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1963-06-12 第43回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十八年六月十二日(水曜日) 午前十一時十六分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
加賀山
之雄君
理事
西田 信一君
岡田
宗司
君
千葉千代世
君
委員
石井 桂君 北畠
教真
君 小柳
牧衞
君 鈴木 万平君 天坊 裕彦君 山本
利壽
君 田中 一君 藤田 進君 永末 英一君
政府委員
外務省情報文化
局長
曽野
明君
郵政省電波監理
局長
西崎
太郎
君
事務局側
常任委員会専門
員
工楽
英司君
説明員
日本電信電話公
社計画局次長
佐藤
睦君
参考人
オリンピック東
京大会組織委員
会事務次長
佐藤
朝生
君
日本体育協会
、
日本オリンピッ
ク委員会総務主
事
青木
半治君
日本放送協会理
事 三熊
文雄
君
日本放送協会オ
リンピック放送
総本部企画本部
副
本部長
岡本
正一
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
オリンピック東京大会準備促進
に関 する
調査
(
通信報道
に関する件) (
東京国際スポーツ大会
に関する 件)
—————————————
加賀山之雄
1
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ただいまから
オリンピック準備促進特別委員会
を開会いたします。
オリンピック東京大会準備促進
に関する
調査
を議題にいたします。
オリンピック東京大会
の
通信報道
に関する件、
東京国際スポーツ大会
に関する件について
調査
を進めます。 なお、本日は、
本件調査
のため、
委員長
から、
日本放送協会理事
三
熊文雄
君、
日本放送協会東京オリンピック総本部企画本部
副
本部長岡本正一
君、
オリンピック東京大会組織委員会事務次長佐藤朝生
君、
日本体育協会
、
日本オリンピック委員会総務主事青木
半治君、以上の諸君を
参考人
として御
出席
いただいております。 それでは、これより
オリンピック
の
通信報道
に関する件につきまして
説明
を願います。
西崎太郎
2
○
政府委員
(
西崎太郎
君) 最初に、
オリンピック東京大会
における
電気通信計画
を簡単に御
説明
いたします。 御承知のように、
電気通信関係
につきましては、
オリンピック組織委員会
の中の
電気通信
に関する
組織
としまして、
施設特別委員会
の中に
関連施設小委員会
がありまして、
郵政省
もそれに
委員
を出しております。さらに、
同小委員会
の
下部組織
としまして、
同小委員会
に
委員
を出しております
電電公社
、
国際電電
、
日本放送協会
とともに、
同小委員会
の中に
電気通信部会
を
組織
いたしております。ここにおいて、上記各機関とともに、
電気通信
、
放送
に関する
情報交換
、
総合調整等
を行なっております。 この
オリンピック大会
において提供する必要のある
電気通信サービス
を大別しますと、
大会運営用
のため、二番目に
報道用
、三番目にラジオ、
テレビ中継用
、それから
一般需要
、この四つに大別されるわけであります。これらにつきましては、
日本電電公社
及び
国際電電
によってまかなわれるわけでありまして、大体におきまして、その
準備
は予定どおり進んでいると承知いたしております。 なお、このうちで
海外通信
の
関係
につきましては、
太平洋ケーブル
を
オリンピック大会
までに完成することが計画されております。同
ケーブル
は豊富な
チャンネル数
を有しますので、
オリンピック大会用
の
通信
並びにその他の一般的な
国際通信
に余裕をもって対処し得るものと考えられます。 それから
宇宙通信
のことも御
説明
申し上げます。もう
一つ
、この
テレビ
の
オリンピック
時における
国際中継
といった問題とも
関連
しまして、
宇宙通信
の
関係
の
準備状況
について簡単に御
説明
さしていただきます。今飛んでおります
テルスター
2号であるとか、あるいはリレー1号、こういった
通信衛星
を利用しまして、
国際
間に
テレビ
を中継したりあるいは
電信電話
を中継するということは、これは将来の
国際通信政策
としても非常に重要なことでありますので、
日本
としましてもその
世界
の大勢におくれないように
準備
を進める必要があるわけでございまし、てそういった
意味
で、昨年の十一月に
アメリカ
の
航空宇宙局
との間にこれを利用した
実験協定
、それを締結しまして、それをもとにしまして、
日本側
における
地上施設
の
建設
を進めておるわけであります。何分にもこの
通信衛星
を利用した
衛星通信方式
というのは非常に技術的にも困難な問題も多いわけです。非常にまた規模も、したがって資金的にも相当多額のものが必要であるということで、できるだけ国内の総力を結集してやる必要があるという
意味
におきまして、
政府
としましては、
郵政省
の
電波研究所
・それから
通信事業者
としまして
国際電電
、この両者が茨城県に
宇宙基地
を現在
建設
中でございます。その
準備状況
は、
電波研究所
の
地上局
は、予算的な
関係
もありまして多少おくれておりますが、大体完成は来年の四月ちょっと過ぎるのじゃないか、こういう予定でございます。したがって、
実験
の開始もそのころになるのではないかということでございます。一方、
国際電電
のほうは、これも現在鋭意
建設
中でございまして、本年の十月ころにこの運用が可能になる見込みでありまして、ただ問題は、やはりたとえば米国との間にこの
衛星通信
を実施する場合には、この
通信衛星
として適当なものがそのときに打ち上げられておるかどうかということにかかわるわけでありまして、現在飛んでおります。たとえば
テルスター
というものを考えますと、実はこれは
軌道
が常に変わる
関係
で、
アメリカ
との間に
通信
がしやすい時期としにくい時期と、こういうことがあるわけでありまして、来年の三、四月ころは最も適当な時期であるわけでありまして、もし今の
テルスター
2号がそのときにおいても正常に稼働をしておりますれば、
実験
が可能になるわけであります。ただ問題は、
オリンピック
のころにはたして適当な
通信衛星
が飛んでおるかどうかということが問題になるわけでありまして、この点につきましては当方としましても、先ほど申し上げました
アメリカ
のNASAに対しまして、これが可能になるような
軌道
