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1962-08-29 第41回国会 参議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月二十九日(水曜日)    午後一時二十七分開会   —————————————   委員の異動  八月二十五日   辞任      補欠選任    林   塩君  小林 篤一君  八月二十七日   辞任      補欠選任    小柳  勇君  武内 五郎君  八月二十八日   辞任      補欠選任    小林 篤一君  林   塩君  八月二十九日   辞任      補欠選任    大和 与一君  小柳  勇君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木  壽君    理事            岡村文四郎君            仲原 善一君            相澤 重明君            大森 創造君    委員            鈴木 恭一君            田中 清一君            野知 浩之君            二木 謙吾君            谷村 貞治君            山本  杉君            小柳  勇君            横川 正市君            和泉  覚君            中尾 辰義君            高山 恒雄君            奥 むめお君            林   塩君            鈴木 市藏君   国務大臣    国 務 大 臣 志賀健次郎君   政府委員    防衛政務次官  生田 宏一君    調達庁長官   林  一夫君    調達庁労務部長 小里  玲君    大蔵省主計局法    規課長     上林 英男君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    防衛庁経理局長 上田 克郎君    防衛庁装備局航    空機課長    岡太  直君    防衛庁建設本部    副本部長    志賀 清二君    防衛庁調達実施    本部長     三原  桂君    郵政省電波管理    局次長     石川 忠夫君    建設省河川局治    水課長     金子 牧事君    会計検査院事務    総局第二局長  樺山 糾夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十五年度一般会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度特別会歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度国税収納金整理資金  受払計算書(第四十回国会内閣提  出) ○昭和三十五年度政府関係機関決算書  (第四十回国会内閣提出)   —————————————
  2. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより昭和三十五年度決算を議題とし、審査を進めます。本日は防衛庁の部でございます。  なお、防衛庁につきましては、去る八月二十二日に、防衛庁及び検査院説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに前回に引き続き質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 横川正市

    横川正市君 検査院の方にちょっとお聞きをいたします。  三十五年度の物品検査報告書物品増減及び現在額という資料でありますけれども、最初に大体この資料説明——検査のやり方といいますか、どういう方法検査をされて、そして概略数字は間違いのない数字だと思いますが、また価格評価等についてどういうふうにされてこの資料になったのか、説明いただきたい。
  4. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 物品管理につきましては、会計検査院できめております計算証明によりまして、いわゆる重要なる物品につきましては、その増減について証明をとっております。一般物品等については証明を省略しておる部分もございますが、そういった計算証明によって確認いたしますことと、それから累次抜き検査をいたしまして、各検査報告書につきまして、物品につきましても検査いたしております。そのような検査の結果、そのとおり政府から提出されました増減報告は間違いないということで、検査報告が出されているわけでございます。
  5. 横川正市

    横川正市君 防衛庁は、関係装備局長ですか、担当は。
  6. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 経理局でございます。
  7. 横川正市

    横川正市君 まず、今の会計検査院検査の結果について、担当経理局としては、この増減及び現在額の内容について間違いがあるかないかということよりか、適当であったかどうかという点についてどうお考えですか。
  8. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 検査院の御検査のとおりでございます。
  9. 横川正市

    横川正市君 検査院にちょっとお聞きいたしますが、たとえば物品検査のときの価格計算書というのですか、そういったものに現物を照合して、その累積されたものの結果がこういう数字になったという、こういうことだろうと思うのでありますが、その場合に、たとえば在庫されているもので、使用可能とか使用可能でないとかいら判断については、これはどういうふうにして判断をされるわけでしょう。たとえば、原形のもので、形をなしていれば使用可能と見たのでございますか。それとも、実際に日常訓練演習等に使われておるんでありまして、その中で事実上使われている、現在稼働している武器としてそれを数量の中にあげたのか、どちらですか。
  10. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 物品廃棄いたします場合には、物品管理法規定によりまして、物品管理官認定をするわけでございます。その認定が正しいかどらかという点につきましては、われわれも検査をいたしております。今御質問のありました点は、物品増減計算書に載せられた物品が妥当かどらかということでございますが、それは物品管理官廃棄しておらない物品が載りているわけでありまして、一応その姿において使用可能なものと考えております。
  11. 横川正市

    横川正市君 今度十三個師団に編成になったのですが、それは勢力としては、冬管区制でもって配属しておったときと、その兵員、それから武器その他の状況というのは、あまり変わっておらないのですが、私どもは、非常に、こういう増減表を見て、まず第一に疑問を持つのは、あなたのほらの能力がこの全地域に散在している物品増減というものを独自の形で検査することができるのかどらか、この点でひとつ疑問を持つわけです。  それから第二の疑問は、これは私ども現地視察をいたしますと、たとえば弾薬の野積み状態があったり、それから格納庫のない兵器器材が雨ざらしになっておったり、そういったことについては、事実上要請としては、早く格納庫を作るように、あるいは兵器器材のことについてずいぶん現地からは上局相当強い意思が動いていることは、そのつど原隊責任者から聞くわけでありますけれども、第二の疑問点というのは、そういう野積みとか野ざらしにされておる状態で、兵器としての能力を発揮するように常時装備を点検してあるものが検査対象になるのか、今言いましたように、ただ原形をとどめておれば、それは武器として、兵器として、あるいは物品として検査対象になるのか。すなわち、あなたのほうの物品管理法というのは、私はそこまでこまかく書いておらない、おそらく抽象的なものではないかと思うのでありますけれども原隊に照合してみて、どういう検査をされるのか、この点をひとつお聞きしたい。  第三番目は、おそらく、検査の結果、物品保存兵器の保護その他を見て、適切なあなたのほうで指示があるのじゃないかと思いますけれども、それをやっているか、やっておらないか、この三つに分けてお答えいただきたい。
  12. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) まず、物品検査でございますが、保管状況が妥当であるかどうかということにつきましては、実際現地に臨みまして検査をしないとわからないわけでございます。この前御説明申し上げましたように、昨年度実地検査施行いたしました検査個所数は、全国の約三一%の実地検査をいたしております。この実地検査施行した範囲内におきましては、われわれはただいまおっしゃったような保管が妥当であるかどうかという点について検査をいたしております。なお、ただ人員とか時間の関係で、一〇〇%見たかとおっしゃられれば、そこまではいたしておりません。少なくとも、検査に行った個所物品については、歳入歳出と同じように検査をいたしているわけであります。  それから、検査の結果どういう問題があったかという御質問でございますが、こまかい点で、手続とか、そういうような面で注意いたした面は相当ございます。事務総長名注意いたしましたものは、防衛庁技術研究本部におきまして、物品整理が悪いという点について、注意書を出しております。その一件でございます。
  13. 横川正市

    横川正市君 これは相当強い指示をあなたのほうでする権限を持っているわけですね。同時に、この物品というのは、実は普通の役所で使用されている物品と違うわけですから、私はこれは希望として、検査院物品増減、現在額というのを調査するには、もっと適合された調査方法というものを考えてもらわないと、最後に言ったように、物品保存その他格納する設備も何もない状態に放任されておって、事が起こったときに用に立つかどうかわからない状態で、現物の形をなしておれば、それを一つの使用できる物品として数量の中にあげるということになると、検査の結果というものが、それをやってもらっても、実際上少しも益にならないのではないかと思うのです。だから、こういう格好検査書を見ると、実はもう苦労されてあなたのほうはやったんだろうと思うのですけれども、しかし、個所だって三一%程度ということになれば、あとの六九%というのはどうなるのだろうということになるわけで、もう少し的確な検査方法というものを考えてもらいたい。私は、やはり検査院専門家という形の者を置いて、そして不備その他については強い指示を出すべきだと思う。そういう建前で、しかも事物品に関する限り制限なしに、たとえば年度別ということでなしに、常時そういった格好のものがやれるような体制があっていいじゃないか。そこまで言えば、あなたのほうは、人員とか制度の問題にもかかってくるだろうと思いますけれども、この問題に会計検査院が手を入れるということについて、この入れ方では私はだめだと思うのですけれども、この点はひとつ研究課題として検討していただきたい。  そこで、防衛庁にお聞きいたしますけれども、ここにずっと各項目ごとにあげられておりますけれども、これらの種目の、物品としての取り扱いをするものと、それからおそらく廃棄処分  消耗品ではないでしょうが、廃棄をして、そうして数から落としていく場合と、これはどういう手続をやってやるわけですか。たとえば具体的に言いますと、特車がある。特車部隊で二十両とか三十両配属されておった。そのうちに、富士重工なら富士重工に持っていったら、三両のうちから部分品を取って二両にしたとか、一両にしたとかいう場合の、あとに残ったもの、くず鉄ということで廃棄処分にするんじゃないかと思うのですが、そういう取り扱いはどういうふうになるのか。
  14. 上田克郎

    説明員上田克郎君) まだ新米でございまして、答弁がおくれまして、たいへん申し訳ありません。今のような場合には、その二両だけが使えて、あと一両はくず鉄のようなものにしなければならないような事態になりましたら、防衛庁長官から総理大臣に上申いたしまして、その御許可を受けて廃棄処分にすると承知しております。
  15. 横川正市

    横川正市君 廃棄にされた場合、こまかい話になりますが、でっかいものですから、くず鉄——鉄価格で払い下げするんですか。
  16. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 適正な評価を当方でいたしまして、競争入札で払い下げをいたしておる次第でございます。
  17. 横川正市

    横川正市君 その払下げをする場合、競争入札は、指名ですか、それともきめられた業者ですか。
  18. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 指名競争入札が多いようでございます。
  19. 横川正市

    横川正市君 これは往々にして、私は、こういうものは、消耗品ということになると、無価値なものということで取り扱われる傾向があるんじゃないかと思うのです。無価値なものじゃないという取り扱いをしていただきたいと思うのです。  それから、先般ちょっとお尋ねをいたしましたが、調達庁関係の方見えておりますか……。まず具体的な例で言いますと、たとえば、百里とか新島等相当激しい基地問題が起こって、なかなか調達事務がスムーズにいかない。そういった場合に、現地関係市町村ないしは私有物の有権者との間に調達庁はそれぞれ折衝するわけですが、そのときに、相手側の要求に従ってある程度の賠償をしながら事務を遂行していくわけですね。ところが、現地で非常に抵抗の強いところはある程度価格が高くなり、それから抵抗の薄いところは通常価格でもって買収できる。これはまあ通例だと思うのです。しかし、それの価格があまりにも高い低いがあるということも、私は不当だと思うのですけれども、その場合、たとえば村道建設してやる、港湾建設をする、ないしはまた何らかの施設設備提供する等々の、買収とは全然関係のない問題を一つ条件として提示をする、こういう場合があるわけですけれども、これは一体どこの款項目から金を出すわけですか。
  20. 上田克郎

    説明員上田克郎君) ただいま御指摘になりました基地の問題は、どちらかと申しますと、防衛本庁関係が多いので、私のほうから答弁させていただきます。今のような工事を、道路を作るというようなこと、たとえばある演習をやったり試射をやったりします場合に必要だというような場合には、わがほうは工事能力を御承知のように持っておりますので、その工事能力で、その地方からの、市町村からの依頼によりまして、工事をするという場合があるわけでございます。それは、わがほうでそういった土木関係工事能力を持っておりますので、その仕事としてやることになっております。
  21. 横川正市

    横川正市君 これはよしあしは——基地賛成反対で私は質問するわけじゃないので、予算の使い方で質問をするわけですが、まず第一に、自衛隊施設隊の持っている能力村道工事労力提供をやる、こういう問題を一つとってみましても、その場合には、施設隊を事実上使う場合の取りきめというものがあるわけですね、市町村長施設隊との間で取りかわしをする。たとえばセメントの提供はどうだとか、それから土地提供についてはどうするとか、いろいろな取りきめをする。その取りきめの結果、工事に着工するということになるわけです。その場合、問題なのは、当然村が提出すべき原価計算をした原料とか、それから土地のいわゆる購入であるとか、そういった場合に、普通の取りきめならば、これは割合でもって、たしか施設隊支弁すべきものと市町村が当然支払うべきものとが折半されてこういくわけです。それが普通の請負なんですね。ところが、この基地拡張の場合は、一切そういったものは抜きにして、施設隊原料からその他全部持ってやるわけですね。実際上、道路を作ったり、港湾を作ったり、その金は一体どこから出るかということを聞いているわけです。普通の取りきめからは、これは出ない。それから演習費から出すわけはないですが、それから防衛庁にそういう金があるわけはないけれども、たまたま問題が大きくなると、普通一里つければいいものを、三里つけなければならぬことになる。二里  昔の一里で四キロ、八キロの分をだれが支弁するかといえば、防衛庁支弁してつけている。その場合の金はどこから出すかということを聞いている。
  22. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 先ほど申し上げました村あるいは町からの委託工事でございますと、全体の工事費と申しますか、普通の工事でございますと十かかるところが、三ぐらいの工事費でできるというようなことがあるようでございます。その場合に、その経費は一応委託したほうから払っていただく。しかし、その委託したほうからいいますと、三分の二あるいは四分の三ぐらいの、普通のあれよりも節約ができるということになっております。それから、現実に、たとえば、委託じゃなくて、自分自身でそういう道を作らなければならぬというような場合なんかには、施設整備費という項目がございまして、そこから必要な経費が出るということでございます。そういうことになっているように承知しております。
  23. 横川正市

