運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-12-17 第42回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月十七日(月曜日)     午後一時三十五分開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 青木  正君 理事 荒舩清十郎君    理事 岡崎 英城君 理事 菅  太郎君    理事 丹羽喬四郎君 理事 坂本 泰良君    理事 畑   和君       大上  司君    加藤常太郎君       亀岡 高夫君    仮谷 忠男君       藏内 修治君    佐々木義武君       首藤 新八君    田澤 吉郎君       田中 榮一君    長谷川 峻君       林   博君    松本 一郎君       太田 一夫君    坪野 米男君       堀  昌雄君    井堀 繁男君       玉置 一徳君  出席国務大臣         自 治 大 臣 篠田 弘作君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁刑事局         長)      宮地 直邦君         検     事         (刑事局長)  竹内 壽平君         自治事務官         (選挙局長)  松村 清之君     ――――――――――――― 十二月十七日  委員薩摩雄次君、首藤新八君、松本一郎君及び  井堀繁男辞任につき、その補欠として佐々木  義武君、亀岡高夫君田澤吉郎君及び玉置一徳  君が議長指名委員に選任された。 同日  委員亀岡高夫君佐々木義武君、田澤吉郎君及  び玉置一徳辞任につき、その補欠として首藤  新八君、薩摩雄次君、松本一郎君及び井堀繁男  君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月十四日  選挙管理委員会組織強化に関する陳情書  (第一三六号)  公職選挙法の一部改正に関する陳情書  (第  二二三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等  の臨時特例に関する法律案内閣提出第一一号)  閉会中審査に関する件      ――――◇―――――
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより会議を開きます。  去る十日本委員会に付託になりました地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案議題といたします。
  3. 辻寛一

    辻委員長 まず、政府から趣旨説明を求めます。篠田自治大臣
  4. 篠田弘作

    篠田国務大臣 ただいま議題となりました地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  御承知のように、都道府県及び市町村を通じて、全国大多数の地方公共団体におきましては、議会議員または長の任期が明年三月、四月または五月に満了することとなるのでありまして、現行法によりますれば、その任期満了前三十日以内に多数の地方選挙が集中して行なわれることになるのであります。  政府といたしましては、前例にもかんがみ、これら多数の選挙の円滑な執行選挙執行経費の節約を期するとともに、国民地方選挙に対する関心を高める意味において、これらの選挙期日統一して行なうことが適当であると考え、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案内容の概略について御説明申し上げます。  第一に、期日統一する選挙の範囲につきましては、(一)明年三月から五月までの期間任期が満了することが予定されている地方公共団体議会議員または長の任期満了による選挙を三月以降に行なう場合、(二)これらの議会議員または長について選挙を行うべき事由が発生し、三月及び四月中に選挙を行なうこととなる場合、並びに日新都市議会議員及び長について設置選挙を行なうべき事由が発生した場合を除き、明年三月から五月までの期間任期が満了することが予定されていない地方公共団体議会議員または長等について選挙を行なうべき事由が発生し、三月及び四月中に選挙を行なうこととなる場合について、これらの選挙期日統一することといたしております。  第二に、選挙期日につきましては、都道府県及び指定都市選挙にあっては、年度末の都道府県議会等の会期との関係及び引き続いて行なわれる市町村選挙との関係を考慮して、これを四月十七日とし、市町村選挙にあっては、市町村選挙における立候補届出の受理の事務都道府県等選挙における投票及び開票の事務との関係を考慮して、これを四月三十日とするとともに、これらの選挙期日を告示する日につきましては、各選挙選挙運動期間公職選挙法規定する最短期間となるように、これを法定いたしたのであります。  第三に、この法律規定により統一期日に行なわれる各選挙は、法律上当然に同時選挙手続によって行なうものとして選挙管理事務簡素化をはかるとともに、都道府県または指定都市選挙候補者となった者は関係地域において行なわれる市町村選挙候補者となることができないこととして、重複立候補による弊害を除くことといたしました。  また、知事及び指定都市の長の選挙の場合を除き、都道府県及び市の選挙においても、町村議会議員及び長の選挙の場合と同様に、小型貨物自動車を使用することもできることとして、多数の選挙が一斉に行なわれることによる乗用自動車の入手困難な事態を緩和するとともに、後援団体に関する寄付等禁止期間を各選挙期日前九十日から選挙期日までの期間とすることといたしました。  なお、この法律規定の適用を受ける選挙手続その他その執行に関し特に必要があるときは、政令で特別の定めをすることができるものとし、選挙の円滑な執行をはかることといたした次第であります。  以上が、地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 辻寛一

    辻委員長 以上をもって趣旨説明は終わりました。     —————————————
  6. 辻寛一

    辻委員長 続いて質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。井堀繁男君。
  7. 井堀繁男

    井堀委員 ただいま議題になりました地方選挙選挙期日に関する特例についてお尋ねいたしたいと思います。  一つは、この地方選挙統一したものに持っていこうとする考え方については理解できないわけではありませんが、それがはたして妥当であるかどうかということについては幾つかの疑義を持っております。この点について一つ政府所見をただしておきたいと思います。  地方選挙の問題は、それぞれの制度改正に伴いまして、戦後、期せずして統一をした選挙日が成立したわけでありますけれども、その後、地方自治体のいろいろな事情等があって、その時期が、たとえば任期半ばにして死亡したり、あるいはその他やむを得ない事情で変更が起こってきておるわけでありますが、今後もそういうことが起こり得る。元来、地方自治体のこういう選挙については、自治体の基本的な精神からいっても、住民意思の上にこういう問題が変更されるということであれば、私はそれ自身に持つ意義があると思う。しかし、自治を構成している住民意思とは全然別個に、政府並びにその官庁がこういうような方向をとろうとするということは、自治精神にもそぐわないのじゃないか。いま一つは、憲法にも自治のことについてはきわめて明確な宣言が行なわれておりますように、一貫した思想があるわけであります。そういうものと照らし合わして、要するにこういう統一を無理にしなければならない特別の事情をわれわれは発見するのに根拠が弱い。でありますから、そういう地方自治精神を今後伸張していくという建前からすれば、むしろこれは抵抗になり逆行するのではないか。この辺の考え方は、これは政府としての今後自治に対する考え方一つを現わすものと見なければならぬ。極言すれば、自治に対する政府並びにこの法案を提出する人々の思想に関する問題でもあると思いますから、基本的な問題でありますので、政府所見をこの際一つ明確にしておきたいと思います。
  8. 篠田弘作

    篠田国務大臣 地方選挙であるから、地方住民の、あるいはまた自治体意思を通してやるのがほんとうじゃないか、こういうお話でありますが、大体この一月から来年の五月までに約三千六百ばかりの選挙が行なわれて参ります。これを地方自治体にまかして毎月々々選挙をやっていくということは、時間的にも、事務的にも、能率的にも、非常に繁雑でありますので、むしろこれを統一してやったらどうかということで、この三、四、五月の三千三百四十四というものだけを統一してやろう。これに対しては別に地方からも反対の声はありません。またそれぞれのいろいろな会合におきましても十分これは了承されておるので、特にばらばらにやらなければ自治団体意思に反するとか、あるいはまた民主的でないとかいうことはないと考えております。
  9. 井堀繁男

    井堀委員 私の質問趣旨が徹してないような気がいたしますが、ここで統一選挙の対象になるものとしからざるものとの関係は、数の問題ではないと思うのです。私のお伺いしておりますのは、自然の姿にまかせるということが、憲法にいう自治の尊重の精神ではないか。だから、そういうものを変更しなければならぬとすれば、それにはそれぞれの理由があるはずで、要するにその理由をもう少しはっきり伺いたい。今までの御説明によりますと、便利だとか、あるいは地方からこういうことに対して反対がないからといったような御意見のようであります。そういう消極的な理由でこういう特例法のようなものを設けて、自然にさからう必要がどうしてあるかということが了解できませんので、お尋ねしておるのであります。
  10. 篠田弘作

    篠田国務大臣 選挙を行なうにあたりまして、ばらばらにやるよりも、むしろそれを統一してやる方が、選挙民選挙に関する関心というものが非常に高まります。それと同時に、選挙経費の問題あるいは事務執行問題等考えましても、三千数百というものをばらばらにやるよりも、まとめてやった方がいいじゃないかという問題が一つと、もう一つは、ばらばらにやりますと、知事とか府県の選挙町村の長あるいは議員選挙とがかち合います。そうしますと、町村としましては、自分の選挙をやりながらまた他の選挙事務を見なければならぬというような、非常に複雑な事態が起こるので、前々からこれはできるだけかち合わないようにしてもらいたいという要望があったために、かち合わないように分けたということも一つです。
  11. 井堀繁男

    井堀委員 では逆にお尋ねをいたしましょう。今回こういうふうに統一いたしましても、次の改選期までには四年もあるわけでありますから、その間にまたズレがくると思うのです。もともと最初の出発点が同一だったのがずれてきたわけです。そのたびに変更するというお考えですか、どうですか。
  12. 松村清之

    松村政府委員 これは結局、ほとんど時期を同じくして行なわれる選挙の数というものが一つの大きなめどになるかと思います。来年におきましてはその数が全選挙のほとんど半数に近い。その半数に近い選挙がほとんど時期を同じくして行なわれるのであるから、これを統一した方がいろいろな点でいい、こういう観点に立って統一するのでございまして、今後四年間に時期を同じくする選挙が非常に少なくなるようでございますならば、そのときに、統一するがいいか、あるいはばらばらにそのままほうっておく方がいいか、こういう問題が出てくるかと思いますが、来年の春はほとんど半数に近い選挙でございますから、これを統一するということにしたようなわけでございます。
  13. 井堀繁男

