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1963-01-29 第43回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年一月二十九日(火曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 稻葉  修君    理事 田中 正巳君 理事 古川 丈吉君    理事 坊  秀男君 理事 岡本 隆一君    理事 角屋堅次郎君 理事 佐野 憲治君       池田 清志君    小沢 辰男君       大野 市郎君    川村善八郎君       正示啓次郎君    壽原 正一君       谷垣 專一君    松田 鐵藏君       宮澤 胤勇君    米山 恒治君       石山 權作君    島本 虎三君       田口 誠治君    中島  巖君  出席政府委員         総理府総務長官 徳安 實藏君         文部事務官         (管理局長)  杉江  清君         厚 生 技 官         (環境衛生局         長)      五十嵐義明君         厚生事務官         (社会局長)  大山  正君         通商産業政務次         官       廣瀬 正雄君         運輸事務官         (大臣官房長) 広瀬 真一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      岡本  悟君         気象庁長官   和達 清夫君         郵政事務官         (大臣官房長) 武田  功君         建設事務官         (道路局長)  平井  學君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁保安局         外勤課長)   三角 嘉裕君         防衛庁書記官         (防衛局第一課         長)      久保 卓也君         農林事務官         (大臣官房総務         課長)     八塚 陽介君         農 林 技 官         (農地局建設部         長)      小林 国司君         通商産業事務官         (大臣官房総務         課長)     乙竹 虔三君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  向井 重郷君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道部長)  佐藤 光夫君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      安芸 元清君         建設事務官         (住宅局住宅総         務課長)    沖  達男君         自治事務官         (財政局財政課         長)      茨木  広君         日本国有鉄道常         務理事     滝山  養君     ————————————— 一月二十九日  委員浦野幸男君辞任につき、その補欠として小  沢辰男君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件(豪雪による災害対策等)      ————◇—————
  2. 稻葉修

    稻葉委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず、豪雪による被害状況等について、政府当局から順次説明を聴取することにいたします。三角警察庁外勤課長
  3. 三角嘉裕

    三角説明員 豪雪による被害発生状況警察措置について申し上げます。  中国地方及び北陸地方日本海沿岸中心として一月上旬から降り出しました雪は、同月十三日から十五日にかけて吹雪を伴う豪雪となり、これらの地方被害を発生させましたが、その後再び同月十八日及び二十三日には、低気圧及び寒冷前線の影響も加わって、広島県芸北地方から東北地方日本海沿岸にわたって猛吹雪となりました。昨夜までに当庁あて報告のありました二十四府県におきまして、お手元に提出いたしました通り被害が発生しております。  今次豪雪に対処して、新潟福井富山石川等の各県警察本部、及び管下に激甚な災害を受けた各警察署では、それぞれ災害警備本部を設置し、関係府県警察官延べ二万三千五百九十三名を出動させました。人命の救出、救護、交通の確保、事故防止及び人心安定の広報活動除雪作業及び生活必需物資輸送に対する協力等災害警備活動に当たっております。今後  なお降雪が続きますと、交通機関運休に伴う利用者の抗議、食料品その他生活必需物資不足等に関連して、警備事案及び暴利行為等不法行為が予想されますので、各県警察本部では関係機関と緊密に連結して災害警備活動を続けております。  資料に基づきまして御説明をいたしますと、被害総計でございますが、人的被害といたしまして、死者行方不明者八十四名、負傷者七十名、家屋被害といたしまして、全壊百六十一棟、半壊百棟、羅災世帯三百十六世帯罹災者千六百五十二名の多きに上っております。人的被害は、一月二十四日に福井勝山市で、表層なだれのため住家倒壊し、十六名の死者行方不明者が出ましたもの、一月二十五日に新潟県黒姫村で、表層なだれのため死亡六名、重傷一名があり、一月二十六日に福井県美山村で、なだれのため先生及び学童八名が生き埋めとなり、五名は救出されましたが、四名が死亡した事例、これらを初めといたしまして、表層なだれによる家屋倒壊老朽家屋倒壊除雪屋根から転落などによるものでございます。  次に、主要な被害発生状況と、警察活動の概要を申し上げます。  最初福井県でございますが、一月十一日夜から積もり始めた雪が、昨夜までに、福井地区大野地区勝山地区武生地区相当積雪を記録しました。この間、一月十三日ごろから列車運休遅延道路交通途絶等被害が続出して、一月二十四日午前零時三十分ごろには、先ほど申し上げました勝山市での表層なだれとなって住家七棟が倒壊し、死者行方不明者十六名の被害となりました。これらの災害に対処しまして、福井県警察本部では、一月十七日に災害警備本郷を設置し、管下十一警察署では署災害対策本部を設置し、警察官延べ二千三百七十四名を出動させて警備活動を実施しております。特に激甚な災害の発生しました勝山現場には、所轄警察署長はもとよりでございますが、警察署員を出動させますとともに、県警察本部要員及び機動隊を出動させまして、埋没者救出、死体の収容等全力をあげて活動いたしております。  次に富山県下でございますが、一月十一日から呉東方面中心として豪雪を伴う降雪がありました。一月十三日、立山町、榎町地内で、屋根から降下した雪によって老女が死亡したのを初め、交通機関運休道路交通途絶等被害が発生しました。一月十五日ごろからは全県的な豪雪となりまして、昨夜までに富山地方氷見地方新湊地方相当積雪を記録しました。このため、なだれや、除雪屋根から転落するなど、五名が死亡し、一名が行方不明になるという人的被害を受けたのであります。また、北陸本線を初め、地方鉄道道路交通はほとんど運休するという状態になりました。これらの災害に対処しまして、富山県警察本部では、一月十五日災害警備本部を設置して、警察官延べ五千六百七名を被災現場に出動きせて警備活動を実施いたしております。  次に石川県下でございますが、一月十一日以降連日吹雪をまじえた降雪が続き、金沢地区鶴来地区白峯地区七尾地区輪島地区相当積雪を記録しました。このため、家屋倒壊から一名、凍死二名、計三名の死者を初め、鉄道輸送機関運休道路交通途絶等被害が発生しました。特に金沢駅では、二十一日に旅客列車貨物列車運休があったのを初め、本二十九日現在なお不定期運転の実情でございます。これらの災害に対処して、石川県警察本部では、一月十六日災害警備本部を設置して、警察官延べ二千四十三名を出動させまして警備活動を実施いたしております。  以上、特に災害のはなはだしかった関係県について御説明いたしたのでございますが、これらの地方における日常生活状況等につきまして、当庁あて報告によりますと、食糧生活必需物資等が現在著しく困窮しているという市町村は、局部的なもの一、二を除きまして、全般的には著しく困窮しているような状況では現状ではございませんけれども、今後なお降雪が続くことになりますと、食糧、特に生鮮食料品野菜等が欠乏して、各種問題を誘発するおそれがありますので、警察といたしましても、県当局関係機関の間における各種施策に積極的に協力して参りたいと考えております。  簡単でございますが、以上で御説明を終わります。
  4. 稻葉修

  5. 久保卓也

    久保説明員 自衛隊の現在までの出動状況及び今後の待機体制について御説明申し上げます。  まず、一昨二十七日までの増援状況を見てみますると、富山県では総計千名、富山駅、高岡駅、新湊駅に派遣されております。石川県は三百四十名とヘリコプター、これは金沢駅であります。福井県は、福井駅と横倉、これで百六十名であります。新潟県は、長岡三条、新津、これで千五百名とヘリコプターが四機で、人数は二十七日までで合計二千五百五十名であります。これは延べではありませんで、実出動人員であります。さらに、地元並びに国鉄側とも連絡いたしながら、昨日派遣いたしましたところは、福井県の今庄、これが三百人、さらに新潟県の長岡に四百人と三条に五百人、これは昨日の夜到着いたしております。これで昨日一ぱいで三千七百五十名という数字になっております。さらに、石川県知事からも三県代表としての御要請もありまして、福井県に本日福井の八百名と武生の三百名、合計千百名を派遣することになっておりますが、それぞれ福井はきょうの四時、武生はきょうの二時に到着することになります。これで今日現在まで行動するものが合計四千八百五十名ということになります。なお、現在さらに国鉄あるいは地元県等要請、その他今後の発展によりまして、われわれの方で待機いたしておりまするものが、十二師団関係で三百名、これはもう大部分十二師団は出ておりますので、残りは三百名程度であります。それから一師団、東京の方でありますが、これが二千名、それから三師団、これも昨日千名ばかり出ましたので、残り約千名、合計三千有余のものをさしあたり東部方面及び中部方面応援要員として私の方で待機させております。なお、現在十二師団と十師団師団長はそれぞれ長岡及び金沢現地におもむきまして陣頭指揮をいたしておりまするし、中部東部方面総監現地へ参っております。  なお、以上は陸上自衛隊関係出動人員及び待機人員でありますが、別に海上自衛隊航空自衛隊につきましても待機をさせております。これは人員的には、人力としては見るべきものがございません。  船の関係では、舞鶴で護衛艦二隻、駆潜艇二隻、掃海艇一隻を待機させております。しかしながら、通常の貨物船と違いまして、自衛艦でありますと積載能力に限りがありますので、必ずしも十分な輸送能力とは限らないと考えます。  それから航空自衛隊関係では、C46の輸送機を木更津に集めておりまして、十機ばかりが可動であります。美保の方のものもこちらに持って参っておりまして、十機は提供できる。ただし、輸送機の場合には、パラシュートで投下する関係上、もしパラシュトが回収できませんければ、パラシュートの数で制約を受けるということはございます。このC46は一機で三トンばかり輸送できますので、パラシュート輸送すれば幾らでも輸送できるとはいうものの、申し上げたパラシュート関係である程度の制限がある。現在千個ぐらいはパラシュートの準備ができておるわけでありますが、もし必要であれば、特定の地域について、ごく限られた区域につきまして、輸送機による補給ということは可能かと考えております。なお、連絡用にH19というヘリコプターを若干準備しております。  大体現在までの応援状況及び待機状況は、以上の通りであります。
  6. 稻葉修

  7. 広瀬真一

    広瀬(真)政府委員 運輸省関係の御報告をいたします。  お手元に「北陸地方積雪鉄道その他の状況」という資料がございますから、これに基づきまして御報告をいたします。この資料は昨日の十七時現在でございます。  最初気象状況を書いてございますが、これは後ほど気象庁から詳しく御報告申し上げますので、省略をいたします。  四ページをあけていただきますと、鉄道の概況がございますが、これも国鉄当局者が参っておりますので、あとで詳しく御報告いたしますが、ごく簡単に要点だけ御報告いたします。  国鉄運行状況は、現在の不通区間、これは北陸本線で敦賀−金沢間、信越本線で柏崎−東三条間、上越線が宮内−小出間、その他支線区が八線ございます。  それから旅客列車抑留状況でございますが、一時は延べ十二本、約三千四百人のお客さんが途中で抑留されましたが、昨日の十二時現在で全部これは解消いたしましたので、途中抑留お客さんは現在ございません。それから抑留中は、国鉄といたしましては、全力をあげまして給食、暖房等措置をいたしました。なお、長期滞留した列車お客さんは、旅館に収容するというような手配をとりました。  それから五ページに参りまして、貨物輸送関係でありますが、今回の雪害によりまして貨物輸送減トン全国で約百万トンでございますが、地区別に見ますと、新潟支社管内で約十二万トン、金沢管理局内で約二十三万トン、その他で約六十九万トンという内訳になっておりまして、このうちで雪害地区に発着するものは約三〇%というふうに見ております。  それから六ページに参りまして、応急対策でありますが、除雪状況は、十二日以降、国鉄の職員、これは雪害地管内はもちろん、他の管内からも極力動員いたし、また、自衛隊も、先ほどお話がございましたように、十分御協力をいただいております。なお除雪人夫等を動員いたしまして、今までのところ延べ約二十五万人というものを動員し、また機械力もあげて導入いたしまして、降雪に奮闘いたしておりますが、なお天候の関係除雪車運行もかなり困難をきわめておるという状況でございます。  その次は貨物緊急輸送対策でございますが、現在、新潟地区に対しましては、磐越西線を経由して列車が動いております。なお、金沢地区に対しましては、長距離と旅客列車が全面的に運休いたしておりますが、除雪の合間を縫いまして信越、北陸線を経由して列車通ります。なお、高山線を経由して、あるいは米原を経由いたしまして、ここに書いてございますように、新潟地区に対しましては毎日七十車程度、それから金沢地区に対しましては、合計いたしまして二百三十車というものの貨物輸送を確保し、これによりまして生活必需物資等緊急貨物輸送は重点的に実施をいたしております。  今後の対策といたしましては、除雪が完了いたしますと、北陸線等を経由しております貨物を一部東海道線に回すというようなことによりまして、回復輸送を極力早期にやりたいというふうに考えております。  七ページに参りまして、私鉄関係でございますが、北陸地区では、被害を受けました会社は六社ございまして、不通区間は大部分、七〇%は不通ということになっております。それから新潟地区は、被害を受けました会社が四社ございまして、これも七〇%程度は現在不通になっております。各会社とも、ラッセル車あるいは人力を投入いたしまして、極力努力をしております。  それから九ページに参りまして、その他の輸送関係でございますが、バスは、富山石川福井は全線の約八〇%が運休をいたしております。新潟は、これもまた八〇から九〇%が運休をいたしております。  トラック事業は、富山福井は全面的に不通でございまして、石川県も国道八号線の一部を除いて運行が不能であります。新潟県では、新潟市内と周辺の運行は可能でございますが、その他は全く不通という状況でございます。通運事業も、同じく鉄道不通個所は全く休止をしております。  次は海運でございますが、積雪による直接の被害はもちろんございませんが、波浪のために粟島岩船間——粟島というのは佐渡の北の方でありますが、一時欠航しておりましたが、やや大型の船を就航させて、現在は就航を開始しております。  航空関係は、新潟空港小松空港とも、積雪のために今のところ使用不能でございまして、両空港定期航路は目下欠航中でございます。  以上、きわめて簡単でございますが、運輸省全般につきまして御報告申し上げました。
  8. 稻葉修

    稻葉委員長 ちょっと官房長に伺いますが、本委員会現地調査委員を派遣する都合があるのだけれども、小松飛行場新潟飛行場もだめだということですが、それは回復見込みはありませんか。二日くらいに行きたいのですが……。
  9. 広瀬真一

    広瀬(真)政府委員 ちょっと今のところ……。これは至急調べて委員長に御報告いたします。  なお、現在は新潟の方に行かれる場合には磐越西線で参れますし、それから富山方面は、高山線を経由すると、時間はかかりますが、参れます。
  10. 稻葉修

  11. 廣瀬正雄

    廣瀬(正)政府委員 通産省関係被害状況につきましては、印刷物にいたしましてお手元に差し上げておりますので、これをごらん願いたいと思いますが、本省に臨時雪害対策本部を設置いたしまして、その事務をもっぱら担当いたしております乙竹事務官から要点だけをこれについて御説明させます。
  12. 乙竹虔三

    乙竹説明員 官房総務課長乙竹であります。命によりまして、御説用いたします。お手元の「昭和三十八年一月北陸地方に発生した豪雪による被害状況」というものにつきまして御説明申し上げます。  通産省所管商工鉱業関係被害でございますが、今のところ、方々で若干工場がつぶれましたり、ないしは発電所が雪でおおわれたりというふうな直接的な被害も若干は起こっておりますけれども、主たる被霊は、むしろ交通途絶によります被害でございま次のような三つの点から被害が起きております。具体的な例については後刻御説明いたしますが、一般的に申しますと、まず原料燃料途絶いたしました。これによりまして家庭生活に非常に影響があるとか、また工場生産影響が出てきている、こういうふうな原燃料入手難が第一であります。それから第二は、工場に職工さんが通えなくなったということのために、操業率の低下が相当出てきております。それから第三に、せっかくできました製品が運び出せないということのために、いろいろな被害が起きてきております。大体一般的に申しまして、今申し上げましたような三つのタイプに分けられるのではないかと思っております。それで、お手元資料によりまして、具体的な業種について御説明申し上げます。  三ページ以下に公益事業等から書いてございますが、その中で、時間の関係もございますので、特徴的なものにつきまして若干御説明申し上げます。  まず、公益事業でございますが、電力は、北陸電力、東北電力管内被害は比較的軽微でございますが、特に雪害の著しい地区では、支店に災害対策本部を設置いたしまして防災業務に万全を期しており、復旧は比較的順調に進んでおるようであります。関西電力の黒薙の第二発電所、これは七千キロワットのものでありますが、なだれのために一日約十時間全部ストップしております。完全復円見込みは、二十六日現在まだ立っておりません。  次に、都市ガス事業でございますが、これは方々でいろいろ問題が起きております。まず福井都市ガスでございますが、これは原料石炭と、それから石油製品でございますナフサ、この二つにたよっておりますが、石炭がだいぶ底をついてきております。それからナフサにつきましては、実は昨日までは三、四日の手持ちしかないということでだいぶ心配いたしたのでございますが、国道が二十八日に開通するという見込みが立ちましたので、ナフサの方の供給は心配ない。従いまして、かりに石炭が全然入らないという場合には、ナフサだけの操業で四〇ないし四五%程度に減少するという見込みでございます。それから名古屋通産局管内富山石川県でございますが、金沢市営ガス、日本海ガス、高岡ガス小松ガスとも、現在のところ手持原料は八日ないし十日分くらいでございます。このような事態でございますので、国鉄にいろいろお願いを申し上げまして、都市ガス原料でございます石炭緊急輸送、それからナフサ緊急輸送、これを生鮮食料品に準じて最優先的に輸送するよう御相談をし、そういうような手配をしております。  次に、北陸地方繊維工業中心地、特に絹、人絹織物業につきましては全国生産額の約六割を占めるという主産地でございますが、原料人絹糸が底をつきかかっておる、それから出荷がきわめて困難になっておる、それから操業度は六割程度に落ちておるというふうなことになっております。  次に、染色整理業、これも北陸地方全国の約三割程度生産しておるところでございますが、出荷が主として輸出物自動車輸送で神戸に持っていったのでございますが、現在のところ運行見込みが立たない。従って、輸出品の納期について心配されております。原料の重油でございますが、在庫あと二、三日分という状態のところもあるようでございます。それから建物の被害でございますが、これは比較的少ないようでございます。  紙パルプ金属鉱山石油天然ガス、いずれも原材料入手難人手不足なり製品の搬出困難なりというふうなことに悩んでおります。  新潟雑貨工業三条燕地区雑貨工業でございますが、米国を主たる輸出市場とする金属洋食器でございます。これは原料在庫の減少と従業員の欠勤というふうなことのために、一月二十三日以来ほとんど生産が麻痺しておるという状態でございます。マッチの製造業相当生産量が減少いたしております。  以上のような各業種状態でございますが、今申し上げました絹、人絹織物雑貨工業等、みな大体輸出品でございます。海外輸出品について、出荷遅延がおそれられておるわけでございます。現在のところ、海外バイヤーからのキャンセル、クレーム等はまだ起きていないようでございますけれども、当然これを予想しなければならない。政府といたしましても、これは天災地変に基づくものであるということで、必要な証明等が要りますならば、喜んで御協力を申し上げたいというふうに考えております。なお、必要なつなぎ融資についても努力をいたしたいと考えております。  以上のような個々の業種状態でございますが、金融といたしまして、今のところ、雪おろしなり、直接的な雪の被害を防ぐために狂奔しておるのでございまして、金融についての御要望等はまだあまりまとまった格好には出ておりませんけれども、一落ちつき落ちついた場合には、相当まとまった大きな格好で出てくるのではなかろうか。これは製品出荷がおくれるというつなぎ融資、それから原材料が入手できない等のために生産減による減産資金、こういうような種類の金が要ると思うのでございます。現在、どの程度の金が要るか、鋭意調査中でありますとともに、さしあたり必要な金につきましては、大蔵省にいろいろ相談をし、また各通産局長を通じまして出先の政府金融機関中小企業金融公庫等に対して、必要資金を欠かないようにというふうな依頼をしておる状態でございます。  お手元資料の最後のページのところに、一応商業関係工業関係等で受けました被害、これは必ずしも損害額ではございませんが、被害額についてまとめた数字で、わかりますところ、石川県、富山県、岐阜県、福井県についての数字をまとめておきました。  以上、通産関係被害について御報告を申し上げました。
  13. 稻葉修

