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1962-09-13 第41回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年九月十三日(木曜日)    午前十時二十二分開会   ―――――――――――――   委員の異動  九月十三日   辞任      補欠選任    柏原 ヤス君  二宮 文造君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     加賀山之雄君    理事            剱木 亨弘君            西田 信一君            岡田 宗司君    委員            石井  桂君            北畠 教真君            黒川 武雄君            小柳 牧衞君            鈴木 万平君            津島 壽一君            天坊 裕彦君            山本 利壽君            鈴木  強君  委員以外の議員    議     員 河野 謙三君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    総理府総務長官 徳安 實藏君    文部省体育局長 前田 充明君    厚生省環境衛生    局長      五十嵐義明君    建設省都市局参    事官      鶴海良一郎君   参考人    オリンピック東    京大会組織委員    会会長     津島 壽一君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   田畑 政治君    東京都オリンピ    ック準備局長  関  晴香君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査アジア大会報告に関す  る件)  (環境衛生国土美化対策等に関す  る件)   ―――――――――――――
  2. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいまよりオリンピック準備促進特別委員会開会いたします。  オリンピック東京大会準備促進に関する調査議題といたします。本日は、アジア大会報告に関する件及び環境衛生国土美化対策等に関する件について調査を行ないます。  まず、アジア大会についての報告を聴取いたします。本件についての出席者は、川島国務大臣津島オリンピック東京大会組織委員会会長田畑事務総長、以上でございます。  それでは津島参考人にお願いいたします。
  3. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 委員長の御指名がございましたので、今回のアジア大会に関して、現地実情、また、この間に処して日本選手団としてとった態度、主としてオリンピックとの関連において重要だと思われる点を、ここに御報告申し上げます。  問題はいろいろございまするが、これをしぼりまして、第一点は、この大会日本選手団が参加したということについての事情報告、第二は、国際陸上連盟、すなわちIAAF警告に関する件でございます。なおこのアジア大会を他の名義に変更して、いわゆる国際競技大会形態性格をとるといったような問題すなわち、これを会名変更問題と申しますか、これについて申し上げます。最後に、日本東京オリンピック大会に関してどういったような影響があるだろうかという点について、私の所見というか、考え方を申し上げる、こういうようにいたしたいと存じます。  まず、わが選手団の本競技大会に対する出場参加の問題でございます。御承知のように、こういった大会の前に、必ずこの競技大会主催国団体であるアジア競技連盟総会が、俗に評議員会――カウンシルが開かれるのでございます。今回の場合においては、開会式が二十四日に開かれる関係上、八月二十二日及び二十三日とこれが続いて二十四日の早暁に及んだこの会議でございます。御承知のように、イスラエル台湾入国拒否の問題がすでに重要な問題となっております関係上、このアジア競技連盟は、まず二十二日の会議においては、実行委員会――エグゼキュティブ・コミティを開いて、この問題を検討したわけでございます。したがいまして、二十二日はこの実行委員会にとどまり、二十三日、四日にかけてアジア競技連盟評議員会――カウンジルが開かれた、こういう実情でございます。  このカウンシル最終の結果を簡単に申し上げますと、両国入国拒否は明らかにアジア競技連盟憲章第一条の違反であるという点が認められたのでございます。しかしながら、同時に、このカウンシルは、さらに両国の招聘並びに選手団到着地点においてビザ並びにアイデンティティ・カードを交付するという方法をとるように、インドネシア政府に対して、最後のアッピールというのですか、要請をするということを決議したのでございます。最後努力を試むべし、まだ間に合うといったような見解であるのでございます。その決議とともに、同様の決議は、この措置をとるその期間において――イン・ザ・ミーン・ホワイルという言葉を使っておりまするが、アジア競技大会は、既定のプログラムによってこれを行なうことを認めると、これが最終的の決定でございました。時刻は、もう二十四日の早暁においてこれがなされたのでございます。そういった次第で、アジア大会の最高の責任者である、また主催者である――AGFと俗に言いますが、アジア・ゲーム・フェデレーションのカウンシル決定があったのでございます。開会式は二十四日の午後三時から開かれますが、その間、何というか、数時間の間隔があったわけでございます。これはアジア競技連盟決定でございます、決議でございます。  しかし、私どもとしては自主的に判断をし、そうしてわが選手団は出場すべきかどうかということについてJOO委員会を開きまして検討を加えたのでございます。その結果、まだ努力するという決議、そういった意味において、各国がこれに参加するというような態勢のもとにおいて、わがほうが参加しない場合の事態重大性ということも十分に考慮しなければならぬ現地事情でございました。もとよりこういったような、まだ懸案が解決せられない競技に参加することは、われわれのきわめて遺憾とするところで、またいさぎよしとしないところでありましたが、衆議の結果はこれに参加しようと――一応でございますが、参加しようという決定をみたのでございます。現地事情をここで申し上げることは差し控えます。  二十五日はいよいよ競技始め第一日として、これに参加した直後、私は、いやしくも憲章違反であるこの競技の場面にわがほう選手が参加することは、何としてもスポーツ精神からいってこれは非常な重大な問題であると考慮いたしまして、第一日の午後JOCを開きまして、これから引き揚げようではないかということを提議したのでございます。第一日のこの問題についての各位の意見は、大体方向としては賛同を得たのでございますが、さて翌日、実行段階になりまして、これまた詳細な報告をすることは今の段階では差し控えたいと思うのでございまするが、いろいろ重大なこれには障害があることを予知し得たのでございます。そういった関係において第二日も参加すると、こういうことになったのでございます。二十六日でございます。しかしながら、われわれの期待するところは、アジア競技大会がその性格を変更して、そうして国際親善競技大会という形に持っていくことがAGFの多数の意見でもあり、またわれわれもこれに期待をつなぐということで、われわれはその方向に向けなければならぬという考えをもちまして、第二日、二十六日の夜には、AGF実行委員会エグゼキュティブ・コミティを開きまして、その席上でこの大会性格をどうするかという問題が討議されたのでございます。その結果は、これは名称を変更すべきであるという結論を得たのでございます。もっとも、この実行委員会は、AGF会長、また事務総長と申しますか、インドネシア側はこれに出席しなかったという関係で、正式の実行委員会としては成立しなかったが、有力メンバー実行委員が集まったという会合で、日本はもちろんこれに参加してやったわけでございます。翌二十七日にこの決定が発表されました。すなわち、会名を変更するんだということが発表されました。新聞報道全部に対して。そこでこの問題が二十八日、九日にわたり、アジア競技連盟カウンシルに、これは議長事務総長インドネシア側も出席した正式の議長招集会議でございます。この二十八日、二十九日の会合において、新聞にも出ておりまするから名前を引用してけっこうだと思うのでございますが、ソンディ、これはAGFの第一副会長でございます。インドの方でございます。この方が動議を出して、この第四回アジア大会名前を変更すべし、単純なるエイシアン・ゲームズといったようなことの改名動議を出しました。私も日本側委員の一員としてこれに賛同――セコンドした。その他の各国委員意見の開陳、討議に加わったのでございまするが、ほとんど大部分は改名に賛成の表示をしたのでございます。わずかに某々国がこの動議に反対したというのが会議の情勢でありまして、そこで採決をして、二十九日の早暁その段階までいったのでございます。思うに採決すれば、私の見たところでは、これは可決――絶対多数以上のもので可決されるという状態でございます。ところが、現地側委員はこれに反対を強く述べました。もしこれをやれば重大なる結果を生ずると。詳細には申し上げません。そういうことで、この決議をすることは閉会式後にやってもらいたいという強い要請がございました。休憩後いろいろ懇談の結果、そういった提議を受け入れることに決定いたしまして、AGF総会閉会式後一時間を置いて総会を開いてこの決議を単純に採決だけをやろうと、討論等は全然やらないで――ということになった。  この会議においてもう一つの案は、某国から提唱された、調査会を設置して入国拒否の問題についての精細なる事実を調査しよう。したがって、いわゆるファクト・ファィンディング・コミティを置くべしという提案であったのでございます。第一の改名動議、もし採決の結果これが否決になれば、第二案としてこれの採決をしようというのが最後の申し合わせであった。これが二十九日の早暁の事態でございます。したがいまして、九月四日閉会式後においてこれが当然に議題に上り、そうして採決になるという状態で一応二十九日の会合を終えたというのが実情でございます。ところが、それ以来、この問題は一種の政治問題として取り扱われる方向に向かって、いろいろいきさつはございまするが、閉会式の前日、三日にカウンシル・ミーティンゲを開くという議長の通知によって集まりまして、その席上、提案者であるソンディインドの方はこの動議をウィスドロー、撤回するということを書面をもって議長に申し出たのでございます。その披露があって、この提案は一応撤回されたと、こういうことになったのであります。その問の事情は、ソンディ氏のいろいろな周辺に起こったことは、新聞報道で御承知のとおりでございましょう。私はソンディ氏を支持し、また提案についても十分の連絡をとってやって参ったのでございまするから、この撤回に関しては十分の打ち合わせを受け、いたし方ない事態であろうと思ったのでございます。三日の会議は、各委員動議撤回を承認するということになり、第二の案である調査会設置の案が浮かび上がって、ここに調査会を設置して十分事情調査しようということで終結になったのでございます。  このAGF調査会は、メンバーの構成については、内部的には相談があったのでありましょうが、正式の会議においては二人、一人は韓国の評議員、一人はビルマの委員一人を加えて、二人の調査会でやる。そうして閉会式後は新しい議長が選任され、今回はタイランド評議員の中から議長が出る、競技終了までが任期でございます。この次の競技大会タイランドで行なわれるという決議もその間にしたものでございまするから、議長事務総長はおのずから更迭したと、こういうようになっている次第でございます。なお、実行委員選挙、新副議長選挙等も行なわれたのでありますが、これは直接の関係はありませんから、省略いたします。  要するに今回のアジア競技連盟のとった態度は、こういった違反事項に対しての措置として、これを正式の第四回アジア競技大会というものの性格を変えていくということに努力した。しかしながら、遺憾ながら最終段階においてそれが決議として現われず、調査会を設置するという段階に至らざるを得なかった事情があったのでございます。その内部の事情は、こういう席で申し上げぬほうがよかろうかと存じますので、お許し願います。まことに遺憾のことであったと私は思っております。こういった音一味において、わがほう選手団は、アジア競技大会としてこれに参加した事実は、そのとおりでございます。しかし、第二日目から行なわれたこの国際競技大会化する問題については、私ども最善を尽くして参ったのでありまするが、これが結実しなかったというような次第でございます。  そこで、これに関連して次の問題、すなわちIAAF国際陸上競技連盟警告の問題でございます。これは新聞紙上等報道されておりましたことでございまするから、詳しくは申しませんが、二十四日の午前、カウンシルの会場で、国際陸連代表者として現地に来られた浅野氏から、この会合陸連本部、ロンドンからの電報をここに披露したのでございます。その内容は、インドネシア組織委員会に対して二国を招聘することをさらに努力する。もしこれが実現できなかったならば、これに許可したいわゆるパーミットと申しますか、これをキャンセルするであろう、許可を取り消すであろう。なおこれに参加したチーム選手は、ディスクォリファイ――ウイル・ビィ・デイスクォリファイ、こういう警告でございました。台湾についてもイスラエルと同様であるというような電報披露があったのでございます。これは一種警告でございます。そういった意味において、この警告に対しては、われわれは重大な関心を持たざるを得ないのでございます。選手が参加した場合のその前後の問題については慎重に考慮しなければならん。この問題と関連して第二報が二十六日に参ったのでございます、国際陸連本部から。これは二十四日付けの電報でございまするが、二十六日の朝になって、しかしながら、もしこれをインタナショナルミーティング国際競技大会とするならば、われわれはライセンスを与えるであろう、こういう一つのまあ何というか、対案を本部から通告して参ったのでございます。そういった趣旨においても、われわれはこれをインタナショナルミーティング形態に変更することによって、陸連とのこの警告問題が解消し得るということで、前刻申し上げましたいろんな措置が、アジア競技連盟としてとられたというのが実情でございます。  以上が国際陸連のとった措置に対したきわめて簡単なる説明報告でございまするが、ここで一つ関連の問題がございますことは、ウエート・リフティングの問題でございます。他の競技については何ら問題がなく競技が進行されております。ウエート・リフティングは八月三十一日を初日として競技が行なわれる予定でございました。このウエート・リフティングについては、国際ウエート・リフティング連盟会長ロビンソン、また事務総長と申しますか、オナラリィ・セクレタリィのオスカー・スティトさんが現場に参られまして、いろいろ実情検討した結果、二十九日に一つ公式声明を発表したのでございます。その声明は、この大会違反大会であるから、もしジャカルタ・インタナショナル・ゲームとでも名前を変えれば、われわれはこれを認めて実行する。こういう点が一点。しからずして、現状のままでやればライセンスを取り消してしまう。なおウエート・リフティングに参加するウエート・リフターズ、選手ディスクォリファイされる、サスぺンドと同じ言葉でございましょう。そういう公式声明を出した。そこで、こういう声明に関してもわれわれは非常な関心を持たなければならんので、しかもロビンソン会長、また事務総長は、相手国、すなわちインドネシアウエート・リフティング連盟組織委員会とも折衝を重ね、のみならず各国ウエート・リフティング選手団代表を呼んで会議を開き、その意見を述べ、そしてインドネシアウエート・リフティング協会の、これが競技実行する団体でございまするから、そこで許可を与えております。これに対して非常な決意を述べたのでございます。ところが、インドネシア側はもらった許可証をその面前で会長に突っ返したわけでございます。そこでロビンソンはこれを受け取って、もうこの競技実行できぬ。万一参加すれば直ちに、即時に処分するということを声明して、そうして帰国してしまったわけでございます。この三十日のその措置を、われわれはわれわれ選手団ウエート・リフティングの監督その他から聞きまして、これは参加すべきじゃない。これはウォーニングというよりは、措置をとってしまった、パーミットを取り消してしまったという事態でございまするから、これは参加しなかった、絶対に。三十一日は競技は成り立たない。ほかの国も同様であって、この競技は成り立たないというような事態がありましたことを、陸上連盟との関係において一応追加して報告するわけでございます。  さて、先ほど申しましたように、会名変更の問題が二十六日の夜以来二十八日、九日、しかして九月三日までに及びましたが、結果においてはその最終決定をみることなく、調査会を設置してこの問題を報告を受けた上で措置しよう。この報告は、会議に諮った結果を申し上げますと、委員が来年の二月に報告を出す。実行委員会がこれを検討して、そうして六カ月以内に各カウンシル・メンバーにその検討の結果を報告して、必ずしも会合を開かなくても、郵便の方式で、ポスタル・ボートで決定するということになっておるわけであります。これが非常な概略でございまするが、大体の経過でございます。御質疑に応じて適当にまたこれを補足することをお認め願いたいと思います。  さて、こういったような意味で、われわれは何とかしてこの大会競技としての合法性を打ち立てるために努力を払って最終段階までこれをやって参りました。ほとんど多くの諸国はこれに合致しておった次第でございまするが、現地事情からそれが実現を得なかったということをほんとうに遺憾に存ずるところでございます。  さて、最後に、問題となる点はございまするが、とにかくアジア競技大会形態を変えないで出たということは、これはやはりアジア大会としての競技に参加したという事実は免れないところでございます。その意味において、国際陸連としては、やはり今の警告が生きておる。名前を変えなかったという事態に徴してですね。そこで国際陸連が九月の評議員会総会を十一日から開くということで、この問題が取り上げられるということになったのでございます。問題は陸上に関したことだけでございまして、今日までのところ、ほかは全然ない問題でございます。この大会に対しては、われわれは最善を尽くし、またいろいろ事前に考慮し、浅野代表とも十分懇談を遂げておるわけでございます。現実に十一日、二日、昨日この国際陸上連盟評議員会ベオグラードで開かれておることは御承知のとおりでございます。われわれは非常な重大な関心を持ってこの会議を見守っておるわけでございまするが、事前に若干のニュースは参りました。昨日の会合については、今日ただいままでのところは公式の代表団からの情報はございません。この会は陸上競技連盟会議であるという意味において、日本陸上連盟青木理事長その他関係者がこれに参加しておるわけでございます。なお現地においてすべての事情を熟知しておる高島文雄君が加わって現地に参っておるわけでございます。高島文雄君はAGFカウンシル・メンバーであると同時に、九月三日の総会において第二副会長選挙された方で、最もその間の事情をよく知っておる方であります。そういった意味において、この問題は陸上連盟にかかわる問題でございまするが、オリンピック関係においては非常に重大な関係があると思うのでございます。  今朝の新聞ニュースによりますと、まだ発表したものではないと思いますが、この決定はすでにされておる。これは十一カ国の委員からなる理事会に相当したものをカウンシルといっておる、この会合でございます。十七日か八日に総会がございまするから、それに報告されて最終決定をみるということでございますので、まだ最終的に御報告申し上げる時期に達しておりませんが、新聞情報、共同通信の今朝参った電報によると、大体問題は、事実かどうかは確認はいたしておりませんが、アジア競技大会第四回アジア大会は存在しなかったものとみなすというような言葉が出ています。このためにはAGF競技の会期中に行なったような手段をとるということが当然に起こるわけでございましょう。この問題があとに残るかと思います。  それから参加各国陸上選手チームについては責任は問わない。全然ディスクォリファイということはやらないという問題がここに書かれております。  それから主催国インドネシア陸連というものがこれに対しての責任問題があるということを、責任をとらなければならないというようなことを書いておりますが、これの内容はわれわれにはわかりませんが、大体そういったような三つの事柄が評議員会において討議、また大体決定したようなニュースを得ているわけでございます。したがいまして、陸連に関する会議において、もしこの決定どおりになれば、AGFは今後責任をもってこの大会国際化ということに努力するのは当然でございます。またわれわれもこれに努力しなきゃならぬ。これは従来のやってきたことをさらに推進するということでございましょう。選手に関する限りは、これは全然責任がないというようなことであれば、この分野においてだけは、少なくとも日本東京大会に懸念されたる影響は起こらないと、こういうように思う次第でございます。これは中間情報でございますので、私はここに確言したわけではございませんが、そういうことも今朝の報道によってつけ加えた次第でございます。  なお現地に参りまして、組織委員会といたしましても、体協といたしましても、明後年の東京オリンピック大会に対するアジア各国代表、その他の広い範囲にわたって協力の体制を作ることに相当努力して参りました。そのいずれの方々からも、ローマ大会における以上に、東京大会に対して熱意を持ち合い、アジアに来た初めてのオリンピックであるという観点を誇張されて協力を誓っております。これが現地を見た私の感想であり、多くの人も同様の感想を持っておる点でございます。  それから第二点として、この問題は広く全体にわたった観点も必要と存じます。すなわち国際オリンピック委員会IOC、これはベオグラード決定がどうなるかということによってその反響は違ってくると思いまするが、その点は別といたしましても、私はIOC委員として、わがほうの東委員、またソンディ氏、これもIOC委員でございます。バルガス委員、これらはこれらの諸会議に参加し、実情をよく知っておる方々でございます。私はこれらの方々が、現地実情が実際そのことをここにもたらしたその原因が那辺にあるかということは十分熟知されておると思うのでございますので、IOCに対しても、私は日本オリンピックに差しつかえるようなことにしないことを私は確信をいたしております。その他一般の諸外国についても、もちろん日本のやった態度が私は完全であったとは決して思っておりません。事情を十分説明すれば納得いただけることで、IOC、また一般各国のNOCと申しますか、その他スポーツ界は、東京大会に対して協力精神を惜しまないものだと私は見通しを持っておるわけでございます。  最後に、非常に私は申しわけないと思っていることは、日本において、今回のアジア大会についてとったいろいろな経過が非常に御不満であったということでございます。これが東京オリンピック大会影響があるということであれば、これは非常に私にとっても残念なことでございます。しかしながら、今後十分実情報告いたし、また十分の御理解を得て、東京大会の成功に対してこれが支障にならなかったように措置したいという存念でおる次第でございます。  以上大要を申し上げました。いやしくも憲章達反であるというその競技に参加したということ自体はまことに遺憾のきわみであります。しかしながら、これを是正し、合法化するということについての努力もいたしたのでございますが、繰り返して申すようでございまするが、その間の事情、事ここに至ったという次第でございます。この点については当委員会においても十分御了承をお願いいたしたいと存ずるところでございます。  はなはだ簡単でございまするが、以上御報告申し上げまして、御質疑に応じてさらにわれわれとして申し上げ得ることは申し上げて、御理解を得たいと思う次第でございます。はなはだ意を尽くさなかったと思いまするが、概略を御報告するわけでございます。
  4. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 田畑さん何か御説明ございますか、別にございませんか。  それではこれから質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  5. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) この際、委員の変更について御報告いたします。  本日柏原ヤス君が辞任せられまして、その補欠として二宮文造君が選任せられました。
  6. 鈴木強

