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足鹿委員 私の手元にあります六月二十日現在における葉たばこの
災害概況を調べたものによりますと、三〇%以上の
被害を見ておるのが大体におきまして七、八府県あります。また、三〇%から二五%程度のものが四、五県あるようであります。ただいまの総裁の御
答弁では、
指導をしてなるべく減収を食いとめて品質向上をはかる、こういうきわめて冷いといいますか、きわめて技術的な御
答弁でありますが、午前中の各
委員によって御
質疑になりました
麦作を中心とする場合におきましては、当初関係都道府県から
被害報告があったものを、地方農政局を通じて再
調査をして比較してみたところが、
農林省の出先機関のほうの
調査が上回った、こういう
実情であります。あなた方は
農林省とは別建てで、たばこ専売制の上に立っておられるわけであります。しかし、つくっておる
農民は、あなた方の所管によって左右されるものではありません。
農民に変わりはないのであります。耕作者であることには間違いはないのであります。それが麦の場合には、このような重大な事態に対処して当
委員会もこれを中心に
被害対策を真剣に
検討しておる、そういう段階にあって、何らたいしたことはないと言わんばかりの態度は、私は姿勢としてけしからぬと思うのです。
農林省の
対策には欠くるものがあるかもしれぬが、実態の把握についてはきわめて真剣な態度で取り組んでおる。私の調べたところによりましても、いま申し上げたような
状況であります。特に新興産地として山陰方面、
島根、
鳥取方面が中心でありますが、一例を申し上げますと、私の居住地域であります
鳥取県の米子市内におきまして、米子地区の耕作組合が調べたところによりますと、四億六千万の
被害が歴然として出ておるのであります。こういうふうに、局部的ではありますが、その
被害はきわめて甚大であります。黄色種の場合は、私
どものような背の低い者はたばこ畑の中に入れば姿が見えないところまで成長するにもかかわらず、すでに腰あたり程度で開花をしておる、そして高うねにしたそのみぞには水がたまって根は腐っておる、葉っぱはまだ成熟期に達しないのに下葉は全部粘れておる、葉形は平年の半分以下である、こういう実態をあなた方はお調べになっておるのですか。私は先般各方面の意見を徴し、また現地も若干調べてきましたが、こういう悲惨な
状態に対して早く前渡金を出してもらいたいと言うと、まあまあそう急ぐな、こういう傾向もあると聞いておる。たとえば耕作組合が調べたところによりますと、公社から見たところとは少なくとも五%ないし一〇%違っておる。要するに、
被害をなるべく低く見ようという態度があらわれておるように思われます。また茨城等における降ひょう
被害の場合は廃作
指導に出ておる。廃作した場合には、たばこ専売法の規定によって四〇%の補償がなされる。しかし、
農民は自分が手塩にかけたものでありますからこれはでき得れば残したい、なかなか未練があってこれを廃作にするということができない。そこへ持ってきて、当局はなるべく
被害を少な目に見る、こういう態度が累積して、なかなか思い切りがつかない。廃作
指導を全般的に私はおやりなさいとは申し上げません。局部的ではあるけれ
ども、
被害の態様というものを正確に把握して、そして思い切った廃作の
指導を行ない、四〇%の補償金を出すことを明確にし、また代作によって
農家の減収を少しでもカバーする、こういう
指導こそ私は必要ではないかと思うのでありますが、いまの総裁の
答弁はまことに私は不満であります。そういう御認識では、とうてい
——あなた方の長期生産計画に即応して、葉たばこの生産振興にいそしんでおる。一時は減反だったものが、最近、つくれつくれと言われるが、いざ
災害という場合に、そういううしろ向きの姿勢でもって見殺しにするような態度をおとりになるということでございますならば、増産意欲に水をかけ、したがって長期生産計画は達成困難になることは、予想困難ではないと思うのであります。そういう意味から、もっと積極的な姿勢をもって
被害の態様の実態というものを正確に把握され、そしてこれを
長雨被害対策として、すみやかに公社として打ち出すべき具体的な方針を出すべきではないか、かように私は考えるのでありますが、先ほどの御
答弁をお繰り返しになりますか。あなた方は全然実態を知っておらぬじゃないですか。