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1962-08-21 第41回国会 衆議院 地方行政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月二十一日(火曜日)     午前十一時八分開議  出席委員    委員長 永田 亮一君    理事 小澤 太郎君 理事 纐纈 彌三君    理事 高田 富與君 理事 丹羽喬四郎君    理事 太田 一夫君 理事 阪上安太郎君    理事 野口 忠夫君       宇野 宗佑君    大上  司君       大沢 雄一君    大竹 作摩君       亀岡 高夫君    久保田円次君       田川 誠一君    前田 義雄君       三宅  信君    安宅 常彦君       川村 継義君    中島  巖君       二宮 武夫君    松井  誠君       山口 鶴男君    門司  亮君  出席国務大臣         建 設 大 臣 河野 一郎君         自 治 大 臣 篠田 弘作君  出席政府委員         総理府総務長官 徳安 實藏君         総理府総務副長         官       古屋  亨君         建 設 技 官         (河川局長)  山内 一郎君         自治政務次官  藤田 義光君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君         自治事務官         (財政局長)  奥野 誠亮君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  島村 忠男君         大蔵事務官         (主計官)   高柳 忠夫君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      松島 五郎君         自治事務官         (財政局財政課         長)      茨木  広君         専  門  員 曽根  隆君     ――――――――――――― 八月十五日  委員中馬辰猪辞任につき、その補欠として三  池信君が議長指名委員に選任された。 同月十七日  委員高碕達之助辞任につき、その補欠として  中村寅太君が議長指名委員に選任された。 同月二十一日  委員渡辺惣蔵辞任につき、その補欠として中  島巖君が議長指名委員に選任された。 同日  委員中島巖辞任につき、その補欠として渡辺  惣蔵君が議長指名委員に選任された。 同月二十一日  理事渡海元三郎君七月三十日委員辞任につき、  その補欠として小澤太郎君が理事に当選した。     ――――――――――――― 八月十八日  地方道路譲与税市町村譲与に関す陳情書  (第四号)  地方交付税制度改正に関する陳情書  (第五号)  町村行政水準向上に関する陳情書  (第六号)  町村財政強化確立に関する陳情書  (第七号)  個人県民税徴収取扱費財源措置に関する陳情  書  (第八号)  地方財政確立のための特別立法措置に関する陳  情書  (第九号)  地方財政健全化に関する陳情書  (第一〇号)  地方税の減収に伴う財源補てんに関する陳情書  (第一一号)  電気・ガス税廃止反対に関する陳情書  (第一二号)  大規模償却資産に対する固定資産税課税標準  特例等による課税定額引上げに関する陳情書  (第一三号)  市町村都市計画事業に対する起債に関する陳  情書(第一〇三号)  固定資産評価替えに関する陳情書  (第一〇四号)  小型三輪自動車税市町村税に移譲に関する陳  情書  (第一〇五号)  地方公務員退職年金制度早期実現に関する  陳情書  (第一〇六号)  消防力増強のための助成基準引上げに関する陳  情書  (第一〇七号)  市道の舗装及び補修費に対する財源付与に関す  る陳情書  (第一〇八号)  水道事業に対する起債償還期限延長等に関す  る陳情書(第一〇九号)  法令外負担金及び寄付金等の規制に関する陳情  書  (第一一〇号)  地方公務員共済組合法案成立促進に関する陳  情書  (第一五六号)  地方公務員共済組合法案等成立促進に関する  陳情書  (第一五七号)  地方公務員共済組合法案の一部修正に関する陳  情書(第一五八  号)  地方行財政制度合理化に関する陳情書  (第一六一号)  後進地域開発促進のための公共事業に対する国  の負担割合引上げに関する陳情書  (第一六二号)  奄美群島振興計画早期樹立に関する陳情書  (第一六三号)  土地改良事業地区に対する固定資産税の免税に  関する陳情書  (第二一六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  連合審査会開会に関する件  地方公務員共済組合法案(第四十回国会内閣提  出第一二〇号、参議院送付)  地方公務員共済組合法長期給付に関する施行  法案(第四十回国会内閣提出第一三六号、参議  院送付)  激甚災害に対処するための特別の財政援助等に  関する法律案内閣提出、第四十回国会閣法第  一五八号)      ――――◇―――――
  2. 永田亮一

    永田委員長 これより会議を開きます。  まず理事補欠選任に関する件につき、お諮りいたします。  去る七月三十日、理事渡海元三郎君が委員辞任されましたのに伴い、理事が一名欠員となっております。この欠員選任につきましては、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  それでは、理事小澤太郎君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 永田亮一

  5. 永田亮一

    永田委員長 この際、お諮りいたします。両案は、御承知通り国会において慎重に審議を行なったものであります。しかし諸般の事情により、閉会中審査に付された次第でありますので、両案についての提案理由説明の聴取はこれを省略し、直ちに質疑を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  両案についての質疑を許します。太田一夫君。
  7. 太田一夫

    太田委員 一、二点念のためにお尋ねをしておきたいと存じます。特に、先国会におきまして最終段階において修正案がまとまったのでありますけれども、時間の関係でこれが継続審議に付されたという関連もあり、かたがたここに再提案されるにあたりまして、われわれとしても法案審議にあたって確認をしておきたい点もありますので、その意味においてお尋ねをいたしたいと思います。  まず最初は、国庫負担の問題でありますが、このたびのこの地方公務員共済組合法につきましては、国庫負担が全然考えられておらないのであります。ただわずかの交付税が用意をされておりますけれども交付税であります限りにおいては、不交付団体は何ら公経済的な財政援助が受けられないようになっておりますし、そればかりでなくて、他の一般的な都道府県、市町村におきましても、事務費給付費ないしは追加費用等の圧力に悩まされる状態にあるわけです。地方制度調査会あるいは社会保障制度審議会の答申にもありますが、長期給付の一割国庫負担精神というのは、われわれとしてもこれをむげに否定するわけには参らないと思います。従って長期給付の一割国庫負担精神というものをこの際認識をしながら財政措置考えていかなければならないと思いますが、この制度の円滑なる運営と発展のためには、国として財源措置につきましては万全な措置をする必要があると思われるのでありますが、この国庫負担の問題についての政府当局のお考えをこの際あらためてお伺いをしておきたいと思います。
  8. 藤田義光

    藤田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま太田委員の御指摘通り、新しい社会保険制度でございますから、当然公的責任を明確にする建前からも公的負担をすべきであることば御論旨の通りでございます。しかしながら、各方面と長い間折衝いたしまして、前国会お答え申し上げました通り地方交付税めんどうを見よう、こういうことに結論が出たわけでございます。将来の措置としましては、十分いろいろな場合を想定して、財政措置については御不満がないように措置したい、かように考えております。
  9. 太田一夫

    太田委員 これは先国会におきまして、特に五月七日の月曜日に同僚の門司委員の方から非常に深くお尋ねになったことであります。従って、これは本案が通過するとなると、今日までの長期給付追加費用が必要となる、その財源措置をどうするかという点で門司さんがお尋ねになり、それが場合によっては何千億というような数字考えられるので、具体的な措置をはっきりさせないのは非常に不見識なことではないだろうかというお尋ねがあったのです。それに対して当時の安井大臣が、長期にわたる財源地方公共団体を圧迫しないように国庫負担で善処する、こういう御答弁であったのです。従って、長期にわたる財源地方公共団体を圧迫しないよう国庫負担で善処するというお考えは、今日においても、今のお答えも、同じ同意語である、同じ考え方であると理解してよろしゅうございますか。
  10. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この追加費用に関しましては、御指摘通り大体八千三百億という膨大な数字が出るようでありまして、この追加費用の処理に関しましては国の責任において負担するということになろうかと存じます。御指摘通りでございます。
  11. 太田一夫

    太田委員 従って、八千三百億、場合によっては一兆円をこえるともいわれる追加費用につきまして、国庫負担めんどうを見るということが、前の安井大臣の場合と同じように今も藤田次官からお答えがありましたので、その点われわれは不安のないものと思いますけれども、一割国庫負担の問題もこの際わずかの交付税によってこれがかえられておりますし、十分今のお答えを具体化されるよう特にお願いしたいと思います。  その次にお尋ねをいたしておきたいのは、掛金率の問題であります。掛金率については非常に急激な増加を見るものが多々あるのでありまして、この急激な増加に対しましては何らかの緩和措置を講じようというのが当時の質疑応答の中に現われた政府当局の御見解であります。しかしこの何らかの緩和措置という中には、たとえば退職手当上積みとかあるいは互助会というようなものへの助成という点などが例示されていたやに思いますけれども、これははたしていかなる内容を持つものでございましょうか、その緩和措置内容についてこの際もう一度お伺いをしておきたいと思います。
  12. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お尋ねの点につきましては、前国会におきましても何らかの経過措置考えるということは申し上げたわけでございますが、その内容といたしましては、ただいま先生がおあげになりましたような措置を、経過的にそれぞれの地方団体がそれぞれの実情に応じて講ぜられることがよろしいのではないかと考えておるわけでございます。もともとこの掛金が千分の二十以下のところにおきましては、この分だけが法改正によりましてその当該地方団体といたしましては支出をせずに済むわけでございますので、それに相当する分を経過的に職員福祉のために使うということはけっこうなことではないか、かように存じておるわけであります。
  13. 太田一夫

    太田委員 地方団体においてそれぞれの道を講ずるということで、今おっしゃったのは、私の言いました退職手当上積みまたは互助会方式、こんなことでありましたが、その他厚生施設の補助、こういうような点を中心としてこれをやっていくことによって増加する不満を緩和する適切な対策が講ぜられるよう、あなたの方としても、あれもいかぬ、これもいかぬとおっしゃられないで、これは精神に合致しなければいけませんから、極力気持に合うように一つ対処してほしいと思います。  なおそのほか千分の四十四の問題でありますが、当時の質疑応答の中では、いわば国家公務員の場合と対比して、それを今さらどうするわけにもいわぬという点で四十四が確定したように思っておりますけれども、四十四というのをいたずらに固執するということは、いかにも非科学的であるような気がするので、極力その引き下げ努力をして組合員期待に沿ってほしいと思うのでありますが、その当時四十四ではやっていけないという説もあるというような、場合によっては引き上げをにおわしたような御意見も出ておったのでありますけれども、私どもその点非常に胸につかえて困っておりましたが、引き上げるなどと言った覚えはない、こういう御説明も聞いておるのでありますけれども、四十四を引き下げ努力をするということは、運用利子その他を考えまして、私はほんとうだと思う。従って、千分の四十四の掛金率引き下げについては極力最善の努力をする、最大の努力をするという御決意は、われわれとあなたの方とは一緒だと思いますが、この四十四というものについてどうお考えになっていらっしゃるか、この際お伺いいたしておきたい。
  14. 佐久間彊

    佐久間政府委員 千分の四十四という率につきましては、前国会においてもお答え申し上げたことでございますが、一応発足当時は現在までございます資料に基づきまして千分の四十四ということにいたしたわけでございますが、法が成立をいたしましてから全部再計算をいたすことになっておりますので、その再計算の結果によりましては、千分の四十四よりも低くて済むということになりますればもちろんそれを引き下げることになるわけでございます。これは給付内容、それから地方公共団体職員との負担割合等にもよって数字が変わってくるわけでございますので、これを今ここで将来上がらないということを申し上げるわけには参りません。もちろん気持といたしましてはなるべく上がらないで済むようにということは私ども思っておるわけでございますが、実際はそういうことは再計算をいたした上でございませんと正確には答弁いたしかねるのでございます。
  15. 太田一夫

    太田委員 気持というものは、科学的に極力これを引き下げるという具体的な結果になりますようにこの際運営には十分御注意いただきたいと思うのであります。  それからもう一つ施行法二条三項の関係でありますが、一月一日以降の変わった分、これは何か当局の御説明では全部御否定のような御説明もありましたけれども、一月一日以降のいろいろな変更も、実は通達に基づくようなものもあれば、労使の正式な団体交渉によってでき上がっておるものもあるわけでありまして、一がいに共同謀議という形で片づけるには少々行き過ぎがありますが、二条三項の一月一日以降に規制するというのではなくて、認めるべきははっきり認めるという御勇断が必要だと思いますが、その点は認めるべきは認める、こういうことでございましょうね。
  16. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お尋ねの点につきましては、当然認めなければならぬものは除外をするという趣旨で、法律案にも自治省令で定める場合を除くということに規定いたしております。自治省令で定める場合として私どもが予定いたしておりますのは、一つはその後のベース改定によりまして当然引き上げなければならぬもの、これは私の方から通達を出しましてそれで条例を改定するように指導いたしておりますが、そういうようなものは当然自治省令で除いていくつもりでおるわけでございます。
  17. 太田一夫

