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1962-12-07 第41回国会 参議院 決算委員会 閉会後第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月七日(金曜日)    午前十一時十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木  壽君    理事            岡村文四郎君            仲原 善一君            相澤 重明君            大森 創造君    委員            川野 三暁君            田中 清一君            野知 浩之君            二木 謙吾君            山本  杉君            北村  暢君            武内 五郎君            横川 正市君            和泉  覚君            中尾 辰義君            高山 恒雄君   事務局側    常任委員会専門    委員      池田 修蔵君   説明員    通商産業政務次    官       上林 忠次君    会計検査院事務    総局第五局長  白木 康進君    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社副総裁    米沢  滋君    日本電信電話公    社監査局長   大泉 周蔵君    日本電信電話公    社計画局長   宮崎 政義君    日本電信電話公    社経理局長   井田 勝造君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十五年度一般会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度特別会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度国税収納金整理資金  受払計算書(第四十回国会内閣提  出) ○昭和三十五年度政府関係機関決算書  (第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度物品増減及び現在額  総計算書(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度国有財産増減及び現  在額総計算書(第四十回国会内閣提  出) ○昭和三十五年度国有財産無償貸付状  況総計算書(第四十回国会内閣提  出)   —————————————
  2. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和三十五年度決算外三件並びに国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を議題とし、審査を行ないます。  本日は、電源開発株式会社及び日本電信電話公社の部でございます。なお、電源開発株式会社につきましては、去る九月六日の本委員会におきましてすでに決算説明及び検査報告を聴取いたしておりますので、本日は、まず日本電信電話公社決算説明並び会計検査院検査報告を聴取し、引き続き電源開発株式会社審査を便宜一括して審査を進めて参りたいと存じます。  それでは、まず日本電信電話公社決算について説明を求めます。大橋日本電信電話公社総裁
  3. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 昭和二十五年度決算につきまして、日本電信電話公社といたしまして御説明申し上げます。  昭和三十五年度は、電信電話拡充第二次五カ年計画の第三年度に当たるとともに、第二次五カ年計画拡大改定いたしました第一年度に当たるものでありますが、一般経済界が前年度に引き続き高度の成長を続けたため、公社業務もこれを反映し、電話増設及び市外通話サービス向上等による利用の著しい増大により、収入は順調に伸長いたしまして、当初の予定を相当上回る成果を上げることができました。すなわち、損益勘定における収入予算額二千二百九億円に対しまして収入済額は二千三百八十六億円、支出予算現額二千二百八十九億円に対しまして支出済額は二千二百七十七億円となりました。また、建設勘定におきましては、収入予算額一千二百八十五億円に対しまして収入済額は一千四百八十億円となりましたが、これは建設勘定に繰り入れられる資本勘定において、電信電話債券設備料資産充当等増加があり、このため建設勘定繰り入れ額増加したためであります。  支出の面におきましては、予算現額一千五百五十二億円から建設工程の未完成等により翌年度へ繰り越しました百二十五億円を除く一千四百二十七億円が支出済額となりましたが、これをもちまして、加入電話増設四十一万加入公衆電話増設一万九千個、市外回線増設百十八万キロメートル等の建設工程実施したものであります。  三十五年度電話架設数は、第二次五カ年計画拡大改定により、改定前の計画数を大幅に上回る増設をいたしたのでありますが、加入電話の申し込みを受けてなお架設できないものが同年度末において八十六万に達し、依然として熾烈な需要に応じ得ない状況でありますので、さらに施設の拡張及び改良によってサービス向上をはからなければならないと存じております。  次に、三十五年度決算検査報告指摘を受けました事項について申し上げます。指摘を受けました事項は、不当事項四件、不正行為一件の計五件でございました。  その第一は、契約更改を怠ったなどのため、工事費が過大に支払われた結果になっているというものであります。これは関東電気通信局において、三十五年六月、神奈川県の双子山頂にある双子無線中継所への連絡用道路の幅を広げ、かつ勾配をゆるやかにするなどの工事実施いたしたものでありましたが、施行にあたり現場監督通信局との連絡が不十分であったため、契約と異なる施行となったにもかかわらず、契約更改措置がとられなかったものでありまして、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました点のうち、連絡不十分による過払い金額につきましては、工事請負業者協議の結果全額返納させたほか、監督業務請負業者が専決施行させたものにつきましては、当該請負業者協議の結果請負金額の一部を返納させましたが、今後はこのようなことのないよう十分注意いたします。  第二及び第三は、契約にあたり処置当を得なかったため工事費が高価と認められるというものでありますが、これはいずれも東北電気通信局において契約いたしたもので、一件は、三十六年二月塩釜電報電話局新築に伴う基礎杭打工事実施した際、当初積算したコンクリートパイル配筋と異なる鉄筋量を使用したにもかかわらず、部内の事務連絡徹底を欠いていたため減額の措置を講じなかったほか、その検収にあたっても慎重を欠いていたものであり、また一件は、三十五年八月に契約いたしました石巻電報電話局新築に伴う基礎杭打工事において、コンクリートパイル検収措置が適切でなかったものでありまして、まことに遺憾に存じております。これらに対しましては、請負業者協議の結果、それぞれ指摘金額全額返納させました。  第四は、仕様書が不備であったなどのため不経済になったというものでありますが、これは新たに製作いたしました六号形市外台に装置するランプ受口仕様書を制定する際、本体である市外台開発が急がれていたため、ランプを挿入する遮光壁孔内の絶縁性について明確な指定をする配慮に欠け、指摘のような事態を生じたものであります。本件につきましては、直ちに仕様帯の一部を改定し、改善措置を講じましたが、今後は十分注意のことといたします。  不正行為につきましては、指摘個所上部機関予算使用状況をチェックいたしました際に、支払い資金領得を発見したものでありますが、このような事故職員の中から起きましたことはまことに申しわけない次第であります。本人につきましては懲戒免職処分を、また監督者につきましては厳重な処分を行なうとともに、損害額の回収に鋭意努力いたしておりますが、今後はさらに内部監査等を強化してこれら事故事前防止に努める所存でございます。  以上簡単でございますが概略御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  4. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。
  5. 白木康進

