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1963-03-14 第43回国会 衆議院 文教委員会農林水産委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月十四日(木曜日)     午後一時四十一分開議  出席委員  文教委員会    委員長 床次 徳二君    理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君    理事 竹下  登君 理事 長谷川 峻君    理事 八木 徹雄君 理事 小林 信一君    理事 村山 喜一君 理事 山中 吾郎君       宇野 宗佑君    浦野 幸男君       岡田 修一君    田川 誠一君       濱野 清吾君    藤井 勝志君       松永  東君    松山千惠子君       三木 喜夫君  農林水産委員会    委員長 長谷川四郎君    理事 小山 長規君 理事 田口長治郎君    理事 丹羽 兵助君 理事 足鹿  覺君    理事 片島  港君 理事 東海林 稔君       安倍晋太郎君    大野 市郎君       仮谷 忠男君    谷垣 專一君       米山 恒治君    稻村 隆一君       角屋堅次郎君    栗林 三郎君       芳賀  貢君    安井 吉典君       湯山  勇君    玉置 一徳君  出席国務大臣         文 部 大 臣 荒木萬壽夫君  出席政府委員         文部政務次官  田中 啓一君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         厚 生 技 官         (環境衛生局         長)      五十嵐義明君         農林政務次官  津島 文治君         農林事務官         (畜産局長)  村田 豐三君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   谷川 寛三君         文部事務官         (体育局学校給         食課長)    臼井 亨一君         専  門  員 丸山  稲君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本学校給食会法の一部を改正する法律案(内  閣提出第六〇号)      ————◇—————   〔床次文教委員長委員長席に着く〕
  2. 床次徳二

    床次委員長 これより文教委員会農林水産委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  日本学校給食会法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————
  3. 床次徳二

    床次委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。長谷川峻君。
  4. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 きょうは農林水産の方から提唱がありまして、連合審査、しかも学校給食についてされるのでありますが、本日の趣旨は大体私の了承するところでは、文部省が三十八年度予算学校給食費脱脂ミルク四十億の予算が新しく計上されております。これに対して国産牛乳を使ったらどうか、こういう議論が多いので、それを中心にして行なわれるやに了承するのでありますが、それの前提について私は質疑を若干行ないたいと思います。  一つは、最近学校教育の充実を見ておりますときに、私たちが一番問題にしなければならぬものは、子供体位だろうと思います。従来は農漁山村子供体位がよかったが、最近は都会並びに俸給生活者子供体位が非常に伸びてきておる。所得格差の是正ということが、いろいろな面で行なわれますが、私はそれを学校給食の面で行なうことが、文教政策の大きな施策一つであろう、こう思っております。そして学校給食法が二十九年に制定されて以来今日まで、小学校においては五六・二%、中学校においては一八%、ここまで学校給食が伸びておりますが、これをさらに充実させる一つ施策として、今度のが行なわれた。この際に私が特に大臣にお尋ねしたいことは、今度の予算のときに、文部省からこの四十億という予算大蔵省に提案し、概算要求されておったかどうか、これをまずお伺いしたいと思います。
  5. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 お答え申し上げます。脱脂ミルクを使いまして、小中学校全員給食実施をするという形は、当初概算要求にはございませんでしたが、与党政務調査会方面からの御要望もあり、それに啓蒙されまして追加概算要求をいたしまして、その結果、大蔵省との予算折衝が最後に至りまして妥結を見まして、要求を正式に予算案の中に繰り込んで、御審議願うといういきさつでございます。
  6. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 千八百万の児童生徒脱脂ミルクを飲ませることによって体位向上、すなわちこれは与党並びに関係者の非常な尽力のたまものであったというふうに大臣の御言明、私も了承いたします。  そこで一つ国産牛乳を使うという場合に、問題が世論の中に出ておることに対して、考えなければならぬことは、きのう全国酪農決起大会に私も時間を盗んで行ったのですが、そのとき大ぜい集まった酪農農民を前にして、大方の議論は、自由民主党・政府が四十億円アメリカ脱脂ミルクを買う、そのことによって日本の乳価を引き下げもするし、仕事を圧迫するものである、であるからこれはけしからぬ、アメリカ余剰農産物であり、ダンピング品であり、その異常な低価格は、わが国一カ年間の牛乳生産量の半ばに達するものであるというふうなことから話が出ておりますので、私がここで確認したいことは、議論前提として四十億円というものが、当然考えられなかったことが、お互いの努力によって、日本小中学校子供体位をよくしようという、文教政策の熱意の現われとして生まれたものである、それがまず第一前提です。それがダンピング品物を買うとか、そういうことではなくて、従来使っておったところのアメリカ脱脂粉乳というものを目標にしたのではないけれども、とにかく全国生徒に飲ませて体位を上げようという、その根本原則が四十億円の脱脂粉乳になって現われた。そこでそのことをよくわかった上で国産牛乳の問題に入らないと、話がおかしくなる。そういう原則をおわかりいただいた上で、今から先のいろいろな議論前提が確立されないと、今から先、協力なりあるいは盛り上げというものが生まれてこないのではないかということを、まずここで私ははっきり申し上げたいと思うのであります。  そこで今度は事務的な話になりますが、四十億円のうち、それならば脱脂ミルクを買う金は幾らか、あるいはまた設備費として回すものが一体幾らになっているでしょう。
  7. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 お尋ねの数字の点は、政府委員からお答え申し上げます。  先ほど冒頭におっしゃいましたことは、お答えを必要としないかとは思いますが、もちろんお説のように学校給食というものが、そもそもは戦後の食糧不足から、占領軍のおりますときにスタートしましたことは、申し上げるまでもなく御承知のところであります。それは発育盛り子供たちを、食うや食わずの状態に置いて、弁当を持っていこうにも持っていけないという状態のもとに、学業は放擲するわけに参らない、そこでどうするかという問題に直面したときに、食糧不足緩和の手段として始まったわけであります。スタートはそうでございましたけれども、だんだん実施するに従って、長谷川さんもおっしゃったように、児童生徒体位が全面的に向上する、その有力な原因になっておることが確認されまして、角度を変えて、食糧不足応急措置ではなしに、児童生徒学校における給食制度を前向きに整備して参りたいという課題として、数年来取り上げられて今日に参っておるわけでありますが、昨年学校給食をいかにしたらよろしいかという課題を問題といたしまして、学校給食に関する調査審議のための委員会ができまして、答申が出されておりますことは、国会方面の皆さんも御承知いただいておることでございます。その答申の線は、完全給食を目ざして、年次計画を持って着々と前推していくべしという内容でございます。給食内容ミルク給食パン食建前ではございますが、山間僻地等、むしろ米食を便宜とするところは、あえてそれを粉食に転換するということも実情に合うまいということから、そのことも認められる内容であることも、御案内のごとくであります。そういう線から、年々歳々完成に向かっての足取りをたどる中で、先刻お答え申し上げましたように、三十八年度としては、できることならば完全給食を一刻も早く実現したいという意図の中にありまして、四十億円の予算が成立し、その中身脱脂粉乳をもってミルク給食に充てるということにたどりついたわけであります。従いまして、もちろん国産牛乳ないしは国産脱脂粉乳を使うというふうになりますことが、学校給食立場からいたしましても望ましいことと考えますが、しかしその条件が整備されてない。されてないから条件整備まで待つかといえば、そういう問題ではない。学校給食はそれ自体として、可能なる限り一刻も早く完成に向かっての努力をすることが、国の立場におきましてもなすべきことと考えられる。他面また国産牛乳ないしは脱脂粉乳生産ということは、農業政策立場において考えられるべき課題であることも当然であります。私ども考えとしましては、予算委員会でいつか同じようなことをお答えしたのでございますが、それをもう一ぺん繰り返させていただきますならば、もちろんアメリカ脱脂粉乳でなければならないということはございません。量的に確保されて、安定して供給される、しかもカロリーは期待のごときものがある、値段父兄負担をなるべく少なくするというのが、どうしても尊重されねばならぬ一つ課題である以上は、価格の点におきましても、低廉であることを要求されるのは当然であります。それだけの条件が満足される限り、なろうことならば国産のものでありたい。しかしその条件が今は満足できないとなれば、輸入してでも学校給食を前進せしめたいという、その要請にこたえる意味において、たまたま要保護児童、準要保護児童には、輸入脱脂粉乳も使いまして今日まで実施しております。その前例にならって分量を拡大するということが、たまたまアメリカ脱脂粉乳になったわけであります。従いまして、国内のなま牛乳ないしは国内脱脂粉乳生産量も増大され、学校給食に対する供給も、年間を通じて季節的変動なしに確保され、値段父兄負担を増大せしめないということが確保されまする限りは、輸入脱脂粉乳輸入量国内条件の整うに従って漸減していって、行く行くは全部国内産の原料に依存するということに持っていくことが、総合的に見まして当然のコースでなければならぬ。さような考えも念頭に置きまして、アメリカ脱脂粉乳を拡大輸入いたしまして、児童生徒に対し、体位向上を目ざしての給食の前進をはかりたい、かようなことでございます。  数字的に申し上げるべきことを申し上げませんけれども冒頭に申し上げました通り政府委員からお答え申し上げます。
  8. 前田充明

    前田(充)政府委員 数字の点を申し上げます。いわゆる四十億予算と申します中身は、脱脂粉乳の経費が三十四億一千四百八十八万円、内容は八万五千三百七十二トンの脱脂ミルク、それからミルク設備費補助といたしまして五億八千二百五十四万円、一校当たり八万七千六百円と積算いたしております。なお事務費が二百五十八万円で、合計四十億円かっきりでございます。  なお、来年度の補助いたします対象の数でありますが、小学校が一千四十八万九千人、中学校が六百九十七万人でありまして、合計一千七百四十六万人、その中で完全給食をすでに従来から実施してミルクを飲んでおる者、給食を受けておる者の数が八百八十一万人、なお来年度から新しくやる者が八百六十五万人でありますので、おおむね半々、そういうような状況でございます。
  9. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 その場合に問題になりますのは、やはり父兄負担の問題だと思います。ミルクの場合に、小学校は三十七年度に一週五回飲ませて、アメリカ脱脂ミルク一回が一円六十二銭、三十八年度の場合は、三十四億円の国庫補助がついた関係から、一回の父兄負担が六十一銭ということになり、中学校の場合は八十二銭、こういう数字が出ておるのであります。大臣の御答弁の中に、私は同感するものを感ずるのですが、アメリカは何をやるにしてもバイアメリカン、わが国自由化々々々とはいいながら、自由化というものは、よその国のものを無制限に買うことが自由化ではありませんので、私は日本でできるものはバイジャパニーズ、こういうふうにいくべきだと思います。  そこで、大臣の御答弁の中に、できることならば国産にしていきたい、しかしながらその場合の父兄負担が、この脱脂ミルクと比較した場合に非常に大きくなるのではなかろうかというお話がありましたが、三十八年度で一回の脱脂ミルクを六十一銭で小学校生徒は飲み、中学校は八十二銭で飲めるときに、国産の場合には一体幾らになるか、これは議論の根本的な問題だと思いますから、一つ説明を願いたいと思います。
  10. 前田充明

    前田(充)政府委員 グラムを合に直すのは非常にむずかしい問題がございますので、全般的に一キロ当たりの割合で申し上げたいと思います。私どもアメリカから買っております脱脂粉乳価格でございますが、各県まで渡りますときの値段を標準といたしますと、アメリカから買うのが一キロ当たり五十六円七十銭であります。それから国内産粉乳を各県まで持っていきますと、おおむね一キロ当たり二百六十円になっております。それから国内産のなま牛乳——これはなま牛乳でありますから、粉乳の一キロに直しますと、一応一キロを三升八合と計算いたしたのでありますが、一キロ当たり酪農業者学校に渡します価格は三百八円、農林省の御見解をいろいろ伺って、そういう調査になっております。
  11. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 ただいまの数字を確認いたしますと、アメリカ脱脂ミルクが五十六円七十銭、国内脱脂ミルクとすれば二百六十円、なま牛乳の場合は三百八円、こういうことを確認するのですが、これから割り出しまして、国庫補助あるいは父兄負担を軽減させるという問題になってくるかと思いますので、私はこの数字だけを確認いたしまして、これら国内のなま牛乳国内脱脂ミルクを使う場合、アメリカのものと比較した場合に、どう政治的に、文教大臣として、さらにまた日本全体の国務大臣として、これらのものを将来バイジャパニーズに持っていく場合の大きなお考え方を、大臣が胸の中に入れていただくことを要望いたします。  さらにこの際に事務的な問題を一つ二つ御質問申し上げますが、こうした大事な子供体位向上をやっております学校給食会、この場合に県の給食会が大きな仕事をしておると思います。ことしは学校安全会事務職員子供たちの金を食わないように、国庫補助計画しているわけでありますが、だんだん話を伺っておりますと、県の給食会事務費というものは、国の方から全然金が出ておらない。結局こういうミルクの代金を、事務職員の給与その他に充てているという話を聞きますが、いかがなものですか、御説明をお願いしたいと思います。
  12. 前田充明

    前田(充)政府委員 それぞれの県に学校給食会というものがございまして、文部大臣が指定をいたしておるのでございますが、その事務費は、現在のところ全額、各子供からお金を集める場合に、事務費としていただいております。
  13. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 いただいているということは、子供が出した金を食っているということですか。
  14. 前田充明

    前田(充)政府委員 子供から集めておるわけでございますから、子供が出しておるわけでございます。金額について一応申し上げたいと思うのでございますが、府県学校給食会というものの事務費は、文部省限度額というものをきめておるわけでございますが、大体その限度額をとっておりまして、北海道以下四十六府県限度額で総計いたしますと、二億四千七百五万円に相なっております。
  15. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 大臣がいなくなったから、政務次官にお尋ねいたします。  今政務次官お聞きのように、四十億も金を取って、全国小中学校生徒全部に脱脂ミルクを飲ませて、体位向上をしようとするときに、子供たちが出した金を、都道府県給食会事務費に充てている。これはまさに子供ミルク代の一部をかすめとって食うところの、非常に非教育的な話だと思うのです。学校安全会その他も、文部省要求しまして、ことしから金を出すようになったのですから、政治的な立場において政務次官一つ将来の決意のほどをお聞かせいただきたいと思うのです。
  16. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 まことに仰せ通りでございまして、本年は日本学校給食会の方までは相当国補助が参りましたが、ついに府県給食会にまで及ばなかったということは、まことに遺憾に存じております。一つ大いに力を入れて、この点は仰せ児童負担にならないような措置を講じたいと存じます。
  17. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 学校給食会の話が出ましたが、そこでもう一つお伺いしますことは、これだけの、三十四億円のアメリカからの脱脂ミルクが入るのですね。しかもこれを当て込んで六億円の設備費をかけて、六月までになべかま全国にまだやってないところに配給して準備をさせて、全国一斉にというとおかしいが、とにかくことしじゅうにやってないところは発足するのですね。非常な量なんですね。ですからその量が、今度はその次の問題として、確実に計画にあるように入るかどうかということ、しかも国費を使って子供体位を向上させようと言うて、大臣も認識されたように、文部省が出してなかった予算であるけれども、これは非常な関係者努力によってできたのだ。そういう期待感の中にやられるこの予算、この脱脂ミルクが、計画通りいくかいかぬかということが、大きな問題だと思います。これが一つ。  もう一つは、時に話を聞きますと、横浜にアメリカから船が入って、その粉ミルクをおろす場合に、あるときには雨に、あるときには水にかかって、品物が悪くなることがある。そうしますとこれを学校に流さないで、ほかの方に転用する、廃品をどこかに転用する。そのことによって、本部の学校給食会の財政が豊かにさえもなっているのじゃなかろうかという疑問がある。かつて文教委員会においてもこれは言われたことがありますが、こうした事実があるかないかと、前の計画の問題、二つ一つ承りたいと思います。
  18. 前田充明

    前田(充)政府委員 最初の問題の輸入できるかどうかということでございますが、この点につきましては、私ども予算決定直前のときにアメリカ電報を打ちまして、約十万トンまでは買えるかどうかということを確かめたのでございますが、よろしいと一応言ってきております。しかしこれはそのときの電報のやりとりでございますので、今後十分折衝はいたさなければならないものと存じております。  第二の問題でございますが、水をかぶったり、かびたり、そういったいわゆる不良品が出るのではないか、こういうお話でございますが、これは三十五年くらいから少し多くなったのでございますが、不良品が確かに出まして、この不良品の処理のいたし方といたしましては、おおむね牛の飼料に売るのでございますが、その場合は農林省の御指示に従いまして、農林省指示通り払い下げをいたします。そのお金は全部、物資会計と私ども申しておるのでございますが、これは学校給食会仕事のうちで、そういう子供配給するものだけは全然経理を別にいたしておりまして、いわゆる日本学校給食会運営費には全然関係はございません。経理が別でございます。そういうことにいたしておりますので、そこで入ってきたお金はやはり同じように、次のミルクを買うときの費用になるわけでございまして、従って全部子供のものとして学校給食会に、現金の間は現金でありますし、それでミルクを買った場合にはミルクという現品になって倉庫にあるわけでございますので、学校給食会運営費等に充てるようなことは一切いたしておりません。
  19. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 ただいま政府委員から申し上げた通りでございまして、事務当局としましては大いに万全を期して、また疑惑等の起こらないように処置をしていく覚悟でおるのでございますが、実は十万トンの輸入というものを、配給に少しも支障のないように円滑にやるということは、そう楽な事業だとは私は思っておりません。でありますから、この面におきましても、日本給食会あるいは実際の荷扱い機関等と十分緊密に連絡をとりまして、一そう万全を期さなければならないと思うのでございます。実はにわかに量が倍以上になるということは、実際ものを扱ってみると、大へんなことであると私も思うのでございます。また輸送途中における品いたみ等から、使いものにならないものが出るというような問題も、どうしてもやむを得ず、そういうことのなきを期して一生懸命やりましても、絶対にないとも言われませんと思うのでございますが、これも米や麦などを扱っておる経験から申し上げるわけでございますが、そういう場合にも、何か廃品が出たらば、だれかの得になるというような妙なことにはならないように、これはさらに文部省におきましては十分一つ注意をいたしまして、善処いたしたいと存じます。
  20. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 ただいまの文部当局答弁、了承いたします。何さま画期的なことでありますから、この配給かれこれには計画的に、そして緻密に事故のないようにお願いし、さらにまた学校給食会に対する誤解が、御説明によって一掃されたことを喜ぶ次第です。  そこで農林省一つ質問があります。それはこの脱脂ミルク学校給食に使われて以来、国産牛乳愛用の声があることは同感であります。バイジャパニーズということで、非常に私は同感いたします。しかし技術的な問題として、先ほどいろいろなことが論ぜられましたが、その前に、農林省酪農振興を叫んで一生懸命やっている建前から、食管会計の中に、国内産のなま牛乳生徒諸君に飲ませるために予算を計上しております。三十七年度の例で見ますと、九億円、二十四万石分、しかしこれが使われていない。国内産のなま牛乳というものを、酪農振興を叫んでおるところの農林省で、自分の方の所管の酪農振興を叫びつつ、一方においては全国小中学校生徒体位を向上させるという、この大事な事業に参画しているこの食管会計の中に入っているところの金が使われていない。一方において四十億円の金が取れたから、全部国内産に切りかえろという話がある。その意味において、農林省政務次官もおられますが、三十七年度九億円、二十四万石当て込んでおったにかかわらず、しかも一月から三月、四月、五月と、牛乳がそういうところにはそういう時期には配給されないために、文教関係している者は幾たびか農林省にお願いしている事実がある。われわれもお願いした。これは毎年のようであります。でありますから、この辺のことを一体農林当局はどういうふうなお考えで、どういうふうな御処置をされようとしているのか。私は大事な問題だと思いますから、農林当局の御答弁要求します。
  21. 村田豐三

