
  6. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 次に、発議者衆議院議員永井勝次郎君から提案説明を聴取いたします。永井勝次郎君。
  7. 永井勝次郎

    衆議院議員永井勝太郎君) 日本社会党提出中小企業基本法案について、提出者を代表し我が党案と政府案を比較し、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  今さら申し上げるまでもなく、今日、中小企業は、わが国経済の中で圧倒的多数を占めており、かつまた生産、流通等の面においてもきわめて重要な役割を果たしているのであります。にもかかわらず、中小企業と大企業との間に大きな格差が存在し、中小企業経営はつねに不安定な、困窮した状態にあります。  このような現状の中で、政府は依然として大企業本位の財政金融政策推進し、またせっかくの独禁法も有名無実のものとし、不当な独占支配を容認しているのであります。さらに最近は、自由化理由とする大企業合理化、吸収合併並びに縦の系列支配を促進し、その目的に沿わない中小企業政策のうち外に放置し、弱肉強食の冷酷な競争の中でその整理、淘汰を考えているといっても過言ではないのであります。  今回政府提出した中小企業基本法案も、この意図に沿ったもので、大企業のための中小企業基本法案であります。  このため中小企業者は、明日の経営、将来の生活設計に大きな不安を抱き、全く希望を喪失してしまっているのであります。  そこで、中小企業を今日の窮状から救い出し、大企業との間の格差を是正して、安定した将来に希望の持てる近代的な経営に引き上げるには、どうしてもこの際抜本的な基本政策を打ち立てる必要があるのであります。そして一元化された強力な行政機関のもとで、かかる基本政策推進せねばならないことは、今日ほど緊急を要することはないのであります。  これが本法律案提出する理由であります。  次に、そのおもなる内容を御説明いたします、まず初めに、本案は中小企業政策の基本となるべき目標として、いわゆる国民経済の二重構造の解消と経済の民主化、自主的な協同化、個々の中小企業者に対する積極的な助成中小企業労働者の所得増大、さらには中小企業者、労働者、農民相互間の調和の五つの柱を明確に提示し、以下具体的な政策、機構に及んでいるのでありまして、この点産業構造高度化産業国際競争力強化を強調するだけで、肝心の大企業の不当独占の排除、経済の民主化を忘れた政府の基本法案と根本的に異なるのであります。  次に、具体的な内容について申し上げますと、第一は、本案に規定される抜本的な総合政策実施するには、大企業の代弁機関と化しつつある通産省の一部局としての中小企業庁ではとうてい不可能であります。そこで新たに中小企省を設置し、通産省と対等の立場において、強力に中小企業者の利益を擁護せんとするものであります。政府案がこの当然の問題を故意に回避しているのはきわめて遺憾であります。  第二は、中小企業者の範囲でありますが、上は従業員三百人、資本金三千万円に押え、下は特に従業員十人、百万円を勤労事業者として分離し、政策の恩恵が中企業に偏せず、小企業、零細企業にも十分に浸透するよう考慮しているのであります。  第三は、中小企業組織についてであります、中小企業経営近代化し、発展させて大企業と対等の地位に引き上げるには、協同化が必要であります、本案は特に一章を設けて、在来の多種多様な組織を協同組合に統一し、強制や統制を排し、あくまで自主的協同を組織原則としているのであります。そして、その設立を簡易にし、これに国が積極的な助成措置を講ずることによって、協同組合に入ったほうが、中小企業にとって有利になるような条件を作り上げ、もって組織化促進していくべきだとしているのであります。政府案が、この組織の問題に一言もふれていないのはまことに奇異の感を抱かせるものであります。  第四は、大企業との関係についてであります。今日の中小企業の困窮は、大企業からの圧迫、進出によるところが大きいのであります。そこで本案は、中小企業に適切な事業分野に、大企業がむやみに進出することを規制し、官公需の発注についても大企業のひとり占めを排除して、中小企業に一定割合を確保することにしておるのであります。また下請企業に対する大企業の不公正な取引行為を厳に取り締り、さらに中小企業の協同組織による団体交渉権を確立し、大企業と対等の地位確保するよう努めているのであります。さらに中小企業者地位を補強するため、特に中小企業調整委員会を設立し、大企業との間の一切の紛争を中小企業者に有利に処理し、一方的な泣き寝入りの現状を是正することにしております、政府案が、対大企業との関係是正について配慮していないのは、今日の中小企業問題がいずこにあるかという根本を忘れた論議だと断言せざるを得ないのであります。  第五は、零細な勤労事業者に対する政策についてであります。本案は特にこれを別ワクのものとして、組織税制、金融労働福祉、社会保障の全般にわたり、社会政策的な立場をあわせ考慮しつつ特別の優遇、保護助成策を提起しているのであります。政府案が最終段階になって中小企業者の強い反対にあい、やっと小規模事業者の定義を付加しただけで、具体的な政策、なかんずく、税制、社会保障についてさえ、ふれるところがないのは、零細業者無視もはなはだしいといわざるを得ません。ここに政府案の零細企業切り捨ての意図が如実に示されているのであります。  第六は、商業政策についてであります。従来政府施策は工業に偏し、商業政策はきわめて欠如しているのであります。このため流通秩序は混乱し、百貨店、スーパー・マーケットの不当進出、メーカー、問屋の乱売、小売市場の乱立など、それでなくとも相互の過当競争に悩む一般小売商業者が、より一そう苦境に追い込まれているのであります。そこで、本案は、特に商業政策の確立を強調し、商品の売通秩序の維持のため、メーカー、卸売業者による直接小売行為の制限、百貨店、スーパー・マーケットの不当進出の規制をはからんとするものであります。同時に他方では、消費者に対するサービスとしての商業本来の立場から、一般小売商業者みずからの経営改善近代化促進助成することによって、大資本商業と十分に対抗し得るまでに、その地位の安定向上を期しているのであります。政府案が商業についてきわめておざなりの一項だけを設けているのは、依然として従来の工業政策偏重のそしりを免れ得ないのであります。  最後に、実態に即し適切な中小企業政策実施するために、政府に対し総合的な調査を行なわしめ、さらに中小企業政策に関する基本計画実施計画並びにその実施状況について国会年次報告する義務を課しているのであります。また、総理府に中小企業審議会を設け、本法運用に万遺憾なきを期しているのであります。  以上が本法律案提出理由並びにその内容概要であります。  何とぞ御審議の上政府案にかわり我が党案をすみやかに成立さすため御賛成あらんことをお願い申し上げ提案説明を終わります。     ―――――――――――――  次に、中小企業組織法案提案理由を御説明いたします。  本法律案は、中小企業基本法案と密接不可分の関連法であり、中小企業設置法案とあわせて、三位一体のものとして、本院に提出しているのであります。  中小企業に関する組織は、現在中小企業団体組織法、中小企業協同組合法、環境衛生関係営業の適正化に関する法律等各種あります。私どもが現存する組合の実態をみます場合、どれだけ活発に活動しているかはなはだ疑問な組合がきわめて多いのであります。しかも未組織中小企業者がいかに多いか、およそ中小企業に関係するもののひとしく痛感するところであります。  この理由は一体にどこにあるのか。  これは一つには、現行法律規定中小企業者の現状に適応しておらないというところからきておるのであります。二つには、一般に仏作って魂入れずという言葉がありますように、法律は作っても、肝心の組織化促進助成を積極的に行なわない、予算の裏づけがほとんどなされないということのためであります。  最近、中小企業者組織化の必要、協同事業の必要について切実に目覚めつつあります。そして、現に何らかの組織、任意団体に参加するものが多くなって参りました。  ところが、一歩進んで、これらの法律に基づく組合を作ったり、それに加入したりすることには、きわめて消極的であります。むしろ、魅力がなく、かえってわずらわしいとさえ感じているのであります。  今日、技術革新に伴う経済情勢の著しい変化の中で、中小企業経営を安定させ、その近代的な発展をはかるには、中小企業者の団結の強化、協同化の促進をはかることが最も急務とされているのであります。  しかるに、以上のように中小企業の当面する課題と現状とは、不幸にも相離反した姿を示しているのであります。そして、この離反をもたらした最大の原因が、政府施策の不備、怠慢にあるということは、何としても遺憾きわまりないことであります。  わが党は、ここに中小企業基本法案の重要な一環として、中小企業組織法案提出するゆえんも、実にこの現状を打開せんがためであります。そして中小企業者の協同化への切実な要望にこたえ、だれもがみずからの自由意志に基づいて、その業種業態に適応した組合に簡易に参加でき、協同事業活動のもたらす恩恵に浴することができるよう、国に積極的な施策の実行を義務づけんとするものであります。さらにまた、これらの組織に強力な団結権、団体交渉権を保障することによって、従来の大企業からの不当な圧迫に対し、それに動じない中小企業者の強固な、安定した地位を確立して参ろうとするものであります。  これが、いままでの中小企業者組織に関係する諸法律を一本化し、中小企業組織法案として提案する理由であります。  次に、本法律案概要を御説明申し上げます。  まず、第一に、本法律案の定める中小企業の基本組織は、協同組合であります。この協同組合は加入・脱退の自由、組合員の権利の平等を原則とし、設立の要件、手続を簡易にし、経済事業、調整事業団体協約の締結をあわせ行ない得る組織として考えられておるのであります。また、あくまで自主的な、中小企業者が喜んで入る組織を原則とし、強制加入はいかなる場合にもこれを認めていないのであります。  第二に、組合の種類とましては、事業協同組合、勤労事業協同組合、協同組合、商店街協同組合、環境衛生協同組合共済協同組合、信用協同組合、企業協同組合、協同組合連合会を考えています。これによって従来の事業協同小組合を勤労事業協同組合に発展させ、また商工組合を廃止して、新たに下請並びに商店街の両協同組合を設けることいたしました。また今までの事業協同小組合、環境衛生同業組合、火災共済協同組合、企業組合、企業組合は、それぞれ勤労事業協同組合、環境衛生協同組合、共済協同組合、企業協同組合に組織がえすることといたしております。  勤労事業協同組合は、地区内の勤労事業者、すなわち、従業員おおむね十人以下にしてかつ資本金百万円以下のもの、ただし商業サービス業にあってはおおむね三人以下のものによって、下請協同組合は主として地区内の下請業者によって、商店街協同組合は主として地区内の小売業またはサービス業者五十人以上によって、共済協同組合は一または二以上の都道府県の区域の全部または全国の区域内の中小企業者によって組織され、他の組織は大体従前どおりであります。  第三にその事業内容につきましては、事業協同組合、勤労事業協同組合、下請協同組合、商店街協同組合、環境衛生協同組合の各組合は、経済事業、調整専業、団体協約の締結をあわせ行なうものであります。そして事業協同組合、下請協同組合、環境衛生協同組合が調整事業を行なう場合には、同一業種について地区の重複を認めないことといたしておるのであります。  また、共済協同組合は、火災だけでなく、風水害、地震、盗難、交通事故、爆発等による損害をも共済事業対象に加えております。信用協同組合、企業協同組合の事業については、従来のとおりであります。第四は調整事業に関する事項についてであります。すなわち調整事業を行なう場合は、不当に差別的でないこと、一般消費者及び関連事業の利益を不当に害するおそれがないことを一般的な必要要件としております。  さらに、それに加えて、不況カルテルの場合は不況要件を、合理化カルテルの場合は価格等に不当な影響を及ぼさないことを要件といたしております。  また、調整規程については、中小企業者のみが加入している組合の場合は届出制で足り、中小企業者以外のものが加入できる組合の場合は認可制をとることにし、特に価格協定については公正取引委員会の同意を必要としたのであります。  なお、調整事業を効果あらしめるために、不況カルテの場合について、アウトサイダー規制命令を出し得ることとしておりますが、事業停止命令や加入命令は認めておりません。  第五は、団体協約についてであります。協同組合は取引条件並びに調整事業について団体協約を締結することができ、相手方はこの団体交渉に対し、応諾する義務があります。そして団体協約のうち、取引条件に関するもの、中小企業者のみが加入している組合の締結したものについては、届出制で足りることといたしました。なおまた、系列別の下請協同組合が、親事業者との間に取引条件に関して締結した団体協約については、その四分の三以上が適用を受ける場合、その親事業者と取引関係のある組合員以外の下請業者に対し、一般的拘束力を持つことといたしておるのであります。  第六に、中央会の機構、運営につきまして、従来の天下り方式を改め、真に民主的な中小企業者組織とするよう配慮いたしました。すなわち、中央会に正規の理事会をおき、理事会は業務の執行を決する、会長は理事会の定めるところに従って業務を行ない、会長事故あるときは理事がその職務を代理する、といたしたのであります。  第七といたしまして、特に政府助成義務を明記しておるのであります。これは初めに申し上げましたように、せっかくの組織に関する立派な法律ができても、協同化を促進する政府助成措置に欠けるところがあっては、法の効果的な運用を期することができませんので、共同施設、福祉厚生施設に要する経費、組合の事務に要する経費について、国がその一部を補助することを義務づけたのであります。  また、商店街など協同組合の設置する街灯の公共性を考え、その電気料金について特別の軽減措置をとることといたしておるのであります。  その他、細目の規定につきましては、おおむね従来の法律規定を準用しております。  以上が本法律案提案理由内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  8. 赤間文三

