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1962-08-28 第41回国会 衆議院 本会議 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十七年八月二十八日(火曜日)
—————————————
昭和
三十七年八月二十八日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した
案件
日韓会談
に関する
緊急質問
(
河上丈太郎
君提 出) 国技の
総合会館建設
に関する
決議案
(
正力松太
郎君外四十一名
提出
)
郵政省設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提
出) 午後一時九分
開議
清瀬一郎
1
○
議長
(
清瀬一郎
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
日韓会談
に関する
緊急質問
(
河上丈太郎
君
提出
)
草野一郎平
2
○
草野一郎平
君
緊急質問許可
に関する
動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
河上丈太郎
君
提出
、
日韓会談
に関する
緊急質問
を許可されんことを望みます。
清瀬一郎
3
○
議長
(
清瀬一郎
君)
草野一郎平
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
清瀬一郎
4
○
議長
(
清瀬一郎
君) 御
異議
なしと認めます。
日韓会談
に関する
緊急質問
を許可いたします。
河上丈太郎
君。 〔
河上丈太郎
君
登壇
〕
河上丈太郎
5
○
河上丈太郎
君 私は、ここに
日本社会党
を代表いたしまして、
日韓会談
に関し、
政府
に対して重要なる諸点について若干の
質問
をいたしたいのであります。(
拍手
)
質問
の第一点は、
日韓会談
に対する
自民党政府
の
基本的態度
についてであります。 現在、
朝鮮
は三十八度線によって
南北
に分割されており、かつてはこの
南北
両
朝鮮
の間に
戦争
の砲火さえ交えられたのであります。これは、
米ソ
二大陣営の間の冷たい
戦争
の結果であり、
朝鮮民族
の
意思
から出たものではなかったことであります。従って、
朝鮮民族
としてはあくまで平和のうちに
統一
することが
南北
に共通した悲願であることは、多くの事実によって明らかにされておるのであります。(
拍手
)四十年にわたる
植民地統治
によって、
朝鮮民族
に多大の迷惑をかけた
日本
としては、この
統一
の悲願を尊重し、これが一日も早く実現することを願わざるを得ないのであります。(
拍手
)
統一
が困難であることは私ども百も
承知
しておりまするが、それだけになお、いざさかでも
統一
をじゃまするような
行動
を
日本
がとらないようにすることが、現在最も大切なことであると思うのであります。(
拍手
) それゆえにわが
社会党
は、
南北
両鮮に対しまして、
経済
、文化などの交流をするにとどめて、正式の
国交正常化
は、
統一政府
ができたあとにこれと行なうことを以前から主張しておったのであります。この
社会党
の主張が最も
現実
的なものであることは、これから私が述べるところによって明らかであろうと思います。 ところが、
自民党政府
がやっておられることを見ますると、ちょうどこれと正
反対
の
方向
に向かって進んでいるとしか見えないのであります。四年前、当時の
日韓会談
の
日本政府
の
代表者
であった
沢田廉
三君が、三十八度線を
鴨緑江
の外に押し返さねば祖先に対し申しわけない、と公言いたしましたが、この言葉ほど、
日韓会談
の真のねらいをあけすけに告白したものはないと言っても過言ではないと思うのであります。(
拍手
)現在、
韓国
と
日本
とは
アメリカ
と、
北朝鮮
はソ連、
中国
とそれぞれ
軍事同盟
を結んでおり、従って、この
軍事同盟
の網の目の中で、三十八度線を
鴨緑江
に押し返すようなことをすれば、それはほんとうに
日本自身
の破滅を招くことは火を見るよりも明らかでございます。(
拍手
)このような危険な内容を持つ
日韓会談
に対して、
社会党
が一貫して
反対
を表明し、その
即時打ち切り
を
要求
していることは当然であると思うのであります。(
拍手
)
自民党政府
は、
日韓会談
を正当化するために、
韓国政府
が
唯一
の
合法政府
であると強弁し続け、
クーデター
後成立した
軍事独裁政権
をも、そのいうところの
自由陣営
の一員に数えて、これを
援助
する
態度
を明らかにしておるのであります。しかしながら、
自民党政府
がその主張の根拠とする一九四九年の
国連決議
を見ても、
韓国
が全
朝鮮
を支配する権限を持つ
唯一
の
政府
などとはどこにも書いてないのであります。(
拍手
)ましていわんや、
クーデター
で成立した
軍事独裁政権
は、この
決議
にいう、
選挙民
の
自由意思
の有効な表現である
政府
という規定を根底からくつがえしたものといわざるを得ないのであります。また、さきの