    村田政府委員 ただいま御指摘のございました九億の予算で、牛乳学校給食予定しておったけれども、それが実施されていないではないかということでございます。おそらく御指摘になりましたのは、三十六年度の牛乳学校給食予算であったかと思います。三十六年度は約九億で、数量にいたしまして二十四万五千石を予定をいたしておったことは事実でございます。それの実績が、数量といたしましては約十万石、金額的には四億円の実施を見たのみでございまして、御指摘通りでございますが、これには事情がございまして、御承知のように牛乳学校給食は、昭和三十二年から実施をいたしまして、毎年やっておるのでございますが、たまたま三十六年度におきましては、年度の途中から牛乳の需要が旺盛になり、価格も、比較的一般向け牛乳価格がよろしかった。そのために本来予定いたしておりましたものが、予定通り学校に回らなかったという特殊の事情があるのでありまして、当初の予定通り実施ができなかったことは遺憾でございますけれども、そういう事情でありますことを御了承いただきたいと存じます。
  22. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 局長さん、こういうことではないですか。あなたの方のおっしゃることは、夏場のように牛乳が非常によく売れるときは、値段もよくなるし、学校に回す余裕がない。しかも日本牛乳は自由販売です。そこのところで学校給食計画的に配給するということは、なかなかむずかしい。であるから今のように、三十六年度において二十四万石当て込んでおったにかかわらず、国内産ミルクは、なま牛乳は十一万石しか使われない。金額にして、国が予定しておった金額のわずか半分以下しか使用されてないということは、私はこれは非常に残念に思うのです。しかし新しいページを開かなければ、二ページ目は出てきませんから、今度四十億の金でアメリカから脱脂ミルクを買うということに対して、国内産を何とか使おうじゃないかという議論と、それによって酪農振興を大きくしようじゃないか——馬を牛に乗りかえる時代でありますから、そのかえた牛がしっかり農家の生産費の中に、あるいは家庭生活の中に生きてくるようにしようという気持が、よく私は了承できるのでありますから、従来盛っておられる予算そのものでさえも使えないで、計画配給ができない、こういう実態の中から、四十億の場合に、それならこれをどう持っていくか、これが一つ。それから先ほどから出たところの父兄負担の大きくなるところをどうするかという、大きなデッド・ロックにひっかかってくるのではなかろうかと思います。  そこで一つ、私は地方を歩きながらしょっちゅう見るのですが、日本の終戦後できた厚生省の法律の中で、牛乳に関しては低温殺菌というのをやります。これは二百万から三百万の設備費がかかるといわれておりますが、山の中とかあるいは不便なところに参りますと、子供たちはなま牛乳の場合には沸かして、高温殺菌を昔通りやって飲んでいるのです。しかし法律では低温殺菌ということなんです。実際には、五大メーカーのように、選挙違反までやるようなああいう大きな牛乳メーカー、この連中の薄くしたような牛乳を飲まないで、濃い牛乳を熱くして飲んでいる子供たちがいるのです。であるからこの際に、少なくとも便宜的な方法としては、山の中のような不便なところは、高温殺菌で濃い地元の牛乳を使えるような方法があるかないか。あるようにすべきではなかろうか。根本は、計画配給がだめだとか、農林省で自分がやっている予算さえも使わないでおって、体位向上ということをおろそかにしているけれども、こういう世論が出たときにこそ、何か改善し、一歩前進するような対策というものがあるかないか。いずれこれは大臣でも来られれば、大臣の御見解もお伺いしたいと思うのでありますが、一つ賢明なるところの農林政務次官もおられますし、ぜひお考えのほどを御答弁願いたいと思います。
  23. 村田豐三

    村田政府委員 ただいま御指摘のございました農山村等における牛乳の簡易処理、またその簡易処理を通じて、農山村等で牛乳の消費の拡大をはかっていくという配慮をせよという御指摘、まことにごもっともと存じます。この問題につきましては、御承知のように牛乳が非常に腐敗しやすいという特殊の商品であります関係上、食品衛生の見地からは、牛乳の扱いにつきましては、かなり厳重な規制が行なわれておるのでございまするが、規制を厳重にするの余り、ただいま御指摘のような事態が起こっては、これまた牛乳の消費拡大のためには、ためにならないということから、実は相当以前からこの問題につきましては、農林省、厚生省、話し合いをいたしまして、それぞれ両名の責任者の通達によりまして、そういう特殊の地帯におきましては、いわゆる高温殺菌という簡易処理によりまして、集団的に飲用が可能なような通達が出ておるのであります。私ども農林省立場からは、ぜひそういう簡易処理によって、食品衛生の点に留意すべきことはもちろんでありますけれども、簡易処理の道が開かれておるのでありますから、これによって特に農山村地帯の、あるいはまた学校給食のような集団飲用施設等におきましても、特別の計らいができますることを切に希望いたしておりますし、また厚生省の方でもその趣旨を了とされまして、基本的にはわれわれの考え方と全く同一でございます。ただいまは制度的にはそういう建前で進めてもらっております。しかし、承りますと、若干地方によりましては、中央のそういう方針が十分徹底しておらないために、せっかくそういう制度が開かれながらも、十分に活用されていないという向きもあるやに伺っておりますので、私どももせっかく今厚生省ともよく連絡をとりながら、さらに趣旨の末端への普及をお願いしておるような次第であります。
  24. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員 最後に一つ伺います。文教関係のために申し上げるのではありませんけれども、数年前にある開拓地に参りましたら、小学校の四年生になると本校におりていきます。これは片道二時間半、上ってくるのに三時間、一日学校に行きますとひざかぶががくがくして、二日休む。そこのところへ青年会議所の諸君が、アメリカ脱脂ミルクを送ってきた。その次の年、その学校に行ってみたら、子供が全部下に毎日通学している。それ以来というものは、その地方に推奨しまして、高温殺菌で、酪農家はまず自分たちが飲み、子供たちに飲まして、それから売ろうじゃないかという指導を申し上げましたところが、そこは今年常によくなっております。私は厚生省なり農林省なりが、今の商況殺菌、低温殺菌のことをお考えをいただいている筋はわかります。しかしながら何さま役所仕事でありますから、こういうふうな場合に積極的に御推進願うようにぜひお願いしたい。これは子供たちにかわってお願いしたい。酪農家にかわってお願いしたい。乳価を引き下げないためにもお願いしたい。  さらに、あなた方は自分の役所の予算を取るために、汗水流して九億円の金を取っておる。にもかかわらず四億円しか使わないで、酪農振興の所管でありながら、そういうことができないでいるということ。これについて、私は一つこれから先の推進方をお願いしたい。私たち国会議員として、何べんとなく農林省にそのことでお願いに行っている。にもかかわらずこの通りだ。こういう事態の上に四十億円の金がきたものですから、前進しようというかまえが、きょうの連合審査会になったと私は思うのです。そういうことをよくよく一つ腹の中に入れていただいて、今から先の積極的なる御推進をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
  25. 床次徳二

    床次委員長 湯山勇君。
  26. 湯山勇

    ○湯山委員 主管大臣である文部大臣がお見えになっておりませんから、またお見えになるまで文部大臣にお尋ねすることは留保いたしまして、お見えになっておる方々にお尋ねいたしたいと思います。  私のお尋ねする趣旨は、一つ学校給食について、政府の取り組みは非常に力が入っていない、本気になっていない、こういうことが一点です。と申しますのは、各省てんでんばらばらで、政府が力を合わせて学校給食を進めていこう、こういう態勢ができていない。第二点は、それと同時に、ほんとうの給食をやっていこうとすれば、教育の一環として、法律にある通りの精神でやっていかなければならない。そのためには、輸入脱脂粉乳に依存する給食ではなくて、さっき大臣もちょっと言っておられましたけれども牛乳給食については、国内産のなま牛乳をやらなければならない。この二つの点を中心にして、お尋ねいたしたいと思います。  各省の態勢がまちまちであって、本気で取り組んでいないという理由は、今御指摘もありましたように、たとえばなま乳給食について、農林省がブレーキになったときもあるし、あるいは大蔵省がブレーキになったこともあるし、あるいは厚生省がその処理の低温処理、高温処理、そういうことをめぐってブレーキになっていることもある。常にどこかがブレーキになって、現に、あとでお尋ねしますけれども、三十八年度二十二万石のなま牛乳給食ができる、その用意もできているにもかかわらず、いまだにそれが決定されていない。こういうところにもあるわけです。これはまた文部大臣に具体的にお尋ねすることにいたします。  さらに、本気でやっていないと思われる具体的な例は、今回の全児童生徒一千七百四十六万人に対する脱脂粉乳の全員給食、この計画も非常にずさんです。おそらく日本政府が立てた予算計画で、こんなずさんなのはまずないのじゃないかと思われるくらい、ずさんです。そこで、そういう点をまずお尋ねして参りたいと思います。  この政府説明書にある千七百四十六万四百五十七人に、三十四億一千四百八十八万で給食実施する、これは全生徒児童をあげておると思いますが、いかがですか。
  27. 前田充明

    前田(充)政府委員 これは三十八年度推計の全生徒でございます。
  28. 湯山勇

    ○湯山委員 そこで一つずつお尋ねいたします。これがいかにずさんかということは、政務次官よくおわかりですから、お聞き願いたいと思う。まず第一、この中から抜けるのは、生活扶助を受けている者は、別途補助があるはずです。ですからそれは省かれる。それから今問題になっております準要保護、これも含めますと、大体百八十万程度の生徒児童は、別の予算からこの給食の助成が出るわけですから、この三十四億一千四百八十八万の中には、該当しないということになると思います。それからなま乳の計画が大体二十二万石ですけれども、これはこの中にそのものを粉乳でやるとして百グラム四円の負担をするとすれば、少なくとも大体三億円程度のものはこの中から省けるわけです。田中政務次官、よろしゅうございますね。それから実施期間もこの計画通りいかないようです。このズレも正確に見られてはおりません。それから今お話しになった前年度処理したものが、子供の乳代に返ってくるということでございましたが、そういうことも一つも見込んでおりません。そうかと思うと、今度は給食事務費です。これだけ膨大な給食を行うのに、三十七年度の給食事務費が三千百四十四万四千円、三十八年度はこれだけ膨大な計画をしておりながら、三千四百八十二万九千円、わずかに三百五十万、一割程度の事務費の増にしかなっていないのです。これは物価の値上がりに対応する程度にしか上がっていないのです。一体これでほんとうにやるつもりなのかどうなのか。引かなければならないものはそのまま引いていないでいいかげんになっていて、今度は加えなければならないものは加えていない。これで給食物資の配給あっせんをやっていこう。たとえば生活扶助でどれだけ減るということは、全員ですから今度は計算できるのです。今までのように申請して、どれだけふえるかわからない、そこで腰だめが必要だという段階なら、私はそういうことは申しません。しかし今度は今局長の答弁通り、全員にしてやる、数というのは全員だというのですから、他から出るのはみな抜けるわけです。そうすると、生活扶助に該当する六十万程度、それから準要保護も対象にする、こう文部大臣は言っておるのですから、まさかあれは間違いだったとはおっしゃりますまい。それからなま乳で出るものは約八億ですか、二十二万石、これはなま乳の別途の事業団からの補助が行くのですから、文部省予算から行くはずはございません。一体日本政府の、しかもこれだけきちょうめんな大蔵省、そして文部省が、こんないいかげんな予算でよく通ったと思います。こういうことを見ますと、この計画自体きわめてずさんじゃないか、こういうことを私はまず指摘したいわけです。これはその通りだと思いますけれども、どうですか。
  29. 前田充明

    前田(充)政府委員 最初の生徒児童数が、要保護、準要保護等が抜けるから、必要がないのではないかというような御意見かと拝察いたしますが、それは学校給食会補助金として入れまして、そうしてそこで安くしたものをやるわけでございます。従って、町村が要保護、準要保証に対して補助金を出す場合は、その抜けた額で出しますので、その点は私は差しつかえないというふうに考えるのでございます。  それからなま牛乳の量が落ちるから、それだけ浮いてきはしないか、こういう御意見と拝察いたしますが、その問題につきましては、確かに私どもこの中の数字は入れております。ただ先ほど来からのお話によりまして、二十二万石の場合、これが実際に何万石どういうふうに計画的にいくかということについて、三十八年度の見通しについては、農林省との最終的な折衝ができておらなかったものですから、それで私どもも入れておりますが、私はこの点については、実行上差しつかえなくできるであろうということを考えますのは、高等学校、幼稚園等の関係牛乳をやっておりますので、そういう関係で現物についてのその問題は、一応省かれるのではないか。従って二十二万石のうち、正確に申しまして一体何石、義務教育の学校に使われるかということになりますと、これは値段の点が先ほど来からのお話にございますように、脱脂ミルクでございますと六十一銭、それからなま牛乳でございますと四円なんぼ、こういうことになりますので、これは学校の需要と申しますか、希望と申しますか、そういうものとマッチしなければならない。学校給食費全体の金額をきめるのは、各学校できめるようになっております。従って、そこのところの関係で、はっきりどれだけ義務教育の方でこれを使うかということになりますと、また今後の問題となるわけでございます。従いまして、その点についてはここの中へ入れておく。脱脂粉乳補助金は一応その数字は全部入れておいた方がいいのではないかというふうに考えましたので、一応脱脂粉乳としての補助金が入っております。  それから事務費の点であったと思いますが、事務費につきましては二百五十万で大へん少ないようでございます。もっとたくさんいただくことを確かに私ども希望はいたしますけれども、しかし何を申しましても、事務費と申しますのはいわゆる役所の経費であり、給食会の経費でありますので、できるだけ節約をいたしてやっていきたいというような考えでございまして、結論的に申しまして、私どもはこの全国的なミルク給食につきましては、決していいかげんなことに考えないで、大いにやりたいという熱意に燃えておるわけでございます。ミルク給食に終わらずに、さらに全国学校子供完全給食、全部できるようなことを非常に希望し、熱意を持っておりますので、その点につきましては御了解いただきたいと思います。
  30. 湯山勇

    ○湯山委員 田中政務次官、あれでおわかりになりましたでしょうか。
  31. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 実は前にも聞いておりましたし、今も聞きまして大体はわかりましたが、御指摘のように相当ずさんなところもあると言わざるを得ないと思います。先ほど長谷川さんから言われましたなま牛乳の使い方など、これは二十二万石と申しますと、生徒一人で二斗ずつ飲むとしまして、一石は五人が飲めるわけですから、百万人という数字になるわけです。そうすると、なま牛乳を飲んでまた脱脂ミルクを飲むわけでもございますまいから、百万人は数字が違ってくる。それを百万人と勘定するか、これまで入って二十二万石の予算を立てても、半分も使わぬ例もありますし、それから一応脱脂粉乳はやるものだと勘定したというのでありますが、ものの配給計画を立てるにしては、どうも御指摘のように、ずさんであると言われても仕方がないということでございまして、私ここで所感を述べることを許されますならば、実は文部省は大量のものを扱うのになれておらぬように思いまして、なかなか一気に食糧庁のやるような計画にはならぬと思います。漸次改善をいたしていきたいと思いますし、また学校給食会、これは全国府県の部分でありますが、これは御趣旨のように全額、これの活動費、運営費というものは国が待たなければ、どうもおかしいことになるであろう。ことにできるだけ父兄負担ということを軽減をしていこうというのが、今度の予算措置一つの大きな理由、動機になっているわけでございますから、その点は国全体の予算という問題でありまして、簡単に実現するとは思われませんけれども、私ども努力目標でやるべきだというふうに考えておる次第でございます。
  32. 湯山勇

    ○湯山委員 政務次官がそういうふうな御答弁ですから、これだけずさんな予算というものは、おそらく日本大蔵省ではやらぬことだと思います。非常にこの計画はずさんだということ。それから今特に次官がおっしゃったように、文部省はこういうことになれていない。あるいは学校給食会を含めての御答弁だと思います。それなら人をふやして、給食事務費補助をうんと多くしないとできないはずなのです。ところがこっちの方は、今のように実際には物価増に対応する一割、ちょうど一割ぐらいしか、三百五十万しか予算増になっていない。能力が低いということがわかっていながら、事務費はふやしていない。実質ふえていないのです。額はふえておりますけれども、実質活動費がふえたということになりますまい。これでやれというのは、まずむずかしい相談だと思います。それからまだ今の点でずさんなのは、これは大臣認められたから申しませんけれども、現在給食していない学校の新たに生活扶助、準要保護の父兄負担の持ち分、これは予算化されていない、そうですね、局長。
  33. 前田充明

    前田(充)政府委員 これはできるだけ、大臣がこの前申されました通り実行いたしたいと考えております。
  34. 湯山勇

    ○湯山委員 これはすることはわかっているのです、大臣もやるといっているのですから。その予算予算化されていない、こういうことを申し上げておるのです。今の段階では予算化されていないでしょう。
  35. 前田充明

    前田(充)政府委員 予算の積算の中には入っておりません。
  36. 湯山勇

    ○湯山委員 ですから、ああいうふうに全く穴だらけです。もっとこれを質問を続けていけば、大へん問題が多いのです。ですから、こういうので実施せよといっても、末端がはたしてできるかどうか、そういう懸念を持っております。  さらにお尋ねいたしますが、今の問題はそういう非常に予算的にも欠陥が多いということを指摘するにとどめて、次は輸入計画です。今もいろいろ申しておられましたが、三十八年度の輸入計画は十万トンともいわれております。今紹介したのは十万トンだ、それから八万九千トンということもよくいわれております。一体幾ら輸入計画を持っておられるのですか、正確な数をお示し願いたいと思います。
  37. 前田充明

    前田(充)政府委員 輸入計画は八万五千三百七十二トンの予定をいたしております。
  38. 湯山勇

    ○湯山委員 今十万トン輸出できるかどうかという問い合わせをしたというのではございませんか。
  39. 前田充明

    前田(充)政府委員 十万トンという輸入計画ができるかということは、アメリカ電報で聞いた数字でございまして、実際の私ども輸入計画は八万五千三百七十二トンでございます。
  40. 湯山勇

    ○湯山委員 本来粉乳輸入をするというのは、国内のもので不足する、足りない、それを輸入するのだ、これが建前だと思いますが、その建前については、これはだれにお尋ねしたらいいか。やはり所管省の政務次官にお尋ねするのが妥当だと思いますが、国内産のものでは不足する。その不足のものを輸入する、こういう建前でなければならないと思いますが、いかがなものでしょうか。
  41. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 八万五千トンとなりますると、内地産と比べまして不足するなんという数字では実はないわけでございます。今、内地産の数字は、ここに農林省から出ておられますからお答えになりましょうが、これはもう少しでも国産でやりたい、こういうことで入れる。これはどうやってみたところで、大部分は輸入でやらざるを得ない情勢でございます。
  42. 湯山勇

