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1963-07-05 第43回国会 衆議院 商工委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年七月五日(金曜日)     午前十一時二十分開議  出席委員    委員長 逢澤  寛君    理事 小川 平二君 理事 岡本  茂君    理事 白浜 仁吉君 理事 中村 幸八君    理事 南  好雄君 理事 板川 正吾君    理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君       安藤  覺君    井村 重雄君       浦野 幸男君    遠藤 三郎君       小沢 辰男君    大高  康君       海部 俊樹君    佐々木義武君       笹本 一雄君    始関 伊平君       砂原  格君    藤井 勝志君       山手 滿男君  早稻田柳右エ門君       岡田 利春君    北山 愛郎君       久保田 豊君    小林 ちづ君       中村 重光君    広瀬 秀吉君       伊藤卯四郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  福田  一君         国 務 大 臣 宮澤 喜一君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局長)  大來佐武郎君         通商産業政務次         官       廣瀬 正雄君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川出 千速君  委員外の出席者         労働基準監督官         (労働基準局監         督課長)    小鴨 光男君         専  門  員 渡邊 一俊君     ――――――――――――― 七月五日  委員宇野宗佑君、浦野幸男君、大高康君、金子  一平君、仮谷忠男君、佐々木義武君、正示啓次  郎君、田中龍夫君、藤井勝志君、村上勇君及び  山口シヅエ君辞任につき、その補欠として岡崎  英城君、石井光次郎君、齋藤憲三君、首藤新八  君、小沢辰男君、林博君、菅野和太郎君、安藤  覺君、井村重雄君、砂原格君及び広瀬秀吉君が  議長の指名で委員に選任された。 同日  委員安藤覺君、井村重雄君、石井光次郎君、砂  原格君及び広瀬秀吉君辞任につき、その補欠と  して田中龍夫君、小平久雄君、浦野幸男君、村  上勇君及び山口シヅエ君が議長の指名で委員に  選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  採石法の一部を改正する法律案内閣提出第一  五二号)(参議院送付)  経済総合計画に関する件(新産業都市建設促進  法の施行状況に関する問題)  請願   一 プロパンガス容器計量器必置に関する    請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第六二    号)   二 同(灘尾弘吉君紹介)(第一二二号)   三 鉱業政策確立に関する請願(小島徹三君    紹介)(第六三号)   四 ガソリン価格値上げ反対に関する請願(    藤原節夫君紹介)(第六四号)   五 同外三件(植木庚子郎君紹介)(第一二    一号)   六 同外一件(福家俊一君紹介)(第二三〇    号)   七 同(保利茂君紹介)(第二三一号)   八 同(星島二郎君紹介第)(二三二号)   九 競走事業労働者の保障に関する請願(山    花秀雄君紹介)(第二八八号)   一〇 中小企業工場集団化制度に関する請願    (小平久雄君紹介)(第四〇四号)   一一 ガソリン価格値上げ反対に関する請願    (小沢辰男君紹介)(第四六二号)   一二 同(大村清一君紹介)(第五〇一号)   一三 プロパンガス容器計量器必置に関す    る請願(小沢辰男君紹介)(第四六三号)   一四 工業立地調整法制定に関する請願(福    永健司君外一名紹介)(第四九九号)   一五 西大寺市犬島の離島振興対策実施地域    指定に関する請願(逢澤寛君紹介)(第五    〇〇号)   一六 プロパンガス容器計量器必置に関す    る請願(松平忠久君紹介)(第六七四号)   一七 ガソリン価格値上げ反対に関する請願    (渡邊良夫君紹介)(第六九五号)   一八 中小企業工場集団化制度に関する請願    (高田富與君紹介)(第八四六号)   一九 スーパーマーケット調整に関する請願    (首藤新八君紹介)(第一五六四号)   二〇 中小企業工場集団化制度に関する請願    (坂田英一君紹介)(第一六一六号)   二一 上水道事業用電力特別料金設定に関    する請願(二階堂進君紹介)(第一六九五    号)   二二 中小企業工場集団化制度に関する請願    (高田富與君紹介)(第二六五六号)   二三 競走事業労働者の保障に関する請願(    足鹿覺君紹介)(第三〇八〇号)   二四 公共料金等値上げ政策中止に関する    請願(戸叶里子君紹介)(第三一一六号)   二五 物価値上げ抑制等に関する請願(石田    宥全君紹介)(第三三三三号)   二六 同(岡田春夫君紹介)(第三三三四    号)   二七 同(田中武夫君紹介)(第三三三五    号)   二八 中小企業基本法案等における消費生瀬    協同組合規制反対等に関する請願外十九    件(板川正吾君紹介)(第三五四一号)   二九 同外九件(久保田豊君紹介)(第三五    四二号)   三〇 同外十一件(田中武夫君紹介)(第三    五四三号)三一 同外三十一件(板川正音    君紹介)(第三五七二号)   三二 同外十五件(田中武夫君紹介)(第三    五七三号)   三三 同外三十五件(松平忠久君紹介)(第    三五七四号)   三四 同外十一件(西村力弥君紹介)(第    三六六五号)   三五 松本、諏訪地区を新産業都市の内陸地    帯指定に関する請願(倉石忠雄君紹介)(    第三七三七号)   三六 同(唐澤俊樹君紹介)(第三七六二    号)   三七 同(原茂君紹介)(第三八〇四号)   三八 同(中島厳君紹介)(第三九六四号)   三九 同(松平久君紹介)(第三九六五号)   四〇 中小企業基本法案等における消費生活    協同組合規制反対等に関する請願外七件    (久保田豊君紹介)(第三七九五号)   四一 同外五件(松平忠久君紹介)(第三七    九六号)   四二 同外八件(田中武夫君紹介)(第三七    九七号)   四三 同外六件(板川正吾君紹介)(第三七    九八号)   四四 同外六件(板川正吾君紹介)(第三八    四六号)   四五 同外七件(久保田豊君紹介)(第三八    四七号)   四六 同外十一件(田中武夫君紹   介)(第三八四八号)  四七 同外二十一件(板川正吾君   紹介)(第三九〇〇号)  四八 同外一件(久保田豊君紹介)   (第三九〇一号)  四九 同外十一件(田中武夫君紹   介)(第三九〇二号)  五〇 同外十一件(板川正吾君紹   介)(第三九二〇号)  五一 同外八件(久保田豊君紹介)   (第三九二一号)  五二 同外五件(田中武夫君紹介)   (第三九二二号)  五三 石狩川の公共用水域水質基   準設定等に関する請願(南條徳   勇君紹介)(第三八四三号)  五四 中小企業基本法制定に関す   る請願(始関伊平君紹介)(第三   九七八号)  五五 物価値上げ抑制等に関する   請願(有馬輝武君紹介)(第三九   九二号)  五六 同外一件(村山喜一君紹介)   (第四一八三号)  五七 同外一件(矢尾喜三郎君紹   介)(第四二〇六号)  五八 同(松井政吉君紹介)(第四   二〇七号)  五九 同(湯山勇君紹介)(第四二   〇八号)  六〇 同(横山利秋君紹介)(第四   二〇九号)  六一 同(稻村隆一君紹介)(第四   二三〇号)  六二 同外十九件(片島港君紹介)   (第四二六七号)  六三 同外一件(勝澤芳雄君紹介)   (第四二六八号)  六四 同外一件(中村英男君紹介)   (第四二六九号)  六五 同(八木一男君紹介)(第四   二七〇号)  六六 中小企業基本法制定に関す   る請願(宇野宗佑君紹介)(第三   九九三号)  六七 同(小沢辰男君紹介)(第三   九九四号)  六八 同(黒金泰美君紹介)(第四   〇五七号)  六九 同(江崎真澄君紹介)(第四   〇五八号)  七〇 同(小笠公韶君紹介)(第四   〇五九号)  七一 同(藏内修治君紹介)(第四   一三六号)  七二 同(鴨田宗一君紹介)(第四   一四〇号)  七三 同(中村梅吉君紹介)(第四   一四一号)  七四 同(永田亮一君紹介)(第四   一四二号)  七五 同(保利茂君紹介)(第四一   四三号)  七六 同(山田彌一君紹介)(第四   一四四号)  七七 同(田中彰治君紹介)(第四   一六二号)  七八 同(海部俊樹君紹介)(第四   二二六号)  七九 同(田中榮一君紹介)(第四   二二七号)  八〇 同外一件(中村幸八君紹介)   (第四二二八号)  八一 同(濱地文平君紹介)(第四   二二九号)  八二 同(天野公義君紹介)(第四   二六三号)  八三 同外一件(伊藤卯四郎君紹   介)(第四二六四号)  八四 同(飯塚定輔君紹介)(第四   二六五号)  八五 同(加藤鐐五郎君紹介)(第   四二六六号)  八六 信用組合の出資者保護に関   する請願(加藤鐐五郎君紹介)   (第四〇二〇号)  八七 中小企業金融拡大等に関   する請願(兒玉末男君紹介)(第   四〇六〇号)  八八 同(滝井義高君紹介)(第四    〇七〇号)  八九 同(有馬輝武君紹介)(第四    〇九三号)  九〇 同(加藤勘十君紹介)(第四    〇九四号)  九一 同(加藤清二君紹介)(第四    〇九五号)  九二 同(勝澤芳雄君紹介)(第四    〇九六号)  九三 同(坪野米男君紹介)(第四    〇九七号)  九四 同外一件(中村英男君紹介)    (第四〇九八号)  九五 同(村山喜一君紹介)(第四    〇九九号)  九六 同(八木一男君紹介)(第四    一六三号)  九七 同(鈴木茂三郎君紹介)(第    四一八〇号)  九八同(吉村吉雄君紹介)(第四    一八一号)  九九 同外五件(山本幸一君紹介)    (第四一八二号)  一〇〇 同(河野正君紹介)(第四    二〇三号)  一〇一 同(松前重義君紹介)(第   四二〇四号)  一〇二 同(矢尾喜三郎君紹介)   (第四二〇五号)  一〇三 公共料金等引上げ政策   中止等に関する請願(川俣清音   君紹介)(第四一〇〇号)  一〇四 松本、諏訪地区を新産業   都市の内陸地帯指定に関する請   願(下平正一君紹介)(第四一二   二号)  一〇五 同(羽田武嗣郎君紹介)   (第四一四九号)  一〇六 同(井出一太郎君紹介)   (第四一六八号)  一〇七 物価値上げ抑制等に関す   る請願外一件(岡良一君紹介)   (第四二九九号)  一〇八 同(久保三郎君紹介)(第   四三〇〇号)  一〇九 同外十六件(坪野米男君   紹介)(第四三〇一号)  一一〇 同(藤原豊次郎君紹介)   (第四三〇二号)  一一一 同(松前重義君紹介)(第   四三〇三号)  一一二 同外一件(松本七郎君紹   介)(第四三〇四号)  一一三 同外一件(西村力弥君紹   介)(第四三〇五号)  一一四 同外十八件(栗林三郎君   紹介)(第四三三四号)  一一五 同外一件(松井誠君紹介)   (第四三三五号)  一一六 同(松原喜之次君紹介)   (第四三三六号)  一一七 同(河野正君紹介)(第四   三五五号)  一一八 同(久保田豊君紹介)(第   四三五六号)  一一九 同(黒田寿男君紹介)(第   四三五七号)  一二〇 同(小林進君紹介)(第四   三五八号)  一二一 同(楯兼次郎君紹介)(第   四三五九号)  一二二 同(小林ちづ君紹介)(第   四三七六号)  一二三 同(長谷川保君紹介)(第   四三七七号)  一二四 同(楢崎弥之助君紹介)   (第四四一三号)  一二五 同外三件(赤松勇君紹介)   (第四四二七号)  一二六 同(野口忠夫君紹介)(第   四四四六号)  一二七 中小企業金融拡大等に   関する請願(西村力弥君紹介)   (第四三〇六号)  一二八 同(三宅正一君紹介)(第   四三〇七号)  一二九 同外一件(佐野憲治君紹   介)(第四三三〇号)  一三〇 同(川村継義君紹介)(第   四三三一号)  一三一 同(小林ちづ君紹介)(第   四三七五号)  一三二 同外一件(赤松勇君紹介)   (第四四二八号)  一三三 同(武藤山治君紹介)(第   四四三四号)  一三四 (森島守人君紹介)(第   四四七九号)  一三五 中小企業基本法制定に関   する請願(永山忠則君紹介)(第   四三〇八号)  一三六 同(三和精一君紹介)(第   四三〇九号)  一三七 同(櫻内義雄君紹介)(第   四三三二号)  一三八 同(本名武君紹介)(第四   三三三号)  一三九 同(赤城宗徳君紹介)(第   四三五三号)  一四〇 同(中村幸八君紹介)(第   四三五四号)  一四一 同(福田篤泰君紹介)(第   四三八七号)  一四二 同(山手滿男君紹介)(第   四三八八号)  一四三 同外一件(岡本茂君紹   介)(第四四〇〇号)  一四四 同(金子一平君紹介)(第   四四〇七号)  一四五 物価値上げ抑制等に関す   る請願(島上善五郎君紹介)(第   四四九一号)  一四六 同外三件(佐野憲治君紹   介)(第四五二九号)  一四七 同(八百板正君紹介)(第   四五三〇号)  一四八 同外二件(西村関一君紹   介)(第四七四四号)  一四九 公共料金等引上げ政策   中止等に関する請願(島上善五   郎君紹介)(第四五三一号)  一五〇 中小企業基本法制定に関   する請願外二十五件(高田富與   君紹介)(第四五三二号)  一五一 同(内藤隆君紹介)(第四   五五七号)  一五二 同(小澤太郎君紹介)(第   四五七九号)  一五三 同(天野公義君紹介)(第   四六六八号)  一五四 同(田中正巳君紹介)(第   四六六九号)  一五五 松木、諏訪地区を新産業   都市の内陸地帯指定に関する請   願(増田甲子七君紹介)(第四五   五八号)  一五六 中小企業基本法案等にお   ける消費生活協同組合の規制反   対等に関する請願外九件(安平   鹿一君紹介)(第四七四五号)  一五七 物価値上げ抑制等に関す   る請願(坂本泰良君紹介)(第四   九二号)  一五八 中小企業金融拡大等に   関する請願(坂本泰良君紹介)  (第四九一二号)  一五九 中小企業基本法制定に関   する請願(松木俊一君紹介)(第   四九一三号)  一六〇 上水道事業用電力の特別   料金設定に関する請願(田村元   君紹介)(第五二六五号)  一六一 松本、諏訪地区を新産業   都市の内陸地帯指定に関する請   願(中島巖君紹介)(第五二八六   号)  一六二 同(増田甲子七君紹介)   (第五三二四号)  一六三 同(唐津俊樹君紹介)(第   五四一八号)  一六四 同(原茂君紹介)(第五四   一九号)  一六五同(羽田武嗣郎君紹介)   (第五六七二号)  一六六 同(増田甲子七君紹介)   (第五六七三号)  一六七 同外一件(小坂善太郎君   紹介)(第五八四四号)  一六八 同(中島巖君紹介)(第五   九七八号)  一六九 同(松平忠久君紹介)(第   五九七九号)  一七〇 中小企業金融公庫宇都宮   支店設置に関する請願(小平久   雄君紹介)(第五三二二号)  一七一 同(森下國雄君紹介)(第   五三二三号)  一七二 同(尾関義一君紹介)(第   五四一七号)  一七三同(広瀬秀吉君紹介)(第   五六七四号)  一七四 物価値上げ抑制等に関す   る請願(足鹿覺君紹介)(第五四   一五号)  一七五 同(帆足計君紹介)(第五   四一六号)  一七六 同外九件(山口丈太郎君   紹介)(第五七七六号)  一七七同(勝間田清一君紹介)   (第五九七七号)  一七八 中小企業基本法案等にお   ける消費生活協同組合の規制反   対等に関する請願(永井勝次郎   君紹介)(第六一〇七号)  一七九 中小企業基本法案反対に   関する請願(中村英男君紹介)   (第六一五九号)  一八〇 公共料金等引上げ政策   中止等に関する請願(井伊誠一   君紹介)(第六一九六号)  一八一 物価値上げ抑制等に関す   る請願(勝澤芳雄君紹介)(第六   一九七号)  一八二 同(志賀義雄君紹介)(第   六四五一号)  一八三 松本、諏訪地区を新産業   都市の内陸地帯指定に関する請   願外一件(宮澤胤勇君紹介)(第   六四五〇号)      ――――◇―――――
  2. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出採石法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。広瀬秀吉君。
  3. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 採石法の一部改正法律案について、御質問をいたしたいと思います。  質問に先立ちまして、昨年の八月二十四日に私本委員会に出席させていただいて、特に栃木県の大谷石採石場現場におきまして、大きな陥没事故がありました。約三千平方メートル、第二次、第三次の陥没を加えますと約四千から五千平米程度陥没がありました。死者も三名出しました。そのうちたしか二名はまだ発掘をされていないわけでありますが、ちょうどこの七月三十日になりますと、一周忌というような状況にもなるわけでありますが、ここにそれらの悲惨な事故防止するために、採石法改正が行なわれるということに対しましては、通産当局の御努力と本委員会委員皆さん方の絶大なる御協力に対しまして、この問題を提起した一人といたしまして、非常に感謝を申し上げているわけであります。  そこで、昭和二十五年制定以来初めての法改正になるわけでありますが、私どもの大体所期した程度法改正はなされたものと考えるわけでありますが、なおこのせっかくの改正した点が、今後りっぱな運営をされて、実効をあげ得ることが必要でございまするので、そういった角度から、若干の質疑を試みたいと思うわけでございます。  まず最初にお伺いをいたしますが、今回の改正で、採石業着手する場合に、いままでは着手した後遅滞なく届け出ろというようなことになっておったわけでありますが、これを事前に届け出をさせる、しかもその中で「採取場位置岩石採取方法着手予定年月日その他の事項」を届け出る、こういうような規定にもなっておりますので、いわゆる行政監察局監察の結果出しました、非常に零細な業者が、いままでもあぶないからといって廃山をしたようなところまで入り込んでどんどん新しく無届けでやってしまうというよう事態、乱掘をするというような事態が防げるというようなことにもなるわけで、たいへんけっこうでございますが、届け出の際に、届け出事項、これが鉱業法の六十三条の施業案というようなものに準じた届け出を要求しているかどうか、そこまで厳密にあるいはやる必要もないかと思いますが、それらの鉱業法の六出二条の施業案――あとのいろいろな問題にも関連があるわけでありますが、この届け出の際に「その他の事項」というようなことでは、どういうものを要求されておりますか。その点をひとつ伺いたい。
  4. 川出千速