と機能を持った
衛星
の打ち上げを強く要望して今まで参っておりますし、今後とも機会あるごとにこの
希望
を伝えて、実現するように努力いたしていく所存でございます。そういう
意味
で、現在この
オリンピック
時におきまして、
実験
的にせよ、
オリンピック
の実況が
海外
に中継できるということを確信を持っては申し上げる段階にはきておりませんが、われわれのほうとしましては、できるだけそれが実現するように努力して参りたい、こういうふうに考えております。
加賀山之雄
3
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 次に、
東京国際スポーツ大会
に関する件でございますが、この御
説明
は前回の
委員会
で聞いておりますので、これより直ちに
質疑
に入ります。
質疑
の通告がございます。これを許します。
岡田
君。
岡田宗司
4
○
岡田宗司
君 過日この
委員会
におきまして、私は
プレ
・
オリンピック
の
大会
に
東独
の
選手
の
入国
の問題についてお伺いしたわけです。主として
青木
さんからいろいろ御
説明
がございましたけれ
ども
、なお、その後私が多少調べたところによりますと、どうも納得できないものが多い。そうして、この問題につきましては、
ローザンヌ
においても
論議
がされたようでございまして、おそらくこれには
与謝野事務局長
が行っておりまして、
日本側
としても
論議
には
参加
しておられたろうと思います。私はきょう、たぶん
与謝野
氏も御
出席
になるだろう、こういうつもりで、その際にいろいろなことをもう一度お伺いしようと思っておりましたが、今晩お帰りになるというようなことで、この点についてお聞きすることができないことをたいへん残念に思っておるわけでございます。 たとえば、この六月七日の
新聞
、朝日、
読売等
には、ロイターの電報として、『六日当地で行われた
国際オリンピック委員会
(
IOC
)と、二十五の
国際競技連盟
(
IF
)の
合同会議
で「
北大西洋条約機構
(NATO)諸国の
東独選手
への
差別待遇
をやめさせるため近く
ブランデージIOC会長
らの
特別使節団
を
ベルリン
へ送る」ことを決めたと
権威筋
から
発表
された。
使節団
は
IOC
と
国際競技連盟
が
合同
で編成するが、
ベルリン
行きの日時は決っていない。同
権威筋
によれば
使節団
は「常習的に
東独選手
への
ビザ交付
を拒否している
西ベルリン
の
連合軍交通管理局
と話合う」ことになっている。』、こういうことが出ておるのであります。したがって、この問題については、
ブランデージIOC会長
らが乗出すわけでございますので、相当重大に取り上げられておる。私はこれらの
いきさつ
が、やはり
東独選手
の
日本
の
プレ
・
オリンピック
に
参加
するかしないかの問題とも
関連
がある問題と考えますので、
与謝野
さんが帰って参りましてから、いずれ
ローザンヌ
の今度の
会議
のことにつきまして
報告
があろうかと思いますから、その際に詳しくお伺いしたいと思います。 なお、
インドネシア
の
東京オリンピック大会
への
参加
の問題につきましても、
ローザンヌ
におきましていろいろ
論議
されたことでありましょうし、また
IOC
のほうからも
ソ連選出
の
委員
を
インドネシア
に派遣するということも
決定
されておるようでございます。その後の
いろいろ発表
からいたしましても、
日本
の調停も実を結ぶのかどうかわからないような
事態
も起こっておるようでございますから、それらを一括いたしまして、
与謝野
さんが帰りましたならば、もう一度この
委員会
を開いていただいて、
ローザンヌ
の
会議
の
報告
を願いますその際に譲りたいと思います。したがいまして、私が取り上げました
東独
の
選手
の問題は、きょうはいたしません。次回に質問したいとこう思っております。
加賀山之雄
5
○
委員長
(
加賀山
之雄君)
岡田委員
に申し上げますが、
外務省情報文化局長
の
曽野明君
に御
出席
をいただいておりますが、もし御
質疑
があれば……。
岡田宗司
6
○
岡田宗司
君 実はこの問題について、まあ率直に申し上げまして、
外務省
でもって正式にこれはいけないというようなことは言わなかったにしても、そういうふうに
外務省
が指導したというのか、あるいは非公式な話だというのか、そういうように私
ども
には受け取られるような
新聞記事
を散見しておりません。その問題について、さきに
青木
さんにもお尋ねしたわけでございますけれ
ども
、なおこれには、やはり
大島
さんが御
出席
になっていただくと一番よくわかるのではないかと思っておりますが、
大島
さんもまだ
外国
へ行っておられて帰っておらぬようでございます。したがって、
与謝野
さんもおらぬし、
大島
さんもおりませんので、きょうはこの問題については私は問題については私は
曽野
さんに特にお伺いすることはございません。
加賀山之雄
7
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ただいま
岡田委員
の御発言につきましては、また後刻
理事会
で御相談いたしまして、次回の
委員会等
の日取りを
決定
いたしたいと思います。ほかに御
質疑
はございませんか。
岡田宗司
8
○
岡田宗司
君 ただいまの問題を離れまして、
プレ
・
オリンピック
にはいかなる
競技
にどのくらいの
外国選手
が
参加
されるか、すでに
決定
されておりますものあるいは大体確定できるというようなものについて御
発表
ができるかどうか、
青木
さんにお伺いしたいのです。
青木半治
9
○
参考人
(
青木
半治君)
外国
の
選手
は三百四十九名は
招待
をすることに
決定
をいたしております。二十
競技
全体で三百四十九名、また
自費
の
参加選手
につきましては百名以内ということは
決定
をいたしておりますが、しからば合計四百四十九名のうち、どこからどれだけの
選手
を呼ぶかということについてはまだ
決定
をいたしておらぬのでございます。
岡田宗司
10
○
岡田宗司
君 それはいつごろ
決定
をすこるとになりますか。
青木半治
11
○
参考人
(
青木
半治君) 今月末までにはきめたいと思っております。
岡田宗司
12
○
岡田宗司
君 それからこれは
青木
さんのほうにお願いするのですが、
東独
のほうから前に
申し込み
があったその
選手名
ですね、それがどういう種類で、どういう名前であるかということがおわかりだと思うのです。それをひとつ資料にして出していただきたいと思うのです。
青木半治
13
○
参考人
(
青木
半治君) 今
発表