    ○湯山委員 それでは園内産の脱脂粉乳生産量は、一体幾らになっておるのでしょうか。
  43. 村田豐三

    村田政府委員 国産脱脂粉乳の年間生産は、大体一万五千トンでございます。今、当面議題になっておりまする三十八年度の学校給食用として、予定をされるであろうと思われますものは、御承知のように畜産振興事業団が、従来から三千トンの輸入脱脂粉乳をかかえております。それとただいま買い入れの実行中でございますけれども、先般来実施をいたしておりまする国産脱脂粉乳の畜産振興事業団買い入れをいたしておりますが、その買い入れ見込み数量が二千トンに相なりまするので、当面学校給食に回し得る国産脱脂粉乳といたしましては、両方合わせまして約五千トンになろうかと存じます。
  44. 湯山勇

    ○湯山委員 そういうことではなくて、現在生産が一万五千トンあれば、その中のたとえば五千トンを学校給食に回す。それと現在の手持ちの五千トンと合わせれば、少なくとも一万トンは国内産で使えるのではないか。さらに一万五千トンの生産の中でもっとそれからとっていけば、こんなに八万五千トンというようなものを輸入しなくても済むのではないでしょうか。
  45. 村田豐三

    村田政府委員 国内でできます全体の数量の一万五千トンのうち、ほとんど大部分は国内の需要に、いわゆるコマーシャル・ベースで需要のあると見ていい商品であろうかと存じますので、その中から優先的に学校給食用として幾ら押えていくかという、コマーシャル・ベースを離れて、学校給食用のための計画配給分を幾らにするかという問題になりますると、これはまた別途、よほど慎重に具体的な数量計算をし、計画を立てて参らなければならないと思っております。これはただいまのところは、まだそこまでの検討はいたしておりません。
  46. 湯山勇

    ○湯山委員 もう三十七年度もわずかです。ですから当然そういう計算がなされていなければならない。今になってまだそれがなされていないというようなところに、問題があると思うのです。これはなま乳の場合も同じです。  そこで今大臣もおっしゃっておられましたが、値段の問題だ。国内産が使えるか使えないかは、値段の問題だとよく言っております。脱脂粉乳輸入価格幾らになっておりますか。
  47. 前田充明

    前田(充)政府委員 一キロ当たりで申しますが、米国CCCで、米国海岸渡しで三十九円六十八銭という見積もりをいたしております。
  48. 湯山勇

    ○湯山委員 それから国内産幾らくらいにつくのですか。
  49. 前田充明

    前田(充)政府委員 国内産につきましては、畜産振興事業団の売り渡し価格、大体県のオン・レール渡しということに考えておりますが、これを約二百六十円と私ども予定をいたしております。
  50. 湯山勇

    ○湯山委員 同じ脱脂粉乳国内産は二百六十円、それから向こうから来るのは約四十円ですね。どうしてこんなに開きがあるのですか。
  51. 前田充明

    前田(充)政府委員 今三十九円六十八銭というふうに申しましたのですが、日本へ渡りまして、ちょうど学校に渡ります価格になりますと六十三円六十円銭になります。その間、輸入、それから日本学校給食会から県まで、県から学校まで、こういう段階があるわけでございますが、先ほどの国内産と比較する場合になりますと、それで言いますと五十六円七十銭というふうにお考えいただきたいのでございます。
  52. 村田豐三

    村田政府委員 国産脱脂粉乳は、ただいま畜安法の規定に基づきまして安定下位価格をきめております。またそれで事業団が買い入れをしておるわけでございますが、安定下位価格は十二・五キロ当たり三千四百円に規定されております。従って大体トン当たり二十六万四千円あたりになるかと思いますが、そういう価格になっておるわけであります。なぜそんなに迷うかという御指摘のようでございますが、御承知のように、これはもう湯山先生の方がよく御存じでございますが、畜産物価格安定等に関する法律の所定の手続に従いまして、ただいま安定下位価格はきめられておりますが、おおむね過去の取引価格を基準にいたしまして、それに生産コスト等の要素を加味いたしまして、価格がきめられておるようなわけでございます。
  53. 湯山勇

    ○湯山委員 価格のきめ方をお尋ねしておるのではなくて、アメリカでは大体今の御答弁でトン当たり四万円程度です。トン当たりで申します。これからの単位は大体トンかキロかでおっしゃって下さい。アメリカから来る分は大体トン当たり四万円、それから今日本のはトン当たり二十六万四千円、どうしてこういう開きがあるかということをお尋ねしておるのです。
  54. 前田充明

    前田(充)政府委員 このトン当たり四万円という価格アメリカのCCCで、特別価格になっておるわけでございます。かような意味で安いということが言えると思います。
  55. 湯山勇

    ○湯山委員 そういう説明では了解できないのです。というのは、文部大臣は、値段の方の問題もある、値段も安く手に入る、父兄負担が増大しないというようなことであれば、国権を使う、こう言っておるのですから。そうすると、向こうは特別な価格だというけれども、どうして特別な価格がそんなに安いのか、またどうしてそんなに安い価格で輸出ができるのか、それに比べて日本はどうしてこんなに高いの、か、どうすればこういうふうに安くすることができるか、当然研究しておられるはずです。その内容をお示し願えればいいわけです。
  56. 前田充明

    前田(充)政府委員 特別価格というわけは、余剰農産物資でございますので、国の補助があるわけでございます。
  57. 湯山勇

    ○湯山委員 それではこういうことですね。大体牛乳の原価についてはそんなに迷わない。ところが日本の場合は国が、それに対して補助なり助成なり、そういうことをやっていないからこんなに高いので、アメリカの場合は余剰農産物として、政府がたくさん金を出している、それでこういうふうに安いのだ、こういうことですね。
  58. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 文部省の所管外のことにわたるやもしれませんけれども、これはまあむしろ田中参議院議員としてお聞き願いたいようなことになるかもしれませんが、実はおっしゃるところ、生牛乳ではそう違わないのだが、特別の事情あって、今入手しようとしておる脱脂粉乳は、このように安いのかという御質問でございましたが、生牛乳でも差があるであろう。それは御承知のように日本へ入っておりますバターとかチーズとかいうようなものが、日本値段に比べますと、これは市場価格から見ましても、生産費から見ましても、半分ぐらい、あるいはそれ以下だと私は思っております。それぐらい生産費と申しますか、牛乳並びに乳製品に差があるのではないか。その上にアメリカ生産過剰でありますから、大量の乳製品をこれまた相当の価格で買っておると思いますが、アメリカ政府としてはまあ補助金のつもりで損をして、そうしていつまでも持っておるよりは、早く処分をした方がよろしゅうございますから、今の日本の学童給食用の脱脂粉乳のごときものは、かくのごとき安い値段で出す、こういう事情かと思っております。
  59. 湯山勇

    ○湯山委員 政務次官、私が聞いておるのでは、生乳の原価はそんなに変わりないのです。日本に直してみますと、一升当たりが原料乳で四十円程度、それから市乳、飲料乳で八十円程度、平均して六十円程度、だからあまり変わっておりません。それから人件賞は向こうの方がはるかに高いのです。ですから今のように何倍というような開きは、その中にはありませんよ。問題は国が金を出すか出さないか。だから日本だってアメリカと同じようにほんとうに安くしようと思えば、政府が金を出しさえすれば、ちっとも値段のことは心配いらないのです。もし脱脂粉乳が高い安いという議論になるのなら、その前に政府がどれだけ金を出しておるか、この議論が要るわけだと思うのです。だから高ければやらない、国内産のは高いから問題があるのだ、ああいう御意見はこれは間違いで、日本政府努力が足りない、金を出さないから高いのである、こうはっきりおっしゃった方が、私は実態がよくわかっていいと思うのです。そうでないとあとから私、結論として申し上げることに出合ってこないので、政府がやる気になればやれる。そのお手本はアメリカだ。実際にはそういう原料乳を使って——バターにしてもそうなんです。今の脱脂粉乳なんか特にそうです。そういう点は、これは特に農林政務次官文部政務次官も、お二人ともお認めにならなければならないと思うのですが、いかがですか、お二人にお尋ねします。
  60. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 実はアメリカの生牛乳並びに原料乳の生産費のレベルと申しますか、あるいは市場価格というものを、現実にはただいまのところはあまりよく知らないで私申し上げて、はなはだ恐縮でありますが、確かに政府の金の出し方が足らないということは、もうこれは今のCCCから入手するものの価格を気をつけて見れば、まことに明瞭なことでございます。これはやはり国の予算全体の問題になるかと思います。問題はもっぱらそこに帰するであろうということは、私も同感でございます。
  61. 津島文治

    ○津島政府委員 どうもこの五万七千幾らという安いアメリカ価格には、政府の非常な補助が入っておるということは申し上げるまでもないのでありますが、これとただいま日本の製品とを比較いたしますと、非常な相違がある。それで日本政府でも、この粉乳に対して思い切った措置をとれば、向こうのものともバランスがとれるではないかという仰せでございますが、金額が非常に開きがありますので、そのお話の点はわかりますけれども、なかなかそのお話に、現在の時点では近づくことは非常に困難なことではないだろうか、かように考える次第であります。
  62. 湯山勇

    ○湯山委員 両政務次官とも、その差ができたことは、政府負担の大小によるのだという大きいところはお認めいただいたので、それはそれだけにいたします。  次に、そこで学校給食に使うのだというので、特別な配慮が価格になされているかどうか、アメリカ側で、この点をお尋ねいたしたいと思います。それをお尋ねする資料として、外貨予算の割当の場合に、これは大蔵省もお見えになっておられるようですが、どの省からでもけっこうですけれども学校給食用ならば、外貨予算はトン当たり幾ら、それからえさ用ならば幾ら、一般用ならば幾ら、こういうような区別があると聞いておりますが、区別があるのかないのか、それは幾らになっておるのか、これを御答弁願いたいと思います。
  63. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 ただいま今の外貨割当の単価の違いの説明できるもの、がおりません。
  64. 湯山勇

    ○湯山委員 これはあとで明らかにしていただかなければならない問題ですから、お願いいたしたいと思います。  そこで私がこういうことをお尋ねするのは、今の大体トンあたり百十ドルというのは、これはことしだけではなくて、ずっと数年前からこういう状態でございましょう。昭和三十六年度もやはり大体今のような値段、つまりトン当たり百十ドル程度で入っておるわけでございましょう。
  65. 前田充明

    前田(充)政府委員 三十五年度、六年度でございますが、三十六年度は五セントということになっております。六年度は途中で変わりまして、三・五セント、四セント、そういうことになっております。
  66. 湯山勇

    ○湯山委員 そうすると、前はもっと安かった。三十六年度は大体これに近い、こういうことですが、実は農林省の方からいただいた資料では、そういう値段になっていないのです。ちょっと資料を持って参りますから……。これは農林省でいただいた資料で、三十八年二月五日の資料です。それによりますと三十六年度の、これはどういう資料かと申しますと、主要農林物資の品別、国別輸入実績表です。それによりますと、昭和三十六年にアメリカから入った脱脂粉乳の量は二万九千四百七十一トン、支払った金額は八百七十五万八千ドル、こうなっています。これで割ってみますと、大体二百九十七ドル、これくらいになっております。これはどういうわけなんでしょうか。このほとんど全部は学校給食用でございましょう。その学校給食用の脱脂粉乳が、今文部省の方でお聞きしたのでは明らかに百十ドル、今度なんか高い方で、以前はもっと安かった。ところが農林省の方からずっと三十二年からの資料をいただいておるので見ますと、いずれも二百五十ドル以上、そうなっております。これはどっちかが間違いではございませんか。昭和三十六年に八百七十五万ドル、こんな金を日本からアメリカに払いましたか。これは前田局長、どうですか。こんなに金を払いましたか。脱脂粉乳代として八百七十五万ドル、こんなにお金を払いましたか。
  67. 前田充明

    前田(充)政府委員 私どもドル外貨の関係がどうなっておるかは、私の方としてはちょっと申し上げかねます。
  68. 湯山勇

    ○湯山委員 これはきわめて重大な問題ですよ。今おっしゃったのでは百十ドル程度で今度も入っておるのです。ところが農林省の方で出しておられるこれによると、一トン当たりが二百九十七ドル、こうなっているのです。何でこんな違いができているのですか。実績ですからね。
  69. 村田豐三

    村田政府委員 農林省の方から提出いたしておりまする資料につきまして、ただいま私、手持ちをいたしておりませんけれども農林省文部省の御説明との食い違いにつきましては、至急その食い違いの原因を突き詰めまして、後刻別途御報告させていただきたいと存じます。
  70. 湯山勇

    ○湯山委員 別途では困るので、今値段の問題を議論しておるのです。農林省の方は輸入実績として今のようにトン当たり大体二百九十七ドル、そういう計算で出しております。これはオーストラリアから入ったのも二百五十二ドル、カナダからは二百六十五ドル、アメリカのは二百九十七ドル強になっている。実際に払ったのは今のように四セント、五セントというのですから、これは百十ドル以下です。こんな大きな食い違いがあって一体いいのですか。どうしてこんな食い違いがあるのですか。
  71. 田中啓一

    田中(啓)政府委員 輸入統計の方のことはよく私にはわかりませんが、文部省の方としましては、学童給食用にどれだけ輸入して、幾ら円を払ったかということは明瞭でございますから、これはもう学童給食用が幾らで入っておるかということはわかるわけでございます。
  72. 湯山勇

    ○湯山委員 田中政務次官学校給食用以外に入っておる脱脂粉乳というのは、数量は知れております。今年度も緊急輸入があったのと、あとどれだけか入れるというのをとめたはずです。せいぜい二、三千ドル内外ですから、この三万トン近いものはほとんど学校給食用のものばかりです。その単価は幾らになっておるか。これには数量もこまかい数量と、そして払ったドルも正確に出ています。これはこのときだけの間違いなら、ミス・プリントだと思いますけれども、そうでなくて、さかのぼってずっとそうなんです。これはどこかに何か理由がある。なければこんなにならないはずです。  農林省の方はいかがですか。これは農林省から出ておるのですよ。
  73. 村田豐三

    村田政府委員 農林省の方から提出いたしました資料にも、何か根拠があるはずだと存じておりますが、ただいまその調査を至急やらしておりますので、後ほどお答えさせていただきます。
  74. 湯山勇

    ○湯山委員 委員長、この問題が処理できないと——今のように学校給食用に入った粉乳の単価が、農林省文部省ではそんなに違うのです。これではちょっと次の質問は続けられませんので、その説明があるまで質問を保留いたします。
  75. 村田豐三

    村田政府委員 ただいま湯山先生から御指摘のございました先生のお手持ちの資料を今拝見いたしましたところ、これは農林省の経済局から提出になっておるようでございます。ただいま至急に経済局にその資料の出ました基礎につきまして問い合わせておりますので、しばらくお待ちを願いたいと存じます。
  76. 床次徳二

    床次委員長 湯山委員に申し上げますが、ただいまお答えいたしましたような工合でありまして、農林当局において調査いたしておりますので、その間他の御質問を願えますれば、継続していただきたいと思います。
  77. 湯山勇

    ○湯山委員 それからさっきお尋ねした外貨割当の単価も、今のように学校給食については幾らというように、外貨予算を組むときにそういうことはなされていると思います。これも私の調べたところでは、数年前には学校給食用はトン当たり百四十ドル、えさ用は二百十ドル、一般三百ドルと段階がついておったようですが、これは今はどうなっておりますか。学校給食粉乳というものの性格を明らかにするためには、これもぜひ御答弁願わないと——先ほど留保されておりますので、もしおわかりになったら、これもお示し願いたい。
  78. 前田充明

    前田(充)政府委員 私の方のあれはトンで出ておりませんで、恐縮でございますが、これはCCCに買った場合に、別なものも買っておりますので、ちょっと値段がいろいろでございますが、三十二年度三セントと四セント、三十三年度四セント、三十四年度三・五セントと四セントと十四セント、三十五年度において三・五セントと四セント、三十六年度において五セント、こういうふうな、ポンド当たりでございますが、単価で買ったのでございます。
  79. 湯山勇

    ○湯山委員 それは学校給食用の単価で、今の御説明でそれはよくわかりました。しかしあとの比較をしないと、こちらは質問ができないわけで、えさ用の場合の今の単価がどうなっているか、それから一般用がどうなっているか、この二つについても一つ答弁願いたい。
  80. 村田豐三

    村田政府委員 輸入脱脂粉乳を一般にコマーシャル・ベースで入れます場合には、関税もかかりまして、先ほど申し上げましたように、 コマーシャル・ベースで入れます脱脂粉乳は、関税込みでトン大体十一万くらいに相なっております。
  81. 湯山勇

    ○湯山委員 そうすると関税二五%を引いた額が、大体えさ用の輸入価格ですね。
  82. 村田豐三

    村田政府委員 さようでございます。
  83. 湯山勇

    ○湯山委員 ところが私が今申し上げましたように、従来はそれにまた段階がついておったようです。それは学校給食が百四十ドル、これはずいぶん高過ぎると思いますけれども。それからえさが二百十ドル、一般が三百ドル、これが輸入価格です。これは一般用にはさらに税金がつく、こういうときがあったのです。何年ですか、ちょっとわかりませんけれども、今これについてはどうなっておるだろうかということをお尋ねしておるわけで、大体文部省の方のはわかりました。見当がつきます。それから他の方が見当が立たないので、それを一つ答弁願います。
  84. 村田豐三

    村田政府委員 畜産局の関係といたしましては、国産脱脂粉乳が不足すると見込まれました際に、輸入いたしました一般の脱脂粉乳輸入価格は、先ほど申した税込みで大体十一万円、それからえさ用等で、これは関税がかかりません場合にはおおむね九万円前後になろうか、かように考えております。  それから先ほど御指摘になりました輸入脱脂粉乳の単価でございますが、ただいま農林経済局に連絡をとりましたところ、あと十分くらいで御返事申し上げる、こう申しておりますから、しばらくお待ちを願いたいと思います。
  85. 床次徳二

    床次委員長 あと他の質問はお願いできますか。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  86. 床次徳二

    床次委員長 速記を始めて。湯山委員に対する農林省側の答弁は、資料の到着を待ちまして行なっていただくことにいたしまして、文部大臣が参りましたので、文部大臣に対する質疑を行ないます。足鹿覺君。
  87. 足鹿覺