    川出政府委員 届け出事項は、改正法案にございますように、採取場位置、あるいは岩石採取方法着手予定時期その他の事項ということになっておりますが、その他の事項として特に考えられますのは、採石場の付近の状態でございます。民家があるか、道路があるか、その他の近傍の施設の状態によりまして、公害を与える影響についての差異ということも出てくるわけでございますので、主として公害防止見地から必要な事項届け出をさせることに考えております。
  5. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 第三十二条の二の「公害防止方法を定め、その認可を受けるべき旨を命ずることができる。」、これはその前段の要件といいますか、こういうものがあると認めた場合にだけでございますか。あらかじめ新しく着手しようとする者については、この届け出の際にそういうものも要求するという考えはございませんか。
  6. 川出千速

    川出政府委員 既存のものにつきましては、実態調査の上命令を出すことになると思います。これから事業を始めようとする者につきまして、特にそういう危険のある場合には、初めから命令を出さなければいけないと思っております。
  7. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 その点了解をいたしました。  そこで、この改正法第三十二条の二「通商産業局長は」云々というところから「公共の福祉に反すると認めるときは、」という、このいわゆる要件公害が発生するおそれがあるという認定は、だれの責任でやるのか。あとに出てまいります三十三条の二「都道府県知事は、」ということと関連して読んでみますると、この認定責任者都道府県知事である、こういうように理解してよろしいわけですか。
  8. 川出千速

    川出政府委員 この採石法施行責任者通商産業局長でございますので、その責任通商産業局長にあるわけでございます。ただ、都道府県知事は、現場に最も近い立場にございますし、いろいろ現地の事情も詳しいわけでございますので、そういう必要があります場合には、通商産業局長に直ちに連絡をしていただく、それによって地元とよく相談した上で認定するということになっております。
  9. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 都道府県知事立場は、それではそういうものを見るために、絶えず現地について係員を派遣するなりあるいは監視するなりというようなことを都道府県知事がやるということになりますね。  それからもう一つ、労働基準監督署立場というものは、この三十三条の二の都道府県知事と同じような立場で、やはり労働安全衛生見地から職務を遂行されていくことになりますか。その都道府県知事労働基準監督行政に携わる者と通産局、この三者の関係というものは、どういうぐあいに現実に運用されるのでありましょうか。
  10. 川出千速

    川出政府委員 通商産業局長は、先ほど申し上げましたように、採石事業監督立場で、相当広い立場監督するわけでございます。それから採石事業の保安、衛生に関する問題は、これは通商産業省ではなくて、労働省の所管になっておりまして、労働省及びその地方の官庁である労働基準局というようなところが、監督をされているわけでございます。都道府県知事は、これは採石法関係からは、権限というような意味ではございませんが、現場に近いわけでございますから、通商産業局と最も緊密に連絡をしていただくという関係になっておるかと思います。なお、そのほかに火薬取締法施行という点もございますし、採石場火薬を使用する場合は、都道府県知事は、その立場から監督をしなければならないわけでございます。この三者は、中央におきましても、地元におきましても、緊密に連絡を従来もとってまいりましたが、今後もますますこの法の精神からも緊密に連絡をとって、事故防止に邁進しなければいけないと考えております。
  11. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 鉱山局長から御説明を伺ったわけですが、労働基準局監督課長から、労働基準行政立場において、この法改正に見合ってどういうような気持ちで、再びあのような採石法関係作業事故あるいは公害というものを起こさないために決意を新たにしてやられるかまえがあるか、この点について所信を伺いたいと思います。
  12. 小鴨光男

    小鴨説明員 たとえば大谷石等採石関係等について、いままでも災害が大きかったわけでございますけれども、現在基準法に基づきます土石採取関係の安全衛生規則というものが非常に不備であったということを反省しているわけでございます。したがいまして、現在労働省にございますところの中央労働基準審議会、三者構成でございますが、これに新しく土石採取に関するところの立法について現在諮問中でございますので、間もなく答申が出るかと思いますけれども、きめのこまかい形で採石関係の規定を整備いたしたいというふうに存じております。それから先ほども御質問がございましたけれども、労働者の保護という観点から、たとえば大谷石等については、坑内労働に対する保護をやっておるわけですが、それがまた一方公害との関係もございますので、先ほど鉱山局長からもお話がありましたように、両者の間に密接な連絡をとりまして、労働者の保護に必要なものにつきまして、これが直ちに公害との影響があるというものについては、常時現地においては協議会を設置してございます。そういう立場におきまして、この法案が通った暁におきましては、さらに緊密な連絡をとって措置したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  13. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 いま両者から、それぞれこれからの実際の法運用に当たる立場について、特に緊密な連絡――通産、労働基準行政、さらに都道府県、この三者が従前以上に緊密な連絡をとって進められる、このことは、この法運用にあたって一番必要なことであろうと思いますので、この間に間然するところのないように、ひとつ三者においてさらにそのつもりで進めていただきたいと思います。  次に、「公害防止方法を定め、その認可を受けるべき旨を命ずることができる。」その公害防止方法というものが適切であるかどうかということは、当然これは認可をするわけでありますから、そこで判断をするわけです。その際に、どういう基準で認可をされるかということについては、何らかその基準というようなものの案がございますか。これは、通産局で専門家にまかしてあるというような状態になっておるわけでございますか。
  14. 川出千速