してよろしゅうございますか。
岡田宗司
14
○
岡田宗司
君 はい。
青木半治
15
○
参考人
(
青木
半治君)
陸上
五名、
水泳
が十名、自転車が七名、
体操
五名、柔道三名、
射撃
六名、以上三十六名でございます。そのほかに
科学者
として
フード学——食餌学
、医学の
担当者
を送りたいという
希望
でございます。
岡田宗司
16
○
岡田宗司
君 前に
青木
さんが、
プレ
・
オリンピック
に
東独
の
選手
を招くときの
基準
として、どうもあまりいい
選手
がいないというようなことが、やはり呼ばない理由の
一つ
になっていたような御
説明
がございましたが、つまり
プレ
・
オリンピック
に
招待
しますところの
選手
は、二十
競技団体
の意思を尊重いたしまして、
世界ベスト
・ファイブ以内を
基準
として
決定
するというようなお話でしたが、
東独
の
選手
をお招きにならない、あるいは
向こう
から
参加
を申し込まれたのに対してお断わりするというような態度をとられたのは、やはりこの問題が含まれているのですか、この点に
関係
がありますか。
青木半治
17
○
参考人
(
青木
半治君) その問題はございません。各
競技団体
に三百四十九名を、たとえば
陸上
が五十名とか、あるいは
水泳
が四十一名、
体操
二十名というように三百四十九名を割り当てをいたしまして、その
陸上
の五十名の
招待
につきましては
陸上連盟
に、
水泳
の四十一名の
招待
につきましては、
水泳連盟
にすべて一任いたしたわけでございます。
岡田宗司
18
○
岡田宗司
君 それで非公式にせよ何にせよ、
東独
に対して
招待
をしたいという
競技団体
はございますか。
青木半治
19
○
参考人
(
青木
半治君) 私の手元には、
重量挙協会
と、
クレー射撃協会
が
招待
の
手紙
を出したという案内を受け取っております。
岡田宗司
20
○
岡田宗司
君 その
クレー射撃協会
と
重量挙協会
の
招待
に対しまして、
向こう
からすでに
返事
が来ておりますか。
青木半治
21
○
参考人
(
青木
半治君)
重量挙
につきましては、去年の十月の二十二日に、
東独側
からぜひ
東独
のほうに
訪問
してほしい、そうしてまた
自分
のほうとしては、
プレ
・
オリンピック
に
参加
をしたいという申し出が参っているそうでございます。そうして本年の二月の三日に、
日本
の
重量挙協会
のほうから、
東独
に対して
自費参加
ならば、
五名程度
なら
招待
をしたいという
手紙
を出しております。それに対しまして、三月の二十日付で
東独側
から、
日本
の
訪問
は見合わせるという
返事
が参っております。追って三月の二十五日と五月の二十五日の二回にわたりまして、三月二十日付の
日本
の
訪問
を見合わせるということは、再度
日本
に参りたいという
手紙
が三月二十五日と五月二十五日の二回にわたりまして通知が参っております。以上が
重量挙協会
の
東独
との
関係
でございます。 なお、
クレー
につきましては、本年の四月十五日に
自費参加
であれば
招待
をしてもよろしいという
手紙
を
クレー射撃協会
は
東ドイツ
に出しております。それに対して五月二十四日付で、
東独側
としては五名の
スポーツ
マンに
参加
させるつもりであるという
手紙
が参っております。以上、
クレー射撃会
と重
選挙協会
の
東独
との
関係
を御
説明
いたしました。
岡田宗司
22
○
岡田宗司
君
水泳
につきましても、何か
向こう
からも
参加
したい、こちらからも呼びたいという意向があったのじゃないですか。
青木半治
23
○
参考人
(
青木
半治君) よく聞いておりません。
岡田宗司
24
○
岡田宗司
君 昨年
根上コーチ
が
東独
の
欧州大会
に
招待
されて行っておる。そういうようなことからして、
向こう
から十人の
申し込み
がある。しかも、その中には
オリンピック
で優勝した人も入っておるはずですから、そういう
選手
を
日本側
でも入れたいと思っておったけれ
ども
、
東独
の
選手
の施行問題がむずかしいようだから困るというようなことで、
立場
上たいへんおるという話も聞いておるのですが、そういうことだとやはりよくないと思うのでちょっとお伺いしたのですが、その
いきさつ
はどうなっておりますか。
青木半治
25
○
参考人
(
青木
半治君)
水泳連盟
の
いきさつ
は私は存じておりません。
岡田宗司
26
○
岡田宗司
君 こういうようにだんだん
一つ一つ
お聞きしていくというと、とにかく
招待状
を出す、
向こう
もきたいというのがございますが、
曽野
さんこれに対して
外務省
はどうお考えですか。
曽野明
27
○
政府委員
(
曽野明君
) 私のほうにはまだ
——
今初めて詳しいことを伺っただけで、何ら
入国
の御相談は受けておりません。ただ、
委員長
のお許しを得まして、せっかくの機会でございますので、ちょっと私の
考え方
を御
参考
までに申し上げてよろしゅうございますか。……実は、私
政治
と
スポーツ
というものは本質的に完全に切り離してやるべきだということで非常な
苦労
をいたしておるのでございますが、何しろ現在の
国際情勢
のもとにおきまして、
スポーツ
と
政治
の
関係
は非常に複雑なものでございまして、必ずしも
スポーツ
と
政治
が完全に切り離されていない現実もあるのでございます。そこで私は、
スポーツ
が
政治
的な
要素
を全然含まない純
スポーツ
として行われる限りは、
政治
はこれに絶対に干渉すべきではない。と同時に、
スポーツ自体
も
政治的影響
はおのずから排除して、あくまで
スポーツ
の
立場
を保っていただきたい。こういうふうにしていけば、初めて
政治
と
スポーツ
の
関係
はきれいに分離することができるという
信念
に仕事をやっておるわけでございます。その
一つ
の
苦労
しました成果としまして、ことしの二月に
軽井沢
におきまして行なわれました例の
スピード
・
スケート世界選手権大会
が、わが国と国交のございません
東独
、
北鮮
の
チーム
を入れまして、非常に円満に行なわれました事実がございます。この
大会
の
運営
につきまして、この
大会
の終わりました直後に、
軽井沢大会
での
国際永連代表
でありました
ラフトマン国際永連
副
会長
は、
大平外務大臣
に
手紙
を送りまして、現在の
世界
において、こういう
国際スポーツ
をやる場合にいろいろの問題があることをよく知っていたが、しかし、
日本
の
外務大臣
がこういうむずかしい問題をすべて最もうまく解決してくれた、この大きな度量に感謝する。それからまた、こういうふうな
政治
的問題を解決しようとした私、すなわち
