運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1963-03-15 第43回国会 衆議院 地方行政委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月十五日(金曜日)    午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 永田 亮一君    理事 小澤 太郎君 理事 大上  司君    理事 纐纈 彌三君 理事 高田 富與君    理事 丹羽喬四郎君 理事 太田 一夫君    理事 阪上安太郎君       伊藤  幟君    亀岡 高夫君       久保田円次君    田川 誠一君       前田 義雄君    山崎  巖君       川村 継義君    門司  亮君  出席国務大臣         自 治 大 臣 篠田 弘作君  出席政府委員         警察庁長官   柏村 信雄君         警  視  監         (交通局長)  冨永 誠実君  委員外出席者         自治事務官         (財政局公営企         業課長)    吉瀬  宏君         専  門  員 曾根  隆君     ————————————— 三月十四日  地方公営企業法の一部を改正する法律案内閣  提出第一四五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方公営企業法の一部を改正する法律案内閣  提出第一四五号)  道路交通法の一部を改正する法律案内閣提出  第一一八号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 永田亮一

    永田委員長 これより会議を開きます。  昨十四日付託になりました地方公営企業法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。
  3. 永田亮一

    永田委員長 まず、趣旨説明を聴取いたします。篠田国務大臣
  4. 篠田弘作

    篠田国務大臣 ただいま議題となりました地方公営企業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  地方公共団体経営する企業は、最近著しく増加し、現在その総数は、五千余に達している状況であります。このうち、地方公営企業法規定の全部または財務に関する規定が適用されている事業は、昭和三十六年度末で六百四十二となっております。しかしながら、地方住民の福祉を増進するために、今後ますます各種の地方公営企業の健全な発展を期する必要があるのであります。これがためには、企業経営成績及び財政状態を明確にし、もって企業の能率的な運営を確保することが肝要でありまして、地方公営企業には原則として企業会計方式による財務運営を行なわせることが適当であると考えられます。この趣旨から、地方公営企業法財務に関する規定適用範囲をさらに拡大するものとするほか、地方公営企業運営実情にかんがみ、若干の関係規定を整備する必要が認められますので、この法律案提出した次第であります。  次に、この法律案内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、いわゆる準公営企業についても常時雇用する職員の数が百人以上のものに、地方公営企業法規定のうち独立採算にかかわる規定を除く財務に関する規定を適用しようとするものであります。事業範囲は、政令で定めることとし、病院、市場等主としてその経費を当該事業経営に伴う収入をもって充てるものを予定いたしております。従来、これらの事業については、当該事業経営する地方公共団体の条例で定めるところにより、任意に地方公営企業法規定の全部または財務に関する規定を適用することができるとされていたのでありますが、これら事実のうち事業量が大きく、かつ事務処理能力も十分であると認められる規模のものに地方公営企業法財務に関する規定を適用して、複式簿記による会計処理を行なわせることとし、もって企業経営成績及び財政状態を明確にさせようとするものであります。  第二は、同一地方公共団体内における地方公営企業管理者間に事務委任の道を開こうとするものであります。現行規定では、管理者はその権限に属する事務をすべて自己またはその補助職員で処理しなければならないとされておりますが、二以上の管理者が設置されているときは、事務の種類と性質によってはいずれか一方の管理者にあわせて処理させることが適当であると認められる事務のある場合がありますので、管理者は相互にその事務を委任することができるものとすることにより合理的、能率的な事務処理をはかろうとするものであります。  第三は、繰入金に関する規定を整備して地方公営企業特別会計一般会計または他の特別会計との関係を明確にしようとするものであります。現行制度では、地方公営企業特別会計に対する出資金を除いて同一地方公共団体内の各会計間の資金の授受は、予算上すべて一時的な繰り入れ、繰り出しという考え方で行なわれており、この結果、地方公営企業特別会計繰り入れが行なわれる場合、当該繰入金がいかなる目的を持つものであるかは明らかでありませんので、これらをその目的別に区分し、会計間の経理の明確化をはかろうとするものであります。  以上のほか、決算に関する規定を整備する等、若干の規定について必要な整備を行なおうとするものであります。  なお、この法律施行期日については、従来の官公庁会計方式による財務制度企業会計方式による財務制度に移行させる事項等改正部分は、準備期間を必要としますので、昭和三十九年四月一日とした次第であります。  以上が地方公営企業法の一部を改正する法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 永田亮一

    永田委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  なお、本案についての質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————
  6. 永田亮一

    永田委員長 次に、道路交通法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。太田一夫君。
  7. 太田一夫

    太田委員 道路交通法の一部を改正する法律案につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  最初長官お尋ねをいたします。参議院におきましても問題になったようでありますが、運転者養成をする今の組織、これは教習所重点が置かれておるのでありますけれども、とかくの批評もありますれば、また、そこで免許証をとった方も、さて実際の運転となりますと、かなり事故を多発いたしております。こういうところから、日本自動車運転手というものは一体いかなる方針養成すべきものであるか。すなわち、道は狭い、人は多い、自動車も限りなく輻湊しておるという中で運転をするためには、何か基本的な一番大事な条件というものが運転手に備わらないといけないような気がするのです。それは一体何であるか。法規をよく知っていることであるか、運転が上手であるということであるか、それともやまと魂を持っているということであるか、こういうような点について、あなたは何が一番大切だとお考えになっておりますか。
  8. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 運転手養成についての御質問でございますが、何と申しましてもああいう機械運転するということから、またいろいろの制度下においてこれを守りつつ運転するということから、法規に精通し、技術の修練を積んでおるということはもちろん必要なことであるわけでございますが、同時にまた、こうした交通事情のもとにおいて、また比較的一般公徳心と申しますか、そういうものの必ずしも厚くない現在の実情からいたしますと、運転手には特に交通道徳と申しますか、公徳心と申しますか、人に迷惑をかけないというような気心というものが大事であり、またさらに精神的な、いわゆる試験や何かで技術がわかるというような外形的なものでなしに、心理的、衛生上の問題からしまして、やはり完全な人であるということが望ましいように思うのであります。ただいまのお話し教習所について多く練習をされておるわけでありまするが、これにつきましても、そういう意味から、単に技術を練摩するというだけでなしに、また法規を教え込むというだけでなしに、その教習期間においてもできるだけ交通道徳の涵養というような点に今後特に留意をして参らなければならないと思いまするし、また試験にあたっては、目下科学警察研究所等でも研究をさせておるのでございますが、いわゆる心理的なテストということも加味して行なっていかなければならないのではないかというふうに思っておるわけでございます。最初に申し上げましたように、法令を熟知し、技術を練摩するという以外に、道徳心、また心理的な健全性が要請されるものと考えておる次第でございます。
  9. 太田一夫

    太田委員 先ほど技術のほかというふうにおっしゃったから、あなたの方としては、免許を与える条件の中では技術中心でしょうね。そうすると、一番チェックするのは技術であるのか公徳心であるのか、いわゆる心理的なテスト技術と並行するものであるのか、何に一番重点をお置きになるのであるか。これは何と一つだけおっしゃるわけにいかなければ、それでもいいのです。心理的テスト技術だとおっしゃれば、それでもいいのですが、その点はどうなんです。やっぱり技術中心である、その次に副次的に心理炉ついてくるのだ、こういうのですね。
  10. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 先ほど申し上げましたように、機械を動かすということ、またいろいろな制度下におけるものでございまするから、法規をよく知り技術に習熟するということはもちろん必要であるが、それが第一だという意味で申し上げたのではなくて、やはりこういうものを兼ね備えていなければならない。しかも、だんだん自動車構造等も進歩して参りますと、むしろ技術的な要請はだんだん軽くなって、それ以上に——技術と申しましても、技術心理と、これに関連する面が非常にあるわけであります。長い期間やるということになればありますけれども、単に試験とかあるいは短時間の運転というときに、その精神的な要素心理的な要素というものが技術面からはあまり発見し得ないような場合におきましても、やはり長く運転に従事して非常な危険を冒す可能性といいますか、危険性心理的な欠陥等によるものがかなり多いわけでございますので、そういう意味心理的な健全性も必要である。しかし、さらにその根本に、とにかく精神がちゃんとしていなければいかぬ公徳心養成されていなければならない、こういうもうはすべて並行して考えられるべきものではないか。どれが第一で、ほかは付随的だというものではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  11. 太田一夫

