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1962-11-22 第41回国会 参議院 建設委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十一月二十二日(木曜 日)    午前十時四十三分開会     —————————————   委員異動  十一月十二日   辞任      補欠選任    瀬谷 英行君  藤原 道子君  十一月十六日   辞任      補欠選任    藤原 道子君  瀬谷 英行君     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     木村禧八郎君    理事            石井  桂君            徳永 正利君            村上 春藏君            武内 五郎君    委員            稲浦 鹿藏君            岩沢 忠恭君            熊谷太三郎君            田中 清一君            増原 恵吉君            米田 正文君            瀬谷 英行君            田中  一君            藤田  進君            中尾 辰義君            田上 松衞君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 河野 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設政務次官  松澤 雄藏君    建設大臣官房長 山本 幸雄君    建設省計画局長 町田  充君    建設省都市局長 谷藤 正三君    建設省都市局区    画整理課長   広瀬 可一君    建設省河川局長 山内 一郎君    建設省道路局長 平井  学君    建設省住宅局長 関盛 吉雄君    建設省営繕局長 前田 光嘉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査  (昭和三十八年度建設省関係予算に  関する件)     —————————————
  2. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) ただいまから建設委員会開会いたします。  先ほどの委員長及び理事打ち合わせの結果を御報告いたします。  本日は、昭和三十八年度建設省関係概算要求予算に関し質疑を行なうことになっておりますが、大臣は、繰り上げ閣議のため十一時ごろ出席いたし、午後一時より農業祭への出席のため退席されるそうであります。したがって大臣に対する質疑は、十一時から午後一時までということになっておるわけであります。この前の理事会打ち合わせでは、去る十五、十六日に建設委員会を開く予定でございましたが、大臣のやむを得ない都合によりまして二十二日に繰り下げたわけでありまして、二十二日の午前十時から午後にわたって質疑をいたすということになっておりましたが、昨日、突然大臣のほうかう連絡がありまして、先ほど申し上げましたように、繰り上げ閣議都合上十一時からでなければ出席できない、また、午後一時までしか出席ができない、午後一時から農業祭出席するので退席しなければならない、こういう御連絡がありました。で、私は、前回申し合わせがございますので、直ちにこれを了承することに参りませんので、本日、理事会を開きまして、この点を御報告して理事の御意見を伺ったわけでありますが、理事会結論といたしましては、たびたび予定変更されることは非常に遺憾である、今後は、大臣に対して十分こういうことがないように気をつける、そういうことで本日は十一時から大臣出席を求めて午後一時まで大臣に対する質疑を行なうのもやむを得ないのではないかという結論に達したわけであります。この点御了承を願いたいと思います。
  3. 田中一

    田中一君 了承できません。河野建設大臣就任以来、二、三回しか委員会を開いておりません。河野建設大臣が各新聞紙等にいろんな意味のアドバルーンを上げております。したがって大臣としても、建設行政重要性を感じていろんな構想を発表しておると思うのです。と同じように、参議院のわれわれにいたしましても、当然建設行政重要性にかんがみて、われわれの持っている、院の持っている権限内で十分に委員会を開いて建設大臣とも胸襟を開き施策についての審議もしたいと、こう考えておるわけなんです。国会議員としてのわれわれの熱意というものが一方的に無視されておるという現状に対しては承服できません。ことに前回委員会におきまして、十五、十六の両日に委員会を開く、そうして熱心に、真剣に、審議討議をしたい、調査をしたいといろ決定をしているにかかわらず、これを一方的に本日の委員会変更されたということも、これは、われわれ当委員会委員こしては承知しておらぬ問題であります。むろん、これは委員長並びに理事諸君が協議の結果決定されたものと存じますけれども、われわれとしては、正式に何らそれらの通知を受けておりません。したがって、今までの事例から見ても、委員長が、委員長並びに理事との打合会においてそういうことを了承したという点につきましては、私は了承できません。したがって、了承し得るような答弁大臣並びに大臣を補佐する官房長なり、次官なりから正式に発言を願いたい。来ないからといっても、もはや十時から委員会が開かれておる。にかかわらず、いまだに政務次官すら来ないということは、これは全く参議院の当委員会を軽視したということにならざるを得ない。しいて申しますならば、再三再四の決議に対して侮辱を与えているということに極言しても少しも当を得ないものじゃない、こう考えます。したがって、委員長了承してくれという発言に対しましては、私はそれらのことが解明され、そうして再びこのような間違いを起こさないと、委員会決定に従うというような態度をきめなければ了承できません。したがって、松澤政務次官なり、あるいはこれを代弁する官房長もおるから、官房長がどういう大臣からの指示を受けておるかどうか、それも一ぺん聞いておきたいと思う。
  4. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 委員長から申し上げますが、本日の理事会におきましては、田中委員の御趣旨は、まあ委員長も同じ意見でございましたので、与党理事の方にもそのことをお話し申し上げたのですが、与党理事の方は、今後はそういうことがないように、十分に努力すると、そういうお約束があったわけであります。したがいまして、その点についてお約束がございましたので、今後十分にその点を守っていただくということで一応了承したのでございますが、田中委員の御意見もありますので、大臣がなぜきょう、前回理事会申し合わせになった十時から出席して午後にわたって答弁されるというその予定変更された経緯につきまして御答弁願いたい。それからさらに、ただいま田中委員からも御質疑がございましたが、これまでたびたび変更されるいろいろな御事情がございますから、そんなに窮屈にしばることも困難と思いますので、できる限りわれわれは譲歩してきているわけです。ところで、譲歩した結果がまた変更になるということになりますと、責任がなかなか持てないことになります。したがいまして、今回のことにつきまして、山本官房長から経緯について御答弁を願いたいと思います。
  5. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) 前回委員会で、たしか十五、十六日というお話を伺いまして、政務次官並びに私、大臣の御都合をいろいろお伺いをいたしたのでございます。ところが、いろいろ日程政務その他で混んでおりまして、結局二十二日木曜日は出席できる、こういうお話でございましたので、そういう線でお願いをいたしたのでございます。二十二日は木曜日でございますので閣議はないことになっておったのでございますが、政府のほうで、にわかに次官会議並びに閣議変更がございまして、明日休日であるという関係もあったかと思いますが、それがために、本日、本来ならば予定になかった閣議変更になってきょうあるということになりましたために、ここに大臣が御出席になれるのがおくれておるのでございまして、この点はそういう事情でありますので御了承をいただきたいと思います。  なお今後、いろいろ委員会のございます際には、私どもといたしましては、できるだけ委員会の御意向に沿うように大臣に今後ともお願いをして御出席をいただくように努力をして参りたいと考えます。
  6. 田中一

    田中一君 今、委員長発言の中には、午後に農業祭出席する、建設大臣農林大臣を兼務しておられるのですか、官房長。私一向にそれを承知しておらぬけれども、兼務しておるのですか。あるいは実質的な大臣権限をお持ちなのでございますか。官房長はそういうことについてどういうお考えなのか伺っておきます。なぜ官房長、午後には出ないということを言っておらないけれども官房長としては、こちらで委員会が閉じられるまで大臣出席するのだというふうに理解していいのですか。
  7. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) 私は建設省官房長でございまして、大臣が前任のときにおやりになったお仕事のいろいろな関係がおありのように私はひそかにうかがっておるのでございます。おやりになった仕事のそうした関係というものも、これは一つ国務大臣としての御政務かと私は存じますが、大臣の御判断でそういうふうにお考えになっておることではないかと想像をいたしておるわけであります。
  8. 田中一

    田中一君 委員長に、午後に農業祭に出るから午後の一時までしか出席できないといった通告はどこから参ったのですか。
  9. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 委員長から申し上げます。昨日急にそういう連絡委員部のほうからありまして、委員部のほうに建設省のほうから連絡があったと思うわけです。
  10. 田中一

    田中一君 委員長はそれを了承なすったのですか。
  11. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 委員長了承いたしません。そういう御連絡がありましたが、これは理事会申し合わせによって、本日は十時から大臣出席を求めて質疑を行なう、午後にわたってまた質疑を行なうということは、前回理事会できまっておりましたから、委員長だけで了承するわけに参りませんので、理事会を開いてこのことを理事会に報告いたしまして、理事会意見を求めて結論を出す、そういうふうにいたしたわけであります。
  12. 田中一

    田中一君 そうすると、理事会では農業祭出席するのを認めたわけですね。
  13. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 理事会では、一応先ほど申し上げましたように、非常に遺憾ではあるが、今後はこういうことがないように十分気をつけるという与党側の御意見もございましたので了承したわけであります。
  14. 田中一

    田中一君 了承を求められた与党側理事のどなたか存じませんが、その方に伺います。結局何時間それがかかって、農業祭というと、結局前農林大臣であったところの河野建設大臣だから出たいだろうから、そういうこともあり得ると存じます。何分ぐらい、あるいは何時間ぐらい、何十時間ぐらいそれに出席しなければならないということを与党側では説明しておるのですか。農業祭という一つ行事出席するならば、これはあいさつするのですから、あいさつなら何時間もかかるわけではない。その点はどのように委員長に要請されたのか、与党側理事の人から伺いたい。
  15. 村上春藏

    村上春藏君 私からお答えいたします。その問題は、理事会の際にも野党の理事にも申し上げたわけであります。今回はひとつ、今後はこういう手違いは極力避ける、努力するから今回だけは、きょうのところは予定をすでに立てておるのだから、何とかひとつ了承願いたい、今後を約束して了承を得た、こういうことであります。
  16. 田中一

    田中一君 村上理事に伺いますが、それは何時間ぐらいかかるのですか。
  17. 村上春藏

    村上春藏君 私は何時間かかるか調べておりません。もし必要とあらばさっそく問い合わせて……。
  18. 田中一

    田中一君 それでは、そういう行事に出るときは、三十分なり一時間なり中座するのが今までの慣例です。したがって、中座をしていただいて再出席して下されば差しつかえありませんが、そういうことは理事会では話が出なかったのですか。
  19. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 理事会ではそういう話は出ませんでした。
  20. 田中一

    田中一君 幸い松澤政務次官が見えておるようですから、その農業祭出席する時間等がどういうことになっているのか、あなたがもし知っておるならば伺っておきたい。そしてまた、その行事出席してあいさつが済んだならばむろん帰ってこれるものと思うのですが、その所要時間はどのくらいあって、こちらに何時ごろ帰られるか、農業祭より当建設委員会定例委員会のほうが重大であろうと、私は、政務次官並びに大臣ともに感じられておられなければならないと、こういう前提から申し上げたのです。
  21. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 農業祭に出られる時間、私も実は大臣打ち合わせをしておりません。なお、ただいま最後のほうのお話でございますが、言うまでもないことで、当然に国民を代表する最高機関でございますから、委員会出席するのが当然だと、かように考えております。ただ、本日は御承知のように、大臣農林大臣の当時、農業祭をみずからが発案をいたしまして、そうしてこれを国民に普及して、農業を国の基本としての立場というふうなことからやったという建前のもとに、きょうは農業祭の初回の日だ、そういうふうなことでぜひお許しをいただきまして、御出席をさせていただきたい、こういう気持から与党理事のほうにお願いをいたしまして、そして今のような結果に相なったものと私はそういうふうに考えております。しかし、極力皆さん方のほうの御要望になられるような方向で、本人に努めさせるように私は努力をいたしたい、かように考えます。
  22. 田中一

    田中一君 松澤政務次官が来ると僕も言いにくくなるのだけれども、どうも松澤政務次官は当委員会出席するたんびにあやまっている。これはおそらく松澤君にしても不本意だと思うのです。堂々と政府のほうのわれわれ国会に対する答弁をしたいと思うだろうに、来るたんびにおじぎをしておる弁解をしておる。だから、もう松澤政務次官には、私はそろいう点については質問しにくいわけなんです。こちらもお互い同僚国会議員としては言いにくいことなんです。しかし、建設大臣がこの日ならよろしいという指定をした日に、午前中の閣議変更の問題はやむを得ないと思うのです、しかし午後まで、農業祭というものが三日、四日でもってきまるものじゃございません。おそらく一カ月や一カ月半前から決定をしているものだと思うのです。それがその日に限って、そういう大臣がみずから指定をしてよこした日に、ちょっと中座をしたいと言うのならこれはけっこうです。それがどうなるかわかぬというようなことでは、これはとうてい私ども困るのであって、ひとつその点は理事会でもそういう点にまで言及されて話し合いを進めてくれたならば、こういう松澤政務次官をこうしておじぎさせるようなことはしないで済んだわけなんです。したがって、午後はどうなるんですか。おれはわからぬだけじゃ困るのです。建設大臣指定した日です、きょうは。そんなに当建設委員会がいやでございますか、松澤政務次官も、建設大臣も。このくらい超党派的に協力をしている委員会というのは、他の委員会に見られないような和気あいあいたる姿なんです。あまり和気あいあいで理解し合うから出席しにくいならば、相当するどく対決をするという姿をとっても一向差しつかえないのです。松澤政務次官、午後の会議はどういうことになるか、ひとつ表明していただきたいと思うのです。
  23. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 田中委員からたいへんおしかりを受けたようでありますが、弁解というふうな気持では私は申し上げておるわけじゃありません。また、この委員会出席をして御質問に答弁をするのもわれわれの任務でありますから当然でありまして、あえて拒否しているものではありませんし、出席することに対してちゅうちょをしているものでもないのであります。ただ大臣は、御承知のようなわけで、各方面に対するいろんなこともございまして、ときによって往々にして皆さん方の御意思に反するようなことも多々あると思いますが、これは結論はわれわれの注意が足らなかったもの、補佐が不十分である、これは別にいたしましても、われわれとしても十分に努力していきたい。特に本日の場合は、今のお話のように大臣のほうから、せっかく皆さん方が十五、十六日というふうに決定されたものを、二十二日にしてほしいといったことをお願いいたしましてやった建前からいたしましても、そういうふうにおっしゃられることは理の当然だと思います。したがいまして、さっき申し上げたように、今直ちに大臣のほうと打ち合わせをしておりますが、極力御趣旨に沿うように、時間的な面で、いつ何時ごろに必ず農業祭のほうに顔を出したらいいかというふうなことも問い合わせまして、御回答をいたしたいと思いますが、もう閣議もおいおい済むころと思いますから、直ちに出席をさせまして、そして、ただいまの御趣旨等を私からもお伝えいたしますし、本人も十分に理解をしていただけるだろう、かように思っておりますし、この委員会に対してどうこうというようなこともありませんから、この点だけはひとつぜひ御了承いただいて、今後ともわれわれも十分気をつけていきたい、かように存じます。
  24. 田中一

    田中一君 委員長理事打合会で十分なる討議を経て決定されたものではないということには遺憾を感じますけれども、一応決定されたものですから、そのまま今の答弁並びに十一時に出席するという、もう十一時を過ぎましたが、建設大臣意思表明を伺うことにして、委員会を続けていただきたいと思います。
  25. 田上松衞