ラフトマン
の努力に対しまして、すばらしい援助を与えてくれた
情文局長
にも感謝の意を伝えてもらいたい。それからまた、
大会
の
運営
を非常にうまく
組織
した
竹田会長
にも
自分
は感謝するという
手紙
をいただいておるわけでございます。
大会
の際において、非常にうまくいったのでございますが、途中で若干やはり
政治
が介入する動きがございました。たとえば私
たち
は、
スポーツ
と
政治
は完全に別である、切り離さなければいかぬという
見地
から、各国の
チーム
といいますけれ
ども
、これは結局
地域
の人々の
代表
である、国の
代表
ではないという
考え方
でやっていけば、きれいに
大会
は
運営
できる、こういうことで、たとえば
国旗
というものはやめていきたい、これは非常にいい効果があったのであります。それからまたその
地域
の
代表
という
意味
において、
政治
的なにおいのする正式の
国名
は使わないでおいていただく、これが非常によかったのであります。ところが
大会
の途中におきまして、あとで聞きますと、やはりどうしても正式の
国名
をアナウンスしてくれという
政治
的な要求があったのを、
理事者
がやっと断わって、混乱をしなかったというような
事態
もあったのであります。 したがいまして、私
ども
としましては、あくまでも純
スポーツ
の場合には、
外交
上の困難を乗り越えて強力に
選手権大会
その他の
運営
を援助していきたい、こう
信念
でもってやっております。今後もそういう
考え方
で私は処理していくつもりでございます。ただ現在、先ほ
ども
申し上げましたように、
国際
的にやはり
政治
と
スポーツ
が非常にまぜて考えられる
考え方
もあるのでございまして、たとえば、これは六月四日の
報知新聞
に出ておりますが、
インドネシア
の
マラデイ・スポーツ大臣
は、こういうことをおっしゃっておるようであります。「
スポーツ
に限らず、経済、
文化
を初め、この世には
政治
と切り離して考えられるものはない。もともと
スポーツ
と
政治
が別であるという
考え方
は、イギリス、
アメリカ
、フランスが全
世界
を支配していた時代に生まれ、その当時にしか適用しない。」ということで、
スポーツ
と
政治
は切り離せないということを言っております。あるいはまたマルクス主義の
見地
からいきますと、
政治
と
スポーツ
と分けることは不可能であると思います。したがいまして、そういうふうな
考え方
の国がある限りにおきましては、どうしても
スポーツ
に対する
政治
の
影響
が及んでいる場合がございます。たとえば、その問題で一番私
たち
が
苦労
いたしますのは、こういう席でございますから、ざっくばらんに申し上げますが、
分裂国家
であります。たとえば一方の国と
外交関係
を結び、片方には
外交関係
を結んでいない場合、出てくるのはそこに
国旗
という問題がある。
国旗
という問題が、これが非常に遺憾なことでありまするが、また
スポーツ
の
大会
ではそういうものは全部なくなってくれると非常にいいのでありますけれ
ども
、どうしてもそこに
国旗
というものが
政治的要素
を持って
スポーツ
に入ってくる場合がございます。たとえば一昨年の夏に横浜で行なわれました
世界レスリン久選手権大会
、これには
東独
の
選手
も
参加
いたしました。そのときに、初めから
国旗
は出さぬという約束がしてあるにもかかわらず、突然
入場式
のときに
東ドイツ
の
国旗
を持ち出した。それでは西ドイツの側からいえば決して喜ばしいことでない。そこで
外交
上非常に私
たち
迷惑いたしたのであります。そういうふうなことがございますので、私
たち
としましては、純粋に
政治的要素
のない
スポーツ
、
政治
ときれいに切り離していく、もし
スポーツ
が
政治
に利用されている場合には
政治面
だけ落としていただく、そうすれば完全に
運営
できるのであります。こういう
考え方
であります。その
スポーツ
に
政治的要素
が加わるシンボルが
国旗
でございます。したがいまして、
東独
の問題も実は大してこの
入国
問題はむずかしいことはないのでございまして、こういう席で議論することが
政治
と
スポーツ
の
関係
としてちょっとどうかと思うのでございますが、けさの
報知新聞
を拝見いたしますと
大島選手強化対策本部長
は、
プレ
・
オリンピック
にも
統一チーム
で来ないかと
ドイツ側
に聞いてもらったら、彼らはその
可能性
がある。まことにけっこうであります。これなら全然
政治
を
抜き
にして純砕な
スポーツ
として考えられる。こういうふうな
関係
でございまして、私といたしましては、
政治
と
スポーツ
が初めからきれいに分かれていれば全然
苦労
はございませんが、どうしてもある場合には
スポーツ
に
政治
が入ってくる、
政治
の入ってきた
スポーツ
と
政治
の
関係
は、もはや
スポーツ
と
政治
の
関係
でなく、
政治
と
政治
の
スポーツ
の
関係
でございます。したがいまして、
政治
を
抜き
にした、
スポーツ
、
政治
との
関係
はきちっと
抜き
にしていこう。そのために、ことしの二月にも
IOC
が
ローザンヌ
におきまして、
政治
と
スポーツ
における何か
憲章
を作ろうということをいたしておるのでございますが、なかなかそれはもめてできていないようでございますがその場合に
IOC
はの考えておりますのは、
オリンピック
、それから
世界
ないしは
地域
の
選手権大会
では、こういう点について
政府
は
入国
を拒否しないようにしてほしいというような
憲章
の作成に努力しているようでございます。私はここではっきり申し上げておきたいのでございますが、
日本
の
政府
といたしましては、そういう
オリンピック
あるいは
世界選手権大会
、こういうものにおきましては、今まで
外国選手
の
入国
を拒否したことはございません。たとえば
東独
の
選手
にいたしましても、三十一年の
卓球世界選手権大会
、それから三十六年の夏の
レスリング世界選手権大会
、ことしの二月の
世界スピード
・
スケート選手権大会
、みんな
東独
の
選手
も入っております。ことしの二月の
軽井沢
には
北鮮
の
チーム
も入っております。ただし、その場合に
政治的要素
の入る
国旗
は遠慮していただきたい、私はこういう
意味
におきまして、
政治
と
スポーツ
とはっきり区別するという
意味
におきましては、私は先生方と全然同感で、そのように大いに努力いたしております。したがいまして問題は、
東京国際スポーツ大会
の場合には、これが
オリンピック
と同じものなら、初めから
統一チーム