    太田委員 そこで、この統計を見ますると、三十七年度の自動車台数は五百十九万八千台余であります。これは二十三年度を一〇〇として二二三〇という指数でありますから、ずいぶんふえたものですが、さらにマイカー時代となりますと、三十八年度以降も急角度にふえるものと思わなければなりません。そこで、交通事故年別推移を拝見いたしますると、たとえば、昭和二十三年に比べて死者は三倍には達しておらない。ですから、自動車で負傷する割合に死者は少ない、こういうことが言えるんじゃないかと思うのです。従って、これは自動車がふえてきたけれども事故はそれに伴ってふえていかない。こういう点は、大づかみに見て自動車運転手世評と申しますか、信用を相当高く認めてやってもいいんじゃないかと思うのですがね。これは、冨永さんどうですか。あなたの方で実際やっていらっしゃって、運転手はやっぱり信ずべからざるものであると考えていらっしゃるか。
  12. 冨永誠実

    冨永政府委員 客観的に見ますると、運転者水準といいますか、これは、私は年を追って向上しつつあるというふうに見受けます。その事例としまして考えられますことは、たとえば、例のノークラクション運動の問題がございました。最初にあれを実施しましたのは、たしか昭和二十九年に、東京で、時の警視総監がアメリカから帰られましてあまりにひどいということで、銀座、新橋付近一帯警笛自粛運動をしたが、一時は成果が上がりましたが、必ずしも長続きはしなかった。それが四年たった昭和三十三年に大阪でスタートしましたノークラクション運動が非常に成果を上げまして、全国的な一つ運動になったということは、やはり四年間の時間的な差がそこにあるというふうに見受けられるわけでございます。そのほか、そういった事例はかなりいろいろなところで見られますので、私は、客観的には、水準としては向上の線をたどりつつあるというふうに申して差しつかえないのじゃないかと思います。
  13. 太田一夫

    太田委員 そこで、長官どうですか。今のように素質はよくなり、無事故運転という運動がだんだんとしみ渡っていると見ますると、運転者をきつく規制するということに重点を置く法律はだんだん必要がなくなってくるんじゃないかという気がするのです。運転手その者に対する不信感があればあるほど、規則はきつくしなければならぬものだと思っておりますので、長官としては、今後の道交法規制あり方関連をして、運転手に対する取り締まりの基本的な考え方なんですが、いわゆる信じないという不信気持前提とした取り締まりではなくて、信ずるということを前提とした取り締まりでいいのじゃないか、こう思うのですが、その点はいかがでございますか。
  14. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 全体的に見まして、私は運転手を信頼していくという態度がよろしいと思います。ただ、先ほど申し上げましたようないろいろな要素試験その他で必ずしも十分に把握できない場合もあるわけでございまして、そういうことはもちろんできるだけ精密にやるように努力はいたすにいたしましても、多くの運転手の中には、やはり不適格な者、危険性のある者が出るわけでございますので、そういう例外的な者については、やはり相当きびしくやることが必要であろうと思います。全体的に見ますれば、御説のように、やはり人を信頼し、できるだけそういう信頼の上に立ちながら、この複雑な交通の円滑、危険防止ということに、どう規制なり取り締まりなりを当てはめていくのがいいかという観点で、ものを考えていくべきじゃないかというふうに思っておるのでございます。
  15. 太田一夫

    太田委員 長官のお気持ならば私もいいと思うのですが、第一線に行きますと、とかく指導取り締まりという観念が混雑いたしまして、取り締まり偏重になるわけですね。そうしてまた、違反がないか、違反がないかと待ち望んでおるというような態度をもって、いわゆる検挙件数の多きをもって誇りとするような交通警察官がなきにしもあらず、かなり多いという世評である。こういうのは少々本末転倒であり、将来の交通行政のためにはよろしくない傾向だと思うのですが、それはどうお考えになりますか。
  16. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 警察といたしましては、先ほど申し上げましたように、交通の危険を防止し、交通の円滑をはかっていく、そういうふうな観点から必要な取り締まりをしていくということでございますので、ただいまお話しのように、違反をウの目タカの目で探す、むしろ違反の多きを自分の手柄にするというような考え方取締官があるべきでない、できるだけそういうものの予防というか、違反するおそれがあるような場合に、これを違反させないような仕組みをできるだけ考えていくということが必要でありまするし、何よりもそういう違反が起こらないような仕組みといいますか、ものを考えていくということに重点を置かなければならない。ただ、先ほども申し上げましてくどいようでありますが、多くの運転手の中にはやはりむちゃな者もある、そういうものに対しては、やはりこれを見のがさないように注意することが、全体のために警察としてやっていかなければならぬ問題ではないかというふうに考えるわけであります。
  17. 太田一夫

    太田委員 そうですね。中にはあるということから、善良な運転手たちまで被害をこうむっておるということじゃなかろうかと思うのでありますが、とかく点数主義と申しますか、第一線交通警察官の中には、努めて違反を発見してやろう、摘発してやろうと、違反が起こるのを待ち望んでおるような気持さえ感ぜられるのでありまして、これは残念に思うのです。もちろん警察当局ですから、取り締まりというのが前面に出ますのはわかるのでありますけれども、この道交法の中には相当指導的な思想が盛られておるのでありますから、指導という点などにはよほど力点を置いていただいていいのじゃなかろうか。交通警察官が学校などに行って、生徒に交通のルールはこうだとお教えになる気持で、第一線運転手にもこうだと教える、あるいはこうしてはいけないぞと教えさとす、この雅量が出てきたならば、交通というものに対する秩序というものはさらによくなると思うのです。というのは、よし、こんなことであげやがったから、これからはおれはもっと利口な方法で、すれすれなところまでやってやろうというような、反抗心というものを導き出すような指導方針取り締まり方針というものは、私は下の下ではなかろうかと思うのです。こういう点は十分に今後注意していただいて、取り締まりという点をもっと科学的にしていただく必要があろうと思うのです。どうもそういう点は、警察のことはわかりませんが、今日いわゆる警察界におきまして、柏村長官といえば宵の明星のごとく光り輝いているのです。この光り輝いている柏村長官が統率される交通警察官第一線が、なんですか暗い雲におおわれておるような雰囲気をもってやられては、交通界が暗くなると思う。その点はぜひ一つ考えいただきたい。  それから、先ほどちょっと教習所のことに触れましたが、参議院でもあったやに承りますけれども教習所に対する対策というのは——最近運転手の需要が非常に多い点から、教習所は乱立されておる。乱立されておりますが、内容は低下したとは申しませんけれども、どういうことでしょうか、あの当時議論をしましたわれわれの考え方の中には、いわゆる教習所を出れば、認定した教習所ならば、学科もそれから技術もともにオーケーし得る、こういう制度がしかれるものと思いましたが、いまだに学科の方を認めておる教習所というものは一つもないように承っておりますが、これは私の寡聞でしょうか。どこか学科の方も技術も認めておるような、完全な教習所というものがあるでしょうか。
  18. 冨永誠実