  14. 滝山養

    滝山説明員 御説明申し上げます。  大へん御迷惑をおかけして申しわけありませんが、お手元に日本国有鉄道といたしまして「北陸、上信越線の雪害状況について」というパンフレットがございます。これは実は昨日の夕刻にまとめたものでございますので、その後若干の情勢の変化もございますし、またこれ全部読みますと長うございますから、主としてグラフについて申し上げ、あと輸送問題について補足したいと思います。  最初に、資料の七ページの折り込みのグラフをごらんになって下さい。これが今度の雪の模様でございまして、左が金沢の雪、右が新潟の支社でございますが、代表的なところ、今庄、富山、それから新潟の場合には、長岡、直江津というようなところの雪の降り方が出ております。いずれ詳しくは気象庁からお話があると思いますが、今度の雪は十一日ごろから降り出しまして、非常に長期にわたっております。従来の雪というのはたいがい四、五日で終わっておるのでございますが、今度は非常に長かったことと、二十三日ごろからまた急激に雪の量がふえ、しかも風を伴いまして、温度も低かったために雪が粉雪であったというようなことで、非常に雪の降り方としては悪条件が重なっておったということは言えると思います。  その次に、こういう状態でございましたので、十一日から二十二日ごろまではあらゆる努力を払いまして輸送の確保に努めておったのでございますが、二十三日ごろから急激に状態が悪くなったわけでございます。その模様は、その次の九ページをごらん願いたいと思います。九ページに、新潟支社管内のおもな線区の不通状態が出ておりますが、十一日から二十三日ごろまでに、只見線という、小出から入っておる山奥の線でございますが、この線は有名な豪雪地帯でございまして、いち早くとまったのでございます。そのほかの線区は、二十三日までは輸送を確保しておったのでありますが、二十三日ごろからがたがた参りまして、ここにございます重要な信越本線長岡−直江津間、長岡−新津間が不通になりまして、今日どうにか動き出したわけでございますが、非常に長期にわたって御迷惑をおかけしたような格好になっております。  それからその次の十一ページをお開き願いますと、これが金沢管内でございます。金沢管内も同じように、越美北線あるいは柳ケ瀬線というような線はちょっと早くから参っておりましたが、ほかの主要線区は二十二日、二十三日ごろまではどうにか輸送を確保しておったのでありますが、二十四日ごろからは急激に悪くなりまして、二十六、七、八日、このころにわたって、あとで申し上げますが、本格的な除雪体制に切りかえましたために、列車運行がとまるというようなことになったわけでございます。  なおその次に、ちょっと飛んで恐縮でございますが、十九ページをごらん願いたいと思います。縦にごらん願いますと、これが列車運行の模様でございます。十九ページの別表6の(イ)というのは、新潟支社の日別の列車キロと、どういう工合に列車運行されておったかという模様が出ております。一番上が旅客列車でございまして、十一日ごろから雪が降り出しましたが、二十一日、二日ごろまでは旅客魂車はほとんど九〇%くらいまでは確保しておったわけでございます。貨物につきましては、若干の波動はございましたが、これもまた二十三日ごろまで扇車を動かしたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、二十三日ごろから急激に状態が悪くなっております。御参考までに一番下に排雪列車、これは主として除雪のためのラッセル、ロータリーというものの運転でございますが、その状況が出ております。これと比較いたしますために、二年前の三十五年の暮れの豪雪のときのラッセルの模様が出ております。これをごらんになるとわかるように、いかに今度の雪が二年前の暮れの雪に比べて問題にならないほどの状態であったか、今度の方が非常に長期にわたり除雪に苦労しておるという模様がおわかりだと思います。こういうわけで、ずっと除雪を続けながら、二十四、五日ごろから状態が悪くなっているのが新潟状態であります。同じように、金沢は二十一ページにございますが、金沢の方は、旅客列車の押え方が新潟よりだんだん減ってきております。現在福井金沢間に問題がございますけれども、全般としてはこの二、三日新潟状態よりもややよかったのではないかと思います。いずれにいたしましても、二十三、四日ごろから急激に列車が減っておる。それから同じように排雪列車の模様も、二年前とは比較にならないほど大量の排雪列車を運転しておるわけであります。  なお、この機会に除雪の内容についてちょっと触れますと、一番最後の二十五ページに絵がかいてございます。参考として除雪の方法や順序というのがございますので、この漫画のような絵をごらん願いたいと思います。除雪と申しますのは、最初に、雪が降り出しますと、初期除雪と申しまして、蒸気機関車——電気機関車のところは電気機関車を使いますが、機関車でラッセルを押すわけでございます。ラッセルというのは、幅四メートル半の翼を広げまして、これでもって雪を吹き飛ばすわけでございます。普通の場合、この列車速度は時速四十キロくらいで走りまして、雪を飛ばしながら線路をあけていく、これが初期の除雪でございます。ところが、ある程度雪がはね飛ばされまして側雪が積もりますと、その次の二次除雪というのが始まりまして、いわゆる段切りといっておりますが、雪を排除して空間をつくるわけでありますが、普通の雪の場合は四、五日で雪が終わりますので、終わったときに段切りをやりましてその次の雪に備える、こういうことを繰り返しまして冬季の輸送を確保するわけでございますが、今回の場合には、先ほど申し上げましたような雪の降り方のために、こういう段切りをする機会がなく、どんどん雪は降る一方で、列車を何とか確保しようということを続けておりますうちに、だんだん雪が積もって参りまして、絵の上から三段目の右のような格好でございますが、列車の窓すれすれまで雪が積もりまして、しかも排除されたものが積み重なっておりますので、三メートルから四メートルくらいの高さの壁ができてしまったのでございます。そのあとにまた雪が積もるような状態でありまして、ラッセルではとうていやっていけないということで、二十六日ごろから腹をきめまして本格的な除雪を主体とする運転に切りかえたわけでございます。このやり方は、その次にございますキマロキ運転、これは最初に機関車が参りまして、その次にマックレーという特殊の除雪機械でもって、側の黒いハッチの部分の雪を線路の中へかき込むわけでございます。その次に、ロータリーと申します強力な翼ではね飛ばす機械でございますが、これでもって線路内に入りました雪をはね飛ばす、これがキマロキであります。これでやりますと、幅七メートルから七・三〇メートルくらいの雪が排除されますから、あとをラッセルで雪をのけることができますので、ある程度安定した状態ができます。これに二十六日から踏み切ったわけであります。ところが、最悪の場合は、機関車の走る前に雪が積もっておるという状態でございます。これに対しては、一番最後に異常時除雪と申しまして、男頭からロータリーを持っていきまして線路の前の雪に穴をあけるということをやるのであります。今回は信越線の一部あるいは上越線あるいは北陸線においてやったわけでございますが、こういうような除雪方法がございまして、初期除雪の場合は、列車がどんどん順調に数を減らしながら入れますけれども、キマロキをやります場合には、速度が落ちまして、順調にいって五キロ、今回の場合は平均二、三キロの速度になりますので、大幅に列車を消しませんとこのキマロキの運転ができません。そのかわり、キマロキをやった場合はかなり雪の状態がよくなる、こういう次第でございます。  次に十七ページに戻っていただきまして、十七ページに、今回の従事員の模様が出ております。この十七ページの別表四に、除雪従事員というのが出ております。左の方に新潟、右の方に金沢、職員の自局、助勤、人夫——人夫というのは非常に失礼でございますが、地元の方に協力を願うのが人夫、それから自衛隊の出動をお願いしまして、こういうような順序でやったわけであります。これは御承知のように、今御説明しましたように、大体二十二日ころまでは、新潟におきましては従来の自局の職員と除雪人夫によって、除雪をやりながらラッセルを動かしておったわけでございますが、二十三日以降状態が悪くなりましたので、自衛隊の御出動をお願いいたし、また他の管内からも線路工手の助勤を投入したわけでございます。金沢の方は、近接の局から助勤を早く手を打っておりまして、現在の時点では、ここにございますように、二十八日では一日二万五千人の労働力を投入してやったようでございます。  今回は雪が非常に多かったこと、また自分の家があぶないというようなことから、自局の人夫の出動にはある程度限界がございましたので、現在では自衛隊の戦力というものが非常な大きな力になっておるようなわけでございます。この際に、これからあとのことについて、先ほど防衛庁の方からお話がございましたが、これ以後に、きのう、きょうにおきまして手を打ちまして、さらに線路工手を四百名関東地区から新潟に投入する計画を今進めております。それからなお中国、四国、九州からも三百名の助勤者を金沢へ投入することを今進めております。それからそのほかに、具体的に今日現在におきまして約千名の自衛隊の方が大阪から金沢の局にきょうの午後に到着して除雪に当たっていただくことになっております。  それからその次に、もう一ぺん裏をお願いいたしまして十八ページでございますが、十八ページに雪かき車の運転状況というのが出ております。左に新潟、右に金沢、ラッセルというのは、先ほど申し上げました機関車で押していくもの、ロータリーというのは、回転して雪をはくわけでございますが、こういう工合にだんだん除雪をロータリーに重点を置きまして、二十六日ころから、先ほど申し上げましたキマロキというものを主体にして本線の除雪に当たったわけでございます。なお、このロータリーにつきまして、これは非常に強力なものでございますが、めったに本線で使う道具ではないのでございますが、これは実は金沢に二台、それから新潟に四台あるわけでございます。これに対しまして、二十六日から本州に残っております三台のうち、長野の一台、仙台の一台を新潟に投入いたしまして戦力を加えたわけでございますが、さらに二十七日、二十八日に、北海道にございます六台のうち二台を新潟に投入するということで、今手配を完了いたしまして、ロータリーを新潟に集めております。こういう工合に、全力を傾到いたしまして除雪に当たっているわけでございます。  除雪についてはそういう事情でございますが、なお、線路が今どうなっているかということについて、十三ページをごらん願いたい。十三ページに、これは昨日の状態を示しているのでございますが、新潟支社管内、別表3(イ)という地図が書いてございます。昨日は、ここに書いてございます不通区間があったのでございます。実は昨日まで、上越線の新津から小出までの間に旅客列車をたくさんとめておりまして、新潟では十二本の旅客列車がここで抑留され、あとで申し上げますが、三千四、五百名というお客様をここでとめておったのでございます。これの排除に全力をあげまして、あと本腰を入れましてキマロキ運転というものをずっと続けたわけでございます。その結果どうにか通るようになりまして、この抑留列車の処理はけさまでに全部完了いたしまして、乗っておるお客様は全部はいたわけでございます。引き続きましてキマロキ運転を続けて線路の状態を確保するとともに、その余力に旅客列車の運転をやりたい。今日の計画では、東三条から小出までの不通区間について旅客列車を通し得るというような見通しでございます。同じように、宮内から柏崎も不通のしるしがございます。ここの区間にもラッセルを使いながら、ロータリーを使いながら旅客列車を一、二本通したい、あわせまして、貨物列車も緊急なものを一本くらいは通せるのじゃないか、こういうような見通しに今なっております。  その次に、次のページをごらん願います。これは金沢でございますが、金沢につきましては、問題は、きのう雪が相当降ったために、南の方の金沢と敦賀の間が非常に悪い状態になったわけでございます。金沢から東の方につきましては、キマロキ運転をやって線路の状態がよくなりまして、今どうにか通れるようになっております。今金沢の南は小松まで旅客列車が入るようになりましたけれども、小松から敦賀の間についてはまだ旅客列車を通すところまでに参りませんので、キマロキをきょうじゅうかかって通すという計画でございます。実はこの間は雪が凍りまして、キマロキを持って参りましても、脱線するということになって参りましたので、労働力をこの地区に結集いたしまして、今線路に凍りついておる雪を排除しながらキマロキをきょうじゅうかかって敦賀まで抜かしたい。これが抜けますと、明日からでも金沢から南は通れるようになるんじゃないか、こういうような考えでございます。しかし先ほど申し上げましたように、キマロキを通しましても、まだ両側の側雪が非常に壁になって残っておりますし、これに対してある程度人力によりまして段切りをしたい。幅広く排除しますれば、あと安定いたしますので、そのために、先ほど申し上げました自衛隊の御協力を得まして、全力を傾到して段切りを完了しますれば、あと多少雪があっても線路を確保できますので、その状態になるまでの間は遠距離列車を平常に戻すことは困難ではないか、こういう見通しでございます。なお、ここで高山線が非常に順調に参りまして、現在の段階では富山まで入っておりまして、これが一つの大きな補給の役割を果たしております。富山から東につきましては、今までラッセルを通しながらどうにか確保できる態勢が続いておりますので、これまた長野から直江津を通じまして富山までの補給は可能なわけでございます。こういう状態でございますので、きょうじゅうに敦賀まで抜けますと、敦賀以南はしっかりしておりますので、北陸については相当明るい見通しがつくのではないか、しかし、数日後にまた寒波がくるようなことを聞いておりますので、非常に大事をとった考えを私どもとっておるわけでございます。  ちょっと前後して恐縮でございますが、もう一度十三ページの地図で補足させていただきますと、新潟の場合には、実は新津−新潟間というものは今回割合に状態はよかったわけでございます。新潟の市内も雪が少ないわけでございますから、どちらかと申しますと、上越線はこんなにひどいことになっていないのじゃないかということで、新潟では、上越線は何ぼやぼやしているのかということで、非常に強い御要望がございまして、現地ではかなり無理をして急行列車を出した、この急行列車がむしろ非常にあだになりまして、このためにお客さんには御迷惑をおかけしましたし、国鉄も旅客の救出のために今まで非常に精力を消耗したわけでございまして、今回これが済みましたから、今後は除雪全力をあげられると思います。なお、新津から下の方に書いてある野沢という、磐越西線でございますが、磐越西線が実はどうにか輸送は確保できておるのでございますが、この地区が非常にまた近来にない豪雪のことと、なだれが非常に多い地区でございますので、あまり安心してというわけに参りませんので、最小限度のローカル旅客、それから救援物資を磐越線を通して入れておるようなわけでございます。新津から北の方、羽越線もどうにか確保されておりますので、本線が開通しますれば、北からの輸送回復できる見通しでございます。  こういうような状態でございますが、輸送につきまして、問題が重要でございますので、本文の輸送の問題だけちょっと読みながら説明をいたしたいと思います。四ページに戻っていただきたいと思います。  ちょっと輸送概況について説明いたします。「関係線区の運転概況」「一月十二日から二十二日までの間に雪雲の影響が大きかった北陸、信越線稲井−新津間においてはかなりの降雪にもかかわらず旅客列車八〇%、貨物列車四五%を、上越線では旅客列車九〇%、貨物列車七〇%の列車運転を確保していた。累積された線路脇の積雪の上に更に二十三日以降の豪雪が襲い優等列車を始め直通列車は同日の夜行から全面的に運転休止のやむなきに至った。」これは二年前の経験にかんがみまして思い切って措置をしたわけでありますが、これが一部漏れた点に問題が残ったわけであります。「しかしながら通勤、通学列車、生活必需品、救援物資輸送貨物列車を確保するよう努力した結果、次の如き運転実績となっている。」これは問題の二十三日以降でございまして、北陸線福井金沢は、細々ではございますが、救援物資をこの部分については運転しておるわけでございます。同じく金沢富山については、細々ではございますが、キマロキ運転の合間を縫いましてこういう運転を確保したわけでございますが、信越、上越線は、先ほど申し上げましたような事情でございまして、旅客列車救出が非常に手間取り、ほとんどこの間は輸送がとまっております。しかし、急激にきのう、きょうからは回復し出してきておるようなわけでございます。  それから旅客関係としましては、その次に、(イ)として、「途中に抑止せざるを得なかった列車は延十二本三千四百九十人となった。給食、暖房等について出来得る限りの緊急措置を講じて万全を期するとともに、長時間滞留した列車の旅客は努めて旅館及び民家に収容した。」これは三千四百九十人のお客が、最高の場合にとまったわけでございますが、これに対して、二千百六人宿におとめしております。「なお之等の旅客については二十六日から輸送を開始し、二十八日十二時現在残り百二十一人、」これは今申し上げましたように、今日では全部一掃したわけでございます。  なお、次の区間が切符発売取り扱いの面で不通になっております。北陸線につきましては、今庄から糸魚川の間につきまして東京からの通し切符を売っておりませんけれども、しかし、今申し上げましたように、ローカル列車は二、三本通っておりますので、東京側から申し上げますと、糸魚川から、現在の段階では小松までは列車が入っております。それから信越線は、直江津−新津間、これは切符を売っておりませんが、現在の見通しでは、ローカル列車が一、二本は通る見通しでございます。それから上越線の石打−宮内間、これまた今日からどうにか旅客列車を通し得るのじゃないか、こういう見通しでございます。高山線は今ここに書いてございますが、実際には今日から富山までは通るように考えております。こんなような事情でございまして、除雪状態がだんだんよくなれば、ローカル列車はどんどん入れ、それからできれば直通列車を入れたいのでございますが、急行列車を全面的に入れる時期は、雪の状態がある程度安定するところまでは無理じゃないかと思っております。  次に貨物について申し上げますと、六ページに、(2)貨物関係といたしまして、「一月十二日以降の雪害により貨物輸送は大きな影響を受け、二十七日までの減送トン数は、約百十三万トンに達しており、うち金沢新潟発は約三十一万トンとなっている。これを到着面からみると、金沢新潟に到着するものは、発送トン数の減とほぼ同程度の減少と推定される。」これが輸送全体でございまして、(ロ)が、「野菜、魚、食料品、家庭燃料等の生活必需物資については、その輸送を最優先に実施することとし、発着荷主、県、市等の公共機関の希望を具体的に調査し専用列車の運転を実施する等、適切な措置を講じている。」これは除雪の合間にも緊急の生活必需物資については輸送することを考えておりまして、具体的にどの地区からどういう工合にどういう貨車がほしいという案がお示し願えれば、これに対して最大の力を入れたい、こう考えておるわけでございますが、今まで急激に輸送経路なり、販売の取引が変わりますために、まだ具体化していない面があるように聞いております。(ハ)が「現在までの輸送制限としては、金沢新潟管内に発着または通過する貨物に対しは、」全面的に停止をしております。それからなお、雪害地帯を通過する貨物は、ほかの線区を輸送するような手配をいたしておるわけでございます。今後につきましては、今申しましたように、除雪に主体を置いておりますけれども、この余力を見ながら、緊急生活必需物資というようなものを優先に入れ、ローカルの旅客菊車をだんだんふやしまして、そうして本格的に除雪の体制が完了いたしましたときに、急行列車を初め、全面的な輸送の復元をしたいと思っておりますが、まだこれには相当の日にちがかかるのじゃないか、こう思っておるような次第でございます。  はなはだ説明が不十分でございましたけれども、一応御説明を申し上げた次第であります。
  15. 稻葉修