    説明員白木康進君) 三十五年度日本電信電話公社検査報告について、簡単に御説明申し上げます。  不当として指摘いたしました事項につきましては、ただいま総裁より御説明がございましたので、若干補足して説明いたします。  最初の三三四号でございますが、これは最近電電公社設備工事が非常に増大しております関係上、公社では設計あるいは監督業務部外に請け負わせて施行するという方法をとっておられるようでございますが、本件は、たまたま監督業務を請け負いました会社が、双子山の道路拡幅工事におきまして、現地の実情等から設計と異なった仕事をするように変更いたしましたのに、通信局との連絡が十分でなかったために契約更改措置がとられず、実質的に過大支払いとなったというものでございます。なお、本件につきましては、過大支払い額について業者との間に過大支払い額返納というような措置がとられておるように承知しております。  次に、三三五号でございますが、本件は、当初積算の際に定めましたコンクリートパイル規格実施上においてはもう少し低い規格のものでもよろしいということで、実際には低い規格施行させながら、現場事務当局との連絡が不十分なためにそのまま当初の設計で代金が支払われて支払いが過大になったというものでございます。本件につきましても、先ほど総裁から御説明がございましたように、相当額業者から返納させるとともに、またこの業者につきましては折名停止措置がとられておるというふうに報告を受けております。  三三五及び三三六号、いずれもコンクリートパイルJIS規格品を使用するという建前で積算し、支払われておるのでございますが、実際にはJIS規格品でないものが使用されておる、それがそのまま見のがされておったということのために支払いが高価となっている事案でございまして、これもいずれも業者よりペナルティに相当する額の返納がなされております。  次に、三三七号でございますが、本件は、市外用交換台に取りつけるランプ受口の購入にあたりまして、仕様の不備ということのために、実際にランプを挿入しておるところがショートして交換不能になった、そのためにこれを防止する工事費として約二百万円の手戻り工事費を要したということでございます。  最後に、不正行為でございますが、これは九州電気通信局春日原特別統制無線中継所におきまして、出納補助役補助者支払い決議あるいは支払い要求につけ増しをしまして、預金の払い戻しを受けて、これを領得した事案でありまして、相当長期間にわたってこれが発覚しなかったのは、本件の局所が米軍無線中継を担当する非常に特殊な部局で、内部統制等が十分に行き渡っていなかったということが原因であったろうと承知しております。  なお、三十五年度公社決算につきまして、事業損益建設工事及び資材調達管理について若干概要を記述しておりますので、説明を省略させていただきます。
  6. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) それでは、これより直ちに質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 会計検査院にお尋ねをするわけでありますが、昭和三十五年度公社決算概要説明を今受けたわけですが、会計検査院公社検査を行なうにあたって、実地検査というものをどのくらい行なったのか、この公社検査を行なった個所数、これをひとつ先に報告して下さい。
  8. 白木康進

    説明員白木康進君) 公社に対する実地検査でございますが、私どもでは、従来検査上重要なる個所及び比較的重要度の少ない個所というふうに区分いたしまして、重要個所といたしましては、本社経理局、それから電気通信局電気通信部及び中央電話局、あるいは大部市の地区管理部、これはいずれも会計課を設置しております決算個所でございまして、こういう重要個所につきましては、できるだけ実地においても検査徹底するように配慮いたしております。数字で申し上げますと、ただいま申しました決算個所が百三十七でございまして、三十五年度ではそのうちの六十カ所、ここは多少繁雑になりますので、概要を申し上げますと、本社電気通信局は全部でございまして、その他の電気通信部、それから地区管理部中央電話同等は、ところによっては違いますが、まあ大体五〇%以下ということになっておりまして、総計で約四三%ぐらいの実施率になっております。その他の個所を含めますと約四%程度でございまして、検査個所としては多少低いようでございますけれども、大体これによって公社事業内容全般を把握しておるつもりでございます。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 今の説明でありますと、重要個所についても五〇%以下しか実際に検査ができない、その他の個所においては全くもう五%にも満たない——こういう検査院検査のあり方というものが、これだけ膨大な、いわゆる公社事業等内容からいきますと非常に大きな資金を投入しておるわけですね。こういう点からいけば、やはり十分これらの内容について検査をしなければならぬと私は思うのです。まさにその検査院検査をしたというのは氷山の一角にしかすぎない。これであっては、私はいかぬと思う。しかし、十分内容を把握しておるということは、逆論をすれば、公社自体がよく内部監査をしておるということも言えるわけですね。それに基づいて、やはりあなたのほうで、会計検査院としての実地調査と相待ってよく行なわれておる、こういうことも私は言えると思う。そこで、これは会計検査院公社検査を行なう場合に、内部監査についてその検査をされた中で、何かあなたのほうで、会計検査院として、なお一歩こうしたほうがいい、あるいはこうすべきだというような改善意見というものがあったかどうか。特に検査上の問題ですから、会計検査院からひとつお答えをいただきたい。
  10. 白木康進

    説明員白木康進君) 公社実施されております内部監査の結果等については、かねがね本院におきましても、その内容等について御連絡をいただき、私ども検査の参考にいたしております。ただいまの、内部監査の結果について改善事項等処置がとられたかどうかという点でございますが、最近、公社に対しまして、内部監査の結果あるいは本院の検査の結果に基づきまして改善事項を出した事項は最近までございませんが、本年は、これは当局内部監査あるいは本院の実地検査の結果に基づきまして、電話施設宅内工事関係につきまして、先月公社あて改善意見を出しております。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 それから、この三三五号、三三六号の不当事項と認められたという報告が出ておるわけでありますが、これは内部監査ではどういうふうに指摘をしておったか。会計検査院としてこれが摘発をした、こういうことになっておるわけでありますが、その内部監査関係をいま少し詳しく説明をして下さい。
  12. 白木康進