    委員長赤間文三君) どうも御苦労さまでございました。     ―――――――――――――
  9. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 次に、発議者参議院議員向井長年君から提案理由説明を聴取いたします。向井長年君、どうぞ。
  10. 向井長年

    向井長年君 ただいま議題となりました中小企業基本法案の民主社会党案の提案理由とその概要説明いたします。  中小企業基本法の成立が何ゆえに必要か、それは今さら申し上げるまでもありません。わが党を初めとして与野党三党とともに、それぞれの中小企業基本法案提出し、かつまた今回は政府案が提出された事実こそ、本案の重要性並びに一日も早く成立をはかるべき緊要性を立証しているのであります。  わが国中小企業は、雇用面では全労働者の約七割を占め、生産においては全生産額の約六割を生産し、輸出面では輸出総額の五割強を受け持っております。わが国経済において、中小企業が実際に果たしている役割の大きさは、何人といえども認めざるを得ないのであります。しかるに中小企業の置かれている実態を見ますと、資本・労働・技術経営のそれぞれの面で、まだまだ近代化が進んでおりません。大企業に比べて競争条件が著しく劣っているばかりか、企業規模も、零細企業を底辺として、大きさに格差があり過ぎます。現在の中小企業は、大企業中小企業といういわゆる経済の二重構造の桎梏にしばられているばかりか、お互いの間で激しい過当競争を繰り返しているという、二重、三重の不利な条件のもとに置かれております。このような条件にある中小企業をいかに振興育成し、その生産性を高め近代化を進めていくか、その基本策を定め、それに基づいて具体策の体系的計画推進をはからない限り、わが国経済から、二つの経済構造、二つの労働条件が在存するという根本欠陥を取り除くことはできません。  中小企業基本法こそは、中小企業者が自分の正しい創意を生かして企業発展従業員の労働条件の向上をはからんとする努力を、高く評価し、この努力が生かされるよう保障していく中小企業の進むべき大道を示すものであります。私どもは、このような観点に立って本法案を立法し提案しているのであります。  本案は、前文及び十二章二十八条よりなる本文によって構成いしました。  まず、前文におきましては、ただいま述べましたような本法の本質を明らかにしました。特に前文の最後にありますように「国の将来の理想像は、全国民の中産階級化と福祉国家の実現にあり、この目標に向かって、中小企業の安定と振興を図るため、ここに新らたなる中小企業政策の基本原則を指向し、この法律を制定する。」という点に、私どもの理想が集約されております。  本文の第一章総則におきましては、本法が目的としている中小企業政策の基本目標をまず明らかにし、この政策を実現する国、地方公共団体の責任を明らかにしました。特に私どもは、国の政策実施機関として中小企業省を設置すべきである旨を規定しました。なお、中小企業の定義につきましては、最近の経済発展実態にかんがみまして、資本額は最高五千万円といたしました。また中小企業のうち、特に小規模事業の発義を明らかにして、小規模事業対策の確立をはかりました。  第二章調査及び計画は、国が政策実施するにあたり、調査、基本計画実施計画の三案、国会に対する報告義務について規定しました。  第三章中小企業者の協力組織におきまして、今後の中小企業者の基本組織は、業種別地域別に自主的に組織され民主的に運営される同業組合である旨を規定しました。従来の協同組合はもちろん活発に活動しなければなりませんが、さまざまな産業分野を担当していく社会的責任体制を確立し、大企業に対抗していく実力を備え、かつお互いの過当競争を自主的に調整していくためには、同業組合の設立こそが、中小企業発展の土台となるべきであります。なお、協同組合組織として商店街組合を新たに加えることにいたしました。  第四章中小企業者産業分野の確保におきましては、今後のわが国産業構造の中にあって、中小企業者による経営が経済的社会的に適切であると認められる業種確保し、大企業がここに不当侵入せしめないような方向を明らかにしました。  第五章中小企業者事業活動の保護におきましては、現在並びに将来にわたって中小企業と大企業との間の紛争や処理し、中小企業事業活動をこの面から保護する基本規定であります。  第六章中小企業者に対する官公需の確保におきましては、政府並びに政府関係機関としての公企業団体、公団、公庫及び地方公共団体などが、わが国における最も大きな購買力を持つ団体である事実にかんがみまして、これらの諸団体が、できるだけ中小企業者より物資サービスを購入するよう、その基本方針規定しました。これによって中小企業者に対する安定した発注先を確保せんとするものであります。  第七章から第十一章までは、設備技術及び経営近代化施策貿易上の施策財政金融上の施策税制上の施策、労務上の施策の五つの面の基本施策規定しました。  第十二章中小企業政策審議会におきましては、中小企業行政の民主化をはかる当然の措置として、国が中小企業政策の立案、実施にあたりましては、民間から選ばれた総理府附属の本機関に諮問すべき旨を規定しました。  私どもは、政府案が、中小企業者自主的努力を大きくうたいながら、その努力基盤となるべき中小企業の自主的な協業組織強化について、何らの規定を持たない点を深く遺憾といたします。また政府案は、小規模事業について一条を充てておりますが、その位置づけは基本法案のきわめて僅少なる一部としての扱いであります。これでは中小企業のほとんど大半を小規模事業が占めている実情を無視したものと言わざるを得ません。  このほか政府案について、私どもはきわめて不満とし、不十分と判断せざるをえない個所が多数あります。  今や 貿易自由化という世界的潮流に、中小企業も裸でさらされようとしているときにあたりまして、中小企業者のため、特に小規模事業者のための基本法の確立は緊急の必要があります。したがって、政府案及び各党案について、中小企業者のための中小企業基本法確立のために、お互いに率直に審議し合うことが非常に大切であると考えます。この意味におきまして、本案につきまして、慎重審議の上、何卒、御賛同あらんことを希望いたします。     ―――――――――――――
  11. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 以上で提案理由説明は終了いたしました。自後の審査はいずれも後日に譲ることといたします。     ―――――――――――――
  12. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、産業税制に関する件の調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  今出席されておる人は、上林通商産業政務次官、塚本公益事業局長、それから自治省から柴田税務局長が出席されております。いずれそのうちに篠田大臣も出席される予定になっております。
  13. 近藤信一