    太田委員 その通りで、ぜひそういうことにしていただかなければ筋が通らないと思うのです。  それからあとは、たとえば民主的な運営ということがしばしば言われたのでありますが、たとえば運営審議会委員などを任命するという場合にも、任命するというのは一方的な任命権に基づいてやるのでありますけれども、もちろんこれはそれぞれ関係団体意見を聞く、そういうような民主的な段階というか、手続も心がまえとして必要だと思いますが、運審委員任命につきましても十分その相手方の意見も聞いてみる、こういう手続をおとりになるのでありましょうか、その点いかがでありましようか。お聞きになるのでしょうね。
  18. 藤田義光

    藤田政府委員 十分拝聴してきめることになると思います。
  19. 太田一夫

    太田委員 少し行き過ぎるかもしれませんが、この際聞いておきたいことがあるのです。先国会におきましていわゆる若年停止にかわる三〇%の給付の問題が、自己意思によらないで退職した者に対して適用されることがきまったのです。これはあと修正案をやることに関係してきますが、念のためにお尋ねしておきますが、その当時の精神は、三〇%をつくることは組合員自己意思によらない退職を強要したりあるいは不当な任地の変更というようなことをやるという趣旨のものでは絶対にないのだということだったと思うのですが、その精神は変えないでしょうね。
  20. 佐久間彊

    佐久間政府委員 運用上、おっしゃいますような精神でいかなければならぬことは当然だと思います。
  21. 門司亮

    門司委員 今の太田委員の質問で大体いいと思いますが、念のためにもう一カ所だけ聞いておきたいと思います。各市町村保険組合からきておる陳情書の中に、そのまま読みますと、こう書いてあります。「健康保険組合存続の場合、短期給付事業等に従事する固有職員地方公共団体職員と同様に当該団体共済組合に加入できるようにすること。」こういう陳情書が、この前の国会の後の組合の総会できめられております。従って、この前の国会附帯決議の中にも、その他のこうした類似の団体についても考慮を払うべきだということがありますが、こういう問題を自治省は将来どういうように取り扱うつもりでおるか、その点をこの際明らかにしておいていただきたい。
  22. 佐久間彊

    佐久間政府委員 先生お尋ねの点につきましては、そのほか地方団体事務局職員でありますとか、国保連合会職員でありますとかいうようなところからもいろいろ御要望を伺っておるわけでございますが、それらの職員を包含いたしました地方自治関係団体共済制度というようなものを、実は政府提案に至ります過程におきましては私どもも検討をいたしたことがあるのでありますが、政府部内の意見の一致を見ませんでしたので、国会に御提案するまでに至らなかったのでございますが、いろいろ附帯決議の御趣旨もございますし、今後の問題といたしまして、よく検討して参りたい、かように考えております。
  23. 門司亮

    門司委員 念のためにもう少し聞いておきたいと思いますが、この問題が、こういう今のような形になっておることは、あらかじめ承知はしておりますが、地方の自治体の運営関係、従来の職員の取り扱いの関係から見て、新しい法律ができて、地方公務員の中に、何か差別待遇をするような事態が起こってはならないと思うのです。従来はやはり条例でこれらの職員と同じような待遇を受けておったものが、こういう法律ができることによって、一部分でも差別待遇があるというような印象を与えることは非常によくないと思う。今のような考慮をするということは、私は厚生省意向等も聞かなければ十分でないように考えられるが、あるいはそういうことを配慮しての御答弁かと思います。しかし、この場合の自治省答弁については——私は自治省意向を明らかにしておいていただきたいと思う。そうすることが厚生省に対する話し合いの中でも有利じゃないかと思う。だからあまり厚生省やその他に遠慮しておらないで、自治省意見を率直に言って下さい。
  24. 藤田義光

    藤田政府委員 ただいま門司委員指摘の点は、全く同感でございます。大臣も私も就任日が浅いので、政府部内の意見不統一の実態をまだよくつかんでおりませんが、将来の方向としては御意見のようにぜひ持っていきたいと考えております。
  25. 安宅常彦

    安宅委員 ちょっとお尋ねしますが、先ほど運営審議会委員任命のことについて——これは任命権が向こうにあることについては何回も論議したことですが、ただ話を聞く、あるいは意見を聞く、こういう答弁です。どうも私はそういうことについて何回も今まで心配なことがあったものですから、それであなたの方に聞きたいのです。これは数まできまっているのですから問題はないと思うのですが、組合の中からということになっておるのですけれども職員団体やなんかのこっちでちゃんと任命した者を、この男は意に沿わないからだめだ、あるいは安宅なんというものはうるさいからだめだなんて言われたらはなはだ困るで、そういう拒否権を発動しない、こういう意味に解していいかどうか、これは念を押しておきたいと思うのです。
  26. 藤田義光

    藤田政府委員 現実の運営におきましては、たとえば自治労等から御推薦願って、それをそのままうのみにすることになると思います。御了解願います。
  27. 亀岡高夫

    亀岡委員 関連して。この際自治省意向をはっきりしておいていただきたいのですが、それは本新制度ができまして、新しい共済組合が生れるわけですが、従来町村恩給組合あるいは共済組合というようなことで、特別会計で常に積み立てをしておるわけです。ところが市はその積み立てたやつを一般会計に繰り入れて使ってきておるわけです。従って本制度がスタートする場合に、組合ができるという場合に、町村はその積立金をもって参加する、ところが市の場合には一銭も積み立てておらない。市と町村の間に非常なアンバランスがある。ところが市がそれだけの負担をしようと思えば、相当一般的な財源を要しなければならぬ。さなきだに苦しい市当局が、そういう財源措置で非常に苦労しているということは、われわれの会津若松、平等の福島県の市は全部そうですか、おそらく全都そうじゃないかと思う。そういう市に対する措置は、どういうように財源措置をお考えになるのか、それをはっきりと一つ答弁しておいてもらいたい。
  28. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お尋ねの点につきましては、町村につきましては、御指摘通りに、従来町村職員恩給組合で積み立てたものがございますので、引き続きそれを財源に充てていくように措置をいたしております。それから市につきましては御指摘のようでございますが、今後毎年必要な所要額は、全部基準財政需要額に織り込みまして、財源措置をいたして参ることになりますので、御懸念のような心配はないと思います。
  29. 永田亮一

    永田委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ両案についての質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  30. 永田亮一

    永田委員長 ただいま委員長手元纐纈彌三君、阪上安太郎君及び門司亮提出地方公務員共済組合法案に対する修正案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案に対する修正案がそれぞれ提出せられております。
  31. 永田亮一

    永田委員長 提出者より両修正案趣旨説明を聴取いたします。纐纈彌三君。
  32. 纐纈彌三

    纐纈委員 ただいまお手元に配付いたしました地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案に対する自由民主党、日本社会党民主社会党の三党共同提案にかかる修正案につきまして、便宜私から提案理由を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付いたしておりますので、朗読は省略させていただきます。  御承知のように、両法案は、これまで複雑多様をきわめ、その給付内容におきましても、改善を要する点の少なくなかった地方公務員共済組合制度を抜本的に改正し、国家公務員制度に準じて統一的な共済組合制度を設け、もって地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉向上に寄与するとともに、公務の能率的運営をはかる目的のもとに提出されたわけでありますが、今日まで当委員会で慎重かつ熱心に審査を重ねて参りました結果、本制度をさらに改善合理化するためには、共済組合運営民主化組合員既得権期待権尊重等を一そう徹底する必要があること及び施行期日を改める必要があると認めましたので、ここに必要最小限の修正を行ない、一日も早く本法案成立せしめて、公務員及びその家族の要望にこたえようとするものであります。これが本修正案提出する理由であります。  次に修正内容について申し上げます。  修正の第一点は、地方職員共済組合等の運営民主化をはかるため、運営審議会委員の数を六人増加して十六人以内に改めるとともに、その委員の半数を組合員を代表する者のうちから命ずるものとしたことであります。  第二点は、連合会の運営につきまして、市町村長以外の組合員意見を反映させるため、連合会の総会の、市町村長以外の組合員から選出される議員の数九人を二人増加して十一人にするとともに、市町村長である総会の議員以外の総会の議員から選出される理事二人を一人増加いたしまして三人としたことであります。  第三点は、最短年金年限が、十七年の退職年金条例以外の退職年金条例、または共済条例の適用を受けていた更新組合員退職年金の受給資格の経過措置について、期待権を尊重する見地から合理化したことであります。  第四点は、地方公務員の特殊性により、その者の事情によらず引き続いて勤務することを困難とする理由により退職した組合員であって、政令で定めるものの退職年金に関し、新法の施行後にかかる部分についても減額退職年金を選択しない場合に、退職年金の三〇%に相当する額を四十五才から五十五才に達するまで支給することとしたことであります。なお、この制度職員の弱年退職を助長する趣旨のものと解すべきでないことは当然のことであります。  第五点は、施行期日を十月一日から十二月一日に改めるとともに、これに伴って新共済組合設立手続の期限に関する規定の整備をはかったことであります。  以上がこの修正案趣旨及びその概要であります。  何とぞ皆様方の御賛成をお願いいたします。
  33. 永田亮一

    永田委員長 以上で両修正案趣旨説明は終わりました。     —————————————
  34. 永田亮一

    永田委員長 これより地方公務員共済組合法案及びこれに対する修正案地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決に入るに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  これより順次採決いたします。  まず地方公務員共済組合法案について採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  36. 永田亮一

    永田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいまの修正案の部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  37. 永田亮一

    永田委員長 起立総員。よって、地方公務員共済組合法案纐纈彌三君外二名提出修正案通り修正議決すべきものと決しました。  引き続き地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案について採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  38. 永田亮一

    永田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  39. 永田亮一

    永田委員長 起立総員。よって、地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案は、纐纈彌三君外二名提出修正案通り修正議決すべきものと決しました。(拍手)     —————————————
  40. 永田亮一

