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1962-12-18 第42回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月十八日(火曜日)    午後二時四十七分開会  出席者は左の通り。    委員長     加賀山之雄君    理事            河野 謙三君            西田 信一君            岡田 宗司君            千葉千代世君    委員            石井  桂君            小柳 牧衞君            山本 利壽君            小酒井義男君            柴谷  要君            柏原 ヤス君            永末 英一君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    文部省体育局長 前田 充明君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    運輸省観光局長 梶本 保邦君   参考人    東京都オリン    ピック準備局長 関  晴香君    首都高速道路公    団理事     石塚 久司君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   与謝野 秀君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務次長   村井  順君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査  (オリンピック関連道路街路整備  に関する件)  (外客宿泊対策に関する件)   —————————————
  2. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいまよりオリンピック準備促進特別委員会を開会いたします。  この際、参考人出席要求についてお諮りいたします。  本委員会調査を進める上におきまして、東京首都高速道路公団オリンピック東京大会組織委員会並び東京オリンピック資金財団は、本委員会と密接な関係がありますので、必要の際は右関係者参考人として御出席を求めることといたしまして、人選及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  4. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  オリンピック関連道路街路整備に関する件につきまして審議を進めます。本件について質疑通告があります。これを許します。柴谷君。
  5. 柴谷要

    柴谷要君 御質問申し上げます前に、御答弁いただくことを記録しますので、すわったままで御質疑を続けさせていただきたいと思います。また御答弁いただく方もすわったままでひとつやっていただきたいと思います。  首都高速道路公団関連をいたしまして少しくお尋ねいたしたいと思います。
  6. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ちょっと道路公団はまだ……。現在御出席になっているのは、建設省道路局次長建設省都市局街路課長東京道路建設本部建設部長でございます。首都高速道路公団理事は間もなく見えます。
  7. 柴谷要

    柴谷要君 それじゃ私の質問はお見えになってからにいたします。
  8. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいま見えました。石塚さんおつきになって下さい。
  9. 柴谷要

    柴谷要君 首都高速道路公団関連をいたしまして、少しく御質問いたします。  道路公団は現在三十七年度事業計画として実施されておりますのは一号線並びに四号線かと思いますが、これ以外にお仕事事業計画をおやりになっておられますか。最初にお願いをいたします。
  10. 石塚久司

    参考人石塚久司君) ただいま私どものほうで仕事をしておりますのは、一号線と四号線に主体をおきまして、これはもう大体用地買収は済みましたので、工事に主力を注いでおります。しかし、それ以外に二号線並びに三号線につきまして用地買収主体といたしまして、ただいま折衝中でございます。
  11. 柴谷要

    柴谷要君 三十七年度の計画としては、関連街路及び駐車場というようなことも仕事内容になっておると思いますが、駐車場は何カ所ぐらいおやりになっておられますか。
  12. 石塚久司

    参考人石塚久司君) ただいま駐車場といたしましては、江戸橋駐車場、これは兜町の江戸橋駐車場建設、それから本町駐車場、この二カ所を工事中でございます。
  13. 柴谷要

    柴谷要君 一号線というのは上野羽田間と規定されているようですが、用地買収がすでに完了したというお話でございますが、かつて漁業補償の問題ですか、ノリ補償の問題ですか、この問題がだいぶ関連して、工事がおくれていたということを聞いておりますが、そのおくれを取り戻す見通し、それから上野羽田間に問題点のあるような個所、こういうものがおわかりでしたら、ひとつ御答弁願いたい。
  14. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 一号線につきましては、オリンピック開催時までには開通予定いたしますのが、本町三丁目から羽田空港ということでございまして、本町三丁目から上野方面残区間につきましては、オリンピック開催後にしたいということでやっておりまして、この開通予定区間が十七・五キロでございます。ただいまのところ問題といたしましては、ほとんど解決いたしまして、おかげさまで御心配いただきました漁業補償の問題につきましても、東京都の御努力によりまして調印の運びに至っておりますし、ただ私どもといたしましては、七月ごろから工事をやめてくれという地元の要望がございましたが、この点につきましては、補償とは関係なく工事のほうだけはやらせてもらいたいということで、実は準備工事という立場でどんどんと工事を進めて参りました。その後も解決いたしましたので、これはもう本格的な工事ということで工事を進めて参っておりますので、漁業補償による影響はございましたが、しかしオリンピックまでにはこの区間開通するという問題につきましては、おかげさまで見通しがはっきりいたしまして、開通ができるという確信を持っております。ただ埋立区間でございますが、これは東京都の二区、三区という埋立計画に基づきまして、東京都が埋め立てを実施するわけでございますが、この実施予定がおくれますと、これは私どもその上を利用するのでございますので、問題ではございますが、ただいまの段階におきましては、何とか間に合うということで、東京都とも十分打ち合わせてやっております。したがいまして、曲がりなりにも——ただ問題は、埋め立てが完了しまして、約一年ないし二年の実は沈下期間を置きたいという気持ちがございましたが、その期間が余裕がございませんので、半年くらいの間に全部やってしまうということでございますので、あるいは仮舗装という形で実施せざるを得ないかとも存じますが、できるだけ東京都の埋め立て自体も、土質の砂、土を持ってきて埋め立てをするというようなことで、実行にあたりましては最大の注意を払っておりますので、オリンピックまでに開通するという問題につきましては、何とかこれも間に合うのではないか、また間に合わせなければならぬということで鋭意努力中でございます。それ以外につきましては、ただいまのところ特段の問題点はございません。
  15. 柴谷要

    柴谷要君 埋立期間の問題に関連して、東京都のほうから御答弁いただきたいと思いますが、予定どおり埋め立てが完了する見込みであるかどうか、おわかりになりましたら……。
  16. 関晴香

    参考人関晴香君) 東京都の埋め立ては、何と申しましても高速道路一号線のために急いだというような事情もございまして、漁業補償を急ぎました関係もございまして、間に合わせる見込みでございます。
  17. 柴谷要

    柴谷要君 今お話を聞いておりますと、一年、二年沈下するための期間を置きたい、しかしそれも置けない状態だから、仮舗装開通をしたい、こういうことになるわけですが、そうなると工事に二重の手間がかかるということと、それから経費がかさむということが考えられるのですが、この点は予算をオーバーするようなことになると思いますが、いかがですか。
  18. 石塚久司

    参考人石塚久司君) この問題につきましては、そう大した増加にはならない。ことに埋立地区につきましては御承知かと思いますが、実は関連街路工事高速道路工事と両方あるわけでございますが、これが理立地内を通りますのは並行道路の形で通る。要するに平面街路並行で通るという形になりますので、一部本格的な舗装に改装する場合におきましては、関連街路を一部一時利用するというような形で改装もできますので、交通を支障することなく改修計計も行なわれますと思いますし、それほどの大きな事業費の変更はないかと考えます。
  19. 柴谷要

    柴谷要君 一号線の完成までに必要とする経費、それから三十七年度に工事進行のために必要とする経費、この二つをひとつお教えいただきたい。
  20. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 一号線を開通するまでに要する経費は、総事業費といたしまして、二百五十億九千九百万円ということに実はなっているわけでございます。このうち三十六年度までに実施済み額が、六十五億七千万円でございます。三十七年度の予算といたしましては、五十六億八千八百万円ということになっておりまして、この残事業費が三十八年度並びに三十九年度の前半において消化する予算額でございます。
  21. 柴谷要

    柴谷要君 一号線は大体わかりました。四号線も同じくどこか障害になっているようなところはございませんか。
  22. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 四号線につきましては、同地買収が非常にむずかしかったのでございますが、これも大体十二月で、本年でほとんど全部片づいております。ただ、部分的に一件だけ、これは借家人でございますが、これがまだ問題を残しておるのでございまして、これは強制収用にかけるという段取りで進んでおりますが、それ以外は強制徴収法の適用を経ずして全部解決しております。したがいまして、あと工事の進捗ということだけが問題でございます。
  23. 柴谷要

    柴谷要君 私、毎日通勤をしておるのですが、途中に、非常に前後の工事は進んでおるけれども、ぽつんとまだ営業をやっておる大きな建物、そのお隣が神社というか神様がある。あの地点の状態は一体どうなっているのですか。これは赤坂ですが……。
  24. 石塚久司

    参考人石塚久司君) これは実は放射四号線のお話じゃないかと思いますが、これは東京都が直接……。
  25. 柴谷要

    柴谷要君 道路公団じゃございませんわけですね。
  26. 石塚久司

    参考人石塚久司君) そうでございます。
  27. 柴谷要

    柴谷要君 それでは、資金調達の面についてちょっとお尋ねしたいと思いますが、資金調達は大体三十七年度は二百九億ときめられているようでありますが、それでよろしゅうございますか。
  28. 石塚久司

    参考人石塚久司君) ちょっと、それはどういう数字でございますか。
  29. 柴谷要

    柴谷要君 首都道路公団が三十七年度事業計画で、一号線、四号線、あるいは駐車場関連街路等を行なうために資金調達計画というのを立てて、それで政府出資とか東京都からの出資、あるいは交付金、それから道路債券等を発行して集める金が二百九億と、こうなっているはずなんですが、そういう点についてはまだ……。
  30. 石塚久司

    参考人石塚久司君) ちょっと数字を確認いたしますので、瞬時御猶予をお願いいたします。——この件につきましては、もう少し調べまして後ほどお知らせいたします。
  31. 柴谷要

    柴谷要君 けっこうです。私の調べたところでは、資金調達計画が二百九億で、政府出資が十五億、東京都が十五億、それから都の交付金が二十九億、債券発行によって百五十億を出す、そのうち政府責任が七十億で公募が八十億、それを合わせると大体二百九億になる、こういう大体あれが出ておりますので、それをお尋ねしているのですが、内容については別にあれですが、この資金を元手で今事業をおやりになっている職員数役員数は大体どのくらいになるのでございましょうか。
  32. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 約千人になります。
  33. 柴谷要

    柴谷要君 職員が千人ですか。
  34. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 全部合わせまして。
  35. 柴谷要

    柴谷要君 役員の数は……。
  36. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 役員が十人、理事長、副理事長を入れまして。
  37. 柴谷要

    柴谷要君 将来、首都高速道路公団としては千人で最後までいかれるのですか、それとも……。
  38. 石塚久司

    参考人石塚久司君) これは事業費に伴いまして増員して参ります。
  39. 柴谷要

    柴谷要君 増員していくわけですが、無限にということではないのでしょうが、施設の拡大その他をされていくということになると、大体これに要する人件費等もやはり——ちょっとこまかい問題になりますが、おわかりになりますか。
  40. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 今その数字を持って参っておりません。
  41. 柴谷要

    柴谷要君 それならけっこうです。  実は公団職員賃金が安いといううわさがあるのですが、この点はどうごらんになっておられますか。
  42. 石塚久司

    参考人石塚久司君) これは賃金が安いと申しますか、公務員給与ースより二、三割高くなっておりますので、これは見方の問題で、いろいろあるかと思いますが、私どものほうは適当な額じゃなかろうかというふうに考えております。
  43. 柴谷要

    柴谷要君 公務員よりも二、三割高で賃金を決定しておる、こういうことでございますか。
  44. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 大体そういうことでございます。
  45. 柴谷要

    柴谷要君 まあそれが実施されておる人はいいのですが、そのほかに非常勤とかいう職員はおりませんですか。
  46. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 非常勤と申しますと、嘱託が若干ございます。非常勤嘱託、これはわずかな数でございます。
  47. 柴谷要

    柴谷要君 次回にこまかいことをお尋ねしたいと思いますけれども、最近道路開通に伴いまして、料金がきめられたということが新聞に載りましたが、大型車が二百円、その他は百円、こういう決定になったと聞いておりますが、そのとおりでございますか。
  48. 石塚久司

    参考人石塚久司君) さようでございます。これは昨日、運輸大臣建設大臣の正式な認可がございました。
  49. 柴谷要

    柴谷要君 そうしますと、三十七年度は回収金というものが出てくるわけになりますね、有料道路ですから道路使用料を百円、二百円取りますからね。そうすると回収金が上がるわけですね。
  50. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 上がります。
  51. 柴谷要

    柴谷要君 三十七年度はどのくらいお見込みになっておられるのですか。
  52. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 一億二千万円予定しております。これは先ほどは百円、二百円と申しましたが、このたび開通いたしました区間が四・五キロでございまして、これは臨時の供用区間といたしまして五十円、百円ということで御認可をいただいておりますので、半額ということになっておりますので、そういう一応の見込みを立てております。
  53. 柴谷要

    柴谷要君 予算内容がこまかにおわかりにならないようでございますから、次回にしたいと思いますが、資料要求お願いしておきたいと思います。たいへん恐縮でございますが、役員給職員給ですね、それから手当等をお出しになっておると思うのです。その手当、そういったような人件費状態と、それから職員数の正確なところ、こういうものをたいへん恐縮でございますけれども資料として御提出いただきたいと思います。お願いいたします。
  54. 石塚久司

    参考人石塚久司君) わかりました。後ほど差し上げるようにいたします。
  55. 千葉千代世

    千葉千代世君 関連質問ですけれども職員給与についてでございますけれども公務員より二、三割高い賃金だということをおっしゃっていたわけですが、これは平均がということでございますか。それとも初め勤めますときに、年をとっております人は前歴計算とか何とか、そういうことの……。
  56. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 基本給与ースがそういうことになっております。したがって各個人別になりますと、もっと高くなっておるのではないかと思います。
  57. 千葉千代世

    千葉千代世君 前歴計算とか、そういうふうなものは全部公務員と同じような基準なんですか、基準は。
  58. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 大体同じでございます。
  59. 千葉千代世

    千葉千代世君 その上に二、三割高いというわけでございますか。
  60. 石塚久司

    参考人石塚久司君) そういうわけでございます。
  61. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、外客宿泊対策に関する件について審議を行ないます。本件について質疑通告があります。これを許します。永末君。
  62. 永末英一

