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田中一君 むろん道路の性格は、無料公開が原則であるというように
考えておりますが、十年前からこのような形の有料道路方式というものがとられております。これも当時の日本の国力の実情からいってやむを得ぬものもあったかもしれません。今
建設大臣の
答弁のうち、採算のとれないものはむろん国が直接に行なえばいいのです。何も採算がとれようととれまいと、国が行なえばいいのです。また、たとえば道路公団は、必ず事業の
建設というものをある一定年間、二十年なら二十年の間にペイしなければ、これは不適格な迂路であるというきめ方をするのは、これは間違いであります。道路公団が将来千億、二千億の赤字を出しても、道路公団という
一つのシステムで道路を完成する
一つの機関である以上、何も損失が出てはならないということはないのです。国が直接に国道なりあるいは国道に準ずる新しい開発道なりを作った場合に、これは何も有料道路じゃないわけです。全
建設費を取り返そうと思うからこそ、有料道路にしてやっているのです。大体根本から、そういう
考えが間違いであるけれ
ども、国の当時の国力から見て、社会情勢から見て万やむを得んという一種の必要悪から、われわれは道路公団を認めているのです。
道路公団によって、ただ問題は、たとえば地方の金なり、あるいは民間の金なりが吸収し得る余地があるから、これでやっているのだ。したがって、これに対する金利に見合うものを償還し得るものを行なっていればいいのだという
考え方も、一応
皆さん方の経済学からは言われるでしょうけれ
ども、私
どもは、そういう
考えでおらぬのです。赤字を持ってもいいじゃないか。赤字ができたならば国が補てんすればいいじゃないかということです。そのほうが民間資金の導入をなし得るし、一般公共団体の投資も可能なんですから——。しかし今日の自民党の内閣におきましても、低開発地の開発については、相当の熱意を持っているように
考えます。したがって、未開発な、あるいは困難な、あるいは
建設費のペイしないじゃなかろうかというようなところは、えてして後進地域に多い、これを解決しなければ、これを開発することによって、相当に経済的な条件も地域的な条件も好転する、上昇するという地点に対しては、たとえ
計画の最初からペイしないだろうというものも、その開発によってペイされるという可能性もあるわけなんです。これは全体の問題です。全体の国土
計画の面から見て可能かと思う。
私は今、後進地域は交通量も少なくて、
建設費のペイができないからおくれているのだ、しかしそれは今度
建設大臣としては三十八年度以降、別な見方から、これを是正していきたい、今、またここで
建設大臣も、観光的道路は三十八年度にやらないのだという
言葉も、これは行き過ぎだと思うのです。まあ、自信を持ってお言いになったものだと思うけれ
ども、しかし、やはり全体の面から見て、
国民の生活を豊かにするには、消費経済の増大もむろんなければ、賃金の値上げも
考えてくれませんから、これは一律的に、そういうところはしないんだという
発言は、私は受け取れないのです。これは必要なところはやっていいのです。しかし、重点的に、国土
計画全般から見て、各地域の
国民の格差をなくすというような面から見るならば、たとえ
計画の当初にペイしないであろうという開発道路をも、率先して道路公団が一なかなか赤字を出したくないものだから、そういうところは取りつかない。しかし、
河野さんはそれに対して、これはやるべきではないかというような指導をしていただきたいのです。その点、もう一ぺん伺っておきます。