    井堀委員 今までの御答弁では、どうも私の心配しておりますことに対して的確なお答えとは受け取れません。繰り返して申し上げることは時間をとりますので避けたいと思いますが、要約しますと、地方自治精神を育成していくということについて、選挙の問題が非常に重大だと思うのです。こういう問題を、地方自治体あるいは住民からの要請にこたえて受けて立つということであれば意義がある。先ほどの大臣の御答弁によりますと、こういう制度がしかれても別に、ということでありますが、法律ができるかできぬか知らない地方民が大部分である。だからこれは意義がないと思うのでありまして、やはり自治精神というものは、住民意思によってこういう必要が要請され、そういう声が高まってきたときに受けて立つというのが妥当だと考えお尋ねしたわけであります。これは根拠がないようであります。私は、今度の改正はまことに意義がない、あるいはむしろ自治精神に反する結果になりはせぬかという憂いを払拭することができませんことを非常に遺憾に思いますが、時間の関係がありますから、次に一つ質問を展開していきたいと思います。  次は、この臨時特例法によりまして、五つに分けて公示が行なわれます。すなわち、昭和三十八年の三月の二十三日、三月の二十八日、四月の二日、四月の二十日、そして四月の二十三日というふうに分けて告示が行なわれますが、これと今度の第六条の後援団体に関する寄付等禁止に関する事項との関係でありますが、これを関係さしていきますと、時日が九十日という期間になりますから、ちょうどこの時期は暮れからお正月にかけての時期をはずすことになるわけであります。しかもきわめてかすかすの期間になっておるわけであります。これはその選挙をする方の側からいいますと、非常に微妙な関係を持つわけです。私が冒頭お尋ねいたしましたのは、やはり選挙民意思をわれわれはたえず尊重するという立場から、あるいは自治精神を育成していくという立場からいたしますと、こういう時期に統一選挙をやろうとするのは、存外こういうところにあるのではないか。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)諸君はなかなかりっぱな公明選挙をやっておられますから、そういうお考えはないだろうと思います。問題は、われわれはさばかれる方の立場からとかくものを考えるのでありますが、そういう立場は離れて、選挙法改正というものは、こういう点には最大の注意を払うべきではないか。たとえば公職選挙法のいう後援団体に関する寄付等禁止規定というのは、その精神はどこにあるかといえば、そういう選挙違反が起こりやすいので、そういうものを防止しようというところに法律精神があることは、今さら説明するまでもないわけです。李下に冠を何とか、あるいは瓜田にくつを何とかという古人の戒めもあるように、要するにこの改正が、冒頭お尋ねいたしましたように、積極的な意義を持たない、むしろ逆に思想としては後退した思想だという立場が、私どもはとられると思うのであります。そういう点から判断いたしましても、こういう疑いをあえて持たせるようなことはいかがかと思いまして、実はお尋ねをしたわけであります。この点に対する当局所見を伺っておきたいと思います。
  14. 篠田弘作

    篠田国務大臣 ちょうどこの統一地方選挙では、公職選挙法の定める後援会規定寄付その他の、任期満了の前の九十日を境としてそういうものを禁止するということから見ると、ちょうど暮れから正月にかけて、そういうことが非常に行なわれる時期をずらしたのじゃないか、こういうふうなお尋ねでありますが、われわれもあなたと同じように、公明選挙ということを非常に一生懸命にやっているわけであります。わざわざ公明選挙を乱すようなことのために、期日をきめるというようなことはありません。しかしながら、この暮れから正月にかけてのお歳暮であるとか、あるいは新年宴会であるとかいうものは、これは選挙関係する人もしない人も、昔からもう何百年もそれをやってきているんです。だから特にそれを、新年宴会で酒を飲んだから選挙法で引っかけるというような、そういうせちがらいことまでやらなくても、私は選挙公明化は十分に期せると思います。これはもう政党のいかんを問わず、立場いかんを問わず、大小は別問題といたしまして、年始をしない人もないし、酒を飲まない人もありません。だから、そういうかえってまぎらわしいことをやるよりも、こういうことにした方が、あなたの言われる後退じゃなくて、私はむしろ前進じゃないかというふうに考えておるわけです。
  15. 井堀繁男

    井堀委員 あなたと議論しようとは思いませんが、ただ問題は、そういう疑いをあえて持つようなことは避けたいという考え方から、実はお尋ねしたわけです。これも考えの違いがあるようですけれども、なお時間がありますればもう少しお尋ねをしてみたいと思いますが、次の予定がありますので、これは問題を残しておきたいと思います。  次に、これは第四十国会において、この委員会選挙法改正が行なわれました際に、政府所見をただし、かつ責任ある回答を要求いたしました。そのことについてお尋ねしてみたいと思います。  昭和三十七年三月七日の本委員会におきまして、池田総理大臣に対して、公明選挙推進するための、補強的な措置として、まず第一に、選挙公明かつ公正に行なわれるということは、選挙管理それ自身公明かつ適正でなければならぬという意味で、選挙管理委員会独立強化し、かつ積極的な活動のできる布陣を必要とすると思うが、それに対して政府考えはどうかという意味お尋ねをいたしたのであります。これに対して、このように池田総理から答弁が行なわれております。速記録を読んでみます。「選挙管理委員会に対しましての御意見は、全く同感でございます。われわれは地方自治法改正いたしまして管理委員会強化をはかっていきたい。」云々と述べておるのであります。ここで自治法改正いたし、管理委員会強化すると言っておりますが、その内容について、この際一つ伺っておきたい。
  16. 篠田弘作

    篠田国務大臣 自治法の一部改正によりまして、選挙管理委員会専任職員設置義務制としたこと、第二には、選挙管理委員は人格高潔で、政治及び選挙に関して公正な見識を有する者であるという規定を入れましたこと、第三には、選挙管理委員任期を、従来の三年から四年に改めました。第四には、選挙管理委員会書記長を置く規定を設けました。大体自治法改正では、そのくらいであります。
  17. 井堀繁男

    井堀委員 ここで総理答弁は、ただ単に選挙管理委員会強化を、自治法改正という形式的なことをお答えしているだけではないと思うわけで、総理答弁としては、かなり具体的でかつ責任ある重い答弁だと私は思うのであります。というのは、元来政策に対しての大まかな立場をとって答弁に立つのが通例でありますが、ことに地方自治法改正にまで言及されたということは、私は選挙管理委員会独立ないしは選挙管理委員会拡充強化をはかろうとする、きわめて強い誠意ある答弁が、こういう結果になったものと思うのであります。それに比較いたしまして、ただいま自治省の方の自治法改正に対する内容というものは、あまりにも似ても似つかないほどごく申しわけ的な改正にとどまっておると私は思うのであります。これは、きょうは時間がございませんので、委員長にもお願いいたしておきますが、次の機会に発言の機会を得させていただいて、今の改正されましたものをもう少し私も勉強いたしまして、この総理大臣答弁とその改正が、はたして妥当なものであるかどうかについて質疑を続けたいと思いまして、保留をいたしておきたいと思います。また、ただいま伺った資料を、もう少し詳しくちょうだいいたすことを要望いたしておきます。  次に、これも前国会約束をいたしたことについての実行を希望いたす意味お尋ねするのであります。三十七年四月二十六日の本委員会におきまして、私から池田総理に対して、次のような質問を試みたのであります。それは、さきに選挙制度審議会から答申されました答申案公明選挙運動推進に関する事項ということで、広範にわたりまして、公明選挙運動推進するための措置答申しておるのであります。このことに関連をいたしまして、総理に私から質問をいたしました。それは、ここでは時間を節約する意味説明を省きます。速記録に書いてありますから、ごらん願いたいと思う。それに対する池田総理答弁は、きわめて誠意あるものと私ども拝聴いたしました。しかも具体的であります。その一つについて、きょうはお尋ねいたしたいと思います。  それは、先ほどの質問とも関連のあることでありますが、選挙法第六条の規定による常時啓蒙啓発のための委員会並び自治省初め当局の責任を実は約束しておることであります。これは公明選挙運動の核心に入る問題だと思うので、私は強調いたしたわけです。それに対して総理はこう答えている。「選挙制度に関する答申の六に「公明選挙推進のための財政措置」こういう答申が出ております。「民間運動及び選挙管理委員会の常時啓発活動の積極的な展開を期待するためには、現在の予算額は余りにも僅少であるので、大幅な増額をはかること。特に、市町村における末端組織活動強化のための経費増額について特別の配慮をすること。」こう載っております。私はこの点につきましては全く同感で、前からこういう気持を持っておったのでお話し申し上げたような状況でございます。」云々と言いまして、少し途中を飛ばしまして、「国民のあれでございますから、」——これは前の意味でしょう。「十分計画を立てまして、必要な金は、最も重要な事項でございますので、私は十分考慮いたしたい。今ここで何十億ということはちょっと無理でございますが、御趣旨の点は十分私にはよくわかります。この程度で、今金額を申し上げるということはちょっと御容赦願います。できるだけ公明選挙のための経費を支出するということは、ここではっきり申し上げます。」文章はたどたどしいですけれども、意味はおわかりのように、これは委託費の問題。これはたびたびこの委員会で論じておりますから、これ以上の説明は要らぬと思いますが、この答弁が行なわれますのには、出し抜けに私からお尋ねして答弁を願ったのではありません。前もってこの委員会理事会などで話し合いをし、与党理事、特に当時の加藤委員長を交えまして、この問題はこの委員会自治大臣事務当局に対してたびたび呼びかけたのでありますけれども、あまりらちがあかない。もちろんこれは自治省関係者努力が足りないのではなくて、そういう努力が一向に実を結ばないというのは、予算の上で、すなわち大蔵省との間の折衝にも苦心をしておられるという事情もよくわかりましたので、これはやはり内閣首班者である総理の決意が重要であろうということに意見が一致いたしまして、この質問をいたします以前に、私から提案をいたし、そこで意見が一致いたしました。その当時私は、ここにも途中で述べておりますけれども、昭和三十七年はもう予算がすでに成立しておるのであるから、新しい予算を組めということは困難であろうけれども、予備費から、すなわち三百億の予備費の中からその一割程度のものをこういう方面に使用するということは、決して無理な相談ではないと思うから、この際予備費から三十億ぐらい、昭和三十八年度の新しい予算を組むときには、その趣旨を徹して三百億程度の要求をいたすべきじゃないか、こういう点については、この委員会で従来のような質疑を繰り返すことは効果が薄いので、事前に、要するに与党の——特に委員長が先導されて、一つ与党理事各位から確約を取りつけていただいて、その上で質問を試みたいという了解が成り立ちまして、交渉においでをいただいた結果、こういう御答弁があったわけであります。でありますから、この辺の関係について、実は三十八年度の予算にはどうしたか、三十七年度の予備費の中から使われております金がどのくらい、そしてどのくらい残って、それはどういう工合にお使いになるのか、この辺のことを一つ詳細に伺っておきまして、約束はぜひ実行してもらいたいと思いますので、まずその辺からお答えを願いたいと思います。
  18. 篠田弘作