国連総会
においても、
朝鮮問題討議
のために
北朝鮮政府
を招く
決議
が成立しており、
朝鮮
問題を論ずる場合に
北鮮
の
存在
を無視することができないことは、すでに
世界
の常識となっておるのであります。(
拍手
)このような情勢にもかかわらず、
韓国政府
のみを
唯一
の
合法政府
と認め、好んで火中のクリを拾うという冒険をあえてする理由は、一体どこにあるのでありましょうか。 そこで、私は
総理
に次のことをお尋ねしたい。
日韓会談
を直ちに打ち切り、同時に
南北
両
朝鮮
それぞれの
政府
に対して、
日本
は
朝鮮統一
が完成するまでは両国のうちいずれとも正式の
国交
を持たず、しかし
経済
、文化などの面においての交流を進めることを通告する
意思
があるかどうかということであります。(
拍手
) 第二の
質問
は、
請求権
についてであります。
日韓会談
の
最大
の
問題点
は、
請求権
であるとよくいわれておりまするが、この問題において
日韓会談
の
非合理性
が最もよく現われておるのであります。
日韓会談
の当面の
相手
である
韓国
の
政権
は、
日本政府
みずからも認めておるように、三十八度
線以北
にはその
統治権
が及んでおりません。しかも、
北鮮政府
は
日韓会談
に
反対
し、その一切の取りきめを承認しないという
態度
を明らかにしておるのであります。すると、われわれが
韓国
に対して支払う金は、将来
朝鮮
に
統一政府
が成立した場合には、全く意味がなくなってしまうのではないかと思うのであります。
わが国
はこの点について、白紙から再びやり直さなければならないわけであります。 分割されている国の一方の
政府
に金を支払うことがどんなに無意味なものであるかについては、われわれは、すでに
南ベトナム
に対する
賠償
の
支払い
において、いやというほど痛感しておるのであります。(
拍手
)御
承知
の
通り
、
南ベトナム
に対して二百億円の
賠償
を支払うことについては、初め
日本政府
の部内においてさえ
反対
の声があったのですが、それにもかかわらず、当時の
岸内閣
は、
社会党
の鋭い
反対
を押し切って、無理やりに
賠償協定
を成立せしめたのであります。ところが、それから三年を経た今日、どうなったかといえば、
南ベトナム
における反
政府軍
の勢力はますます強くなり、
南ベトナム政府
は、
アメリカ軍
の
援助
のもとに、サイゴン市においてのみ辛うじてその支配を続けておるというありさまであります。おまけに
北ベトナム政府
は、この
賠償
の
支払い
は、
北ベトナム
に対する非
友好的行為
であり、断じて認めることができないと
宣言
しておるのであります。(
拍手
)
国民
の血税の中から一方の
政府
に金を
支払い
ながら、他方の
政府
から非友好的と非難され、しかも、支払った
相手
の
政府
が
国民
からほとんど
支持
されていない腐敗した
独裁政権
で、つぎ込んだ金は成果を上げないというのでは、一体何のためにその国に対してわれわれの
税金
を支払わなければならぬかという疑問の起こるのは当然ではないかと思うのであります。(
拍手
)ところが、このような
現実
に直面しながら
自民党政府
は、性こりもせず、
韓国
に対しまた同じことをやって
国民
の
税金
をむだ使いし、取引に加わる一部の大
資本家
だけが甘い汁を吸うというような結果に終わろうとしておるのであります。(
拍手
)
韓国
の
経済情勢
が著しく悪く、民衆の
生活水準
が低いことは、現在の
軍事独裁政権
さえ認めざるを得ない事実であります。しかも、このような状態に対する不満から、
南北統一
への欲求が高まることをおそれて、
独裁政権
は
南北統一
を唱えた
新聞社
の幹部を死刑にし、また、一切の政党や
学生運動組織
を解散し、その幹部を獄に投じ、
独裁政権
を
支持
する
御用世論
しか許さないありさまであります。このような言論の自由の圧迫は、逆にその
政権
の
不安定性
を示すものであります。(
拍手
)このような不安定な
政権
を
相手
に
交渉
の
妥結
を急ぎ、しかも、
妥結
した結果は
国民
の
税金
を浪費するに終わるというのでは、何のための
日韓交渉
かといわざるを得ないのであります。(
拍手
) 昨年の一月三十一日、
参議院
の本
会議
におきまして、わが党の
江田書記長
が
総理
に対して行なわれた
代表質問
の中で、
韓国
の
政権
に対し長期の
借款
を与えるかどうかと聞いておるのであります。これに対し
総理
は、
韓国
への
借款
は
考え
ていないと答えております。ところが、最近の
新聞報道
によれば、
自民党政府
は、
韓国側
に対し三億ドル、円に直せば一千八十億円の案を示し、その中で
借款
はもちろん、一部
無償供与
まで含めているとのことであります。もしこれが事実とするならば、これほど
総理
の
国会
における発言と違っておることはないのであって、
国会
を軽視する
行動
ではないかと私は心配をするのであります。(
拍手
) 少し私事にわたりまするけれども、本年の五月
通常国会
の
外務委員会
におきまして、私が
非核武装宣言
を行なう決意があるかと
総理
にお尋ねしたのに対し、
総理
は、
非核武装宣言
