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緒方委員 もう一、二……。私はいろいろ
質問の中から総合してみましても、
日本の西のほうに向かって、
板付に105が入るのと同時に、
原子力潜水艦も長崎にいつでも来ていい条件をつくっている、
北九州にはナイキ・アジャックスの
基地が持たれる、こうなってまいりましても、105は原爆弾頭は持っておりません、ナイキ・アジャックスは原爆を発射できません、
原子力潜水艦も単にお寄りするだけです、こう言っている。しかしながら、一たん事が起これば全部原爆が発射できる体制になっている。これを心配しない者はどうかしておりはせぬでしょうか。
外務大臣にお伺いしますが、常時
アメリカと
連絡会議を持っておると言われましたが、
アメリカが今日心配し苦悩しておる問題をあなたも十分御存じのはずです。日韓会談、ずいぶん努力しておられますけれ
ども、どうも韓国の状態は安定しそうにありません。
アメリカにとっては一番苦悩の種であります。ラオスがどうかこうか落ちついたと思ったらまた非常な段階に立ち至ろうとしている。これに神経を悩ましておるのも
アメリカの今日の実情。あなたも十分に御存じのはず。ベトナムはどうか。一万五千人の
アメリカの正規軍が入っている。いま一生懸命やっておるが、至るところで敗北を重ねつつある。
アメリカの報道がそれをやっておるので間違いはないでしょう。ここにも何らかしなければならない。この一週間ほど前
台湾から張群さんがやってきた。中国の反攻は間近に迫ったと盛んに気炎をあげておる。この条件の中で、いつでも原爆が運搬できるぞという体制を固めていっておることが重要な
装備の
変更でないと言われるのか。もし、あなた方が、いままでの
連絡会議の中でもってそういう国際的な動きとこのねらっておる事態とを十分に承知しながら、
原子力潜水艦の
寄港の問題や
F105の取り扱いの問題について、簡単に
一つ一つ切り離された問題だというて
国民の納得を得ようとすることは、これは私は
国民を欺瞞する手じゃなかろうかと思う。そういう心配はないというならば、あなた方はあまりにものんきじゃなかろうか、こう
考える。少くとも政治をつかさどる者は、
国民に先んじてこれを憂い、
国民におくれてこれを笑うというか喜ぶ、それが政治の常道でなければならない。この緊迫したアジアの
情勢の中において、こういう
装備の大きな変動がある中に、
国民全部が心配しておる中に、あなた方だけのんきにしておるというのでは、これは、昔の聖人がおっしゃられたように、政治を担当する能力なしと私は
考えざるを得ない。その点の所見を承っておきたい。