    篠田国務大臣 このときの速記録を見ましても、池田総理は、はっきりと、「最も重要な事項でございますので、私は十分考慮いたしたい。今ここで何十億ということはちょっと無理でございますが、御趣旨の点は十分私にはよくわかります。この程度で、今金額を申し上げるということはちょっと御容赦願います。できるだけ公明選挙のための経費を支出するということは、ここではっきり申し上げます。」と答弁されております。従いまして池田総理も、そのときに、何十億ということはとてもできないと言っておる。今、新たに三百億と言われましたが、今の政府の財政の関係で、とてもそんな、三百億を常時啓発費に出すということは、実際上できないし、また大蔵省自体もそんなことは承知しません。三十七年度におきまして三億五千万円であったものを、今回約その三倍の十一億を要求したということは、われわれとしては、事務的にも、またいろいろなそういう過去の経緯を考えても常識的な線であろうと私は考えております。ことにまた来年の統一地方選挙に対しまして——今まで一度も予備費などを支出したことはありません。それを今度、九千五百万円でありますけれども、予備費も支出させまして、そうして国と地方とが協力してやろうという態勢を示しておるのであって、あなたのおっしゃるような三百億も三十億も出せないから熱意が足らないというふうには、われわれは考えておりません。
  19. 井堀繁男

    井堀委員 お尋ねはあとで続けますが、御答弁を願う上に便利だと思いますから、本日は前の委員長加藤常太郎委員がお見えでありますので、その辺のいきさつを——要するに私から言いますと何かこじつけておるというようにとられたりいたしましては、時間を空費しなければなりません。事実は速記に明らかになっておりますけれども、この際加藤委員から、そのときの折衝の経過なり結果なりがあろうと思いますので、その点お聞きを願いたいと思います。その上でお尋ねしたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
  20. 辻寛一

    辻委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  21. 辻寛一

    辻委員長 加藤委員から発言を求められておりますから、この際、これを許します。加藤常太郎君。
  22. 加藤常太郎

    ○加藤(常)委員 今の御質問でありますが、その当時、附帯決議にもその問題は判然と載せております。われわれ与党理事並びにそのときの責任者の幹事長その他に、民社党の要望、これは社会党も要望があったし、与党の方にも要望があって、総理に事前に交渉いたしました。総理も今、速記で判然とお答えしたように、それは大いに重要であるから、何とか実行いたしたい。しかし予算の額については、今、大臣から話があったように、また民社党の委員から御質問があった三百億、こういうような相当の額の相違がありますが、われわれの交渉の過程においても、総理からの返事並びにわれわれの要望も、額については、その当時のことを記憶いたしますと、はっきりと三百億出すとかいうことは総理からも返答がなかった。趣旨は大いに尊重してそう実行したいという御返答がありました。その関係上、当時予備費から、公明選挙推進について予備費などを出したことはないのでありますが、あのときの選挙にも予備費を相当出したのでありますが、今までない画期的な三億の額を計上して、そのときには支出したのでありまして、その趣旨は、御質問趣旨の通りであります。ただ少々違いのありますのは、具体的な額についてどうするかという点については確約はなかったのであります。  以上がそのときの経過なり、そのときの事情の御報告であります。
  23. 井堀繁男

    井堀委員 今、前委員長からのお話がございましたように、内々話をいたして、その上での答弁であります。  そこで当局にもう一度お尋ねいたしますが、三十七年度は予備費から幾らお出しになり、あと、年度も間近ですが、幾らお出しになるのか。
  24. 松村清之

    松村政府委員 三十七年度におきまして、啓発関係経費として予備費から出ておりますのは、参議院選挙の際に三億、それから先般地方選挙ということに充てるという意味で九千五百万円、従って三億九千五百万円が年度予備費から出ておるわけです。
  25. 井堀繁男

    井堀委員 あまり違いがありますから、これももう一ぺん速記を読んでみましょう。今、私が速記を読みました前に、こういう答弁を私の質問に対してしておるのであります。  これは私の質問を省略いたしますけれども、答申の第三委員会に関する問題で総理は「私は、公明選挙運動に対しましての経費は相当思い切って出したつもりでございます。お話のように、第三委員会におきまして、非常に強い御希望がございます。そしてまた、公明選挙が行なわれなければならぬという強いわれわれの要求もございますので、今後この七億円」というのは先ほど来言っておりますが、いろいろな計算をして、「七億円を十分に使いますと同時に、もし不足するというふうなことがありますれば、私は、重要な事項でございますので、予備費その他から考慮することにやぶさかではございません。」これは前に私が質問をいたしておりまするように、四億五千万程度の今までの予算では不十分じゃないかというのに対して、不十分であるというので、ここでは要するに七億を使うと言っている。今承れば三億九千五百万円ということでありまして、七億も使いこなしていない。そのほかに予備費からさらに出すことを考慮するとまで言っておるにもかかわらず、こういう状態であるということは、政府首班者たる人の公明選挙運動に対する積極的な意欲があり、しかも国会で公然と約束されたにもかかわらず、自治省がその七億を三億ちょっとしか使いこなせないということは一体どういうわけでございましょうか。こういうものに対する理解が足りないのでありましょうか、あるいは故意にわれわれの主張に抵抗を試みようとするのか、はなはだどうもその態度を察するに困難を感じますので、明確に、ことに大臣もかわられたことでありますから、新大臣総理考え方に対してどのようなお考えか、伺いたい。
  26. 篠田弘作

    篠田国務大臣 三十七年度で、参議院の常時啓発費として当初一億円計上しております。それから今年度予備費でもって三億五千万円、地方費で二億五千万円出しました。ちょうど七億円全部使ったわけです。
  27. 井堀繁男

    井堀委員 そういう御答弁は実に奇怪だと思うのであります。予備費から出した金は、今言うように、これはあとで詳細な数字をいただきまして、もう少しはっきりしていきだいと思う。ここで言っておりますのは、前後の事情がありまするが、参議院の選挙とか地方選挙とかいうようなものでなくて、要するに委託費としての支出であります。選挙関係する全般の経費などをここで取り上げておるのではないのであります。これは数字でありますから、宙で議論することはやめたいと思います。これは数字を出していただいて、いつ、幾ら、どういう方面に使ったかということを両方一つ資料を出していただきたい。その上で質疑を展開していきたいと思っております。  それから、この機会自治大臣に注意を喚起しておきたいと思いまするが、私が今ここでお尋ねをしておりまするのは、御存じのように、公職選挙法の常時啓発、周知に関する第六条「自治大臣、中央選挙管理会、都道府県選挙管理委員会及び市町村選挙管理委員会は、選挙公明且つ適正に行なわれるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、」云々と書いてありますから、この精神は言うまでもなく、自治大臣がやる分はもちろんでありますけれども、中央、地方選挙管理委員会にその責を法律が帰しておるわけです。常時啓蒙啓発運動をやろうとすれば、自治大臣がやる場合は他の経費を使うことが可能であるかどうかの問題についてはあとでお尋ねいたしますが、選挙管理委員会が独自の立場執行し得る金というものは、かつて一番最初に全国に一億つけたのが始まりであって、あとはそれぞれの地方の行政庁の予算の中でいろいろな行動をするということでは——法律的には、その地位が独立保障されており、また選挙管理委員会の任務をこのように法律で定めておる。でありまする以上は、それが当然この法律の命令を実施し得るような、要するに可能な予算をつけてある。そういう意味で、われわれは委託費として出すべきではないかということを何回も述べてきておるわけであります。これに関連して今私が速記を読み上げたのは政府意思をただしたので、そういう点を一つもう一度よく御検討願いまして、今ここで新任早々の大臣にこういう質問をあびせかけるのはいかがかと思いますけれども、注意を喚起する意味でちょっと質問を試みたのでありまして、数字その他の関係もありますから、資料を一つ御提出願いまして、みっちり一つ次回にお尋ねいたしたいと思います。
  28. 辻寛一

    辻委員長 堀昌雄君。
  29. 堀昌雄

    ○堀委員 最初に自治大臣にお伺いをいたしたいのは、実は選挙制度審議会は、たしか六月十五日に前回の委員任期が終了いたしまして、最近新聞紙上で拝見をいたしますと、十一月の下旬に新たな委員の任命が行なわれたようであります。この新たな委員の任命の経過については、すでに自治大臣は、八月二十四日における参議院の公選委員会においても大臣としての見解を表明しておられるわけでありますが、非常におそくなって発令されておりますが、その間の経緯について一つお伺いをいたしたいと思います。
  30. 篠田弘作