    田上松衞君 あまりわからぬことは言いたくないのです。だけれども、いろいろお聞きしていると、何か弁解とか釈明だとかというようなことでこの場を何とかしようとし、田中委員のほうもやむを得ないという程度にしておられるわけですが、私は、きょうの時間をどうするかという問題の前に、もっとこの問題は真剣に考えてもらわなければ困ると思う。池田総理政治姿勢を正すということを、国民にも決意表明として知らしているわけです。とかく最近になりまして、誠に残念であるけれども、いわゆる議会制民主主義というものが、ともすると国民に大きな疑惑を持たしているわけですが、その中で大きな迷惑を受けているものは議員立場だと考えております。ところが、実際はこの状態であるということになると、議員がこのように熱心になっているにもかかわらず、政府のほうが、しかも、そこらの二流、三流の閣僚でなくして、場合によっては次の総理を引き受けるように思わしている有能な大臣態度としては、池田さんが言われる政治姿勢を正すことと全然逆な方向をとっていることはまことに遺憾千万だと考えます。私は、きょうのわずかな時間における質疑の問題よりも、この問題のほうがよほど重視しなければならないと思う。これは百も御承知のとおりです。大体申し上げたいことは、委員長田中委員ともに言われたことですべてを尽くしていると思うけれども、私はその考えの根底というものについて、もっと真剣に考えなければ困ると思う。十五日、十六日という日をすでにきめて、おのおのの委員は、それぞれの日程を、遊んでいる立場でないから、組んでおったにもかかわらず、松澤政務次官官房長のいろいろなお計らいによりまして、きょうに変更された。このことだけでも、私どもは実際は困ったものだ、日程を狂わされた立場ですから。しかし、やはり一切のことはまあ次の問題といたしまして、とにかく国政に参与する者の立場としては、これに応じなければならぬとしてやってきた。ところが、今のような状態です。言葉を簡単に言いますけれども、一体農業祭というそういう一つの祭に出ることと、大事な三十八年度予算等を中心といたしますもろもろの問題、国民考えております問題等を一体どういう工合に考えておられるかということに対して、大きな疑惑を持ってしまうわけなんです。私は、ただここで言葉の上で、まあいいかげんにして、ともかく今後とも努力するからと松澤さんは言われたが、今後ともじゃないんです。みんなはっきりしておりますように、河野さんが建設大臣になりましてから、われわれが満足な姿で聞かれた委員会はまだありません。私ははっきり申し上げます。いつも今後は注意します、今後は注意しますと。河野大臣みずからが今後十分尊重する、決して参議院無視でもなければ議会軽視でもないんだ、今後は間違いなくするからということを誓っているが、毎回、今後は今後はだ。今後ともという言葉については、松澤さんも、いやみのようですけれども、それじゃ今までよかったのかということも言えるわけです。今まではだめだった、今度こそはと思ったのに、こういうような事態になってしまう。私は、この点についてはもっと大事に考えてもらわなければ困る。特に強調したいことは、こういうようなことで議会制がとかく国民からそっぽを向かれるようなことになる責任をわれわれ議員側にそれを転嫁されては困る、とんでもない問題だと思うのです。こういう点等は十分ひとつ御注意して下さるということと、きょうの事態については、大臣がいないところでああだこうだということを言ってみたって、ただ時間をつぶすような意味のことになってはならぬのであって、ほんとうに今後、これきりこんな醜いことは、こんな疑惑を持たれるようなことはやっちゃいかぬという決意があるならば、わずかな時間のことですから、大臣が来るまではこのままの姿において待機することが私は賢明な策だと思います。ただ、時間が少しでもむだになるから、来るまでの間は余事をひとつやっておこうというだらしないことでは年じゅうこういうことになる、こう考えますので、委員長に私はお願いをしたいのです。これは一刻を争う重大な問題があるならば別ですけれども、そうでない限りにおいては、今後をしっかり締めくくることのために、このままで、委員会議事を進めないで待機するということにしてほしいと思います。
  26. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 委員長から申し上げますが、田上委員の御意見は全くごもっともでございます。委員長はこれまでの建設委員会あり方について満足しておるわけではございません。非常に遺憾に思っております。ことに概算要求建設当局から聞きまして、それを閉会中に審議することは時期的に——これが予算として固まってしまってはなかなか変更が困難になる事情もありますが、概算要求の過程において委員会意見を十分に反映させるということが必要であるので、そこで、閉会中ですけれども議員諸君が非常に熱心にこの委員会を開いて、大臣出席を求めて審議をしようということになっておるわけであります。それにもかかわらず、これまでの委員会あり方は、非常に遺憾な姿になっております。今後は与党理事の方も、こういう姿ではよろしくないということを十分反省されまして、開会努力されるということでございますので、その点を信頼いたしまして、これから委員会を運営して参りたいと、こう存じておるわけであります。委員長は決して満足しておるわけじゃございませんので、その点は御了承を願いたいと思います。  大臣出席されましたので、議事を進めて参りたいと思います。
  27. 田中一

    田中一君 ちょっと午後の日程を、大臣委員長から聞いておいて下さい。
  28. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  29. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) では、速記をつけて下さい。     —————————————
  30. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 次に、委員異動について御報告いたします。  本月十二日瀬谷英行君が辞任せられ、藤原道子君が選任せられました。また十六日、藤原道子君が辞任せられ、瀬谷英行君が選任せられました。     —————————————
  31. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 次に、建設事業並びに建設計画に関する調査を議題にいたします。  本日は、去る一日聴取いたしました昭和三十八年度建設省関係概算要求予算に関し質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
  32. 田上松衞

    田上松衞君 せっかく大臣がおられる席上ですから、今、委員長から言われた問題に入る前に、緊急の問題としてちょっとお聞きしたいと思っているわけです。お許しいただきます。  先般横浜と川崎の、実際は中間ですが、あそこで起こりましたタンカーの衝突事件に関することですが、もちろんこのことはいろいろな関係で軽率にはできない問題です。それは百も承知ですけれども建設省に関する限りにおいて何かお考えがあるはずだ、遺憾であったとか、こういうところに原因の一部があったのではないかというようなことは当然検討されていると思うのですが、それについてのひとつ御意見を承っておきたいと思うのです。このことはあまりにも国民の大きなショックを受けておる問題なんです。ああした中で四十人近い人々がほとんど一瞬にして命を失ってしまったということ、及び日本の海運界における一番大きな問題としてやっておる中に、ああいうような不祥事が起こったというような問題について、お断わりしておきますけれども、原因の一つ一つについてうかつなことは言われないでしょうけれども、少なくとも建設省に関する限りにおいては、何かの用意がなければならぬはずだと、こう考えて、それについて御表明願いたいと思います。
  33. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 閣僚の一人といたしまして遺憾千万だと考えております。御承知のとおり港湾行政は、現に運輸省が担当いたしておるわけでありますが、これの施設その他についても、実は私は、施設は建設省に譲ったらどうかということを今、運輸大臣に申し入れいたしております。まだその話はつきません。現に運輸省においてこの点をやっております。したがって、港湾の内部において起こりました事件につきましては、全面的に運輸大臣の所管のことでございますので、私からこれについてとやかく申し上げることは適当でないのではないか、こう考えますが。
  34. 田上松衞

    田上松衞君 今、大臣が言われた程度のことは百も承知なんです。港湾行政について運輸大臣が持っておること、同じこれらの管理の面から、横浜市及び川崎市等もいろいろな影響のあることは百も承知です。ただ私が建設省立場においてと申し上げることは、いろいろな幾多の原因が積み重なっておるでしょうけれども、少なくともあの運河というものが、運河というより水路と申し上げておいたほうがいいと思うのですが、あれが非常に狭過ぎるというようなことも一つの原因であることは、これはいなめないことですね。及びこれに関連いたしまして、扇島埋立地等に関しまして、一方は埋め立てしながら、片方は浚渫すべきであるにもかかわらず、その浚渫等、何といいますか、大まかに言って整備が不完全であるというようなこと等にもあるので、その間に建設省として、ただ所管が運輸省であるということだけで済まされるかどうかということです。こういうことについてどうお考えになっておるかということです。
  35. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいまも申し上げましたとおりに、浚渫その他、実は政府としては運輸省所管でやっておりますことでございますので、直接監督をいたしておりませんので、ただ閣僚として遺憾でございますということ以上に私申し上げるととは適当でないのではないかと思います。
  36. 田上松衞

    田上松衞君 この問題はわずかな時間で部分的に話をしていたらいろいろな誤解や疑惑等を生ずるでしょうから、しいては申し上げませんけれども、この際ひとつただ要望だけ申し上げておきます。とかく官庁の仕事は、それは運輸省である、それは自治省である、どうだこうだということでなすりつけになりますけれども国民全体の気持というものは、いずれにいたしましてもやはり国及び地方に関する問題であっても、やはり国全体がもう少しいろいろ注意し合いしてくれるのでなければならぬということ、これは国民の感情としては当然だと思っているわけなんです。ただ、こっちに責任がないとかなんとかいうことは、責任の点を考えておっては、国民は私はそのまま納得できるものではないと思うのです。特に閣議等におきましては、所管がどうでありましょうとも、大臣の場合では十分話ができるだろうと思うのです。今の責任の問題にあらずして、今後要望し得る面から考えますと、ああした狭い水路をそのままに置いて、見て見ぬふりをして、これはおれのほうではないなんということは、これはどうかと考えるわけです。特に国民は、海岸のここはどうであるとか、河川のこれは建設省のどこであるとか、あるいは大きな他の災害等については、この問題はそっちのことだというようなことでなく、それはそのままくろうと筋が言う内部の問題でありまして、国民全体としては、政府のやり方がどうも少なくとも不親切だ、注意が足りないとかいうことで注意をするととは、これは私は当然だと考えますので、そういうことについてもっとこまかに、何と申し上げましてもとにかく尊い人命を失い、一方に大きな海運の振興の問題をうたいつつ、そういういろいろな問題から考えまして、この問題については十分大臣もひとつ内容をこまかに御検討をされて、そうして建設省において努力できる問題、今後しなければならぬ問題等については、十分ひとつ御考慮をいただきたい。きょうの場合は、ただこうした大臣に対する要望を申し上げておいて、いずれこまかいことについては、機会あるときにひとつ留保させておいていただきたいと思います。
  37. 田中一

    田中一君 前回委員会で提出された資料に基づいて若干質問をいたします。十日ほど前までに約四十数回にわたって読売新聞が、人災か天災かというような意味のハコものをずっと連載しておりました。これは建設大臣承知だと思いますけれども、そこで、今回の要求されている予算の面の治水関係の新しい五カ年計画というものは、防災という立場から総合的な治水とか、あるいは災害復旧とかいう面でなくて、これは全く治水という面は防災という面に通ずるわけですけれども、それはこれならばいいのだ、これならば間違いない、あるいは現在の政府の出し得る予算上のこれが大体この辺だというような見通しでなっておるのか。あるいは、私はかつて隣りにおる岩沢同僚議員から聞いたこともあるのです。建設省ではもはや、どの河川のどの地区に集中豪雨があれば、どの河川のどこの堤防が破堤する、そういう危険の状態にあるということは、十分に今までの技術陣を投入して調査済みであるということを聞いておるのです。岩沢同僚議員も、建設省の局長、次官を歴任されたのでありますから、これはもうそのとおりだと思うのです。そこで、そういう河川局が現在持っておるところの当然破堤するのではなかろうか、あるいはここに事故が発生するのじゃなかろうかという予想をされている個所、むろん、これは直轄河川のみならず、地方河川等も含めて、それらのものを大体に見て集約した新しい計画を立てているのか、あるいは単に、そういうものの、むろん、基礎としてはそういうものを考慮されておっただろうけれども、これくらいならば大体全国的な視野において予算の配分が均霑化されている、いわゆる国会、衆参両院の審議の中においても、大体これならば適当な政治予算の配分であろうというようなことから考えておるのか、ひとつこれらの点を、資料があれば一番いいのですが、計画の全貌を明らかにして説明していただきたいと思うのです。
  38. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 田中さんは私よりも長年その道でいろいろ御勉強していらっしゃる人ですから、私のようなつけ焼刃の者がお答えするのは……。道路にいたしましても、河川にいたしましても、極端に申せば、金さえあればやらなければならぬことは幾らでもある。しかし一方、国家の財政にもそのつど一定の限度がある、これは他の緊急の問題と見合いつつしなければいけないことは当然のことでありますが、そういう意味におきまして私としては、これまでやって参ったことよりも、むしろ当面する明年以降は、財政投融資を公共投資のほうに振りかえていくべきときが来ておるという意味合いにおいて、少なくともこれまで考えてきたことよりも、道路それから河川におきまして、公共投資をふやしていくという意味合いで、そのふやすものを加味してここに新しい五カ年計画を作る、こういう方針で事務当局に案を作らしております。したがって、今概略御説明申し上げたのでございますが、計数におきましても、従来七カ年で——あとの残りの七カ年でやるものを五カ年間に済ませよう、それから北海道方面の問題にしても、そういう緊急のものは入れていくということでやらしておるわけであります。具体的なものにつきましては、事務当局が申し上げることができると思います。私の方針はそういうことでございます。
  39. 田中一

    田中一君 そうすると、従来の河川行政は不十分である、これが第一、この建設行政は、むろん予算の限界はあるけれども、より多くのものを投入して、ただ単に従来のものばかりではなくて、従来の計画のみならず、緊急度の高いもの、それから、これを現在施行すれば次の災害を守れるものというような点を新しく加えて五カ年計画を策定したい、するのだというように理解しましたけれども、そこで、今申し上げたように、大体、河川局ではどの地点に集中豪雨があれば、どの川のどこらあたりが破堤するのだということはわかっており、かつまた、それに対する原形復旧のみならず、改良をも含めた対策が立てられておるように私は了承しておるのです。日本の建設技術というものは、ことにそれくらいまでの防災としての意欲が従来ともにあったものと、こう考えておるのですよ。で、それならば予算が来てからその配分を考えるということになりますと、これまた政治家にぶんどられます。自分の選挙区にこれを、ここもあそこもといって取られてしまう、そういうことのないような適正な配分というものが必要だろうと思う。今、建設大臣が言っているような重点的な配分、重点的というのは、何もある府県には災害が少ない、それで集中豪雨が今までの統計経験から最も少ないから、まず、この地点に重点的にあるいは一府県に限られて、そういうものに投入しようというような政治的な配慮、政治的な配慮というよりも技術的な配慮が先行しなければならぬと思うわけです。そういう心がまえで、今回の要求されている予算の限界がありますから、要求された予算の中でもって、そのような配分を行なうかどうかという点を伺っておきたい。それの裏づけになる技術的な実証というものは河川局にあるはずでございます。これは先ほども言ったように、大先輩の岩沢同僚議員がそう言明しておるのだから、これは信用していいのじゃないかと思います。その点はどう考えるのか。あまり政治的な、これは私も国会議員だからあまり言いたくないのだけれども政治家としての圧力に行政面が屈して、総花式な施工は避けていただきたいということなんです。
  40. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私も田中さんと全く同意見でございまして、ぜひそうあらなければならぬとかねがね私はそう考えております。これは申し上げることはどうかと思いますが、農林大臣時代にも、多少摩擦があっても摩擦を押して事業の完遂に重点を置いて予算を振り当てるということをやって参ったつもりでございます。ただ建設省に参りまして、私はちらちら耳にしますことは、ことに今年は災害がなかった、先般も鹿児島のほうに参りましたときに、台風が全然来ない、したがって、地方の小さな業者は手があく、手があくのは非常に困る、だから、こういう際にはやはりこちらのほうにも仕事を相当に回わしてもらわなければ困るというような一方に要請もございます。これも私はごもっともと思います。災害があったから、それ集まれ、それ仕事を始めろといってもそうは参りませんので、地方業者にも地方業者の多少の配慮をしなければならぬという気がいたします。また一面においては、建設省の持っておりますそれぞれの事務所がございます。これは私は農林省時代にも強く経験しておることでありますが、むしろ役人のほうの圧力でなかなかやりにくい、役人のほうがかえって方々の事務所を生かしていかなければなりませんから、金を分けるというようなことが農林省時代にはよくあったのですが、建設省にはそこまで予算の分配はいっておりませんので、そういうことでなかなか実情はすっきりとやりにくい点があるのじゃなかろうかというふうに考えておりますけれども、しかし、いずれにいたしましても、まあわずかの経験で、はなはだ間違っておるかもしれませんが、工期が非常に長い、それからわずかな金をぶらぶら長く使っているというような点が建設行政の中において一番私はよくない点じゃないかというふうに考えまして、極力現地を回って歩いて督励をするということに専念いたしておるということでございまして、予算の分配等につきましては、御趣旨全く私も同感でございますが、極力そういう方向に行きたいと考えております。
  41. 田中一

    田中一君 そういう考え方のうちで一つの事例ですけれども、現在の砂防法は、砂防施設というものを建設大臣がきめて、指定されたその施設が砂防施設だということになったのです。従来ともにその砂防施設を行ないました河川等は、その砂防施設そのものに対するそのものの災害というものは少ないわけなんです。ところが、今回のように比較的災害が少ない場合には、今こそ砂防を——河川改修をする場合に、砂防施設がないための災害が多いものですから、砂防施設をしたいという考え方を持つ、ところが、これに対しては災害として認められぬものですから、どうしても、自己負担の地方負担の仕事をしなければならない、また、むろん通常砂防費として補助金はもらいますけれども、緊急などうしてもしなければならぬという地点に対する財源の確保が困難であることがいわれておるわけなんです。申し上げますと、一応砂防指定区域の中の河川災害でも、これは砂防施設を施してもいい、いわゆる係留の岸辺の災害も原形復旧が原則でありますから、また岸辺をつけなければならぬということになりますと、それを砂防施設として施工していきたいという要望が非常に強いわけです。これは効果としては、災害復旧に対する砂防施設の復旧は起債がつくわけです、地方債がつくわけです。通常砂防の新設というものは国の補助金は参りますけれども、自己負担金というものに対する起債が何にもない。農林省の場合、これは全部起債を認められております。しかし、建設砂防の場合には、起債が認められておらないのです。いわゆる防災の見地から、今こそ、今回の河川の災害に対しては砂防施設を行なおうとしても財源がない、こういう点について、政府として法律改正をして、一応砂防指定地域の災害に対しては、原形復旧で護岸を作るということだけじゃなくて、砂防施設によって抜本的な災害を守ろうというような考え方に立つ、また立ってほしいと思うのですが、建設大臣はそのような法律改正を考えようとするか。前段に申し上げましたように、災害があって仕事をするのじゃなくて、災害があっちゃならないからそれを守るための仕事をする、それには地方等ではどしどし仕事をしたいのだけれども、何といっても、国からの補助金があっても、自分のほうの原資がない。農林省が行なっておる治山事業と同じような起債ができるような、可能なような立法化を考えておられるかどうか。
  42. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ごもっとものお話でございますが、さっそく自治省にこの話をいたしまして、自治省でそういうように起債を許すように交渉いたします。
  43. 田中一