    横川正市君 ちょっと関係の人に、施設整備費の使用については、これは自衛隊日常訓練とか、あるいは防衛庁自体日常業務に使う費用で、そういう賠償的な、あるいは条件を満たすという意味での金に使っていいという何か取りきめか、そういう規定になっているのですか。私その条文をちょっと見てないので、わかりませんが——。
  24. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 本来防衛庁自身の、たとえば隊舎を建てるとかいうために土木工事が必要だというような場合と、それから委託された場合と、違うと思いますが、訓練の必要でやっているという部分につきましては、その施設整備費じゃなくて、普通の演習をやったりなんかする場合と同じでございますが、自分能力自分施設隊でやります場合には、もちろん支払いいたしませんが、隊舎などを建てます場合に、ほかのところに注文する、ほかの土木業者に一部分を注文するという、そういう場合に施設整備費から出す、そういうことでございます。
  25. 横川正市

    横川正市君 私は、ある程度のもので支弁をされておる分については、おそらくその施設整備費でもって出されているだろうと思っていたのです。ところが、基地その他の拡張に必要な条件として工事を行なう場合の道路とか港湾等のものについては、私はこれは支弁内容についてもう少し明確な答弁をいただけるように検討していただきたい。そうでないと、これは支弁内容できわめていろいろ疑問に思われることは、どこからそういう金が出てくるのかなと思う点が多々あるものですから、そういった点を検討して、またのときにひとつ御答弁をいただきたい。  それからもう一つは、これは実際上、自衛隊市町村その他の用に供する場合、民間企業者の圧迫にならないかということは、ずいぶん心配をして、注意をされているようであります。しかし、地方市町村では、予算もないことだからというので、非常に期待をしている面があると思うのです。そういう市町村からいろいろ要請をされた場合、これは工事能力で取捨選択するのか、それとも緊急度合いでやるのか、いずれをとって出動されるのか、実際上自衛隊は。
  26. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 最近、先ほど申し上げましたように、普通頼めば十かかるところを二か三ぐらいで仕事ができると、市町村の負担は二で済む、あるいは三で済むというようなことでございますので、市町村としては、できるだけ、特に貧乏な市町村のほうなどは、できるだけ節約する意味で、部隊施行をたよられる向きがあります。しかし、われわれのほうは、施行能力に限度がございますので、一応言ってこられたものを全部やるわけになかなか能力がないわけでございます。それで、できるだけ公共性のあるものを優先的にやる。しかし、部隊能力が、たとえばその地域ではたまたまそこはあいているというような場合には、そこが早くなるということはあろうかと思いますが、大体において、その能力公共性とを見まして、両方のかね合いでやっていると、そういう格好になっております。
  27. 横川正市

    横川正市君 これは、工事として行動した場合、お聞きしたいのは、実は演習費として出される部面、これは仕事をやらせて下さい、施設隊としての訓練のためにもなりますということで、仕事を請け負わせる部面が何パーセントかあり、それからもう一つは、地方財政状態も勘案して、その点でお助けをするという場合もある。この場合、公共性のうんと強い性格のものが優先順位になる、こういうことでありますが、演習性格だからこれだけは支弁をしてもいいんだという、いわゆる自衛隊支弁ワクはいつの場合でもパーセンテージは同じですか、それとも請け負う工事によって違いますか。
  28. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 部隊出動させますのは、もちろん、ただ能力があるから出動させるのではございませんので、演習になるというようなものだけに先ほど言ったような受託工事をやるわけでございまして、演習受託とがちょうど一致するという場合にやるわけでございます。決してただでやっているわけではございませんので、やはり普通の市価の四分の一か三分の一なりのお金はいただいてやっているわけでございます。その場合に、一応の基準がございまして、別に、ある場合には基準を下げるとか、上げるとか、そういうようなことはないように承知しております。
  29. 横川正市

    横川正市君 次に、災害とか緊急事態での出動でありますが、これは経費としては全額自衛隊で負担するわけですね。
  30. 上田克郎

    説明員上田克郎君) さようでございます。
  31. 横川正市

    横川正市君 たとえば、個人会社事故その他が起こった、特別な施設のものでなければそれを救済することができない、そこで普通民間に請け負うものがないから自衛隊に頼むという場合も、これは災害その他あった場合には、全額自衛隊で持ちますか。
  32. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 災害出動命令が公式に出ますと、個人であろうと何であろうと、出動命令をされたところに無償で参ります。
  33. 横川正市

    横川正市君 これは災害だから、まあ災害というのは、天然自然のことで起こる場合もありますし、自動車事故のように不注意で起こることもありますし、いろいろあるわけですね。そこで、公の災害なのか、それとも個々の災害なのかという判断はしないのですか、その場合。
  34. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 府県知事要請があって初めて災害出動いたすのが原則でございます。
  35. 横川正市

    横川正市君 具体的な例を申しますと、土砂くずれがあった。土砂くずれ自体は、これは天然の災害。そこで、今度は都道府県の知事トラクターを持っている民間会社撤去方を請け負わせた。そこまでは大体いいわけですがね。その次に、そのトラクターが不幸にして谷間に落ちてしまった。上げる能力自衛隊クレーンしかない。そこで、トラクターは、おそらく知事要請したわけじゃないでしょうが、会社としてはクレーンで引き上げてもらうために自衛隊要請した。自衛隊出動した。そこで、それは相当大型のクレーンを動かし、隊員を動かし、相当長時間かかり、器材も持っていくわけですから、相当費用がかかるという場合、これはやはり関連性あることだからといって、経費は全部自衛隊支弁しますか。
  36. 上田克郎

    説明員上田克郎君) その場合も、そのトラクターをおっことした会社から要請があっても、もちろん参りませんが、府県知事が、自衛隊クレーンしか上げられないと、それから府県知事から要請があり、まして、ぜひ出動させてほしいということがございましたら、一応防衛庁長官判断いたしまして、それをやるかやらないかきめることになると思います。
  37. 横川正市

    横川正市君 これは愛される自衛隊になるために何でも請け負いますということじゃないかと思うのですがね。私はそれをやってもらって悪いということじゃないですよ。しかし、相当大がかりなものがあるはずですね、実際工事には。その場合に、普通市町村の請け負いについては三〇%程度のものは出させるという規定もあることですし、それは当然だと思うのですが、そういう場合に、無料でいくということがいいには違いないのだけれども、一体その費用演習費として出すのは適当かどうかというのはあるんじゃないかと思うのですよ。これはひとつ、検討してもらいたいと思います。ここでどうかということは言いませんけれども、もちろん災害その他では、私ども施設隊をできるだけ能力あるものにして、そして現在は自衛隊が一番その能力を持っているわけですから、緊急にその災害防除措置をするということは必要だと思うのです。ですから、そういったことにいささかも支障のないように私は配意はしているつもりですから、そういった場合どういうことになるかは検討していただきたいと思います。  それからもう一つは、普通設備費の中にワクとしてどのくらい年間とっているわけですか。これは、不慮のできごとというのは、通常その年、その年によって違うわけですけれども、大体このくらいということになるでしょう。そのワクがどのくらいで、もしそのワクをオーバーした場合には一体どこから支出するのか、それをちょっとお聞きしたい。
  38. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 先ほど申しましたように、県知事さんからの要請のあります災害派遣費につきましては、別にワクというほどのものはとってございません。訓練費を回して災害の緊急に応じる、そういう形になっております。
  39. 横川正市

    横川正市君 これは別途あとでその訓練費は補正するわけですか、そのままなくなったらなくなったままにするのですか。
  40. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 訓練費は別に補正いたしません。予算をいただきました中でやりくりするわけでございます。
  41. 横川正市

    横川正市君 これは、私は一生懸命訓練してもらいたいということで言うわけじゃないのですけれども相当大きな災害のときには、相当大きな予算を使かうわけですね。そうすると、日常訓練費というのはそれだけ食うことになるわけですね、そのように理解してよろしいですか。
  42. 上田克郎

    説明員上田克郎君) ちょっと理屈っぽくなりますけれども災害派遣に行っております間は、訓練期間というものはそれだけ減るということを言っておりますが、そういうような格好で、災害に行きましたために、別の訓練が大体できなくなるということはあろうと思いますが、特別に災害派遣のために経費ワクを組むとか、あるいはワクがないから災害派遣に行かないということはいたしていないのであります。
  43. 横川正市

    横川正市君 これは直接経理局長には関係がないかもわかりませんけれども、これは普通そういう出動のときの責任というのは、命令をもらって出て行く、そのときの一番上の者といいますか、それが全責任を持って状況判断その他は全部やるように、いわば相当幅広い権限を持って出かけて行く、こういうことになりますか。
  44. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 災害程度にもよると思いますが、通常災害でございますと、府県知事からの要請で、その地方の総監というのがおられますから、その総監の方から命令を受けて部隊が出ている、そういうことになっております。したがって、総監の御意思で必要な措置をとるという形になっておるように承知いたしております。
  45. 横川正市

    横川正市君 そうすると、せっかく出動したけれども、被害の程度の認識の相違から、その現場の責任者判断で適切な——少ない場合も、多い場合もあると思いますけれども、そういう処置ができなくて幾らかおくれるということもあり得るわけですね、具体的には。
  46. 上田克郎

    説明員上田克郎君) まあ場合によりましょうけれども、あり得るかもしれません。
  47. 横川正市

    横川正市君 私は、これは具体的にどこへ何を使っているかという使用の問題とは別に、施設隊出動その他についていろいろと問題の点がありはしないかと思いますので、この点は、単に市町村長と契約をして、公的な事業に対して施設隊出動するという場合、それから災害に対して出る場合については、予算の面では少し検討をしていただいて、また別の機会に御質問いたして、答弁いただきたいと思います。一応質問を終わります。
  48. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 検査院のほうに御質問申します。検査報告を見ますと、第五節に「不当事項および是正事項」ということで、検査された結果がありますが、相当多い件数を調査されたので、相当努力も要ったと思いますが、三百三十八件の中で、しかもこの批難金額と申しますか、これが八億もある、こういうことの結果が出ておるわけです。その中の総理府としての工事の件で四件、補助金で一件、不正が一件、その他二件と、八件ということになっております。私は、この八件の中の不正と不当、こういう区分をしておられるわけですが、一体私たちが見ると、世間から見ればすべて不正だ、公金をこういうだらしない使い方をするということは不正だ−不当と不正の区分をどういうふうにしてつけておられるのか、このことをひとつ聞きたい。
  49. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 表題の不正行為、不当行為は、われわれ検査院一つの熟語と申しますか、そういう意味で使っておりますが、ただいまの先生のお話、ごもっともな点でございますが、大体犯罪につきまして、われわれは不正行為という表題をつけております。これはまだ犯罪が、起訴されたとか、そういう段階で確定しておりませんので、そういう意味で犯罪行為とすることができませんので、これをかりに不正行為という表題で掲示をしているわけでございます。その他のものを不当行為と、不当事項という表現を使っておりますが、犯罪に該当する不正行為と分ける意味で使っているのでございまして、特におっしゃる意味は私どもよくわかりますが、そういう意味で使っているのでございます。
  50. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 今のお話によりますと、不正ではあるけれども、裁判その他等によって起訴しているものを中心として不正と言っている、あとは不正ではあるけれども、不当だという名前をつけているにすぎないのだ、こういう見解でいいわけですね。その点はわかりました。  次にお願いしたいのは、これは防衛庁のほうにお願いしたいのですが、いろんな不正が出ておる事実から見て、一体、たとえば増設をする、あるいは修理をするということもありましょうが、そういう増設なんかをする場合には、建設省を通じてやるのか、それとも防衛庁単独でやる場合がほとんどなのか、防衛庁建設本部でいろんな設計その他もやるのか、こういう点をひとつお聞きしたい。
  51. 志賀清二

    説明員志賀清二君) 大体、防衛庁の所要の施設につきましては、防衛庁建設本部で単独でやっております。ただ、一部宿舎のほうにつきましては、建設省のほうでやっておる部分がございます。
  52. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうしますと、建築等による問題はすべて建設省のほうの、いわゆる何といいますか、規格、基準といいますか、そういうものの承認を得てやり、一般防衛庁として必要なものはほとんど防衛庁が企画もその他もやるのだ、こういう見解に立ってもいいのかどうかですね。
  53. 志賀清二