を行なうにやぶさかでないと私に答えたのであります。ところが、そのあと
参議院選挙
において
社会党
が
非核武装宣言
を自民、社会両党の共同の
選挙公約
にしようと提案したのに対し、これを拒否し、今回の
国会
においてもまたこれを拒否しておられるのであります。一国の
総理
が
国会
において発言したことが、その後の
政府
の
行動
によって否定されるというのでは、一体
国会
の権威、
政府
の威信はどこにあるのでありましょうか。(
拍手
)私は、
池田総理
みずからが、その
行動
によって、
議会政治
に対する
国民
の不信の念を助長するような傾向を示すことを遺憾に思うものであります。 四十年にわたる
植民地統治
に責任のある
日本
として、何らかの
援助
を行なうことに対しては、
社会党
も
反対
するものではございません。しかし、それは
朝鮮統一
後の
政府
に対して行なうべきものであります。 そこで、私は
総理
にお尋ねいたしたい。 第一は、
南北
両
鮮政府
に対し、
朝鮮民族
が
統一
された後に
日本
はその
政府
に対し何らかの
援助
を行なう用意があることを通告する
意思
があるであろうかどうかということであります。第二には、同時に
韓国政府
に対して、
請求権
に対する
支払い
はこれを行なわないことを通告する
意思
があるかどうかということであります。第三には、現在行なわれておる
請求権
に関する
交渉
において、
日本政府
の提案のうちには
借款
及び
無償供与
が含まれているかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。 第三の問題は、
李ライン
及び
竹島
についてのことであります。
李ライン
は、御
承知
の
通り
、対
日平和条約発効
の直前、一九五二年の一月十八日、当時の
韓国大統領
が一方的な
宣言
によって、いわゆるマッカーサー・
ライン
を引き継ぎ、これを
韓国
の主権の及ぶ海域と規定した結果生まれたものであります。以来十余年を経た今日、
韓国
においては、なおもこの
李ライン
を越えて出漁する
日本漁船
を拿捕し、その
乗組員
を裁判にかけることをやめていないのであります。およそ、公海の上に自分で勝手に線を引き、その線以内を領海と称して、その中に入る
漁船
を拿捕する、また、その線のうちにたまたま
存在
する島をこれまた占領するというようなことが許されるとするならば、もはや
国際法
や
条約
の
存在
の理由はないのであります。(
拍手
)特にわれわれが遺憾とすることは、との罪なき
抑留漁夫
をあたかも人質のごとくに取り扱い、これを
日韓会談
に圧力をかける
一つ
の材料として利用するような
韓国政府
の
態度
であります。ところが、
自民党政府
の
態度
は、この
韓国政府
の
不法行為
を
国連
その他全
世界
の
世論
に強く訴え、これを中止せし
むるというふうな方針
をとらず、むしろこれを逆用して、
日韓会談
がまとまれば
李ライン
問題が
解決
され、
漁船
の拿捕がなくなり、
抑留漁夫
が返されるがごとき幻想をばらまいておるのであります。(
拍手
)しかし、これは全く事実に反することであって、
昭和
三十三年、三十五年の二回にわたり多数の
抑留漁夫
が返されましたけれども、この二回ともその当時
日韓会談
はまとまったわけではありません。むしろ
抑留漁夫
の
留守家族
が
かんにん袋
の緒を切り、
会談
の決裂を賭して東京の
韓国代表部
に対しデモを行ない、
政府
の力をかりずに自主的に強硬な
要求
を行なった結果として
抑留漁夫
が返されたのであります。(
拍手
)この事実は、
国民
の憤激の波が高まり、
日韓会談
の決裂を賭しても
わが国
の正当な
要求
を堂堂と主張すれば、
相手
もまた全
世界
の
世論
の前にその不当、不法のふるまいを続けることができないことを示したものであります。 最近の
新聞報道
によれば、
自民党政府
は、
懸案解決
をたな上げにして、
共同宣言
という方式によってひとまず
日韓
の
国交
を
正常化
するということを
考え
ていられるようであります。もしこれが事実とするならば、これほど道理にはずれた方式はなく、
日韓会談
によって
李ライン
、
竹島
問題は
解決
するという宣伝がでたらめであることをみずから告白するものといわなければならないのであります。(
拍手
)
李ライン
、
竹島
問題は、
韓国側
の不法不当の行為によって引き起こされたものである。従って、これは
韓国
がみずから
李ライン
の
廃止
を
宣言
し、
日本漁船
の拿捕を中止し、
竹島
から撤退することによって
解決
する問題である。
日韓両国
の
外交
上の取引によって
解決
するという性質のものではありません。ところが、この問題の
解決
をもたな上げにして、しかも、
請求権
の名において筋の通らない金を
国民
の
税金
から支払うというのでは、
一体自民党政府
は、
日本国民
の利益を守るためには、はたして真剣なのかを疑わざるを得ないのであります。(
拍手
)さすがに
自民党政府
も最近はいささか気がさしたのか、
竹島
問題で
韓国政府
が国際司法裁判所に
日本
が提訴したのに応じ、同裁判所に応訴するのが
会談妥結