    稻葉委員長 常務理事にお伺いしますが、さっき飛行機はだめだ、しかし、汽車なら行けると言ったけれども、あなたの説明を聞いていると、汽車でも行けそうもないですね。
  16. 滝山養

    滝山説明員 汽車は、今申し上げましたように、新潟へおいでになるなら、磐越線ですね。
  17. 稻葉修

    稻葉委員長 あとでこれは委員会の承認を得なければならぬことだけれども、理事会では、第一班は秋田、新潟、山形、第二班は福井富山石川、第三班は鳥取、島根、この三班に分けて行くのだけれども、鳥取、島根は問題ないですね。福井地区とか金沢へ行くには、どうしたらいいのか。
  18. 滝山養

    滝山説明員 これは今申し上げましたように、直通の急行列車を出しておりませんけれども、列車はローカル列車を乗り継いでいっていただければ、これは参れます。これは一、二日後でございましたら、場合によれば、急行はむずかしゅうございますけれども、直通は入るかもしれません。乗り継ぎを覚悟していただければ、列車は通っておりますから、自衛隊その他の輸送はやっておるわけでございますから……。
  19. 稻葉修

    稻葉委員長 それでは、次に和達気象庁長官
  20. 和達清夫

    和達政府委員 今回の大雪につきまして、気象状況を御説明申し上げます。資料は運輸省の報告の冒頭に出ております。  年末から北陸地方中心に降り続きました大雪は、一月二十七日には、金沢地気の観測におきましては、過去の最大の記録をこえております。福井富山におきましては、過去の記録に匹敵する程度となりました。北陸地方では、平野部でも二メートルをこすところが多く、山間部におきましては四メートルをこすところも出るという状況であります。この積雪状況は、二十七日の状態をこの報告の最後の図によって示してございます。  今回の積雪に対しまして、各地方の気象台、測候所等は、年末よりそれぞれの大雪の起状に対しまして注意報、警報を適切に発したと存じております。  今回の大雪の特徴としましては、大雪の期間が長かったこと、次に寒さも強く、風も強く、そのために種々の困難を生じたこと、その次に、山岳部も平野部もともに大雪であったこと等があげられると思います。  今後の見通しといたしましては、今日で最大の山は越したと思われますが、この状態が続いておりますので、二月の上旬までは注意の要があると存ぜられます。  以上、申し上げます。
  21. 稻葉修

    稻葉委員長 小林農林省建設部長。
  22. 小林国司

    ○小林説明員 農林省関係のうちで農地、農業用施設につきましての被害状況を御説明申し上げます。  農地、農業用施設につきましては、被害の総額が、一月二十八日現在で一億六千百五十万円の報告が参っております。その中で、被害を受けております県が四県しか報告が参っておりません。この中を調べてみますと、海岸堤防の強風波浪による被害が大部分を占めておりまして、農地あるいは農業用施設そのものの被害はわずか一千万円程度でございます。一億六千百五十万円のうち、大体一億五千万程度が海岸堤防の波浪による被害でございまして、直接豪雪による被害ではないわけでございます。  まず、新潟県からの報告によりますと、農業用施設に百五十万円程度被害が出ております。富山県につきましては、農地と農業用施設で二百万円程度、それから島根県が農業用施設といたしまして七百万円程度、これが直接農地に関する被害でございます。そのほかで、一番大きいのは石川県でございまして、これは海岸堤防が一億三千三百万程度被害、それから島根県で海岸堤防が同じく八百万円、それから農林省が直轄代行で行なっております干拓の堤防が、島根県で約二百万円ばかり被害を受けております。  以上、概括を御説明申し上げたわけでございますが、今回の豪雪によります農地の被害あるいは農業用施設そのものに対する被害は、今のところ一千万円程度しか報告が参っておりませんが、今後農地の関係につきましては、雪解けの際に融雪災害が毎年のように起こって参りますので、おそらく三月ごろになりましてから農地の被害が続々と判明してくるであろうと思われます。現在のところは、ただいま申し上げました程度被害状況でございます。
  23. 稻葉修

    稻葉委員長 中井建設省道路局長
  24. 平井學

    ○平井政府委員 建設省から、第一に、今回の豪雪によります道路被害状況とこれの対策、第二に、住宅関係被害状況とその対策、第三に、河川その他河川局関係被害状況について御報告いたしたいと思います。お手元に、厚い「一月二十八日十六時現在雪害対策情報」という、二十枚ばかりのとじた資料がございます。第二に「昭和三十七年年末より現在までの災害に係る住宅被害状況及び対策」という二枚刷りがございます。次に、同じく二枚刷りで「豪雪による公共土木施設の被害状況」、以上三つ資料をごらん願いたいと思います。  最初に、一月二十八日十六時現在の道路関係雪害対策について御説明をいたします。  建設省といたしましては、今次災害に際しまして、地方建設局に対して、直轄の道路について被害状況調査し、これに対する応急対策、あるいは地建同士の間の応援救助、こういった手配を指示するとともに、府県が直接管理しております各種道路につきましては、府県と密接な連絡をとりながら、被害状況調査、本省との連絡、応援関係、開通の見込み等について終始連絡をとって参っておるのでございます。この資料の十ページに雪害報告総括表がございます。これによりますと、今回は、東北六県、北陸四県、そのほか山陰各県というように、十数府県が特に被害の大きなものとしてここに取り上げられております。それによりますと、一級国道、二級国道地方道、こういったものについて特に除雪計画のある重要な幹線道路のみを見ましても、一番右の下の欄にございますように、延べにいたしましてざっと三千六百四十四キロの不通個所が生じております。これに対しまして、建設省といたしましては、全部の道路に手を及ぼすことはとうてい不可能でございますので、次の十三ページに書いてございますように、今申し上げました地域のうち、物資輸送関係その他の関係から特に急を要すると思われる幹線道路について、除雪機械なり人力を投入いたしましてこれが打開に全力をあげておるのでございます。この十三ページの表にございますように、特に一級国道について重要と思われる路線、すなわち七号、八号、九号、十三号、十七号、十八号、二十九号、四十一号、それぞれこの路線について力を入れておるのでございます。中でも、ここにございますように、先ほど国鉄等から御報告がございましたように、新潟から裏日本を通って参る八号国道並びにその下の方の十八号、すなわち新潟から直江津、直江津から長野を経て東京を結ぶ十八号、この二つを特に重点を置いて対策番講じておるのでございます。目下のところ、八号につきましては、ネックは新潟三条市内でございまして、鉄道は幸い昨日通じたようでございますけれども、この三条の市内が非常に道が狭いために、しかもロータリーその他の重量級の除雪機械を運転いたしましても、両側の人家がじゃまになりまして除雪が思うようにはかどらない。そのために、別に雪を運搬するトラックをワン・セットとしてあとに従えて、これに積みながら後方へ運ぶという、非常に困難な手数のかかる作業をやっておりますために、予定は一月二十八日、昨日開通せしめるはずでございましたけれども、今言ったような困難な条件のために、なお若干おくれるような見通しでございます。  次に、長岡−柏崎間、それから柏崎−柿崎間、直江津−能生間、こういった点につきましても、実は一月三十日、一月二十八日という予定が若干おくれる見込みでございまして、悪くすると二月に若干入るのではなかろうか、こういうようなまことに遺憾な除雪進捗状況でございます。  その次に、十八号の唯一のネックは、長野県境から新潟の新井に至る区間でございまして、これは幸い昨日一車線だけどうにか通せるように開通いたしましたけれども、まだ大型のバスとか、あるいは行き違いの自動車を円滑に通すためには、若干の日数がかかるような状況でございます。なお、八号線につきましても、直江津から西の方、富山石川福井、滋賀、この路線は、幸いにして、一車線ではございますけれども辛うじて現在開通いたしておるような状況でございます。むろん、この中で例外といたしまして、ここにございますように、石川県の加賀市から県境を越えて福井県は至る区間だけは、道路そのものが未改良のため、両側に迫った谷合いの関係で雪がまだ除雪できませんで交通できませんけれども、横にございますように、県道を臨時バイパスとして利用して、今申しましたように一車線を確保して、とりあえず細々ながら八号線として直江津から西の方は大体通しておるような状況でございます。  今後私どもの重点は、緊急に物資を輸送する関係上、今言ったように東京−長野−直江津−柏崎−新潟、この十八号線の打開に全力をあげておるような状況でございます。  なお、今後私どもが心配しておりますのは、気温が若干でも上がりますと、せっかく除雪した路面の雪がゆるむ、そのために路面の状況が悪くなって、さらに除雪、排雪の仕直しをしなければならないというような心配があることでございます。  なお、現在打開しております路線につきましても、トラック等はどんどん物資輸送関係上無理をして通しております。バスなどは、市街地内では運行いたしておりますが、郊外地につきましては、無理をすれば通せぬことはございませんけれども、いろいろな不慮の障害等がございますので、バス等は、郊外地については目下のところ自主的に運転を控えておるように聞いております。  以上のようなことで、二級国道以下につきましても、いろいろ報告も参り、重点的にそれぞれやっておりますが、時間の関係上、二級国道以下につきましては説明は省略さしていただきまして、次にもとへ返りまして、機械その他の現在の装備状況応援状況について一言御報告をいたします。  五ページをお開き願います。ここに、今回関係地建の方から主として北陸地建に対する除雪機械の援助状況を載せてございます。関東地建、中部、東北、こういった三つの地建から、それぞれモーターグレーダーとか、あるいはロータリーの強力な除雪車、こういったものを一台ずつ現地の方へ派遣するように手配をとるとともに、この2にございますように、年末来、山形で幸い除雪機械の展示会を開催しておりました。その機械が大部分新庄市にとどめてありましたので、それぞれ関係のメーカーに要請をいたしまして、この九台を至急北陸地区へ送るように手配しております。ただし、残念ながら磐越線等も、先ほどの御報告のように、必ずしも完全に開通しておりません関係上、このうちの半数、約五台をとりあえず磐越線回りで現地へ送るように手配を強力にお願いいたしておるような状況でございます。  次の六ページ以降には、特に被害の大きかった北陸地建に常備して現在活動しておる除雪機械の一覧表を載せてございます。決してこれは完全な戦力ではございませんが、新潟工事事務所で十一台、長岡の工事事務所で二十四台、湯沢で四台、次の七ページにございますように、高岡の工事事務所で二十四台、金沢二十二台、福井十六台、敦賀三台、地建関係だけで合計百四台の大小の除雪機械が活動をしておるようなわけでございます。  次の八ページに移りまして、これは地建と別に、北陸の四県が県として保有して現在活動させておる除雪機械の勢力の一覧表でございます。新潟では、一番大きいドーザーの十トン車が二十台、その他グレーダー十一台、合計五十八台の常備機械が活動いたしております。富山十六台、石川十九台、福井十六台というふうに、被害中心である北陸だけを取り上げて御報告いたしますと、以上のような状況でございます。  なお、現在、現地からの報告によりますと、この除雪機械の燃料がそろそろ手持ちが窮屈になってきつつあるそうでございまして、通産省にさっそくお願いをいたしまして、応急の措置をお願いするとともに、現地では部分的にも道路を開通して県下の各燃料関係の商社等から応急の手配をするというふうに連絡をいたしてございますけれども、なお通産省等におかれましても何とぞよろしくこの点は御高配を願いたいと存じておる次第でございます。  次に、住宅関係被害状況を簡単に御報告をいたします。  「三十七年年末より現在までの災害に係る住宅被害状況」の表をごらん願います。ここに、今年一月十七日の島根県の平田市の火災によりまして、三十五戸が全焼いたしております。同じく甲信地方の突風によりまして、長野県、山梨県、石川県三県におきまして、通じて二十八戸の家が全壊をいたし、二百七十二戸の半壊を生じております。さらに、宮崎県の西都市で火災が起こりまして、六十七戸全焼するという被害、その次に、今回の豪雪によりまして、東北、北陸、それから山陰その他の府県で、全壊が合計百四十二戸を数えるに至っており、半壊が八百九十五戸というような被害状況でございます。  これに対する応急の対策といたしまして、次のページにございますように、住宅関係災害につきましては、第一に住宅金融公庫の個人住宅の特別貸付、いわゆる例の抽せんのものですが、これを抽せん抜きで特別貸付を行なう、こういうことを現在やっております。第二に、住宅金融公庫の災害復興住宅融資、これは御案内のように、被害戸数が五百戸程度以上になりますとこの融資を行なうことになっておりまして、現在まだ発動はいたしておりませんが、五百戸程度になりました場合にはこの融資を行ないたい。第三に、公営住宅の建設に際して特別な配慮をいたしたい、すなわち昭和三十八年度の公営住宅の各県に対する割当について、以上のような被災市町村に特別の配慮を加えて、割当の内示及び建設の準備を急ぎ進めるように現在いたしております。  なお、島根県の平田市の火災、あるいは甲信地方の突風、宮崎県西都市の火災につきましては、今の住宅金融公庫の災害復興住宅融資の方は、性質上適用できません。  以上のような状況でございます。  最後に、河川関係、公共土木施設の被害状況について御報告いたします。  河川局関係災害でございますが、今年に入ってから、先ほど御報告のありましたような気象状況のために裏日本一帯が雪が続き、特に北陸地方は先ほどのような豪雪に見舞われております。そのために、次に申し述べますような被害報告を受けております。  福井富山両県につきましては、総額で約五千百三十八万円に達する道路決壊等の被害が起こっております。  次のページに移りまして、これは一月初め以来の冬期風浪による一般災害でございますが、この表にございますように、北海道におきましては、釧路−根室線におきまして、路盤決壊の上、流失というために約七百万円の被害、補助災害につきましては、北海道、青森、岩手、福島、新潟富山石川福井、鳥取、島根、山口、愛媛、こういった各県に大小さまざまな海岸における被害道路の決壊、こういったような被害合計十七億三千三百万円余の被害が生じております。これに対して、とりあえず、冬期風浪による被害激甚地に対しましては、さっそく査定官を派遣いたしまして、被害状況調査及び応急復旧工法の指導に当たっておりますが、海洋気象状況回復を待って、必要に応じて緊急査定をあとのものについて実施する予定でございます。なお、予備費の支出等についても、この結果を待って手続を進めたい、かように考えております。  以上、簡略でございますが、御説明を申し上げました。
  25. 稻葉修

