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福田政府委員 私、先ほどから御
指摘になりましたようないろいろな
事例につきまして、私見にわたるかもわかりせんが申し上げますと、
入学試験の
問題については、これは私はまた別個の観点から
考えられる面があろうかと思います。まず
高等学校の進学等につきましては、先ほど申し上げましたように中
学校自体における
進学指導というものをさらにより適切にやる必要があろうかと思っております。それからまた、この試験制度そのものも、さらに子供に
負担をかけないような
方向において、これを将来改善していくということも、当然
考えていい
問題だろうと
考えております。ただ、ことしは高校生の急増期だということでマス・コミその他が相当あふり立てて、気の弱い
生徒はそれにいじけてきたというような傾向も見のがすことはできないと思うのでございます。そういった
意味で、今までに起こったような
事件も、いろいろ聞いてみますと、非常に気が弱いとかというような
生徒もあるようでございまして、そういった面から、やはり自信をつけて、十分な
進学指導をしてやるということが、
学校側としては非常に大切な
問題であろうと思っております。願わくば、そういう
意味におきまして、マス・コミその他があまりこの試験地獄の
問題をあふり立てない方がよろしいのではないかというように
考えるのでございます。
それから、一面、御
指摘となりましたような中学生の非行は、確かに最近ふえて参っております。これは非常に残念なことでございますが、その原因をいろいろと分析して見まして、その原因によりまして、いろいろ手を
考えなければならないと
考えるわけでございますが、いろいろな非行に至るまでの原因というものが
考えられるわけでございまして、たとえば家庭の状況等についてみますと、非常に複雑な家庭の者が多いとか、あるいはまた両親が全く事業に没頭して、子供の
指導、しつけにはほとんど手を抜いておる、放任されておるというような家庭の子供が多いというようなことも聞いております。あるいはまた、御
指摘になりましたように、
学校における学業が遅滞しておる、そのために
学校に行ってもおもしろくない、従って仲間の悪に引きずられやすいというような子供もあるようでございます。それからまた、一般の社会の影響というものも非常に強く作用しておるのではなかろうかというように
考えるわけでございまして、最近のマス・コミ等の影響等も、これは見のがすことのできない
問題であろうと思います。そういった
意味で、いろいろな原因があってそういう非行というものが多く発生しておると思いますが、その非行の
内容も、いろいろ聞いてみますと、性に関する非行、あるいは先ほどお述べになりましたような暴力教室的な
暴力事件、そういうものが相当多いようでございます。また一面、物を盗むというような窃盗に関する非行も、
統計上は相当たくさん出ております。従いまして、今申しましたような性の
問題、あるいは人の物を盗むとかあるいは暴力をふるうというような、人間生活において基本的なものが何かそこに欠けているような感じがするわけでございます。
そういった面におきまして、私
どもの
考えますのは、やはり家庭生活において子供のしつけというものが十分行われていない、経済的には恵まれておりましても、子供を放任しておるというような家庭の子供が、相当こういう
事件を起こしておるようでございます。それからまた、
学校における子供の
指導というものも、今まではたして適切であったかどうかということも十分反省してみる必要があろうかと思います。そういった
意味におきまして、やはりいろいろな要因を総合的に検討しまして、家庭における子供のしつけ、あるいは多く時間をさいておりますところの
学校の
指導の
問題も、今後十分研究していく必要がある、こういうように思うのでございます。それ以外にもあろうと思いますが、私
ども学校教育の担当者といたしまして感じますのは、中
学校における、あるいは
高等学校でも同様でございますけれ
ども、特に中
学校の年令層におけるところの子供のしつけあるいは訓育といったような面について、さらに徹底した
指導を行なう必要があるのではなかろうか、こういうように感ずるのでございます。そういった
意味で、クラスを担任しておりますところの
先生自体も、子供の扱い方にもう少しなれる必要がある、あるいはそういう
問題の子供に対しする扱い方を十分研究していただく必要がありますので、いろいろな知識もそういう面から
先生に持っていただきたいと思います。そういうことで、少しおそまきではございますけれ
ども、本年度からそういう子供の
指導について特に講習会等も設けまして、中学生のいわゆる補導の完璧を期していきたい、こういうように
考えておるわけでございます。いろいろ原因がございますので、それらに従ったぴたりとした
対策というものはなかなかないわけでございますけれ
ども、要するに
学校における
生徒に対する
指導を強化していきたい、こういうように現在では
考えておるわけでございます。