    ○近藤信一君 先般阿部委員、それから向井委員が特に大臣の出席を要望しておりますので、この点は大臣が出席されてから質問をいたすことにしたいと思います。
  14. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 速記をとめて下さい。   〔午後二時二十八分 速記中止〕   〔午後二時五十九分 速記開始〕
  15. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 速記を始めて下さい。  次に 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題としまして 産業税制に関する件の調査を進めます。ただいま篠田自治大臣も見えましたので、質疑のある方は順次発言を願います。
  16. 近藤信一

    ○近藤信一君 先般来、本委員会におきまして、同僚阿部委員から電気ガス税に関し通産大臣に質問いたしましたところが来年度から一%下げて八%にするとのことでした。電気ガス税の軽減ないし廃止について各方面から要望があったことは大臣も御承知のとおりです。実は一%だけの転減ということではかなり失望した次第でございます。きょう同僚阿部委員がおりませんので、かわりまして二、三の点について大臣に伺っておきたいと思います。  まず、昨年、東北電力の料金改定問題が起こりましたときに、なるべく消費者の負担を軽減するためにし電気ガス税を減免するよう検討すると、こう伝えられていたのでありますが、どうして一%しか下げることができなかったのですか。従来から、電気ガス税は大衆課税であるからこれは撤廃してほしいという要望がきわめて強いのであります。電気やガスはだれでも使うものであり、したがいまして、これに税金をかけるということはまことに非社会策政的であると思うのであります。ただ、先年、一カ月三百円以下を免税にしたことは、これはまことにけっこうですが、それでもそれ以上の使用者には依然として税金がかかるのであります、大衆課税という点では少しもかわりがない。自治大臣としてこの問題についてどのようにお考えになっておられるのか、まず、この点の御見解を承りたいと思います。
  17. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 電気ガス税が大衆課税であるということはお説のとおりであります。政府としましても、電気ガス税はなるべく軽減をしていきたい。できるならば将来これをやめたいという考えはございます。しかしながら、御承知のとおり、電気ガス税は今や町村の固有財源としまして有力なる財源であります。同時にまた非常に伸びのある財源です。安定かつ伸びのある財源であろうといことによりまして、地方自治体はこれを廃止することを非常にきらっております。したがいまして、もしこれを軽減あるいは廃止するということの方向に向かうとするならば、現在地方の自治体の行政力は非常に弱いのでありますから、これを国において補てんをしてやらなければ、地方財政はそれだけの圧迫を感ずるわけであります。したがいまして、本年度におきましても一%しか下げられなかったという理由は、もっと下げることができれば下げたいのでありますけれども、今申しました補てんの財源というものがなかなか見つかりません。そういう面におきまして、被課税者は下げてもらいたいという希望を持っております。町村は下げてもらっちゃ困るというようなことで、補てんのでき得る範囲内において下げたというのが実情でございます。
  18. 近藤信一

    ○近藤信一君 まあできれば廃止したい、こういう御意見ですが、今も大臣のいわれるように、地方財政にとってはこの電気ガス税というものは非常に重要な財源であるということはもう間違いないのです。そこで、三十八年度における電気ガス税の税収見込みは一体幾らぐらいになっているのか。それからまた、地方財政に占める割合はどのくらいになっているのか。この点をあわせてお答え願いたいと思います。
  19. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 三十八年度における収入見込額は四百五十八億でありまして、その町村の税収入に占むる位置は大体一割であります。
  20. 近藤信一

    ○近藤信一君 先般の閣僚懇談会で、輸出授興という目的から、紙、それから繊維等の輸出品の製造用電力について電気ガス税を非課税として、非課税の範囲を広げていくことが話に出たようでありますが、これも結局見送ったようなことになっているので、こういう面について、さらに検討して将来実施するお考えであるのかどうか、この点について御見解を承りたいと思います。
  21. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 経済閣僚懇談会におきまして、通産大臣から発言があったそうであります。私は当時旅行しておりまして、その席にはおらなかったわけでありますが、おっしゃるとおり、紙あるいは紡績等について十億程度のひもつきの減税を行うようにしたらどうか、こういうお話がありまして、経済閣僚の中にも、輸出振興のためにはそういうことは必要じゃないかという意見があったそうでありまして、私が旅行から帰ってきましたときに、通産大臣から私に話がありました。私のほうからそういうことも含めて事務当局に検討さしたわけでありますが、今回の減税は税制調査会の答申にもあるとおり、地方の財政状態が非常に伸びておらないので、そういう特殊な産業について減税をするということよりも、平均減税をするほうがよろしい。また紙、繊維等におきまして、通産並びに自治省との間に申し合わせがありまして、原価に占むる五%以上の、第一次製品だけについて五%以上を占めた場合には、それを免除並びに軽減していくという、そういう申し合わせがありまして、従来そのとおりやってきたわけですが、紙並びに紡績というものは第二次製品でありまして、同時にまたその占むる地位が五%以下である。そういうことになりますと、紙、紡績だけをやって、どういうわけでほかのものをやらないか。第二次産業まで及ぼすということになり、五%以下のコストに占むる地位のものをやるということになると非常にたくさんのものが出てきまして、紙及び紡績だけをやるということは一般産業から見た場合に非常に不公平になるわけであります。そういうようないろいろな事情がありまして、むしろこの際、税制調査会の答申どおり一般のために減税をしたのであるから平均して減税をすべきである、こういう意見となりまして、最後に私と総理が相談をいたしまして、総理も私の意見に納得をしてくれまして、実は今回の平均の減税になったわけであります。
  22. 近藤信一

    ○近藤信一君 自治省の重要な一つの財源になっておる電気ガス税というものが、今、農業関係の電力需用に対しまするところのガス料金というものが、これはかげんされておる。ところが日本の産業からいって、今時に化学産業が発達してきておる関係から、電気、ガスの需要度というものは非常に高い地位を占めておると思うのです。やはり池田内閣の所得倍増政策による線から言っても、この産業に需要するところの電気、ガスというものに対する大幅な減税というものも私どもとしてはひとつ考えてもらいたい、かような考えを持っておるわけですが、この点大臣はどのように考えておられますか。
  23. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 方針としてはお説のとおり私は賛成であります。しかしながら、金額が非常に大きくなるわけでありますから慎重に検討してみなければならないと考えております。
  24. 近藤信一