    永末英一君 オリンピックになりますと、外国人がたくさん日本に入ってくると思うのですが、現在東京でどのくらいの外人宿泊が可能か、そうしてオリンピックのときに、今進んでおる状況でどれくらい見込まれるか、この辺のことをひとつ御説明を願いたいと思います。
  63. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) 東京オリンピックのときに、一応諸外国例等を考えまして、最高のピーク時に三万人というふうに私ども考えておるわけでございます。それで本来の筋から申しますと、全部ホテルなり旅館で収容できればそれにこしたことはないのでございますけれども、残念ながら現在のホテル旅館収容能力ではそれをまかなうだけの設備がございません。それで私どもは一応オリンピック宿泊可能地域というものをまず考えてみたわけでございます。東京を中心としまして、大体広軌新幹線が完成した暁を想定いたしまして、約一時間半で東京に到達し得る範囲、それをオリンピック大会時における宿泊可能地域、かように考えたわけでございます。そういたしますと、東京都区内二十三区はもちろんでございますが、横浜、逗子、藤沢、大磯、熱海、湯河原、伊東、長岡、箱根、こういったところが南のほうでは入るわけでございます。この辺の地域を含めましてオリンピック宿泊可能地域、かように考えたわけでございます。そのようにいたしまして、現在の設備がどのくらいあるかと申しますと、ホテルで申しまして、大ざっぱの数字でございますが、端数を処理した数字で申し上げますと、大体ホテルが五千、それから旅館が二千七百、かように考えております。ところが部屋数ではそれでございますが、いわゆる一室に二人泊め得るということもあるわけでございまして、これを一応私ども同伴係数と呼んでおります。同伴係数オリンピックのときには一・五と考えております。現在では大体一・三くらいの実績を示しております。一・三の同伴係数と申しますと、十三人参りまして十室必要である、これを同伴係数で申しますと一・三、こういうことになるわけでございます。それがオリンピック時には少し高めるということで一・五と高めておるわけでございます。  それからもう一つは、全部それだけの部屋数がございましても、あえてそれを外人客にだけ開放するというわけにも参りません。やはり日本人で宿泊する方もあるわけでございますから、それをどの程度に見込むかということが問題なんでございますが、これを先般運輸省としましては、ホテル、それから旅館に対しまして通達をいたしました。それはいわゆる基準客室と申しますと、外人を泊め得る施設を持っておるというふうに運輸省のほうへ登録をいたしております部屋でございますが、ホテルについてはその部屋の九割は開放してもらいたい、旅館については七割は開放してもらいたい、こういう考え方でございます。そのようにいたしまして、先ほど申し上げました同伴係数一・五というふうに考えますと、大体その三万人のうちでホテルで受け入れてもらいたいと私ども考えております数字が一万三千五百人、それから旅館で受け入れてもらいたいと考えております数字が四千七百人、合計いたしますと一万八千二百人になります。それじゃ足りません。したがいまして、そのほかに考えております方法ユースホステル整備でございます。これは現在先ほど申しました地域にございますものは、東京の市ヶ谷にありますものと、それから城ケ島にございますものと、伊豆の伊東にございますものと三カ所でございます。この三カ所の収容力が現在のところ三百五十ベッドでございます。これをユースホステルで一千人くらいは引き受けてもらいたい、かように考えております。そういたしますと、残りの六百五十ベッド整備をしなければならない、こういう数字になるわけでございます。そのほか、それでも足りませんので、あと旅館改造を考えております。旅館はもうちょっと手を加えれば、たとえばバスだとか、トイレだとか、そういったものについてもうちょっと手を加えれば、外人客を泊め得るのではないかというふうな程度旅館があるわけでございますが、こういったところにつきまして、大体一室五十万円見当改造費を見込むというふうなことで、千四百室を考えまして、そうして先ほどの同伴係数等をかけ合わせまして、約二千百人の収容力、かように考えております。それでももちろん足りませんので、あとは昨年のロータリー大会のときの実績に徴しまして、いわゆる船中泊、船でこられまして、そうして船で寝泊まりをしていただく、こういうお客さんでございますが、これを約四千人、かように考えております。そういたしますと、ユースホステル旅館改造と、船中泊合わせまして七千百人、全部合計しますと二万五千三百、まだ四千七百人足りないわけです。これをいわゆる民泊と申しますか、民間の御家庭を開放していただいて、そうしてそこで泊まっていただくというふうなことを考え、あるいはまたアパート等を一時借用する、あるいは工場、会社の寮等において、そういったことが可能である向きに対しては御協力を願う、こういうふうなことであと数字を何とか間に合わしていきたい、かように考えているわけでございます。以上が大体この三万人をどのようにして受け入れるかということについて、運輸省としまして一応考えております数字でございます。  なお、この最近できますホテルは、御承知のとおり非常にデラックスなものが多いわけでございます。これでは宿泊料が勢いかさんで参りますので、どうしても五ドルないし六ドル程度宿泊していただけるような、いわゆる中級設備を増強していく必要があるのではないか、こういう考え方のもとに運輸省としましては、一室大体五百万円見当ホテル整備していきたい。それならば、大体ただいま申し上げたような五ドルないし六ドルで、二千円前後の宿泊で可能なのではないか、かように考えているわけでございます。  以上がさしあたりオリンピック時における宿泊対策として考えておりますような概況でございます。
  64. 永末英一

    永末英一君 今お話しございました中で、日本旅館改造してやろうとするものに一室当たり五十万円とか、あるいは中級ホテル部屋一室五百万当たりですか、そういうことで作りたいというのは、それはどういう方法で作りたいんですか、その方法のところを伺いたい。
  65. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) これは、こういう考え方なんですが、ホテルというものを一つの全体の構造物として考えまして、最近でき上がっているような豪華なホテルを見ますと、ホテルには御承知のとおりロビーもある、機械室もあり、食堂もあるし、調理場もあるし、いろいろなものがあるわけなんですが、そういったものを含めて全体の建設費というものを部屋数で割ってみますと、一室千万円ないし千二百万円かかっているわけなんです。だから、ここのホテルは高いというふうな非難を世界の観光客から受けている、こういうことだと思うんです。それを約半分の五百万円見当まで下げよう、こういうことなんです。その五百万円というものを単位にしてホテル建設を考えまして、そうして、それ以上に豪華なホテルを作りたいというふうな御希望があっても、運輸省としては、一室五百万円を見当としてしか融資のごあっせんはしません、七百万円のホテルを作りたい、一千万円のホテルを作りたいとおっしゃる方は、どうぞ自己資金でやって下さい、こういう政策を打ち出しているわけなんです。その五百万円のホテルを作りまして、その三分の一は開発銀行、三分の一は市中銀行、三分の一は自己資金、三分の一ずつというふうな考え方財政投融資お願いをいたしておるようなわけでございます。したがいまして、それ以上豪華なものを作りたい方は、どうぞ勝手に自己資金でやって下さいという態度を運輸省としては打ち出しておるわけでございます。  それから旅館改造につきましては五十万円、これで千四百室を考えておりますので、五十万円に千四百室をかけますと七億円になります。七億円をわれわれは中小企業金融公庫の対象として考えまして、三十八年度に五億、三十九年度に二億、かように考えておるわけでございまして、これは旅館の組合等が、御承知のとおり国際観光旅館連盟とか、日本観光旅館連盟とか、日本旅館の組織体がございます。こういったものを通じて呼びかけをいたしておるわけでございますけれども実のところ、なかなかこの応募をしぶられる向きが非常に多いというのが実情でございます。と申しますのは、わざわざ金を借りて改造して、外人に泊まってもらって、英語か何かで話をされて苦労するよりも、どうせ日本人がたくさん押しかけて来るだろうから、そんな苦労をせんでもお客さんは一ぱいだというふうな考え方の方々が多いのじゃなかろうかというふうにもそんたくするわけでございますが、この点については、オリンピックは国家的行事であるというふうなことも説きまして、できるだけ協力をしていただくという態度でただいま臨んでおるわけでございます。
  66. 永末英一

    永末英一君 日本旅館改造の場合は、これは全額融資あっせんをするということですか、五十万円までは。
  67. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) 大体、五十万円見当であれば、ちょっとした手直しができるということで、それ以上の負担はかけなくてもできるのじゃないかということで、中小企業金融公庫だけで五十万円見当でやって、その足らずは、六十万円になるか、七十万円になるか、なった場合は、それは自己資金なり、市中銀行でやってもらうということで、一応五十万円見当中小企業金融公庫お願いしよう、こういう考え方でございます。
  68. 永末英一

    永末英一君 今お話をいただいた人数の中で、中級ホテルはこれからの増設、それから日本旅館のほうはこれからの改造、それ以外のものは現有施設基準にしてはじかれた、こういうことでございますか。
  69. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) ただいまお話のとおり、現有の施設基準にしてはじいております。
  70. 永末英一

    永末英一君 いわゆる東京オリンピック大会に参加するであろう外人宿泊施設は、交通可能なところで行なうという話を聞いたのですが、外人がやってきますと必ずよそへ行くわけであります。私は京都でありますけれども、京都などはいうまでもなく行くと思います。京都なり、京都とは限りませんが、その他の地域でも同じ基準で、そういう希望があればやらせる。こういうことにしておりますか。
  71. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) お話のとおり、私どもとすれば、ぜひ東京だけで日本滞在を済ましてしまわないで、せっかく来られたのだから、日本の隅々まで見てもらいたい、そして一日でも多く滞在してもらいたい、これが私どもの念願でございます。日本の滞在日数というものはここ数年来だんだん減っております。その減っておるのを何とかして取り戻したい、かように考えておるわけでございます。実績で申しますと、現在大体六割が東京在住、こういうことになっております。日本に来られる外人の六割が東京並びにその周辺、あとの四割がそれ以外の日本の各地、これが統計の示すところの数字でございます。それで今お話の京都でございますが、団体として扱った観光客の九割六分が京都を訪れております。言いかえますと、ほとんどの外人が京都を訪れない人はないと言っても過言ではないような状況でございます。したがいまして、東京で三万ということになりますと、京都もかなり多い数字が見込まれるのではないかというふうなことを私どもとしては考えておるわけでございまして、できるだけ東京以外の、そういった外人がよく行くであろうところの地域についての宿泊施設の増強については、同じようにお願いをしておるわけなんでございますけれども、残念ながら実際問題としては財政投融資のワクというものが非常に少なくて、希望に満たないものでございますから、勢いせっぱ詰まった東京近辺のほうが先になっている、こういうようなやむを得ない実情なんでございますけれども、決して私ども東京だけしか考えないというようなことでは毛頭ございませんので、その点は御了承いただきたいと考えております。
  72. 永末英一

    永末英一君 今お話を伺いますと、普通の仕事で来る人は六割程度東京におるのは、これはあたりまえの話だと思います。ところが、オリンピックに来る人は、仕事で来る人も少しはあるかもしれませんが、主としてそうでない目的のものが多い。その九五%が京都にやって来るというようなことになりますと、京都の外人宿泊可能の部屋というのは実にけたが違う、来てくれても京都には来るなということになる、京都には限りませんが。したがって、もしあなたのほうがオリンピックをやって、せっかく来られたのだから日本を大いに見せてやろうとするのならば、財政投融資の金が足らぬというのじゃなく、あなたのほうの御要求をもっと遠慮なく出して、作る可能性のあるものには作らせるように仕向けていくことが必要だと思いますが、どうでしょうか。
  73. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) その点につきましては、つとにそういう気持でおりまして、決してそういった面について抜かりはなかったつもりでいるのでございますけれども財政投融資の実情で申しますと、初めてホテルというふうなものに、いゆわる国際観光施設開発銀行からの融資がなされましたのが昭和二十六年、それから昨年昭和三十六年までのこの十一年間に融資いたされました額がちょうど八十四億円になっております。全体で八十四件ございますので、ちょうど平均いたしますと、一件一億ということになっているわけであります。   〔委員長退席、理事西田信一君着席〕 昨年は二十九億、三十五年は二十億円ということで、八十四億円のうちから昨年が二十九億円、一昨年が二十億円ということになりますと、それから前の九年間というものは推して知るべしという数字なんでございまして、だんだんと御理解を願ってふえてきつつあるわけでありますが、それでもまだなかなか御理解を得られないで私どもも弱っているわけであります。それの一つは、財政投融資の海運だとか、それから電力だとかというふうに最初からワクがきまっているといいますか、柱が立っているといいますか、そういったきちんとしているのならば非常にいいのでございますけれどもホテル旅館につきましては、その他の中に入っているわけです。その他の中にはたくさんのものがございますので、お互いに少しでも自分のほうで取りたいということで、ひしめき合うわけなのでございます。そういうようなことでございますので、なかなか私どもとしても苦労しているわけで、来年度はどうしてもオリンピックも近いことでございますので、柱を立てていただきたいというお願いをして、来年度は開発銀行が六十四億、北海道東北開発公庫六億、これで七十億、それから中小企業金融公庫が十五億、それから先ほど申し上げました旅館改造に五億、合計九十億の要求をいたしております。なお北海道東北開発公庫につきましては、今年から初めて旅館に融資の道が開かれたわけでございます。その点では一歩前進したと、かように考えているわけであります。
  74. 永末英一