    説明員白木康進君) この三三五号、三三六号のコンクリートパイルの件は、これは内部監査と全然関係がございませんで、私どもだけの検査の結果指摘したものでございます。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 これで会計検査院指摘をしておることを見ると、私はこの内部監査が必ずしも徹底をしておらぬ、こういうふうに思うわけです。これはどういうことかと言えば、この三三五号、三三六号は、同じ工事人——指名競争契約によって東北セメント工業株式会社仕事をさしておる、こういうのが会計検査院から指摘されておるわけですね。したがって、内部監査が充実をしておれば、こういうことを再び繰り返すことはないはずだ。こういう点については、これはあと公社のほうに聞くけれども会計検査院検査の、先ほど冒頭に申し上げたように、全般からいくと四%にも足りないというところにやはりまだ問題があるのではないか、こう思うわけです。しかも、これから公社の第二次五カ年計画なりあるいは第三次五カ年計画というものを考えていけば、ますます業務量は多くなるし、工事施行は多くなる、資金の投資も多くなる。こういうことからいけば、やはりいくらやってもやり過ぎるということはない。その過ちを再び起こさないための相互率制なりあるいはまたそうした監査というものを強化することが国民に対するところの私は責任ではないかとこう思うので、会計検査院としては今後どのようないわゆる検査というものを行なうつもりなのか、これは検査の指針であるから会計検査院態度を聞いておきたい。
  14. 白木康進

    説明員白木康進君) 私どもの現在やっております検査、これは浸透率で見ますと相当低いものでございまして、私どももこれで十分とは考えておりません。ただ、従来からの検査の結果を見ますと、公社予算が最近非常に毎年増大しておりますが、その主要なる内容を占める局舎建設、あるいは電気機器の設置、こういったものは、内容が比較的に定型化しておると申しますか、大体同じようなことをやっておられますし、またその工事水準と申しますか、こういったものも、電話関係につきましては、公社のほうでも相当御勉強になりまして、相当高い水準であると私ども承知しております。検査報告をごらんになりましても、こうした本体工事に関する指摘はたいへん少ないのでございまして、ただ、工事量が非常に増大しておるというようなことから、いわば比較的付随的なもの、あるいは同じ建設工事であっても土木の関係仕事、こういったものはやはり、事業量増大の圧迫の影響だと思いますが、検査の結果、やや不十分な点が最近数カ年の間に見られますので、もちろん本体工事についてできるだけ検査実施しておりますが、こういった付随的な面についても私どものほうでできるだけ検査をして、公社のほうの御注意の行き渡らぬ点については御注意を申し上げると、こういうふうに考えて検査をしております。その結果出ましたのが、ここに指摘しておりますような事案でございます。  なお、先ほどちょっと申し上げましたが、改善事項も、これは局舎あるいは電気機器の基本的なものでなくて、電話架設宅内工事というような面で、まあそこまでは注意が十分に行き渡っていなかったというようなことで、そのために相当経費節減の余地があるんではないかということで、いろいろ改善の御検討をお願いしたわけでございます。大体私ども検査の方針はそういうことでございます。  なお、この検査個所としましては、パーセンテージがたいへん低くなっておりますが、本社あるいは電気通信局あるいは通信部におきまして、われわれが検査として取り上げる事項につきましては、やはりこれは比較的金額の大きなものが対象になりますので、金額的には相当高いパーセンテージになっておるというふうに承知しております。
  15. 相澤重明

    相澤重明君 それからいま一つ。あなたのほうの会計検査院がこうした検査を行なう中で、いわゆる本社あるいは本部関係といいますか、そういうところはもちろん重要な対象でありますが、建設工事、あるいは資材調達管理、あるいは現場監督、こういうものから考えてくると、公社の人員というものはきわめて私は少ないと思う。実際の監督をする公社職員が不足しておるからこそ、実際には徹底したそういうことができないんじゃないか。ということは、三十四年あるいは三十五年の予算定員から、一体毎年どのくらい人間をふやしておるか、こういう点を考えていけば、工事量の非常な増大に対処するという対策は私はできておらぬじゃないか。そういうことを、会計検査院というものは、この調査をしてみて、監査がどう行なわれておるか、あるいは現場工事監督はどうなっておるかということについて、予算定員と、あるいはこれらの対策が実際にどう行なわれておったかということも、私は検討しなければならぬと思う。それらについて検討したことがあるかどうか、その点をお答えいただきたい。
  16. 白木康進

    説明員白木康進君) 公社のほうで建設工事量増大に対応します職員増加という点につきましては、ただいま資料を持っておりませんけれども、私ども承知しておりますところでは、必ずしも十分な増員措置はとられていないように承知しております。これにいかに対処するかということにつきましては、これは公社のほうからあるいは御説明があると思いますが、たとえば、本件指摘しておりますように、他の官庁あるいは公社はほとんど実施しておりませんが、電電公社につきましては、設計監督部外請負、こういったことも、予算の合理的な消化のためにとられました措置だと承知しておりますが、ただ、何分にも、こういった事態は従来あまりなかったことでございまして、実際上は必ずしもスムーズにいきかねるというような傾向が見受けられますので、私どもとしましても、設計監督検査部外に委託するといった場合には、これは特に適正の点について留意しなければならぬということで、実地検査際等においては、こういった点にやや重点を置いて検査をしております。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 公社総裁からお答えいただきたいのでありますが、ただいま会計検査院答弁を聞いておって、やはりそういうことが結局は、公社仕事進捗状況がうまくないとか、あるいはせっかくよくやっても、その中に問題が出されてくると、こう私は思うのであります。そこで、総裁は、三十四年度、三十五年度予算定員に対して、業務量増大に伴う定員増というものを幾ら御計画をされたのか、この点ひとつ御答弁いただきたい。
  18. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 第一次、第二次の五カ年計画で、工事量その他が非常に膨大になって参ったことは、御承知のとおりであります。したがいまして、これに対して、それぞれ要員の手配はもちろんいたしたのでございますが、これで十分かと仰せられますと、私ども決して十分とは申し上げかねると思いますが、しかし、なかなか、御承知のとおり、予算のうちでも、要員査定というものはきびしいのでありまして、これは、私のほうだけでなしに、おそらくその他政府全般にわたっての傾向だと思いますが、要求はいろいろいたしますけれども全般の上から、なかなか、要員査定がきびしいので、私どもの理想から申しますと、もちろん、定員が十分でない、こう申し上げるほかないと思いますが、しかし、われわれとしましては、その与えられた予算定員の範囲内において、できるだけ、全力を尽くして、遺漏のないようにしたい。ただ、どうしても手の足らぬところは、やむを得ませんから、民間の業者その他いろいろ利用いたしまして仕事を進めておると、こういう状況でございます。したがって、ときどきかような間違いも生ずるわけであります。まことに恐縮いたしている次第でございます。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 では、具体的に幾人ふやしたのですか、三十四年、五年。
  20. 井田勝造