    ○近藤信一君 最後に、私は要望しておきますが、やはり日本の官庁といいますか、とにかく取りいいところから税金をとると、こういうふうな慣習というものがあって、一たんそういう点から税金を取りますと、なかなかこれいつまでも値下げということや廃止ということが考えられない。こういうことでは、私はやはり日本の産業発展のためにもよくないと、こう思うので、こういう点はでき得る限り早急に自治省としても大幅な値下げまたは廃止と、こういうことをひとつ十分検討していただきたい、かように希望いたしまして、簡単ですが、私の質問を終わります。
  25. 向井長年

    向井長年君 同じ電気ガス税の問題について自治大臣に質問いたしますが、まず、この電気ガス税というような、こういう税金は、これは池田総理もたびたび必要悪の税金である、こう言ったおられる。あるいは歴代の通産大臣は、こういう悪税は一日も早くなくしてもらわなきゃ困る、こういうことを歴代の通産大臣は言っております。したがって、まず自治大臣としては、地方自治あるいは地方財港という立場でいろいろと考えられておることはよくわかるのですが、この電気ガス税というこの税金の本質ですね、これについて今言われるように、必要悪の悪税である、こういう考え方を持っておりますかどうか、まず、お聞きしたい。
  26. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 悪というほどあくどいものであるかどうかは、これは検討の余地があると思います。しかしながら、消費者はガス並びに電気の代金を払っているわけです。その上に税を払っておるのでありますから、私は非常にいい税金だということには、これは考えることはできない、こう思います。
  27. 向井長年

    向井長年君 それは自治大臣のほうから考えると、先ほどお話あったように安定した、あるいはまた伸びのい、いあるいは徴収のしやすいこんな税金はおそらくないと思うのですね。あるいは地方財源としましても有数な地方財源になっておると思います。しかし一たん日本の政府から考えて、国民の消費者の立場に立って考えた場合に、電気の、いわゆる一般大衆の電気というものは、これは生活の必需品だと思うのですね。これに税金をかけるということですね。この問題についてはどう考えられるか、悪と考えられないか。
  28. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) まあ私の口から悪ということは言えませんけれども、大体あなたと同じくらいの考えであろうと思います。
  29. 向井長年

    向井長年君 私は同じような考えというと、私は悪と考える。というのは、大体これは、自治大臣も御承知のごとく、戦後非常に荒廃した日本のこの経済の中で、特に地方自治が財源難に陥ったときに、何か地方財源を確立するためのいい税金がないか、こういうことで、いろいろと検討した結果、まず電気に消費者税としてかけよう、あるいはガスにかけよう、これによって財源はどれくらいになるか、こういう計算をして、この税金が生まれたと思うのですよ。そういうことを考えるというと、しからば今免税をしておるところの産業があるはずです。御承知のとおりアルミ、肥料、その他非鉄、いろいろな産業の中で免税しておる産業があるのです。そういうところにはなぜ免税をするのか、今近藤さんの御意見と違いますけれども、若干私は矛盾を感ずるわけですが、これはやはり物価の高騰なり、あるいは産業を確立するために、消費者の立場を考えて免税しているのじゃないかと、こう思うのです。そうすると、消費者を考えて免税するということになれば、一般の家庭の電気に対してなぜ税金をかけるかという議論が成り立ってくるわけです。そういう立場から考えましても、これは非常に矛盾をするのじゃないか。こういう気がするのですが、この点いかがですか。
  30. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 第一次産業というものは基礎産業でございますから、電気に税金をかけるということになりますと、電気は第一次産業から見ると、一つの原料である。こういう考え方から、原料に対して税金をかけるということは、これはまずいじゃないか。だから、第一次産業だけはウエートの非常に大きいものは免税をする、それで五%以上、こういうことになっておるわけであります。
  31. 向井長年

    向井長年君 その第一次産業に対する――基礎産業と言いますか、そういう国民生活に非常に影響のある産業に対しては免税等やっている。これはいいのです。しからば国民生活に必需にあたる家庭用に税金をかけるということは矛盾しませんか。
  32. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) それは最低のものについては三百円の免税があります。三百円以下の免税がある。そこで考え方といたしましては、やっぱり電気ガスをよけい使うものは、それを使わないものよりも所得が多い。こういう考え方に立ってかけている。こういう実情でございます。
  33. 向井長年

    向井長年君 そうすると、あれですか、今自治省のほうで、三百円で、国民生活の必需として三百円までは一応先般免税もこざいましたが――一昨年ですね。したがって、それは生活水準で立っている。そうすると、これは三百円までのものは一応免税になっております。これはいなかでしょう。しかし、生活の必需でなるならば、一般の家庭ですね。こういうところに免税が全然ないのですよ。三百円から五円でも超過すれば免税ではない。こういう点において非常に矛盾する感じを持つのですが、どうですか、生活必需という立場から考えて。
  34. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 三百円のものが免税されて三百五円のものが免税されない。そのラインを引く線が三百円でありますから、それはあなたのおっしゃるとおり、それは矛盾はあります。そういう面から私たちとしても、でき得る限りその線を引き上げていきたい。こういう考えはございます。
  35. 向井長年

    向井長年君 引き上げていきたいと言っても、今引き上げるなには出しておりませんね。一応一%の減税、全般の減税ということで考えておられるようですが、しかし、そういう議論から言うならば、もちろん地方財源ということが頭にあることはこれは間違いないと思います。これはおそらく各公共団体におきましても、地方公共団体においても、少なくともこの財源のかわりがくれば反対しないと思うのです。政府がこれに対する交付金なり何かを考えるならば、こんな反対はないでしょう。しかしそれをなくしてしまうということになれば、直ちにそれに対する補てんという問題がある。全部の総額で約五百億でしょう、全部でね。そうして今政府が減税するのだ、減税するのだと言って、一%したと言って――去年、おととし考えておるけれども、これは実際の減税じゃないと思うのですよ。少なくとも自然増収があるでしょう。いいですか、自然増収があるでしょう。自然増収はこれらの約一割あるはずなんです。おそらく五十億程度の自然増収がある。したがって、自然増収分だけをひとつ免税に、いわゆるこれを減税して、そして今までのものをこれをそのまま据え置こう、こういう考え方から一%が出ているのゃないですか。
  36. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) これは免税でないとおっしゃっても、免税をしなければ当然それだけふえたものを取るわけです。ですから、減税をしなければそれだけのものは取るわけですから、取るべきものを取らないという点から言えば、これはやはり免税なんです。しかし、おっしゃったとおり、その補てん財源がありませんから、なかなか見つからないから、そこで補てん財源を見つけることができれば、自治省としてももちろんこれを減税していくことに反対ではないのです。補てん財源が見つからないままに減税をして参りますと、地方財政を圧迫しますから、それで反対しているわけです。そこで、大体あなたの今おっしゃっように、せめてふえるくらいのものは減税していこう、こういう考え方はもちろん持っております。
  37. 向井長年

    向井長年君 この一%の減税は実に安易な減税であると思うのですよ。これは何にも腹も痛まぬですね。結局ふえてくるやつの財源だけをこれはやめていこう、これが一%だ、こういうことが出ておるのです。これは自治省としてはこういう、まあ総理大臣も、あるいは電気、ガスの所管の通産大臣も、これは必要悪だからできるだけ早くなくする、早い機会になくするのだ、こういう考えを持っておるわけです。こういうような形で進んでいくなら、いつまでたってもなくなりませんよ。これは自然増収だけを切っていこうということであったら、なくなっていくわけはない。やはり固定した今までのあれは残ってくるわけです。したがって、これに対する地方財源を政府みずからが、自治省みずからが、国自体が見つけ出してやはり補てんをしなければ、地方でこれを見つけるということは無理ですよ。この点について、今、国自体がいわゆる地方財源の確立をはかってやろう、こういう立場からの真の減税を自治大臣は考えないのか考えるのか。この点。
  38. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) ちょうどことしは減税分が増収分と見合いました。そういうことは事実であります。われわれとしましても、御承知のとおり、できるだけかわり財源があれば減らしていきたい。先ほど申しましたように、ないにこしたことはない、こう思っております。しかしながら自治省といたしましては、とにかく非常に全国三千五百ぐらいの市町村をかかえています。その財政という問題はなかなか重要でございまして、いわゆる適当なる財源がない限りにおいて、幾ら通産省がそういうふうにいわれましても、これは直ちに減らしていくというわけには参りません。地方自治体のいわゆる財政をくずしてまでやるというわけにいかない。そこで自治省だけでかわり財源を求めるということは、これはもちろんできませんから、その調整はどこでするかといえば、やはり税制調査会の答申によってその方向に向かっていくという以外に方法はないと思うのです。
  39. 向井長年

