○久保田(豊)委員
プラント協会の新しい仕事として、
中小企業というようなこともあったのですが、私は少し事情にうといかもしれぬけれ
ども、大体これからの
プラントの大きな市場というのは、やはり共産圏と未開発地域ですよ、ざっくばらんの話をいえば。欧米に
日本の
プラントを持っていこうたって、できるわけはないんだから、これは問題にならぬ。ですから、問題になるのは、要するに共産圏と未開発地域だと思う。共産圏のものは、
技術的に非常に
程度が高いようにわれわれは聞いているわけです。従って、欧米の新しい
技術をよほどこっちがマスターしていなければ、やれないという面がある。しかし、また
内容によっては、
日本の方が欧米よりむしろ進んでいるというような例が相当あるわけです。たとえば製紙の
プラントのごときは、今では必ずしも負けちゃおらぬようにわれわれは聞いておるわけです。特にマンモス
機械の場合は別ですけれ
ども、そうでない、これから未開発地域がやるのは、かりに製紙をとっても、欧米のようなマンモス抄紙機を持っていってつくったって、そんなものは消費との
関係で引き合うはずがない。どうしてもやはり
中小企業段階というか、世界的に見れば、そういうものの段階の方が、むしろ向くんではないかというふうに思うのです。だから、
日本の市場では、欧米に比べて必ずしも
技術的に特に立ちおくれていることはないんじゃないか。ただ、そういう商売が非常に新しいために、とにかく商社なんかのそういう点についての蓄積というか何というか、非常に足りないわけですね、
向こうからいえば。相談があっても、そういう点では米英あたりは連絡が非常に早いようです。連絡というか、協調というか、メーカーとコンサルタントないしはそういう商売人との間が、非常に早いようです。とにかくそういう点では、
日本は非常におくれておる。具体的に聞きますと、
向こうでは、すでにある
程度の規模の
設計が、見本で大体できているんですね。ところが、
日本では、
引き合いがあってから、話が出てから、それからあわてて
日本へ持ってきて、
関係の
各社でもって
設計をし直すのです。ですから、どうしても最終段階になればおくれてしまう。
向こうの連中は、ある一定の規格ができておって、それを
向こうの
注文によって、ここをこう変えればいいということで、
基本ができておるということを聞いておる。
日本の方は、そういう
基本の型が何もできていない。だから、一件々々全部
設計をしなければならぬ。その
設計をする連中も、なかなかうまくいかないものだから、あっちこっち非常に手間を食って、結局
競争に負ける。基礎
設計しても、
向こうの意向が変われば、また最初から
設計し直しをしなければならぬ、こういうふうに非常に不利の点があるということを業者の事情通は書っておる。私は、やはりこういう点について、これは
政府が介入をしてやることかどうかということは別問題です。別問題だけれ
ども、そういう点に大きな立ちおくれがあるのじゃないかというふうに思うのです。こういう点も、業者なり何なりそういう
関係者をどう指導していくかというようなことが、私はこれからの
プラント輸出の実務的な課題の
中心ではないかと思うんだが、そういう点についてどう思うのかということと、それからそういう点について、何か
政府として具体的に
プラント協会から話を聞いたのか。そういう点で非常に差があるように、実務を担当しておる連中から私
どもは聞いておるが、この点はどうかということを聞きたい。