    冨永政府委員 交通衷情が非常に変化いたしておる点もあると思いますが、この前の道交法で御審議をいただいたときの教習所の全国の状態、それからだいぶ年数がたちまして、今日では若干様子が変わってきておるところもございます。私ども基本方針としましては、運転は何と申しましてもやはり基礎を覚えることが非常に大事である。基礎ができ上がらなければ、応用動作だけでは非常に危険であるというわけで、ほんとうの意味教習施設教習機関というものが何といっても必要であろうというふうには考えるわけでございますが、実際問題として、現実の教習所がはたしてどうかという点では、今お話しのような点もなきにしもあらずですから、今後どういうふうに指導していくかということで、私どもも盛んに検討しておるわけでございます。  ただいまお尋ね技能学科を免除しておる教習所があるかという点は、この前の道交法では技能実地試験を免除するというふうな形になっております。学科試験まで免除しておるのは、従って現在はございません。
  19. 太田一夫

    太田委員 長官、どうですか。教習所あり方というものに関連をして、学科の方を免除しないというのは、先ほどの答弁からいいますると、学科重点主義になっているわけだ。学科重点だ、だから学科教習所認定を委任しない、認定をさせない、こういうことだと思うのですが、学科にそんな力点を置く必要がどうしてあるのです。これは長官、将来の方針関連しますから、柏村長官在任中においてはこういうりっぱな交通行政の指標を立てられたという、日本の歴史に金字塔を打ち立てていただきたいと思うのです。
  20. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 教習所がだんだんりっぱになって、またこの教官なりあるいは施設の面なりすべて非常に完璧なものになってくるということになりますれば、学科の面についても、今お話しのような点を考えていってよいかと思うのでありますが、現在、制度的に政令では、法令、いわゆる学科でございますが、法令構造についてはこれを免除しないようになっておりますので、こういう問題は、技術の面とか、あるいは先ほど申し上げました心理テストの面とかというようなものをあわせ考えまして、今後の研究課題として十分検討して参りたいと思う次第でございます。
  21. 太田一夫

    太田委員 これは、一つ本格的に考えていただいて、教習所においては一体何を一番主たる焦点にするかという点を、この際明らかにしていただかなければ困る。これは長官、先ほどあなたのおっしゃった中で考えますと、心理的なものですね。公徳心道徳心とかあるいは心理的なもの——何とかおっしゃったですね、心理的テストというようなものを行なうとおっしゃったですが、やはりこの心理的なものが、今度高速自動車国道などの運転などには相当反映するんじゃないかと思うのです。もう先がつかえていて、六十キロの制限にはなっておるけれども四十キロでさえも走れないという場合は別でございますけれども、今度は最低速度というのが政令できめられるということになりますと、高速自動車道路は何キロ以上でなければ走ってはならないということになります。いわゆる超特急で走らなければならない。そうなると、何か技術ということ以外に、その人の心理というものが大いに影響するんじゃないでしょうか。高速自動車道路は、その能力のある自動車運転すればだれでも走れるのだということの方に私は少々危慣を感ずるのです。従って、教習所あり方というものは今のままでいい、構造重点を置き、法規重点を置くということは、いささか脱線のきみがあるような気がするのですが、どうですか。これはもうちょっと何か、今後の教習所教科項目はこうあるべきである、教習所に対しては、われわれは今後こういうふうにさせていきたいというような積極的な意見を、この国会中におまとめになるような御用意はおありでしょうか。
  22. 冨永誠実

    冨永政府委員 確かに交通事情がずいぶん変わっておりまして、今までは、試験にしましても、それから教習にしましても、法律、つまり道交法学科でございますね、それと構造とか技術とかということを中心重点を置いておったきらいはあると思うのでございますが、だんだん自動車も非常に性能が上がってきますると同時に、簡素になってきます。ノークラッチの自動車も出てきたりということでございますので、むしろ問題は、一方自動車の方は簡単になりつつある、それから道路交通事情はますます複雑になりつつある、しかもハイウエーが出てくるというようなことがございますので、つまり道路の上に出ましてから、ほかの車も走っておる、その関係において自分がどうあるべきかということが非常に重要になってくるわけでございます。従って、実際道路の上で他の走っておる車との関係において、自分の車をどう持っていくか、どういうふうな運転をするのが安全で、かつ他人に迷惑を与えないかということに重点を持っていかなければならぬということに私どもも感じておるわけでございます。ただ、試験の免除となりますと、それならば何を免除するか今お話しのように、全部免除したらどうかという御意見も確かにございます。しかし、一応今の段階におきましては、法令構造だけは免除しない、実地だけ免除するという形できておりますが、根本的には、ただいまお話がありましたように、特にハイウエーあたりができますと、一体それに対して普通の道路で走っておる感覚で走れるかということになりますと、これはだいぶ違うものであるというふうに私どもは見ております。従って、今後は教習所におきましても、そういったハイウエーなり、あるいは非常に車が込んでおるようなところを走る場合、あるいは主要幹線を走るような場合つきましての走り方というものにもうんと力を入れていかなければならぬと思いますので、何を免除するかという点につきましては、やはり今後十分免許問題そのものにも触れまして、ともに検討させていただきたいというふうに考えております。
  23. 太田一夫

    太田委員 冨永さん、今おっしゃったことですけれども関連して聞きますが、自動車のスピードと、それから運転者関係のことでお尋ねしておるわけでありますけれども、今の教習所のことは、そのようなばく然としたものでは私ども少々不安なんです。先回改正して以来もう三年近くたっているのでしょう。もう何か教習所というものに対する革新的な、一新紀元を画した指導方針があってしかるべきだと思うのです。それがないということは、私は残念だと思うのです。  そこで聞きます。それじゃハイウエーの最低スピードというのは、政令ではどのくらいのおつもりでいらっしゃるのですか。
  24. 冨永誠実

    冨永政府委員 何しろハイウエーは、わが国で初めてのハイウエーでございますので、最低速度をどの辺にきめるかということにつきましては、関係機関と連絡しながら盛んに作業を進めておるわけでございます。具体的にどのくらいになりますか、おそらくは五十キロか六十キロくらいの見当のところになるのじゃなかろうかということでございますが、今盛んに作業を進めております。
  25. 太田一夫

    太田委員 最低が五十か六十になる。最高はどうなりますか。最高はきめないのですか。
  26. 冨永誠実

    冨永政府委員 ハイウエーでございますので、速度はもう自由にしたらいいのじゃないかというような議論も確かにございますが、現在の日本の車の状態なりあるいはドライバーの状態から言いまして、無制限というわけにはいかないのじゃないだろうか。現に外国におきましても、最近速度が制限がないのは非常に事故が多いというわけで、だんだん八十とか百とかいうふうな制限を課しつつある傾向でございますので、最高速度につきましても、今関係機関と打ち合わせしまして、どの程度に持っていけばよいか、これもかなりそういった点で問題があるわけであります。
  27. 太田一夫