    稻葉委員長 次に、杉江文部省管理局長
  26. 杉江清

    ○杉江政府委員 文教関係被害について申し上げます。  最初に、公立学校の被害でございますが、被害校数は、現在まで判明いたしましたもの五百五十校、全半壊の坪数は約千三百坪でございます。被害総額は一億二千三百万ということに、現在のところなっております。  このほか、社会体育施設としまして、石川県の体育館が一つやられておりまして、その被害は三千万円と推定されます。  なお、積雪のために登校困難な状況にありまして、臨時休校いたしております学校が、現在のところ千五十六校ございます。  なお、まことに痛ましい事件でありますが、福井県で集団下校中の教師、児童九名がなだれにあいまして、教師一名、児童三名が死亡するに至った被害がございました。まことにお気の毒の至りでございます。  文部省といたしましては、文部省の災害調査官を班長といたします独自の調査班を組織して実態を調査し、これが対策に遺憾なきを期したいと考えております。  以上であります。
  27. 稻葉修

    稻葉委員長 大山厚生省社会局長
  28. 大山正

    ○大山(正)政府委員 厚生省関係につきまして、お手元に差し上げております「裏日本豪雪被害情報」という二枚とじの資料につきまして御説明申し上げます。  1の豪雪被害の概況は、重複を避けて、省略いたします。  2の雪害による住家等の被害状況は、主要な県の新潟富山石川福井、島根、広島、馬取につきまして、警察庁の情報、並びに当省におきまして直接県から得ました情報に基づいて数字を書いてございますが、人的被害といたしましては、死者、行方不明を加えまして六十五名、住家被害は千九十五戸ということに相なっております。  3の災害救助法の適用状況といたしましては、福井県におけるなだれによる災害等につきまして、一月二十五日に勝山市に、一月二十七日に足羽郡の美山村にそれぞれ災害救助法を適用いたしております。その状況を簡単につけ加えて申し上げますと、勝山市におきましては、一月二十四日に、旧市内から十二キロほど離れました横倉部落というところになだれが発生いたしまして、六戸が全壊し、十九名が下敷きになるというような状況がございまして、これらの死体捜索あるいは罹災者救出等のために、災害救助法を発動したものでございます。福井県の美山村につきましては、なだれのために三部落が孤立しているのでございますが、ただいま文部省からも御説明がありましたように、一月二十六日に、小学生が下校の途中になだれによって生き埋めとなりまして、死体捜索その他のために災害救助法を発動したものでございます。  4にありますように、その実施状況は、死者行方不明者の捜索、あるいは避難所への収容、たき出し、医療の実施、被服、寝具等の給与というような内容の救助の実施を行なっております。  5のその他の(1)といたしまして、福井県を初め雪害関係の県は、いずれも災害対策本部を設けまして、自衛隊等の御協力を得まして除雪あるいは空輸等その他の応急作業をやっているのでございますが、災害救助法による応急救助を必要とする事態が今後生じました場合には、直ちに同法を発動するように万全の措置を講じております。  (2)の国鉄関係につきましては、先ほど御説明のあった通りでございます。  (3)雪害地における関係事務の指導のために本省係官を昨夜派遣いたしております。  その他、社会福祉施設の被害状況といたしましては、ただいま調査中でございますが、現在までのところ、島根県下におきまして保育所二カ所の全壊が報告されている以外、大きな被害はない見込みでございます。  以上、簡単でございますが、厚生省関係の御説明を終わります。
  29. 稻葉修

    稻葉委員長 次に、武田郵政省大臣官房長
  30. 武田功

    ○武田政府委員 郵政省関係雪害被害状況を御報告申し上げます。  お手元に配付してあります「昭和三十八年一月北陸、新潟地方における豪雪による被害状況およびその対策」というプリントの順を追って概略申し上げます。  まず第一に、郵政関係でございますが、大体運送関係最初に書いてございますけれども、郵政関係の、特に郵便は、輸送機関並びに道路が開通いたしますと運行が開始されますので、その間は、現在のところほとんど輸送関係は停止を余儀なくされているような状況でございます。また、専用自動車及び託送自動車の関係も、人夫送で運べますところは、できるだけそれに切りかえて運んでおるわけでございますが、これもほとんどの地域が不可能な状況になっております。  次に、郵便物の滞留状況でございます。この二枚目の表にございます。その後の報告のございました分を加味いたしまして、おもだった局の分について申し上げますと、新潟県下におきましては、長岡の局が、一番新しい調べによりますと、配達できないでたまっております郵便物が一万九千四百通、大体最高五日のおくれでございます。それから小包が約三百個、これも最高五日のおくれでございます。また、当該局から出せなくて差し立て未済の郵袋が、普通郵便物等で約百三十袋、それから小包が百九十六袋たまっております。新潟の局では、ほとんど市内は配達しておりますけれども、市外地の方で小包が八十個ばかり配達未済でございます。また、雪の深い三条は、通常郵便物が約一千通、最高五日から七日のおくれになっております。小包が四百個。小千谷が、通常郵便物の配達が約三日おくれております。それから北陸にいきまして、富山の局は、通常郵便物の配達未済が二千九百通、それから高岡が五千通、金沢が一万五千通、福井が一万通、大体こういったようなところで、最高四日から五日のおくれとなっておりますが、努めて雪の合間、あるいは道が開通いたしますところは、特に市内地は配達に努めておりますけれども、主として市外地がほとんど配達ができないという状況で、天候の回復を待っておる次第でございます。  また、他の地区から新潟あるいは北陸向けに送りますところの郵便物でございますが、これは現在のところ、小包郵便物は二十三日以来、新潟富山石川の各県あての小包郵便物の引き受けを停止しておりますので、現在取り扱っておりませんけれども、通常郵便物はそういうわけにいきませんので、遅延を承知でお引き受けをするというふうにして扱っておる次第であります。従いまして、たとえば東京中央郵便局をとってみますと、この三県あての滞留郵便物が、郵袋の数で申しまして、東京では小包は一千八百袋、通常郵便物が百十袋、それから京阪神におきましては、通常が六百四十八袋、小包が一千二百六十袋、こういったようなことで、東京あるいは京阪神を主にとってみますと、通常郵便物が約七百五十袋、小包が三千袋となっておりまして、通常郵便物の概略換算いたしますと、二十数万通になっておる次第でございます。  なお、このほかに、対策といたしましては、金沢郵政局、長野郵政局は、それぞれ雪害対策本部をつくりまして、活動しておるわけでございます。また貯金、保険の関係におきましては、窓口業務はやっておりますが、集金等の業務は停止しておる次第でございます。特に災割救助法の発動されますようなところは、貯金などの非常払いといった措置を講ずる次第でございます。  次に、電信電話の関係でございます。電信電話関係は、北陸通信局に雪害対策本部が、また信越通信局に情報連絡室が設けられまして、電電公社本社と緊密な連絡をとって、その復旧対策に当たっておるわけでございます。  別表に被害状況を書いてございますが、その後判明いたしましたところによりますと、主として被害は、設備関係におきましては山間部の架線部分に多く発生しておりまして、その調査あるいは復旧に困難を来たしておるわけでございます。信越管内、特に新潟でございますが、二十八日現在におきまして、市外の電話回線の障害は二十回線、復旧が十六回線でございまして、現在羅障中のものが四回線でございます。それから市内電話は、障害が一千百四十七回線で、現在七八%の復旧を示しまして、残っております二百二十五回線が電話が通じないということになっております。また、北陸三県の市外回線につきましては、三百二十六回線、そのうち九七%近く復旧いたしまして、現在市外回線では九回線でございます。また市内回線は、北陸三県は七千九百四十六回線障害いたしましたけれども、約八六%程度の復旧をいたしまして、現在のところは一千百十三回線というふうになっておる次第でございます。これらもやはりまだ雪が降ったりしておりますので、ちょっと現在のところは回復の見込が立っておらないわけでございます。  それから電信関係は、見舞い電報その他がふえておりますので、大体三、四割近く平素よりもふえておりまして、それらの関係もございまして、たとえば新潟方面は四時間から五時間かかる。金沢も同じことでございます。それから、富山が平均四時間、福井が平均三時間程度かかっておるわけでございます。  なお、最後に電波関係でございます。現在まで非常無線通信の特別措置を実施したところはございません。  また、放送関係といたしましては、九州、北海道、東北を含めまして、現在までのところ、停電などのために約十二局ばかりの放送局が一時放送を停止したところがございます。ただし、これはおもに山間部の小さいラジオ、テレビの中継局とか中継所でございまして、これも全体的にはほとんど異常なく動いておる次第でございます。  概略でございますが、郵政省関係の御報告を終わります。
  31. 稻葉修

    稻葉委員長 以上をもって政府当局からの説明は終わりました。     —————————————
  32. 稻葉修

    稻葉委員長 次に、災害対策に関し質疑の通告がありますので、順次これを許しますが、まず委員長から、二、三関係各省に対しお聞きしたいことがありますので、お答え願いたいと思います。  建設省の道路局長にお尋ねいたします。先ほどの御説明で、八号線とか十八号線とか、除雪の作業が遅々としてなかなか進捗しないようだが、これはどういう方法でやっておるのか知らぬけれども、地方建設業者等に請け負わせるとか、そういうことでやれないものですか。
  33. 平井學

    ○平井政府委員 実は直轄関係で申しますと、ほとんどが北陸地建でございますが、当初、民間各方面ともいろいろ忙殺されまして、主として地建自体の職員が昼夜兼行でやっておりましたが、一昨日あたりからいろいろと、ただいま御指摘のような事情も勘案し、また職員等の疲労をも考えまして、本省と連絡の上、五億の予算措置等も相談の上、民間のそういった業者に下請させられ得るものはどしどしと、きのうあたりからおろしております。これまでは民間の方も、それぞれ自分自身の問題その他いろいろありまして、なかなかはかどらなかったそうでございますけれども、ただいまのような状況で、民間の方がやや、それぞれ自分自身の問題その他の問題が一段落ついた様子なので、極力民間業者に請け負わせる、予算措置も、五億、追加予算等で措置するという方針でやっておりますので、今後は相当はかどるものと期待いたしております。  なお、県知事担当の二級国道地方道等につきましても、これは直接ではございませんが、それぞれ土木部長を通じ、あるいは地建の方から、最大限さようなあらゆる方法をとるように勧奨をいたしておるような次第でございます。
  34. 稻葉修

    稻葉委員長 もう一つ、これは国鉄でも建設省も、その他通産省にも関係あるか知らぬけれども、各県知事からは、それぞれ富山県知事、石川県知事福井県知事、新潟県知事から、二十一、二十三、二十四、二十五日、自衛隊災害出動の要請があって、それぞれの措置自衛隊としてはとった。建設大臣は、一体大臣要請を防衛庁にしているのかいないのか。
  35. 平井學

    ○平井政府委員 その件につきましては、やはり主として現地の地建なり、それから一級国道の指定区間以外の道路並びに二級国道につきましては、知事の方の判断を待つという建前から、私どもは道路雪害対策本部を先週来道路局内に設置いたしまして、もっぱら各県からの応援の要否を毎日連絡をとりながら、知事の積極的な要請に基づいて、知事が直接現地自衛隊要請すると同時に、それと表裏一体となって本省同士で手続をとるような体制でおりますが、現在、知事の方からは積極的にさような要請は幸いにまだ一件もございません。ただ、私どもは、そういった建設大臣の自衛隊の中央本部に対する要請に備えで、防衛局とは終始情報の交換、それからそういった応援の様子について打ち合わせをいたしております。  なお、地建関係の担当する一級国道の指定区間の道路につきましては、目下のところ幸いに、北陸地建局長からは、現在の状況では自衛隊の出動を瀬うという状況ではございません。また、部分的にはそういう状況はございますけれども、先ほど申しました長岡かいわい、あるいは柏崎その他知事の担当する区間で、しかも非常に急ぐという区間があるために、そちらの方があいたならば自衛隊にお願いしてもいいが、現在地建の方が一級国道の指定区間だけについて知事の側の要請を排除して、数の限定された地元自衛隊にダブって要請をすることは控えるべしという意見もございまして、現在のところ、地建としても、さような判断から様子を見ておるような状況でございます。
  36. 稻葉修

    稻葉委員長 通産政務次官、運輸省官房長国鉄滝山理事にお尋ねいたします。輸出生産品の輸送確保につきましては特に重要と思いますが、ただいま道路局長の方から、自衛隊に出動を要請するほどの事態でないという答弁があったが、けさ委員長あての福井県知事からの電報は、これは道路局としても同じであると思うけれども、切実に「国鉄除雪機械力限度に達し、人力を大量に投入する以外になし、自衛隊等の全面的救助方御指示を待つ、この旨は現地国鉄当局の強い要請もあり特にお願いす」非常に強い要請をしなければならぬ事態にあると現地から訴えてきているわけです。本省の道路局長はそういう答弁でいいのですか。
  37. 平井學

    ○平井政府委員 その点につきましては、福井県の方の御判断は、鉄道による幹線輸送をまず第一にいたしたいというお考えで、道路よりも鉄道を先にやりたい、こういう考えだろうと私ども考えております。と申しますのは、この問題が大きくなって、災害の大きいことが判明いたして以来の現地からの状況、あるいは地建局長あるいは府県土木部長からの電話連絡によって判断いたしまするに、道路鉄道の二つのどちらを先にやるかということが絶えず問題になっておるようでございます。実は自衛隊方面の様子を聞きましても、山を越えて関東方面から自衛隊を運ぶということ自体に相当問題があるようでございまして、とりあえず北陸各地に駐もしておる自衛隊にお願いする以外にない、そのためには、やはり二者択一と申しましょうか、いずれかを優先せねばならぬというような状況がございますそうでございまして、福井県としましても、自衛隊を両方にさくということはおそらく不可能であろう、また、先ほど申しましたように、福井県知事は、幸い一級国道の幹線道路については、どうにか物資輸送の必要に間に合う程度にはかろうじて間に合っておる、こういうような状況によってさような判断をされたのであろうと思います。たとえば、先ほど来問題になりました新潟県の長岡三条地区の問題にいたしましても、一昨日の現地地建の局長の報告では、高田でしたか、新潟県下の自衛隊の出動を知事の方で要請したそうでありますが、その際に地建としては、できるならば三条の市街地内外の、先ほど申した人家の連檐しておる悪条件のところを自衛隊にお願いいたしたのであるけれども、国鉄の方で、長岡に滞留しておる列車を早急に新潟の方へあるいは東京の方へはかせねばならないというので、これがあくまで様子を見ておる、こういうような連絡もございました。おそらく現地では、鉄道の方についてまずやって、しかる後にというふうに現在考えておるという連絡を受けておる状況で、決して事態は自衛隊の出動を必要としないという状況ではございませんで、さように重複するような面等を考慮して、譲るべきところに先にやってもらう、こういうような判断を現地もしておりますし、わが方でもさように考えて、今様子を見詰めておるような状況であります。
  38. 稻葉修

    稻葉委員長 通産政務次官、今道路局長はああ言っているのだけれども、さっきのあなたの方の省の説明によりますと、具体的に燕の洋食器のようなもの、あるいは福井県の絹織物のようなものは、ほとんど工場労務者が通勤できないので閉鎖している状態だ、こういうことを言われたのです。労務者が通勤できないというのは、道路除雪できないからだ。そういうことになりますと非常に困るから、どんどん自衛隊の出動でも願って、そういう生産確保ができるようにしたらどうかと私は思う。通産政務次官はどういうふうにお考えですか。
  39. 廣瀬正雄

    廣瀬(正)政府委員 私、全く委員長と同感でございまして、通産省といたしましては、直接どこの仕事ということはございませんで、道路を使わせてもらうとか、鉄道を使わせてもらうとかいう関係にありますだけでございますので、その関係は、地元現地対策地方通産局長にお願いいたしまして、通産局長は事態に応じてそれぞれ各関係協力を得るというような手はとっておるわけでございます。通産省の立場から申しますと、一日も早くそうした公共施設の利用ができることが望ましいわけでございます。そうしたことに御配慮願えますれば非常に幸いだと思います。
  40. 稻葉修

    稻葉委員長 防衛庁の防衛局長にお尋ねいたしますが、あなたの方から出動しておる総人員が一万二千幾ら、こう書いてある。それで、こういう大災害に派遣された員数として私は少ないように思う。それから、先ほど建設省道路局長のお話によると、まず鉄道道路は二の次、二者択一だという。私は両方とも大事なことだと思うのです。二者択一などという性質のものではないと思う。ことに、自衛隊の能力はきわめて微弱で、二者択一をせざるを得ないような微弱なものか。そんなことで、一朝事あったならばわが国の防衛ができるかどうか。私はおかしいと思うのだが、どうですか。
  41. 久保卓也

    久保説明員 私どもの方は、国鉄及び地元の県と連絡をしながら、要請出動の人員をきめておるわけでございます。従いまして、相当数の要請が当初からあればそれだけ出たろうと思うのです。現に、先ほど申し上げましたように、師団長現地に参っておりまして、知事の方とも連絡をいたしております。従って、昨日千二百名出し、きょう千名出しましたのも、知事と連絡の上でのことなんです。従って、どこにどれだけ出してほしいという具体的な場合につきましては、私の手元にございませんが、手持ちの人数はあるわけでありますから、地元からの要請に従って、しかもまた、作業の能力、作業の内容、あるいは国鉄を利用して向こうへの輸送の能力、そういうものに応じまして、出せるものは出し得ると思います。
  42. 稻葉修

    稻葉委員長 そこで、総理府総務長官にお尋ねいたします。自衛隊としては大いにそういう用意があるという。知事からは具体的な要請はあるけれども、各省がこれだけそれぞれ困っておるのに、各省大臣は、一体閣議等においてそういうことを持ち出して、自衛隊の出動を大々的にやるという熱意に欠けているように思う。この点は災害対策委員長としてははなはだ遺憾であるが、総理府総務長官はどうお考えですか。
  43. 徳安實藏