できてくれるものなら、しごくけっこうであります。したがいまして、私は
スポーツ
関係
者から
入国
の申請がまだ来ておりませんが、出ました場合には、
政治的要素
を除ける方式、これを考えて、それができるものなら、私は少なくとも
外務省
といたしましては、
入国
には問題ないように処理していくつもりでございます。ただこの点につきましては、私
たち
がいくらわいわい言いましてもだめでございまして、ひとつ
スポーツ
関係
者、あるいは先生方の御協力を得た上でなければできないのであります。私としましては、今後すべてのこういう
スポーツ
が完全に
政治的要素
を
抜き
にした
スポーツ
として、きちっと
政治
と区別して全
世界
に行なわれることによりまして、こういう問題に
政府
が
苦労
する必要がないような時代が早く来ることを
希望
しておる次第でございます。しかし、もしかりにあくまで
東独
の
選手
が
国旗
を持ってくるべきが当然だということになりますと、これは
スポーツ
の問題を離れまして、これはもっと
政治
的な私らよりも上の人々に
決定
していただかなければならない問題だ、こういうことになると思います。 まあ僭越でございますが、私が今大いに努力いたしております
政治
と
スポーツ
の
関係
につきまして、私の
考え方
を申し上げまして、御批判をいただきたいと同時に、御協力をお願いいたしたいと思います。
岡田宗司
28
○
岡田宗司
君
分裂国家
についてむずかしい問題があるということは、これはもう私
ども
も十分承知しています。しかし、従来の例から見ましても、
世界選手権大会
には
東独
にいたしましても、あるいは中国にいたしましても、
北鮮
も
入国
を許しておるわけであります。今回の
プレ
・
オリンピック
は、これは
オリンピック
、それからまた
世界選手権大会
と性質は違いますけれ
ども
、しかし来年の
オリンピック
を控えまして、こういう問題でトラブルが起こるということは、これはまことに遺憾なことであると私は思うのであります。もうすでにこの問題はいろいろと起こってしまっておる。それで私
ども
はこの
委員会
でも取り上げたので、この
委員会
で取り上げることを
政治
が介入したというようなことは言わないでいただきたいのですがね。とにかくあれだけ
新聞
に出て、そういうふうな問題が起こっておるから私はお伺いしたのです。それはそれとして、
東独
につきましては、前回、前々回の例もあるし、どうしても
国旗
を掲げなければならぬなんということを正面に出してそうして交渉してくることもなかろう、前々回の例、あるいは前回の例からして、すなおに
参加
を申し込んでくる、あるいはこちらからも
招待状
を出すということでございますから、私はそれは
分裂国家
については非常にいろいろむずかしい問題があることはよく承知しておりますが、特に
東独
と西独の
関係
はあの
ベルリン
に壁を作って以来、非常にむずかしくなっておることもよく承知をしておりますけれ
ども
、
IOC
においても、とにかくブランデージ
会長
自身が乗り出して、
ベルリン
へ行って連合軍の当局と交渉をしようというような際ですから、私はこの問題については
IOC
、また
外務省
に前向きに解決していただくように要望したいのです。いずれこの問題につきましては、
与謝野
さんがお帰りになりましてから、なおお伺いしたい問題がありますが、それは
IOC
がこういう場合にどういう態度をとったかということが議論された結果、あのブランデージ
会長
なんかを派遣することになったのかどうか、その
いきさつ
等について詳しい
報告
があれば、また
日本
の場合についても
東独選手
の
参加
——
特に優秀な
選手
もおるのでありますから、その
参加
を望めることになると思うので、
与謝野
さんが帰られましたら、ひとつこの点についてお伺いしたと思います。
藤田進
29
○藤田進君
電電公社
のほうへお伺いしたい。 今提供された資料を見ますと、新局
建設
に伴ってかなり設備を増強されるわけですね。これはそろばんをはじけばわかるけれ
ども
、合計東京都で幾らくらいふえるのですか。
西崎太郎
30
○
政府委員
(
西崎太郎
君) その
関係
につきましては、
電電公社
から担当の者が見えておりますから、そちらから
説明
さしていただきたいと思います。
藤田進
31
○藤田進君 だから
電電公社
へ質問している。
佐藤睦
32
○
説明員
(
佐藤
睦君) ちょっと今の御質問の趣旨が……。
藤田進
33
○藤田進君 今ここに新設される局、あるいは現局利用と分けてあるが、新設される局の設備数は幾ら端子がふえるのかという質問です。合計すると幾らか。
佐藤睦
34
○
説明員
(
佐藤
睦君) お答え申し上げます。 ただいまお手元に差し上げました資料の五の五ページに、
オリンピック東京大会
競技
場等
関連
電話局一覧表というものを掲げてございますが、私のほうの
オリンピック
通信
対策の
準備
といたしましては、大体
オリンピック
時に発生する需要がどのくらいであるかということをまず把握しなければならないのでありますが、先ほど
郵政省
のほうから御
説明
がありましたように、大きく分けまして、
大会運営用
とそれから
新聞
報道用
と一般公衆用と、このようになるわけでありますが、この需要予測につきましては、われわれは大体過去のローマ
大会
の例並びに従来
日本
で行なわれている国体の例などる
参考
にいたしまして需要予測をやりました。その結果、大体全部の需要が、回線数といたしましているところでは、約一万八千回線くらい需要が出るのではないか。これは需要種別といたしますと加入回線と専用回線、こういうふうに分けられるのでございますが、こういうような需要に基づいて、われわれとしては局建を計画し、また現局の設備と端子増設をやるということで考えてございます。したがいまして、ここに書いております設備の、たとえば国立
競技
場の利用電話局は青山ということになっておりますが、大体一万一千端子増というふうに書いてございます。それからそのあとに
関連
電話局の端子増の数字も書いてございますが、これは今言いましたような需要予測に基づいて一応これをやっておる。ただこれは、
オリンピック
のための
通信
需要ばかりではなく、現在公社が本年度から実施しております第三次五カ年計画との
関連
においてこれを計画しておるというふうに申し上げたほうがいいんじゃないかと思います。われわれといたしましては、先般当
委員会
において、昨年六月ですか御
報告
申し上げましたように、
オリンピック
関連
の
通信
需要につきましては、第二次五カ年計画並びに三次五カ年計画の
通信
設備というものを既定方針に沿って進捗さすと同時に、
オリンピック
関連
