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小林(信)委員 ただ激励するなんということでこんなことを言っているのではない。もっと真剣に取っ組むべきだと思うのです。この
予算説明書を見たときに私はしゃくにさわったわけです。いつか私が
荒木文部大臣に
文化財問題を聞いたら、私は
文化財問題には
関係ございません、
文化財委には
文部省の一角を貸しておくだけだ、こういうことを言っておきながら、言われておる
文化財保護委員会では、
文部省の
予算要求額事項別表、こんなものを出して、その一番しまいの方に半ページくらい
文化財の
予算が載っておるわけです。こんなものから抜いて、独立して、
予算の
説明をするくらいになるべきだと思うのです。
文部大臣は、私は全然関知しません、こう言っている。だから、そういう地方の
文化財行政の機構を充実すると同時に、
文化財保護委員会というものをもっとしっかりしたものにしなければいかぬ、こういうことを私はあわせて言いたいわけです。そういうような問題については、私は、この国会でも小
委員会というふうなものをつくってもらって本格的に検討をしてもらいたいと思うのです。
地方の実情を申し上げればきりがないわけですが、実はきょう私の県で、裁判の最終判決が下されることになっております。これは
文化財委も聞いておられると思うのですが、例の火繩銃をつくったという問題です。これは最初警察の方では銃砲火器取締でもってその人間を引っぱって、そして二十一日ですか、二日ですか、最大限勾留した、そしたら、これは穴があいてない、火繩銃だけで銃砲火器取締に該当しないということで、警察の面子かあるいは検察庁の面子かどうか知りませんが、今度は起訴
理由を変えて裁判をしているわけです。きょう判決が下されるわけですが、その問題になったのは例の登録用紙——
文化財の仕事をされておる人は知っていると思うのですが、事務
局長は知らぬかもしれませんが、要するにこれは江戸時代の火繩銃でございますというのを登録するわけですね。その登録をする場合に審査員というふうなものが県の中できめられるわけでしょう。
ところがそれが勝手に書いて出すと、それが今の県の
文化財保護委員会ではそういう眼識がないから、そういう審査員の言うことをそのままめくら判を押してしまうわけです。今度もやはり裁判官にそういう点を追及されたのですが、私
たちはそんなことは全然わからぬ。だから責任は
教育委員会にあるかもしれませんが、私
たちにはそんなことを判定する力はないんだからというふうなことでもって、問題をどこへ持っていくこともできなくなって、結局その登録用紙というのは一体どこに責任があるのだということが今度の裁判の山になっているわけです。私はきょう判決が下ったら、今度は
文化財保護委員会でもって、はたしてその裁判が妥当であるかどうかということを、これは立法上の問題になるわけですが、お聞きしようと思っております。もしそれがどういう結果になるともこれは聞かなければならぬと思うのですが、そういうふうに
文化財保護行政というのはでたらめなんですよ。極端に言えば、
文化財保護委員会から指名されたというような形でもってそういう審査員というものがたくさんにある。そういう人
たちは古物商と結託をして、そうしてつまらぬ私蔵品を、これはこうこうこういうものであるというようなことを勝手に書いて、そしてその登録用紙が添付されると、とたんにそれが高価なものになっていく。かえって
文化財保護委員会なんというものがあるために、地方の古物商なんというものはそれを悪用して仕事をしているわけです。それが大きなものになれば、永仁のつぼだとかそういう問題になっておるいろいろな陶器、こういうふうなものと同じようなことが地方にはたくさんあるわけです。そうして今度は実際保護される問題はどうかというと、これも私の県の例を申し上げれば、私のすぐ隣に窪八幡という社がございますが、ここには確かに重要
文化財が
一つの神社の九つぐらいあると思います。そういうたくさんな
文化財を持っていて、先ごろみんな修復されたのです。
ところが、防火施設というものが完備されておらなければならぬが、これも
文化財保護委員会から指定された人
たちでしょう、地方を回って仕事をする人
たちですね。この人
たちのやっている仕事が非常にずさんなために、貯水槽がつくられておるけれども、みんな水が漏ってしまう。コンクリートで仕事をして水が漏ってしまうなんということはないはずですが、現に漏っておる。水がたまらない。せっかく防火施設を完備しろというようなことを盛んに言われながらも、
文化財保護委員会から派遣される人が水が漏るような貯水槽をつくって平気でおる。それで防火施設はここ一年くらい機械が故障で全然とまっているわけです。こういうふうに
文化財行政というものは、地方へ参りますとまことにもうどうしようもない状態なんです。そうかといって私の県のそういう係の人がなまけておるかというと、なまけておるわけじゃない。社会
教育の仕事をしながら、幾分そういう点について理解があるからということで、兼務で仕事をしているわけなんですが、とても手が回らない。これではせっかく
一つの独立した
委員会というものがあっても、とてもその本来の
目的を達することができないのじゃないか。だから新事務
局長は、そういう
全国的な今の
情勢の問題、機構の問題、いろいろたくさん出てくる問題のことを
考えたら、これはもうきょうのような行政機構ではとてもできないのだ——世界のいろいろな事例をあげれば切りがございませんが、そういうふうな問題を究明されまして、
一つ思い切った機構
整備をやって、そうして行政の充実をはかっていただきたい。これが私の一番の念願でございますが、しかしそういう大きな問題は簡単にすぐできるわけではございません。きょう新舞子の問題、あるいは千葉県の京葉
工業地帯の問題、それから例の京都の宝池の国際
会議場の問題、この三つの問題は早急に御
調査願って、はたしてそういう問題があるかどうかを調べていただきたいと思うのです。そしてそれに対して問題がございませんというならいいのですが、問題があるというなら、どういうふうに手をつけてくれるか、次の機会にお聞かせ願いたいと思います。事務
局長が非常に早く話をつけてくれましたので、私はこれで終わらしていただきます。