    永田委員長 この際、纐纈彌三君、阪上安太郎君及び門司亮君より両案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。阪上安太郎君。
  41. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私は、三党を代表いたしまして、地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案に対する附帯決議案の趣旨説明を行ないたいと思います。  まず、決議の案文を朗読いたします。    地方公務員共済組合法案及び地公務員共済組合法の長期給付関する施行法案に対する附帯議(案)   政府は、地方公務員共済組合法地方公務員共済組合法長期給付関する施行地方公務員の生活と祉とに深い関係を有することにかがみ、両法律の実施に当っては、の諸点につき、とくに配意すべきある。  一 地方職員共済組合等の理事に組員を代表する者を加える等組合民主的な運営を図ること。  一 掛金等の標準的な率未満の率にる退職年金制度の適用を受けてる職員について、制度改正にう負担の増高を経過的に事実上和できるよう適当な措置を講ずこと。  一 長期給付掛金率の引下げにつてあらゆる施策を検討するこ。  一 減額退職年金制度は、国家公務共済組合法等とともに再検討すこと。  一 給付費及び追加費用について、国庫負担その他の方法により方公共団体の財政を圧迫するこのないよう万全の財政措置を講ること。  一 組合等の資産の運用に当っては合員の福祉向上に万全を期すこと。  一 禁錮等の処分を受けた場合の支制限については、その運用にあり、濫用にわたらないよう配慮ること。  一 全国知事会等都道府県、市又は村の議長又は長が全国又は都道県の区域ごとに組織している団、国民健康保険団体連合会、地公共団体の組織する健康保険組その他地方自治関係団体の職についても、地方公務員に準じ済制度を設けること。   右決議する。 以上が案文でございます。  次に、その趣旨及び概要を簡単に御説明申し上げます。  御承知のように、地方公務員共済組合制度は、地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的といたしておるのであります。この制度のいかんは各分野にきわめて大きな影響を与えることになると考えられるのであります。従いまして、この制度の本来の目的をより一そう十分に達成せしめる趣旨において、この附帯決議を付したいと思うのでございます。  内容の第一は、地方職員共済組合等の理事については主務大臣任命することとなっておりますが、これに組合員を代表する者を加え、組合の民主的な運営をはかろうとするものであります。  第二は、掛金等の標準的な率未満の率による退職年金制度の適用を受けている職員につきまして、制度改正に伴う負担の急激な増高を事実上緩和できるように、地方公共団体において経過的に適当な措置を講ぜしめようとするものであります。  第三には、長期給付にかかる掛金については、御承知のように従前の制度では無拠出のものを初めといたしまして、そのほとんどが二%以下であったわけであります。ところが本法が施行されますと、一躍倍以上に増率されることになるわけでありまして、保険数理の結果であるとは申しながらも、これは組合員たる当の公務員はもとより、雇用主としてその職員福祉及び利益の保護に任ずべき立場にある地方公共団体にとりましても、これはきわめて大きな問題と言わなければなりません。そこで、長期給付にかかる組合員掛金引き下げについてあらゆる施策を検討すべきものといたした次第であります。  第四に、減額退職年金制度の可否につきましては、審議の過程におきましても多くの論議を呼んでおります。問題も少なくないと思われますので、国家公務員共済組合法等とともにさらに検討を加えるべきものであるとするのであります。  第五には、給付費及び追加費用につきましても終始熱心に質疑が行なわれたのでありますが、その地方財政に及ぼす影響がきわめてこれは大きいのであります。将来このため地方公営企業を含む地方公共団体の財政を圧迫し、ひいては地方行政の遂行に支障を生ずることのないよう、国庫負担その他の方法によりまして万全の財政措置を講ずべきであるというのであります。  第六に、組合及び連合会の資産の運用につきましては、本法において組合員福祉向上に資するよう規定されているところでありますが、この点につきましては本法の趣旨が十分に生かされるよう、一そうの配慮を必要とすることといたすのでございます。  第七に、この制度職員みずからの掛金による保険制度であることにかんがみまして、給付制限については慎重な態度をもって臨む必要がありますので、禁錮処分を受けた場合等の支給制限については、その運用にあたり乱用にわたらざるよう配慮すべきものといたしたのでございます。  第八に、全国知事会等の地方自治関係団体職員につきましても、その職務内容地方公務員に準じておりますことなどから、将来地方公務員共済制度に準じた共済制度を設けることが適当であるというのであります。  以上が本附帯決議案を提出いたした趣旨でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
  42. 永田亮一

    永田委員長 本動議について採決いたします。  本動議の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認めます。よって、両案は纐纈彌三君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付するに決しました。  なお、両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  篠田自治大臣
  45. 篠田弘作

    ○篠田国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨は十分尊重いたしまして、それに沿うよう善処いたす考えであります。      ————◇—————
  46. 永田亮一

    永田委員長 次に、第四十回国会内閣提出激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案を議題といたします。
  47. 永田亮一

    永田委員長 御承知通り、本案につきましては前国会におきまして提案理由説明は聴取いたしたのでありますが、去る十日議院の承諾を得て内閣修正されましたので、この際あらためて本案について趣旨説明を聴取することにいたします。徳安総理府総務長官
  48. 徳安實藏

    徳安政府委員 ただいま議題となりました激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げたいと思います。  政府は、第三十九国会におきまして成立いたしました災害対策基本法を、本年七月十日から施行いたしたのでありますが、同法第七章におきまして、著しく激甚である災害が発生した場合における復旧事業等が適切に実施されるための地方公共団体に対する国の財政援助及び被災者に対する特別の助成措置について、別に法律を制定すべきこととされております。また、この法律は、できる限り激甚災害発生のつど特例法を制定することを避け、災害に対する国の負担制度合理化をはかり、激甚災害に対する施策が円滑に講ぜられるようにすべきこととされております。  本法律案は、この災害対策基本法の規定の趣旨にのっとり、従来、激甚災害のつど個別に立法されて参りました各種の国の負担、補助等に関する特例法を総合的に考慮し、合理的かつ恒久的な制度をつくることを目的としたものであります。  すなわち、まず、国民経済に著しい影響を及ぼす災害であって、その災害による地方財政負担を緩和し、または被災者に対する特別の助成を行なう必要があるようなものが発生した場合には、政府は、中央防災会議に諮って、これを激甚災害として指定し、以下に述べる措置のうち、その激甚災害に対して適用すべき措置を指定することといたしておるのであります。  この特別措置内容といたしましては、第一に、公共土木施設、公立文教施設、社会福祉施設の災害復旧事業費等、地方公共団体負担額を計算し、この地方負担額を当該団体の標準税収入と比較して、一定基準に該当するものにつきまして、超過累進的に負担を軽減するよう特別の財政援助を行なうことといたしております。  第二に、農林水産業関係につきましては、農地、農業用施設及び林道の災害復旧事業及び災害関連事業の地元負担を軽減するため、通常の補助のほか、負担が増大するに伴い超過累進的に補助ができることとするとともに、農林水産業共同利用施設に対する補助の特例、開拓地の施設等に対する補助、天災融資法の特例、森林組合等の行なう排土事業に対する補助、土地改良区等の行なう排水事業の補助及び共同利用小型漁船建造費の補助につきまして、それぞれ従来の災害特例立法に準じた措置を定めております。  第三に、中小企業につきましては、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例、中小企業振興資金等助成法による貸付金の償還期間の特例、事業協同組合等の施設の災害復旧事業に対する補助及び中小企業者に対する資金の融通に関する特例につきまして、それぞれ従来の災害特例立法と同様の措置を規定いたしております。  最後に、以上の各種の措置のほか、公立社会教育施設及び私立学校施設の災害復旧事業に対する補助、私立学校振興会の業務の特例、市町村施行する伝染病予防事業に関する負担の特例、母子福祉資金に対する国の貸付の特例、水防資材費補助の特例、罹災者公営住宅建設事業に対する補助の特例、産業労働者住宅資金融通の特例並びに公共土木施設、公立学校施設及び農地、農業用施設等の小災害に関する起債の元利補給の特例を定めております。  以上がこの法律案の概要でございますが、この法律施行せられることによりまして、将来著しく激甚である災害が発生した場合におきましても、別に立法を要することなく以上の諸措置が発動されることになり、災害復旧事業等の迅速かつ適切な執行が行なわれ、また災害を受けた地方公共団体等の経費の負担を適正ならしめるとともに、被災者の災害復興の意欲を振作することができるものと確信いたしております。  なお、本年すでに発生している集中豪雨及び台風による災害をも考慮いたしまして、本法律案の附則において、昭和三十七年四月一日以後に発生した災害についてこの法律を適用することといたしております。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。  なお、お配りいたしておりますこのプリントの中で最後に「三十八年四月一日」と書いてございますが、これはミスでございまして、昭和三十七年四月一日でございますから、訂正をいたしておきます。
  49. 永田亮一

    永田委員長 以上で趣旨説明は終わりました。     —————————————
  50. 永田亮一

    永田委員長 次に質疑に入ります。  発言の通告がありますので、順次許可いたします。高田富與君。
  51. 高田富與

    ○高田(富與委員 建設大臣が予算委員会を中座されて、わざわざ御出席に相なったようでありますので、簡単に建設大臣に対する御質疑を申し上げたいと存じます。  御承知のように、わが国は、災害が頻発——頻発という言葉が当たらなくても、とにかく他と比較いたしまして、多発する地域であるといわれておりますが、それはおもに台風に基づくところの暴風雨等によるものが多いようであります。そこで政府は、災害の対策につきまして大きく意欲を示され、災害対策基本法をまず三十九国会及び四十国会において制定を見た次第であります。この法律は、御承知のようにきわめて広範な法律でありまして、その内容は実体法あり、手続法ありというような形のものであります。今回提案されました激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案の制定によって、一応災害対策についての措置がとられると思うのであります。しかしこのような法律の制定に基づくところの施策は、結局のところ災害そのものに対する措置でありまして、その災害を未然に防止いたしまするためには、その根本の策といたしまして、治山治水について大きく政府は施策をいたさなければ相ならぬと存ずる次第なのであります。現在の治水計画は、道路と比較いたしまして、きわめて貧弱であるというそしりを免れ得ないと思うのでありますが、政府はこの治水計画につきまして、すみやかに改定をいたす意思があるかどうかということにつきまして、特に建設大臣の御所見を承りたいと存じます。
  52. 河野一郎

    ○河野国務大臣 御説、私も全く同感でございます。その意味におきまして、治水十カ年計画の出初の五カ年計画は、三年経過いたしまして、繰り上げて施行するということをやっておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、明年度予算編成にあたりましては、残りの七カ年を一つに見て、緊急五カ年計画というような意味合いで一つの案を持って、明年度の予算の御審議を願いたいという所存で、せっかく勉強いたしております。私もできるだけ御期待に沿うようにいたしたいと思います。
  53. 高田富與

    ○高田(富與委員 私のしろうと考えからしますと、どうも政治の効果というのは、民衆の視覚に訴えることが多いのじゃないかというふうな感じがするのです。道路などがおかげで漸次一級国道のみならず、二級国道に及んでりっぱに改善されて参りましたが、これは国民が非常に喜んでおるところであることは言うまでもありません。ところが河川の整備は、かけた金があまり目に見えないところがあると思うのです。たとえば利根水系について考えてみましても、十カ年計画でいろいろな措置をしておるようでありますが、私が両三年前に河川審議委員として堤防の視察をいたしました際に、埼玉県側の堤防が非常にお粗末なものである。そこで建設省の方に、一体こういう堤防で大丈夫なのかと言ったら、いや大丈夫じゃない、だからこれはかみそり堤防だと言う。こういう人口が非常に多い地域においてさえも、あの利根水系の整備が計画通りいっておらない。計画が改定されましても、それが実現する意欲がなければならないと思うのであります。幸い建設大臣はわが党の最大の実力者であられますので、そういう点についても特に意を用いられんことをお願いいたしますが、その点についての御所見をもまた拝聴しておきたいと思います。
  54. 河野一郎

    ○河野国務大臣 私も各所にそういうことはあると思いますし、また最も緊急にいわれておりますのに、高潮対策というようなものが相当な金がかかるわけでございます。ことに最近、北海道あたりに降りました集中豪雨、こういうものが、一体どこにどう降ってくるかということが年々おかしくなっている。今までこの辺が災害常襲地帯だといって九州の方で法律をやかましくいわれると、どうも九州にあんまり台風が来なくなって、そしてほかの方に行くような傾向があるというようなことがございまして、全国一様に一ぺんにやるわけには参りません。しかも、しいて申しますれば、手をつけると非常に上等にしないと気が済まない。そして悪いところがあっても、悪いところを除いてもやるところは思い切って上等にするというような点があることもあるのではないかと思うのでございまして、そこらのところを私は、一つ技術者とそれから適当にマネージする役人と相交錯して進めるところに何か新しいものが生まれるのではなかろうかというような点も考えまして、従来技術者に非常に重点の置かれておりました建設行政を、その中に事務の系統の役人を今回入れてみたわけでございます。これでうまくいかなければまた変えてもよろしいと思っておりますけて、何とか乏しい金でうまくこの刻下の災害対策が立てられるようにということを考えておるわけでございますが、お話のように道路の方も非常に緊急な問題でありますし、しかも財源がガソリン税等によって割合にこの方は出ますけれども、河川の方もしくは災害対策になりますと、起こってからは制令に人が注意をして共鳴していただけますけれども、起こる前はなかなか予算がとりにくい、仕事が進めにくいというような点もありますので、せっかくそういう場所を探して大ぜいの人に見ていただいて、そして一つやかましく騒いでいただく。これはどうしても私一人よりもやはり委員会あたりでやかましく言うていただく、各党でやかましく言うていただくことが一番必要なゆえんであろうと思いますので、せっかく御協力をちょうだいいたしたいと考えておる次第であります。
  55. 太田一夫