    説明員志賀清二君) いろいろ建築物につきましては法律で制限されている面がございまして、その面につきましては、やはり同じように、従うようになっております。ただ、設計とか工事の実施とかいうことは、われわれのほうでやっております。
  54. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうすると、ここに出ております一件は、先ほどおっしゃったように、不正と、こういう見方をしてもいいと思いますが、この不正という中には、かなりの企画ですね、いわゆる計画をどういうふうに立てるかという企画が入ると思うのですが、これは不正としては、全部防衛庁がやったものだけがここに七件として不当な処置が出ているのだと、こういう見方をしていいのですか。
  55. 志賀清二

    説明員志賀清二君) 工事のほうにつきましては、ここにあります八件のうち、一応四件ということになっております。それについては、防衛庁の三十五年度にやった工事について、一応批難されておるわけであります。
  56. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうすると、防衛庁がそういう計画をした場合の最終的な決定は、防衛庁長官が判をつくのか、つかぬのか。
  57. 志賀清二

    説明員志賀清二君) 設計の具体的な作成につきましては、われわれのほうで、技術陣で作成をいたしまして、防衛庁の本庁にお伺いをいたしまして、その承認を得て実施をいたしております。
  58. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうすると、このまあ不当の中に、ハイドロポンプ八十一個が修理をすれば可能であるというやつがある。しかも、防衛庁には交換品がある。この交換品があるにもかかわらず、三百七十万円に該当するものを請負に出しておる。こういうことが防衛庁長官にわからぬのかどうかということですね。どういうところから出ておるのか、この過程です。それをお伺いいたしたい。
  59. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 今のハイドロポンプその他の、八項に指摘されておりますハイドロポンプの修理を、自分のところにあるにもかかわらずよそに外注したのはおかしいじゃないかという御指摘でもりますが、これは会計検査院から御指摘になりましたとおりでありまして、実は本来ならば自分の持っております中から充当しておいて、それでそれがたとえ翌年度のための備品であったといたしましても、あとでそこに補充すればいいではないかという御議論、きわめてもっともでございます。当時者といたしましては、ちょうどその時期に新しいそういった物品管理方法、体制というものに移り変わろうとしていた時期でありまして、翌年度分は翌年度分というような考え方で、融通がきかなかった。もっと頭を働かして弾力的にやればよかったという、御指摘のとおりだと、さように考えておりまして、当事者にしてみれば、ちょうど外注に出す値段も、それから補給処からもらう、値段も同じであるということから、まあ緊急性もありましたせいか、外注に出したということになっております。ただ、結論的に申しますと、そこにもう少し頭を働かして弾力的に運営すべきではなかったか、その点は御指摘のとおりだったと思います。
  60. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私はそういうことが聞きたいのではないのです。これは不当だから不当として検査院のほうで出ているので、そこに行くまでの過程に、何人でつまり計画を検討されて、何人の方が捺印をして、これなら大丈夫だ、こういう過程がどういうふうになっているのか。それで、たとえば五カ所を通っても、五カ所の五人の人がだれも、自分のところに八十一個のハイドロポンプがあるにもかかわらず、気がつかなかったのかどうか、それは怠慢なのか、これが聞きたいのです。
  61. 上田克郎

    説明員上田克郎君) まっすぐのお答えになるかどうかわかりませんが、担当者としては、八十一個在庫があるということを知りながら、自分はそれは翌年度に使うべきものだというような観念で、それを使わないで外注した、そういう事情であるようであります。先ほども申し上げましたように、決してそういうことはいいことではありません。今後注意いたしたいと思います。
  62. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それは、回答はほんとうではないのだが、私はそれは、該当者といいますか、八十一個のポンプがあるというのを知っているのは、その担任者だけであると思う。その担任者だけの判断でめくら判を押しているのか。在庫品というものは、何人かの人が知っておらなければいけないと思う。たとえば、防衛庁施設部なら施設部のね。いや三十六年度のものがあるじゃないか、三十六年度のあれを使っておけ、その人の判断で、三十六年度のひとつの予備費にしないで、あれをまず使ったらいいじゃないか、請負のそういう高い三百七十万円もやらないでもいいと、こういう注意をする過程の判を押す人は何人おるのかということを私は聞きたい。
  63. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 御指摘の点につきまして、ただいますぐお答えできませんので、あとで調査してお答えさせていただきたいと思います。
  64. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それはそれでいいといたしまして、防衛長官に質問したいのですが、この種の不正はだいぶ三十年から以降減ってはおるようですけれども、昨年の比率から見ると、今年はまたふえているようですね。昨年はわずかで済んでいるようですが、今年はふえておるのです。昨年は三件、ことしは八件ですね。しかも、金額にして約二千万円ほど相違があります。それで、こういうふうにそういう不正不当が増大しつつある現状を、一体防衛長官はどういうふうに今後やろうとしておられるのか、御回答をいただきたい。
  65. 生田宏一

    政府委員(生田宏一君) 政府の各省が不当あるいは不正の行ないをいたし、多額の国損を招いておりますことは、全く遺憾でございます。また、政府担当者といたしましても、国民に対して申しわけない次第でございます。綱紀を厳粛にいたしまして、これを絶無にしたい、そのように努力をいたすつもりでございます。
  66. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 まあそういうふうにおっしゃれば、それで事は済むようになるけれども、私は、私の意見として申し上げますならば、こういう不正不当がまたふえつつあるという傾向から考えてみて、これはやはりゆゆしき問題だ。今日本全体の状態を見ても、各民間全業においては、労使において、こういう不正に対しては、双方がある程度の規制を加えております。そういう民間では正しいあり方をしていこうというのにもかかわらず、政府自体が、こうした不正が、あるいは不当な処置を行なわれておるということを、僕は国民の立場から、これはゆゆしき問題だと考えるのです。したがって、こういう点については、もっと防衛庁としても、私は国民にこたえる処置を今後とってもらいたいという、これは私の希望意見を申し上げておきたいと思います。  なお、もう一つ申し上げたいのは、この八件から起こっておる問題を、私が概算してみますと、調査報告では二千八百万円という数字が出ておりますけれども、これはやっぱり全部不当と見れば、三千四百万円ほどになるわけです。そうすると、この三千四百万円ほどの不正というものを、私は国民の税金にちょっと頭を傾けてみたいのですが、大体一万五千円までは無税ですから、これは税金がかからないでしょうけれども、一万五千円以上から二万三千円程度以下の大体三百五十円平均の者の税金、一体十万人というものの税金がここに消えておる、約十万人の税金が。防衛庁に十七万人おって、そのうちの二割が欠員だとおっしゃった。そうすると、あとに残ります税金をかけておるいわゆる自衛隊隊員の中の税金というものは、ほとんどかけておる税金はこうした不正不当の処置によって流れておるという事実を、私は少なくとも防衛長官はひとつ考えてもらいたい。そのことを防衛庁として隊員に報告したら、私は税金を納めないと思うのです。十七万人  十五万人おるうちの十万人が税金該当者で、その税金はほとんどこうした不正不当によって消費されておるということを隊員が知った場合には、これはいかに防衛庁が手を招いても、ついてくるものがないと思うのです。こういう問題こそ重要な問題であって、今後の事後処置について私はひとつ真剣な取り組み方をやっていただきたい。これは私の希望意見であります。どうかひとつよろしくお願いしたい。終わります。
  67. 大森創造

    ○大森創造君 前回調達庁長官その他の方々にお伺いしましたが、まだ私よくわかりませんので、あらためてお伺いいたします。  まず第一の問題は、群馬県の太田小泉飛行場、これを移転するというお話でございますが、どの程度までお話は進んでいるのか、どういう段階に現在ございますか。
  68. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 御承知のように、現在群馬県の太田小泉のパラシュートの訓練場でございますけれども、この返還に伴って、代替地の候補地を調査して参ってきているわけであります。その結果、現在のところでは、この前御指摘になりました渡良瀬遊水池付近が適当であろうということになっているのであります。まだ渡良瀬遊水池の中のどの辺に持っていくかというようなことは、最終的には決定いたしておりません。この問題につきましては、この場所につきましては、治水計画との関係もございまして、現在関係省と協議中でございまして、そういうような段階でございまして、まだこの渡良瀬遊水池のどこに持っていくかというようなことについて、最終的には決定していないというような状況でございます。
  69. 大森創造

    ○大森創造君 これは、建設省の治水関係の方おいでしょうから、お伺いしますけれども、群馬県の板倉町、それから埼玉県の北川辺村、茨城県の古河市、栃木県の藤岡町、同じく栃木県の間々田町、それから野木村、これらの関係の町村が全部超党的に反対決議をされている。渡良瀬遊水池のところにいわゆるパラシュートの米軍の演習場を移転されることは困る理由をあげて、全部満場一致反対の決議をされていて、私の手元へ参っております。そこで、今、林調達庁長官のほうのお答えは、まあ渡良瀬遊水池のどの辺に当たるかわからないが、そのどの部分かにやろうという心積りがあるのでしょう。それについて、建設省の治水計画はどういうことになるのか、どういう計画でありますか、まずそれをお伺いいたします。
  70. 金子牧事

    説明員(金子牧事君) 現在渡良瀬遊水池につきましては、利根川の洪水調節の、さらによくするための工事を三十八年度からやる予定でございまして、現在は周りに堤防があるだけでございますが、この堤防の中を三つのブロックに分けまして、さらに洪水調節の機能をよくする工事の計画をしているわけでございます。それで、一応順序といたしましては、第一、第二、第三の三つのブロックに分けておりまして、計画といたしましては、目標といたしましては、三十八年度から始めまして、四十四年度を最終目標としてやっているわけでございます。これを落下傘の降下演習場として使う場合には、工事施行計画も一応立てているわけでございます。これらの工事のかね合いもございまして、予定されておりますところが、工事を早期に着工する予定でございますと、工事施行上に支障を来たすわけでございます。それらにつきましては、一応の調達庁のほうからそのお話がございましたところは、現在治水計画といたしましては、早期に着工する予定でございますので、これらにつきましては、工事施行上支障があるのじゃないかというふうに勘案しているわけでございます。
  71. 大森創造

    ○大森創造君 これは、利根川の治水計画というものは、地元民にとっても、また日本国にとっても、非常に重大な問題だと思うのであります。それで、建設省のほうの御意見でも、洪水調節のために堤防の中を三つに分けてどうこうという計画の一部の発表がございましたが、それとはそごするということなんです。これは長官、まだ煮詰めた話にはなっていないのですね、建設省とのほうは……。
  72. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 先ほど申し上げましたように、これは治水計画との関係もございますので、そのような点について建設省と協議をいたしている段階でございます。まだどこに持っていくかというようなことは決定いたしておりません。
  73. 大森創造

    ○大森創造君 地元関係町村が非常に多いので、この陳情書によっても、この問題の赤麻沼というところを、相当広い面積でございますが、そこのところでパラシュートの降下演習などをやられますと困るということで、幾つか理由をあげておられまして、その理由も一々もっともなんです。そこで、私の考えでは、この利根川の治水計画というものは、これは今申し上げましたように、非常に重大な計画であって、これは一日も早くやってもらわなければいかぬ、こういうことが国土建設の基幹ですから。そこで、その米軍の太田小泉の飛行場なるものが、これは移転するということで、初めからある建設省の重大計画にそごをするという問題は、これは防衛庁調達庁のほうは、初めからよけて通ってもらいたいと思うのです。ところが、お役所はとてもずるいから、調達庁建設省のほうで話をして、ほんとうは治水計画を予定どおりやってもいいのだが、これが米軍の飛行場を移転するというのが日本の弱みで、そこのところを調達庁の顔を立てて、本来あるべき治水計画というものを曲げちゃう。そういうおそれを私は感ずる。必要のないところに駅を作ってみたり、いい道をぐるぐる回ってみたり、そんなことをよくやるのだから、日本の政治においては。治水計画というやつは、そういうややっこしいことはやってもらいたくない。これは当然だと思うのです。相手は水だから、川だから、自然だから。自然災害は大きいのだから。これは調達庁がどうであろうが、あるいは米軍の関係がどうであろうと、ことにパラシュートの訓練場なんていうやつは、よたよたよたってきて、こっちのほうの重大な計画のあるところに割り込んでくるということは、われわれとして許せないと思うのです。それについてはどうですか。本来計画を立てた治水計画をやるのが一番いい。それを今度わきのほうから、パラシュートの降下演習場のためにそれをぶん曲げられると、日本人として非常に面目にかかわるし、地元の関係六カ町村のみならず、非常に困るのです。この辺のところは、調達庁防衛庁とは関係なく、米軍とは関係なく、建設省のほうでは既定計画を進められる御所存でございますね。
  74. 金子牧事

