○
田中(織)
分科員 その点については、
韓国には
日本の
外務省の出先機関もない。これ自体も、
韓国側の
態度もそうでありますけれ
ども、
日本の
外務省の従来とってきた軟弱
外交というか、
韓国側には占領中から代表部というものを認めながら、双務的に設けられるべき
在外公館を
日本が現在においても持っておらない。こういうところから
外務省自体も、目まぐるしく変転するところの
韓国の
政情について
情報もキャッチできないから、いわば一喜一憂しているというような
状況の中で
外務大臣が今お述べになったことについては確信を持てるものであるかどうかということについて、私
どもも実は信用するわけには参らないのであります。しかしこの問題は、私
どもの見るところでは、根底はやはりきわめて不安な状態である。
情報部長をやめた
金鍾泌氏の共和党でありますか、結党
委員長への就任の問題は、一たん辞意を表明されたものが撤回され、確かに形は満場一致だということですけれ
ども、拳銃の脅威のもとに開かれたその創立発起人会といいますか、そこでだれが生命の危険を冒して反対するかという
韓国の内部
情勢が、私
どもの聞いているような
状況であるといたしまするならば、現実にはきわめてこんとんとした、それに経済問題がからんだ形で深刻なものがあるという
情勢の中に、私
どもが懸念するような
民政移管がさらに先へ追いやられるというような
事態が起こらないとも私は断定できないと思うのです。しかしこの点は見解の相違ということに現段階においてはなるかもしれません。また私
どもの
見方の上に立って
会談を継続するかどうかということについてのことは、
仮定の
議論ということになりまするから、私はこれ以上この点については追及いたしません。
そこで、現在の
日韓交渉の
内容について、時間が制限されておりまするので、十分私の問いただしたいことを尽くせるかどうかと思いまするけれ
ども、伺いたいと思う。
私は一昨年の予算総会におきまして、
野党の予算
委員会における代表
質問の第一陣を承りまして、この問題には当時の
外務大臣でありました
小坂善太郎君、
池田総理との間に相当時間をかけて実は
質問をいたしておるのであります。その後昨年の臨時国会における黒田
委員の
質問、あるいは過般の横路節雄
委員の
質問、また昨日の外務
委員会における
質問等を伺いまして、実は
政府の非常に大きな変わり方に私はきわめて驚きを持つと同時に不満を持っておるものでございます。そこで端的にお伺いをいたしまするけれ
ども、現在の
日韓交渉というものは、平和条約第四条における請求権の問題を中心にして行なわれておると思うのでありますけれ
ども、今申し上げたような昨年の臨時国会あるいは今国会の予算
委員会、外務
委員会におきましての
外務大臣の答弁等を通じて伺いますと、もう平和条約第四条の問題を離れた形で
交渉が継続されているように受け取れるのであります。念のために伺うのですが、現在の
日韓交渉というものは、平和条約第四条に基づいて行なわれているのかどうかという点を、まずお伺いをいたしたい。