    説明員井田勝造君) お答え申し上げます。  今手元にこまかい数字は用意しておりませんのですが、予算職員数は、三十四年が十八万四千、これに対しまして、三十五年度は十八万八千名と、四千名ふえております。三十六年度は十九万八千名であります。三十六年度におきましては、一万名ふえております。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 私は、このあとで他の委員からも御質問があると思いますから、特にこの面だけで私は終わるわけでありますが、少なくとも公社に希望する国民需要量というものは非常なものだと私は思うのですね。今日の第二次五カ年計画あるいは第三次五カ年計画公社が今まで考えておったよりはるかに多いのじゃないか、上回っているのじゃないか。現実に、私どもがどの地域へ行っても、いつも言われるのは、電話が引けなくて困る、何とか電話を早くしてくれ、こういう国民要望が多いのです。しかし、そのことが、なるほど、資金の問題やあるいは予算の問題ということで答弁をしてしまえば、それはそれだけだ。それだけじゃ、与えられたものをやっているというにすぎない。公社としての性格というものは私は失われると思う。いわゆる公社としては、積極的に国民要望に沿うような態度を作るべきだと思う。こういうことになるというと、今の工事量等を考えていけば、やはり定員というものをもっと実際にふやしていかなければ、先ほど会計検査院が言うところの、局舎設計あるいはその建設業務の一部、そういうものを部外に委託しなければならぬ。部外に委託をすると同時に、部内においても、合理化なんかによってむしろ職員をいじめている、こういうようなことが行なわれるのじゃないか。これが結局は、そういうたくさんの問題を持っておっても、内部監査も満足にできない、あるいはそういう仕事の上で十分な配慮ができない、こういうことになろうと思う。こういう点について、まず国民需要に対して、いわゆる公社としては、どういうふうにするつもりなのか、今までの第二次五カ年計画、それをこのままの形でやっていこうとするのか、私はそういう点の公社態度についてまず最初に聞いておきたい。  それからその次に、国民需要に対して、公社としてはどう改善措置をとるか、この点もあわせて総裁から御説明いただきたい。
  22. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 国民電話に対する需要が非常に熾烈でありまして、公社としての増設が伴わないということは、もう御指摘のとおりであります。私ども、そのために日夜苦慮いたしているのであります。何分にも戦前においては一般会計のもとにあったということも、一つの欠陥であったかもしれません。その後特別会計になって、もう少し積極的にやれるかまえになったときに、またちょうど戦時状態になりまして、思うように伸びなかった。その上に戦争によって電話電信の設備が非常に悪くなった、また壊滅の状態に近くなったということもありまして、戦後になって、これの復興に努力したにもかかわらず、思うように伸びない。そこで、御承知のとおり、昭和二十七年から初めて公社の体形に移って、新しい発足をしたわけでございます。そこで、公社になりましてから、第一次の五カ年計画をまず設定いたしまして、これによって、従来に比べますと非常に、当時としては画期的だと思われるような工事の拡張をみたのであります。五カ年間に百八万の新規の増設を行ないました。この百八万の増設ということは、電話事業が始まりました明治二十三年から昭和十八年——昭和十八年がちょうど終戦までの間に日本として一番たくさんの電話がついておった時代であります——これがほぼ百七万か八万でありました。約五十年かかってつけておったものを、公社になって、五カ年計画において、五カ年間につけたというような、当時としては相当大規模なものであったのであります。ところが、一般の需要はそれをさらに上回る状況でありましたので、それだけつけましても、申し込んでなおつかない電話のほうが、かえって積滞数がだんだん増加した、こういうことであります。したがって、第一次計画が過ぎまして、第二次計画というもの、五カ年間の計画ができ上がったと思うのであります。そのときは、第一次においては、平均一年に二十万ずつ新規の加入をつけたのであります。第二次計画においては、大体新規の需要がまず年々平均二十四万あるものと想定いたしまして、それに対して二十七万ずつつけたい。きわめて少数でありますが、まあ年々三万ずつ従来の積滞を滅していく、こういう計画で第二次計画が始められたわけであります。ところが、いよいよこれを実行してみますと、当時想定いたしました年々の新規需要の二十四万というものは、とても見込み違いでありまして、三十万、三十七、八万という年々の申し込みが増加して参りましたので、当時第二次拡充計画の途中でありましたけれども、このままこれを遂行することは申しわけないということで、あとの三カ年間の拡充計画改定をいたしまして、そのあとの三カ年間において年々平均四十三万ずつ新規のものをつけるという計画を立てました。改定の初年度は四十万、第二年度は四十三万、第三年度は四十六万というふうに、だんだん漸を追うて年々増していくという、よけいつけていくという計画のもとに始めたのであります。実行上においては実はさらにそれ以上の数字をつけたのでありまして、改定年度は四十一万、改定第二年度は五十万、第三年度は六十万というふうな計画で今日まで参っておるわけであります。しかしながら、その相当拡大したものに対しても、一般国民需要はさらにそれを上回っておりまして、それらの数をつけたにもかかわらず、いわゆる積滞数はだんだんふえていったようでございます。現在においては、約百万に近い申し込みの積滞のある状態でございます。そういうことでありますので、三十七年度、すなわち本年度が第二次拡充計画の最終の年でありまして、来年度以降さらに新しい計画を立てなければならない、こういう段階に現在参っております。  したがいまして、私どもは、来年度以降の計画に対しまして、大体電話の拡充について三つの目標を実は抱いておるわけであります。  第一の目標は、現在百万になんなんとする積滞をできるだけ早く解消し、申し込めばすぐつく電話にしなければならないということが一つであります。  第二は、市外通話が現在でも、いわゆる待時通話といいますか、なかなか即時通話にはできないのでありまして、申し込んで相当何時間かたたなければつながらないという場合が非常に多いのでありますから、電話の使命を達するためには、どうしてもこれは即時につながる、電話をかければすぐ相手方を呼び出す電話にしなければならないというのが、これが第二の目標であります。  第三は、現在はまだ、自動交換でなく、交換手を一々呼び出してつないでおるという状態が非常に多いのであります。これをできるだけ早く、自宅からダイヤルを回せばすぐ交換手の手を通さないで電話がつながるというふうにしなければならない。  この三つの目標をできるだけ早く実現しなければならないというのが私どもの目標であります。  しかしながら、これは一躍してすぐ右から左へやるということはなかなか困難でございますので、ただいまのところでは、来年度以降十年間にこれを大体達成したい、かような考えのもとに、第三次の五カ年計画におきましては、この五カ年間に新規増設五百万、これを一年に平均いたしますと百万ずつの加入電話増設したい、こういう目標のもとに、現在第三次拡充計画を策定いたしておる、かような状態でございます。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 総裁説明で、努力はわかりました。  そこで、今日の電話というのは、家庭の必需品でもあるし、特に官庁、会社等ではなくちゃならぬ手足のようなものです。したがって、そういうことで、一日も早く国民要望に沿うように努力してもらうことを大いに自信を持って進めてもらいたい。  そこで、その計画はわかりましたが、これは先ほどの決算の中でいろいろと指摘をされたような不正、不当事項というものを考えてくると、やはり何といっても公社自身の職員のいわゆる要員計画というものがなくちゃならぬ。そこで、三十八年度は、予算はもうあなたのほうでも提出しておると思うのでありますが、この計画についてどのくらいの予算定員をふやすつもりなのか、御説明いただきたい。
  24. 井田勝造