    川出政府委員 これは採石業の業態によりまして、あるいは採掘している場所によりまして、公害防止方法というのは非常に異なるかと思うのでございます。一律の基準を設けるということは、実際上非常に困難ではないかと思います。たとえば大谷石の場合、現在、東京通商産業局で検討し、労働省とも相談している最中でございますが、これは残柱――残っている柱の間隔をどういうふうにするか、あるいは天井の厚さをどういうふうにするとかいう問題が基本になっておりますけれども、そのほかの採石場につきましては、必ずしもそういう必要はないわけでございます。ほかの立場からまた基準をつくらなければいけないと思います。これは、いろいろの場合に応ずるように基準をつくり、認可をしなければいけない、こう思います。
  15. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 もちろん非常に多種多様の状況がそれぞれの現場にあるわけでございますから、それはそういうことにならざるを得ないと思うわけです。  ところで、監督課長にお伺いいたしますけれども、行政監察局からの答申で、この前にも質問いたしたのでありますが、採石事業の実情に合致した具体的な安全基準というようなものを定めることという監察局の報告書も出ておるわけでありますが、これは昨年八月二十四日の私の質問でも、非常に必要だということを強調しておいたわけでありますが、その後、この安全基準の問題について、労働基準局として、あるいは現地の基準監督署として、どういうようなものを作業としておやりになって、おおよそのめどがついておるか、こういう点について伺いたいと思います。
  16. 小鴨光男

    小鴨説明員 先先からも御質問を受けまして、私どものほうでもいろいろ内部的に検討したわけでございますが、通産省とも連絡をとりまして、大谷石の問題につきましては、地質調査、そういう点を漸次進めております。また、協議会等におきましても、現実にいろいろな問題をやっておるわけでありますけれども、全般的には、先ほど申し上げましたように、安全衛生規則の中に、特別な土石関係、採石関係についての規定を今後つくるということで、いませっかく努力中でございます。なお、現地におきましては、労使、それから学識経験者の方にいろいろ御相談をいたしまして、落盤その他の防止についての採石上の基準、それから採石の手引きというものをつくりまして、これによって規則ではカバーできない分野についての具体的な指導をやっておる最中でございます。なお、この基準、採石の手引きというような点についても、現地並びに本省との間に、具体的にさらに詳細に検討したいというぐあいに考えております。
  17. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 次に、三十三条におきまして、従来若干の疑問がありまして、現行の労働基準法においても、採石公害の発生を防止するためにどうしても必要だと認められるときに、採石業者に対してその事業を停止させることができるかできないかというようなことが、現行の基準法でもできるんだという解釈もあり、若干無理じゃないかというような解釈もありまして、その点が非常に不備だということで、行政監察局でもその点を指摘をいたしたところでありますが、今回この三十三条の一項において、第三十二条の一項の要件に該当する事実があると認められる場合に、採石業者に対して必要な措置を講ずべきことを命ずる。しかし、その必要な措置を講ずることを命じただけでは目的を達することが著しく困難であると認められるときには、採石業者に対して事業の停止を命ずることができる。これは非常に大きな改正点だと思うわけでありますが、これは直接、たとえば労働基準監督署の係員が採掘の現場を見まして、危険があるというような認定をいたしました場合に、通商産業局長は東京におるわけでありますが、現地の非常に急を要するというような場合に、その実際にあぶないなと見て、それが通産局長の耳に入るまでにはかなり時間を要するので、あるいは労働基準局のほうから、さらに今度は都道府県知事を通じて三十三条の要請をするという段階になるのか。ストレートに、基準局から通産局長に、すぐ現地を現実に見た人がそういう発動を要請するということができるのか、そこらの関係はどうなっておりますか。
  18. 小鴨光男

    小鴨説明員 通商産業局労働基準局あるいは都道府県知事ということになりますが、連絡を緊密にしておりますし、現在では、その通報はきわめて迅速にできるかと思います。したがって、通産局長が事業の停止を命ずることは、そう時間をかけないでできるかと思いますが、それは法的手続の問題でございまして、現実の問題として、もう一瞬を争うというような場合には、それは事実上の問題として事業をとりあえずやめていくというような指導は、これは可能なものと思っております。これは法律上、手続上の問題としてではなく、現実の事実問題としては、そうしないと生命の危険があるということは、また別個の問題かと思いますが、実際上は、通産局長と連絡の上、おそらく大部分の場合はできることではないかと私は考えております。
  19. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 私の質問は、一つ疑問があるわけなんです。それは労働基準局から、あるいは基準監督署から、直接ストレートに、都道府県を経由せずに通産局長にこの三十三条の二項の事業停止を命ずるように要請を出す。そして、それにこたえて三十三条二項の業務停止を命ずることができるか。そういうようなことがこの中に含まれているかどうか。やはり都道府県知事の三十三条二にきめている手続が必要なのかどうか。そうなりますと、時期を失する場合もなきにしもあらずだ、こういう疑問なんです。
  20. 川出千速

    川出政府委員 労働基準関係の法令によるのは、これはまた別の問題でありますから、それは出てくると思います。
  21. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 法律案の疑問点は、大体その程度でございますが、そこで、現実に通産局としては現地の立体図の作成というような調査の方法に向かっておられるようでありますが、非常に危険の伴う仕事でございます。これに対して従事する職員等に対して、危険手当のようなものでもやはり十分やってやらないと、これはなかなか綿密な役に立つ調査ができかねるのじゃないかと思うわけなんですが、そういう点についての配慮と、さらに人員をこの面で――採石法関係公害防止あるいは労働災害の防止というような面で、そういう陣容を強化する、あるいは給与面でも特段の配慮をするというような点についてのお考えは、いかがでございしましょうか。
  22. 川出千速

    川出政府委員 特別手当と申しますか、給付と申しますか、その点につきましては、人事院関係の問題になろうかと思いますので、そちらとよく相談をしたいと思います。  それから公害防止その他のための人員の強化につきましては、とりあえず現在の人員の整備充実ということでもって可能と考えておりますが、そちらにも努力したいと思っております。また、都道府県との連絡を緊密にすることによりまして、現地の情勢もよくわかると思いますので、あわせてそういう方向で努力したいと考えております。
  23. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 さらに都道府県等におきましても、三十三条の二に基づきまして、いままで以上にこれはきちっとした体制で、ただ近くにあるということだけでなしに、やはりこういう責任を三十三条の二で明確に今度都道府県知事も負うわけであります。したがって、この面についての人員の配置というようなことも、当然必要になってこようかと思うのですが、自治省等に対して、基準財政需要額というようなものにこういうものは当然入れられてこなければならないというように思うのですが、そういう点についての折衝はなされましたのですか。
  24. 川出千速

    川出政府委員 現在のところはいたしておりません。今後の問題かと思います。
  25. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 そのほうもひとつ、この法律成立とともに通産省としても自治省に対してしかるべく配慮方を要請をしていただきたい、かように思うわけであります。いずれにいたしましても、今回これだけの改正であっても、非常に重要な公害防止に役立つものと思います。それだけに、やはり法の実施にあたって、予算の裏づけというようなことについても、さらに配慮されなければならないと思うわけであります。そのことが一つ。これは通産政務次官に、ぜひひとつその点のお考え、御決意のほどをお聞かせいただきたいわけでありますが、その点を最後に伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  26. 廣瀬正雄

    ○廣瀬(正)政府委員 御指摘のように、法の運用につきましては、各省との連絡をさらに緊密にし、また所要経費の予算上の措置等につきましても、十分努力してまいりたいと思っております。
  27. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 終わります。
  28. 田中武夫

    田中(武)委員 大体の点につきましては広瀬君が触れましたので、簡単に御質問したいと思うのですが、要は、採石法での公害防止ということは、いわゆる一般に対する公害防止、こういうことだと思います。やはりこの仕事に従事する労働者の災害防止ということは、労働基準法その他によってやられる、こういうことですね。
  29. 小鴨光男

    小鴨説明員 採石に従事するところの労働者に対しますところの坑内、坑外の災害防止、これは基準法によります労働省責任でございます。
  30. 田中武夫

    田中(武)委員 私が言っておるのは、先ほど広瀬君が触れましたが、たとえば三十三条二項のこの差しどめ命令ですね、事業の停止、この場合は、いわゆる「前項に規定する」ということを受け、それは公害防止方法というものをきめる、それにかかってくるのでしょう。そうすると、差しどめ命令ということは、公害の危険があって、その公害防止に必要だからというので差しどめ命令をここで出すということになっておる。この前、昨年八月か九月に大谷石のことが問題になったときに、それと同時に、中で働く労働者の災害防止、それが基準法で差しとめができるかできないかということで、基準局長はできないと言ったが、できるというのが法制局の解釈であったことは、御承知のとおりです。そうすると、そういう問題は、三十三条二項ができたといっても、やはり未解決のままだということなんですか。
  31. 小鴨光男

    小鴨説明員 田中先生先ほどおっしゃいましたとおりでございまして、採石法はあくまで公害防止ということで規定しておるものと思います。労働災害の緊急事態が生じた場合はどうするかということにつきましては、基準法の五十五条で規則、法令に違反した場合は、そういうものについての停止ができるということになっておるわけであります。解釈上いろいろ問題がございましたけれども、基準法上でも基準に違反した場合には差しどめができるのだ、こういうふうに統一されておると思います。ただ、基準にない場合に、労働災害の緊急事態について停止ができるかどうかということになりますと、五十五条からはそれは無理であろうという法の不備がございます。したがいまして、事労働災害に関する部面につきまして基準がなかったという場合の緊急の措置については、現在労働災害の防止に関する法律案というものを参議院で審議段階でございますが、これについて、そういう基準がなくとも、労働災害が生ずるおそれがあるという場合に差しどめ命令ができるように、実は現在御審議を願っておるところでございます。
  32. 田中武夫

    田中(武)委員 それを聞こうと思っておったのですが、労働災害の防止法、それは成立したのではないですか。参議院にまだあるのですか。
  33. 小鴨光男

    小鴨説明員 現在、参議院の社会労働委員会にかかっております。
  34. 田中武夫

    田中(武)委員 衆議院は通ったが、参議院でまだだ。いずれにしろ、成立した場合に、その業種ごとに協会をつくって、そしてその災害防止に役立たすというか、この法律はそういう考え方でしょう。そこで、こういう採石業については、労働災害防止法によってその業種ごとの協会をつくって安全性を保っていく、こういうふうな中に考えているのかどうか。
  35. 小鴨光男

    小鴨説明員 衆議院でも御審議いただきました労働災害防止法案につきましては、二つございまして、一つは、いま田中先生のおっしゃいました団体によるところの自主的な規制でございます。もう一つは、実は国が面接監督権、たとえば労働基準法のような形で監督する特別規制の章を一項設けまして、これはまさに採石業法と同じような考えで、基準法と同じような考え方で、国の機関が直接、先ほど申し上げましたような基準がない場合においても、緊急命令が出せるという一条を特別に設けたわけでございます。したがいまして、これは団体の自主規制にまかせるという問題とは、全然別でございます。
  36. 田中武夫

    田中(武)委員 そうすると、その団体じゃなしに、一方のほうの規定でやれる。したがって、昨年八月、九月に問題になりました大谷石の事故のときのように、片方は、そこに働く労働者の災害防止、これについてもインジャンクションが出せる、緊急命令が出せる。一方、いわゆる公害というか、公に対する危険ということについては、この採石法改正せられた事項によってやれるのだ、そういうことですね。
  37. 小鴨光男

