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1962-09-13 第41回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年九月十三日(木曜日) 午前十時二十二分
開会
――
―――――――――――
委員
の異動 九月十三日 辞任
補欠選任
柏原 ヤス君 二宮
文造
君 ――
―――――――――――
出席者
は左の通り。
委員長
加賀山
之雄君
理事
剱木
亨弘
君 西田 信一君 岡田
宗司
君
委員
石井 桂君 北畠
教真
君 黒川 武雄君 小柳
牧衞
君
鈴木
万平君
津島
壽一
君 天坊 裕彦君 山本
利壽
君
鈴木
強君
委員
以外の議員 議 員 河野 謙三君
国務大臣
国 務 大 臣
川島正次郎
君
事務局側
常任委員会専門
員
工楽
英司君
説明員
総理府総務長官
徳安
實藏
君
文部省体育局長
前田
充明君
厚生省環境衛生
局長
五十嵐義明
君
建設省都市局参
事官
鶴海良一郎
君
参考人
オリンピック東
京大会組織委員
会会長
津島
壽一
君
オリンピック東
京大会組織委員
会事務総長
田畑
政治君
東京
都オリンピ
ック準備局長
関 晴香君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件 ○
オリンピック東京大会準備促進
に関 する
調査
(
アジア大会
の
報告
に関す る件) (
環境衛生
、
国土美化対策等
に関す る件) ――
―――――――――――
加賀山之雄
1
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ただいまより
オリンピック準備促進特別委員会
を
開会
いたします。
オリンピック東京大会準備促進
に関する
調査
を
議題
といたします。本日は、
アジア大会
の
報告
に関する件及び
環境衛生
、
国土美化対策等
に関する件について
調査
を行ないます。 まず、
アジア大会
についての
報告
を聴取いたします。本件についての
出席者
は、
川島国務大臣
、
津島オリンピック東京大会組織委員会会長
、
田畑
同
事務総長
、以上でございます。 それでは
津島参考人
にお願いいたします。
津島壽一
2
○
参考人
(
津島壽一
君)
委員長
の御指名がございましたので、今回の
アジア大会
に関して、
現地
の
実情
、また、この間に処して
日本選手団
としてとった
態度
、主として
オリンピック
との
関連
において重要だと思われる点を、ここに御
報告
申し上げます。 問題はいろいろございまするが、これをしぼりまして、第一点は、この
大会
に
日本選手団
が参加したということについての
事情
の
報告
、第二は、
国際陸上連盟
、すなわち
IAAF
の
警告
に関する件でございます。なおこの
アジア大会
を他の名義に変更して、いわゆる
国際競技大会
の
形態
、
性格
をとるといったような問題すなわち、これを
会名変更
問題と申しますか、これについて申し上げます。
最後
に、
日本
の
東京オリンピック大会
に関してどういったような
影響
があるだろうかという点について、私の所見というか、考え方を申し上げる、こういうようにいたしたいと存じます。 まず、わが
選手団
の本
競技大会
に対する
出場参加
の問題でございます。御
承知
のように、こういった
大会
の前に、必ずこの
競技大会
の
主催国団体
である
アジア競技連盟
の
総会
が、俗に
評議員会
――
カウンシル
が開かれるのでございます。今回の場合においては、
開会式
が二十四日に開かれる
関係
上、八月二十二日及び二十三日とこれが続いて二十四日の早暁に及んだこの
会議
でございます。御
承知
のように、
イスラエル
、
台湾
の
入国拒否
の問題がすでに重要な問題となっております
関係
上、この
アジア競技連盟
は、まず二十二日の
会議
においては、
実行委員会
――
エグゼキュティブ・コミティ
を開いて、この問題を
検討
したわけでございます。したがいまして、二十二日はこの
実行委員会
にとどまり、二十三日、四日にかけて
アジア競技連盟
の
評議員会
――カウンジルが開かれた、こういう
実情
でございます。 この
カウンシル
の
最終
の結果を簡単に申し上げますと、
両国
の
入国拒否
は明らかに
アジア競技連盟
の
憲章
第一条の
違反
であるという点が認められたのでございます。しかしながら、同時に、この
カウンシル
は、さらに
両国
の招聘並びに
選手団
の
到着地点
においてビザ並びにアイデンティティ・カードを交付するという方法をとるように、
インドネシア政府
に対して、
最後
のアッピールというのですか、
要請
をするということを
決議
したのでございます。
最後
の
努力
を試むべし、まだ間に合うといったような見解であるのでございます。その
決議
とともに、同様の
決議
は、この
措置
をとるその期間において――イン・ザ・ミーン・ホワイルという
言葉
を使っておりまするが、
アジア競技大会
は、既定のプログラムによってこれを行なうことを認めると、これが
最終
的の
決定
でございました。時刻は、もう二十四日の早暁においてこれがなされたのでございます。そういった次第で、
アジア大会
の最高の
責任者
である、また
主催者
である――
AGF
と俗に言いますが、
アジア
・ゲーム・フェデレーションの
カウンシル
の
決定
があったのでございます。
開会式
は二十四日の午後三時から開かれますが、その間、何というか、数時間の間隔があったわけでございます。これは
アジア競技連盟
の
決定
でございます、
決議
でございます。 しかし、私
ども
としては自主的に判断をし、そうしてわが
選手団
は出場すべきかどうかということについて
JOO委員会
を開きまして
検討
を加えたのでございます。その結果、まだ
努力
するという
決議
、そういった
意味
において、
各国
がこれに参加するというような態勢のもとにおいて、わがほうが参加しない場合の
事態
の
重大性
ということも十分に考慮しなければならぬ
現地
の
事情
でございました。もとよりこういったような、まだ懸案が解決せられない
競技
に参加することは、われわれのきわめて遺憾とするところで、またいさぎよしとしないところでありましたが、衆議の結果はこれに参加しようと――一応でございますが、参加しようという
決定
をみたのでございます。
現地
の
事情
をここで申し上げることは差し控えます。 二十五日はいよいよ
競技
始め第一日として、これに参加した直後、私は、いやしくも
憲章違反
であるこの
競技
の場面にわがほう
選手
が参加することは、何としても
スポーツ
の
精神
からいってこれは非常な重大な問題であると考慮いたしまして、第一日の午後JOCを開きまして、これから引き揚げようではないかということを提議したのでございます。第一日のこの問題についての各位の
意見
は、大体
方向
としては
賛同
を得たのでございますが、さて翌日、
実行
の
段階
になりまして、これまた詳細な
報告
をすることは今の
段階
では差し控えたいと思うのでございまするが、いろいろ重大なこれには障害があることを予知し得たのでございます。そういった
関係
において第二日も参加すると、こういうことになったのでございます。二十六日でございます。しかしながら、われわれの期待するところは、
アジア競技大会
がその
性格
を変更して、そうして
国際親善競技大会
という形に持っていくことが
AGF
の多数の
意見
でもあり、またわれわれもこれに期待をつなぐということで、われわれはその
方向
に向けなければならぬという考えをもちまして、第二日、二十六日の夜には、
AGF
の
実行委員会
、
エグゼキュティブ・コミティ
を開きまして、その席上でこの
大会
の
性格
をどうするかという問題が
討議
されたのでございます。その結果は、これは名称を変更すべきであるという結論を得たのでございます。もっとも、この
実行委員会
は、
AGF
の
会長
、また
事務総長
と申しますか、
インドネシア側
はこれに出席しなかったという
関係
で、正式の
実行委員会
としては成立しなかったが、
有力メンバー実行委員
が集まったという
会合
で、
日本
はもちろんこれに参加してやったわけでございます。翌二十七日にこの
決定
が発表されました。すなわち、
会名
を変更するんだということが発表されました。
新聞報道
全部に対して。そこでこの問題が二十八日、九日にわたり、
アジア競技連盟
の
カウンシル
に、これは
議長
、
事務総長
、
インドネシア側
も出席した正式の
議長招集
の
会議
でございます。この二十八日、二十九日の
会合
において、
新聞
にも出ておりまするから
名前
を引用してけっこうだと思うのでございますが、
ソンディ
、これは
AGF
の第一副
会長
でございます。
インド
の方でございます。この方が
動議
を出して、この第四回
アジア大会
の
名前
を変更すべし、単純なるエイシアン・ゲームズといったようなことの
改名動議
を出しました。私も
日本側
の
委員
の一員としてこれに
賛同
――セコンドした。その他の
各国
の
委員
が
意見
の開陳、
討議
に加わったのでございまするが、ほとんど大部分は
改名
に賛成の表示をしたのでございます。わずかに
某々国
がこの
動議
に反対したというのが
会議
の情勢でありまして、そこで
採決
をして、二十九日の早暁その
段階
までいったのでございます。思うに
採決
すれば、私の見たところでは、これは可決――絶対多数以上のもので可決されるという
状態
でございます。ところが、
現地側
の
委員
はこれに反対を強く述べました。もしこれをやれば重大なる結果を生ずると。詳細には申し上げません。そういうことで、この
決議
をすることは
閉会式
後にやってもらいたいという強い
要請
がございました。休憩後いろいろ
懇談
の結果、そういった提議を受け入れることに
決定
いたしまして、
AGF
の
総会
は
閉会式
後一時間を置いて
総会
を開いてこの
決議
を単純に
採決
だけをやろうと、
討論等
は全然やらないで――ということになった。 この
会議
においてもう
一つ
の案は、某国から提唱された、
調査会
を設置して
入国拒否
の問題についての精細なる事実を
調査
しよう。したがって、いわゆるファクト・ファィンディング・コミティを置くべしという
提案
であったのでございます。第一の
改名動議
、もし
採決
の結果これが否決になれば、第二案としてこれの
採決
をしようというのが
最後
の申し合わせであった。これが二十九日の早暁の
事態
でございます。したがいまして、九月四日
閉会式
後においてこれが当然に
議題
に上り、そうして
採決
になるという
状態
で一応二十九日の
会合
を終えたというのが
実情
でございます。ところが、それ以来、この問題は
一種
の政治問題として取り扱われる
方向
に向かって、いろいろいきさつはございまするが、
閉会式
の前日、三日に
カウンシル
・ミーティンゲを開くという
議長
の通知によって集まりまして、その席上、
提案者
である
ソンディ
、
インド
の方はこの
動議
をウィスドロー、
撤回
するということを書面をもって
議長
に申し出たのでございます。その
披露
があって、この
提案
は一応
撤回
されたと、こういうことになったのであります。その問の
事情
は、
ソンディ
氏のいろいろな周辺に起こったことは、
新聞報道
で御
承知
のとおりでございましょう。私は
ソンディ
氏を支持し、また
提案
についても十分の連絡をとってやって参ったのでございまするから、この
撤回
に関しては十分の打ち合わせを受け、いたし方ない
事態
であろうと思ったのでございます。三日の
会議
は、各
委員
も
動議撤回
を承認するということになり、第二の案である
調査会設置
の案が浮かび上がって、ここに
調査会
を設置して
十分事情
を
調査
しようということで終結になったのでございます。 この
AGF
の
調査会
は、
メンバー
の構成については、内部的には相談があったのでありましょうが、正式の
会議
においては二人、一人は韓国の
評議員
、一人はビルマの
委員
一人を加えて、二人の
調査会
でやる。そうして
閉会式
後は新しい
議長
が選任され、今回は
タイランド
の
評議員
の中から
議長
が出る、
競技終了
までが任期でございます。この次の
競技大会
は
タイランド
で行なわれるという
決議
もその間にしたものでございまするから、
議長
、
事務総長
はおのずから更迭したと、こういうようになっている次第でございます。なお、
実行委員
の
選挙
、新副
議長
の
選挙等
も行なわれたのでありますが、これは直接の
関係
はありませんから、省略いたします。 要するに今回の
アジア競技連盟
のとった
態度
は、こういった
違反事項
に対しての
措置
として、これを正式の第四回
アジア競技大会
というものの
性格
を変えていくということに
努力
した。しかしながら、遺憾ながら
最終段階
においてそれが
決議
として現われず、
調査会
を設置するという
段階
に至らざるを得なかった
事情
があったのでございます。その内部の
事情
は、こういう席で申し上げぬほうがよかろうかと存じますので、お許し願います。まことに遺憾のことであったと私は思っております。こういった
音一味
において、わがほう
選手団
は、
アジア競技大会
としてこれに参加した事実は、そのとおりでございます。しかし、第二日目から行なわれたこの
国際競技大会
化する問題については、私
ども
は
最善
を尽くして参ったのでありまするが、これが結実しなかったというような次第でございます。 そこで、これに
関連
して次の問題、すなわち
IAAF
、
国際陸上競技連盟
の
警告
の問題でございます。これは
新聞紙上等
で
報道
されておりましたことでございまするから、詳しくは申しませんが、二十四日の午前、
カウンシル
の会場で、
国際陸連
の
代表者
として
現地
に来られた
浅野
氏から、この
会合
で
陸連本部
、ロンドンからの
電報
をここに
披露
したのでございます。その
内容
は、
インドネシア組織委員会
に対して二国を招聘することをさらに
努力
する。もしこれが実現できなかったならば、これに
許可
したいわゆる
パーミット
と申しますか、これをキャンセルするであろう、
許可
を取り消すであろう。なおこれに参加した
チーム
、
選手
は、
ディスクォリファイ
――ウイル・ビィ・デイスクォリファイ、こういう
警告
でございました。
台湾
についても
イスラエル
と同様であるというような
電報
の
披露
があったのでございます。これは
一種
の
警告
でございます。そういった
意味
において、この
警告
に対しては、われわれは重大な
関心
を持たざるを得ないのでございます。
選手
が参加した場合のその前後の問題については慎重に考慮しなければならん。この問題と
関連
して第二報が二十六日に参ったのでございます、
国際陸連本部
から。これは二十四日付けの
電報
でございまするが、二十六日の朝になって、しかしながら、もしこれを
インタナショナル
・
ミーティング
、
国際競技大会
とするならば、われわれは
ライセンス
を与えるであろう、こういう
一つ
のまあ何というか、対案を
本部
から通告して参ったのでございます。そういった趣旨においても、われわれはこれを
インタナショナル
・
ミーティング
の
形態
に変更することによって、
陸連
とのこの
警告
問題が解消し得るということで、前刻申し上げましたいろんな
措置
が、
アジア競技連盟
としてとられたというのが
実情
でございます。 以上が
国際陸連
のとった
措置
に対したきわめて簡単なる
説明
、
報告
でございまするが、ここで
一つ関連
の問題がございますことは、
ウエート・リフティング
の問題でございます。他の
