○岡田(利)委員 私は、残念ながら時間がありませんから申し上げておくのですが、結局、
亜麻産業は、競合
繊維の
関係もあり、あるいは製品の自由化という問題も、ある
程度将来の展望に立って
考えなければいかぬ。そうすると、特に上質のものは、イギリスあたりのものが国際貿易の中でも非常に優位を占めている、こういう問題がある。ところが、一方において、企業としてなかなか成り立っていかない。だから、
合理化が集中的に進む。一方においては、外貨節約という面から
考えて、これは製品輸出もあるわけなんですから、糸については外貨節約をするということで自給度を高めていく、倍の
生産に拡大をしていくという方向がとられるわけですね。ですから、これは石炭
産業と同じです。歴史的にも似ておるのです。戦争経済とともに発展し、終戦とともにばたりといって、そうして今日いわゆる競合
繊維がどんどん出てきている。しかし、需要はあるんだ。石炭も一定の需要があると同じように、需要がある。非常に似ておると思うのです。歴史的にも、現状も似ていると思う。ただ、たまたま
繊維の占める率が一%
程度だ、あるいはまた
北海道に地域的に限られておるから、社会的な影響も及ばさぬから、これはあまり大きな問題にならぬと思うのです。しかし、
北海道という地域的に
考えると、これは石炭
産業と同じ問題です。しかも、寒地畑作農業の一環として、輪作その他の面からいっても、
亜麻産業というものはどうしても保持しなければならぬし、ある
程度拡大しなければならぬという方向を持っておるわけです。ですから、そういう面で、
繊維局長としても、この
合理化の問題について、単なる今の
合理化の方向がいいのかどうか、ある
程度の
施策が必要なのではないか。特に
政府の
方針としては、
北海道に企業誘致をする、工場を分散するということで、毎年度膨大な
予算がつけられて行なわれておる。ですから、その場合に、単に企業内部の
合理化だけで見るのではなくして、何らかの
施策があれば工場を残すという前提で、まず物事を
考えてみる。今の札幌の工場が、将来問題があるとするならば、どこかに移すということも
考えられるでしょう。あるいはまた、
農林省としても、先ほど言っておるように、帝国
繊維の場合には、一貫操業で茎の買い入れから製品販売までしておる。そのための金利負担、金融面が非常に困難になって、借入金が増大しておる。しかも、銀行管理というような状態に追い込まれておる。ましてそれ以外の亜麻
繊維企業というものは、おしなべてよくないというのであれば、そういう面を多角的に検討して、この対策を立てるべきだと思うのです。この点について、一応会社は
合理化案を提示しておりますけれども、私は、単に労使の問題でこのことを見ておるのではないのです。やはり
産業の配置なり、企業の配置なり、国の
政策としての国土開発
計画なり、それに伴う寒地農業
政策の面から総合的に
考えても、単に一企業にまかせるべきではない。まして帝国
繊維の場合には、占有率が六〇%を占めておるという面から見ても、重大な
関心と強力な
行政指導がとられなければならぬと思うのです。そういうものが明らかになって、地域の理解を受け、農民の了解を受けて、工場の閉鎖、いわゆる
合理化が行なわれるという方向がとらるべきだと思うのです。この点を、時間がありませんので、特に強く要望しまして、終わりたいと思います。