    足鹿委員 時間もよほどたっておりますので、単刀直入に荒木文部大臣学校給食の基本方針について若干お尋ねをいたしたいと思います。  去る二月十三日の予算委員会におきまして私のこの問題に対する質問につきまして、大臣はある条件が整備されてくるならば、国内産牛乳等の学校給食は最も好ましいことであるという明確な御所信を発表になりました。私も当日時間がありませんので、それだけで一応後日に質疑を留保したわけでありますが、幸い学校給食会法の一部改正が文部委員会において御検討になっておりますので、この際私ども農林委員立場から若干お尋ねねをいたし、さらに先般の御答弁をもう少し掘り下げて検討し、御所信を伺いたいと思うわけであります。  そこで御存じのように、昨年の十二月十一日に大手四メーカーが一斉に乳価の一方的引き下げ通告を行ないましたことに端を発し、政府は二月一ぱいをもって約二十億円近い乳製品の滞貨の買い上げも行なっておりますが、いまだにその一方的な乳価の引き下げについての撤回または中止の措置について具体的に手を打つ解決をいたしておりません。これは非常に私ども遺憾に思いますが、農林省がそういう動きをせざるを得なくなりました大きな問題は、去る二月七日の農林水産委員会の決議に基づくものでありまして、その際私どもは六項目の決議をいたしまして、その一項については「乳製品の畜産振興事業団による買入れをすみやかに完了し、乳価値下げを中止する等事態の正常化を図るよう指導すること。」「なお右の方針に協力しない乳業者に対しては農林漁業金融公庫からの融資を停止する等行政上の措置をも検討すること。」という、かなり強い方針を、しかも農林委員長みずからの御提案によって異例の決議をいたし、事態の収拾をすみやかに政府にしていただくことを要請いたしたのでありますが、その際決議の第六項に「国内産牛乳乳製品による恒久的な学校給食制度を確立するよう所要の措置を講ずること。」ということが決議されておるのであります。そこですでに大臣におかれましても基本的には御同意になっておるのでありますから、このような現状に即応して、これが制度化のために所管大臣としてその後いかような対策を検討しておられますか。この際基本方針が明らかでありますならば、従って先般述べられた国内産牛乳乳製品の季節的な変動あるいはその不安定性あるいは価格といったような点をどう措置すれば、大臣期待しておられるような国内産牛乳あるいは乳製品による恒久的な学校給食が制度的に可能であるかということについて、御所信のほどをまず当初に伺っておきたいと思います。
  88. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 先日お答え申し上げたことを引用してのお尋ねでございますが、予算委員会でお答え申し上げた通り考えております。繰り返し申し上げれば、季節的な変動というものがなくなって、一定量が年間を通じて必ず学校給食に向けられる。さらに値段が現状よりも——現状と申しますのは、今度の脱脂粉乳について申し上げることになりますが、父兄負担がふえないという前提条件が満足されますならば、何も好んで外国の製品に依存しなければならぬということはない。ただ問題は、脱脂粉乳ミルク給食計画いたしておりますので、脱脂粉乳ということにいたしますれば、量的には私の承知しますところでは全部を提供していただきましても、数ヵ月分を出ないであろうと思われますので、実現困難、むしろ不可能であると考えます。なま牛乳ということになりますれば、予算考え方そのものを根本的に変えないことには直ちに切りかえることは数字的に困難でありますことと、なま牛乳にいたしますれば千八百万の児童生従に一斉に全部なま牛乳給食を始めるとしますれば、私の聞かされました数字で言うならば、現在の国産なま牛乳全量の半分近いものがこれまた安定しに学校給食に年間を通じて回されなければならないという条件が満足できるかどうか、及び値段の点において相当困難性があるのではないか、こういうふうに現状としては思います。  ただその後どうしておるかというお尋ねでございますが、直ちにどうという具体的なことがこの年度内に、あるいは来年度内の事柄として結論が出かねる時期でもございますから、それは不可能だと存じておりますが、先日農林大臣からも、事務当局同士でよく将来に向かって相談し合おうじゃないかというお話がございまして、その線に沿って事務当局同士は将来の問題をどう解決すべきかについて打ち合わせ中でございます。
  89. 足鹿覺

    足鹿委員 これは申し上げるまでもなく大臣も御存じでありましょうし、農林省と厚生省、三省で去る十八日協議の結果協議会設置が実現をし、二十三日には第一回の協議をされたと聞いております。それは酪農振興法第二十四条の三に「国は、国内産牛乳及び乳製品の消費の増進を図ることにより酪農の健全な発達に資するため、国内産牛乳及び乳製品について、これを学校給食の用に供することを促進するほか、集団飲用を奨励し、流通の合理化を促進するための援助を行う等必要な措置を講ずるものとする。」となっておるのであります。現に学校給食が行なわれ、またアメリカのCCCの放出脱脂粉乳の大量輸入計画をされて、新しく小・中学校の全員に対する給食考えられておる、また酪振法に基づくこうい規定があるにもかかわらず、私が先般も指摘しましたように、厚生省関係の食品衛生法あるいは環境衛生法等を検討してみますと、若干の緩和通達等は出ておりますけれども、事実上においては牛乳が希少価値を持っておった昔の規定がそのまま温存されておる。これは通達等では解決がつかぬのです。これらを早急に御解決になれば、父兄負担価格の問題あるいは季節的な供給変動というようなことも自然と解決がつくのであります。でありますから、制度化のために、来年度を目途として制度化に踏み切るという結論をまず目標に置いて、そしてそれに必要な措置をこの三省の連絡協議会で御検討になっておるのでありますか。ただ、非常に今酪農の問題がやかましい、だから一応一つこの際協議をしておかなければなるまいというような程度では、この問題は解決がつかぬのであります。そういう点については、特に大臣の御出席をわれわれが待ったということは、今回の学校給食会法の一部改正などは末梢の問題でありまして、これは根本の問題でありますので、これは国務大臣としての文部、農林、厚生、大蔵、この四大臣等が少なくとも一つの目標を置いてそこに踏み切って、それに必要な措置を講ずるということでなければならぬと思います。もちろん今の日本酪農の現状をもってしましては、全量を直ちに来年度から実施する実情でもございませんし、私どもさような無理なことを申し上げておるのではございません。ある一つ計画のもとに漸次これを国内産牛乳または乳製品に切りかえていく、そういう明確な目標を立てて、そして年次的に具体的にこれを進めていく、それに必要な措置を講じていくということでなければ、この三省連絡協議会のできた趣旨というものは達成できないのではないかと思いますが、大臣として、一番あなたがこのことは熱望され、またこれが実現できますならば、直接間接に日本酪農に寄与することは大でありますので、その点が、あなたがほんとうに政治的な立場から、国務大臣としての断を下され、そして明確な方針のもとにこの運営を続けていかれなければならぬと思いますが、その点、まだできて日も浅いことでありますから、どれだけの成果が上がったかということについては、こまかいことについては私は申し上げませんが、大まかなそういう方向というものを示して、そして年次計画を立て、それに必要な措置はこれとこれだということを御明示になって、そこで初めて問題は軌道に乗るのではないかと思うのであります。そういう点について御所信を明らかにしていただきたいと思います。
  90. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 おっしゃいますその大体の方向については、いささかも異存がございません。ただ実行ができるかどうかという点に問題があろうかと思います。それは、すでにして脱脂粉乳によるミルク給食という建前で臨んでおりまして、その計算のもとの予算を計上いたしまして御審議を願っておるわけでございます。脱脂粉乳の形で国産品でまかなえる限度のことを、同じ条件父兄負担をふやさないやり方で安定して提供してもらえるならば、脱脂粉乳に関する限りにおいては国産品が使える、実行的にこういう考え方はあり得ると思います。しかし国産品に対して、農林省立場においてどういうふうな具体的措置が必要であるかは私もわかりませんので、それまで含めてはむろん申し上げられませんけれども、結果が今申し上げるように、繰り返し申し上げれば、量が足りないことは明らかですけれども国産品で許される分量を必ず学校給食のために充てていただけるということ、及び値段が、今予定しております値段よりも高からざること、品質は同じだと想像しますが、そういうことである限りは、国産粉乳に関します限りは、中に取り入れて実施するということは不可能とは思いません。なま牛乳となりますと、なま牛乳を飲ませる設備が、脱脂粉乳の場合よりも、金額的にも張りますし、容器等につきましても、おのずから違った構想がなければならないかと考えるのでございますが、それらの事務費と申しましょうか、準備費、それと値段の点において、脱脂粉乳によるミルク給食ならば、一千八百万の児童生徒に一律に一応給食ができるという計算が成り立ちますけれども、なま乳の場合、今農林省から酪農奨励の意味において出されております補助金の範囲内において国が援助をいたしましても、父兄負担脱脂粉乳の場合よりもはるかに高くつくではなかろうかと推定するわけでございまして、その関連において、三十八年度直ちに国産なま牛乳学校給食に回していただける確実性がありましても、実行上困難な条件がいろいろあるんじゃないか、こういうふうに想像するわけであります。それらも含めて、関係各省相談しますことはすでにやり始めておりますし、やっていくべきものと思いますが、先ばしって結論みたいなことを申し上げるのはどうかとは思いますけれども、なま牛乳に関する限りは、三十八年度に実施することは困難ではなかろうか、今のところ私はそう思います。ですから、むしろ三十九年度以降に対して、もっと落ちついてじっくりと、農林政策の立場におきましても将来の見通しを立てていただいて、その線に立った具体的な相談に基づいて、なろうことなら輸入脱脂粉乳に依存する度合いを漸減していく具体的なコースを定めるという考え方のもとの相談はあってしかるべし、かように思います。
  91. 足鹿覺

    足鹿委員 だいぶ前進した御答弁を聞いたわけでありますが、価格の点、それから供給の継続性といいますか、そういう点を非常に御懸念になっておるようでありますが、現在でも農林省は八億円の予算をもって、補助金一合当たり三円七十銭、補助金を差し引いた供給単価は四円五十銭から大体五円でございます。これは輸入脱粉給食単価と比べますと非常に大きな差がついておるようにお考えになりますが、大臣、これはよくよく考えてみますと、先ほど田中政務次官もここで湯山委員に御答弁になっておりましたが、アメリカのなま乳一合と日本のなま乳一合の価格というものは、そう大きな変化はありません。大体似たり寄ったりであります。欧州各国においても、そう大きな著しい相違はございません。要するに、向こうはCCCで価格支持制度によって買い上げて国費を投入し、放出するにあってまた奨励金を出しておりますから、実際においては安く来ておるのであります。従って、その八万五千トンの脱脂粉乳日本へ受け入れることによって、アメリカは、日本における脱脂粉乳、乳製品等の大きな市場を確保することができるわけであります。その結果は、日本酪農を圧迫し、特におそらくことしやってごらんなさいますとわかりますが、学校給食の全面開始によって、いやうちの子は学校牛乳を飲んでおるからというわけで、家庭向きて牛乳消費も減退されるのではないかという点も、関連して憂慮されると思います。そういうふうな状態考えましたならば、この際二元的な、一方では農林省は八億の予算をもって進み、一方は四十億の予算でもって文部省は進んでおるというような事態が現実にありますが、今さら本年度中に直ちにこれが解決すると私も考えません。少なくとも三省協議会が設立をされ、計画が立てられ、そして必要な条件を検討して、三十九年度以降計画的に国内産にこれを切りかえていくための方針を打ち出す、こういうことを前提としないこの三省協議会というものは、ただ単なる事務の連絡会議にすぎないのではないか。大臣のその構想を裏づけるための三省協議会であるかどうか。いま一つは、国内牛乳あるいは乳製品をもって学校給食を促進をしていくというその制度化へ踏み切るという御所信を明らかにされ、その所信に基づいた具体的な内容の検討だ、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。間違ってはいけませんので、その点だけをはっきりしておきたいと思います。
  92. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 結論から先に申し上げますと、おっしゃる通りのものであると断言する段階にはないと思います。ともかく、先刻申し上げましたように、農林大臣から、事務当局でよく相談させようじゃないか、よかろうということで始まったことでありまして、おっしゃる通りに、三十九年度から具体的に実行できる案をつくり上げるためという目的は明確でないままの相談であると承知いたしております。ということは、おっしゃるような方向に持っていくことに反対であるという意味じゃむろんございません。学校給食面だけから申せば、父兄負担が少ないほどよろしい、カロリーが同じならば、安い方がよろしい、そうしてまた安定しておればよろしいということから考えまして、そしてその原料をどこに求めるとならば、養護児童あるいは準養護児童に対しまして長年やってきておりますその経験に基づきまして、脱脂粉乳によるミルク給食こそ今申し上げた条件に合うであろうということで構想を立て、予算要求し、御審議を願っておるような段階でございます。もしおっしゃる通りになま牛乳に切りかえて、しかも計画的に、年次的に何年計画でもって完全に国内産なま牛乳でもってミルク給食はやるんかという目標を立ててやるとならば、どうしてもその基礎は、農林省立場においての農業政策酪農育成の政策の基本線が学校給食季節的変動なしに必ず提供する、値段もなるべく安くするというもろもろの条件を整備するための施策が——はっきり私は申す能力がございませんけれども、想像しまするに、いろいろな角度からの問題が根本的にあろうかと想像するわけでありまして、そういうことがじっくり検討されました上で、初めて学校給食に信頼度を持って切りかえるという段階が訪れるのじゃなかろうか、こういうふうに想像するわけでございます。今直ちにおっしゃる通りの目標のもとに必ずやるんだ、そういう性格、目的を持った協議会に必ずするんだということは、私一人で今申し上かねげる。方向としての異存はむろんございませんけれども、現実性を持った結論的なことは申し上げかねるということを御理解いただきたいと思います。
  93. 足鹿覺

    足鹿委員 基本方針は堅持をしておる、一向変わりはないが、三省協議会が三十九年度を目途として国内産牛乳等の学校給食を実行するための具体的な諸条件、対策を研究するものだとは言い切れないという御答弁のようでございますが、三省間である一定の研究が進んで資料も整い、検討が進みましたならば、大臣は、基本方針に合致しておるのでありますから、これを三十九年度を目途として実施するような内容に今後努力をしていかれる御方針でございますか。それとも成り行きまかせに、まあ検討させておくという御方針でありますか。その辺が私は事務当局に及ぼしていく影響も大きいであろうと思いますし、また一般国民が、また酪農民がそういう点に大きな期待と注目をしておると思うのであります。ですからそういう点は今は考えておらないが、近き将来においてでき得る限りそういう目標に向かって進むための検討にしていく、それができなければ、もっと高度の一つの方針を検討する、対策を講ずる御方針がありますかどうか、そういった点をもう少しはっきりしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  94. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 おっしゃいます方向をたどることにはいささかの異存もございません。それが今までのなま牛乳のことを話を聞いてみますると、冬場は余るから学校給食にでも回そうか、夏場になればアイスクリームの需要が多いから高く売れるからその方へ回すというふうな気分で今日にたどりついているように、私には理解されておるのであります。実情と違ったらばお許しをいただきますが、露骨に申し上げれば、学校給食はなま牛乳ミルク給食をやるとしますれば、季節の変動で、分量的にも質的にも変動があったんじゃ困る。これは当然の要請であると思います。値段が高くちゃやり切れない、これまた当然堅持さるべき一つ課題だと思うのであります。従いまして、年間を通じてなま牛乳が千八百万の児童生徒に必ず提供される。業界の要望の大小によって変動が絶対にないということが制度的に確保されるという保障がありまして、値段につきましても父兄側から見ましても納得のいく値段がこれまた確保されるということであります限り、学校給食立場からかれこれ申し上げる必要はないと思うのであります。やはり児童生徒父兄側から見ましても、なま牛乳国産で飲める、新鮮なものが飲めるということは希望することであるはずでございますから、今申し上げた前提条件が満足される限りにおいてまことにけっこうなことだと思います。ただそれを実現するについて、先刻申し上げたように、私のしろうと判断にいたしまても、相当むずかしい諸条件が横たわっておるんじゃなかろうか、それはあくまでも日本全体から見ました農業政策酪農振興政策の基本線の確立の線に立って考えらるべき学校給食側の要望でもあるわけでございますから、私だけで確定的な政府考えを申し上げることはちょっと僭越ではないか、こう思いますので、以上の御答弁を申し上げているわけであります。方向としては異存はございません。
  95. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、大臣は、かりに、学校給食を担当する機関のあり方等についてはどのような構想を持っておられますか。そもそもことしの大幅な学校給食実施計画というものは、あらかじめ農林大臣と協議をし、その意見の一致を見た上で学校給食会法の改正の手続なり、あるいは予算の計上が行なわれたものでないと私は見ておるのですが、十分に御協議になっておるならば、やはり今大臣も御指摘になりました残りものの捨て場であってはならないと思います。これは全くその通りであります。われわれが従来しばしば指摘した通りであります。従って農林省が現在考えておる別途八億円の国内乳の使用による学校給食政策というものは、やや残りもの処分の傾向が強い。それから今あなたが考えられていることは、文部省農林省、その他関係省と必ずしも協議をしたものではないが、しかし学校給食の本流を、あなた方はこれを通じてしていこうとしておると見受けられる。といたしますと、学校給食を担当する機関のあり方、いわゆる大きな機関のあり方というものについては、どういうふうにお考えになっておりますか。現在のこのような学校給食会法という、会を通じてどこまでもおやりになっていこうとしておるのか、あるいはまた畜産事業団というものができまして、これはただ単に乳製品や肉類を買い上げるということではなしに、農林省としては国策としての学校給食等の事務もこれに当たらしめるということになり、行政上の補助金支出等も行ない、行政指導を行なわしめるような法律の改正が行なわれ、そういう運営がなされている。俗に第二畜産局とも言われるような傾向が出ております。現在この二つの流れというものがあるわけであります。がしかし、現在の農林省考え方もおそらく大臣の今の基本方針に反対はなかろうと思います。問題は機構というもの、基本的な方針があるならば、学校給食を担当する体制というものはどうあるべきかということは、主管大臣としてその構想の一端を明らかにして、この窮迫しておる国内酪農事情というもの、また政府が増産をせしめた責任もありますから、農林省とすみやかに協議されまして、畜産事業団の事業を通じて行なわれておる学校給食、また日本学校給食会を通じて行なわれておるこの二つの流れというものをどういうふうにあなたは調整して、これを将来国内産牛乳に切りかえていく、あるいは乳製品に切りかえていくという御構想でありますか、これは大臣としての御構想をこの際明らかにされる必要があろうかと思います。別にそれであなたの言質をとって今後どうということはございません。少なくともこれだけの大事業を行ない、その及ぼす影響が大きいわけでありますから、将来についての基本方針があるならば、当然構想の中心を占める学校給食体制の中の機関のあり方というものについては、どういう御構想でありますか、承りたい。
  96. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 今まで多年にわたりまして学校給食というものが行なわれて参りまして、それを担当します機関としては法律までも設けて学校給食会という機関をつくり、そのものをして行なわしめて今日に至っております。完全給食の形で申し上げれば、すでにお答えしたと思いますが、小中学校を通じていえば五割くらいしかまだ普及していない。今後さらに五割の普及こそがなされねばならないという方向づけのもとに歩き続けているのであります。その意味学校給食会というものは、ミルク給食はもちろん、学校給食の完全実施に向かって努力をし続けて、経験を持っておる。従って今度の脱脂粉乳によりますミルク給食にしましても、学校給食会を通じて実施できるという考えのもとに予算の御審議を願う段階にまで参ったわけでございまして、おっしゃるところの事業団は正確に承知いたしませんけれども酪農振興という農業政策立場から考えられた一つの組織体だと思うのでございます。それがかりに国内産のなま牛乳なりあるいは脱脂粉乳に依存しまして学校給食をやることになったとした場合、その事業団そのものが直ちに当たり得るかどうかということには、ちょっと私は制度論としての疑問を持ちます。さりとて、国内産の原料を使ってミルク給食を全面的に将来永遠にわたって実施するという角度から、学校給食会あるいは事業団以外の、何らかの両目的を、すなわち畜産振興という目的、学校給食という目的をあわせ実施するにふさわしいところのものを新たにつくるかどうかという課題もむろんあろうと思いますが、それらのことにつきましてはちょっと今何ともお答えをいたしかねます。現状としましては、給食会を通じて実施せしめ得る、こういう考え方で今日にたどりついておるわけであります。
  97. 足鹿覺