    向井長年君 税制調査会のほうでは、本年度は一%ということを出しておるようでございますけれども、こういうことはやはり積極的に政府自身がほんとうに減税を実行していくと、こういう立場に立たなければ、これはやはり今までの財源を確保するのだ、で、国自体が地方公共団体に対して見ていくのだと、こういうことになってくると、自然こうなってくるのです。これはことしだけじゃないのですよ。ことし一%というが、毎年々々自然増収というものは一%ぐらい出てきておりますよ、電気、ガスの場合。したがって、それぐらい減税していくんだというのは今の安易な考え方であるわけです。だから、政府自身がほんとうにかわり財源をまず国自体が確立するという考え方があるのかないのか、この点を明確にしていただきたいと思う。
  40. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 今申し上げましたのは、ことしはその伸びだけが減税されたような形になっておるということであります。毎年々々伸びる分だけを減税していくという意味じゃありません。しかし、先ほど来申し上げましたように、でき得る限り適当な財源が見つかればそれを減らしていくということについての意見はわれわれも通産大臣も総理大臣も同じであります。
  41. 向井長年

    向井長年君 そこで、もう一つ観点をかえしまして、先ほども申しましたように、これはあくまでも電気というものは生活の必需である、この限度をどこへ引くか、今大臣が言われたように、非常に余分な電気を使っている人は、ぜいたくといいますか、こういう人たちに対してまですべての免税といわなくても、一応生活の必需はこのぐらいは――電灯三個、あるいはまたテレビかラジオ、あるいは場合によっては、最近におきましては若干暖房用に使っておるところもありますし、あるいはその他洗たく機等も使っておりますが、こういう基準をどこへおくか、これが一応生活の最低の必需である、こういうことを考えておられるかどうか、三百円で事足りると、こう考えておるのか、この点を明確にしていただきたい。
  42. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) どこかに線を引かなければならぬということは、これは自明の理であります。その場合どこに線を引くかということが問題でありますが、三百円というものは一つは定額電灯のほとんど全部に及ぶということが一つ、いま一つは市町村財政の関係上いわゆる補てんができるかどうかという問題、その両点から見て三百円というところに線を引いたわけであります。
  43. 向井長年

    向井長年君 三百円というものはこれは基準じゃないですよ。少なくも線を引いたと自治大臣が言うのだったら、いいですか、自治大臣が三百円で引いたというなら、三百円までを免税点として引いたらどうですか、いわゆる基礎控除という形で。それだったらその理論は成り立ちますよ。今のは三百円が免税になっただけで、したがって三百円以上に超過すればわずかでもみな取られている。これは一つ基準にならない。ほんとうの低所得者に対して減税をしたということはいえる。それともう一つは、今言われたように定額電灯ということを言われるけれども、今九つの会社で定額電灯のないところもあるのですよ。いいですか、全部計量になって、そういうこよう供給をしているところもあるのですよ。そういう場合においては、そういう意味では該当しない。しかし生活の必需なんです。この点についてどうですか。
  44. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 電気の使用量を三百円というところで線を引いたということが適当であるかどうかということは、これは私には議論の余地があります。もちろん三百円のものと三百五円のものと生活がどれだけ違うか、しかしどこかで引かなければならぬということであれば、今申しましたように定額等の大部分がそこに入るとすれば、まあ一方において、いわゆる財源調査の必要がある、その財港は一体どういうふうに見つけてくるかということになると、ことしでいえば、たばこ消費税で五十二億円持ってきた、その一つの制約がありますから、それと大体定額電灯の使用者の大部分がそこに入る、この二つの線を見合わして引いたのであって、あなたのおっしゃるようにどこで線を引きましても、たとえば五百円でそれじゃ線を引いたら妥当かということになれば、五百円で線引いて五百五円のものをどうするか、こういう問題は常に私は起こると思います。ですからベストではありませんが、ベターな方法をとったという以外に私はないと思います。
  45. 向井長年

    向井長年君 私の言うことをお聞き違いになっているんですよ。そういう今は免税点ですよ、三百円というのは。基礎控除方式をとるならば、そういう矛盾はないのですよ、はっきり申しまして。大体今三百円免減で全国で財源は約二十億ですよ。それから二%で財源が約百億になります。そうすると。一応百二十億円ということになるんですよ。いいですか、百二十億のいわゆる減税をしたということになる。その減税は先ほどから言っているように、もしこれがほんとうの生活の必需のための基準を設けるならば、一般家庭用の平均を出せばいいんですよ。一般家庭用の平均だったら、メートルで五十キロ、額に直して六百円、六百円までの免税をすれば、これは大体百二十億におさまるんですよ。いいですか、自治大臣。これは聞いていただきたい。百二十億の範囲内で六百円の基礎控除をするならばこれでおさまる。一般家庭用は将来これは撤廃するにしましても、一段階公平に生活の必需だという立場から考えてくるならば、今の減税の財源を一応基準に合わして五十キロなら五十キロ、メートルで五十キロ、額に直して六百円、これを全部六百円までは基礎控除を行なう。それ以上使ったやつに対しては、これは若干ぜいたくもあるいは文化生活も含まっているので、これは税金かけるといっても四百八十億から五百億の税金は残るわけです。こういう考え方をたびたびわれわれが主張しておるにもかかわらず、これをやろうとしない、こういう点はどうかというのです。
  46. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) それは三百円で線を引くより、六百円で線を引いたほうがいいにきまっています。しかし、そういうことになりますというと、今度はその財政措置が非常に困難になってきて、ことしの五十二億円でも相当、御承知のとおり閣議におきましても、六時間半も論争してようやくまとめた。そうなりますと、今度は財源の処置がなかなかむずかしい。そうしますと、今度はいなかの市町村が非常に困ってしまう。私のほうはそれは減らせばいいにきまっておるけれども、先ほど来言ったように、いなかばかりでなく、市町村財政を非常に圧迫してまで、これを早急に減らしていくということは実情に合わないから、そうしているのでありまして、あんたの言われるのは逆からきておる。私のほうから言っておるのは、またその逆であります。
  47. 向井長年

    向井長年君 消費者の立場から、一昨年あたりから、もう各世論からいろいろこれに対するところの強い撤廃の要望が出ているのです。
  48. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 予算委員会が始まって、大臣行かなければなりませんから、結論を。
  49. 向井長年

    向井長年君 わかりました。それで、大体そういう要望が一昨年あたりから強く大臣、出ておるのですよ。これに対してまあこたえたというのが、一%なり三百円の免税になって参っておりますけれども、先ほど来言うように、地方財源のいろいろな諸問題はあるにいたしましても、一般消費者のかけてはならないという税金を今までかけてきたのだから、これを徐々になくしようとするならば、先ほど言ったように、生活の必需の基準をもって、これは六百円ということが言えると思う。三百円は、これは全部免税じゃありませんから、三百円でも基礎控除をやったとするならば、これは話がわかりますけれども、これは免税点ですから、これは基礎控除にならない。そういう立場から考えても、これは少なくとも、私財源の範囲内でやれるのだから、ただ地方財政に対する調整というものは、国自体が積極的にこれは調整脅し、場合によれば国の交付金を出す、ここまで踏み切らなければ、これは将来撤廃すると言ったって撤廃できないと思うのです。だからこの点はき違えないように答弁願いたいと思う。
  50. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 御承知のとおり、電気ガス税は消費税でありますから、税の性質上基礎控除というものはないわけです。そういう税制の問題は――私これから予算委員会に、閣僚全部そろわなければ開かないと言っておりますので、予算委員会に出かけますから、税務局長に御質問願いたい。
  51. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 めったに大臣おいでいただけないですから、この機会にちょっとお尋ねいたしますが、地方財源の確保について、今いろいろ質疑があるわけですが、この間新興キネマの女優をしておった人で、芝で割烹をやっておる山路ふみ子さんというのが一億円の社会事業に対する寄付をした。その人の話が、土地を持っておりましたところが、知なぬ間に土地が値上がりになって、これだけの余裕ができましたので、私することはいかがと思って寄付をいたしました、こういうのです。そこで、都市でも町村でもそうですが、都市計画をやる、あるいは地下鉄を引く、水道を布設する、そういうことによって、土地の価格というものがだんだんと上がってくる。しかも最近その値上がりというものは特に著しい。こういうものに対して、何といいますか、土地の増加税というのですか、外国では。こういうふうなものを地方団体の固有財源として考えるというふうなことはいかがなものか、私は非常に有力な、今電気ガス税で五百億弱のものを中心に大きな議論が起こっておるわけですが、都市が都市計画なり、そして、固有の仕事をすることによって、電車が引ける、地下鉄かできる、水道ができるというようなことによって、土地が自然に価値が上がっていく、それを地方団体の固有の財源として考えるようなことはできないかということを一点だけひとつお聞きしたい。
  52. 篠田弘作