    太田委員 建設大臣、ちょっと関連してお尋ねをしますが、今のお考えを聞いておりまして、非常に共鳴する点があります。いわゆる建設技術者というものだけによって国土建設をしようあるいは開発をしようなんということは、大それたことであるということをあなたおっしゃったと思うのですけれども、われわれ全くその点同感であって、少なくとも文化、経済というものを中心とした国づくりでなくてはならぬわけですから、そういう点では、今までの慣例とかなんとかいうものを一つ抜本的に改めるということが必要ではないか。特に港湾などは行政所管入り乱れまして、一体だれが責任を持ついうものは、当然建設省直轄でやるべきだと国民は思っておるにもかかわらず、そうではないというようなことがありまして、非常に常識に合わぬ点がありますので、そういう点は一つこの際思い切って改革をしてほしいと思うのです。  特に激甚災の財政援助法の中に盛られておる精神、これは大臣が建設大臣におなりになる前のときにできたものでありましょうから、いかがかと思いますけれども、たとえば地方団体はその基準財政収入額の六倍以上の被害がなければ九割の補助はしないといって、いわゆる地方団体の財政というものを非常に軽視すると申しますか、地方団体ば金があり余っておるという思想がこの激甚災法の中の各種の率に出てきておるわけです。地方団体は黒字だ、地方団体は金があるのだから、そう国から出さなくてもよいだろうという精神、ないしは足らない分は都民なり市民なり県民から取ればよかろうというような精神が盛られておるように思うのでありますが、一体基準財政収入額、いわゆる一年間に入る収入の六倍になっても九割しか補助しないというような精神が、はたしてあなたの精神に合うかどうか。地方財政というものを強固にしなければ地方自治は発展しない、こういうことでございますが、お読み返していただいて、先ほど徳安さんから御説明なさいました内容については、ちょっと考えてみなければならぬような点があるような気がするのですが、いかがですか。御所見をちょっと承りたい。まして、砂防工事につきましては、御承知通り、先般さしあたり農林、建設の間に人事の交流をいたしました。そして河川砂防は人事の交流によって新しいものを見出そう、港湾につきましては御承知のようなことでございますので、目下農林省の漁港、第三種といいますか避難港といいますか、これの建設、それから運輸省の港湾の建設行政は、むろん運輸省で行政をすべきものでございますが、建設については建設省でやったらどうだろうかということで、目下事務的に下打ち合わせ中でございまして、農林省の方は大体了解を得ておりますが、あと運輸省の方と話し合い中でございます。できれば各党一つ御協力いただきまして、そういうことになれば大へんしあわせだと、私としては強い熱意を持ってやりたいと考えております。  それから次に激甚災の程度の問題でございますが、これは御承知通り大蔵省という役所が非常にうるさいところでございますから、実際の激甚災がそういう災害が起こってみれば、そのときになれば六倍だか九倍だかそんなことを別に計算するわけでもなし、従来御承知のようなことでもって、みんなでもって、あれは大へんだ、一つやらなければいかぬだろうといえば、やっておる実情でございますから、私も農林大臣としてこの法律に前回関係したのですが、まあまあ法律がありさえすれば、こういうふうにきめておいていただきさえすれば、あとはまた適当に運用できるというようなことで、その点については実はあまり深く争いりますれば、その際に私は考えたいと考ます。
  56. 永田亮一

    永田委員長 午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ————◇—————    午後一時四十八分開議
  57. 永田亮一

    永田委員長 これより再開いたします。  休憩前の質疑を続けます。商田富與君。
  58. 高田富與

    ○高田(富與委員 さきにも申し述べましたが、わが国は南は九州から北は北海道に至るまで、例年災害に見舞われており、いわゆる災害多発地域と申してもよろしいと思うのでありますが、そこで災害基本法を制定し、次いでこの法律案提出されまして、一応この災害対策について政府の意図するところを施行することに相なるわけであります。ただこの法律提案がきわめて時期を失しておりましたために、その後六月及び七月には九州佐賀、長崎地方に集中豪雨の災害が発生し、次いで去る三日夜半から四日にかけて北海道の各地にいわゆる九号台風による災害、次いで追いかけるように、また十号台風による災害に見舞われ、きわめて悲惨な状況を呈しておるのであります。  そこでこの法律は、できるだけすみやかに決定をしまして、この法律の適用を災害地に及ぼしていただかなければならないわけであります。それにつきましては災害基本法におけるそれぞれの措置がとられておらなければ相ならぬと思う。すなわち七月十日に災害基本法は公布せられましたが、この法律激甚災害地域の指定は中央防災会議にはかって指定をする、こういうふうに規定されておりますが、中央防災会議あるいは直接災害の復旧の措置をとらなければならない地方における防災会議等については、どういう進行状態に相なっておりますか。それを承らしていただきます。
  59. 古屋亨

    ○古屋政府委員 ただいまお話しの中央防災会議につきましては、七月十日付をもちまして災害基本法の施行令が公布されまして、七月十一日付をもちまして防災会議委員を発令しておる次第であります。ただ、お話しのように中央防災会議事務局につきましては、政令によりまして総務長官が事務局長になることに相なっておりますが、その以下の事務機構、次長ないし職員というものにつきましては近く発令される見込みでございまして、中央防災会議委員はただいま申し上げましたように七月十一日付をもって発令されておりますが、その事務局の方はいろいろの関係から、まことに申しわけありませんがおくれておりますが、一両日中に発令になると私聞いております。そういう事務調整の点で発令がおくれておりますことはまことに残念と思っております。  なお、指定地方行政機関につきましては指定済みでありまして、目下各地方におきましてそれぞれ準備中であると聞いております。
  60. 高田富與

    ○高田(富與委員 この法律は、提案説明にもありましたように、従前激甚災害が発生いたしました場合には、各種の特例法を制定いたしまして対処いたしておったわけであります。今度はそれを統一いたしまして、この法律一本で処理することに相なると思うのであります。このことにつきましては提案説明にも「災害復旧事業等の迅速かつ適切な執行が行なわれ、また災害を受けた地方公共団体等の経費の負担を適正ならしめるとともに、被災者の災害復興の意欲を振作することができるものと確信」する、こういうふうに述べておるのでありまするから、政府の措置としてはできるだけ急速な措置に出るのでなかったならば、この法律制定の趣旨を没却することになると思うのでありまして、ただいま御答弁のありましたことについてはすみやかなる措置をこいねがわなければなりません。それはともかくといたしまして、この法律は今申し述べましたように、個々の事項についての特例法を統一した、しかも国は災害基本法を制定して、民心の安定、国民生活の安定をはかっていこうとするわけなのでありますが、そこに国の意欲が見られることになるのであります。その意欲に基づいてこの法律がさらに制定せられました以上は、今日までの個々の特例法よりさらに一歩も二歩も前進して、国民のためにあるいはまた地方公共団体がその住民のために措置できるような方途を講じなければならないのではなかろうかと思うのでありますが、この三十四年災害、三十六年災害の特例法とこの法律との比較につきまして参考資料をちょうだいいたしましたが、大体変わりがない。一歩も二歩も前進しているというわけでなくて、結局特例法通りのものがこの法律であるように思われますが、この点について私はなはだ遺憾に存ずる次第でありますが、この点についての政府のお考えを承りたいと存じます。
  61. 古屋亨

    ○古屋政府委員 ただいま御審議を願っております激甚災害特例法と従来の特別立法と、どういう点において特色があるかという御質問でございますが、おもなる相違点について私からお答えいたします。  第一は、激甚災害の指定方式を改めた点でございます。従前激甚災害に際しましては、地方公共団体に対しまして地域指定方式をとって参ったのでありますが、この従来の方式によりますと、指定地域に隣接する地域には特例の適用ができなかったり、またその反面におきまして特例法を適用する段階に至らないものまでも指定されるような傾向を避け得なかったことは事実でございます。従いまして、この法案におきましては災署名を指定する方式をとることにしておりますので、今申し上げましたような点が合理的に解決される次第でございます。  なお、従前は激甚災害発生後におきまして、そのつど必要のあるものについて特別立法を御承知のように行なってきたのでありますが、本法案成立した暁におきましては、第二章以下に規定する措置のうちから、必要のあるものについては指定措置を行なうだけで足りるのでありまして、従いまして、指定措置の迅速化が期待される次第でございます。  第二は、地方公共団体負担を伴いまする公共施設の災害復旧事業資に対する特別援助措置といたしましては、新たに標準税収入とにらみ合わせまして総合超過累進方式をとった点でございます。御承知のように従前は地域指定方式に加えまして各単独法に定めますそれぞれの定率が適用されましたために、地方公共団体の中におきまして財政負担上不均衡を来たすような傾向があったのでございますが、今回の法律によりまする方式によりますと、この問題がほぼ解消すると考える次第でございます。  なお、従前におきましては、都道府県と市町村に同一の算定方式を適用することが多かったのでございますが、この法案におきましては両者の間に公共施設のあり方の相違、財政負担力の相違の点にかんがみまして、実情に合うようにそれぞれ別個の算定方式を適用いたすことにした次第でございます。  なお、以上の詳細につきましては、関係当局より御説明申し上げます。  第三の点は、農地、農業用施設、林道並びに災害関連につきましては、農林業者の負担能力と対比いたしまして、総合超過累進方式をとったことでございます。詳細につきましては関係当局より説明いたさせます。  なお、公共施設、農地、農業用施設、林道並びにそれらの災害関連以外のものにつきましては、従前の個別方式によっておりまして、特に変わったことはございません。  以上、一般的事項について私から御説明申し上げた次第でございますが、それぞれの詳細につきましては関係省から御説明いたすことにいたしたいと思います。
  62. 高田富與

    ○高田(富與委員 結局、今関係省からの説明というのは、政令事項になると思うのですが、そこで政令についてはすみやかに公布する容易が現在できておるかどうか、この点を一つ伺いいたします。
  63. 古屋亨

    ○古屋政府委員 ただいま御指摘の政令に関する事項につきましては、関係各省の間で事務的の調整をずっと進めておりまして、おおむね一致しておりますが、なお若干細部的事項について調整することが残っておりますので、この点につきましては関係各省を督励いたしまして、すみやかに調整させ、政令案要綱をお示しできるように努力いたしたいと思っておる次第であります。
  64. 高田富與

    ○高田(富與委員 なお、災害対策基本法の八十八条の第二項によりますと、「主務大臣は、再度災害の防止のため災害復旧事業とあわせて施行することを必要とする施設の新設又は改良に関する事業が円滑に実施されるように十分の配慮をしなければならない。」この点が一歩も二歩も前進したところだろうと思います。災害の復旧につきましてはいわゆる改良なり改善なりをあわせて行なって再度の災害を防止しようとする。ここに大きな意味があると思うのであります。ところが今回のこの法律案によりますと、第三条の二号の終わりの方に「施設で政令で定めるものの新設又は改良に関する事業」と特に断わっておるわけであります。第一号には「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定の適用を受ける公共土木施設の災害復旧事業」、こういう事業については、いわゆる新設または改良に関する事業もあわせ行なって再度の災害を防止すという規定になっておるわけであります。この二号のこういう法律形式はちょっと私は今日まであまり見当たらない形式だと思いますが、その他は専業を列挙しておるわけです。ところがその他の事業につきましては、第一号についてのみ特にこのことを断わって、あとの事業についてはそういうことは断ってないところを見ますると、やはり依然として、つまり改善なり改良なりの復旧というものは他の事業には認めないというふうにもとれるおそれがありまして、災害対策基本法の趣旨と異なるようにも思われますが、この点はどういうことに相なりましょうか。
  65. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 ただいまの御質問の、今度の財政援助の特別措置法の第三条第一号では基本的な原形復旧の規定の諸事業を考えておりますが、二号につきまして、ただいま御指摘のような再度の災害の防止に必要な施設の改良または新設については政令でその事業を定めまして、ただいまお話のありました災害対策基本法八十八条第二項の再度の災害防止の措置とも関連いたしまして、今回の激甚災害の場合の特別措置考えておるわけでございます。また公立文教施設につきましては、この法律とは別に、改良復旧または構造改善の措置に対しての改正法案を今国会提出して、御審議願っておるところでございます。
  66. 高田富與

    ○高田(富與委員 なお、今の第三条の十二号から十四号までですが、これは一般の災害の場合には別に援助措置がないので、激甚災害についてのみ援助措置がとられる事項でありますが、もし激甚災害という指定をされない場合におきましては、他の事項につきましてはそれぞれの一般原則に基づいて援助措置があるにかかわらず、この三つの事項についてのみ援助措置がないことになるわけでありますが、こういう場合に、激甚災害の指定を受けないが相当の被害を受けたという第十二号ないし第十四号の災害については、おおむねどういう措置がとられることに相なりましょうか、この点を一つお答えいただきたいと思います。
  67. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 大体この十二号、十三号、十四号につきましては、今後政令で定めましてその程度等をきめる予定でございますが、大体土地災害といたしまして、補助率は予算補助といたしまして二分の一程度を考えているようなわけであります。
  68. 高田富與