    鈴木強君 今度のアジアオリンピック大会が暑い赤道直下で開かれたので、津島さんたいへん御苦労様でした。しかし、非常に御報告にもありましたように変則的な大会になりまして、ちょっと心配しておったわけですが、三十一日の日にとりあえず東さんがお帰りになりまして現地の状況を伺っておきましたが、きょうは最高責任にあるあなたがおいでになっていただきましたので、そこで二、三私は質問をしてみたいと思いますが、まずIOCがこの憲章に基づいて各地域大会を開催する場合には、あらかじめその承認を得てやるというのがならわしだそうですね。憲章によって二年半前にその準備の状況を報告する。そういうことについて第四回アジア大会IOCからその承認を受けておったかどうか、御存じだったのですか。
  7. 津島壽一

    参考人津島壽一君) その問題については、前回の当委員会だったと思いますが、東委員からもお答えがあったように、今回の第四回アジア競技大会については、IOCがパトロナイズするという手続をとっておらなかったという事実があるのでございます。これがはたしてこのアジア競技大会憲章違反であるかという問題ですね。いい、悪いという問題は別として。その点については、私の見たところでは、アジア競技連盟憲章には必ずこれはIOCのパトロナイズでなければできないということは規定してなかったと私は記憶しておるのでございます。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 これはここにちょっと速記録もあるのですが、地域大会というのは、アジア大会に限らず、オリンピック大会の地域的な活動を援助するためにやられる大会であると思いますと、で、東さんは「常に国際オリンピック委員会の承認のもとに行なわれるのであります。」と言っておられる。したがって、オリンピック憲章に私はそういうことがあるんだろうというふうに理解をしているわけです、東さんの御説明をですね。そうしますと、そういうことをやらないで開かれた第四回アジアオリンピック大会ですね、初めから正式な大会でないのに、あたかも第四回アジア大会として参加したということになるのですか。
  9. 田畑政治

    参考人田畑政治君) お答え申し上げます。実はIOCのパトロナイズする地域大会というものは、IOCのほうには何と何を地域大会にして自分たちが監督するのだということは、IOCのほうにはさまっておるのであります。しかし、こちらのアジア競技連盟の規約の中には、必ずしもIOCのパトロナイズを求めなければならぬという規約はないのであります。   〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕  それで、このことにつきましては、第一回の-今度は第四回ですけれども、第一回がインドで開かれました。このときはまだIOCとして地域大会というものをやるかやらないかということがきまっていない時代でしたので、これはもちろん地域大会でなくアジア大会としてやったのであります。その直後に、IOCでやはりオリンピック精神を全世界に普及させ徹底するためには、四年に一ぺんのオリンピックだけではどうも不徹底だ、各地域の大会IOCが直接管理し得るような地域の大会をやるのがいいということがきまったのであります。それで第二回はまだそのままアジア大会としてやっておりまして、第三回の東京大会のときに、そういうことで、ぜひこれを、東京大会IOCの地域大会として認めるということに決議されまして、これをIOCに申し出て、これは承認されまして、IOCではアジア大会IOCの地域大会にするということにきまったのであります。同じようなものは、アメリカにパンアメリカン・ゲームというものがあります。これもIOCの地域大会としてやっております。ところが、今度と同じようなケースが地中海大会でしょっちゅう行なわれるのであります。あそこは回教国に取り巻かれておる地域でありますから、そこにイスラエルがあるというので、両方と申しますかの対立が非常に強くて、IOCは一ぺんこれを地域大会として認めたのでありますけれども、しょっちゅうやるたびに、まあ憲章とでも申しますか、IOCに約束したことが破られておる。このままではどうにもならぬからというので、去年のモスコーのIOC総会で、今後地域大会というものはそのたびごとに主催者からIOCに対して申し出をして、それを審議して許すということになったのであります。それでその後におきましては、地中海大会IOCのほうの地域大会からはずれております。それからイギリスにエンパイア・ゲーム、イギリス系統の国だけが集まったゲームがありますが、これも地域大会からはずれております。あまり方々にあるので地域大会からはずれております。  それで今度の大会はどういう意図であったかはわかりませんけれどもインドネシアのオルガナイジング・コミティからは、IOCに対しては、こういうことをアジア大会としてやるから、地域大会として認めてくれという申し出をしておらないのであります。したがって、IOCとしてはあれを地域大会としては認めてないというのが実情でありまして、しかし、憲章にはIOCのパトロナイズする地域大会であるということは明記してありませんので、アジア競技連盟としましては、アジア大会憲章どおりに、各人種だとか、宗教とかということに無差別でなければならぬということで、AGF自体としてきめておりますけれどもIOC憲章に従ってきめているということではないのであります。今度やったことはIOC憲章違反と申しますよりも、AGFもこれはIOCと同じ理想に従って掲げております憲章第一条の、人種とか、宗教とか、信仰とかということによっての差別はしないのだというアジア競技連盟憲章違反しているということでございます。
  10. 鈴木強