    国務大臣(篠田弘作君) 土地の価格が上がっているということは事実です。しかしながら、個人々々に考えますと、たとえば私が買ったとき一万円の土地に住んでおる。今それが上がって二十万円になった。しかし売れば二十万円ですけれども、住んでいる分には、一万円の土地に住んでおっても二十万円の土地に住んでおっても、利用価値も同じだし、また土地の価値も同じです。でありますから、今おっしゃったように、道路とか、そういうようなものの発達によって土地の価格が上がったという場合は、都市計画税というものを取っております。それからその土地が、今、山路さんの話が出ましたが、売られる場合には、いわゆる譲渡所得に対する税を取っている、したがいまして、この現在持っている土地が上がっていったから、それに対して売りもしないのに上がっただけ税金をかけていったら、どんな個人でもどんな商店でも困ってしまう、そういうことは事実上不可能だ、そういう意味において、譲渡所得税を取るとか、あるいは都市計画税を取る、こういう段階であります。  詳しいことは先ほど申しましたように、税務局長に答弁きせます。
  53. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 大臣はえらいお急ぎだったから、言いたいほうだいのことを言ってお帰りになりましたが、なるほど譲渡所得に対する課税、都市計画税あるいは事業をやることによって受益者負担というようなものをいろいろかけてはおりますけれども、空地を持っていて、そうして売ることによって税金をかけてなお多額の所得を得る、それほど地価というものは、特に都市における地価というものは暴騰しているのです。そういうものについて、地方財源というものを確保してあげるという見地から、何かお考えないのか、こういうことを私は聞いたのです。
  54. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 土地の増価税あるいは休閑地税というものをどうするかという問題は前からございます。土地増価税の問題は、外国におきましても学説としてはあるわけですが、実施してうまくいったためしはないようであります。と申しますのは、増加した価格というものの算定が非常にむずかしい、それが技術上の難点がございまして、なかなかうまくいっておらないようでございます。日本でも最近の地価の値上がりに関連いたしまして、増加税をかけたらどうかという、こういうお説もございますが、まあ宅地の売り惜しみというものを抑制する手段として、かりにそういう税を起こしますとするならば、税率は禁止的な税率にしなければならぬ、非常に高い税金をかけなければ意味がない、そうしなければ、むしろ零細所得者に対して全部税負担が転嫁されてしまうおそれが、心配があるのでございます。休閑地税に対しても同じような問題が起こります。したがいまして、そういう税が現在でもございますし、従来からも思案はいたしておりましたが、私どもといたしましては、土地というものの政策との関連を見ながら研究をしていきたい、かような考え方で今日まで進んできているわけであります。十分研究の価値ある問題でございますけれども、なかなか技術上むずかしい点が多多ある、こういうことでございます。
  55. 向井長年

    向井長年君 自治大臣、あれはほんとうにわからぬのですよ。局長が横から言っているが、わからないままに答弁しているのです。免税と基礎控除をごっちゃにしている、したがって、これは局長よく御存じだと思いますが、自治省はなぜ消費者の立場に立ってこういう免税さえ考えないか、ただ税金の財源確保だけしか考えていないということですよ、これは。代々、前の税制局長もそういう考え方を持っている。だからこれは一昨年あたりから全国的な大きな陳情がたびたび来ております、これは一般消費者から、あらゆる団体から。これにこたえるために一%やったとかないとか言うけれども、一%というのは一般の家庭にしたら、六百円使っている人だったらなんぼですか、六円ですか、それくらいですよ。五百円だったら五円ですよ。五円やったから減税をやったんだと、こういう考え方を持っておりますが、そうでしょう、一%ですよ。したがって、消費者の立場になって考えるならば、こういう問題についての財源確保というものは自治省みずから考えなければならぬ。地方団体に、いわゆる公共団体に何とか確立せいというふうなことを言うから不安になる。どうして自治省自体が国の財源からこういうわずか五百億程度のことを考えられないかということですよ。財源がないとは言えませんよ。こういう点を私たちは指摘しておるわけです。まず第一に安易な増収していく分だけは減税するのだと、これは実際の減税じがないと思うのですよ。減税政策じゃないと思う。その点いかがですか。
  56. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 先ほど来のお話の中の免税点の低過ぎやせぬかというお話でございますが、この問題につきましては昨年作ったわけですから、そのままいろいろな関係で、そのときも問題だったわけですが、いろいろな関係でそれが低過ぎやせぬかという問題があることは承知いたしております。したがって、税率を一律に下げることがいいか、あるいはおっしゃるように免税点を上げることがいいかというのは一つの研究問題でありますが、本年度はそれが税率引き下げの方向に向いている。電気ガス税につきましては、先ほど大臣もおっしゃったように理論もございます、ございますが、今日の税率が妥当かどうかといえば、高過ぎるといえば高過ぎると思います。そっちのほうから先にやろうじゃないかと、こういう形で追いついたのが今日の改正案の姿であります。私たちは三百円の免税点がこれで十分だとは決して思っておりません。ただ免税点を上げますと、いなかの市町村の財源ががたっと減ってしまう。そこに問題がある。それなら何かかわり財源を探したらいいじゃないかとおっしゃいますけれども、ことしの場合も、たった五十億取るについてもあれだけやかましい騒ぎになった。かわり財源といいますと、今のところはたばこ消費税しかないわけです。たばこ消費税の額も府県、町村合わせまして相当額になっておりますから、そこに財減増強という観点からなかなか抵抗がある、こういうのが現状でございます。しかし御説のように、私どもは満足しておるわけじゃございません。まあ、その辺のところはかわり財源を積極的に考えるような方向で検討はしていきたい、かように考えております。
  57. 向井長年

    向井長年君 かわり財源といっても、地方税でかわり財源を考えるとしても、これはやはやはり無理を生じると思うのですよ。したがって、先ほど言ったように、一つの免税あるいは減税を考える場合に、若干の調整は市町村ごとに違うから不便を生ずると思います。しかしながらこれは調査すればすぐわかることだから、これだけの減税をやれば、どこの市町村ではどれだけマイナスになるということは明確にわかることですから、これは総計して六百円源税にしたところで五百円億、財源の中で占める地位はどれくらいか、これの補てんというものは政府みずから二百億なら二百億考える、あるいはまた百五十億考えると、こんなこと、わずかなことですよ。それをやろうという根本的な考え方がないから地方に依存する地方に依存するから、こういう自然増収以外に減税できないことになるのですよ。こういう点を自治省みずから考えてもらわなければ、これはなくならない税金であって、いつまでも、これだけは、五百億というものは少なくともある程度の間は続くと、こういう結果になる。これがまず第一。  それからもう一つは、どうしても矛盾を感じることは、先ほども言いましたように、一般の免税された産業、こういうところには免税をしておきながら、一般家庭にかけるということがわからないんです、どうしたって。産業よりも国民生活という――産業を考えることは、日本の経済あるいは国民の経済から出てきているのだと思う。そういっても、その会社はやはり商法上の利潤を追及する会社なんですよ。そうでしょう、基本産業といっても。そういうところには免税をして、一般家庭に税金をかけてある。しかもそれは生活の必需品である。こういうところに自治省はある程度矛盾存感じないかということですよ。過去において、それは戦後のああいう時代の中ではやむを得なかったかもわかりません。しかし現在の社会情勢なり、あるいは国民生活実態から考えるならば、やはり何といっても池田総理が言ったように、これは悪税だということは言えると思うのです、明確にしたがって、この悪税を是正するためには根本的な料理がなければできない。ただ単に地方財源は地方財源をして見つけるという、こういう制度では根本的な減税になっていないので、少なくとも自治省みずからが国のそれに対するかわり財源をそこに補てんをするという中から、明確な減税というものは表われてくるわけです。こういう点を私は強く要望いたしまして次期の――まあ三十八年度は一%ということも閣僚できまったそうですから、次期に備えてこの問題は明確にやはり根本的な減税方針を立てていただくように要望して質問を終わりたいと思います。
  58. 赤間文三

    委員長赤間文三君) ほかに御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――
  59. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 次に、繊維問題に関する件の調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  60. 二宮文造