    ○高田(富與委員 最終に河川局長に承っておきます。  先ほど建設大臣は、河川整備の計画について三カ年で大体五カ年の仕事を終わって、あとの七年については五カ年間に期間を短縮をして河川の整備を推進していくという御答弁だったと思うのでありますが、その内容をもう少し詳しくお知らせいただきたいと思います。
  69. 山内一郎

    ○山内(一郎)政府委員 御承知のように治水十カ年計画を昭和三十五年度から実施いたしております。従って、本年は三年目で、十カ年のうち三年目を現在実施中でございます。そういたしますと残り七カ年になりますが、この七カ年分を七カ年でやっておりましたような状況では、昨今の非常な激甚災害には対処できないという点がおもな原因になりまして、七年分を五年に繰り上げる、こういう作業を現在検討中でございます。なおその際最近の災害でいろいろ新しい事態が発生して参りまして、内水対策の問題だとかあるいは東京、大阪等の高潮対策事業というようなものが、従来の十カ年計画にはあまり織り込まれていなかった。そういう点も新しくつけ加えまして、新しい五カ年計画をつくって参りたい。なお重要な直轄河川あるいは中小河川につきましても同様な考え方で、非常な災害激甚地域におけるそういう対策事業につきましても、繰り上げのほかに新しい計画を織り込んで参りたい、そういうようなことで現在作業をしている段階でございます。
  70. 高田富與

    ○高田(富與委員 そうすると、今のお話で十カ年計画の金額自体は押えられているわけですか。そうしてそれをあとの二カ年だけ縮めてやるとなれば、十年の計画を八カ年でやるということにすぎないことになりやしないかと思うのです。そうじゃなくて、こういう年々災害に見舞われている現状に照らして、根本的に治水計画というものを再検討する必要があるのではないかと思われますが、そういう点についてはどういうふうに考えますか。
  71. 山内一郎

    ○山内(一郎)政府委員 ただいまの御説明で金額のワクの点を言い忘れましたが、残りの七カ年分の事業量は五年でやる。さらに先ほど後段で申し上げました高潮、内水、それから重要な直轄河川、特に中小河川が非常におくれておりますが、そういうものを新しくつけ加えて新五カ年計画に入れたい、こういうことで作業中でございます。
  72. 高田富與

    ○高田(富與委員 どうも北海道のことを言って、部分的なことで恐縮ですが、石狩川については利根川に次いで多額の経費をつぎ込んでもらっております。この点はわれわれ北海道の住民として感謝しておるところなんですが、ところが、それだけ多額の経費をつぎ込んでもらっておりますが、今の計画では昭和四十五年度まででその計画の六〇%までいかないような状態なのです。先ほど私は建設大臣に利根水系について申し上げましたが、利根水系の計画も、十カ年計画がおそらくは二十年かからなければ完成しないという状態だと思う。そういうことではきわめて危険、これは申すまでもなく、道路などはりっぱになることは大へんけっこうなんですが、この治水関係というのは、国民の財産ばかりではなくて、生命にまで影響ある問題なので、こういう点は特に留意をしていただかなければならぬと思うのであります。重要な河川については特段に計画の改定に力を用いていただかなければ相ならぬと存じますが、現在のおもなる河川について、大体現在の計画の改定の完成によってどの程度まで進捗を見ることになりましょうか、一応の目安を承っておきます。
  73. 山内一郎

    ○山内(一郎)政府委員 その点はまだ現在作業中の段階でございまして、全体の新五カ年計画のワクがはっきりいたしますと、そういう点も自然に出てくるわけでございますが、全体のワクもまだ明確ではございませんが、ただいま御指摘のございましたような石狩川等につきましては、十分そういうただいま御指摘の点を考慮いたしまして、従来の計画より一そう促進をしたい、そういう考えは持っておるわけでございます。
  74. 高田富與

    ○高田(富與委員 あと自治省関係ですが、河川について今度の災害を見ましても、北海道の場合、私が見た範囲では、やはり町村の所管の河川が野放しになっている。全く原始的なままの状態です。これが大きく災いをしておるように思われるのであります。見たところ、そういう感じをだれでも持つだろうと思う。この町村管理の河川の整備につきまして、やはり地方交付税等に相当考慮を払ってもらわなければならぬと思いますが、この点はどういうことになっておりますか。また、この災害にかんがみて、将来はどういうお考えのもとに処理しようとなさっておらるるか、それを承っておきたいと思います。
  75. 奥野誠亮

    ○奥野政府委員 北海道の今回の災害にあたりましては、たまたま私、自治大臣にお供いたしまして現地に参りましたので、多少事情を承知したつもりでございます。北海道の特殊な点として、国費河川、道費河川、町村費河川、そのうち町村費河川の割合が私は多いように思われるのでございます。むしろ市町村費河川を道費河川に引き上げていくというような問題が基本的にあるんじゃないだろうか、こう思うのでございまして、たまたま道の土木部長にその点を伺いますと、比較的には、北海道においては市町村費河川が多いのだ、こういうお話でありました。正確には覚えておりませんが、国費河川や道費河川が三百本足らず、市町村費河川が千本ぐらいに上っておったのじゃないか、こう思うのでございます。要するに河川法の適用も準用も受けていないような河川——河川と言うことが法律上いいのか悪いのか、とにかく通俗に言う河川、これは非常に種々雑多だと思うのでございますが、河川法の適用なり準用なりを受けております河川につきましては、河川台帳も整備されておりますし、御承知のように河川の延長を測定単位として基準財政需要額に所要経費を算入することにいたしております。しかしそれ以外の河川につきましては、ちょっとそういう方法では測定しかねるのじゃないか、こう思うわけでございまして、そういうようなことから、面積等を基礎にして所要の経費を算入するというような方法をとっておるわけでございます。どちらかといいますと、ちゃんと整備していかなければならない河川につきましては、費用負担の区分も明確にいたしまして、一定の計画を立てて整備していくことが順当ではないか、こういうような考えを持つのでございまして、これはむしろ河川局長お答え願った方がいいのかもしれませんけれども、そういうようなものであればまた延長等を測定単位にとって基準財政需要額に算入していくことができると思うのでございます。従いまして、市町村費河川で相当金をかけて整備していかなければならないものについては、むしろこれを引き上げてもらう、そして一定の計画に従って、費用負担も明らかにし、整備にかかれるようにする、かたがた基準財政需要額にも算入していくという方法が筋道じゃなかろうか、こういう考え方を持っております。御指摘になりました点、私たちも数年来頭を痛めておる問題でございます。ただ、今のところはこういう考え方を持っておるわけでございますが、さらに検討を重ねて参りたい、かように存じております。
  76. 高田富與

    ○高田(富與委員 それではよろしゅうございます。
  77. 永田亮一

    永田委員長 中島巖君。
  78. 中島巖

    中島(巖)委員 具体的に法律について二、三お伺いいたしたいと思うのです。  第二章でありますが、これは公共土木施設と、それからいわゆる公共施設と申しますか、地方公共団体が維持管理し、または財政負担をするものをここに列挙しておる、こういうように考えるわけです。そうしてこの法律を見ますと、現存しておるところの法律の補助率を基礎として、それをオーバーしたものに対して、さらに次の第四条において国がこういうような財政負担をする、こういうことになっておるわけであります。そこで先ほど高田委員の質問をお聞きいたしておりますと、大蔵省の答弁によりますと、この十二、十三、十四に対しては二分の一の補助をするつもりだ、こういう御答弁があったわけでありますけれども、この十二、十一三、十四に対しては現在補助の基本法がない。法律がない。その他は法律があるから計算ができるわけでありますけれども、この十二、十三、十四にないとしますれば、いかなるものを基準としてその二分の一という数字ができたのか、その根拠を承りたいと思うわけであります。
  79. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 確かに御指摘のように、この十二、十二、十四につきましては法がございませんが、従来、このような災害に対しましては、予算補助といたしまして二分の一を補助いたしておりましたので、今後もこの種類の災害については二分の一を予算補助として考えていきたい、こう考えておる次第でございます。
  80. 中島巖

    中島(巖)委員 そういたしたすと、法律に根拠のないもの対しては、従来の財政措置、行政措置で行なったことを基準としてやる、こういうふうに了解してよろしいわけですな。その点が一点と、それからさらに十四の湛水関係については、これは従来もそういう財政措置をしたことがないのじゃないかと僕は考えるわけです。今のこの二つの点について御答弁をお願いしたいと思います。
  81. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 十四号の湛水につきましては、一般的な補助法はございませんが、三十四災に特別立法で補助をした例がございます。
  82. 中島巖

    中島(巖)委員 三十六災の特別立法は十分の九やっておるわけですがね。
  83. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 三十四災と三十六災でございます。
  84. 中島巖

    中島(巖)委員 そういたしますと、この十二、十三、十四号に対しては、大ざっぱに言って、政府としては二分の一の補助を出す、政令を出す、こういうふうに了解していいわけですな。政令の出ないうちはわからないのですが。
  85. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 これは、十三号から十四号までを抜き出して申すよりも、ここに列挙してあります。号から十四号の一定の国庫負担額に対する裏負担について、その当該公共団体の財政負担に対してプールして計算する、こういう方式を用いることに考えておりますので、ただいま御指摘の十二号から十四号につきましても、一応われわれは二分の一の、その半分、他の二分の一を基礎といたしまして地方負担額の計算の基礎に入れて、一号から十四号までのプール計算の基礎にいたしたいと考えております。
  86. 中島巖