    永末英一君 今お話を伺いましても、それだけでも非常に不十分なので、やはり民泊なんということは、つじつまを合わせるために言うているだけであって、実際は民泊可能かどうか非常にむずかしい。それは何ぼか行けるところがあろうかもしれませんけれども東京では準備をされて民泊だと、いよいよよそへ旅行をしようとする場合に、たとえば旅行案内関係で、旅行者に宿泊所がないから来られないというところもあちこち出てくると思うんですね。そこで今お聞きしたような要求を出すというのですけれども、やはり要求だけはフルにして、これぐらい宿泊施設を作らなければ泊まれないんだということをやはりぴしゃっと出されて、当委員会に実情を御説明になって実現をするようにしなければ、人間は来たけれども、船の中におったらいいと、船が来ないところは来られないと、これはもう去年でしたか、ロータリーの大会で身をもって御体験になったと思うのです。身動きがとれない。まあたまたま京都はタクシーがストライキでしたから、それでキャンセルになって来なかった例もありますけれども、これは来るには来たけれども、とんでもない国だと、往生して帰ると、どこも行けなかったということになる可能性が非常に大きい、ということになれば、まさに三十八年度で手をつけなければ、三十九年度で手をつけたって一年間でできるわけのものでもないと思うんですね。そういうことをひとつやってほしいと思いますが、特にまた先ほどお話を伺いますと、あなたのところの御方針で、中級ホテルはけっこうですけれども一室五百万円として、それでそのうちの三分の一は自己資金だというふうなワクは、もう少しゆるやかにしてやらないと、どんどん建築資材も値上がりがこれからするのではないかと思います。そういうやはり条件、ことに資金を借りる年限の問題、これはもう旅館業というふうなものは営業としては、特にホテル形式をとると、あまり採算の合わないのは御承知のとおりなんで、それらのことも、やはりこれは本来ならこれだけ政府が力を入れて、担当国務相を作ってやられるなら、宿泊施設だって大いに作らなければならない私は義務があると思うんです。それをまあ業者にやらせようというのですから、相当その辺の条件はやはりゆるやかな条件を出してやらせることが必要じゃないかと思うのですが、いかがですか。
  75. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) 宿泊施設の全般につきましては、前回の当委員会で詳細に実は御説明を申し上げましたので、今先生から御指摘のような問題につきましても、そのときに私としてはかなりお時間をいただいて御説明申し上げたつもりでおりますので、なんでございましたら、あらためて先生に特別にあとお話に参上さしていただいてもよろしいかと思いますが……。  それから民泊の問題でございますが、昨年の五月二十八日から六月一日まで東京ロータリー大会が開かれたわけです。そのときの実績を調べますと、八百五十五人がいわゆる民泊をいたしております。これは東京都の関局長もおいででございますけれども、先般東京都のほうで働きかけをなさって、十月末で締め切られた数字を伺いますと、約八百ベッドあったと、こういうふうに聞いております。あとは一々御担当の係員が実地においでになって、ほんとうにそれが宿泊可能であるかどうかということを実地検証をなさって、その上で契約をするといいますか、お取りきめになるんだというふうに私は聞いておりますけれども、まあ実績では去年八百五十五人、最近締め切られました数字では約八百、このような数字がまあ出ておるわけでございます。
  76. 永末英一

    永末英一君 ロータリーの場合の民泊というのは、個人的にも連絡のつき得る人が相当あるわけなんですね。オリンピックの場合やその他と違うんじゃないかと思うんですが、まあそれはそれとして、ユースホステルを利用する外人の数は非常にふえておると思うんです。これは外人必ずしも金を持ってくるわけではございませんので、ですから、これなら国の予算でそれぞれの地方自治体と連絡ができるわけでございます。現在の地方自治体で持っておりますユースホステルは非常に少ない。まあ二けたぐらいのベッド数しか持っていない。これをひとつ来年度から手をつけて、これは日本の青年たちも使えるわけでございますから、大いにベッド数をふくらまして、なんならそれに泊まれと、こういう対策も立てられようかと思いますので、その辺のお考えはございませんか。
  77. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) お説のとおり、必ずしも金持だけが観光にくるわけでもございませんので、運輸省としましては、来年度ユースホステルの補助金としまして八千七百万円、八百七十ベッド要求をいたしております。重点は東京近辺を中心に実は置いております。茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、この五つの都と県、それから地方では京都、奈良、京都は増設、それから奈良県はあれだけのところでありながらいまだユースホステル一つもございませんので、これはぜひ作りたい。それから大分県にもございません。瀬戸内海航路に乗って別府等に行かれる方もあるだろう、ところが大分県にはないというので、大分県を考えるというふうなことで、できるだけ許される範囲内において効果的な施設を考えたいということで、ただいま私ども努力をいたしておるわけでございます。
  78. 永末英一

    永末英一君 そういう点は先ほど申し上げましたようなことで、一つ大いに努力をしていっていただきたいと思います。その期になってしまったと思わぬように……。  ちょっと問題は違いますが、一つ伺いたいのですが、担当の方が来ておられなければ返答はあとでいいんですが、問題は、競技場の周辺のモーター・プールというものの造成は今から考えておかないと、競技場はできた、道はできた、車で走って来たが車をとめる所がない、こういうことになると、とんでもないことになるだろうと思いますけれども、どの程度その計画は進んでおるか、それをひとつ伺いたいと思います。
  79. 村井順

    参考人(村井順君) 駐車場の問題につきましては、先年来非常に心配しておりまして、結局いわゆる現在考えている駐車場というものは当てにならない。競技場の周辺にあります学校の庭だとか、あき地だとか、公園だとか、そういうもの全部を、歩いて約十五分か二十分ぐらいで到達できるくらいの至近距離にありますあき地を、われわれ手を分けまして全部調べてみまして、一応表は作ってございます。結局一番その中で問題になりますのは明治パーク、国立競技場の周辺、それからワシントン・ハイツ、あのいわゆるセンターになります付近の駐車場問題が一番問題だと思っております。それ以外につきましては、駒沢その他いろいろ調べましたけれども、大体まあ収容台数と入ってくる車の見合いからいいまして、大体バランスがとれるのではないか。そういうような意味合いにおきまして、国立競技場を中心としていろいろ調査いたし、またその対策を練っております。現在あの付近のあき地その他を全部総合計いたしまして約五万坪ぐらいございます。五万坪というのは、一台が約十坪とわれわれ考えておりますので五千台ということになります。この五千台分の収容力は、ありとあらゆるあき地を探せば一応見つけられるということになるのでございますが、もちろんその中で使えるものと使えないものもあるし、使えるためにはこれからいろいろな施設整備をしていかなければならぬというものもございます。で一応いわゆる役員だとか、その他関係者、招待者とか、われわれが考えておりますのが約二千人から二千五、六百人、だから約二千五百台ぐらいを用意すれば一応収容はできる。それではその一般の今お話の出ております外客やその他の駐車場はどうするか、これはもう全く現代のところお手上げになっております。そういうような一般の自動車交通機関に対する駐車場はどうするか、これはまあ組織委員会としては、これから政府なり東京都と御相談して検討していかなければならぬと思っておりますが、さらに警視庁の交通規制の方針もございまして、その方針に基づいてさらにまたそういうような駐車場対策を立てなければいかぬ。聞くところによりますと、主税庁では内周遮断線というものと外周遮断線というものを考えております。外周遮断線と申しますのは、渋谷から新宿、ずっと赤坂見附とか、そういうような相当広範囲の地域にわたって一般の交通、特に自動車の交通をとめてしまう、こういうような考え方があるわけでございます。それからさらに内周遮断線というものは、スポーツ・センターのさっき申しましたような付近全体については、これは全くステッカーのある、われわれのほうで許可した車だけしか入れない、こういう内周遮断線というものをさらに考えてみようと警視庁と今相談しております。しかし、それでは内周遮断線の外側までは一体みんな歩かせるかというと、場合によってはバスに乗せたらいいじゃないか、いろいろな問題が出ております。そうすると、内周遮断線の中については、さっき申しました関係者ですから、これについては制限することによって大体駐車場の問題は解決しますが、内周遮断線の外側にどれだけ空地があるか、これが非常に少ないわけでございます。それからさらに外周遮断線も一般の自動車はみんなきてもあそこから戻してしまう、その外周遮断線のところにもやはり空地がないとこれまた困るわけで、そういうようなわけで、いわゆる関係者の車についての駐車場については今後努力すればある程度確保できるだろう。しかしながら全体の東京の交通の流れる中で外周遮断線、内周遮断線の駐車場というものを考えると、組織委員会では全く手につかぬというところで、これは政府なり東京都で相当英断をふるってお考えいただかないと、非常に問題になるのじゃないか、さように思っております。
  80. 永末英一

    永末英一君 道路を作る話は、このごろこの委員会でも相当いろいろ研究さしていただいたわけですが、道路を作る場合に人が歩く道路を作っているのじゃないのであって、車の通る道路を作っているというのであれば、結局車のとまるところも同時に考えなければいけない。今お伺いいたしましたところ、非常にはなはだどうもとまるところを考えないで道だけを考えてきたのじゃないか。そこでやはり道路規制をどこにどういうものを作るかということと関連しながら考えられてくると思います。ぜひこれは早く案を立てて、これもまさになかなか困難な問題が起ころうと思います。ただいたずらに広い面積だけが必要かどうか、別問題であろうと思いますが、それに合わして早く計画を立てて混乱を来たさないように、役員だけの走る道路でなくて、むしろ一般の人も走る道路を作って、車をとめるところも役員だけでなくて、それぞれの観覧客、あるいは関係者等のとまるところを作らなければいけない。これをぜひひとつ重要な問題だということで表面にあげて、早急に対策をお作り願いたいと思います。
  81. 村井順

    参考人(村井順君) 全く私御同感でございまして、結局今となっては、用地買収をして新しく駐車場を作るというのは非常にむずかしいと思います。そういうような意味で今申し上げましたように、重要な区域におきましては、ありとあらゆる空地を総動員していただく。それからたとえば建物を改築する、どこかへ移転する、ただいま通産省なんかの建物がございます周辺に、それを今度改築してどこかへ移転する、そのあとは二年間建てないでもらう。それからあすこに高速四号線というものができますと、下はいろいろ考えがあるかもしらぬけれども、そういうものを全部駐車場に確保していただく。とにかくこれから空地を作るというのはたいへんですから、できたら全部確保していただく。そしてそれが駐車場になるように出入口を整備していただくとか、そういうようなことをお考えいただく以外にはないのじゃないか、さように思っております。
  82. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 たとえば、大切な組織の問題でございますが、まあごたごたのあと津島さんがやめられて、財団のほうの責任者がやめられまして、あとどうやら組織委員会の事務局長、それから財団のほうの体育協会のほうも頭がきまったわけです。肝心の組織委員会のほうの頭が一体いつきまるのか、どうなっているか、私ども一向にわからない、もうそろそろきめなければならない段階です。担当大臣がお見えになったらその点お伺いしたいのですが、それまでに次にお伺いしたいのは、三十八年度のオリンピック関係予算の問題であります。この問題につきましては、予算が各省に分かれておりますし、また東京都の関係やいろいろありますので、なかなか捕捉がむずかしいことでございましょうが、ひとつ全般的に今までの折衝経過、それから大蔵省のことですから、例年によって相当なたをふるっておるだろうと思いますが、これからどこに重点を置いて復活折衝をやられるのか、その見通し、それから三十八年度予算についての問題をひとつ御説明願いたいと思います。
  83. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいま組織委員会の会長がどうなっているかという御質問でございます。これは組織委員会内部の問題でございますので、私から一言お答えさせていただきます。  組織委員会では、会長の選考を討議するために小委員会を設けまして、この小委員会がもっぱら会長の選考及び機構等についての意見交換を行なっておるのでありまして、大体において毎週一回会合しているのであります。しかしながら、会長をともかくなるべく早く選任しようというのが各方面の御意向であるということから、この選考を急いでいるのでありますが、少なくともことしじゅうには選考を終えたいという空気が強いのでございますが、今日のところ、まだその段階に至っておりません。年内にもまだ会合があると思いますが、今のところそういう状況でございます。
  84. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 会長の問題でございますけれども、今のお話で、小委員会が御努力されておることは私どもよく承知しております。しかし、何といってももう来年になりますというと切迫してくるので、したがって、本来なら本年じゅうにでもおそくともきめなければならぬと思うのです。一体見通しについて、来年早々きまり得るかどうか、その点はいかがでございましょうか。
  85. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) その点先般の小委員会におきましても、年内にきまらないものが来年早々きまるということもおかしなことではないかという御意見もあったのでありますが、ともかく年内にぜひとも選任したいという委員の希望で、またそれを促進しようということを申し合わせをいたしたのでありますが、何分にもこの選考委員がたびたび会合していろいろ意見を交換するということがなかなか年末になってできなくなってきている状況でもありますので、年内に必ずおきめになるだろうということを私から予言的に申し上げることはちょっと困難ではないかと、こう思っております。
  86. 河野謙三

    ○河野謙三君 関連して。私は、今の岡田さんの質問はきわめて重大だと思うのですが、事務総長に別の角度からお尋ねしますが、まあ組織委員会会長は権限がありますね。ところがその権限を持った組織委員会会長が三カ月も四カ月も空白で何にも支障ございませんか。私問題はそこだと思うのです。あなたの権限において支障なくこの予算期において、予算にも関係ありますよ。組織委員会がこの時期切迫したときに運営に支障がないというなら、私は慎重を要するために二月になったって三月になったって、五月になったっていいと思う。私はそういうふうなあってもなくてもいいような、組織委員会会長というものはいいかげんなものじゃないと思うのです。私は極端に言えば、組織委員会会長がないということによって機能が停止するというのが、本来の組織委員会会長の責任だと思うのです。その責任者が二カ月も三カ月も四カ月もいなくても動いておるから私は一つにはきまらないのかと思う。それはあなたに言ったって仕方がないけれども、組織委員会の小委員会か何か知りませんけれども、一体どういうふうにお考えになっているのですか。組織委員会会長というものは空白でもたいした支障はございませんか。それをはっきり伺いたい。遠慮なく言って下さい。あなたでいくのなら何も急ぐことはない、ゆっくりやったほうがうまいのが選ばれるのだから……。僕はそう思わないからお尋ねするわけなんです。
  87. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいまの御質問に対してお答えいたします。実は御指摘のとおり、会長というものが一日も早くきまっていただくことが、われわれ事務当局の仕事の上からいって一番望ましいのでありますが、会長が当分きまらないという見通しを立てましたときに、竹田副会長を会長代行とし、かつ、この会長代行を補佐するために五人の常任委員というものを選ばれましたのです。したがって、われわれ事務当局としては、今のところ会長はおられない、しかし会長代行並びに集団制の会長代行がおられるような形になっているのであります。一つの例をあげましても、外国へ年賀、クリスマス・カードを送るというのが、各国のオリンピックの事務局の恒例となっておりますが、会長がいないと、会長の名前で年賀状も出せない、こういうようなこともありますし、外国からそろそろオリンピック施設を視察に来られるときにも、現役の長官というような方が来られる場合もあるのでありますが、こういう場合に、会長がまだきまってないということは、外国に、何か日本のオリンピッの組織委員会はもめているから、そういうことになっているのではないかという印象を与えるのでございまして、私どもとしてはできるだけ早く会長が選ばれることを願っているわけであります。決して、事務が一応いっているから、当分会長は必要ないという考えとは全く逆な考え方をいたしております。
  88. 河野謙三

