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政府委員(
塚本敏夫君) それでは去る二十四日、
深川地区におきまする
ガスの
導管火災事故の概要につきまして御
説明申し上げます。
お配りしましたガリ版をごらん願います。
場所は第一
現場、第二
現場、第三
現場となっておりまして、第一
現場は江東区の
深川三好町、第二
現場が同じく
深川の平野町、第三
現場も同じ。
で、
事故が発生いたしましたのは一月二十四日の午前六時四十七分から八時五十七分。第二
現場が七時七分から十時二十二分。第三
現場は午前八時から九時ごろであります。
被害の
状況は、
家屋の焼失が十六棟、半壊が一棟、そのほかガラスの
破損が十棟、死亡が六名、
負傷が二十三名、そのほか消防庁の
自動車が一台
破損いたしております。
で、経過でありますが、第一
現場におきまして、まずこれは
そば屋でありますが、
火災が発生いたしました。第一
現場は六時四十七分でございます。それからなお、第二
現場がさらに引き続いて七時七分ごろまた
火災を起こしております。そのほか
マンホール等が
相当爆発によりまして飛んでおりまして、そういった
事故による
負傷等が相当出ております。
原因は現在究明中でありますが、いろいろ
原因はあるかと思いますが、御
承知のように、この
現場はいわゆる
ガスの
メインの
導管が通っているところでありまして、八気圧の
メインの、東京都を循環しております
メインの
導管が通っておりますると同時に、
家庭に供給します低圧の
パイプももちろん通っておるわけであります。
事故が起こりまして、直ちにその
措置につきまして、
東京ガスにおきまして
協議をされまして、これは
高圧の
メインの
パイプでありますので、直ちにこれを閉鎖いたしますとほかの
部分が
爆発する
可能性があるわけであります。そういう点で、だんだん気圧を下げながらとめるという
方法を取らざるを得なかったわけであります。
火災発生と同時にすぐとめるということができなかったのであります。そのために、まあこれはいろいろ
原因があるかと思いますが、漸次
圧力を下げましたために、ほかの
事故が起こったんじゃないか、こういうようにも考えられております。といいますのは、まず、きのう
メインの
導管の
破損個所を発見したのでありまして、この
導管はまわりが二メートルちょっとある
導管であります。その
導管が横に一メートルくらいの
亀裂を生じておったのであります。そこから
ガスが吹き出しておったのが
下水溝を伝わって、各
火災を起こしました
家庭に流れ込んでおったのじゃないか。でありますから、
下水溝にはそういった
ガスが充満しておったという
状況であったと認められるわけでありまして、そういった
状況下におきまして、これを漸次
圧力を下げたために、これは御
承知のように、
ガスは相当の
圧力で出ております場合には、
酸素が混入いたしませんので
点火はいたしませんわけでありますが、だんだん
酸素が混入いたしまして
点火状況に達しますと、火の気がちょっとでもありましても、たとえば
自動車のスパークでも発火するわけであります。そういうような
状況でありまして、第一
現場におきましては、そういった
状況がいちばん先に起こりまして、火を呼んで
火災になった。それからなお、第二
現場におきまして、これは第一
現場をごらんになればわかりますが、二百メートルくらい離れたところであります。これも続いて
火災を起こしたといいますのは、やはり
下水から
ガスが流れ込みまして、それに引火したのではないか。それからなお、
マンホール等が
爆発いたしましたのは、そのほかの
下水溝のあれが
酸素も相当まじりまして、
発火点に達しまして、そういう面で一般的に
爆発を起こすような
状況になったのじゃないか、かように考えられております。
でありますから、直接の
火災の
原因は、そういった
ガス漏れによる
ガス火災ということでありますが、その
原因になりました
メインの
パイプの
亀裂はどうして生じたか、これがこれからさらに
検討しなければならぬわけであります。その
個所を昨日
警視庁のほうで切り取りまして、
警視庁の
科学鑑識課のほうで厳密に
調査中であります。そういった
状況でありまして、その
亀裂の
原因につきましては、これからさらに
検討をいたしたい、かように考えております。
なお
罹災者に対しましては、
東京ガスにおきましてできる限りの
措置をとっておるわけであります。たとえばその晩の、当日の
宿泊所あるいは食糧の
たき出し等におきまして万全の
措置をとっております。今後の
措置につきましても、
東京ガスにおきまして万全の
措置をとるように、われわれからも指示しておるわけであります。
なお、こういった
事故を起こしましたので、当日、さっそくこれはほかの、
全国の百八十あまりの
ガス会社にも
関係があることでありますので、
大臣名をもちまして、そういった
事故のないように、特に
漏洩の
検査につきましては厳重にやるようにという通牒を出しております。
今後なお、こういった
事故を絶滅いたしますために、われわれといたしましても、
検討をさらに進めていきますと同時に、官民の
協議会を作りまして、そういった
対策を進めていきたい、かように考えておる次第であります。
なお、本日は、
東京ガスからも
責任者が見えておりますので、さらに詳しくは
東京ガスのほうからも
説明させていただければけっこうかと存じます。