    鈴木強君 あまり回りくどい御説明でなくてけっこうですから、簡単にお答えをいただきたいと思いますが、私は同じJOCのメンバーである東さんとあなたの言われることには多少――多少というよりか、かなり統一されてないと思うのですね。三十一日の議事録をあなたあとでごらん下さいね。昨年からそういうことになったとすれば、なおさらのこと、今年の六月にモスクワで国際オリンピック委員会総会が開かれた席上、こういう質問が出て、そのとき事務総長会長も、インドネシアから何らオリンピックを開くということについての通知が来ておらぬということを聞いているのですね。この六月にそういう事実がある中で、まあ東さんのお話ですと、大体二年半くらい前にIOCのほうに準備の状況を報告して、そうして承認を得てから初めて開くのが慣例になっているのだ、しかるにかかわらず、そういうことがやられておらないということを東さんが言っている。しからば、あなたが第三回のアジアオリンピック東大会で預った旗を持っていくのはおかしいじゃないか、IOCの承認がないのに、アジアオリンピック東大会の旗を持っていくのはおかしいじゃないかと言ったら、まあ気がつかなかったというようなことを言っておりましたが、どうもJOCの皆さんの考え方も根本的にこれに対しては違っていると思う。こういう点の意思統一がないから、川島さんが今こられたが、川島さんみたいな御意見が出たと思うのですけれども、もう少しそういうことに対して、事前に十分、体協なり、あるいはJOCなりAGFなりの意思統一を十分にして私は出かける必要があったのじゃないかということを言うのですよ。まあ今から言っても死んだ子の年を数えるようなものですから、私はこれ以上多く申しませんけれども、ことに東京大会に備えての特別委員会は、またこういうような問題が起らぬとも限らぬわけで、われわれとしてはこれだけ今準備促進をしている段階において、どうもJOCの皆さんの中にも、憲章とか何とか私はむずかしいことはわかりませんけれども、具体的に説明を受けた中にも根本的に意見の相違がある。これは事実ですね。そういうことがあっては困るのですね。それはまああとでよく検討してみて下さい。私は東さんの意見から言うならば、あくまでもIOCの関知しないような格好のアジア大会である、それをアジアオリンピックという名前をつけて戦った、その会に日本はのこのこ出て行った、こういうことになると思います。だから初めからそういうことが考えられるような情勢もあったんじゃないかと私は思うのです。  もう一点聞きたいのは、現地における陸連の諸君はかなり出場の問題について慎重だったが、JOCがバック・アップするからというようなことで踏み切ったのだという新聞の記事を見たのですけれども、その点は津島さんどうですか。
  11. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 陸連もJOCの委員の一人であります。現地において参加して協議したのであります。陸連の考え方は、内部のことでございまするが、これを親善大会としてやってもらいたいというような希望が出ておりました。しかし、それは時間的に言って二十四日の朝決定と、午後の大会参加の数時間の間にこういったことがほとんど実行不可能だった、そういう事実はございます。しかし陸連もいろいろ意見もありましたが、統一的な見解としてはこれはやむを得ない措置であるということで参加に踏み切ったというのが実情でございまして、今のように親善大会にしたいという希望は申し出ましたが、これは数時間の間にこれを切りかえるということは急にできることではないという事実をよく了知したわけでございます。そういったような次第でございます。
  12. 鈴木強

    鈴木強君 とにかくアジア憲章違反アジア大会日本が参加したということは一大汚点だと私は思いますが、しかしそれにはまた事情があると思います。だから私はもう少し帰ってこられた体協関係の方でもすなおに、率直に真相というものを発表してもらいたいと思います。もしこの委員会がオープンでまずい場合があれば、秘密会に切りかえても私はいいと思います。だから私は、憲章違反大会に出ようとする意思はなかった、しかし現地実情がこれこれかくかく、しかじかの実情であるということで、日本としては参加せざるを得なかったということであれば、これはまたわれわれは了とする。そういうようなことは今の津島さんの御説明でも、現地実情は差し控えるということで話してくれない。そうなればわれわれはよくわからない。私は東さんから、もし日本が引き揚げる場合には非常に重大な問題が起きる、選手の身辺にも危険が及ぶかもしれないと言われておったがどうだと言ったら、そういうことはなかった、こういう回答を得た。しからば、話し合えない実情がどこにあるのかということがわれわれにはわからない。けさの東京新聞を見ると、きのう評議員会で、インドネシア代表が、あたかもこの大会開会にあたってもっともっと話し合いをすべきだったのだが、日本代表団が主導権をとって各国大会参加を呼びかけ、そうして韓国を除く全参加国が日本にならって競技をすることになった、インドネシア側としてはこの大きな渦に巻き込まれた格好で、大会名称の改正あるいは大会の延期など慎重な処置をとり得なくなった、結論として日本の強烈なイニシアチブを拒否することは全く不可能だった、こういうようなことで評議員会て発言をしている記事を見まして、私はびっくりいたしました。われわれは現地におらぬから何もわからない。私は委員長にもお願いするのだが、こういう国際的な問題で、もし公開をはばかるならば、秘密会にしてでもそういう事情を私は聞きたいと思います。一体このインドネシア代表が三人ベオグラードに行って、この評議員会に参加して言われたことを、あなたはどう思うのですか。
  13. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 私からお答えいたします。その情報は私らの知っておる情報とは全然違っております。日本側から親善大会にしたいという希望でこれを働きかけたという事実は私は承知しております。しかしながら他を勧誘して参加しようじゃないかというような事実は私は承知しておりません。それが現地で受けた私の報告でございます。しこうして今の新聞情報というものは、私は事実において相違しておるものだと、こう確信しております。  なおまたどういう影響があるかということは、これは大体御想像におまかせするつもりでありましたが、もし初日から、第一日競技から日本が参加しないということであるならば、おそらく――これはほかの、陸上関係を主として言うのでございますが、おそらく参加しなかったでしょう。開会式のあと陸上競技が第一日に行なわれた。これはまあ、ああいったような非常な力を入れて作った競技場、また国民全体が力を込めて政府、国民一体となっておるところで競技が行なわれなかった場合において、非常に重大な責任があるということ、これは当然に考えられることでございます。一方AGFはまだ努力中であるから、いろいろな措置は講ずるから一応参加するという最高権威あるAGFカウンシル決定をしておるという事態において一応参加しましたが、おっしゃるとおりこれは変則的なもので、いわゆる憲章違反であるという観点から、われわれはこれを引き揚げようということに決意したわけでございます。しかし今度の事態をこの実行段階において考えますと、これは現地における状況をつぶさには申し上げる必要はないかとは存じまするが、これから生ずる重大な結果というものは、またこれ非常にあとに混乱を生ずるということも考えざるを得ない。したがいまして、そういったことをやると同時に、やはりこれは性格変更に努力する。そこで二十六日の夜からこれに着手したということが実情でございます。お説のとおりまことに遺憾の点があったと思いますが、そういったような次第で、われわれはあくまでもこの会名変更性格変更ということでこの問題を処理するということに一貫して参った、こういう次第でございます。
  14. 鈴木強

    鈴木強君 あまりよく事情がわからないのですけれども、しかしインドネシア代表ベオグラードで述べておることについて、今あなたから聞きましたから、私はあなたを信頼しますよ。しかしその真相というものは、新聞記事が間違っておるということだけでは済まされないと思いますから、会議に参加をしておる人たちが帰って参りまして、その会議においてほんとうにインドネシア代表がこういうことを言ったのか、言わないのかも、十分私は確かめる必要があると思いますので、青木さんが行っておられますが、またお帰りになったら、適当な機会があったらお伺いしたいと思いますけれども、いずれにしてもけさの七時、八時のNHKテレビのニュースで拝見したのですけれども評議員会理事会ということで報道されておりましたけれども、第四回のアジア大会はなかったものにする、そういうことをきめたということも情報では聞いておるのですけれども、そういうことについても会長さんちょっと触れましたけれども情報についてもまことに今は簡単に連絡がとれるのですからね、もう少し的確な情報をつかむようにしていったらいかがでしょうか。この前、三十一日の日だったですか、この委員会でもやはり問題になって、文部省の体育局長津島さんのところに電報を打ったというのだが、その御返事がきたのか、きなかったのか知りませんけれども、やはり国内における世論がどう動いておるかということをつかむことが大事なんで、そういう意味から言っても現地との連絡をできるだけやる必要があったと思うのですけれども、そういうわけで、もう少し記事なんかについても真相を確かめると同時に、きのうあたりの決定についても、もう少し的確に真相をつかんで、国民に一刻も早く、あなたの組織を通じて正式に発表できるような措置をとってもらいたいと思う。こういう点、非常にお忙しい中ですから、私は責めようとは思いませんけれども、もう少し早くやってもらいたいという希望を持っておるから言うわけです。   〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕  で、まあ現地における模様というのはそれ以上あなたから言ってもらえぬわけですね。たとえば非常に引き揚げになると重大事態が発生するかもしらぬという話を聞くのだが、おおよそ想像はできますけれどもね。
  15. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 現実に起こった事態でないですから、それをもって証明することはできません。しかしながら、かりにいよいよ脱退し、引き揚げるという場合に考えられることは、選手の資格なし、もちろんこれは総引き揚げの場合でございます。私の考えたのは、まず選手村から選手は引き揚げてくれ、こういう問題が起こります。これは二百何十人か、あの現地には実はそういったような収容する場所もない。これはちょっと速記をとめて……。
  16. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  17. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 速記をつけて。
  18. 鈴木強

    鈴木強君 私はスポーツに政治が介入してはいかぬということは当然ですよ。やはり私たちはインドネシア代表が向こうで言っているのを見ても、インドネシアのNOCというのですか、何か向こうのインドネシアオリンピック委員会、組織委員会としてはいろいろと努力をしたんだが、もう政治的な問題になってしまってわれわれにはどうにもできなかったという記事もあるのですよ、向こうの代表が言っている中に、ああいう結果になるについて。ですから、確かにスポーツをやろうという人たちの考え方よりもっとはるかに高度の私は政治性というものが動いてきたのじゃないかと思うのですがね、これは推測ですが。そういうことが結果的に台湾イスラエルの参加できなかった形になったと私は思うのですよ。したがって、こういう結果になって、そのことが今度また次のオリンピック大会にどういう影響をもたらすかということにまで発展をしていく。まことに現地で暑い中を夜もろくに寝ないで御苦労いただいたことも私は新聞で聞いておりますから、感謝しながら率直にそういうことを申し上げるのですが、そこで次の東京大会にそう影響がないだろうというふうな判断を持たれたようですが、まあ評議員会というか、IAAFがどういう結論を出すかしりませんけれども、その結論は大体いつごろ出るのか、その見通しはどうなんですか。
  19. 津島壽一