競技
については何ら問題がなく
競技
が進行されております。
ウエート・リフティング
は八月三十一日を初日として
競技
が行なわれる予定でございました。この
ウエート・リフティング
については、
国際ウエート・リフティング連盟
の
会長ロビンソン
、また
事務総長
と申しますか、オナラリィ・セクレタリィのオスカー・スティトさんが現場に参られまして、いろいろ
実情
を
検討
した結果、二十九日に
一つ
の
公式声明
を発表したのでございます。その
声明
は、この
大会
は
違反
の
大会
であるから、もしジャカルタ・
インタナショナル
・ゲームとでも
名前
を変えれば、われわれはこれを認めて
実行
する。こういう点が一点。しからずして、現状のままでやれば
ライセンス
を取り消してしまう。なお
ウエート・リフティング
に参加するウエート・リフターズ、
選手
は
ディスクォリファイ
される、
サスぺンド
と同じ
言葉
でございましょう。そういう
公式声明
を出した。そこで、こういう
声明
に関してもわれわれは非常な
関心
を持たなければならんので、しかも
ロビンソン会長
、また
事務総長
は、
相手国
、すなわち
インドネシア
の
ウエート・リフティング連盟組織委員会
とも折衝を重ね、のみならず
各国
の
ウエート・リフティング
の
選手団
の
代表
を呼んで
会議
を開き、その
意見
を述べ、そして
インドネシア
・
ウエート・リフティング協会
の、これが
競技
を
実行
する
団体
でございまするから、そこで
許可
を与えております。これに対して非常な決意を述べたのでございます。ところが、
インドネシア側
はもらった
許可証
をその面前で
会長
に突っ返したわけでございます。そこで
ロビンソン
はこれを受け取って、もうこの
競技
は
実行
できぬ。万一参加すれば直ちに、即時に処分するということを
声明
して、そうして帰国してしまったわけでございます。この三十日のその
措置
を、われわれはわれわれ
選手団
の
ウエート・リフティング
の監督その他から聞きまして、これは参加すべきじゃない。これはウォーニングというよりは、
措置
をとってしまった、
パーミット
を取り消してしまったという
事態
でございまするから、これは参加しなかった、絶対に。三十一日は
競技
は成り立たない。ほかの国も同様であって、この
競技
は成り立たないというような
事態
がありましたことを、
陸上連盟
との
関係
において一応追加して
報告
するわけでございます。 さて、先ほど申しましたように、
会名変更
の問題が二十六日の夜以来二十八日、九日、しかして九月三日までに及びましたが、結果においてはその
最終決定
をみることなく、
調査会
を設置してこの問題を
報告
を受けた上で
措置
しよう。この
報告
は、
会議
に諮った結果を申し上げますと、
委員
が来年の二月に
報告
を出す。
実行委員会
がこれを
検討
して、そうして六カ月以内に各
カウンシル・メンバー
にその
検討
の結果を
報告
して、必ずしも
会合
を開かなくても、郵便の方式で、ポスタル・ボートで
決定
するということになっておるわけであります。これが非常な概略でございまするが、大体の経過でございます。御質疑に応じて適当にまたこれを補足することをお認め願いたいと思います。 さて、こういったような
意味
で、われわれは何とかしてこの
大会
の
競技
としての
合法性
を打ち立てるために
努力
を払って
最終段階
までこれをやって参りました。ほとんど多くの諸国はこれに合致しておった次第でございまするが、
現地
の
事情
からそれが実現を得なかったということをほんとうに遺憾に存ずるところでございます。 さて、
最後
に、問題となる点はございまするが、とにかく
アジア競技大会
の
形態
を変えないで出たということは、これはやはり
アジア大会
としての
競技
に参加したという事実は免れないところでございます。その
意味
において、
国際陸連
としては、やはり今の
警告
が生きておる。
名前
を変えなかったという
事態
に徴してですね。そこで
国際陸連
が九月の
評議員会総会
を十一日から開くということで、この問題が取り上げられるということになったのでございます。問題は
陸上
に関したことだけでございまして、今日までのところ、ほかは全然ない問題でございます。この
大会
に対しては、われわれは
最善
を尽くし、またいろいろ
事前
に考慮し、
浅野代表
とも
十分懇談
を遂げておるわけでございます。現実に十一日、二日、昨日この
国際陸上連盟
の
評議員会
が
ベオグラード
で開かれておることは御
承知
のとおりでございます。われわれは非常な重大な
関心
を持ってこの
会議
を見守っておるわけでございまするが、
事前
に若干の
ニュース
は参りました。昨日の
会合
については、今日ただいままでのところは公式の
代表団
からの
情報
はございません。この会は
陸上競技連盟
の
会議
であるという
意味
において、
日本陸上連盟
の
青木理事長
その他
関係者
がこれに参加しておるわけでございます。なお
現地
においてすべての
事情
を熟知しておる
高島文雄
君が加わって
現地
に参っておるわけでございます。
高島文雄
君は
AGF
の
カウンシル・メンバー
であると同時に、九月三日の
総会
において第二副
会長
に
選挙
された方で、最もその間の
事情
をよく知っておる方であります。そういった
意味
において、この問題は
陸上連盟
にかかわる問題でございまするが、
オリンピック
の
関係
においては非常に重大な
関係
があると思うのでございます。 今朝の
新聞ニュース
によりますと、まだ発表したものではないと思いますが、この
決定
はすでにされておる。これは十一カ国の
委員
からなる
理事会
に相当したものを
カウンシル
といっておる、この
会合
でございます。十七日か八日に
総会
がございまするから、それに
報告
されて
最終決定
をみるということでございますので、まだ
最終
的に御
報告
申し上げる時期に達しておりませんが、
新聞情報
、共同通信の今朝参った
電報
によると、大体問題は、事実かどうかは確認はいたしておりませんが、
アジア競技大会
第四回
アジア大会
は存在しなかったものとみなすというような
言葉
が出ています。このためには
AGF
は
競技
の会期中に行なったような手段をとるということが当然に起こるわけでございましょう。この問題があとに残るかと思います。 それから
参加各国
の
陸上選手
、
チーム
については
責任
は問わない。全然
ディスクォリファイ
ということはやらないという問題がここに書かれております。 それから
主催国
の
インドネシア
の
陸連
というものがこれに対しての
責任
問題があるということを、
責任
をとらなければならないというようなことを書いておりますが、これの
内容
はわれわれにはわかりませんが、大体そういったような三つの事柄が
評議員会
において
討議
、また大体
決定
したような
ニュース
を得ているわけでございます。したがいまして、
陸連
に関する
会議
において、もしこの
決定どおり
になれば、
AGF
は今後
責任
をもってこの
大会
の
国際化
ということに
努力
するのは当然でございます。またわれわれもこれに
努力
しなきゃならぬ。これは従来のやってきたことをさらに推進するということでございましょう。
選手
に関する限りは、これは全然
責任
がないというようなことであれば、この分野においてだけは、少なくとも
日本
の
東京大会
に懸念されたる
影響
は起こらないと、こういうように思う次第でございます。これは
中間情報
でございますので、私はここに確言したわけではございませんが、そういうことも今朝の
報道
によってつけ加えた次第でございます。 なお
現地
に参りまして、
組織委員会
といたしましても、体協といたしましても、明後年の
東京オリンピック大会
に対する
アジア各国
の
代表
、その他の広い範囲にわたって
協力
の体制を作ることに相当
努力
して参りました。そのいずれの
方々
からも、
ローマ大会
における以上に、
東京大会
に対して熱意を持ち合い、
アジア
に来た初めての
オリンピック
であるという
観点
を誇張されて
協力
を誓っております。これが
現地
を見た私の
感想
であり、多くの人も同様の
感想
を持っておる点でございます。 それから第二点として、この問題は広く全体にわたった
観点
も必要と存じます。すなわち
国際オリンピック委員会
、
IOC
、これは
ベオグラード
の
決定
がどうなるかということによってその反響は違ってくると思いまするが、その点は別といたしましても、私は
IOC委員
として、わがほうの
東委員
、また
ソンディ
氏、これも
IOC
の
委員
でございます。
バルガス委員
、これらはこれらの諸
会議
に参加し、
実情
をよく知っておる
方々
でございます。私はこれらの
方々
が、
現地
の
実情
が実際そのことをここにもたらしたその原因が那辺にあるかということは十分熟知されておると思うのでございますので、
IOC
に対しても、私は
日本
の
オリンピック
に差しつかえるようなことにしないことを私は確信をいたしております。その他
一般
の諸外国についても、もちろん
日本
のやった
態度
が私は完全であったとは決して思っておりません。
事情
を十分
説明
すれば納得いただけることで、
IOC
、また
一般各国
のNOCと申しますか、その他
スポーツ界
は、
東京大会
に対して
協力
の
精神
を惜しまないものだと私は見通しを持っておるわけでございます。
最後
に、非常に私は申しわけないと思っていることは、
日本
において、今回の
アジア大会
についてとったいろいろな経過が非常に御不満であったということでございます。これが
東京
の
オリンピック
大会
に
影響
があるということであれば、これは非常に私にとっても残念なことでございます。しかしながら、今後十分
実情
を
報告
いたし、また十分の御理解を得て、
東京大会
の成功に対してこれが支障にならなかったように
措置
したいという存念でおる次第でございます。 以上大要を申し上げました。いやしくも
憲章
達反であるというその
競技
に参加したということ自体はまことに遺憾のきわみであります。しかしながら、これを是正し、合法化するということについての
努力
もいたしたのでございますが、繰り返して申すようでございまするが、その間の
事情
、事ここに至ったという次第でございます。この点については当
委員
会においても十分御了承をお願いいたしたいと存ずるところでございます。 はなはだ簡単でございまするが、以上御
報告
申し上げまして、御質疑に応じてさらにわれわれとして申し上げ得ることは申し上げて、御理解を得たいと思う次第でございます。はなはだ意を尽くさなかったと思いまするが、概略を御
報告
するわけでございます。
加賀山之雄
3
○
委員長
(
加賀山
之雄君)
田畑
さん何か御
説明
ございますか、別にございませんか。 それではこれから質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
加賀山之雄
4
○
委員長
(
加賀山
之雄君) この際、
委員
の変更について御
報告
いたします。 本日柏原ヤス君が辞任せられまして、その補欠として二宮
文造
君が選任せられました。
鈴木強
5
○
鈴木
強君 今度の
アジア
の
オリンピック
大会
が暑い赤道直下で開かれたので、
津島
さんたいへん御苦労様でした。しかし、非常に御
報告
にもありましたように変則的な
大会
になりまして、ちょっと心配しておったわけですが、三十一日の日にとりあえず東さんがお帰りになりまして
現地
の状況を伺っておきましたが、きょうは最高
責任
にあるあなたがおいでになっていただきましたので、そこで二、三私は質問をしてみたいと思いますが、まず
IOC
がこの
憲章
に基づいて各地域
大会
を開催する場合には、あらかじめその承認を得てやるというのがならわしだそうですね。
憲章
によって二年半前にその準備の状況を
報告
する。そういうことについて第四回
アジア大会
は
IOC
からその承認を受けておったかどうか、御存じだったのですか。
津島壽一
6
○
参考人
(
津島壽一
君) その問題については、前回の当
委員
会だったと思いますが、
東委員
からもお答えがあったように、今回の第四回
アジア競技大会
については、
IOC
がパトロナイズするという手続をとっておらなかったという事実があるのでございます。これがはたしてこの
アジア競技大会
の
憲章違反
であるかという問題ですね。いい、悪いという問題は別として。その点については、私の見たところでは、
アジア競技連盟
の
憲章
には必ずこれは
IOC
のパトロナイズでなければできないということは規定してなかったと私は記憶しておるのでございます。
鈴木強
7
○
鈴木
強君 これはここにちょっと速記録もあるのですが、地域
大会
というのは、
アジア大会
に限らず、
オリンピック
大会
の地域的な活動を援助するためにやられる
大会
であると思いますと、で、東さんは「常に
国際オリンピック委員会
の承認のもとに行なわれるのであります。」と言っておられる。したがって、
オリンピック
憲章
に私はそういうことがあるんだろうというふうに理解をしているわけです、東さんの御
説明
をですね。そうしますと、そういうことをやらないで開かれた第四回
アジア
・
オリンピック
大会
ですね、初めから正式な
大会
でないのに、あたかも第四回
アジア大会
として参加したということになるのですか。
田畑政治
8
○
参考人
(
田畑
政治君) お答え申し上げます。実は
IOC
のパトロナイズする地域
大会
というものは、
IOC
のほうには何と何を地域
大会
にして自分たちが監督するのだということは、
IOC
のほうにはさまっておるのであります。しかし、こちらの
アジア競技連盟
の規約の中には、必ずしも
IOC
のパトロナイズを求めなければならぬという規約はないのであります。 〔
委員長
退席、
理事
剱木
亨弘
君着席〕 それで、このことにつきましては、第一回の-今度は第四回ですけれ
ども
、第一回が
インド
で開かれました。このときはまだ
IOC
として地域
大会
というものをやるかやらないかということがきまっていない時代でしたので、これはもちろん地域
大会
でなく
アジア大会
としてやったのであります。その直後に、
IOC
でやはり
オリンピック
精神
を全世界に普及させ徹底するためには、四年に一ぺんの
オリンピック
だけではどうも不徹底だ、各地域の
大会
、
IOC
が直接管理し得るような地域の
大会
をやるのがいいということがきまったのであります。それで第二回はまだそのまま
アジア大会
としてやっておりまして、第三回の
東京大会
のときに、そういうことで、ぜひこれを、
東京大会
を
IOC
の地域
大会
として認めるということに
決議
されまして、これを
IOC
に申し出て、これは承認されまして、
IOC
では
アジア大会
を
IOC
の地域
大会
にするということにきまったのであります。同じようなものは、アメリカにパンアメリカン・ゲームというものがあります。これも
IOC
の地域
大会
としてやっております。ところが、今度と同じようなケースが地中海
大会
でしょっちゅう行なわれるのであります。あそこは回教国に取り巻かれておる地域でありますから、そこに
イスラエル
があるというので、両方と申しますかの対立が非常に強くて、
IOC
は一ぺんこれを地域
大会
として認めたのでありますけれ
ども
、しょっちゅうやるたびに、まあ
憲章
とでも申しますか、
IOC
に約束したことが破られておる。このままではどうにもならぬからというので、去年のモスコーの
IOC
総会
で、今後地域
大会
というものはそのたびごとに
主催者
から
IOC
に対して申し出をして、それを審議して許すということになったのであります。それでその後におきましては、地中海