    ○河野謙三君 関連でもう一つお伺いいたしますが、まあ早く会長がきまったほうがよりベターだというふうに私は伺えたのです。とりあえずは会長の代行もきまっておるし、それで一応運営には支障がない、しかし本来、会長がきまればよりベターだというふうに私は伺ったのですが、私はそういうふうな御見解には同意するわけにいかないのです。今外国の例をとられましたが、外国だけじゃございません。国内の国民に対しても、オリンピックに対しての印象は非常に悪いのですよ。その印象が悪い一つの中に、組織委員会の会長がいまだにきまらぬというようなことは、財界の問題だけじゃない、国民全体が非常にオリンピックに対して疑問を抱いている。こういうことで、私は一日も早くきめるべきであって、なければないで代行でやっていけるんだ、事務総長はそんなに急ぐことはないとは言われませんでしたけれども、何か少なくとも組織委員会の中では、そんなに急ぐことはないのだというような空気が、私は今日のようなことになっていると思うのですが、私は少なくとも、あなたに言うべきことじゃないけれども、われわれのようなものでも、そういうふうな意見が国会の中にもあるということだけは、強く私は組織委員会の各位に伝えてもらいたいとこう思うわけです。
  89. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいまの御意見と同じ空気が、組織委員会の選考小委員会の中でもございまして、何とかしなくちゃいかぬという空気が強いのでございます。私も、代行で今臨時にやっておりますが、これは正式に早く会長がきまっていただきたい、こう思っておるわけであります。
  90. 西田信一

    理事(西田信一君) 私からもちょっとこの機会に申し上げておきます。  過般、私ヨーロッパへ参りまして、IOCのオットメーヤー事務総長に会いました際にも、特にこの点について指摘がありまして、あなたがおきまりになっても連絡がない、とにかく早くきめて、そうして連絡してほしいということを特に皆さんから御要望がありましたから、その当時に在外公館を通してそのことをお伝えいたしましたけれども、私がオットメーヤーに会った感じから申しましても、各国のIOCの委員連や、各国の人々と会った感じから申しましても、今両委員から御要望の点は、これは特にお急ぎになる必要があるのじゃないかということを感じますので、ちょっと私が向こうで受けました感じを申し述べておきます。
  91. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今の問題についてもう一点お伺いしたい。小委員会を何べん開いたか私存じませんけれども、   〔理事西田信一君退席、委員長着席〕 おそらく数回は開かれていると思いますが、すでにその委員会に会長候補の名前が出たか、お名前が出てそれを論議しておる段階になっているのか、名前が出ないで、ただ何か基準のようなものだけをめぐって御議論なされているのか、その点はどうなっておるのですか。別に私その名前を聞こうというのじゃないのです。
  92. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 小委員会の中でいろいろ財界からとか、あるいは財界と限らず民間からとか、いろいろ意見は出ておるのでありますが、具体的な名前は今日まで一回も出ていないと承知しております。少なくとも私が就任しました後一カ月半というものの間の小委員会で、具体的な名前は出ておりません。
  93. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 まだそういう名前は出ておらぬということになりますと、これはことしじゅうどころじゃない、来年一月じゅうにだってむずかしい。そうなって参りますというと、これはもう再来年の十月に迫っておるのですから、来年は相当対外折衝も多くなるだろうが、また国民に対しても、もっとオリンピック委員会はどんどん仕事をしているのだという姿を現実に示さなければならぬ。それでそういう面に非常に支障を来たすように思うのですが、まだいつきまるかわからないというような態度では、まことにこれは遺憾しごくと言わなければならぬ。事務総長の手でこれはできることじゃないのですから、あなたに対して強いことを言うわけにも参りませんけれども、ひとつ早くきめるという空気は、ぜひ組織委員会の内部においても作り上げていくようにしていただきたいと思います。
  94. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 御趣旨はよく了解しました。小委員会に伝えるつもりでおります。
  95. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それから、三十八年度予算の折衝状況、そういう点についてひとつまとめて御説明願いたい。
  96. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 私文部省の関係だけしか申し上げかねますが、文部省だけにつきまして申し上げます。  国立競技場の整備充実費、これは国の費用でございますが、これが一億円。それから次に、国立屋内総合競技場の建設でございます。これは三十八年度二十億の債務負担行為を認められておりまして、これは実は今月中に現在あるワシントン・ハイツの建物を取り除きまして、それから今の計画では、大体来年の一月の初めごろに入札をいたしたい、かように考えておりますが、それをいたしまして、そうして三十九年八月に完成をする、こういう計画で目下進行中でございます。  ちょっと申しおくれましたのですが、国立競技場につきましては、建設そのものは、ごらんだと思いますが、進んでおりまして、あと来年度におきましては、スタンドの中の一部分、腰かけでございますが、そういうものの費用等を要求しておるのでございます。  それから次に、戸田の漕艇場につきましては、今年はこのコースそのものを作りますのですが、来年は本部事務室とそれから艇庫等約二億六百万円要求いたしております。で、工事の着工は、すでに測量等はいたしまして、今月二十一日に着工をいたす予定になっております。  次に、大会の参加選手練習場の整備の費用でございますが、これは一億円はかり要求いたしておりますが、ワシントン・ハイツにも練習場というものは作る予定でございますが、陸上競技の投げるもの等につきましては、これは特別な広い場所が必要なものでございますので、東京大学並びに東京教育大学の運動場を利用いたしまして作るものでございます。  次にオリンピック国民運動の諸費というのがございますが、これはいわゆるオリンピック精神の高揚並びにオリンピック・ムードの振興と申しますか、そういう費用といたしまして七千二百万円要求いたしております。  次に、朝霞射撃場の整備といたしまして二億四千百万円の要求をいたしております。これはいろいろな建物の費用でございます。  次に、オリンピックの芸術展がございますが、そのうちの古美術につきましては、今年度東京博物館の中に施設並びに展示物の模型等を作る費用を要求いたしております。  それから次に、日本青年館を利用いたしましてプレス・センターを作る予定でございますが、現在ではどうもうまく配置ができませんので、少し改築をいたすのでございますが、それを六千四百万円補助金を出す予定の要求でございます。  さらに、組織委員会につきましては、事務総長さんがお見えでございますので、そちらからお話があると思いますが、国からの補助金といたしましては四億八千万円でございます。  次に、競技技術の向上、いわゆる選手強化の費用でございますが、これが三億三千万円、会計いたしまして三十八億九千三百万円の要求が大体文部省関係におきますオリンピックの費用でございまして、折衝の経過は、すでにいわゆる説明はいたしまして、その後こまかいいろいろな問題について具体的にさらに明細について大蔵省と折衝はいたしております。しかし、その結論についてはもちろん第一次査定まで大蔵省としては返事はございませんので、はっきりしたことは現在では申し上げかねる実情でございます。
  97. 村井順