    篠田国務大臣 選挙制度審議会委員任期は、去る六月十四日をもって満了いたしました。その後私が大臣に就任するまでの経過はよくわかりませんが、八月の臨時国会におきまして、どういうふうに選挙制度審議会委員を発足させるかという御質問が参衆両院においてありました。そこで、臨時国会中はとうていそういうことをやっておるわけにもいかないので、国会が終わったらばさっそくその選任にかかって、少なくも九月から十月の初めにかけて選任を終わりたいということを申し上げました。ところが、九月中は、やはり国会は終わりましたけれども、ほとんど海外旅行、あるいは国内旅行と、委員候補者と見られる人が旅行しておりました。そこで、これは一々本人の承諾を受けなければならない問題でもありますので、日がだんだん経ちまして、十月の半ばころかあるいは十日前後であったか、その点はよく記憶しておりませんが、一応私のところで委員のメンバーをある程度そろえました。しかし今申し上げたような事情で六、七名の欠員がありましたので、そのまま、これはどうしてもまだ今のところ交渉はできませんという条件づきで、そのリストを総理に渡して、そうしてあなたの方で——これは総理の任命ですから、自治大臣の任命でありませんから、あなたの方で入れたいという人があるならば、事務的に見てこれこれの人はどうしても入れなければならぬと思うが、あなたの方でもし候補者があるならば一つ選考してこの中に入れてもらいたいということで渡しました。しばらく考えさせてくれということでありましたが、これも国会で話しましたように、総理は非常に外遊のための準備その他で忙しかったと見えまして、二週間くらい多分手元に置かれたんじゃないかと思います。それから私がまた総理から呼ばれて会ったところが、そのリストを外遊前に返して、どうも自分の方でもいろいろ考えてみたけれども、特別の希望者とか候補者というものはない。そこでもう一ぺん自治大臣の手元で選考してくれないか、こういう話がありました。そこで私の方としましていろいろな角度から選考しましたが、なかなか総理の出発されるまでに全員を承諾をいただくということはできません。そこで私と総理が相談しまして、とにかく総理が外遊から帰ってこられるまでに全部の承諾をとりましょう。現実に申しまして、今でもまだヨーロッパなどへ行っておる人がありまして、承諾をとってない人もあるわけであります。そういうことで、それならばあなたの外遊中に全部私の方で本人の承諾をとっておきます。外遊から帰られたらばすぐ発令ということにしてもらいたいということを私の方から希望しまして、その通り運んだわけでありますが、しかし今申し上げましたように、例をあげますと、その当時でも坂西志保さんなどはパリに行っておられまして、実際問題として承諾はまだとれないという状態で、前々からいろいろな話を通じまして、発令しても大丈夫だということで発令をしたというような実情であります。
  31. 堀昌雄

    ○堀委員 ちょっとお伺いをいたしたいのは、今のお話の中で五、六名の人が最終的にきまらなかった、こういうお話がありました。今度の選挙制度審議会の中で、前回の委員でやめられた方が数名あるわけでありますけれども、それは、新たに今度皆さんの方からお願いをされたけれども断わられたのか、あるいはもうお願いをなさらなかったのか、そこらがちょっと明らかじゃありませんが、その点はいかがでしょうか。
  32. 篠田弘作

    篠田国務大臣 それは両方です。こちらからも一応お話しはしましたけれども、本人からの申し出がありまして、健康の都合で悪いとか、あるいは自分が他の委員会の重要なポストにおるから、とてもそこまで手が延びないからかんべんしてくれ、あるいはまた今のうちに病気を直せばこの次は引き受けるかもしれぬが、その間だけかんべんしてくれ、まあ人間の事情ですから非常に多種多様でありましたが、そういう人が五、六名ありました。
  33. 堀昌雄

    ○堀委員 そうすると、自治省としては、前回の委員にはおおむね再任をお話しになったということでしょうか。前回の委員がありますね。その中で、この人はもうお願いしないというものと、お願いをしたけれども断わられたものと、二つあると私は見たわけです。両方あるとおっしゃったが、今のお話はあとの方だけのお答えであって、自治省としては、初めから、前回委員ではあったけれどもお願いをしなかったという人もあったのかどうかということを伺いたいのです。
  34. 篠田弘作

    篠田国務大臣 何らかの形で意思は全部聞いてあります。たとえば私直接でなくても事務的に聞くとか、あるいはまた委員会の内部の人を通じて尋ねるとか、全部してあります。
  35. 堀昌雄

    ○堀委員 そういうことは要するに前回の委員には一応お話しになった、こういうことに理解していいわけですか。
  36. 篠田弘作

    篠田国務大臣 そうです。
  37. 堀昌雄

    ○堀委員 了承いたしますが、その次に、新聞の伝えるところを見ておりますと、今の自治大臣お答えならば、自治大臣は非常に努力をなさったようですが、総理大臣のところで一カ月ほど握られていたということになると、まあこれは通常国会ででも総理に一回来ていただいて、今の御発言について、一体なぜ自分のところでできないと最終結論が出るようなものを一カ月も握っておったかという、総理大臣に対する質疑というものはここで明らかになるわけですから、この問題については自治大臣にこれ以上追及をいたしません。ですからそれはいいんですが、巷間伝えられるところによりますと、審議会委員を任命しなければ、これは審議会が発足をいたしませんから、まあ池田総理は、審議会がなるたけおそくスタートをして、審議会でいろいろの論議が出るのが今期の通常国会に間に合わないような方が望ましいのではないかという配慮がそこに働いたのではないかというような新聞記事が実は出ておったわけです。これはまあ総理お尋ねをしなければそこのところはわかりませんから本日はよろしいですが、自治大臣はそういうお考えがあったのかないのか、その点を伺っておきたいと思います。
  38. 篠田弘作

    篠田国務大臣 そういう考え一つもありません。私はむしろ——総理もそういうふうに言っておられましたが、総理もそんな十日や二十日かりに握っても、今国会中に答申が出ない見込みがあるとか、出ない方が望ましいとか、そういう考え方一つもありません。これは総理も私にはっきり言っております。
  39. 堀昌雄

    ○堀委員 総理があなたにどうおっしゃったかは私が聞かなければわかりませんから、総理の問題は私が直接聞きます。ただ自治大臣がそういうことでないということは、あなたの口から伺いましたから信用をいたします。そこで、信用をいたしますと、あなたは少なくとも審議会がこれから始まったならば、審議会は大いに一つ審議を促進して、可能なるものについては通常国会において答申が行なわれることを期待する、こういうことに私は了解をいたしたいと思いますが、それでよろしいですか。
  40. 篠田弘作

    篠田国務大臣 それでけっこうです。
  41. 堀昌雄

    ○堀委員 それから今度は審議会が——別にこれは一つの審議会の取り扱いが、ちょっとこの点がよくわからないのですが、委員任期は一年でありますけれども、審議会は実は続いているわけです。そうすると、実はこの諮問が、前回の諮問というのがきわめて抽象的な諮問が出されております。選挙制度審議会設置法第二条第一項各号に掲げる事項に関し、選挙公明化をはかるための方策を具体的に示されたい、こういう諮問が三十六年の六月十六日に出されておる。この諮問というのは、委員はなるほど一年ですけれども、審議会というのは続いているわけで、そこに、これとこれを答えてくれというような具体的な諮問の出し方なら、それで終わるとか、まだ残っておるとかという問題がありますが、ここでは非常に抽象的な諮問の仕方がされておって、この第一の審議会ではすでに問題の残っておるものが、継続中であったものが二、三あるわけです。そこで一体今度は、さらに諮問が行なわれるのか、この諮問はこれまで私は有効だと理解するけれども、どういう取り扱い方をされるのかをちょっと明らかにしていただきたい。
  42. 松村清之

    松村政府委員 便宜私からお答えいたしますが、諮問につきましては、ただいまの諮問によって今度の審議会活動することになると思います。特にあらためて政府の方から諮問ということはいたさない、そういうことになるかと思います。
  43. 堀昌雄

    ○堀委員 その点は、それではそのように確認をいたしました。  そこで、実はそうなりますと、これは昨年度の審議会で、非常にむだな時間と申しては大へん失礼かもしれませんけれども、結果としては非常に時間が空費をされたような感じがいたしますのは、定数是正の問題と選挙区制の根本問題の取り扱いと、いずれを先議するかという問題が、総会その他にわたって大へん長時間論議をされたわけであります。そうして経過の中では、審議会としては二月中に定数是正の問題については答申をするという総会の決定があったにもかかわらず、そうして具体的に十ばかりの案が小委員会に付託をされておったにもかかわらず、結局十分な意見の一致を見なかったということでそのままになっているというのが現在の実情です。ところが一方私どもは、この選挙制度審議会法律審議いたしました際に、篠田さんも御承知だと思いますけれども、附帯決議をはっきりとつけているわけでございます。ちょっとあらためてもう一回附帯決議を読み上げておきますけれども、  一、選挙制度審議会の調査審議に当たっては、まず、当面急を要する事項について早急に行ない、選挙区制の根本的改正について調査審議を行なう場合には、特に慎重を期すること。  二、公明選挙推進するため、選挙管理委員会の組織及び権限を強化すること。  三、選挙公営を拡充強化し、罰則を強化する等選挙の腐敗防止に努めること。  四、現行選挙区制のもとにおける衆議院議員選挙区別人口と議員定数の不均衡をすみやかに是正すること。こういう附帯決議がつけられておるわけであります。それで、この衆議院の附帯決議と審議会関係というものがいろいろと議論をされたのでありますけれども、この法律の成立にあたって院がつけました全会一致によるところの附帯決議というものは、やはり審議会としても考慮を払っていただきたい、こういうことをわれわれはやはり考えておるわけであります。そこで、いろいろとしょっちゅう議論になりますけれども、やはり順序としては、定数是正の問題を、暫定的な方法であるとしても、これをまずきめていただいて、これがきまった後に区制の問題の審議に入っていただくというのが院の意思であるというふうに私どもは理解をしているわけでありますけれども、今後、新しい委員を含めての審議会の発足にあたって、この問題についてはおそらく必ずまた論議が最初にされると思いますので、そういう場合における自治大臣のお考え一つはっきりしておいていただきたい。
  44. 篠田弘作