の条件となるようなことをも言っております。しかし、こんなことは、国家間の紛争を処理する上では当然過ぎるほど当然のことで、今さら
政府
が口にすることさえおかしな話でございます。もともと
竹島
問題は
李ライン
の
存在
にその根源があります。従って、
李ライン
の
廃止
を
韓国側
が
宣言
しないことには決して根本的な
解決
に到達することはないのでございます。 そこで、私は
総理
に次のことをお尋ねしたい。 第一に、
自民党政府
は、
李ライン
の
廃止
、
竹島
からの撤退が実現しなければ、
日韓会談
を
妥結
させないと主張するのかどうか。第二に、
李ライン
の
廃止
、
竹島
からの撤退を実現するために、
政府
は今後どういう処置をとろうとしておるのか。次に、私は
池田内閣
の
外交
の
基本方針
についてお尋ねいたしたいのであります。
南ベトナム賠償
、新
安保条約
、
タイ特別円
、ガリオア・エロアと、ここ数年来の
自民党政府
の
外交
のあとを振り返ってみますると、そこに一貫して流れているものは、冷たい
戦争
を一歩一歩推し進めて、
アジア
における
反共軍事体制
の強化という
アメリカ
の方針に密接に協力しようとする
政策
であるのであります。(
拍手
)
アジア
における
緊張緩和
と
日本
の平和と安全を願う
国民
が、これら一連の
外交施策
に対して強い
反対
を表明し、特に
安保条約
に対して、
わが国未曾有
の大規模の
大衆運動
が盛り上がったことは御
承知
の
通り
であります。ところが、
池田内閣
は、
安保闘争
で倒れた
岸内閣
の末路をとの目で見ながら、その行なうところは、
岸内閣
の
外交路線
をそのまま引き継ぎ、その
路線
の上に、さらに
わが国
の
外交
を推し進めようとしているのであります。
日韓会談
は、その一貫した
政策
の中で、現在最重大な意義を持つ
案件
であると私は思うのであります。(
拍手
)しかしながら、
自民党政府
のこのような
外交路線
に対し、
国民
の間の批判は一段と高まり、これに反し、
わが国
の
外交
を
自主中立
の
方向
に転換せしめようとする動きは、ますます大きくなっておるのであります。 最近、この
二つ
の
路線
の間での戦いを示す象徴的な事件が
二つ
起こっておる。その
一つ
は、ソ連を訪問した
経済使節団
が、
造船契約
を初めとし、大きな成果を上げ、今後の日
ソ貿易
の
拡大
、
シベリア開発
への参加に大きな突破口を切り開いたことである。もう
一つ
は、
韓国
を訪問する
経済使節団
が近く出発しようとしていることでございます。この
二つ
の
経済使節団
は、
平和共存
か冷たい
戦争
かの
二つ
の
外交路線
の戦いが、
自民党
の
最大
の
支持者
である財界においても
存在
することを雄弁に物語っているのであります。前者の立場に立つならば、当然、中ソとの
貿易拡大
から、進んで
日ソ平和条約
の締結、
日中国交回復
に向かわなければなりません。後者に立てば、
日韓会談
の
妥結
、
韓国
、台湾、フィリピンなどとの提携の強化に向かわなければなりません。
池田内閣
の
外交
を見ておりますと、口先だけでは
日中関係
には前向きの姿勢をとるなどと称しながら、
政府間貿易協定
さえ締結しようとはせず、実際の
行動
では、冷たい
戦争
の
方向
に進んでいる。
日韓会談
は、その
最大
の象徴であるのであります。(
拍手
) そこで、私は、
総理
に次のことをお尋ねしたい。
日韓会談
を中止し、
わが国
の
外交路線
を、中
ソ貿易
の
拡大
、
日ソ平和条約
の締結、
日中国交正常化
の
方向
に切りかえる
意思
があるかどうかということでございます。 最後に、私は、
総理
にお尋ねしたいことがあるのであります。 過般の
参議院選挙
において、
自民党
は、
日韓会談
を積極的に進めようとする
政策
を立てました。
社会党
は、
即時打ち切り
の
政策
を立てました。そして
参議院選挙
に鋭く対決いたしたのでございます。 ところが、
池田
君は、この間の本
会議
におきます
所信発表
の中において、次なることを申しておるのでございます。「今回の
選挙
において、非常に良好な
投票率
を見ましたが、
国民諸君
が、このように
政治
に対する積極的な関心を示されたことは、
議会政治
の将来のために、まことに意義深いことと存じます。また、この
選挙
において
国民
の大多数がわが党とわが
内閣
に圧倒的な
支持
を与えられたことは、
国民
が、
現実
に即した適正な諸
政策
に共鳴し、自由と進歩を目ざす着実な
政治
に信頼されたことを示す」こう言っておるのであります。しかしながら、はたして多数の
国民
が
自民党
の
政策
を
支持
したのでありましょうか。この間の
参議院選挙
において
池田
君が多数の
支持
を得たというのは、
参議院
において議席の数が前回よりも数名多かったという事実、それ以外に何もないのです。
選挙
の結果をごらんなさい。全国区における
選挙
においては、
自民党
は四割六分四であります。地方区においては四割七分一でございます。いわゆる
選挙
を通じて
自民党
は
過半数
に達しない
支持
を持っておるのであります。(
拍手
