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国務大臣(
荒木萬壽夫君) 御
指摘のとおり、前からわかっておることでございます。そこで、従来の高等学校に対します
対策、小・中学校でも同様でございましたが、その年次に、たとえば三十七年なら三十七年の春入学するであろう生徒増、それに対しては三十七
年度の
予算で
措置するというのが従来のやり方でございました。ところが、今お話のとおり、ふえることがわかっておるのに、しかもそれが一挙に膨大な数が
増加するのに、今までどおりで、その年に入る者をその年
措置するということでは、実際問題としては、一年間青空教室たらざるを得ない、そういうことでは
対策にならないであろうということで、中学の生徒増に対応しまする第二年次であったわけでありますが、そのとき以来、この
対策は前向きにやろうということで、たとえば三十七
年度の春入ってくる者のためには、さかのぼって三十五
年度及び三十六
年度の二カ年がかりで前向き体制を整えようということにいたしたのであります。これは当然のことでありますが、従来は今申したとおりそうでなかった。そこで、二十八
年度を第一ピークとします高校生徒急増に対しましては、三十六
年度の
予算、これは
金額的には二十億見当で、たいしたことではございませんでしたけれ
ども、三十六
年度の
対策及び三十七
年度の
対策で三十八
年度に高校にピークとなって現われる生徒増を受けとめたい、こういう体制で今日まで進んできておるのであります。そこで、先刻も
政府委員から申し上げましたように、三十八、九、四十年がピークでございますから、その三年間に高等学校に収容せねばならない急激な
増加数というものは百二十三万人見当になるであろう、そういう見込みを立てまして、三十六
年度、七
年度に三十八
年度の
対策を講じ、三十七、八両
年度で九
年度というごとく、前向き姿勢で年次割りを予定いたしまして
対策を立てよう、こういうことになりまして、三十六
年度の二十億余の
予算プラス、三十七
年度予算では、国の
予算としましては、工業高等学校、商業高等学校等のいわゆる産業教育振興法に基づきます学校に対しましては、十三億円ばかりの国の
補助金を出すことによって対処する、一般普通高校に対しましては、すでに御
承知願っておると思いますが、できれば三分の一くらいの国庫補助で対処するほうがきちっと見きわめがついてよかろうという
建前でいきましたが、御案内のごとく、高等学校の設置
責任者は制度上都道府県ということになっておる、国が当然
責任を負うという制度下にはないということで、その考えは取り上げられませんで、本来の
建前に従って交付税、起債ワクの決定に基づく財源の裏づけを地方公共団体にいたしまして、それでもってこのピークに備えるというのが、三十七
年度予算を
中心とする
対策でございます。その
金額は、百五十四億円と予定をいたしておるのであります。五十億円の起債のワクと九十一億円の交付税でもって財源
措置を講じ、先刻触れました国の
補助金——産業教育振興法に基づく
施設に対しまする国の
補助金十三億、合わせまして百五十四億円あれば大体
施設設備はできるであろう、ただしそのほかに新設高等学校の敷地が要る、これにも資金が要る、これは閣議決定の計画に計数的には出しておりませんけれ
ども、百八十万坪くらいが要るであろう、それに対して財源
措置としましては四十億円見当が要るであろう、それは起債財源をやりくりしまして弾力的に
措置をしていこう、これが三十七
年度に応ずる態勢でございます。まあそれは先刻相澤さんが触れられましたように、進学率をどう見るか。あるいは鉄筋、鉄骨対木造のいわゆる構造比率をどういうふうに見るかというふうなことやら、あるいはある府県におきましては、三十八
年度に対処すべき財源
措置は、六、七、二カ
年度でいいわけですが、それよりさらに前向きに、まあ超前向き的に、三十九
年度に必要とする
施設も三十七
年度からやりたいということで、かなり意欲的な都道府県もあるものですから、そこら辺から、まあ百五十四億円じゃ足りないじゃないか、知事会の計算との相互比較においては、百六十億円と称し、あるいは二百数十億円の格差があるじゃないか、これを一体どうするんだというような問題として、今盛んに論議がありますけれ
ども、国の
立場におきましては、先刻
政府委員も申し上げましたとおり、基準的な進学率を押え、基準的な構造比率を基礎とし、あるいは建築単価にいたしましても、所によって高低はございましょうが、基準的な単価で押えるほかに手がないものですから、一応予想しましたそれらの基準に基づいて推算すれば約百五十四億円見当でいけるであろうと。そこで、今度は
現実の問題をとらえまして、自治省、大蔵省とも、あるいは知事会側とも密接に
連絡しながら、今の誤差があるというやつを、基準的な
立場からと知事側からの
現実に即した考え方とを数字的に今詰めておるわけであります。この詰める作業が済みますれば、その結果に基づきまして、三十七
年度対策として財源
措置をしましたことで、それで足りるのか足りないのか。足りないならば、それをどうするか。どうするかという方法は、いずれは
予算で御審議願う形において、起債のワクを拡大する必要があるかもしれませず、あるいは交付税にいたしましても改定する必要があるという課題が出てくる可能性はむろんございます。その数字は、詰めました後に善処することで、一定の公正な進学率は維持しながら、迷惑がかからぬようにいたしたいと、かように思っております。