大会
は
IOC
のほうの地域
大会
からはずれております。それからイギリスにエンパイア・ゲーム、イギリス系統の国だけが集まったゲームがありますが、これも地域
大会
からはずれております。あまり
方々
にあるので地域
大会
からはずれております。 それで今度の
大会
はどういう意図であったかはわかりませんけれ
ども
、
インドネシア
のオルガナイジング・コミティからは、
IOC
に対しては、こういうことを
アジア大会
としてやるから、地域
大会
として認めてくれという申し出をしておらないのであります。したがって、
IOC
としてはあれを地域
大会
としては認めてないというのが
実情
でありまして、しかし、
憲章
には
IOC
のパトロナイズする地域
大会
であるということは明記してありませんので、
アジア競技連盟
としましては、
アジア大会
の
憲章
どおりに、各人種だとか、宗教とかということに無差別でなければならぬということで、
AGF
自体としてきめておりますけれ
ども
、
IOC
の
憲章
に従ってきめているということではないのであります。今度やったことは
IOC
の
憲章違反
と申しますよりも、
AGF
もこれは
IOC
と同じ理想に従って掲げております
憲章
第一条の、人種とか、宗教とか、信仰とかということによっての差別はしないのだという
アジア競技連盟
の
憲章
に
違反
しているということでございます。
鈴木強
9
○
鈴木
強君 あまり回りくどい御
説明
でなくてけっこうですから、簡単にお答えをいただきたいと思いますが、私は同じJOCの
メンバー
である東さんとあなたの言われることには多少――多少というよりか、かなり統一されてないと思うのですね。三十一日の議事録をあなたあとでごらん下さいね。昨年からそういうことになったとすれば、なおさらのこと、今年の六月にモスクワで
国際オリンピック委員会
の
総会
が開かれた席上、こういう質問が出て、そのとき
事務総長
も
会長
も、
インドネシア
から何ら
オリンピック
を開くということについての通知が来ておらぬということを聞いているのですね。この六月にそういう事実がある中で、まあ東さんのお話ですと、大体二年半くらい前に
IOC
のほうに準備の状況を
報告
して、そうして承認を得てから初めて開くのが慣例になっているのだ、しかるにかかわらず、そういうことがやられておらないということを東さんが言っている。しからば、あなたが第三回の
アジア
・
オリンピック東
京
大会
で預った旗を持っていくのはおかしいじゃないか、
IOC
の承認がないのに、
アジア
・
オリンピック東
京
大会
の旗を持っていくのはおかしいじゃないかと言ったら、まあ気がつかなかったというようなことを言っておりましたが、どうもJOCの皆さんの考え方も根本的にこれに対しては違っていると思う。こういう点の意思統一がないから、川島さんが今こられたが、川島さんみたいな御
意見
が出たと思うのですけれ
ども
、もう少しそういうことに対して、
事前
に十分、体協なり、あるいはJOCなり
AGF
なりの意思統一を十分にして私は出かける必要があったのじゃないかということを言うのですよ。まあ今から言っても死んだ子の年を数えるようなものですから、私はこれ以上多く申しませんけれ
ども
、ことに
東京大会
に備えての特別
委員
会は、またこういうような問題が起らぬとも限らぬわけで、われわれとしてはこれだけ今準備促進をしている
段階
において、どうもJOCの皆さんの中にも、
憲章
とか何とか私はむずかしいことはわかりませんけれ
ども
、具体的に
説明
を受けた中にも根本的に
意見
の相違がある。これは事実ですね。そういうことがあっては困るのですね。それはまああとでよく
検討
してみて下さい。私は東さんの
意見
から言うならば、あくまでも
IOC
の関知しないような格好の
アジア大会
である、それを
アジア
・
オリンピック
という
名前
をつけて戦った、その会に
日本
はのこのこ出て行った、こういうことになると思います。だから初めからそういうことが考えられるような情勢もあったんじゃないかと私は思うのです。 もう一点聞きたいのは、
現地
における
陸連
の諸君はかなり出場の問題について慎重だったが、JOCがバック・アップするからというようなことで踏み切ったのだという
新聞
の記事を見たのですけれ
ども
、その点は
津島
さんどうですか。
津島壽一
10
○
参考人
(
津島壽一
君)
陸連
もJOCの
委員
の一人であります。
現地
において参加して協議したのであります。
陸連
の考え方は、内部のことでございまするが、これを親善
大会
としてやってもらいたいというような希望が出ておりました。しかし、それは時間的に言って二十四日の朝
決定
と、午後の
大会
参加の数時間の間にこういったことがほとんど
実行
不可能だった、そういう事実はございます。しかし
陸連
もいろいろ
意見
もありましたが、統一的な見解としてはこれはやむを得ない
措置
であるということで参加に踏み切ったというのが
実情
でございまして、今のように親善
大会
にしたいという希望は申し出ましたが、これは数時間の間にこれを切りかえるということは急にできることではないという事実をよく了知したわけでございます。そういったような次第でございます。
鈴木強
11
○
鈴木
強君 とにかく
アジア
憲章違反
の
アジア大会
に
日本
が参加したということは一大汚点だと私は思いますが、しかしそれにはまた
事情
があると思います。だから私はもう少し帰ってこられた体協
関係
の方でもすなおに、率直に真相というものを発表してもらいたいと思います。もしこの
委員
会がオープンでまずい場合があれば、秘密会に切りかえても私はいいと思います。だから私は、
憲章違反
の
大会
に出ようとする意思はなかった、しかし
現地
の
実情
がこれこれかくかく、しかじかの
実情
であるということで、
日本
としては参加せざるを得なかったということであれば、これはまたわれわれは了とする。そういうようなことは今の
津島
さんの御
説明
でも、
現地
の
実情
は差し控えるということで話してくれない。そうなればわれわれはよくわからない。私は東さんから、もし
日本
が引き揚げる場合には非常に重大な問題が起きる、
選手
の身辺にも危険が及ぶかもしれないと言われておったがどうだと言ったら、そういうことはなかった、こういう回答を得た。しからば、話し合えない
実情
がどこにあるのかということがわれわれにはわからない。けさの
東京
新聞
を見ると、きのう
評議員会
で、
インドネシア
の
代表
が、あたかもこの
大会
の
開会
にあたってもっともっと話し合いをすべきだったのだが、
日本
代表団
が主導権をとって
各国
に
大会
参加を呼びかけ、そうして韓国を除く全参加国が
日本
にならって
競技
をすることになった、
インドネシア側
としてはこの大きな渦に巻き込まれた格好で、
大会
名称の改正あるいは
大会
の延期など慎重な処置をとり得なくなった、結論として
日本
の強烈なイニシアチブを拒否することは全く不可能だった、こういうようなことで
評議員会
て発言をしている記事を見まして、私はびっくりいたしました。われわれは
現地
におらぬから何もわからない。私は
委員長
にもお願いするのだが、こういう国際的な問題で、もし公開をはばかるならば、秘密会にしてでもそういう
事情
を私は聞きたいと思います。一体この
インドネシア
の
代表
が三人
ベオグラード
に行って、この
評議員会
に参加して言われたことを、あなたはどう思うのですか。
津島壽一
12
○
参考人
(
津島壽一
君) 私からお答えいたします。その
情報
は私らの知っておる
情報
とは全然違っております。
日本側
から親善
大会
にしたいという希望でこれを働きかけたという事実は私は
承知
しております。しかしながら他を勧誘して参加しようじゃないかというような事実は私は
承知
しておりません。それが
現地
で受けた私の
報告
でございます。しこうして今の
新聞情報
というものは、私は事実において相違しておるものだと、こう確信しております。 なおまたどういう
影響
があるかということは、これは大体御想像におまかせするつもりでありましたが、もし初日から、第一日
競技
から
日本
が参加しないということであるならば、おそらく――これはほかの、
陸上
関係
を主として言うのでございますが、おそらく参加しなかったでしょう。
開会式
のあと
陸上
競技
が第一日に行なわれた。これはまあ、ああいったような非常な力を入れて作った
競技
場、また国民全体が力を込めて政府、国民一体となっておるところで
競技
が行なわれなかった場合において、非常に重大な
責任
があるということ、これは当然に考えられることでございます。一方
AGF
はまだ
努力
中であるから、いろいろな
措置
は講ずるから一応参加するという最高権威ある
AGF
カウンシル
が
決定
をしておるという
事態
において一応参加しましたが、おっしゃるとおりこれは変則的なもので、いわゆる
憲章違反
であるという
観点
から、われわれはこれを引き揚げようということに決意したわけでございます。しかし今度の
事態
をこの
実行
段階
において考えますと、これは
現地
における状況をつぶさには申し上げる必要はないかとは存じまするが、これから生ずる重大な結果というものは、またこれ非常にあとに混乱を生ずるということも考えざるを得ない。したがいまして、そういったことをやると同時に、やはりこれは
性格
変更に
努力
する。そこで二十六日の夜からこれに着手したということが
実情
でございます。お説のとおりまことに遺憾の点があったと思いますが、そういったような次第で、われわれはあくまでもこの
会名変更
、
性格
変更ということでこの問題を処理するということに一貫して参った、こういう次第でございます。
鈴木強
13
○
鈴木
強君 あまりよく
事情
がわからないのですけれ
ども
、しかし
インドネシア
の
代表
が
ベオグラード
で述べておることについて、今あなたから聞きましたから、私はあなたを信頼しますよ。しかしその真相というものは、
新聞
記事が間違っておるということだけでは済まされないと思いますから、
会議
に参加をしておる人たちが帰って参りまして、その
会議
においてほんとうに
インドネシア
の
代表
がこういうことを言ったのか、言わないのかも、十分私は確かめる必要があると思いますので、青木さんが行っておられますが、またお帰りになったら、適当な機会があったらお伺いしたいと思いますけれ
ども
、いずれにしてもけさの七時、八時のNHKテレビの
ニュース
で拝見したのですけれ
ども
、
評議員会
を
理事会
ということで
報道
されておりましたけれ
ども
、第四回の
アジア大会
はなかったものにする、そういうことをきめたということも
情報
では聞いておるのですけれ
ども
、そういうことについても
会長
さんちょっと触れましたけれ
ども
、
情報
についてもまことに今は簡単に連絡がとれるのですからね、もう少し的確な
情報
をつかむようにしていったらいかがでしょうか。この前、三十一日の日だったですか、この
委員
会でもやはり問題になって、文部省の体育
局長
が
津島
さんのところに
電報
を打ったというのだが、その御返事がきたのか、きなかったのか知りませんけれ
ども
、やはり国内における世論がどう動いておるかということをつかむことが大事なんで、そういう
意味
から言っても
現地
との連絡をできるだけやる必要があったと思うのですけれ
ども
、そういうわけで、もう少し記事なんかについても真相を確かめると同時に、きのうあたりの
決定
についても、もう少し的確に真相をつかんで、国民に一刻も早く、あなたの組織を通じて正式に発表できるような
措置
をとってもらいたいと思う。こういう点、非常にお忙しい中ですから、私は責めようとは思いませんけれ
ども
、もう少し早くやってもらいたいという希望を持っておるから言うわけです。 〔
理事
剱木
亨弘
君退席、
委員長
着席〕 で、まあ
現地
における模様というのはそれ以上あなたから言ってもらえぬわけですね。たとえば非常に引き揚げになると重大
事態
が発生するかもしらぬという話を聞くのだが、おおよそ想像はできますけれ
ども
ね。
津島壽一
14
○
参考人
(
津島壽一
君) 現実に起こった
事態
でないですから、それをもって証明することはできません。しかしながら、かりにいよいよ脱退し、引き揚げるという場合に考えられることは、
選手
の資格なし、もちろんこれは総引き揚げの場合でございます。私の考えたのは、まず
選手
村から
選手
は引き揚げてくれ、こういう問題が起こります。これは二百何十人か、あの
現地
には実はそういったような収容する場所もない。これはちょっと速記をとめて……。
加賀山之雄
15
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
加賀山之雄
16
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 速記をつけて。
鈴木強
17
○
鈴木
強君 私は
スポーツ
に政治が介入してはいかぬということは当然ですよ。やはり私たちは
インドネシア
の
代表
が向こうで言っているのを見ても、
インドネシア
のNOCというのですか、何か向こうの
インドネシア
の
オリンピック
委員
会、
組織委員会
としてはいろいろと
努力
をしたんだが、もう政治的な問題になってしまってわれわれにはどうにもできなかったという記事もあるのですよ、向こうの
代表
が言っている中に、ああいう結果になるについて。ですから、確かに
スポーツ
をやろうという人たちの考え方よりもっとはるかに高度の私は政治性というものが動いてきたのじゃないかと思うのですがね、これは推測ですが。そういうことが結果的に
台湾
、
イスラエル
の参加できなかった形になったと私は思うのですよ。したがって、こういう結果になって、そのことが今度また次の
オリンピック
大会
にどういう
影響
をもたらすかということにまで発展をしていく。まことに
現地
で暑い中を夜もろくに寝ないで御苦労いただいたことも私は
新聞
で聞いておりますから、感謝しながら率直にそういうことを申し上げるのですが、そこで次の
東京大会
にそう
影響
がないだろうというふうな判断を持たれたようですが、まあ
評議員会
というか、
IAAF
がどういう結論を出すかしりませんけれ
ども
、その結論は大体いつごろ出るのか、その見通しはどうなんですか。
津島壽一
18
○
参考人
(
津島壽一
君) ただいま
新聞情報
に書いてありますように、
評議員会
、
カウンシル
の
ミーティング
でございます。これは十一カ国ばかりのおもな国の
実行委員会
というか、
理事会
とも……。それで一応今回の問題に対する
報告
決定
をこしらえるわけであります。
最終
的の
決定
は
総会
、これが今の予定では欧州
選手
権
大会
がきょうから行なわれておると思います。それが済んだところで
最終
のコングレスを開く。その日取りは十七日か八日を予定しておる。それが
最終
の
決定
をする場面でございます。したがいまして、
内容
はまだ
評議員会
としては公表しておらぬと思います。
最終決定
は十七日、八日か、日取りは正確には十七日を予定しているわけであります。そこで
各国
の
陸上連盟
の
代表
の集まりの
総会
に付議されて
最終決定
をみる、こういう手続になっているわけでございます。
鈴木強
19
○
鈴木
強君 わかりました。私はもしそこで結論が出てくれればいいのですが、もし不幸にして延びるようなことになりますと、これから
東京大会
に向かって二年数カ月の間、
選手
の強化その他準備を進めていくのですけれ
ども
、どうも一方では
国際陸連
が認めるか認めないかというような、そういう問題が尾を引いているので、やるほうも身が入らないのではないかという心配をするわけです。これはできるだけ早い機会に結論を出していただいて、