電話局の
通信
設備については繰り上げまして、需要に対処するというふうに考えておるというように申し上げたのでありますが、そうい
意味
においてこの表をごらんいただければけっこうだと存じます。したがいまして、この設備の合計数は、ちょっとまだここに集計しておりませんが、この中には
オリンピック
と
一般需要
充足との両方の設備が書いてあるというふうに御理解願いたいと思います。
藤田進
35
○藤田進君 いや、その数字は、今時間があれば、すぐにでもできると思うのですが、僕の聞きたいのは、第三次五カ年計画によれば、いつまでに幾ら端子増をするのだと、ところが、ここに
オリンピック
という特殊の需要がある。したがって、五カ年計画よりも幾ら設備の増設をするということになるのか、そうして将来五カ年計画よりもはみ出た、
オリンピック
のためにはみ出たものがあるとすれば、東京はどういう加入
希望
者と設備現有との
関係
の競争率というか、加入率というものがどういうものになるだろうか、これが
一つ
。 それから地方都市、あるいは農村を含めた地方局等においてもかなり
希望
申し込み
が多いですね。それらの割合等がどういうふうになる、だろうかということを知りたいのです。
佐藤睦
36
○
説明員
(
佐藤
睦君) まず第一点についてお答え申し上げます。現在
電信電話
公社におきましては、第三次五カ年計画、三十八年度から着手いたしたわけでございますが、加入数で申しますと、三次五カ年計画に五百万加入者増設をやるということになっておりまして、この
オリンピック
の
通信
需要につきましては、大部分が臨時需要でございます。したがいまして、あくまでそのワク内でもって措置するということに考えてございます。ただいま先生がおっしゃいましたように、そのワク外でもって措置するということでなく、あくまでワク内で措置するというふうに御了承願いたいと思います。 それから第二の加入者の充足の点でございますが、来年行なわれます
オリンピック東京大会
は、
競技
場がまあ東京を中心といたしまして、ここに書いてございますように、江の島、葉山、相模湖、所沢、朝霞というふうに書いてございますが、こういうふうに
電電公社
の管轄から申しまと、東京
通信
局、関東
通信
局、信越
通信
局というふうにまたがるわけでございますが、われわれといたしましては、加入者充足につきましては、既定の三次五カ年計画を
発表
したとおりに充足率を三次五カ年計画の終了年度四十二年度までに九三%くらい達成さすというふうに考えてございます。
藤田進
37
○藤田進君
オリンピック
を成功させなければならないというのが国民の気持だと思うんです。ただ、その反面に、
通信
施設のみならず、それぞれその他の予算が
オリンピック
のために相当食われて、地方においてはやはりしわ寄せを食うんだというまた声もあるわけなんです。それが今の
説明
でいくと、五百増設するという五カ年計画のワク内において東京並びにその周辺を臨時に増設すると。しかし、加入者がふえるかもしれないが、設備自身は、各地の
建設
工事を見ても臨時じゃない、恒久的なものを作っておられる。そうなると、五百万のワクというものがこのために相当食われることになるので、したがって、地方においてはそれだけ五カ年計画の小さいものを受け取ることになる。それで地方は非常に加入できないということで各地とも停滞をして、なかなか何年待っても加入できないということが、五カ年計画にもかかわらず出てくるという点を私は何とかできないものだろうか。これは仕方がないですか。
佐藤睦
38
○
説明員
(
佐藤
睦君) ただいまの点につきましては、予算的に申し上げますと、
オリンピック
関係
の計画といたしまして、電話局の局建を繰り上げましたのは、第二藤沢、青山電話局、それから青山に設置する予定のTRC、すなわち
テレビ
中継センターなどがございますが、これが十九億でございます。そのほかに
オリンピック東京大会
の
関連
道路の整備拡充に
関連
した線路工事というのが七十六億で、合計九十五億というのが
オリンピック
の直接
関連
の工事費と申せば申せるのでありますが、現在公社といたしまして、すでに
発表
いたしました五百万増設で、予算的には約一兆七千九百億の範囲内でもってやろうというふうに考えてございますが、最近の実態は、
オリンピック
関連
道路の整備拡充に
関連
した線路工事費が非常に多額に上っておる。ことに、線路工事などの支障移転工事をやらなければなりませんので、非常に工事費が多額に上っておるという点で、それに対する予算措置をどうしようかという点については公社としてもいろいろ
苦労
しております。この点については、今後国会方面の皆様方のいろいろ御協力を得なければならないと思いますが、われわれといたしましては、そういうような問題につきましては、新技術の採用とか、設計の経済化とか合理化ということによって、何とか現在の計画の資金のワク内で措置できるものはしたいというように現段階では考えております。
藤田進
39
○藤田進君 だから、結論的には、四十二年完成予定の五カ年計画のワク内で
オリンピック
も臨時を含めて増設をするということになれば、結局
オリンピック
に直接
関係
のない地方
地域
においては、
オリンピック
がなかりせば、それだけもっと設備が増強されるんだが、その分だけは東京周辺に食われると、そういう結果になるんですか。なるんでしょう。
佐藤睦
40
○
説明員
(
佐藤
睦君) 食われればですね。
藤田進
41
○藤田進君 いや、今の
説明
でいきますと、五百万増設が五カ年計画でしょう。そのうち
オリンピック
のために臨時等を含めて、今ここの表に出ておるようにかなり大きな、来年の四月までに完成をするということになれば、それは別の予算なり計画を持たれて、従来の五カ年計画というのは
オリンピック
よりは別途に計画されるというのであれば、地方においてはさしてしわ寄せを食ったという感じは受けないし、事実そうなんですがね、その点がどうなのか。今の
説明
では、結局
オリンピック
関係
ということで相当量食うから、新設されるのですから、これは臨時といっても、設備そのものは恒久的設備にされております。電話局等の今
建設
を見ても。そうなると、それだけの予算というものが地方に増設すべきものを食い取ることになるという
説明
のように思う。それでは地方はますます困るので、そうでないような予算措置なり計画はできないものか。
佐藤睦
42
○
説明員
(
佐藤
睦君) ただいま御
説明
申し上げましたように、大体
オリンピック
需要の
通信
設備については、二次五カ年計画の遂行と、三次五カ年計画の一部を繰り上げてやることによって対処すると申し上げました。今の段階ではそういうような方針で対処しておりますので、