    田中一君 そこで、これは単に大臣が自治大臣と話し合ってきめるということだけでは済まない面もあると思うのです。私ども参議院建設委員会は、従来ともに砂防施設をたくさん作ることによって災害が守れるのだという立場から、再三再四決議をしております。そこで、もしも政府が法律改正をするというならば、これは政府でやってもらってよろしい、政府がその意思がなければ自治省でも——大臣同士の話し合いだけじゃきまりません、法律の問題もございますから。それで当委員会で法律改正案を出しても、この問題は防災の見地から、これを起債をなし得るような方途をとろうじゃないかというようなことを前々から話し合っておるのですが、その点に対する大臣の見解を伺いたいと思います。
  44. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私の申し上げましたのは、自治大臣に話をしまして、自治省のほうで起債ができるようにするように交渉いたします。今お話の砂防法の一部を改正して、お話のようなことにできるように砂防法の改正につきましては、目下研究いたしておりますから極力推進させて御期待に沿うようにいたしたいと思います。
  45. 田中一

    田中一君 災害の点は今、大臣が言われておるように、どこまでも重点的な災害の場合には、当然これは早期完成ということを伺っておる。したがって、年度内を五として三、二なんという比率ができない場合もありますけれども、私は方針として、政令によるところの災害復旧の年度割等は、その年度で考えるからおかしいのであって、一年、十二カ月と考えた場合には、五・三・二の比率だって一向差しつかえないと思うのです。私はそういう考えを持っておるのです。たとえば九月に発生した災害の復旧が年度末、いわゆる三月末までにとうてい五割、半分の復旧が不可能であろうと思うのです。その場合には、明年の九月までという、一カ年間という考えを持つならば五・三・二という比率に政令を変えても私は一向差しつかえなかろうと思うのですよ。結局国民は法律の内容、政令の内容等はよく知っておりません。それだけに五・三・二という比率でもって、今までの三・五・二という比率を五・三・二にすると、それは会計年度の問題じゃなくて、年間の施工高、復旧高ということにするならば、相当違った面の予算措置をも政府としては考えられるのじゃないか。何といっても防災並びに災害復旧は急務でありますから、そういう点に政令を変えるというような意思はございませんか。
  46. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大体従来も今お話のとおり年度がありますので、まあ言葉と合っていなかった。しかし、現実は今お話のような趣旨で、次の災害季節までに半分ぐらいの工事はできるようにするというような方針で指導して参ったと、御承知のように、ことに最近は四月当初に予算の割り振り等もやりますし、従来のように予算の割り振りがおくれたとかなんとかということはほとんどないわけでございますから、継続して仕事をやっております。また災害の復旧関係も相当に処理が進んできておりますから、御期待のようにやることは困難じゃない、こう考えております。
  47. 田中一

    田中一君 直轄工事はそれでいいのです。しかし、補助工事は、かりに四月の災害復旧がその年にかかる、しかしながら三という場合には、もう秋にはそれは予算分だけは使ってしまう、休むわけにいかぬから引き続き地方費をもってこれを負担して、来年また出してもらうということにならざるを得ないのですよ。こういうことはやはり地方財政に無理があると思うのですよ。実態に即したように政令を変えればいいのですよ。政令を変えれば予算要求はできるのですから、まあ継続費的なものに形はなるけれども、実際の事実というものは補正してもいいのじゃないかと思うのですが、その点は、そういうような改正をすれば、今のような仕事の断層といいますかがなくなるということは考えられませんか。
  48. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) よく研究いたします。
  49. 田中一

    田中一君 これは、あえて申し上げているのは、現に地方工事でも予算がなくなってそのまま休止をしてまた新予算仕事をしているということも私見ているものですから、あえて申し上げるわけなんです。  きょう新聞を見ますと、田中大蔵大臣は第二世銀からまた——またと言うか、再度道路公団が行なう道路整備事業に対する借款が可能ではないかということを考えておるように、新聞で拝見しております。第二世銀からの融資というものは、建設大臣、どのように考えておりますか。また、それらのものを含めた今回の予算要求なのか、全然別のものであると、われわれの了解しているのは、もう世銀から借りられないのだ、なくなった岸総裁は次から次へ借りようと思っておったけれども、借りられないのだというような理解の仕方をしているのですが、大蔵大臣はそういうことをきょう言っておりましたけれども建設大臣と何か了解というか、話し合いというか、何か同じような確たる自信をお持ちになってああいう発言をしておるのかどうか伺っておきます。
  50. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 直接大蔵大臣からお話を承っておりませんけれども、私の考えでは、先ほども申しましたように、河川のほうはむろんそういうわけにいきませんけれども、道路のほうにおきましては、できるだけ多くの外資の導入をいたしたいという考えで、現に二組ほど話し合いをいたしておるものがございます。いずれも話は割合にめんどうなしに受け入れられようといたしております。しかし結論は、大蔵省において、これらを取りまとめて、そうして、われわれの期待に沿うように話をまとめてもらえるのじゃなかろうかと、先般も私のところへ参られた人の話に、世銀の話ももう一ぺんおやりになったらどうでしょうかという注意を受けたこともございますので、もう世銀はこれ以上ということは、私はないと思います。したがって、それは条件のいいところから、なるべくたくさん外資を、この際でございますから、導入して、そうして道路公団の事業については、なるべく早く所期の目的を達成するように協力しよう、こういう考え方です。
  51. 田中一

    田中一君 一つ二つというのは、西ドイツの問題が一つですか。
  52. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 違います。
  53. 田中一

    田中一君 どこどこから話がありますか。
  54. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今私のところへ話に見えられまして、事務当局に相手をさしておりますのは、アメリカ関係で一口、イギリス関係で一口です。
  55. 田中一

    田中一君 道路整備の予算が、まあ田中大蔵大臣は公共事業、ことに道路等には非常に熱意を持っているから、そういうことが何かの機会で出たのかもしれませんけれども、堂々ときょう新聞に出ております。しかし、建設大臣は、それは知らないというのはおかしな話なんです。また建設大臣のほうでは、イギリスと一部のアメリカの資金というように、全然第二世銀と関係のないところで話し合いを進めているということも、私は、道路行政を主管しているところの建設大臣としては、これははなはだどうも不本意じゃなかろうかと思うのです。また外債を募るにいたしましても、当然大蔵大臣了承がなくては困難であろうと思いますし、その点は建設大臣と大蔵大臣は同じ事業を考えながら、二者二様の外資を受けようというような考え方に対しては、私自身としてはちょっとふに落ちぬものがございます。そんなに仲悪いのですか。
  56. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 仲がいいとか悪いとかという問題ではないと思います。私も勝手に独走いたしておりませんので、大蔵大臣総理大臣了承を得て、総理からそういう話があったならばひとつまとめるように話をしたらいいだろうというような話を、総理了承を得て事務当局をして話をさしている。むろん私は多いほどけっこうだと思いますので、たまたま世銀関係が大蔵省との間にそういう話があって、話を大蔵大臣がしていただいていることは、たいへんけっこうだと、こう考えまして、決して、きまった金額をあっちでやる、こっちでやるというならよろしくありませんけれども、私は多いほどけっこうだと、こう思っておりますから。
  57. 田中一

    田中一君 私も、外資は安いから、いい条件ならば、これはもううんと借りていいと思うのです、道路は持っていってしまいませんから。しかし同じ道路行政を担当しておる建設大臣が話し合いをするなら、これは当然促進されなければならぬと思うのです。しかし大蔵大臣がまた別に、道路整備の資金の話し合いを第二世銀としている。そしてまた、きょうの新聞にこまかに書いてございました、条件等も。これはちょっと閣内不統一とは言いませんけれども、何か二元——まあこれも外交の一部ですかな、そういうような感じを受けるのですけれども、これに対しては、相変わらず金を借りてくるものなら、多いにこしたことはないから、だれでもいいから借りてくれれば受けますよという態度じゃなかろうと思うのです。したがって、この問題については、きょうのような新聞発表を見ますと、私はどちらがやっても、政府責任でやるだろうと思いますけれども、これに対して十分了承しておるという答弁を聞きたかったのですが、そうでなくて、自分はそれは知らぬ、しかし自分はイギリス並びにアメリカの、それ以外のものから外資導入の話を進めているのだ、それは総理大臣了承しているのだ。ちょっとすっきりしないものがあります。
  58. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今も申し上げますとおりに、私自身が交渉しているのじゃないのであって、私のところへたずねてみえられた銀行、もしくは投資団の方が見えられましたから、さっそく内部で連絡会議を開きまして、そして事務当局をして折衝させておる。事務当局はむろん大蔵当局との間に連絡をとりつつやっているわけでございます。一方の世銀の話は、じかに大蔵省のほうに、従来大蔵省の関係がございますから話があったと、こう思うのでございまして、決して、そういう二元でも何でもない。握るところは大蔵省のほうで握って、そして私のほうの事務当局と大蔵省と連絡をとりつつ話し合っておる、こういうことなんです。  ただ、たまたまけさの新聞に出たことは、私はまだ大蔵大臣から連絡を受けておりませんということなのでございまして、私としては、なるべく道路関係の外債は多いほうがいいというつもりで、たくさんほうぼうから貸してくれるものだったら借りて、そしてなるべく今企画しておりまするものは片づけたほうがいいんじゃないかと、こういう考えておりますので、おれがやっておるのに、大蔵大臣、お前しばらく黙っていろと言う必要もございませんから、いずれ大蔵省に全部それらの問題をまとめて、条件のいいところで、最後はむろん私は大蔵大臣と相談の上で、どこどこがいいと、最終的な相談はむろん取りきめなければなりませんけれども、今、ほうぼう相手をして交渉をしておる段階でございますから、今いろいろな角度でやっておる、こういうことでございます。御了承をいただきたいと思います。
  59. 田中一

    田中一君 あなたのように相当行動的な、また力のある行政をやっている人にしては、話を今伺っていると、非常にやさしいところがあるんですね。人がやってくれるなら、それを受けようと、それは実際いいですけれど、しかし何となく河野さんらしくない感じも受けます。しかしこれはまあけっこうです。ぜひ進めていただきたい。願わくはやはり道路整備、道路事業に使う金というものは建設大臣に相談されて、建設大臣もそれに対する自分の意思表示をして借りることのほうが、何か責任内閣としては当然のように思うのですが、その点がちょっと気がかりに聞こえますけれども、それでけっこうです。あなたが、それでいいというのですから。  そこで揮発油税の問題ですけれども、大体、新しい道路整備計画の中に、その原資というものを、われわれはたって強く一般財源を投入しろ、こう言っておったのですが、今では、もう鼻くそよりももっとひどいような予算しか一般財源から取り寄せられておりませんよ。大体において揮発油税が完全な目的税として、ここに姿を現わし、これも私は別に反対するものではございません。いろいろ論議がございましょうけれども、そういう形になっております。  そこで今度の予算要求ですね。道路整備の予算の要求の場合に、揮発油税に対して、見込みですね、見込みをどういう工合に見ておられるか、そしてまた、これはたしか揮発油税の徴収並びに揮発油税の消費量に対するいろいろな比率というものは、一応三年ごとに国会か何かに報告をするようなことになっているように私思っておったのですが、実情はどうなっておるんです。そして今度大幅にやろうというならば、なかなかむずかしい予算のつけ方をしております。結論として、どのくらいの自然増といいますか、揮発油税の自然増があったか、それを今度の三十八年度以降の予算については、見込みをどのくらい持っているか伺っておきたいと思います。
  60. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 道路局長からお答えさせます。
  61. 平井学

    説明員(平井学君) お答えいたします。  三十八年度の揮発油税の収入見込みは約千九百億でございます。それで当三十七年度の道路財源の中で、ガソリン税は約千七百億を三十七年度では見込んであります。したがって自然増は三十八年度においては約二百億。これは大体大蔵との話し合いで五カ年計画におきましても、約一〇%ないし一五%、これを一応見込んでございます。むろん道路がよくなり、また自動車がふえてガソリンの売れ行きがふえれば、さらにこれがふえる見込みでございますが、一応かたいところ10%前後を見込んでおります。
  62. 田中一

    田中一君 これは三十八年度の予算を作る場合の推定ですね。
  63. 平井学

    説明員(平井学君) さようでございます。
  64. 田中一

    田中一君 三十五年度の実績はどうなっています。たしか三年清算ということになっていたと思うので、三十五年度なら清算されていると思うのです。今なければやむを得ません、ないでけっこうです。
  65. 平井学

    説明員(平井学君) 後刻報告いたします。
  66. 田中一

    田中一君 そこで建設大臣、二つの問題を伺いたい。  一つはガソリン税の値上げというものを、どのように考えているかということ、そして今までのガソリン消費量というもののうち、自動車——いわゆる路上を走る機械の消費したもの以外のガソリン税は、道路行政の面から見て、それをどういう工合に理解し考えて、あるいは使っていないというのか、その分は使ってないというのか、たとえば千九百億という推定そのもののうち、道路整備に使うのは千七百億というなら、二百億という、いわゆる一割、一割五分くらいのものが除外されておる。これはガソリン税そのものから見た場合、消費した機械類を考慮されたものなのか、それとも農耕用のガソリンも、それから航空用のガソリンも、あるいはひっくるめて推定しているものか伺いたいのが一つ、一緒になって値上げを考えておるかどうか。  もう一つは、一般財政というものを、どのくらいまでに投入しようとするか、そして国会の衆参両院とも、この法律を作るときの意思というものは、強く一般財源の投入を要求しておった。そこにおる松澤建設政務次官などは、その急先峰なんでした。ですから、どういうような意図のもとに、三十八年度の予算の要求をもっておられるか、伺っておきたい。
  67. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ガソリン税の値上げ、その他いろいろ話題になっておるものがございます。しかし何さま、今建設省から大蔵省のほうに、明年度道路整備して参りたいという増額は、非常に多額のものを実は提案いたしておるわけであります。したがって、これらの一つ一つで処理ができません。そこで、私は財源については、別にとやかくは申さない。とにかく金、予算さえもらえればよろしいのだ、今のところ、まだ予算の財源となるべきものの内容について、総理、大蔵大臣と話し合っていないわけであります。しかし所要の予算は計上してもらわなければ困る。  したがって、今話しておりますものは、これは公団に仕事を振りかえて、適当なものがどれくらいあるか、それが外資の導入等によって、どのくらいまかなえるか、そうして残ったものは、どういうことになるかということをおりおり話し合っておる程度でございまして、御期待のように、一般財源は、御承知のとおり、明年度は非常に困難でございますから、それをどういうふうにして、どこに財源を求めるかということで、一応大蔵当局のまず考えを承わった上で、その上で、私は私なりにひとつ所要の資金を生み出すことについて強く要求しようと、こう考えております。したがって、今ガソリン税を上げようとか、上げまいとかというようなことについては、なるべく上げたほうがいいのじゃないか、あれもしなければならぬのじゃないか、これもしなければならぬ、そうしなければ金はできぬのじゃなかろうかというようなことをいうておりますけれども、しかし、どれでどうするということは、こちらからはこれでということはいっておりませんです。
  68. 田中一

