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樋詰政府委員 どういう
会社を取り上げてその
資本の
充実をはかっていくかということは、ただいま
先生が御
指摘になりました
——この第八条をごらんになって御
指摘になったと思うのでございますが、ここにも書いてございますけれども、われわれといたしましては、まず、一般の
公開市場で大衆から
資本金を
調達できるというところまで持っていくということを、
一つのねらいとしておるわけでございます。そういたしますと、最近のいわゆる店頭登録、証券
会社の店頭登録というものは、
資本金五千万円以上の
会社について行なわれておるわけでございます。どうしても、五千万円以下であれば、証券
会社の店頭において不特定多数の大衆と結びつくということができないわけでございますので、少なくとも五千万円以上のものにまで持っていくことによって第二市場あるいは店頭売買というものの
対象にしたいということで、まず五千万円までのものを五千万円以上に引き上げるということを第一の
目的にしておるわけでございます。ただ、五千万円をこしたら、とたんに店頭登録されて売買の
対象になるかということになりますと、これは必ずしもそうではございませんで、場合によりましては、さらに
資本金を七千万なりあるいは八千万なりということに
増資することによって、その
増資資金をもって
近代化設備等を整え、そうして一般大衆がその
会社に興味を持って買ってくれるというところにまで持っていかないと、いかに店頭に登録いたしましても、だれも振り向いてくれないというようなこともあるかと
考えられますので、場合によりましては、五千万円をこえて
——初めは二千万円程度の
会社だった、それが二回、三回の
増資をして六千万円になったけれども、もう一回ある程度の
増資をして七、八千万円にでもした上で
公開したいという場合には、その
公開して売れるというところまで
会社の
資本を
充実させるということが、いわゆる仏つくって魂まで
入れるということになろうかというふうに
考えまして、その規模を一応
——一度乗りかかった船で、旗を出した以上は、第三市場的な店頭登録に持っていけるところまで
充実させてあげるということで、場合によっては、一億円を限度として、それまでの
増資に応ずることができるようにというふうにしたわけでございます。もちろん、これは全部の廃業につきましては、できるだけ早くそういうふうにしてあげるということが望ましいわけでございますが、しかし、それは国民全体の金というものを一部出資いたしまして、そうして手をとり足をとって、一面いろいろなコンサルテーションを行なう、そうして
経営、技術の改善等をはかりながら内容を
充実させていこうというものでございますので、これはやはり国民
経済的な見地から、特に急いでその内容を
充実させる必要がある業種に属する
企業であるということが、必要であろうかと存ずるわけでございます。その
意味におきまして、との第八条の第一項第一号に書いてありますような「当該業種に属する
中小企業の健全な成長
発展を図ることが産業構造の高度化又は産業の国際競争力の強化の促進に寄与すると認められる業種」から取り上げていきたいというふうに
考えておるわけでございまして、いまのところ、それじゃどういう業種をどれだけ取り上げるかということについては、今後慎重に検討していきたい、こう思っておりますが、大体先ほど十六万六千というふうに申し上げました
中小企業、一億の
対象になる
中小企業といったようなものの中から、こういう条件に当てはまり、しかも本人が
他人の
資本を
入れてもいいというようなものというふうに限定していきますと、だんだん数がしぼられていくんじゃなかろうかというふうに
考えております。われわれといたしましては、本年度、初年度でございますので、まず発足するわけでございますが、一応各平年度になりましたならば、全国で百三十程度の
会社を毎年毎年新しく取り上げて、そしてあるところまで育ったならば、それは
株式を
公開市場に売り出すことによって、さらにかわりの
会社をつくり出すということで進んでいきたいと
考えております。