    参考人津島壽一君) ただいま新聞情報に書いてありますように、評議員会カウンシルミーティングでございます。これは十一カ国ばかりのおもな国の実行委員会というか、理事会とも……。それで一応今回の問題に対する報告決定をこしらえるわけであります。最終的の決定総会、これが今の予定では欧州選手大会がきょうから行なわれておると思います。それが済んだところで最終のコングレスを開く。その日取りは十七日か八日を予定しておる。それが最終決定をする場面でございます。したがいまして、内容はまだ評議員会としては公表しておらぬと思います。最終決定は十七日、八日か、日取りは正確には十七日を予定しているわけであります。そこで各国陸上連盟代表の集まりの総会に付議されて最終決定をみる、こういう手続になっているわけでございます。
  20. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。私はもしそこで結論が出てくれればいいのですが、もし不幸にして延びるようなことになりますと、これから東京大会に向かって二年数カ月の間、選手の強化その他準備を進めていくのですけれども、どうも一方では国際陸連が認めるか認めないかというような、そういう問題が尾を引いているので、やるほうも身が入らないのではないかという心配をするわけです。これはできるだけ早い機会に結論を出していただいて、東京大会に支障のないように、あらゆる角度から働きかけていくことが当面残された道だと思うのです。これは国民のアジア大会に対するいろいろな角度からの批判というものを受けて、東京大会協力できる体制を作ることが大事だとわれわれもそう思うが、皆さんもこれは先頭に立ってやってもらわなければならないと思う。そういうことで、オリンピック東京大会に障害ないための努力というものはそういう方向にやってもらいたいと思う。  そこで、これは大へん失礼な質問かもしれませんが、川島国務大臣が見えておられるのですが、十一日の閣議の御発言も私は新聞だけしかわかりませんが、かなり体協あるいはJOCに対する強い批判だと思うのですが、そういうものに津島会長や体協方面の各位はどういうふうに受け取られているのか。もう二年何カ月しかないのですから、どうしても、もし体協内部における責任体制というものがまずいならまずいで、どうやっていくか。しかし、現状における体協の努力あるいはJOCの努力は一体どうなるのか。できるだけ努力をしていっても、なおかつ問題の処理にあたってうまくいかないのか、その点も十分検討の上で、やはり批判される場合考えていかないと、再度問題が起こると思う。これは川島国務大臣がああいう発言をされるのですから、相当の理由もあるでしょう。これを受けて、体協やJOCは、とんでもないことを言っていると、とっているのか、あるいはこの発言に対して、足りないところは今後直していこうとするのか、そういう心がまえというものが非常に大事だと思う。ですから、もし不当な批判であれば、間違いを正して反省を求めることも必要でしょう。またその批判が当たっているとすれば、すなおに受け入れてやることが必要だと思う。人間だから、神様でない限りは足りないところもあるでしょう。十分にベストを尽くしてもできない場合もあるのですから、そういう場合はちゃんと強化していくというようなことを考えていかなければならないと思う。私はさっきの東さんやなんかの御発言と、きょうおいでいただいた田畑さんなどの御意見を聞いても、ちょっと基本的な考え方について食い違いがあるように思いますし、そういうことなどもやはりできるだけやってもらわなければならない。もし隘路があれば、やはりその隘路を出していただいて解決していく方向にみんなが努力していかなければならない。これは自主的な判断にまかせるのだから、よけいなおせっかいかもしれませんが、これから東京大会への体制強化に向けて、大へん失礼かもしれませんが、津島さんはどういうふうに受け取られましたか。
  21. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 御説まことにごもっともと思います。われわれとしましては、最善を尽くして、この事態からオリンピック東大会の成功に導くようにあらゆる手段を講じたいとこう存じておる次第でございます。
  22. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今回の措置につきましては、これは私はああいうことになったことはやむを得なかったと思う。何といっても責任は全部インドネシア側にあるということはこれは明らかである。ただ、日本側のとりました態度が、日本の国内にいろいろに伝えられている。そうしてそのために非常にこちら側でも揣摩憶測も起き、さらにまた非常な今後の不安というものも生んでいる。私は第一に、インドネシア側が、特にインドネシアの政府がとりました態度というものは、あの場になって急にとられた態度じゃなくて、インドネシア台湾なりあるいはイスラエルなりに対する態度というものは、その以前からわかっている。こういうことがスポーツと政治と混淆することになるだろうということも、皆さんが行かれる前から予想されておったことなのだ。これに対して十分なる判断を持たなかった。そしてそれがどういうふうにジャカルタの大会影響するかということについての十分な判断を持たなかったということが、私まず第一に日本側として問題があったと思うのであります。それから第二は、向こうへ行きましてから、これは個々人の発言のニュアンスの相違もありましょうが、とにかく向こうへ行かれた責任者の方の発言というものが非常にまちまちであって、日本側意見が一致していなかったという印象をこちら側に、日本に与えておるということが、私ども非常に不満な第二。第三の点は、やはり日本のとりました態度というものが、たとえばインドソンディ氏なんかもあとに非常に不満だったような口ぶりのことが伝えられておりますが、そういうふうに日本側のとりました態度が他の国にいろんな影響を及ぼしたと思うのですが、それらの点について日本側として弁解される面もあると思うのでございますけれども、そういう点についてまた問題があろうかと思います。  それから、さらにまた私どもがおかしいと思いますことは、ベオグラードインドネシア側が、先ほど鈴木君も言われましたような発言をしておる。そして津島さんはこれをそういうことはないのだと否定されております。しかし、こういうようなことが発言されるということになりますというと、これはやはり国内において日本側のとりました態度というものについて、いろいろまた憶測や疑惑が生まれてくるわけであります。それにはやはり、もっとあの当時の実情が国民に知らされなければならぬわけであります。そうでないと無用な誤解を生むことになる。たとえば、ああいう大会日本側が参加をした、そういうようなことは、これはもう筋としては間違っておることには違いないのですけれども、それが引き揚げることができなかったという事情を国民がよく理解しなければならぬわけでありますけれども、先ほどの津島さんの御説明では、いろいろな事情があって、それをここで公開の席で述べるわけにはいかないということです。これは明らかにその影響というものは、今向こうにおる連中にいろんな影響を及ぼすでありましょうから、私どももこの点についてはきょうこの場で深くお聞きするつもりはございません。しかし、この問題は何らかの形で明らかにされなければ、国民のいろいろな疑惑を解くわけにいかない。できるだけ早い機会に詳細に、どうしてああいう大会日本側は参加しなければならなかったか、その間の事情というものを明らかにしていただきたいと思うのであります。ということは、川島さんの閣議における発言というものが非常に大きく報道をされております。その川島さんの発言を国民のほうはどういうふうにとるかといいますと、おそらく川島さんの発言は非常に根拠があるというふうに考えるわけであります。そしてそれから逆に考えて、日本側がとった態度というものが非常にまちまちであった、一貫していなかった、一体、体協とJOCというものは何をしておるという疑惑を強めるばかりであります。でありますから、その間の事情を明らかにしない限り、川島さんの発言というものを国民はむしろ信じるようになるかもしれない。このことは、これからの二年間のJOCなりあるいは体協の仕事の上に差しつかえてもくるし、また選手たちの士気にも影響を及ぼしてくるわけであります。でありますから、この事情をすみやかに明らかにするということ、そうしてまた、その間に起こりました諸種の事情について、さらに詳しく国民に対してJOCなりあるいは体協なりというものが十分に説明をすることをやられるか、どうか。まずその点からお伺いしたいと思います。
  23. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) ちょっと委員長。誤解があるといけませんから、一言述べさせていただきます。  私は、アジア競技大会に出席した関係の諸君の不手際があるからして責任体制をはっきりしろ、こういう意味のことを言っているのじゃございません。アジア大会では、津島会長以下、心底から一生懸命やっておったという事実を見ておりまして、私はその点は感心いたしている。ただ、結論がいい悪いは別として、感心をいたしている。敬意も払っているのですが、実はオリンピック閣僚懇談会ができまして、第二回目の懇談会のときに、これは内閣改造以前でありますが、その懇談会には東都知事、津島会長田畑事務総長たちも出ている席上ですが、私が担当大臣になりましてから、多少調査もするし、また、各方面からいろいろな意見を進んで聞くというよりも、いろいろ聞かされました。その結果、何としてもこれじゃ不安心だ、もう少し責任を明らかにしてもらいたいという感じを持ちましたので、その際に発言をいたしたのでありまして、今回特にジャカルタにおける措置が何だからして責任体制をはっきりしろとか、責任をとれということを言っているのじゃございません。十一日の閣議の際にも、そういうことは言っておりません。第二回の閣僚懇談会のときに責任体制をはっきりとれと言ったということは報告したのです。報告しましたけれども、特にこの問題についてということは言っておりませんから、その点はひとつ御了解願っておきます。
  24. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ただいま川島さんのほうから弁明がございましたけれども、しかし、発表をされました時期がちょうどジャカルタ大会の後でありまして、そうして、しかも津島さんなんかが帰られましてから間もなくである。でありますから、前に発言されたことが閣議に報告されたとしましても、それが新聞に伝えられました以上、国民のほうが、今回のことで川島さんの発言があったというふうに受け取るわけであります。この点はもう否定できないだろうと思うのです。そういたしますと、やはりこの問題に関連なしというわけにはいかないのでありまして、独立の発言ともどうも私は受け取れないのでありますが、その時期。がそういう時期でございますので、非常に大きな波紋を投げたわけですが、いずれにいたしましても、川島さんのほうでは、オリンピック担当大臣として、現在のJOCと体協との間にいろいろ問題がある、意見も統一してない、また内部のごたごたからあるいは仕事も順調に進んでない、こういうふうにお考えになっていることは間違いないと思うのですが、そうだといたしますならば、その点をやはり担当大臣として明らかにする必要があるのじゃないかというふうに私は考えるのであります。もしそういう御発言があるといたしますならば、やはり根拠のない発言ではない。根拠のある発言でありましたならば、その点は担当大臣として明らかにまた指摘さるべきじゃないかと思うのですが、川島さんは、その点についてどういう具体的な事実があるか。そうしてそれに基づいての御発言であるとするならば、その事実を私どもにもできますならばお知らせ願えればいいのじゃないか。ことに、きょうは津島さんも田畑さんもおられますけれども、しかしながら、津島さんも田畑さんも、この担当大臣の発言は虚心たんかいに聞かれて、この二つの団体の将来の発展のために尽くされると思うのでありますが、その点について川島さんのほうから、ひとつその発言の内容について具体的にお話願えれば非常に私は幸いだと思うのであります。
  25. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) オリンピックの施行につきましては、政府といたしましては、前々から強くこれを推進し、援助することをやっておったのでありますが、政府部内だけを見ましても、仕事が各省庁に分かれておりまして、その間に連絡統一を欠く点もありますので、一そうこれを強力に推進する機関として閣僚懇談会を設けまして、その機会に私が担当大臣になったのですが、オリンピック担当大臣というものは別に独特の権限があるわけではございませんで、閣内の連絡統一をはかると同時に、従来以上に各関係団体を支持し、推進することが仕事でございます。そこで、私は担当大臣になりましてから、先ほど申し上げたように、いろいろ調査もし話を聞いてみますると、実は非常に意外に思った。わずか二年後に迫っているこの東京オリンピックを、これでほんとうに準備ができるのか。いろいろあります、問題は。それはただ組織委員会関係だけではございません。政府部内でやるべき、東京都がやるべき道路にいたしましても、またホテルの施設にいたしましても、きわめて不十分である。同時に組織委員会自体にも非常に不安心がある。たとえば外国から一千名の報道陣が来る。これに対してどういう処置をとっているか、なるほど処置をとる考えでおりますが、ちっとも実行の緒についていない。わずか二年ではたしてこれができるのかどうか。また日本報道陣に対する一体施設をどうするのか、こういうこともほとんどでき上がっていない。そこでいろいろ考えて、まあ今組織委員会には津島さんと田畑さんと二人が全責任をもっておやり願っているので、非常に御努力になっていることは認めるのでありますが、一方、国民の要望は、とにかく東京大会では日本は勝ってもらいたいのだ。スポーツというものはただ参加すればいいんじゃなくて、やはり国民感情としてはぜひ日の丸をよけい上げてもらいたいのだ。それには選手強化が必要なんだ。一体、それはどこで受け持つかというと体協で受け持つ。それでは体協が選手強化に対して万全の策ができているのか。なるほどいろいろ計画はあります。机上のプランはあるけれども、ほんとうにそれで選手強化ができるかというと非常に心もとない。今の組織委員会は体協がそのままいっている。体協つまり組織委員会という形が、これでほんとうに国民的行事である東京大会はいいのかどうか。組織委員会というものは体協のものでなしに国民のものにする必要があるのではないか。いろいろそういう点を考えて、ひとつ責任体制をはっきりしてもらいたいということを申し上げたのでありまして、これはインドネシア大会以前の問題。そのときから私はそういうことを強く要望しておりますが、依然としてこの問題は解決しておりません。そこで十一日の閣議のときに、そうした問題には触れずに、インドネシアスポーツ状況を報告したんです。報告して、その際にかなり自分としてはこういうふうなことを要求してあるということを閣議に報告しておきました。それは責任体制の確立ということ、それ以上には閣議で触れていない。新聞記者会見でも私はそれ以上触れておりませんで、インドネシア競技大会のやり方がへまだからして責任をとってもらいたいというようなことは私は考えてもみませんし、触れてもおりませんが、もっと根本的な問題は、インドネシア競技大会よりも東京オリンピック大会をどうしてやるかということに重点をしぼって、私はいろいろ苦慮もし、考えてもおる。こういうのが私の心境でありまして、ここで一々申し上げれば数限りなくありまして、また申し上げることをはばかることもありますし、もう御参考にならんこともありますので、これ以上申し上げませんけれども、そういう気持でもって私は担当大臣として仕事に当たっておるということを御了承願っておきます。
  26. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 まあ川島さんの御熱意よくわかっておる。川島さんが担当大臣になられる前、つまりJOCの組織されるときから、このJOCの中に政府のメンバーが送られておるわけです。今これを見ましても、荒木文部大臣もメンバーでありますし、それから総務長官もたしかメンバーになっております。徳安さんがなっておる。すでにJOCのメンバーの中にもこういうふうに政府関係の人が入っておる。もっともっとそういうような点について政府のほうで熱意があったとすれば、川島さんの来られる前に、すでにそういう点について政府関係の方は、直接JOCに政府が圧力を加えるとかあるいは命令をするとかという立場にないといたしましても、できる組織じゃないか。これがなされなかったとするならば、やはり私は政府関係にも手落ちがあった。あるいは熱意が足りなかったということになろうかと思う。また各省の次官だとかあるいは各省の局長とかというものがそれぞれの委員会に入っておる。それらの人々は一体何をしていたかということにもなろうかと思う。また逆に今度JOCの側のほうから言わせれば、どうも何かやろうと思ってもなかなか金を出してくれない。というような問題もあろうかと思うのでありまして、これはなかなかむずかしい問題であります。川島さんが担当大臣になって、御熱意を持って今後政府側としてももっと熱を入れていただけるようになったということは非常にけっこうなことでありますが、この責任体制を明らかにするということもその一つだといたしますと、大体責任体制を明らかにして、そうしてそれを今後どういうふうに具体的にしていくかということも、川島さん御構想をお持ちなのか。川島さんの御構想を、これを両方の団体に直接命令をして押しつけるわけにはいかんでございましょうけれども、また協議をして推進する方法もあろうかと思うのでありますが、その御構想を私は承りたい。
  27. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 責任体制を明らかにするということは、人事の交流ばかり意味しておるんじゃございません。その他いろいろ考えられます。機構の問題もありますし、いろいろありまして、私としては構想は何も持っておりません。また構想を持っておりましても、これを組織委員会や体協に押しつける立場にはおりません。ただ反省を促しておるだけであります。政府も反省をいたしまして、さらに従来以上に有力にバックしようというので、オリンピック閣僚懇談会をこしらえ、担当大臣を作ったのですから、これに呼応して、組織委員会にしてもまた体協にしても一緒に立ち上がってもらいたい。こういうことを私は熱望しております。構想というものは特に持っておりません。
  28. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 構想を明らかにされないわけでありますが、とにかくオリンピック委員会のほうには政府関係者が入っておるわけでありますから、それを通じてオリンピック委員会において間接的に政府の見解を明らかにして、そうして組織の問題あるいは仕事上の問題についてもっと積極的にこの発言をする。そうしてまた推進していく。そういうお考え方ですか。
  29. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 従来文部大臣と総務長官が組織委員に入っておりますが、それぞれ自分の仕事の立場だけで入っておる。政府全体として入っているんじゃないのでありまして、そこで私が担当大臣になりまして、政府全体として、組織委員会、体協等といろいろ話し合いをしまして、仕事を進めよう、こういうことになりましたわけであります。文部大臣、総務長官を通じてやることもこれまた必要でありますけれども、しかし、それを一歩進めまして、さらに政府全体としての責任者を作る、こういうことになったのでありまして、私はこの体制ができて、オリンピックというものはだんだん軌道に乗っていくのじゃないか、また乗っけなければいかぬとこう考えて、私は今非常に熱意をもってこれに当たっておるわけであります。
  30. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ただいま川島さんのほうから、オリンピック担当大臣として、つまり両組織の外にあって、そして相談をしてやっていくというお話でございましたが、オリンピック担当相として、組織委員会に加わるというようなお考はお持ちになっておるわけですか。
  31. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) オリンピック担当大臣としての仕事は、組織委員会なり体協なりとの関係よりも、むしろ大きなことは、一番に道路をよくすること、また一日三万人だろうと推測されておる外人を収容するホテルを作ること、その他たくさんございます。そういう仕事もあるのでありますからして、ただ組織委員の一員として働くだけじゃ私の仕事は尽きないのでありまして、むしろ外におりまして、組織委員会も強力に推進するし、同時に閣内の関係閣僚全部をひとつ連絡をし、ときには指導しまして、鞭撻していい体制を作ってオリンピックを迎えたい、こういう考えでありますからして、組織委員会に入るつもりは今ございません。
  32. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 強力に政府がオリンピックに関する全体的な仕事をするために、オリンピック担当相としては、もっと広い見地、広い分野で働くためには、組織委員会に入るつもりはないということはよくわかりましたが、その点について川島さんに今後非常な御努力を願わなければならぬ点もたくさんあろうかと思います。ところが、きのう新聞に伝えられたところによりますと、非常にいろいろ問題がありまして、ようやく決定いたしました戸田競艇場の問題がまたひっくり返りそうな形勢になってきておる。そして相模湖でやれというような意見が出ておる。一たん決定されましたことを、こういうふうにまたぐらぐらくつがえるような、あるいは問題になるようなことでは、それこそ一体、はたしてオリンピックまでに間に合うのかどうか、こういう疑惑も起こってくるのであります。あの問題につきまして、閣議でそういう問題が出るというようなことは、どうも川島さんが強力に進める、統一的にやっていくのだというのと、だいぶ違った印象を受けるのでありますが、ああいう一たん決定した問題がまたあぶなくなるというようなことについて、しかも、それが閣議でそういう問題が出たということについて私ども解せないのでありますが、これについて一体どういう態度をおとりになるのか、お伺いしたい。
  33. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 戸田コースの問題は、組織委員会決定をいたしまして、三十七年度の予算にもたしか一億七千万円かと思うのでありますが、川幅を広げる予算が計上してあるのです。ところが環境を直す問題、あるいはあそこにあるモーターボート・レースの賠償をどうするかという問題、その他二、三問題がありまして、埼玉県、東京都、文部省その他関係者間でもって話がつきませんので、実はこの問題がたな上げになっておった。それをせんだって踏み切りまして、とにかくもう工事だけはしようじゃないか、埼玉県との交渉、大蔵省や都との交渉はあと回しにして、工事だけはしようと、こういうことをきめまして、近く工事に着工する運びにさしたのでありますが、しかし、埼玉県との交渉が依然としてはっきりしない、そういうことがあるものですから、閣僚の中からしてそんなごたごたするところなら、いっそすっきりした相模湖に持っていったらどうかと、こういう意見が出てくるわけなんです。そこに問題があるのです。この戸田コースの問題にしても、ほんとうに最後的にきまっておらぬというところに他の候補地が浮かび上がってくるという問題がありますので、私は戸田をよして相模湖にしようと言っているわけではございません。しかし、問題は研究してみる必要があるだろうと思うのです。もう少し早く埼玉県あたりと話をつけまして、すっきりした形にして、ひとつ工事に入るなり、また環境の整備に入るなりしたいと思うのですが、残念ながらこれができていないのですが、ひとつなるべく早くこれを解決するように努力するつもりでおります。したがいまして、閣議でああいう発言がありました。ありましたけれども、それは聞いてあるだけであります。聞いてあるだけですが、そういう発言があるというところに、従来組織委員会にしても何にしても非常に手ぬるかったということは認めざるを得ない。そういうことを心配しているのです、ふだん。だからはっきりしよう、こういうことなんです。
  34. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ただいまのお話で事情はわかったんでありますが、組織委員会が埼玉県と話をつけて、つけなければならなかったわけでございますが、これは組織委員会が埼玉県と話し合いをつける上のいろいろないきさつ、あるいはまた組織委員会が埼玉県を納得させるだけの力がなかったのかもしれません。しかし、そういうような場合に、これはやはり政府側のほうとして、オリンピック担当相ができて、これを政府が強力に進めるという以上、そういう組織委員会ができない、あるいはなかなか力が足りないような問題については、これは総理府総務長官も入っておるのでありますから、政府側で埼玉県との話し合いを促進するという手もあったはずなんです。政府側として今までその問題についてはタッチしておらなかった。そしてまた今後は政府側としてオリンピック組織委員会と埼玉県とのあっせんに乗り出す、あるいは政府側みずから埼玉県と折衝して進めると、いずれかにしなければならぬと思うのですが、政府としては戸田の競艇場を早く着工するためには、そういう手段をとられるかどうか、お伺いしたい。
  35. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 組織委員会には埼玉県の体育協会を代表して福永君も入っておるわけです。相当関係者が入っていて、なお話がつかぬというところに困難性があるのですが、私もこれからあっせんをしまして、なるべく、どういう結論になるかしれませんけれども、ひとつ問題を片づけるようにいたします。
  36. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) お諮りいたします。河野謙三君から委員外議員としての発言を求められております。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 御異議ないと認めます。河野君。
  38. 河野謙三