    説明員井田勝造君) お答え申し上げます。  約一万二千名増員を要求しております。
  25. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私も検査院のほうに御質問したいのですが、この第一の不当事項ですが、それから第二、第三の不当事項という問題ですが、第一も、第二も、今日まで三十五年度決算の何回となしに繰り返しておりますけれども連絡の不十分のためにこういう大きな間違いが起こった。それから第二の問題は、これまた事務連絡の不徹底のためにこういう事故が起こった。私は今日まで一日も欠席しないでこれに参加しておりますけれども、こういう不当事項の項目というのは、この電電公社の問題の監査結果だけじゃないかと思うのです。連絡不十分とか、あるいは事務の手落ちだとか、こういうのは今までになかったのではないか。そうすると、もしこういうことがあったとすれば、これは相澤委員も触れられたように、一体四・四%の検査ではいかぬ。これは何か従業員のあるいは手不足なのか、過度労働なのか、もっと手落ちがあるはずだということに気がつかなかったのかどうか、検査院のほうではその点考えなかったかどうか、この点ひとつお聞きしたい。
  26. 白木康進

    説明員白木康進君) 三十五年度指摘事項は、設計監督請負業者通信局あるいは通信局内部における事務連絡の不十分ということか結局原因になっておるわけでございますが、ほかの部局におきましても、機構が大きくなりますと、事務連絡がなかなかうまくいかないという事例はないわけではございませんが、公社の場合には、やはりこれは工事量、事務量の輻湊ということが私は原因ではないかと考えております。これに対しまして、私どもといたしましても検査が十分でないのは、もう御指摘のとおりでございますが、他の公社、官庁等に比べまして特に低いというわけでもございませんで、また先ほど相澤委員の御質問に対してお答えしましたように、まあ本体工事は相当適正に実施されておると、私ども検査の結果かように考えておりまして、比較的に手の行き届かない分野について私どもがいろいろな点で検査をして御注意申し上げる、こういう考えであることは先ほど申し上げましたが、この検査個所をどの程度ふやすかという問題は、これは検査個所の問題あるいは検査に取り上げる金額の程度の問題、それから私どもが実際に参りまして実地検査に参りましても、たとえばその通信局の全部について見るなんということはとうていできませんので、これは全然数字には出ませんが、どの程度にその局舎検査徹底するか、これは個人の能力差もございますが、それはなかなかむずかしい問題でございまして、まあ私どもとしては、金額の面、あるいは検査対象の面で、なるべく労を少なくして効果を上げるということに対して配慮はいたしております。
  27. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それで、私は前回もそういう御質問を申し上げたのですが、こうした問題か、一昨日の新聞にも、三十六年度はもっと増大するのではないか、こういうことすら指摘されておるのですね。したがって、まあそれに全然携わらない第三者が見て、こういう怠慢的な問題のために、あるいは内部に入れば、これが過重労働かもわかりません、どういうためにできておるかそれはわかりませんけれども、こういう注意をすればできるという、精神面で解決のつくような問題が二つも出た場合は、少なくとも私は、これはやはり検査をもっとふやしていくべきだ、そして徹底した注意をやるべきだと、こういうふうに——私としては、もし検査院のほうに人員が足らなければ、これは増員計画を出すべきだということを何回も繰り返しておりますが、こういう点にひとつ注意をしてもらいたいと私は考えます。  なお、公社のほうにお聞きしたいのですが、八十六万に達したという申し込みがあるようですが、一体この八十六万という数字は、何年前から申し込んでおるのが今日実施できないであるのか、申し込みが三年前なのか、四年前のも依然として着手しないで今日もあるのか、大体その最高年数の申し込みというのは何年ぐらいが最高なのか、それを一ぺん聞かしていただきたい。
  28. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) お答え申し上げます。大体二年前でございます。
  29. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 二年前ということですが、そういう施設に対して、その地域的に大体均衡をとった施設をやっておられるのか、それとも、都市を中心として大きなウエイトを置いてやっておるとか、そういう区別があるのかないのか、この点ひとつお伺いしておきたい。
  30. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) 公社といたしましては、地域的に均衡をとりましてやっておる方針でございます。
  31. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 これは総裁にお聞きしたいのですが、まあ最初の計画としては二十四万ぐらいの予定であったのが、今日は三十万あるいは三十四万もあるのではないか、こういう先ほどの御報告があったのですが、まあ現在は百万あるかもわからない、こういう意見も入っておりますが、一体ここに報告されておる八十六万は、三十六年度にはこれが減っておるのか、ふえて出るのか、それとも、三十八年度にはもっとこれが半減するというような方針を立てておられることを先ほど説明されたが、それは実際に可能なのかどうか、この点ひとつお聞きしたい。
  32. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 三十六万と申しますのは、先ほど申し上げました第二次五カ年計画改定——残り三カ年間分の改定をやったわけです。そのときの計画上の予想であった。ところが、現在は第二次五カ年計画の最後の年ですから、現在はほぼ実情がわかっているわけです。それから見ますと、積滞は六十九万をはるかにこえまして、先ほど申し上げました百万近い申し込みの積滞があるわけです。現在はそうです。しかし、これは、私どもが初めの予定の数をつけなかったのではなく、それ以上の数をつけて、なおこれだけの積滞がある、こういうことを申し上げた、こういうことです。
  33. 和泉覚