    徳安政府委員 今回の雪害につきまして各位の非常な御配慮、まことに感謝にたえません。政府といたしましても、時々その災害状況報告を受けまして、各省に督励をして万遺憾なきを期しておる状態でございますけれども、何しろ交通途絶し、あるいは電信電話、電報等も意のごとくなりませんので、昨晩、政府の方の各政務次官を首班としまして、現地に出しまして、現地とこちらとの連絡を密にしておる状況でございます。さらに、本日の閣議におきまして各大臣からも、先ほど委員長のお話しになりましたような事柄の御発言がございましたが、私から発言いたしまして、災害対策基本法に基づきまして、今回のような大きな雪害に対しましては、やはり非常災害対策本部を設置いたしまして、各省間の連絡あるいは調整、命令系統を一本にするというようなことが必要ではなかろうかということを諮りました結果、閣議で、それではやろう、二十四条に基づきまして非常災害対策本部を設けようということに決定をいたしまして、ただいま防災会議の招集、臨時閣議等につきまして手続をしておる最中でございます。非常な事態でございますから、間髪を入れず、本日のうちに全部そうした整備をして、そうして今お話のようなことを統制し、一貫して御趣旨に沿いたい、かように考えまして、今手続中でございます。
  44. 稻葉修

    稻葉委員長 佐野憲治君。
  45. 佐野憲治

    ○佐野委員 総務長官が会議に出られるそうですから、最初にお聞きしたいと思います。  ただいま総務長官の答弁で、災害対策基本法の二十四条に基づく非常災害対策本部を設置される、こういう言明がありました。私は、規模から見て、今日までの状況、今後の見通しという観点から、国の責任を明らかにして、人心の安定をはかる、こういう意味から、二十四条に基づく非常災害対策本部を設置されるべきだ、かようにも考えておりましたので、その点を質問いたしたいと思ったのですが、今明快な御答弁がありまして、非常に感謝いたしておるわけであります。  同時に、お聞きしておきたいと思いますことは、防災基本計画並びに防災業務計画、これを中央防災会議において作成しなくちゃならない、こういう規定になっておるわけですが、この法実施以来、そういう基本計画、業務計画が作成されておるかどうか。これは国会において、これらの点に対して公表、報告する義務も政府は持っておるわけですが、すでに災害が発生しておる今日、いろいろな混乱、いろいろ各省間における不統一というものを見せつけられますとき、政府は、特に中央防災会議は、今までどのような措置をとってこられたか、この点を御説明願いたいと思います。
  46. 徳安實藏

    徳安政府委員 ほんとうにごもっともな説でございまして、本来の職務から申しますれば、いかなる災害がありましても、それに即応する防災計画というものを完備しておかなければならぬことはあたりまえなのでありますが、何しろ、この法律が施行されまして、事務局ができましてからもまだ日がございませんので、地方の整備等に日を取りまして、現地では、やや地方的に各機関が整備したわけでありますが、完全なる計画というようなものの樹立がおくれておると思います。いずれ次の機会にそういった問題に対する御質問もあろうかと思いますから、私の方でそういう点につきましては御答弁ができますように用意をして参りますので、きょうは一つお許しをいただきたいと思います。
  47. 佐野憲治

    ○佐野委員 率直に御答弁願いますならば、いまだ防災基本計画なり業務計画はできていないというわけですか。
  48. 徳安實藏

    徳安政府委員 国及び地方の機関で作業いたしておると思いますけれども、ただいま、どこの機関につきましてはこういう計画を立てましたというほどまで、まだ作業が進んでいないということでございます。各地方にもそれぞれの会議もございますので、昨年の十月ごろにようやく各府県のそうした機関だけは整備をいたしまして作業してもらうように督励もしておりますし、国自身もやはりやらなくてはならぬということになっておりまして、作業はしておりますけれども、まだ全きを得るような作業は完成していないということが、率直なところでございます。
  49. 佐野憲治

    ○佐野委員 非常に残念だと思いますことは、福井県の報告を見ましても、各県からの報告でも、やはり災害対策基本法第二十三条に基づいてそれぞれ対策本部が設置されておる。ところが、防災計画は持たない。というのは、この災害対策基本法に規定されておる条項を見て参りましても、中央防災会議が防災基本計画を立てる、業務計画を立てる、これに準じて府県、町村、あるいはまた、府県間における協議会その他を設置する、こういう一つの制限条項があるわけです。国が基本計画を立てないために、各県相互間あるいは町村においても防災会議を設置する法の義務規定はありますけれども、これに基づく活動が停滞しておる、そのうちに今日のような豪雪が見舞って参った、こういう点は私は非常に遺憾だと思います。特に昭和三十四年、伊勢湾台風を契機といたしまして、やはり災害あるいは防災基本法を持たなければならない、こういうことが国会でしばしば論議され、当時の岸総理大臣もその趣旨を国会において言明いたしておったわけでありますし、昭和三十五年から三十六年における北陸の豪雪を機会といたしまして、早急に基本法の成立がなされる動きが出て参りましたことは、御承知の通りだと思います。と同時に、三十八国会におきましては、会期末における非常事態がありましたので、三十九国会に再提出になってこれを通過させておるわけです。ですから、三十五年暮れから三十六年にかけます北陸の豪雪は、当時の記録を見て参りましても、一日における新積雪量が四十年来の記録を破っておるという異常事態で、しかも長期間でありましたので、国鉄が半カ月間以上も麻痺をする、その他いろいろな被害が続出する、こういうことを契機といたしまして、国会においてもこれらの実態にかんがみまして、決議をもって、いわゆる雪害に対する調査機能を充実しなければならない、と同時に、被害防除に対して抜本的総合施策を講ずるよう、とのような決議を衆議院ではなしておったわけで、そういう経緯の中で災害対策基本法が通過いたしたわけですから、当然政府としてはこれに対する万全の措置がとられねばならなかったのではないか。と申し上げますのも、当時、三十八通常国会で災害対策基本法は継続審査となったのでありますけれども、災害の惹起する危険性、いろいろな事態に憂慮いたしまして、自治省としては、異例の措置として、この法律は継続審査となっておるけれども、地方においてはやはり防災会議なり災害対策本部を設置する、大体そういう準備体制にあらねばならない、こういう次官通達を出しておるわけです。そういう経緯から考えてみまして、今日の災害にあたって、いまだに政府が防災基本計画も持たない、業務計画も持たない、そういうことは、ただいま委員長が質問なされておりますように、やはり法の中においては、災害時において自衛隊の効率的な派遣、こういうのも重要な基本計画の項目の中に入っておるわけであります。こういう点がなされていないところにいろいろな混乱を招来しておるのじゃないかと考えますので、非常に遺憾だと思いますが、これらに対する政府内においてどういう相互調整をやっておられるか、こういう点もお聞かせ願いたいと思います。
  50. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまの御意見、ごもっともだと思います。ただいまのところ、先ほど申し上げましたように、防災計画などというものは、地方的に申しますれば、この十八条あるいは二十三条等によりまして、都道府県、市町村個々に防災会議ができまして、そうして対策本部が二十三条によってできるということで、地方々々で、県あるいは町村単位で防災会議ができるように規定してあるわけでございます。この防災会議を設立しますのにもなかなか手間取りまして、私の方でもずいぶん指令を出したり督促をいたしましたが、まだ全部があるいは完了していないのではないかと私は思う。あとからいずれ適当な機会に御報告いたしますが、各府県にも各市町村にも早く防災会議を設置いたしまして、そうして災害対策の計画を立ててほしいという通知はしばしばしてございますが、いろいろな地方的な事情もございまして、大体十月ごろをめどに昨年はやったのですけれども、まだ少しは残っておりはせぬかと思います。この都道府県及び市町村が計画を立てましたものが、現在で全部まとまってまだ私の方に届いていないというととは、率直に申し上げます。  それから、現在中央におきましては、各省庁におきまして防災に関する計画の整理並びに重点事項等の摘出をはかりまして、整いつつあるそうであります。作業はいたしておりますが、まだ、防災会議を開いて、全部のそうした大きな計画を決定するまでには至っておりませんということでございます。まことにこれは申しわけないと思いますが、できるだけ急ぎまして、御期待に沿いたいと思っております。
  51. 佐野憲治

    ○佐野委員 長官が時間が迫っておりますので、簡単にお聞きいたします。  豪雪地帯特別措置法ですか、この法に基づく豪雪地帯の指定というのは政府はやっておるわけですが、それとともに豪雪地帯に対する基本計画を立てねばならない、こういう規定になっておるわけです。それと関連いたしまして、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法、この法律に基づいて、三十六年から道路確保に関する五カ年計画を立てなくてはならない。もちろん建設省においては立てておるわけですが、これらの一連の法律と、いわゆる豪雪による当然予想される災害というものと、どういう形において調節に当たっておられたか、この点を一つお聞かせ願いたい。
  52. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいまのいろいろのお説、まことに肯綮に当たった御質問であると思いますが、私はあまりその方には詳しくなく、資料を持ち合わせておりませんし、事務当局もつれて参っておりませんので、まことに答弁が不満足で申しわけないと思いますけれども、そういう点につきましては次の機会に十分御説明申し上げるようにいたしますので、きょうは一つお許しいただきたいと思います。
  53. 佐野憲治

    ○佐野委員 ただいまのは、総務長官じゃなくて、企画庁の担当にもなるわけです。しかしながら、豪雪地帯特別措置法の立法過程におきましても、災害基本法ができようとしておるから、特別措置法という法律にかえると同時に、たとえば豪雪に対するいろいろな対策にいたしましても、あるいは雪害研究所——各省がいろいろ研究所を持っておりますけれども、今年度の予算を見てみましても、農林省あるいは建設省、あるいは国有鉄道、その他の研究所を持っておりますが、ほとんど豪雪に対する具体的な研究をなされていないということからも、やはり総合的な研究所を設くべきだ、これを法の中に明記すべきであるという考え方もあったのですが、政府が責任を持ってこれらの対策を講ずる、各種研究所におきましてそれらの機能の充実をはかる、こういう国の責任を明らかにされたので、特別措置法からこれを除外いたしておるわけであります。ところが、今次の災害が起こって参りますと、言われるように基本である災害対策基本法が生まれて、国の防災基本計画なり、あるいはまた業務計画ができ、これに準拠して地方の防災計画が立てられなければならないというのに、準拠すべき国の基本計画ができていない。これでは地方ができ得ないのは当然である。何をやっていいかわからない。しかも、準拠しなければならない。これに対しては、国は助言、勧告あるいは指導を行なう、こういうことになっておりますので、地方の方は混乱いたしておるのは当然だと私は思います。根本は、やはり国の怠慢にあるじゃないか。とともに、豪雪が例年化してきてしまって、例年豪雪に悩まされている。三十五年、六年にかけたような集中豪雪がときたまある。こういうために、豪雪地帯の指定をするということがこの特別措置法にうたわれておるにかかわらず、今日までこの指定もやらない。同時に、豪雪地帯に対する基本計画を立てなければならないけれども、この計画も実はまだ立っていない。こういうことで、私は非常に残念だと思うわけであります。  たとえば、先ほど気象庁の方から御説明はありましたけれども、災害基本法の中にもうたわれておりますように、気象に対するところの通報なり把握なり、これに対するところの機能を整備する、こういうことが重要な項目となっておる。ところが、新聞紙上を通じて私ども知るところにおきましても、欧州あるいはアメリカにおいても、日本においても寒波がくるのではないか、ことしは例年に見ない長期的な降雪を見るのではないか、こういうことが予想されているにかかわらず、これを真剣に取り上げる機関がなかったのじゃないか、たとえば気象庁の予算を見てみましても、どういう気圧配置、並びに雪の関係、山間部の関係、平地の関係、同じく局地的な地域におきましても変化が非常に激しいわけであります。しかしながら、現在におけるところの気象台にいたしましても、観測所にいたしましても、あるいはそれをつなぐ気象庁にいたしましても、雪に対するところの研究がほとんどなされていないし、またするだけの予算を持っていないというのが現状じゃないか、かように考えるわけです。同時に、それらのことを通報する、あるいは防災気象行政、これが地方あるいは国の公共機関なり指定行政機関なりとの関越性は一体どうなっておるか。こういう点につきましても、実はほとんどなされないままに雪が降ってきて、困った困ったという形で出て参ったのではないかと考えるわけであります。長官がお急ぎでありますので、希望的な意見にとどめておきますけれども、気象庁の方からおいでになっておりますので、これらに対して一体どういう措置をなされたか、こういう点もこの機会にお伺いしておきたいと思います。というのも、今後の見通しとして、やはり融雪期を迎え、あるいはこれからなおも積雪が続くのではなかろうか、こういうことも心配されておりますし、あるいはまた、なだれその他の対策等の不安も現地ではつのっておるように報告を受けておりますので、これに対するところの一貫した気象行政と、この利用体制というものを気象庁においては一体どういう形において進められておるか、こういう点をお伺いしたいと思います。
  54. 和達清夫

    和達政府委員 気象庁からお答えいたします。  今回の大雪に対しまして、長期予報としましては、十月、本年冬の寒さは例年より強く、雪も多いであろうというような見込みを出しておりましたが、現在の長期予報では、このような大雪になることを的確に推定することはできませんでした。さて、実際に日々の天気予報等におきましては、大雪に対する注意報は大体一日前、大雪の警報は半日前ぐらいに出しております。なお、大雪が降りますところの気象の条件、あるいは降りましてから積雪となりましてからの雪の性質等は、気象研究所において研究いたしておりまして、本年もちょうどこの豪雪のさなかに、北陸地方におきまして特殊の観測を行ないました。雪の研究は非常にむずかしいものでありまして、従来わが国におきましては相当なされておりますけれども、なおさらにいたすべきものと存じております。  しかし、雪の災害防止という面に対しましては、特に物理学的、工学的あるいはその他の防災の方面との密接なる連携において総合的に研究を進めることが必要であろうと存じております。
  55. 稻葉修

    稻葉委員長 角屋堅一次郎君。
  56. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 徳安さんは、予算の関係等もあり、先ほどお話のような準備の関係もあって、午後は出席がむずかしいということでありますので、この機会に伺っておきますが、先ほど徳安さんの方から、災害対策基本法に基づく二十四条の発動によって非常災害対策本部をつくる、こういうおぜん立てがきまったということでありますが、事態は、御承知のように、先ほど来各省の報告等もあって、緊急を要する問題が多いわけです。たとえば輸送力の確保の問題にいたしましても、あるいは食糧、緊急物資等の確保の問題にいたしましても、あるいは物価騰貴に対する対策の問題等もあります。さらに災害救助、あるいはこれから布にかけての雪解けに伴うところの、そういうものを含めての災害復旧の問題もあるわけですが、当面、中央防災会議として、緊急に今までの段階で政府として手を打ってきたもの、あるいはこれから打とうとする基本的なプランという問題についてのお考えだけをとりあえず明らかにしておいてもらいたい。
  57. 徳安實藏

    徳安政府委員 この雪害問題が起きましてから、防災会議といたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、各県知事に対しましても、中央でなすべきこと、要請されるべきことはどんどん申し入れてほしいということを、二十六日に各県知事に私の名で電報を打ちました。その後、各地からひんぴんとして要請が届いております。これは現在のところでは、あるいは建設省、あるいは運輸省、あるいは厚生省その他の関係の役所に対しまして全部それを移しまして、そうして、順次各役所の責任においてなし得るものだけは処置をとっていただいておるのであります。しかし、先ほど申しましたように、それだけではとうてい事足らない事態になったと考えますので、この際本部をこしらえまして、そうして国務大臣を長とする組織を立てまして、各省のこれに関する職員を全部これに集めまして、本日からでもそうした地方との連絡並びに処置、先ほどお話がございましたような輸送関係もございまするし、あるいは金融関係等の問題もございますし、各省からみんなそれは出ておりますから、これをきょうからでも取り組んで進めていきたい、かように考えております。     —————————————
  58. 稻葉修

    稻葉委員長 この際申し上げます。  本日の理事会において、豪雪による被害状況等調査のため、第一班として、秋田県、山形県、新潟県、第二班として、福井県、石川県、富山県、第三班として、鳥取県、島根県、以上の通り派遣地等協議決定いたしたのでありますが、航空機利用等につきまして、その手続等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 稻葉修

    稻葉委員長 御異議なしと認めます。  午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時から再開することとし、瞬時休憩いたします。    午後一時十六分休憩      ————◇—————    午後二時三十分開議
  60. 稻葉修

    稻葉委員長 休憩前に引き続きまして会議を開きます。質疑を続行いたします。佐野憲治君。
  61. 佐野憲治

    ○佐野委員 自治省関係の方がおいでになるまで、先ほどの状況報告報告漏れだと思われる点について説明をお願いしたいと思います。  それは、農林省関係報告の中で、家畜の飼料に対する対策、その確保に対する項目が抜けていたように思いますので、説明を願いたと思います。  もう一つは、厚生省関係でありますが、現在豪雪地帯において、前回もそうであったわけですが、屎尿処理あるいは清掃、これらを中心といたしまして、いろいろな病気の発生のおそれもありますし、現地において非常に難渋いたしておるのが現状だろうと思いますが、こういう事態に対して、厚生省としては、どのような指導、どのような対策を現にとっておられるか、この二つの点について説明を願いたいと思います。
  62. 八塚陽介

    ○八塚説明員 家畜の飼料に関しましては、これは当然人間の食糧に匹敵すべき重要な問題でございまして、私どもの方といたしましては、現在豪雪のあります北陸地方においては、一応、富山新潟政府で処理をいたしておりますふすまがございます。問題は、そういうストック・ポイントからいかにして実際に因っておられる農家の手元まで配給するかということでございますが、この点につきましては、できるだけ現地の、先ほど来お話がございました交通事情の好転といいますか、よくなる機会をのがさず送るように、いろいろ検討、打ち合わせをいたしておるわけでございます。  なお、配合飼料等につきましては、やはり東日本の方から多くを得るということになるわけでありまして、先ほどもお話がございましたが、若干の路線が通行できるようでございますので、できるだけ国鉄の方へもお願いをいたしまして、十分に措置をやるように努力いたしたいと考えておる次第でございます。
  63. 大山正