    委員以外の議員(河野謙三君) 私は過日のアジア大会に視察に参った一人でございまして、現地におきまして、御出席の津島さんや田畑さんが昼夜を分かたず非常に御苦労なさったことはあまりにもよくわかるのですが、したがって、結論として、不手ぎわではありましたけれども実情あれよりほかに方法がなかった、かように私は理解するのであります。特につけ加えますが、スポーツと政治とを画然と区別して、スポーツスポーツ界において処理すると、その筋を通そうと思えば思うほど結果的には政治が大きな問題になって、どうも結果というものはおのずと違ったことになるということであったので、やむを得なかったと、私はここでお尋ねしたいのは、われわれがこれからの論議の焦点は、二年後の東京オリンピックを完璧にしたいということにすべての焦点を合わせなければいかぬと思うのです。その点について私は、過去にありましたことよりも、これから東京大会をりっぱにやるにはどうしたらいいか、よく川島大臣が言われましたように、そこに私は重点を置いてひとつお尋ねしたいのであります。でありますが、その前に簡単に一つ申し上げますが、インドネシアにおいでになる前に、われわれにはわかりませんけれどもインドネシアの大使館におられる方々には、特に大使には、インドネシアの国情、特にあの異常な姿というものはよくわかっておるはずであります。事前に大使から大使館を通じて体協に何らかのあれについての御連絡があったかないか。先ほど岡田さんからも触れられましたが、向こうから積極的に、インドネシアの今度のアジア大会を開催するにあたって、今こういう問題が起こりそうである、どういう手を打つかというようなことの連絡があったかどうか。また、なくても、体協のほうで積極的にそういうふうな向こうの国情の調査につきまして、大使館をわずらわした事実があるかどうか。これを最初に伺っておきたいと思います。
  39. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 私からお答えいたします。大会前の状況に関してのことだと思いますが、台湾に送られたアイデンティティ・カード、まあ入国の証明書でございますが、これが八月の何日でございましたか、新聞情報によると、中に白紙が入っておったということであります。台湾側のほうが……
  40. 河野謙三

    委員以外の議員(河野謙三君) ちょっと、私は時間もございませんから、簡単に、大使との連絡をつけておったのか、また、大使がこちらに事前に向こうの国内事情について、アジア大会に及ぼす影響はどうであるかということを御連絡があったかないか。あったとか、なかったとかということを……。
  41. 津島壽一

    参考人津島壽一君) こちらの駐在されておるインドネシア大使にはお目にかかりました。しかしながら、大ぜいの席でありましたので、そのときも話がありませず、また、その前にも一これは出立の一日前ですが――インドネシア大使からは本件については何らのニュースを得ておりません。これは向こうからそういうものがあったかどうだとかということは、私は存じておりませんが、そういうことはありません。
  42. 河野謙三

    委員以外の議員(河野謙三君) 私はこれをお尋ねするのは、東京大会の場合にも、主催国である日本が、積極的に各国の国情というものについて、大使館を通じて、外務省を通じて、よく事前調査をしておくことが、やはりオリンピックの準備の大きな一つだと私は思いますので、特にお伺いします。今度できたことはどうだとか言いません。  それから、その次に、浅野君は十六、七日に行ったはずでありますね。選手が出発前に行きまして、選手が出発前に浅野君はロンドンからあの電報を受け取ったはずであります。それにつきまして、浅野君から国内にいち早く連絡があったかどうか。詳しく私は聞こうと思いませんけれども、私は死んだ子供の年を数えるのじゃありませんけれども、結果論として、すべての場合にそうですが、こんなことになると、あのときこうしておったらいい、ああしておったらいいということをお互いに考えるはずであります。浅野君が、あのロンドンからの電報によって、もう少し早く処理する私は時間的余裕があったと思う。それが連絡があったかないか。もう一つは、浅野君が電報をもらった場合、先ほどお話がありました、浅野君が悪いかだれが悪いか知らぬけれども、東さんの見解と全く違う。東さんは、IOCアジア大会とは関係がないと言う。浅野君は、そうは思わないと言っておる。それが二十四、五日までの浅野君の見解であった。同じ体協の中において、そういうふうな重要な問題でさえも意見の食い違いがあって、そのまま――ほかのことと違って、こういう重大な問題を現地代表者の間でお互いに意見の交換をして、なおかつ意見の一致をしないで……。最後には意見は一致したのでしょうけれども、そういう事実があったことは事実であります。なお、津島さんのような非常に外国語にたんのうな人であるにもかかわらず、浅野君が自分で電報を握っておって、重要な個所について電報の解釈を間違ったということを私は聞きました、真偽のほどはわかりませんけれども。要するに、私は時間の関係上、これについて一々御答弁を求めようと思いません。求めようと思いましたが、これは略します。  そこで、私は結論として申し上げますが、りっぱに東京大会をやる場合に、あなた方がお帰りになってからの措置は、きわめて私は不満であります。言いわけに回っておる事態じゃない。こうすれば東京大会影響はないだろう、こうすれば陸上選手にきずがつかぬだろう、こうすれば陸上の役員にきずがつかぬだろう――この次の大会がよその国であって、日本が参加国の立場であれば別でありますが、主催国の立場であります。積極的に身を清めたらいいじゃないか、私はその点を申し上げます。しょせん、これは今後いろいろ会議が開かれましても、アジア大会というものをこのまま承認して東京大会は開けません。選手大会その他の名前に変えざるを得ないでしょう。そういう結論は私ははっきりしておると思う。また、そういう結論を出さなければいかぬ。そういう結論がはっきりしておるなら、日本陸上選手が、アジア大会の名において、いかなる表彰なり、いかなるメダルなり、そういうものをもらって今受け取っておることは、私は非常に今後問題だと思う。これも浅野君が向こうにおる当時は、ロンドンからの電報は、日本陸上競技連盟が処罰の対象か、個々の選手が対象か、それさえもわからなかった。体協ははっきりと陸連が対象じゃなくて、個々の参加した選手が対象であると、こういうことになっておるならば、少なくとも、日本の参加した選手アジア大会には参加した覚えはないということを、結論が出る前にはっきりしておいたらいいと思う。それが参加賞であろうが、賞状であろうが、また、金メダルであろうが、こういうものにつきまして、アジア大会の名において出されたものにつきまして、しかるべく辞退するなり、また、陸連が預かるなり、体協が預かるなり、この点は岡田さんも触れておられたようでありますけれども、そういう点は積極的にはっきりして、オリンピック憲章に示す精神そのものに、私は、日本団体なり各選手を清めておかなければいかぬと思う。それを何とか言いわけをすればいいのだ、三百代言でも何でもいいのだ、するする言いわけして通ればいいのだ、こういうことでは、二年先に東京大会を主催する主催国としての団体なり選手の資格はないと思う。その点について津島会長、いかがお考えになっておりますか。
  43. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 最後の問題はあとに回しまして、浅野国際陸連代表情報がもし早くわかって、選手出発前、また、われわれが出発前に、こういう事実が起こりつつあるということであれば、私はもう出発を延期し、また、参加しなかったでしょう。ところが、われわれは現地に行ってこれを知ったのであります。国際陸連のペインからの浅野氏――浅野氏はおそらく八月十六日ぐらいに行っておったのじゃないかと思います。これは正確じゃございません。われわれより先に行っておったわけでございます。ところが、ペインからの第一報、いわゆる警告的の電報は十四日付でございます。それが十九日に浅野代表に送付された、配達された。そこで、二十日に田畑、高島等が向こうに行き、私は二十一日に最終選手団と一緒に行ったわけであります。着くと、このことがあるということを聞いたのでございまして、その時期においては非常に残念ながらそういうことになっておる。これは現地事情が非常に複雑であるという一つの事例でございましょう。浅野君自身も、それが作為や何かあったのではないかいうことを言われておったわけでございます。そういった意味で、内容の問題についてのいろいろの解釈がございますが、これは問題をはずしまして、そういう事情でございまして、出発前、われわれはそういうニュースが若干でもあれば、これは大いに反省し、また、措置も違ったと思います。出発前における状況は、台湾のアイデンティティ・カードの送付が、こういうような白紙が来たという事実を知ったのでございます。これは事実なんです。それで、一方、ジャカルタ側の弁明によりますと、これは招致にあたって、誓約した各国に無差別に全部案内状を出し、また同時にそういった旅券、アイデンティティ・カードを送るという誓約をしておるわけです。その誓約を実行するかどうかということは、各国に十分聞き合わせをやって、そのとおりやるんだ、現に日本へも招請状というか、案内状並びに正規のあれが参ったわけでございます。ほかの国にも参った。現地側からいうと、ここで問題になったのは、台湾イスラエル、韓国でございます。これは国交がまだ開けていない三国、これについては政府側のことで、組織委員会ではありませんので、三国といえどもこれを招待するんだという招待状も出ている。そういうような意味で、さっきの御質問のように、われわれがそういったようなことが事実あるにかかわらず現地に臨んだという事実はない。現地に行って驚いたことであったのでございます。それからあとの措置は先刻申し上げたとおりでございます。  さて今後、善後措置が一番大事でございます。過去のことはまあしばらくおきまして、われわれとしても東京大会を成功に導くその観点から、始終あらゆる措置を講ずることに焦点を置いてやったつもりでございます。さしあたり今起こっているのがベオグラード会議、これも先ほど報告したとおりでございます。なお今後の決定いかんによって、AGFの従来の決議しようとした問題をどうしても実現しなければならないという問題で、それによってこれは解決することが一つ。その他一般に、東京オリンピック大会を開く場合に、これはわれわれが誓約しておる憲章の規定によってやる、また、これこれの方法、手段を考えて無差別にやる、その方法もちゃんと誓約したわけでございます。その誓約を忠実に厳粛に実行するということが当然なことであって、これによって、各国が、日本憲章の擁護者であるという建前に――IOCでございますが――そういうことにしたいと思っているわけでございます。選手の今後のいろいろな根性というか、精神というか、これはやはりその点に打ち込んでいくということは当然でありまして、主催国として、憲章の規定に沿い、誓約に沿い、あらゆる部面において誠実、厳粛にこれを行なうということを、十分私は納得いけるようにしたいと思います。おそらく日本は今日まで憲章の維持のためには最善努力を尽くしておる国であるということは、十分各国承知していることと思いますので、その部面から何らの疑念が起こらないようにするのがわれわれの義務であろう、こう考えておる次第でございます。
  44. 河野謙三