    太田委員 六十キロが最低とすると、現在の国道一号線あたりを通る自動車の最高スピードであります。最高が最低になるというのでありますが、上は、相当野放しになるように感ぜられます。  そこで、今度は片側が二車線でありまして、使うのは一車線だけです。奥の方の中央寄りの一車線は、これは追い越し用にするというのであります。そこで、早いのはどんどん先へ行きなさい、こういうことになって、ある程度無制限に近い最高スピードかと思いますけれども、最高スピードというものに対する研究はよほど科学的にやっていただかないと、これはあぶなくてしょうがないのです。たとえば百キロ以上、百二十キロなら百二十キロで走っておる車、これは外車の場合ですね、キャデラックが百二十キロで走っておる。そうしたら、その場合に前輪の右側の、内側のタイヤがパンクをした。そして空気がだんだん減ってきたという場合に、車両の操縦にいかなる変化が出てくるか。あるいはこの空気が急激に漏っていってしまっても、決して他の並行して走る車に接触をしたり、あるいは衝突をしたりするような危険というものは絶対に起こらないものかどうか。こういう点なども研究をなさっておると思うのですが、何か諸データがありましたら、結果がわかっておりましたら御発表願いたい。
  28. 冨永誠実

    冨永政府委員 確かに高速度を常時続ける場合におきましては、普通の道路で走っておるのとずいぶん違った様相が出てくるのでございます。私どもにおきましても、目下科学警察研究所におきまして実際車を使用しましてテストをやっておりますがたとえばお話しの、高速道路で走っておる場合にパンクをしたらどうなるかというテストをやるつもりじゃなかったのですが、実際テストをやってみたらそういう結果になったことがあるわけでございます。たとえば小型四輪の二トン車、一五OOCCでございまして、中古車でございますが、非常に性能のよいものを使いまして、常時八十キロで走ってみましたら、やはりパンクをした。パンクをしますと、危うく事故を起こしかけた。運転で辛うじて中央の分離帯に持っていったのであります。従って、こういった高速道路におきましては、今そこで走っておるようなタイヤの状態では非常に危険である。要するにタイヤそのものとタイヤの摩滅状態というふうなものをよほど慎重に考えなければならないという実際の実験が出ておるわけでございます。そのほかブレーキ装置とか、要するに普通の道路で走っておるような車の状態で高速スピードを出して走っておれば危険であるということだけは言えるのじゃなかろうかと考えております。
  29. 太田一夫

    太田委員 今のスピードは八十キロですね。八十キロのスピードでやはり危うく事故を起こしかけた一五OOCCの四輪、これはトラックですね。これが八十キロで危うく事故を起こしかけた。それはあると思うのです。さらにこれが五割増しの百二十キロになったらどうなるであろうかというテストだけは行なわれておらない。国鉄の東海道新幹線が実際に運転を開始する前に、現在小田原周辺において盛んにやっておりますのも、風圧はどうだとか、あるいはそれによる車両の安全度はどうだとか、あるいは乗務員、お客に対する影響はどうだとか、いろいろ各方面の検討をなさって、何回かのテストを繰り返していらっしゃるようでありますけれども自動車も外国には同じように大体において幾つかの先例というものはあろうと思いますし、この際わが国が初めてハイウエーをつくったわけじゃありませんから、外国の事故などの例とか何かをお集めになっていただいて、早急にこれはこうだという結論をお出しになって、それに対応する何らかの対策というものが盛られてこなければうそじゃないだろうかと思うのです。そういう意味で、この最高・最低速度政令できめることにしておるとおっしゃるけれども、その政令内容がわからないと、われわれとしても少々心配である。これは確定をしたら、こういう意味でここに確定したということを御報告をいただいて、そして政令に譲っておるというふうにしてしかるべきものじゃないだろうかと思うのです。そういう点などはもう少し具体的にお聞かせをしておいていただかないと、われわれの審議には差しつかえるような気がするのであります。  そこで、今自動車構造の問題が出ましたが、ハイウエーを走る車というのは、自動車であれば走れるということでありますから、これは無制限だというふうにちょっと見られるのでありますが、具体的には何かで制限されますね。最低の六十キロ走れるものなら何でもいいというわけにはいかないでしょうね。自動車であれば何でもいいのですか。その点、どうですか。
  30. 冨永誠実

    冨永政府委員 最低速度がきまりますと、その最低速度以下のものは工合が悪いわけでございますから、そういう問題が一つございます。それ以上の自動車をどうするかということになりますと、これは具体的にあらかじめ、こういう車はそういった速度で走るのは危険であるという具体的なデータをよほど積み上げなければならないわけでございます。しかし、それがもし危険であるとなれば、公安委員会としては制限もできるわけでございます。そういったちゃちな車は初めからだめじゃないかということが感じられますが、実際あらゆるテストをやらなければなりませんし、道路公団の方でそういった車種の制限をやりますか、あるいは公安委員会でやるかということにつきましては、もっと詰めていきたいというふうに考えております。
  31. 太田一夫

    太田委員 車種の制限の問題がまだ詰めてないとすると、ちょっと私ども不審に思うのですが、自動車という限りにおいてはというこの概念からいいますと、オート三輪でもいいのでしょうね。そういうことになりますね。六十キロ出せれば何でもいいということになりそうな気がするのです。そのおつもりですか。
  32. 冨永誠実

    冨永政府委員 高速自動車国道でございますので、自動車であれば今では一応よろしいということになっておるようであります。もちろん原動機付自転車は自動車ではありませんから、これは排除されますが、そうでない自動車であるものは、一応みな走れるということになりますので、実際問題としてこういった車は大丈夫だろうかというふうな懸念といいますか、それは多分に私どもも感じておるわけでございます。それで、そういった作業を進めていこうと思っておるわけであります。
  33. 太田一夫

    太田委員 作業をお進め中であるとするならば、早くその結論をお聞かせいただきたい。たとえば大型トラック、ダンプカーもよろしい。ダンプカーの上に砂利を積んで走って六十キロ以上出し得るスピード、たとえば九十キロなり百キロで走ったといたしますと、そのバラ積みになっておる砂利というのは、少々風で飛ぶのではないだろうか。そうすると、その風で飛んだ砂利が後続車両の前面ガラスにぶつかったときには、これはどうなるんでしょうか。これは危険をちょっと感じますが、そういうことは、何か今作業中でございますか。
  34. 冨永誠実

    冨永政府委員 当然、ハイスピードが出ております場合におきましては、  いわゆる車間距離といいますか、車と車との間隔を保持する車間距離は、普通の道路であるものよりもうんと離さ  なければなりません。具体的に、たとえばそういった搭載物が飛んで、そのためにというふうなことにつきましては、これも検討いたしたいと思っております。
  35. 太田一夫

    太田委員 それじゃもう一つ聞きますが、私は外国のハイウエーなどを走った経験がないから知りませんが、トンビが飛んできて前面に当ったときには、百キロのスピードを出しておりますと、ガラスは破れますか破れませんか。
  36. 冨永誠実

    冨永政府委員 どうもそういう御質問を私も初めて承りましたが、十分検討したいと思います。ただ外国には、御存じの通り、シカが出るぞというマークをつけた道路標識がついておりまして、ここはシカが出ることが多いぞということで、シカのついた道路標識が盛んについておるのを見ましても、動物が出るということによる危険がある。これは動物愛護の方か、あるいは自動車保護の方か、それはもう少し突き詰めていかなければならないと思いますが、トンビの場合はちょっと私も考えたことはございませんが、十分研究したいと思います。
  37. 太田一夫

    太田委員 名にし負う冨永さんにしては、研究不足ではありませんか。シカが出るのはしかとさようかということは、シカに聞いてみなければわからぬことです。これは何とも言えませんけれども日本の国は、カラス、トンビの類が多いですし、山の間を縫って走る高速自動車道路というのは、中央道ができたときには相当考えなければなりませんし、その研究がなしにこの法案が交通の安全を確保するという立証はどこでなされるのでしょうか。私は、やはり車両の構造という問題が一つ出てくるし、もう一つは、そこを走るのに、たとえば三六〇の車でもよろしいということはいいのか悪いのか、できるなら走らせて差し上げたいという皆さんのお気持だと思いますけれども、さていかがなものかという気がいたしますね。小さい車は、なるべく遠慮するのが初めのうちはしかるべきではないでしょうか。だんだんと丈夫になってきて大丈夫ということの確認がない限りは、あぶないと思いますね。そういう点などもありますし、六十キロ走れば人力車でもいいということには、これは自動車しかいかぬですから、そういうことにはならぬでしょうけれども自動車なら何でもよろしいということはどんなものでしょうか。もうちょっと御再考なさる必要があるのではないでしょうか。
  38. 冨永誠実