東京大会
に支障のないように、あらゆる角度から働きかけていくことが当面残された道だと思うのです。これは国民の
アジア大会
に対するいろいろな角度からの批判というものを受けて、
東京大会
に
協力
できる体制を作ることが大事だとわれわれもそう思うが、皆さんもこれは先頭に立ってやってもらわなければならないと思う。そういうことで、
オリンピック
の
東京大会
に障害ないための
努力
というものはそういう
方向
にやってもらいたいと思う。 そこで、これは大へん失礼な質問かもしれませんが、
川島国務大臣
が見えておられるのですが、十一日の閣議の御発言も私は
新聞
だけしかわかりませんが、かなり体協あるいはJOCに対する強い批判だと思うのですが、そういうものに
津島
会長
や体協方面の各位はどういうふうに受け取られているのか。もう二年何カ月しかないのですから、どうしても、もし体協内部における
責任
体制というものがまずいならまずいで、どうやっていくか。しかし、現状における体協の
努力
あるいはJOCの
努力
は一体どうなるのか。できるだけ
努力
をしていっても、なおかつ問題の処理にあたってうまくいかないのか、その点も十分
検討
の上で、やはり批判される場合考えていかないと、再度問題が起こると思う。これは
川島国務大臣
がああいう発言をされるのですから、相当の理由もあるでしょう。これを受けて、体協やJOCは、とんでもないことを言っていると、とっているのか、あるいはこの発言に対して、足りないところは今後直していこうとするのか、そういう心がまえというものが非常に大事だと思う。ですから、もし不当な批判であれば、間違いを正して反省を求めることも必要でしょう。またその批判が当たっているとすれば、すなおに受け入れてやることが必要だと思う。人間だから、神様でない限りは足りないところもあるでしょう。十分にベストを尽くしてもできない場合もあるのですから、そういう場合はちゃんと強化していくというようなことを考えていかなければならないと思う。私はさっきの東さんやなんかの御発言と、きょうおいでいただいた
田畑
さんなどの御
意見
を聞いても、ちょっと基本的な考え方について食い違いがあるように思いますし、そういうことな
ども
やはりできるだけやってもらわなければならない。もし隘路があれば、やはりその隘路を出していただいて解決していく
方向
にみんなが
努力
していかなければならない。これは自主的な判断にまかせるのだから、よけいなおせっかいかもしれませんが、これから
東京大会
への体制強化に向けて、大へん失礼かもしれませんが、
津島
さんはどういうふうに受け取られましたか。
津島壽一
20
○
参考人
(
津島壽一
君) 御説まことにごもっともと思います。われわれとしましては、
最善
を尽くして、この
事態
から
オリンピック東
京
大会
の成功に導くようにあらゆる手段を講じたいとこう存じておる次第でございます。
岡田宗司
21
○岡田
宗司
君 今回の
措置
につきましては、これは私はああいうことになったことはやむを得なかったと思う。何といっても
責任
は全部
インドネシア側
にあるということはこれは明らかである。ただ、
日本側
のとりました
態度
が、
日本
の国内にいろいろに伝えられている。そうしてそのために非常にこちら側でも揣摩憶測も起き、さらにまた非常な今後の不安というものも生んでいる。私は第一に、
インドネシア側
が、特に
インドネシア
の政府がとりました
態度
というものは、あの場になって急にとられた
態度
じゃなくて、
インドネシア
の
台湾
なりあるいは
イスラエル
なりに対する
態度
というものは、その以前からわかっている。こういうことが
スポーツ
と政治と混淆することになるだろうということも、皆さんが行かれる前から予想されておったことなのだ。これに対して十分なる判断を持たなかった。そしてそれがどういうふうにジャカルタの
大会
に
影響
するかということについての十分な判断を持たなかったということが、私まず第一に
日本側
として問題があったと思うのであります。それから第二は、向こうへ行きましてから、これは個々人の発言のニュアンスの相違もありましょうが、とにかく向こうへ行かれた
責任者
の方の発言というものが非常にまちまちであって、
日本側
の
意見
が一致していなかったという印象をこちら側に、
日本
に与えておるということが、私
ども
非常に不満な第二。第三の点は、やはり
日本
のとりました
態度
というものが、たとえば
インド
の
ソンディ
氏なんかもあとに非常に不満だったような口ぶりのことが伝えられておりますが、そういうふうに
日本側
のとりました
態度
が他の国にいろんな
影響
を及ぼしたと思うのですが、それらの点について
日本側
として弁解される面もあると思うのでございますけれ
ども
、そういう点についてまた問題があろうかと思います。 それから、さらにまた私
ども
がおかしいと思いますことは、
ベオグラード
で
インドネシア側
が、先ほど
鈴木
君も言われましたような発言をしておる。そして
津島
さんはこれをそういうことはないのだと否定されております。しかし、こういうようなことが発言されるということになりますというと、これはやはり国内において
日本側
のとりました
態度
というものについて、いろいろまた憶測や疑惑が生まれてくるわけであります。それにはやはり、もっとあの当時の
実情
が国民に知らされなければならぬわけであります。そうでないと無用な誤解を生むことになる。たとえば、ああいう
大会
に
日本側
が参加をした、そういうようなことは、これはもう筋としては間違っておることには違いないのですけれ
ども
、それが引き揚げることができなかったという
事情
を国民がよく理解しなければならぬわけでありますけれ
ども
、先ほどの
津島
さんの御
説明
では、いろいろな
事情
があって、それをここで公開の席で述べるわけにはいかないということです。これは明らかにその
影響
というものは、今向こうにおる連中にいろんな
影響
を及ぼすでありましょうから、私
ども
もこの点についてはきょうこの場で深くお聞きするつもりはございません。しかし、この問題は何らかの形で明らかにされなければ、国民のいろいろな疑惑を解くわけにいかない。できるだけ早い機会に詳細に、どうしてああいう
大会
に
日本側
は参加しなければならなかったか、その間の
事情
というものを明らかにしていただきたいと思うのであります。ということは、川島さんの閣議における発言というものが非常に大きく
報道
をされております。その川島さんの発言を国民のほうはどういうふうにとるかといいますと、おそらく川島さんの発言は非常に根拠があるというふうに考えるわけであります。そしてそれから逆に考えて、
日本側
がとった
態度
というものが非常にまちまちであった、一貫していなかった、一体、体協とJOCというものは何をしておるという疑惑を強めるばかりであります。でありますから、その間の
事情
を明らかにしない限り、川島さんの発言というものを国民はむしろ信じるようになるかもしれない。このことは、これからの二年間のJOCなりあるいは体協の仕事の上に差しつかえてもくるし、また
選手
たちの士気にも
影響
を及ぼしてくるわけであります。でありますから、この
事情
をすみやかに明らかにするということ、そうしてまた、その間に起こりました諸種の
事情
について、さらに詳しく国民に対してJOCなりあるいは体協なりというものが十分に
説明
をすることをやられるか、どうか。まずその点からお伺いしたいと思います。
川島正次郎
22
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) ちょっと
委員長
。誤解があるといけませんから、一言述べさせていただきます。 私は、
アジア競技大会
に出席した
関係
の諸君の不手際があるからして
責任
体制をはっきりしろ、こういう
意味
のことを言っているのじゃございません。
アジア大会
では、
津島
会長
以下、心底から一生懸命やっておったという事実を見ておりまして、私はその点は感心いたしている。ただ、結論がいい悪いは別として、感心をいたしている。敬意も払っているのですが、実は
オリンピック
閣僚
懇談
会ができまして、第二回目の
懇談
会のときに、これは内閣改造以前でありますが、その
懇談
会には東都知事、
津島
会長
、
田畑
事務総長
たちも出ている席上ですが、私が担当大臣になりましてから、多少
調査
もするし、また、各方面からいろいろな
意見
を進んで聞くというよりも、いろいろ聞かされました。その結果、何としてもこれじゃ不安心だ、もう少し
責任
を明らかにしてもらいたいという感じを持ちましたので、その際に発言をいたしたのでありまして、今回特にジャカルタにおける
措置
が何だからして
責任
体制をはっきりしろとか、
責任
をとれということを言っているのじゃございません。十一日の閣議の際にも、そういうことは言っておりません。第二回の閣僚
懇談
会のときに
責任
体制をはっきりとれと言ったということは
報告
したのです。
報告
しましたけれ
ども
、特にこの問題についてということは言っておりませんから、その点はひとつ御了解願っておきます。
岡田宗司
23
○岡田
宗司
君 ただいま川島さんのほうから弁明がございましたけれ
ども
、しかし、発表をされました時期がちょうどジャカルタ
大会
の後でありまして、そうして、しかも
津島
さんなんかが帰られましてから間もなくである。でありますから、前に発言されたことが閣議に
報告
されたとしましても、それが
新聞
に伝えられました以上、国民のほうが、今回のことで川島さんの発言があったというふうに受け取るわけであります。この点はもう否定できないだろうと思うのです。そういたしますと、やはりこの問題に
関連
なしというわけにはいかないのでありまして、独立の発言ともどうも私は受け取れないのでありますが、その時期。がそういう時期でございますので、非常に大きな波紋を投げたわけですが、いずれにいたしましても、川島さんのほうでは、
オリンピック
担当大臣として、現在のJOCと体協との間にいろいろ問題がある、
意見
も統一してない、また内部のごたごたからあるいは仕事も順調に進んでない、こういうふうにお考えになっていることは間違いないと思うのですが、そうだといたしますならば、その点をやはり担当大臣として明らかにする必要があるのじゃないかというふうに私は考えるのであります。もしそういう御発言があるといたしますならば、やはり根拠のない発言ではない。根拠のある発言でありましたならば、その点は担当大臣として明らかにまた指摘さるべきじゃないかと思うのですが、川島さんは、その点についてどういう具体的な事実があるか。そうしてそれに基づいての御発言であるとするならば、その事実を私
ども
にもできますならばお知らせ願えればいいのじゃないか。ことに、きょうは
津島
さんも
田畑
さんもおられますけれ
ども
、しかしながら、
津島
さんも
田畑
さんも、この担当大臣の発言は虚心たんかいに聞かれて、この二つの
団体
の将来の発展のために尽くされると思うのでありますが、その点について川島さんのほうから、ひとつその発言の
内容
について具体的にお話願えれば非常に私は幸いだと思うのであります。
川島正次郎
24
○
国務大臣
(
川島正次郎
君)
オリンピック
の施行につきましては、政府といたしましては、前々から強くこれを推進し、援助することをやっておったのでありますが、政府部内だけを見ましても、仕事が各省庁に分かれておりまして、その間に連絡統一を欠く点もありますので、一そうこれを強力に推進する機関として閣僚
懇談
会を設けまして、その機会に私が担当大臣になったのですが、
オリンピック
担当大臣というものは別に独特の権限があるわけではございませんで、閣内の連絡統一をはかると同時に、従来以上に各
関係
団体
を支持し、推進することが仕事でございます。そこで、私は担当大臣になりましてから、先ほど申し上げたように、いろいろ
調査
もし話を聞いてみますると、実は非常に意外に思った。わずか二年後に迫っているこの
東京
オリンピック
を、これでほんとうに準備ができるのか。いろいろあります、問題は。それはただ
組織委員会
の
関係
だけではございません。政府部内でやるべき、
東京
都がやるべき道路にいたしましても、またホテルの施設にいたしましても、きわめて不十分である。同時に
組織委員会
自体にも非常に不安心がある。たとえば外国から一千名の
報道
陣が来る。これに対してどういう処置をとっているか、なるほど処置をとる考えでおりますが、ちっとも
実行
の緒についていない。わずか二年ではたしてこれができるのかどうか。また
日本
の
報道
陣に対する一体施設をどうするのか、こういうこともほとんどでき上がっていない。そこでいろいろ考えて、まあ今
組織委員会
には
津島
さんと
田畑
さんと二人が全
責任
をもっておやり願っているので、非常に御
努力
になっていることは認めるのでありますが、一方、国民の要望は、とにかく
東京大会
では
日本
は勝ってもらいたいのだ。
スポーツ
というものはただ参加すればいいんじゃなくて、やはり国民感情としてはぜひ日の丸をよけい上げてもらいたいのだ。それには
選手
強化が必要なんだ。一体、それはどこで受け持つかというと体協で受け持つ。それでは体協が
選手
強化に対して万全の策ができているのか。なるほどいろいろ計画はあります。机上のプランはあるけれ
ども
、ほんとうにそれで
選手
強化ができるかというと非常に心もとない。今の
組織委員会
は体協がそのままいっている。体協つまり
組織委員会
という形が、これでほんとうに国民的行事である
東京大会
はいいのかどうか。
組織委員会
というものは体協のものでなしに国民のものにする必要があるのではないか。いろいろそういう点を考えて、ひとつ
責任
体制をはっきりしてもらいたいということを申し上げたのでありまして、これは
インドネシア
大会
以前の問題。そのときから私はそういうことを強く要望しておりますが、依然としてこの問題は解決しておりません。そこで十一日の閣議のときに、そうした問題には触れずに、
インドネシア
の
スポーツ
状況を
報告
したんです。
報告
して、その際にかなり自分としてはこういうふうなことを要求してあるということを閣議に
報告
しておきました。それは
責任
体制の確立ということ、それ以上には閣議で触れていない。
新聞
記者会見でも私はそれ以上触れておりませんで、
インドネシア
競技大会
のやり方がへまだからして
責任
をとってもらいたいというようなことは私は考えてもみませんし、触れてもおりませんが、もっと根本的な問題は、
インドネシア
競技大会
よりも
東京オリンピック大会
をどうしてやるかということに重点をしぼって、私はいろいろ苦慮もし、考えてもおる。こういうのが私の心境でありまして、ここで一々申し上げれば数限りなくありまして、また申し上げることをはばかることもありますし、もう御参考にならんこともありますので、これ以上申し上げませんけれ
ども
、そういう気持でもって私は担当大臣として仕事に当たっておるということを御了承願っておきます。
岡田宗司
25
○岡田
宗司
君 まあ川島さんの御熱意よくわかっておる。川島さんが担当大臣になられる前、つまりJOCの組織されるときから、このJOCの中に政府の
メンバー
が送られておるわけです。今これを見ましても、荒木文部大臣も
メンバー
でありますし、それから総務長官もたしか
メンバー
になっております。
徳安
さんがなっておる。すでにJOCの
メンバー
の中にもこういうふうに政府
関係
の人が入っておる。もっともっとそういうような点について政府のほうで熱意があったとすれば、川島さんの来られる前に、すでにそういう点について政府
関係
の方は、直接JOCに政府が圧力を加えるとかあるいは命令をするとかという立場にないといたしましても、できる組織じゃないか。これがなされなかったとするならば、やはり私は政府