    中島(巖)委員 どうも話がおかしいですね。この一号から十一号までは現在現行法があって、補助率がきまっておるのですよ。ところが今私が前の高田委員あとを受けてお尋ねいたしましたのは、法律でもって災害の基本的な補助率のないものであるからどうするかということをこの三号についてお尋ねしたわけです。そうすると、あなたは、いわゆる基礎算定の数字になるところの補助率を二分の一とする予定だ、それは政令で出すんだ、こういうような意味のことをおっしゃったから、それで間違いないか、こういうことをお尋ねしておるわけであります。
  87. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 大体御質問の線でわれわれは考えております。
  88. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで、法律がないところの十二、十三、十四は、大体政府のお考えはわかったわけです。いずれこれは政令を出されてはっきりすると思いますけれども……。そこで、何といいましてもこの問題のうちで一番大きな金額になるのは、一の公共土木施設災害の復旧事業費なのですが、これは結局、この法律を見ると、現行法によって基礎算定をして、それを積み重ねて、その地元負担が、標準税収入から二〇%都道府県においては上がったものについて、その次の第四条において、これこれのかさ上げの補助をする、こういうことを規定してあるわけです。それで私はこの法律に反対するのじゃありませんよ。従来のように、公共土木は公共土木、その他はその他で切り離しておるよりは、やはり地方公共団体の財政を基準としてやるならば、こういうように一括してやった方がいい、こういうように私は考えておるわけなんです。考えておるわけなんですが、実際問題として、河川局長がお見えでありますからお尋ねいたしますけれども、旧来建設省が単独でやっておった。昨年の六月の特例法に該当するところの算定が完結いたしましたのが、たしかことしの五月だったと思うのです。その前に何度も私請求いたしましたけれども。そういたしますと、これだけの広範な十四項目にわたるものをどこで総括して数字を出して高率補助の適用の数字を出すか、こういう問題になってくると、この数字を出す機関というものは非常に心もとないという感じがするわけなんです。そこで質問の第一点として、この窓口は総務長官なんですか。
  89. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 御指摘のように、従来のように通常補助率に特別立法に基づくそれぞれの聖業別の特例率をはっきりさせて、事業ごとに計算する手数に比較いたしまして、今度のように十四項目にわたる災害の事業費を確定し、さらにそれが標準税収入との比較で累進率を適用するということになりますと、確かに非常な手数がかかることはわれわれも苦慮しておるところでございます。そこで計算方法の窓口といたしましては、今せっかく各省と連絡をとっておりますが、やはり結局は予算の上乗せ分の処理という面が非常に大きな要素になりまするので、一応ただいま大蔵省といたしましては、大蔵省が窓口になって、関係省と、または地方関係団体と連絡を密にして計算をいたしまして、この法律に基づくそれぞれの事業に対するかさ上げ率を算定して、各省に通知し、各省がそれに基づいて通常の補助率とかさ上げ率とをかみ合わせたもので大蔵省に補助金の要求をしていただく、こういうふうにやって参りたいと思っております。ただ、御指摘のように査定の問題と、それが今度はさらに各団体ごとの事業ごとの査定の数字は早急につかみにくいのではないかという面はわれわれも承知しておりますので、当初は若干問題もあろうかと思いますが、できるだけの最善の努力をいたしたいと思っております。
  90. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいまの主計官答弁を聞くと、大蔵省が窓口で計算をするという、こういうお話なんです。僕はおそらくやってみて、これはできぬと思うのです。建設省も公共土木の算定をするのに、激甚地の災害の率を出すのには、昨年の六月災害が、ことしの五月にしか出なかったわけです。そういう状態ですから、各省全部一カ所にまとめてそして数字を出すということは、なかなか困難だと思うんですよ。困難だと思うけれども、大蔵省がおやりになるといえばそれはけっこうでありますが、そこで私は一言主計官お尋ねいたしたいことは、この激甚災害地方は、私長野県の下伊那でありますけれども、昨年六月非常な激甚災害を受けたのですが、標準税収入が二千万しかないところで、十億以上も災害を背負っておる町村があるのです。従ってこの普通の立法によるところの補助とそして特別立法によるところの補助の差額というものは、三割ぐらいの額に、激甚災害はなってくるわけだ。六五%くらいのやつが九五%あるいはひどいところは九九・七%というようなところがあった。そうするとその差額が一年もおくれてしまうと、町村の標準税収入の四倍も五倍もの金をつなぎ資金としてよそから借りて出さなければならぬ、こういうような状態が起きてくるわけです。建設省が単独で公共土木をやっておってすらそういう状態ですから、あなたの方で一切やって、それぞれ各省に指示するとすると、それがもっとふえてくると思う。もっと時間が長くなってくると思うのです。そこでその場合には、大体概算で見当がつくのだからある程度かさ上げした額を地方公共団体に対して出すような措置をとらねばいかぬと思うのですが、そういう御意思があるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  91. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 法律的には補助額が決定しないままで概算交付というわけに参らぬかと思いますが、まあ激甚の町村のような場合、今のお話のような非常に極端に災害をひどく受けたというような場合は、一般の災害補助の金額につきましても早急に措置を要する問題でございますので、それと合わして、数からいたしましてもそういう場合はそう多数あるというわけではないだろうと想像されますので、そういう激甚は市町村にはできる限り敏速かつ的確に事務を進めるように努力して参りたいと思っております。
  92. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで、これは先ほども申しましてくどいようでありますけれども地方公共団体の財政を考えて、地方公共団体の財政負担になるものを一括してこういうような新しい法律を作ったということは、これは私はいいと思うわけです。ただいま言ったような問題が出るということ、もう一つは各省のものを全部一括して一カ所へ集めまして、それからおのおの現行法の補助率を基礎として、今度は地方負担の分をはじき出して、その上に今度は第四条に示してあるところの高額補助の率を適用するわけでしょう。そうしておいて、またこの法律によると、各種目ごとに今度はそのパーセンテージを見て公共土木は公共土木、学校は学校でもってまた戻して、各省で各種目ごとの金額をはじき出す、こういうことになるのですから、一応はある一カ所の窓口で算定して、それから逆に各省へ割り戻す、こういうことになるわけなんです。  そこでお伺いしたいことは、大蔵省でそれをやるとして、それだけではたして手があるのかどうかということが一点と、もう一点は、これは自治省にお伺いするのでありますが、そうして戻した分に対するところの起債関係になるわけですが、この起債関係はやはり従来通り各種目別に、起債の充当率にするのかどうか、この点をお尋ねしたい。
  93. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 ただいまでも一号から十四号までの列挙してある事業だけを見ますと、非常に多種類にわたるように感ぜられますが、実際の被害から勘案いたしますと、公共土木施設と農地農業用施設が被害額としては大部分を占めようかと思います。本年度の三十七年度の災害の被害の状況を勘案いたしましても、大体九割五分以上がただいま申し上げたような公共土木と農業用施設の被害額になっているような状況でございまして、通常被害額の算定はただいま農林省——至るところを合わせまして建設省の方で一括してやっておりますので、今後も通常被害の方の算定は従来通り建設省にお願いいたしまして、その被害額の早急なる結果を待って、その上乗せ分の地方負担額に対する措置でございますもので、全部大蔵省が根っこから計算するということにはならないかと思います。その辺は建設省と大蔵省との緊密な連絡の上で、この激甚分だけの計算を大蔵省がやる、こういうことになると思います。
  94. 中島巖

    中島(巖)委員 何だかわかったようなわからぬような関係なのですが、結局建設省で厚生省関係なんかも計算するのですか。
  95. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 ちょっと言葉が足りなかったかと思いますが、一号から四号の中には建設省関係と農林省関係以外に厚生省及び文部省関係が入ってきております。これは一応基礎の方は通常の率に基づく算定はそれぞれの省でいたします。それの地方負担額を総体として計算するのは大蔵省でいたすことになっております。
  96. 中島巖

    中島(巖)委員 ほかにも質問される方があるようでありまして、いろいろお聞きしたいこともたくさんありますが飛ばしまして、この第三条の現在の算定法の関係について一、二お尋ねいたしたいと思うのでありますけれども、この補助率がどうなるかということが一番だれも関心を持つ問題でありまして、高率補助と言いましても、この特例法のような高率補助になるのかならぬのか、これが一番関心を持つわけであります。そこで公共関係におきましては第四条においてこうした規定があるわけであります。さらに不明なところは政令で定めるとなっている。ところが農林水産関係の特別の助成については、こういうような数字がさらになくして第五条の二項において「政令で定める額に相当する部分の額を政令で定めるところにより区分し、その区分された部分の額にそれぞれ十分の九の範囲内において政令で定める率を乗じて得た額を合算した額とする。」こういうことになっておるのですが、これは大蔵省でも農林省でもけっこうでありますけれども、すなわちこれが補助率の算定の基準になるのではないかと思うのでありますが、その辺のところを詳しく御説明願いたいと思うわけであります。
  97. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 ちょっときょうは、私は公共事業の方の主計官でございまして、農業関係の方を担当いたしておりませんので、不十分かと思いますが、一応御説明さしていただきます。  一応この第五条の第二項で考えております補助の金額につきましては、被害農家二月当たりの補助の裏負担分が一万円から二万円に相当する範囲におきましては十分の七、二万円から六万円に相当する部分については十分の八、六万円をこえる部分については十分の九、こういう補助率を一応政令で考えております。
  98. 中島巖

    中島(巖)委員 そうするとこの二項の政令の中身を今お漏らし願ったのでありますが、これがこの農林水産関係に対する災害復旧で一番大事じゃないかと思うわけでありまして、従ってこの政令を完全にこしらえろといっても、これで見ると、政令々々で逃げてばかりいるので、なかなか大へんな話ですから、こういう中身だけは、要綱だけでも、できましたら委員会で提示していただかぬと、せっかくこの法律審議をしておっても、中身の数字がわからぬ、こういうような結果になるわけなのです。  それからあまり長くなっても恐縮でありますので、これは特に自治省関係にお伺いいたしたいと思うのですが、最後の二十四条でありますが、この一項の方は公共土木並びに公共施設の関係が出ておるわけでありまして、二項の方は農地、農林水産関係が出ておるわけであります。この前の特例法において、起債の特例の法律を昨年こしらえたわけでありますけれども、大体これを見ますと、そのときと同じ結果になるんだろう、こういうふうに大体推定ができるのでありますけれども、この農林災害の中において、地元負担に対して起債の充当率は大体百分の七十と聞いておりましたが、これには「百分の六十五」と書いたり、それから被害のさらに著しい地方については「百分の九十の範囲内において政令で定める率に相当する額の範囲内」こうなっておるのであります。この百分の六十五と百分の九十の境は、いわゆる政令で定めるのですが、政令の内容は具体的にどういうことになっておるか、お伺いいたしたいと思うわけであります。
  99. 松島五郎

    ○松島説明員 お答えをいたします。  ただいま先生指摘の農地、農林災害に対します起債の充当率は七十と仰せられましたのは、公共関係の、すなわち国の補助金を伴います部分についての残りました地方負担に対しての起債の充当率のことでございます。ここに掲げてありますのは、単独と申しますか、補助の対象とならない小災害について、補助にかえて起債を認める、その起債について元利補給をするという制度でございます。従いまして通常の場合は、御承知通り農地については国が五割、農林水産業施設については六割五分の補助となっておりますので、それに相当する起債を認めるというのがこの規定でございます。カッコの中は、被害が特に激甚な場合には、国が補助をいたしますものについても補助率を高めていくことになっておりますので、それに対応いたしまして、起債の充当率を高める、こういうことでございます。
  100. 中島巖

    中島(巖)委員 そうしますと、ここに書いてあるのは、小災害の関係ですか。
  101. 松島五郎

    ○松島説明員 そうでございます。
  102. 中島巖

    中島(巖)委員 そこでつまり農地並びに農業施設の関係については、地方公共団体施行主体になった場合において、地方公共団体に対する負担率は、おそらくこれは普通の場合と激甚災害の場合と違いますけれども、現在どのような起債の充当率を認めておるか。この点をお伺いしたい。
  103. 松島五郎

    ○松島説明員 一般の公共事業として行なわれます農地農林施設の災害復旧事業についての地方負担に対しましては、初年度七〇%、次年度五〇%の充当率といたしております。もちろんこれは被害の程度に応じまして、多少増額する場合もございます。
  104. 中島巖

    中島(巖)委員 どうも何だか話が違うような気がするのですが、公共土木の関係は一〇〇%起債を認めておるわけでしょう。私の今質問をいたしましたのは、農地農業用施設の災害復旧事業で地方公共団体施行主体になっておるものの地元負担に対して、どういう起債の充当率を認めておるか。この認めておる際にも普通の災害復旧の場合と激甚災害復旧の場合には、二様の取り扱いをしておるだろうと推定をいたしますので、その点をお尋ねしたわけです。
  105. 茨木広

    ○茨木説明員 お答え申し上げます。  一般の土木の場合は、現年度が一〇〇%、それから翌年度災が七〇%で、ただし連年災等の主体については、七〇%の配分しましたワクの範囲内におきまして、県内において調整を加えまして、九〇%程度までそれぞれの団体の実情によって高めていく、こういう充当率にいたしております。  それから次は、農地農業用施設等の場合でございますが、この場合の起債のつけ方といたしましては、現年災が七〇%、それから翌年度災が五〇%という充当をいたしております。その他の残りにつきましては、受益者の負担金をとってやる、こういう建前にいたしております。  それから激甚の小災害の場合につきましては、ただいま御議論がございましたように、五〇%それから六五%という範囲内において補助金のかわりに一応公共団体が持ってもらう。その部分につきましては、起債を一〇〇%つける。  それから超激甚地帯に対しましては、九〇%までの範囲内においてやはり市町村負担する。その残りの分は、受益者負担として受益者の方がお持ちになる、こういう建前で当該市町村が持つ分につきましてやはり一〇〇%起債をつける、こういうふうにいたしております。
  106. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで今お話を伺っておると、大部分がこれから政令をおこしらえになるようでありますから、この過去の災害について特に感じたことを、大蔵当局自治省に対して要望をして、政令の中にぜひ入れてもらいたいと思う。それはどういうことかといいますと、地方財政法の第五条の第四号でもって災害に関係した分については起債を認めることができる、こういう項目があるわけなんです。ところが災害に対して、激甚災害を受けると、先ほども申しましたように一市町村二、三千万しか税収入のないところが十億以上の災害を受けておる。従って、工事は竣工の検査を受けてでないとその金がおりぬわけです。その間に業者に対してはつなぎ融資を借りて渡しておるわけであります。このつなぎ融資の件は、農林漁業金融公庫法なんかを見ましても、はっきりと法律の中にもうたってあるのです。このつなぎ融資というものは、ほかには絶対に使わなくて災害だけに使っておるわけなんです。従って、災害復旧で事務費なんかを見ると同じように、このつなぎ融資もやはり災害復旧の費目として起債の対象にするようにしていただきたい、これが一点。  第二点といたしましては、激甚災害の場合も、当年度は起債の充当率七〇%を認めるが、次年度は五〇%だ、こういうような説明なんです。けれども、その災害の非常に激甚な場合におきましては、これは農林災害でありますけれども、おそらく農林災害はその年に二〇%できるところは珍しい。おそらく一五、六%しかできておらぬのです。八五%が翌年度以降に持ち越されるのです。その場合に、翌年度になって七〇%を五〇%に起債の充当率を下げられるということはこれは非常な問題でありますから、激甚災害の地区に限っては次年度の起債の充当率を考慮していただきたい。これはかつて何度も申し上げたことでありますけれども、なかなかいれられなかったのでありますが、こういう際であり、ぜひそういうようにしていただきたいと思うのです。  そこで最後に、あまり長くなりますから、この辺で設問を打ち切りますけれども、この法律を見ましても、ただいまの質問の過程によっておわかりだと思いますけれども、一番肝心の、率をどうするか。たとえば農林災害においても率をどうするかというようなところへいくと、政令にゆだねるとなる。われわれの一番聞かんとするところはそこなんです。その政令の大体は内容ができておるらしいので、ぜひその要綱を出していただきたいと思います。  それから、これは私一人の意見で党へ行けば何と言われるかわかりませんけれども、党としましても四、五点修正のように委員会でおきめになったようであります。けれども、ことしの災害に、どうしてもこれから特別立法をこしらえるわけにはいきませんから、この法律成立さして、そして適用してもらいたい。けれども、先ほどから質疑の過程においておわかりのように、計算するだけでも一年かかってこの高率補助の率が出てこぬのじゃないかと、私は失礼ながら思うのです。しかも各省が政令にゆだねてやられておる。その政令もまだ出てこぬ。要綱もありやなしやわからない。しかし会期はあとわずかだが、この法律成立させたい、こういう羽目になっておるわけです。従って、これはさらに政令なんか完備いたしましたら、通常国会において再検討するようにして成立だけさせるような方向に、委員長その他の諸君で持っていただいたらどうかということを申し上げまして、私の質疑をこれで打ち切ることにいたします。
  107. 松島五郎