    小鴨説明員 全くそのとおりでございます。
  38. 田中武夫

    田中(武)委員 そこで、先ほど広瀬議員も触れておりましたが、その間、いわゆる労働省の出先機関、労働基準局、通産省の出先機関、通産局、そこに都道府県知事が加わる、こういう間のいろいろな連絡とか、そういうことは十分やれるようなたてまえになっておりますか。
  39. 小鴨光男

    小鴨説明員 先ほど鉱山局長からもお話があったと思いますけれども、現在も、現地におきまして、県、市、私どものほうももちろんでございますが、協議会で連絡をしておるわけでございますけれども、今回もこの公害防止方法とか、あるいは認可については、事前に十分労働省とも打ち合わせることに実は了解がついておるわけでございます。現地におきましても、さらに緊密に、円滑に、そういうことが成り立ちますように努力したいと思います。
  40. 田中武夫

    田中(武)委員 先ほど広瀬議員も触れておりましたが、まずまずの改正ができたわけですが、やはり裏づけがなくちゃいかぬ。予算という問題、きょうは大蔵省が来ていないが、これがなければ、実際は、法律をつくっても、ただ命令を出したりあるいは方法書をつくらす、こういうことだけではいけないと思うのです。予算の問題については、これは廣瀬次官がおられますが、十分考えてもらわなければいけないと思う。  それからもう一つ、これはいまここで直ちに修正とかどうとかいうことは考えておりませんが、いままでは事後届け出制度、今度は事前届け出制度に直る。しかし、届け出主義は変わりないという。それは石をとるといってもいろいろとり方がありますから、全部は必要がないとしても、鉱業法のように、施業案をつくらして、そうして許可制にするというところまで持っていかなければならぬようなものもあるんじゃないか、こういうように考えるのですが、ただ単に事前届け出だけでいいかどうか。それから、その三十二条の事前届け出と、三十二条の二の公益の保護とは、これはマッチするのかどうか。ということは、言いかえるならば、届け出があった。しかし、他人に危害を及ぼすおそれがあるというような場合には、まずこの三十二条の二の公害防止方法を定めさして、かつその後に仕事にかかるというのが順序だと思うのです。ところが、この法律でいくと、それはあと回しになるわけですね。届け出主義になるのですから、届け出たら仕事ができるわけです。仕事をやりだしたけれども、やっているのを見て、どうもそれではいかぬというので、公害防止方法を定めるという省令なんですね。そうすると、三十二条と三十二条の二を考えた場合に、許可制でなければ動かぬという、効果をあらわさぬという点が出てくると思うのですが、その点はどうですか。
  41. 廣瀬正雄

    ○廣瀬(正)政府委員 予算の問題につきましては、先刻広瀬委員にお答えいたしましたとおりでありまして、今後十分努力してまいりたいと思っております。  それから、鉱業法のように許可制にしてはどうかというような第二点のお尋ねでございますが、これにつきましては、御承知のように、採石場というのは、鉱業と違いまして、全国に五、六千というほど非常にたくさんありますので、危険なものはほとんど例外的に少ないというような状態でございますから、今度の法律の改正のように、一応事前の届け出制にいたしましても、そのうちでどうもあぶなさそうだというところは、公害防止の定めております方法によって命令を出すことも、認可をとるようにということもできますわけでございますから、普通の鉱業とは違いますということで、こういうような制度にいたしたわけでございます。  第三点につきましては、鉱山局長からお答えいたさせます。
  42. 川出千速

    川出政府委員 事業許可制の問題でございますが、これはただいま政務次官から御答弁になりましたような趣旨で、公害防止のために全面的に事業許可制をとるのは、若干行き過ぎではないか。必要にして十分な措置がこれでとれるのではないかと私は考えておりますので、今回の改正は、さような趣旨でできております。なお、法施行後どうしてもそれでまずいということになりますれば、そのときはまたあらためて検討しなければいけないと思います。
  43. 田中武夫

    田中(武)委員 採石は、言われたように数も多いし、いろいろなやり方がある。したがって、それらすべてを許可制ということは、私も必要ではないと思うのです。しかし、昨年問題になった大谷石のような、ほとんど鉱山と同じようなといいますか、そういうものもあるのですから、そういうものについては、施業案を出させ、許可制にするということも、検討する必要があるんじゃないか、こう申し上げたのです。
  44. 川出千速

    川出政府委員 大谷石のような場合は、先化の御指摘のように、事業所ごとに公害防止命令を出しまして、認可された方法によらなければ事業はしていけないというような運用になろうかと思います。
  45. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 他に本案についての質疑の通告がありませんので、本案についての質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  46. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 次に、討論に入るのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  48. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成に関しましてま、委員長に御一任いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  暫時休憩いたします。午後一時三十分より理事会を、理事会終了後委員会を再開いたします。    午後零時七分休憩      ――――◇―――――    午後三時十七分開議
  50. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  本日の請願日程の請願全部を議題とし、審査に入ります。  本日の請願日程に掲載されておりまする請願は、百八十三件でございますが、これらの諸請願につきましては、先刻の理事会において御検討願いましたので、紹介説明質疑等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  日程第一ないし第三、第一〇、第一三ないし第一六、第一八ないし第二二、第二四ないし第二七、第三五ないし第三九、第五三、第五五ないし第六五、第八六、第一〇三ないし第一二六、第一四五ないし第一四九、第一五五、第一五七、第一六〇ないし第一七七、及び第一八〇ないし第一八三、以上八十八件の各請願は、いずれもその趣旨を妥当なものと認め、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  廣瀬政務次官。
  54. 廣瀬正雄

    ○廣瀬(正)政府委員 ただいま当委員会におきまして御採決になりました請願につきましては、政府におきましても十分検討いたしまして、その実現に努力してまいりたいと思います。
  55. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 暫時休憩いたします。午後四時再開の予定であります。    午後三時二十分休憩      ――――◇―――――    午後四時十七分開議
  56. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  経済総合計画に関する件について、調査を進めます。  新産業都市建設促進法の施行状況に関する問題について、質疑の通告がありますので、これを許可いたします。  なお、経済企画庁長官は五時ごろには所用のために退席されたい旨の申し出がありますので、御勘案の上、御質疑を願います。田中武夫君。
  57. 田中武夫

    田中(武)委員 経済企画庁長官の時間については、できるだけわれわれも協力したいと思いますが、頭からそうきめられるとやはり一言申したくなりますが、それはさておきまして、企画庁長官にお尋ねをいたしたいのですが、御承知のように、年年通常国会で成立を見ました新産業都市建設促進法、これの成立後の実施の段階においてどういうような配慮をなされたか、あるいはどういうような実際の動きになっておるか、簡単にお伺いいたしたいと思います。
  58. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 昨年の暮れに、この法律を実施いたしますための基本になります基準と申しますようなものを、要請大臣の属しております関係各省と協議をいたしまして決定をいたしました。それに基づきまして、その後、指定を希望しておる全国四十四カ所の関係者から、関係各省の係官が合同で一つ一つ実情について詳しく聴取をいたしまして、また資料の提出なども求めまして、いわゆる事情聴取をいたしたわけであります。それに数カ月を要しました。その間地方選挙がございまして、私どもとしては、この問題がいろいろな意味で地方選挙との関連において取り上げられるということは、行政をやってまいります上にはとかく弊害を招きやすいと考えておったわけであります。したがって、事務的な理由からも、両方合わさりまして、地方選挙前に指定をするということが事実上不可能であり、またいたさなかったわけであります。その後、さらに資料等の整備を急ぎまして、ただいまの段階は、要請大臣になっておるところの私以外の六人の閣僚に対して、各省事務当局から資料について説明を聴取してもらい、その上で各大臣としてどこを指定するのが適当であるかという意見をお申し出を願いたい、こういう要請を私取りまとめ役としていたしておるところであります。多少の意見をすでに出してこられました要請大臣もありますし、まだしばらく検討の要がある、もう少し待ってくれと言っておられる要請大臣もあるわけでございますが、いずれにしても法律がすでに実施されておるわけでございますから、この新産都市の選定についてこれ以上遷延することは、私は適当でないと考えておりますので、できるだけ近い将来に、政府としてどこどこを指定することが適当であるかということについて意思の決定をいたしたいと考えておるわけでございます。ただ、御承知のように、私ども行政指導をいたしまして、正規の申請書はまだどこからも出てきておらない。それは都道府県議会の議決を経て本来申請書が出されるわけでございますので、そのような重い手続を地方団体にとってもらいましたその結果が、必ずしも希望どおりに実現しないという場合が当然多いと思われますので、かえってそういう重い手続をとらせることが後に問題を起こすであろう、こうも考えましたために、行政指導によって、現在のところは指定の希望を表示してもらいまして、私のほうは、かりに正式に申請がありました場合には、どこどこの申請を受けつける、それに基づいて指定をすることが適当である、そういう正式の手続の前の段階での事実上の意思決定をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  59. 田中武夫

    田中(武)委員 今日までに経済企画庁の職員の方といいますか、具体的に名前をあげ、その人がいつどこで言ったかということを必要なら申し上げますが、そういう人が地方へ出てまいりまして、ここは有望だとか、ここは入らないとか、こういうことをすでに去年の九月ごろからやっておるのです。そういうことについて、長官はどういうように考えられますか。
  60. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 いつぞや当委員会で、そういうことについて実は御指摘と御注意がございましたので、厳にそういうことのございませんように、きつく私から関係者には申しました。その後はそういううわさも聞かれないようになっておりますので、御注意をいただいた点は十分に私どもの役所の者も順守をしているものと考えております。
  61. 田中武夫

    田中(武)委員 ところが、必ずしもそうでないのです。やはり人間だから、人だから、いろいろ言われるとつい話をするということだろうが、いろいろなことが言われているわけです。長官は、私が去年の九月の、たしか閉会中の審査のときだったと思いますが、そういうことを言った。その以後はないとおっしゃっているのですが、そういうことがあると思うのです。それは長官のほうは十分注意しているとおっしゃるのだから、それはそれとして、そこで法律に従って地域を指定する、そういう場合には、あくまでも法の精神の上に立って、さらにその法の審議の過程を参考にしてやるべきでないかと思うのですが、こういう点につきましては、長官はどのように考えておられますか。   〔委員長退席、小川(平)委員長代理   着席〕
  62. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 まさにそのとおり心得ております。
  63. 田中武夫

    田中(武)委員 ところがそうではないのです。この法律の成立過程において、もうすでに審議未了の廃案という運命にあったときに、いろいろ与野党が協議をいたしまして、お互いに前向きに相談の結果成立をした、こういういきさつについては、当時は長官は担当大臣でなかったけれども、よく御存じだと思う。ところが、そのような努力をし、成立をいたしましたその法律が、今日、はっきり申しまして、与党のためと申しますか、利用せられる、そういう事実があるわけなんです。そういう点について、長官は何も聞いておられませんですか。
  64. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 どういう御質問の御趣旨でございますか、多少具体的に承れればお答え申し上げます。
  65. 田中武夫