    ○和泉覚君 公社のほうにちょっとお尋ねしますが、今三百三十五と三百三十六、この二件からして——今まで話があったように、たくさんある中で一部の発見がこれだけあるわけですから、これも、ただ見つかったからあやまればいいんだと、厳重の注意をすれば済むんだと……。しかし、あとの見つからない部分がたくさんあるんではないか。いわゆるわずかの税金というかもしれませんけれども国民の側から見れば血税なんです。したがって、単なる厳重の注意ということであれば、世間でいえば、地下の埋め立てを浅くしたほうがもうかるんだという業者が一般におるわけです。はたしてほんとうに現場にある人間が長々しきにわたっておったのか、あるいはまたそういう人間がいわゆるそこに不正がほんとうにあったかなかったかという点は、十分お調べになってのことでしょうか。現在一万二千の人間を要求してみたところで、これもみな税金にかかることなんです。何ぼ大ぜい人間をふやしてみたところで、そのような……、われわれが物を作るにしても、みんな自分の金を出すならば、真心をこめて人にだまされないように一生懸命作るわけです。それが税金なるがゆえに、いわゆる官庁なるがゆえに、そういう自分の予算を使うんだ、自分の金を使うんだという頭の欠除であるとするならば、いくら大ぜい人間をふやしたところで、だめなんです。この点に対して、厳重注意という処分ではあまり軽過ぎると思うのですが、この点は十分注意されたか、ひとつお聞きしたいんです。
  34. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいま指摘事項について、何か不正でもあったんではないか、よく調べたかという御質問でございますが、その点につきまして詳細調べてみたんでございますが、これは決してそのような不正なことではございませんので、やはり連絡不十分によったものでございます。なお、その点につきまして、先ほど会計検査院からもお話がございましたとおり、土木工事でございまして、公社としましては割にふなれな事項でございましたので、さっそくこの工事が構造上相当悪い影響が及ぶかどうかということも調査いたしました結果、これでどうやらもつ、十分のものであるという結果になったわけでございまして、ことに配筋量の問題につきましては、いろいろ調査、検討しておる間に、つい余分の配筋のような設計になって、実際においてはそれより少なくて済んだということになっておるわけでございまして、この点につきましても、決して不正ではございませんので、ふなれと、それから事務連絡の不十分ということでございます。
  35. 和泉覚

    ○和泉覚君 ふなれと言いますけれども、しろうとならふなれということもあるんだけれども、その方面を担当しておる人なんだから当然……、われわれが普通の家を建てるにしても、設計変更をする場合には予算が当然伴うので、ふなれということでは私は聞き取れないような気がするんです。しろうとがふなれで自動車の事故を起こしたというのならわかるんだけれども、初めての仕事ではなくて、いつもそういう仕事を担当しておる人ならば、私はこれはふなれだとは言えないと思う。ふなれの人ならかえてもらわなければならぬし、こんなふなれな人間を一万二千も雇ったって、何にもならぬじゃないか。
  36. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 少し言葉が足りなかったんで、誤解を生じたのかもしれませんが、ここに書いてございますとおり、この二件とも、JISの指定のないものを使ったという点が一点、それが共通しておりまして、前のほうの三百三十五号は、さらにその中に含まれる鉄筋の量についてのどれがいいかという計算の問題であったのでございます。結局、結果においては妥当なものが行なわれたのでありますが、その間の設計においての事務連絡の不十分があったわけでございまして、この点につきましては御了承を得たいと思うわけでございます。  なお、電電公社におきましても、内部監査につきましては、できるだけこのような建設工事のほうに重点を置いて調査しようということで、この三十五年度も三十六年度も、建設工事が非常にふえておりますので、それに重点を置きまして及ばずながら、できるだけの内部監査に努めて参ったつもりでございます。
  37. 横川正市