    田中一君 まあしかし、あなたも、原資の問題についても考慮されてもいいと思うのです。おれは要求すればいいんだから、要求すればいいのだというのではなくて、やはり外資は話し合いだから、それで進めて、幾らでも借りようという意欲を持つと同時に——ここでもってガソリン税を幾ら上げるのだ、上げるという話し合いがついたといえば、うるさいからいえないのでしょう。それはそれとしても、考えているぐらいはいいでしょう、何もそんな。国家財政も非常に苦しいだろうが、自分のほうの要求は事業を進めるということで、財政もなかなか苦しいだろうから、したがって自分のほうでも、いろいろ考えているのだということならば、国務大臣としても、また連帯性からいってもいい。おれは要求すればいいんだから要求するだけでいいんだ、どこへもっていってもいいということではいけないと思う。少しは知っているのでしょう。
  69. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 実は真正神明、申し上げます。総理から、財源についてまかしてくれという私は言質を得ておりますので、実は大船に乗ったつもりでおるわけでありまして、それ以上内容に立ち入ってとやかくいうことは申さない所存でございます。ただし、なるべく公団に振り向けるものは振り向けて、外資の導入でやれるものはやったほうがいいんじゃないかというような話をいたしまして、それは大へんけっこうだから、それでいい、それでいこうという基本方針を話しておるだけでございまして、今要求しております増額の八百八十六億、これについて大蔵省のほうでも、これだけは認めるとか、まあこういうことは御承知のとおりのことでありますが、いろいろあるでしょう、いろいろありますから、これは私の腹づもりはいろいろ持っております。それに見合うだけの金は、どこからでも出していかなければならぬ。出ないとすれば、ガソリン税も上げてもらわなければならぬし、何をしてもらわなければならぬということは、私のほうから、あとでいいます。今私は、一切財源については、外資導入の話を自分としては協力をしておるという以外のことについては、党もいろいろ心配しておるのでありまして、党のほうから、いろいろ御協力をいただいておるようでありますから、私自分としては、との問題について触れていないというのが、これが真相であります。
  70. 田中一

    田中一君 そうすると、したがって、まあわれわれが今までに考えておるように、ガソリン税の値上げというものは、ある程度押えて、そうして一般財源から、われわれが考えているむだづかい——これはむだじゃないかというようなものからも、こっちに振り向けるという要求は、今までことに松澤政務次官なんかずいぶん強くやったものです。したがって、一般財源からどうこうとか、ガソリン税のほうからどうこうということは言わないで、自分のほうは仕事をするのだから、その仕事の分を何とか出してくれというだけであって、もし場合によれば、そっちの一般財源をこっちに振り向けてくれとか、あるいは相当窮屈ならば、ガソリン税の値上げもやむを得ぬから、ガソリン税の値上げもする、おれのほうは仕事をするのだから、これだけ出してくれ、こういう要求も最後になればするというかまえでおるというのですね。
  71. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それはガソリン税でやるか何でやるか知らぬが、だんだん研究はしております。腹づもりも私自身で持たぬことはございません。私はこれだけはどうしてももらわなければならぬというものについては、財源は絶対に予算をつけてもらうつもりでおります。これまで大臣をたびたびやりましたが、予算のときに、そういうところへぶつかったことはないものでございますから、大体農林省時代にも、まあこの程度予算を組まなければいかぬだろうと思っている金を大蔵省で大体もらえたものですから、今度もそんなに無理なものは、私自身も無理な要求はしようと思っておりません。大体、今の御時勢で公共投資の第一順位に道路をやるということは、これは国民の常識ですから、その常識にこたえるような予算を組んでもらいたいと、こう思っておりますから。
  72. 田中一

    田中一君 私は今度の三十八年度の予算で要求されておる道路整備費は少ないと思うのです。もっと要求すべきだ、こういう気持を持っておるわけです。むろんこれには国の財政全般をにらんであなたは考えていらっしゃるものだと思いますけれども、私は少ないと見ておる。今あなたが言っておるように、とにかく先行するものです、道路整備は。国全体のロスというもの、悪道路のために失うところの財産というものは大きなものです。私はこれじゃ少ないのじゃないかという気持を持っているものなのです。  建設大臣は今回の要求されている額で、とりあえず十分だという考えなのですか、それとも足りないという考えで、しかしまあ全体の比率から見て、これくらいとれば妥当だろうという気持で要求されたものか、最後に、それだけを伺っておきます。
  73. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 前段にも申し上げましたとおりに、やらなければならぬと思います。やればそれだけの効果が上がる、ぜひやる必要があると思いますことは、全国にたくさんございます。ただし、一方財源との見合いもあっていたさなければなりませんので、財源にも、どう無理をいたしましても、そこには限度がおのずからあるというような意味合いからいたしまして、一応八百八十六億というものを新規要求をいたした。  私各地を回って歩きまして、もっと早目に、大幅にいかなければいかぬのじゃなかろうかと考えております道路が各地にございます。これは今のこの経済界の動向の推移と見合いまして考えなければならぬ問題が相当出てくるのじゃないかというふうにも、実は考えておるわけでございます。  お話の点にお答えになるかどうかわかりませんが、御承知のとおり、今沈滞いたしておりまする経済界に公共投資をふやす。ふやすといいましても、財源の問題で、公債を発行させるかさせないかという大きな問題もあるでありましょう。それらの問題を、どういうふうにするかということは、財政当局の意見も十分考えてしなければなりませんので、一応ここに今申し上げたように要求いたしておる、こういうわけでございます。
  74. 田中一

    田中一君 河野建設大臣は、農林大臣時代でも自分の要求するものは、大体通ったというお話があったので、それならば、この程度のものじゃ困るということなんです。もっと余分、もっとより多い要求をしてもらえなかったか。これを削られることが往々にしてございます。これよりふやすことは困難と思いますけれども、道路整備の重要性、これは国民生活に関連する利益というものは非常に大きなものなんですから、これはどうかひとつ、遠慮せずに取っていただきたい。  それからこの要求されているものは、全部取れるというように私理解しておいてよろしゅうございますね。
  75. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 予算でございますから、この中には両省話し合いまして、この中に、後年度に回わしていいとか、これはこの程度仕事の性質上削っていいだろうというものは出てくるだろうと思います。その点で金額の整理につきましてはむろん出てくると思います。しかし立てましたものについては、期待にこたえるように努力すると、こういうつもりでおります。
  76. 田中一

    田中一君 道路公団の事業のうち、今までの完成されている道路、有料道路——私ども大体大まかに分類してみますと、産業道路的な性格を持ってる道路と歓光道路的な性格を持ってる施設があるわけなんです。従来ともに、私どもは日本の国民生活に直結する産業道路的なものが重点的に行なわれるべきものだというような理解をしておったのです。  したがって、東北等未開発地域の道路の有料道路の整備こそ重点的に行なわれるべきものだと理解しておったのですが、ところが、最近の傾向、最近の実績を見ますと、こういうことなんです。大体において観光的条件を備えているところが優先されております。しいて比率をいうならば、半分以上が観光的な目的のために開発されている道路のように考えます。たとえば先般完成した蔵王道路にいたしましても、これはむろん産業的な性格はありますけれども、うたい文句が何かというと観光です。私はそういう意味で、だいぶ三分の二以上は観光的な意味を持ってる道路が多い。そしてレジャー・ブームに乗って、国民生活をむろん豊かにするためのレクリエーションなり何なりでありましょうけれども、もしも厳密な意味で生産に担当すべきものよりも消費部門にそれらの有料道路が用いられる。それにしても低い所得の中から交通料を取られているのが現状じゃないかと思うのです。  したがって、明年、三十八年度以降の道路公団のあり方につきましては、むろん幹線道路としての東海道、あるいは中央道等は法律によってきまっておりますから、これは行なうと思いますけれども、他の地方においても、地方からの要求というものは産業道路的な性格よりも観光道路的な性格のものが多いということは、建設大臣はどうお考えになりますか。
  77. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私も、従来観光を主にした公団の道路が相当にあったことを認めまして、これは継続してやって、途中でやめるのもどうかと思いますから、継続してやっておりますものはともかくとして、もう三十八年度からはある時期まで観光を主にしたものは手をつけさせぬということに、私は腹をきめております。また、そういう意味合いで予算も組ましております。  ただお話のように、青森、岩手方面に公団に事業をさすということになりますと、採算がなかなかとれにくいのじゃないかというような点が私はあると思うのであります。したがって、未開発地域のほうは、国家投資によって、これを行ない、むしろ中心部の方面の採算の確実なものについては、資金の導入等も完全に得られますから、そういう意味において、外資の導入その他資金の確保に確心の持てるものは公団のほうでやらせる、こういうつもりでおるわけであります。
  78. 田中一

    田中一君 むろん道路の性格は、無料公開が原則であるというように考えておりますが、十年前からこのような形の有料道路方式というものがとられております。これも当時の日本の国力の実情からいってやむを得ぬものもあったかもしれません。今建設大臣答弁のうち、採算のとれないものはむろん国が直接に行なえばいいのです。何も採算がとれようととれまいと、国が行なえばいいのです。また、たとえば道路公団は、必ず事業の建設というものをある一定年間、二十年なら二十年の間にペイしなければ、これは不適格な迂路であるというきめ方をするのは、これは間違いであります。道路公団が将来千億、二千億の赤字を出しても、道路公団という一つのシステムで道路を完成する一つの機関である以上、何も損失が出てはならないということはないのです。国が直接に国道なりあるいは国道に準ずる新しい開発道なりを作った場合に、これは何も有料道路じゃないわけです。全建設費を取り返そうと思うからこそ、有料道路にしてやっているのです。大体根本から、そういう考えが間違いであるけれども、国の当時の国力から見て、社会情勢から見て万やむを得んという一種の必要悪から、われわれは道路公団を認めているのです。  道路公団によって、ただ問題は、たとえば地方の金なり、あるいは民間の金なりが吸収し得る余地があるから、これでやっているのだ。したがって、これに対する金利に見合うものを償還し得るものを行なっていればいいのだという考え方も、一応皆さん方の経済学からは言われるでしょうけれども、私どもは、そういう考えでおらぬのです。赤字を持ってもいいじゃないか。赤字ができたならば国が補てんすればいいじゃないかということです。そのほうが民間資金の導入をなし得るし、一般公共団体の投資も可能なんですから——。しかし今日の自民党の内閣におきましても、低開発地の開発については、相当の熱意を持っているように考えます。したがって、未開発な、あるいは困難な、あるいは建設費のペイしないじゃなかろうかというようなところは、えてして後進地域に多い、これを解決しなければ、これを開発することによって、相当に経済的な条件も地域的な条件も好転する、上昇するという地点に対しては、たとえ計画の最初からペイしないだろうというものも、その開発によってペイされるという可能性もあるわけなんです。これは全体の問題です。全体の国土計画の面から見て可能かと思う。  私は今、後進地域は交通量も少なくて、建設費のペイができないからおくれているのだ、しかしそれは今度建設大臣としては三十八年度以降、別な見方から、これを是正していきたい、今、またここで建設大臣も、観光的道路は三十八年度にやらないのだという言葉も、これは行き過ぎだと思うのです。まあ、自信を持ってお言いになったものだと思うけれども、しかし、やはり全体の面から見て、国民の生活を豊かにするには、消費経済の増大もむろんなければ、賃金の値上げも考えてくれませんから、これは一律的に、そういうところはしないんだという発言は、私は受け取れないのです。これは必要なところはやっていいのです。しかし、重点的に、国土計画全般から見て、各地域の国民の格差をなくすというような面から見るならば、たとえ計画の当初にペイしないであろうという開発道路をも、率先して道路公団が一なかなか赤字を出したくないものだから、そういうところは取りつかない。しかし、河野さんはそれに対して、これはやるべきではないかというような指導をしていただきたいのです。その点、もう一ぺん伺っておきます。
  79. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私の申し上げたことが少し強過ぎたかもしれませんが、三十八年度におきましては、財源が非常に不足でございます。というのは、道路公団がなすべき仕事が非常に多いわけであります。したがって、これをまず、たとえば東海道にいたしましても、その他産業上どうしても緊急に処理しなければならぬものを相当にかかえております。こういうものの処理の済むまでは、観光、遊覧的なものは、第二義的に扱うように考えておりますと、こういうつもりでおります。
  80. 田中一

    田中一君 今の発言非常に私も安心して伺いました。どうかひとつ、中央道なり東海道なり、現状から見て、当然しなければならぬというもの、当然これによって、国民生活が少しでも豊かになるというような施設は、どしどしやっていただきたい。  そうすると、ことしの中央道に対する予算はどのくらい——三十八年度ですよ、どのくらい計上しようとするのか、そしてまた実際の仕事は、いつからなさろうとするのか、率先して用地の買収等も喜んで話し合いのつくような形でもってやってもらうには、明年度予算はどのくらい計上して、どういう順序で仕事を進めていくかという点をちょっと伺っておきます。
  81. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ことしの分は、御承知のとおりでございます。明年度につきましては、まあどの程度御期待していらっしゃるかしりませんけれども、私としては、これだけあればという程度の、相当大幅なものを一応大蔵省のほうには要求しておるわけであります。
  82. 田中一

    田中一君 要求の内容をちょっと聞かして下さい。中央道に対してはこれだけの金を要求して、まあ地点を言うと、また土地ブローカーなんかが、いろいろ動くから聞かぬでもいいから、このぐらい予定して、このぐらいの仕事は必ずやりますと、たとえば公共用地に対する先買等もあるようですが……。
  83. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 山梨県の方面は非常に協力的で、よく土地、敷地について協力を願っておりますから、相当に進むと、その辺までいきたいという数字を要求してある、こういうことでひとつ……。
  84. 田中一

    田中一君 今のは中央道の話ですね。今度東海道は……。
  85. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 東海道につきましては、明年厚木ないし松田付近まで着工するというつもりでやっているわけです。
  86. 田中一

    田中一君 用地取得のための——私は、こう思っているのです。これは中央道の審議会でも言ったのですけれども、全面的に先に買ってしまえというのです。というのは、なあに、たいしたことありませんよ。財源としてはたいしたことはないのだから、早く買えば買うだけ安く手に入る。だから仕事をするということよりも、買収は、予算要求はどのくらいになっていますか。大体区域はわかりましたけれども予算要求はどのくらいになっていますか。
  87. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それは折衝中でありますから、ちょっと……。
  88. 田中一

    田中一君 要求ですよ。要求。
  89. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ちょっとかんべんして下さい。
  90. 田中一

    田中一君 もう一つ伺っておきます。どちらのほうを……、同時着手ということになっていますが、同時着手になるような形ですか。
  91. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) そのとおり。
  92. 田中一