    説明員(金子牧事君) これは、治水につきましては、非常に重大な問題でございますので、そういう施設に使うために、本来の治水機能を阻害するとか、また工事施行上支障になるというようなことは、そういった支障を来たすようなことは、絶対にすべきではないというふうに考えております。
  75. 大森創造

    ○大森創造君 それで、林さんのほうにお尋ねしますが、まあ同じ政府部内において、そういう事情であってみれば、これは調達庁というのは調達するところなんだから、調達は調整するところなんだから、米軍と日本の建設省とあるいは地元のほうの関係、その中に立って、これはひとつ、今からなら方向転換できると思う。これはあと三カ月とか四ヵ月たっちゃって、あなたのほうや米軍のほうの計画がある程度具体性を持つと、そのときいくら騒いで毛始まらないということだから、これはひとつあなたのほうで、調達庁で調整をしてもらって、日本国のうちで、なんならパラシュートの演習なんていうものは必要ないと、どうしても必要なら、もうひとつどこか適当なところを物色するように、米軍のほうにお話願えませんか。
  76. 林一夫

    政府委員(林一夫君) ただいま先生が申されたように、治水計画というものは、これはなるほど大事な計画でございまして、尊重しなくてはならない。そのような関係もございますので、治水計画と調整できる範囲において、なるべくならこの近くに設置したい、こういうことで協議をいたしておるのであります。十分その点を考慮しまして、調整して参りたい、こういうふうに考えます。
  77. 大森創造

    ○大森創造君 この問題の赤麻沼・渡良瀬遊水池のどの辺に決定するかわからないが——ということなんですが、これはどうなんですか、そのどの辺に決定をされても、治水計画上困るのでしょう。
  78. 金子牧事

    説明員(金子牧事君) 一応計画は持っておりますので、その計画の線の中にそういった施設が入ることは、そのために計画変更ということになりますので、好ましくないと思っております。また、工事施行する時期につきましても、洪水を対象にやる工事でございますから、一応順序があるわけでございまして、そういう順序を狂わすということは、支障を来たすことになりますので、好ましくないというふうに考えております。
  79. 大森創造

    ○大森創造君 われわれが考えてみても、パラシュートの降下演習というのは今の戦略上どの程度の重要度があるのかは、私は商人だからわからないのだけれども、まあ建設省が、今お話のように、前から計画を立てておるのであって、それは日本の国土建設の問題ですから、そこへあとからこういう計画が割り込んでくるということはいかぬと思う。私の心配するのは、今のような建設省の当局のお話であれば、本来あるべき治水計画を立てられて、それにのっとってそれを進めるということは間違いないだろうというふうに思いますけれども、まあその前に林長官のほうで、ひとつそういう事情であれば、これはちょっと不可能であるから、よそをひとつ考えようじゃないかということで、今の段階において早期にひとつ米軍のほうにお話をいただきたい。いかがでしょう。
  80. 林一夫

    政府委員(林一夫君) ただいまも申し上げましたように、やはり治水計画というものがございますので、十分建設省等に対しましてその間調整できるようでしたら、一つの候補地として考えたいと思うのです。ただいまそういう点について具体的に協議をいたしておる段階でございます。まだはっきりその点は申し上げられません。
  81. 大森創造

    ○大森創造君 しろうとの私がきょう建設省の治水関係の方のお話を聞いてみても、渡良瀬川遊水池のどこであっても、本来の計画を変更せざるを得ないという事情は判明いたしました。これは、林長官のほうが、あるいは米軍のほうが建設省と今後お話し合いになってもむだであろう。お話をして、いわゆる政治力のある河野建設大臣と話をするというと、よけいだめだろう。これはぶん曲げられる可能性がある。だけれども、きょうおいでになった方は、非常に冷静に、科学的に、この治水計画を遂行するためにはこういうものでは困るというお話を率直にお述べになったのだから、あなたのほうで高度の折衝を大臣などとするとよけい危くなる。その場合に問題になるのは、今お話しの治水課長の御答弁が一番正しいと思うので、その点は林長官のほうでもよく頭にたたき込んでおいていただきたい、私も覚えておりますから。まあ交渉をすることはけっこうでしょう。交渉されて、実はこうでございます、ここのところをこうやりますというと、元来の洪水調節の機能が変わりますから、建設大臣なんかの御答弁は信用しなくて、きょうのこっちのほうの御答弁が正しい。あなたのほうもそれを御了解したに違いない。そのことをひとつくどく念を押して、この問題についての質問を打ち切ります。いいところでありますから、ここらで打ち切っておきます。  その次にお伺いしますが、東京新聞の二十七日の長官に出ております——その四、五日前の各新聞にも出たようでありますが、東京新聞には、公営住宅用地に防衛庁の不要の基地施設提供したらどうだということが閣議か何かで話題になっている。河野建設大臣のほうから志賀長官のほうにお話があった。私ども防衛庁関係決算を見てみまするというと、これはもう防衛庁におられる方々の怠慢やそれからケアレスではないと。これはいたし方ない事情が数々あることも承知しておりますが、いろいろその施設などについて、あるいは設備などについて従来むだが多かったのであります。それは、その中にいる人が、どうということではございません。そして、河野建設大臣は非常に思いつきがよくて、なるほどこれは不要の施設、あるいは不要の基地ども全国見渡すというとあるじゃないか。米軍、自衛隊関係、ともにこの際、総洗いに洗ってみたら相当あるじゃないか。一方、公営住宅のみならず住宅不足はもう開聞以来。これはどうしたって、ここ二、三年のうちに何とかめどをつけなければならぬ、絶対的に、都市の発展膨張、それから宅地造成というものに応じて、都市近郊の土地を利用しなければならぬということは、至上命令だと思うのです。その場合に、一方まあ自衛隊、あるいは米軍基地というものがある。いつ起こるかもしらない、いつ使用するかもわからない施設基地——そんなことを言っていると、気持悪くするかもしれぬけれども、われわれからすると、いつ使用するのか、ナイキ・アジャックスなんというのは、さっぱりわからない。私の生きているうちに使用するのかどうか。また使用したら、えらいことになると思うけれども、そういうものが中ぶらりんとしている。この前私が申し上げたように、昭和四十一年度までに第二次防衛計画ができる。最大の隘路は人が集まらないということだ。盛んにPRをしても、なかなか人が集まらない。そこで、施設は、河野建設大臣が大阪のほうに行ってみると、これはマンモス公団住宅を建設するに非常にいいじゃないかということでお帰りになって志賀長官にお話しになったら、長官のほうは、そうだ、よろしいと。それならば、旧軍の財産母体をそのまま受け継いで、これをすべて自衛隊基地として使用しているのだから、そこに問題がある。この機会に自衛隊の編成装備に適した基地施設整理したい、そういうことをやる間に、いろいろ問題の大阪といわず全国を見渡すというと、公営住宅用地に適当な場所が生まれてくるであろう、こういう趣旨の記事が各新聞に出ております。これについて防衛庁のほうでは御検討になりましたか。
  82. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ちょっと大森君に申し上げますが、長官は間もなく、こちらへ来る予定になっておりますから、もし長官の答弁が必要であれば、長官が来てからにして下さい。
  83. 大森創造

    ○大森創造君 それはあとにします。
  84. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 政務次官はおられますけれども
  85. 生田宏一

    政府委員(生田宏一君) お話のような考え方で防衛庁長官がおられることは、そのとおりであろうと思います。ただし、防衛庁土地あるいは演習地その他防衛庁が必要といたしまする土地は、現在の所有地をもってしては、なおかつ不足がちでもございます。そういう面もございますが、しかしまた防衛庁長官のあるいは考え方としては、そのとおりでございますが、具体的には、どこの土地がどのように不要であって、あるいはどこの土地がどのように必要であってという具体的に個個の土地を押えてお話しになったわけでもございませんで、今後それを防衛庁のほうが検討いたすことになろうかと思います。なお詳しくは防衛庁長官からお話もあるようでございますが、私のただいま承知いたしておりますのは、そのとおりでございます。
  86. 大森創造

    ○大森創造君 それで、防衛庁長官がおいでになってから、この問題については、あらためてお伺いしまして、別の問題に移ります。  この前に、これもお伺いしたのですが、大蔵省の方、おいでですか。
  87. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 大蔵省の法規課長が来ております。
  88. 大森創造

    ○大森創造君 お話は、こういうことです。防衛庁の方には申し上げたのですが、大蔵省の方には申し上げておりませんので、ごく簡単に経緯を申し上げます。  昭和三十五年度の甲型警備艦継続費の問題でございまして、昭和三十五年度から三十八年度の四カ年の継続費として二十九億六千万円という計画がございました。三十五年度から三十八年度までの四カ年の継続費として甲型警備艦を作るのに約二十九億六千万円という継続費の予算を組んだ。ところが、これを三十七年度において改定をいたしました。すなわち三十五年度から三十八年度でなくして、一年延ばして三十九年、五カ年の継続費ということにいたしました。金額も約十億ふやして四十億円ということにした。すなわち、一億円追加といこと。  で、継続費の問題については、私は予算委員会や決算委員会で、池田総理初め大蔵大臣などに、しばしばお伺いした。継続費というものは本来ないほうがよろしいのだ。戦後財政法の改正によって、こういうものが出てきた。かつての日本では、こういう継続費ということで軍艦ばかり作っていた。またそういうことがないかという趣旨の質問をしたところが、当時大蔵大臣であった池田さんは、そういう心配はないと言っていたけれども、最近は継続費でもって軍艦ばかり作っている。そこで問題にしたいのは、年度を四カ年というものを今度五カ年にした、途中で昭和三十七年に至って。それから二十九億六千万円のものを十億ふやしている、金額も。その理由は、本艦に搭載するタータの関連装置の型式が変更されて、したがって艦形を大きくする必要があるからだと、こういうことです。タ一タそのものは、アメリカから無償で供与されるものであるが、これに関連する機材などは有償なので、予算が必要であるという説明である。そこで防衛庁のほうはその財源として、三十四年度当初において、二十八年度艦のレーダー換装費及び三十一年度艦の主砲換装費として計画した金を、そういう予算を振りかえて、三十五年度艦のタータ関係関連器材に充当したわけです、これは十億。しかしこれは考えてみると、いわゆる法律的な、財政法上の理由ではないでしょう。この前も防衛庁のほうでは、そういうお答えだった。だけど、これは国民や国会の目から見るというと、こういう予算のやりくりが行なわれていいものかどうか、非常に疑問に思います、四年の継続費というものを五年にしちゃう。二十九億を十億ふやしている。これは記録を見たらわかりますが、昭和二十七年の内閣委員会か何かで、木村禧八郎さんや、それから参考人として当時の東大教授の大内兵衛さんなどが、しきりにこういう点を言っているわけです。継続費は軍艦を作ってはならない。いや作りません作りませんというようなことを、当時の大蔵大臣池田さんは言っていた。それから継続費の年限の問題なども非常に問題になった。ところが、一九六二年のことしごろになるというと、二十九億の予算も途中から十億ふやした。タータの今度は器材費としてやる。しかもその財源たるやおかしなやり繰りをしている。それが大蔵大臣のほう、あるいは国会のほうの承認を要しないのですよ、今の制度上は。これは防衛庁長官のいわゆる予算書の目の相互間において彼我流用使用するときには大蔵大臣の承認を経なければならないが、目の細分の節の金額を大砲やレーダーのかわりにタータに振り向けたにすぎないのであるから、財政法上の流用の問題は起こらないのである、こういう解釈を、防衛庁のほうでは説明はされないが、そういう考えでいるのだろうと思う。したがって、このような予算上のやりくりについては、大蔵大臣の承認すらこれを必要とせず、まして行政機関であるから、国会とは全く無関係に、防衛庁長官の一存で自由にできるわけでございます。これは明らかに私は行政的に問題だと思う。ことにその防衛庁関係施設について、継続費の年限もばらばらと延ばす。しかもこれは二十九億のところ十億だから、相当な割合の金額を、ぽかんとことしになってからふやすというような措置は、これは何か規制する必要があると思う。そのほうが防衛庁のためにもなると思う。これについて、あなたの考えを聞かして下さい。
  89. 上林英男

    政府委員(上林英男君) あるいは御質問の趣旨を十分了解していないかもしれませんが、まず目は、御存じのように、財政法におきまして、目の流用につきましては大蔵大臣に協議が要りまするが、目の細分につきましては、今おっしゃったように、これは各所管大臣におきまして適宜の措置がとれることになっておるのは御指摘のとおりでございます。なお財政法におきまして、継続費につきまして、これを総額なりあるいは年割額なりあるいは年限なりを延長し、あるいは変更する必要がございまする場合には、これはあらためて予算をもちまして、国会の御承認をいただくということになっておるわけでございまするので、したがいまして、今申しましたような年限を延長いたしましたり、金額を追加いたしまする場合には、三十七年度予算におきまして御審議を願い、御承認をいただいたわけでございます。
  90. 大森創造