    ○大山(正)政府委員 豪雪地帯におきまする屎尿あるいは清掃等の環境衛生の問題でございますが、私、直接の所管でございませんので、詳しく存じておりませんが、目下現地に係官等派遣しておりますので、それらの報告、あるいはまた、直接現地地方県庁と連絡をとりまして十分対策を立てるようにいたしたい、かように考えまして、関係の向きに連絡するようにいたしております。
  64. 佐野憲治

    ○佐野委員 どうも、先ほど来の報告でいろいろ具体的に相当詳しく述べられているのに、今緊急な生活環境衛生、これらの病気発生の危険あるいは現状、これに対して全然触れておられない。厚生省の報告として非常にずさんじゃないかという感じもいたしますし、特に農林省の関係の方にいたしましても、家畜飼料の問題が重大な段階に立ち至っておる。そのストックの状況、あるいはまた備蓄の状況、具体的にどういうふうな現況にあるのか、こういう点を把握して、できるだけ早い機会に御報告願いたいと思います。
  65. 稻葉修

    稻葉委員長 環境衛生局長が来ましたら、さっきのことを答弁させます。
  66. 佐野憲治

    ○佐野委員 いずれ、書類でもけっこうですけれども、厚生省としての立場で——部局を代表して来ておられるのではなくて、厚生省関係のいわゆる災害状況報告、こういう形だったものですから、私は遺憾だ、かように考えているわけです。あとから文書ででも御提示願えばけっこうだと思います。  建設省関係の方に伺いたい。積雪寒冷特別地域における道路交通確保の特別措置法、この法に基づいて現に進められているわけですが、これの除雪費、特に三十六年度から出発している五カ年計画の中における除雪費、この費用をもって現に国道並びに主要地方道路除雪が進められており、これに伴って非常に経費が増高いたしているのですが、特に建設省自体が確保しておられる三億三千万円、これはすでにオーバーしているだろうと思いますし、これに対する地方負担の三分の一、これも地方によっては相当大きな財政負担になっておるので、これらに対してどのような考え方に立って今対策を立てておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
  67. 平井學

    ○平井政府委員 お答えいたします。  積寒法に基づく除雪費の予算でございますが、ただいま御指摘の通り、直轄事業につきましては約三億の予算がございます。目下のところ、直轄区間につきましてはこの予算でどうにかやっておりますが、今後の気象の工合では、直轄区間といえども何らかの追加措置をお願いせねばならぬかと思っております。肝心の補助事業でございますが、これは国会の非常な御援助によりまして当三十七年度から補助事業としての除雪聖業が初めて認められました。北海道、内地合わせてたしか五億だったと思いますが、これにつきましては、すでに去る一月二十五日現在でこの補助額を全部使い切ってしまっておる勘定でありまして、小さく申しますと、二十六日以後の県の除雪事業に対する補助金は底をついており、早急に予備費の支出なり、何らかの応急対策をおとり願うように、現在事務的にも進めておるような状況でございます。なお、機械等につきましても、逐年機械購入の補助金等を増額していただいておりますが、今回の経験にかんがみましても、まだまだ直轄並びに府県管理の道路に対して機械の足りないことはきわめて明らかでありまして、これは今後さらに十分対策を考えていきたい、かように考えております。
  68. 佐野憲治

    ○佐野委員 ただいまの積寒法は、国道の指定区間並びに府県知事が管理する地方道、こういうことになっておるわけですが、先ほど来の皆さんの報告によりますと、非常に孤立している町村が多くなっておる、あるいはまた、町村道において通行不能区域が三〇%なり四〇%を占めておる、こういう現状に対して、地方自治体においては、やはり町村道に対する除雪ということが緊急な事態だろうと思いますが、これに対して建設省としてはどういう御配慮になっておりますか。
  69. 平井學

    ○平井政府委員 お答えいたします。  実は、この積寒法が施行になります当初から、補助の対象は都道府県だけにとどめず、さらに関係の市町村にも及ぼしてほしいという強い御要望があったやに記憶いたしておりますが、諸般の事情で実現を見るに至らなかったようでございますが、実は建設省部内におきましても、今回の豪雪にかんがみまして、やはり県に対する補助事業だけではどうも足らない、こういうことを痛感いたしまして、機械の購入補助、あるいは除雪事業の補助、いずれもこれを市町村にまで延ばすように一つ早急に研究をし、努力いたしたい、かように部内で検討を加えておるような次第でございます。
  70. 佐野憲治

    ○佐野委員 現在の豪雪に直面して非常に機械の機動力というものが必要を痛感されたわけです。このことは三十五、三十六年度においても指摘されたところだと思いますが、三十六年度は六億円ぐらいの機械整備費が、三十七年度において逆に五億五千万円に削減されておる、こういう現状も出てきておるので、三十六年度はそういう異常な集中豪雪だということで騒がれただけに予算措置がなされたのだろうと思いますけれども、三十七年度に入って参りますと、もう大丈夫だろうといって五億に削減になっておるじゃないか、こういうことも非常に遺憾だと思います。と同時に、午前中の質問を蒸し返すようではなはだ恐縮なんですけれども、やはり災害対策基本法の中にうたわれておる防災基本計画の中に、道路交通を確保するための基本計画を樹立しなければならないということになっておるわけですが、それが現在できていない、こういうところに混乱はありますけれども、建設省としては、そうした意味から道路交通豪雪に対して確保する、こういう考え方に立って五カ年計画を進められておるわけですが、そういう中で、一体自治省とどういう形において、単なる国道並びに主要地方道だけではなくて、やはり町村道を含む地方道、それらを一貫した道路交通の確保、こういう基本計画に対してこれまで協議してこられた、あるいはまた、そういう中において、当然今日のような豪雪に対処する、こういう具体的な検討を加えられておったかどうか、こういう点をお伺いしたい。
  71. 平井學

    ○平井政府委員 お答えいたします。  前段の方でございますが、積寒機械の購入補助につきまして、あるいは私どもの数字の記憶違いかとも思いますが、建設省は決してこの機械購入に対する施策の推進についてなまけておるわけではございませんで、現に昭和三十八年度の予算要求につきましても、大蔵省の内示にとどまるわけでございますが、三十六年度の約二倍、六億に対して三十八年度は十二億という内示の状況でございまして、大幅にこの機械購入に対する補助が伸びておるものと私どもは考えております。むろん、これで足れりとは思いませんけれども、今後ますます機械の補助額をふやして、かような豪雪に際して、しかもびくともしないような体制にしたいと思いますが、決して機械の購入についても怠っているわけではございませんで、この点は御了承を願いたいと思います。  次いで、特にこの豪雪地帯、積寒地帯における道路交通の確保、道路の維持修繕等の問題、これにつきましては、昨年来新建設大臣のもとにおきまして、従来の一、二級国道制度の問題、あるいは地方道に対する補助三分の二の問題、いろいろの問題を、この際従来より以上に慎重な態度であらゆる角度からあらためてこれを検討し直して、真に今後伸び行く日本の活動力に即応した公共事業の中核としての道路の問題を再検討せよ、こういう指示であります。この直轄管理の問題、また、現在の補助が適正なりやいなやという問題、あるいは、さらに市町村道に対する国の配慮をもう少し、あるいはまた、逆に財源措置を講じて、自治団体の独力による町村道の改良をはかるべきかといったような問題につきまして、昨年来、ただいま自治省等とも連絡をいたして共同研究をいたしておるような状況でございます。三十八年度には予算の上にこれが現われるまでに至っておりませんけれども、三十九年度予算編成の際には、何とか従来より一そう、より合理的な、実情に即した道路行政が行なわれますように努力をいたしたい、かように考えております。
  72. 稻葉修

    稻葉委員長 中島巖君。
  73. 中島巖

    ○中島(巖)委員 災害の基本的の問題について質問すると際限がなく長くなりますので、省略いたしますが、昨年度の激甚災害に対処する国の財政援助の法律によるところのあれは、私が説明するまでもございませんけれども、従来と違って、地方公共団体の公共施設を一括して補助の対象にすることになっているのですが、その窓口が、昨年は、大蔵省といい、あるいは自治省といい、きまっていなかったのですが、それはきまったのですか。政府のどの部門でもけっこうですが、御答弁願いたいと思います。
  74. 安芸元清

    ○安芸説明員 河川局の方で計算事務をとりまとめて、河川局防災課でやるようになっております。
  75. 中島巖

    ○中島(巖)委員 そうしますと、たとえば学校であるとか、あるいは上水道、下水道であるとか、あるいは伝染病の関係であるとか、そういうようなものも全部一括して建設省でやる、こういうことですか。
  76. 安芸元清

    ○安芸説明員 お答えいたします。  その問題につきましては、各省でいろいろ協議いたしました結果、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の第二章グループの公共土木施設災害を主体といたします十四事業に対しましては、その占める率が、ほとんどのものが公共土木施設である、九〇%くらいが公共土木施設災害に属するものであるということと、過去における経験等を勘案いたしまして、建設省で計算するのが妥当であろうというような結論になりまして、各省と協議いたしまして、関係の各省三省ございますが、農林、運輸、建設、それから厚生、文部、この五省の事務次官が覚書を交換いたしまして、事務だけを河川局においてとりまとめを行なう、かように相なったわけでございます。それで、各都道府県に対しましては、計算を土木部でやるからということで、協力方の要請を教育委員会等に対して行なって——学校につきましては教育委員会でございますが、教育委員会、それから農林部、水産部というふうなところから、町村工事につきましては全部土木部に資料を集めまして、そこで積算する、県工事につきましては、本省に一括持って参りまして、各省と横の連絡をとりつつ本省で計算をいたすということで、現在、昨年の災害については諸準備を進めておるわけでございます。
  77. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それで、計算事務は建設省でやるということは今の御説明でわかったのですが、金の支払いや申請はどこですることになっておるのですか。
  78. 安芸元清

    ○安芸説明員 お答えいたします。  一応かさ上げ額の計算をいたしまして負担率がわかるわけでありますが、それを各省に通知いたしまして、その通知した額によりまして、各省から今度は予算配賦をする、こういう格好になっております。
  79. 中島巖

    ○中島(巖)委員 今の御答弁によりますと、やはり各災害を全部一カ所で集計せぬと補助率が決定しませんから、その事務は建設省でやる、そしてその補助金の交付は、今の御説明によると、各省ごとに補助金を申請して、各省ごとで補助金を交付する、こういうふうに了解してよろしいのですか。
  80. 安芸元清

    ○安芸説明員 そういうことでございます。
  81. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それでは、ごく目先に迫っている具体的な問題について建設省の住宅局の方に質問いたしたいと思います。私の質問しようと思ったことが、手回しよく大体この建設省住宅局提出のプリントに出ておるのですが、結局、今度の災害は、各所に飛び飛びに住宅関係災害があるわけでありまして、豪雪災害とともに、ここにも出ておりますけれども、甲信地方の突風で相当やられておるわけなんです。そこで、この住宅災害に対する救済方法ですが、現在の住宅金融公庫法によるところの災害復興住宅の融資の関係では、これは公庫法の十五条ですかにもある通り、一市町村の一割以上の被害があった場合とか、あるいは五百戸以上の場合とかということになっておって、この災害復興住宅融資は法的にはとうてい適用にはならぬ、これははっきりいたしておるわけであります。しからばどういうことになるかというと、このプリントにもある通りに、個人住宅建設の特別貸付を行なう、こういうことになっておるわけです。そこで、この個人住宅の建設の特別貸付は、新しく家を建設する場合に建設資金の七五%を貸し付けるとか、あるいは利子がどうとかいうことが規定されておりますけれども、今度の突風の場合、あるいは豪雪によるところの被害住宅の場合を考慮すると、家を建設するというのではなくて、一部がいたんでおる。おそらくこの住宅金融公庫法も火災なんかを対象としてできた法律であろうと思うのですが、この建設省から出された資料を見ましても、この突風によって長野、山梨、石川で全壊は二十八戸であって、半壊、つまり補修家屋は二百七十二戸というように十倍の数字になっておる。ことに豪雪によって、この一覧表がありますが、石川県のごときは、全壊は十二戸で半壊が七百五十九戸というように、三十倍も四十倍もの数字が半壊の戸数になっておる。従って、実際問題とすると、この半壊の修繕をどうするかということが一番緊急な問題であるということは、いかなるしろうとでも、この建設省から出した甲信地方の突風によるところの家屋被害並びに豪雪によるところの家屋被害、この数字を見れば明らかだと思うのです。  そこでお尋ねしたい第一点は、個人住宅の建設に特別貸付を行なう、こういうことを建設省では大きく打ち出してありますけれども、この九〇%以上を占めるところの補修家屋に対して、どういう措置をするつもりであるか、あるいは措置がないのであるか、措置をするとすれば、具体的にどういう法令に基づくか、あるいは行政措置で行なうのであるか、そうしてその額はどの程度行なえるのであるか、こういうような点について説明をお願いいたしたいと思うわけであります。
  82. 沖達男

    ○沖説明員 ただいまの中島先生のお尋ねの件でございますが、住宅金融公庫の災害復興住宅融資の適用になります程度災害におきましては、全壊とか全焼とか、そういう滅失した住宅につきましては、復興建設の融資のほかに、損傷した家屋につきましては補修融資という制度があるわけでございまして、非常に好都合なわけでございます。ところが、その災害復興住宅融資を行ない得る程度の規模に達しない、たとえば今御指摘の甲信地方の突風災害のような場合におきましては、今言われましたように、滅失した住宅につきましては個人住宅融資を行ないます。そこで、損傷した家屋の補修融資が行なわれないではないかというお話でございますが、幸いにも今度の三十八年度の予算におきまして、住宅金融公庫におきまして住宅の改修融資という制度を設けることをきめまして、近く国会でその関係法案の御審議をいただくことになっておりますが、改修融資の道を開くつもりでおります。そこで、その道が開かれますと、新年度から、損傷した家屋の修繕とかあるいは改良につきましても融資を行ない得るということになります。  その改修融資の考え方のあらましを申し上げますと、三十八年度におきましては、十億円の融資ワクを考えておりまして、融資は、改良とか修繕をやる分について融資するわけでございます。融資額は一件当たり平均十二万五千円程度を考えております。限度といたしましては、改修工事費の七割程度ということでございます。なお、金利、償還期間につきましては、まだ完全に政府部内の折衝が整っておりませんが、いずれにしても長期低利の融資になるわけでございます。
  83. 中島巖

    ○中島(巖)委員 今の説明で、この災害復興住宅には、今度の豪雪も突風も適用できないのだ、そうすると、個人住宅建設の特別貸付で行なう、この場合においては、現行法では、新しく建設するものであって、最も広い範囲で大きく要望しておるところの補修の費目はないのだ、こういうことがはっきりしたわけであります。  そこで、おそらくこの豪雪地帯もそうだろうと思いますし、この突風地帯においては、屋根を全部とられてしまった、あるいは家がねじ曲がってしまったというようなことで、結構取りこわして全然新しく建設するというのではなくして、つまり補修でやっていくという希望者がほとんど九〇%以上を占めておる、こういうことなのです。そこで、今のお説だと、本国会に新しく法律を出して、これが成立すれば、四月一日からは活用できるわけですが、それまでとても屋根をとったまま待っておるというようなことはできぬ。それで、結局現在の金融公庫法にも二つのことを示してありますけれども、「前二号に規定する災害に準ずる災害で主務大臣が指定するもの」というような一項があるの、ですが、この一項によって、たとえば四月一日以降に行なおんとする施策をやるということは、これは法的にできぬものですか。
  84. 沖達男

    ○沖説明員 ただいまのお尋ねのような運用の仕方は、ちょっと困難かと思います。本来、おおむね五百戸以上の住宅の滅失戸数がある場合に、災害復興住宅融資をやるという規定でございまして、五百戸ずばりといえない場合でも、しゃくし定木にならぬようにという意味で、これに準ずる程度災害があった場合に指定をしてそういう融資を行なうということでございますので、御指摘のケースにおきましてはちょっと無理かと思います。
  85. 中島巖

    ○中島(巖)委員 そこで、あなたの方では、今度の法律が成立すれば四月一日から適用になるからいいじゃないかというお考えですが、この突風でやられたものは、第一番に屋根が全部飛んじゃっているのです。この寒空に四月まで待てる理屈がない。そこで、それまでの何か便法をあなたの方で考えてもらえれば、各地方公共団体がこれらの救済に当たることもできるのです。そういうようなことを研究してみてもらいたいと思うのですが、研究の余地はないですか。
  86. 沖達男

    ○沖説明員 今までは、そういう小規模の災害におきましては、補修融資ということは全然なかったわけでございますが、このたびようやく補修といいますか、改修融資というものが日の目を見ようとしておるわけで、これは非常にわれわれとしては喜ばしいことだと思っておるわけでございます。ただ、仰せのように、そういう屋根が飛んだものをそのままいつまでも二カ月も三カ月もほっておくわけにはいかぬというのは、ごもっともでございまして、今とっさに考えられることといたしましては、応急の補修を一応やっておきまして、それから融資の時期になりましてから本格的な修繕工事をしていただくというようなことが一応考えられると思います。それ以外に便法があるかどうか、よく検討をしてみたいと思います。
  87. 佐野憲治