    篠田国務大臣 ただいまの附帯決議のことは私もよく承知しております。そこでどういう形で——建前から言いますと、御承知の通り選挙制度審議会独立の機関であります。そこで、政府がこれを先にやれ、あれを先にやれと言うことがはたしていいか悪いかという問題が一つあります。しかし、選挙制度の諮問に答えていただくわけですから、国会における一つの附帯決議というものを、そのままこれを尊重して先にやれというようなことは、もちろん権限が違いますから言いませんけれども、選挙制度審議会の発足にあたりまして、総理大臣自治大臣もあいさつをいたします。その私のあいさつの中に、国会における附帯決議もあることであるから、十分これを尊重して御審議を進めていただきたい、こういうふうに私は言うつもりでおります。
  45. 堀昌雄

    ○堀委員 そういうお考えでありましたらけっこうでありますが、実は前回の場合も安井自治大臣は同じことをおっしゃっておるわけです。同じことをおっしゃっておっても、非常にそういう混乱があったわけですね。そこで、審議会はなるほど独立した場所でございますから、それを政府なりその他の部門から拘束をすることは望ましくないと私も思います。思いますけれども、実はそういう法案というものはやはりこの委員会にかかる性格のものでありますから、だから審議会は何もそういうものと無関係に処理をされていいということでもないと私は感じるわけであります。ですから、そこらの点についてはやはり前後の事情を十分勘案をしていただいて、事務当局等においてもできるだけ——私は別に公式の場でどうということではありませんけれども、そういう配慮がなされる必要があるのではないか、私はこういうふうに感じます。そのことは、過去一年にわたって私が特別委員としてあの委員会に出席しておりました中で、そういうことのための議論が非常に長時間行なわれて、実質的な論議がやや不十分であったという感じがいたしますので、その点はもう少し——新しい審議会が始まってまたこのことを蒸し返したりするということでは、私は、せっかくの新委員の皆さんに御迷惑をかけることにもなろうかと思いますので、つけ加えておきたいと思います。  審議会の問題はそこまででいいのでありますが、その次にちょっと伺っておきたいことは、本日の議案になっております地方選挙に関する特例もありますけれども、一般の公職選挙法の中で、次の地方選挙に際して、現状の、一部改正が行なわれておりますけれども、必ずしも適当でない部分が二、三あるわけであります。そこで選挙制度審議会が発足するにあたって、これまでの懸案になっておりますものは、今の定数是正の問題、それから政治資金規正と政党法の問題、それから選挙区制の問題という大体三つの問題が一応当面残っておりますけれども、あわせて地方選挙に際して、当面必要とするものについて、審議会で論議を願って、これが通常国会の当初に政府原案として処理をされる可能性があるのかないのか、もしその可能性がなければ、われわれは必要に応じて与党の諸君と話をして、議員立法等による処置等も考えなければならない、こういうふうに考えますので、その点についての自治大臣の見解を伺いたい。
  46. 篠田弘作

    篠田国務大臣 審議会が今年じゅうに発足するということははっきりしておるわけですが、来年正月の幾日から始めるか、あるいはどういうふうに運営していくかということは、私まだ今はっきりしておりません。従いまして、審議会がそういう結論を出して来年の地方選挙に間に合わせるといいますか、そういうものを出すか出さないかということは私にはわからないし、あなたはどういろ問題を期待されているのかということも私にはわかりません。
  47. 堀昌雄

    ○堀委員 たとえば、例をあげて申しますと、ポスターの枚数の問題があります。現在、市長の選挙については、ポスターは千二百枚という規定がございます。ところが市というのは、人口三万くらいの市から五十万、六十万、指定市以外でも六十かくらいの市まで現在あるわけです。そうすると、三万の市でも千二百枚、六十万の市でも千二百枚というような、きわめて不公平な問題が一つあります。もう一つ、指定市の問題で申しますと、大阪市の場合は四千五百枚です。ところが知事選挙になりますと、大阪府知事はたしか三万枚に近いポスターになると思うのです。ところが大阪府の中における大阪市というものは、大体八〇%くらいが大阪市なんです。知事で三万のポスターが張られて、市長が四千五百枚というのでは、やはりポスターというものが選挙運動のために行なわれるについてはきわめて不適当である。これは、だれが聞いても、非常にバランスを失しておるわけです。大阪府で三万枚、市は四千五百枚、これでは問題にならないし、三万の市と六十万の市で千二百枚、これも問題にならない。だからこういうことは、四年に一回しかない地方選挙でもありますし、特に最近私ども——あとで触れますけれども、尼崎市で市長選挙をやってみますと、人口四十五万の市に千二百枚のポスター、探して歩かないと、ポスターなんか見当たらないという現象が起こるわけでありまして、こういう技術的な問題——法律上の非常に根本的な問題はなかなか議論のあるところでありましょうからあれでしょうが、そういうふうな式の技術的な問題が実は相当にあるわけです。たとえばこの間改正しまして、投票所の周辺百メートルの範囲はポスターを、前は撤去する、今度はよろしいということになった。そうしたら、全市内にあるところのポスターを全部投票所の前に持ってきて張りめぐらすということが現実に起きているわけです。おまけに、その取り扱いについて今度は、警察庁が見えておりますが、どうも警察庁の取り扱いが公平を欠く点がある。それはどういうことかというと、まず学校が大体投票所になっておる場合が非常に多いわけです。ところが学校というのは公共の建物ですから、そこのところにはポスターは置いてはならぬと選挙法できめられておる。ところが今度道路なら何にもない。そこで道路にくいを打って、その上ヘポスターを張ると、道路交通法違反というので、これは警察の方の処理がされる。そうすると、その場所には実際はポスターは立てられないことになっておる。ところが依然としてその道路にくいを打ってポタスーを立てておる。そうしてそれが、片一方の方が立てると道路交通法違反だというので撤去さして、仕方がないから撤去をして朝になって見に行ったら、片一方のポスターが一斉に立っておる。これでは法律が厳然としてあるにもかかわらず、警察の取り締まりのいかんによっては、一方的な選挙運動で、ここにある自由妨害及び地位を利用してのいろいろな問題等に入るおそれもある。しかし、なるほど撤去しなさいという方はその通りだから、われわれは順法して撤去をする。それじゃ撤去をしない者が、あくる日の朝そうなっておれば、その方が勝ちだということでは困るわけです。だから、この問題等は、やはり選挙法という法律の盲点をつかれるというか、裏に裏にということで、決してそのことはそこヘポスターを立ててよろしいということではなかった、あるものだけを認めるということであったけれども、それがエネルギッシュに移動させられるということの問題が起きておる。やはり次の地方選挙においては相当配慮しないと、各種のポスターをそういうところに集中的に持ってくるというこはどういうふうに取り締まるのか問題があると思うのです。今、現状の段階において、そういうポスターの移動は適法なのか違法なのか、場所は別として、この点一つ自治省の側の見解をお伺いしたい。
  48. 篠田弘作

    篠田国務大臣 ただいまのあなたのお話、まことにもっともだと思います。三万の市も六十万の市も千二百枚のポスターということでは、全然バランスも効果もとれません。それから大阪府知事選挙のポスターが大体三万枚、ところが市長の選挙は四千五百枚、これもバランスがとれない。しかし、この問題は、選挙制度審議会が結論を出すまでもなく、統一地方選挙に間に合わせようというなら、国会で処理されても何も差しつかえないのではないか、そういうふうに考えます。
  49. 堀昌雄

    ○堀委員 いや、国会でやることは、自治大臣から御指示をいただかなくてもわれわれがやるのです。ただ政府がおやりになるかどうか、政府がおやりになる意思がなければわれわれがやるのです。政府がやられるのにわれわれがやることはない。だから、国会でやるかやらないかはわれわれの判断です。政府がやるかやらないかを私は伺ったわけです。
  50. 篠田弘作

    篠田国務大臣 政府がやるということになると、選挙制度審議会の諮問を待たなければ、政府がやるということはできない。私は国会に向かってサゼストしたわけでも何でもない、またそれほど没常識でもありませんが、結局政府がやるということになると、今言ったように選挙制度審議会に諮問する。選挙制度審議会に諮問して、はたして地方選挙までに間に合おしてくれるかどうかということは、私はわからないと思います。だから今申し上げたように、国会の方が手っとり早いのじゃないかなという意味で申し上げました。
  51. 堀昌雄

    ○堀委員 それはわかるのです。ただ問題は、諮問をなさるのかなさらないのかということなんです。ところがそういう気持で諮問をなさるのなら、今度は逆にまたわれわれ審議会委員であるものが、これは早くお願いしますということでやれるかどうか問題がありますし、諮問なさらないということならそれでよろしいのです。それでは今度国会としてわれわれは考える。そこのところのけじめだけを伺っておけばよいのです。
  52. 篠田弘作