    ○大森創造君 これは防衛庁のほうにお伺いしますが、私はどうも、こういうことは詳しくないのでお伺いしますけれども、今大蔵省の方、御答弁になりましたようなことでございますか。これは年割額の改定といいますか、十億をふやしたということ、それから四年を五年にしたということについては、大蔵省のほう、あるいは国会のほうの承認を得ているのですか。得ていないでしょう。
  91. 上田克郎

    説明員上田克郎君) 継続費の新しい改定につきましては、提案いたしまして国会の御承認を得ております。年割額の改定につきましても、そのとおりでございます。
  92. 大森創造

    ○大森創造君 お二人にそう言われるというと、私宅どうも、もう一回この点は調べてみにゃいけませんから、そういうことになっておりますか、ほんとうに。もう一回、一言言ってもらいたい。私の勉強は、なかなか間違いないはずなんですがね。
  93. 上林英男

    政府委員(上林英男君) 昭和三十七年度一般会計予算、これ御承認をいただいたわけでございまするが、これの五十一ぺ−ジに、総理府所管、組織といたしましては防衛本庁とございます。これにつきまして、項は昭和三十五年度甲型警備艦建造費、既定総額に対しまして追加額が十億五千三百十六万円出しておりまして、総計四十億一千三百二十八万七千円になっております。その内訳といたしまして、三十七年度以降の年割額を改定年割額とし提示いたしまして御承認をいただいておるわけでございます。
  94. 大森創造

    ○大森創造君 防衛庁長官来ていますか。
  95. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) もう少しお待ち下さい。
  96. 大森創造

    ○大森創造君 これは継続費の問題ではなくて、タ一タの問題で十億の金を要するということについて、この防衛庁予算において議決科目であるところの項ですね。防衛本庁の金額があまりに大きすぎるということは、しばしば指摘されるところでございますが、このような項が過大であることの当然の結果として重要項目がすべて目以下の行政科目となっております。したがって予算の執行面で国会の関知しない重大な変更が、大蔵大臣の承認すら必要としないで、防衛庁長官独自で自由に行ない得る。また現に行なわれている。これは予算編成上問題だということですが、先ほど申し上げたことは、継続費の問題について私が言うたことなんで、これは私のあるいは錯誤かもしれませんが、今私があらためてお伺いした点については、どうですか。
  97. 上林英男

    政府委員(上林英男君) 予算におきまして、予算の立て方と申しますか、予算の区分をどういう区分できめるかという問題は非常に重要な問題でございますし、かつむずかしい問題でございます。個々におきまして、予算の項をあまり細分い、しますと、なかなか弾力的な運用ができにくいという面もございまするし、かと言ってあまりに項の範囲を広くいたしますと、国会の御審議にも御支障ございまするし、あ、る意味では予算統制の目的を達しないという面があるわけでございますので、個々の項の範囲というものは、これらの要請にこたえましたような合理的なものとして参らねばならないことは言うまでもないわけでございまするが、その意味におきまして防衛庁予算につきましても、今御議論のありましたような点もございまするし、常にできるだけ予算全体といたしましても項の範囲というものの合理化に努めたいというふうに考えて、できるだけ改善に努力して参ってはおるつもりでありますが、一つにおきましては、予算の効率的な使用というような面も考え合わせまして、ただいまのような状態になっておるわけでございます。
  98. 大森創造

    ○大森創造君 これは今私が申し上げましたように、問題は防衛庁だからだと思うのです。項の項目についての予算が非常に膨大に流れるというのは、よその省庁には少なくて今どき、防衛庁だからあるのだろうと私は思う。そこで、その項の項目が金額がべらぼうに大きいので、その当然の結果として目以下の行政科目になっている。そこで重大な金額の変更などが行なわれるということは、私は経理上問題であるから、この点はひとつ、何とか研究をしていただきたいと思うのです。これは防衛庁とそれから大蔵省のほうで、その問題についてひとつ御研究をいただきたいと思うのです。これは予算の効率的な運用という角度からするというとお話のとおりだと思うのですが、これは防衛庁関係については、それがあるだろうと思う。これはお互い国政を効率的にやると同時に、間違いのないようにすることが、これはもう建前だと思いますから、どうぞひとつ、この問題については大蔵当局と防衛当局のほうで御研究をいただきたいと思います。これは予算をしばるとか、運用しづらくするという意味ではございませんので、そういう必要があるだろうと思いますので、その点は御研究いただきたいと思います。  それから長官にお尋ねいたしますが、きのうかおとといの東京新聞の朝刊、それより二、三日前の各新聞にも出ておりましたが、公営住宅用地に防衛庁関係基地施設、あるいは米軍関係基地施設などについて公営住宅用地にしたらどうだ、具体的には大阪のある場所についてどうだというお話が建設大臣からあって、それで防衛庁長官のほうは、ひとつ検討しようというお気持でおられるようですが、この経緯は、どういうことでございますか。
  99. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) お尋ねの問題でありますが、私は就任早々からこの基地問題に非常に関心を持ちまして、勉強したいということから、国内にあらゆる基地演習場あるいはその他米軍の使用する基地も含むのでありますが、一体そういう基地が、どういうふうにこれが配置、存在しておるのか、またそういう基地がどういうふうに使用されておるか、そういうことを勉強したいということで、そこでその調査を私は命じておるのであります。したがって都市周辺の基地に限定して、これを私は考えておるのではございません。また御承知のとおり、政府としましては、国土総合開発計画というものを推進いたしておるのでありまするが、それらの総合開発計画と基地というものは、どういう関連にあるのか。そういうことも私は勉強いたしまして、将来基地問題を総合的に、立体的にいろいろ研究して、何かいい案が出てくれば、ひとつ新しい構想にまとめてみたいなという私の気持から調査を命じておるのでありまして、特に大阪周辺の演習地をどうするこうするという問題ではないのであります。たまたま私的な会合で、建設大臣からいろいろ雑談的に話のあったことは事実でございますが、その前に私はただいま申し上げたように考えて、調査をいたしておる最中でございまして、何かいい案でも出ますれば、またいろいろ国会に御協議を願う場合があるかもしれませんが、まあとりあえず私の勉強の資料として調査をしておる段階でございます。
  100. 大森創造

    ○大森創造君 ただいま志賀長官のお話、私は非常にけっこうだと思うのであります。そういう御態度で基地の問題や防衛計画を進められるということが、私はやはり日本の防衛庁長官のあり方だと思う。何でもいいから、おれのところの所管の問題だから、基地はふやすべし、施設は大きくすべしと、人も集まらないのに、第二次防衛計画は着々おつりが出るほど遂行すべしというよりも、やはり総合開発だとか国土建設の観点から、これはひとつ御研究になる——旧軍の施設をそのまま踏襲して自衛隊基地にしておるということからすれば、日進月歩の防衛的な施設でございますから、世界情勢もある、いろいろありますから、そういう角度から効率的な、能率的な、むだのないような計画をされるということはけっこうだろうと思います。大阪に限らず、これはひとつただいまお話のように、建設省がどうということでなくて、防衛庁自体の新長官の構想として、こういうことを御研究になることは非常にけっこうだと思いますので、これはそういう方向でひとつお願いしたいと思います。  それについて、長官がおいでにならないときに、調達庁長官と多少問答をいたしました。それは群馬の太田の小泉飛行場、米軍のパラシュートの演習場、これを移そうということで、利根川の近くの渡良瀬川の遊水池のほうにパラシュートの演習地を米軍のほうで移そうとい声計画があって、調達庁のほうがいろいろ研究をしておるということでございますが、建設省の方に聞いてみまするというと、本来、洪水調節のために重大な計画があるということです。そこで問題の渡良瀬川遊水池のどの部分にこられても、これは困るということなんです。これは調達庁長官のほうにも、しっかりお願いしておきましたが、まだ今の段階ならば、これは方向転換できると思いますから、どうぞひとつ、建設省の計画も、がっちりあることですから、この計画を変更されるものならば変更してほしいということを、調達庁長官と同様に、あなたのほうでも頭にたたんでいただきたい。以上を申し上げまして、私の質問を終わります。
  101. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは前回に引き続いて、簡単に私のほうも質問しますから、なるべく要領よくお答えをいただきたいと思います。  そこで、長官も厚木のほうに行っておいでになったということですから、よくわかったと思うのですが、第一は、先日も御質問申し上げました、神奈川県知事や横浜市長が、あなたのところへおいでになったと思うのですが、九月十五日期限つきの回答を迫っているわけですが、これについては長官のほうでは、この要望書に沿ってお答えするつもりでおりますか、まず最初に、その点をお答え願います。
  102. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) 相澤先生から、先般いろいろ示唆に富むお話を承って役所に帰ったのでありますが、ちょうど神奈川県の知事と横浜市の市長がわざわざ来訪されまして、じかに相澤先生の先日の委員会において御説明にたったこと、そのまま拝聴いたしました。私の考えといたしましては、誠意をもって案を作りまして、また、私だけの考えではいけませんから、この案を、基地等周辺問題対策協議会がございますが、この協議会に持ち込みまして、いろいろ各省庁間の意見を調整した上で、知事並びに市長を通じて地元とお話をいたしたいと考えている段階でございます。
  103. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで先日もお話ししましたように、まずやはり所有権者の気持というものが一番大事でありますが、その中でも、やはり区域がどの程度までということが、先日、林調達庁長官から第一ゾーン、第二ゾーンという一応の範囲を示されたのでありますが、地域圏をどの程度まで設定したかということ、これはやはり大きな根拠になると思うのです、話をするときの。そこで、その点については決定を今進められているのですか。それとも第二ゾーンなり第三ゾーンまでは決定しているとか、こういうようなことをここで御答弁いただけますか。
  104. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) その辺までは、私まだ勉強が行き届いておりませんから、調達庁長官答弁させます。
  105. 林一夫

    政府委員(林一夫君) この前その点については御説明申し上げておきましたが、あそこの地域は、施設区域としては約七十万坪、その周辺の地域が約二百七十万坪あるわけですが、その二百七十万坪の地域を第一ゾーン、第二ゾーン、第三ゾーン、第四ゾーンに区別しているわけです。そういうような大体の区域の設定はいたしているわけであります。
  106. 相澤重明

    ○相澤重明君 私のお尋ねする趣旨は、日米合同委員会の中で、ここの地域までは、今言った第三ゾーンまでを米軍に提供するのか、今言った第四ゾーンまでを含んで提供しようとする考えなのか。ここが私は一番重要なポイントじゃないか。その点をお尋ねしているわけです。
  107. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 私の説明、誤解されているようなんですが、提供施設というのは七十五万坪ということで、合同委員会で決定しているわけです。あとの周辺の二百七十万坪というのは、これは別に、提供する施設ではないのです。この地域に大きな建物を建てたり工場を建てたりいたしますと、電波障害を起こすから、そういう建物の建築はやめてもらいたい、その代償として補償を差し上げます、こういうことになるわけです。そのようなことにつきまして、補償額の問題だとか、あるいは地元との約束の問題、そういうことについて地元と協議を開いているわけでございます。
  108. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、上瀬谷の通信隊基地に対する電波障害の問題が起きてきたわけなんですから、今あなたのお答えになったように、基地としては七十万坪そこそこのものでありますから、それ以外は基地ではないわけですね。日米合同委員会できめた基地ではない。その周辺が障害を起こすおそれがあるという解釈なんですね。そこで、これは国内法をいわゆる適用ができることだと私は考えているのでありますが、政府の考えは、今の補償問題等もからんで、国内法というものは、そこには適用をしない、こういう考えで今後も進むつもりなのか。それとも、やはり、提供施設、この基地以外は、国内法を原則としては適用するんだ、こういう考えなのか。この点はどんなふうにお話し合いになりましたか。
  109. 林一夫

    政府委員(林一夫君) この周辺地域の問題につきましては、電波法を適用するというようなことではなくて、地元との話し合いによりまして、契約を結んで補償していくというようなことで話を進めて参っております。
  110. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、郵政省の電波関係者のほうにいま一度御答弁いただいておきたいと思うのですが、先日の御答弁をいただいたのも少し不十分だったと思うのですが、電波法の百一条、百二条関係、これについて、政府としては、郵政省としては、どういうふうに今の調達庁長官のお答えについてお考えになっているのか、この点をひとつお答えいただきたいと思う。
  111. 石川忠夫