)これをもって
政府
の
政策
が
支持
されたとは、どこから言えるのでありましょうか。(
拍手
)
池田
君は
数字
をもって
経済
、
政治
の
基礎観念
とされておる。私のように
数字
に暗い者にとっては驚くべき力であります。しかしながら、との
参議院選挙
において
自民党
は五〇%に達しない、
過半数
以下であります。これは何を意味するのでありましょうか。いわゆる
自民党
の
政策
に対し、
過半数
は
反対
だということが、明らかな事実ではないかと思うのであります。(
拍手
)あの
参議院選挙
において数名の増員があったかも知らないけれども、
国民
の多数は現
内閣
に対し不信任の
投票
をしていると私は思うのであります。(
拍手
)そういう意味において、この
参議院選挙
において鋭く対決した
日韓
問題に対し、
国民
は
社会党
の
即時中止
に賛成をしたものと私は判断するのであります。(
拍手
)これを
数字
が明らかに示しておるのであります。もしも、これが衆議院の
選挙
に現われたとするならば、
池田内閣
は退陣する必要がある。幸いなことに
参議院議員
の
選挙
であり、しかも半数の改選であるがゆえに、私は、あえて
池田内閣退陣
の
要求
はしないけれども、いわゆる
参議院選挙
に現われたる
最大
の
外交
問題であるこの
日韓会談
に対して、現
内閣
の
政策
を否定する
投票
が
過半数
あるという事実を、何と
総理
はごらん下さるかということであるのであります。(
拍手
) 私は、この点に対する
政府
の所見をお尋ねいたしまして、私の
質問
を終わる次第であります。(
拍手
) 〔
国務大臣池田勇人
君登壇〕
池田勇人
6
○
国務大臣
(
池田勇人
君)
河上
さんの御
質問
に対しましてお答え申し
上げ
ます。 だいぶ多岐にわたっておりますので、もし
答弁漏れ
がございましたならば、再度の御
質問
をお願いいたしたいと思います。 さて、
日韓会談
につきましての第一の問題は、
南北朝鮮
が
統一
ができない前に
日韓会談
をやることはよくない、これをやめろという
お話
でございます。私はこうお答え申し
上げ
ます。
日韓会談
の問題は、
わが国
と
韓国
との不自然な、不安定な
状態
を直そうとする
考え方
であります。
皆さん
、ちょうどたとえていえば、一衣帯水の
日韓
の間のこわれている橋をもとのようにつけよう、
正常化
していこうということが
考え
の根本であります。(
拍手
)しからば、
南北朝鮮
が
統一
できるまではやめろということは、ちょうど十年前にわれわれが
全面講和
を待たずに、多数国との
講和
をやって、今日の
日本
を築いたと同様、
現実
の事態に即してやらなければいけない。(
拍手
)まだ今急にできない
全面講和
にのみかじりついて、独立のことを将来に延ばそうとした
考え方
が、十年後の今日もなお
社会党
に残っておるということは、まことに遺憾なことだと思います。(
拍手
) 大体
南北
の
統一
ができないという
原因
はどこにありましょう。今の
韓国
は
国連
の
決議
に基づきまして、
国連監視下
におきまして自由な
選挙
によって成立した、
国連
の認めておる国であるのであります。しかも、
お話
のごとく
北朝鮮
につきましては、
国連
からオブザーバーとして招待をいたしましたが、遺憾ながら
北鮮
は
国連
の
権威
を承認していないじゃありませんか。従いまして、
国連
へ参加できないということは御
承知
の
通り
でございます。どこに
原因
があるか。
国連監視下
において
統一
した
政権
を樹立しようということは、
国連
のみんなの
考え
であるのであります。これに
反対
しているのは
北朝鮮
ではございませんか。
皆さん
、こういう
現実
の事実を無視して、今われわれがいかに願っても早急にできない
統一
であるならば、
現実
に即して、
文化
的に、地理的に、あらゆる
関係
で非常に密接な
韓国
と仲よくしていこうということは当然じゃございませんか。(
拍手
)われわれは昔から近い国とまず仲よくして、だんだん遠い国と仲よくするというのが、われわれ
民族
の根本的な
考え
であるということを御了承願いたいと思います。(
拍手
)もちろん、三十八度
線以北
に
韓国政府
の
支配力
が及んでいないということはわれわれも
考え
ておりまするから、そういう考慮のもとに、今
韓国
との
正常化
をしておるのであります。三十八度
線以北
の問題は、われわれ十分頭に入れております。 なお、この機会に申し
上げ
ておきまするが、今の
革命政権
が三十八度線を越えて
鴨緑江
に持っていく、いわゆる武力によって
朝鮮
を
統一
しようという
考え方
はないということを、
李承晩
のときとは違ってはっきり言っております。(「それがわかるものか」と呼ぶ者あり)それがわかるものかということは、
国連
において、そのことは
韓国
の
外務長官
がはっきり
世界
に表明しておることであります。私と
朴議長
との
会談
にもありますし、
ケネディ大統領
と
朴議長
との
共同声明
にもはっきりあるではございませんか。(
拍手
)私は、今の
革命政権
が
李承晩政権
のときとは違って、はっきりと
軍事——軍