    田中(武)委員 先ほど長官は、あえて地方選挙の時期を避けたほうがいい、こういうことで避けたんだとおっしゃる。ところが、そのために、地方選挙の中においていろいろと与党の諸君の応援演説等で、これを武器に、中夫に直結する首長でなければだめなんだ、こういうような、厳格にいうならば、公職選挙法の利益誘導というような点に利用せられてきた。あるいはまた、お手元に資料として出してあると思うのですが、きょうの毎日新聞の記事によると――私は、一新聞の報道が必ずしもすべての真実を伝えているとは思いません。しかし、この資料、お手元に出しておりますが、これによりましたならば、最後のほうですが「自民党内に「革新系が首班の地位にある地域は指定しない」」こういうようなことを宣伝をし、そしてそういう中から首長に圧力をかける。中には、この新聞には名前も書いてありますけれども、議事録の関係上名前は申しませんが、与党内の某実力者が、これは明確に本人に言ったか他の場所で言ったのか知りませんが、社会党の籍のある人のところにはやらない、こういうことで、保守の市会議員あるいはその土地の商工会議所、そういったところから突き上げがあって、この新聞によると、郡山市長が社会党に離党届を出した、そうしないと、新産都市指定を受けられない、こういうことが事実問題として上がってきているわけであります。そういうような問題につきましては、これは単なる新聞の報道であって、私は知らない、こうおっしゃればそれでおしまいの問題でありますが、火のないところに煙は立たないし、実は郡山市長の問題につきましては、私たちは数日前からそのことを情報として聞いております。現にそういう事態が起こっているのです。法律というものは、国会において与党、野党が十分に話し合ってつくっていくものです。つくった結果が、一方のみの宣伝の具に供される、あるいは一方の権力拡張の具に供されるということは、全く遺憾であります。そういうような点につきましては、長官はどのように考えておられますか。
  66. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 地方公共団体の首長は、住民の自由な意思で選ばれるわけでございますから、その人がどのような政治上の信念を持ち、あるいはいかなる政党に所属をしておりましょうとも、それは正当、適法に選ばれた首長でありますから、したがって、その個人の信条なり、党籍によって私ども行政を左右させる、あるいは影響をさぜるというようなことは、断じて至さないつもりであります。
  67. 田中武夫

    田中(武)委員 そうでなければならないのです。ところが、現にそういう事実が起こっておるのです。それについてどういうように思うのかというのです。
  68. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 そういう事実が起こっておると仰せになりますが、新産都市指定をいたしてはいないのでありますから、私に関する限り、そういう事実は起こっていないと思います。
  69. 田中武夫

    田中(武)委員 いやいや、まだしていないのだから、そういう事実は私に関する限りない、私はそういう答弁を望んでおるのではないのです。少なくとも与野党が前向きのかっこうで、実は昨年の通常国会の末期に、相当われわれは汗をかきながら成立をはかったわけです。それが事実として新聞の報道もあり、またこのことは、われわれは事実も知っておるわけです。新聞に出ておるとおり、郡山市長の問題ですが、それが指定になるかならないのか、それはわかりません。しかし、同じきょうの朝日新聞を見ると、市長が社会党の党籍を離脱したということで、どうも有望な線に入ってきているというようなわけです。そうなってみますと、長官が私に関する限り云々と言われましても、この朝日と毎日のこの新聞を突き合わせて見たときに、それが保守党の権力保持のために、あるいは権力拡張のために、利用せられておる、さう断ぜざるを得ないと思うのですが、いかがでございましょうか。
  70. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 新聞がどういうことを書きましょうとも、あるいはどこの首長が何党を離脱いたしましょうとも、私がやろうとしておる行政に何にも関係がございません。
  71. 田中武夫

    田中(武)委員 そうおっしゃれば話はしまいです。しかし、現実の問題としてあるのですよ。そういう点についてどう考えられるかということと、この法律の審議の過程におきまして、当時の藤山経済企画庁長官に、私は当委員会でやりました。これをこのままやるならば、たいへんなことになるだろう。あなたの政治力をもって各府県から出てくるやつをさばき得るか。これは藤山さんがこれをほんとうに筋を通しておやりになろうとするならば、まず総裁、総理になりなさい。しかる後にこの法律を成立さすべきである。そうでなければ、下から突き上げられてよろめくに違いない、こういうことを指摘したことがあるのです。今日宮澤さんは、おれはよろめいていない、こうおっしゃいますけれども、きのうも与党の商工部会においていろいろと意見が出され、あるいはわれわれを含む国会議員が、いろんな意見なり陳情を述べておると思うのです。そういうことを全然無視をするというわけにもいかないし、それをどの程度聞かれたか、そういう点において、私は法の精神を曲げてはいけないと思います。   〔小川(平)委員長代理退席、委員長   着席〕 聞くところによると、四十四が申請しておる。それを十ばかりにして、あと指定というようなものを五つばかりするとか何とかいったような考え方もあるようですが、そういう考え方は、この法律からは、準指定だとか、あるいはそれにかわるものだという基礎は出てこないわけです。それはさばくために便法として考えられたのではないか、こういうように思うわけです。実際幾ら申請せられて、どういう基準でいま作業が進められておるのか、一々読みませんが、お手元の朝日新聞に各地区における指定がこうであろうというようなことが書いてありますが、そういうことの関連において、まだ発表以前のことでここで全部を申し上げることはできない、こうおっしゃるかもしれませんが、ともかく現在のこの指定についての作業の進行状況、及び長官の心境をお尋ねいたします。
  72. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 準指定ということは、私は考えたことはございません。そういうことはいたさないつもりであります。新聞をここに写しをいただいておりますが、別にこれについて私が批評を加えるような権威のあるものでございません。何も申し上げるつもりはございません。私としては、法律の趣旨に基づいてきちんとした行政をいたすつもりでありますから、何よりもそれは結果をごらんになればおわかりいただけると思います。
  73. 田中武夫

    田中(武)委員 結果を見ればわかるだろう、私の選んだ人を見てくださいというのと同じ考えです。私の選んだ地区を見てください。ところが指定になってしまうと、もうあとの祭りといいますか、そういうことにもなりかねないので、指定前に長官の確固たる信念を披瀝してもらわなければならないので、わざわざ来てもらったのです。これはどこから出た情報か知りませんが、たまたまきょうの朝日を私は引用いたしておりまするが、その他の新聞等々におきましても、すでに下馬評はあがっており、われわれでも、あそことあそこであろうという大体の予想はつくわけです。そういう点について、あくまでもそういうことには関係なく、私はしゃんとして法の精神にのっとってやるのだ、またやっておるのだと、こうおっしゃるだろうと思いますが、そうですか。
  74. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 そのとおりでございます。
  75. 田中武夫

    田中(武)委員 この準指定のことは考えていない。それでは法案審議のときは、十カ所以下、こういう答弁であった。ところが、きのうの自民党の商工部会は、二十カ所という希望が出た。あるいは十二、三にするとか、いろいろ出ております。しかも最初の考え方をそのまま押し通そうとするならば、修正は出てこない。やはり本委員会において、法案審議の過程における論議並びに修正点、これはやはり最初経済企画庁なりその他が考えられた線に対して修正がなされたということで、若干の修正の上に立っての考え方が入ろうと思うのですが、そういうような点は、最初考えたままを押し通そうというのであるか、それとも修正という点を含み勘案しておられるのであるか。先ほど四十四と申しましたが、四十四は間違いないのか、それを幾らにしぼるのか、基準はどういうところにあるのかということを聞かせていただきたいと思います。
  76. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 私が就任いたしましたときには、法律案はすでに成立をいたしておったわけであります。したがって、成立いたしました法律に基づいて、その精神を体して指定の問題を考えておるのですが、個所につきましては、先ほど申しましたように、昨年の暮れに、関係各省で十カ所程度ということをきめております。その方針は変えないつもりでおるわけであります。
  77. 田中武夫

    田中(武)委員 昨年の十二月の方針を変えない。したがって、最初立案過程において考えておったのと、修正という事実があったのと、あわせて十二月に考えた考え方を変えない、こういうことですか。
  78. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 ただいま申しましたように、私が就任いたしましたときには、法律は成立をいたしておったわけであります。それは国会の御修正を経て成立をいたしたわけでありますから、私は、その修正されてでき上がりましたところの法律の趣旨を体して考えておるわけでございます。ただ、そういう趣旨において、まず十カ所程度ということが適当であろうと考えましたので、昨年の募れ、企画庁でそういう基準をつくりまして、それにのっとって今日までこの問題を検討いたしているわけでございます。
  79. 田中武夫

    田中(武)委員 これ以上もっと詰めたいと思うのですが、具体的な場所等については、あなたもまだ申し上げられないと思います。私も、ここで聞いてもむだだと思いますから伺いませんが、これは御承知のように、それぞれの立場から、それぞれのルートを通して、いろいろと長官のところへ陳情なり要望なりがいっておることだと思います。それはまあ当然のことなんですが、同時に、私は知りません、これで押し問答になるんですが、やはり火のないところに煙は立たぬ、こういうことをいわれておりますが、郡山の市長の問題、あるいは大分県の知事が社会党の知事であるからといったようなことでどうも左右せられるのではなかろうかということが伝えられておるし、またそうであるということもいわれておるわけなんです。そういうことについては、関係者を、たとえば郡山の市長、あるいはそういうことを言われたという党の幹部、そういう人に出てもらって、当委員会においていろいろ意見を聞かなければ、この問題は解決しないと思うのです。要は宮澤さん、自信を持って言われておるように、ひとつそういうことではなく、私の選んだのを見てください、こう大きく出られましたから、そうさしてもらうというよりほかはないですが、そういう間において、いろいろな問題があることは、これはいなめない事実です。そういうことに長官はよろめくことなく、同時に各省各省の案があると思います。そういうものを十分に考えてこれはやっておられることと思うのですが、そういう各省各省間のそれぞれの意見等を調整していくのがあなたの役だと思うのですが、その辺の事情はいかがでしょうか。
  80. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 私は、圧力をかけられたことはございませんし、陳情は仰せのようにずいぶんたくさんございますけれども、これだけたくさん陳情がございますと、何もないのと同じようなことでございまいす。各省につきましては、関係大臣のうちで何人かの大臣の御意見はすでに承っておりますし、何人かの大臣についてはその御準備がまだありませんで、これから承る、そうして関係大臣の意見が一致しております部分については問題がないわけでございますから、一致をしておりません分につきまして調整をいたす、そうしてその結果を十カ所程度というところにおさめたい、そういう努力をしつつあるのが、ただいまの現状でございます。
  81. 田中武夫

    田中(武)委員 要請大臣が、経済企画庁長官を除いて六人でしたか、それぞれ要請がある。そこにも若干の食い違いがあると思います。この本日の朝日新聞を見る限りにおいては、たとえば九州に二カ所とか、東北で何カ所だということになると、一方が通れば一方がはずれる。それがやはり先ほど申しておるような市長に対する有形無形の圧力となってくるというようなことは、あなたはそう考えてはいないとしても、事実起こっているわけなんです。したがって、たとえば郡山市長の離党の経過、こういうものも、あなたも調べていただきたい、私のほうも調べます。それと同時に、委員長に要望しておきたいのは、こういうことで、新聞の情報だけでは何とも言えないけれども、しかし、これまた先ほどから言うておるように、火のないところに煙は立たないという事実もある。したがって、何らかの形において圧力が加わる、何らかの形においてそういったような動きがあったことは、いなめないと思うのです。それに関連をした人を、これは後に理事会において相談ということになりましょうが、たとえば郡山の市長、あるいはそういう圧力をかけた与党幹部の個人の人、その他その背景をなしている者を、当委員会において、いろいろと宮澤長官と対決というとおかしいが、同席の上で一ぺんすっきりとしてもらわなければ、いかに宮澤長官が、私はよろめかない、私はまっすぐやるから、私の選んだものを見てくださいと、だれかと同じようなことをおっしゃいましたが、一般は、これだけ新聞等に書かれると、そうは思わないのです。いかに宮澤長官がまっすぐよろめかないようにやったとしても、もうこれだけ伝えられると、そうであったんではなかろうか、こういう疑問を一般が持つことは、いなめない事実だと思うのです。  そこで長官に、これは要望ということにいたしますが、もう少し時期を見るというか、冷却期間を置くというか、そういうことによってこういう疑問の点を払拭した上で、はっきりきめていただきたい、このように思っておりますが、長官並びに委員長の御所見を伺います。
  82. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 田中委員の、要望について、委員長からお答え申し上げます。  申し出の件は、適当な機会に理事会を開きまして、理事会の意見を総合しまして善処することにいたします。
  83. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 実は、私は、郡山の市長がどういう党籍を持っておられるかということは、今朝新聞を見るまでは知りませんでした。そういうどこの市長なり知事なりがどういう思想傾向の人であるかということにつきましては、私は、この行政をやる上には全く無関心であります。そういうことに、この行政は何も関係がないというふうに考えておるわけであります。  それから、時期を延ばしてはどうかというお尋ねでございますけれども、これはすでに今日まで延引をしたということで、相当のいろいろなむだと申しますか、好ましくないことがたくさん起こっておるわけでございますから、早くこれは処置をしたほうがよかろう、私としてはむしろそう考えております。
  84. 田中武夫