    田中一君 ほかに質疑があるそうですが、だから私は、時間を要求しているのです。ちょっと速記をとめて下さい。
  93. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止
  94. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記をつけて下さい。
  95. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 けさ方から、いろいろ時間のことが問題になっておりますし、理事会できまりました時間の制約もありますから、あとで延ばしていただけばまた別でありますけれども、一時までということを考慮に入れまして、大臣に当面の問題について質問をしたいと思います。  それは、この三十八年度要求の予算内訳をみると、一番大きな比率を占めているのが道路整備の関係であります、二千七百九十三億、それからあとは治水関係、災害復旧、住宅関係というようになっておりますけれども、私は予算の節約をはかるという意味で言っているのではなくて、予算を有効に生かすというためには、どうしたらいいかという問題が一つあると思うわけです。それは、今私自身も、何回かそういう例を耳にしているのですけれども、バイパス道路を作りたい、あるいは道を広げたいという場合に、必ずぶつかるのが、地主が反対をする、あるいはどこそこで立ちのかない家が何戸あると、こういったようなことで、市長も、あるいは町長も困り抜いているという事実がちょくちょく出てきているわけです。これは道路だけでなくて、東海道新幹線なんかの場合でも、そういう例があって、そのために、予算が思いのほかによけい食うといったようなことを聞いております。幾ら予算を要求しても、そういうような問題があるために、年々歳々余分な予算を必要とするようになってくるし、公共事業がそのために阻害をされるという現象まで出てきておるわけなんです。  だから、土地を投機の対象にしたり、あるいはまた土地ブローカーというのが、建設省の道路整備関係予算というものをにらんで、いろいろと暗躍をするというようなことが許されてはいかぬという気がいたします。で、これらの予算を生かすためには、むだなロスをなくす必要があると思いますし、法的に、もっとすっぱりと問題を片づけられるような方法はないのかどうか。これはもうごね得というのはよくないということを世論でもたたかれておりながら、万々承知しながら、どうにもならないという状態が今日まで続いております。だから、それらの問題に対して、一挙に断をふるう措置が、河野建設大臣にできないかどうか、あるいはそういったような構想がないかどうか。これは予算を生かすために、これから必要であるというふうに思いますので、その点についてのお考えをひとつ述べていただきたいと思います。
  96. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私も全く同感でございまして、就任以来、たとえば地方から、いろいろ要請があります際に、まず第一に、所在の市町村長さんに、地主の売買の同意書を添えて出てきてもらいたいということもお願いをいたしております。  それは地方から陳情に見えた場合でございますが、こちらのほうとしても、どうしてもここにこうしなければならぬという場合には、今のような、いわゆるごね得というふうなことが、各地に、そういう事例が出ておるようなことは、はなはだ遺憾でございますので、法律上の処置として、何か方法はないだろうかということで、せっかく検討さしておりますが、今の段階では、なかなかそこまで、今お話のようにすっぱり割り切った法律が書けるかどうかということになりますと、なかなか書きにくい、御承知のとおり憲法との振り合いその他において、なかなか書きにくいというような現状でございます。  しかしこの上とも、ひとつなお研究を進めていきたい、こう考えております。
  97. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 ただいまの問題は、もう今まで、だれしもが困っておりながらどうにもならない、こういう問題でありますから、やはり思い切りのいい大臣が就任をされた際に、一挙に事をきめてもらわないと、優柔不断な人がやっておったのでは、ますますこれはどうにもならぬと思います。だから、その意味でひとつ、河野建設大臣のときに、任期中に、私はちゃんとしたことを措置を講じてもらいたいと思います。  それは言うまでもなく、この立ちのきや何かの問題でごねるというのは、道路等の建設によって追っ払われて暮らしに困るという人ではなくて、多くの場合には、地主で業つくばりで、こういう問題で何とかうまい汁を吸おうという人が多いから、そういうことを考えてみると、これらの問題について、やはり断を下していただきたいということを要望したいと思います。  それからいま一つ、これは大臣自身が体験されておることだと思いますけれども、最近の都心の交通難、これは目に余るものがあります。しかも込み方が、半年前に比べあるいは一年前に比べ、二年前に比べて、急激に激しくなってきております。少しばかりの道路整備の予算をふくらましてみたところで、あるいはまた、この都市計画予算をふやしてみたところで、今日の状態で行ったならば、一年後あるいは二年後のオリンピックを迎えるころには、一体どんなになっておるだろうか、こういう心配をせざるを得ないのであります。この問題は、もう建設予算の範囲内では片がつかないのじゃないかという心配がされます。そうすると、東京都の一千万の人口を減らす算段をするとか、あるいはもっと思い切って、ブラジルのブラジリアではありませんけれども、東京から国会政府ぐるみ、どこかへ持っていってしまうとか、そのくらいの思い切ったことをやらぬことには、東京都の問題は片がつかないという気がするのです。  これは半年後あるいは一年後、二年後を考えた場合には、おそるべき事態に立ち至るというふうに考えますので、これらの抜本的な対策等について、建設大臣考えておられることがございましたならば、お聞かせをいただきたいと思います。
  98. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 前段の問題につきましては、私の立場から、そういうことを申し上げますことは適当でないかもしれませんけれども、しかし非常に私も仕事を進めて参ります上において、痛切に感じさせられるところでございますので、よく与党の皆さんにも私も御相談を申し上げ、ひとつ建設委員会等でも御検討をいただきまして、議員立法というようなことができれば一番いいじゃないかというような気もいたしておるわけであります。  次の問題につきましては、交通閣僚懇談会を持ちまして、私も建設大臣になりましてから特に強く推進をいたしておるわけでございますが、何分相談をしておるよりも、現実のほうが先に動いておるというようなことで、とつおいついたしておるので、首都圏整備の委員長を兼ねましたのも、実はそんなことから、ぜひひとつ首都圏整備委員長も兼ねつつこの問題の解決を、何か打つ手はないだろうかということで、せっかく今勉強さしていただいているととろでありまして、お話のように、抜本的な問題について、一度にどうというわけにはいかぬでしょうが、漸を追うてひとつ、何らかの手段を講じて参りたいというふうに考えまして、せっかく検討いたしておるというのが現在の状態でございます。
  99. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 道路だけではなくて、国鉄、私鉄等の混雑も、最近年を追ってひどくなってきております。これは結局都心を中心として、どんどん、どんどん団地ができるということから通勤事情もひどくなってくるわけです。  ですから、これは道路だけの問題ではありませんので、建設省だけで何とかできるということではないと思います。しかし建設大臣が、やはりこの中では心棒になって、この首部圏の問題については真剣に検討しないと、これは一、二年後には、まさに半身不随のような状態になってしまうということをおそれるので、そのことにゆっくり検討している段階ではないと思います。早急に策を立ててしかるべき問題だと思いますので、その点について要望したいと思います。
  100. 藤田進

    ○藤田進君 先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、所管大臣として建設省所管の予算等について、御熱心に今後推進されるというふうに承るわけですが、かつて河野さんは、国の予算、特に予算を中心に行政のあり方について、どうも大蔵省自体が国の政治のすべてのようである、したがって内閣に予算局を設けるとか、そういう主張をされた時代があったと思います。これは国家行政運営の根本の問題ですから、そう信念が今日変わっているとも思えませんけれども、しかし国務大臣として行政全般を見つつ、所管省の建設省予算について見返りながら要求されるということでなければ、閣内で力を持たないと私は思うのです。各省要求せられたものを集約すると、かなりの膨大なものです。今回も長い惰性習慣によって、最終的には大蔵大臣なり、総理の決断ということになるかもしれません。しかし、一方減税の問題もございましょうし、あるいはまた、いわゆる社会保障の問題もありましょう。また、防衛関係もかなりふくらむかもしれないという中にあって、総合的に、まだ内閣として先般の臨時国会等では、人作りとか何とかいったような、新しいものも出て参りましたけれども国務大臣であり、建設大臣である河野さんとされまして、今度の三十八年度の予算について、大きな点についてだけでよろしゅうございますけれども、大体、どうあるべきかという点を、特に三十八年度財源難であるという大蔵省の宣伝のようでございますが、自然増が税収並びにその他の国家歳入において、どの程度の歳入増を考えられておられるのか。その中における建設行政予算としての位置づけですね、といったような構想を承ってみたいと思います。
  101. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) いろいろお話でございますけれども、今私が、お尋ねのような点について発言することは、少々どうかと思いますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
  102. 藤田進

    ○藤田進君 どうしてですか。大蔵大臣が言えるのに、建設大臣が言えない。それでは予算がとれないじゃないですか。
  103. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私は経済の現状財政の現状からかんがみまして、建設省としては、この程度の明年度は予算の要求をして、そして公共投資を優先していくべきものだという認識に立って予算の要求はいたしております。むろんお話のとおりに、一般財政において、自然増も従来に比べて少なかろう、これは当然経済の伸びも少ないわけでございますから、それぞれ勘案いたしまして、私としては建設省の明年度の予算要求を考えておりますが、さればといって立場をかえて、大蔵省がどういう感覚でくるかということについて、私の立場から、これについてこうあるべきではなかろうかというようなことを言うのは、少し適当ではないのではなかろうかと思います。
  104. 藤田進

    ○藤田進君 私の聞いているポイントは、あなた自身の信念とされて、各省が要求される際も、自律的に考えながら要求をし、かつ大蔵省が、あたかも時の内閣は大蔵大臣にあるということは、これはどうも筋違いである、できれば、国の行政政策それ自体に触れられたこともあるが、この信念は、お変わりないのでしょうか、どうなんでしょうか。
  105. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それは全く、そう考えておりますから、閣議の席上においては、建設省関係予算発言をするにとどまりません。一般の予算編成について私は発言をいたします。がしかし、それを建設委員会で、今その閣議の、そういう懇談の事前に、私がここで発言することは適当でないと考えますから、御了承いただきたいと思います。こうお答え申し上げたわけでございます。
  106. 藤田進

    ○藤田進君 まあ、そういう一つの構想をお持ちなんですが、ただ、それは言えないということですか。
  107. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) むろん考えております。
  108. 藤田進

    ○藤田進君 そうすると、一つの構想を持ちながら、一方所管大臣としての要求を、ここに出されている資料のように要求されていると思うのですが、これは例年のように、あとは大蔵省、大蔵大臣にまかせるといったことに、今回提出される予算も最終案はなりますね。
  109. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 従来の建設大臣も同様と考えますが、たとえばこれまでの例でございましたならば、民間投資が相当に活発でありて、むしろ民間投資が行き過ぎるくらいであったから、その際に、また公共投資も一緒に急にふえていくというわけには行きかねる場合もあったと思います。そこらの調整もしつつ参ったことと考えま干す。  しかし、明年度におきましては、皆さんがお考えいただいておりますように、公共投資を優先していくべきものだと、その程度、その他については、計数をまず大蔵当局から説明を受け、その受けた計数の中において、その配分については、どうあるべきであるかというようなことについて考えつつ、予算の編成に協力することが適当ではないかと、こう考えます。
  110. 藤田進

    ○藤田進君 具体的にお伺いしますが、三十八年度も同様不景気だといっても、かなり思惑が出てきて、特に現実の予算執行については、物価等にも相当を影響を持つと思います。特に地価の値上がりということが一つの大きな建設予算執行については問題があると思いますね。オリンピック道路等については、そういった補償関係が、かなりおくれてくるというところにも予定の工事というものが支障を来たしている。  そこで、三十八年度新しい地価の値上がり対策というものについて、何か内閣全体として、あるいは建設大臣自体として、どういう手をお打ちになるか。これは今も田中委員からの御質疑の中に、意見として出されている一括、土地だけ先行投資をしたらどうだという意見もある。これも一つの方法でしょう。しかしもっと抜本的に、たとえば税制上の問題から、これを考え一つの政策として打ち出すか、買い占めといったようなものも現に出ているし、売り惜しみも出ている。そういうことについて、一般の住宅を建てる場合に、定年退職を民間産業の労働者がしましても、なかなか退職金では土地自体が、建物どころではない、手に入らないというのが現実です。どうしても政府の政策として、いつも国会で議論をいたしましても、これというきめ手がないのです。しかしそれでは相済みません。最近かなりの違った角度からの効果的であろうと思われる説は相当出てきております。これを受けてか受けないでか、要するに政府として、どういうお考えであろうか、これが一点でございます。  もう一点は、卸売物価の横ばい、ないし下がると言われておりますけれども、しかし、実際に工事をいたします場合には、単価は木造であろうと鉄筋コンクリートの住宅であろうと、あるいはその他の土木工事についても、かなりに単価が上がっていると思われます。これについては、直接この予算との関係が出てくるわけです。三十八年度について、これら一連の資材、あるいは労務関係費等を通じて、単価是正というものが、どうなるのかという点を第二点として、まずお伺いします。
  111. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 最初に、一つだけ御了解を得ておきたいと思いますことは、オリンピック関係の道路は、仕事としてはおくれておりません。おそらく私は三十九年には、あまり仕事が残らぬ程度に進捗するのではなかろうか、また、そうありたいということで督励いたしております。この点はオリンピック関係の道路は、おくれやせぬかというような心配をなされる向きもありますけれども、そういうことはなく、責任を持って御期待にこたえることができる、こう考えております。一部予算関係等について、いろいろありますけれども、これも実は、きょうの閣議におきまして、大蔵大臣との間に完全に話し合いをつけておりますから、予算の点でオリンピック関係の道路が云々ということはないように厳に注意いたして参る所存であります。  それから次に、宅地の値上がりについて、しかるべき方法を考えなきゃいかぬじゃないか、こういうことでございますが、私もこの点は、いろんな角度から、いろいろ検討いたして、今お話のように、いろいろ御意見を発表しておられる向きもございますので、そういうものも勉強いたしたりいたしておりますが、何分影響するところが非常に大きな問題でございます。地価をどういうふうにして、これを有効に利用するように、どういうふうに指導するかという問題につきましては、非常に広範な問題になりますので、正式に軽々に発言することはどうかというような気持もいたしておりますが、役所の中では、実は私は検討は命じております。  次に、明年度予算と単価の問題でありますが、これも何%上げる予算を組んでおるというパーセントの内容を申し上げることはお許しいただきたいと思いますが、今若干の単価の引き上げを考慮しつつ予算の要求をいたしております。こういうことでございます。
  112. 藤田進

    ○藤田進君 今、オリンピックに関連しておられましたが、行管の行政監査結果等は、必ずしも楽観的じゃないと私は承っています。  それから、明年度予算に対する単価等は、従来いろいろ説明を受けておりますし、質疑においても、内容をお答えいただいておるわけでありますから、本日は時間がなければ、後日に譲りたいと思います。  もう一点。かぬて古い河川法の改正をというようなことを言われておりますが、来国会出てきますか。
  113. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) オリンピック関係のことは、何か、そのときの調べかどうかじゃないかと思いますが、これは責任を持って、今申し上げておるように、予定より進んでおりますので、その前にやるべきものはでき上がるということに御了承いただいていいと、こう思います。  それから、河川法の改正は、ぜひやりたいと考えてせっかく検討いたしております。ぜひ次の国会に提案いたしたいと思っております。
  114. 武内五郎

    ○武内五郎君 大臣が時間がないようでございまするから、実は数点にわたって質問したいと思ったんですが、一点だけ本日は簡単にお答え願いたいと思うんです。  明年度の予算編成にあたりまして、先般大臣の所信を伺いました。それによりますると、特に重点的に予算の配分を行なうというようなことになっておるようですが、したがって、実は私、過年度の予算の配分状況を考えてみますると、三十六年度、三十七年度の予算等についても、特に指摘申し上げなければならぬことは、公共土木等の公共事業費の予算は非常に地域的に配分がへんぱな状態が出ておるようであります。でこぼこが地域的にあるようでございます。たとえば三十六年度におきましては、これは建設省調査についても南関東、京浜地方を中心にしたものが全予算の三六%近い。阪神地方では二〇%に近い。中京地方では一七%というような状態にかかわらず、あるいは東北、北陸神方その他の地域では、わずかに三%程度の予算配分の状態になっておるようであります。これは三十七年度においても是正されていない。そういうような地域的にへんぱ性が非常に強く出ておる。池田内閣は、特に地域格差の是正ということを強く主張しておるようでありますけれども、明年度の予算においては、重点的に予算の編成を組むとすれば、あるいはオリンピック道路とかオリンピック関係の諸工事、あるいは首都整備の諸工事等に重点が置かれるようになれば、いささかもこれは是正されない状態になるんじゃないかと考えられる。  先ほど田中委員から地方の道路が観光道路に重点があって、産業道路を軽視しておるのじゃないかというような質問があったのに対して、大臣は、産業道路に重点を置くように御答弁があったのでありまするが、明年度の予算編成について、地方的の格差是正というような点について、どういうふうに考えられて実現されようという努力をされておるか、その一点を、まず承っておきたいと思います。
  115. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいまの御発言でございますが、重点的にと申しましても、オリンピック関係については、オリンピック関係予算が一本立っております。その他重要なものにつきましては、それぞれ柱が立っておりますので、別にそれに一定のワクの中から振り向けるというような意味合いはございません。  したがいまして、決して地方に薄く中央に厚くというようなことになろうとは、私は考えません。各地方におきましても、それぞれ地方的に考えて重点的に、たとえば橋をかけるのに、たくさんの橋を一ぺんに仕事を始めて、そうして何年も何年も、新潟あたりじゃ橋のくいだけ打っておって、基礎だけできておって、上の乗らないものがあるような、ああいうものは私は適当ではないと思いますが、そういうものは、早く重点的に完成をするように予算をつけていきたい、そう考えておりますので、その点は、御了承いただきたいと思います。
  116. 武内五郎

    ○武内五郎君 それで、特にその点を念を押してお願いしたいのですが、昨年の国会で、積雪寒冷地帯に対する特別措置に関する法律が制定されたわけであります。これで、従来積雪地方の道路は、無雪地方の道路と同じように考えられておったことに対する認識がかなり変わってきておるのでありますが、これは一例でありますが、明年度の予算の編成にあたっても、たとえばその積雪道については、どの程度まで無雪化するか、あるいは流雪溝の設置、舗装等によって、無雪化する等の構想が現われ、従来非常に配分の薄かった東北、北海道、北陸地方、山陰北方等の配分の均霑を考えられなければならぬと思うのですが、特にその点について、大臣の御所信を伺っておきたいと思います。
  117. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私といたしましては、お話の点につきまして、幸い政務次官が山形県の御出身で、多年にわたって積雪、豪雪地帯の問題につきましては熱心に主張して参られた方がおられますので、政務次官意見を十分に聞きまして、そうして明年度の予算におきましては、細部にわたってまで配意して、予算の要求をいたし、ぜひこれを実現するという所存でございます。
  118. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 暫時休憩いたします。    午後一時十二分休憩      —————・—————    午後三時十五分開会
  119. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  昭和三十八年度建設省関係概算要求予算に関し質疑を続行いたします。御質疑のある方は御発言願います。
  120. 田中一