をもって
統一
しようという
考え
はなく、
国連
の
決議
に沿って
統一
をはかろうと、非常に国際的に納得のいく方法で
考え
ておることを申し
上げ
ておきます。(
拍手
) なお、今の
韓国政府
は非常に不安定だ、こう言っておられまするが、さあ
皆さん
どうでしょう。ほかの低
開発国
と比べてどうでございましょう。
国民生活
は
韓国
のみが非常に悪いというわけのものでもございません。また、
韓国
に対しましての
世界各国
の認識はいかがでございましょうか。
革命政権
ができる前、すなわち一九六〇年五月までに三十五カ国がこれを承認しておりました。しこうして、その後二年間で十六カ国が新たに承認して、
日本
を除いて五十一カ国になっておるのであります。しかも、新たに承認した国は、最近の
国連
へ加盟したよりも昔からあったポルトガルとか、スペインとか、あるいは中南米の国々であるのであります。これをもって
韓国
が不安定だということは、国際的に私は通らない議論だと
考え
ております。(
拍手
)また、
韓国
との
経済
協力につきましても、西独、フランス、イタリアは、盛んに熱意を示しておるではございませんか。こういう事実は、一がいに、今の
韓国
が不安定だといって見もしないような格好は、私は、あまりに
現実
の姿に遠い
考え方
だと
考え
ておるのであります。(
拍手
) 次に、
請求権
に対する問題でございまするが、これは、今
国会
において私が両院において答えた
通り
でございます。
韓国
との
請求権
につきましては、法律的根拠のあるものにつきまして、われわれは支払うことを
朴議長
とも話しておるのであります。しかし、法律的根拠ということにつきましては、
両国
の法律解釈に相当の開きがございます。また、法律解釈が一致いたしましても、
朝鮮
動乱の
関係
、また戦後長い間経過した等々によりまして、なかなか事実
関係
の確認がむずかしいのであります。従いまして、それなら延ばしていつまでもそれを待とうといったって、時間がたてばたつほどこの
解決
はむずかしくなるのであります。そこで、われわれは、あくまで法律的根拠のあるものを選びまするが、いつまでも平行線でおるというわけには参りませんので、その間を調整し、誠意をもって
請求権
の合意に至るよう、今努力をいたしておるのであります。その内容につきまして、無償
援助
とか長期
借款
という内容につきましては、まだはっきりここで申し
上げ
る段階に至っておりません。 次に、
李ライン
問題、
竹島
問題について申し
上げ
まするが、
李ライン
の問題は、
お話
の
通り
に、
国際法
上
不法
、不当でございます。また
竹島
問題につきましても、領土に関する法律上の問題でございます。従って、こういう重要
案件
につきましては、この機会に、いわゆる
日韓
の
正常化
の機会に全部を
解決
する
考え
で進んでおるのであります。(
拍手
) 次に、私の言動に対して、
非核武装宣言
について食言したようにおっしゃいましたが、これは
参議院
か本院かで申し
上げ
ておりますように、答え全部をお読み下さればおわかりになります。私は、
非核武装宣言
についてやぶさかではないけれども、今の場合はこういたしますと
非核武装宣言
に
反対
のようなことを申し述べていることをお読み下されば、それがお答えになると思います。 次に、
外交
の
基本方針
についての御
質問
でございますが、私の
外交
は、
わが国
の安全と
世界
の平和を念願としておるのであります。しこうして、われわれの
考え方
に沿わないいろんな障害がございます。その障害につきまして、どこからこの障害がきているかを究明いたしまして、それを除去するように努めておるのであります。いたずらにイデオロギーその他体面にこだわることなく、ほんとうにわれわれとともにこの
世界
の平和の害になるものを着々と除いていくよう御協力を願いたいと思います。(
拍手
) 従いまして、日ソ
関係
につきましても、貿易の
拡大
をはかりまするが、日ソの平和
条約
ができないのは何か、これは領土問題でございます。領土問題につきまして、早く
解決
するよう努力いたしておることは御
承知
の
通り
でございます。
皆さん
、また日中貿易につきましても、
拡大
の
方向
に努力をいたしておるのであります。すなわち一々平和
外交
に害になるものを除くよう努力を今後も続けていきたいと
考え
ております。 また、
日韓
問題につきましては、先ほど申し
上げ
た
通り
、いわゆる
日韓
の
正常化
を阻害するものをお互いに誠意をもって除いていこうというのが
外交
の
基本方針
でございます。 最後に、
参議院
の
選挙
につきまして、いろいろ結果についての御判断は承りましたが、私は、あなたのこの
選挙
の結果に対する
政治
的判断に賛成するわけにはいきません。(
拍手
)
清瀬一郎
7
○
議長
(
清瀬一郎
君) 再
質問
はありませんか。——
緊急質問
並びにこれに対する答弁は終わりました。 ————◇————— 国技の
総合会館建設
に関する
決議案
(
正力松太
郎君外四十一名
提出
) (委員会審査省略
要求
案件
)
草野一郎平
8
○
草野一郎平
君 議案上程に関する緊急
動議
を
提出