    足鹿委員 現在の学校給食そのものを見ましても、実施主体というものは大臣も御存じのように必ずしも明確でありません。学校給食法の第三条によりますと「「学校給食」とは、」「義務教育諸学校において、その児童又は生徒に対し実施される給食をいう。」同法第四条は「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食実施されるように努めなければならない。」というきわめて——現在あなたが考えておられますところの、はからずもころげ込んだこのたびの八万五千トンという膨大な学校給食アメリカの放出物資によって行なうには、少なくとも実施主体というものが明確でない。中央にはこの法律に基づいて給食会というものがありますが、地方には社団法人ですか、都道府県の団体というものがそういうものであり、そして学校給食協議会というものが主としてその実務に当たっておる。そして多額の父兄負担を負わせて運営されておるということになっております。私の手元にあります資料を見ましても、年間の学校給食会の物資経理の面で見ますと、三十七年度において三十二億三千四百十七万七千四百円というものが物資経理になっております。このうちに不適品と称するものが七億一千三百六十万円という約四分の一くらいの多額のものを持っております。この運営等をめぐって非常に疑惑が使いし、問題が発生しやすい。四、五年前に、まだ大臣御在任でないときにも、農林委員会ではこの問題を徹底的に検討したことがございますが、こういう三十二億円という大きな仕事をして、しかも業務経理を見ますと三千百五十三万三千五百九十円という支出でございまして、収入は三千百五十三万三千五百九十円、その中で国庫補助金が三千百四十四万四千円というもので、ほとんど国庫補助金でまかなわれておる。要するに中央ではこういう経理がとられ、そして業務勘定というものが設けられて物資経理が別立になつて行なわれておる。しかも運営に当たっておりますところの学校給食会の構成を見ますと、理事長が一人おって常務理事が二人、常任監事が一人、総務課が九名の会計が十二名、物資が八名、こういうまことにささやかというか、業務は一体何をしておるものか、実務というものは何ものかに代行せしめて、要するに若干の帳簿の面において問題を処理しておる、あるいは学校給食に若干関係のある会合を開くとか、あるいは若干の文書活動を開いてPRをするという程度のものにすぎない、かように考えざるを得ない。そうしてこの利益金そのものは八千六百十二万二千八百八十七円という大きな収益を上げておりますが、この利益金というものは業務勘定にも入ってきておりません。これはどこへ処理されておるものか私ども見当がつきませんが、いずれにいたしましても、学校給食会というものは中央にだけ法律の裏づけのあるこのような貧弱な機関があって、はたして今度のこの大きな八万五千トンに達する放出脱粉の処理が可能であるかどうか、スムーズにいき得るかどうか、私は非常に疑念を持つものであります。大臣は今学校給食会の一部改正でこれは乗り切れる、こういう御方針のようであります。このような現状を見たときに私は乗り切れないと思うのです。これを一体どうされますか。学校給食体制には、将来は別としましても、現実そのものにももう行き詰まるとどうにもしようがない段階がきておるのではないか。この際主管大臣としては、もっと構想を深く掘り下げ、広い展望に立たれて検討される必要があるのではないかと先ほども申し上げたわけであります。別に根拠なくしてただ言っておるのではありません。とてもこのような団体構成や経理事業計画内容でやれるはずはありません。実施主体は事実上どこか別に動いている。これはほんの帳面づら、計画づらでおる団体にすぎません。このようなことで、しかも大きな今回のような画期的な学校給食の目的が達成できるとお考えになっておるところに、大臣の検討不足があるのではないかと思うのであります。その点いかがでありますか。
  98. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 あまり詳しくお答えもできませんが、御指摘通り日本給食会というのが中央にあって、また各都道府県ごとに給食会があって、従来食管会計に繰り入れました一種の補助金的な作用をしますものによって小麦粉を割安に入手して、各都道府県給食会にこれを配給する、それを名都道府県給食会が共同加工したりいたしまして、さらにまた市町村に配給する、それが市町村及び学校ごとの実施機能に依存して完全給食が五割行なわれておるというのが現状だと理解しております。そこで完全給食をやっておりますところには、いろいろな設備等も一応整っております。足りませんのは今度の予算を通じまして助成して整備する。学校給食をしておりませんところで、新たに始めますところには、実施時期を準備期間を除きましておくらせまして、準備した上で、実施する、そういうやり方でやろうという構想でございますが、御指摘のように、これだけの千八百万人に脱脂粉乳によるものとはいいながらミルク給食をしますことは、画期的であり、今までの仕事量に比べれば、大へんだとむろん考えられますけれども給食会というのは、その原料を末端にスムースに配給するという機能が主たるものであると理解されますので、完全給食を各学校ごとにやっておるところでは格別驚くべき新事態ではないと理解いたします。初めてミルク給食をやりますところでは、そのことが幾らかめんどうなことがあり得ると思いますけれども、それも適当な準備期間を置きまして、設備等を整備してやります限り、処理はなま牛乳の場合よりは簡単だとは聞かされております。だとするならば、三十八年度実行することに不可能に近いような困難さというものは起こり得ないであろう、こういう推定をいたしておるのであります。さりとて将来にわたって完全給食までに持っていく建前で前進しておりますから、現在の給食会の機能それそのままでいつまでもやっていけるという考えではむろんございません。ことに先ほど来お話が出ましたような国産のなま牛乳を中心に、あるいは国産脱脂粉乳を中心にやっていく年次計画的な実施に移るとしますならば、はたしてこれでよろしいかどうか、もっと他の角度からスムーズにやっていける機構を、かりに給食会を中心に考えるとしましても、そのためのあらためての給食会法の改正の必要な時期が到来することは必然的なものだと私も考えるのであります。そういう際に、さっきちょっと触れましたように、今のままの性格でよろしいか、新たに畜産振興の立場から設けられておりましょうが、その事業団の協力を得ながら、すなわち原料供給源としての機能を果たしてもらいながら、それを受けて、第三のあらためての機構に、純粋に学校給食を完全に実施していく使命を明確に帯びさせまして、それだけの機能も持たせながらの新しい構想があってしかるべきではなかろうかということは一つの連想としては考えますけれども、その具体性ある案画は現に持っておるわけではございませんので、これも含めて事務当局で十分に相談しつつ前進していくための考案がなされてしかるべきじゃなかろうか、かように思うのであります。
  99. 足鹿覺

    足鹿委員 大臣の御構想はまことに安易過ぎはしないかと思うのであります。実情を御存じになっておりますか。現在における学校給食にいたしましても、父兄から徴収しております給食費を取り扱う会計というものは、通常学校長の責任において管理をされております。この会計の全国総額は、最近のもので年間四百億に達すると推定をされております。このばく大な金銭は、いわゆる栄養士もない、給食担当の職員も不十分である、置こうと思っても父兄負担がかさまってきますからなかなか置けないという中にあって、学校の先生方が鉛筆をなめながら本職の学校教員としての余暇に非常な無理をしてなさっておる。そうして子供たちのために奉仕をしておられる。こういうばく大な金銭が何ら公の監督も受けておらない私会計的な処理をされておるところにも私は問題があると思う。いわんや今度これが全国的に一斉に、そういうばく大な千八百万人を対象とした小、中学校給食が始まるということになりますと、ますます現在の先生方に大きな負担をかけていく結果になることは私は必然であろうと思うのであります。現状を大臣は御存じかどうか知りませんが、念のために申し上げますと、現在の場合、ちょっと古い資料でありますが、三十四年度の文部省調査を見ましても、給食用の施設設備、備品購入総額が十二億一千八百万円、このうち公費支出がたった七億九千万円で、経費の三五%に当たる残額の四億三千万円は父兄負担またはその他の寄付になっておる。それから学校給食の従事職員の人件費も父兄負担が非常に多い。一昨年の三十六年五月末現在におきまして専務者三万七千百五十九人です。そうしてこのうち四千七百三十四人、一二・七%というものはPTAが負担をしておるのであります。末端の実情はこういう実情であります。府県学校給食会の業務費も全く父兄負担となっております。こういう状態で、三十四年度決算では全国で二億五百万円の同会業務費が父兄負担となっておる。この点は行管がもうすでに指摘しておるのであります。あなたがおやりになっておる現行の学校給食においてすらも、もう私が今指摘したような矛盾が露呈されておる。大臣が先ほど述べられたような基本方針をお持ちでありますならば、この実情に即しても現在のCCC八万五千トンを実施していく上におきましても、これは当然末端までの学校給食体制というものをいわゆる三省間において検討なさいまして、そうしてまず当面の措置はこうだ、しかし将来の措置はこうあるべきだという方針を打ち出さずして、ただ漫然と従来の行きがかり上大体やれるだろうというような甘いお考えでは、私はこの問題は処理できないと思う。実際、私の今申し上げた数字の上からいっても、機構の上からいっても、矛盾だらけではありませんか。あなたは口を開けば父兄負担父兄負担と黒板に書いたようなことをおっしゃいますが、父兄負担は、今私が指摘したような施設やあるいは学校給食関係の人件費等に国が全額補助をする、学校の先生方と同じような身分においてやはりこれを処理していくという方針がとられますことによっても、その金によって父兄負担というものは実質的な学校給食を埋めて余りがあると私は思うのであります。そういう点を十分御検討になれないまでも、大きい急所々々はつかんでおいて、そして当面の対策と一つ学校給食の主体性といいますか、体制を整備していく構想というものは当然あってしかるべきである。もしあなたがこれで学校給食はどうにかやれるであろうというようなことで、ただいまの御答弁を翻さずに大きな矛盾ができ、八万五千トンの消化ができ得なかったときのあなたの政治責任は重大だと思いますが、それでよろしゅうございますか。
  100. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 今御指摘になりました矛盾と申しますか、本来父兄負担になすべきものでないのが父兄負担になっておることは、学校給食のみならずほかにもございます。ございますからよろしいというわけではむろんございませんが、この学校給食なるものがだんだんと普及する段階的なことは、今まで承知しているところによれば、当該学校あるいは市町村等におきまして自発的に完全給食が開始せられ、またその要望が具体的に起こって、及ばずながら助成せねばなるまいということから出てきておる。ことにまた小麦粉に対します一円補助のごときは、突き詰めた実情から申し上げればあまりにも少なきに失するという矛盾もむろんあろうかと思いますが、いずれにしましても学校給食そのものの効果というものがあまりにも顕著なものでございますから、制度が整備されるに従って漸を追って御指摘のような矛盾をゼロにしながらやっていくというそのテンポが、国の施策の方が遺憾ながらおくれておる。そういうことで今日にきておると思うのでございます。従いまして、今度の脱脂粉乳によりますミルク給食にいたしましても、お話しのような困難性が、おそらくはあなたがおっしゃることと私どもの感じることと程度の差があると思いますけれども、あり得ると思います。にもかかわらず、ミルク給食実施することの効果を第一義に考えまして、極力矛盾を防止する考慮を払いながら実施したい、かような考え方でございます。  なお、詳しくおっしゃったことに対して私もすべて承知しておるわけでございませんのでお答えいたしかねる部分もございます。できれば政府委員から補足させていただきます。
  101. 足鹿覺

    足鹿委員 政府委員には私はまた別な機会に幾らでも聞きますから、大臣におもなる点をもう一点ばかりお尋ねをして、他の委員も待っておられますから、質問を終わりたいと思います。  ただいまも私が指摘をいたしましたように、物資経理の面において、いわゆる業務勘定において、事業収入の三十二億円のうち七億一千万に当たる不適品と称するものがあります。この内容、どういう場合を不適品というのか、これを明示していただきたい。大臣に御注意申し上げておきますが、この不適品と称するものは、いわゆる荷くずれ、その品質そのものが汚損したとか子供の飲用には適さないような状態のものを言っておるのではございません。今までの実例は、不適品と称して荷くずれしたものがどんどん出ている。そうするとそれが夏場のアイスクリームに化けて出る。これはもう天下公知です。そういうものが三十二億の事業収入のうち七億一千万円も出ておるが、その内容を資料として一つお示しを願いたい。今度はいわんや八万五千トンであります。これは若干数字を訂正されたと聞いておりますが、それはまあ別な機会に問題にするといたしまして、完全消化をしなかったときの責任はだれが負うのでありますか。文部大臣がお負いになりますか。そして今年のもし不適品が出た場合の処理、それからこの八万五千トンを年度内に完全に処理し得なかった残額はどのように御処理になるのでありますか。この処理いかんをめぐって、国内の生乳あるいは酪農製品に及ぼす影響はきわめて甚大といわねばなりません。今にしても、先ほど私が指摘をしたように重大な脅威を与えんとしつつある、農家に不安と動揺を与えておる。政府は一体国内酪農民を保護するつもりなのか。いわゆるアメリカ政府補助金を出して安くきたものを、安い安いといって買っておれば済むという段階ではないのではないか。われわれがつくるものとアメリカの農民がつくるものとは大差がない。問題は政府がどのようにめんどうを見るかということが安いか高いかの問題でありまして、アメリカのものはほうっておいて、コマーシャル・ベースでこっちへきてこんなにべらぼうに安くなるはずはないのであります。でありますから、この残品の処理あるいは不適品の処理いかんが酪農界に及ぼす影響というものは非常に甚大である、これに対する処理の方針を一たび誤りたるときには重大な問題が発生するということを申し上げたい。基本方針としてはいかように腹をきめておられますか、これを伺いたい。
  102. 前田充明

    前田(充)政府委員 数字でずっと申し上げますが、不適品は三十六年度三千三百九十一トンございまして、加工用として六百三十六トン、飼料として二千七百五十五トンでございます。加工用は不適品ということになりますかどうかということは厚生省の検査によります。なお、それによって不適品ということになれば農林省指示に従って払い下げをいたします。飼料につきましてはやはり農林省指示と、それから立会検査によりまして、飼料にいたす場合にほかのまぜものをするのを検査いたしまして、そして農林省指示通りによって払い下げをいたしておるのでございまして、実際の経理給食会でいたしますが、そのやり方等はすべて農林省の畜産局の指示通りでやっております。
  103. 足鹿覺

    足鹿委員 農林省はどういう御指示をなすっておるのですか。今の体育局長の御答弁を一体どのように解釈しておられるのですか。今私が指摘しておるのは、今までの業務勘定の上において三十二億円、その中で不適品と称するものが七億一千万、こういう膨大なものが出ておる。いわんや八万五千トンの放出物資を日本に入れた場合、今大臣が言われたような安易なお気持では処理がつきますまい。私は必ずそういう事態が起きるということを予言しておきます。そのときの責任は重大でありますよ。まあそれはそれとして、うまく処理できればそれに越したことはないのでありますが、しかし必ず残品が出る、今まですらもこのような大きな不適品と称するものが出ておるのだから。そこで、八万五千トンの場合は農林省と協議をして処理をすると体育局長は言っておられる、今までもそれで処理してきたが今後もあなた方と一緒に処理をすると言っておられる。一体わが国酪農がこのような状態に置かれておるときに、何らこの酪農に影響せずして処理するということが言明できますか。はっきりして下さい。
  104. 村田豐三

    村田政府委員 学校給食用の輸入脱粉の不良品処分を、えさ用に従来も受けておりますが、その際には、そのえさ用の脱粉が的確にえさとして末端まで渡りますように、需要者団体を指定いたしまして、その需要者団体に限りまして、一定の価格で流通をせしめていくという措置をとっている次第であります。
  105. 足鹿覺

    足鹿委員 畜産局長、私はそんなことを聞いておるのじゃないのですよ。結局、もし残品や不適格品がたくさん出てきたときのその処理を誤ったならば、それは飼料に放出するというお話なんですが、今までの実情は、飼料だけに放出しておられません。これは明らかにアイスクリームその他の原料に出回っているのです。それは間違いないのです。そういうことをほおかぶりしていかれようとしても、事実を曲げることはできないのです。だから、当然これは酪農界に及ぼす影響は甚大であると思うのです。ですから、ここにちゃんとくぎをさして、酪農界に影響を及ぼさない処置をとる、こういう基本方針を明らかにして、もし大きな影響を与えたら、責任を負ってもらわなければならぬのでありますから、まずあなた方が——もうきめておるのでありますから、われわれ野党においてこれをひっくり返すということはできますまい。しかし、漸次大臣の方針に従って、国内産に切りかえていくという長期の展望に立った、そして国内酪農の伸びと見合った、そして四月から八月の、一番不安定期をいかにうまく国内品で間に合わせるかという対策をわれわれが検討していけば、解決がつくわけなんです。でありますから、私が今聞いているのは、この膨大な、今までですらもこういう処理で、アイスクリームその他の原料にこれが出ておる。あなた方がしらを切るならば、幾らでも資料はありますよ。しかし、私はそれを追及することがきょうの質問の内容でありませんから、酪農界には心配をかけないという方針を明らかにされ、それが実行できなかったときには責任を負う、こういうことを農林省を代表して御答弁願いたい。できなければできないとおっしゃい。
  106. 津島文治

    ○津島政府委員 お答えいたします。学校用の給食のために輸入いたしました脱粉のうちで、不良品ができている、その不良品を今度民間に出す、その場合に、酪農の振興に有害なようでは困るというようなお話でございます。まことにごもっともなお話でございます。私ども酪農の振興につきましては、非常な努力をいたしております。そうしてその反面に、またいささかでもこれを阻害するというようなことが出て参りますれば、はなはだ遺憾なことでございます。従いまして、これはほんとうにお話のごとく、私どもは責任を持って、その酪農の振興を阻害しないように処置をしていかなければならないと考える次第であります。
  107. 足鹿覺

    足鹿委員 津島政務次官がさような御言明になっておるのでありますから、これ以上申し上げますまい。また別な機会に、これはみっちり一つお尋ねをいたしますけれども、先ほど体育局長が御答弁になりましたから、ついでに申し上げますが、三十七年の業務勘定において、利益金八千六百十二万二千八百八十七円となっておりますが、これは、処分はどうなったのでありますか。また来年度における八万五千トンの大量脱粉の輸入に基づく利益金の予想はいかん。またその処理方針はいかんということ、それからいま一つ、伝え聞くところによりますと、脱粉もアメリカのものを買う、ミキサーもアメリカのものを買うというお話でありましたが、世論にかんがみるところあってか、ミキサーは国産品に切りかえたと一部伝えられておりますが、それらに関連をいたしまして、この利益金の過去における処分の内容、先ほど言いました、いわゆる不適品の中身、それから処理をした処理先、処理量、処理金額、そういった一連の——ただいまのような御答弁では満足できません。ですから、それを資料としてお出しいただきたい。農林委員会の方にもお配りをいただきたい。この利益金の処分方針いかん。先ほど湯山委員からも、非常な質問がありましたが、大へんな処分利益が出てくると思いますし、ミキサーの問題と、三つ明らかにしていただきたい。
  108. 前田充明