    篠田国務大臣 諮問をしてもいいし、しなくてもいいというくらいじゃないかと私は考えております。ということは、これだけを諮問するということになりますと、これに関連しまして、またこういうような不合理がまだほかに見つけていくとたくさんあるのじゃないか。あなたなんかも二、三あると言われましたが、その二、三といろのは私にはよくわからないけれども、ほかの人から見るとまた二、三あるじゃないかということになってきますと、こういう問題がたくさん出てきまして、むしろこれを重点的に解決するためには、そういう時間をかけない方がいいのじゃないですか。諮問しろとおっしゃれば、それが与野党の意見であれば、私は諮問してもかまわない、ちっともそんなことは手数がかかることじゃありませんから差しつかえありません。ただどっちの方が早く実行できるかという問題だと私は思います。
  53. 堀昌雄

    ○堀委員 私が今申し上げておることは、実はいろいろな問題がありまして、ポスターの数のようなことは、これは国会だけできめてもあまり問題はないと思います。ところが私後段で触れますけれども、今度選挙ポスターについてもいろいろな問題が予想せられる事実があるわけです。その方を先に言ってから問題の話をした方がいいから、ちょっとお伺いをいたしますが、今皆さんにお目にかけますけれども、実はこういうポスターがこの間尼崎の市長選挙で張られた。読み上げますと、「市長の椅子ほしさに共産党と手をにぎった篠田公補にうっかりだまされるな」といって、赤い手と白い手と握手しております。じゃこれは一体だれの選挙ポスターかというと、皆さんじゃちょっと見えませんが、小さい活字で「市長候補者薄井一哉」と書いてある。これは要するに薄井一哉という当時の現職の市長が、反対側の候補者を誹謗する目的でもって、それも公に選挙のポスター、検印のある選挙ポスターをもって処理をしたという問題がここに出ておるわけです。これはいろいろ手が込んでおりますが、選挙のポスターは現在紙質の制限をしておりません。そこで非常に厚い紙なんです。表裏になっているわけです。「赤い投票用紙に薄井一哉と御投票下さい」これをさっき言った投票所の前に一斉に——このポスターを全市から集めてきて、くいを打って立てられた。「赤い投票用紙に薄井一哉と御投票下さい。」表裏使用です。だから特定に収集したということは、全市にまいておいたやつを全部回収して、この男はそれを投票所の横に立てておるのだから、明らかにそういう意図を持って処理がされた。ところがその処理がされたことに対して警察当局は何ら処置をとっておらぬ。われわれの方は撤去しろと言っておきながら、一斉に選挙中にこれが掲示された。だから、この問題の中にはいろいろな問題が含まれておると思うのです。  私は、まずこの問題に関して自治大臣にお伺いをしたいのですが、この公職選挙法という法律の中で、選挙運動という言葉がしばしば使われるのですけれども、選挙運動という言葉で使われておるこの意味は、私は適法な選挙運動というものを、公職選挙法の中では選挙運動という言葉で表わしておると思うが、その点はいかがでしょうか。単なる選挙運動というのは、違法なる選挙運動を含めて選挙運動を表現しておらぬと私は解釈する。
  54. 篠田弘作

    篠田国務大臣 もちろんそうです。
  55. 堀昌雄

    ○堀委員 そこで、おっしゃる通りだと思う。私もその理解をしておった。ところが二百三十五条に虚偽事項の公表罪というのが明らかにあるわけです。二百三十五条の第二号に「当選を得させない目的をもって公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にしたとき。」は「二年以下の禁錮又は二万五千円以下の罰金に処する。」ということにはっきりなっているわけです。ところが、このことは事実上は明らかに虚偽事項です。この内容に示されておることは虚偽事項です。「共産党と手をにぎった篠田候補」というのは虚偽事項である。明らかに虚偽事項であるにもかかわらず、選管はこれに検印をした。そこで虚偽事項であっても、違法なる選挙運動であるにもかかわらず、選挙運動として検印がされた以上は撤去できないわけです。選挙の最中撤去できないと言う。われわれが抗議を申し込んでも、これは撤去できません。そうすると、これはわれわれが幾ら告発をしてみたところで、これでは選挙中に間に合わないですよ。十日間の選挙中にやっていることだから、選挙期間中はこれでいってしまう。そうしてこれが非常に作為的であることは、それまでのポスターの掲示責任者というのは町の知名の士がなっておった。このポスターに限ってはそういう人でない無名の、要するに告発されることになってもさしつかえない者を、そのときだけはこのポスターは掲示責任者の名前に書いて出してきておる。明らかにそういう違法なる意図を持って、そうして検印の申請をしてきた、こういう事実があるわけですね。だからこの問題の中には、問題がたくさんあります。そういう問題が一つ。  もう一つは、私どもはやはりポスターというものは当選を得せしめる目的を持って使用されるということが、選挙運動の原則だと思う。だから候補者の氏名を書いてないポスターなんというものはあり得ないわけですね。なるほどここには候補者の氏名とありますから、ここへ活字で——あとで皆さんに回覧しますが、見えないような活字で印刷はしてあります。「市長候補者薄井一哉」とね。しかし事実は見えないのですね、このポスターとしては。そしてこれは相手方の候補者を誹謗するためだけの選挙ポスターがまかれておったという事実がある。こういうことを私は選管に言いましたら、現在の法律上の問題としては、ともかくポスターの内容にはわれわれは一切タッチをしないということに自治省からの方針がきております、だから内容は何を書かれてもわれわれはノータッチで、ただ規格だけによって検印をいたします、こういうことだったのです。これが適当かどうか、ちょっと一つ自治省側の見解を聞かせていただきたい。
  56. 松村清之

    松村政府委員 ポスターの検印ということを選挙管理委員会がやりますのは、これは規格もありますけれども、おもな目的は枚数の検印にあるわけでございます。選挙管理委員会というようなところへ、そのポスターの内容が違法であるかというようなことを調べさせる、そういう義務を与えますことは、実際違法かどうかということは非常にむずかしい問題でございますから、困難なことでございます。明白にこれは違法だ、これは工合が悪いということでありますれば、これ以前に検印を求めに来たときに、これは工合が悪いじゃないか、こういうふうに直すべきじゃないか、こういう事実上のことはやっておりますけれども、法律上に選挙管理委員会にポスターの内容について審査させるということは、これは法の規定しておるところではございません。従って選挙管理委員会といたしましても、枚数、規格、こういうものはきちんと審査しておりますけれども、内容につきましては、特に内容がどっちかよくわからないというような問題につきましては、これは検印をそのままするということもあり得るというふうに私は考えております。
  57. 堀昌雄

    ○堀委員 内容にタッチををしないということは一応確認をするわけです。じゃ、内容にタッチをしない場合にどういうことが起こるかというと、逆にそれじゃもう一人候補者が立って、そして特定の一つ候補者をだれだれがんばれと書いて、小さい自分の名前を書いてしまう。選挙ポスターで出す内容関係しないならば、この場合もよろしい、こういうふうに理解をしてもよろしいわけですか。
  58. 松村清之

    松村政府委員 先ほど申しましたように、原則的にはその内容というものに関与いたしませんけれども、事前に明白なもの、これは工合が悪いというふうに明白な場合におきましては、実際問題として、一つこれは工合が悪いから直してくれと言うことはございます。
  59. 堀昌雄

    ○堀委員 じゃ明白というのは具体的にどういう形だったら——今の私が言ったもの、一方に名前が出ておる、あと片一方にもう一つ名前が書いてある、二つ名前が出ておる場合があり得ると思います。それじゃどういうふうになったら明白という何かありますか。
  60. 松村清之

    松村政府委員 これは個々具体的の問題の場合でございますから、どういうふうにという基準は別にないわけでございますが、選挙管理委員会として具体的な事件に当面いたしました場合に、だれが見てもこれはおかしいというような場合には、今申しましたように事実上訂正を求める、こういうことはありますけれども、事前にどういう基準の場合にはどうだとかいうようなことは明確にはなっておりません。
  61. 堀昌雄

    ○堀委員 そうすると、今ここには薄井一哉という名前が、見えないほど小さく書いてある。選挙ポスターには候補者の氏名を書けということが明らかになっておる。それがわからないようなものは出すべきでないというのは、内容にタッチしなくたって、形式として、選挙管理委員会としては当然じゃないですか。形式というのは、私が今程度の問題を伺ったら、あなたは、程度はその場合において判断すると言うけれども、このポスターの内容は、やはり自分の名前がある程度書かれていなければ、実際問題としてあなたの言う常識的な、明確な問題にはならないのじゃないですか。内容の問題ではなくて、今の規格の問題の中にも、あなたのおっしゃる問題は入ってくると私は思う。そうすると、これはごらんになればわかりますけれども、見えないのですよ。しかし、選挙法には明らかにちゃんと氏名を書くことになっておるわけですよ。しかし、あなたの言う今の程度の問題は常識的に見る範囲だということになってみれば、これなどはその点だけで、自分の名前が見えないようなのはいかぬ、もっと大きく自分の名前を書いて出してこいということは、今のあなたの言い方なら、当然行なわれなければならないことになるじゃないですか、どうですか。これをあなたの方に見せましょう。
  62. 松村清之