    ○松島説明員 前にお話がございました前段の二点について、私ども考えを申し上げたいと思います。  その第一点は、前にも先生から御指摘のございました、災害復旧事業のために借り入れたいわばつなぎ融資の利子も災害復旧事業に要する経費と見るべきではないかというお説でございます。これは現在地方財政法では、地方債を起こし得る場合として、災害復旧事業費という言葉があるわけでございます。ただこの法律の解釈といたしましては、たとえば公共土木施設災害復旧事業費国庫負担施行令の第四条にも、災害復旧事業費は本工事費附帯工事費、用地費、補償費、機械器具費、及び工事雑費等をいうんだというような規定がございます。また公立学校施設災害復旧費国庫負担法の第四条にも、ほぼ同様の規定がございまして、災害復旧事業費と法律的に申しますと、一般に工事費そのものあるいはそれに附帯する経費だけを含んでおるのでございます。従いまして、今お尋ねのつなぎ融資の利子も災害復旧事業費だと見て、さらにそれを起債の対象にするということは、今の財政法の解釈からいってもいかがかと存ずるのでございます。また借金の利子のために借金をするということ自体も、将来に財政負担を残すことになりますので、実際問題としてもこれはまずいんじゃないか。そこで私どもといたしましては、こういった災害に伴ってはいろいろな経費がかかるということを考えまして、特別交付税の配分にあたりましても、災害復旧事業費等を基準として一定の割合で特別交付税を交付するというような措置を講じてきておるわけでございます。個々の団体にとりましては、そういう一般的基準であるいは適当でない場合もあろうかと思いますが、それは実情においてまた勘案していきたいというふうに考えております。  それから激甚な場合には、七〇%、五〇%ということにとらわれずに起債の充当率を高めるべきではないかというお話でございますが、これにつきましてはできるだけ御趣旨に沿うよう善処して参りたいと考えております。
  108. 中島巖

    中島(巖)委員 もう一言だけ。二つの質問のうちのあとの方はけっこうでありますが、前の方の借金の利子にまた借金をというようなお話でありましたが、これは借金といいましてもいろいろな関係で、実際政府の補助金の来るのがおそいわけなんですよ。それを担保にして業者にやらなければ、業者は仕事ができぬからやるわけなんで、別に借金のわけじゃない、補助金が来れば消えてしまうわけであります。そこであなたの御答弁は、法律上こうなっておるから、こういうことで、それは役人というのは法的根拠に立っておるものであるから、法律は守らなければならぬから、そればけっこうであります。ところが広義に解釈すれば工事雑費の中に入らぬですか。工事雑費の費目はこれとこれでもるという規定があるのですか、規定がないとすれば工事雑費の中に入れてもいいし、そうでなければまた法律改正をしてもいいと考えるわけです。それば常識から考えて、工事が竣工して竣工検査を受けて、その竣工検査に基づいて金を請求して、本省から来るまでには非常に日にちがかかる、どうしたって実際問題としてつなぎ融資が要る。大蔵省の預金部でもつなぎ融資を出しておる、また農林漁業金融公庫法においてもつなぎ融資を認めておる。そしてその金は災害以外には一銭も使わぬ、災害オンリーに使う金であって見れば、これは見てやらなければならぬ。法律がそうなっておったら、あなたたちは法律をこしらえることは上手なんだから、一つこしらえて、国会に出せばいいじゃないか、そういうふうに一つ御配慮願いたいと思います。
  109. 松島五郎

    ○松島説明員 先生のお話はよくわかります。私どもも、市町村が、国庫補助金がおくれますためにつなぎ融資をしなければならぬという事態が起きないようにすることが一番望ましいわけであります。根本的にはそういう問題があるわけであります。各省にも補助金の早期交付についてはいろいろお願いをいたしておるわけであります。ただ実際問題として、先ほど御指摘になりましたようなかさ上げ率の計算とか、そういった事情からおくれている部分もございます。かつて昭和三十四年災のときにそういった事態を考えまして、市町村別に工事の施工時期と支払い時期、そのときにおける国庫補助金の交付状況、歳計現金の状況、この四つのものを対照しながら、どれだけ補助金の交付がおくれたために一時借入金をしなければならなかったかということを調査をいたして、それの国庫補助金のズレに伴う町村の一時借入金の利子負担について、特別交付税を交付するということをやったらどうかというので検討をいたしたことがございます。しかし、これはこまかいことになって恐縮でありますが、実際問題としては、歳計現金というものにはしるしがついておりませんために、なかなか、どれが国庫補助金がおくれたために一時借入金が発生する原因になったかという決定的なきめ手をつかむことが、むずかしかったのでございます。そこで、そのときはいろいろな方法を講じまして、一応やってみたわけでありますが、非常に手数のかかる割合に、実際市町村の御要望にもなかなか沿いかねるというような状態でございます。そこで、先ほども申し上げましたように、要するに災害を受ければ、表向き国庫負担法なり何なりの規定にひっかかるもの以外に、いろいろと経費が要るであろう、その経費の要り方というのは、やはり災害の大きさに比例するものであるというような観点から、現在は災害復旧事業費の二%程度特別交付税で交付するという措置を講じておるわけであります。その特別交付税が、そういう利子負担に充てられるとか、いろいろなその他の経費に充てられるということを期待いたしておるわけであります。その分そのものとして特別交付税を一々計算するということは、はなはだ困難な面がございますので、そういう措置を講じております。従いまして、つなぎ融資の利子のためにもう一度借金をするというようなことばやはり適当ではないのではないかというふうに考えます。
  110. 古屋亨

    ○古屋政府委員 ただいま御指摘の、政令案の基礎になります補助率の大綱につきましては、すみやかに要綱案を作成いたしまして、御審議に間に合うように御配付いたします。
  111. 永田亮一

  112. 太田一夫

    太田委員 時間の関係で少々お尋ねをしておきますが、一番最初に高田さんがおっしゃった中央防災会議のお話は、聞いておってもどうもよくわからないのですが、これはだれに聞いたらいいですか。次官、あなたに聞きましょう。どうですか。中央防災会議の会長はきまったんですか。
  113. 藤田義光

    藤田政府委員 会長はきまりました。
  114. 太田一夫

    太田委員 だれですか。
  115. 藤田義光

  116. 太田一夫

    太田委員 総理大臣に事故あるときの代行者はだれですか。
  117. 藤田義光

    藤田政府委員 総務長官が事務局長になりますから、実質的には総務長官が大体代行できると思います。現実の問題として、総務長官がやると思います。
  118. 太田一夫

    太田委員 総務長官は委員になっていますか。念のために、委員の名前をちょっと読み上げて下さい。
  119. 古屋亨

    ○古屋政府委員 ただいまのところ、実は総理大臣が中央防災会議の会長でございますが、委員は十七名を七月十一日付で任命になっております。委員は大蔵大臣、文部大臣、厚生大臣、農林大臣、通産大臣、運輸大臣、郵政大臣、労働大臣、建設大臣、自治大臣、北海道開発庁長官、防衛庁長官、科学技術庁長官、これだけの大臣と、日本銀行総裁、日本赤十字社社長、これだけの合計十七名でございます。
  120. 太田一夫

    太田委員 総務長官はその中に入っているのですか。
  121. 古屋亨

    ○古屋政府委員 総務長官は委員のうちには入っておりません。
  122. 太田一夫

    太田委員 しからば古屋さん、委員でない者が会長の代理になれますか。
  123. 古屋亨

    ○古屋政府委員 基本法で「会長は、内閣総理大臣をもって充てる。」ということを申し上げましたが、「会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。」ということになっておりまして、総務長官は委員にはなっておりません。総務長官は事務局長に政令ではなっております。
  124. 太田一夫

    太田委員 だから、会長事故あるときの代理者はだれですかと聞いたら総務長官だという話だから、それじゃおかしいじゃありませんかと言っている。どうなんです。だれですか。
  125. 古屋亨

    ○古屋政府委員 会長事故あるときはただいま申し上げましたよううに、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する、総務長官ではございません。これはあらためて御訂正いたします。
  126. 太田一夫

    太田委員 だから、だれですか。
  127. 古屋亨

    ○古屋政府委員 ただいままでまだその指名手続は済んでおりません。
  128. 太田一夫

    太田委員 古屋さん、だから中央防災会議もできておらぬという体制のもとに——今たまたま十二号台風が向こうへ行って下さったからありがたいですね。しかしかまえとしては、そのかまえが、僕はこの財政援助法にも出ていやしないか、高柳さんも先ほどから苦労して御答弁になっていらっしゃるし、松島さんも一生懸命苦労してやっていらっしゃるけれども、どうも隔靴掻痒の感を免れない。その原因はかまえにあるのじゃないですか。あなた方の窓口なら窓口にそもそも故障があるんじゃないですか。窓口は大丈夫ですか。
  129. 古屋亨

    ○古屋政府委員 事務的手続がおくれていることはまことに申しわけありません。できるだけすみやかに局員、主事等を任命をしていただきまして、ただいまの御趣旨に沿いましてできるだけすみやかにいたしたいと思っております。実は私どもこの仕事につきまして非常に努力をしておりましたが、幹部の方で病気その他がございまして、連絡がおくれまして、そういうような事情でおくれましたことはまことに申しわけないと思っております。
  130. 太田一夫

    太田委員 先ほど学識経験者の中に日本赤十字社のだれやらと日本銀行のだれやらと二人出ていたのですが、少ないですね。学識経験者も三人寄らないと文珠の知恵は浮かびませんよ。二人とはちょっと少ない。そんな精神じゃないはずだ。これは私はもっとよけい要ると思うんだが、別に私が任命するわけではないから、あなたの方の御説明はそれで了承しておきましょう。けれども、なるべく早く体制を整えて、この激甚災法などにももっと根本的に、真剣に取り組んでいただかなければ困ると思うのです。  さて、そこで聞きます。これはだれが立案されたのでしょうか。松島さん、あなたは専門家だから聞きますが、政令というのは幾つあるのですか。この中にずいぶんたくさんあって勘定できないのですが、何十ぐらいあるのです。
  131. 松島五郎

    ○松島説明員 大体三十四項目ぐらいになる予定でございますが、法律上、一つの条文で政令で定める地域とか政令で定める額とかある場合は、政令は一つの項目にして規定する予定のものも含まれております。そういうふうに勘定して大体三十四項目ぐらいになろうと思います。
  132. 太田一夫