    田中(武)委員 宮澤長官は、きわめて頭の回転がいいから、そつのない答弁をせられるので、ここでは議論というか、質疑が行き違いになってしまって、これ以上進めていっても、詰まるところがありません。しかし、私が要望したい点は、先ほど申しましたように、政府は、行政の上においては、その法の精神並びにその法律の審議過程におけるいろいろな問題、あるいは附帯決議、こういう点を勘案せられて、十分に外かう客観的に見て無理はないというふうなところへ落ちつかなければならないと思います。それと同時に、とにもかくにもこういう新聞も出、あるいはそういううわさも流れて、少なくとも掛当国務大臣としての宮澤さんは、こういううわさを消すというか、そういうことでないんだ、こういうことを国民に理解さした上で指定を発表せられるということが、望ましいのではないか。さらに、そういうことはないとおっしゃるし、あってはならないんですが、法律は、与党だけではつくれないんです。野党も建設的な意見に基づいてともに審議をするところにおいて、法律は制定される。それが一方のみのために使われてはならない。こういうことには使ってないんだ、こう長官はおっしゃいますが、そういう疑いの目で見られるということ自体が問題だと思うので、そういうことのないよう、十分な注意と、長官自体の姿勢を正してやってもらいたい、こういうことを要望いたしておきます。
  85. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 久保田豊君。
  86. 久保田豊

    久保田(豊)委員 大体いまの質問で要点は尽きているわけですが、もう少し具体的にお聞きしたいと思います。  第一、さっきもお話がありましたとおり、要請大臣のおるところの各省とあなたのほうと、要するに四十四カ所からデータを出させ、ヒヤリングをやったようですね。結局、これに対する各要請大臣からの意見というものが出るということになろうと思う。その場合に、各省の事務当局とあなたのほうの事務当局とが、もう少し純事務的な見地から、なぜ調整がしてないのか。私が聞いた範囲では、あなたのほろでも、事務出局がヒヤリングをしたり、データを集めたものを事務当局間としてまとめるということをやっていないのです。これはどういうわけですか。それで、さらに聞いてみると、この問題は政治的にあれですから、事務当局が純客観的にこれがいい、こういう立場で意見を言ったって、これはとうてい大臣に通じませんと事務当局は言っている。あなたのほうも、はっきりそう言っている。ですから、これは大臣同士の政治折衝にまかせるよりしようがないと言っている。これが事務当局の正直な裏の声です。まさかあなたにそれをはっきり言う人はなかろうと思うけれども、私ども、いろいろそういう意見は聞いております。私は、ここに一つの問題があろうと思う。問題が非常にむずかしいには違いないが、詰めるならば、いま各四十四カ所からそれぞれのデータでマスタープランが出ております。これをなぜ公表しないのですか。公表した上で、事務的に――というのは、純合理主義的な立場から、それぞれの省の事務的な見解というものを煮詰めることが、第一なんじゃないかと思うのですが、これをなぜやらないのか。やっておるのか一やってないのか、こういう点をまず第一にお聞きをしたいと思います。
  87. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 新産業都市指定は、わが国の将来のいわば未来図を相当大きく左右いたす要素だと考えますので、その指定については、事務当局にまかせることなく、要請大臣が国務大臣としての見識において意見を述べ、決定いたすべきものであるということは、私は、最初からそう思っております。それで、要請大臣が自分の意見をつくられるときに、当然事務当局の意見は参照をして言われるでありましょうけれども、これは国務大臣としての見識に基づいて意見を述べてもらいたい、私はそう思っておりますから、そのようにいたしたいと考えておるのであります。
  88. 久保田豊

    久保田(豊)委員 それはそのとおりです。そのとおりですが、私は、その点についてのあなたの基本的な、原則的な考え方に対して不賛成じゃありません。しかし、少なくとも数カ月かけて事務当局が煮詰めてきて、しかも御承知のとおり、この法案ができる前には、要請大臣各省の間に、かなり基本的な見解の食い違いもあったのです。これはあなたのほうも、正面御承知のとおりだと思う。そういう点をやはり事務当局は事務当局なりに煮詰めた上で、さらに大臣が各国務大臣として大きな方針を一つ示してから、それらを十分参考にされた上でまとめるというのが、少なくとも行政を進める上からいうと順序じゃないか、私はこう思うのです。ところが、私ども、事務のことですから実態はわかりません、しかし、私どもが聞き取った範囲においては、そういう作業は十分行われておらぬようであります。お聞きいたしますが、各省から事務当局のヒヤリングをし、それぞれの調査をしておるようでありますが、これらの意見は、あなたのほうに全部出ているのでしょうか、どうですか。そして要請大臣というのは、だれとだれが今日まで意見を出しておらぬのですか。そして、事務当局から、もしそういう事務当局のまとめた意見があなたのほうに事務的に出されておるというならば、そういうのと、いわゆるすでに意見を表明された大臣との意見というものは、ぴったり合っておりますか、どうですか。どうも私どもが聞いた範囲では、かなりその点については疑問のように思うのですが、どうですか。
  89. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 要請大臣が、事務当局の意向をそのまま自分の意見とされるかあるいはされないかは、私は、全くその大臣の自由であると思います。それを私は取りまとめればよろしいのでありまして、各省の事務当局の意見というものも、ときどきは私は聞いておりますけれども、私が聞きたいのは、国務大臣としての要請大臣の意見であって、各省の事務当局の意見ではございません。
  90. 久保田豊

    久保田(豊)委員 当然長官としては私はそうだろうと思いますが、しかしながら、各省のそういう二カ月なり、もっと長きにわたるこういう基礎的な調査がなければ、大臣がただ大局から大局からといっても、宙に浮いた意見になってしまう。そこに要するに間違った政治が入る余地があるわけです。ですから、少なくとも事務当局に――もしそういう宮澤さんのような御意見なら、何もそんなに事務当局が二カ月三カ月もヒヤリングをしたり、それぞれの各省でまたさらにいろいろの人を出されて調査する必要はないんじゃないか。要請大臣が六人なり七人なり出て、大局から相談してきめたらいいじゃないか。ところが、私はそうはいかないと思います。ですから、事務当局の意見なり調査なりというものは相当煮詰めて、最終段階においては、大臣が決してそれにとらわれる必要はないと思います。当然大臣はもっと大局の見地からお話し合いになり、きめられるのが当然のことです。しかしながら、少なくとあの過程を見ましても、マスタープランにしまして本、資料にいたしましても、私の知っている範囲においては、つくるほうも何もいろいろです。かなりまじめに積み上げてつくったところもあれば、大忙しで、とにかく一夜づけでつくったようなところあります。そしていろいろのあれがありますから、そういうものを事務的に振り分けた上で、それらも十分に踏んまえた上で、大臣が大局をきめられるということであって、私はそうなくちゃうそだと思うのです。それだけに、各省の間にこの案が一本の案にまとまるのには、御承知のとおりに、いろいろ意見の基本的な違いがあったわけです。それだけに、あの意見の基本的な違いは、私ども審議の過程において十分突っ込んだのですが、必ずしも解消しておりません。ですから、できた法案は、何かといいますと、これは各省間の意見をチャンポンにして、それにさらにわれわれ社会党の主張も入れて最終段階においてまとまったのが、この法案であります。これは審議過程で明らかであります。ですから、それだけに、最終的には大臣が結局大局からきめられるのはいいが、しかし、いままで聞いた範囲、われわれの知り得た範囲においては、どうもそういう点、事務的な詰めが十分でない。だから、これは政治的な大臣間の取引のようなかっこうになる。いまのようなあっちこっちで、いやあの人がついているからだいじょうぶだ、あの実力者がついておるからおれのほうはだいじょうぶだ、おまえのほうはもうちょっとだとか、あるいは社会党のやつはだめだとか、こういうようなことが無用に飛ぶということになると思いますが、この点は、これ以上どうしてもだめだと私は思いますから、これ以上申しませんが、もう一つ私が不思議にたえないのは、十二条で地方産業開発審議会というものをつくることになっております。これは御承知のとおり、総理大臣の諮問機関です。これをもっと正しいものにつくって、十つくるなら、その十なら十というものをどの地域――いままで審議過程で明らかになりましたように、藤山さんの言われたのは、全国大体九ブロックぐらいに分けて、そこに一つぐらいしか大体割り当てができない、こういう考えです。その後社会党側から言いまして、九つなり十なりというところが大体適当であろうけれども、しかし、いわゆる百万都市構想だけでは困る。そうではなくて、中都市も含めた全体の計画にしてくれという意見が通りまして、法案の中にもその向きが入っているわけです。そういう新しい条件をやって、あの四十四の申請なりヒヤリングをした。あるいは皆さんのほうが、さらにもう一歩徹底した調査をされて、それらの調査の結果等をあわせて、これをまず審議会で、皆さんは政府の基本政策のワクの中でなぜ公平に堂々と資料を公開して審議をしないのですか。そういうのが、これはすでにきまったところの基本計画なり何なりというものをやるという構成になっておりますよ。しかし、公正にやるなら、堂々と資料を公開して、そうして政党やその他にとらわれぬで、こういう機関を活用して、ここで徹底的な審議をしたらいい。そうしてやるのが、公正で一番有効なあれになろうと私は思う。いまお話しのように、十カ所ぐらいという大体のお話しです。しかし、御承知のとおり、いまの財政力その他から見て、日本では十カ所ではなかなかうまくいくまい、五カ所くらいにしたらいいじゃないかという、相当強力な意見もあることは、御存じのとおり。また片方においては、こういうふうにどんどん競争になってくると困るから、二段がまえにして二十カ所くらいどうだという意見もある。あるいは準指定というので一応ごまかしておけという意見もあります。こうなってくると、これはこの計画の根本がくずれてしまう。私は、やはり国の基本ラインというものははっきりして、こういう公正な機関で徹底的に審議した上で、これは役所の大臣同士の相談だけでなく、それらを十分に慎重にするというのが、私は正しい態度だと思いますが、この点について、審議会はすでに構成をされているのかどうか。それなら、その審議会の構成メンバーはどんな連中を入れているのか。そしてその審議会に、この最初の五カ所なり十カ所の指定をどういう形で諮問し、あるいは検討をさせるのか。そういうお考えがあるのかないのか。ここらの点についてお伺いをいたしたい。
  91. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 久保田委員がおっしゃいましたように、大体いままで進めておるわけであります。すなわち、審議会はもうつとに構成をされておりまして、先ほど申し上げました、昨年の暮れに十カ所程度とすること等々について基準をつくりました際には、これはこの十二条の審議会の議を経て決定をいたしております。それからごく最近では、二週間足らず前でございますが、また会合をいたしまして、そのときに、私どもが各省共同作業でまとめました資料を審議員の皆さまに差し上げてございます。それから今度その席上で――お尋ねがごさいましたから申し上げますが、最近の会合の席上で出ました御意見は、まあ十カ所ということはすでに審議会できめたことであるが、できればもっと少ないほうがいいといろ御意見と、いやもっとそこまでくればたくさんあったほうがいいという御意見と両方ありまして、大体の結論は十カ所程度という、すでに審議会できめたことを確認するが、政府としてはそれをあまり逸脱しないように、いろいろな事情はあるだろうが、審議会できめた方針に従ってやるように大いに努力をせい、こういう結論であったわけであります。  審議会の構成メンバーにつきましては、政府委員からただいまお答えをいたさせます。
  92. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 審議会のメンバーは、会長は八幡製鉄の会長の小島新一さんでございますが、そのほか日本油槽船株式会社社長荒木さん、それから読売新聞の愛川さん、農業機械化研究所理事長小倉さん、地方制度の亀山さん、東電の木川田さん、水資源の柴田さん、日本大学教授の鈴木さん、朝日新聞の園田さん、東京商工会議所の高城さん、富士製鉄の徳永さん、開銀の平田さん、早稲田大学教授の松井さん、雇用促進事業理事長万仲さん、こういう顔ぶれになっておるわけでございます。
  93. 久保田豊