    松村政府委員 ただいまのお話の中で、候補者の名前を書けということは法律には書いてないのであります。法律に書いてありますのは掲示責任者、印刷者の氏名、住所、こういうことは法律で要求しておりますが、候補者の名前を書けということは法律は要求しておりません。ただ候補者選挙運動用のポスターでございますから、その候補者の当選を得せしめるための内容を持ったものが選挙運動用のポスターというふうには解せられます。従いまして今のこのポスターといたしましては、こういう内容のポスターをおそらく検印したといたしますれば、この薄井何がし候補の選挙運動用のポスターだというふうに選挙管理委員会考えて、検印したのだろうと思いますが、検印をするしないの問題は、先ほど申しましたように、これは枚数、規格の問題に関与するわけで、内容自体につきましては、選挙管理委員会の判断で工合が悪いという場合には、事前に訂正を求める、これは法律上の問題でないと思いますが、そういう場合があり得るのでございます。
  63. 堀昌雄

    ○堀委員 私は過ぎたことを今さらとやかく言うのではありません。これは問題がありますから、われわれの方では応分の処置をしておりますが、ただこういうことが法の盲点として今後の統一地方選挙の中で行なわれるというようなことは、裏表にわたってこのポスターというのは明らかに問題があるのですよ。だからそういうことは私どもは統一地方選挙を前に控えて、何らかの法改正によってそういう盲点を埋める必要があるのではないか。だからこれは少なくとも当該選挙に関しては、そのポスターには当該候補者の名前以外の当該選挙に関する候補者の氏名を記載してはならぬとか、それが多少抽象的であるならばともかく、これほど具体的に虚偽の事項の公報をしながら、それはあとで裁判を受ける者をちゃんとつくっておいて、それはよろしい、裁判にかかりましょうというようなやり方などというものは、公明選挙推進する態度として何とも許すべきことではない。おまけにそれを現職の市長がやっておるなどということはもってのほかですよ。そういうあり方がいいかどうかということについての、局長ではなしに自治大臣の見解を一つお聞かせ願いたい。
  64. 篠田弘作

    篠田国務大臣 私ならやりません。
  65. 堀昌雄

    ○堀委員 あなたがやるやらないを聞いておるのではない。適当かどうかということを私はあなたに聞いておる。
  66. 篠田弘作

    篠田国務大臣 私がやらぬということは、私の判断ではそういうことは好ましくないからやらないということであります。
  67. 堀昌雄

    ○堀委員 そこでこういう問題を含めて、実は地方選挙に際してやはりポスターの枚数だけでなく、いろいろと考えるべき問題があると私は思う。そこで今私が今後の問題について伺ったのは、やはりいろいろな問題を含めて一応は審議会を——一月はお正月ですからそう急にはやれないが、十五日ごろから一つその問題に限って、少し地方選挙に必要な部分について審議をやっていただく、そういうことをやはり自治大臣の方からやっていただいた方が世論が納得するのではないか。私どもは、国会でやることはそれはかまいません。しかしそれができなかったときは、われわれは国会で最小限度のことはやりますけれども、順序としては、自治大臣の方で審議会に、当面一般法の改正の中で必要と思われる事項については答申を二月の中旬くらいまでに一つ出してもらいたい、それについては、われわれは国会としてその部分に協力をして、すみやかな法律の成立を期したいという気持でございますので、そういうふうな取り扱いをしていただいた方がいいのではないかというふうに思いますが、自治大臣の御見解をあわせて伺っておきたい。
  68. 篠田弘作

    篠田国務大臣 これは諮問をするということよりも、むしろこういうことが問題になっておる、できればこういうことも考えてもらえないかという要望をして、審議会の方も、それもそうだから取り上げようという空気が出たら、これはやって差しつかえない、またやるべきだ、そう思います。ただあまりに政府が審議会に対して、あれもやれ、これもやれということを言うことは、やはり適当ではないのではないか。だから、こういう問題もあります、ほかにも問題もあるでしょう、そうするとまたさっきあなたが言われたように、何だ、目の前の地方選挙の問題ばかり審議会に諮問して、悪く言えば本質的な選挙制度に関する問題をカモフラージュするのではないか、そういう攻撃も出てくるのではないか。どうせ四月選挙ですから、四月に間に合わせるということで、いろいろ問題を次から次へ出していけば、とても次の国会中にはいろいろな答えは出ませんよ。そういう批判もまたこれはものの見方で、いろいろな角度から見なければなりませんから、その問題についての今あなたのおっしゃったいろいろな弊害といいますか、欠陥といいますか、これは私もはっきり認めます。だけれども、それを選挙制度の根本問題を今議そうとしておる審議会に対して、この問題もあの問題もといって差し出がましいことをすることはどうか。しかしそうかといって、みながお互いに選挙界をされいにしようという考え審議しておるわけですから、自治省としても、選挙制度審議会にしてもそうですから、何かの機会に、こういう希望が非常に強いのだが、どうだろうかという話はしてみて差しつかえない、私はそういうふうに思います。
  69. 堀昌雄

    ○堀委員 おっしゃることもわかります。ただ、選挙制度審議会は三十人も委員がおりますから、過般も三つの分科会に分かれて審議をした経緯があるわけです。ですから、もちろん審議会が独自に判断される問題ではありますけれども、自治省に、あなたの方にその意思がなければ、やはりこれは幹事がいろいろ資料も出さなければなりませんし、いろいろする関係もありますから、自治大臣としてある程度考えをきめていただかないと、これは審議会が勝手にやるからといっても、その点はわれわれはそういう希望を入れて述べますけれども、自治省としても、そういうことについては協力をしてもらいたいのだということがあれば、それは内部的な処理として、また処理の仕方はあると思いますので、その点におけるあなたの見解を聞いておけばいいわけです。
  70. 篠田弘作

    篠田国務大臣 これは打ち割った話が、こういう欠陥というものは与野党を問わず私はひとしく感ずると思うのです。そこで、与野党で話し合いをしてもらって、私の方に要望してくれませんか。今あなたの質問だけで私が、それでは必ず審議会に対してそういう諮問をしますという——はっきりいいますと、してもしなくてもいいのですから、やはりそこは円満に話をまとめてもらってすることを私はちっともちゅうちょしません。しかし、そこを、この委員会なら委員会で与野党一致した意見でこれをやろうというぐらいまでの裏づけをしてくれなければ、私としても非常にやりにくいじゃないですか。
  71. 堀昌雄

    ○堀委員 それではあとで暫時休憩をしていただいて、理事会でもやって、それからまた再開されたときに今の問題は伺うということにして、この法律関係する部分で、警察庁と法務省にちょっと伺っておきたいのです。実は後援会活動の問題が過般の国会できまりまして、百九十九条の五第二項に、「何人も、後援団体の総会その他の集会又は後援団体が行なう見学、旅行その他の行事において、第四項各号の区分による当該選挙ごとに一定期間、当該選挙区内にある者に対し、饗応接待をし、又は金銭若しくは記念品その他の物品を供与してはならない。」こういうことに改正されました。今度、今議題になっておる法律では、これを、統一選挙になりますから、その選挙前九十日ということで区切ってきております。そうすると、一月一日から一月十五日ころまでの間にいろいろと、これは日本の慣習でありますから、酒食を共にする場合は非常に多いと思います。この場合に、私は通常の接待の範囲ならばこれは問題はないと思います。ところが、統一地方選挙を前に控えて、事前運動の目的にするところの供応接待もあるだろう。そうするとこの基準ですね。ここで今度私はそのことが各地で非常に問題になってくると思うのです。これは事前運動であったのか。この後援会の問題は、われわれは修正案で一月一日からにした方がすっきりすると思いますけれども、この一月一日から一月十五日ころまでに行なわれる酒食の接待等に関して、それが事前運動であるとみなす場合と、みなさない場合に対する何らかの基準、これは法律には何もないのですけれども、取り締まり上どういうふうに考えておられるか、一つ法務省と警察庁おのおのの立場お答えをいただきたいと思います。
  72. 竹内壽平

    ○竹内(寿)政府委員 これは非常にデリケートな問題でございまして、こういう基準というようなことで、私ども事務当局としてまだ話し合いをいたしたこともないわけでございますが、法律精神から申しまして、通常行なわれる程度のものであるならば、これは法律にいうところの「饗応接待」というものには当たらないのではないかという、きわめて常識的な考え方を持っております。もちろんそれに籍口した選挙事前運動とみなすような行為でありますれば、事案の実態をよく調べました上で、法律違反という問題も起こってこようかと思いますが、考え方といたしましては、あまり非常識にならないように法律の運用をはかっていきたい、これが基本的な考えであります。
  73. 宮地直邦

    ○宮地(直)政府委員 ただいま法務省の方からお答えになりましたのと同趣旨でございます。そういう事前運動につきまして、一定の形をもって押えるということは非常に困難な問題かと思いますが、あくまでも百二十九条の趣旨によりまして、当選を得または得せしめざる目的をもってやっておるのかという実態に即応いたしまして判断いたしたいと思います。
  74. 堀昌雄

    ○堀委員 そうすると、今警察庁の方でおっしゃったように、通常の程度ということは、供応の金額、人数等の問題ではないんだ。そうすると、正月に人を、一ぱい飲みに来いといって集めて、ただ飲んだだけなら、もちろん何にも関係ありませんね。ところが、酒を飲んで、今度おれは町会に出るから一つお前ら頼むという話が出たとしますね。その場合には、やはりそうすると、選挙のための事前運動、だからそこは非常にむずかしいと思いますが、事前運動をやるために集めて飲んだのか、集めて飲んだところでやったのかということ、これはしょっちゅう問題になっておる今の供応問題の核心のところだと思うのですが、そういうところは、今、事実関係とおっしゃったけれども、その事実関係が常にこうぐるぐる回っておると思いますので、そこらの点についてのあなた方の見解をお聞きしたいのです。
  75. 宮地直邦