    冨永政府委員 何もやってないという意味ではなしに、この車なら直ちに危険だということをやる以上は、相当データを集めなければいけないわけでございます。そこで、私どもあるいは建設省、道路公団、全部集まりました技術委員会というようなところで盛んに詰めておるわけでございます。つまり、明らかにその車を通すことが危険であるということがデータの上におきましても明瞭になれば、これは、公安委員会も危険を防止するという見地から規制せざるを得ないのではないかと思うわけでございますが、そこの具体的なデータに持っていくまでに、もう少しまだ検討の余地があるということでございます。
  39. 太田一夫

    太田委員 一つ大いに急いで検討していただいて、いろいろと有益な材料をお出しいただきたいと思うんです。そうしませんと、これは非常に大事をとっておる、非常にりっぱなものだと思いますが、原則はそれでいい。片側を通り、追い越すのは内側のあいているところで追い越す。ところが、追い越す車が相当あって、そうして片方も続いておるということになると、ちょうど片側は満員の状態になると私は思う。左側は六十キロくらいのスピードで走る、まん中は百キロくらいのスピードで走る。その場合には追い越せませんから、二車線満員になりますよ。こんな状態になると思いますから、早いのとおそいのと、電車の複々線の形になります。並行する車から何か飛んでくる、窓がどうなった、こうなったという問題がいろいろございますし、これは十分御研究いただく必要があると思う。  そこで、もう一つ参考に承りたいのは、東名高速道路、いわゆる中央道のことですが、富士吉田までの第一期工事の計画は二十四メートルと資料に書いてあるようですが、これは、実際は何か予算の関係で片側一車線だ、こういう建設省の御計画のようです。してみますと、そのときには、ここにはたまたま高速自動車道路の建設計画がありますから、中央自動車道もこの規制の中に入るような気がしますけれども、それは違うのでしょうね。その点は、そのときにまた法令をつくるということになるのでしょうね。
  40. 冨永誠実

    冨永政府委員 御質問の通りでございまして、中央道が片側一車線になりますか、二重線になりますか、かりに片側一単線にいたしましても、一部供用の開始が昭和四十三年でございまして、五年先でございますので、そのときにはまたそういった実情に応じて改正を検討さしていただきたい。ただいまのところは、とにかく二車線あればキープ・レフトという原則を打ち立てさしていただいて、やらしてみていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  41. 太田一夫

    太田委員 できればこの際道路交通の立場から、向こうができたらどうするというような受け身でなくして、二十四メートルなら二十四メートル道路をつくってくれ、そんなものは高速自動車道として扱えないよというくらいの意見は、あらかじめおっしゃっておいていただく必要があるような気がするんです。そう言うと、建設省はお困りかもしれませんけれども、建設省の方も、好んでそんな小さな道をつくろうというお気持じゃないでしょう、予算の関係だと思いますが、できればすみやかに名神高速自動車道路と同じように、最初から二十四メートルの道路をつくり、片側二車線を堅持していただくようになりますと、この法改正も非常に将来とも生きてくると思うのです。これは、一つあなたの方からおっしゃっていく必要はないでしょうかね。受けて立って、道の狭いところにどうしましょう、こうしましょうということだけでは、いささか消極的な気がするんですが、いかがですか。
  42. 冨永誠実

    冨永政府委員 わかりました。旨ごもっともと思いますので……。
  43. 太田一夫

    太田委員 そこで、できるだけそういうことをおっしゃっていただいて、世論の高揚を一つおはかりいただきたい。  それから標識のことですが、いろいろな標識が出るだろうと思うんですが、山の中を通る高速自動車道路、特に直線をとる関係上、どうしても相当海抜の高いところなども通るように将来なると思うんですが、そういうところへ雪が降る、標識に雪がかぶさる、あるいは天然現象によって標識が見えなくなるおそれはしばしばあるような気がするんです。標識は、今度はこの道路にはあまりないでしょうが……。
  44. 冨永誠実

    冨永政府委員 法律上Uタン禁止とか駐車禁止とかやっておりますので、一般道路に比べますと、いわゆる規制標識の方は少ないと思います。ただ、道路管理者でやらなければなりません案内標識とか、あるいはあらかじめ何百メートル手前から、そういうものがあるぞという予告標識は、相当つくらなければまごつくわけでございます。それから標識につきましては、現在一般道路におきましても、実は標識を改正いたしたいと思っておりますが、その際には、おそらく直径六十センチくらいの大きなサイズのものになると思います。名神高速道におきましては、ハイスピードを持っておりますので、その規格をさらにその二倍くらいにしたい、直径百二十センチくらいの標識にして、遠くからわかるようにしたいと思いますし、雪の点など考慮いたしまして、そういった場所は商さも考慮していきたいと思います。
  45. 太田一夫

    太田委員 これは愚問かもしれませんが、標識が見えなかった場合に、標識の指示するところに従わなかった運転手は罰せられなければならないのでしょうか、それはやむを得ないのでしょうか。
  46. 冨永誠実

    冨永政府委員 情状によると思いますが、過失も罰せられるというものにつきましては、標識がなかった、あるいは見えなかったということでは、それだけでは罰則の適用を免れるわけにいきませんが、これは情状によると思います。過失が罰せられないという規定は、標識が全然なければ、当然罰則は適用になりません。
  47. 太田一夫

    太田委員 普通の道路においてもしばしば起きることですけれども、そんな標識は見えなかったと言ったって、いや、ここにある、それは柳の枝の陰にあったということもあったのです。今度はそういうことじゃなくて、大きなものになればわかるでしょうけれども、たとえば名神高速自動車道でも、山間部を通ると、あの辺は雪が降りますね。吹雪が吹きつけました場合に、幾ら高く標識をつくってもだめでしょう。雪の絶対つかない標識が立てられるのですか。
  48. 冨永誠実

    冨永政府委員 実際見えない場合は、やむを得ないと思います。そういうときは、もちろん罰則はかけません。
  49. 太田一夫

    太田委員 それでいいのです。そういう精神が、冨永さん、大事なんだよ。見えなかったときに、見えるはずだなんて妙なことをおっしゃっていただくから、いつも運転手がやられるのです。その精神でいいのです。雪の日に吹雪が標識に吹きつけて、何が何だかわからなかったというときに、標識があるようだからと、スコップか何か持っていって、雪を払って確認して、それから動きましょうでは大へんなことになる。それでは動きませんよ。その精神は常日ごろ大事なことだと思いますので、念のためにお伺いしたわけです。  それから、今度の場合は、横断歩道というものはないのですからいいのですが、一般の改正のときに、歩行者の保護の問題があります。それについて基本的な態度方針を聞いておきたいのですが、歩行者の保護という立場と近代交通機関としての自動車の機能というものと関連して、人間の命は大半にすべきだということはわかりますけれども、歩く人間に対する注意の喚起というのは、どうなんですか、どこかでなされておりますか。歩行者そのものに、自動車に注意すべしというのはおかしいが、何かその人たちにも注意の義務はあるのじゃないですか。それの強調は全然ないのですか。
  50. 冨永誠実