    参考人(村井順君) 私から組織委員会関係予算について御説明いたしますが、組織委員会関係予算は、若干特異な性格を持っておりますので、全体的なそういう特徴から申し上げますと、三十四年から四十年までの予算を全体を総計いたしまして九十一億九千六百万という大体予定をいたしております。現在、三十七年度でございますが、三十四年から三十七年までの予算総計が七億六千万、そのあとを三十八年、三十九年、四十年はごくわずかですが、この三カ年に残っておるわけでございますが、三十八年度は約十九億七千幾ら、約二十億という予算を出しております。それから来年が、三十九年度の予算が約六十億くらい、三十八年と三十九年が予算の大部分を占めるということをまず御了解願いたいと思います。  それから次は、これの収入につきまして、いわゆる財源につきましてのわれわれの構想を申し上げますと、大体間違いなくこの程度は確保できるだろうと思っておりますものが事業収入の約三十億でございます。それから資金財団から約二十億ぐらいくるだろう、それからその他財産を処分して約二、三億あるだろう、五十数億につきましては大体間違いなく入るだろうということになっております。そうすると、その残額は約四十億、その四十億を国と都で半分ずつ、すなわち二十億ずつ補助していただく、これがわれわれのほうの全体の資金計画になっております。そういうような意味からいたしまして、国にお願いいたしますのは、結局大体五分の一ぐらいをお願いしておるわけでございます。ですから、もし国の補助金が減るようなこと、たとえば全体のワクを、今大蔵省で見てもらっております全体のワクが、九十億が七十億だとか七十五億だとか、そういうふうに下りますと、もう国の補助金はあまり見ないぞということになるわけで、つまり、たとえば三分の一査定したということにかりになったらたいへんでございますが、三分の一査定ということにされたら、国は全然見ないぞ、自分で勝手にやれというような予算になるということをお含みおき願いたい。全部を国にお願いしておるわけではないということを御了承願いたい。  それから来年度の予算につきましては、先ほど申し上げましたように、約十九億七千万、約二十億でございますが、そのうちの問題点を二、三申し上げますと、現在職員が百六十二名おります。これが三十七年度末までに二百人にしたい。三十八年、来年はどのくらい計画をしているかというと、これは三百から四百ぐらいにしたい。この点が一つの大きな問題になります。なぜ問題になるかと申しますと、ローマの大会のときには一年前でも二百数十名しかおらなかったのです。こちらは一年半なり二年前からそれと同じぐらいの数字がほしいという、この数字に対して問題が起こってくる。しかし、これは御承知と思いますが、ローマではコニーというたいへん膨大な体育協会がございます。それがどしどしオリンピック仕事をやっていく。さらに御承知のように、いわゆる軍隊が乗り出してくれましたが、これは最初はどれだけ出たか数字としてははっきりこれは出ていなくても、二年ぐらい前から内部ではそういう仕事をやっておったのではないかとわれわれは考えておるわけです。そういうような意味で、ローマ大会とは違って一年ぐらい前から少したくさんの人数をそろえていかなければならぬ。さらに言いますと、ローマ大会では、大会の直前に急に膨大な人数をふやしましたので、みんな新米で何も知らないで入って来ただけで、そのために非常な混乱をして失敗したということもございますので、ある程度中心になる人間は、少し早くても入れておかなければならぬということで、来年度のわれわれの陣容強化というものについては、ローマとは違うというような考え方をひとつ御了承願いたいと思います。  それから次に、事業について問題になりますのは、いわゆる国際スポーツ大会とわれわれ申しておりますが、ちょうど一年前の、つまり三十八年の十月の大体同じころに約六日間、世界の有名選手を集めて二十種目全体について大会をやりたい。これはどういうことかと申しますと、NHKが約一億七千万円ばかり出しまして世界から三百五十人ばかりの有名選手を集める。それではその機会に体協のほうでは選手強化を一緒にやろうじゃないか、二、三千万円出そうじゃないか。その後、組織委員会で、ひとつリハーサルのつもりでもってこれに参加してもらえないだろうかということになったわけです。で、その額が、結局八千万円というものがこの中に組んであります。これがいろいろな考え方がございまして、相当今後難航するんではないかとわれわれ思っておりますが、せっかくNHKがそれだけの巨額の旅費を出して三百五十名招いて、普通ならばそれが各地方にばらまかれてしまうわけでございます。というのは、日本でもって大きな大会をやる場合には、東京でやると採算がとれない。みんな地方でやって、地方の御協力によって、たとえば静岡とか福岡とか、そういう所で大会をやるのが従来のやり方だそうでございます。それを全部一括して東京でまとめてやらしてもらいたいということになりますと、弱いと申しますか、財政的に小さい競技団体ではとてもやっていけないので、少し見てもらわないとこれはいろいろな問題が起こります。  それから、先ほどからいろいろお話があります交通問題など、いろいろありますので、警視庁などにおいても、それに対するいろいろな資材だとか陣容、人員を出動させるための予算だとか、いろいろそういうものが出て参ります。そういうものを八千万円出しておるわけでございまして、もしわれわれのほうでやらないとなれば、地方でばらばらと大会が行なわれるということになるわけでございます。  なお、これは国際スポーツ大会というのは、東京大会のリハーサルにもなると同時に、来年のいわゆる日本選手権大会にそれぞれなるというような構想を持って進めておるわけでございます。  それからもう一つ問題になりますのは、広報関係の中で、いわゆる記録映画の作製費というものが約五千万円頭を出しておるわけでございます。映画については従来約五億六千万ぐらいの膨大な予算をもって、世界に誇るりっぱな記録映画を作ろうという考えで、黒沢明監督にお願いして進めておったわけでございますが、その後、やはりバランスをとらなければいかぬ、収入はどのくらいか、結局二億ぐらいしか入らないんではないか、あるいは二億五千万円ぐらいは上がるんじゃないかというようないろいろ話がございまして、この収入に大体見合う程度で、約二億九千何百万、約三億でございます。ちょうど五千万の赤字が出る程度予算を考えまして、そのワクを一応記録映画の予算にいたしまして、三十八年はその中の五千万を、頭を出すということになります。そうしますと、これは全体の予算についておそらく大蔵省は査定をするだろうと思います。大蔵省としてはコマーシャル・ベースでもって普通の会社にまかしてしまったら収支償うんじゃないか、償うというよりも、組織委員会としては一銭も赤字が出ない、場合によったら権利金取ったらどうかという意見までございますが、われわれが考えますのに、これは千載一遇のチャンスでございまして、この機会に日本の最高の技術というものを世界のすみずみの人に見てもらいたい。参加国約百カ国と申します。百カ国の人々に日本の現在の力というものを、あり方というものを、それから大会の模様というものを見てもらえるのじゃないか。とにかく日本の最高のひとつレベルのものを作りたい。わずか五千万円赤字だという意味におきまして、これをわれわれとしてはあくまでもお願いしたいと思っております。  それから次に問題になりますのは、競技団体が約二十ございますが、この競技団体が御承知のように非常に膨大な力を持っておるところがございますし、非常な微弱な、まだできたばかりのいわゆるカヌー協会とか、そういうのがございます。こういう競技団体が、大会の運営には組織委員会と一緒になって二人三脚でもって大会をやって参るわけでございます。競技の実施はそれぞれの競技団体におまかせするわけです。その団体があるいは強力な力を持ちあるいは弱い力を持っている。しかし、いずれにしても国際的に最高のレベルに達するには、いずれも相当の、何と申しますか、われわれとして応援をしなければならぬのじゃないか。たとえば、ルールをどういうふうにしたらとか、大会の実際の実施をどういうふうにしたらいいかとか、それから役員の養成、審判の養成をどういうふうに進めていったらいいかといういろいろな問題がございます。そういうような問題を、とにかく世界に恥じない最高のレベルに持っていくには、結局二人三脚で、われわれのほうにだけ予算がついたのではいけない、競技団体にもつけたい、ところがこの問題がなかなか理解していただけない問題でございます。しかし、一方競技団体としては、これが非常に大きな重要な問題として熱望しております。で、三十八年はわずか競技団体の強化費として四千万円、役員関係として一千八百万円、五千九百万円、約六千万円出しておるわけでございますが、三十九年になりまするとさらにこれが倍加されまして、強化費が約一億、総計ですね、三十八年、三十九年合わせまして二億円以上の巨額に達するわけであります。しかし、それは二十団体に分けますと、そうたいした額ではないことは御了解願いたいと思います。こういうような全然変わった予算でございますので、これがなかなか理解してもらえない、非常に難航するのではないかと思っております。  それから最後にトーチ・リレーの問題でございますが、これにつきましてはアテネから直線でもってまっすぐに日本まで飛んで来たらどうか、あとはアジア大会方式とか何とかというように、たとえば鹿児島から一県々々一直線に東京まで来たら、これが常識で一番安いんじゃないか、こういう意見が強く大蔵省のほうから言われておるわけでございます。しかし、御承知のように初めてアジアにこのオリンピック大会を持ってくる。このためにはアジア諸国のまあ非常な熱烈なる応援を受けまして、それでIOC総会で日本に持ってくることができた初めてのアジアの大会です。それから各国で熱望しておりますので、とにかく金はかけないで一カ国一カ国へひとつ寄ってくる。その都市に寄ったらば、あとは向こうの予算で飛行機で、飛行機の休養している間は、ちょっとその辺の市内でもひとつ回っていただくというようなことで、十九カ国を一々ひとつ回って参りますということになります。これはやっぱり大蔵省じゃぜいたくだということになるので、これは要するにトーチ・リレーをどうしてやるか、アジア全体のオリンピック大会をどうやるべきか、トーチ・リレーをどういうふうにやるべきかという考え方、思想の問題になってくると思いますが、これがまた難航する大きな問題だと思います。きょう、御承知のように新聞にも出ておりますが、YS−11機というものが、非常にりっぱなものができ上がったようであります。そうなりますとYS−11機を使いたい。今まで三機の予定だったものを二機に減らして、予算が少なくなるかもしれませんが、一応要するに国外が六千万、国内が約五千万と、両方で一億一千万という計画でございます。国内の計画は、さっき申しましたように、鹿児島から一直線で東京まで持ってくるというのも常識的かもしれませんが、日本で初めてで、おそらく現在の生きておる連中、日本人は一生二度とこういうものは見られない。今の赤ん坊でも死ぬまでおそらくこういう大会に遭遇しないだろうというので、四十三県ですか、北海道から鹿児島まで全部トーチ・リレーをとにかく回してくれ、つまり、鹿児島に飛行機を置いたら一方は北海道に置いて——おそらくこれは非常な熱望で、これは議員諸公のほうが非常に御熱望じゃないかと思っておったわけでございます。それで、われわれのほうで大体のアンケートをとりまして各県の要望をとりましたところ、例のアジア大会で通ったところだけはアジア大会方式でいい。もうほかの方式は要らぬ。自分のところを通るものだから、きまっておるからいいと。それ以外の県は全部われわれの県を通ってくれという回答が来ておりますので、こういう全国の——まだまだ正確な要望とは申しませんが、素朴かもしれませんが——熱烈なる希望を寄せられて、たいした金額は違いませんので、約五千万円で国内のトーチ・リレーをやりたい。もしそういうことができますれば、それに応じて三十八年度からこういうような予算が頭を出すわけでございます。大体、国内、国外合わせまして一億一千万、そのうちトーチ・リレーのホルダーとかトーチとかああいうようなものを今から、三十八年から製造しなければなりませんので、来年度予算五千万というものが頭を出しておるわけでございます。  最後に、たった一つつけ加えますが、いわゆる施設費でございます。この施設費が非常に問題になると思いますが、これは全年度予算——要するに全部の予算——で約二十一億、そのうち約十一億が競技場になります。競技場のいわゆる仮設費でございます。それから約九億幾らが選手村ということになっております。先般ごらんいただきました選手村は非常にりっぱでございますが、何と申しましてもワシントン・ハイツはりっぱでございますが、選手村にいたしますためには食堂を作らなければならぬ、あるいはさくを作らなければならぬ、ポールを建てなければならぬ。それからあれも十数年使っておりますので壁なども塗りかえなければいかぬとか、こういうような予算がございます。そのうち約五億ばかりを三十八年度の予算工事を進めていかないと間に合わないということになります。これは非常にわれわれとしても痛いのは、一カ月くらいたったらあとこわしちまう、それにそう膨大な金を使うのは何事か、確かにそういう意見がございますが、われわれといたしましては、できるだけあとをほかのものに転用できるような努力を文部省なりその他の御指導を仰いでやっていきたい。たとえば、食堂を作る。その食堂の建物は将来どこかの学校の体育館にかえられるような設計をやっていったらどうだろうか。厨房設備につきましても、これはホテル協会なりあるいは防衛庁などに引き取っていただくようなことはできないか。そういうようないろいろなことをしまして、わずか一カ月でございますが、そのあとに活用できる方法によってなるべく金を生かしていきたいというようなことを考えておるわけでございます。あのオリンピック村は、おそらくオリンピックの歴史始まって以来のりっぱな選手村になると思いますが、そういうものが足りないために画竜点睛を欠くと申しますか、大事なところを欠いてしまうということはまことに残念だと思っておりますので、そういう点を特に御了承願いたいと思います。  それから、競技場につきましては、三十八年は、今まで競技場についてきまっておりませんでしたのがあるいはクレーの射撃場だとかそれからあるいは耐久馬術とかあるいは自転車のトラックとか、こういうような競技場でございましたが、これもいずれも大体話し合いがつきまして、もうほとんど決定間近となっております。で、いずれも構想も進みまして、それに応じてこの予算を組んだわけでございます。競技場の予算は、本来が仮設費を組んでおります。あとでこわすようなものは全部組織委員会が主催者として作る。恒久的に残るものは文部省なりその他の省でやっていただく、たとえばヨットについては運輸省あるいは県、それから戸田とか国立競技場その他につきましては文部省にやっていただきますが、それは個人的な施設だけで、オリンピック大会にふさわしい仮設のもの、付帯設備をやるのは全部組織委員会が請け負うということになっておりますのがこの予算でございます。  以上、そういうことでよろしくお願いいたしたいと思います。
  98. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 僕は全般的に、たとえば道路とかそういうものを聞いていきたい、どの程度、まで折衝が進んでいるのかということを聞きたかったのですが、まあ全般的のことについては、ちょっとどうもきょうは無理のようです。いずれまたあらためてお伺いしたいと思うのですが、特にそのうちで選手強化の問題については、きょうは時間もないし、それからさらに金の支出と選手強化の関係等については、もっと突っ込んで聞かなければならぬ問題がたくさんあるので、これはひとつ次の委員会に体協の方なりそっちのほうの方においでを願って、選手強化の状況なり、あるいはまた、その今後の見通しなり、それと予算関係なりを伺いたいと思います。  それから道路の問題等についても、これまたあらためてお伺いしたいのですが、もうそろそろ早くきめてやらなければならぬのは切符の問題だと思うのです。これはどうなっているのですか。
  99. 村井順

    参考人(村井順君) 入場券の問題につきましては、まず価格の決定をいたします。それから販売方法となるわけでございます。現在大体計画しております骨子を申し上げますと、大体今年じゅうに価格を決定したい。これは若干おくれる見通しになっております。と申しますのは、稲葉秀三さんの国民経済研究所に、現在の日本の価格体系とか、経済情勢とか、そういうところから、どの程度が最も常識的な妥当な価格になるかを御研究願っておりますが、それができましても、さらにこれを委員会にかけまして十分慎重にやって参らなければならぬ。たとえばいろいろな案がございますが、われわれ事務局では十三案作っております。たとえば問題になる開会式の入場券は一等が大体七千円の案になっております。第二案は八千円、第三案は一万円でございまして、七千円、八千円ではとても安いというので、だいぶ外国の人に笑われておりますが、日本の常識からいうと七千円、八千円、それから一般の競技の最高の価格が二千円、しかし、そのほかになるべく学生なんかに百円、二百円で見てもらいたいという団体扱い、こういうように入場券の価格を決定いたします。次に、どう販売していくか。できれば来年の四月ごろに予約を開始したい。その予約は、世界各地の交通公社とかその他の有力なそういう機関がございます。そこで、こちらからその国のNOC、体協みたいなところに、お前の国では一体どういうような販売機関に頼んだらいいかと、向こうから推薦してもらいます。推薦してきたら、こちらから東京銀行と大使館を通じて、身元は大丈夫か、身元調査をいたしまして、それが今すでに世界の中に六十店くらい、販売機関としてこれは間違いないというのが回答が来ております。あと来ないところは仕方がない、一括いたしまして、たとえば南米の小さいところあるいはアフリカの小さいところは、どうしても頼む機関がなければ、たとえばアメリカならアメリカの交通公社にお願いしてしまうとか、大きな会社に一括してお願いする方法が若干残るかもしれません。一応各国のそういう販売機関を指定いたします。それから四月から予約の申し込みを受けるわけですが、その予約の場合は、宿泊施設とのリンク制になっておりまして、日本においてホテルがとれておるかどうか、ホテルがとれなくても、民泊なら民泊で、Aという人から招待状が来て、おれのところに泊まれという招待状が来ておるか、あるいはある会社から招待状が来ておるか、そういうコンファームができましたときに外地の販売機関が応ずることになっております。それから日本におきましても、交通公社系統が売る場合、体協で売る場合、学校を通ずる場合、そういうような系統が国内でも予約を開始いたしまして、現物は大体三十九年の四月から発送する。できるだけりっぱな、デザインの美しいものを作りたい。一枚約六円くらいの見当計画しております。
  100. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 その問題は、今のような段階で私も非常におそ過ぎると思うのです。先にホテルの予約をやって、そしてあとで切符を売るときに、はたして予約したかどうか、あとからコンファームする、こういう一体やり方というのは正常なやり方かどうか、むしろ切符を売ったときにホテルのコンファームが一緒にできなければならぬ。リザーブが一緒にできなければならぬ、その点についてどうも私ふに落ちかねるのです。
  101. 村井順

    参考人(村井順君) それは日本においては切符のほうが買いいいわけで、ホテルのほうがむずかしいわけになるだろうと思います。というのは、先ほどからピーク時三万、ピーク時三万と申しておりますが、これはたえず交代してきます。三日、四日で交代すると見まして、われわれは全体の入場が二百七十万枚になると、日本と国外で。そのうち、国内では約二十万枚売ろうという計画になっております。もちろん、その大体七割ぐらいしか売れないだろうと思っておりますが、そうしますと十四万枚。ですから、旅館のほうがどうしても足りなくなるのじゃないか。外国ではいろいろな方法があったかもしれませんが、日本ではやむを得ずやっぱり宿屋をコンファームしないと安心できない。それから時期もおそいじゃないか、これもわれわれ心配しております。確かにおっしゃるとおりですが、どこの例でも大体一年二カ月、一年四カ月前にようやく売り出しておるようで、日本はむしろ早いのじゃないか、それでいけば。まあそういうような気持を持っております。
  102. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は、まず最初に永末さんの質問関連してお尋ねしたいのですが、観光局長、ちょっとよくわかるようにひとつ説明して下さい。何か宿泊料を五、六ドルということにおさえる。そうすると一部屋建設費五百万円でしたか、そのうち自己資金が三分の一、あとは国の金融機関から三分の一、そうしますと大体五百万円の金利だけで一日七、八百円になりゃしませんか。もしくは千円になりゃしないかと私は思う。そのほかに公租公課、人件費等を払いますと、あなたが期待されるような五ドルとか、六ドルとかいうことで私は引き合わないのじゃないかと思うのですが、その点はどういうように計算されていますか。金利だけで、かりに民間の金融ですと、表と裏がありますが、一応大体今の金融情勢からいけば、日歩二銭五厘ぐらいかかる。たとえば二銭とか表向きいろいろいうけれども、それで三分の一、あとを国家金融機関が低利で、幾らにしますか知りませんが、利息だけで七、八百円少なく見てもかかると思うのです。そうすると、公租公課その他人件費というものはほとんど出てこないのじゃないですか、そういう点は運輸省わかっておりますか、まず聞かして下さい。
  103. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) その点につきましては、現在のホテルの料金というものを詳細に検討をいたしまして、それが一体どの程度の世界的なレベルにあるかということを見ますと、非常に高いわけなんです。
  104. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちょっと御答弁中ですが、私が伺っていることを答弁して下さい。金利の問題……。
  105. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) それで、まず値を下げる、料金を引き下げるということが一番の大きな眼目になっている。それには、やはり開発銀行からの資金のワクというものをできるだけ確保するということが次に大きな問題になってくるわけです。開発銀行では、大体海運、電力等は非常に安いのでございますけれどもホテル旅館については八分七厘、それで据え置き期間が十年ないし十五年、こういうふうな条件でただいま金を借りているわけでございます。それでホテルを作られる方の実際の状況は、大体土地等はすでに確保されているというのが多いわけであります。そういたしますと、そのホテルを作る場合の土地等は……。
  106. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちょっと、ふたたび発言中ですけれども、私が伺っていることだけ答弁してもらいたい。五ドルないし六ドルを払わせて建設費五百万円だと、そうして三分の一ずつ金融機関を分けてやると、そうするとその原価計算は、金利はどういうふうに計算しているのかということを聞いているのです。具体的に数字説明して下さい。
  107. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) 今申し上げましたように、八分七厘を十年ないし十五年の据え置き期間というふうなことで開発銀行資金は計算いたしております。それから市中銀行は、今おっしゃるように裏の金利等、あるいはその程度のものがあるかもしれませんけれども、まあ大体平素取引しておられる銀行——大体ホテルを作ろうという場合には、何と申しますか、いわゆる高利という意味じゃなしに、普通の正規のれっきとした銀行との取引がありますから……。
  108. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちょっと発言します。時間がありませんから……。あなたのほうで宿泊料を統制しているわけじゃないでしょう。
  109. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) しておるんです。
  110. 河野謙三