    説明員(石川忠夫君) 百二条に書いてございます届け出を要する、何と申しますか、地域の中心になっております、ここに書いてあります「無線方位測定装置の設置場所」というのは、電波監理局で電波監視をやるために方位測定装置を持っておりますが、そのすぐ近辺で電波障害が起こってはいけないというので特別に入れられた規定でございまして、全然基地の問題とは関係ないわけであります。
  112. 相澤重明

    ○相澤重明君 全然基地の問題と関係あるとかないとかいったところで、つまり日本の国民が必要な施設、そういう機械を据えつけた場合に、どう障害を起こす——この場合に、今の電波法に基づいて、あなたのほうのいわゆる法律の適用が出てくるわけですよ。ところが、今政府から説明を聞いてみれば、この基地提供しておるのは七十数万坪ある。そのまん中にある米軍通信隊のその周辺というものは、これはいわゆる米軍に提供はしておらないのですよ。おらない。したがって、いわゆる国内法を適用するというのが本来の趣旨ではないか。もしそれがテレビ、あるいは無線をそこへ設備をした日本人が、当然の自分の所有地でありますからね、そこへ建物を建て、あるいはそういう設備をした場合に、そういった問題がこの法律適用によって起こる場合がある。障害が起こる場合がある。そういう場合には、一体だれがどの法律によって規制をするのですか。どういうことで一体日本の国民の権利を守ってくれるんですか。保護というものはなくなってしまいますね、今までの答弁を聞いておると。だから、日米安保条約に基づいて提供をしておるものなら、これはもう問題ないわね。これはもう調達庁長官がお話しのとおりなんですよ。ところが、それ以外に、全然アメリカにも貸しておらないし、日本国民の所有権ではあるけれども、そこも、これは国内法の適用がない、ということになったらどうなる。何で規制をする。何が一体日本の国民を保護するのですか。法律に基づいて保護する以外にないでしょう。そういう点の郵政省の考えはどうなのか。これはちょっとむずかしいかね。まあそれでは、これはいずれあとでまた郵政大臣を呼んでよく話をしましょう。  そこで、調達庁長官ねえ。これはやっぱり区域を設定するのが、先ほどのお話のように、第四ゾーンまでのところがある程度きまらなければ、補償あるいはそれに対する買い入れという問題の話し合いにはならぬと私は思うのですよ。それをする場合には、たとえば国内法があっても、そういう話し合いがきまれば、そこにまあ除外例というものは認められるわけですね。そういう点で、今調達庁の作業というものは進められておる、こう実は私は理解をしておるわけです。そうしたければ、これらの国民の財産というものは守れないわけですから、こういう建前で私も理解をしておるのでありますが、日米合同委員会の中では、政府の折衝の中では、補償金額は必要に応じて出す、こういうことでおりますか、それともその範囲の問題については、きわめて大事であるから、今の発表は、そういうところまではできない、こういうことであるのか、その点の、いま少し交渉の内容について、ひとつ聞かしてほしいわけです。それはいかがでしょう。
  113. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 交渉の内容を簡単に申しますと、これは昭和三十四年であったかと存じますが、米側から、あの米軍の通信施設の周辺地域、ここに大きな建築物を設置すると電波障害が起こるから、この地域に、そういう電波障害を起こすような建物を建てないように、ひとつ制限してもらいたいというような要請があったわけです。その要請に基づきまして、米軍と折衝してきたわけなんであります。その間、一体技術的に見まして、どの地域がほんとうに電波障害を起こす地域であるかどうかというような点につきまして、合同委員会の下部機構に周波数分科委員会というのがございます。その周波数分科委員会において、技術的に十分調査しまして、ただいま申し上げましたような第一ゾーン、第二ゾーン、第三ゾーン、第四ゾーンというような区域をはっきりさしたのでございます。この区域をきめまして、合同委員会に報告したのでございます。この区域をもとにしまして、この区域内に住んでおる方々のいわば所有権を制限するというようなことになりますので、この方々と契約を結びまして、たとえば建物の建築を制限するというような場合においては、補償をするというようなことにいたしたい、こういうことで、今補償金額その他のことについて、地元の協議会において協議をいたしておるのであります。
  114. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、私は今の国内法の適用の問題と、それから日米安保条約に基づく取り扱いの問題については若干のやはり問題点があろうと思うんです、これは。しかし、まあ政府ができるだけそれを除去するために今交渉を進められておる、こういうことでありますから、私どもは地元の農民の所有権者の団体、並びに自治体である横浜市、神奈川県、こういうところの意向というものは十分尊重されて、先ほどの防衛庁長官の言うように、まあ九月十五日という期限付ではあるけれども、できるだけ早くこれは解決するように私は努力してもらいたい。で、いずれ九月十五日過ぎたら私は一度それはよくお尋ねをしたいと思う。その結果いかんによって、私どもはそうはいかぬからね、これは。そこで誠意をひとつあなたのほうで見せてもらう、こういうことで、この点はまあ私は見守っておくということで、きょうは質問を終わりますがね、それはひとつ長官、期限付であるから、その点は十分含んでやってもらうということ、いいですね。いま一度御答弁下さい。
  115. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) ただいま相澤先生のるる申されたことをよくかみしめて、案を作って、先ほど申し上げましたように、知事並びに市長を通じて地元の関係者とよくひざを突き合わして談判をいたす所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  116. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、やはり先日お話をいたしまして、一応郵政省の保岡次官が了承された問題でありますが、それは大和市における爆音反対期成同盟の従来の主張された爆音に対する調査、並びにこれに基づくところのテレビあるいはラジオ、電話、こういう料金等の問題について、先日はとにかく郵政省とNHKだけで勝手にこの調査をしてもいけないから、政府並びにNHK、そして地元関係、三者構成による調査をやったらどうだろう、そうすれば公正な答えが出るのではないかということで、保岡君もそれをやりましょうということにきまったわけです。そこできょうは、私のほうからひとつその構成について御意見を申し上げるので、お答えをいただきたいのですが、政府というのは、私の考えておるのは、これは防衛庁は最高の責任者ですからね。そこでまあ防衛庁調達庁と、これはまあ防衛庁関係。それから郵政省というのは、郵政本省と、電波監理ですからそういうもので電波監理局、これがまあ政府関係だと私は考えているわけです。そのうちどなたが代表されるかはそれは別として、そこで防衛庁は最高の責任者、それから郵政省、その中にこの調達庁と電波監理局も入る。それからNHK、NHKは法人でありますから。これに地元関係者。地元関係者というのは、先ほども申し上げました県——県知事が代表しておりますが、県。それから地元の市、大和市ですね。それに爆音反対期成同盟がその運動を進めてきたのですからこの同盟と、これが地元と、こう私は理解していいと思うんです。そういう三者構成によるところのいわゆる爆音の調査をやってもらうと。それについては、今、何しろもう臨時国会開会中ですから、国会の中ではなかなかできませんから、九月の中旬以降ぐらいに、少し涼風も立ったときにおいでになったらどうだろう、まあこう私は思うわけです。三者構成で一応行くということはきまったんだけれども、その時期を、できればそういうときにしていただければ、私もお供をして行きたいと思うので、まあ防衛庁長官がおいでになれば、喜んでひとつお供をしたいと思うのですが、どうです、志賀さん。
  117. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) 相澤先生の御要望を中心に、私一人でこれはきめられる問題じゃございませんから、一緒に行く関係筋ともよく相談をいたしまして構成をきめて、御希望のとおり涼風の吹くころに、私もそのころが一番よろしいのでございますから、そのころに現地に参りたいと思います。
  118. 相澤重明

    ○相澤重明君 たいへん長官の熱誠溢れる御答弁をいただきまして、私もそれでぜひやってもらいたい。そこで一つ、これだけは私はきょうやはりお尋ねをしておきたいと思うのですが、先日の委員会では、テレビやラジオが見えなかったり聞こえないというのは、これはNHKの責任ではないと、いわゆる爆音による第三者の妨害によるものだということをNHKは言っているわけです。そこで、保岡政務次官に私が言ったのは、国民の皆さんがテレビを据え付けるとか、あるいは電話を家へつけてもらうとか、あるいはラジオを引くとかいうことは、テレビを見たり、あるいはラジオを聞いたり、電話を使うためにこれは引くのであって、何も見ることもできなければ、電話も聞くこともできないということで、機械を高い金を払ってつけるわけじゃない。そこでまず第一は、テレビが見えるようにしてもらう、電話は聞こえるようにしてもらう、これがやはり地域住民の一番希望である。それについては検討しましょうということだったわけです。そこで、どうしてもそれが施設をしてみたけれども、どうもうまくいかぬ。この場合には、私はNHKのいわゆる聴視料についての減免の措置を講ずべきである。ところが、現在の爆音等の問題については、そうした減免の条項というのはないわけですね。災害等の場合にはあるけれども、ないわけです。こういうところで適用の条項がないと、こういうところで苦慮をされておるというのが現状なわけですよ。そこで私は、防衛庁長官にこれは同じ政府部内ですから、郵政大臣等にも話をされて、そうして同じ防衛庁の中では林調達庁長官がその点非常に勉強されておりますから、そういうこともよくひとつ相談をして、お答えを次回あたりに願いたいと思うのですがね。また、どうしてもいけない場合には、何らかの措置を講じなければ私はいけないと思う。そこで、防衛庁長官にはそういう点をひとつ相談をしてもらいたいというのがあるわけです。きょうはあなたの御答弁は、郵政省のほうにちょっと先に私から聞きますから、それによってお聞き願っておいてお答えをいただければけっこうだと思うのですがね。  そこで、電波関係のほうから、郵政省の三十五年度の決算持っていませんか。−まだ持っていないなら、ひとつ読んでみましょうか。三十五年、今国会へ提出されたばかりですからね。これによりますと、「日本放送協会昭和三十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書」というのが国会に出てきたわけです。明日、明後日あたり逓信委員会で具体的にこのことは審査をいたします。しかし私は決算委員ですから、決算が出てくるというと私のほうの関係になるわけですね。そこで、この中でみますというと、昭和三十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関する説明書というのがある。「1決算概要、2財産目録と貸借対照表」、この2の中の(1)資産の部、これが流動資産、それから現金預金、受信料未収金、委託修理業務用物品、こうなっておりまして、受信料未収金一億八千八百五万円とある。「これは、当年度末の受信料未収額七億七千七百四十九万円から、翌年度における徴収不能見込額五億八千九一百四十四万円を欠損引当金として差引計上したものである。」、こういうまあ手続をとってあるわけです。これは放送協会がこういう手続をとって国会に提出をされておる。したがって、この内訳を調査をすれば、いわゆる災害等による場合の徴収不能な毛の、あるいはどうしてもNHKの施設等において不備があったもの、こういうものはこういう措置がとれるわけです、これは法律に基づいて。そこで、郵政関係の方、これはわかりませんか、あなたのほうでは内容わかりませんか、三十五年度のこの決算関係について。空然だからわからぬかもしれぬね。どうですか、ちょっと答えていただきたい。
  119. 石川忠夫

    説明員(石川忠夫君) ただいま資料は持ち合わせておりませんが、未収金の内訳と申しますのは、はっきり幾ら幾らがどういう事由で未収金になっているというのは、NHKで十分調査しないとわからないと思いますが、転居その他で取れないもの、あるいはなかなか払ってくれないもの等がおもなもののように聞いております。
  120. 相澤重明