    ○横川正市君 総裁、もう立たれるようですから、一つだけお答えいただいて、あとは次回までのときの資料で提出していただきたいと思うのでありますが、建設途上でありますし、今、他の委員が言ったように、需要が多くて要求に応ぜられないという時期でありますから、こういう点の計算ができたかどうかは、これはどうも即答をもらうのはどうかと思うのでありますけれども、一体、先国会で料金改定をして、これで第三次五カ年計画までの計画が立つという見通しの上で工事が進められるわけでありますが、一説には、単価七円というのは高くて、五円がいいじゃないか、五円でできるではないかという意見が、公社の中にもあるように私は聞いているわけなんです。  そこで私は、これは原価計算等をやって、何年くらいたてば、大体今の七円が五円になるのか——あるいは貨幣価値その他も変わってくるでありましょうから、高くなるかもわからないけれども、現在の価値判断でいけば、時間単位七円が五円に引き下げられるのか、その点の公社としての見通しが立っておられるのかどうか、この一点だけお答えいただきたい。
  38. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) ただいまのお尋ねは、料金の現在一通話の単価が七円と、これが高くはないかと、こういう御質問だと思います。これはまあ御承知のとおり以前は五円であったのでありますが、これが七円になりましたのは二十八年、公社になってから間もなくですが、二十八年の料金改定で値上げになったわけであります。その後は値上げをやらないで、今日までずっと来ているわけです。そのときの料金の改定は、五円の当時の料金では、一方において減価償却の価額が非常に低いので、どうも健全な事業の建設をやっていく上において足りないんだと、その点に充てるためが一つ。いま一つは、将来の建設改良の資金というものが、どうもだんだん不足している。拡充計画を大いにやらなきゃならぬのに、資金が不足している。そこで、値上げのうちの一部分は、将来の建設改良に充てようと、こういう趣旨で御了承を得て七円になったわけでございます。したがいまして、ただ現在の収支状況を卒然と見ますと、相当の剰余金が出ていることは、これも御承知のとおり。したがいまして、その剰余金を値下げのほうへ回したらどうかと、こういうことが考えられるのでありますが、それで料金値下げをするということになれば、建設の材料の資金源というものが減るわけでございまして、現在においてさえ十分建設ができないので、先ほどもお話し申し上げたような公社としては非常に困っておる状態で、この際、この料金を下げるということは、建設の幅をますます狭めなければ、これはとうてい現在の状態では、これを下げるわけには参らぬというようなことでございます。建設の資源にこの剰余金を充てるか、または値下げに充てるか、両者どれをとるべきかという政策の問題だと私は考えるのでありますが、この前の二十八年の値上げの趣旨によりまして、現在の建設改良計画というものが、もう少し進行した後でなければ、これを今直ちに下げるということはむずかしいのだと、私どもは、かように考えております。
  39. 横川正市

    ○横川正市君 私も、今すぐ値下げをしろということを言っているんじゃなくて、今のような資金回収の状況から言って、原価計算が成り立っていく状況の中では、どのくらいたてば、大体値下げの時期が妥当だとお考えになっているかということを聞いているわけであって、計算されておらないならば、されておらないでいいわけであります。私はどうも剰余金の関係からいけば、値下げの時期というのは案外早いのじゃないかというふうに考えるわけでありますけれども、どうですか、その点。
  40. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) まあ先ほども相澤委員に申し上げましたように、今後十年間に大体積滞を一掃して、ほぼ、まあ市外通話も即時にする。自動交換も、大体全国の電話を自動交換にする。いわば近代的の電話に十年後にはなる目標で今やっているのでございまするが、この目標が、はたしてその目的どおり達せられるかどうかということが、あまり大きな口はきけないのでありますけれども、一応私どもの考えでは、さようなわけでありまして、したがいまして、十年たってこのわれわれの目標が、そのとおりぴたっと達せられる暁には、そのときの将来の需要等を勘案しまして、あまり建設費によけい入れる必要はないという時期に達すれば下げていけるだろうと思います。現在の私ども計画の表では、ここ十年間は少なくとも値下げの時期ではない、かように考えているわけであります。
  41. 横川正市

    ○横川正市君 それじゃ総裁への質問はいいですから、どうぞ  それで、あとちょっと資料をほしいのでありますけれども、この電電公社の技術の進歩に伴って、労働力が逐次増加をしていっているわけでありますけれども、この適性の問題から逐次女子従業員が男子の従業員にかわっていくという傾向があるのじゃないかと思うのでございますが、それをひとつ最近の第二次五カ年計画の年次の概略でいいですから、女子が男子にかわっていった数の概計をひとつ資料で出していただきたいと思います。  それから第二番目は、私は今までは高級幹部の転任等で相当、まあ異動といえば高級幹部ないしはそれに類する準幹部ということになっておったのですが、この次は、作業をする実際の現場の人たちの職場の転換等が著しく出てくるのではないか。そういう計画に伴って職員の異動が、どの程度出てくるのか。これをひとつ、そろばんではじいていただきたいと思います。  それから三つ目は、それに伴って職員住宅の建築計画が、実際上どこまで需要を満たす計画が立たれているのか。これをひとつ、あわせて資料で出していただきたいと思います。  それからもう一点は、旅費規程の内容でありますけれども、一般業務上で出張する場合の旅費は、一般旅費規程がおそらく適用されて、部内におけるところの研修、工事その他の工務出張等については、何か特定旅費が設けられているようであります。それは実際上妥当か妥当でないかの検討の必要性がありますので、いわゆる一般旅費規程を適用している場合の仕事内容、それから特殊旅費を適用する場合の旅費規程の旅費の内容、これをひとつ個条的に説明をして出していただきたいと思うのでございます。いろいろまあ関係の中心は、私は多くの方々からは早く電話をつけろつけろと言われるので、非常に一生懸命やってもらうことは、これはいいのでありますけれども、それに伴って要員関係に無理がくるということは、これはまた一考しなければならぬ点だと思いますから、こういう点から、ぜひひとつ解決をしたい問題等がありますので、この点で、まあ資料で出してもらったほうがいいと思いますので、それを出していただいてから、ここでまた審議をしたいと思います、出されるかどうか、ちょっとお答えをいただきたい。
  42. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいま御要求がありました資料は、早急に排出いたしたいと思います。
  43. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 ちょっと関連して。私は、これも資料を出してもらいたいと思うのですが、できるかできないか、御質問したいのですが、現在申し込んでおる各都道府県の希望者、つまり東京で何ぼ、あるいは名古屋で何ぼ、大体、都市でもけっこうですから、県でもよろしい、その区別したのを、ひとつ資料を出してもらいたい。
  44. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 整理いたしまして提出いたします。
  45. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  46. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記を起こして。
  47. 相澤重明