    委員以外の議員(河野謙三君) オリンピック憲章の示すところによって、何らの妥協なく、オリンピック精神そのもので大会をやるという気持はわかります。しかし、津島さんは今度、単なるアジア大会でありましたけれども、それを筋を通すためにはあまりに国際事情は複雑であるということは、身をもって体験されたはずであります。現に、ついこの間、行なわれたモスクワの大会におきましても、堂々と憲章違反したことをやっているじゃありませんか。中共は加盟していない、加盟していない中共を招待した、参加せしめた。憲章違反ですよ。今度の場合は呼ぶべきものを呼ばなかった。モスクワの場合には呼んでいけない人を呼んだ。しかるに、それはソ連の国力か何か知らないが、その圧力に押されて、見て見ないふりをして、目をつぶって大会を終了してしまった。先ほど田畑さんの言われた地中海の問題もそうです。最近の世界各地で行なわれる競技会というものは、いずれも憲章すれすれどころではない、明らかに憲章違反ということを繰り返している。それだけ世界の政治事情は複雑である。今後ますます複雑になるでありましょう。その複雑の中にオリンピック憲章に基づいて堂々と東京大会をやるということにつきましては、その決意はいいけれども、決意と同時に、具体的の措置というものを今からお考えにならないと、私はたいへんなことになると思います。であるから申し上げている。その具体的措置一つとして、他に向かってオリンピック憲章に基づいて主張するならば、今度のアジア大会における日本選手のとった態度というものは、言いわけではなくて、はっきりと憲章そのものに従って終始したような行動を、今からでもいいから修正していかなければいかぬと思います。その点、私は心配しているのです。先ほど申し上げましたが、単にメダルの問題でありますけれども、これはアジア選手大会に参加したので、アジア大会に参加したのではないと言ってみたところで、アジア大会へ行って賞状をもらって、金メダルをもらって帰ってきているじゃありませんか。あとになって言いわけはできるかもしれないけれども、少なくとも選手それぞれ、日本の体育団体の良心からいえばおかしいですよ。そういうことをなぜ積極的にやらないかということを申し上げているのです。私はそんな簡単なものではないと思います。東京大会の場合はいろいろ国際情勢にからんでくる、それを私は心配しているのです。先ほど津島さんは、私は答弁をあえて求めたのではありませんが、浅野君が十四日に電報のきたのを十九日に取ったと言うが、それを向こうの中間で、あの国でありますから、押えておったかもしれない。しかし、いずれにしても十九日に取った。十九日に取って、事の重大性にかんがみてすぐ国内に打電したらいいじゃないですか。してないでしょう。そうして実際の責任者であるあなた方が向こうへ行って初めてそういう報告をする。私は非常にこれは無責任だと思うのです。そういう点について、私は非常に遺憾な点があったと思う。なお、いまだに私は遺憾な点が繰り返されていると思う。今度浅野君がベオグラードですか、出発にあたって、これだけの重大な問題をかかえて、陸連だけの問題ではありません。少なくとも津島さんの責任にかかったところの、日本スポーツ界全体の問題であります。事前に少なくとも津島さんと浅野君は十分の打ち合わせをしていくべきだと思う。陸上の問題は陸上だけで片づく、そんな問題ではありません。そういう打ち合わせた事実がないでしょう。そういうふうに、個々ばらばらで、津島さんの統率のもとに、また、田畑さんの統率のもとにスポーツ団体が一糸乱れず動かないところに、私は問題があったと思う。今度向こうへおいでになるについて、十分打ち合わせされましたか。それとも津島さんは、陸上の問題は知らぬ、お前勝手に行って勝手にやってこいということですか。その点、承っておきたいと思います。
  45. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 浅野氏は現地では十分話も聞き、われわれの仲間の者と始終懇談いたしておりました。浅野君は用務のために先に帰ったわけであります。現地を去ったわけであります。その前は接触は十分しております。ただ、浅野氏の立場は、国際陸連代表という立場でございまして、われわれと同じ体協のいわゆる役員としての行動ではなかった部分が多いのでございます。十分打ち合わせばいたしました。これはもう私もいろいろな方から報告を聞き、また、私も何回も会っております。それは事実でございます。なお、ベオグラード会議重大性は十分承知しております。したがいまして、現地においてやはり十一日の会議には出ようというので、おぜん立ても作り、連絡もし、そうして陸連だけの問題ではないから、JOCとしてもこれに参加していこうというようなことでやっております。その結果がどうなるかということが、まだ最終的にわかっておりません。しかし、いずれにいたしましても、今後問題はAGF、これが大会性格を変えるということが問題の大きな一点でございます。この点に対しては、会議中から努力した点であり、また、おそらく各国も同様だろうと思います。共通の問題でございまして、この点を最後的に決定するということが重大な問題であるということはよく心得ております。
  46. 河野謙三

    委員以外の議員(河野謙三君) いずれにしても、先ほど大臣も責任体制の問題に触れられましたが、今の問題も責任体制の問題になると思う。浅野君が行っていろいろやられたことは、一切浅野君の責任であると同時に、津島さんの責任です。そうでしょう。直接的に陸連の問題であるけれども、問題によっては日本スポーツ界全体の問題です。津島さんの責任につながっております。こういう問題もやはり責任体制の問題だと思う。陸連陸連でやる、体操は体操で勝手にやる、そんなものではないと思う。浅野君は、向こうではなるほど津島さんにお目にかかっていろいろ話されておるのは、私は知っております。だけれども、お帰りになってからだって、浅野君が向こうに行くのには間に合うじゃありませんか。早く行って――ほかの用もあるでしょう、あるでしょうけれども、要するに重点の置き方の問題ですよ。浅野君は国際陸連の常務理事であると同時に、日本陸連代表者です。浅野均一というのは二人あるわけです。陸連代表者であると同時に国際陸連代表者、両方とも代表なんです。陸連代表者でなければまだいいんです。陸連代表者であるなら、当然体協の会長というものと国際会議であるならば十分の打ち合わせを浅野君はすべきだと思う。私は、津島さん、大体あなた、人がよ過ぎると思う。そうして勝手なことをして、何か問題が起こると、みんなあなたが責任を背負う。そしてどうだこうだといわれる。私は、そういうことについて責任を自分がかつぐ以上は、もっと積極的におやりになったらいいと思う。私は、今度のベオグラードの問題でもまた何か起こりはしないかと思う。起こった場合は、浅野君の問題でなくなりますよ。そういう点を私は心配するのです。いろいろ申し上げることもたくさんありますけれども、私は委員外でありますし、また、田畑さんは何か非常に次の会議へお急ぎになるようでありますから、御迷惑をおかけしてはいかぬと思いますが、要するに、私は先ほど申し上げましたように、今ただこの間のアジア大会の跡始末をするというような消極的な態度でなくて、アジア大会の経験を生かして、東京大会をやる場合には、日本オリンピック憲章に基づいてりっぱな口をきけるように、まず体質を清めておかなければいかぬ。それには少し遺憾な点があるのじゃないか。ただいたずらにこの間の跡始末について言いわけを何とか考えておるというようにしか私たちには思えない。そんなことではオリンピック大会の主催の資格はありませんよと私は言いたい。いろいろ申し上げたいことはありますけれども、ただ抽象的でありますけれども、そういう気持において私は臨んでいただかなければ、東京大会はそんな簡単なものではないと思う。私は言いたいことを申し上げて、あえて答弁を求めませんが、どうぞ非常なる決意をもって私は当たっていただきたい、かように強く要望いたします。
  47. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 これは他の問題でございますが、今回のジャカルタの大会で見ますと、日本は金メダルはだいぶ取った。けれども、全体として記録はあまりいいとは言えない。その上へもってきて、トラックのごときは全く惨たんたる結果を示している。今までおそらく選手強化ということもやってこられたのでしょうけれども、その選手強化というものが現われているとは思えないのですけれども、これは今までの選手強化に欠陥があったのか、それともまだその緒についていないためにここいうような結果になってきたのか。もし今後選手強化の上に今度の成績というものが役に立つとするならば、それはどういう方向に改めていけば来たるべきオリンピックまでに相当な選手強化ができるのか、そこいらの点についてちょっとお伺いしたいのです。
  48. 津島壽一

    参考人津島壽一君) アジア大会における日本選手の成績については、いろいろ見方もあると思います。全体といたしましては、七十四の金メダルを取った、百二十ばかりの中で。これは全体としては悪くなかった、第三回におけるよりも。まあそういうメダルの数からいけばよかったと思います。御指摘の陸上関係は、これは陸上連盟の当事者からも聞いたんですが、まあまあというところだろうというぐらいなことでした。私としてはこの成績が必ずしも満足すべきものでないと思っております。中には従来以上の成績、記録を出したものもございますが、今後さらに一段と、これをきっかけとして、さらに強化を進める必要が特に私は大きいものがあると、こう思っております。従来二年間余でございまするが、基本的の訓練というものに力を入れて参ったわけでございます。今やそれを実地に、修練に適用しよう、こういう段階にある。今三年度に入っているわけでございますが、この点については、これらの方面の人がさらに一段と努力する必要があるということを十分認めておる次第でございます。
  49. 河野謙三