    太田委員 三十何項目でなくて、大体政令にゆだねたというのはどれくらいあるのですか。政令の案文があるでしょう。茨木さんどうです。あなたはご存知じか。それとも奥野さんが一番詳しいかな、だれでもいいですから一つ答えて下さい。——答弁がなければいいのですけれども、われわれとしては、地方団体や国民は四苦八苦ですから、四十九と八十九の間だろうと思うのです。大ざっぱにそう思うのですけれども、こんなにたくさんの政令があるから、これは政令の骨子がある程度明らかでないと、これらの審議ができないということも御承知だと思うのですが、政令の把握が十分でない、この点一つ問題がありますね。  それからもう一つ承りますが、伊勢湾台風の三十四年災、あれを例にとりまして、あのときの特例法でこれからはずされておるのは何と何と何ですか。
  133. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 先ほどの政令の数の御質問でございますが、基本法の方の政令は幾つかというふうにも受け取れましたのでお答えをちゅうちょいたしたのでございますが、この激甚災害財政援助等に関する法律の政令の数がどのくらいあるかというふうに了解いたしますと、われわれが準備いたしておりますのは大体三十四、五項目でございます。これを先ほどお答えいたしましたように今至急整理いたしておりますので、この委員会にお示しして御審議に供したいと思っております。
  134. 島村忠男

    ○島村説明員 ただいまの落としたものはどれとどれであるかという御質問でございます。落としたものは一応項目だけ先に申し上げます。災害救助でございます。これは災害救助法そのものをこの法律案では全然扱っておりません。災害救助法は災害救助法の改正といたしまして別に処理されているわけでございますので、災害救助が入らないのはそういう理由でございます。それから失業対策事業、公的医療機関の災害復旧、水道施設の災害復旧、これは上水道、簡易水道両方でございます。それから汚物処理、次に私立医療機関の災害救助資金の融通措置、次に国民健康保険料及び一部負担金の減免に対する特別措置、それから次が除塩事業でございます。これは農林の関係でございます。次に同じ農林関係でありますが、任意共済にかかわる保険金の支払い等の資金の融通措置、次に同じく農林関係で、被害農家に対する米穀の売り渡しの特例措置、その次が大蔵所管の国有機械の減額売り払いの特例措置、これは中小企業向けのものでございます。  項目としては以上でございます。
  135. 太田一夫

    太田委員 十一ほどこれから抜けておるわけですね。その他は全部入っておるものと考えまして、その入っておる特例法の各項目に対する激甚災害援助法の中にある補助率というのは、三十四年災のときの特例法の——建前は違いますけれども、大ざっぱにいってその補助率と変わらない。もし下回っておるものがあるとするならば、それを言って下さい。
  136. 島村忠男

    ○島村説明員 ただいま申し上げました落ちるもの以外は、御指摘通り全部入っておるわけでございます。そして入っておるものにつきましてのそれぞれの率につきましては、第二章の公共施設のように新たな合算方式を適用するのは別といたしまして、その他は全部従前の例を踏襲いたしております。ただ法律案の第八条でございますが、天災融資法関係でございます。ここの第三項の最後のところでございますが、二項を読み上げますと「天災融資法第二条第三項の規定による天災が激甚災害として指定された場合における政令で定める都道府県の区域に係る当該天災についての同法の適用については、同法第二条第七項中「五百万円(連合会に貸し付けられる場合は一千万円)」とあるのは、「一千万円(連合会に貸し付けられる場合は一千五百万円)以内で政令で定める額」とする。」こうしてございますが、この最後の一千五百万が三十六災の場合に三千万という商いものが出ておった例がございます。それを一千五百万に、ダウンしたということでございますが、その理由は二千万を最高といたしましたゆえんが伊那谷の激甚災、これに対するほんとうの特特令という形で出されていた。大体伊那谷のような場合はちょっと今後想像もつかぬのじゃないか、二千万というところまでいかぬでも千五百万で大体差しつかえないのではないか、こういうことでこれが数字が下がっております。あとは変わったところはないはずでございます。
  137. 太田一夫

    太田委員 それでは一つ具体的な資料を少し御説明いただきたいのですが、これによりますといわゆる総合負担方式のかさ上げ方式と申しますか、この方式が新しくできましたけれども、これは地方団体の財政力に応じて自動的にスライドできるような工合に、いわゆる黒字団体というのはなるべく少なくし、赤字団体の方にたくさんいくように、こういうことだろうと思うのですけれども、大蔵省の高柳さんにお尋ねしますが、一体地方団体というのはたとえば東京、神奈川、愛知、大阪とかいうところにいたしましても、これはあなたの目から見ると、今の地方財政水準というのは今の収入をもって、予算をもって十分である、いわゆる激甚災が起きようとどうあろうと特別に補助をする必要はないのだ、そういう気持があるのですか。
  138. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 この法律を御審議願っておる趣旨から申しましても、激甚な災害を受けて気の毒な状態にある地方団体に対しまして、国が一般の補助率以上に特別な財政援助をいたそうという法律でございますので、地方が金があるからないからといって、災害に対して国が冷淡であるかという御質問については、決してそういう考えは持っておらないと断言できるかと思います。ただ黒字だから援助しない、赤字だから援助するという趣旨ではございません。基準のとり方がいわゆる基準財政需要と基準財政収入の差引でものを考えておるわけではございませんで、標準税収入の面から考えておりますので、国が一定の率以上にかさ上げ分の特別の援助をする際には、援助を必要とする地方負担力に応じて援助を累進的にいたそう、それにはやはり標準税収入の高いところで比較的災害が少ない場合にはそのかさ上げする率は低い、標準税収入が少なくて、そして災害が多くて地方負担額が大きいという場合には国の援助額を増大させよう、こういうふうに考えております。
  139. 太田一夫

    太田委員 たとえば三十四年災の場合を本特例法に引き直してみますと、山梨県の場合において九千三百万円のかさ上げ、さらにプラスになる。それから奈良県において六千九百万円、三重県において九億一千二百万円のプラスになる。ところが岐阜県においては八千八百万円のマイナス、愛知県十二億円のマイナスとなるということが三十四年の伊勢湾台風のときの数字を基礎としておおむね計算された数字だと聞いておりますけれども、こういうふうに岐阜県のごときところでさえも八千八百万円の補助の低下ということになる。さらに愛知県においては十二億であって、これはちょっと例が局限されておりますから何とも言えないのでありますけれども、日本全体の北海道から九州までの各地方団体のその富の程度と申しますか、財政力のバランスというものとこの援助法に書いてあるところの率の組み方というものがはたして平衡しておるかどうか、非常に疑わしい点がある。岐阜県などにおいてこういうふうにマイナスしなければならぬという理由は、われわれは常識的に考えられない。従ってこの仕組みというものにどこか欠陥があるのじゃないかという気がするのですが、やはりあなたの方にはそういう数字的に説明する資料をお持ちでございましょうか。
  140. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 御質問の数字的にという意味がちょっとわかりかねるのでございますが、こういうプール方式をとりました趣旨は、従来の事業別の高率補助では、被害額に応じて、被害額が大きい場合には標準税収入とは一応関係なしに高灘の適用があるわけでございますが、その適用をしてもなおかつ被害が大きい場合には、地方負担はそのまま大きい形で残るわけでございます。ところが今度の標準税収入を標準にとりまして累進的に補助率を高くしていきますと、地方負担額が被害の量に応じて漸減していくといううまみがあろうかと思うのであります。
  141. 太田一夫

    太田委員 興野さんどうですか、財政当局としてごらんになって、この仕組みではたして地方財政というものの均衡がとれるかどうか、この点は私は非常な疑惑があるのです。今、高柳さんちょっと誤解していらしたようですが、私は資料があるなら、この際数字的な説明資料も出してもらいたいと思うのです。委員長、そういう点は関係当事者に資料上の数字がありましたら、ぜひ一つ出していただきたいと思うのです。奥野さんどうですか、この仕組みというものに対しては何か六%の特交というものを当てにして仕組んだのであって、そのアンバランスは特交でやれということがどこか裏約束の取引になっているのですか。
  142. 奥野誠亮

    ○奥野政府委員 従来の仕組みと今回の仕組みと違います根本の点は、一つは地域指定があるかないかという問題でございます。相当な災害を受けておりましても、その地域が指定されませんと、国からの高率負担がもらえなかったというのが従来の実態でございます。その点は今回は、その災害の程度が標準税収入に比べてみましてきつい場合には、特別な二段援助を受けられるわけでございますので、一そう合理的になっていると思います。もう一つは、従来のいき方でありますと、個別に国の負担額をかさ上げしておったわけであります。今回は地方負担額を総合しているわけであります。これもやはり総合して見た方が合理的だ、こう思われるわけでございます。二つの点が合理化されておりますから、その結果、団体によりまして、前の制度の方が国から援助が多く受けられたという団体もございましょうし、今度の方がよくなったという団体もあろうかと存じます。基本的にはやはり合理的になっていると思うのでありまして、ただ御指摘になりましたように、岐阜県をとってみますと、必ずしも財政がよくないのに、この制度の結果よくなっていないじゃないかということにもなるわけでございますけれども、どちらかと言いますと、この制度より前の制度の方が岐阜県の場合には有利であったということであって、その有利であったということが合理的であるとは言えないと思うのでございます。なお同様に、国が援助します仕組をはっきり事前に知らしておくわけでございますから、地方団体といたしましても、激甚災害を受けました直後から、どの程度国から援助が受けられるかということがわかるわけでありますので、復旧に専心できるのじゃないかと思っておるわけでございます。  なお特別交付税の裏取引があるのじゃないかというお話でございましたが、そういう点は全然ございません。持別交付税の割愛につきましても、さらに災害復旧についてより効果的であるように合理化していきたい、そういう方法についてなおいろいろと研究を続けておる最中でございます。
  143. 太田一夫

    太田委員 そういう方向についていろいろと研究をお続けなさるというところに私は力点を置いて聞きます。こんなものはいいはずがない。とにかく狩野川台風以来、各激甚災においていろいろと資料があるでしょうから、その資料に当てはめていただくと、ぴたりとこのもののよしあし、真贋がわかる。具体的な例を言うと、纐纈さんがいらっしゃるから悪いですが、岐阜県のごとき民度の低いところ、租税負担力のないところで、今までの激甚災の援助よりも少なくなるということで何がいいのです。そういうところに対する思いやりがなくて、あなたはたまたま今までよかったところが悪くなったからといって既得権を主張してはいかぬとおっしゃるでしょうが、かつて国会の総意をもって個々の単独のいわゆる直列式の特例法をおつくりになったときの精神と、今後の総合負担方式をつくった精神とが、がらりと変わるということについては、国民は納得しないであろう、こういうことを思うのですよ。しかしこの第四条ですか、第四条を見ても、百分の十までは全然かさ上げする気がないのですから、もし弱小団体に対してもう少し力を入れるというなら、この辺のところに配慮があってしかるべきである。百分の五十といわずに七十、八十に引き上げていって、上の方を少なくするのならわかる。考え方として、非常に財政力の弱いところは下の方でもたくさんやらなければならないのじゃないか、そう思うのです。だからそういう段階のきざみ方に私は不満があるのですが、今私が二、三申し上げたのは例であって、具体的に実例に照らし合わせるとどういう結果になるかという資料をお出しいただきたいと思うのです。委員長、資料をいただかないと質問するのに都合が悪いですから、きょうはこの辺にとめておいていただいて、あとあした資料が出てきたらやりたいと思いますから、お諮りいただきたい。
  144. 高柳忠夫

    ○高柳説明員 御指摘通り法案を御審議していただくのにできるだけの資料を用意いたすつもりで、ただいま準備はいたしております。きょうは初日でございますので、御提出は問に合わなかったのでございますが、できる限り資料を本国会に出すつもりであります。      ————◇—————
  145. 永田亮一

    永田委員長 この際、連合審査会開会の件につきましてお諮りいたします。激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案について、災害対策特別委員会より連合審査会開会の申し入れがございます。この際この申し入れを受諾し、災害対策特別委員会と連合審査会を開会するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、連合審査会の開会の日時につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そりように決しました。  この際、私から二言お願いを申し上げます。  会期も半ばを過ぎたことでもあり、また激甚災害法律案は、きわめて重要な法律案でありますので、委員会散会後の理事会で審議日程等について十分協議はいたすつもりでございますが、今後は、定例日以外でも連日の審議をお願いすることになるかもしれませんが、委員諸君には、十分諸事情御了承の上、何とぞ審議に御協力をお願いする次第であります。  次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十一分散会