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樋詰政府委員 私も、
中小企業政策の一番の根本というものは、
金融を潤沢にすることであり、また税制の面でもし担税力以上の負担をさせられているというのであるなら、それを直すということであろう、こう思っておるわけであります。ただ、この税制につきましては、
中小企業なるがゆえに税を安くしなければいけないのかというと、そうではなくて、
中小企業は負担力がないから税を安くしなければいかぬというのが、大体筋じゃなかろうか、そういうような点から、結局現在の法人税等におきましても、逓減税率が一応とられておるわけです。ただ、ああいう
程度でいいかどうかということになると、まあいろいろ御
批判もあるんじゃないか。それで、われわれとしては、
中小企業というものは、
一般に非常に所得が少ないのです。所得が少ないにもかかわらず、実際の負担というものは、大
企業に比べて非常に大きな負担をさせられているんじゃないかという面があるとすれば、その点を直さなければいかぬということで、これは今後税制調査会等にも、もう少しわれわれの方としましても、データ等もそろえるものはそろえて
審議願わなければいかぬかと思っておりますが、それと、今の税制と
金融とこの二つが、三百二十八万と申しました大
部分が
企業のすみずみまで行きわたる施策というものでございまして、それ以外のいろいろな
高度化だとか、あるいは特別に
政府の方でワクをピック・アップしていろいろ指導していくというようなものの数は、これは御
指摘の
通りそう大きな数じゃないだろうということは、私もそう存じます。しかし、それは数が少ないから、上の方はほったらかしていいかというと、そうじゃございませんで、全体をできるだけ厚くめんどうを見ると同時に、その
中小企業という中でもある
程度上の方にあるという方々、そこの方々にとっても、最近のような自由化の時代、あるいは技術革新の時代等に応じて需給構造が非常な激変をやりつつあるという際に、さらに、その下につながる零細の方々といったような方々とともにささえていくためには、そういう
中小企業の中堅規模の方々、こういう方々にまずもう少し丈夫になっていただかなければならないといったような面もあるのじゃないかということで、
中小企業の中で比較的上の方々に対する施策というものをあわせ講じなければならないという
意味から、
関係法案等の御
審議も願っておるわけでございまして、これは
先生方もよく御存じだと思いますが、たとえば、
政府の方で今まで
近代化補助金というものを二十九年来ずっとやっているわけでございますが、その中でも、たとえば三十六年度あたりは、二百人以上の
従業員を使っているところには一・四%しかいっておらないわけでございます。大体百人以下というところに九二・八%ぐらいの金が行き渡るというようなことになっておりまして、今回お願いいたしておりますいろいろな
高度化資金の
関係、あるいは設備
近代化補助金という従来ありますものにつきましても、特に指導法
関係でわれわれ考えておりますものは、これはいずれももちろん中堅クラスのものにも参りますが、同時に小規模の方々に対しての方がはるかに多いということになるわけでございます。ただ、年間にわずか三十億や五十億や、あるいは府県を通じて百億という
程度の金で、それでどうだという御
批判は、これは多分にあると思いますし、われわれといたしましては、
政府金融機関の資金の拡充ということと並行いたしまして、そういう特別な
政府からの
金融としますか、特別措置というものを今後拡充していきたい、こう思っておるわけでございまして、
田中先生から御
指摘の
社会党の方は、五十四の
法案を、大体ある
程度どこをどう直すかというところまでやっておられるという点、これはわれわれといたしましても、
関連法規という中には、銀行法もございますれば、法人
税法、あるいは地方
税法、あるいは
各種の
労働法規というようなものも、全部あるわけでございますが、しかし、いわゆる行政の責任にある
政府として、それじゃここをこういうふうに直すべきだということを公にいたしますまでには、これははなはだ申しわけないのでございますが、まだ
準備ができておらない。ただ、先の
中村先生の御
質問に対して、
総理あるいは前大臣が申し上げたというそのときの段階は、たとえば今御
審議いただいております指導法の
関係、あるいは促進法の
関係、あるいは保険の
関係といったようなものについてすら、どうやっていいかということについて、ただバック・データが十分そうわないということから、実は暗中模索というような
格好にありましたために、ただ抽象的な基本だけ
出しつばなしということでは所政の責任の衝にある
政府の
出し方として非常に無責任だということで、もう少し待っていただいたら、できるだけの
関連法規をつくった上で、いわゆる
基本法体系として提出するつもりでございますというふうに申し上げたのじゃないだろうか。ただ・その
出し方がたった六つでははなはだ少ないではないか・こういうことでございますが、われわれといたしましては、この特別措置法まで入れまして十というものは、現在のわれわれとしては精一杯一応つくったというようなつもりでございまして、両
先生から御
指摘のありました点等について、これは今後われわれ真剣に
検討して、直すものから直していくという努力をしていかなければならぬのではないかというふうに感じておるわけでございます。