    冨永政府委員 確かに近代交通に対して歩行者がそれに応ずる感覚を持って歩いていただきたいという必要はございますし、それはまた道交法のいろいろな各条でもうたっておるわけでございます。ですから、やはり交通の秩序がほんとうにうまくいくためには、自動車運転しておる運転手ばかりじゃなく、町を歩行しておる歩行者とうまく協力関係にある場合に当然うまくいくわけでありますので、今後とも歩行者に対する教育につきましては、うんと力を入れていきたいというふうに考えております。また、昭和三十八年の予算の中にも、学童を中心として学校をぐるぐる巡回していく移動教室用の資機材の予算も、これは補助金でありますが、計上しておるような状態であります。
  51. 太田一夫

    太田委員 今度改正になりましたこれは、歩行者が道路の左側の横断歩道を通行し、または通行しようとしているときは、車両等の運転手は横断歩道の直前で一時停止し、歩行者の通行を妨げてはならないこととする、このことを具体的にあなたちょっと説明して下さい、どういう状態を言うのですか。
  52. 冨永誠実

    冨永政府委員 今までの現行法規で申し上げますと、これは単路の場合、単路といいますと、交差点じゃない途中の横断歩道でございますが、その場合には一時停止または徐行して歩行者の通行を妨げてはならないというふうになっておるわけでございます。今度の改正案では、横断歩道全部といっても、これはなかなか実情は無理でございますので、横断歩道の中央部分から左の方、つまり自動車からいいますと進行方向になりますが、その横断歩道上に歩行者がおり、また通行しようとしておる場合においては、横断歩道の直前、今までは場所がはっきりしていなかったわけです。「一時停止し、又は徐行」であったのを必ず「横断歩道の直前で一時停止」する、徐行はいけない。一時停止をして、それから通行を妨げないようにしなければいけないというふうにして歩行者の保護をはかる。これはただし横断歩道上だけのことであります。ですから、横断歩道のまん中から向こう側の部分のときには、これは差しつかえないわけです。横断歩道の中央から左というふうに限定いたして、その場合には横断歩道の直前で一時停止というふうにいたしておるのでございます。
  53. 太田一夫

    太田委員 だから、自動車運転していく場合、横断歩道があるでしょう。その横断歩道のこちら側の端くれに立っておる人があるとする、それは歩道でも何でもないですよ、普通の、車道も歩道も区別のないところだとすると、そこに立っておる人がある限り自動車は全部とまらなければいけませんね。いわゆる通行しようとしているとき、それは一々聞くわけにいかないでしょう。現象的にその地帯に立っておる人があれは、横断するものとみなしてとまらなければならないということですか。人を待つ場合には、横断歩道の地帯と目されるところに立つべからずというようなものが一つ要るような形になってきますね。横断しようとしておるというのは何ですか、科学的に見て、くつの先が横断歩道に触れつつあるということですか、触れる直前まではいいのですか、最後になると、警察官はその辺のことを言いますよ。具体的にここのところを御説明下さい。
  54. 冨永誠実

    冨永政府委員 そこで横断しようとしているというのは、やはり挙措、動作等前後の事情から判断して、横断しようとしていることがはっきりしている場合でございますので、ただ立っておって、通行しようとしておるかどうかわからぬときには、これは除外されるのでございます。
  55. 太田一夫

    太田委員 だから、横断歩道の方に向かってくつの先がついていたならばどうですか、それは何で判断するのですか。
  56. 冨永誠実

    冨永政府委員 やはり通行しようとする動作が形に出まして、たとえば左足が一歩出ておるとか、外見から見まして明らかに通行しようというある意味の動作が出ておる場合に限るのでございます。
  57. 太田一夫

    太田委員 これには罰則はありませんね。
  58. 冨永誠実

    冨永政府委員 ございます。
  59. 太田一夫

    太田委員 幾らですか。
  60. 冨永誠実

    冨永政府委員 三万円以下の罰金です。
  61. 太田一夫

    太田委員 まさかこれによって交通安全制度をつくる財源を確保しようなんというねらいじゃないでしょうね。これは大へんなことなんですよ、人命尊重もさることながら。どうなんですか。これを厳格に実施して三万円以下の罰金なんということにするのも、どうも実情に合わないですね。これは、あなたの方がはっきりしておる証拠がなければ横断しようとしておるとみなさないということですから、立って貧乏ゆすりをしておる程度はだめなんだとわれわれは、思っておりますからいいですけれども警察官によっては何言うかわからないですよ。  この前のとき私が提案しましたことですが、各地にだいぶ実現できてきた踏み切り、鉄道の踏み切りであって交通ひんぱんならざるところは、線路の方に遮断機をつけて、一たん停止を解除するということを申したことがあって、非常にいいことという賛同をいただいたのです。これが各地にちょいちょいできてきたようです。そこで、どれくらいそういう踏み切りができたか、そして一たん停止が解除されて、交通円滑になった場所がどれくらいあるかという何か資料、統計ございますか。
  62. 冨永誠実

    冨永政府委員 逆踏み切りのお話と思いますが、世界でもイギリスの本土、それからインド、マレー、オーストラリア、こういった国、それからインドネシアもそうなっておりますが、列車回数が少なくて自動車交通の多いところは、列車の方に遮断機があって、列車が走ってくるときは、その遮断機は大ていかぎがかかっておりますが、それが開かれて車道の方に向くというような仕組みになっておるようでございます。実は日本の国鉄ができた最初のころ、明治の初めはむしろ列車の方に遮断機があった。これは列車の速度がおそかったからそういうことになっておって、そういうふうなところがあったのでありますが、自動車交通が発達すれば、やはり実情に応じてそうあるのがいいのじゃないかと思うわけでございます。今、日本では富山県に一カ所、これは貨物の引込線でございます。それから静岡県沼津に、これは信号機と連動しておると思いますが、これが一カ所できております。ただその場合、それなら遮断機が列車側にあれば踏み切りじゃないかどうか、そうなると踏み切りの一時停止が免れるかどうかということになりますと、まだ法律上は根本的には解決できておらないのでございます。そこは運用でやっているのじゃないかと思いますが、現状はそういう状況でございます。
  63. 太田一夫

    太田委員 今の点は、横断歩道のこととちょうど関連しておりますから踏み切りのことをお尋ねしたわけですが、逆踏み切り、汽車の方、鉄道側の方に対しまして踏み切りをつくった場合には、こちらの自動車通行の方については踏み切りとみなさず、一たん停止が解除されるものと信じていたが、法律上やはり解決されておらないということになると、これは問題だと思います。従って廃線にひとしいような引込線、貨物線等においては、少なくとも一たん停止なんかは廃止をして差しつかえないと私は思う。これは法律的にあなたの方が疑義があるというのなら大へんですから、きょうでなくてけっこうですが、統一見解を出して下さい。そういうことを進めてもらわなければならぬ。この前、岡本鉄監局長だと思いましたが、いらっしゃって、そういう踏み切りのあり方については、現行の体系上いかがなものとは思うけれども一つ提案としてけっこうな話だというお話だったのです。鉄道の方でやるということになっても、こちらの方が、それでもなお踏み切りは一たん停止をしなければならぬということだったら、そんなことをする必要はないのです。これははっきりと解釈を確立していただきたいと思いますが、きょうお答えいただかなかった問題、御検討中の問題は、いずれまたあらためて御発表いただくことにして、きょうはこれで終わります。
  64. 永田亮一

  65. 阪上安太郎

    ○阪上委員 この機会に一つ、二つお伺いしておきます。  高速自動も国道の交通警察の問題ですが、国道の構造からいって、中央にグリーンベルトがあって、しかもそのグリーンベルトが、単なる芝生ではなくて植え込みになっている、こういうことなんですが、これは全部一貫して植え込みにするのですか、あるいはカーブだけを植え込みにするのですか、その点、どうなんです。
  66. 冨永誠実