    ○二宮文造君 アメリカに対する問題の綿製品の交渉についてちょっとお伺いしたいと思います。この問題につきましては、ききに衆参両院の緊急質問の議題に上程されまして、大体の方向は示されておりますけれども、なお若干不十分なところがございますのでお伺いしたいと思います。  まず、考え方を整理する方法としまして、現在までのことを振り返って見ますと、一月一日に、それまで七年間にわたって自主規制に基づく短期取りきめで割合スムーズに行なわれてきたこの綿製品貿易が、突然アメリカのほうから、ジュネーブの綿製品の国際貿易に関する長期取りきめという条項をたてにして、第三条の市場撹乱のおそれがあるということ、及び従来の二十七品目を六十四品目に分類して規制をしようというふうな申し入れがあった。それを受けて立った政府のほうでは、一月の九日から交渉に入った。しかしその交渉の主たるものは相互の数字の食い違いを突き合わした。二月の十三日に入って、アメリカから、あえて交渉期間を六十日に限定することはない、締結をすることを眼目にするのだ、そうしてそのときに三十六品目の上に四品目を加えて規制しようと、こういうふうに申し入れてきた。それを受けて日本が二十日のガットの理事会で青木代表からガット十一条国移行の問題と並んで 綿製品の長期協定の運営に関する報告というので議題に上した、こういうふうな経過を今までたどってきた、このように承知しておるのですが、それでよろしゅうございますか。
  61. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 今おっしゃいましたとおりでございます。
  62. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこでお伺いしたいのですが、アメリカが突如として六十四品目にわたる分類を適用してきたというふうなことなんですが、この分類の仕方はあらかじめ考えられなかったかどうかという点をお伺いしたいと思います。
  63. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 六十四品目の分類につきましては、これも御承知と思いますけれども、従来アメリカでは全綿製品につきまして六十四の分類に分けておりました。これはアメリカと日本の場合は一九六〇年につきましては、御承知の日米二国間協定がございまして、そこでは二十七品目に分けておったわけでございますけれども、御承知の、別に短期協定――現在の長期協定の前身でございます短期協定がございますが、その短期協定に基づきましてアメリカが各国と協議をいたしましたときには、大体私のほうは六十四品目に分けておりますというふうなことで、その一部分について協議を要請したというふうな歩みをたどっております。
  64. 二宮文造

    ○二宮文造君 もう一度お伺いいたしますが、アメリカが六十四品目に分けておるということを日本側は承知していたのですか。
  65. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) アメリカは全綿製品の分類について六十四の分類をしておるということは、アメリカでそういう考え方をとっておるということは承知いたしております。
  66. 二宮文造

    ○二宮文造君 アメリカはそういう分類をやっていることを承知しているにもかかわらず、日本側は二十七品目の分類で相互の融通をしやすくしておこうという考えであった。そこに食い違いがあった。このアメリカの考え方は、すでは一九六一年ですか。あのジュネーブの長期取りきめの話が始まるころに、第三条の問題と、それから六十四品目に分類しようということを提案しかってつぶされたということがあったのですが、それもそのとおりでよろしゆうございますか。
  67. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 今おっしゃいましたように聞いております。
  68. 二宮文造

    ○二宮文造君 それから昨年の九月にブラウスとズボンの船積み停止がありました。このときの問題も、日本側としては短期取りきめのワクのうちだ。だがアメリカはその分類の仕方によって数量計算が違うということで問題になったはずです。そのときのブラウス、ズボンの品目の日本の分類の仕方は何品目でございますか。
  69. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 詳しいことをちょっと覚えておりませんけれども、日本のほうはいわゆるブラウス単体とセット物というふうに分けておりまして、そのセット物について、これは上下セットしておりますから、ブラウスはブラウスの分類、ズボンはズボンの分類に数えるというのがアメリカの要請だだったように覚えております。
  70. 二宮文造

    ○二宮文造君 その後その問題が解決しましたときに、一九六三年の取りきめには、そのときには、従来の分類の仕方と若干変わっておるように聞いております。と申しますのは、ズボンにしても、男子用のズボンと、婦人用のズボンというふうに変わってきた。なぜ私がこのようなことを申しますかといいますと、すでにアメリカが分類をこまかくして品目の規制をどんどん進めていこうという方法を講じていた。にもかかわらず、政府のほうでは予見しながらもその努力をやらなかった、こういうふうな問題が出てくるのじゃないかと考えてお伺いするのですが、といいますのは、もう一度言いますと、ブラウス、ズボンの一九六三年の取りきめにはすでにこまかく分類された。にもかかわらず、その後起こったこの問題に対する政府の考え方は、突如として六十四品目に分けてきたというふうな言い方をしております。これは非常に政府の分類の仕方といいますか、数字に対する考え方というものが非常におくれていたというふうなことになるのではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
  71. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 今御指摘のズボンにつきまして六二年、去年につきましては男物、女物一本でございましたが、今度の米側要請には、それを男物と女物に分けておりますことは、今御指摘のとおりでございます。  それからなお六十四品目の問題でございますが、今いろいろ御指摘になったことは、私ども長期協定がきまりましたときの過程とか、その他で、アメリカのほうでは全綿製品につきまして六十四の分類を米政府としてはやっておるということは承知いたしておりました。承知いたしておりましたが、これも御承知のとおり、日本とアメリカの間は六二年におきまして特別の二国間協定がございまして、それは二十七品目に分けられておりましたので、長期協定の運用につきましては、これは御承知のとおり、特定の品目について市場擾乱があるのかないのか、あるいはそのおそれがあるのかないのかという話でございますので、全体の品目の点につきましては、必ずしも長期協定の運用として日本に対する要請といいますか、話の仕方が六十四品目で始まるというふうには考えていなかったということでございます。
  72. 二宮文造

    ○二宮文造君 もう一つ大事な問題でありますが、この前のズボンとブラウスの問題のときの繊維局長説明では、日本側は日本側の輸出統計でいく、アメリカ側はアメリカ側の輸入統計で突き合わせをした。したがって、このような食い違いができて問題が起こったという御説明でありました。今度の場合も、一月九日から二月の中ごろに及ぶまで、ほとんど交渉されないで、事務的な折衝――数字の突き合わせに終わったと聞いております。その場合はズボン、ブラウスのときに行なったような数字の突き合わせのやり方を進めたわけですか。
  73. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) お話のございましたとおり、九日から大体二月十日ごろまで統計資料の突き合わせをやったのであります。突き合わせのやり方といたしましては、日本の輸出統計による数字はこういうものである。それから米側の輸入統計によりますればこういうふうな数字が出てくるというふうなことで突き合わせをいたしました。
  74. 二宮文造