関係
にも手落ちがあった。あるいは熱意が足りなかったということになろうかと思う。また各省の次官だとかあるいは各省の
局長
とかというものがそれぞれの
委員
会に入っておる。それらの人々は一体何をしていたかということにもなろうかと思う。また逆に今度JOCの側のほうから言わせれば、どうも何かやろうと思ってもなかなか金を出してくれない。というような問題もあろうかと思うのでありまして、これはなかなかむずかしい問題であります。川島さんが担当大臣になって、御熱意を持って今後政府側としてももっと熱を入れていただけるようになったということは非常にけっこうなことでありますが、この
責任
体制を明らかにするということもその
一つ
だといたしますと、大体
責任
体制を明らかにして、そうしてそれを今後どういうふうに具体的にしていくかということも、川島さん御構想をお持ちなのか。川島さんの御構想を、これを両方の
団体
に直接命令をして押しつけるわけにはいかんでございましょうけれ
ども
、また協議をして推進する方法もあろうかと思うのでありますが、その御構想を私は承りたい。
川島正次郎
26
○
国務大臣
(
川島正次郎
君)
責任
体制を明らかにするということは、人事の交流ばかり
意味
しておるんじゃございません。その他いろいろ考えられます。機構の問題もありますし、いろいろありまして、私としては構想は何も持っておりません。また構想を持っておりましても、これを
組織委員会
や体協に押しつける立場にはおりません。ただ反省を促しておるだけであります。政府も反省をいたしまして、さらに従来以上に有力にバックしようというので、
オリンピック
閣僚
懇談
会をこしらえ、担当大臣を作ったのですから、これに呼応して、
組織委員会
にしてもまた体協にしても一緒に立ち上がってもらいたい。こういうことを私は熱望しております。構想というものは特に持っておりません。
岡田宗司
27
○岡田
宗司
君 構想を明らかにされないわけでありますが、とにかく
オリンピック
委員
会のほうには政府
関係者
が入っておるわけでありますから、それを通じて
オリンピック
委員
会において間接的に政府の見解を明らかにして、そうして組織の問題あるいは仕事上の問題についてもっと積極的にこの発言をする。そうしてまた推進していく。そういうお考え方ですか。
川島正次郎
28
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 従来文部大臣と総務長官が組織
委員
に入っておりますが、それぞれ自分の仕事の立場だけで入っておる。政府全体として入っているんじゃないのでありまして、そこで私が担当大臣になりまして、政府全体として、
組織委員会
、体協等といろいろ話し合いをしまして、仕事を進めよう、こういうことになりましたわけであります。文部大臣、総務長官を通じてやることもこれまた必要でありますけれ
ども
、しかし、それを一歩進めまして、さらに政府全体としての
責任者
を作る、こういうことになったのでありまして、私はこの体制ができて、
オリンピック
というものはだんだん軌道に乗っていくのじゃないか、また乗っけなければいかぬとこう考えて、私は今非常に熱意をもってこれに当たっておるわけであります。
岡田宗司
29
○岡田
宗司
君 ただいま川島さんのほうから、
オリンピック
担当大臣として、つまり両組織の外にあって、そして相談をしてやっていくというお話でございましたが、
オリンピック
担当相として、
組織委員会
に加わるというようなお考はお持ちになっておるわけですか。
川島正次郎
30
○
国務大臣
(
川島正次郎
君)
オリンピック
担当大臣としての仕事は、
組織委員会
なり体協なりとの
関係
よりも、むしろ大きなことは、一番に道路をよくすること、また一日三万人だろうと推測されておる外人を収容するホテルを作ること、その他たくさんございます。そういう仕事もあるのでありますからして、ただ組織
委員
の一員として働くだけじゃ私の仕事は尽きないのでありまして、むしろ外におりまして、
組織委員会
も強力に推進するし、同時に閣内の
関係
閣僚全部をひとつ連絡をし、ときには指導しまして、鞭撻していい体制を作って
オリンピック
を迎えたい、こういう考えでありますからして、
組織委員会
に入るつもりは今ございません。
岡田宗司
31
○岡田
宗司
君 強力に政府が
オリンピック
に関する全体的な仕事をするために、
オリンピック
担当相としては、もっと広い見地、広い分野で働くためには、
組織委員会
に入るつもりはないということはよくわかりましたが、その点について川島さんに今後非常な御
努力
を願わなければならぬ点もたくさんあろうかと思います。ところが、きのう
新聞
に伝えられたところによりますと、非常にいろいろ問題がありまして、ようやく
決定
いたしました戸田競艇場の問題がまたひっくり返りそうな形勢になってきておる。そして相模湖でやれというような
意見
が出ておる。一たん
決定
されましたことを、こういうふうにまたぐらぐらくつがえるような、あるいは問題になるようなことでは、それこそ一体、はたして
オリンピック
までに間に合うのかどうか、こういう疑惑も起こってくるのであります。あの問題につきまして、閣議でそういう問題が出るというようなことは、どうも川島さんが強力に進める、統一的にやっていくのだというのと、だいぶ違った印象を受けるのでありますが、ああいう一たん
決定
した問題がまたあぶなくなるというようなことについて、しかも、それが閣議でそういう問題が出たということについて私
ども
解せないのでありますが、これについて一体どういう
態度
をおとりになるのか、お伺いしたい。
川島正次郎
32
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 戸田コースの問題は、
組織委員会
で
決定
をいたしまして、三十七年度の予算にもたしか一億七千万円かと思うのでありますが、川幅を広げる予算が計上してあるのです。ところが環境を直す問題、あるいはあそこにあるモーターボート・レースの賠償をどうするかという問題、その他二、三問題がありまして、埼玉県、
東京
都、文部省その他
関係者
間でもって話がつきませんので、実はこの問題がたな上げになっておった。それをせんだって踏み切りまして、とにかくもう工事だけはしようじゃないか、埼玉県との交渉、大蔵省や都との交渉はあと回しにして、工事だけはしようと、こういうことをきめまして、近く工事に着工する運びにさしたのでありますが、しかし、埼玉県との交渉が依然としてはっきりしない、そういうことがあるものですから、閣僚の中からしてそんなごたごたするところなら、いっそすっきりした相模湖に持っていったらどうかと、こういう
意見
が出てくるわけなんです。そこに問題があるのです。この戸田コースの問題にしても、ほんとうに
最後
的にきまっておらぬというところに他の候補地が浮かび上がってくるという問題がありますので、私は戸田をよして相模湖にしようと言っているわけではございません。しかし、問題は研究してみる必要があるだろうと思うのです。もう少し早く埼玉県あたりと話をつけまして、すっきりした形にして、ひとつ工事に入るなり、また環境の整備に入るなりしたいと思うのですが、残念ながらこれができていないのですが、ひとつなるべく早くこれを解決するように
努力
するつもりでおります。したがいまして、閣議でああいう発言がありました。ありましたけれ
ども
、それは聞いてあるだけであります。聞いてあるだけですが、そういう発言があるというところに、従来
組織委員会
にしても何にしても非常に手ぬるかったということは認めざるを得ない。そういうことを心配しているのです、ふだん。だからはっきりしよう、こういうことなんです。
岡田宗司
33
○岡田
宗司
君 ただいまのお話で
事情
はわかったんでありますが、
組織委員会
が埼玉県と話をつけて、つけなければならなかったわけでございますが、これは
組織委員会
が埼玉県と話し合いをつける上のいろいろないきさつ、あるいはまた
組織委員会
が埼玉県を納得させるだけの力がなかったのかもしれません。しかし、そういうような場合に、これはやはり政府側のほうとして、
オリンピック
担当相ができて、これを政府が強力に進めるという以上、そういう
組織委員会
ができない、あるいはなかなか力が足りないような問題については、これは
総理府総務長官
も入っておるのでありますから、政府側で埼玉県との話し合いを促進するという手もあったはずなんです。政府側として今までその問題についてはタッチしておらなかった。そしてまた今後は政府側として
オリンピック
組織委員会
と埼玉県とのあっせんに乗り出す、あるいは政府側みずから埼玉県と折衝して進めると、いずれかにしなければならぬと思うのですが、政府としては戸田の競艇場を早く着工するためには、そういう手段をとられるかどうか、お伺いしたい。
川島正次郎
34
○
国務大臣
(
川島正次郎
君)
組織委員会
には埼玉県の体育協会を
代表
して福永君も入っておるわけです。相当
関係者
が入っていて、なお話がつかぬというところに困難性があるのですが、私もこれからあっせんをしまして、なるべく、どういう結論になるかしれませんけれ
ども
、ひとつ問題を片づけるようにいたします。
加賀山之雄
35
○
委員長
(
加賀山
之雄君) お諮りいたします。河野謙三君から
委員
外議員としての発言を求められております。これを
許可
することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
加賀山之雄
36
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 御異議ないと認めます。河野君。
河野謙三
37
○
委員
以外の議員(河野謙三君) 私は過日の
アジア大会
に視察に参った一人でございまして、
現地
におきまして、御出席の
津島
さんや
田畑
さんが昼夜を分かたず非常に御苦労なさったことはあまりにもよくわかるのですが、したがって、結論として、不手ぎわではありましたけれ
ども
、
実情
あれよりほかに方法がなかった、かように私は理解するのであります。特につけ加えますが、
スポーツ
と政治とを画然と区別して、
スポーツ
は
スポーツ界
において処理すると、その筋を通そうと思えば思うほど結果的には政治が大きな問題になって、どうも結果というものはおのずと違ったことになるということであったので、やむを得なかったと、私はここでお尋ねしたいのは、われわれがこれからの論議の焦点は、二年後の
東京
オリンピック
を完璧にしたいということにすべての焦点を合わせなければいかぬと思うのです。その点について私は、過去にありましたことよりも、これから
東京大会
をりっぱにやるにはどうしたらいいか、よく川島大臣が言われましたように、そこに私は重点を置いてひとつお尋ねしたいのであります。でありますが、その前に簡単に
一つ
申し上げますが、
インドネシア
においでになる前に、われわれにはわかりませんけれ
ども
、
インドネシア
の大使館におられる
方々
には、特に大使には、
インドネシア
の国情、特にあの異常な姿というものはよくわかっておるはずであります。
事前
に大使から大使館を通じて体協に何らかのあれについての御連絡があったかないか。先ほど岡田さんからも触れられましたが、向こうから積極的に、
インドネシア
の今度の
アジア大会
を開催するにあたって、今こういう問題が起こりそうである、どういう手を打つかというようなことの連絡があったかどうか。また、なくても、体協のほうで積極的にそういうふうな向こうの国情の
調査
につきまして、大使館をわずらわした事実があるかどうか。これを最初に伺っておきたいと思います。
津島壽一
38
○
参考人
(
津島壽一
君) 私からお答えいたします。
大会
前の状況に関してのことだと思いますが、
台湾
に送られたアイデンティティ・カード、まあ入国の証明書でございますが、これが八月の何日でございましたか、
新聞情報
によると、中に白紙が入っておったということであります。
台湾
側のほうが……
河野謙三
39
○
委員
以外の議員(河野謙三君) ちょっと、私は時間もございませんから、簡単に、大使との連絡をつけておったのか、また、大使がこちらに
事前
に向こうの国内
事情
について、
アジア大会
に及ぼす
影響
はどうであるかということを御連絡があったかないか。あったとか、なかったとかということを……。
津島壽一
40
○
参考人
(
津島壽一
君) こちらの駐在されておる
インドネシア
大使にはお目にかかりました。しかしながら、大ぜいの席でありましたので、そのときも話がありませず、また、その前にも一これは出立の一日前ですが――
インドネシア
大使からは本件については何らの
ニュース
を得ておりません。これは向こうからそういうものがあったかどうだとかということは、私は存じておりませんが、そういうことはありません。
河野謙三
41
○
委員
以外の議員(河野謙三君) 私はこれをお尋ねするのは、
東京大会
の場合にも、
主催国
である
日本
が、積極的に
各国
の国情というものについて、大使館を通じて、外務省を通じて、よく
事前
に
調査
をしておくことが、やはり
オリンピック
の準備の大きな
一つ
だと私は思いますので、特にお伺いします。今度できたことはどうだとか言いません。 それから、その次に、
浅野
君は十六、七日に行ったはずでありますね。
選手
が出発前に行きまして、
選手
が出発前に
浅野
君はロンドンからあの
電報
を受け取ったはずであります。それにつきまして、
浅野
君から国内にいち早く連絡があったかどうか。詳しく私は聞こうと思いませんけれ
ども
、私は死んだ子供の年を数えるのじゃありませんけれ
ども
、結果論として、すべての場合にそうですが、こんなことになると、あのときこうしておったらいい、ああしておったらいいということをお互いに考えるはずであります。
浅野
君が、あのロンドンからの
電報
によって、もう少し早く処理する私は時間的余裕があったと思う。それが連絡があったかないか。もう
一つ
は、
浅野
君が
電報
をもらった場合、先ほどお話がありました、
浅野
君が悪いかだれが悪いか知らぬけれ
ども
、東さんの見解と全く違う。東さんは、
IOC
と
アジア大会
とは
関係
がないと言う。
浅野
君は、そうは思わないと言っておる。それが二十四、五日までの
浅野
君の見解であった。同じ体協の中において、そういうふうな重要な問題でさえも
意見
の食い違いがあって、そのまま――ほかのことと違って、こういう重大な問題を
現地
で
代表者
の間でお互いに
意見
の交換をして、なおかつ
意見
の一致をしないで……。
最後
には
意見
は一致したのでしょうけれ
ども
、そういう事実があったことは事実であります。なお、
津島
さんのような非常に外国語にたんのうな人であるにもかかわらず、
浅野
君が自分で
電報
を握っておって、重要な個所について
電報
の解釈を間違ったということを私は聞きました、真偽のほどはわかりませんけれ
ども
。要するに、私は時間の
関係
上、これについて一々御答弁を求めようと思いません。求めようと思いましたが、これは略します。 そこで、私は結論として申し上げますが、りっぱに
東京大会
をやる場合に、あなた方がお帰りになってからの
措置
は、きわめて私は不満であります。言いわけに回っておる
事態
じゃない。こうすれば
東京大会
に
影響
はないだろう、こうすれば
陸上
の
選手
にきずがつかぬだろう、こうすれば
陸上
の役員にきずがつかぬだろう――この次の
大会
がよその国であって、
日本
が参加国の立場であれば別でありますが、
主催国
の立場であります。積極的に身を清めたらいいじゃないか、私はその点を申し上げます。しょせん、これは今後いろいろ
会議
が開かれましても、
アジア大会
というものをこのまま承認して
東京大会
は開けません。
