○中川
委員 銀行局においで願って恐縮なんですが、御案内の
通り、日本の産業構造は非常に浅いということから、
金融機関の世話にずいぶんなっておるわけです。ところが、近時ややもしますと、産業資本が金
融資本にずいぶんいじめられておる。一口に言えば、たとえば乗っ取られる場合もあるし、それからいろいろの面で経営にまで介入してくる場合もあるし、そういうことで、
通産省といたしましては、せっかく産業
経済の
発展をはからなければならないというので、いろいろ努力をしておるけれども、金
融資本の圧迫のために思うようにいかない。たとえば一例を申しますと、最近
金融引き締めは多少緩和したとはいいまけれども、昨年の上期
あたり、
金融引き締め等のためにばたばた倒れた会社もかなりあります。さらに、貿易の面においても、
政府が企図いたしました
輸出入とも四十八億ドルというものは、おそらく私は達成されていないのではないかと思う。けさの新聞でもごらんの
通り、二月の上期を見たところで、
輸出は二億三千万ドル、輸入は一億九千万ドルというのですから、四十七、八億ドルの
輸出入ということは、一カ月四億ドルということじゃないのですか。そういうことになりますと、
政府が冒頭企図いたしました貿易額にも達していない、そういうことから、とにかく日本の産業
経済というものは、非常に苦境に陥っている。特に産業構造は浅いですから、そういう
金融機関がちょっと意地悪をしようと思えば、どんなことでもできる。赤ん坊の手をねじるような状態だと思うのです。そこできょう銀行局の方にお越しをいただきましたのは、こういう資料を出していただきたい。ずっと前から孝のことは申しませんけれども、過去数カ年間にわたって、たとえばかりに三十五年からとしましょう。
昭和三十五
年度から今日に至るまで、銀行が自分の系列会社、あるいは系列会社でなくとも、取引のある
企業に対して、人を派遣したり、あるいは銀行から出向したり、相当経営の首脳部に人を入れておる、こういうのがかなりあると思う。給料はどっちで払うにしても、そういうのがかなりあると思うのです。これは、こまかい事務員というようなことを言っておるわけではありませんよ。首脳陣です。銀行の従来の首脳陣であって、そういう
企業体に出向させておったり、あるいはそこへ出向でなく、そこの人に送り込んでおるという事例がかなりあると思います。その資料を
一つ出していただきたい。これは市銀のおもな銀行だけでよろしいのです。お調べ下さればすぐわかる。
政府機関なんかだったら、こんなものはざらにありますね。今まで、たとえばあなた方は銀行局におって、すぐどこかの
総裁や副
総裁になっていくというような、そういうのはたくさんある。それは私は言わない。そういうのでなく、今私が申しましたような、まず市中銀行ですね、市中銀行からそういう
企業体に天下りしている、これはかなりありますよ。これの資料を
一つ、お調べいただく期間もありますから、今月中でよろしゅうございます。御
提出を願いたい。