    ○二宮文造君 どうも私は昨年来、通産省のお話を聞いておりまして、こういう問題に関しまして、国内的には非常に大胆な放送がされるのだが、アメリカに向いてはほとんどこちらの要望が伝わっていないような感じがするのであります。最近世論が非常に高まって参りまして、政府の発言も相当強いようなことを言っておりますが、今度の場合の、問題になりますこの振りかえ率の五%をなくして、そうして、しかも六十四品目に分類して、その中の追加された四十品目を規制しようという考え方を基礎にして交渉されるのかどうか、これを伺いたいと思います。
  75. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 一番最近の交渉におきましては、これは問題がいろいろあろうかと思いまするけれども、まず、市場撹乱の有無の認定の問題でございますが、これはアメリカ側は今御指摘がございましたように四十品目でございますが、ブラウス、ズボンは去年妥結をいたしまして、この数字がきまっているとすれば、実質は三十七品目でございます、これに対しましては市場撹乱のおそれがあると。わがほうも、あなたのほうがそういう考え方であれば、あるいはそういうおそれがあるかもしれないのは四品目であるというふうなことで交渉いたしております。決して今お話のございましたように、向こうの主張につきまして、こちらといたしまして納得できないものについてまで向こうの主張で交渉しているというようなことはでございせん。
  76. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうしますと、あくまでも日本の主張というものは、第三条の市場撹乱を撤回せよというふうな線から進めていくわけですね。
  77. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) ただいま申し上げましたとおり、四品目につきましてはその市場撹乱のおそれがあるというようなことを当方といたしましても受け入れたという前提で、規制レベルの話合いをやろうじゃないかという提案をいたしております。それからその他の品目につきましては、あなたのほうは市場撹乱のおそれがあると言っているけれども、日本としてはないと考える、しかもあなたのほうがなぜ、市場撹乱のおそれがあるということにつきましては、こちらのほうから市場撹乱のおそれがないじゃないかという資料を出しておるのだから、その返事、つまりこっちの反論に対するまた回答になりますけれども、そういうふうなものを下さいというふうなことで交渉を進めておる次第であります。
  78. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで、ある新聞に、確かな筋の情報としまして、彼我の食い違い、それから長期取りきめの付属書のB、これを適用した場合、それから昨年のワクと実績という数字を並べておりますが、それを今、私ここで申し上げたいと思いますが、まず第一番に、アメリカから規制を要請してきた数字は、一次製品については、一億二千八十万五千平方ヤール。二次製品については、七千四百二十一万四千平方ヤール。合計一億九千五百一万九千平方ヤール。それから付属書Bを使った場合の計算ですが一次製品では、一億三千九百四万一千方ヤール。二次製品では、九千百二百二千方ヤール。合計二億三千六万三千方ヤール。そして、昨年の一九六二年度の対米輸出のワクは、一次製品が一億二千五百五十万方ヤール。二次製品が九千四百八十万八千方ヤール。合計二億二千三十万八千方ヤール。さらに一昨年、一九六一年の十月から昨年の九月までの輸出実績は、一次製品が一億三千八百九十五万六千平方ヤール。二次製品が七千六百八万四千平方ヤール。合計二億一千五百四万平方ヤール。このような数字になって、アメリカと日本との間の食い違いが、この線から交渉が始まっていくような解説になっておりますが、この点は一応考え方の中においてよろしゅうございますか。
  79. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) アメリカから十三日に提案されました数字につきましては、これはいろいろ統計の問題、あるいはその計算の問題、非常にむずかしいいろいろ計算方式がございまして、ただいまおっしゃいました数字は、実は大体向こうから、提案についてのこまかい資料が参りました直後において、判読いたした数字、大体そういうふうな数字ではないかと思います。特にそういう中間的な数字でございまして、ただいま数字につきましては、検討中でございまして、まだまだいまの時点では、はっきりした数字は出ておりません。傾向といたしましては、今おっしゃったような大体の傾向ではないかと思いますが、ただ二次製品につきましては、御承知のとおりこれには、あとから入って参りました三品目のブラウス、ズボンの数字が、ヤール計算に入っておりませんので、そのヤール計算をいたしますと、大体これは三千五、六百万平方ヤールではないかと思いますが、そういうふうな数字は、おのおのの数字に入っているというようなことではないかと思います。
  80. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで非常に交渉が両局面に分かれて、これから難航していくと思います。で、この間、二十日ですか、ラスク国務長官の談話として、この解決の道は、政治解決を考えなければならないのではないかというふうな談話が出ておりました。そのあとで、緊急質問のときに、大平外務大臣は、特使の必要なし、あくまでも言外に含めて、商業ベース――今のような交渉のやり方で進めていくのだ、こういうようなお話でございますが、事務当局として、今までの交渉方式で解決がつく確信がありますか。
  81. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) これは、いろんな立場、角度からの感覚と判断があるわけでございます。私ども事務屋の立場から申し上げますと……。十三日に提案されましたアメリカのレベルの話につきましては、実は計算方式その他について、一部分と申しますか、なおわからないところが相当あるわけでございます。そういう点で、かりにレベルの話といたしましても、米国との関係で事務的な最後の煮詰めにきたという段階ではないというふうに考えております。今後、私どもといいますか、私の感じといたしましては、一番最近のわがほうからの提案あるいは要請に対しまして、アメリカのほうでどういうふうな回答に出てくるかというところが、一つの岐路であるというふうに考えておる次第でございます、
  82. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで、アメリカの場合は、いわゆる業者が、政府に対して非常に圧力をかけて、民間も、政府も一体になって、この問題を押し通していこうという雰囲気が、新聞を通じてにおいがします。ところが、一方、日本のほうの状況を伺ってみますと、紡協あたりは、非常に強硬だ。ところが繊維業者の業界のほうは、四半期に分けられてもしようがないじゃないか、振りかえ率がなくなってもしようがないじゃないかというふうな弱気な意見だ。で、業界自体も、その対策に四苦八苦している。また、政府のほうも、どのような線で交渉をするかという見解を明らかにしない。これでは相撲にならないような心配があるのですが、いかがでございますか。
  83. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) まず第一に、業界の関係でございますが、これは必ずしも、各種団体を通じまして、その考え方が一から十までみんな合っておるということではございいません。そういうことではございませんけれども、ただいまの段階におきましては、これも御承知かと思いますが、綿業六団体が、大阪で一番最近会議をいたしましたときの最終的な結論といたしましては、これは、市場撹乱云々について協議に応ずるのは、四品目のみである。そのほかについては、アメリカの言い分は納得できないということを、六団体がそろって決議をいたしております。したがいまして基本的な考え方あるいは大体の考え方は、関係団体について同じである、こういうふうに考えておる次第でございます。
  84. 二宮文造

    ○二宮文造君 非常に重要な問題でありますし、先般も申し上げましたように、この綿製品の問題は、事は中小企業にも大きく影響して参ります。特に政治的な発言権を持ってない部面が、非常に強うございますので、政府としましても、この問題の解決に対しましては、渾身の力をこめてやっていただきたい。このようにお願いしておきます。  なお、これに関連しての問題ですが、現在、伝えられるところによりますと、綿紡では、すでに三六・三%の高率操短ですか、それから紡毛では、これまた四四%の高率操業短縮をやっている。こういうふうな状態の中で、通産省でも、繊維工業設備審議会この小委員会で、いわゆる臨時措置法、これを一部改正にするか、あるいは繊維産業の安定のために新法を作るかというようなことで、昨年来審議を重ねられてきたような話を聞いております。結論的にどういう方向に向かっているのかお伺いしたいと思います。
  85. 磯野太郎

    政府委員(磯野太郎君) 今御指摘の、大体現在の繊維工業界とそれから繊維行政を決定いたしております繊維工事臨時措置法、これにつきましては四十七年の六月にこれが失効いたしますので、それを、今後法律がいるのかいらないのか、あるいは法律がいる場合に措置法をどういうふうに改正していくのか、ということをただいま審議会で検討中でございます。審議会におきましては、これも御承知かと思いますが、去年の三月以来、各種の問題につきまして議論をいたしてきたわけでございますが、一番最近の審議会におきましては、措置法全体に対する総論的な考え方と申しますか、基本的な考え方といたしまして、これは多少こまかになりますけれども、今後新しい法律に改正する場合の柱としては、第一に、今統制的な体制にあるわけでございますけれども、それを自由競争ができる基盤を確立するということが第一点。それから第二点といたしまして、これは天然繊維、化学繊維を通じまして、総合繊維的な状況になっておりますので、政策として繊維総合政策を樹立することが必要であるということが第二点。それから第三番目といたしまして、御承知のとおり、過剰設備がたくさんございまして、今御指摘のような操短率にも相なっておりますので、そういう過剰設備をすみやかに廃棄することが必要である。これが第三点。それから第四点といたしまして、繊維について最もその必要があるという意味合いにおきまして、輸出の秩序を確立するということが第四点。それから第五点といたしまして、特に紡績その他につきましても、今後はその経済単位を大きくすとか、いろいろなことがございますので、繊維工業の合理化をはかることが必要であるというふうな、以上申し述べましたような五つの基本的な線を決定いたしまして、審議会としては決定いたしまして、この線に沿って今後いろいろな具体的な問題を検討していって、大体五月ないし六月には、以上の今申し上げました繊維工業設備審議会としては通産大臣に対して答申を出す、こういうような予定に相なっております。
  86. 二宮文造

    ○二宮文造君 おそくなりましたから以上で終わります。どうもありがとうございました。
  87. 赤間文三

    委員長赤間文三君) ほかに発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――
  88. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 次に、プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から補足説明を聴取いたします。
  89. 島田喜仁

    政府委員(島田喜仁君) プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案提案理由補足説明をいたします。  プラント類の輸出に際しては、通常、生産能力等の保証を行なわなければならないことになっておりますが、プラント類輸出促進臨時措置法は、このような保証がコンサルティングの欠陥によって達成されなかった場合に輸出者が受ける損失の一部を、国と輸出者とが補償契約を締結することによって補償しようとすることを内容とするものでありまして、コンサルティングが弱いというわが国プラント輸出体制の根本的弱点を是正するための法律として、昭和三十四年六月に、昭和三十八年三月三十一日を期限とする限時法として施行されて現在に至っております。  しかしながら、所得倍増計画を達成するための機械類の輸出増進をはかるためには、その重要部分をなすプラント輸出振興が今後ますます重要となってくるのであります。したがって、今回の改正の第一点はこれをさらに四年間延長しようとするところにあり、第二点は、同法プラント輸出促進に一そう有効なものとなりますように、同法の対象になるプラント類輸出契約の範囲を拡大しようとするところにあります。すなわち、現行法のもとにおいては違約金の支払義務を伴う保証条項が輸出契約中に含まれていなければ補償契約を締結できないことになっておりますが、違約金の支払義務を伴わず機械装置の取りかえ修理義務等のみを伴う保証条項を含む輸出契約もきわめて多いので、この種の輸出契約についても補償契約を締結し得るよう所要の改正を行なうものであります。なお、政令に委任されている補償料率につきましても従来の一〇%から七%に引き下げることといたしております。  以上がこの法律案提案理由補足説明であります。
  90. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 以上で補足説明を聴取いたしました。  速記をちょっととめて。   〔速記中止〕
  91. 赤間文三

    委員長赤間文三君) 速記を始めて。  では、本日はこの程度で散会をいたします。  午後四時十七分散会