選手
権
大会
その他の
名前
に変えざるを得ないでしょう。そういう結論は私ははっきりしておると思う。また、そういう結論を出さなければいかぬ。そういう結論がはっきりしておるなら、
日本
の
陸上
の
選手
が、
アジア大会
の名において、いかなる表彰なり、いかなるメダルなり、そういうものをもらって今受け取っておることは、私は非常に今後問題だと思う。これも
浅野
君が向こうにおる当時は、ロンドンからの
電報
は、
日本
の
陸上競技連盟
が処罰の対象か、個々の
選手
が対象か、それさえもわからなかった。体協ははっきりと
陸連
が対象じゃなくて、個々の参加した
選手
が対象であると、こういうことになっておるならば、少なくとも、
日本
の参加した
選手
は
アジア大会
には参加した覚えはないということを、結論が出る前にはっきりしておいたらいいと思う。それが参加賞であろうが、賞状であろうが、また、金メダルであろうが、こういうものにつきまして、
アジア大会
の名において出されたものにつきまして、しかるべく辞退するなり、また、
陸連
が預かるなり、体協が預かるなり、この点は岡田さんも触れておられたようでありますけれ
ども
、そういう点は積極的にはっきりして、
オリンピック
憲章
に示す
精神
そのものに、私は、
日本
の
団体
なり各
選手
を清めておかなければいかぬと思う。それを何とか言いわけをすればいいのだ、三百代言でも何でもいいのだ、するする言いわけして通ればいいのだ、こういうことでは、二年先に
東京大会
を主催する
主催国
としての
団体
なり
選手
の資格はないと思う。その点について
津島
会長
、いかがお考えになっておりますか。
津島壽一
42
○
参考人
(
津島壽一
君)
最後
の問題はあとに回しまして、
浅野
国際陸連
の
代表
の
情報
がもし早くわかって、
選手
出発前、また、われわれが出発前に、こういう事実が起こりつつあるということであれば、私はもう出発を延期し、また、参加しなかったでしょう。ところが、われわれは
現地
に行ってこれを知ったのであります。
国際陸連
のペインからの
浅野
氏――
浅野
氏はおそらく八月十六日ぐらいに行っておったのじゃないかと思います。これは正確じゃございません。われわれより先に行っておったわけでございます。ところが、ペインからの第一報、いわゆる
警告
的の
電報
は十四日付でございます。それが十九日に
浅野代表
に送付された、配達された。そこで、二十日に
田畑
、高島等が向こうに行き、私は二十一日に
最終
の
選手団
と一緒に行ったわけであります。着くと、このことがあるということを聞いたのでございまして、その時期においては非常に残念ながらそういうことになっておる。これは
現地
の
事情
が非常に複雑であるという
一つ
の事例でございましょう。
浅野
君自身も、それが作為や何かあったのではないかいうことを言われておったわけでございます。そういった
意味
で、
内容
の問題についてのいろいろの解釈がございますが、これは問題をはずしまして、そういう
事情
でございまして、出発前、われわれはそういう
ニュース
が若干でもあれば、これは大いに反省し、また、
措置
も違ったと思います。出発前における状況は、
台湾
のアイデンティティ・カードの送付が、こういうような白紙が来たという事実を知ったのでございます。これは事実なんです。それで、一方、ジャカルタ側の弁明によりますと、これは招致にあたって、誓約した
各国
に無差別に全部案内状を出し、また同時にそういった旅券、アイデンティティ・カードを送るという誓約をしておるわけです。その誓約を
実行
するかどうかということは、
各国
に十分聞き合わせをやって、そのとおりやるんだ、現に
日本
へも招請状というか、案内状並びに正規のあれが参ったわけでございます。ほかの国にも参った。
現地側
からいうと、ここで問題になったのは、
台湾
、
イスラエル
、韓国でございます。これは国交がまだ開けていない三国、これについては政府側のことで、
組織委員会
ではありませんので、三国といえ
ども
これを招待するんだという招待状も出ている。そういうような
意味
で、さっきの御質問のように、われわれがそういったようなことが事実あるにかかわらず
現地
に臨んだという事実はない。
現地
に行って驚いたことであったのでございます。それからあとの
措置
は先刻申し上げたとおりでございます。 さて今後、善後
措置
が一番大事でございます。過去のことはまあしばらくおきまして、われわれとしても
東京大会
を成功に導くその
観点
から、始終あらゆる
措置
を講ずることに焦点を置いてやったつもりでございます。さしあたり今起こっているのが
ベオグラード
の
会議
、これも先ほど
報告
したとおりでございます。なお今後の
決定
いかんによって、
AGF
の従来の
決議
しようとした問題をどうしても実現しなければならないという問題で、それによってこれは解決することが
一つ
。その他
一般
に、
東京
で
オリンピック
の
大会
を開く場合に、これはわれわれが誓約しておる
憲章
の規定によってやる、また、これこれの方法、手段を考えて無差別にやる、その方法もちゃんと誓約したわけでございます。その誓約を忠実に厳粛に
実行
するということが当然なことであって、これによって、
各国
が、
日本
は
憲章
の擁護者であるという建前に――
IOC
でございますが――そういうことにしたいと思っているわけでございます。
選手
の今後のいろいろな根性というか、
精神
というか、これはやはりその点に打ち込んでいくということは当然でありまして、
主催国
として、
憲章
の規定に沿い、誓約に沿い、あらゆる部面において誠実、厳粛にこれを行なうということを、十分私は納得いけるようにしたいと思います。おそらく
日本
は今日まで
憲章
の維持のためには
最善
の
努力
を尽くしておる国であるということは、十分
各国
も
承知
していることと思いますので、その部面から何らの疑念が起こらないようにするのがわれわれの義務であろう、こう考えておる次第でございます。
河野謙三
43
○
委員
以外の議員(河野謙三君)
オリンピック
憲章
の示すところによって、何らの妥協なく、
オリンピック
精神
そのもので
大会
をやるという気持はわかります。しかし、
津島
さんは今度、単なる
アジア
の
大会
でありましたけれ
ども
、それを筋を通すためにはあまりに国際
事情
は複雑であるということは、身をもって体験されたはずであります。現に、ついこの間、行なわれたモスクワの
大会
におきましても、堂々と
憲章
に
違反
したことをやっているじゃありませんか。中共は加盟していない、加盟していない中共を招待した、参加せしめた。
憲章違反
ですよ。今度の場合は呼ぶべきものを呼ばなかった。モスクワの場合には呼んでいけない人を呼んだ。しかるに、それはソ連の国力か何か知らないが、その圧力に押されて、見て見ないふりをして、目をつぶって
大会
を終了してしまった。先ほど
田畑
さんの言われた地中海の問題もそうです。最近の世界各地で行なわれる
競技
会というものは、いずれも
憲章
すれすれどころではない、明らかに
憲章違反
ということを繰り返している。それだけ世界の政治
事情
は複雑である。今後ますます複雑になるでありましょう。その複雑の中に
オリンピック
憲章
に基づいて堂々と
東京大会
をやるということにつきましては、その決意はいいけれ
ども
、決意と同時に、具体的の
措置
というものを今からお考えにならないと、私はたいへんなことになると思います。であるから申し上げている。その具体的
措置
の
一つ
として、他に向かって
オリンピック
憲章
に基づいて主張するならば、今度の
アジア大会
における
日本
の
選手
のとった
態度
というものは、言いわけではなくて、はっきりと
憲章
そのものに従って終始したような行動を、今からでもいいから修正していかなければいかぬと思います。その点、私は心配しているのです。先ほど申し上げましたが、単にメダルの問題でありますけれ
ども
、これは
アジア
選手
権
大会
に参加したので、
アジア大会
に参加したのではないと言ってみたところで、
アジア大会
へ行って賞状をもらって、金メダルをもらって帰ってきているじゃありませんか。あとになって言いわけはできるかもしれないけれ
ども
、少なくとも
選手
それぞれ、
日本
の体育
団体
の良心からいえばおかしいですよ。そういうことをなぜ積極的にやらないかということを申し上げているのです。私はそんな簡単なものではないと思います。
東京大会
の場合はいろいろ国際情勢にからんでくる、それを私は心配しているのです。先ほど
津島
さんは、私は答弁をあえて求めたのではありませんが、
浅野
君が十四日に
電報
のきたのを十九日に取ったと言うが、それを向こうの中間で、あの国でありますから、押えておったかもしれない。しかし、いずれにしても十九日に取った。十九日に取って、事の
重大性
にかんがみてすぐ国内に打電したらいいじゃないですか。してないでしょう。そうして実際の
責任者
であるあなた方が向こうへ行って初めてそういう
報告
をする。私は非常にこれは無
責任
だと思うのです。そういう点について、私は非常に遺憾な点があったと思う。なお、いまだに私は遺憾な点が繰り返されていると思う。今度
浅野
君が
ベオグラード
ですか、出発にあたって、これだけの重大な問題をかかえて、
陸連
だけの問題ではありません。少なくとも
津島
さんの
責任
にかかったところの、
日本
の
スポーツ界
全体の問題であります。
事前
に少なくとも
津島
さんと
浅野
君は十分の打ち合わせをしていくべきだと思う。
陸上
の問題は
陸上
だけで片づく、そんな問題ではありません。そういう打ち合わせた事実がないでしょう。そういうふうに、個々ばらばらで、
津島
さんの統率のもとに、また、
田畑
さんの統率のもとに
スポーツ
団体
が一糸乱れず動かないところに、私は問題があったと思う。今度向こうへおいでになるについて、十分打ち合わせされましたか。それとも
津島
さんは、
陸上
の問題は知らぬ、お前勝手に行って勝手にやってこいということですか。その点、承っておきたいと思います。
津島壽一
44
○
参考人
(
津島壽一
君)
浅野
氏は
現地
では十分話も聞き、われわれの仲間の者と始終
懇談
いたしておりました。
浅野
君は用務のために先に帰ったわけであります。
現地
を去ったわけであります。その前は接触は十分しております。ただ、
浅野
氏の立場は、
国際陸連
の
代表
という立場でございまして、われわれと同じ体協のいわゆる役員としての行動ではなかった部分が多いのでございます。十分打ち合わせばいたしました。これはもう私もいろいろな方から
報告
を聞き、また、私も何回も会っております。それは事実でございます。なお、
ベオグラード
の
会議
の
重大性
は十分
承知
しております。したがいまして、
現地
においてやはり十一日の
会議
には出ようというので、おぜん立ても作り、連絡もし、そうして
陸連
だけの問題ではないから、JOCとしてもこれに参加していこうというようなことでやっております。その結果がどうなるかということが、まだ
最終
的にわかっておりません。しかし、いずれにいたしましても、今後問題は
AGF
、これが
大会
の
性格
を変えるということが問題の大きな一点でございます。この点に対しては、
会議
中から
努力
した点であり、また、おそらく
各国
も同様だろうと思います。共通の問題でございまして、この点を
最後
的に
決定
するということが重大な問題であるということはよく心得ております。
河野謙三
45
○
委員
以外の議員(河野謙三君) いずれにしても、先ほど大臣も
責任
体制の問題に触れられましたが、今の問題も
責任
体制の問題になると思う。
浅野
君が行っていろいろやられたことは、一切
浅野
君の
責任
であると同時に、
津島
さんの
責任
です。そうでしょう。直接的に
陸連
の問題であるけれ
ども
、問題によっては
日本
の
スポーツ界
全体の問題です。
津島
さんの
責任
につながっております。こういう問題もやはり
責任
体制の問題だと思う。
陸連
は
陸連
でやる、体操は体操で勝手にやる、そんなものではないと思う。
浅野
君は、向こうではなるほど
津島
さんにお目にかかっていろいろ話されておるのは、私は知っております。だけれ
ども
、お帰りになってからだって、
浅野
君が向こうに行くのには間に合うじゃありませんか。早く行って――ほかの用もあるでしょう、あるでしょうけれ
ども
、要するに重点の置き方の問題ですよ。
浅野
君は
国際陸連
の常務
理事
であると同時に、
日本
の
陸連
の
代表者
です。
浅野
均一というのは二人あるわけです。
陸連
の
代表者
であると同時に
国際陸連
の
代表者
、両方とも
代表
なんです。
陸連
の
代表者
でなければまだいいんです。
陸連
の
代表者
であるなら、当然体協の
会長
というものと国際
会議
であるならば十分の打ち合わせを
浅野
君はすべきだと思う。私は、
津島
さん、大体あなた、人がよ過ぎると思う。そうして勝手なことをして、何か問題が起こると、みんなあなたが
責任
を背負う。そしてどうだこうだといわれる。私は、そういうことについて
責任
を自分がかつぐ以上は、もっと積極的におやりになったらいいと思う。私は、今度の
ベオグラード
の問題でもまた何か起こりはしないかと思う。起こった場合は、
浅野
君の問題でなくなりますよ。そういう点を私は心配するのです。いろいろ申し上げることもたくさんありますけれ
ども
、私は
委員
外でありますし、また、
田畑
さんは何か非常に次の
会議
へお急ぎになるようでありますから、御迷惑をおかけしてはいかぬと思いますが、要するに、私は先ほど申し上げましたように、今ただこの間の
アジア大会
の跡始末をするというような消極的な
態度
でなくて、
アジア大会
の経験を生かして、
東京大会
をやる場合には、
日本
が
オリンピック
憲章
に基づいてりっぱな口をきけるように、まず体質を清めておかなければいかぬ。それには少し遺憾な点があるのじゃないか。ただいたずらにこの間の跡始末について言いわけを何とか考えておるというようにしか私たちには思えない。そんなことでは
オリンピック
大会
の主催の資格はありませんよと私は言いたい。いろいろ申し上げたいことはありますけれ
ども
、ただ抽象的でありますけれ
ども
、そういう気持において私は臨んでいただかなければ、
東京大会
はそんな簡単なものではないと思う。私は言いたいことを申し上げて、あえて答弁を求めませんが、どうぞ非常なる決意をもって私は当たっていただきたい、かように強く要望いたします。
岡田宗司
46
○岡田
宗司
君 これは他の問題でございますが、今回のジャカルタの
大会
で見ますと、
日本
は金メダルはだいぶ取った。けれ
ども
、全体として記録はあまりいいとは言えない。その上へもってきて、トラックのごときは全く惨たんたる結果を示している。今までおそらく
選手
強化ということもやってこられたのでしょうけれ
ども
、その
選手
強化というものが現われているとは思えないのですけれ
ども
、これは今までの
選手
強化に欠陥があったのか、それともまだその緒についていないためにここいうような結果になってきたのか。もし今後
選手
強化の上に今度の成績というものが役に立つとするならば、それはどういう
方向
に改めていけば来たるべき
オリンピック
までに相当な
選手
強化ができるのか、そこいらの点についてちょっとお伺いしたいのです。
津島壽一
47
○
参考人
(
津島壽一
君)
アジア大会
における
日本
選手
の成績については、いろいろ見方もあると思います。全体といたしましては、七十四の金メダルを取った、百二十ばかりの中で。これは全体としては悪くなかった、第三回におけるよりも。まあそういうメダルの数からいけばよかったと思います。御指摘の
陸上
の
関係
は、これは
陸上連盟