オリンピック
のために、たとえば地方の電話需要の充足が圧迫されるとか、おくれるというふうには現段階では考えておりません。
藤田進
43
○藤田進君 でも数字的にそうなりませんか。五百万台というのが五カ年計画なんでしょう、これに伴う予算。しかし、
オリンピック
がないということになれば、臨時の急激に増加する需要というものはまあないと見ていい。
オリンピック
のないという形の伸びしかない。しかし、
オリンピック
ということで、かなり、ここに書いてあるような新局
建設
を必要とするわけです。これは五カ年計画を繰り上げてやるのではあるけれ
ども
、五カ年計画の中に食い込んでいくわけです。繰り上げてね。そうすると、
オリンピック
というものは、かなりここでもわかるように大きな需要を予想されておるわけだ。したがって、それだけは
オリンピック
が終われば、臨時のものは一応局のほうへ返還されることになるんでしょう。あるいは、そのまま恒久的に切りかえるのも中にはあるでしょう。しかし、全体として五百万というものがきまって五カ年計画になっているのだから、それだけ地方に配分すべき計画というものを少しずつ削ってしわ寄せをして東京に持ってくる、こうなりませんか。
佐藤睦
44
○
説明員
(
佐藤
睦君) それでは具体的にお答え申し上げますが、たとえば本年度大体電話増設は七十万ということに予定しております。東京
通信
局、東京都内で申し上げますと、大体十五万くらいを増設するということに考えております。そうして、この表をごらんになってもおわかりのように、
オリンピック
用
関連
収容電話局というのが東京都内の電話局にだいぶ書いてございますが、大体
オリンピック
の臨時
通信
需要に対処しますれば、そのあとは
一般需要
に振り向けるわけでありますし、あくまで、今言いました十五万もあれば、そのワク内で対処できる数字でございますから、その点は、そう地方の局建とか、
関連
の施設を圧迫をするということがなくできると考えております。
藤田進
45
○藤田進君 用意がなければ困難でしょうが、地方の加入可能な率ですね。かりに電話一に対して加入
申し込み
が五十のところもあるし、百のところもある。大体計算としては全国的に、重要度等もありましょうけれ
ども
、数字の上では一台に対して十なり二十なりという数字が出れば、どこの
地域
も大体そういう競争率というのが望ましいのではないか、
政治
としては。しかし・東京の場合はかなり緩和されてくる。
オリンピック
のいい
影響
を東京都内で受けて、臨時が今度常設できるわけです。ところが、その反面、かなり前から加入
申し込み
していてもなかなか架設してもらえないという大きな格差がつきはしませんかね。これで。
佐藤睦
46
○
説明員
(
佐藤
睦君) その点につきましては、全国の三十七年度末の加入者充足率、ここにデータを持っておりませんが、その平均充足率に対しまして、東京は非常に
通信
需要が熾烈と申しますか、積滞が多いという点で、東京を今申し上げましたように、局建をやり設備をふやすことによって、地方との不均衡を来たすということはないと思います。
藤田進
47
○藤田進君 これはデータをまたもらって検討さしてもらいます。
岡田宗司
48
○
岡田宗司
君 電波管理
局長
にお伺いをいたしますが、
テルスター
による
テレビ
国際
放送
、どうも先ほどのお話ですと、あまり見込みがないようなことですが、この資料によりますと、「中継
実験
実現のためには、リレー2号をふくむ新たな
衛星
が打ち上げられねばならない。わが国としては、東京
オリンピック
の
国際
テレビ
中継
実験
を短時間でも実施したいと考えており、かねてより米国NASAに対し、これが可能となるような
軌道
と機能をもつ
衛星
の打ち上げを強く要望してきたところであり、今後も機会あるごとにこの
希望
を伝え、実現するよう努力してゆくつもりである。」こういうふうに書かれておりますが、実際にNASAとの交渉についてどの程度まで行なわれておるか、また、見込みについてはどういうふうにお考えになっておるか、これをもう一度お伺いしたい。
西崎太郎
49
○
政府委員
(
西崎太郎
君) 御承知のように、先ほど申し上げましたの
通信衛星
の
実験協定
というものができまして、その結果、
日本
も西欧の諸国と一緒に地上
委員会
というものに加入いたすようになりまして、実は先般もその
委員会
が南米で行なわれまして、実はその際、余談ですが、実際に
衛星通信
によって南米と東京と電話
通信
をやった、こういうこともあったわけでありますが、そういったいわゆるNASAとの打ち合わせの機会が年に何回かあるわけでございます。そういうときに
日本
の要望も強く反映いたすとか、あるいはまた、こちらから先方に係官が行った場合、できるだけの機会を利用しまして、先方にこちらの意のあるところは通じてあるわけであります。何分にも御承知のように、
通信衛星
を打ち上げるというのは、
アメリカ
としましても相当予算的な措置を必要とするわけであります。それとの
関連
で現在のところ、はっきり責任のある回答は得てないわけであります。先ほど申し上げましたように、われわれのほうとしまして、そういった機会をできるだけ利用しまして、何とか実現するようにしたい、こういうふうに考えております。
岡田宗司
50
○
岡田宗司
君
アメリカ
の六三、六四年度の予算ですね、これでNASAの予算もずっとふえていますが、この中には、やはり
テルスター
等の打ち上げに対する予算も、六二、六三年の予算よりもふえておりますか。その点は御研究になっておりますか。
西崎太郎
51
○
政府委員
(
西崎太郎
君) 実は今はっきりした資料を持ち合わせておりませんので、もしお許しいただければ、あとで資料ででも提出させていただきたいと思いますが、当然この
通信衛星
用の予算はふえておると思います。まあ非常に専門的で恐縮ですが、たとえば今飛んでおりますリレー
衛星
というのがございますが、それの第二号というのもこの年内には打ち上げられる。あるいはま
たち
ょっとこれは方式は違いますけれ
ども
、静止
衛星
と申しまして、地球を同じ速度で飛ぶために、事実上相対的には静止していると、こういった
衛星
の打ち上げも計画されておるわけでありますが、先生の今お尋ねの予算的な問題につきましては、あとで資料としてお答えさしていただきたいと思います。
岡田宗司
52
○
岡田宗司
君 この問題はあなた方ですね、今こちら側の
郵政省
関係
あるいはNHK
関係
等、この方々とNASAとの直接な折衝で行なわれているようですが、
オリンピック
の問題はやり何といっても国家的の問題ですから、これは
外交
交渉で
アメリカ
側と何か話し合いをすると、
外務省
のほうで