    委員以外の議員(河野謙三君) 選手強化の問題が出ましたが、私は津島さんにお考え願いたいと思うのは、日本選手強化は非常にむずかしいのですが、ただ選手強化の手段ですが、今のように外国へ行って、外国ではどんな練習をしておるとか、外国のほうでは選手強化にどういう方法をとっておるとかいうことを調べるのもけっこうでしょうけれども、私は一つの例が、甲子園の野球大会が、なぜあれだけ長足の進歩をしたか、高等学校が。都市対抗の野球がなぜあれだけ強くなったか、ああやってお互いに団体なり自分の所属する府県なり学校なりの名誉にかけて大いにエキサイトしたゲームをやらせることによって根性ができるわけですね。今、日本オリンピック選手強化につきましてはそういう根性を作る場というものが私は少ないと思うんだが、今度大体、記録からいって、この次の東京大会には、これとこれのこういう選手が大体選手の有資格者だというものを集めて、たとえば一番こっけいなのは、私もマラソンの先輩ですけれども、マラソンの選手を連れて今ごろニュー・ジーランドへ行ったって何のプラスになりますか、と私は言いたい。もう少し、セオリーもいいけれども日本人がたとえば、織田幹雄君なり西田君なり南部君なりが勝ったころの、あの人自体の素質もありますけれども選手の根性なんですよ。日本人の、極端に言えばやまと魂があった、そういうものが私は欠けておると思う。そういうものをよみがえらせるために、もう少し野球やその他の例を見まして、府県別でもようございます、団体別でもようございます、学校別でもようございます。そういうものをもう少しおやりになったら私はどうだろうと思う。それなくして、ただセオリーとか、金がかかるとか――金はかかりますよ、そういうことだけで選手強化をやっても、私はたいしたことはないと思いますが、そこら辺についてはどういう御見解をお持ちですか。
  50. 津島壽一

    参考人津島壽一君) ただいまのお説はもっともだと拝聴いたしました。これは専門的にいろいろな工夫をしてやりておりますので、お説のあるところは十分それらの方々に伝えまして、御趣旨に沿うような方向に向けるように私も努力したいと思います。  なお、根性の問題は、これは痛切に感じておる問題で、決して等閑に付しておるわけではございません。六月五日の全国の指導者会議等においては、もうそれを専門に検討し、あらゆる角度から……。根性というので会議を開いたというような事実もございますので、その実効がどういう点であるかということは今申し上げられませんが、十分みなその点に配慮を加えておるということだけは申し上げて差しつかえないと思います。
  51. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 私から一言川島君なりにお伺いいたします。それは今のお話で、今度のアジア大会のいきさつが東京大会の支障にならないだろうかということを、われわれ大体推測しておったんですが、また、絶対にこれをみんなで支障にさせてはならない。これをできるだけ早くもやもやしたものを取って、ベオグラード総会決定を待って、河野委員の発言、岡田君の発言にも言われたように、すっきりとした気持で東京大会の準備に乗り出さなければいけない。それには、反省すべきことはもちろん反省しなければならぬのだが、私はこの間の閣僚懇談会でのお話の新聞報道を見て、これは非常に困ったことだ、国民にも非常にこれは将来に対して、何といいますか、心細い感じを与える、また、これは国際的にも考えてみると日本は何しているんだろうというような感じを与えたんじゃないかと思ったわけです。今日、川島国務大臣のお話を伺ってみると、それは従来の準備不足ということがそのまま発言になったんだというようなお話でしたが、もちろん組織委員会を中心にして、体協等反省すべきことはたくさんあるんで、これはぜひ反省すべきことは反省してやってもらわらければならぬが、今の御発言にあった道路、あるいは戸田の競艇場の場合、あるいはプレス・センターの場合、それからホテルでもそうですが、これらの問題は、国の予算、政府が非常な大きなウエートを持っているわけです。これが早く態度をきめて出ていただかないと、これは組織委員会の問題として組織委員会にだけその責任を負わしてもできない問題である。どうも閣僚懇談会では、それを組織委員会なり体協の問題なりにしておられるような印象を与えたのだが、川島さんのさっきのお話では、非常に担当国務相として熱烈にこの柱になっていく心がまえが拝聴できて、たいへん私は心強いと思ったのですが、そういうことで、これは時期的に間に合わないのは道路とかそういう競艇場とかいうものであることは間違いない。この点について、もう一度国務大臣からはっきりとした、この間の閣僚懇談会やきのうの衆議院の特別委員会におけるいろいろの関係から、あわせてひとつ御確認いただきたい。
  52. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 政府といたしましては、これは単に私の考えではございません。しばしば池田総理とも打ち合わせているし、また閣議の席上におきましても意見の統一ができておるのでありますが、二年後の東京オリンピック大会を完全に仕上げるために、できるだけ強力に援助しよう。必要なら資金面についてもひとつ出そう、こういうことなのであります。そこでオリンピック閣僚懇談会ができて第一にやったことは、何としても道路が大事だから、ひとつ急速に道路整備をもう少しやろうじゃないかというので、三十七年度の補正予算をもちまして、約百七十億でございますが、まだ数字ははっきりきまりませんが、補正予算の措置をとりまして、オリンピック道路の敷地の買収だけは今年度中に必ず済ませる。そうして来年度から着工してオリンピック開会に間に合わせる、こういうことをまず処置としてとりました。これはオリンピック閣僚懇談会できめてとった処置であります。  なお、今お話のように、プレス・センター、プレス・ハウス、その他いろいろあります。また選手強化につきましても体協のほうから二十億程度の予算を要求しております。こういうものは必要ならばそれを出すということになっておりますが、ただ、それを適切に有効に使うのでなければ、私としても大蔵大臣に強力にかけ合う心がまえができないのでありまして、私どものほうの心がまえを作る上においても、十分納得のいくような予算を作ってくれということを要求しておるわけであります。私が担当大臣になってはなはだ遺憾に思ったのは、今もって全年度の、全部にわたる資金計画ができていない。単年度を要求して、三十七年度なら三十七年度限りの要求で今やっていますが、いったい全体に幾らかかるのか、そのうち三十八年度は幾ら、三十九年度は幾ら幾らという割合もきめなければならないし、また、全体がきまりませんと、一体、国が幾ら出す、都が幾ら出す、それから財団が幾ら出す、組織委員会が幾ら出す、入場券を売ったら幾らになる、そういう収入のほうの見積もりが立たぬというのが今の現状なんです。そこを私はやかましく言いまして、組織委員会、事務当局同士でもって案を作って出せ、話がつかぬのだろうから、大蔵省、文部省、組織委員会、話がつかないまま閣僚懇談会へ持ってくれば、そこを処置するということを言いつけてありますけれども、今もってできないのが現状でありますから、何とか早く作りまして、絶対に、ひとつ全部の計画を立てたい、こう考えておりまして、池田内閣全体としまして非常な熱意をもってこの問題に当たっておりまして、絶対にひとつ、りっぱなオリンピック大会東京で開きたいという考えでおりますから、さように御了承願います。
  53. 津島壽一

    参考人津島壽一君) ちょっとつけ加えさせていただきたいのですが、組織委員会の経費は、従来全体年度のも一応作ったのでございます、昨年春。それは予算の査定には取り上げられなかった。三十七年度までは各年度ごとにきたわけでございます。今後は非常に重大な問題ですから、三十八年度、九年度最終年度までのひとつ予算を十分検討願いたいということで、一応の案はできまして、文部省に出し、今大蔵省と検討しておるという段階でございまして、どうしても私どもといたしましては、もう実行段階でございますので、三十八年度、九年度に対する全体の予算の見通しをつけていただく、その点に川島大臣も十分ひとつ考慮していただく、こういうような事態になっておることをちょっと御報告申し上げておきます。
  54. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ほかに御質疑のおありの方はございませんか。――別に御発言もないようでございますから、本件についての質疑はこの程度でとどめたいと思います。   ―――――――――――――
  55. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、環境衛生、国土美化、オリンピック精神の高揚普及等に関する件に入ります。  本件についての出席者は、徳安総理府総務長官、五十嵐厚生省環境衛生局長、鶴海建設省都市局参事官、関東京オリンピック準備局長、以上の方々に御出席をいただいております。  それでは、この問題につきましては、先日の委員会におきまして古屋総理府総務副長官から御説明を承っておるわけでございますが、きょうは長官がおいででございますから、何か御説明がございましたらば、まず御発言をお願いいたしたいと思います。
  56. 徳安實藏

    説明員徳安實藏君) ただいま委員長からのお申し出でございますが、先ほどから御質疑がありましたし、また川島大臣からのお話がありましたように、政府では非常な熱意をもって努力しているわけでございまするし、ただいま議題になっております問題等につきましても、川島大臣からすみやかに納得のいく案を作って出せということでありまして、ちょうど御旅行中にこうした問題も急いで各役所々々で案を作ってもらうことになっておるわけでございます。総理府といたしましては、各省にまたがっております関係から、その調整をやっておるわけでございますが、本日は各役所から全部関係の諸君が参っておりますから、どうぞ足りないところは-もちろん私が政府としての御質問にはお答えいたしますけれども内容の数字的なことにつきましては、各省から参っておりますから、そちらのほうにぜひお聞き取りいただきまして、その上で私が補足して申し上げることがございますればお答えいたしたいと思います。
  57. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 五十嵐厚生省環境衛生局長、補足的な御説明がございますればお願いいたします。
  58. 五十嵐義明

    説明員五十嵐義明君) 私どもの局で担当いたしておりますのは、上下水道、それから屎尿処理施設、ごみ処理施設でございます。上水道につきましては、本年の夏、東京都の渇水がございまして、これは従来にない記録的な降雨量の不足から、その原因で渇水というような事態になったわけでございますが、これらの事情に対処いたしまして、オリンピックのために、また市民の生活のために水を確保する必要があるという観点から、東京都水道対策連絡会議をもちまして、各省並びに関係の県の御協力を得まして、水の問題につきましては、来年三月までに金町の水道浄水施設の九万五千トンの設備の拡充、並びに、昭和三十九年の七月までに江戸川並びに中川から四十万トンの水を確保すると、こういう措置を講じまして、水につきましてはオリンピックに支障のないような対策を講じた次第でございます。また屎尿処理、ごみ処理の問題につきましても、いろいろと立ちおくれがございまして、従来とも、この問題につきましては、昭和三十六年度を初年度といたします十カ年計画を立てまして、三十六年、三十七年と二カ年実施して参ったわけでございますが、オリンピックに対しまする問題はもちろんのこと、全国的にも屎尿処理問題が非常に立ちおくれておりますので、従来の十年計画を改めまして、緊急五カ年計画を立てまして、来年度におきましては、そのために下水道終末処理、屎尿浄化槽並びにごみ処理等の施設に対しまして、オリンピック分として総額約二十八億程度の国庫補助予算を要求いたしまして、この処理に支障のないようなふうに事務を進めておる次第でございます。
  59. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 建設省の鶴海都市計画参事官、何か御説明ございますか。
  60. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 補足して御説明申し上げます。建設省といたしましては、オリンピック対策といたしまして下水道の整備の促進をはかっております。オリンピックまでに東京都の環状六号線、これは国電の山手線のすぐ外を走っておる環状の道路でございますが、この環状六号線の内側、隅田川以西につきまして下水道の幹線を整備する、それから羽田空港より都心に至ります沿道区域の下水道の幹線を整備するということで進めて参っております。三十五年度から始めまして、総事業費百六十億円を予定いたしておりますが、三十七年度、今年度末には約百二十億円の仕事ができ上がる見込みでありまして、来年度四十億円の資金がありますれば、この計画は完了するというめどがついておるわけであります。
  61. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 関東京オリンピック準備局長さんのほうから何か御説明ございましたら。
  62. 関晴香