の当事者からも聞いたんですが、まあまあというところだろうというぐらいなことでした。私としてはこの成績が必ずしも満足すべきものでないと思っております。中には従来以上の成績、記録を出したものもございますが、今後さらに一段と、これをきっかけとして、さらに強化を進める必要が特に私は大きいものがあると、こう思っております。従来二年間余でございまするが、基本的の訓練というものに力を入れて参ったわけでございます。今やそれを実地に、修練に適用しよう、こういう
段階
にある。今三年度に入っているわけでございますが、この点については、これらの方面の人がさらに一段と
努力
する必要があるということを十分認めておる次第でございます。
河野謙三
48
○
委員
以外の議員(河野謙三君)
選手
強化の問題が出ましたが、私は
津島
さんにお考え願いたいと思うのは、
日本
の
選手
強化は非常にむずかしいのですが、ただ
選手
強化の手段ですが、今のように外国へ行って、外国ではどんな練習をしておるとか、外国のほうでは
選手
強化にどういう方法をとっておるとかいうことを調べるのもけっこうでしょうけれ
ども
、私は
一つ
の例が、甲子園の野球
大会
が、なぜあれだけ長足の進歩をしたか、高等学校が。都市対抗の野球がなぜあれだけ強くなったか、ああやってお互いに
団体
なり自分の所属する府県なり学校なりの名誉にかけて大いにエキサイトしたゲームをやらせることによって根性ができるわけですね。今、
日本
の
オリンピック
選手
強化につきましてはそういう根性を作る場というものが私は少ないと思うんだが、今度大体、記録からいって、この次の
東京大会
には、これとこれのこういう
選手
が大体
選手
の有資格者だというものを集めて、たとえば一番こっけいなのは、私もマラソンの先輩ですけれ
ども
、マラソンの
選手
を連れて今ごろニュー・ジーランドへ行ったって何のプラスになりますか、と私は言いたい。もう少し、セオリーもいいけれ
ども
、
日本
人がたとえば、織田幹雄君なり西田君なり南部君なりが勝ったころの、あの人自体の素質もありますけれ
ども
、
選手
の根性なんですよ。
日本
人の、極端に言えばやまと魂があった、そういうものが私は欠けておると思う。そういうものをよみがえらせるために、もう少し野球やその他の例を見まして、府県別でもようございます、
団体
別でもようございます、学校別でもようございます。そういうものをもう少しおやりになったら私はどうだろうと思う。それなくして、ただセオリーとか、金がかかるとか――金はかかりますよ、そういうことだけで
選手
強化をやっても、私はたいしたことはないと思いますが、そこら辺についてはどういう御見解をお持ちですか。
津島壽一
49
○
参考人
(
津島壽一
君) ただいまのお説はもっともだと拝聴いたしました。これは専門的にいろいろな工夫をしてやりておりますので、お説のあるところは十分それらの
方々
に伝えまして、御趣旨に沿うような
方向
に向けるように私も
努力
したいと思います。 なお、根性の問題は、これは痛切に感じておる問題で、決して等閑に付しておるわけではございません。六月五日の全国の指導者
会議
等においては、もうそれを専門に
検討
し、あらゆる角度から……。根性というので
会議
を開いたというような事実もございますので、その実効がどういう点であるかということは今申し上げられませんが、十分みなその点に配慮を加えておるということだけは申し上げて差しつかえないと思います。
加賀山之雄
50
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 私から一言川島君なりにお伺いいたします。それは今のお話で、今度の
アジア大会
のいきさつが
東京大会
の支障にならないだろうかということを、われわれ大体推測しておったんですが、また、絶対にこれをみんなで支障にさせてはならない。これをできるだけ早くもやもやしたものを取って、
ベオグラード
の
総会
の
決定
を待って、河野
委員
の発言、岡田君の発言にも言われたように、すっきりとした気持で
東京大会
の準備に乗り出さなければいけない。それには、反省すべきことはもちろん反省しなければならぬのだが、私はこの間の閣僚
懇談
会でのお話の
新聞報道
を見て、これは非常に困ったことだ、国民にも非常にこれは将来に対して、何といいますか、心細い感じを与える、また、これは国際的にも考えてみると
日本
は何しているんだろうというような感じを与えたんじゃないかと思ったわけです。今日、
川島国務大臣
のお話を伺ってみると、それは従来の準備不足ということがそのまま発言になったんだというようなお話でしたが、もちろん
組織委員会
を中心にして、体協等反省すべきことはたくさんあるんで、これはぜひ反省すべきことは反省してやってもらわらければならぬが、今の御発言にあった道路、あるいは戸田の競艇場の場合、あるいはプレス・センターの場合、それからホテルでもそうですが、これらの問題は、国の予算、政府が非常な大きなウエートを持っているわけです。これが早く
態度
をきめて出ていただかないと、これは
組織委員会
の問題として
組織委員会
にだけその
責任
を負わしてもできない問題である。どうも閣僚
懇談
会では、それを
組織委員会
なり体協の問題なりにしておられるような印象を与えたのだが、川島さんのさっきのお話では、非常に担当国務相として熱烈にこの柱になっていく心がまえが拝聴できて、たいへん私は心強いと思ったのですが、そういうことで、これは時期的に間に合わないのは道路とかそういう競艇場とかいうものであることは間違いない。この点について、もう一度
国務大臣
からはっきりとした、この間の閣僚
懇談
会やきのうの衆議院の特別
委員
会におけるいろいろの
関係
から、あわせてひとつ御確認いただきたい。
川島正次郎
51
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 政府といたしましては、これは単に私の考えではございません。しばしば池田総理とも打ち合わせているし、また閣議の席上におきましても
意見
の統一ができておるのでありますが、二年後の
東京オリンピック大会
を完全に仕上げるために、できるだけ強力に援助しよう。必要なら資金面についてもひとつ出そう、こういうことなのであります。そこで
オリンピック
閣僚
懇談
会ができて第一にやったことは、何としても道路が大事だから、ひとつ急速に道路整備をもう少しやろうじゃないかというので、三十七年度の補正予算をもちまして、約百七十億でございますが、まだ数字ははっきりきまりませんが、補正予算の
措置
をとりまして、
オリンピック
道路の敷地の買収だけは今年度中に必ず済ませる。そうして来年度から着工して
オリンピック
の
開会
に間に合わせる、こういうことをまず処置としてとりました。これは
オリンピック
閣僚
懇談
会できめてとった処置であります。 なお、今お話のように、プレス・センター、プレス・ハウス、その他いろいろあります。また
選手
強化につきましても体協のほうから二十億程度の予算を要求しております。こういうものは必要ならばそれを出すということになっておりますが、ただ、それを適切に有効に使うのでなければ、私としても大蔵大臣に強力にかけ合う心がまえができないのでありまして、私
ども
のほうの心がまえを作る上においても、十分納得のいくような予算を作ってくれということを要求しておるわけであります。私が担当大臣になってはなはだ遺憾に思ったのは、今もって全年度の、全部にわたる資金計画ができていない。単年度を要求して、三十七年度なら三十七年度限りの要求で今やっていますが、いったい全体に幾らかかるのか、そのうち三十八年度は幾ら、三十九年度は幾ら幾らという割合もきめなければならないし、また、全体がきまりませんと、一体、国が幾ら出す、都が幾ら出す、それから財団が幾ら出す、
組織委員会
が幾ら出す、入場券を売ったら幾らになる、そういう収入のほうの見積もりが立たぬというのが今の現状なんです。そこを私はやかましく言いまして、
組織委員会
、事務当局同士でもって案を作って出せ、話がつかぬのだろうから、大蔵省、文部省、
組織委員会
、話がつかないまま閣僚
懇談
会へ持ってくれば、そこを処置するということを言いつけてありますけれ
ども
、今もってできないのが現状でありますから、何とか早く作りまして、絶対に、ひとつ全部の計画を立てたい、こう考えておりまして、池田内閣全体としまして非常な熱意をもってこの問題に当たっておりまして、絶対にひとつ、りっぱな
オリンピック
大会
を
東京
で開きたいという考えでおりますから、さように御了承願います。
津島壽一
52
○
参考人
(
津島壽一
君) ちょっとつけ加えさせていただきたいのですが、
組織委員会
の経費は、従来全体年度のも一応作ったのでございます、昨年春。それは予算の査定には取り上げられなかった。三十七年度までは各年度ごとにきたわけでございます。今後は非常に重大な問題ですから、三十八年度、九年度
最終
年度までのひとつ予算を十分
検討
願いたいということで、一応の案はできまして、文部省に出し、今大蔵省と
検討
しておるという
段階
でございまして、どうしても私
ども
といたしましては、もう
実行
段階
でございますので、三十八年度、九年度に対する全体の予算の見通しをつけていただく、その点に川島大臣も十分ひとつ考慮していただく、こういうような
事態
になっておることをちょっと御
報告
申し上げておきます。
加賀山之雄
53
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ほかに御質疑のおありの方はございませんか。――別に御発言もないようでございますから、本件についての質疑はこの程度でとどめたいと思います。 ――
―――――――――――
加賀山之雄
54
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 次に、
環境衛生
、国土美化、
オリンピック
精神
の高揚普及等に関する件に入ります。 本件についての
出席者
は、
徳安
総理府総務長官
、五十嵐
厚生省環境衛生
局長
、鶴海
建設省都市局参
事官
、関
東京
都
オリンピック
準備
局長
、以上の
方々
に御出席をいただいております。 それでは、この問題につきましては、先日の
委員
会におきまして古屋総理府総務副長官から御
説明
を承っておるわけでございますが、きょうは長官がおいででございますから、何か御
説明
がございましたらば、まず御発言をお願いいたしたいと思います。
徳安實藏
55
○
説明員
(
徳安
實藏
君) ただいま
委員長
からのお申し出でございますが、先ほどから御質疑がありましたし、また川島大臣からのお話がありましたように、政府では非常な熱意をもって
努力
しているわけでございまするし、ただいま
議題
になっております問題等につきましても、川島大臣からすみやかに納得のいく案を作って出せということでありまして、ちょうど御旅行中にこうした問題も急いで各役所々々で案を作ってもらうことになっておるわけでございます。総理府といたしましては、各省にまたがっております
関係
から、その調整をやっておるわけでございますが、本日は各役所から全部
関係
の諸君が参っておりますから、どうぞ足りないところは-もちろん私が政府としての御質問にはお答えいたしますけれ
ども
、
内容
の数字的なことにつきましては、各省から参っておりますから、そちらのほうにぜひお聞き取りいただきまして、その上で私が補足して申し上げることがございますればお答えいたしたいと思います。
加賀山之雄
56
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 五十嵐
厚生省環境衛生
局長
、補足的な御
説明
がございますればお願いいたします。
五十嵐義明
57
○
説明員
(
五十嵐義明
君) 私
ども
の局で担当いたしておりますのは、上下水道、それから屎尿処理施設、ごみ処理施設でございます。上水道につきましては、本年の夏、
東京
都の渇水がございまして、これは従来にない記録的な降雨量の不足から、その原因で渇水というような
事態
になったわけでございますが、これらの
事情
に対処いたしまして、
オリンピック
のために、また市民の生活のために水を確保する必要があるという
観点
から、
東京
都水道対策連絡
会議
をもちまして、各省並びに
関係
の県の御
協力
を得まして、水の問題につきましては、来年三月までに金町の水道浄水施設の九万五千トンの設備の拡充、並びに、昭和三十九年の七月までに江戸川並びに中川から四十万トンの水を確保すると、こういう
措置
を講じまして、水につきましては
オリンピック
に支障のないような対策を講じた次第でございます。また屎尿処理、ごみ処理の問題につきましても、いろいろと立ちおくれがございまして、従来とも、この問題につきましては、昭和三十六年度を初年度といたします十カ年計画を立てまして、三十六年、三十七年と二カ年実施して参ったわけでございますが、
オリンピック
に対しまする問題はもちろんのこと、全国的にも屎尿処理問題が非常に立ちおくれておりますので、従来の十年計画を改めまして、緊急五カ年計画を立てまして、来年度におきましては、そのために下水道終末処理、屎尿浄化槽並びにごみ処理等の施設に対しまして、
オリンピック
分として総額約二十八億程度の国庫補助予算を要求いたしまして、この処理に支障のないようなふうに事務を進めておる次第でございます。
加賀山之雄
58
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 建設省の鶴海都市計画参
事官
、何か御
説明
ございますか。
鶴海良一郎
59
○
説明員
(
鶴海良一郎
君) 補足して御
説明
申し上げます。建設省といたしましては、
オリンピック
対策といたしまして下水道の整備の促進をはかっております。
オリンピック
までに
東京
都の環状六号線、これは国電の山手線のすぐ外を走っておる環状の道路でございますが、この環状六号線の内側、隅田川以西につきまして下水道の幹線を整備する、それから羽田空港より都心に至ります沿道区域の下水道の幹線を整備するということで進めて参っております。三十五年度から始めまして、総事業費百六十億円を予定いたしておりますが、三十七年度、今年度末には約百二十億円の仕事ができ上がる見込みでありまして、来年度四十億円の資金がありますれば、この計画は完了するというめどがついておるわけであります。
加賀山之雄
60
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 関
東京
都
オリンピック
準備
局長
さんのほうから何か御
説明
ございましたら。
関晴香
61
○
参考人
(関晴香君) 今本省のほうから、
東京
都に対しまするそれぞれの施策につきまして御
説明
がございましたが、
東京
都におきましては、まず大きな問題は、今のお話の下水道、水道、あるいは清掃事業の拡充、それから
環境衛生
の改善、都市公害対策、また屋外広告物の規制というような大きな問題が残っておるわけでございます。これにつきましては、何しろ産業の集中、文化の集中によりまして、
東京
都は非常に人口過多のために、公共施設が十分でない、そういう結果で今日のようなきたない
東京
というような現状でございます。幸い
オリンピック
が参りますので、ただいま申し上げましたような点につきまして、国の御
協力
を得ましてそれぞれ計画を立てております。しかしながら、それだけではほんとうに徹底しない。やはりこれは住民側の心がまえのほうにも大きな
関連
があるわけでございます。そういうきたなくする原因につきましてそれぞれ究明して、それの対策を講ずる必要があるということで、まず首都美化審議会というものが、この四月に知事の諮問機関として発足いたしたわけでございます。この諮問審議会におきまして、第一回の答申が八月の一日になされました。そこで、具体的にいろいろ、都民はどうすべきか、