    ○河野謙三君 いや、待って下さい。統制しているにしても、損をしてやれということじゃないと思うんだ。そこで、千二百五十円なり千三百円なり、五ドルなり六ドルで宿泊させるという場合には、あなたのほうじゃ原価計算していると思うんだ。その中に金利を幾ら見ているかということを聞いているんです。数字を聞いているんだ。あなたの気持を聞いているんじゃない。
  111. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) 料金の統制を行なっておりますし、それから数字的に見ましても、大体その範囲内でまかない得る。開発銀行資金、それから土地等も自分で確保されているというふうなものが実際問題としては多いわけでございますから、われわれとしては料金の届け出制というものをしいておるわけなんです。自由やたらに勝手に料金をきめるということができない仕組みに今いたしておりますが、現在の一室一千万見当で大体三千五百円から以上の額でございますので、一室五百万円見当であった場合には大体五ドルないし六ドルということでやっております。
  112. 河野謙三

    ○河野謙三君 わかりました。あなたのほうで統制している以上は、一晩千三百円なら千三百円ときめる以上は、原価計算からいきまして、統制しているからといって、赤字の出ない範囲内で千三百円なり千二百五十円できめるんでしょう。そうでしょう。そうじゃなくて——じゃ、あらためて伺いますが、オリンピック期間中は国に奉仕する意味で、期間中わずかの間であるから、原価は千五百円なり千六百円かかるけれども、この期間中はわれわれの示すところの統制料金で赤字でやれと、こういうことなのか。今言われる五ドルなり六ドルは、建設費、金利、経常費、そういうものをくるめて五ドルなり六ドルで引き合うんだと。原価計算があって五ドルなり六ドルということを言われるんだと。初めからホテル業者に、国の権力とはいえ、赤字が出るけれども、この期間中はこれでがまんしてやれと、こういう方針なら別です。そうじゃないでしょう。それならば、五ドルなり六ドルとあなたがきめる場合には、五ドルなり六ドルで引き合うわけだ。それは、おれのところの計算でいけば金利が幾ら、経常費が幾ら、人件費が幾らと、こういう計算を積み上げなければ統制料金にならないじゃないですか。それを今あなたのおっしゃることではどうも私は納得できないですよ。その点はこの次の機会に十分明らかにして下さい。  それから次に伺いますが、先ほど外人宿泊の問題がありましたが、これはまあ運輸省だけじゃなく、関係者みんなに伺いたいんだが、一体オリンピックというものは、外人を優遇することはいいけれども外人優先主義でやって、日本の国民というものはどこまでも窮屈な思いをして、外人が入ってそれで一ぱいになったら日本の国民は来ちゃいけないんだと、こういう思想で一体やっているのかどうか。その点が私は非常に疑わしい。外国の人は、私に言わせりゃ、オリンピックはまた四年たちゃどっかでありますから、日本まで高い旅費を使って見に来るような人は、もし日本が一ぱいで行けないというようなことであれば、また次の機会に行けますよ。ところが日本の大衆というのは、外国になんか行けないんです。しかも日本には再びオリンピックはこないんですから、だから日本人優先にしろとは言わぬけれども、何か先ほどから御説明を聞いているというと、また今まで組織委員会その他から流される情報を新聞や何かで見ていると、一にも二にも外人々々ということで、日本人というものが、そのときどういうふうに扱われるんだということが、数字にも何にも出てこないんですが、これはむしろ川島国務大臣にも聞きたいところだが、きょう御出席の各位にも聞きたいと思う。一体外人が優先であって日本人はあくまで従たるものであるかどうか。それとも同等に扱うのか。逆に日本人優先で扱って、あと外人は、できるだけ優遇措置はとるけれども、どうしても日本人にこれだけの希望を満たさなくちゃならぬ、あと余ったところはこれだけ、初めから三万人ときめないで、二万五千なら二万五千、二万なら二万ということでやらなくちゃいかぬと思う。これは私個人の見解だが、一体文部省あたりはどういうふうな根本的なお考えをもってやっておられるのですか。
  113. 前田充明

    政府委員(前田充明君) それはおっしゃるとおり非常に外国人のことが話に出るものでございますから、非常に外国人を特別優先するような印象をお受けになったかもしれませんでございますが、そういう考え方は別に持っているわけではございませんで、入場券等につきましても、青少年に特にこのオリンピックを見せることは非常にいいじゃないかというような考えをもちまして、私どもまだ具体的にこまかくそのやり方についてはきめておるわけではございませんが、考え方といたしましては、教育委員会とか、あるいは都道府県の体育協会、そういうのを通じまして、東京のみならず、地方の青少年にも見せたいと思っているのでございますが、ただ問題になりますことは、地方の青少年の場合になりますと、いわゆる中学校、高等学校の、東京への修学旅行はおおむね一日八千人ぐらい今来ているのでございますが、その辺を一体どういうふうにしてさばき、どういうふうにしてそれを売るか、その辺の問題は非常にまあこまかい問題になりますので、いろいろな点でむずかしい問題がございますが、できるだけ多く見せるような処置をとりたいと思っておる次第でございます。
  114. 河野謙三

    ○河野謙三君 文部省がそういう気持なら、そういう気持にひとつ指導精神を統一してもらいたいな。実際はそうじゃないじゃないですか。たとえば先ほどからホテルの問題を聞いても、観光局長非常に苦心されておるが、初めから国内の人は、東京へ上京してどこかそこらへ行って泊まるだろうというようなことで、計算に入れないで、外人が三万人来るであろうということで、国内の人については何も考えていないのじゃないですか。そうでしょう。そんなばかなことはありませんよ、あなた。外人以外泊めちゃいけないということをやるのですか。どうなんです。観光局長、それはオリンピック期間中は、運輸省が指定するところのホテル旅館外人優先であって、外人以外は泊めちゃいかぬ、こういうふうにやるのですか。
  115. 梶本保邦

    説明員梶本保邦君) 毛頭そういうふうなあれはございませんが、そのほかに、大体生活様式が違うものでございますから、日本式の便所のところよりも、洋式の便所のところのほうが、外人としては適しておるというふうな考え方から、ホテルというものは外人が、何と申しますか、泊まる率が多いわけでございまして、東京都あるいはその近辺をお考えいただきましても、日本旅館がたくさんあるわけでございます。これはもう非常に多いわけで、日本観光旅館連盟に入っておる旅館の数だけでも、全国で七千軒ぐらいございます。その中にさらに国際観光旅館連盟というふうなのが約九百四、五十軒ございまして、その中にいわゆる政府登録旅館というのが四百軒ぐらいある。こういうふうに、登録旅館、それから国際観光旅館、それから日本観光旅館連盟加盟の旅館というふうに段階があるわけでございまして、決して日本人は一切がっさいボイコットするとか、あるいは来て泊まっちゃならぬというふうな考え方は毛頭いたしておりませんし、現に旅館等もたくさんあるわけでございますから……。
  116. 河野謙三

    ○河野謙三君 わかりました。そういうお考えはよくわかりましたが、お考えと現実と、それでつながりますか。たとえば日本人の生活様式が違うというのも、日本人は全部畳でないといけないというわけじゃないのですよ。日本人でも相当なかなかこのごろはホテルのほうがいいという人が多いのですよ。そういう場合に、日本人と外人とをどういうあんばいの上においてやるかということをお考え願わなきゃいけないと私は思うのです。ただ気持の上で、日本人は生活様式が違うから多分畳のほうに行くだろう——それは、米の飯とパンみたいなものですよ。パンがこのごろ多いですから……。まあ関連質問が長くなりますから、それは私やめます。よくひとつ次回までに突っ込んで、私自身ももう少し研究してきますから、御研究願いたい。  きょうは、先ほど来、岡田委員その他から、前向きのオリンピックの問題についてお話がありましたが、私はうしろ向きにひとつ聞きたい。先ほどたまたま村井さんから聖火リレーの話が出た。それは組織委員会で、アジアの各国を回って日本に来るんだと決定したのですか。これは決定事項ですか。
  117. 村井順

    参考人(村井順君) まず、先ほどの問題からお答えいたしますが、先ほど、トーチ・リレーでお答えいたしましたように、アジアにおける初めての大会であるから、アジア全体に喜んでもらいたい、さらに、国内のトーチ・リレーについても、国内の国民全体に喜んでもらいたいという意味で、ああいうふうなトーチ・リレーの計画を申し上げたので、決して西洋人だけを大事にしようという考えではないことは、御了承願いたいと思います。  次に、各国を回るトーチ・リレーの計画について、組織委員会で決定したのかどうかということでございますが、これは、聖火リレー特別委員会というものによって、一応そういう案ができ上がりまして、これが組織委員会にかけられました。組織委員会では、そういう方向でそれじゃ進めていこう、中間報告として聞いておこうと、十九カ国、二十二都市と書いてありますが、その十九九国、二十二都市というものについては、一カ国二つの都市を回る必要があるのかどうかと、ある意味では、政治情勢やコース関係で、そういう点が出たのですが、そういう点は、もっと研究し直したらどうか、とにかく、中間報告自体は了承するから、その線で事務や予算は進めてもらいたい、十九カ国を回る予算についても、組織委員会で、たしか私御説明しております。それから中間報告は、はっきりと、十九カ国、二十二都市というものについて御報告いたしまして、この線で事務を進めて参りますということだけは了承を得ております。
  118. 河野謙三

    ○河野謙三君 組織委員会の決定事項でなければ、予算要求なんかすべきじゃありませんよ。そうでしょう。先ほど伺っていると、われわれも、そういう要求を組織委員会の決定でそういう方向にきめたと——きめたとおっしゃらないけれども——そういうふうに意味合いがとれますよ、あなたの答弁は。私はそうじゃないと思う。  私は、これからうしろ向きにいろいろ聞きたいというのは、まず、いろいろ要求する前に、しっかり足元を囲めてかかられたらいいんじゃないかと言うのです。私は、この機会に聖火リレーについて、あなたと見解が違うから、私の見解を申し上げます。いまだかつて、世界の一流国といえどもオリンピックを主催したときに、そんなばかばかしい、はでな聖火リレーをやったことはありませんよ。日本は、所得が倍増して、景気がいいといいますが、そんな景気のいい国じゃありませんよ。そんなばかばかしいことをやったら……。私は、それは回ってきてもらいたいと思いますよ、じゃまにならないから。私の見解を言えば、北極回りして今一ぺんに来られるんだから、回ってきて、北極の極点に日章旗でも落として、そして羽田に来ればいいでしょう。そういう見解を持っている人もあるということを、あなた、組織委員会に伝えて下さい。しかも決定していないものを、あたかも組織委員会の総意であるかのような形で、それを予算要求の形で出すということは、私はけしからぬと思っているのだ。  時間がないから、ついでに申します。あと向きの話ばかり申します。オリンピック後援会は、だれが責任者ですか。その責任者からまず伺いたい。
  119. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 後援会につきましては、実は、申しわけございませんが、私は、書類を持って参りませんでしたのですが、前に、河野先生からのお話がございましたものですから、一応、書類にしてお見せしたとおりと考えております。
  120. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は、そういう数字を伺っているのじゃない。数字は新聞に出ていますから、私だけじゃない、国民がみんな知っていますよ。千数百万円の佐藤某が使い込みをして、そのうち七、八百万円を弁償して、あと四百万円近いものが未解決になっていると、そういうことでしょう。そういうことじゃなくて、オリンピック後援会の跡始末の責任者はだれかということを聞いているのです。
  121. 前田充明

    政府委員(前田充明君) あのときに、跡始末をすべき委員会ができまして、その委員会が責任者ということでございます。
  122. 河野謙三

    ○河野謙三君 その跡始末の委員会というのは、その責任者はだれです。
  123. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 恐縮でございますが、きょう持って参りませんでしたので、もし必要がございますれば、今すぐ取り寄せてもけっこうだと思います。
  124. 河野謙三