いたします。すなわち、
正力松太
郎君外四十一名
提出
、国技の
総合会館建設
に関する
決議案
は、
提出
者の
要求
の
通り
委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
清瀬一郎
9
○
議長
(
清瀬一郎
君)
草野一郎平
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
清瀬一郎
10
○
議長
(
清瀬一郎
君) 御
異議
なしと認めます。 国技の
総合会館建設
に関する
決議案
を議題といたします。
—————————————
清瀬一郎
11
○
議長
(
清瀬一郎
君)
提出
者の趣旨弁明を求めます。
正力松太
郎君。 〔
正力松太
郎君
登壇
〕
正力松太郎
12
○
正力松太
郎君 ただいま議題となりました自由民主党、
日本社会党
及び民主
社会党
、三派の
共同
提案の国技の
総合会館建設
に関する
決議案
について、三党を代表してその趣旨を御説明申し
上げ
ます。 まず、案文を朗読いたします。 第十八回オリンピック東京大会が開催せられるに当たり、
わが国
の特技である柔道は初めて大会の競技種目に採択せられた。また、オリンピック憲章により、剣道、弓道、相撲など
日本
古来の各種競技も大会のデモンストレーションに加えられ、
世界各国
人の前に披露されることになり、大会の
成果
をあげるため少なからざる期待を寄せられている。 この時に当たり、各国の期待にこたえ、民主国家にふさわしいスポーッとしての国技を確立する必要がある。 よって
政府
は、その保存、継承、振興のため、すみやかに国技の
総合会館建設
について、積極的に措置を講ずべきである。 右
決議
する。 〔
拍手
〕 続いて提案の趣旨を申し述べます。 われわれ柔道、剣道、弓道等の国技を愛好する同志議員は、正しい
日本
国技の精神である平和の大理想を、
国民
特に青少年の間に普及奨励するとともに、オリンピック東京大会を機会に、民主国家にふさわしい国技を確立する必要を痛感するものであります。 由来、国技の保存、伝承、振興に関しては、各国もきわめて熱心であり、自由主義国家群においては、スポーツの基幹を国技に置き、国技尊重は、その国、
民族
発展の礎石とさえ
考え
られております。同時に、社会主義諸国の国技教育は、広く
国民
の間に義務づけられて、その奨励には徹底したものがあります。 ただいま上程いたしました国技の
総合会館建設
促進に関する
決議
の
案件
は、ときあたかも第十八回オリンピック東京大会の開催にあたり、この
国民
的大事業の基本となるものでありますから、
政府
のこれに対する強力な措置が講ぜられますよう、ここに要請する次第であります。 以上の趣旨でございますので、本
決議案
に満場一致御賛同を賜わりますようお願いいたします。(
拍手
)
—————————————
清瀬一郎
13
○
議長
(
清瀬一郎
君) 討論の通告がありますから、これを許します。松前重義君。 〔松前重義君
登壇
〕
松前重義
14
○松前重義君 私は、自由民主党、
日本社会党
、民主
社会党
を代表いたしまして、ただいま提案されました国技の
総合会館建設
に関する
決議案
に賛成の討論をいたさんとするものであります。(
拍手
) 来たる一九六四年、東京におきまして開催されまする
世界
オリンピック大会に、
わが国
の国技でありまする柔道がその競技種目に加えられたのであります。これは、今日までのオリンピック競技のすべての種目が西洋にその源を発しているその中に、初めてここに
アジア
の、しかも、
日本
に源を発する柔道が採択されたという記念すべき事実であります。このようにいたしまして、柔道は今や国際的なスポーツとなり、
わが国
武道の
一つ
である柔道が、時代の進歩とともにその姿を新たにし、平和な国際性を持つ体育として
世界各国
に受け入れられたからであります。
わが国
古来の国技の中には、柔道のほかに剣道、弓道等があります。いずれも
わが国
固有のものとして今日まで継承されたのであります。われわれは、これらの剣道、弓道等の国技もまた、時代の進歩とともに国際的に進出せしめ、進んで
世界
オリンピックの競技種目に採択せしめなければなりません。 現在、オリンピックの呼びものでありまするマラソン競走は、紀元前四百九十年、ペルシャとギリシャの
戦争
におけるマラソンの大会戦にギリシャが大勝利をおさめたとき、その戦勝の知らせを選士に託してマラソンよりアテネまで走らせ、この選士は使命を果たして倒れ、そのまま息を引き取った事実より、マラソン競走なる種目が起こったのであります。マラソンなるものは、初めは戦場から生まれたものでありまするが、今ではスポーツとして、国際親善の平和の競技として人類に親しまれるに至ったのであります。このようにして、
わが国
の武道たる柔道、剣道、弓道も、
世界
のスポーツとして国際間の友好促進のために、来たるオリンピック東京大会を契機として、新しい歴史の軌道に乗せて前進せしめなければなりません。(
拍手
)
世界
オリンピック大会が
日本
において行なわれるを機といたしまして、国技の総合会館を建設ぜんとするものは、
一つ
には、柔道の競技場として、
二つ