    前田(充)政府委員 利益金の処分問題でございますが、利益金は八千六百万円ということに、三十七年度予定になっておりますが、これは翌年へ繰り越すわけでありまして、物資経理と申しますのは、ミルク及び水産カン詰等ほんのわずかございますが、水産カン詰はおおむねあっせん物資でございまして、業者から買われたものが、そのまま業者の手によって県まで届けるような方式でやっておりますので、これは歳入、歳出関係はございません。それからミルクだけが、保管料その他輸送料等が入るわけでございます。従って、そういうものが買い入れ価格にプラスされたもので決定をいたすわけでございますが、これは損も得もないようにやるようになっておりますが、しかし何を申せ、非常に金額が多いものでございますから、ただいま三十二億の中で八千万円という問題が出てきたわけでございます。そこで、これは特別経理いたしておりまして、いわゆる運営等と全く無関係に、特別経理をいたしておりますので、それが出ました場合には、それは翌年度に回るというわけでございますが、それが必然的に子供に還元されていくわけでございます。従って、児童に翌年に売る価格に入っていくわけでございますので、いわゆる不良品を売って入った収入は、全部また子供に返っていく、こういうような勘定をいたしております。
  109. 足鹿覺

    足鹿委員 資料としていただけますか。先ほど言いました不適品の問題、それから来年度の八万五千トンは、従来から見た場合、いわゆる利益金はどういう状態にお見込みになっているか。
  110. 前田充明

    前田(充)政府委員 来年度の歳入、歳出の予算につきましては、今月の下旬までにつくるようにいたしておりますので、現にやっておりますが、今ちょっとお答えする段階になっておりません。  それからミキサーのことでございますが、ミキサーは、もちろん国内品でまかなうことを考えておる次第でござ  います。
  111. 足鹿覺

    足鹿委員 資料を出すかどうか。
  112. 前田充明

    前田(充)政府委員 どこへどれだけ出したという資料の御要求でございますが、これは出すことができます。
  113. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは最後に、荒木さんに今一応申し上げておきますが、少なくともあなた方が事前に農林省とよく協議をして、このたびの学校給食というものがスタートしたものではない。自民党の賀屋構想があって、そして思わざるところへころげ込んできた。これは間違いないと思うのですが、しかし、それは大臣としての御努力になった点もあろうかと思いますが、しかし、私どもの心配しているのは、これをすみやかに国内牛乳または乳製品をもって、十カ年計画等によってこれを切りかえていくということが本来の趣旨でありますので、そういう趣旨から御質問を申し上げておるわけでありまして、そういう点で、国内生乳使用の立場に立っている農林省は少なくとも残品処理的な考え方を一掃するということ、それから荒木さんは、国内牛乳や乳製品を十カ年計画なら十カ年計画でもってこれを学校給食に切りかえていく、価格その他については事例は幾らでも申し上げますが、方法はございます。ございますが、きょうはそういうこまかいことは申し上げませんが、そういう点で農林省とこのたびはあらためて協議をして受け入れるという態勢ではなかった。少なくとも本年の実情から出発して一年ばったりでやめるのか、あるいは将来にわたって継続されるのか、継続するにしても、現状のままではわれわれは納得できません。でありますから、農林省と協議をして、そして二元的な現在の学校給食を改めていく方針であるかどうか、これは文部、農林同大臣から御答弁をお願い申し上げたいと思います。少なくとも学校給食に対するところの基本的な関係省が一本となった体制をこの際早急に打ち出すために努力をする、そしてできる限り三十九年度を目途として漸次学校給食国内産に切りかえていく、この基本方針を明らかにされることを期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  114. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 基本的なものの考え方につきましては、先刻も申し上げた通り予算委員会でお答え申した通り考えております。むろん学校給食は全部の完全給食に向かって前進していきたいと思います。脱脂粉乳によりますミルク給食、これも続けていきたいと思います。ただし、今もお話がありました通り学校給食立場からは当然に出てきはしませんけれども日本人の一人として考えました常識論からいっても、国内産原料で学校給食ができるように一日も早くなることを希望することは当然でございますから、この前も申し上げました通り国内の体制が先刻申した条件を整備しつつ進行するに応じて原料の輸入が漸減するような方策を立てて、着実に前進するという構想のもとに具体的努力が払われるべきことは当然のことと心得ます。
  115. 津島文治

    ○津島政府委員 お答え申します。きょうはいろいろ足鹿先生の御議論と、それから文部大臣のお考えを承りまして、学校給食が漸次国内産牛乳と生乳にかわるべきものであるというようなことを承りまして、畜産振興の立場にあります農林省といたしましては、まことに心強く感ずる次第であります。しかしながら、それをただ喜んではおられぬのでありまして、それの実施に関しましては、いろいろ大きな責任を負わされたような感が深くいたすのであります。大臣も余りものを配給するようなことではいかぬという話でありまして、全く同感でございます。どうしてもやはりコンスタントにこれを続けるという工夫を今後して参らなければならぬと思うのであります。せっかくこの方針に向かって農林省努力を尽くしたいと存ずるのであります。
  116. 湯山勇

    ○湯山委員 答弁をいただく前に、文部大臣にちょっと経過を申し上げておきたいと思います。  今の質問の経過は、児童給食を全面的に実施されるということについては大へんけっこうですけれども、これと取り組む政府の心がまえ、体制には非常に不安な点が多いということを申し上げました。それは予算の面から申しましても、あるいはその他の面から申しましても、ずさんな点が相当目につきます。これは政務次官もあるいは事務当局もそういう点があるということを認められた点でございますが、それをやっていくためには、よほどしっかりやってもらわなくちゃならないということから価格の問題に触れて参りまして、文部省の方で購入しておる価格農林省の方でいただいた資料とには非常に大きな食い違いがございます。そこでその食い違いを今お尋ねしておる段階でございまして、その答弁事務当局からいただいて、それからあと文部大臣にいろいろお尋ねいたしたいと思います。
  117. 村田豐三

    村田政府委員 私からお答えするのは筋違いなのでございますが、ただいま湯山先生の御指摘になりました農林省農林経済局から提出をいたしておりまする資料は、ただいま経済局の方に連絡をとりまして伺いますと、この資料は大蔵省の通関統計を編集したものである、かように申しております。編集したものに日本貿易年報というのがあるそうでございます。それに基づく数字であるという回答でございます。御承知のように通関統計は、輸入価格そのものが記載されないで、通関の際において一定の評価がえが行なわれておりますために、実際の価格とは趣を異にするそうでございまして、従って、おそらく文部省の資料はコスト価格でございましょうから、その辺の食い違いがあるのかと存じます。経済局の責任者から申し上げるべき筋でございますけれども、便宜かわりまして私からお答えさしていただきます。  なお先ほど私が申し上げました飼料用の輸入価格でございますが、約九万円前後と申しましたのは、これは輸入飼料を政府が売却しますときの価格でございまして、訂正をさせていただきます。現実に政府輸入いたします価格は、年によって若干の相違がございまするけれども、おおむね六万円から八万円の間を上下いたしておりまするので、訂正さしていただきます。
  118. 湯山勇

    ○湯山委員 どうしてほとんど全部がトン当たり百十ドルで入っておるものを通関のときにそういうふうに二百九十ドルに評価がえしなければならないのですか。何かわけがありますか。事実はほとんど全部が給食用で入って、百十ドルという値段で取引されている。ところが輸入実績として今のように二百九十ドル程度で輸入して、その金を払っておる、こういうことになっておるので、どうしてそういう操作が要るのでしょう。
  119. 村田豐三

    村田政府委員 これも私お答えするのは非常に僭越でございまするけれども、お許しをいただきまして、また間違っておりましたならば、後ほど責任のある省から訂正をいたしますことをお許しいただきたいと存じますが、大蔵省の方で、税関の扱いといたしましては、通関の際に、たとい無償のものでも、それに一定の評価をいたしまして通関の処理をいたすのだそうでございます。その理由は、大蔵省としてどういう理由でそれをそういう評価がえをなさいますか、これは私の方でもわかりませんけれども、現実の通関事務としてさような処理がなされているという事実だけを申し上げましてお許しを願いたいと存じます。
  120. 湯山勇

    ○湯山委員 これは大へん問題があると思いますから、別な機会にその点だけについては明らかにしたいと思います。ただ、今文部省及び農林省の御答弁によって、用途によって値段が違っているということだけは明瞭になって参りました。つまり、学校給食用として輸入する場合、それからえさとして輸入する場合、今の一般のコマーシャル・ベースで取引する場合の価格、これは通関価格というのですか、脱脂粉乳にこういう三段階の値段があるということが明瞭になったわけですが、そうすると、アメリカ脱脂粉乳を注文するときに、これは学校給食に使うのだということを約束して買うわけでございますか。私ども普通考えれば、買い入れたものは、学校給食に使おうが何にしようが日本の国の自由だ、商取引によって買い入れたものは、こちらで何に使ってもいいのじゃないかというようなこと、これは独立国ですからそうだと思うのですけれども、一体どういう契約でアメリカの方から給食用の粉乳は買い入れるのか、特別な手続があるのかどうか、これは文部大臣から一つお願いいたしたいと思います。
  121. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 ちょっとその点具体的に存じませんので、政府委員からお答え申します。
  122. 前田充明

    前田(充)政府委員 学校給食用ということをはっきり明示しまして、そしてそのトン数をはっきり出しまして、そして外務省を通して向こうに交渉してもらっておる事情でございます。
  123. 湯山勇

    ○湯山委員 それじゃそのときに誓約書か何か出すわけですか。つまり、この学校給食用として輸入したものは学校給食以外には使ってはならない、こういう約束。使わないし、使ってはならない、こういう契約をするわけですね。それはどことするのでしょうか。
  124. 前田充明

    前田(充)政府委員 契約をいたしまして、ほかへは使わないということを明示いたします。契約の相手につきましてはちょっとしばらくお待ちを願いたいと思います。——こちらは学校給食会でございまして、学校給食会とCCCとの契約でございます。
  125. 湯山勇

    ○湯山委員 そうすると、どういうことがあっても、その脱脂粉乳学校給食以外の目的に使ってはならない、使えない、こういうことですね。確認したいと思います。
  126. 前田充明

    前田(充)政府委員 先ほどの不適品の出た場合は別でございますが、学校給食以外には食べないということになると思います。
  127. 湯山勇

    ○湯山委員 そうすると、人が食べるものには使わない、こういうことですね。
  128. 前田充明

    前田(充)政府委員 人ではございませんで学校給食に使うということでございます。
  129. 湯山勇

    ○湯山委員 今のは学校給食以外のものを言っておるわけです。学校給食以外で人の食べるものには使わない。つまり、たとえばアイスクリームに使うとか、そういった人間の食糧としては学校給食以外に使っちゃならない、そういう契約ですね。
  130. 前田充明

    前田(充)政府委員 ただいまのお話は、適品である限りは学校給食に使う、不適品であれば別でございます。学校給食の場合は適品であるものは使う。
  131. 湯山勇

    ○湯山委員 不適品ということになれば何に使ってもいいわけでございますか。不適品というのは名前がつけば何に使ってもいいか。
  132. 前田充明

    前田(充)政府委員 そこのところの契約については、不適品で一体食べられるのか、食べられないのかということについては、契約としては明確でないのでございます。私ども学校給食用ということで買い、学校給食として不適品であるというものは、それは別という考え方を持っております。
  133. 湯山勇

    ○湯山委員 そうすると、今のように値段についても制約がありますし、用途についてもそういう制限がある。そうするとコマーシャルじゃなくて援助というような性格を持っておるものですか。つまり、俗に言う言葉でいえば、脱脂粉乳についてはひもつき、そういうことになっているんじゃないか。どうなんですか。
  134. 前田充明

    前田(充)政府委員 ひもつきという言葉の解釈にもよりますが、私の考えでは、一応ひもつきという言葉は適当であろうと思います。学校給食に使うということを私どもとしては誓約しておるわけでございますので、ひもつきと言えるかと思います。
  135. 湯山勇

    ○湯山委員 つまり学校給食に使うという条件のもとに安くしてもらっている、こういう非常に強い制限があるということになれば、これは商取引じゃなくて援助のような性格もあると思います。それを今ひもつきということで私も言いますし、局長も言われたので、これはとにかく一般的なコマーシャルではないということは間違いないと思うのです。そうなりますと、結論を急ぎたいと思いますが、特に大臣にお尋ねいたしたいのですが、結局この脱脂粉乳というものは、大臣もよく御存じと思いますし、私もそれを調べてみました。しかしアメリカでは給食には使っておりません。向こうでは粉ミルクを使っておりますけれども、これは脱脂しないのを使っております。そうなりますと、学校給食の本来の目的はどういうところにあるかというと、学校給食法によりますと、「義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。」その四号に、「食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。」こうあります。で、向こうでは用途はこういう用途のものだ、それをこういうふうにして安く買い入れた、これを今みんなの給食にするんだというようなことについて、明らかに子供たちに正しく理解さすということの上に立って給食をやられなければ、本来の目的である教育の一環としての給食ができないわけであります。これは、やり方によっては、あるいは説明の仕方によっては、給食本来の目的を阻害する、こういうことも懸念されるわけです。そこで大臣もさっきからおっしゃったように、どうしても脱脂粉乳給食については国内のものに振りかえていく、国内のものに脱脂粉乳を振りかえるのじゃなくて、給食は本来生乳、——それで大臣が御心配のように切れ目ができる、あるいは保存に困るというときには、無理に脱脂しないで——これはほんとうの脱脂しない粉ミルクです。これは外国も、アメリカも使っております。こういうものでほんとうの給食をすべきで、脱脂粉乳というのは、本来何のために脱脂したかということを考えていけば、なるべく早くそういうものの給食はやめて、そうして給食本来の目的からいってもやめるべきものであるし、それから今の国内生産国内酪農を伸ばしていく、こういった点からいっても、一日も早く脱脂粉乳、特に輸入脱脂粉乳による給食というものは切りかえていかなければならない、こういう結論が出てくると思います。これについて、大臣のそういう角度からの 御所見、御答弁をいただきたいと思います。
  136. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 今の点は私も同感でございます。私の聞いていることだけからいきましても、子供たち脱脂粉乳によるミルク給食よりも、なま牛乳給食を好む一般的な傾向があると聞いております。そういう点からもなま牛乳が望ましいことは、これは当然のことと思います。従って、先刻お答え申し上げましたような趣旨で、なるべくすみやかに国産原料で、それもでき得るならばなま牛乳給食ができるように持っていくことは、これは当然のコースじゃないか、その条件整備のために、国全体の立場から努力さるべきものと思います。
  137. 湯山勇

    ○湯山委員 今の、特にそのために安くしてもらっているというようなことも、考え方によれば、ある意味では内政干渉というようなことも言われないとも限りません。そこで、ぜひ大臣の言われたようにすみやかにそういうふうな態勢をとっていただくということをお願いしておきたい。今の大臣の御答弁に関連して、各省間の足並みがなかなかうまくそろっていないという一つの例をあげて、これも大臣の御所見を伺いたいと思います。  明年度二十二万石のなま乳の給食ができるような態勢がとられております。本年度が大体十五万石でございますから、二十二万石ならば、昨年は十月からでしたけれども、ことしは四月、五月、六月の三カ月間、なま乳給食をやっても、これはできるような予算的な措置も整っているし、それから昨年実施した学校を引き続いてやればいいのですから、学校自体の受け入れ態勢もできている。そうしてまた乳の生産の方は、乳価が下がるというので生産農家が心配しているように、今は生産も十分あります。ですから、四、五、六の三カ月はなま乳を大臣の言われたような趣旨でいっても、実施するのに非常にいい条件にあるわけです。拡大するのじゃなくて、経験のある学校がやればいいわけです。ところが、聞いたところによれば、これについて農林省はやりたいという意思表示をしておるようです。文部省もそれならやってみようというお気持はあるようです。ただ従来文部省ではなま乳給食で迷惑をかけておるから、積極的にぜひやりたいというのじゃないけれども子供たちのためにやってやらなければなるまいという気持に文部省はなっておる。ところが、大蔵省がこれにストップをかけているようです。大蔵省の言い分を間接に聞いたのですけれども、今とにかく乳価対策はやったあとだ、次の時期のダウンしかかったときにその手を打つために留保したいということが大蔵省の言い分のようです。しかしながら、せっかくこういういい機会になっておるし、今そうすることは農民も喜ぶことだし、子供たちも喜ぶことだし、大臣の今御答弁いただいたことにも合致することなんです。そこで、これは農林省大蔵省も見えておられますけれども、引き続いてやればいいわけですから、四月から引き続いてぜひ実施することにしていただきたいと思うわけですが、この点いかがなものでしょうか。
  138. 前田充明

    前田(充)政府委員 文部省といたしましては、三月までやっているのに続いてやれということでございますが、先ほど来の御議論通り、現在までのやり方は制度的に計画的にやるということにはただいままではなっておらないわけでございます。従って、学校の希望等勘案してやりたいと思います。学校等の関係で希望が出てくれば、もちろん私どももあえて拒む考え方は持っておりません。ただ、問題は値段の点でございますが、その点についての十分な検討と申しますか、折衝も必要であろうと考えております。
  139. 湯山勇

    ○湯山委員 局長、そういう御答弁では困るのです。すでにやっておって、今やっておるのですよ。今私が言う四月からやったらどうかというのは、現在やっておる学校なんです。希望があるのはこれはあたりまえなんです。そうして値段の点といっても、これも補助額がきまっています。それも予算が通らなければという心配もありますけれども、そこは事業団ですから、御存じの通り弾力性があるのです。引き続いてやっていってどこにも支障が起こらない。今希望してやっておるのです。それを引き続いて四、五、六と三カ月やるということなんで、文部省は従来やりかけておってもとめられたり、それからやると言ったのが延びたりして、学校側の方では先生や事務をとる人は迷惑がっております。しかし、子供はそれをやりたいと言っておる。希望してやっておるのですが、現在実施しておる学校をそのまま続いていくというのですから、ちっともかまわないのです。これは文部省はおやりになる御意向だし、農林省もやっていただきたい。大蔵省がとめておるのです。大蔵省主計官もお見えになっておられますが、どうなんですか。
  140. 谷川寛三