    ○河野謙三君 これも体育局長、文部省の行政の私は範囲だと思うのですがね。そうでしょう。じゃ、今私、言いますけれども、一般の民間の団体でも会社でも、職員が使い込みした場合、一体どういう処理をします。職員の弁償能力がなければ、役員が弁償するでしょう。そうしておいて、職員については、あとから裁判なり何かで、その弁償を要求する。あくまでも追及するということはあるけれども、ひとまず民間の会社なり団体で、ああいう不始末があった場合には、一応株主なり組合員に対して、団体の役員というものは、責任をとって弁償の任に当たるわけですよ。そうでしょう。だからその佐藤が、幸いにしてどこから金を持ってきたか知らないけれども、七百万か八百万か弁償した。あとの残りのわずか三百万か四百万というものは、なぜその責任者が一応——あれは小学校の子供やら何かから全部集めた金ですよ。なぜそういうものをきちっとしておかないか。そうしてあくまでも、これは佐藤の不当事実であるから、佐藤を追及するということで、私は裁判でも何でもやったらいいと思う。なぜそれをやらないか。それは私の見解が違いますか。
  125. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 結論はちょっと申し上げかねますのでございますが、現在佐藤さんとの関係におきましては、佐藤さんがそれを弁償する、そういう約束になっておりまして、現在まだもちろん最後の一部分が滞っているわけでございますが、それについては今後とももらうように、本人にはもちろん交渉をいたさなければならないと思います。
  126. 河野謙三

    ○河野謙三君 じゃ佐藤と裁判をして、あと四百万円ばかり佐藤から入るまでは、とにかくその金は穴をあけっぱなしで仕方がないと、そういう処置があなたは妥当だと思っているの。私はね、これを聞くことも、そんな悪口をどうこう言う意味じゃない。そんな悪趣味じゃない。私はさっき村井さんの話によれば、これから国にも大きな負担をしてもらわなければならぬ。民間からも大きな援助を仰がなければならない。こういうときに、まず、うしろ向きにそういうものをしっかり片づけて、信用を取り返さなければいかぬじゃないですか。それも、ほおかぶりで通せるならいいけれども、あれは裁判になっているから、ときどき新聞に出ますよ。まだ佐藤の裁判は、オリンピック終わるまで、一、二回新聞に出るでしょう。忘れようたって忘れられないのですよ、あれは。なぜそういうことを始末しないのですか。私はそれを言っているのですよ。今からでもすぐやりなさいよ。そんな三百万、四百万ばかり、だれかに立てかえさせたらいいじゃないですか。そのあと清算人を、だれがやってるか知らぬが、清算人が立てかえるか、さもなければその当時の責任者が立てかえるか何かしたらいいじゃないですか。私の言うこと、間違っていますか。そうでなければ、前向きにいろいろなことをやれませんよ。どうなんです、それは。
  127. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 私どもといたしましては、これは体育協会のことでございますが、私どもの団体でございますので、一応約束いたしまして、支払いますといった立場から申しまして、それで現実にまだ入らない部分はあるにはあるのでございますが、ともかく事柄自体としては、一応話としては、穴をあけたお金は支払うということを言っているものですから、現在ではこれを穴埋めするということについての措置はいたしておらない実情でございます。
  128. 河野謙三

    ○河野謙三君 それじゃ、今追及しているけれども、佐藤はおれの責任じゃない、おれはまだ金がないと言って、最後に佐藤が弁償しないとか、また弁償の能力がなかったときには、一体どうするのです。これはひとつ、直接の責任者である体育協会によく聞いてきて、次にはっきりひとつ答弁して下さい。私の見解をひとつ伝えて下さい。私は、少なくとも冒頭に申しましたように、こういう事件は、民間の団体で同じように、そういう不正な事実があった場合には、まずその当時の責任者がこれにかわって始末をする。しかもですよ、小学校の子供までが出した金を穴をあけて、あけっぱなしに四年も五年もほうっておくなんてことは、これはだめですよ、そんなことは。私の見解が間違っているのかどうか。これについて、ひとつこの次に御答弁を要請したいと思う。
  129. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 関連して。今、河野さんの質問された問題は、これからの金集めの上にも非常に大きな影響を持つ問題です。これははっきりさしていただきたいと思うのです。  それで、ただいま伺っておりますというと、一体その跡始末の委員会のことについてもまあ十分御答弁ができないような状況ですから、まず第一に、この次の委員会までにその跡始末の委員会の責任者はだれであるかということ。それからその佐藤から穴埋めすべきまだ金が残っておるならば、どういう計画で、いつまでに穴埋めをするのかという、これは計画ぐらいはできてなければならぬはずです。その計画があるのかないのか。あったら、それをはっきり何回にわたっていつまでに返すのだということを、はっきりしたものを示していただきたいと思います。それでなければ、これはしめしがつきません。その点をひとつぜひはっきりしていただきたいと思う。
  130. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 今のお話のことにつきましては、一応私どものほうでは調査いたしましてございますので、この次になり、あるいは場合によれば、その前なりに書類として差し上げます。
  131. 村井順

    参考人(村井順君) さっき河野委員からのトーチ・リレーにつきましての御意見、まことにごもっともな点があると思います。先ほど申し上げましたように、八月の組織委員会で、中間報告としてこういう十九カ国を回るということについて、大体その方向をある程度了解はされたわけであります。そのときに、同時に三十八年度の予算につきましても御説明いたしたわけでございます。その予算を出すことにつきましても一応御了解を得ております。しかし、先ほどの御意見、いろいろとございますので、これは組織委員会のほうにお伝えいたしたいと思います。
  132. 河野謙三

    ○河野謙三君 あなたから重ねて今の聖火リレーのことでお話が出ましたから、重ねて申しますが、われわれは組織委員会の決定事項でなければ受け取れませんよ。組織委員会で聖火リレーをこういうふうにしようじゃないかと、うちうちで相談があって、中間的に内部でそういう話をした。しかし、外部はそうはとりませんぜ。そういうことは今後もあることです。組織委員会が外部に向かって、政府なりその他に向かって要求し、また陳情する場合は、組織委員会の決定ということで、公的機関ですからね、決定を持ってやってもらわなければ困るのですよ。
  133. 村井順

    参考人(村井順君) その点、もう一度お答えいたします。  実はきょうたしか聖火リレーについての特別委員会をさらにやっております。その結果をまだ聞いておりませんので、御返事がまだ十分できませんけれども、その決定次第によっては急遽直ちに組織委員会で本決定してもらうということに、大体みんなの希望はそういうことになっております。だから予算の査定までには間に合わしていただきたいとわれわれも考えております。
  134. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 各委員に申し上げます。特に質問中の河野委員並びに岡田委員に申し上げますが、担当国務相がお見えになりましたので、もし御質疑があればおやりいただきたいと思います。
  135. 河野謙三

    ○河野謙三君 川島国務大臣にちょっと申し上げますが、私が今お尋ねしておるのは、先ほど岡田委員から、組織委員会の来年度の予算についての説明を求められた際に、いろいろ詳細に親切に御説明いただきましたが、その中で、聖火リレーの問題に触れられて、アジアの各国民族の希望もあるし、各国を回って、そうして云々という御説明があったのです。それについて、それは聖火リレーのコースというものは、アジア各国を回ってくるというコースは、組織委員会の決定かどうかを聞いたところ、組織委員会でまだ決定したわけではない、内部的に中間的にそういう意見でおりますということなんです。そういうことを、いやしくも国に向かって予算要求のときにそういうふうなコンクリートされないものを出されることは困る、こういうことを申し上げたのです。  私は、ついでにこれと関連して申しますが、この来年のプレ・オリンピックの問題にも触れられましたが、これも組織委員会で決定したのですか。組織委員会が八千何百万円の支出をしたいということを決定して、そうしてNHKがそれに一億何千万円も出して云々という先ほどの説明は、組織委員会もこれを了承し、組織委員会のこれは決定事項ですか。それが予算要求になったのですか。
  136. 村井順

    参考人(村井順君) トーチ・リレーとプレ・オリンピックと申しましたが、われわれはプレ・オリンピックということを言わないで、国際スポーツ大会と申しておりますが、この国際スポーツ大会とトーチ・リレーにつきましては、八月の組織委員会でこういう方針でやる、それについての予算要求したい。予算要求につきましては正式に了解を得ております。
  137. 河野謙三

    ○河野謙三君 予算要求をするということは、少なくとも要求を受けるほうから見れば、組織委員会の総意によって決定したという決議事項がなければ予算要求にならぬと思うのです。その点が非常にあいまいじゃないですか。組織委員会は一々議事録をとって決議してないんですか。
  138. 村井順

    参考人(村井順君) 国際スポーツ大会につきましては、トーチ・リレーもそうだと思いますが、何回もそういう話が組織委員会には出ておったと思います。それから組織委員会の議事録を私今持っておりませんので、はっきり申し上げられませんが、三十八年度の予算要求するときにその問題は説明しておりまして、しかも、了解を得ました場合に、これを一括して大体方針としてそういう予算要求をしていいということを了解を得たものだとわれわれまあ事務当局といたしましては、そういうような考えでやっております。
  139. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は、一組織委員会の書記に聞いているんじゃないんですよ。あなたは一切組織委員会のあれには出ているんでしょう。ですから、意地が悪いようですけれども、それならプレ・オリンピック——プレ・オリンピックでいけなければ選手権大会でもいいですよ——なり、今の聖火リレー、組織委員会の決議を持ってきて下さい、いつ幾日にどういう決議をしたか。私たちは今後委員会審議をする場合に、そこをはっきりしておかないと非常に困るんです。オリンピックの組織委員会の中でこういう意見があって、こう意見の交換をしたという程度じゃ困るんですよ。それを私は特に要求いたしますが、同時に、私はプレ・オリンピックについても一つ意見がある。第一に、NHKがやるということは、電波と関係していますね。電波は国民全体の公共のものですよ。これが電波がへんぱに、国民の前に平等にいかないで、片寄ったことのないように注意はしておられると思いますが、その点は一体どうかということ。それから規模につきましても、あなた御存知でしょうが、ローマの大会にしろメルボルンにしろ、これと同じようなものはやっておりますけれども、今あなたが説明されたような大規模な大げさなものはやっておりませんよ。そういうものを日本の国力と対照して、やるのは一体どうかということ。また、これをやることによって選手強化と、何でも選手強化といえば話が通ると思って、一々選手強化に結びつけるけれども、強化と、はたしてどれだけの因果関係——ないとは言いません、それらについて非常に疑問がありますよ。でありますから、組織委員会が決議決定したと言うなら、われわれは、組織委員会の決議決定でも、意見を言うことは差しつかえないと思うが、あらためて意見を申しますが、特にNHK——私はNHKがいけないと言うのじゃないが、一億何千万も金を出して非常に奇特だと思う。ただしかし、民間の放送で、一、二あるところでやると、このテレビ以外はどこにも電波を流してはいかぬとかいうのがありますが、私は、少なくとも、いかに民間放送であろうがNHKであろうが、電波は国民全体に平等でなければならぬと思う。そういう点について細心の注意を払っているかどうか、これを私伺いたい。
  140. 村井順

    参考人(村井順君) 予算要求、たとえば、今度出します十九億七千六百万の予算要求一つ一つが別個の形で決議をしておらないものがだいぶあると思います。しかし、予算要求全体として一つ一つを御説明して、こういう要求を出してよいかということの了解を得たものは、一応予算なりに大体方針が、御了承を得たものと一応考えております。  それからなお、その中で国際スポーツ大会と、それからトーチ・リレーの問題については、決議の形で出るかどうか、先ほどお話のとおり、もう少し十分議事録を読んでみたいと思いますが、予算要求そのものは、そういうような意味で決議の出てないものもございますことを御了解いただきたいと思います。  それからこの国際スポ大の意義そのものにつきましては、毎年御承知のごとく日本選手権大会がございます。その選手権大会のときには、できるだけ選手強化の仕事もそれに加えていきたい、こういうような体協の御方針がありました。それから、それに対しましてNHKが一億七千万円を出して三百五十名の優秀な外国選手を呼びたい、こういうような計画もそれに加わっています。  先ほど申し上げましたように、黙っておりますとこれはばらばらになって、各県の地方の協力を得られるような場所でもってそれぞれの種目が行なわれる。それをむしろ東京でまとめたほうが次の年の一つのリハーサルになるんじゃないか。リハーサルといたしましても、われわれが特に重視しておりますのは、一つは、この交通地獄の中でオリンピックをやると、交通警備上どういうような準備なり、どういうような問題を研究しなければいかぬかということを、ちょうど一年前に十分ひとつ研究さしていただく、そして実際のマラソンなり競歩なり、まあ外国とはだいぶ規模が違いますので、あまり例にならぬかもしれませんが、とにかくそういうようなものについて、とにかくこういう交通地獄の中でやっていけるかどうか。これをひとつリハーサルさしてもらいたい。これは警察のほうからもそういう意見が出ております。  それから競技団体、先ほど申しましたように、最近でき上がりましたばかりの競技団体がございます。非常に運営上まだ十分の自信のないところもあると思います。そういう二十の競技団体が一団となって、しかも組織委員会の競技部というものがまだ十分のこういう各競技団体と一緒になって仕事をやった経験がない。一年前に同じような場所においてこの二十の競技団体をまとめて世話をして、それでもって支障のないような大会ができるかどうか、そのリハーサルをやる。これは競技団体なりわれわれの競技部のほうの強い要望でございます。  その他いろいろございますが、とにかくせっかくの機会だから、しかも予算としてはそれほどの額はかからぬ。たとえば交通警備に約三千万という予算を計上しております。それはロープだとか木さくだとか、そういうものをずっとマラソンの場合に使う資材の予算も出しておりまするが、それは三十九年度のオリンピックの本大会に使うものを一年前に買うだけのことでございます。そしてそれを……
  141. 河野謙三

    ○河野謙三君 いいですよ、わかりました。
  142. 村井順

    参考人(村井順君) まあそういうようなことで、とにかく御意見はいろいろございますが、われわれとしては、やはりやるだけの価値があるというふうに考えております。
  143. 河野謙三