    久保田(豊)委員 そうすると、長官のお考えは、審議会の答申をまって決定をするというのですか。審議会に徹底的に、つまりどことどこ何カ所という、十カ所なら十カ所ですね、十カ所が適当というなら、その十カ所についての、ひとつどこを選んだらいいかということを最終的にきめたらいいかということを、審議会の答申を求めて政府の態度を決定するというのですか。どうなんです。ただ一応常識的な御意見をというだけで、実際の実になるところを全部抜いたのでは、私は、これは形だけは整うかもしれませんけれども、たいして役に立たぬと思うのですが、どうです。
  94. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 先ほど田中委員にお答え申し上げましたとおり、ただいまの段階は、正式の申請が出てきて、それを正式に政府が決定をするという段階ではございませんで、事実上指定の希望を持っているところの希望を聞きまして、実情を調査し、また事実上将来正式に申請が出てまいりましたときに、政府としてどことどこを受けるか、こういうことを議しておる段階であります。したがって、純粋な法律論をいたしますならば、審議会がほんとうに動きますのは、正式な申請が出てまいって、そうして内閣総理大臣が、要請大臣の要請に基づきまして、そのうちいずれかを指定いたしますときに審議会の議を経て行なうということでございますから、純粋の法律論だけからいえば、審議会はそのときに動けばよろしいわけであります。しかしながら、それは法律論でございますから、事実問題としては、十分に審議会の意見を聞くことが必要だ、こう考えましたので、従来の基準の案につきましても、あるいは最近集めましたいろいろなデータにつきましても、審議会におはかりをして御意見を聞いておるわけでございます。このたび政府としてどういう内意を決定するかということにつきまして、決定以前に審議会の意向を聞くつもりはございません。しかしながら、内意をきめましたときには、事実上の審議会を、法律的な意味じゃございませんが、再び開きまして、政府としてはこういう考えであるが、審議会はどういう意向かということは、時を移さずに聞くつもりでおるわけであります。
  95. 久保田豊

    久保田(豊)委員 まあこれは審議会そのものの何といいますか、活動力といいますか、そういう関係もありますから、そうこの審議会だけが私は全部公正にやれるとも考えませんけれども、しかし、こういうふうに問題が非常に政治的に――あなたは政治的じゃないかしらぬ、しかしながら、世間の受け取り方、動き方というものは、実際にはまさに政治そのものになっているわけですね。この問題がいろいろの点で非常に大きな問題になっているという際ですから、政治色をとる考え方でやりませんといけない。そうなれば、こういう審議会というものを――法律的にはいまあなたがおっしゃったとおりです。しかしながら、これで内意を決定するということは、これは指定がきまったということと事実上同じですからね。あとは一応の手続論ですから、やはり私は、本文なら、こういう審議会の、もう少しこの段階では最後的な内意決定についての発言権を強める必要があるのじゃないかというふうに考えますが、その点はいまの長官のお考えだと、要請大臣七人ですね、あなたを加えて。それで一応意見をまとめて、総理大臣の一応の了承を得た上で、そうして内意がきまったら、会にはかって、一応もう一度十分意見を聞こう、こういうことでしょうが、その前に、もう少し審議会にこういう決定についての幅を持たしてやるというお考えはないですか。私は、そうすることがこの段階では一番いいのではないかと思いますが、どういうふうにお考えでしょうか。
  96. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 実はせんだって審議会をいたしましたときには、私どもとしては、各審議会の委員に対して、抽象論でなく、具体的にどことどこが適当であるかというところまで御意見を聞きたいと考えましたので、あえて審議会とせずに、審議会委員懇談会という形で会を開いたわけであります。そうして私からそのものずばりというような御意見をひとつ聞かせていただきたいということも申し上げたわけでありましたが、各審議委員は、やはりそれよりは全体の数を一定のところできちんと制約すること、それから全国的な分布を考えること等々について、相当活発な御意見がありました。しかしながら、具体的にどこどこを考えるかということは、まず政府として考えをきめてこい、その上で審議会としては審議をする、そういうお考えでありました。私どもも、審議会の議を経てということは、もし政府が決定いたしましたことについて審議会がそれは不適当であるというような結論をお出しになるならば、当然私どもはそれに拘束される。法律の読み方はともかくといたしまして、事実上そのくらいにこれを尊重しなければならないものと考えておりますから、審議会として一応政府の考え方をきめてはかれと言われますので、そのようにいたしたいと考えておるわけであります。
  97. 久保田豊

    久保田(豊)委員 ではもう一つ、この問題に連関する政治問題があります。これは与党の鷲見はどうですか。まあわれわれが自民党の皆さんから聞いていると、これは内閣だけじゃなかなかままらぬ、与党の総務会たり政調会なり、そういうところの発言権というものが最後的に決定する。現にこれを実証するように、きのうですか、佐藤さんが池田さんに会われた。これはどういう話をされたかよくわかりませんけれども、新聞その他の伝えるところによると、いま政府のほうとしては大体十カ所くらいきめておるようだが、これでは少ない、もう少しよけいにしろということを佐藤さんは特に進言をした。これに対して河野さんは、あくまで十カ所以内に食いとめろという意見だ。こういうことで、要するに政府といいますか、与党の意見というものが、やはり相当問題になろうかと思います。ここらの調整は、あなたとしては非常にお骨折りのところでしょう。一番むずかしいところでしょうが、そこらがひっかかっていますから、地方選挙の際にも、やれ大野さんがあっちへ行ってこう言った、あの人がこれこれこう言ったということで、与党の諸君からまことしやかに選挙に悪用されておるのです。私のところなんかもその一つのあれですけれども、いいも悪いも何もない、知事が自民党でなければ新産都市指定は絶対にとれないというようなことばかりやってきている。それにはだれがバックについているからだいじょうぶということを振り回したのが、現実です。ですから、私は、与党との関係の調整、これは非常にむずかしい政治問題でしょうが、ここらについては、どういうふうな手順でこれを御解決になるつもりか、この点はっきりお伺いしておきたいと思います。
  98. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 議院内閣制でありますから、当然いろいろな問題について、政府と与党とは連絡調整をいたすことは事実ございます。しかしながら、この問題の最終決定は、政府の責任においていたすべきものであり、またいたすつもりであります。
  99. 久保田豊

    久保田(豊)委員 それじゃもう少し実質的な点を二、三お聞きいたします。  そうしますと、十カ所というのは、この前藤山長官時代から言っておられたような、全国を大体九ブロックくらいに分けて、その地域々々に一つずつやるという、この考えが動いているのか、いないのかということが一つ。それからもう一つは、御承知のとおり、整備地域と用発地域の調整の問題があるわけです。一応あの法案では、開発地域に重点を置いて、整備地域はあと回しにしようということが大体中心です。しかし、これについては、片方においては、そういっても、今度つくるところの新産都市は、多くの場合臨海工業地帯という性格を持たざるを得ない、したがって、臨海性という点からいろと、整備地域と開発地域というものは必ずしもあれじゃないという意見と、それからさらに、整備地域は理想としてはいいが、国がそれに即応するだけのしっかりしたあと押しをしない限り、これは資本の投資効率というものがあがってこない、したがって、せっかくつくっても、そういうところへ企業が行かなかったら何にもならぬじゃないか。したがって、この整備地域と開発地域とどちらに重点を置くか、どうバランスをとるかという問題は、もう一度再検討すべきだという御意見も相当強いことは、御承知のとおりです。それと、われわれ社会党から言いました、百万都市なんという構想ばかりやるな、いわば二、三十万程度の中都市が将来でき上がった場合の構想も入れて、そういったものもひとつ最初の指定の中に入れてくれ、こういう主張をして、その当時の政府当局の藤山さんも、これはあの法案を通す過程におきまして大体承知し、与党の諸君も承知しておったわけです。こういう点は、どういうふうに現に調整を進めつつあるのか。そういう基準が、今度の四十カ所をどう選ぶかということについて、現実に一番基本問題だと思うのです。これらの問題がどう貫かれたかということが根本であって、そういうことを忘れて、あの人あれだからこうだとかいっても、なかなかむずかしい問題じゃないかと思う。ところが、われわれの耳に入ってくるのは、そういう基本問題をネグレクトしてしまって、実はあの人が出ておるからおれのほろはだいじょうぶだとか、社会党の主張はだめだとかいうことになると、これはあなたに直接関係のあることではありませんけれども、そういうふうになると、初めから新産都市の出発というものは狂ってくると私は思うのです。いまの主として三点についての、基準をお示しになったといいますが、そういう基準なり何なりわれわれにも知らせてもらいたい。われわれまだいただいてないわけです。この点についてはどういうふうな――今日それをとっておりますというだけではしようがありません。四十四をセレクトする中でこれらの事項がどう生かされておるかというのが、現実の問題である。これらを各要請大臣の口を通じてどういう形で具体化してきておるという点を、お聞かせいただきたいと思うのであります。
  100. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 私どもといたしましては、昨年当委員会で原案を修正されましたその経緯に、非常に重点を置いておるわけであります。したがって、当初九ブロックに一つずつということを考えておったかもしれないと思うのでありますが、修正の経緯にかんがみまして、そういうことはただいま考えておりません。むしろ開発地域に重点を置く指定の行政をやりたいと考えております。したがって、東京、名古屋、阪神、九州、このような大工業地帯の資本集積の影響下にあると思われるような地域、一般的には整備地域と呼んでも大して誤りではないと思うのでありますが、整備地域については、新産都市を置くことは私は排除をいたしたいと考えておるわけであります。したがって、その結果は、ただいま御質問のように、二十万、三十万といったような地方の中都市が中核になって指定されることが、当然にあるものと考えるわけであります。  それから内陸と臨海の関係でありますが、私は、臨海工業だけがわが国の将来にとって必要なものであるというふうには考えておりませんので、内陸地帯を排除しなければならぬというふうには考えておりません。実際問題として、内陸地帯で指定を受けるものがあり得ると考えるわけでございます。ただし、ただいま申し上げましたことは、先ほど申し上げましたように、すべての要請大臣の意見を私が聞き終わったわけではございませんので、私としてはそう考えておりますという意味で申し上げておるわけでございます。
  101. 田中武夫