    冨永政府委員 所管がちょっと建設省あるいは道路公団の方であると思いますが、この名神国道は、中央分離帯は全部植え込みになっているというように承知しております。違っておれば、また訂正させてもらいたいと思います。
  67. 阪上安太郎

    ○阪上委員 植え込みになっている関係は、要するにヘッドライトの反射を考慮したものだと思うのです。しかし、諸外国のハイウエー等を見ますと、ことに西ドイツあたりのアウトバーンなんかにおきましては、植え込みは全部採用していない。どちらが進歩的であるか、私今判断に苦しむのですが、ただ、ああいったハイウエーを通ってみると、随所に故障車等がありまして、それが交通を阻害しないために、あの五メートル近いところの植え込みの中にみんな車がほうり込んであるという現場を数多くわれわれ見てきたわけです。そこで、これは警察だけではどうにもならないと思うのでありますが、カーブの地域だけは何とか植え込みにするにしても、あとはそういったための場所にとっておくことが必要であるかどうかということになるのでありますが、もしそういうことで何か結論が出るならば、これは将来のこともありますので、ぜひ建設当局に要望されてはどうかと私は思うのであります。この点について、なかなかその判断はむずかしいと思います。従って、本日長官等から即答をいただこうとは私も思っておりません。御注意までに申し上げておきたいと思います。  そこで、先ほど太田さんから、何かトンビが出てきたということでありますが、向こうは、御承知のように動物愛護と、それからいま一つ交通安全の双方を考えたものだと思います。シカの出る場所にはシカの道路標識があり、運転者は十分それに対して注意を保っていく、こういうことになっています。この名神高速道路につきましても、何が出てくるかよくわからぬですが、イノシシ、ウサギ、犬、これはおそらく交通標識はわかりませんから横断すると思います。今までの道路状態を見ておりましても、車に乗っておれば、一日一回くらいは犬がひかれておるのを都会の中では見かける。ことに高速道路におきましては、しょっちゅうそれがやられておるわけであります。一つ動物愛護の意味から、それから交通安全の観点に立って、道路標識ということについて十分に検討してもらわなければならぬと思います。そこで、こういった高速道路につきましての道路標識は、在来通りのあの小型の非常に見えにくい形のもので、しかもああいった場所で、右側の方ですか、ああいったところに設置してやっていこうという考え方ですか、それとも、何か画期的な考え方をお持ちになっているのですか、伺いたい。
  68. 冨永誠実

    冨永政府委員 最初の中央分離帯の植え込みにつきましては、十分検討させていただきたいと思います。ハイウエーにおきまして非常に危険なことは、そのハイウエー自動車がとまるということであります。これは、御存じの通り追突事故が起こりますので、少なくともハイウエーでは自動車をとめてはいかぬ。私どもは一応路肩を考えておりましたけれども、中央分離帯に持っていくかどうかということにつきましては、今後十分検討させていただきたいと思います。  それから動物が出た場合とかなんとかの衝撃でございますが、一応これはほかの分野でいろいろやっている実験でございますけれども、ものが六十キロのハイスピードでぶつかった場合の衝撃力は、ちょうど六階の建物の上から人が落ちたと同じ衝撃だ、八十キロのときには、十階建ての上から落ちたと同じ衝撃力ということになっておりますので、衝撃ということはかなり大きい問題ではなかろうか。それは大きい動物である場合におきましても同じだと思うわけでございます。  それから道路標識につきましては、案内標識の方は今建設省で盛んに検討いたしております。私ども公安委員会の方は、規制標識でございますが、一般道路におきまする道路標識も、今度はサイズを改正いたしまして大きくいたしたいと思っております。今までのところ長方形の図柄のところが三十八センチでありますので、これを六十センチの大きさに持っていきたい、高速道路の方は、これを倍ぐらいにいたしたいというふうに考えております。
  69. 阪上安太郎

    ○阪上委員 向こうではやはりグリーンベルトを利用して、きわめて驚くべき大きな、日本では見られないような交通標識が立っている、こういうことが見られました。高速で走るのでありますから、それから一たんインターチェンジを通過して、そこでインターチェンジをやることを忘れた場合に運転者は非常に困るわけでありまして、次のところまで行かなければならぬということになりますので、そういった交通標識、ことにやはり道路案内ですね、沿線の市町村案内というものを加味したところの相当大きい標識をつける必要があるのじゃないかと思うわけであります。あと何百メートルでインターチェンジがある、そこにはどういう町があるというようなことを書いておく。つまりそのインターチェンジを利用すれば、そこに行くことができる周辺の市町村名が明確に書いてある。こうしておくことが親切であるし、あわてて車をとめてみたり、曲がってはいけないところを曲がってしまうという問題も何とか解決することができるのじゃないか。そういった画期的な道路標識というものを考えてもらいたい。在来の三十八センチが今度は六十センチになるというようなけちなことではなくて、ハイスピードで走っても、すぐ直観的にそういった状況がわかってくるという配慮が必要ではないかと思うわけであります。  それから、場所も今までのようにこちら側につけないで、グリーンベルトを利用するということも考えてもらいたい。  それから、追い越しの場合、これは高速で走っているのですから、相当問題があると思います。この場合に、はたして在来のような合図で十分であるかどうか、こういうことになるのです。諸外国では、昼間といえどもヘッドライトの点滅によって、先を走っている車がバックミラーでそれを受け取って、そしてあとからついてくる車が今追い越そうとしているのだということが明確にキャッチされる、それに基づいて了承したという方向指示器を出して、それを確認して追い越しておるという例を私どもは間々見ております。ハイスピードで追い抜くのでありますから、在来のような観念にとらわれないで、やはり何か新しいそういった追い抜き方式、合図というものを考えてみる必要がある。できればそういうことを法律化されることが必要ではないかと私は思うのです。この点について、長官なり局長なりの意見を伺いたい。
  70. 冨永誠実

    冨永政府委員 確かに、ハイスピードが伴っておる場合の追い越しというのは、普通の場合の追い越しよりも非常に慎重でなければならない、危険がすぐ伴うわけでございます。それから普通の道路におきまする追い越しにおきましても、今は進行方向を変えるわけでございますから、必ず合図をしなければならぬことになっておりますが、ハイスピードのときには、やはり後方から自動車が来るかどうかということをまず確認いたすことが大事である。その次には、対向車は、今度は分離がございますから、ありません。これは一般道路より少し楽になっております。前から来る車につきましてはないと思いますが、自分の前を走っておる車ともう一つ前を走っておる車の車間距離といいますか。これが必要なんです。あまり車が詰まっておるときには、これを追い越しても入れませんから、前車の車間距離を見なければならぬことが大事でございます。  それから第三は、当然合図をしなければならない。これも、相当前から合図すべきである。それからその次に、今お話しの合図をした場合に、相手が合図で答えるという点につきましては、これはごもっともだと思います。これは今のところ法律でちょっと規定もいたしかねますので、パネル式のハイウエーを走る場合の指導要領と申しますか、注意というものに詳しく書き込みまして、指導していきたいと思います。
  71. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そういった点については、行政指導といいますか、運用で考えてもらいたいと思うのです。  最後に一つお伺いしておきたいのは、ああいった道路については、人が歩いてはいけない、そういうことはどこできめるのですか。
  72. 冨永誠実