    ○佐野委員 先ほど来建設省の方にいろいろ質疑をいたしておったわけですが、特に豪雪による道路交通の確保、この見地に立って今現地地方自治団体は必死の努力をいたしておるわけですけれども、ただいま建設省のお話によりますと、積寒道路法に基づきまして大臣の指定する路線、これに対しましては三分の二の補助を実施しておる。ところが、予算総額もすでに食いつぶしておるという現況だ、こういうことなのですが、これに伴って当然補助事業として地方負担は三分の一、これも従って非常に膨大な金額になるのです。これらに対して一体どのような考え方を持っておられるかということと、これに関連いたすわけですが。大臣の指定する路線には補助事業をやるけれども、大臣の指定しない路線が府県道の中にも——今度の豪雪地帯には多いと思いますが。今建設省の報告によりましても、交通不通によって孤立しておる市町村が非常に多く報告されておるわけですが、そういうためにも何をおいても除雪作業を進めて参らなくちゃならない、こういう場合に、建設省の補助事業になっていない、積寒法に指定されていない県道、あるいはまた、全然対象から除外されておる市町村道、これらに対する除雪費というのは相当増高を来たすであろうと思いますが、それと同時に、それらに対しまして、現地においても、やはり将来の財政負担ということを考えて、現在の除雪作業そのものに対しましてもいろいろ逡巡しておる点が多く出てきておると思うわけです。  その意味から一つお伺いしたいのは、今度の交付税による測定単位の補正係数、これは前回の豪雪のときにも問題になったのですが、実際上における交付税による積雪補正係数というのは、現実にほとんど合っていないか、もらう必要額のわずか二〇%ないし一五%程度しか交付税で割り増しとして見ていないのが現状ではないかと思うのです。そこで、昭和二十四年から二十八年における積雪調査の結果として補正係数の割り増しがとられておるわけですが、その後変更になっておるかどうかということ、この点もお聞きしておきたい。  同時に、それらの交付税をもってしても、とても今日の豪雪に対する除雪費を償うものでないことは、御存じの通りだと思います。と同時に、私は特別交付税についてもお伺いしておきたいと思いますが、特別交付税の算定は、十二月三十一日をもって一応締め切られておる。それ以後に今次のような豪雪が発生しておる。しかも二月末日をもって特別交付税は配分しなければならないという交付税法の規定があるということになって参りますと、今日の豪雪に対する地方自治団体が皆負っておる財政上の負担に対して、自治省としては、特に除雪という点だけに限って考えてもいいわけなんですけれども、その除雪に対してどういうふうな措置をとろうとしておるかという点と、もう一つは、特別交付税は百分の六という規定があるわけですが、その百分の六の中で、今日の豪雪に対する緊急措置、特に除雪作業に対する費用というものを大体幾らぐらい見込まれる現状にあるか、これらの点に対して一つお答えを願いたいと思います。
  88. 茨木広

    ○茨木説明員 お答え申し上げます。  まず最初に、普通交付税の関係でございますが、今お話がございましたように、一番基礎のデータは、二十四年からのものになっております。二十四年以降五カ年間の、当時の農林省の農業総合研究所の資料が一番の基礎になっております。ただ、それぞれ国の人夫賃とか、いろいろな単価が変わっておりますので、それらの修正はこの基礎に加わっております。三十七年度で、各種の建物、それから道路、光熱水料、こういうものに入っております額を見ますと、県分で七億二千二百万円、市町村で十七億二千二百万円程度のものが、積雪補正ということで普通交付税の中に入れてあるわけでございます。それで、お話にございましたように、ちょうど今、特別交付税の時期になっておりますが、これについてどうするかという問題があるわけでございます。三十五年度の例もございますが、一応この普通交付税の方に入れますものは、一般的に、通常程度と申しますか、そういうものを一応予想して入れてございますので、特にこの豪雪の場合についてはやはり別途調整をする必要が出て参るというように考えております。今回も、やはり三十五年度のときと、その後普通交付税の方が相当整理されておりますが、その点も一応勘案いたしますけれども、当時の三十五年度のときは、今の国道について申し上げますと、指定区間がございますが、それを除きましたものと、それから主要地方道、こういうものを中心にいたしまして除雪の経費というものを見ていったわけでございます。やはり今回も、御意見のように、補助の対象にならないものにつきましても、全部というわけに参りませんが、主要な道路については除雪を現にやっていらっしゃいますし、そうする必要もあろうかと思いますので、特別交付税の際に考慮しなければならぬというふうに考えております。ただ、時期的には、ほとんど今作業が進んでおりまして、いろいろなデータが積み上げされておるわけでございますが、今からこまかい資料をとってというわけにも参りませんので、従って、気象庁等とも相談しまして、府県ごとに大体積雪の度合いによって地方によってウエートをつけまして、そしてあとは今の指定区間の面積を除きました国道とか地方道とか、そういうものの面積を勘案しまして、三十五年度にならって現在のワク内で操作をいたしまして出すという以外に方法はないのじゃなかろうかと思っております。三十五年度のときは、合計いたしまして三億ばかり出しておりますけれども、今回はそれを多少上回っておるのじゃなかろうかというふうに考えております。  それからあと、今研究いたしておりますのは、普通交付税の方の先般の臨時国会で通りました増額分、これは給与経費その他を含んでおりますけれども、その分につきましても、あと二カ月しか今年度はございませんので、従って技術的に概算交付できるかどうかという問題もございますけれども、要しますれば、この豪雪地帯につきましては、さらにその中でできるだけ早く概算交付をするような方法で今検討を加えておるような次第でございます。
  89. 佐野憲治

    ○佐野委員 ただいまのお話で、三十五年度の豪雪に準じて作業を進めておられるのはわかるわけですけれども、今度の豪雪の異常な性格から見ても、もう少し現地の実情を把握して、これに対して当然前回より割り増しとなる条件が非常に多く出てきておるのではないか、かように考えるわけであります。当然皆さんの方としては、二月末日をもって配分しなければならない、しかも十二月三十一日で一応締め切っておるという中にこういう事態が発生したわけですから、非常にいろいろ苦慮はしておられるでしょうけれども、やはりとの際、各自治体がかってないこの状態の中にとじ込められて、何としても火災の問題あるいは生活物資の問題、あるいは保健衛生の問題等、いろいろ経費に悩みながら、しかもその根本をなす道路交通の確保のために全力をあげておると同時に、先ほど申し上げましたように、非常に財政的な心配が、町村財政をあずかるものの中に芽ばえてきておるのではないかと思います。ですから、これらの事態に対するもっと根本的な把握をされて、これに基づく適正な特別交付税の配分、こういうことに対して考慮していただきたい、かように考えるわけでございます。  と同時に、私は、たとえば災害対策基本法が国会に提案されましたとき、おもに作業は自治省の皆さんがやっておられただろうと思います。しかも百五十ぐらいに上る災害法規、関連法規を合わせますと、私の計算だけでも二百五十から六十ぐらいになるという膨大な、今日の不統一の中に置かれておる災害語法規、これらを大体統一と調和を保たせるために災害対策基本法というものをおつくりになったこともよくわかるのですけれども、と同時に、豪雪のような事態が起きた場合に対処する具体的な防災計画を立てなければならない、こういう必要を痛感されておったわけです。だからこそ、災害対策基本法が政防法その他の関係で第三十八通常国会において審議未了になりましたとき、自治省はその後に、臨時国会前に、各地方自治団体に対しまして、やはり防災会議を設置する、あるいは防災会議において協議する事項はどういう事項であるか、こういうことをも、前例のない次官通達で指示をやっておられたわけです。それに基づいて現在各地に防災会議を設置しておるところもありますし、それに基づくいろいろな対策を立てておったのが実情じゃなかろうかと思います。もちろん、これにはこの法の前提となっております国の防災基本計画に準拠する、こういうことが前提となっておりますけれども、やはり例年起こって参ります豪雪あるいは台風、これらに備えてそれぞれの施策を進めておるだろうと思います。ところが、先ほど総務長官から聞きましても、実はまだ地方の防災基本計画ができていないのだ、あるいはまた、前後してこの国会を通過いたしました豪雪地帯特別措置法による豪雪地帯の指定も現在まで行なわれていない、こういう現状で、地方自治団体は住民の生命、財産を守るためにそれぞれの行政行為を続けておっただろうと思いますし、そういうさなかに豪雪を実は迎えたわけであります。これらに対するところの経費の問題等につきましても、災害対策基本法によりますと、あるいは別に法律で定む、あるいは政令による、これは豪雪地帯特別措置法の中におきましてもそういう用語がたくさん出てきておるわけです。ですから、現地におきましてはある程度の防災体制ができておる。これとすぐ取り組んでおるところもあるわけですが、しかし財政的に一体どうなるのだろうか。別段の法律あるいは政令、これらのものがほとんどできていないままに実は地方自治団体としては行動をやっておるわけであります。これらに対するいろいろな財政上の需要がふえて参っておるのに対して、やはり的確な指示——こういう場合にはこうだ、この場合は起債を認める、あるいは特別交付税のワク内において処理されるべきものはどういうものだという具体的な指示を地方公共団体にいたさなければ、非常に不安が解消されないというのが現実じゃないかと思いますので、これらの点に対して、どういう行政指導をやる、あるいは財政的にどういうことを考えておられるか、そういう点を念のためにお答え願いたいと思います。
  90. 茨木広

    ○茨木説明員 前段の方の問題につきましては、全般といたしましては総理府の方で各省と連絡いたしましてそれぞれの計画の整理を今やっておることと承知いたしておりますが、地方自治団体との関係におきましては、私どもの消防庁の方で、防災会議なり計画の方を、指導というようなことについてそれぞれ実施をいたしておるわけでございます。それから経費の方の関係につきましては、先般できました特別立法によりまして、それぞれ公共事業その他を中心といたしますものにつきましては、指定災害についてはそれぞれの特例措置を講ずるということになったわけでございますが、それ以外のものにつきましては、現存の各種の法律によってやっていく、こういうことになるわけでございます。雪害の場合におきましても、主としてこれは家屋被害が多いわけでありますが、それにつきましては補助金の出るものと出ないものとあるということで、出るものにつきましては、その地方負担分については、やはり起債の方で見ていくことになります。それから単独の公共建物の被害につきましては、単独起債ということで、それに乗りますものは見ていく、こういうことになるわけでございます。その外の、対策本部を設置いたしましたり、いろいろな諸経費がかかるわけでございますが、それにつきましては、現在、災害の際の特別交付税の配分の方法につきましても、従来、公共事業の査定額に二%かけたものを基礎にしてやっておりましたが、これをいろいろ検討してみますと、一%程度をそれに比例させまして、他の一%程度のものを、やはり人的被害、それから家屋被害——倒壊とか全壊とか、いろいろありますが、そういう要素も全部入れました配分の方法をして、その計算の中にいろいろ本部の設置費その他のものを全部入れていく、こういうようなことで考えておるわけでございます。大体そういうことで、普通の場合でありますと諸経費が大体間に合うようであります。ただ、雪害の場合には、道路除雪等の問題が特にこぶのように別途ついて参りますので、先ほど申し上げましたように、この点については、今回やはり特別交付税の際に別途これは見たい、こういうふうに考えておるわけでございます。なお、だんだん雪によります災害についての考え方も従来より変わってきているんじゃないかと思います。従来ならば通常ほったらかしておきましたものについても、だんだん除雪をしていくという要請が非常に強まってきておるというふうに考えておりますので、今後とも漸次財源の方と見合って勉強して参りたいというようなつもりで取り組んでおります。
  91. 佐野憲治

    ○佐野委員 大体自治省としての考え方はわかりましたけれども、しかし、末端における町村の財政をあずかるものとすれば、住民から非常な要求、需要が多くなって参る、それにこたえねばならない。ところが、財政的あるいは金融的な措置がはっきりわからない、この基準が示されないということになって参りますと、一体どこまでやっていいのか、こういうことにいろいろ逡巡いたしておるわけであります。あるいは除雪の場合にいたしましても、どれくらいが町村の必要な作業量なのか、これらに対しましても非常に混乱が起こっておるのではないか、そういう事態をやはり逡巡いたしておると、火災その他の問題が起こり、あるいは生命財産に関するような事態が発生いたすおそれが非常に多くあるのじゃないか。そういう場合に、的確にこれは町村の事務だという形において、明確にそれに地方自治団体が取り組めるような、そういう体制というものが、今すぐ措置と申しますか、そういう基準を明示する、こういうことがやはり大切じゃないか、かように考えるわけです。そうしなくては、皆さんの考え方は、県段階の財政当局程度まではわかったといたしましても、一般の——しかも県庁に参りますと、各省いろいろな災害対策本部が設けられていて、それらから直接各部課に指示がやってくる。それと同時に、どこまで財政的にこれが保証されているかということに対して、いろいろ混乱が起こって参っておりますし、それらに基づく町村行政に対していろいろ指導をやっている点に対しましても、どの程度までが財政的にいわゆる裏づけがなされるものか、あるいは起債にいたしましても、特別交付税の総ワクにいたしましても、大体どれくらいが見込まれるか、と同時に、この程度までは財政的に裏づけがあるのだという基準を明確にすることが今非常に大切じゃないか。現地にこれからいろいろの調査団が派遣されるわけですけれども、そういう中において、やはり一番先に突っ込まれるのはそういう点じゃなかろうか。それだけに、国としても自治省としても、地方団体に対して明確な指示、豪雪、ことに除雪作業に対しましては万全を期する、こういう措置を、財政金融の裏づけというものを明確にしておくことが必要じゃないか、さように考えますので、一応私の要望を伝えて、質問を終わります。
  92. 稻葉修

    稻葉委員長 大野市郎君。
  93. 大野市郎

    大野(市)委員 未曾有の雪害を受けましたので、私も、上越線で昨晩ようやく乗り継ぎで上野までたどりつくことができて、けさ東京に着いたわけです。従いまして、現地の事情は、降り込められて、混乱の実態をまのあたり見て参ったわけであります。そのために、具体的なこれからやるべき処置につきましては、現地でも今の現状打破で手いっぱいでありまして、いろいろこまかい打つ手は、やがていろいろな形で要望が出てくると思います。従って、私も、それらの具体的な対策に対しては別の機会に詳しくいろいろ御質問もし、要求もしたいと思いますが、二、三の点につきましてただしておきたい点がありまするので、その部分だけ申し述べてみたいと思います。  第一に、何としても交通網の確保が問題で、午前中もその説明を十二分に聞いたのであります。特に鉄道とそれから国道筋の問題になるわけでありますが、国道筋の問題で、機械除雪の部面がありまして、これが非常な効力を発揮しておるわけであります。この点、ただいま建設省が手持ちをいたしております。あるいは各府県で保有しておりまする除雪機械の中で、日本の市街地の道路の幅という問題が特別にありまして、町幅が狭いために、そういう除雪機械が活用できないうらみがあるわけであります。しかも買付にあたっての除雪機械の種類別を見ますと、それが忘れられているのじゃないかと思われる。たとえばショベルローダーであります。ああいうふうなものを取り入れましても、狭い町中では除雪ができないのであります。今回は三条市が、積雪量四メートルという未曾有の積雪であります。それから長岡市が三メートル、いずれもわれわれの記憶にたくさんない豪雪であります。これが長岡市の場合においては、戦災で焼けたあとで都市計画が実行されておったので、まだいろいろな除雪機械が効果を発揮できたのでありますが、三条市は町幅が昔のままでありますために、今回の国道筋の開通にあたってのネックになって、生鮮食料品国道筋を通じての輸送路も閉ざされたという結果を持ったわけであります。そういう意味で、除雪機械の買い上げ、選択にあたっても格段の工夫が必要だ、こういうことを痛感いたしましたので、これは私の考えとして本委員会に一つ申し述べる機会をいただいたわけであります。  それから第二は、ただいまはもはや一級国道の開通を念願にされるのはよくわかりますが、たとえば栃尾市というふうなそれぞれの地方都市があります。これらが、全然鉄道道路も閉ざされて孤立をしておるわけであります。これが県道であります。主要国道からはずれる。しかしながら、そこには有力な地方都市があるわけであります。こういうような場合に、県といたしましても、県道でありますから力を入れたいが、いまだ全然手がついておらぬのであります。こういう点に対しての道路確保という点から、主要地方道その他の地方道に至るまで、道路確保法においては、それぞれ建設省と協議の上指定路線がきまって、除雪を約束しておるわけであります。現在の積寒道路確保法の体系からいって、国家は約束いたしておるわけであります。こういう点に対する指導を建設省としてはいかにしておられるか、この点を一つ承りたい。
  94. 平井學

    ○平井政府委員 お答えいたします。  前段の除雪の機械あるいは雪の積み込みのための車両、こういった点につきましては、確かに御指摘のような不一致な面が絶無とは申せません。現に地建が直轄区間について用います積寒機械につきましては、新しい有力なショベルローダー、その他除雪の一方からどんどんこれを積み込んで後方へ送り届けるというセットが割合に完備しておりますが、地方団体のものにつきましては、いろいろな事情で必ずしも完全な状態になっておりませんけれども、今後配賦予算の補助金額の増額に伴って、そういう能率的な機械を購入していただくように御指導なり勧奨をするつもりでやっております。  それから、特に三条市内のお話がありましたが、これは事実、北陸地方建設局長からも、この三条市のはずれのところ約一キロ間が最大のネックである。人家が両側から迫っておって、そのために除雪が思うにまかせない、現在の国道八号の改良工事も業半ばでありまして、このバイパスがまだ仕上がっておらないという点も報告して参っておりましたが、これにつきましては知事側の強い要望もありまして、現在最大の重点として、県側と協力して除雪に努めておるような状況でございます。  さらに一級、二級国道以外の地方道でございますが、これは決して私どもも軽視はいたしておりません。平生から県側と協議をいたしまして、豪雪の際の除雪計画路線というものに、日ごろの交通量あるいは市民生活の確保上特に必要な路線というものは、地方道でございましても、特に計画の中に入れてあるのでございまして、地建といたしましても、直接の責任区域ではございませんけれども、補助対象の道路でございますし、知事側と不一致のないようにいたしております。ただ今回のところは、つい一両日前まではかんじんの三条その他、柏崎あるいは新井市、こういったような幹線道路、大動脈の方の除雪に力を奪われまして、県、地建ともにこちらの方がいささかあと回しにせざるを得なかったような事情のように聞いております。幸い大体幹線道路の打開の見通しもおよそつきかけておりますし、鉄道の方の開通も目睫の間のように聞いておりますので、従って、機械あるいは人員等を他の地方から、たとえば関東、中部地方から送り込むのにも送りやすいという状態がだんだん醸成されつつありますので、そういった応援部隊、応援資材等をもフルに活用して、こういった地方道の中の重要な路線につきましても除雪、開通に全力を注いで参りたいと考えております。
  95. 大野市郎