    田中一君 河川局長に一つ伺いますが、台風来襲に備えるために気象庁に現在も台風研究部が設けられておりますけれども、先ほどちょっと河川局長に聞くと、これは運輸省の所管だ、こういう説明を聞きましたけれども、この台風研究部が基礎的な研究をやるというものであろうけれども、それで実際の台風襲来に対する科学的な防止——防止は困難だろうけれども、対策を立てるためには、相当国土保全を担当する建設大臣としても深い関心を持たざるを得ないと思う。  そこで、現在三十八年度の予算の上に、これらの研究費または対策費等の計上は文部省だけにまかしておいていいのかどうか。相当強くこれを強化さすような方途を国土保全に任ずる所管部局としては推進しなければならぬということであろうと思うんです。これに対して、建設省ではどういう対策を立てておるか。これはまあ大臣がいるときに聞いておきたかったんですが、次官会議でも、これらの問題は、災害が来てくれれば——松澤政務次官の選挙区にも来てくれれば、また都合がいいような気持もするんじゃなかろうかというようなことは、松澤政務次官考えておらぬと思う。そこで、どうしても台風の進路を早く予知し、そうしてこれに対する対策を立てるのが当然の建設省の義務であると思う。建設省の中には、それらの研究機関または対策に対する部局はないと思うのですが、気象台並びに台風研究部に対する考え方を、ひとつ政府——建設当局考え方を示していただきたいのです。
  121. 山内一郎

    説明員(山内一郎君) 河川局で洪水による被害あるいは高潮による被害がないようにいろいろな施設をやっておりますけれども、その施設の計画を作りますのに、やはり気象関係が一番もとになっておるのであります。その点、気象庁とよく連絡をしてやっているわけでございますが、台風あるいは高潮が来てからの記録とか、あるいはそれに対する水防関係の措置、これは建設省で所管をしてやっているわけでございますが、われわれの困りますことは、台風が来た場合に、いつどこへ上陸をして、どのくらいの雨が降るであろうという予測が一番早く知りたいわけでございます。特に、ダムの操作等につきましては、それを知りたいわけでございますが、そういう点については、よく気象庁と、気象庁の研究にも、何らかこちらができることはやりましょうと、こういうようなことで話し合いだけやっておりまして、特にこちらから研究の補助をお願いするとか、そういうことは現在ではやっておりません。特に、集中豪雨につきましては、近来非常に従来よりも大きな予想外の量が降りまして、何とか集中豪雨の予測というものはできないのかと、こういうことを気象庁にもよく言っておりますが、まあ、それは非常に研究段階でむずかしいということでございますし、今後そういう方面について気象庁と協力して進めて参りたいというふうに考えております。
  122. 田中一

    田中一君 今のような答弁は、災害があるたびに同じことを繰り返し繰り返し聞いているのです。かつて伊勢湾台風のときにも、もう少し進路を早く察知できぬだろうか、あれで一万人近い人命を失うことはないであろうといって、今の和達長官の進退問題までも衆参両院のわれわれ同僚から追及したことは、御承知のとおりだと思う。したがって、連絡をとればいいんだというものじゃないと思うのです。今回政府に設置された防災会議にいたしましても、私はこういう点が欠けておると思うのです。現に、伊勢湾台風の際にも、地形図さえ活用されておったならばあのような多くの人命を失うことはなかったであろうということは、科学的にも証明されております。当時まだ国土地理院にすら飛行機一台持っておらぬというのが現状であったわけです。あの後にようやく、地形図の調製とか、あるいは空中写真の撮影等自前でやっておる。今、河川局長の答弁としては、その程度でしょう。しかし、日本の気象学もそうばかにしたものではなかろうと思うのです。ことに、日本では、不幸中の——まあ不幸でしょうけれども、台風常襲地帯という地球上の立地条件があるわけなんです。常に台風は毎年々々日本の国土に向かって進行して参っております。したがって、データあるいはそれらの統計等は相当あるわけですよ、おそらく、諸外国に比較して、日本のほうが相当多いと思うのですよ。貴重なデータというものがありながら、予算上の措置が不十分なために、年々歳々災害が起きておる。しろうと考えでも、もう少しこれらの施設を十分にするならば、これほどの災害がなかったであろうということは、年々歳々の災害対策委員会において論議されております。松澤政務次官、この点は、明年度の予算の要求の中に、単に文部省の要求であるということだけにとどめることはあってはならぬと思うのです。台風が襲来し、大雨を降らし、その被害というものだけが建設大臣の所管するところの国土保全の責任であるということだけじゃならぬわけなんです。河野さんのように、いろいろものをかき集めるというような人が、この点に非常に熱意が足りないと思うのです。さっきも言っているように、川崎のタンカーの衝突事件にしても、何とかして港湾整備事業というものは建設省によこせというようなことを自分は思っているのだという発言もありました。こういう気象上の、国土に襲来する台風を予知するためのあらゆる研究というものが、たとえ主管の部局が違うといえども、まず最初にこの問題を大きく取り上げて予算化するような方向にいかなければならぬと思うのです。松澤政務次官のひとつ答弁と、それから今後、文部省のほうの要求予算としては、どれぐらい計上して、どれぐらい要求しているか、ひとつ時間があるからちょっと文部省に連絡をとって調べて下さい。三十六年度、三十七年度、それから来年度は幾ら要求をしているか、どのような規模を考えているかということを、すぐ連絡をとって調べて下さい。そうしてその上で、この問題は、松澤政務次官にしても、次官会議ではこれらの問題は相当政治的な問題にならなければならぬはずでありますから、その上でひとつ政務次官答弁お願いいたします。
  123. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 気象関係の問題は、御承知のように、運輸省所管でありますが、すでに大臣からこの点についても私に指示がございまして、先ほど大臣お話がありましたように、港湾問題、高潮問題、気象問題、これらの三点を含めまして、政務次官間においてとりあえず調整をとるような方向を検討してもらいたいという要請等がありましたから、目下、大石政務次官にも連絡をとりまして、従来とも気象庁関係においてのやつは私政務次官になる前から終始御承知のようにやってきた問題でもありますだけに、一そうその感を深くしまして、運輸省のほうに対して、今後の防災関係から見ても、強力に気象関係を整備強化するような予算要求を出すようにしてもらいたい。それにつきましても、その結果において、受ける立場にあるのは建設省であるから、ために何らかの方法をもって連絡調整をよりよくはかるような方式をお互いに考えてもらいたいと、こういうわけで、現在お互いに検討し合っておるという段階ですが、今の御要求等も十分にわかりますので、一そうそれを促進していきたい。なお、予算関係は、所管が違いますから、調べてみればわかることですけれども、これは運輸省の管轄として、われわれのほうでも受ける立場として強く要請するような立場をとっていきたいと、こういうようの思っております。
  124. 田中一

    田中一君 そうすると、今河川局長が言った台風研究部門の予算は文部省のほうで、それから気象台そのものの予算は運輸省になっているけれども、それはどうなっているのですが。
  125. 山内一郎

    説明員(山内一郎君) 気象庁は運輸省の管轄でございますので、言葉をかえて言ったわけでございます。
  126. 田中一

    田中一君 それでは、すぐに取り調べて下さい。三十六年度、三十七年度、それから来年度の要求。  それから、災害復旧に対する年度別の施行パーセンテージというものが、私は政令だったと思うのですが、法律であるというように先ほど山内君から聞いたので、これはどうです。先ほど私が建設大臣に質問したように、ひとつ変えてみたらどうかということは、どうでしょう。それは、そのような考え方はないのですか。結局、大蔵官僚がどこまでも法律をたてにとって抵抗するということで、法律で負けたときには他の予算と取引の材料に使って自分のほうで編成する予算にはめようという考え方が強いわけです。その点はどうですか。
  127. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 現在私どものほうとしては、法には今御承知のようなことは書いてあります。初年度ないしはそれにプラスして二年以内くらい、こういうふうに出ております。しかし、今までの経過をずっと見てきますと、これはまた御承知のように、研究的な意味も含めた意味においておよそ三年にプラスされて、少しく余りのあるところは四年間のような形でやってきているわけです。そとで、建設省としては、今まで災害復旧の状態から見ましても、このようなことではいけない、こういうわけで、現在、率直に申し上げまして、この法のとおり三年間で全部でかすように、こういうふうなことで予算要求はいたしています。なお、直轄の分は二年に、こうやって予算要求をしております。   〔委員長退席、理事武内五郎君着席〕
  128. 田中一

    田中一君 先ほど、藤田委員の質問に答えて、オリンピック招致に関する諸施設というものは予定以上に、計画以上に進捗しているという答弁がありましたが、これは事実ですか。
  129. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 答弁のとおり事実です。
  130. 田中一

    田中一君 たとえば、首都高速道路公団がオリンピックの開催の時期までに間に合うように計画していた路線は幾つあります。どことどこになっております。
  131. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) ただいまの御質問ですが、おそらく高速道路というのは過般来の新聞でごらんになったやつを基本にお考えになっておるんじゃないかと思うのですが、オリンピックに間に合わせようという意味においては、前任者からずっと同じ方針できているのですが、一号と四号と、それから港区を通過している二号の一部と、これが一応終了すればオリンピックに間に合わすことができる、こういう見通しでございます。
  132. 田中一

    田中一君 首都高速道路公団の創設のときには、たしか四十二年までに全部の路線は完成するんだという前提を立てたと思うのです。
  133. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 四十二年までに完成することになっております。
  134. 田中一

    田中一君 それはむろん八路線全部が完成するのだということになっておったので、一体オリンピック関連道路なんというものは、予算をとるために名づけたようなもので、実際に三十八年度予算の編成方針から見ても、四十二年度までに完成するという見込みが立っているのですか。
  135. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 一応今のところは、四十二年に完成する予定で進捗しております。オリンピック関連と申しますのは、オリンピック関連関係としまして、大蔵省との間に事業の内容がきまっておりまして、そのきまっております部分につきましては、予定どおり進捗します。むしろ、現在の段階によりますと、予定よりも早くなっております。予算が足りませんので、その分の追加をお願いしている状態でございます。
  136. 田中一

    田中一君 四十二年度一ぱいまでには八路線全部竣工するという意味なんですか。それとも、一号線、四号線、二号線と一号線との接点ですね、これができれば一応オリンピックには間に合う、あとの問題は別の問題だという考え方に立っておるのですか、どっちなんですか。
  137. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 四十二年までには予定どおり八路線が完成するということになっております。オリンピック関連と申しますのは、三十九年のオリンピック開催までに間に合う分という意味でございます。
  138. 田中一

    田中一君 まあ将来の問題だから、そういう四十二年度までに完成するということも、一応現段階ではそういう答弁をするであろうけれども、一体都市局長、君自身はどう思っておりますか。予算どおりなんて言わせませんよ——予定以上に進んでいるというのですから。
  139. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 現在の物価高騰と、それからその他の補償関係の値上がりがございますので、最初きめました予算どおりには、工事費の関係では無理があるかと思いますけれども、工期といたしましては、四十二年度には十分間に合うように今の状態では進捗いたしております。
  140. 田中一

    田中一君 三十八年度予算にも、四十二年度を目途とする予算が計上してある、こういうわけですね。
  141. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) そのとおりでございます。三十八年度の分につきましては、先ほどから申し上げておりますように、予定どおりの事業よりもだいぶ進捗いたしておりますので、三十八年度分の事業費は大体十二月から一月の中旬には全部使い切るような状態になっております。
  142. 田中一

    田中一君 三十八年度の新しく持とうという政策の中で、工業団地造成のためには先行投資をしようということをきめているらしいけれども、どこを対象に、何を考えていますか。
  143. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 先行投資という意味は、都市内交通の緩和と、あるいは都市再開発の問題とからみまして、衛星都市の関係の開発整備をはかりたい。首都圏構想に基づきます既定方針で進むためには、工業団地を今までよりもっと大きな団地にいたしまして、しかも早く買いたいという意味で、一部分を先買いしていきたいということを予算要求している、こういう次第でございます。
  144. 田中一

    田中一君 その考え方は、先に政府は物価の値上がりを助長する政策をとっている。だから、早く買っておけば安いものが買えるということで考えているのか。あるいは、事業を予定計画どおりに遂行するためには、先行投資をしたほうが妥当だという考え方に立っているのですか、どっちなんです。
  145. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 先生のおっしゃる後者の意味でございまして、最初発表いたしまして、局部的に買収を始めますと、どんどんまわりが上がって参りますので、まだはっきりしてないうちに、買えるところは早く買っておいて、計画どおりに進めたい、こういう意味でございます。
  146. 田中一

    田中一君 先ほど藤田委員からも御質問があったけれども、宅地の値上がりというものは、私は人為的な要素が相当あると思う。それならば、大幅にあらゆる公共用地取得のためには、まず計画される土地をお買いなさいというのです。そうして、一定事業区域内だけを買うと、これはまあ近いところからさっそく値上がりになりますから、大幅に買っておけというのです。あと原価で売ったらどうだ、こういう考え方があるではないか。工業団地の造成のために先行投資をするということは、私はこれはかたわな説であると思うのです。公共用地全部をそれの対象にしなさいということなんです。
  147. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) その問題につきましては、そういう意味考えておりますので、今度来年から投資します分につきましては、工業団地の分につきましても六十万坪から百万坪、それにつきまして、同じ町の中で住宅団地につきまして六十万坪全部、大体平均しまして百六十万坪から二百万坪単位にしまして、従来のようなこまかい、小割りに方々に分けるような団地の買い方をやらないという方針で今考えております。
  148. 田中一

    田中一君 ことしの六月ごろか七月ごろだったかでき上がった、これは建設大臣の選挙区の工業団地、これを政令を改正して、いわゆる原価主義というものを時価主義という形に改正して、団地の値上がりを促進しているという事実がございます。むろん、あらゆる問題は、法律で規制されるところのものでも、一応法律が成立すれば行政部門に委任をしている形であるけれども、最初から原価主義で分譲するんだというきめ方をしているにもかかわらず、政府部内——ことに政令ですからむろん閣議に諮ったと思いますけれども、原価主義を時価主義に置きかえるなんということは、どういう理由からそうなったのか、ちょっと聞いておきたいのです。
  149. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 工業団地につきましては時価主義でいくということにしていますが、住宅団地は従来どおり原価主義でいくということにしておりまして、工業団地のほうを時価主義にしました理由は、資本を持っている会社が参りますので、現在の時価よりも上げて、付近の用地よりも高騰をさせたということでなくて、時価を全部調べまして、調べたよりも若干安くして売っております。
  150. 田中一

    田中一君 大体国が行なう宅地造成で、甲には安く、乙には高くということ——むろん、資本家だから少し高くするんだ、企業者だから高くするんだ、一般国民大衆に対しては原価主義でいくんだということは、一応大向こうがやんやと言うかもしらぬが、やはり自民党政府は自民党政府としての一貫した政策を持って立っているはずなんです。そうすると、旧地主に対する対策はどうしているのですか。たとえば平塚の場合でも、原価の倍で工業団地に分譲している場合には、その差金というものがどういう形で使用されているか伺っておきます。これは住宅公団が行なっている団地がそうでありますけれどもね。
  151. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 今回初めてそういう政令によりまして売買を始めていますので、今までの事例というものはございませんですが、今のところ公共団体もしくは国の住宅公団等に施行さしております団地の造成では実際上の伸びに対して間に合わないことは、皆様御承知のとおりでございますので、そういうものの差額につきましては、むしろ団地の造成を促進するというふうにやっていきたいと考えております。
  152. 田中一

    田中一君 現在平塚で行なった平塚工業団地で、俗にいうもうけた金はどうしましたかと聞いているのです。
  153. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) まだ契約が全部終わっておりませんので、収入はまだ入っておりません。
  154. 田中一

    田中一君 収入が入った場合、どうするのですか。
  155. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) まあ住宅公団としては、一銭ももうける必要はございませんので、全部団地の造成に使います。
  156. 田中一

    田中一君 どうも僕はこうして追及したくないんだ、谷藤君。しかし、工場団地の造成に使うというならば、住宅団地の原価というものが五ならば、その倍とするならば、工業団地の場合にはそれは十になるのだ、これならばわかりますけれども、それならば何も政令を変えて時価主義に持っていく必要はないのです。また、その剰余金というものを団地の整備に投入するならば、十になって、これが原価ということになるのです。法律を変えて原価主義を時価主義に直すということは、利潤を上げようという意図なんです。しかし、これは利潤を上げようという積極的な商売意識はないとしても、少なくとも、先ほど局長が言っているように、国民大衆の住宅には原価でやるけれども、企業者——企業者というものは決して資本家ばかりではございません、大資本家がスポンサーとして陰に隠れておって、そして形になっているものは勤労者が多いわけです、今の会社の機構というものはおおむね。それらを前にして、それをまたつぎ込むのだということになれば、それはちょっと矛盾している。もっと正直におっしゃい。
  157. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 今、現在の工業団地は全部起債によってやっておりますので、そういう時価のほうで見ました分の収入につきましては、利息分が助かって参ります。したがいまして、全体としましては、団地の造成費は安くなってくることになります。個人の会社に対しては高くなってくるけれども、全体の造成面積からいたしますと、かえって安い値段でできることになります。
  158. 田中一