    相澤重明君 それでは電電公社については、各資料が委員から要求がありましたので、それを委員のほうに出していただくことにして、私はきょうは、この程度で終わらしていただいて、緊急質問として通産次官に申し上げたいのでありますが、それは横浜市の保土ケ谷区における日本カーリット株式会社が爆発をして、そのために五名ほどの者が爆死をしたという事件であります。今日まで私は現在の池田総理大臣が通産大臣のときにも、京浜間の第二国道の火薬自動車衝突事故、あるいは横浜市金沢区における東洋化工の爆発事故等の緊急質問を本会議で行ないまして、これらの政府の施策を前進させるように御努力をいただいたのでありますが、やはり都市近郊における爆発物の扱いというものは、きわめて重要な社会問題なのであります。  そこで、この保土ケ谷における日本カーリットの爆発事故が、今突然伝えられたのでありますけれども、すでにこの会社は、前にも二回ほど事故を起こしている、爆発事故が起きておるわけであります。したがって、これらに対しては、これは政府の監督上の問題が重要なことになろうと思うのであります。いわゆる都市におけるところの工場のあり方、あるいは住宅地帯の作り方、こういう産業構造の中にも、重要な面がまず第一に考えられなければならぬ。いま一つは、工場を設置をしても、その工場が公害なり、こういう爆発の災害が起きないように、やはり行政上のいわゆる指導監督も行なわなければならぬし、これに対するところの法律的な立場で、前回私の申し上げたのは、火薬取り締り等のいわゆる法改正の問題について、政府に強く要望をしておいたわけであります。こういう点について、当時監督官は政府の中にもわずか三名しかいなかった、こういうようなことが池田総理から答弁をされたのでありますけれども、その後、もちろん政府自体並びに通産省としても、その対策は強化をされておると思うのでありますが、この火薬等の問題について、政府はどう考えているかという点を一点伺いたいわけであります。  それから時間の関係もありますので、続いてお尋ねをすることは、この爆発事故に対しては、緊急にひとつ調査をして、その結果を委員会報告をしていただきたい。それによって私は、今後の企業の再開等についても、もちろん中小企業については、政府も最大な努力をしなければならぬと思うのです。また再開をする場所等についても、今後影響があるかなんか、こういう点、ともにこれは考えなければならないわけのものだ、かように思うわけです。  さらに第三には、このいわゆる爆発事故によって、なくなられた人々に対するところの、いわゆる遺族に対する問題については、これは十分措置をしなければならぬ。なくなった方々にお悔みを申し上げると同時に、その遺族に対しては、十分なる補償をしてやるべきだと私は思うのであります。このことは前回の運輸省の審査のときにも、京浜港におけるタンカーのあの爆発事故でなくなった多くの犠牲者に対して、運輸省としても適切な措置関係の会社にとるように申し入れたということが、当時綾部運輸大臣から当委員会報告があったわけであります。したがって、これはもちろん企業のことでありますから、政府関係でないから、政府が直接というわけにはいきませんでしょうが、少なくとも行政指導上、そうしてまた、このいわゆるなくなった方々に対する遺族補償、こういうものについては、私は適切な助言というものは必要であろうと思うのであります。  以上の三点は、特に私は緊急質問として政務次官からお答えをいただきたい、かように思うのであります。
  48. 上林忠次

    説明員(上林忠次君) 相澤委員から保土ケ谷区の日本カーリット会社の爆発事件、こういうような突発事件がありましたということをただいま聞いたのでありますが、私まだ承知いたしていないのであります。これにつきましては、従来の東洋化工の例もありますし、また横浜の火薬会社の爆発の例もありますし、その当時、保安施設を相当強化するというような総理大臣のお話もありまして、着々進めておるはずの点でありますが、現状どうなっておるか、また補償なんかの問題は、どうなっておるかというような諸種の点につきまして、もちろん調査いたしますし、この被害者、災害をこうむりました人たちに対する補償の点を十分われわれのほうでも調査いたしまして、行政的な措置をとるように取り計らっていくつもりであります。まだ詳細——ほんとうにこちらで、ただいま初めて聞きましたような問題で、ただいまの点では、何も申し上げられません。先ほどの三点のお気持、現状の調査とそれから被害者の補償の問題、またこれに対する法的措置の問題、この問題に対しまして、万全の措置をとりたいと考えております。
  49. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、これは私はもちろん緊急質問ですから、今のは現時点における横浜市保土ケ谷区の日本カーリット株式会社の爆発に対する質問でありますけれども、このことは、全国における火薬等の製造あるいは輸送等について、やはり政府の監督行政上の十分な体制というものを作らなければ、やはり次から次へと起きていく可能性があるわけです。この点は私どもとしては、政府に十分、そういう点をひとつお含みいただきまして、そしてこの調査をすると同時に、他においても、そういう事故が起きないように、ひとつ万全の体制をとってもらいたい、これが私の特に緊急質問の要旨であります。この事故だけがおさまればいいということでなくて、次から次にくる、そういういわゆる工場と住宅街、あるいは工場のいわゆる内容等についても、そういう国民が心配をすることのないように、できるだけやはりそういうものをなくするように努力するのが政府の建前だと思う。したがって、早急に省内においても、これらの問題について、法の不備の点、あるいは監督行政上の、どうしたら強化されるのか、国民に安心ができるような態度というものを、やはりこの際早急に出すべきだ。これが京浜港のタンカーの問題については、当面いわゆる航行規制等の問題も含んで善処を政府はしておるわけであります。したがって、この爆発については、特に火薬関係というものは、工場と同時に輸送関係もありますから、こういう点についても、政府の善処を要望いたして、緊急質問を終わりたいと思うのでありますが、最後に次官の御答弁をいただきたい。
  50. 上林忠次

    説明員(上林忠次君) 先ほども申し上げましたように、現在どういうような施設で危険物の製造をやっておるかというような点を調査いたしますと同時に、近隣の住宅がどういうような措置を受けているか、どういうようなこれに対する保安措置を施しているかというような点につきましても、もちろん調査研究いたしまして、具体的にこの問題を処理していきたいと考えております。
  51. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 残余の審査は後日に譲り、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十二分散会