    ○宮地(直)政府委員 今仰せの通り、百二十九条の問題は、一般論としては非常に申しやすいのでありますけれども、具体論になりますと、各般の状況をしさいに検討すべき問題なのであります。ただいま申しましたように、規模ということそれ自体も、あるいは状況証拠になる従来の慣例その他を参酌して、これは具体的に決定すべき問題だと思います。ただわれわれといたしましては、この選挙法趣旨によりまして、選挙事前運動であること、違反を取り締まるのでありまして、日常の社交行為あるいは政治活動等に触れることは許されないという趣旨のもとにおいて、具体的な事実について判断しておるのであります。
  76. 堀昌雄

    ○堀委員 実はそこが非常に問題になるところで、やはり法律法律としてありますけれども、ことにこれは、私どもの修正案が通れば問題は非常に簡単ですけれども、もし通らなかった場合において、酒席で、候補者たろうとする者が選挙に関してそういうことを言った場合には事前運動になるおそれがあるんだというようなことが周知徹底されてないと、いや、そんなことは知らなかったということでは済まないのです。実際、事件になってしまうから……。だから、私は何も取り締まりをしっかりやれということを言っておるだけではなくて、何らかはっきりしていないと、やっておる人がそのつもりでやっていなかったのに、結果として事前運動だったということになったら、いろいろ問題が起こる余地があると思う。今の法律の面をもう少しきっちりしないと、場合によって、私はすべて問題になっておる人が悪意の選挙運動でひっかかっただけでなく、案外善意でやっていたけれども、そういういろいろな条件をこうやってくると、これはやっぱりこうじゃないかというようなことで、困っておる人もあるんじゃないかと思うので、そこら辺、何かもうちょっと明らかなものがあった方がいいんじゃないかという気がするから、それをするためには、今のように後援団体の規制を一月一日と書いておけば、これは今度は地方選挙の前は気をつけなければいかぬのだということがはっきりする、そういうことも行なわれるし、通常の範囲でやることだけが行なわれるということになるんじゃないかという気持がするのですが、その点についてはあなた方としては今の答弁以上は、そういうことを起こさせないための予防処置といいますか、予防処置として何か知らしておく必要があるのではないかどうか、ちょっと伺っておきたいのです。
  77. 宮地直邦

    ○宮地(直)政府委員 御趣旨まことにわれわれ同感でございまして、選挙違反を起こしてからわれわれの方がこれを検挙することは任務でなくて、まず第一に趣旨を徹底して違反を防ぐという意味におきまして、先般の参議院選挙におきましても、大いに啓蒙の方は選管の方でいたしていただきますとともに、われわれの方は違反の防止の手段を講じて、あるいは警告、周知徹底というようなことを措置いたしておるのでございます。
  78. 堀昌雄

    ○堀委員 具体的にはどういうふうな周知徹底を参議院選挙の場合にされたのか。警察側として、何か選挙管理委員会にこういうことはまずいからやめてくれということをやられたのか。警察が民衆に対して直接にやられたのか。何らかそういう、今参議院選挙でやったとおっしゃるのですが、具体的な事実はどういう経路でどういう範囲のことをやられたのか。
  79. 宮地直邦

    ○宮地(直)政府委員 公明選挙趣旨の徹底に関しましては、第七条にございますように、われわれの方は選管を中心といたしまして、これにつきましてあらゆる協力をいたしたのでございます。また、ただいま御質問のありましたように、こういうようなことをしたら選挙違反になるおそれがあるというような事例等は、各県の実情によりまして、新聞その他報道機関を通じまして周知をはかる。また事態によりましては、そういう事態が起こりそうになった場合には個々の事例に応じて警告をする、こういうような措置を講じたのでございます。
  80. 堀昌雄

    ○堀委員 自治大臣は国家公安委員長でもあります。それでちょっと自治大臣に伺っておきますが、われわれ修正案を準備しておりますけれども、さっきちょっとここで井堀さんにあなたがお答えになっておりましたけれども、私は何も取り締まりを厳重にやることだけが能じゃないと思うのです、今のお話のように。そこで自治大臣であり国家公安委員長であるあなたが、特に正月のこの地方選挙を前にしてのいろいろなそういう接待等については、選挙の事前運動とまぎらわしくないような何らかの周知徹底の方法、そういうことを事前に少しやっておいた方が私はいいのではないかという感じがしますが、自治大臣、あなたは何らか自治大臣としての一つの問題、これは国家公安委員長としても、今警察庁の考え方があるわけですから、そういう問題も含めて、何らか一つそういう方法をやる意思はないか。
  81. 篠田弘作

    篠田国務大臣 何かいい方法はありますかね。僕はそういういい方法があれば、もちろんこういうこと、こういうことといってやりますけれども、今刑事局長が言いましたように、どうも、あなたも御存じのように正月というものは全国的に、もう何百年も酒を飲む習慣がありますね。これを特にいなかでもってやめろということは、選挙が四月にあるから今から酒飲むなということは、国家公安委員長でも自治大臣でも、はっきり申し上げてそこまで人権は侵害できませんね。選挙公明にするということも非常に大事な問題です。しかしながら民衆の生活というものの中にまで、プライベートの生活にまで立ち入って、——それが選挙違反になった場合には、私は国家公安委員長として取り締まるし、またそういうようにならないように注意をしてもらいたいということは、自治大臣としてやれます。しかし一年に一ぺんの正月、しかも何百年前から酒を飲む習慣、日本ではそういう習慣がありますが、それを、四月に選挙があるからお前ら酒を飲んではいかぬということは、私としては言えません。ただ、四月には選挙があるんだから、そういう疑わしい、疑われるような酒の飲み方だとかおごり方だとか、そういうことはしない方がいいだろうということは言えます。それ以上は、あなたが国家公安委員長でもできないんじゃありませんか、はっきり言いまして。
  82. 堀昌雄

    ○堀委員 実はどうも篠田さん、私の真意を理解しておられないのです。私は酒を飲むなとは一言も言ってないんです。酒は幾ら飲んだっていいんです。ただ酒を飲むことにかこつけて、選挙の事前運動をやってもらっては困るということを私は言っているんですからね。だから私は、酒を飲むなんていうことをあなたに言ってもらいたいとは思わない。そんなことは、われわれの方が自由を守りたいくらいだ。あなた方役人は統制したい方だから、逆なんだ。実はそうじゃなくて、あなたが後段でちょっと触れたように、要するに正月という期間は酒を飲む地方が非常に多い。しかし飲んでもよろしいけれども、選挙の事前運動とまぎらわしいようなそういう宴会等については、一つ十分注意をするようにということを、これは私、公明選挙推進として周知徹底することは当然だと思う。だから一つそういうふうにまずやってもらいたい。当然のことだと思うんですよ、そのことくらいは。だから、それをやってもらえるかどうか。
  83. 篠田弘作

    篠田国務大臣 そのくらいのことはもう常識ですからね。選挙をやるということからいえば、それは十分そのくらいの注意はさせます。
  84. 堀昌雄

    ○堀委員 まあ一つ、これまでは実はそういう周知徹底されておったかどうか、私ちょっと疑問に思うので、ことさら取り上げて言うが、今大臣、常識だとおっしゃったけれども、選挙に関してだけは、常識というのは、違法が常識みたいになっているんだから、これは念には念を入れてやって、それで普通ぐらいになるわけですね。特に私が今申し上げているのは、そういうことによって処罰をされる人がふえるということは非常に気の毒なことだと思っている。ところが、あなたがこの前の選挙の結果について御報告になっているように、七割も違反者がふえているわけですよね。公明選挙推進され、選挙法改正しても、選挙違反者が七割もふえているようなことでは、一体何のために選挙法改正しているかわけがわからぬですからね。私どもは、この選挙制度委員会というのは、法律をつくったりいろいろすることは、やはりそういうことをしてもらいたくないということなんだけれども、ところが案外末端は、われわれ、皆さん方専門にやっている者と違って、安易な考え方があるということは現実の事実なんです。だからその点は少しきびしくそういう点を周知徹底をして、これだけやってあるのにかかわらず、これ以上やるのはお前さんが悪いぞというようなことになるような取り扱いをするということは、私はわれわれの務めじゃないかと思いますので、その点、表現等については皆さんに御検討いただいて、少なくともそういうことが起こらないような一つ指示を徹底しておいていただきたいと思います。
  85. 篠田弘作

    篠田国務大臣 それは全くあなたと私同感であります。そういうふうにできるだけ徹底させるように指示します。
  86. 堀昌雄

    ○堀委員 じゃ終わります。
  87. 辻寛一

    辻委員長 ほかに御質疑はございませんか。——御質疑がなければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  暫時休憩いたします。    午後三時三十四分休憩      ————◇—————    午後四時三十七分開議
  88. 辻寛一

    辻委員長 休憩前に引き続き会議を開き、議事を続行いたします。  本案に対し、日本社会党堀昌雄君外七名から、お手元に配付いたしております通り修正案が提出されております。
  89. 辻寛一

    辻委員長 この際、その趣旨説明を聴取いたします。堀昌雄君。——提出者から趣旨説明を聴取するのでありますが、提出者の御出席がありません。  質疑はございませんか。——質疑がなければ、修正案及び原案を一括して討論に付します。  討論の申し出もありませんので、採決に入ります。  まず、堀昌雄君外七名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  90. 辻寛一

    辻委員長 起立少数。よって、堀昌雄君外七名提出の修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  原案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  91. 辻寛一

    辻委員長 起立多数。よって、地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案は原案の通り可決されました。(拍手)  ただいま議決されました本案についての委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  93. 辻寛一

    辻委員長 次に、閉会中審査案件申し出の件についてお諮りいたします。  公職選挙法改正に関する件につきましては、閉会中もなお調査いたしたいと存じますので、議長に対しその旨の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十九分散会      ————◇—————