○
説明員(清水康平君) トキの問題は、現在確認されておる数は、日本しかおらない鳥で、申し上げるまでもないのでございますが、石川県に五羽、佐渡に六羽おります。これは当
委員会の先生方の現地国政
調査をきっかけにして、佐渡のほうは、国政
調査の結果、国で約三百二十町歩を四千四百万円で買いまして、国際保護鳥であるトキの卵を生んだりする場所、生息地というようなものが確保されたわけでございます。ところが、ことしですか、また当
委員会の御
調査によりますと、その御報告によりますと——衆議院です。うっかりしておりましたが、とにかく
国会の国政
調査の方々があそこに行きまして、その非公式のお話によりますというと、国で買うた三百二十町歩以外のところへトキが遊びに行っておる。これは鳥ですから飛んでいくのは当然ですが、その土地がどうも売られる傾向がある、伐採される傾向があると言っているがどうだろうかという話があって、
調査いたしましたところが、約三百何十ヘクタールのところが官行造林地域になっているわけです、大正十一年から
昭和七十七年まで。農林省に問い合わせましたところが、農林省としては官行造林にはなっているけれ
ども、地元が切るという意思がなければ切るという
考えはない。それで、
教育委員会に問い合わせましたが、
教育委員会もわからない、とにかく世界にあすこに六羽しかおらぬのだから、地元でさっそく
調査いたしましたが、新穂村などは痛しかゆし、トキは守りたいが造林のあれも伐採いたしたいという気持もあるようです。それで、やはり財政上必要だけれ
ども、一体、トキが飛んで歩くのですけれ
ども、大体どの辺を飛んで歩くのか、それから切りたいといっても、まる坊主にしなくても、合間を縫って切る
方法もあるし、この点もう少し地元としても
考え方をまとめてもらう必要もあるし、またひとつ来春に雪も融けましたならば、専門家も行ってもう少し現地を
調査してみよう、こういう結論に到達しております。それからもう
一つ、五羽おります石川県の問題でございますが、これは御
承知のごとく農林省関係で土地開拓団といいますか、それを、トキがやはり何といいますか、飛んで歩く林の付近を開墾いたしました。そのためにトキの生息に非常に影響を及ぼす、それは困ったものだということで、私
ども現地に参りましたし、石川県とも
折衝いたしましたところが、石川県といたしましては、開拓団のために別な土地を、代林地を与えてやる。それから木を切られたところは石川県の力によって木を植える、それに要する経費は約七百万円でございましたか、これは石川県が自主的にやると言っております。それから、それもトキ生息地帯といたしまして仮指定をいたしたのでございます。この点は私
どもといたしましては、石川県または石川県民の人たちのトキに対する認識と理解、それに伴う御
努力に対して衷心より敬意を表するとともに、国として今後なさねばならぬことは国としても
努力いたしたい、かように思っている次第でございます。簡単でございますが、トキについては以上でございます。