    ○河野謙三君 あなたは、当事者とすればこういう機会に大いにひとつPRしようと思って言われるが——私はPRと思って聞いておりますよ。ですけれども、私は、こういうのはそれは全部むだだと言っているんじゃない。およそ、やはり国民の負担なり国の負担なりにおいてやる以上は、国力というものによく照らし合わせて、日本の国力では、オリンピックはりっぱにやりたいけれども、どの程度が妥当だという線があると思うんですよ。それを、今あなたプレ・オリンピックと言うと怒るけれども、プレ・オリンピックにしろ、聖火リレーにしろ、史上始まってないような、アメリカでもそんなことはできなかった、そんなことをいろいろ……。私は、体育協会なり組織委員会の当事者が御要求なさるのは勝手だけれども、やはり組織委員会となれば少しは国力ということも考えて、もっと確実に歩を進めるというお考えにならぬと、かえって世間から同情を失いますよ。  それで、私は川島国務大臣にも伺いたいのですが、今までわれわれは、すべての予算要求になって組織委員会から出るものは、組織委員会の決定事項となって初めて出てくると、こういうふうに私は受け取ったんです。当然その議事録もあり、決議もあり、それに基づいて予算要求というものになると思うのですが、そういう手続はあまりやってないようですがね。一体、川島国務大臣はそういうようなことで了承しておられるのですか。
  144. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) オリンピックの準備態勢につきましては、関係仕事が全部おくれております。国の受け持つ部分、都の受け持つ部分、組織委員会の受け持つ部分と、それぞれ分担があるのですが、残念ながら非常におくれております。これを余されたる五百日のうちに取り返しまして、りっぱな準備態勢を整えようと思って、それぞれの関係者が懸命な努力をいたしているのであります。  ただいま河野さんの御指摘の組織委員会の面につきましても、いろいろ御意見があると思うのです。たとえば聖火リレーにつきましても、プレ・オリンピックにしましても、全然最後的には組織委員会できまっておりません。また、競技場の駐車場のごときは、もう全然予算化してない。そういうふうに、いろいろおくれているものを一生懸命取り戻そうとしているのですが、時期は三十八年度予算の編成にかかっておりまして、おそらく組織委員会の当事者としては、予算要求に間に合うように、とりあえず要求書を出しているのだと、こう実は考えまして、その意味で大蔵当局ともいろいろ折衝しよう、こう思っております。  今のプレ・オリンピックの点につきましては、相当議論があります。今警視庁もテストに賛成だ、こういうお話がありましたが、必ずしもそうではないので、何としても、三十八年度は東京じゅう地下鉄といい、高速道路といい、一般道路といい、工事だらけでありまして、そこにプレ・オリンピックができるのかどうか、テストに一体なるのかならないのか。われわれは昼夜兼行で東京じゅう掘り返してもオリンピックまでに間に合わせようとして、河野建設大臣初めやっているのでありますから、そうした建設当局の意見もよく聞いてみなければならず、ほんとうに警察でもって責任を持てるかどうかということも聞いてみなければならぬと思うし、また聖火リレーにしましても、アジア各国を回るという、これは田畑構想なんですが、田畑構想がほんとうにいいのかどうかという再検討の時期でもあると思うのでありまして、そういう点は実におくれているのです。これはおくれておりますが、とにかく予算要求しなければなりませんから、事務当局としては予算要求したのでありますからして、予算を組むまでに、言いかえるならば、年内中に大体のめどをつけて、必要なものは三十八年度のうちに予算化したい、こういうように私は考えているわけであります。  それからもう一つ。私がせんだって来関係者にやらせているのですが、大体最後までのすべての仕事が、どういう計画であるかという計画が立ってない。どの競技場はいつまで仕上げるのだ、どこの道路はいつまでやるのだということの目測を立てまして、その目測に合うようにこれからひとつ鞭撻しようと思って、それをまあ作っております。同時に、この計画の裏づけとなる資金計画も作りまして、それに従って、最終年度までにきめて、ぜひそれに追っつけなければとうてい間に合わないのでありますからして……。そういう実績もおくれておりまして、これからひとつ関係者全部が一致協力しまして間違いないような準備態勢を整えたい、こういう気持でいるのでありまして、私の仕事は別にオリンピック担当相と申しましても、格別きまったわけじゃないので、ただオリンピック関係者の連絡、調整、鞭撻機関でありますから。大いに鞭撻機関の機能を発揮しまして、間違いないようにしていくつもりでありますから、御了承願います。
  145. 河野謙三

    ○河野謙三君 私はさっきから声を大きくしていろい言いますけれども、この委員会はおそらく与、野党の問題じゃないと思うのですよ。オリンピック準備促進委員会というのだから、あなたたちが大蔵省に要求されたものは、とってもってわれわれがその予算の実現に大いに協力しようという一口に言えば委員会だと思う。でありますから、よほどあなたたちが予算をわれわれに説明するときは、わかりやすく、しかも大蔵出局じゃありませんから掛値のないところを言ってもらわないと困るので私はいろいろ申し上げておるわけなんです。  まだ岡田委員からの質問があるようでありますから、最後に私はもう一つ、うしろ向きに質問をし、また資料要求したいと思いますが、一番大事な選手強化です。一体選手強化に今まで幾ら金を使ったか。金額のトータルじゃなくて、使った件数、一体何にどういうように使ったということをひとつ詳細に教えて下さい。私が知っておる範囲では、選手強化に今まで使った金は、全部とは申しませんけれども、過半数はきわめてふまじめですよ。選手強化に直接関係ありませんよ。もっと露骨に言うと、体育協会のボスどもが、一人の人が二回も三回も外国を回って歩く、それが何の選手強化にになるか。寸分ないとは申しません。  それからこの間、体育局長に言いましたが、最近ではマラソンの選手がニュージーランドに行った。再来年は東京で大会をやるのですよ。私もかつてはマラソンの選手です。マラソンの準備練習というものは、レース・コースを踏んでその土地の気候風土になれることが一番大事なんです。再来年ニュージーランドでオリンピックをやるならニュージーランドヘ行ってもいいのですよ。ああいうことは一番ふまじめないい例ですよ。聞いてみれば、向こうにいいコーチがおるからと言う。コーチなら幾らでも金を出して呼んだらいいじゃないか。そういうことは過去において非常にふまじめだと思うのです。ふまじめでないというなら、私も言いたいことは幾らもありますけれども、その前にひとつ今までに選手強化に幾らの金を使って、どういうふうに使ったということを、事詳細に報告して下さい。というのは、私は今後に向かって、オリンピックの準備の中で施設も大事でありますけれども、選手強化というものは金を惜しんではいかぬと思うのです。うんと金をかけてもらわなければいかぬと思うのです。いかぬと思うだけでなく、今までのことを少し再検討する必要があると思うのです。もしそれについて、一切ふまじめなものはない、全部選手強化にぴったりのものだというならば、説明して下さい。
  146. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) これは体協の問題でして、体協の人は来てないそうですからして、私は河野さんの御意見同感なんですから、そういう資料をとりまして提供もするし、また私のほうも十分考えます。
  147. 河野謙三

    ○河野謙三君 体協の問題でこの次に御回答願うのはけっこうですが、少なくとも予算の取り次ぎをしたのは文部省ですよ。あなたの知っておる範囲でどうですか。
  148. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 選手強化の費用につきまして、支出済額についてはこの前もお話がございまして、一応書類は作って差し上げたと思っておりますが、それで、その費用の中で不当な支出はないかというようなお話でございますが、私どもといたしましては、これは限度の問題があるかもしれませんが、不当であるというふうには一応考えておりませんのでございますが、その点しかしもう一度その書類を提出しろというお話でございますので、御報告申し上げたいと思います。  なお先ほど私この次に数字を持って参るように申しました例のアジア大会後援会の使い込みの問題でございますが、これは総額一千九十二万六千四百十二円ということになっておりまして、現在までに七百三十万円返しております。したがって残りが三百六十二万六千四百十二円ということになっております。これは公正証書を入れておりまして、三十八年の八月までに完済をするということになっておりまして、もし完済できない場合は強制執行してもらってけっこうでございます。こういうことになっております。  なお、刑事事件といたしましては、検事論告、弁護等はすでに完了いたしまして、現在判決待ちという状況にございます。
  149. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は次回に答弁をしてもらえばいいと言ったのですが、あなたが今の答弁で終わったと思われてはいかぬですから申し上げますが、私は金額のことを聞いておるのではない。そんなことは新聞を見て知っている。国民皆知っている。そうでなくて、先ほど申し上げたように、一般の団体なり会社でこうした職員の使い込み事件があったときに、その処理は、まず責任者がこれを代弁するわけですよ。本人に追及して、本人がすぐに支払いの能力がなければ、責任者が責任をとる。とるということは、代弁するわけですよ。そうしておいて裁判なり何かして本人に追及する。これが順序じゃないかと、こう言うのです。ところが佐藤から七百何万取ったと、あとの残りは今裁判やって、公正証書が何とか、そういうことで一体小学校の生徒や中学校の生徒がオリンピックに金を出しているのに承知しますか。僕の言うことが無理なのか。僕の言うことが常識だと思うのですよ。だから民間からこれから大いに資金を仰がなければならないときに、わずか三百万や四百万の金だからその当時の責任者にもよく話をしてきちっとしたらいいじゃないか、こう言うのです。一体僕の見解が違うかどうかということを清算人に聞いて、この次に答弁してくれ、私はこう言ったのです。
  150. 前田充明

    政府委員(前田充明君) ただいまのお話についてはお答えしてありませんでしたわけでございますが、これは清算人は東俊郎さんでございますが、よく話をいたしまして、次にお答え申し上げたいと思います。
  151. 村井順

    参考人(村井順君) 今の点ちょっと……。予算について与野党協力するから、協力できるような予算を今後説明しろということでございますが、今後われわれはそういうふうに努力したいと思いますが、従来の組織委員会のやり方をもう一度繰り返すようですが、申し上げますが、大体三十八年度の事業計画というものを全部出します、その事業計画に基づいて予算も出します。できるだけ大きい問題はそれまでに組織委員会できめて、小さな問題は予算全体の中で了承してもらう、こういうようなやり方をしておったところが、先ほど川島大臣からお話がありましたように、トーチ・リレーにつきましては中間報告程度で、大体その方向でいいであろうと、そういうようなことで、本日またさらに特別委員会でやっておりますので、今後もできるだけ行くように連絡いたします。
  152. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 担当大臣が見えましたので、与謝野事務局長にいたしました質問の繰り返しになりますが、組織委員会の会長の選任の問題でございますが、選考の小委員会ができましてやっておるそうでございますけれども、まだなかなか進まないようでございます。これはいろいろな方面に非常に影響を与えておりますが、今後にオリンピックの準備を進めていく上にも大きな支障があろうと思います。担当大臣のほうにおきましては、先ほどのお話では自分は大いに促進役になってやるのだというお話ですが、そういう重大な問題についてどういうふうに促進方をせられておるか、そうしていつごろまでにその選任ができるのですか、その見通し等についてお伺いしたいと思います。
  153. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 私も一日も早く会長ができることを希望しておりまして、また必要と考えておるのですが、実は組織委員会人事につきましては、政府は全然関係するところはないのでありまして、また組織委員会から政府に向かいまして全く相談を受けておりません。組織委員会の決定を待っている、こういうことなんであります。この問題につきましては私は今まで一言も発言していない。私が推進役というのは事業の面で、人事のほうはそうは言っておらないのでありますから、その点御了承を。しかし非常に関心を持っておりますから、適当の方法でもってひとつ推進するように話をいたします。
  154. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 津島前会長なり田畑事務総長がやめられた問題については、川島さんの発言等がかなり大きな影響を持っていたように私どもは見ているのです。そういたしますというと、推進の問題についてもあなたの意向なり発言なりというものが、直接ではありませんけれども、間接的に大きな影響を持つというふうに私は考える、ただいま与謝野事務総長の御答弁を聞いてみると、小委員会ではまだその氏名を出して検討している段階ではないらしい。それからまた、ことしじゅうにその委員会が皆さん忙しいので開かれるかどうかわからないということです。これでは、あなたが急いでやると言っても、なかなか容易なことじゃない。よほどひとりこの点についてはお考えをいただかなきゃならぬということ。それからもう一つは、オリンピックについて政治が関与するという問題についてはいろいろ問題があるのです。まあ体育協会の会長を今度は、石井さんがおやりになる。そこでうわさといたしましては、今度は組織委員会の会長も政界の大物を持ってくるのではないかというようなうわさもかなり新聞等で伝えられているわけなんですけれども、それらの問題もからみまして、いろいろな問題があろうかと思いますけれども、その範囲は一体民間から選ばれるのか、政界から選ばれるのがよろしいのか、あなたとしてもいろいろお考えがあろうかと思うのですが、それらの点について、述べられる範囲でよろしゅうございますから、どうかお考えを聞かしていただきたい。
  155. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 選考の方針については全然聞いておりません。予算内容も初めて聞きますので、民間がいいのか、民間においても財界がいいのか、政界がいいのかという二つですが、私は人間によるのじゃないかと思います。あえてどこということを言わずに、組織委員会会長として適当な人を選んでいただきたいということが私の希望でありまして、一部に局限する必要はないじゃないかという気がいたしますけれども、これも私が選考の範囲をきめる立場にありませんからして、この場限りの……。
  156. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ほかに御質疑はございませんか。——別に御発言もないようですから、本件についての質疑はこの程度にいたします。  先ほど柴谷委員要求いたしました資料につきましては、首都高速道路公団において調査の上、すみやかに委員長に御提出願います。なお、他の案件で本日解明ができなかった案件につきましては、次回の委員会において最後的な御答弁を要求いたしたいと思います。
  157. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 先ほどから道路公団その他の方の御答弁を聞きまして、みなどうやら間に合う。ところが今担当大臣のほうから、どこもみなおくれておる。行政管理庁のほうもこの間なんかそういうようなことを報告で出しておる。そうすると、だいぶ食い違っているのです。そこで、行政管理庁のほうでどうしてそういうふうに見られたかという根拠を、何か報告書か何かあるだろうと思うので、それをひとつぜひ出していただきたい。そして片方間に合うのだ、片方間に合わぬのだと言っているのと比べてみたいと思います。それをひとつぜひ出すように言っていただきたいと思います。
  158. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいま岡田委員が御提案の案件も合わせまして次回の委員会に譲りたいと思います。  別に御異議なければ、本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後五時二十六分散会