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政府委員(
渡海元三郎君) 予防接種をしておってもかかる、実際、前の御影丸のときに、確かに予防接種をしておられましたが、まあ病状の軽いということはあるのかもわかりませんが、確かに予防接種をしておられる方が発病しておられるという例は、私たちは非常に学問的にもまれな例だと聞いておりますが、二回も経験いたしましたので、ぜひともこの点は学問的にも研究をさせていただきたい。究明してこれに対する
対策も
考えなくちゃいけないんじゃないかと思っております。
空港に対する検疫でございますが、これは非常に困難を伴いますが、さしあたり私たちが研究会で要望をしたいと、こう
考えておりますのは、現在でございましたら、飛行機の寄航地が汚染地区と指定されていなかったならばあれは発動しないということになっておりますが、今回の例によると、飛行機そのものの寄航地はそうでございますが、なかなか旅行をしているその人個人についての旅行の経路というものを、私たちが旅行しましたときも詳細に書かない。おりても、その
期間が長くなく、時間がないものですから、それを具体的に書かない。特に病状がない限りは、証明書それだけで済んでいるという点がございますので、これは各旅行者に対しまして、その旅行経路等も明らかにしていただくように、飛行機だけでなく、個人的な行動の
範囲の報告義務も、汚染地を通るような場合には課するというふうな方法を
考えなければいけないじゃないかということで、WHOの研究項目にいうているような次第でございますので、、ぜひそうやっていきたいと思います。
なお、十六日までくればヤマは越すといいましたのは、確かに十一日までに大体患者も隔離いたしましたし、また、完全なる消毒もいたしましたので、それから五日間ということを
考えましたら、十六日というのが一応のヤマでございますけれども、あとで
局長もはっきりああ申しましたが、訂正させていただきますといいまして申しましたように、私どものほうといたしましても、この中間報告が世間に与えますことも
考えましたならば、この点は慎重を期さなければならない。今まで申しましたように、菌そのものは、人のからだの中でなく、独自に清水の中で生きている場合は、二週間あまりも生きているということも聞いておりますので、警戒体制はゆるめることはできないという意味で、慎重を期していきたいと思っておりますので、
局長代理は特にその点を訂正させていただいた状態でございますので、ぜひこの点は慎重を期してやりたいと
考えております。
なお、中間報告で大丈夫だろうということを言って非常に誤解を生んだのでございますが、おそらく英国人だからどうのとうのというふうなことは当然ございません。常識的に
考えたら、阿
具根先生が御指摘になりましたように、非常に疑いを当然症状から持つべきだと思いますが、科学者は科学におぼれるといいますか、二つの実験の結果、黒の部分は非常に少なかった、ただ一点だけ疑問の点があるという事実をありのまま九対一という報告をした。その一点はなお研究しなければいかぬというので、その一点をつかみ出して研究したら真性がその中に現われた。この数字をそのまま出したものをそういうふうにされたという点は、われわれ今後の発表の仕方という点についても十分
考えてやらなければいけないじゃないかと思います。私も町長をやっておりますとき、実は台風の警報のときに、各危険な地域に監視員を設けまして、何時ごろ台風がくるから監視してくれということを言うて、刻々とラジオから聞いて、私が予定して監視員にいいましたときの時間より一時間早く台風がやってきた。私がそこに行ったら、自分の家の前まで水がきているのに、家の中でラジオを聞いている。私がおこったら、もう一時間ありゃしませんかと言う。私の言がそれほど忠実に守られてそうなっているということにそのとき驚いた。今後はよく注意の仕方も
考えなければいけないという反省をしたことを思い出しましたが、科学的な発表にいたしましても、十分その点が
一般にどういうふうに受け取られるかということも
考えた上で、注意して発表しなければならぬと思いますので、今後の見通しの安全性ということにつきましても、十分その点も考慮の上で安全を期していきたい、こういうふうに
考えております。
以下、当局のほうからお答えいたします。