    ○相澤重明君 専門的の立場でなければやっぱりお答えを求めても無理な点がありますが、また間違ったことを言われると、あと決算委員会で指摘をされると、あなたのほうの立場も困る場合があると思いますから、私は深くその点は申し上げません。いずれNHKの関係者を呼んで、当委員会で一応質疑を進めたいと思うのでありますが、長官にも聞いてもらいたいのですが、事業収入として、ラジオの受信料は百二十二億三千五百八十万円、テレビの受信料が百九十七億九千二百七万円という収入があるわけです。こういう収入の中で決算をいたしますというと、決して損はしていない、NHKそのものはもうかっておるのです。そういう点からいきますというと、事業としてはますます伸びているし、収入も上がっておる。しかし、その中には、今言ったこの被害を受けておるそれらの人たちも頭から取られてしまうわけです。納めなければ今度はお宅のは消してしまいますよ、まるで強制的になるところもあるわけです。こういうことになると、私は決算書に基づく方法としては非常に重要な問題ではないかと思うのです。そこで、こういう点も一度防衛庁長官が郵政大臣に、同じ国務大臣ですから聞いて、実際に実情やむを得ないものについては、どうするという一度御相談をしてもらいたいわけです。私は、これはきょうはお答え要りませんが、これはそういう専門的なことでありますから、突然お話ししても、それをやれといったってこれは無理ですから、これは長官がひとつ郵政大臣と十分御相談をしていただいて、私の言うのは、原則論はあくまでもテレビは見れるように、電話は聞こえるように、こういうのが原則であります。そこで、もしそれができない場合には、減免の措置を講ずる、これは放送協会のこの貸借対照表を私どもが審査をしてみると、それは結論が出てくるわけであります。こういうことが言えるわけでありますが、まことにけしからぬのは、このNHKが大和のこのテレビが見えなかったり、あるいはラジオが聞こえないというのはどういうことなのかというと、私のほうの責任じゃありません、これはあたりまえな話ですよ。私のほうの責任じゃありません、だから、そういうものについては、私どもの関知しないところである、そんなもの見えても見えなくても、聞こえたって聞こえなくたって、私のほうは料金さえもらえばいいというのが、実は考えの基本に立っておるのです。これは少なくとも国家財政を受けておる、設立をされておるNHKとしてはけしからぬ。いずれNHK責任者を呼んで究明するつもりであります。そういうことでありますが、そういうことを言わせないように私はぜひ長官に、国務大臣としてその点は郵政大臣にひとつ話をしてもらいたい。それの一部分をひとつ読んでみます、簡単ですから。受信料の免除について「受信契約を必要といたしますならば、これについて減免の措置はできないかという点でございますが、免除は社会福祉、教育施設、非常災害等特殊の場合に限られておりまして、受信しうる電波の質や量の程度による減免措置は電波の性質上講ずることが不可能であり、」、こう言って責任の所在についてはどういうことを言っておるかといいますと、「本件のごとき場合は、相手方となるのは騒音を発している当事者であるべきでございまして、」、これは米軍の飛行機ですね。「この問題について当協会が当事者となるべきではないと考えます。」、これは普通の言葉です。それで「書籍の落丁や新聞の破損を例としてあげておられますが、この際の見解は、当協会としては受信し得る電波をお送りしているにかかわらず、第三者がこれの音声の聴取を妨害しているケースと考えております。」、つまりよけいなことを防衛庁なり調達庁がやっておると同じ理解です。こういうことでありますから、「上記のとおり、基地周辺受信者のかたがたの受信設備は、受信契約を要するものでございますし、また受信料免除の対象ともなりえないものと考えます」、こういった全く政府関係が作ったNHKであるにかかわらず、ただ原則論を言っておるだけですね。私のほうはとにかく施設としたのであるから、聞こえないといったってそれは防衛庁調達庁がアメリカ軍と折衝すればいい。第三者の私の見解からいえば、そんなことをわれわれは気にする必要はない、妨害しておるのは第三者だと、こういうことを言っておるわけです。私はこの点、NHK、いわゆる日本放送協会の会長阿部真之助なんて書いてあるのですが、全くわからない男だと思うのですね。これは一度徹底的にそういう点については、一体国家財政を受けて立つところの会社のあり方というものはどういうものか、公共性を持つものはどういうものか究明をしたいと思うのですが、これは私がとったところの資料でありますので、ぜひこの点については、今申し上げたことをひとつ林調達庁長官と御相談をされて、郵政大臣に話をしていただきたい。そして国民の多くが望んでおるところのテレビが見える、ラジオが聞こえる、電話も聞こえる、こういうふうにしていただくように。それができない場合の措置は、当然これは政府が、たとえばNHKの言い分によれば、アメリカ軍がいていけないのならアメリカ軍を追放しろということであれば、NHKで追放してもらおうじゃないか——そこまで発展すればなんですが、そういう点が出ておりますので、そういう点については、ぜひ政府としては善処をしてもらいたいと思うのですが、これらの点について、いま一度防衛庁長官のお考えを聞いておきたいと思います。
  121. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) 先刻お話のありました三者構成による現地の調査委員会ですか、そういうものなどの結論なども中心にいろいろ対策を講ずる反面、ただいま仰せになりました問題につきましては、郵政大臣ともとくと話し合って対策を講じたいと思う次第であります。
  122. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、その次にいまひとつお尋ねをしておきます。それは前回もやはり当委員会で、イタリアのスタッキ一二火薬会社に発注をいたしましたロケットの問題でありますが、そのときに、当時、前回の委員会でお答えになったのは、裁判を行なっておる、その裁判に対するところの訴訟手続等について、百七十万リラを出した、こういうのが防衛庁からお答えになったところですね。いま一度経理局長に、幾ら出したか、いつそれでやったか、こういう点を御説明いただきたい。
  123. 三原桂

    説明員(三原桂君) 調達実施本部長からお答えいたします。訴訟手続の過程におきまして、ダンテ弁護士のほうから契約書と登記の必要があるということで、イタリア大使館、外務省を通じて連絡がございまして、結局三十五年の二月十九日に百七十一万五百四十リラを送金をいたした次第でございます。
  124. 相澤重明

    ○相澤重明君 この百七十一万リラを出したその内容はどういうふうになっておりますか。
  125. 三原桂

    説明員(三原桂君) これは、契約金額に応じて登記料がかかるようでございまして、ダンテ弁護士から言って参りましたのは、概算といたしまして、契約書の登記料が百六十九万三百三十リラ、それからそのやはり契約書の写しで約一万リラ要るであろう、それからスタッキ一二とオルトリポー保険会社の保証契約の登記料が二百十リラ、その契約書の写し等のために一万リラ、合計百七十一万五百四十リラということになっておる次第でございます。
  126. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は、この今の百七十一万五百四十リラを支払うについて、当然防衛庁と外務省との書簡の交換が行なわれたわけでありますから、それについて、なぜこういうことになったのかという点を実は調べてみた。調べてみたところが、実は外務省の報告に基づいて防衛庁はあまり深く審議しておらなかったという点が明らかになってきたと思う。このスタッキ一二会社にロケットの発注を三十二年にしたわけでありますが、このするときに、外務省は出先の大使を通じて報告をしてきておるわけです。状況報告をしてきている。その状況を報告してきているのにもかかわらず、それにはあまり関係なく急いで発注してしまっている。それがそもそもの根本なんです。それに基づいて、さらに私が当委員会でこれを緊急質問をしたのが三十四年であります。一体イタリアのこのスタッキー二会社に対するロケットの発注の問題はどうなったと言ったところが、当時防衛庁長官は知らなかった。防衛庁長官に言ってないのですよ、当時。知らなくて、初めて、私から出したところが、びっくりして、そんなことがあったかということなんです。それで三十五年度に実は決算委員会で、これはさらに会計検査院のほうから指摘をされた、こういう問題になる。そのときの、だれが一体防衛庁はこういう発注をするときの担当責任者なんですか。これは長官は政治家でありますから、そのときの内閣によってかわるわけですよ。ですから、実際にはなかなかこまかいところまで全部というわけにはいかぬ。ところが、調達実施本部というのは、こういう諸外国との、特に私が一番注意したいのは、少なくとも国内の調達の問題ならまだしも、外国との調達契約ということは、これは私はそう簡単なものじゃない、こういうことを指摘しておった。そこできょうは、当時の調達をする責任者、これを発注した責任者は一体だれなのか、この点を少し聞いておきたいのですが、おわかりになりますかな。これは志賀さんには無理ですよ、事務当局。だれがやったのか。
  127. 三原桂

    説明員(三原桂君) これは当時の技術研究所のほうの要望によりまして、スタッキ一二のこういうロケット弾及び発射装置を買ってもらいたいということによりまして、調達要求を受けまして、最初の契約は、契約担当の副本部長をやっておりました石井由太郎氏が契約したわけであります。
  128. 相澤重明

    ○相澤重明君 その人は今何をやっているのですか、その石井さんという人は。
  129. 三原桂

    説明員(三原桂君) 最初契約をやりました石井由太郎氏は、ただいま日本電源開発株式会社に勤めております。
  130. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると、もう防衛庁にいないわけですね。私が当時の三十三年に藤山外務大臣にあてて鈴木大使からスタッキー二火薬会社に関する至急報を送ってきているのを見ているわけですよ。それに基づいて三十三年に外務省の欧亜局長防衛庁装備局長にスタッキー二火薬会社に関する件を報告をしておるわけです。それて三十三年の十月には、さらに鈴木大使がかわりまして、太田特命全権大使から、スタッキ一二会社内容を伝えているわけです。これを見ると、もう当時スタッキ一二会社というのはあまりよくないのですね。私、文書をたくさん持っておりますから、スタッキ一二火薬会社に関する件というのが一、二、三、四と、いろいろ当時外務省が防衛庁に報告しているわけですね。これを見ると、もうすでに防衛庁が発注をする時分には、この会社というものはだめなんです。あまりよくないです。それで、こういう点のいわゆる対外国との契約等について、不十分な点があったのじゃないかと思うのです。そういう点を思うので、これらの責任についてはどうするのですか。これは具体的にやっちゃったから仕方がない、こういうことになるのか、今後のことにも関係しますからね。防衛庁長官としては、こういう国損を与えるおそれのあるもの、これは全額取れればいいですよ。取れればいいですけれども、先ほどのダンテ弁護士を通じていろいろ交渉しておっても、私はなかなかむずかしい点があると思うのです。私も関係のイタリーの法律をいろいろ調べてみたけれども、これによっても、必ずしも防衛庁の主張がそのまま通るとは私は考えられない。そこで、その場合に、最終的に国損がもし出たらどうするか、これは経理上の、先ほどの大蔵省の法規課長ですかが、答弁を他の委員のときにしておったように、欠損は欠損として国会に提出する以外にはないということになると思う。けれども、私は、少なくとも日本国と対外国との契約等の問題で、たとえこの五百万にせよ、一千万円にせよ、金額の問題ではない。こういう点については、私はやはり責任の所在を明かにしてもらわなければならぬと、こう思うのです。常にやはり一番私ども決算委員会においても問題にしなければならぬのは、歴代の長官は政治家である。したがって長官は常に内閣改造によってかわってくる。そうすると、実際の事務を扱う者は事務当局ではないか。事務当局はそういう欠損があっても、それは長官がかわってしまうし、また職がかわってしまえば責任がなくなってしまう、こういうことでは、私は国損を与えた責任の所在というものは不明確であると思うのです。こういう点について、防衛庁はどういうふうにお考えになっておるか、この点はひとつ長官もお答えできるのじゃないかと思うのですが、どうですか。
  131. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) 私は前長官から一切の防衛庁関係事務を引き継いだのでありまするが、えらい問題を引き継いだものと、最近深刻な苦慮を続けておるような次第でございまして、どうか、この点あらかじめ御了承を賜わりたいと思います。だんだん私も私なりにこれを調べてみたのでございますが、私の判断では、どうも関係した責任者の間において注意が足りない点があったのではないか、あるいはまた、もう一歩手を尽くせばこういう事態にならなかったのではないかというような感じがいたすのであります。しかしながら、これらは別として、現段階におきましてこういう事態になっておりますることは、これは防衛庁長官の責任でございます。私は深くその責任を感じておるのであります。ただ、その責任を感ずるだけでは相ならぬのでございまして、これは責任の所在というものを私は調べてみなければいかぬ。ところが、先ほどもお話が出ましたけれども、当時担当いたしておりましたそれぞれの重要な責任者というものは、全部防衛庁から去りまして、ある者はある省の局長になっておる者もあれば、あるいはまた地方の機関の部長になっておる者もあれば、民間会社の幹部になっておる者もあるということでありまして、一体どうすればよろしいのかということで、私は私なりに法制局にも連絡をいたしまして、これは官紀の振粛というきわめて重大な問題につながる問題でございます。ところが、御承知のとおり防衛庁関係の責任を明らかにいたしまして、これを懲戒にする場合においては、自衛隊法によってのみしかできないのであります。ところが、防衛庁から去りましてよその省に参りまするというと、これは一般の公務員でございまするから、その所管の大臣の屋下になるわけでありまして、防衛庁長官がよその大臣の兵隊になった者にまでその処罰権もなければ、懲戒権もないのでありまして、一体これはどうすればよろしいのかということで苦慮もし、また法制局あたりにその研究を委嘱をいたしておるのであります。これは、ただいま申し上げたように、官紀の振粛というきわめて重大な問題につながる事柄でございます。私は防衛庁長官として、また今回の臨時国会にあたりまして、池田総理が所信表明の中にも官紀の振粛を述べておるのでありまして、私はきわめて重大な責任を感じておるのであります。ただ前々から実施本部長その他から説明申し上げておるとおり、目下もう一つの訴訟が係属中でございます。これは相澤先生はようく御承知でありますが、何とかというむずかしいローマの会社を被告に相手取ってのローマ裁判所の判決は一応出たのでありますが、保証いたしました保険会社を相手取っての全額支払請求の訴訟は目下係属中でございまして、この訴訟のなり行きともにらみ合わせながら私は責任の所在は明らかにする所存でございます。  以上お答えいたします。
  132. 相澤重明