    田中一君 これは、河野建設大臣がおったら、建設大臣の発案だろうから、大臣に念を押して聞いておきたいと思ったのですが、しかしおらぬから、あなたがたは、おそらく正しい行政官ならば、そういうことを突如として、国民にも聞かずに、たとえ政府に委任したものだといいながら、法律上の審議を経、かつまた議事録にはっきりと残っておる原価主義という問題を、一大臣が勝手にきめるべきものではないという良心的なものを持つベきだと思うのですが、私はこれに対しては非常に危惧を持つのは、今後そのような形で、国の最高機関である国会が、一大臣のために立法の精神が無視されて改悪されるということをおそれるのです。むろん、理論上は、政令というものは政府にまかされた権限であるということを言えば、そのとおりでありますけれども、少なくとも、今後そういう形のものが、国民並びに国民の代表であるわれわれが何も知らないで強制される点を憂うるわけです。これは今伺いません。一切の清算がついた場合には、その剰余金というものがどういう形で使用され、どういう形でそれが保存され、将来どういう形で剰余金が運営されていくかということを明確にしていただきたいのです。これは松澤政務次官お願いしておきます。これは松澤政務次官おそらく内心反対したであろうと思うけれども、まあまあ大臣の強行によって行なったものだと思いますけれども、この点は、松澤政務次官、言いたくなければけっこうですが、わかっている点があったら、どういう経緯があったか答弁していただきたい。
  159. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) この問題は、大臣考えがもちろん中心になるわけですけれども、省側といたしましてもいろいろ討論はいたしました。その結果といたしまして、ただいま都市局長から申し上げたように、一般庶民住宅のほうは、御承知のように、国自体がこれは取り扱うという基本というものは、法の立法精神からいたしまして、個人々々のものが手に入りにくい、しかも住宅不足というような点から、しかも低所得的な立場の方々が非常に多いのだ、そういうふうな意味から、一般住宅関係においては、今申し上げたことはなすべきじゃないけれども、しかしながら、一方工業用地となって参りますと、各県なり、あるいは各市なりの誘致的な面も多分に含んでおりますから、特に昨今における状態から見ますと、都市近郊的な面においては、もうまるで殺到するというような傾向をたどっております。しかも、それは殺到するという立場からいきますと、必然的に、幸いをなすもの、不幸にして、くじに漏れたものは幸いをなさざるもの、これが非常に大きな開きをもってきております。  そこにもっていきまして、特に誘致といったような気持がありますると、大会社が重点的にくる可能性が非常に多い、しかしその大会社が、首都圏整備的な建前なり、あるいはまた人口過熱と称せられておる大都市関係において、人口抑制的な面からいっても、その本工場なりあるいは分工場にいたしましても、それに伴うところの下請工場を、ともに一緒にいっていただくというふうな建前等をとってくる場合においては、また考えようがあるけれども、現段階における場面においては、ほとんど営利を最大の目的にして、そうして特に幸いをなしたものだけが特典を与えられるというふうなことじゃなく、それによって、今のお話では、倍といったようなお話が出ておりますが、決して倍というふうな意味ではなくて、原価に対しまして、その周辺の時価というものがどの程度かを十分に調べて、そのうちで最も妥当だと思える低い線をとって、そうしてその割愛をしていく、その剰余金的なものは、さっきのお話のように、公債の面における利子の部面に振り当てていく場合もあるでしょうし、あるいはまた、主体性は幸いをなさざるものに少しでも分譲するような方式をとっていきたい、こういう建前をとって土地造成、さらに工業用地の土地造成を、より一そう多くしていくのだ、こういう建前でやっていこう、これが建設省として決定し、それを、そのとおり閣議にも報告した結果が政令として出た、こういう意味ですから、われわれといたしましては、最も妥当なものではなかろうか、かように考えておるわけです。単に私みずからが政務次官になってから、どうこうというのじゃなくして、非常に大きな利益を伴いつつ、しかも幸いをなすものだけが幸いをなすというような方向ではなくして、元来、もともとこれは御承知のように、個人々々では、そのかわりに手に入りにくいもの、これをある程度まで国自体がまとめて、そうして、そういうような工場方面に割愛をしていくのだという原則にのっとっておるのですから、その原則にのっとって、法の精神にのっとって、今やっておる、こういうふうに私たちは考えております。
  160. 田中一

    田中一君 私は、工業団地と一般住宅宅地とを比較してみた場合に、工業団地は倍に売るのはやむを得ぬだろう、今の社会では。しかし住宅団地は売るべきものではないと思っております。貸せばいいのです。ことに、きょうの新聞でしたか、宅地制度審議会が、宅地に対する収用権というものを与えようということを審議されておりますけれども、私は工業団地や、宅地にしても、売ってさやをかせぐなんというようなことになれば、これはとうてい、たとえ政令がどう変ろうと、強制収用すべきものじゃない。これはあなた方御承知のように前国会では、あの特別措置法については、相当大きな論議があったのは御承知のとおりですよ、私の、その思想ですよ、強権的な法律を発動して取得した土地、これを剰余金をあげて売るなんというような考え方はあっちゃならぬと思うんですよ、貸したって一向差しつかえないんですよ。ましてや、一応の規模のもとに分譲しているとは思うけれども、五十坪や、百坪の土地は、住宅地としては小さい宅地です。それよりも、それが不良化された場合には、もっと相当の規模のものに建てかえることも必要だと思んです。もちろん売るべきでない。これはあなたのほうの政策と私のほうの政策の違いだから、どうにもなりませんけれども、今の経緯で政令を変えたという理由を説明したものだと思うので、政策的な論争はここではしません。しかし、相当、これは考えなければならぬと思っているんです。  それから、昨年の国会で通過した市街地改造法の現在までの実施状態はどうなっているか、伺います。
  161. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 現在は大阪と神戸と姫路が着工いたしまして、姫路のほうは、一応市街地改造の段階を終わりまして、来年度は建設物のほうの起債を要求する段階でございます。
  162. 田中一

    田中一君 大体どういう経過になっていますか。この資料の九ぺ−ジに地方債として要求されているものは二十四億とあります。そうして、三十七年度はむろんゼロですね。予算的には、二十四億というのは、どういう分配を考えておりますか。
  163. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 現在の段階では、まだ大阪のほうも途中でございまするので、今年度の末ころになりますので、はっきり内容の分配については、まだ聞いておりませんので、一応、大体大阪は十一億くらい、あとは半々くらいになるのじゃないかと思っておりますが、まだ、はっきり想定しておりません。
  164. 田中一

    田中一君 大阪と姫路と、神戸ですか、大体。
  165. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) そのとおりでございます。
  166. 田中一

    田中一君 東京はどうなんですか。
  167. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 東京のほうは、まだ建物を建てる段階までなっておりませんので、起債のほうの要求はいたしておりません。
  168. 田中一

    田中一君 これは、広瀬君、何は補助金なかったか。
  169. 広瀬可一

    説明員(広瀬可一君) 補助金は要求しております。
  170. 田中一

    田中一君 どこに入っておりますか、都市局長。予算上、この資料の中には。
  171. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 市街地改造事業といたしまして、要求額の中で国費が十一億二千六百万……。
  172. 田中一

    田中一君 何ページ……、われわれは資料しかないんだ。
  173. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 三ページでございます。三ページの道路整備関係の中の街路の中に、市街地改造分として入っております。
  174. 田中一

    田中一君 金額は。
  175. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 内容で申し上げますというと、国費が十一億二千六百万。それで市街地改造の内容につきましては、継続が六地区と、新規が三地区でございます。
  176. 田中一

    田中一君 もう一ぺん金額言ってくれぬかな。
  177. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 国費で十一億二千六百万、それから地方債が二十四億、この両方でございます。
  178. 田中一

    田中一君 建築をし得る段階に至ったならば、その予算なり起債なりは分配するという考え方ですか。
  179. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) そのとおりでございます。
  180. 田中一

    田中一君 それはむろん事業主体が地方公共団体であるから、そのほうを進行しなければだめだということだと思いますが、もしも部分的にも建築し得る状態になって、それをしたほうが全体のためにはいいんだという場合には、当然そういう措置を考えるべきだと思うけれども、どう思う。
  181. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 三十八年度分におきまして、そういうことができるようになりましたら、考えていきたいと思っております。
  182. 田中一

    田中一君 これは松澤君に聞くけれども、東京都には地方債出していますか。三十七年度は出てなかったかな、地方債。
  183. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 数字的なことは今記憶がございませんけれども、たしか出しております。
  184. 田中一

    田中一君 ちょっとそいつ調べてくれぬかな。何でもいい。どこでもいい。官房でもいいから。
  185. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) 事業は何でもいいんですね。
  186. 田中一

    田中一君 何でもいい。
  187. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) すぐ調べますから。
  188. 田中一

    田中一君 私がこういうことを伺うのも、少なくとも市街地改造法適用地として指定された住民は、いろいろの意味の不安におののいているんです。ことに東京の場合には、御承知のとおり、新橋東西口が指定されたんです。したがっていつどうなるか、現にあすこに国鉄新幹線の工事が始まっている。それから高速道路の工事も始まっている。全然商売にならぬような人たちが非常に困っているわけなんです。ちょうどその事業区域内で、当然そこに建設される予定地というものが、さら地で残っているという場所がありますけれども、これらは率先して、市街地改造法のよさというものを知らしめることによって、早く建設しておくほうが得ではないかと思うんです。その点はどう考えます。そういうあき地が遊んでおるんです。その場合に、どう考えます。
  189. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 問題の対象が東京都になっておりますので、その問題につきましては、東京都と今話し合いをしております。で、東京都のほうでは、まだはっきりやるというような話はしておりませんですけれども、この前から、その点は申し上げまして、なるべく早く進めるように向こうのほうへ促進を要請しております。
  190. 田中一

    田中一君 今伺うと、地方債も国費のほうも、それに三十八年度分は割り振っておらぬから、東京都のほうでは腹をきめないので、この地点を、さっそくモデル・ケースとしてやるならば、大阪のほうの事業も、三十八年度はなかなか困難だから、これをやってみたらどうかというくらいなサゼスチョンはなさっていいと思うのだ。私はそう思う。  これはわれわれとして市街地改造法という法律を通し、非常に当該地区の人たちが大きな少なくとも損失がない、また将来の利益が多分にあるのじゃなかろうかという期待を持っているわけなんです。せんだっても、大阪の諸君が何に抵抗しているか、どの地域の人が賛成しているかという点を調べに行った報告を聞きましたけれども、大体、条件を満たしてくれれば賛成でございますということをどこでもいっているわけです。条件というのは、地価の評価問題です。これはまあ妥当な評価、鑑定制度というものよりも、現在の時価というものが明らかになれば、これは反対する根拠はなくなると思う。それには、まず計画一つとして、どこかをやるということは、建設省がその地方庁に対して、そっぽを向くというのでなくて、促進させるという役目は当然あると思うのです。今の点は、どうか十分に都のほうと打ち合わせをしてやっていただきたいと思うのです。それで起債のほうでわかっているのは、東京都は一千億以上の、一千二、三百億の年間予算を持っているのだが、起債なんかやる必要はないというけれども、これは現在の東京都にすれば、オリンピック関係の事業というものは相当膨大になっている。そこまでなかなか手が伸びないのが実情だろうと思うのです。だから、国のほうで率先して、そうした指導、指示を与えれば、今後いろいろな意味の抵抗等も予想される地区においては、実行してみる気になると思う。その意味で、東京都の起債というものは現在どうなって行なわれているか、今まではなかなか東京都ではやらなかったけれども、しかし今度のオリンピック関係の起債は、当然これは松澤政務次官言っているように出ていると思う。通常公共事業には出ていないのじゃないかという気持が私はするわけなんです。それで今伺ったわけなんですが、それを今拝見したいと思います。
  191. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 建設省といたしましても、再開発の問題につきましては、積極的に進めなければならぬと思っておりますので、この問題につきましても、都と積極的な方法で検討いたしたいと思っております。
  192. 田中一

    田中一君 次に下水の問題ですが、大体、今計画されている地方の下水整備の計画は、五カ年計画を、ことしは一年目かな、それで、進捗状態はどうですか。
  193. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 今年度の予算につきましては、大体、ほとんど消化できる状態になっておりますが、今のところ若干困っておりますのは、臨時就労分、特別失業対策分が、あの分が若干今問題がありますけれども、それも金額が非常に小さくて百万単位でございます。
  194. 田中一

    田中一君 一つの例を見ますと、たとえば仙台市の下水道整備の問題を取り上げてみましても、なるほど終末処理場はできておるのでずが、下水ができないために、トラックでそこまで汚物を運んで投入しているのです。ばかな話なんですよ、実際。ですから、せめて終末処理場とどこかの幹線までのものはつなぐということを考えれば、そういうようなむだなことをしないで済むのです。どうも下水政策というものが窓口が二つになっているために、そうしたびっこの計画がそのまま行なわれている。これはおそらく仙台市ばかりでないと思う。あらゆる面においてここに問題があろうと思うのです。これは松澤政務次官どうか強力な行動力のある河野建設大臣のしりをたたいて取ってこい、取ってこい、終末処理場の……、技術的な面は全部厚生省にまかしてもいいと思う。建設的なことはこれは建設省がやるべきですよ、当然。それがもしできなければ、そっくり向こうにやってしまう。何といっても二元行政というものはそういうようなむだな現象があるわけですから、ひとつ松澤政務次官にこれに対する心がまえ、それからそういうようなところは五カ年計画の外において早期に三十八年度やる、そういうものを全部大体において結びつけるというような予算をとっていただきたい。また予算配分をしていただきたい。その点どうですか。へたなことをすると、二十年たってもできないのが多いのです。
  195. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) ただいまの問題は長年間御承知のように問題化されてきた問題でありますが、幸いにして三十八年度をめどにいたしまして、目下厚生省とも話し合っておる部面は、とりあえず今お話にありました下水道、終末処理等を含めまして、五カ年計画というものに仕上げていこう、これに対しまして与党関係もございましたが、屎尿処理、あるいはまた清掃関係というものをも含めて、全体計画的な面で考慮できないかというふうな点もございましたが、現段階で厚生省と今話し合っている点では下水道、終末処理を一つの箱に入れ、かつまた屎尿処理あるいは清掃関係というものを一つの箱に入れまして、これを総合計したものを大きな計画のもとに出したらどうか。こういうふうなことまで一歩前進ずるような段階に今進んでおるわけですが、予算措置においては、したがって大蔵省もこれに対しまして、計画的な面の良否という問題はもちろんありますけれども、ある程度まで了とするといったような立場に話が進んでおりますので、ある程度まで御希望に沿うような段階に進むのじゃないか。もちろん一挙に長年間の懸案の問題ですから直ちに終決点にはいかないにいたしましても、一歩々々われわれが考えておる方向には向かっておるかと、かように考えて、それを推進しております。
  196. 田中一

    田中一君 それから都市局関係、河川局関係、道路局関係の失対事業費、みんな全部含めて、臨就も特失も全部含めて三十八年度予算にはそういう項目はなくしようということになっておるのですか。これには一つも出ていない、いつも予算には、何といいますか、予算の組かえ、何がえといったかな、そういうようなものが計上されてくるんだけれども、これにはありませんね、どうですか。
  197. 山内一郎

    説明員(山内一郎君) 来年度予算には特失事業費については要求はいたしておりません。
  198. 田中一

    田中一君 道路局関係は。
  199. 平井学

    説明員(平井学君) これは御承知のように、労働省のほうで要求しましてきまりますと、これが道路特別会計へ移しかえになりまして、まだ労働省のほうからはっきり連絡を受けておりません。
  200. 田中一

    田中一君 都市局関係は。
  201. 谷藤正三

    説明員(谷藤正三君) 公共事業として建設省からは臨就、特失は要求していないことになっております。ただあとで大蔵から入ってくるわけであります。私のほうとしては全然昔から要求しておるわけではございません。
  202. 田中一

    田中一君 当然ですよ、当然あなたのほうで要求しておるのじゃない。ただやはり計画の一環に予算が使われるわけなんだから。そこで松澤政務次官に伺います、方針としてはどうですか。
  203. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) 建設省関係の面については、田中委員はよく御存じのとおり、従来ともに非常に取り扱い上、河川関係においても、あるいは道路関係においても、臨就、特失なんという面は非常に取り扱いにくいと、そういうふうな点から、従来どおりといっては何ですけれども、三十八年度においても同様な立場をとって、われわれの業務を執行上においても非常にやりにくい点が多い、予算要求的な面はやっていかないという方針のもとに、現在大蔵省には提出しています。
  204. 田中一