    参考人(関晴香君) 今本省のほうから、東京都に対しまするそれぞれの施策につきまして御説明がございましたが、東京都におきましては、まず大きな問題は、今のお話の下水道、水道、あるいは清掃事業の拡充、それから環境衛生の改善、都市公害対策、また屋外広告物の規制というような大きな問題が残っておるわけでございます。これにつきましては、何しろ産業の集中、文化の集中によりまして、東京都は非常に人口過多のために、公共施設が十分でない、そういう結果で今日のようなきたない東京というような現状でございます。幸いオリンピックが参りますので、ただいま申し上げましたような点につきまして、国の御協力を得ましてそれぞれ計画を立てております。しかしながら、それだけではほんとうに徹底しない。やはりこれは住民側の心がまえのほうにも大きな関連があるわけでございます。そういうきたなくする原因につきましてそれぞれ究明して、それの対策を講ずる必要があるということで、まず首都美化審議会というものが、この四月に知事の諮問機関として発足いたしたわけでございます。この諮問審議会におきまして、第一回の答申が八月の一日になされました。そこで、具体的にいろいろ、都民はどうすべきか、東京都はどうすべきか、あるいは、現在のところまず国に対しますところは第二段の答申に譲ってございますが、大きくは、やはり都市計画あるいは都市美観の観点上、やはり政府にお願いする部面が出て参ると思いますが、とりあえず手近なところからということで、問題を区切りまして答申が出て参っております。それにつきまして、あとで御参考までにその答申案をお目にかけたいと存じますが、これによって、すでに着手している、あるいは今後三十七年度の補正予算あるいは三十八年度の事業として、具体的に数字が固まりました際には、またはっきりした資料として差し上げたいと思いますが、何分まだ固まっていないものが多いようでございますので、一応その項目等につきまして御披露申し上げたいと思います。  やはり何と申しましても、公共生活において、わが国民が非常に後進国である、非常に公のものを大切にしないということがあるので、これは一般民間側にどうしても要請しなければならぬ問題でもございますが、やはりそれぞれの自覚に待たなきゃならぬ問題でございます。そこで、公徳心の高揚がまず第一に必要だということでございますが、これはやはり教育の徹底あるいは広報活動による、さらには、ひとつこの際に首都美化の憲章を作ったらどうかという意見も出しておりまして、その内容等につきまして、ただいま検討中でございます。やはりわれわれの住む東京をきれいにしようというような、盛り上がる運動としてのいわゆる資料が必要ではないかというような意見が出て参っております。  さらに、都側につきましては、それぞれ環境の浄化ということで、これは下水道のほうは先ほどお話も出ましたが、清掃事業につきましては、家庭のごみを、どういうふうに能率的に処理していこうかということで、機械化とか、あるいは定時収集とか、あるいは一定の容器による収集、あるいは河川に不法投棄しないというような問題、あるいはまあ業務上多量に出るものについては、またこれに適切な対策を講ずる必要があるというようなこと、あるいは終末処理施設の整備拡充がやはり必要だ、作業体制の確立もやはり都がやるべきだ、こういうこまかいことにつきましてそれぞれ答申が出て参っております。  その次に、やはり道路の清掃ということも大きな問題でございます。主要道路の清掃のため、現在ロード・スウィーパーが若干ございますが、この大東京につきましてはほんとうの一部でございます。やはりこういうものを使い、道路の清掃のためにも清掃パトロール制度を強化する必要がある。あるいはたんつぽやごみ置き等も、これは道路との関連でむずかしい面もございますが、再検討すべきものがあるどいうようなことあるいは公衆便所の管理またさらにこまかくは犬のふんの始末というようなことにつきましても、いろいろ答申が出て参っております。私どもそういう家庭のごみや、そういう公の場所あるいは公園など公衆の集合する場所につきましても、それぞれこまかい答申が出て参っております。  また、河川の清掃につきましては、このごみの処理だけでなしに、現在きたなくなっている川をどうしたならばきれいにし得るか。ことに隅田川がその当面の問題として取り上げられております。現在までの計画でございますと、オリンピックまでにはなかなかきれいにする計画が立っておらなかったわけでございますが、この計画を今回練り直しまして、オリンピックまでには少なくとも現在の隅田川を徹底的にきれいにする方策を講ずる必要があるということで、今その具体案を練っております。隅田川の汚染の原因は、工場排水のためが六〇%、家庭下水のためが四〇%というような結果が出ております。それにつきまして、工場排水をどういうふうに持ってくるか、専用の下水道を作るべきだというようなことで、従来四十二年度までの計画でございましたが、これをオリンピックまでに間に合わせるということで、大体これは五十三億ほどを要しますが、四分の一は国庫補助をお願いしたいというようなことで、せっかく具体案を練っているわけでございます。河川といたしましては隅田川問題は大きい問題でございます。  その他、屋外広告物条例の改正をして、このきたない広告の追放をするというような手を打つということもやっておりますが、さらに、この審議会の答申を確実に実施していくことによって、東京をできるだけきれいにしていこうということでございます。この環境浄化につきましては、こういう公徳心の高揚等もございますが、そのほかに、またいわゆる町のショバ屋とか愚連隊などの取り締まりも、これも一つの環境浄化になるわけでございます。これも先般新聞に出ましたように、都の条例として、これの取り締まりをやろうという案が、今できております。近いうちに都議会にかけまして、決定されると思いますが、そういうことによりまして、オリンピックを迎える東京都につきまして、各方面からの万全の対策を立てていきたいということで、今後、この審議会の答申を重視いたしまして、今後、二次、三次、出るものに沿いまして、オリンピックまでに実施していきたいという態勢にございます。  はなはだ簡単でございますが、一応、現状を御報告申し上げます。
  63. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいまの御説明に対して、御質疑はございませんか。
  64. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 各省並びに東京関係の御説明を聞いたのですけれども、これは全国的とは言わなくても、各県にまたがる問題もだいぶあろうと思います。たとえば、美化の問題も一つですけれども、鉄道沿線に広告が一ぱい出ておりますね。野立ち広告が最近では実に多いのですが、中には、ひっくり返ったものもあって、たいへん見苦しい。前々から、あれはやめろやめろと言っておるのですが、京都は、さすがにございません。ところが、お隣りの奈良へ来たらある。それから東海道線はどこへ行ってもある。あるいは東京から日光に行く間はたいへん多い。たいへん前から、やめろという意見が出ておるのですけれども、さっぱりやまらない。で、どうしても、オリンピックまでには、ああいうものは取り払うべきだと思うのですけれども、それは各県個々の条例か何かができなければ守られないのでしょうけれども、一体そういうものを総理府のほうで、各県と何か話し合いをして、そういうふうに指導するおつもりはないのですか。
  65. 徳安實藏

    説明員徳安實藏君) お説のとおり、私のほうで指導いたしたいと考えておりますから、いずれ具体的なことは次の機会に御説明申し上げたいと思います。  それから、ただいま各省から御説明申し上げましたが、実はもっと早くこうした問題を取りまとめまして、御質問に応じ得るようにいたしたい考えでおりましたが、ちょうどアジア大会のほうが、少し問題が大きくなったものでありますから、そのほうに川島大臣も時間をとられまして、今御報告申し上げるようなものは、全部取りまとめましたけれども、まだ、御報告して、そして関係閣僚懇談会に提出するまでになっておりません。非常にこれは急いでおりますので、このアジア大会の問題が片づきましたら、すぐに関係閣僚懇談会を開きまして、各省がまとめましたものを基礎にいたしまして、具体的には、もう予算の折衝にだんだん入る時期でございますから、どの役所には幾ら、どの役所には幾らという、オリンピック関係の予算も明らかにいたしまして、そうしてこの委員会の御質疑に応じ得るようにいたしたいと思います。そう長くかからぬと思います。政府のほうも、先ほど申し上げましたようにこの問題を非常に重要視しておりまして、早く早くという、総理初め関係の方からも御注意もございまして、取り急いでおりますから、そのためにオリンピックの開催に支障を来たすようなことがあってはたいへんだという懸念を持つ一、おりますので、もうしばらくお待ちをいただきましたら、委員会での御質疑に十分お答えできるようになると思います。
  66. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 急いでやられるということですから、ぜひ急いでやっていただきたいと思います。とにかく、もうだいぶおくれているようにも思いますので……。また、下水にいたしましても、あるいは水道にいたしましても、河川をきれいにする問題にいたしましても、特に道路にいたしましても、時間のかかる問題でありますから、よほど急いでやっていただかぬといかんと思います。それからまた、各省がばらばら、あるいは都と政府との関係がうまくいかないということになりますというと、これはあまり仕事は進みません。その調整は、やはりよほど強力に進めていただかなければならぬと思います。ぜひひとつやっていただきたいと思います。  東京都にお伺いしたいのですが、どうも東京都のやる仕事というのは、ちぐはぐで、そうして何でものろのろしておりまして、私ども東京都民としまして歯がゆくてしょうがない。一体、これはどこにその根本の原因があるのか。  それからもう一つは、東京都が今お話になったようなことをやるにしても、それはなかなか指導とかあるいは道徳の高揚に待つというようなことじゃできない問題が多いと思うのです。たとえば道路のまん中に、夜、ダンプ・カーが泥だのごみだのを持ってきてほうり出していくような問題は、これはなかなか公徳心に待ったってだめなんですね。そういうような問題がほかにたくさんあるのですけれども、そういう問題についての取り締まりをもっと厳重にやるということについて、どうお考えになっているか、そこらをひとつお伺いしたいのですがね。
  67. 関晴香

    参考人(関晴香君) 先ほどちょっと触れましたように、非常にあき地等にそういうダンプ・カー等の問題などもございます。一応答申にもございましたが、やはり道路監視員の充実をはかって、これの取り締まりも徹底していくということで、増員計画も現在いたしております。なかなか広い東京でございますので、重点的にしか参らないと思いますが、お説のように、取り締まりがまず第一ということで、取り締まりのほうもそういう計画になっております。しばらく御注目願いたいと思います。
  68. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 取り締まりをこれから充実していくというのですが、間に合いますかね。それから東京で、きたない広告なんかやめさすようにというのですが、これもやはり都条例かなんか作ってやるのか、それを早急に作る見込みが一体あるのですか。また、それができまして、それに基づいてびしびし取り締まりをやり、撤去すべきものは撤去さすだけの東京都としての熱意と力があるのですか。
  69. 関晴香

    参考人(関晴香君) 屋外広告物条例というものが現在もあるわけでございますが、現在ある条例すら完全に守られていないような状況も一部にあるわけでございます。しかしこの際、審議会を設けました意味にかんがみましても、どうしてもやはり徹底しなければいかぬということで、現在全面的に条例の改正を練っております。早急にこれもでき上がると思います。そういうことで、さらにまた今度はそのできます条例も、徹底的にやめさしていくという方向で今進んでおります。はなはだ申しわけございませんが、態勢だけは、どうしても審議会の答申に応ずる施策はぜひやるという心がまえで現在進行いたしておりますので、ひとつもう少しお待ち願いたいと思います。
  70. 鈴木強

    鈴木強君 厚生省にちょっと一つ、簡単ですけれども……。東京の水の確保について、たいへん苦労されているようです。もちろん飲料水のことですが、何かちょっと聞きますと――これは直接オリンピック関係がない質問ですからどうかと思うのですけれども、この機会ですから、もしわかっておったら御説明願いたいと思うのです。将来の東京の人口に伴う飲料水の確保が問題になっているのですけれども、その中の一案として、富士川の水をポンプ・アップして、山梨県のあそこから東京都まで持ってくるというような構想があるやにちょっと聞いたんですけれども、まだおたくのほうではそういうことは御存じないですか。
  71. 五十嵐義明

    説明員五十嵐義明君) 東京都の水源を確保するという意味で、いろいろなことが考えられております。現実に、今成案として軌道に乗ろうとしておりますのは、利根川の水源を利用して百二十万トン確保したい。これは四十一年から四十三、四年にかけて、その水が確保できると思います。そのほか、ただいま御指摘のようなことが一応話題にのっている程度でございまして、詳細な計画については私ども承知いたしておりません。
  72. 鈴木強

    鈴木強君 東京都のほうの今の審議会の答申でございますかね、それは非常に参考になると思いますので、もしできましたら、われわれにもちょっといただきたいと思うのですが、部数ございますか。ありましたら後ほどでけっこうでありますから、いただきたいと思います。
  73. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ほかに御質疑のおありの方はございませんか。  私から一言徳安総務長官に伺います。この今のお話に出た公衆道徳とか環境衛生、それから国土美化というような問題は、何もオリンピック関係したことじゃないと思うのです。これはなくてもやらなければならぬことだが、しかし物事にはきっかけが非常に有用なので、これは非常に悪い言葉になりますが、オリンピックがせっかくあるのだからオリンピックを目標にこれを極度に整備する必要がある。これは政府、東京都が中心になってやられる以外に手がないので、これは非常に今おやりになっているようだが、しかし一般のいわゆるオリンピック・スピリットの高揚あるいはオリンピック・ムードといいますか、これは今度のアジア大会がつまずいたようなことになったりして、これはちょっと一時的なようなことであってもけちがついたような感じで、ますますムードとかスピリットに至っては、選手養成の問題もありますが、何かこうつまずきが感ぜられる。そこで、総務長官がちょうど組織委員会に入っておられるし、何といってもオリンピックのほうは川島担当相が中心になっていかれるので、このオリンピック精神の高揚ですね、それからオリンピック・ムードの高揚、こういうことについて政府はもう少しちょっと何か広報とかいろいろな手段を講じて国民の協力を高められる必要があると思うのですが、何かお考えございませんか。
  74. 徳安實藏

    説明員徳安實藏君) 国土の美化の問題につきましては、国会の決議等もございまして、来年度の予算と並行してただいま予算を折衝いたしております。これはひとり政府だけがやきもきいたしましてもうまく参りませんので、先ほど申し上げましたように、各府県を指導して一貫性のある運動を起こしたいという考えで予算を今折衝いたしております。ただ一部団体等で、あるいは富士山をきれいにするとか、あるいは野球場にごみを捨てないように、紙くずを捨てないようにしようとかいうような局部的な運動も、ちょいちょい各所団体でやっておるようでございますが、そういうことだけではとうていこの問題は解決いたしませんから、組織的にやりたいという考えで今予算折衝中でございます。私もこのオリンピック組織委員会に入ったのではありますけれども、せんだって就任したばかりであり、辞令がつい数日前に入ったばかりで、まだ組織委員会から一ぺもお呼び出しがないわけです。したがって、教えられもし、勉強もいたしておりますが、川島担当大臣の片腕になって組織委員会で働くだけの機会がまだ得られておりませんので、これからせいぜい勉強いたしまして、お気持に沿うよう努力いたしたいと思います。
  75. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 別に御発言もないようでございますから、本件に、ついての質疑は、本日はこの程度にいたします。次回の委員会は理事会で協議の上、決定いたしましたら、さっそく御連絡申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四分散会