    田中(武)委員 ちょっと関連して。いまの長官の御答弁で、そのままだということになると思うのですが、ブロックで考えるという考え方があったということも事実なんです。ところが、あなたは、そのことについてまだ一つとして意見を述べたことがないと言うのですが、もう新聞にはいろいろ書かれておるわけです。ところが、近畿地区は全然入っていないわけです。これはまだ成立をいたしておりませんが、全会一致で作業が進められておる近畿圏整備法ですか、あれとの関係があって、近畿が考えられていないのかどうか。もう一つは、先ほどの私並びに久保田委員質問に対してお答えこなった点ですが、この法律を審議するときからそう言っておったのは、規定がさかとんぼだ、逆転しておる、こう申し上げておった。というのは、法律で、あなたが先ほど言ったように、申請があると、それを審議会にはかって総理がきめるということになっておるのだが、現在正式には一つも申請がない。しかし、四十四が申し出ておるといいます。そうして十カ所くらいがもうきめられつつあるという。これは大体予備試験を通ったというか、内定したやつに対して、逆に申請を出しなさい、こういうかっこうになるのです。だから、先ほどあなたが法律的に替われたこととは、実際は逆になっておる。これは審議のときもそういうことを指摘したのですが、そういう点はどうなんですか。
  102. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 その点は、この法律が、実は非常に施行しにくい法律でありまして、法律どおりやりますと、都道府県議会の議決を経てという非常に重い手続を経て申請が出てきまして、それについて、認めるものは認める、認めないものはそのままにしておくというわけで、これは地方団体に非常な要らざる御迷惑をかけると思いましたので、実際の行政といたしましては、ただいま田中委員の仰せのようなことをいたしておるわけでございます。これは何も法の精神に反するとは考えておりませんので、そういうふうにいたしていったわけでございまして、それにもかかわらず、おれのところは正式に申請するぞと言われるところがあれば、これはどうも受け付けないという方法はないわけでございますが、ただいままでのところ、幸いにして一応そういう行政的な私どもの考え方に同調してもらってきておるわけでございます。  それから近畿圏につきましては、先ほど申しましたような思想から、関東、東海、近畿というものは、私は本来的にこの範囲から除きたいというふうにずっと最近から考えてまいってきておるわけでございまして、その間に近畿圏整備法案というものが登場いたしましたわけで、これは首都閥整備法に続くところの第二のそういう性格の法律案でございますが、阪神地帯が持っておるところのわが国の二大中心地としての性格から申せば、ああいうような考え方もよく納得のできる法律案でございますけれども、それがあるから特に近畿圏を排除したというような考えではございませんで、むしろこれは中には開発を、要する地点もございますし、過密な地点も、整備を要する地点も、いろいろなものが近畿圏の中には入るように思いますが、概して申せば先進地方であるというような考え方から、東海、関東、近畿というものは除いていこう、このように当初から考えておったわけでございます。
  103. 久保田豊

    久保田(豊)委員 その考えは、宮澤さんのお考えとしては、私は筋の通った考えだと思うのです。ただ、問題は、実業界とこれがぴったり合うかどうかということが問題だと思うのです。要するに、国民所得の地域格差是正ということだけでいけるかどうかという点が、問題だと思います。理想はそこにあると思います。したがって、私は、そういったものは、いまさら言ってもしようがないですが、審議の過程でも強く言ったのですれども、やはり近代産業が成り立つという、しかも採算が立つ、それでなければ、これから出てくるロスを全部国がしょってやるというなら別ですが、そういうあれがほとんどない。また、地方財政の規模から見ましても、こういう非常におくれた地帯は、今度のように一カ所に千五百億とか何とかたくさんかかるといったら、地元の負担が、いまの国の、政府の――私はずっと洗ってみたんですが、大体二十八項目ひっかかりがあります。それの補助率をずっと洗ってみますと、あれではできませんですよ、正直言って。それを強く私どもは言っているのだが、その点については、何ら考え方は変わっておらない。ただ金を貸してやるからというだけで、これではできないという、そこらのいろいろの問題を修正をして、やはりもう少し全体的な立場から総合的に問題を解決されるのがいいんじゃないか。これは当時から私の意見です。そういう点からも、私は、宮澤さんの御意見は御意見として、そこらに各要請大臣と企画庁の意見との不一致の点があると思う。ですから、これは結局最後はこういう点で大臣同士がほんとうに裸になって、それぞれの党における立場や自分のあれ、そういうものを忘れて本気になって話し合わなければ、ほんとにいい結論というものは出ないと思うのであります。そうなると、私は、相当にやはり時間がかかるのじゃないか。これだけ手をつけておいて、あれだけ陳情だけが盛んになって、陳情だけでもどれくらい銭を使ったかわからぬというくらい、これにすべてをかけているというのが、いまの各地の実情のようであります。もうすでにおっ始めたところはおっ始めて、これ以上やるには国が何とかしてくれなければとてもやれないというところに来ている。ですから、これからやるところは、何とかこれをもらわなければ――おれがということでやっているようでございますが、ここでやはり私はもう一度、この問題はみんなでおれのところ、おれのところといってもだめだということで、水をぶっかけることは必要だと思う。こう熱くなって、それで各地の連中が来て、おまえさんのところは幾ら金がかかって、幾ら負担できるのか。大体中央の補助の内容というものはこういうものだということ、そうすると、地方負担というものはこういうふうになる、関係の県なり市町村でどれだけ持てるかと言って突っ込んで聞いたら、自信のあるところは一つもありません。ただ、いまぱっと地方から新産業都市、新産業都市ということでわあわあ言っているが、そこらは、ほんとうにこれをやるという以上は、もう一度頭から水をぶっかけて、もう少し冷静にして、そうしてもう少し政治屋でない――私ともも政治屋ですから、私どものところも実は申請をしているのです。しているけれども、私はめったにあなたのところなんか行ったことがない、正直言って。行かない。行ってしょったら最後、始末しなければならない。始末する自信があるかといえば、自信のある人はほとんどいやしない。そうすると、いままでやったようないろいろな、ちょっとばかりやって、あとは補助金だから、資金もたいしたことはないからというが、今度はよけいかかるから、そんなことでは追いつきません。ですから、私は、もう少し政府としては冷静にして、そうしてあらゆる資料なり――もう一つ、これはあなたのほうでも、やはり最後の指定をするには――指定というか、内定をするには、あなたのお役所なり何なりの独自の調査が必要じゃないかと思うのですね。これはやっておられるのですか、どうですか。こういう点もあわせてもう少し時間を置いて、冷静に、国の財政力あるいは経済力の発展というようなものも、単に一応の目標だけでなく、そういう点をもう少し見定めて、堅実にやられることがいいのじゃないか。そうしてともかく政党的な色彩というものは抜きにしてもらいたい。われわれ社会党も、決して社会党の立場からここへやれ、あそこへやれということは申しません。申しませんけれども、社会党の市長なるがゆえにそこを排除するなんということは、絶対にわれわれとしては承服できません。社会党の市長であろうと何の市長であろうと、少なくとも国の全体の経済力の発展のためにやっていこうという以上は、そこがだれから見ても適格性を持っている限り、どんな市長であろうと、当然やるべきだ。それがあまりにいまそういう点が混乱をして、何が何だかわからなくなっているというのが実情ではないか。そういう点にも水をぶっかける必要がありはせぬか、という点です。この問題が最初に出発したときから私が一番心配したのは、政府側にほんとうの意味で確たる計画も見通しもない。諸外国の例を見ても、一度にそんなに十も十二も大きな町づくりができるわけがありません。本気にやるということなら、もう少し全段の考えを諦めてやるのが必要じゃないか。そのくらいの勇断を持たないと、店を広げたが、どこもきまりがつかない、行く企業も迷惑ですし、同時に、受けるほうの自治体その他住民も非常な迷惑をこうむるのじゃないかといろ点があると思いますが、そういうお考えはありませんか、どうなんですか。
  104. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 この法律を施行いたします際に、地域格差の是正という第一条に書いてあります目的と、それから別途に、ただいま御指摘のように、投資効果の比較的早い地方に対して早急な効果を期待する投資をすべきである、そのような考え方と、この二兎を追うということは、この法律の施行としてはしょせん可能でないというように私は判断をいたしたわけでございまして、この法律そのものは、地域格差の是正に重点を置こう、こう考えました。他方で、しかし、御指摘のように、相当早急な投資効果を期待し得る地区が、いわゆる太平洋のベルト地帯あるいは瀬戸内海地帯などにはあるわけでございますから、それについては、鉱工業地帯整備等の強化によりまして、それとして措置をすべきものである、この法律にいうところの新産都市とは異質の、違ったものであるというふうに、私は考えておるわけでございます。  それから、確かに相当の地元負担が将来生ずるわけでございまして、ただいま申請を希望しておられる各地方が、そのことをどの程度真剣に、十分に勘定に入れておられるかということは、私も実は多少の不安を持っております。したがって、正式にこの指定申請を受け付け、指定をいたします前には、各地方から法律の規定に従って基本計画を出してもらうことにいたしておりまして、それを審査いたすわけでございますから、その段階では、より具体的に、どのような企業がどういう計画を持っておるか、それに対して国の公共投資はどのようにあり得るか、それにまた随伴するところの地方の負担はどのくらいであるかということを、今度は本格的に相当詰めて基本計画をつくってもらい、また、私のほうで検討しなければならないと思っております。  それから、私のほうの役所自身といたしましても、関係者を各地方へ実地に視察に出しておりますし、また資料などもとっておりますけれども、基本計画をいざ検討いたしますときには、さらにそれを念を入れて具体的にいたさなければならないと思っております。ただ指定の時期につきましては、おことばではございますけれども、これをしばらく延ばすことによって、はたして冷却期間になるのであるか、あるいは逆に現在のような一種の混乱状態がさらに加重されるものであるかということについては、どうも私は、延引させればさせるほど事態はよくならないであろう、二、三年延ばせば別でございますけれども……。そんなふうに考えますので、おことばではございますけれども、なるべく早くいたしたほうがいいだろうという判断を持っておるわけでございます。
  105. 久保田豊

    久保田(豊)委員 もう一問だけで終わります、皆さんの時間もありますから。  私は、その点では、あなたのおことばですが、こう各地の頭がなってしまったのではめちゃくちゃです。勘定も何もないです。それで、ただおれのところ、おれのところというので、代議士がくっついちゃってわんさかわんさかやっている。ですから、まるで関係のない大臣じゃありませんけれども、それぞれ要請大臣なんかをこっそりやみで連れてきて、その人に一席ぶたせて、あいつが来たからおれのところは大丈夫だということでみんなやっている。こういうばかなことをみんなやって、それで指定が、宮澤さんの非常な御苦心にもかかわらず、私はかなり政治的に紛糾しやしないかと思う。そうすると、結論は変なものが出やせぬか。ここでひとつ百年の大計のために水をぶっかける、少し時期を置いたほうが、そうしてもう一ちょう慎重な態度をとられたほうがいいんじゃないかということを、お考えいただきたい、こう思うわけです。  それと、私どももどうせこの問題を審議してまいりました過程で、実施状況を十分知りたいわけです。したがって、あなたのほうは、すでに実施基準というものができて、各県に示されているわけです。これと、それからいまの四十四ケ所から出てきた資料、マスタープラン、あるいはあなたのほうでこれをある程度裁定をされていると思う、そういったものの資料は、国会議員には明らかにしていただきたい。そういう資料を出していただきたい。こんなものは秘密であるはずがありません。これも出してないということはおかしい。そこらにも、私どもはちょっと解せないところがある。何か雲の上の取引みたいに、前の大野さんの羽島駅ができたみたいなわけで、ああいうことになりそうな危険が非常に感じられるわけです。それをまた各地方は唯一のたよりにしている。そうしてわんさわんさやっている。これでは私は、かりにこういう形の中で指定がされましても、今度はいよいよ実施の段階に、みんなの腹ができておりません、市町村長にしましても、知事にし検しても。ましてこれを受けて立つ一般住民とすれば、ほんとうの腹ができておりません。とにかく指定になればうんとよくなるというだけなんだ。ところが、実際は、やってみればそうはいきません。私はたいへんなことになると思う。それよりは、やはりここで、受けるほうも受けるだけの心がまえをはっきり持たせるということが必要じゃないかと思いますので、ひとつその点はもう一応御勘考をいただきたい。これは希望であります。と同時に、いままで言った三つの資料、これは早急にわれわれに出してもらいたい。なお、われわれも、休みの間、国会のない間も、そういった点についてある程度実態に触れてまいりたい。それには、資料がなくてはやはり正しいところはつかまれません。どうかひとつこの点をお願いしておきます。
  106. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 基準につきましては、これはきわめて薄い数ページのものでございますから、すぐにでも委員会に提出いたすことができます。その他の資料につきましては、相当大きなものでございますので、多少時間の御猶予をいただきまして、これも提出いたします。
  107. 逢澤寛

    ○逢澤委員長 次会は、明日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十五分散会      ――――◇―――――