アメリカ
側を通じて話をするというようなことは行なわれておらないのですか。
西崎太郎
53
○
政府委員
(
西崎太郎
君) まだ正式に
外交
ルートで申し入れをしておるということはないわけであります。場合によりましては、そういう点もひとつ考えさしていただきたいと思います。
岡田宗司
54
○
岡田宗司
君 これはやはり急ぐということ、特に実現を確実にするという点については、やはり
外務省
を通じての交渉ということが私は必要じゃないかと思うのです。そういう点で十分御一考を願って、そして
アメリカ
側も予算をふやしておることと思うので、したがって、早く実現のできるように一そうの御努力を願いたい、こういうふうに考えます。 それからNHKの方にお伺いしたいのですが、この
国際
放送
についての
準備
ですね。場合によれば
実験
は可能であるし、それからさらに、もし
アメリカ
側でもって来年度の予算が十分組まれておって、そして来年の十、十一月の候に適当な
通信衛星
が飛ぶというようなことになっておれば、実際可能なことになるわけですが、それに対するNHK側のほうの技術的
準備
というものはもうできておるのでしょうか。
三熊文雄
55
○
参考人
(三
熊文雄
君) ただいまの御質問にお答えいたします。
通信衛星
につきましては、先ほど
西崎
局長
からお話のありましたとおり、
郵政省
、それから電信童話公社、
国際
電信電話
、NHKと、この四者が
実験
協議会というものを作りまして、おのおの分担をきめてあります。それでNHKの分担になっていますのは、この
衛星
を利用する場合の
放送
関係
、これを受け持てということになっていまして、それにつきましては、今のお話のとおり着々と研究を進めています。 現在おも立ったものを申し上げますと、それに必要な送信機の研究、受信機の研究、それから同時にそういう
衛星
を使います場合には、現在の
テレビ
ジョンの信号の幅をできるだけ少なくしていくということが
通信
上非常にいいという点がありますので、いわゆる帯域を圧縮する方法、これらにつきまして現在研究を着々進めていまして、今のお話のとおり、われわれの見通しからいいますと、いつ何どき
通信衛星
が上がりましても、十分にそれにこたえるだけの技術的な自信を持って進めておるという現状でございます。
岡田宗司
56
○
岡田宗司
君 それから、たとえば
オリンピック
のときに、
通信衛星
でどこへでも全部送られる、結局
テレビ
用のフイルムで撮って、それを
外国
へ航空機か何かで送るという方法がとられるわけですけれ
ども
、それらについてすでに研究はできておると思うのですけれ
ども
、たとえば
アメリカ
へ送って、それが
放送
されるまでにどれぐらいの時間がかかるか。ヨーロッパへ、特にまあロンドンとかあるいはパリとか、
ベルリン
とかボンとかというようなところへ送られて、どれぐらいの時間がたてば
向こう
で
放送
可能なのか、その所要時間をお教え願いたい。
三熊文雄
57
○
参考人
(三
熊文雄
君) 現在いろいろななま中継に対します方法を考えておるのですが、なかなかそれができないという点で、もし今のお話のとおり飛行便で送るということを考えますと、
一つ
には航空機のジェット機を使うという点で、御承知のとおり
アメリカ
まで、現在のままでいきますと、あれでどれぐらいですか、十何時間程度で行くと、ただ問題はその方式が、
アメリカ
と
日本
の方式は一緒で、
向こう
の局へ送りますと、すぐさま全国中継ができるわけですが、ヨーロッパにおきましては方式が違うわけです。したがって、
日本
で撮りましたそういうフィルムはいいのですが、いわゆる録画した、VTRというほうになりますと、方式変換をしなきゃいかぬ、それに時間がかかるというので、あとは航空機だけの問題と思います。その方式変換だけは大体一時間以内くらいでできると思います。あとはジェット機の早さだけでいいと思います。はなはだ申しわけないのですが、その時間的なあれはちょっと私よく……。
岡田宗司
58
○
岡田宗司
君 ヨーロッパの場合は、各国と契約してやるんですか。それともユーロビジョンでやることになるのですか。
岡本正一
59
○
参考人
(
岡本
正一
君) ヨーロッパと申しましても、西ヨーロッパ側のことを申し上げますが、西ヨーロッパの各
放送
局の連合体でございますのは、EBU、ヨーロッパ
放送
連盟、現在われわれが
組織
委員会
から委託を受けまして予備交渉を行なっております相手は、このEBUでございます。このEBUは大体
テレビ
ジョン
関係
で十七カ国からなっておりますが、先ほど三熊
参考人
から申し上げましたように、方式がイギリスあるいはフランスあるいはドイツ、イタリーというふうに全部異なっております。したがって、まだEBUの技術
委員会
ではその
放送
方法について最終的な結論を出しておりませんけれ
ども
、かりに想定で申し上げれば、東京から北回りの飛行機でコペンハーゲンに空輸いたしまして、コペンハーゲンにおいて
放送
を出しますと、それが方式が変換されておりますれば、西ヨーロッパ十七カ国に同時に
放送
されるということになります。したがって、現在ヨーロッパ
放送
連盟の幹部の
考え方
では、飛行機の進歩等もにらみ合わせて、東京から十時間たてばコペンハーゲンから送信ができるのではないかというふうに申しております。
岡田宗司
60
○
岡田宗司
君 東欧諸国のほうはどういうふうになりますか。
岡本正一
61
○
参考人
(
岡本
正一
君) ソ連並びに主として東ヨーロッパの諸国の
放送
連合体は、OIRTという略称で呼ばれております。で、昨年末パリでわれわれ
関係
者とOIRTの幹部と第一回の会合を開きまして、
放送
権契約の下交渉を行なっております。その後は文書の交換で交渉を行なっておりますが、ほかの国は大体予備交渉を完了しておりますが、OIRTとは予備交渉が完了というところまで参っておりません。近くできるだけ早く
向こう
の要望を聞いて早く契約の交渉に入りたいと思います。
加賀山之雄
62
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ほかに御
質疑
がおありの方はございませんか。
——
別に御発言もないようでございますから、本件についての
質疑
は本日はこの程度にいたします。
参考人
各位にお礼を申し上げます。本日は御多用のところを御
出席
いただきまして、まことにありがとうございました。本
委員会
を
代表
いたしまして厚くお礼を申し上げます。今後とも一段の御協力をお願い申し上げる次第でございます。 それでは、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会