    ○谷川説明員 私といたしましては、ただいまの件は承知いたしておりません。農林担当の方でお話し合いが進められておる問題かと心得ております。
  141. 湯山勇

    ○湯山委員 これは今大臣がおっしゃったように、基本線に立てば当然おやりになっていただきたい、おやりになるべきだ、こう私は思いますが、態勢はもう現物もできます、それから学校の方の設備もちゃんと整えられておる、それから補助の方もちゃんとできておる。このまま続いてやりさえすればいいのです。これはぜひやっていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
  142. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 酪農振興立場から一合当たり三円七十銭でございますか助成金が出ておるというふうに承知いたしております。その助成金が予算で成立いたしまして、現に助成され、事業団を通じてかどうか存じませんけれども、現実にそれだけ割安になった牛乳が具体的な学校に提供されるという条件があり、またその補助金そのものがどういう場合に出され、一定の制約があるかどうか私もつまびらかにしないままに申し上げておりますが、そういういろいろな条件がすべて満足されて、三円七十銭の一合当たりの助成金が作用しまして、八円牛乳として四円三十銭の値段給食ができるという場合、そしてその当該学校もやりたいという場合、文部省立場から好ましくないなどと言う必要はない、けっこうなことだ、こう思います。
  143. 湯山勇

    ○湯山委員 畜産局長、今大臣条件としておあげになった四月から三円七十銭の補助、それから単価は大体今の単価、それから供給の方も、現在実施しておるところですから、今大臣がそういう条件が満たされればとおっしゃった条件は満たされると思いますが、責任者である畜産局長の方から御答弁願います。
  144. 村田豐三

    村田政府委員 御指摘の点、私どもの耳に入っておることを率直に申しますと、今度の新しい輸入脱脂粉乳によって新しい制度がしかれるというので、若干地方によりましては不安がっている向きもあるようでございますけれども、ただいま文部大臣の申されますように、従来の事業団を通じまして助成いたします生乳の学校給食制度というもの、これは県の教育委員会からわれわれが希望をとりまして、いつからいつまでの間これだけの数量をやりたいという数量が出てきますと、文部省とも大蔵省とも相談して従来実施をしておったわけでございまして、私ども四月以降におきまして、まだまだ牛乳の需給事情は相当ダブつきぎみであるという見通しを持っておりますので、農林省といたしましては文部省にもお願いし、大蔵省にもお願いして、ぜひ実現を期して参りたい、かように希望を持ってただいま関係省ともいろいろ打ち合わせ中でございます。
  145. 湯山勇

    ○湯山委員 文部大臣、今の助成の問題、それから供給の問題、その他、担当しておる農林省はああいうことでございました。ですから一つぜひやっていただきたい。それについてはもう四月からの計画なら教育委員会の希望というのはとっくにとっていなければならないと思うのです。質問じゃございませんけれども、こういうところにもほんとうにこれと取り組むという姿勢がないということを最初申し上げましたけれども、そういうところが随所にございます。これも一つ主管大臣である文部大臣がむしろ叱咤激励して、何しておるかということで一つお進め願わなければなかなか進まない、こういう状態にありますから、さっきのように余ったものの始末じゃなくて、積極的に正しい給食を進めていくという立場で、これもぜひ早急に実現をしていただきたいと思います。  それから最後に文部大臣にお開きしておきたい点は、給食の問題もそうですけれども、教科書の問題、これなんかは今年度支給するものに対しての予算措置はおととし、間に一年置いて、その前に措置されておりました。これは大臣御存じの通りです。しかし給食にはまだ今のような状態で、ずいぶん押し迫って、しかも従来慣例的にやっておった生乳の給食さえそんな状態でもたついておる。これはいかにも分けへだてがある。教科書については繰越明許まで認めてずっと前に措置する。給食についてはいよいよかべに乗り上げる段階になってまだ今のようなことである。こういうことは、教科書無償にしても、それから全体給食を無償にする、全面給食をする、それから生徒児童の疾病の治療、こういうことも無償でやる、それから進んだところではレジャーの費用さえ無償でやっております。そういう国がずいぶんたくさんあって、進んだ国というのはほとんどそういう形になっております。給食というのは決して軽視すべき問題ではなくて、また文教行政の枝葉になる問題じゃなくて、むしろ中心に据えなければならない問題である、こういう観点で、そもそも給食を最初始めた前田局長がたまたまその担当の局長になったのは私は大へんいい機会だと思います。こういう機会にぜひ一つ、今のような腰の入っていない学校給食じゃなくて、ほんとうに腰の入った、大臣の平素の所信が貫かれるような給食にすみやかに到達していただきたい、これを希望し、大臣の御所見を伺って質問を終わりたいと思います。
  146. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 学校給食については、教育的立場からも体位向上の面で非常に有効であるということは、もう周知のことになってきたと思います。もともとは、どなたかにもお答え申し上げましたように、戦後の食糧不足に悩んでおる臨時対策としてスタートしたと聞きますけれども、その実現の結果が雄弁に物語っておるから、今申したような意味において理解されてきたことは、非常に喜ばしいことだと思います。そういう線に立って、お説のごとく学校給食を完全に実施する方向に向かって努力する、これは当然の事柄である、また重要な事柄である。かように思います。  先ほどちょっとお述べになりましたことに触れさしていただきますが、今のなま牛乳給食につきましては、政府委員からも申し上げましたように、制度として確立されたものでないものでございますから、今の状態のまま叱咤激励せよとおっしゃいましても、叱咤激励したらしかられるという格好でございますから、叱咤激励できないと思います。ただ現実には、さっき申し上げたようにいろいろな条件が整備して目の前にあるのに、文部省立場としてそれはいけませんというようなやぼな考えは毛頭持っておりません。そのことは部分的ではありますけれども、むしろ望ましいことだ、願わくはそれが地域的に差別されないで、季節的に差別されないで、年間を通じて安定して、全児童生徒に公平に、なま牛乳国産原料によって支給できるという姿のものが、なるべくすみやかに実現する意味において懸命の努力をしなければなるまい、政府全体の立場考えらるべきである、かように考えます。
  147. 湯山勇

    ○湯山委員 質問の方は終わりますけれども、今の大臣の御答弁でぜひそうお願いしたいと思いいますのと、それからきょう質問した中で、各省にわたってずいぶん相互に、何といいますか、農林省けしからぬとか、文部省けしからぬとか、あるいは大蔵省けしからぬとか、そういったような問題も若干、お尋ねした中にあったと思いますが、そういうことはないように、たとえば二十二万石の給食にしても、あれがああ言ったからどうだということでなくて、実際に提携し合って、それもぜひ実現していただきたい。つまり皆さんの力をあわせてやっていただくという態勢で、いろいろ食い違い等がきょうあったと思いますから、そういうことについても一つ前向きでとらえて、ぜひ給食をよくすることに御努力を願いたい、これをお願いしておきたいと思います。
  148. 床次徳二

    床次委員長 芳賀貢君。
  149. 芳賀貢

    ○芳賀委員 文部大臣には先日予算委員会で、学校給食の問題について若干の質問をしたわけですが、きょうはさらにそれを敷衍してお尋ねしたいと思います。  第一の点は、来年度から義務教育の小学校について全面的なミルク給食を行なう、この方針に反対するものではありませんが、そこで学校給食は、義務教育においてはこれは教育課程の一部として理解してさしつかえないか。その点はいかがですか。
  150. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 教育課程と申しますか、教育的な立場から必要であるからこそ、法律も定めていただいて実施しておる事柄と理解します。
  151. 芳賀貢

    ○芳賀委員 もう少し具体的に、これは教育課程の一部と解釈すべきだとむしろ思いますが、そうじゃないですか、文部省の方針としては。
  152. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 教育課程とおっしゃいますと、学校教育法の系統から出てきます課題だと思いますが、教育的な立場から、学校において児童生徒体位向上のために推進していくべき重要な課題である、こう思います。
  153. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それじゃ政府委員から確信のある答弁をお願いします。
  154. 前田充明

    前田(充)政府委員 大臣がおっしゃった通りでございますが、教育課程というといろいろな考え方がございますが、教育計画、教育プランの一環であるということははっきり申し上げることができると思います。そして三十六年の指導要領の中にはそういうふうなこと、学校給食についてはっきりと指導をいたしております。
  155. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それでは教育課程の一部とみなすという、そういう理解ですか。
  156. 前田充明

    前田(充)政府委員 大体それでよろしいかと思います。
  157. 芳賀貢

    ○芳賀委員 文部大臣にお尋ねしますが、諸外国の給食事情等についてはいろいろ調査されておると思いますが、学校給食脱脂粉乳のみを用いて給食をやっている国がどのくらいあるか、御存じであれば伺いたいと思います。
  158. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 具体的に存じませんので、政府委員からお答え申し上げます。
  159. 前田充明

    前田(充)政府委員 全国的にただいま資料収集中でございまして、これも資料がなかなか実は整わないのでございます。各国に通知を出しまして私ども調べているのでございますが、なかなか各国が通知をくれませんので、まだ全部集まっておりませんですが、ただいま一部きておりますが、今のところ伺っておるのでは、脱脂粉乳はあまりなさそうでございます。ただし今後東南アジア方面に相当、あるいはアフリカ方面には、これからやるところでは相当ふえてくるのではないかと思うのです。そういうふうに予想はいたしております。
  160. 芳賀貢

    ○芳賀委員 今ごろになって文部省として外国の事情を調べる、これは非常に怠慢だと思います。文部省は諸外国に出先機関がないとしても、大使館もあるし公使館も昔からあるわけです。熱意を持って調査しようとすればそういう出先機関を通じて、一体世界の国国はどういうような学校給食を行なっておるか、給食内容はどうであるかとか、あるいはその国の負担の実情がどうである、こういうことは十分調査して、いつそれをただされてもこうでありますということが明快になるべきだと思いますが、この点は大臣としてどうお考えですか。
  161. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 お話通り怠慢だと思います。何でも資料があることが望ましいと思いますが、不幸にしてこの点につきましては資料が整っていないことは残念に思います。
  162. 前田充明

    前田(充)政府委員 今全然ないという意味ではもちろんございません。一応の調べたものはございまして、お持ちになっておるはずでございますが、この本にも書いてございますが、今できるだけこまかく実は調べておるわけでございます。そういう点でただいまちょうど数ヵ国からはもちろん来ておりますが、全面的に参っておらないという状況でございます。
  163. 芳賀貢

    ○芳賀委員 私たちは社会党ですが、社会党としては教育問題については非常に熱心なのです。ですから調べた範囲においては、ほとんど調べてあるのですが、その限りにおいては脱脂粉乳のみを用いて給食をやっておる国は一カ国もないのです。今、局長が言った通り、東南アジアの後進国等において、無理にやろうとすれば、その給源がなければ、これは今、政府がやっておる通りアメリカの余剰乳製品等に依存した方法を始めるかもしれないが、よそではないですよ。これだけは明らかにしておかないと、これからのわが国学校給食のあり方ということに非常に問題があるわけです。  そこでお尋ねしますが、昭和三十六年の八月に、学校給食制度調査会の答申が荒木文部大臣に出されたということは、これは御存じの通りですが、今日行なおうとする学校給食というものは、この答申の趣旨を尊重して政府として進められるのであるか、あるいはまた政府独自の考え方の上に立って今後進めるのであるか、その点はいかがですか。
  164. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 答申の線は、小学校で一五年、中学校で十年以内に完全給食に向かっての努力をすべきだとの大筋の答申内容であったと存じます。完全給食を初めから全部おぜんだてをそろえてスタートすることも現実問題としては困難でございまして、ミルク給食をまず始めて主食の方に移ることもございましょうし、いろいろと形態はあろうかと思いますが、答申の線に沿って、その答申の線の一斑を果たすという趣旨にはかなうものだ、こういうふうに考えております。
  165. 芳賀貢

    ○芳賀委員 答申内容によると、完全給食については、小学校は五年計画中学校は十年計画であって、その中で特にミルク給食については、小学校は三年で全面実施中学校は五年で全面実施をする、こういう内容になっておるわけですね。おそらく今政府の構想もその線を進めていくということであると思いますが、特に注意しなければならない点は、答申の中においても、いつまでも外国依存の給食であってはならないということが、明らかに答申の中でうたわれておるわけです。従来の経過というのは、御承知通り昭和二十年、戦後のアメリカ援助物資の放出によって、端的にいえばこれは難民救済的な、たとえばララ委員会の放出物資等を用いて、そうして一番大事な子供たちに対して学校を通じて給食を行なう。そういうことがだんだん制度化して、その後は今度はアメリカ余剰農産物買い入れ協定の別途協定として、そうしてさらに継続的にアメリカから脱脂粉乳の現物供与を受ける。これが四年間続いたわけです。昭和三十一年から三十四年までは、これはいわゆるMSAの協定の別途協定として学校給食用にアメリカから脱脂粉乳の贈与を受ける。その期限が終わったから、今度は大体自立した形で、アメリカから給食用の原料である脱脂粉乳をCCCから買付しておるということになっておるわけです。だからその歴史的な経過というものは全くアメリカの占領政策の中から生まれたものであって、それが惰性になって、いまだに安あがりであればアメリカのCCCからこれは買った方がいいということで買付をしておる。あるいはパン給食についてもこれはやはりアメリカの小麦粉あるいは小麦を原料としたパン食ということになっておるわけです。一体大臣としては、いつの日に外国依存から脱却して自国で生産されたものを用いて、国の原料で給食を完全実施するのか、これは非常に大事な点だと思うわけです。この点について明らかにしてもらいたい。
  166. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 これは先刻来お答え申し上げておりますように、基本的には、おっしゃる通りなるべくすみやかに国産原料で学校給食ができるように努力すべき課題だと思います。残念ながら当面安定して、しかも父兄負担が少なくて済むという原料が国内に具体的に期待できませんので、輸入物資によってスタートをするということでございます。先刻来の話の線に沿って、政府全体の立場から総合的な具体的な裏づけをしながら、漸次国内原料に切りかえていく努力がなさるべきものと思います。いつまでにやるかというお尋ねもございましょうけれども、そのことには、先回りするようでおそれ入りますが、十分な具体的裏づけの打ち合わせに基づく案画ができません限りはちょっと申しかねますので、なるべくすみやかにということでごかんべんをいただきとうございます。
  167. 芳賀貢

    ○芳賀委員 たとえば答申の線によりますと、昭和三十七年度を初年度にして、ミルク給食については小学校三年、中学校五年計画小学校について三カ年計画ということになれば、昭和三十九年度で三年計画ということになるわけですね。中学校については昭和四十一年度、この四十一年度は小学校における完全給食の五カ年計画の年次ということになるわけですね。従って小学校の場合は五カ年間の計画完全給食を行なうということですからして、その五カ年の中において外国依存から脱却する方向を打つのか、あるいは中学校は十カ年計画ということになっておるので、中学校における完全給食の進度の中でこれを解決するのか、大よその目標ということがなければいかないと思うのですよ。たとえば所得倍増計画にしても、昭和四十五年が十カ年計画の終期ということになっておるのですからして、計画的な学校給食を義務教育の中で行なうということになれば、こういう点に対しては大体目標をどの辺においてやっていくという点は、文部大臣として国民の前に明らかにすべき点だと思うわけです。これは事務当局においてもしそういう案があれば、局長からでも示してもらいたい。
  168. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 文部省だけの立場学校給食完全実施という課題を他の条件を抜きにして希望を申し上げれば、審議会の答申の線が一応の目標でございますけれども、それはそう申し上げましても、現実性、裏づけがないことを残念に思います。従って文部省だけとしましては、一応の目標はそこに置きながら、具体的裏づけをそれぞれの関係省と相談しまして、政府全体の立場からできるだけすみやかに実現をはかりたい、こう思います。
  169. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に、具体的な問題ですが、今までの学校給食の中における脱脂粉乳給食を通じてその成果、評価というか、一体小学校中学校子供たち脱脂粉乳給食に対してどういう態度を示したか、反応ですね、これは非常に大事な点だと思うから、示していただきたい。
  170. 前田充明

    前田(充)政府委員 学校給食の効果という点では、御承知通りで申し上げるまでもないと思うのですが、反応という点につきましては、私古い時代に学校給食関係したことがございます。その時代にはずいぶん学校の帰りにないしょでみぞへ捨てるとかというようなことがずいぶんいわれまして、長年攻撃されましたんでございますが、しかし最近では、そういう声はほとんど私、聞かないし、きょうは資料を持って来ておりませんが、漸次減りつつあります。なお私は、自分の個人的なことを申し上げて恐縮でございますが、数年間にわたってずっと飲んで自分で経験いたしたのですが、なれるということと、それからもう一つには上手につくるということが非常に大きい問題だと思います。そういう点の指導が今後非常に必要じゃないかと私思うのでございます。脱脂ミルクをやる限りにおいては、上手においしく子供に飲ませるということは非常に必要ではないか。そのためには私どもといたしましては、地方に指導者の講習会を開く等、ミルクの溶き方、飲ませ方、それについては温度とか、そういうような問題もあると思うのでございますが、いろいろ研究もいたしており、それを指導もいたしておりまして、できるだけ子供がおいしく飲むように指導いたしたい、かように考えております。
  171. 芳賀貢

    ○芳賀委員 脱脂粉乳というといかにも聞こえはいいが、たとえば牛乳生産地帯の農村等においては、生産したなま乳を集乳場へ運んで、そこで脂肪を分離する。牛乳から脂肪をとった残りかすが脱脂乳という脂肪のない乳というわけです。脱脂乳を粉末化したのが脱脂粉乳ということに当然なるのですから、農村においては脂肪を分離したいわゆる脱脂乳を直接飲む人はほとんどいないんです。これは文部次官も御存じでしょう、あなたは農政のエキスパートですから。それは価格自体は非常に安い。それを農家の人はまた集乳カンに入れて、ほとんど安い価格で持ち帰って、そうして生まれた子牛に、牛乳を直接飲ますことは高上がりになるからせぬですが、脱脂乳を何カ月かの子牛に飲ませる、あるいは子豚に飲ませる、こういうことをやっているわけです。だから粉乳をまた水で溶かして原形に戻せば脱脂乳ということになるのであって、なかなか人間向きということにはならないと思う。脱脂粉乳というから、アメリカさんから買うから、いかにも気のきいたものと思うかもしれぬが、こういうことで、今度は全国の農村に至るまで義務教育小学校において完全給食をやるということになれば、今までは選択的にやるところはやれ、やれぬところはやらなくともいいということになっておったが、全面的に全国千八百万の生徒を対象にしてやるということになると、これはやはり問題が出ると思う。こういう点に対して文部省として自信を持って脱脂粉乳の安上がり給食だけでやるべきだという考えには誤まりがあると思うのです。ですからこれをいつごろまでに漸次切りかえて、ほんとうの意味牛乳給食をやるかという方針は、国家の責任として明らかにしなければ、諸外国に対してもなかなか面目がないと思うのですけれども、そういう点は文部大臣としてどうお考えですか。
  172. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 おっしゃるような意味合いを特に強調しますれば、いろいろ問題もあり得ると思いますが、学校給食のよさは、全体のカロリーから見まして、体位向上に役立つかいなかということに栄養的には主眼点がございます。従いましてその見地に立てば、脂肪分は抜かれておりましても——脱脂されました牛乳を粉にしたという解説つきの御質問でございますが、脱脂されました粉それ自体の含有する栄養価というものは、専門家の話を聞けば、捨てがたきものがあるというふうに承知いたします。先ほど政府委員が申し上げましたように、味覚に訴えた場合、好ましい味に、飲みやすく仕立てる努力を添えまするならば、そう捨てたものでないと思います。学校給食の目的の相当のもの、それ以上の評価ができるものと期待するわけであります。さりとて、先刻も申し上げましたように、この状態をいつまで続けるなどと考えているわけでは毛頭ございません。具体的な措置がとられるに従いまして脱脂粉乳輸入量は漸減するやり方で努力がなされねばならない課題だと思います。
  173. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に、調査会の答申によりますと、たとえば完全給食の場合においてもパン食がいいとか、米食がいけないということは、第二義的な問題であるということが答申の中に指摘されておる。最近は米の生産事情とか供給事情というのは相当緩和されたから、全面的に義務教育の学校でこれを実施する場合においては、その地域の特性というものを十分尊重して、そうして米食でいった方がいいという場合はそれでいくべきだと思う。必ずしもパン食に固執すべきではないということが調査会の答申にも出ておるわけです。この点は政府としては、その趣旨を尊重されて、今後完全給食の場合には、そういう選択性というものを認めて進めていくかどうか、その点を一つ
  174. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 制度の問題として、おっしゃるようにきちんとする具体案が今あるわけじゃございませんが、しかし学校給食のための原料が、国内農業政策ないしは食糧政策、そういう問題と全然遊離して動いていくべきものじゃないと思います。従ってその意味において、調査会の答申が含みがあると思うわけでございますが、その問題も含めまして、日本の将来の主食のあり方を考えながらの食糧政策あるいは農業政策と密着しながら安定した学校給食が本来期待する効果を上げるようにという角度から再検討さるべき問題として提起されておる、そういうふうに思います。その検討は怠るべきじゃないと思います。
  175. 芳賀貢

