○
田口(誠)
委員 前に戻りますが、今
東京都内で
地下鉄なり
高速道路なりの
作業をやっておりますが、これは来年の
オリンピックを目標に
完成をしたい、こういうことなんです。しかし、現在の
自家用車と
営業車との
パーセンテージの比較をしてみまするに、
営業車というのはきわめて少ないわけなんです。どんどんと
自家用車はふえていきます。従って、
地下鉄ができまして人間の
輸送は十分緩和されるということになりましても、
自家用車というのはどんどんふえていきますから、
路面に対するところの
交通緩和ということは、将来に向かって私はちょっと困難ではないかと思う。そう考えますと、今
規制されておるところの
大型トラックなり
バスなりあるいは
区間便なりの昼間の
乗り入れ規制は、これはちょっと解く
見通しがないのではないか、こういうように考えるわけなんです。
そこで、私は
運輸省として考えていただかなくてはならないと思いますことは、少なくとも
輸送業は
国民経済なりそれぞれの
家庭と直結をしておる公共的な仕事でありますから、できる限り
コストも安くしなければならない、こういうことをまず頭に置いていただかなくてはならないと思います。それで、
コストを安くするということになりますと、ただいま
規制されておるように、夜間でなければ
大型トラックなり
区間便の
乗り入ればできないのだ、自由自在に
配達ができないのだということになりますと、必然的にそこに使用しておる
従業員の
賃金には割増しをつけなくてはならない。それだけやはり
コストは高くなる。今
伊能先生の方から御
質問の中で
お話がありましたように、
認可料金の問題なんかも、六年前にちょっと
改正をいたしたきりで、
改正はなされておりません。そうなりますと、私は、昨日
週刊雑誌を買って、読んでつくづく考えたわけでございますが、どこかの例が書いてありました。その例は、発駅から着駅、それから
家庭に運ばれるまでの日時が非常に多くたち過ぎておるということなんです。私
どもが
運送屋育ちの者として考えてみましても、これはやはり常識的に考えられぬくらい延びておるわけなんです。それで、その
内容を調べてみますと、これは事実あったのかなかったのか、
記事として書いてあっただけかもわかりませんけれ
ども、
日通が他の
中小企業の
運送業者に
配達を
委託しておったということなんです。従って、
委託をしたために、その
運送業者が
合間ひまを見て
配達をしたためにおくれたということなんです。そしてなぜ大きな
日本通運たるものがそうした
配達を他の
中小企業の小
運送業者に
委託配達をさせなければならないかといえば、これは実際において
コストが合わないわけなんです。それよりは、悪いことでございますけれ
ども、現在できておる幾つかの
中小企業の
運送屋さんは、
労働者を安い
賃金で使っておりますし、そうして時間的にも
労働基準法に違反するようなことも堂々とやっておるわけなんです。こういうことをやれば、安く請け負っておっても、やはり
採算が立つわけなんです。こういうようなことから、私は、
週刊雑誌に書かれておるような
記事が出たのではないか、かように考えて読んだわけですが、これは
内容的にはきわめて重大なものであると考えなければならないと思うのです。
大型トラックが自由に
乗り入れできない、時間的に
規制されておる、時間的に
規制されておることが、結局
コスト高ということになることにおいて、
業者としては
採算が合わない。幾ら公共的な
事業をやっておるといっても、やはり株式会社であれば、
採算の立たないようなことは好まないわけでございます。そうかといって、ここで
認可料金を上げてみても、これはやはり
国民から不評判でもあり、なるべくそういうことは慎まなければならないわけで、でき得る限り現在の
認可料金のもとにおいて
運送業者も成り立つ、それから
荷物も敏速に
家庭から
家庭へ、
事業所から
事業所へ
輸送されるような
制度と
内容をつくり上げてもらわなくてはならないと思うのです。こういう点から考えてみますと、今日の
運輸行政というものに対しましては大きな
隘路があるのではないか、私はかように考えておるわけです。従って、ただいま御
答弁のありましたように、来年になれば
地下鉄が
完成をする、
高速道路もできる云々と言われますけれ
ども、
営業車というものは、
パーセンテージからいくときわめて少ないわけで、どんどんと
自家用車はふえてきておるのだから、来年、再来年になればまたふえます。ふえますから、
地下鉄が
完成をしても、
高速道路が
完成しても、この
東京都内の現在の
路面が
交通緩和されるということは、あまり期待ができないのではないか。こういうことを考えますと、今時間的に
規制されておるところの
大型トラックあるいは
路線便なりの
規制は、いつになったら解けるか、これを解いてもらわなければ、やはり
コスト高で
国民大衆は非常に迷惑になるのだ、こういうことから、私はもう少し具体的な
計画をここでお聞きをしなければ、ちょっとあとへ下がれないわけなんですが、でき得るだけ具体的な
内容を御
説明をしていただき、将来のことと、それから現在の
状態とを考え合わした上に立って、こうするんだという点を明確にお示しをいただきたいと思います。