    冨永政府委員 これは人が歩いてはいけない。高速自動車国道でございますので、自動車しかいけません。
  73. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私どもは、その点をよく知らないのですが、そういうふうに法律規制してあるのでしょうか。人が歩いてはいけないということになっておるのですか。
  74. 冨永誠実

    冨永政府委員 そうでございます。
  75. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そうすると、人が歩いてはいけない、ちょっと道路に上がってもいけないのですか。
  76. 冨永誠実

    冨永政府委員 立ち入りがいかぬことになっておりますから、上がってもいけないと思います。
  77. 阪上安太郎

    ○阪上委員 もしいけないのなら、立ち入ったときにはどこが取り締まるのですか。公団がやるのか、警察がやるのか。
  78. 冨永誠実

    冨永政府委員 高速自動車国道法の十七条で、「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道自動車による以外の方法により通行してはならない。」とありまして、違反行為に対しましては、「建設大臣は、前条第一項の規定違反している者に対し、」いわゆる道路管理者の方で一応注意する、それを聞かぬ場合に初めて罰則を適用する。こういうワン・クッションが置かれております。
  79. 阪上安太郎

    ○阪上委員 なかなか無法者の多い時代ですから、無責任時代ですから、あるいはそういったことを犯す人が出てくることも多いと思います。そこでその場合に、第一段階では管理者がやる。警察がパトロールをしているときにそれを見つけた場合にはどうするのですか。それを管理者に通報して……。
  80. 冨永誠実

    冨永政府委員 非常に危険でございますから、事実上注意を申し上げたい……。
  81. 阪上安太郎

    ○阪上委員 これはまた諸外国の例になりますけれども、ヨーロッパあたりでは、ハイウエーでヒッチハイクしている連中がよく路肩に上がって車を待っておるという例があるのです。あれはおそらく禁止されておることではないかと思うが、慣行としてやるということであります。もしそういう路肩等に上がって歩行する者は、おそらくこれは禁止する、そういった者を発見した場合には注意するということでしょうが、これは罰則は伴わないのですか。
  82. 冨永誠実

    冨永政府委員 管理者が注意しても聞かぬ場合に罰則がございます。
  83. 阪上安太郎

    ○阪上委員 よくわかりました。  それからいま一つ、ああいったところで相当車が事故を起こしたり、あるいは故障を起こして放置されている。これに対して警察の方としては、その車を排除する、例のクレーン車かなんかで排除する作業をおやりになるのですか、やらぬのですか。
  84. 冨永誠実

    冨永政府委員 車が違法駐車の場合であれば、例のレッカーなどを持っていって五十メートル以内の場合は警察が動かせる権限はございます。ただ普通の故障車の場合におきましては、この道路管理者の方がレッカーを持っていって、これは一種のサービスもあるのじゃないかと思いますが、その方でやることになると思います。
  85. 阪上安太郎

    ○阪上委員 このハイウエーにおける交通取り締まりのための、無線等を含めた科学的な装置といいますか、これはどういうふうなものを考えておられるのですか。
  86. 冨永誠実

    冨永政府委員 とりあえずは交通四輪車でパトロールしたいと思っております。そのほかいろいろな資材、装備につきましては、何しろ初めてでございますので、外国の事例どもとりましていろいろ検討しておりますが、将来、あるいはレーダー装置をやったりすることも必要じゃなかろうと思いますが、とりあえずは、交通四輪車で主としてやって、無線製置につきましては、これは当然持っております。
  87. 阪上安太郎

    ○阪上委員 交通警察官がいわゆるパトロールする以外に、この長い何百キロの間のある一定の距離に、そういう常駐して取り締まりをやるという考え方を持っておられますか。
  88. 冨永誠実

    冨永政府委員 沿道にというわけにはいきませんけれども、料金徴収所のようなところには、固定しておまわりさんを配置したいというように思います。
  89. 阪上安太郎

    ○阪上委員 非常にハイスピードで飛ばすのですから、交通違反等が見つかった場合に、これをうしろから——今四輪車と言われましたから大体いいと思いますが、あの安物のオートバイで追っかけておっては間に合わないと思います。そこで、これも諸外国の例ですが、二キロなら二キロの距離を置いてパトカーがおって、そして無線電話等ですぐ配置するというようなことをやっておるのですが、そういったことも考えられていいのじゃないかと思います。  これで質問を終わります。
  90. 亀岡高夫

    ○亀岡委員 関連してちょっとお伺いしておきたいのですが、七十五条の十一ですね、高速道路で、大きな荷物を積んで故障を起こしたというような場合に、この法文でいきますと「当該自動車を高速通行路以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。」こういうふうになっているのですが、だれが講じなければならないのですか。大きな車だと、運転手一人ではとても動かせないと思うのですね。そういう場合に、講じなければならないという義務規定になっているわけですが、これには罰則がついているのですか、いないのですか。
  91. 冨永誠実

    冨永政府委員 たとえば、路肩にすぐ車を持っていっていただきたいというようなことでございまして、運転手がやらなければなりません。それから、この規定は罰則はついておりません。
  92. 纐纈彌三

    ○纐纈委員 関連して。今路肩の問題が出ておるのですが、先ほども阪上先生からもお話があったわけですが、実は事故があった場合に、路肩の方へ車を寄せるということですが、路肩の構造は建設省の問題でありますか、これはどんなことになっておりますか。その辺、ちょっとお伺いしたい。
  93. 冨永誠実

    冨永政府委員 この全部の道路のわきに路肩があって、その幅は二・七五メートルであります。
  94. 纐纈彌三

    ○纐纈委員 その二・七メートルへ大きな車が入ると——大きな車と申しますと、最近十五トンぐらいのトラックが高速道路を使うというような計画があるように聞いておるんです。その程度の車は大丈夫なんですか。  それからもう一つは、車の通るところと路肩との間の構造は平面になっているか、あるいはそこに多少勾配をつけているか、どういうふうな形になっているわけですか。それから、その路肩と実際道路との間の構造はどうなっておりますか。
  95. 冨永誠実

    冨永政府委員 二・七五メートルありますと、大体の車は大丈夫じゃないかと思いますし、それから路肩と車道との間には水はけのようなちょっとしたものがありまして、舗装は路肩はあまりよくありません。どちらかといいますと、大体平面で少し下がっておるというような状況であります。
  96. 纐纈彌三

    ○纐纈委員 大体それでいいと思うんですが、ただ急な故障なんかのときに、路肩に入るのに多少の摩擦でもあるということになると大へんなのじゃないか。それから非常にスピードアップされてやっておるから、故障のときに、うっかりそこで前の車がごたごたしておるということになると追突のおそれがあるのではないか、こういうことをちょっと心配したのですから今の御質問を申し上げたわけですが、わかりました。
  97. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 関連。故障の話が出ましたが、よくこういう高速道路で故障車が出るわけですが、故障が起こったときには通報しなければならぬ、助けを呼ばなければならぬ。そういうのはどういう方法がありますか。アメリカあたりでは電話があって、すぐ通報できる。そういう構造になっておりますか。
  98. 冨永誠実

    冨永政府委員 大体通信関係は無線が主でありまして、外国にありますような沿道電話というのはついておらないような名神国道でありますが、今その点はさらに検討しておりまして、ある個所でボタンを押すとか、あるいは簡易な有線テレフォン装置でもやろうかということでありまして、その点は今後とも検討いたします。
  99. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 それは、道路管理者がそういう施設をするのですか。警察の方からそういうことを要求しておるわけですね。
  100. 冨永誠実

    冨永政府委員 私どもの方も、パトロールカーも走っておりますし、そういうサービスのために、道路管理者の方も走っておると思います。そして今そういった有線の組織を建設する方向で道路管理者の方で検討しております。
  101. 永田亮一

    永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会