には、剣道及び弓道などの実態が、正義と平和を大理想としていることを
世界
の人々に対して理解せしめるデモンストレーションの場として、ややもすれば
日本
武道が軍国主義に通ずるがごとき
世界
の一部の誤解を一掃せんとするものであります。(
拍手
)会館建設のさらに重要な目的として、この会館建設を期して、
国民
の体育向上とスポーツ精神の高揚に資せんとすることは言うまでもありません。 われわれ三党は、
政府
が以上の趣旨を理解し、すみやかに国技の
総合会館建設
に対して具体的にその実現に必要な措置をとり、これが目的達成を促進されんことを切望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(
拍手
)
清瀬一郎
15
○
議長
(
清瀬一郎
君) これにて討論は終局いたしました。 採決いたします。 本案を可決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
清瀬一郎
16
○
議長
(
清瀬一郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は全会一致可決いたしました。(
拍手
) この際、文部大臣より発言を求められております。これを許します。文部大臣荒木萬壽夫君。 〔
国務大臣
荒木萬壽夫君
登壇
〕
荒木萬壽夫
17
○
国務大臣
(荒木萬壽夫君) ただいま
決議
されました国技の総合会館の建設は、
わが国
の伝統ある国技の振興のため、まことに
意義
のあることと思います。
政府
といたしましても、
決議
の趣旨を尊重して、十分に検討さしていただきたいと思います。(
拍手
) ————◇—————
郵政省設置法
の一部を改正する法律 案(
内閣提
出)
草野一郎平
18
○
草野一郎平
君 議案上程に関する緊急
動議
を
提出
いたします。 すなわち、この際、
内閣提
出、
郵政省設置法
の一部を改正する
法律案
を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
清瀬一郎
19
○
議長
(
清瀬一郎
君)
草野一郎平
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
清瀬一郎
20
○
議長
(
清瀬一郎
君) 御
異議
なしと認めます。
郵政省設置法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。
—————————————
清瀬一郎
21
○
議長
(
清瀬一郎
君) 委員長の報告を求めます。
内閣
委員会理事岡崎英城君。
—————————————
〔報告書は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔岡崎英城君
登壇
〕
岡崎英城
22
○岡崎英城君 ただいま議題となりました
郵政省設置法
の一部を改正する
法律案
につきまして、
内閣
委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し
上げ
ます。 本案の要旨は、第一に、大臣官房人事部を人事局に昇格すること、第二は、電波監理局の次長二名を
廃止
して、同局に放送部、無線通信部及び監視部の三部を設けること、第三は、本省の付属機関として臨時放送
関係
法制調査会を設けること、第四は、定員を百一人増員して、三千三百三人に改め、本年四月一日から適用させることとすることなどであります。 本案は、前
国会
で本院を通過しましたが、
参議院
において審査未了となったものを再
提出
したものであり、八月四
日本
委員会に付託、
政府
より提案
理由
の説明を聴取し、質疑に入ったのでありますが、その詳細は何とぞ
会議
録によって御
承知
を願います。 かくて、本日、質疑を終了、討論に入りましたところ、
日本社会党
を代表して山内委員から
反対
の意見が述べられた後、採決の結果、多数をもって原案の
通り
可決いたしました。 以上、御報告を申し
上げ
ます。(
拍手
)
—————————————
清瀬一郎
23
○
議長
(
清瀬一郎
君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の
通り
決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
清瀬一郎
24
○
議長
(
清瀬一郎
君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の
通り
可決いたしました。 ————◇—————
清瀬一郎
25
○
議長
(
清瀬一郎
君) 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時八分散会 ————◇————— 出席
国務大臣
内閣
総理
大臣
池田
勇人君 外 務 大 臣 大平 正芳君 文 部 大 臣 荒木萬壽夫君 郵 政 大 臣 手島 栄君 出席
政府
委員
内閣
法制局長官 林 修三君
内閣
法制局第一 部長 山内 一夫君 外務省
条約
局長 中川 融君 郵政大臣官房長 武田 功君 ————◇—————