    ○相澤重明君 ぜひ長官には官紀の粛正というか、やはり疑惑を持たれないように今後もまあひとつ努力していただきたいと思うのです。よく巷間伝えられる、防衛庁予算が多いので、何でも買います防衛庁、お高く買います防衛庁という、それであっては私は困ると思う。長官も就任早々でありますから、私もそれ以上は申し上げませんけれども、私がいろいろ調べてみる、と、当時の状況としては、まことに追川憾千万である、こう思うので、こういう点再び繰り返すことのないように十分、特にこの防衛庁には肝に銘じてもらいたいと私は思う。  そこで、先日、アメリカからの貸与されるものについてどうなのか、あるいは日本がロッキードを作る場合についてどうなのか、こういう点を先日御質問をいたしまして、きょう私の手元に有償援助物品受領状況表というのが配付されたわけであります。その中には艦船貸借等も含んでおりますが、これはこれで一つ資料でありまして、けっこうでありますが、私の言いたいのは、先日私が、たとえば二百機のロッキードを発注する場合に、最初の二十機を、いわゆるアメリカにおいて完成をしたものを国内に持って参りましていわゆる組み立てをする、ところが、その次の二十機については、いわゆる向こうの部品を持ってきて日本で組み立てる、こういうような点について質問をしたところが、当初の計画と変わっておる答弁がされておる。こういうことが、私は実は一体防衛庁というのは、毎年説明を聞くというと変わってくるものなのか、こういう疑いが晴れないのですね。そこで、なぜそういうふうに毎年々々計画というものが変えられなければならないのか。この点米国の対日供与の問題とも関連をするのでありますから、いま一度担当者から説明を願って、この間、私の前の委員長である佐藤先生も、きょうはおいでになりませんけれども、この間も与野党を通じて、当時決算委員会は満場一致ですから、お互いに与野党の委員がどうも納得ができない。去年聞いたことと、ことしとでは説明が違う、こういう点は意見が一致しておったので、これは事務担当者のほうから先日の説明を詳しく受けたわけでありますが、どうしてその説明がそういうふうに変わってきたのか、この点をいま一度御説明を願いたい。きょうは、その説明を受けるだけで、当委員会としては、与野党の委員がもう一度研究をするということなんです。きょうは佐藤先生いませんから、私だけが長官のおるところで言っておこう、その答弁あとで速記録を調べて、そうして相談をしようということになっているから、間違いのないようにひとつ御答弁をいただきたい。
  133. 岡太直

    説明員岡太直君) お答えいたします。先日、二百機の生産計画について御説明申し上げました。その内容と申しますのは、二百機のうち二十機は複座機、百八十機は単座機と、こういうふうになっております。複座機の二十機につきましては、生産機数が少量でございますから、米国において生産し、それを日本に持ってきて組み立てる、いわゆる再組み立て、そういうふうになっております。それから百八十機の単座機につきましては、そのうち百六十機は国産であります。二十機は、これが三機と十七機に分かれまして、十七機のほうは、ノック・ダウンと申しまして、米国において部品を生産し、日本で組み立てる、そういう計画でございます。残りの三機につきましては、米国において完成いたしまして、それを日本に持ってきて組み立てる、そういうふうな計画であるというふうにお答え申し上げたと思います。
  134. 相澤重明

    ○相澤重明君 ですから、それが当初の説明を受けたときと相違があるというのは、当委員会の各委員の見解であったわけです。そういうふうに具体的に、今あなたが説明をされるのは、いっそういうことがきまったか、それだけ言っておいて下さい。そうすれば、もうあといいです。
  135. 岡太直

    説明員岡太直君) お答えいたします。先ほど申し上げました三機完成機、十七機ノック・ダウンということは、三十六年三月新三菱重工業と契約した際に、はっきりきまっております。
  136. 小柳勇

    小柳勇君 私は二点具体的な問題で質問をいたします。  まず、防衛庁長官こ今後の方針を聞いておきたいと思うのですが、それは、米軍が日本へ参りまして実弾射撃の訓練をいたします。その実弾射撃をいたしますために、実弾のときはいいのですけれども、模擬爆弾を落とす。その模擬爆弾が民家の中庭に落下して、人心に不安を起こさしているという事件があります。こういうようなことに対して、現地の調達局なり現地の米軍などにかけ合いましても、なかなか取り合ってくれない。ほとんどもう話もしてくれないということで、現地の人たちは非常に不満を持っております。この問題に対して、防衛庁として、米軍に、実情を調べたり、あるいは今後どうするかという対策についても、詳しく調べていただかなければなりませんが、防衛庁の方針なり長官のお考えをまずお聞きいたしたいと思います。
  137. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) 私はまだ勉強が不十分でございまして、模擬爆弾という名前さえただいま初めて私は承知いたしたぐらいでございます。しかし、これは私の常識でごございますが、模擬爆弾であろうが、何であろうが、あるものがこれを撃って、それが善良な市民にけがを与えるとか、あるいは被害を現実に与えるという事態が発生すれば、これは十分に調査研究もしなければならぬと思うのです。これは常識でございますが、今日までの防衛庁はどういうふうな対策を講じておるか知りませんけれども、そういうことを御指摘になったのでありますから、私としては、十分に過去のそうした事実などを調査いたしまして、それに即応した対策を考究いたしたいと考える次第でございます。
  138. 小柳勇

    小柳勇君 調達庁長官にお尋ねをしますが、昨年の暮れとことしの三月上旬、福岡県遠賀郡水巻町の町営住宅の中庭に、約四カ月くらいをおいて二回も同種の事故が起こっておりますが、報告などが参っておりましょうか。
  139. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 報告はさっそく受けております。報告を受けるとともに、米軍に対して、このような事故が再び起こらないように、厳重に抗議を申し入れております。この模擬爆弾が落下した原因を十分調査いたしました結果、こういうことでございます。模擬爆弾を搭載する方法を、ベルトで締めてやっておったわけです。そのために、強い風圧がかかりますと、そのベルトがゆるんだり切れたりして落下するというようなことが判明いたしましたので、その改善方法については強く申し入れをいたしておったのでございます。本年六月になりまして、このベルト方法を廃止しまして、かぎでひっかけるかぎ方式に切りかえることになりまして、この事故を防止するということにしたという報告を受けております。
  140. 小柳勇

    小柳勇君 三月の上旬の問題でありまして、もうそういうような対策が立てられたことに対して、非常に感謝いたします。そこで、地元の人、町としても、同じ地域に二回も落ちるということは、ちょうど実弾射撃の航路になっているのです。その航路の変更をしてくれないかと、こういう要求が出ておりました。この要求に対しては、どういう措置をしたのでしょうか。
  141. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 一般的な問題としまして、米軍には、事故を防止する方法として、こういうことを申し入れておるのであります。たとえば、なるべく高空を航行するとか、あるいは市街地付近を避けて飛行するとかというように、なるべく事故が起こらない方法で飛行をするように、一般的に申し入れておるわけであります。そういうようなことで、米軍としましても、市街地上空の飛行とか、あるいはその他低空を飛行するというようなことは極力避けて、事故の発生の防止に協力をいたしております。
  142. 小柳勇

    小柳勇君 私も実物を見て参りましたが、大きさが二十五センチメートル、高さが五十センチメートルくらいの鉄筒です。これに火薬が入っておりまして、上から落ちまして、一メーターか二メ一ター土の中にぬかりまして、これが発煙している。そこで、町民の皆さんが、爆弾が落ちたということで避難をしなければならぬ。避難をして騒いでおりまして、警察に届けたところが、米軍のMPと警察と調達局から来て、これを掘り返して持って帰った、こういうことです。一発は、幸い町でこれを掘り上げて、証拠品として保管してありますから、私はこれを見てきたのでありますが、あれがそのまま人家に落ちましたら、私は、死人が出やせぬか、火災が起りやせぬかと思う。幸い玄関から三メーターくらい前だったから、死人が出なかったのでありますが、そこで、調達庁として、私は、少なくとも、あの町内会に見舞いをするなり、精神的なそういう動揺に対して賠償するなり、当然やるべきだと思っておったけれども、現在まだやってないのか、この対策については、どのようなことをされますか。
  143. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 近く被害者の方のところには見舞いに参上いたしたい、こういうように考えております。
  144. 小柳勇

    小柳勇君 これは、長官、米軍ともお会いになることもありましょうから、福岡がちょうどそういうような実弾射撃場になっておりますから、そういうことが起こりますが、ほかでも、全国でも起こっておると思う。今、長官、風圧とおっしゃいましたが、同じような地域にこの風圧で落ちたと私は理解できない。何か目測を誤りましたか、あるいはちょうどどこかに行くのが落ちたのじゃないか。近所にも落ちているわけですね、ちょうどコースの下に落ちたわけですから。あの辺の一帯の人は、もう実弾射撃をやってもらいたくないという空気が出ておるわけですから、機会がありましたら、米軍のほうにも厳重にもう一度長官から抗議をしていただきたいと思うのです。  次の問題も、これに類似する問題ですが、ジェット戦闘機が急降下爆撃をするために、非常に爆音がひどいわけです。学校の騒音防止については、相当金を使いまして、今着々と実施中のものもありますし、進行中のものもあります。ところが、先日行きました結核療養所、具体的には遠賀療養所でございますが、また近所にも病院などがございますが、その遠賀療養所には、結核患者が療養しておるにかかわらず、防音装置がない。そこで、もう神経衰弱になり、施療できないという苦情を、諸君から長々と聞きました。私がこうして話しておる間にも、ジェット戦闘機が飛んで参りまして話ができないくらいな状態でありますが、結核療養所とか、学校とかというものは、早急に金を使って騒音防止の対策をしなければならぬと思うのですが、いかがでしょうか。
  145. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) ジェット機による防音対策は、これも私が防衛庁に参りまして非常に苦悩をいたしておる問題であります。むしろこれは、政治問題と申すよりも、大きな人道問題だと私は心得ておるのであります。したがって、現在計画が進行中でございますが、ひとつ新しい構想で、人道問題として防音対策を立てようじゃないかという私は気持になりまして、調達庁長官にも昨日いろいろな私なりの構想を述べてあるのであります。何と申しましても、義務教育関係の学校施設に重点を置かなければならないと思います。同時にまた、ただいま御指摘になりました医療施設、この問題も等閑視するわけに参りません。そこで、とりあえず三十七年度から、第二次防衛力整備計画の重点事項の一つとして、義務教育関係の学校の防音対策を始めました。予算が許せば、三年くらいで私は完成いたしたいと思うのでありますが、一応現段階では、五カ年をもって義務教育施設の防音対策を完了する方針でございます。特に、米軍関係施設につきましては、義務教育の学校施設のコンクリート建による防音対策でありますが、これは四年間で完成さしたいと思うのでありますが、目下防衛庁予算の概算要求案を作成中でありますが、防音対策につきましては、格段の私は心を配ってぜひとも、大蔵大臣と四つに組んでも、この問題の解決に一歩前進したいと思うのであります。義務教育関係と並行というわけにはいかぬでございましょうが、まず医療の施設問題、さらにこれと並行的に福祉施設の問題等についても、考えてみたいと思っているのであります。これは、私は、人道問題として防衛庁は取り上げて参る決意であります。私は政策以前の問題だと考えているのでありまして、この問題については、どうかひとつ格段の御声援をむしろ賜わりたいと思う次第であります。
  146. 小柳勇

    小柳勇君 今おっしゃいましたように、人道問題であります。私どもの立場は、軍事基地は一日も早くなくしなければならぬ、軍事基地をやめてもらいたいというのが大きな戦いでありますが、要求でありますが、同時に、少なくとも実弾射撃などというものは、人が住んでいる、教育している、あるいは療養しているような頭上でやるな、これくらいのことは、防衛庁長官は決意をして、実弾射撃やるな、海の上でやれとか、どこかの離れ島でやれとか、それくらいのことはちゃんとひとつ腹をきめて要求してもらいたい。同時に、今の騒音防止の予算、学校とか、療養所とか、病院とか、そういうところについては、早急に、これはもう旬日を争いますから、ひとつ早急に防音装置を適切に完全に政策を打ち立てていただきたい。もう一度大臣の決意をお聞きして、私の質問を終わります。
  147. 志賀健次郎

    ○国務大臣(志賀健次郎君) ただいま申し上げたように、私はあくまでも人道問題としてこの問題を取り上げて、むしろ現在防衛庁が立てております計画を縮めることに、すなわち、早期完成を目ざして最善の努力を私は傾倒いたす決意でございます。
  148. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 他に質疑のおありの方はございませんか。——他に御質疑もなければ、防衛庁に関する審査はこれをもって終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 御異議ないと認めます。よって防衛庁に対する審査はこれをもって終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。    午後四時十四分散会