    ○芳賀委員 私は単に農業政策的な立場とかあるいは酪農政策上の立場から言っているのじゃないのですよ。本来学校給食というものはいかにあるかというそのあり方に立ってお尋ねしておるのです。ですから、今のパン食か米食かという問題についても、これは制度調査会の答申を引用いたしますと、「わが国栄養問題の眼目は、一般食事において動物性たん白質、ビタミン、カルシウム等の摂取をいかに補完するかという点にある。従って学校給食においてパン食か米食かということは第二義的問題である。」特にこの点を強調して答申が行なわれておるわけです。ですからどこまでもミルクアメリカ脱脂粉乳、食事もアメリカの小麦粉でなければならぬという、何でもかんでもアメリカ産に依存しなければ一人前にやれないのだというその背景をなす思想に問題があると思うのですね。やはりこの点は割り切って、国内で米が足りないのならやむを得ないですよ、戦争直後のように。今の政府の方針というものは、できるだけ米作を抑制するような政策をあえてとっておるわけです。この面からも農民を苦しめているわけですが、やはりこの点は調査会としても相当な権威者が集まって答申を出しているのですからして、わざわざ都会で米食でなければならぬとは言わないが、特に農村地帯においてはその方が便宜的であり、効果的であるという場合においては、パン食と同様に米食についても取り扱うという方針は決定して打ち出してもさしつかえないと思うのですよ。いかがですか。
  176. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 今日までやってきております学校給食考え方を思想的に言われましたが、米食かパン食か比較した場合に、パンいが思想としてよろしいからやっておるということでなしに、そもそもの給食が始まりまして以来のことは、万々御承知のことですが、その沿革の上に乗っかって、習慣的に粉食ということにきておる、その実情そのものを推進しておる姿だと思うのであります。それがまた栄養学的に再検討されましても、必ずしも不合理ではないということのゆえに、便宜今日にたどりついておると私は理解いたします。  そこで今おっしゃるような、また答申にもありますような、その土地の実情に応じてパン食であろうと米食であろうと選択にまかして、それに応ずるような国の援助を考えるという問題は、まだ未解決のままでございますので、今後の問題として答申の線が御指摘のごとく検討さるべき課題として残っておるという意味でさっき申し上げたのであります。基本的なものの考え方に立脚するというよりも、比較的普及しやすいという実施上の便宜が中心になって今日に至っておる、こういうふうに理解をしておりまして、このままで将来も永遠によろしいのだということではない。ただしそれをおっしゃるがごとく、あるいは答申の線に沿うがごとくやりますためには、いろいろの準備的な条件が満足されなければいけないかと思いますが、その一つとして日本の将来の主食を中心とする食糧政策というものが農業政策の面から取り上げられて、あるいは将来の日本の産業の変革の推移等も念頭に置きながら、安定したこれこそかくあるべきだという線もあわせ考えませんと、いきなり結論も出しかねる問題であると理解いたすわけであります。そういう意味でもっともっとじっくり腰を落ちつけて検討した上で、最終的な形が定まるものと思うわけであります。その点で検討を必要とすると申し上げたわけであります。
  177. 前田充明

    前田(充)政府委員 大臣のおっしゃったことに補足させていただきますが、大臣のおっしゃった通りでございますが、なお今年度からは農山漁村等でパンの入手ができないようなところで完全給食をやるという場合には、米もさしつかえないというふうに指導をいたしております。
  178. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に、現在のところは大体脱脂粉乳給食についても国の負担、大体二分の一というふうな線だと思いますが、この答申によりますと、「ミルク給食については、昭和三十九年度小学校昭和四十一年度中学校が完全実施になるに伴い、ミルク代の二分の一を同じく設置者負担とする」これは希望的指摘だと思いますが、設置者においても半額負担すべきである、この趣旨についてはどう考えておりますか。そのことは結局全額負担ということになるのですよ、父兄立場から見れば。国と設置者全部二分の一ずつ負担してくれる、こういう指摘も出ておりますが、これに対してはどう考えておりますか。
  179. 前田充明

    前田(充)政府委員 私ども事務当局といたしましては、これは地方負担もからむことでございますので、その辺の影響を考慮いたさなければならない問題であると思って、具体的な計画というところまでは現在事務的にできていないのが現状でございます。ただ御承知のように、これは国の予算ももちろんのことでありますが、地方の予算ということも関連して考えなければならないのではないかと思って、よく検討いたしたいと思っております。
  180. 芳賀貢

    ○芳賀委員 どうも大臣以下の御説明を開いていると、先の見通しというものがないのですね。お先まっ暗みたいなことで、その場その場で何とかやっていくという、そういうことではこれは発展性がなくていけないと思うのです。  委員長から御注意がありましたので、問題を移しますが、たとえば文部省から出された資料ですが、この脱脂粉乳アメリカのCCCから買い付ける計画の場合、計画において不適格品を予定しておるというのは、これはどういうことですか。乳製品が入ってきて、そしてその中に不適格品が出たというのであれば話がわかるが、買い付け計画の中にたとえば八%とか一〇%の不適格品があるということを予定して買い付けるとか契約をするということ、これはどうもふに落ちぬですな。
  181. 前田充明

    前田(充)政府委員 これは実績から考えましたのでございますが、不適品の出ます実態をちょっと御説明申し上げますと、入れものに入れて参るわけでございますが、北米東海岸からパナマ運河を通って、それからアリューシャンを通って参ります。従って非常に寒いところから暑いところへ行って、また寒いところを通って日本へ来る、こういうふうな船の経路から考えまして幾分は出ざるを得ないし、また実績から申しましてもやむを得ないというところから、一応不適格品を数字の中へ入れてあるのでございます。
  182. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そういうごまかし答弁じゃ納得できませんから具体的に申し上げますと、MSA農産物の協定のとき、余剰農産物協定の別途協定において脱脂粉乳が入ってきた昭和三十一年から三十四年までの四カ年間の実績を見ると、これは非常に不適格品が少ないのです。たとえば一番近い昭和三十四年の買い入れ数量が二万七百八十トンで、そのうち不適格品として払い下げたものが百六トンしかなかったのですね。パーセントにするとこれは買い入れ数量の〇・五%しか不良品は出なかった。三十一年、三十二年、三十三年も大体パーセントにすればそういう程度です。ところが今度それが三十六年度においては三万五千トンの買付に対してこれは二千四百トン、今言ったのは計画で、今度は実績を申し上げますと、先ほどの三十四年の買い入れ実績は一万七千七百七十一トンで、そのうちの不適格品が百九十三トンしかなかった。それが、別途協定が終わった三十五年、この年から今度はCCCの処分に困る保管品を買っているわけです。それで三十五年の輸入実績が三万三百四十八トンで、不適格品として処分したのが三千三百九十一トン、一一%ですね。ですから、同じアメリカから買っている場合でも、別途協定で入ってきた場合には大体〇・五%程度、CCCから買った場合には実に一一%ということになっておる。これは非常に問題だと思うのですね。こういう、ただその船がどこか回ってきたから不良品が出たなんというものじゃないのですよ。そうでしょう。別途協定のときはどこか遠回りして季節的影響を受けない順路で入ってきた。その以降はわざわざ品が病むような順路をとって入ってきたのじゃないでしょう。問題ですよ、これは。だからCCCがアメリカ余剰農産物処理法に基づいて買い付けておる農産物あるいは乳製品というものは、どういうような状態で買い入れされ、それが保管貯蔵されて、場合によっては何年くらいたった古いものが入ってくるかということも、これは確認しておかなければならぬ点だと思うのですよ。ただ安くさえあればいいというような考え方で入れる場合においては、最初から一割以上も不適格品があるということを予定して、それも代金を決済して買い入れしておるわけでしょう。これはどういうことなんです、商品を買い入れる場合の態度として。
  183. 前田充明

    前田(充)政府委員 不適格品の出る量はお話通りでございます。それの出た理由でございますが、それは実は三十五年に、従来三十四年までは全部ドラムカンで買っておりました。それが三十五年のときにアメリカにドラムカンのが、ちょうど私の方の注文いたしましたときになかったわけでございます。それで六重袋とか申しますが、紙、その中にビニールが張ってある、そういう袋で包装したものでございますが、その袋のものを入れたのでございますが、その袋のものが、ただいま申しましたような寒いところから暑いところへ来て、また寒いところへ来、暑いところへ来たというようなことで、途中で不適格品になったのが実態でございまして、その後次の年の三十六年にすぐやめろという折衝を実は非常に強くやったのでございますが、その年にもちょうどアメリカになかったわけでございます。そこでそういう結果になった。買うときに、それじゃドラムカンでなければ要らないということを言わないとちょっと工合が悪いような事態でございましたので——三十六年度でも以上の通り出ました。従って三十七年度ではできるだけそういうことがないように、また三十八年度は特にそういうことのないようにドラムカンでほしいということを、実は外務省を通して私の方としては要望をいたしておりますのが現状でございます。
  184. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは援助物資ではないでしょう。結局アメリカへ代金を決済して買い付けるのでしょう。アメリカでは処分に困って、それをCCCが保管しておるわけです。こちらは自分の国内にはあるのだけれども高上がりだということでそれを買わないでおるだけでして、アメリカ日本のこの関係というものは、こちらが買い手市場でしょう。品物に対する厳密な選択権というものはわが方が持っておるわけですよ。取引だから、不良品が入ってきた場合はそれを返品するとか、持っていきなさいとか——にやにやする問題じゃないでしょう。以前のような援助物資でただもらっている場合は——あとでまた返せなんと言われたけれども、その当時は感謝決議まで国会でやったことがあるが、今日においては価格が高い安いは国際価格との比較の問題であって、向こうさんは処分に困っているのですよ。捨てるにもちょっともったいない。だから自由主義国家の中でどこか投げ売りで押し付けるところがあればといって困っておったところへ、ちょうど日本の方ではそろばん勘定で安上がりでさえあれば何でも買いますというので、それでは長期的に売ってやるというので、向こうの方が今度は感謝決議をワシントンの国会でももうすでにやっているのかもしれぬが、そういう場合、不良品が出たらこれは返品するとかどうするということを、どうして契約上きめることができないのですか。ドラムカンへ入れてよこさぬなら買いませんと言えば、向こうはちゃんと容器へ入れて持ってくるじゃないですか。これは大事な点だから大臣から……。
  185. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 理論的にはおっしゃることよくわかります。そこで、理論的にはわかりますから、実際の取引上もできることならば御指摘のような努力をいたしたいと思います。
  186. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは即刻改善すべきだと思うのですよ。普通日本日本国産品をアメリカに輸出した場合でも、条件からはずれた不適格品というものはどういうふうに向こうは扱うですか。これは同額で向こうは買い取りますか、結局それと同じじゃないですか。首をひねる必要はないでしょう。とにかくただもらっているのじゃないのだから。今後どうするのです。八万五千トン買い付けて一割にしても、大体今度は一万トンくらい不良品が出ることを予想しておるでしょう。そういうものが今度は給食以外に一般市場にはんらんするということになれば、これはとんでもないことになるわけですね。そういうものは返して、引き取れというか、どうしますか。  別途協定のときはMSAの関係ですから全部アメリカの船で持ってきたわけですが、現在これは一体どうなっているのです。日本の船でこれを買い取って運んでくるのか、アメリカの船で持っていってやるということを条件にされて買っているか、そういう点もあわせて聞かせておいてもらいたい。
  187. 前田充明

    前田(充)政府委員 不適品が日本の経済を乱すようなことがあれば、それはもちろん全部返すべきであると私ども思います。商取引として御趣旨の通りでございます。従ってそういう点については御趣旨に沿うような考え方を持って参りたいと思います。  それから船のことでございますが、輸送業務は日本の商社が行ないまして、船は日本のものはもちろんございます。しかし場合によって向こうのものもある。そういうのが実態でございます。
  188. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そこはあいまいじゃないですか。日本の船で全部運んでもいいということになっておるのですか。
  189. 前田充明

    前田(充)政府委員 契約にはどちらの船でということには触れておりません。
  190. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そこで文部大臣に申し上げますが、こういう実情ですから、われわれはアメリカ依存の給食方針には同意できませんが、しかし今後この種のものを外国から購入する場合においては、事前に明確に取引の契約の中に——かわいい子供たち学校給食に使う品質というものは大事だと思うのです。ですからそういう優良な品質を必要とする、もしもこの規格にはずれたような場合においては、これはあなたの方で引き取って下さい、日本国内に置かれては困りますということを契約の内容にして、これは普通の当然の商取引として解決すべき問題だと思いますが、この点についてはいかがですか。これは金がかからぬですからね。
  191. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 さっきも申し上げました通り、お説はごもっともだと思います。そういうことを確保する努力をしなければなるまい、契約をしますときに十分に検討するようにいたしたいと思います。
  192. 前田充明

    前田(充)政府委員 品質はただいま契約ではエクストラ・グレード・スプレー・プロセスと指定してございまして、これはスプレーのやり方でございますが、高級品ということは言えるのじゃないかと思っております。
  193. 床次徳二

    床次委員長 芳賀君に申し上げますが、大体時間もきましたから……。
  194. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは決算委員会要求して文部省から出された資料ですけれども、これによりますと、昭和三十八年度の買い入れ計画に対しては、十万トンが輸入計画ということになっておるわけです。この十万トンに対して三十八年度の学校給食としての供給数量を八万五千三百七十二トンとしておるわけであって、この点は先ほど同僚の湯山委員の質問に対する答弁と違うじゃないですか。輸入計画というものは明らかにこれは十万トンにして、三十八年度内における給食に供給する数量が八万五千何がしということ、これはあなたの方で先日決算委員会に出した資料に基づいて私は聞いておるわけです。
  195. 前田充明

    前田(充)政府委員 十万トンということで決算委員会のときにはお出しいたしましたが、これは実は概数でございます。計画的には学校給食会予算をきめるときに最終的にきめたいと思っておるわけでございます。従いまして先ほども申し上げましたように、三月の下旬にはほんとうにその数字を出したいと思います。  なお、八万五千トンの予算計画に対して十万トンという数字が出ております理由は、一つには、来年度三十九年の四月の分でございます。現在の予算数字の八万五千トンは三十八年四月から三十九年三月までの計算でございます。従いまして三十九年の四月からの分というものは前もって買っておかなくちゃならないし、また大体学校へ到着するまでいくような場合もございますし、場合によりますと一応県まで到着だけはさせておかなければならないような、県によっていろいろございますが、そういうようないろいろな事情がございますので、前年度からの繰越分を一体どれだけ見たらいいかという問題のこまかい数字がわからなかったものでございますから、概数として一応十万トンということを出してございますが、こまかくは三月の末にきめたいと思っております。
  196. 芳賀貢

    ○芳賀委員 三十八年度のミルク給食をやるために四十億というのを新しく計上されておるでしょう。その裏づけをなす資料がよくわからぬから大ざっぱに十万トンにしたとか、そういうばかげたことは国会の中で簡単に言う筋合いじゃないんじゃないですか。うちに帰ってかあちゃんにそういうことを言っているならわかるが、この神聖な国会において——予算の基礎となる輸入計画とか、三十八年度の給食に対する現物の供給計画とか、そういうものについてはもう少し綿密な計画を立てておかぬといかないと思うのです。あなた局長でしょう。係長の方くらいの段階ならまだいいが、局長となると荒木さんのすぐ下くらいになるわけですから、これは注意までに言っておきます。  これは正式なCCCとの契約はまだ締結されていないのでしょう。ですから先ほど私が指摘した、今後の契約については規格外の品があった場合には返品する、引き取ってもらいたいということを相手方との契約の中に明示して確実におやりになるかどうか。これは国としてやらなければならぬことですから、一文部大臣や一局長の意見で考えてみますなんという問題ではないと思うんで、この点は責任のある、こうやりますということをここで明確にしてもらいたい。きょう答弁ができなければあしたでもいいが、この点だけは確実に実行してもらわなければならぬと思う。
  197. 荒木萬壽夫

    荒木国務大臣 御指摘のように努力いたします。
  198. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それでは大臣答弁を了とします。  それで農林省にお尋ねしますが、この学校給食を行なう場合においては、農林大臣の同意とかあるいは農林大臣の協力とか、そういうことが当然法律の規定にも出ておるわけです。今までこういう問題があるということを知りながら、輸入計画の中においても一割以上も不良品がある、その用途は明らかに給食以外の方に回すんだということを予想して買い入れに同意されたということに対しては、これはやはり責任があると思う。どうですか。——津島さんがおられるのですから、政務次官がわからなければ局長に答えさせますと言えばいいと思うのです。
  199. 津島文治

    ○津島政府委員 結果から見ますとそういうことになりまして、まことに遺憾でございます。今後十分に注意をいたしまして、そういう大量の不適品が出ないようにしなければならないと存じます。
  200. 芳賀貢

    ○芳賀委員 この点は、これからは出ないですよ。いいですか、今、文部大臣が言明されたのですから、そういうものが入ってこないのですよ。入ってくれば返すんだから出ないが、今までこういうものを見のがしておったところに、農林省としての責任があったんではないかということを私は指摘したわけです。  大体時間がきましたから、きょうはこの程度にしておきますが、特に不適格品の横流しの問題等については、これは給食の指導をやっている文部省あるいは農林省においても実情は御承知だと思うのです。どういうような形態でこれが横流しされて、それが一体何に用いられているということについても大体わかっておられると思いますから、これは今後の戒めとしても大事な点ですから、それらの事例については後刻資料としてお出し願いたいというふうに思いますが、この点に対してはお出しになれるかどうか、いかがですか。
  201. 前田充明

    前田(充)政府委員 提出いたします。
  202. 床次徳二

    床次委員長 これにて本連合審査会を終了いたします。    午後六時二十二分散会