    大野(市)委員 順序としてそうなると思いますが、ぜひ努力をお願いします。  それから国鉄の方でありますが、この国鉄の方の除雪状況につきましても、いろいろ地元では早い、おそいということを論議しておりまして、現実に現場を見ておりますと、せい一ぱいの作業であったというふうに私は印象づけられたのでありますが、ただ問題点になりますのは、やはり異常気象が気象庁から通告があったのでありますから、寒波のくるのはわかっておったわけです。現実に昭和三十五年から六年にかけてのラッセル車その他の除雪車の配置状況に対して不備があったという指摘をいたした事実が二年前にございます。今回は、そういう意味合い、における降雪被害の起こる以前における除雪車の配置状況に対して、十二分の検討の上配置してあったかどうか。これは地元で非難をする者もあるのであります。私は、この点、将来のことも含めまして、ぜひ降雪被害を受ける直前の配置状況を当委員会報告してもらいたい。これは、またこういう目にあってはかないませんので、当然当局でも検討をされておるでしょうから、その資料をいただきたい。これを一つ委員長、お願いしておきます。  それから第三点は、せっかくの流雪溝の設備が、三十五年災で認識された結果、非常な大きな予算をもってできたのであります。ところが、流雪溝の末端の川への投入面で支障が起きたというので、流雪溝が使えなくなっておるのであります。これが、最大の被害を受けた、越路を三日間ほど雪中に放置せざるを得なかった長岡操車場の非常に大きな被害の原因になっておる。せっかく設備をしながら、流雪溝の末流が川に落ち込むあたりの工夫が足らないというのは明らかであります。こういう点に対して、火焔放射器を使ってそれらの落とし口を溶かしてみたらというので、私が立ちます昨日午後三時に十二師団長が立ち会われてその試験をしてみたのであります。残念ながら、火焔放射器は、ちょうど雪の中へ油が非常な勢いで焔になって誘い込まれるだけで、金物の中へ油を入れて油が自分の力で燃えるのを待つだけというふうな形で、雪の溶け方ということからはうまくいかなかったのであります。こういう点に対しても、たとえば蒸気で溶かすという方法、あるいは消防隊、あの水の圧力でその部分を、つまり流雪溝の一番最後の場所、川との接続点の雪塊を流し去るという作業ですね、そんなような工夫がなかったものであろうか、この点疑問でありまするので、そういう検討をされたかどうか、それをまず承りたい。
  96. 滝山養

    滝山説明員 お答えを申し上げます。  最初除雪車のお話がございまして、一昨年の災害の際に非常に除雪機械の立ちおくれということを私どもは痛感したわけでございます。国鉄の今ございますような除雪車昭和の初期に整備されたものでございまして、それからあと相当の日にちがたっておりますが、その間割合大雪が少なかったということもございますし、またその当時は列車回数が非常に少のうございましたので、単線ではございますが、合間々々にラッセルを動かしても、列車を取り消すということはあまりやらなくて済んだのでありますが、昨年の災害の際には、御承知の通り主要幹線に列車がぎっしり入っておりまして、そこにことに旅客列車をたくさん抱き込んでおったという理由もありますが、従来の除雪車では非常に不備であるということから、除雪車の、ラッセルを中心としましたものの改造にかかったわけであります。しかし、そのおもな改善は、従来のラッセルの構造上の不備は改良したのでございますが、新しく根本的な問題としましてディーゼルを採用する——従来は蒸気機関車でございますので、スタートを切りますのに相当時間がかかりますし、それからまた、ラッセルは前を押していって、ある地区から方向転換しますのに転車台にかけなければならないということがございましたので、前後両端に翼をつけてどちらへでも進めるようなディーゼルのラッセルというものを開発いたしまして、昨年からつくり出したのでございますが、こういった新しいものにつきましては、いろいろと馬力の問題とか、あるいは使用上の問題もございまして、今まだ試作というような格好でもってDD14というものが三両、DD15というものが五両配属した程度でございまして、当初の計画のように大量に整備するという段階に至らないうちに今回の災害にぶつかったようなわけでございます。あとまた小型で手っとり早くかかれますモーター・カーのラッセルというようなものはある程度整備いたしまして、これは主として支線、側線程度で使えるという状態が一つあるわけでございますが、仰せの通りまだ十分に整備しておらない段階にぶつかったのは事実でございますので、今後この経験を生かしまして、改良すべきところは改良いたしまして、早急に整備をはかりたいと思っております。  なお、今回私どもといたしまして非常に苦労いたしましたのは、従来北陸あるいは新潟地方の雪というのは重い雪でございまして、重い雪を処理するということについては相当長い間の経験があったのでありますが、今回は、量においては従来の記録を破りながら、また気温あるいは風の点では北海道に近いような粉雪で、しかもそれが飛び去るというような問題、これからまた、非常に温度が低いためにいろいろと雪が凍りつきまして、凍りついたためにまた列車が脱線するということも起きまして、従来経験していなかったいろいろな新しい困難に遭遇したことも事実でございますので、こういったいろいろな技術的な問題を今資料を整備いたしまして、一段落つきましたら、根本的な対策をもう一ぺん再検討いたしまして、最適な施設というものを考えたいと思っております。  なお、その次の流雪溝につきまして、これも私ども今後総合的に御判断願わなければならぬと思っておるのでございますが、実は国鉄はいち早く流雪溝というものにかかりまして、長岡の操車場のごときは、私の記憶では、昭和の初期から流雪溝を整備して、最もその流雪溝に依存しておった操車場でございますが、この水をたしか柿川という川に流しておったと思います。この柿川は信濃川に流れ込んでおるのでございます。ところが、最近になりまして道路除雪あるいは人家の除雪というものが非常に進みまして、この柿川をやはり利用されているんじゃないか。ところが、流雪溝の問題は、今御指摘の通り、雪が水を浮きながら流れるわけでありますから、運搬能力からいきますと、ほかのものに比べて非常に能率がいいのでありますが、これが詰まりますと水がはんらんするのであります。従って、その流末の処理というものが大事なのでありますが、今のように一般の処理が進んで参りますと、鉄道ばかりでなく、全体の流雪溝をどう使うか、またこの流末処理をどういう工合に使うかということが重大な問題じゃないかと思いますので、この問題につきましても総合的に皆様方のお知恵、御協力を得なければならないのじゃないかと考えております。その程度状況で、詳しい実情についてはまだ十分に把握しておりません。
  97. 大野市郎

    大野(市)委員 冒頭に申し上げましたように、現地はほんとうに血眼で寝ずにやっておりますので、関係者に会いましても、まっかな眼が疲れ切っておりますから、私もそれ以上問答しないでこの委員会に出てきておるようなわけでありますが、申し上げたいのは、せっかく設備をしたものが、その川に住民が雪を投げ込むからその川が埋まったという説明ですけれども、そんなわけじゃなくて、川は流れてくるのです。何か障害物があってそういう現象が起きるところにどんどんくるから、遊水はしていないんです。詰まったのならば遊水するはずです。上流は水が流れている。下流も流れている。そこに血眼になったために、一生懸命であるが、おか目八目が必要じゃないか、かように思ったわけで、せっかくの設備を活用するようなこまかい施策がほしい。特に蒸気あるいは水道のホースというような力で簡単にできるのじゃないか、こんなふうに思いましたので、一例ですが、御研究を願いたい。  もう一つは、いわゆる国鉄の職員が非常に熱意をもってやっておるにかかわらず、指揮系統が——保線区、駅長、運転ですか、いろいろな指揮系統がありますね。これが一つの汽車を動かすにも、旅客を誘導して並べて乗せたが機関車の操縦士がいないというようなことがありまして、現場では再三朝三暮四の示達が出たわけであります。これが乗客に非常に不安感を与えて混乱しておりますから、こういう点は、前回も例があることですから、そんな内部の統制がうまくいけばできるはずのものができないということは、災害対策のやはりイロハのイじゃないかと思うので、これはこれからもまだ続くと思いますので、その問題を一つ御検討いただきたい。これはただいまの国鉄支社の人間の問題ではないと思うのです。組織の運用の問題だと思うので、これは自衛隊の運営と比較して、性質が違うといえばそれまででしょうが、異常災害に対する心がまえがやはり違うのではないか。そういう点で、異常災害のときにどういうことで現場の指揮統一をはかるかという問題が欠けておるようであります。支社長のところに行けば一つの命令権があってできるでしょうが、長岡なり、三条なり、加茂なりという各現場の駅の単位になりますと、それらの指導というものが非常にばらばらである。この点はこれからも雪の降っておる間続くと思いますので、ぜひ検討してもらって、権限の移譲をさせるとか、その現場長をだれに任命するとか、こまかい方法があり得るはずだから、自衛隊と比較して恐縮でありますが、自衛隊はその点訓練であるから喜んでやっておるが、非常な熱意でこれらが動かされるのは、異常災害だという考え方がやはりはっきりしておるせいだろうと思います。この点、国鉄の仕事に対しまして疑問点が、技術的な点が一点、それから機械の配置が一点、それからただいまの現場の指揮系統が目にとまりましたので、次回の委員会あたりまでにさらに検討の結果を御報告いただきたいと思います。  それから特に問題になりますのが、営業関係でございましょうが、乗客に直接にぶつかる駅員の方々です。私は昨日、ローカル線しか出ないが、長岡から小出までの汽車が出るので、それに乗るように言われました。特にその小出から上野までローカル線がさらに出るから、それに接続して私は帰って参ったのです。家族が、どうなるかと思って、上野駅の駅長室に、午前四時に着くのだが、まだ着かないかということを聞き合わせますと、そういう汽車が出たことは知らないという駅長室の答えです。それでわざわざ夜中に私の郷里に電話をして、現実にその汽車はどうなったかということを調べた。ところが、それは二時間おくれて六時に到着したのです。こんな災害になって初めて出る汽車、乗客は約四百人、それが、家族が夜中に待っていて、上野駅の駅長室に照会したら、汽車の出るはずはないという。私は帰ってきまして、なるほど、われわれが現実にそういう目にあうのだから、乗客が、この汽車はどうなるだろうと言ったときに、さあわからないという返事をする、こんな無責任な、責任感のない考え方はないというふうに私はきょう実例で痛感しました。雪の中にいる者は真剣なんですよ。高崎から雪のないところ、つまり管区が違うとそんなに冷淡だということは、私は大へんなことだと思う。上野駅にしろ、東京駅にしろ、聞けば、国鉄だと思っておりますから、心理的な問題でありますが、やはり根幹の雪害対策がうまくいかなかった理由じゃないかと思いますから、これもつけ加えて私の御注意として申し上げます。  それから、自治省の方に先ほど佐野委員からもお話がありましたが、積雪補正の是正をまだやってないというお話を承って、奇怪しごくなんです。これは三十五、六年災において二十八年度の統計しかないためにそういう状況であるが、すでに三十六年になったのであるから、一番新しい統計をもって積雪補正をいたします、こういうことを当時この委員会においてあなたの方の責任者が答えておるのです。それがすでに両三年もたとうとするのに、また今回どろなわ式に、まだそれは手が入れてないというような考え方は、はなはだ私としてはふんまんであります。なるほど、実際の取り扱いは、特別交付税の方で、三十五、六年災のときも非常に大幅に、助成関係などを含んで、地方自治団体に対して交付税がたくさんいったようであります。けれども、そんなことじゃないのです。法の中で積雪補正をするならするで、あなたの方で積極的にならなければいかぬのだから、今回はもうそういう答えではがまんならぬから、委員長から、この点は一番新しい統計資料に基づいて積雪補正を改正するということを、かたく当委員会の名をもって一つおきめを願いたい。  それから屎尿処理の問題に対して、佐野委員からのお話を受け継いで申し上げたいと思いますが、これがやはり道路が確保できますと全部解消するわけなんです。これが一級国道さえも今必死の状況でありますから、災害なんだから、物理的に、今すぐ万全であることを望む方が無理だと思いますから申し上げたいが、屎尿処理の、タンクでパイプをひっぱって、相当の距離を屎尿がくみ出せる機械が、大都市はどこでもございますね、あれが助成の対象になっていると思いますが、予算措置を何とか工夫して、あの機械が雪害地相当導入されますと、大通りにその機械を置いて、ホースを長くつなぐそうすると小路の中まで入りますから、一般家庭の屎尿の処理が大通りでできるのです。これ以外、くみ取りを手でやっていくなどということでは、とても不可能なんです。二階から出入りしたり、一階の玄関口も何段か下がって自分の家の玄関口に着くような積雪状況ですから、その方法以外ありません。ですから、こういう点に対して、雪害対策の一つとして、ただいまのような屎尿処理の機械を特に重点的に配付せられるような計画を考えておられるかどうか、こういう点を承りたいと思います。今はやむを得ないものですから家族がくみ出して、雪ですからこれは解けないので、仕方がないから雪を掘って、土と同じような気持でそこへあけかえている。それも広場がなければできない。これが実は人の目につかないけれども、一番生活にとっては大へんなことでありまして、厚生省として何か予算措置でそういう問題が解決しますと、各市町村は喜んでその購入を急いで、住民を安心させると思いますので、これも見たままの自分の考えでありますが、厚生省の御見解を承りたい。
  98. 茨木広

    ○茨木説明員 先ほど答弁の中で申し上げました点について、若干補足申し上げたいと思います。  先ほどもちょっと触れたつもりでございましたが、ただいま御意見がございましたように、積雪寒冷補正の問題でございますが、これは単位費用と、測定単位の数値と、それからさらに緑地区分ごとの数値が関係して参るわけでございますが、この一番基礎に申し上げました緑地区分の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、今一番よりどころになりますものは、二十四年から五カ年調査したものが、積雪のこの級地区分については基礎になっておるわけでございます。その他の単位費用、それから測定単位の数値、こういうものについては各年度改善を加えております。先ほどちょっとそれも触れたつもりでございましたけれども、従って、三十七年度の数字でもって申し上げますと、県分七億、市町村分で十七億、こういうふうに申し上げたわけでございます。さらに三十八年度におきましても、単位費用その他については改善を加えるようになっております。ただし、その一番基礎的な級地区分の問題につきましては、なかなか私の方の表だけでどうこうということに参りませんものですから、さらによるべき数値があればそれによる、そういうふうになると思います。実はそういうふうになって、内容は総体的には改善されておるわけでございます。
  99. 大野市郎

    大野(市)委員 ただいまの、一部手直しをしたという話でありますけれども、それでは承知がなりません。あなたの方で、二十八年度以降に、一番最近のたよるべき数字があるはずですから、そのたよるべき数字に基づいて計算のし直しを全般的にせられるのが当然であって、三十五年度のときにその約束をされながら、できないというならできない事情を承りたい。できるはずです。手をつけないだけです。ですから、私は委員長を介しまして、このことを当委員会の要求として自治省に実行してもらうように要請をしておるわけです。
  100. 稻葉修

    稻葉委員長 ただいまの大野君の発言について、これを委員各位の御了承を得て委員長から自治省に申し入れをいたしますが、御異議ございまんせね。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 稻葉修

    稻葉委員長 さよう決定します。
  102. 五十嵐義明

    ○五十嵐政府委員 大野先生の御指摘の屎尿処理問題でございますが、これはこういった災害の場合でなくても、実は全国的に非常におくれておりまして、これを緊急に整備して参りたいということで、今回も五カ年計画を立てて促進をはかって参るつもりで予算要求をいたしておりますが、ただいまの真空吸引車と申しますか、バキューム・カーと申しておりますが、これの整備につきましては、逐次起債の裏づけなどをいたしまして、従来とも努力をして参ったわけでございます。  今回の雪害対策として特にこれを取り上げて、この機会に措置することができ得るかどうかということは、三十七年度の起債の配賦も終わっておることでございますので、これは十分検討いたさなければならないことだと存じますが、三十八年度におきましてもこの起債のワクを若干要求いたしておりますので、その実施の段階で、こういった雪害問題等も加味いたしまして検討さしていただきたい、このように考える次第でございます。
  103. 大野市郎

    大野(市)委員 財源の問題で一点忘れておりましたので、道路局長にもう一回承りたいのですが、積寒道路特別措置法によりまして、いわゆる「予算の範囲内」を削り、三分の二の補助をすることになりました関係、私どもは、現実の除雪にかかった諸費用に対して、予算措置としては、予算要求以上にはみ出たものは、予備費が用意してあるから、これをもってまかない得るものと解釈しておりますが、この点をただしておきたい。
  104. 平井學

    ○平井政府委員 お答えします。  特別会計の方では、まだこれは現在のところぎりぎり詰めた数字でございませんが、おおむね御要望にこたえ得る程度のそういった予備的な財源はございます。なお、それで足りなければ応急の措置をとるつもりでございますので、一応御安心願えると思います。      ————◇—————
  105. 稻葉修

    稻葉委員長 この際、申し上げます。  派遣委員が決定いたしましたので、お知らせいたします。  第一班、山形、秋田、新潟の三県、これは池田清志君及び島本虎三君、第二班、富山石川福井の三県は、角屋堅次郎君、玉置一徳君及び私、第三班、島根、鳥取の二県は、松田鐵藏君及び岡本隆一君にお願いいたすことにいたします。  なお、派遣期間は、第一班及び第二班は六日間、第三班は五日間であります。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会