    田中一君 どうもこれは政策の問題になるから、実体の問題と政策の問題とは社会党、自民党ともに異なるであろうと思うが、この際はあらためて予算化された場合に、あるいは予算化されない場合に伺うことにして、この問題はこれで中止しておきます。  しばしば河野建設大臣は、金を持っておる者には、宅地を造成してそれを分譲して自家住宅を持たせるのだということを言っております。これは政策の問題ですから私とはおのずから意見は正面衝突せざるを得ないけれども、一体どういう規模のものを考えているのか。それから政府が発表する建設白書を見ると、自力建設住宅というものが大きな比重を持っているのです。年間何十万戸といいながら、その何十万戸のうちの七割以上は民間自力建設に待っているわけなんです。それに一体どのくらいの宅地を与えようとするのか、三十八年度予算の上ではどういう考え方を持っておりますか。
  205. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 住宅対策は御承知のとおりに、低額の所得者に対しましての公営住宅の賃貸方式をとっております。と同時に、さらに公団住宅につきましても、所得に見合った家を供給するために低家賃住宅を作っておるわけであります。全体の住宅建設計画政府施策住宅と民間自力建設ということになっております。最近の住宅問題の中におけるウェートというものは、宅地の問題に非常にウェートがかけられなければならないという状況であります。ことに民間自力の促進という形におきましても、宅地の供給を、しかもまた計画にあわせて実施することは、所得の階層からみまして、中堅階層以上の階層に対する非常に建設促進になると思いますので、したがって分譲宅地の規模を従来の政府施策住宅に必要な土地の造成以外にふやしまして、宅地造成をいたしていきたい、こういう考え方でございます。したがって大体明年の分譲計画といたしましては、本年の実績の三倍程度をまず最小限度として実施をいたしたい、こういう考え方でございます。
  206. 田中一

    田中一君 一戸当たりの用地はどのくらい考えているのですか。
  207. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) これは都市の郊外に造成されます場合とあるいは立体化されます場合とによって違いますが、郊外のような場合でございますと、場所によって一概には言えませんが、六十坪内外のものを一つの標準ロットという考え方で造成計画を立てようというのが今の考え方でございます。
  208. 田中一

    田中一君 どうもその考え方に対しては、私は納得できないのは、日本の領土の、たとえば東京なら東京という職場を控えて、どこにどれくらいのものを想定しているのですか。私はもはやそうした意味の、低所得者に対して提供しようという宅地というものはないと見ているのです。また公共用地を開放して充てようという考え方も持っておるらしいけれども、これすら私はないと見ているのです。しかしながら、日本の政治あり方が、どこかが所管している国のやつを占有しているところの土地は、何年後に何らかの目的でもって使うんだといって、なるほど現象から見れば、空地があるじゃないか、遊んでいる空間地があるじゃないかと言いながらも、それは一つの目的を持っているということになって、なくなってしまう。国民をだますのもいいかげんにしてほしいという気持を持ちたいのです。どこにそういうものを求めようとするのか。これは住宅局長、ひとつ今になってみれば、昨年の三倍の宅地を造成して、そうして国民に分譲しようという意思を明らかにしているんだから、それをひとつ計画でいいから出して下さい。
  209. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 住宅に必要な宅地というのは、やはり通勤圏ということを考えまして、市街地の中におきましてはこれはもう高層化いたしまして、土地の高度利用をいたすべきでございます。同時に交通体系の整備と相待ちまして、大都市の必要な地域の都市計画に合わせた地域内において、一定の人口想定をいたしました開発計画を、やはりまだまだ実施をいたしませんと、現在の都市内の住宅に困窮している人たちの居住の用に供する土地が得られませんので、そのような全体計画を合わせまして、将来の七、八年先の見通しを持ちましたものを実施をしていきたい、こういうように考えておる次第であります。
  210. 田中一

    田中一君 君は僕に合わせようと思って答弁しているんだよ。建設大臣は、自力建設に対しては宅地を分譲していこうということを言っているのです。いわゆる全体的な宅地計画というものを今住宅局長は説明しているんであって、私の質問はそうじゃないのです。住宅宅地を分譲して、自力建設を促進しよう、こういうことがキャッチフレーズになっているのです。それはどこにねらいをつけてどこに持とうとするのか、少なくとも空間、立体化したところの宅地というものは、これこそ急務であって、これはあなたもよく知っているとおりだ、僕はいつもそれを主張しているから。平面的な分譲し得る宅地というものは、空間宅地はないはずなんです。どこにそれを求めようとするのか、全都市のモデル・ケースとして計画を出して下さい。それが出ないと国民はだまされる。安くていい土地が手に入るというような誤解をすると困りますから。たとえば静岡なら静岡の周辺でもかまいません。どの地区にどういう宅地造成をしてそれを安く、自力建設をしたい人、せめて自分の家を持とうという階層に分譲するのか計画を出して下さい。
  211. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 具体的の内容につきましては、お話のように後ほど御説明を申し上げたいと思っておりますが、われわれのほうにおきまして、今考えておりますのは、郊外の通勤可能の交通体系の整備と相待って整備される宅地につきましては、民間自力の促進をはかるために、大規模な分譲宅地群を作っていきたいということでございまして、それは大都市の、地域によりましてたとえば今後八年間なら八年間に三十万ロット分を京浜なら京浜に考えなければならぬということで、地域的に目下検討をいたしている、こういうのが現在の段階でございます。
  212. 田中一

    田中一君 検討するというより、三十八年度予算に昨年の三倍の予算を組もうとしているのでしょう。要求しているのでしょう。道路、交通、下水、ガス、水道とかというものを含めて云々といっても、それは答弁せんがための答弁であって、具体的にどこにそういうところがありますか。これは今答弁しないでいいからひとつ計画を出して下さい。
  213. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 私は宅地計画というものは、相当長期にわたった継続的な事業でありますので、何年先の計画に基づいてやるべきだということを申し上げたのでございまして、三十八年度の計画の個所につきましては、もとより個所を調査をいたしまして場所を予定いたしております。したがって、これは後ほど田中先生に御説明申し上げたいというわけであります。
  214. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 関連してちょっと質問をしたいのですけれども、宅地分譲という考え方ですけれども河野建設大臣が最初に所信表明を行なったときは、住宅建設の規模の引き上げを行なうとか、あるいは地域別住宅建設計画を策定をする、こういうことを言っているわけです。宅地分譲の考え方というものはかなりアピールされているように思われますけれども、問題は、今局長は答弁の中で十分に検討してと言っておったが、ゆっくり検討していると、宅地の価格はどんどん上がっていく現象が出てくるのじゃないかと思うのですけれども、宅地の価格の安定に対する十分な保証というのは、一体できるのかどうか、住宅関係予算は三百何億だかありますけれども、問題は今のようにどんどん土地の値段が上がっていくという現状に際して、はたして一般庶民の手に入るような価格で宅地の価格の保証ができるかどうか、そのためには省としてどういうふうな手を打っておるのかという点についてお聞かせ願いたい。
  215. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 先ほどお話しいたしました分譲宅地の明年度の計画につきましては、具体の地域についての場所を持っておりますが、今お尋ねのような状況でございますので、この具体の場所につきましては、まあここで申し上げるのが適当かどうかいろいろな問題もありますので、御了察を願いたいと思いますが、個所につきましてはそれぞれ調査をいたしまして、予算の実施をはかっていきたい、こういうふうに考えております。規模の引き上げ等というのは、現在建てます賃貸分譲住宅等の質並びに規模もそれぞれ引き上げませんと、現在の宅地需要の大きく原因をなしているものの一端は、現在の居住の水準が非常に小さい、居住面積が小さいというようなことからも、宅地の持ち味というものが発生する原因だとも思われております。一般的に住宅困窮に対する需要の増大というものは、人口のいわゆる移動の関係から生ずる問題もございますので、したがって、これに対応する宅地の供給増加を政府施策といたしまして取り上げていくということが需給関係の面からの価格安定のアプローチではなかろうかということが、ひとつ需給面から言えるわけでございまして、そのためにはやはりこれに対応するところの取得の制度等も並行して検討を進めておるわけでございますが、宅地価格そのものの体系をどうするというような問題は、なかなかむずかしい問題もございますので、これは宅地制度審議会において目下検討をしていただいておるような状況でございます。
  216. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 需要供給の関係で宅地計画を立てるということになってくると、特に都市計画とそれこそ即応しないと、東京都の場合はこれはにっちもさっちもいかなくなってしまうのじゃないか。交通問題等の非常に大きな問題が出てくるのではないか。今でも道路は一ぱいの状況であるという状態であります。だから都市計画と勘案して住宅建設計画というものがなされなければならぬと思うのでありますけれども、その辺はやはりどういうような関連を持ってやって——他の省との連携をとってやっておられるのか、これをひとつ参考のためにお伺いしたい。  もう一つは、やはり建設大臣の所信表明の中にありましたが、さらに農山漁村住宅の改善についても力を入れたいと考えておりますというのがありますが、これは所信表明の際でありますからばく然としておりますけれども、具体的に予算案の中に、三十八年度予算の中に、農山漁村住宅の改善について何か一つ計画なり案というものがあるのかどうか、その点もひとつお伺いしたいと思います。
  217. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 宅地の問題は単に必要な、需要が大きいから、それに追っかけて作るということだけではなしに、特に大都市問題はまさに人口、産業との関係がありますので、首都圏の地域における構想もあり、また新たに地域開発という面での新産業都市の建設というような問題もあるわけでございます。したがって、住宅対策というものはまさにそういう国作りの全体の対策の傾向を見ながら、しかも与えられておりますところの目標年次に対応いたしまする現在の住宅困窮というものに対しまして、いわゆる大都市地域におきましては、交通体系の整備と相待った政策的な土地不足を解決をする、しかもそれにある程度のまとまった規模のものをいわゆる整備することによって需給の調整をはかる、こういうことが一つの当面の要務ではないかと考えておりますので、したがって、そういった意味合いにおきましては、もとより都市の計画の基本とマッチしなければなりませんので、省内においては十分その点を……。今後の団地並びに分譲宅地の造成にあたりましては計画の一体化を進めておる次第でございます。  農山漁村の住宅対策の強化につきましては、住宅金融公庫の融資の増大をはかることが第一点でございます。農山漁村の住宅の現況は老朽なものが多いのでございます。しかも居住性の点から見て、きわめて都市の住宅とは違っております。まずその一つといたしましては、建てかえを要する資金ワクの拡大と、新たに公庫に住宅改修資金の貸付制度を新設をいたしたい、こういう考え方で改修資金の貸付に要する資金を二十八億円要求をいたしております。そのうち農山漁村向けは十四億という構想で、目下折衝しておるのでございます。これが金融公庫の融資ワクの中に入っておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
  218. 田中一

    田中一君 最後に一つ、これだけ。これは計画局長かな。明年度の建設労働者の賃金はどういう形——どういう三十七年度と変化がある予算を計上しておるか、予算面に。そうしてPWは廃止をするという方向が正しいということを大蔵省の宮崎調査官も発言しておりますし、これらは新年度予算ではどういう扱いになっておるか。この点はひとつ時間がないから、資料でお出しを願いたいと思います、賃金問題を全部一括して。  それから最後に、官房長に伺います。大臣官房広報室というのはどこに所属しておる部屋でありますか。官房長の所管ですか。
  219. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) 大臣官房文書課に所属しております。
  220. 田中一

    田中一君 十月二十日付の「建設のうごき」という公報が出ております。この第一ページに大きく、「鬼丸官房長九日に退官、福岡県知事候補に推さる」、こうなっております。少なくとも福岡県知事候補というこの意識は政治の部門であろうかと思います。大臣官房で発行するところの公報的なこの印刷物に、特定なる政党から推されておるところの知事候補をこのような形で表現することがいいと思うか。私は少なくとも国家公務員の、行政庁の所管であるところの建設省部内におきまして、かかる印刷物が調製されるということを不可解と思う。したがって、どういう省議かどういう意思でこれらが調製されたか。どういう方面にこれらの印刷物が流されたのか、明らかにしていただきたい。
  221. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) 新米ですから、どうぞよろしくお願いします。  ただいまお尋ねの建設のたしかうごきの中に書いてあるように伺ったのですが、これは……。
  222. 田中一

    田中一君 どうもそういうあいまいな、「伺ったのですが」なんて言わないで下さい。私は現物をお目にかける。こういうものは政治的な何らかの意図があるやにうかがわれるという点については責任を感じないか、少なくとも特定な政党が知事候補に支持しておるという現状を、国の機関から発行する印刷物によって周知さすということは容易ならない事態であると私は考える。
  223. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) お答えいたしますが、この「建設のうごき」を出しておりますのは、発行する建設広報協議会というものがございまして、民間の方もお入りになって、建設行政の広報宣伝を推進する機関の機関誌的なものでございます。会長は松本学という人がなってやっておられるのでございます。大体これは部内あるいは建設関係の方面に配布するものでございまして、まあ、前官房長の長らく建設行政に携わって、相当知り合いの方も関係方面に多いということで、こういうおやめになったということを載せたにすぎないものではなかろうかと考えております。
  224. 田中一

    田中一君 十一月五日付の「建設のうごき」には、皆さんの協力を期待し山本官房長の就任あいさつというものも出ております。これはまあいいでしょう。阪神高速道路1号線の起工式、これはまあいいでしょう。少なくとも、一つの政党から推された——これは国民から推されておる知事候補じゃございません。一つの自由民主党という政党が知事に推薦する候補者でございます。したがって、現在の建設省というものは自民党の建設省ではないはずです。あるいは民間人も入っておるという広報協議会というものが、自民党のものでもなかろうかと思う。私は不幸にしてかような事例を初めて知るわけなんです。それが政治への介入というか、しいて言うならば、利益誘導的な——この人は官房長であったということは、知事候補なんという文字を使わなければいざ知らず、使っておる以上、選挙に対する一つの巧妙な事前運動の姿であるということを私は感ずるわけであります。(「そういう意思はないな」と呼ぶ者あり)したがって、意思がないならないように、あるならあるように、この点はひとつ明確にしておいていただきたいと思います。つまらぬことをしたものです。
  225. 松澤雄藏

    説明員松澤雄藏君) ただいま官房長からお話し申し上げましたように、鬼丸前官房長は、長年の間建設省におられまして、非常に外部から親しまれておったことは御承知のとおりであります。したがって、田中委員等においても長年間おつき合いを願ってきたわけなんです。御質問の点は、何の気なしに、私はそういうような深い意図のもとではなく、こういうふうな建前のもとにこうやって退官されていったのだということを「建設のうごき」というものに書いただけにすぎなくて、党派を考えてみたり、政治的な問題として考えてみたり、そういうふうな意図等があるとは私は従来の例から申しまして、経験から申しましても、いまだ建設省においてこういうふうなことをやったことはなかった前例から見ても、あまりにも明らかではないかと思います。しかし、そのような疑い等を一部の者に持たせるというような行為、行動は、必ずしも芳しいものではないと、今後留意いたしまして、疑問を起こさせないようにしていきたい、かように思います。
  226. 田中一

    田中一君 松澤政務次官の今の答弁だけでは私は納得しないわけです。これはせっかく就任した山本君をとやかく言うわけではないけれども、これは山本君が作ったものではないのですが、監督不行届きの点はいなめないと思う。むろん一行書けばいいわけです。しいて言うならば、福岡県知事に推薦されるということは要らないですよ。それに政治への介入というか、政治への関与というか、そういうようなにおいがふんぷんとして感じられるというわけです。私は納得はしません。納得はしませんが、今の松澤政務次官答弁は一応それとして聞いておきますけれども、かかることはむろん、当委員会の同僚委員である岩沢忠恭君もこの広報協議会にも関係していると今聞きましたので、はなはだ、ますますけしからぬ、この中に野党、各党の諸君も入っている協議会ならいざ知らず、これは容易ならない、ひいきの引き倒しになるのではなかろうかと私は考えるので、一応指摘しておきます。しかし、問題はこれで了承したというものじゃございません。
  227. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) ちょっと先ほどの田中先生のお尋ねの中で、東京都の起債はどうかという点、これは自治省の財政局で東京都の起債の許可額を総額で調べますと、三十五年で百九十四億、三十六年三百二十三億、三十七年二百九十五億と相なっております。
  228. 田中一

    田中一君 その内容は、オリンピック関連の起債でしょう。
  229. 山本幸雄

    説明員山本幸雄君) これは今申しましたように、東京都に許可した地方債の総額でありまして、内容は種々雑多だと思います。
  230. 田中一

    田中一君 今の数字の内容をひとつお調べになって、資料として出して下さい。
  231. 武内五郎

    理事(武内五郎君) ほかに御発言はございませんか。——別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十七分散会