東京
都はどうすべきか、あるいは、現在のところまず国に対しますところは第二段の答申に譲ってございますが、大きくは、やはり都市計画あるいは都市美観の
観点
上、やはり政府にお願いする部面が出て参ると思いますが、とりあえず手近なところからということで、問題を区切りまして答申が出て参っております。それにつきまして、あとで御参考までにその答申案をお目にかけたいと存じますが、これによって、すでに着手している、あるいは今後三十七年度の補正予算あるいは三十八年度の事業として、具体的に数字が固まりました際には、またはっきりした資料として差し上げたいと思いますが、何分まだ固まっていないものが多いようでございますので、一応その項目等につきまして御
披露
申し上げたいと思います。 やはり何と申しましても、公共生活において、わが国民が非常に後進国である、非常に公のものを大切にしないということがあるので、これは
一般
民間側にどうしても
要請
しなければならぬ問題でもございますが、やはりそれぞれの自覚に待たなきゃならぬ問題でございます。そこで、公徳心の高揚がまず第一に必要だということでございますが、これはやはり教育の徹底あるいは広報活動による、さらには、ひとつこの際に首都美化の
憲章
を作ったらどうかという
意見
も出しておりまして、その
内容
等につきまして、ただいま
検討
中でございます。やはりわれわれの住む
東京
をきれいにしようというような、盛り上がる運動としてのいわゆる資料が必要ではないかというような
意見
が出て参っております。 さらに、都側につきましては、それぞれ環境の浄化ということで、これは下水道のほうは先ほどお話も出ましたが、清掃事業につきましては、家庭のごみを、どういうふうに能率的に処理していこうかということで、機械化とか、あるいは定時収集とか、あるいは一定の容器による収集、あるいは河川に不法投棄しないというような問題、あるいはまあ業務上多量に出るものについては、またこれに適切な対策を講ずる必要があるというようなこと、あるいは終末処理施設の整備拡充がやはり必要だ、作業体制の確立もやはり都がやるべきだ、こういうこまかいことにつきましてそれぞれ答申が出て参っております。 その次に、やはり道路の清掃ということも大きな問題でございます。主要道路の清掃のため、現在ロード・スウィーパーが若干ございますが、この大
東京
につきましてはほんとうの一部でございます。やはりこういうものを使い、道路の清掃のためにも清掃パトロール制度を強化する必要がある。あるいはたんつぽやごみ置き等も、これは道路との
関連
でむずかしい面もございますが、再
検討
すべきものがあるどいうようなことあるいは公衆便所の管理またさらにこまかくは犬のふんの始末というようなことにつきましても、いろいろ答申が出て参っております。私
ども
そういう家庭のごみや、そういう公の場所あるいは公園など公衆の集合する場所につきましても、それぞれこまかい答申が出て参っております。 また、河川の清掃につきましては、このごみの処理だけでなしに、現在きたなくなっている川をどうしたならばきれいにし得るか。ことに隅田川がその当面の問題として取り上げられております。現在までの計画でございますと、
オリンピック
までにはなかなかきれいにする計画が立っておらなかったわけでございますが、この計画を今回練り直しまして、
オリンピック
までには少なくとも現在の隅田川を徹底的にきれいにする方策を講ずる必要があるということで、今その具体案を練っております。隅田川の汚染の原因は、工場排水のためが六〇%、家庭下水のためが四〇%というような結果が出ております。それにつきまして、工場排水をどういうふうに持ってくるか、専用の下水道を作るべきだというようなことで、従来四十二年度までの計画でございましたが、これを
オリンピック
までに間に合わせるということで、大体これは五十三億ほどを要しますが、四分の一は国庫補助をお願いしたいというようなことで、せっかく具体案を練っているわけでございます。河川といたしましては隅田川問題は大きい問題でございます。 その他、屋外広告物条例の改正をして、このきたない広告の追放をするというような手を打つということもやっておりますが、さらに、この審議会の答申を確実に実施していくことによって、
東京
をできるだけきれいにしていこうということでございます。この環境浄化につきましては、こういう公徳心の高揚等もございますが、そのほかに、またいわゆる町のショバ屋とか愚連隊などの取り締まりも、これも
一つ
の環境浄化になるわけでございます。これも先般
新聞
に出ましたように、都の条例として、これの取り締まりをやろうという案が、今できております。近いうちに都議会にかけまして、
決定
されると思いますが、そういうことによりまして、
オリンピック
を迎える
東京
都につきまして、各方面からの万全の対策を立てていきたいということで、今後、この審議会の答申を重視いたしまして、今後、二次、三次、出るものに沿いまして、
オリンピック
までに実施していきたいという態勢にございます。 はなはだ簡単でございますが、一応、現状を御
報告
申し上げます。
加賀山之雄
62
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ただいまの御
説明
に対して、御質疑はございませんか。
岡田宗司
63
○岡田
宗司
君 各省並びに
東京
都
関係
の御
説明
を聞いたのですけれ
ども
、これは全国的とは言わなくても、各県にまたがる問題もだいぶあろうと思います。たとえば、美化の問題も
一つ
ですけれ
ども
、鉄道沿線に広告が一ぱい出ておりますね。野立ち広告が最近では実に多いのですが、中には、ひっくり返ったものもあって、たいへん見苦しい。前々から、あれはやめろやめろと言っておるのですが、京都は、さすがにございません。ところが、お隣りの奈良へ来たらある。それから東海道線はどこへ行ってもある。あるいは
東京
から日光に行く間はたいへん多い。たいへん前から、やめろという
意見
が出ておるのですけれ
ども
、さっぱりやまらない。で、どうしても、
オリンピック
までには、ああいうものは取り払うべきだと思うのですけれ
ども
、それは各県個々の条例か何かができなければ守られないのでしょうけれ
ども
、一体そういうものを総理府のほうで、各県と何か話し合いをして、そういうふうに指導するおつもりはないのですか。
徳安實藏
64
○
説明員
(
徳安
實藏
君) お説のとおり、私のほうで指導いたしたいと考えておりますから、いずれ具体的なことは次の機会に御
説明
申し上げたいと思います。 それから、ただいま各省から御
説明
申し上げましたが、実はもっと早くこうした問題を取りまとめまして、御質問に応じ得るようにいたしたい考えでおりましたが、ちょうど
アジア大会
のほうが、少し問題が大きくなったものでありますから、そのほうに川島大臣も時間をとられまして、今御
報告
申し上げるようなものは、全部取りまとめましたけれ
ども
、まだ、御
報告
して、そして
関係
閣僚
懇談
会に提出するまでになっておりません。非常にこれは急いでおりますので、この
アジア大会
の問題が片づきましたら、すぐに
関係
閣僚
懇談
会を開きまして、各省がまとめましたものを基礎にいたしまして、具体的には、もう予算の折衝にだんだん入る時期でございますから、どの役所には幾ら、どの役所には幾らという、
オリンピック
関係
の予算も明らかにいたしまして、そうしてこの
委員
会の御質疑に応じ得るようにいたしたいと思います。そう長くかからぬと思います。政府のほうも、先ほど申し上げましたようにこの問題を非常に重要視しておりまして、早く早くという、総理初め
関係
の方からも御注意もございまして、取り急いでおりますから、そのために
オリンピック
の開催に支障を来たすようなことがあってはたいへんだという懸念を持つ一、おりますので、もうしばらくお待ちをいただきましたら、
委員
会での御質疑に十分お答えできるようになると思います。
岡田宗司
65
○岡田
宗司
君 急いでやられるということですから、ぜひ急いでやっていただきたいと思います。とにかく、もうだいぶおくれているようにも思いますので……。また、下水にいたしましても、あるいは水道にいたしましても、河川をきれいにする問題にいたしましても、特に道路にいたしましても、時間のかかる問題でありますから、よほど急いでやっていただかぬといかんと思います。それからまた、各省がばらばら、あるいは都と政府との
関係
がうまくいかないということになりますというと、これはあまり仕事は進みません。その調整は、やはりよほど強力に進めていただかなければならぬと思います。ぜひひとつやっていただきたいと思います。
東京
都にお伺いしたいのですが、どうも
東京
都のやる仕事というのは、ちぐはぐで、そうして何でものろのろしておりまして、私
ども
東京
都民としまして歯がゆくてしょうがない。一体、これはどこにその根本の原因があるのか。 それからもう
一つ
は、
東京
都が今お話になったようなことをやるにしても、それはなかなか指導とかあるいは道徳の高揚に待つというようなことじゃできない問題が多いと思うのです。たとえば道路のまん中に、夜、ダンプ・カーが泥だのごみだのを持ってきてほうり出していくような問題は、これはなかなか公徳心に待ったってだめなんですね。そういうような問題がほかにたくさんあるのですけれ
ども
、そういう問題についての取り締まりをもっと厳重にやるということについて、どうお考えになっているか、そこらをひとつお伺いしたいのですがね。
関晴香
66
○
参考人
(関晴香君) 先ほどちょっと触れましたように、非常にあき地等にそういうダンプ・カー等の問題な
ども
ございます。一応答申にもございましたが、やはり道路監視員の充実をはかって、これの取り締まりも徹底していくということで、増員計画も現在いたしております。なかなか広い
東京
でございますので、重点的にしか参らないと思いますが、お説のように、取り締まりがまず第一ということで、取り締まりのほうもそういう計画になっております。しばらく御注目願いたいと思います。
岡田宗司
67
○岡田
宗司
君 取り締まりをこれから充実していくというのですが、間に合いますかね。それから
東京
で、きたない広告なんかやめさすようにというのですが、これもやはり都条例かなんか作ってやるのか、それを早急に作る見込みが一体あるのですか。また、それができまして、それに基づいてびしびし取り締まりをやり、撤去すべきものは撤去さすだけの
東京
都としての熱意と力があるのですか。
関晴香
68
○
参考人
(関晴香君) 屋外広告物条例というものが現在もあるわけでございますが、現在ある条例すら完全に守られていないような状況も一部にあるわけでございます。しかしこの際、審議会を設けました
意味
にかんがみましても、どうしてもやはり徹底しなければいかぬということで、現在全面的に条例の改正を練っております。早急にこれもでき上がると思います。そういうことで、さらにまた今度はそのできます条例も、徹底的にやめさしていくという
方向
で今進んでおります。はなはだ申しわけございませんが、態勢だけは、どうしても審議会の答申に応ずる施策はぜひやるという心がまえで現在進行いたしておりますので、ひとつもう少しお待ち願いたいと思います。
鈴木強
69
○
鈴木
強君 厚生省にちょっと
一つ
、簡単ですけれ
ども
……。
東京
の水の確保について、たいへん苦労されているようです。もちろん飲料水のことですが、何かちょっと聞きますと――これは直接
オリンピック
と
関係
がない質問ですからどうかと思うのですけれ
ども
、この機会ですから、もしわかっておったら御
説明
願いたいと思うのです。将来の
東京
の人口に伴う飲料水の確保が問題になっているのですけれ
ども
、その中の一案として、富士川の水をポンプ・アップして、山梨県のあそこから
東京
都まで持ってくるというような構想があるやにちょっと聞いたんですけれ
ども
、まだおたくのほうではそういうことは御存じないですか。
五十嵐義明
70
○
説明員
(
五十嵐義明
君)
東京
都の水源を確保するという
意味
で、いろいろなことが考えられております。現実に、今成案として軌道に乗ろうとしておりますのは、利根川の水源を利用して百二十万トン確保したい。これは四十一年から四十三、四年にかけて、その水が確保できると思います。そのほか、ただいま御指摘のようなことが一応話題にのっている程度でございまして、詳細な計画については私
ども
承知
いたしておりません。
鈴木強
71
○
鈴木
強君
東京
都のほうの今の審議会の答申でございますかね、それは非常に参考になると思いますので、もしできましたら、われわれにもちょっといただきたいと思うのですが、部数ございますか。ありましたら後ほどでけっこうでありますから、いただきたいと思います。
加賀山之雄
72
○
委員長
(
加賀山
之雄君) ほかに御質疑のおありの方はございませんか。 私から一言
徳安
総務長官に伺います。この今のお話に出た公衆道徳とか
環境衛生
、それから国土美化というような問題は、何も
オリンピック
に
関係
したことじゃないと思うのです。これはなくてもやらなければならぬことだが、しかし物事にはきっかけが非常に有用なので、これは非常に悪い
言葉
になりますが、
オリンピック
がせっかくあるのだから
オリンピック
を目標にこれを極度に整備する必要がある。これは政府、
東京
都が中心になってやられる以外に手がないので、これは非常に今おやりになっているようだが、しかし
一般
のいわゆる
オリンピック
・スピリットの高揚あるいは
オリンピック
・ムードといいますか、これは今度の
アジア大会
がつまずいたようなことになったりして、これはちょっと一時的なようなことであってもけちがついたような感じで、ますますムードとかスピリットに至っては、
選手
養成の問題もありますが、何かこうつまずきが感ぜられる。そこで、総務長官がちょうど
組織委員会
に入っておられるし、何といっても
オリンピック
のほうは川島担当相が中心になっていかれるので、この
オリンピック
精神
の高揚ですね、それから
オリンピック
・ムードの高揚、こういうことについて政府はもう少しちょっと何か広報とかいろいろな手段を講じて国民の
協力
を高められる必要があると思うのですが、何かお考えございませんか。
徳安實藏
73
○
説明員
(
徳安
實藏
君) 国土の美化の問題につきましては、国会の
決議
等もございまして、来年度の予算と並行してただいま予算を折衝いたしております。これはひとり政府だけがやきもきいたしましてもうまく参りませんので、先ほど申し上げましたように、各府県を指導して一貫性のある運動を起こしたいという考えで予算を今折衝いたしております。ただ一部
団体
等で、あるいは富士山をきれいにするとか、あるいは野球場にごみを捨てないように、紙くずを捨てないようにしようとかいうような局部的な運動も、ちょいちょい各所
団体
でやっておるようでございますが、そういうことだけではとうていこの問題は解決いたしませんから、組織的にやりたいという考えで今予算折衝中でございます。私もこの
オリンピック
の
組織委員会
に入ったのではありますけれ
ども
、せんだって就任したばかりであり、辞令がつい数日前に入ったばかりで、まだ
組織委員会
から一ぺもお呼び出しがないわけです。したがって、教えられもし、勉強もいたしておりますが、川島担当大臣の片腕になって
組織委員会
で働くだけの機会がまだ得られておりませんので、これからせいぜい勉強いたしまして、お気持に沿うよう
努力
いたしたいと思います。
加賀山之雄
74
○
委員長
(
加賀山
之雄君) 別に御発言もないようでございますから、本件に、ついての質疑は、本日はこの程度にいたします。次回の
委員
会は
理事会
で協議の上、
決定
いたしましたら、さっそく御連絡申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四分散会